JP2015115697A - 無線アクセスシステム,及び無線制御装置 - Google Patents

無線アクセスシステム,及び無線制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】大ゾーンセルモードで動作する無線装置を動的に選択可能とする。
【解決手段】それぞれセルを形成する複数の無線装置を制御可能な無線制御装置は、複数の無線装置を監視する処理と、監視の結果が所定条件を満たしたときに前記セルより大きい大ゾーンセルを形成する大ゾーンセルモードで動作する無線装置を前記複数の無線装置の中から選択する処理と、選択した無線装置を大ゾーンセルモードへ切り替える処理と、を実行する制御装置を備える。
【選択図】図10

Description

本開示は、無線アクセスシステム,及び無線制御装置に関する。
関連技術として、主無線基地局の周囲に複数の従無線基地局が配置され、従無線基地局の何れかに障害が発生した場合に、該従無線基地局の通話ゾーンをカバーするよう、主無線基地局が通話ゾーンを拡大する技術がある(例えば、特許文献1)。
また、移動通信分野において、無線アクセスシステムを形成する基地局装置の一形態として、複数の無線装置と、各無線装置を制御する無線制御装置とを備える基地局装置がある。例えば、3GPPで標準化された無線アクセス規格であるLong Term Evolution(LTE
)や、LTE-Advanced(LTE−A)では、次のような基地局装置(無線基地局:eNode B
(eNB)と呼ばれる)がある。すなわち、基地局装置は、Radio Equipment Control(
REC)と呼ばれる無線制御装置と、REC装置に接続され、それぞれセルを形成する複数の無線装置(Radio Equipment (RE)と呼ばれる)とを含む。REC装置と、複数のRE装置のそれぞれとは、例えば、無線基地局の内部インタフェースの標準仕様の一つであるCommon Public Radio Interface (CPRI)を用いたリンクで接続される。なお、RECは、Base Band Unit (BBU)と呼ばれ、REは、Remote Radio Head(RRH)と呼ばれることもある。
特開平5−259967号公報
関連技術では、予め決められた主無線基地局の通話ゾーンが拡大される。これと同様に、所定条件下で、通常のセルより大きい「大ゾーンセル」を形成する大ゾーンセルモードで動作する特定のRE装置を複数のRE装置の中から予め決めておくことが考えられている。例えば、或るRE装置の故障時に、特定のRE装置が大ゾーンセルモードに切り替えられて大ゾーンセルを形成する。
しかしながら、大ゾーンセルモードで動作する特定のRE装置を予め定める手法では、特定のRE装置が故障すると、大ゾーンセルを形成することができなくなるという問題があった。
本開示は、大ゾーンセルモードで動作する無線装置を動的に選択することができる技術を提供することを目的とする。
本開示は、それぞれセルを形成する複数の無線装置と、
前記複数の無線装置を制御可能な無線制御装置であって、前記複数の無線装置を監視する処理と、前記監視の結果が所定条件を満たしたときに前記セルより大きい大ゾーンセルを形成する大ゾーンセルモードで動作する無線装置を前記複数の無線装置の中から選択する処理と、選択した無線装置を前記大ゾーンセルモードへ切り替える処理と、を実行する制御装置を含む無線制御装置と、
を備える無線アクセスシステムである。
本開示によれば、大ゾーンセルモードで動作する無線装置を動的に選択することができる。
図1は、実施形態に係る無線アクセスシステム(無線通信システム)の例を示す。 図2は、RECの構成例を示す図である。 図3は、RECのハードウェア構成例を示す図である。 図4は、REの構成例を示す図である。 図5は、REのハードウェア構成例を示す図である。 図6は、LTEに準拠する基地局装置で使用される無線フレームの構造例を示す。 図7は、ダウンリンク無線フレームとアップリンク無線フレームとの開始タイミングの例を示す図である。 図8は、「最大基地局許容遅延」が考慮された「通常セル」の設置例を示す。 図9は、大ゾーンセルの配置例を示す。 図10は、基地局装置における大ゾーンセルモードへの切替処理を含む全体的な動作例を示すフローチャートである。 図11は、「周波数グループ分け」の処理例を示すフローチャートである。 図12は、周波数グループ分けの処理結果の例を示す説明図である。 図13は、「上位グループ/下位グループ分け」の処理例を示すフローチャートである。 図14は、上位グループ/下位グループ分け処理の結果例を示す説明図である。 図15は、「ソート」の処理例を示すフローチャートである。 図16は、ソート処理の結果例を示す説明図である。 図17は、セル半径に関するパラメータ調整処理の例を示すフローチャートである。 図18は、バッテリ状態監視処理の例を示すフローチャートである。 図19は、実施例における基地局装置(無線アクセスシステム)の構成例を示す。 図20は、災害等の発生後における基地局装置の状態例を示す。 図21は、周波数グループGr1のアンテナチルト調整の説明図である。 図22は、周波数グループGr2のアンテナチルト調整の説明図である。 図23は、選択REが大ゾーンセルモードに切り替えられた後の状態例を示す。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
<システム構成>
図1は、実施形態に係る無線アクセスシステムの例を示す。無線アクセスシステムの一例として、LTE又はLTE−Aに準拠するシステム構成例を示す。図1には、コアネットワーク1(Evolved Packet Core(EPC)又は System Architecture Evolution(S
AE)と呼ばれる)に接続された基地局装置10が図示されている。
基地局装置10は、REC装置11(以下REC11)と、REC11によって制御される複数のRE装置12(以下RE12)とを含んでいる。REC11は、S1回線を介してコアネットワーク1に接続される。また、REC11は、例えばCPRIリンク(CPRIケーブル)を介して各RE12と接続される。RE12の数nとして、1より大きい正の整数から適宜の数が選択される。図1には、3個(n=3)のRE12が例示されている。
複数のRE12は、「複数の無線装置」の一例であり、REC11は、「複数の無線装置を制御する無線制御装置」の一例である。CPRIリンク(CPRIケーブル)は、「無線制御装置と無線装置との間の伝送路」の一例である。
REC11は、ディジタルベースバンド信号(BB信号)処理,コアネットワーク1との接続に使用されるS1回線の終端処理,隣接基地局装置(図示せず)との接続に使用されるX2回線の終端処理を行う。また、REC11は、呼処理及び監視制御処理を行う。さらに、REC11は、コアネットワーク1から受信されるパケット(例えばInternet Protocol(IP)パケット)をBB信号に変調し、パケットの宛先に対応するRE12へ送
る。REC11は、各RE11から受信されるBB信号を復調し、コアネットワーク1へパケットを送信する。
RE12は、無線端末(User Equipment(UE)と呼ばれる)13と無線通信するためのセル14を形成し、セル14に在圏する配下の無線端末13と無線通信を行う。RE12は、REC11から受信されるBB信号を無線電波に変換し、無線端末13へ送る。また、RE12は、無線端末13から受信される電波をBB信号に変換し、REC11へ送る。
各RE12は、通常時に形成するセル14のセル半径より大きいセル半径を有する大ゾーンセル15を形成することができる。各RE12は、少なくとも、セル14(通常セル)を形成するモード(通常モードと称する)と、大ゾーンセル15を形成する大ゾーンセルモードとを含む複数のモードで動作する。モードの切り替えは、REC11によって制御される。例えば、各RE12は、大ゾーンセルモードにおいて、他のRE12が形成するセル14(通常セル)の少なくとも一部をカバーする程度の大きさのセル半径を有する大ゾーンセル15を形成してもよい。
基地局装置10では、複数のRE12が監視され、監視結果が所定条件を満たしたときに、複数のRE12から大ゾーンセルモードで動作するRE12が動的に選択される。例えば、REC11が各RE12の状態(正常/異常)を監視し、正常状態を示すRE12の数が所定範囲となったときに、正常状態のRE12から大ゾーンセルモードへ切り替えるRE12を動的に選択する。そして、REC11は、選択したRE12を大ゾーンセルモードへ切り替える。例えば、正常状態のRE12のうち、異常状態のRE12が形成していたセル14(通常セル)の少なくとも一部をカバーし得るRE12を大ゾーンセルモードへの切替え対象として選択してもよい。
基地局装置10は、単一の周波数帯を使用する基地局装置であってもよく、複数の周波数帯を使用する基地局装置であっても良い。基地局装置10が複数の周波数帯を使用する場合、基地局装置10は、複数の周波数帯の何れかを使用する複数のRE12を備える。但し、1つのRE12が2以上の周波数帯を使用する場合もあり得る。
また、基地局装置10は、1つの無線アクセス方式をサポートしても良く、複数の無線アクセス方式をサポートしても良い。例えば、基地局装置10は、LTE又はLTE−A
方式だけでなく、3G(例えば、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式)をサポートする基地局装置であっても良い。LTE又はLTE−Aとともに3G(W−CDMA)をサポートする基地局装置のRECは、「共用REC」と呼ばれる。共用RECは、3Gにおける基地局装置(Base Transceiver Station(BTS)と呼ばれる)と、LTE又はLTE−Aにおける基地局装置(eNodeB)との双方の機能を有する。
<RECの構成>
図2は、REC11の構成例を示す図である。図2において、REC11は、装置内スイッチ21(以下「SW21」と表記)を介して相互に接続された、クロック部22と、網側送受信部23と、呼処理部24とを含んでいる。また、REC11は、SW21を介して相互に接続された、データ格納用のメモリ25と、複数の(n個の)CPRI信号処理部26と、BB信号処理部27と、を含んでいる。
さらに、REC11は、SW21に接続された監視部28を含んでいる。監視部28は、CPRI接続状態監視部29と、アンテナ制御部30とを含んでいる。さらに、REC11は、SW21に接続されたモード切替処理部31と、REバッテリ状態監視部32とを含んでいる。
クロック部22は、REC11内の各部に基準クロックを供給する。網側送受信部23は、コアネットワーク1にS1回線を介して接続される。網側送受信部23は、例えば、IPレイヤのプロトコル処理、S1/X2回線の終端処理,帯域制御処理などを行う。
網側送受信部23は、コアネットワーク1から受信されるIPパケットがユーザプレーン(Uプレーン)のIPパケット(ユーザパケット)か制御プレーン(Cプレーン)のパケット(制御信号を含んだパケット)かを判別する。ユーザパケットは、SW21を介してBB信号処理部27に送られる。制御信号は、SW21を介して呼処理部24や監視部28に送られる。網側送受信部23は、BB信号処理部27からSW21を介して受信されるユーザパケットや、呼処理部24や監視部28からSW21を介して受信される制御信号をコアネットワーク1へ送る。
コアネットワーク1は、図示しないが、Cプレーンを扱うMobility Management Entity(MME)と、ユーザパケットを扱うサービングゲートウェイ(S−GW)及びパケットデータネットワークゲートウェイ(P−GW)を含んでいる。MMEは、ネットワーク制御を扱うCプレーンのアクセスゲートウェイであり、シーケンス制御及びハンドオーバー制御,無線端末の待受時の位置管理(無線端末の位置登録),基地局装置に対する着信時の呼び出し(ページング),無線端末の認証(NAS(Non Access Stratum))などを行う。S−GWは、ユーザデータ(ユーザパケット)を扱うゲートウェイであり、LTEのユーザデータを2G(例えばGSMなど)や3G(W−CDMA)のシステムに接続する処理を行う。P−GWは、ユーザパケットを外部のインターネットやイントラネットのような外部ネットワークに接続するためのゲートウェイである。P−GWは、課金用データ収集,Quality of Service(QoS)制御,パケットフィルタリングなどを行う。
呼処理部24は、例えば、RRC(Radio Resource Control)に基づくユーザ(無線端末13)の呼接続や呼切断のような呼制御、及び接続状態やアイドル状態のような状態管理を行う。
データ格納用のメモリ25は、不揮発性メモリであり、基地局装置10全体の制御のためのプログラムや、プログラムの実行に際して使用されるデータを記憶する。例えば、メモリ25は、呼処理部24,CPRI信号処理部26,BB信号処理部27,監視部28
,モード切替処理部31,REバッテリ状態監視部32によって使用されるデータを記憶することができる。データは、例えば、基地局装置10のデータ(局データ)を含む。
BB信号処理部27は、ユーザパケットとBB信号との変換(変復調)を行う。具体的には、BB信号処理部27は、レイヤ1(L1:PHY)及びレイヤ2(L2)の各プロトコル処理を行う。レイヤ2のプロトコルは、例えば、RLC(Radio Link Control),PDCP(Packet Data Convergence Protocol),MAC(Media Access Control)を含む。
BB信号処理部27は、MIMO(multiple-input and multiple-output)処理,ダウンリンクへ向けたOFDMA(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing)処理,アップリンクからのSC−FDMA(Single-Carrier Frequency-Division Multiple Access
)処理,H−ARQ処理,AMC処理,電力制御,セル間干渉制御などのディジタルベースバンド処理を行う。
各CPRI信号処理部26は、BB信号処理部27からSW21を介して受信されるBB信号や、呼処理部24や監視部28からSW21を介して受信される制御信号をCPRIに準拠した信号形式(CPRI信号)に変換する。各CPRI信号処理部26は、CPRI信号をCPRIリンク(CPRIケーブル)を介して接続されたRE12(対応RE)へ送信する。
また、各CPRI信号処理部26は、対応REから受信されるユーザデータを含んだCPRI信号をBB信号に変換し、BB信号処理27へ送る。或いは、CPRI信号処理部26は、対応REから受信されるCPRI信号の変換によって得られる制御信号を呼処理部24や監視部28へ送る。
なお、CPRIは、REC11と各RE12とを接続するREC−RE間インタフェース(内部インタフェース)の例示であり、CPRI以外の内部インタフェースが適用されても良い。
監視部28は、各機能部からの障害情報の収集、装置障害監視処理などを行う。CPRI接続状態監視部29は、CPRI接続状態情報として、各RE12とREC11とを結ぶCPRIリンクの状態(正常/異常)を監視する。CPRI接続状態監視部29は、各RE12の状態(正常/異常)を示す情報(状態情報)を記憶(保持)することができる。
CPRI接続状態として、CPRIリンクの物理的又は論理的な障害(リンク障害)や、リンク障害に基づく通信障害が検出される。CPRI接続状態に基づく正常/異常の判定は例示である。監視部28は、CPRIリンク接続状態以外の障害として、例えば、各RE12の装置障害やソフトエラーを検出することができる。従って、リンク障害、通信障害、装置障害、ソフトエラーの少なくとも1つが検出されたRE12の状態として「異常」を記憶することができる。正常か異常かの判定に用いる障害の種類は適宜選択可能である。アンテナ制御部30は、各RE12が備えるアンテナの向きを制御する指示を各RE12へ送信する。
モード切替処理部31は、各RE12のモード切替を行う。少なくとも、各RE12が通常のセル14を形成する「通常モード」から、大ゾーンセル15を形成する「大ゾーンセルモード」への切り替えを行うことができる。モード切替処理部31は、各RE12の状態情報を用いて、正常状態を示すRE12(正常なRE12)の数を監視する。また、モード切替処理部31は、大ゾーンセルモードへの切り替え処理の開始判断、大ゾーンセ
ルモードに切り替えるRE12の選択,及び大ゾーンセルモードへの切り替えを実行する。
REバッテリ状態監視部32は、各RE12のバッテリ状態を監視する。バッテリ状態は、RE12が通常電源61とバッテリ62とのいずれを使用しているか(バッテリ62の使用/未使用)を示す電源状態と、バッテリ62の残量を示すバッテリ残量とを含む。REバッテリ状態監視部32は、各RE12のバッテリ状態を監視する。監視は、各RE12から受信されるバッテリ状態を用いて行う。REバッテリ状態監視部32は、各RE12のバッテリ状態を記憶(保持)する。
<<RECのハードウェア構成>>
図3は、REC11のハードウェア構成例を示す図である。図3において、REC11は、装置内スイッチ21(SW21)と、SW21に接続された発振回路(オシレータ:OSC)35と、ネットワークプロセッサ(NWP)36とを含む。NWP36は、インタフェースモジュール(IM)37と接続されており、IM37は、コネクタ38と接続されている。コネクタ38は、コアネットワーク1と接続するための物理リンクを収容する。
また、SW21には、コンパクトフラッシュ(CF)39と、Central Processing Unit(CPU)40と、Digital Signal Processor (DSP)42と、Field Programmable
Gate Array(FPGA)43とを含んでいる。CPU40には、Dual Inline Memory Module(DIMM)41が接続されている。FPGA43には、光モジュール(O/E,E/O)44が接続されている。光モジュール44には、コネクタ45が接続されている。コネクタ45は、RE12と接続される物理リンク(光ファイバ)を収容する。
OSC35は、図2に示したクロック部22として機能し、基準クロックの発振を行う。NWP37,IM37及びコネクタ38は、図2に示した網側送受信部23として機能する。NWP37は、IPレイヤのプロトコル処理、帯域制御処理などを行う。IM37は、信号変換を行うインタフェース回路である。
CF39は、メモリ25として機能する不揮発性メモリの一例である。メモリ25として、CF以外の不揮発性メモリ(例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ)やSSD(Solid State Drive)を適用可能である。
DIMM41は、CPU40用のメモリ(主記憶装置)の一例である。DIMM41として、例えば、DIMMが適用されたSDRAM(Synchronous DRAM)などが適用される。但し、主記憶装置として、例えばRAM/ROM(Random Access Memory/Read Only Memory)を適用可能である。DIMM41及びメモリ25(CF39)は、記憶装置又は記憶媒体の一例である。
CPU40は、例えば、CF39に記憶されたプログラムをDIMM41にロードし、実行する。これによって、CPU40は、図2に示した呼処理部24,監視部30,モード切替処理部31,REバッテリ状態監視部32として機能する。DSP41は、プログラムの実行によって、図2に示したBB信号処理部27として機能する。CPU40及びDSP41は、「プロセッサ」又は「制御装置」の一例である。
FPGA43,光モジュール44,及びコネクタ45は、図2に示したCPRI信号処理部26として機能する。FPGA43は、DSP42から受信されるBB信号(無線IQデータ)をCPRI信号に変換したり、光モジュール44から受信されるCPRI信号をBB信号に変換したりする。FPGA43は、「制御装置」の一例である。
光モジュール44は、CPRI信号の信号形式を電気信号から光信号に変換する電気-
光変換(E/O)や、光信号を電気信号に変換する光-電気変換(O/E)を行う。コネ
クタ45は、物理リンクの例示である光ファイバを収容する。
なお、図3には、一組のFPGA43,光モジュール44,及びコネクタ45が例として図示されているが、これらの組は、RE12毎に設けられても良い。BB信号処理部27として機能するDSP42の数は、RE12の数に応じて2以上となるときがある。
図3に示したREC11のCPU40で実行される機能(図2の呼処理部24,監視部28,モード切替処理部31,REバッテリ状態監視部32)は、電気/電子回路や、半導体デバイスを用いたハードウェアロジックによって実装されても良い。換言すれば、プロセッサ及びメモリを用いて実装される「制御装置」は、ハードウェアを用いて実装されるものであっても良い。
半導体デバイスは、例えば、FPGAのようなプログラマブルロジックデバイス(PLD),集積回路(IC,LSI,ASIC(Application Specific Integrated Circuit
)等)を含む。半導体デバイスは、PLD,集積回路,電気/電子回路の組み合わせを含み得る。CPU40が有する複数の機能は、複数のハードウェアを用いて実装されても良く、複数のプロセッサを用いて実行されても良い。DSP41を用いて実装される機能(BB信号処理部27)も、半導体デバイス等を用いたハードウェアによって実装可能である。FPGA42を用いて実装される機能(CPRI信号処理部26)は、FPGA以外の半導体デバイス等を用いたハードウェアによって実装可能である。
<REの構成例>
図4は、RE12の構成例を示す図である。RE12は、REC11とCPRI(内部インタフェース)上でBB信号(無線IQデータ)及び制御信号を送受信する。また、RE12は、無線端末13と無線通信を行う。
図4において、RE12は、CPRIリンクと接続されたCPRI信号処理部51と、CPRI信号処理部51に接続された送受信部52と、監視制御部58とを含んでいる。
RE12は、REC11からのCPRI信号、すなわちCPRI信号形式のBB信号(無線IQデータ)及び制御信号を受信する。CPRI信号処理部51は、REC11から受信されるBB信号及び制御信号を元の信号形式に戻す。信号形式の変換によって得られるBB信号は、送受信部52に送られる。一方、信号形式の変換によって得られる制御信号は、監視制御部58に送られる。
また、CPRI信号処理部51は、送受信部52から受信されるBB信号、及び監視制御部58から受信される制御信号のそれぞれをCPRI信号に変換する。CPRI信号は、CPRIリンクを介してREC11に送られる。
送受信部52には、複数のアンテナユニットで形成されるアンテナアレイが接続される。図4では、2つのアンテナユニットが例示されている。各アンテナユニットは、下り信号(ダウンリンク(基地局→無線端末)方向の信号)に係る処理と、上り信号(アップリンク(無線端末→基地局)方向の信号)に係る処理とを行う。
アンテナユニットは、送受信部52に接続されたパワーアンプ(PA)53及びローノイズアンプ(LNA)54と、PA53及びLNA54が接続されるデュプレクサ(DUP)56と、DUP56に接続された送受信アンテナ57とを含む。
送受信部52は、直交変復調処理を行う。すなわち、送受信部52は、CPRI信号処理部51からのBB信号(下り信号)を直交変調によってアナログ信号(RF(Radio Frequency)信号)に変換し、PA53へ向けて送信する。また、送受信部52は、LNA
54から受信されるRF信号(上り信号)を直交復調してBB信号に変換し、CPRI信号処理部51へ送る。
PA53は、下り信号(電波)の増幅を行い、DUP56へ供給する。DUP56は、PA53で増幅された下り信号(電波)を送受信アンテナ57へ送る。送受信アンテナ57は、電波を放射する。電波は、無線端末13で受信される。また、送受信アンテナ57は、無線端末13からの電波を受信する。受信された電波は、DUP56によってLNA54に送られる。LNA54は、電波を低雑音増幅し、送受信部52へ送る。
また、RE12は、CPRI信号処理部51に接続された監視制御部58と、電源状態監視部59と、アンテナチルト制御部60とを含んでいる。さらに、RE12は、通常電源61と、バッテリ62と、切替スイッチ63と、電源切替制御部64とを含んでいる。
通常電源61は、RE12の動作電力をRE12の各部に供給する一次的な電源である。バッテリ62は、RE12が通常電源61からの電力を利用できないときに、RE12の各部に動作電力を供給する二次電源である。切替スイッチ63は、RE12の各部への電力供給線を、通常電源61とバッテリ62との一方に接続する。切替スイッチ63は、例えば、機械スイッチ,リレー,半導体スイッチのいずれであっても良い。
電源切替制御装置64は、切替スイッチ63を制御し、通常電源61とバッテリ62との切り替えを制御する制御回路である。電源切替制御装置64は、例えば、通常電源61の異常時に、切替スイッチ63の切替動作を制御し、RE12の電源を通常電源61からバッテリ62に切り替える。
監視制御部58は、例えば、省電力モードへの切り替えを示す制御信号を受信したときに、省電力モードへの切り替えを行う。省電力モードでは、予め定められた省電力制御範囲Aに帯する電力供給量の低減、又は電力供給の停止がなされる。
図4に示す例では、送受信部52,PA53,LNA54,DUP56(これらは、「RF部」と呼ばれることがある)が省電力制御範囲Aに含まれる。省電力モードでは、省電力制御範囲Aへの電力供給量の低減又は電力供給の停止によって、当該RE12でセルが形成されない状態になる。
電源状態監視部59は、電源切替制御装置64とバッテリ62とに接続されている。電源状態監視部59は、例えば、電源切替制御装置64の状態を監視し、RE12の電源状態を監視する。また、電源状態監視部59は、バッテリ62の残量(バッテリ残量)を監視する。電源状態及びバッテリ残量は、バッテリ状態を示す情報として、REC11へ送信される。
アンテナチルト制御部60は、アンテナチルト(ビームチルトともいう)を制御する。アンテナチルド制御部60は、アンテナチルト制御を、CPRI信号処理部51から受け取るREC11からの制御信号に基づいて実行する。
アンテナチルト制御部60は、いわゆる「電気チルト」方式により、アンテナアレイを形成する複数のアンテナ素子(複数の送受信アンテナ57)における電波の位相を制御する。電波の位相の制御によって、送受信アンテナ57から放射される電波のビームのチル
ト角(アンテナチルト)が制御される。チルト角が大きい程、ビームは下向きになる。なお、アンテナチルトの制御は、送受信アンテナ57の物理的な傾きを制御する、いわゆる「機械チルト」方式によって行われても良い。
RE12が「通常モード」であるとき、送受信アンテナ57(アンテナ素子)のチルト角は、セル14(通常セル)を形成するためのチルト角に設定される。一方、アンテナチルト制御部60は、「大ゾーンセルモード」への切り替えによって大ゾーンセル15が形成されるように、送受信アンテナ57(アンテナ素子)のチルト角を変更する。アンテナチルト制御部60は、REC11からの制御信号に含まれる調整角度に従って、チルト角の変更を行う。
<<REのハードウェア構成>>
図5は、RE12のハードウェア構成例を示す図である。図5において、RE12は、REC11との物理リンク(光ファイバ)に接続された光モジュール51Aと、光モジュール51Aに接続されたFPGA51Bとを含む。
また、RE12は、FPGA51Bに接続されたCPU70と、CPU70に接続されたメモリ71と、FPGA51Bに接続されたFPGA52Aを含む。FPGA52Aには、アンテナアレイを形成する複数のアンテナユニットが接続されている。
アンテナユニットは、下り信号の処理を行うアップコンバータ(UC)55A及びPA53と、上り信号の処理を行うLNA54及びダウンコンバータ(DC)55Bと、DUP56と、送受信アンテナ57とを含む。
さらに、RE12は、通常電源61と、バッテリ62と、切替スイッチ63と、電源切替制御装置64とを含む。これらの構成要素は、図4を用いて説明したものと同じであるので、説明を省略する。
光モジュール51A及びFPGA51Bは、図4に示したCPRI信号処理部51として機能する。光モジュール51Aは、下り信号に対する光-電気変換(O/E)と、上り
信号に対する電気-光変換(E/O)を行う。
FPGA51Bは、BB信号及び制御信号とCPRI信号との変換処理を行う。FPGA51Bは、FPGA52AとBB信号の送受信を行い、CPU70との間で制御信号の送受信を行う。
FPGA52Aは、図4に示した送受信部52として機能する。すなわち、FPGA52Aは、BB信号とRF信号との直交変復調処理を行う直交変復調部として機能する。UC55Aは、FPGA52Aから出力される上り信号(RF信号)のアップコンバートによって電波の周波数の信号(電波)を生成し、PA53に送る。DC55Bは、LNA54から出力される電波のダウンコンバートによってRF信号を生成する。DC55Bから出力されるRF信号は、FPGA52Aに入力される。PA53,LNA54,DUP56及び送受信アンテナ57は、図4に示したものと同じである。
メモリ71は、CPU70によって実行されるプログラムと、プログラムの実行に際して使用されるデータを記憶する。メモリ71は、「記憶装置」又は「記憶媒体」の一例である。メモリ71は、例えば、RAM及びROMで形成される。メモリ71は、EEPROM,フラッシュメモリ,ハードディスクのような不揮発性メモリを含むことができる。
CPU70は、メモリ71に記憶されたプログラムをロードして実行する。これによっ
て、CPU70は、図4に示した監視制御部58,電源状態監視部59,アンテナチルト制御部60として機能する。CPU70は、「プロセッサ」又は「制御装置」の一例である。
なお、図5に示したCPU70で実行される機能(監視制御部58,電源状態監視部59,アンテナチルト制御部60)は、REC11のハードウェア構成(図3)に関して説明した単数又は複数の半導体デバイスのようなハードウェアを用いて実装可能である。FPGA51B及びFPGA52Aの機能も、他のハードウェアを用いて実装可能である。
また、図3及び図5のハードウェア構成例では、REC11とRE12との物理リンクが光ファイバである例を示した。もっとも、電気信号を伝送する物理リンク(メタルケーブル)でREC11とRE12とが接続されていても良い。この場合、光モジュール44,51Aは不要となる。
<フレームタイミングに関して>
図6は、LTEに準拠する基地局装置で使用される無線フレームの構造例を示す。図6には、3GPPによるLTE技術仕様書“TS36.211”には、無線フレームのフォ
ーマットが示されている。1つの無線フレーム(10ms)は、10個のサブフレーム(1ms)で形成される。1サブフレームは、2つのスロットから形成され、1スロットは7個のシンボルで形成される。無線フレームの基本時間単位は、Ts=1/(15000×2048)[s]である。
基地局装置10において、無線フレームが送信されるタイミングは、同一基地局装置における複数のセル14間で揃えられる。送信タイミングが複数のセル14間で揃えられることによって、無線端末13は、マルチキャスト(Multicast Channel)又はブロードキャ
スト(Broadcast Control Channel)送信をマルチパス伝搬上の単独送信として処理するこ
とができる。
また、TS36.211では、ユニキャスト(Dedicated Traffic Channel)送信におい
て、下り無線フレームが検出されたタイミングからNTA×Ts分だけ早いタイミングで上
り無線フレームが送信される(図7参照)。NTAは、上り無線フレームの送信タイミングを調整するためのタイミング調整量である。NTAは、基地局装置10における上り無線フレーム受信タイミングと基地局装置10が期待する受信タイミングとのずれを表すインディケータとして機能する。基地局装置10は、“N/16=TA”で定義される値TAを用いたコマンド(TAコマンド)を無線端末13に送信し、無線端末13の上り無線フレームの送信タイミングを調整する。無線端末13は、TAコマンドで示されるTA値が正であれば、送信タイミングを早め、TA値が負であれば、送信タイミングを遅くする。このようにして、無線端末13は、基地局装置10とのタイミング同期を維持する。
無線端末13がセル14間を移動するときには、タイミングアドバンスプロセスによって、無線端末13と基地局装置10とのタイミング同期が調整される。無線端末13はNTAに従って上り無線フレーム送信タイミングを調整する。一方、基地局装置10では、電波伝搬遅延が考慮されたNTA算出とは別に、各セル14向けの下り無線フレーム送信タイミング調整および上り無線フレーム遅延調整が実行される。これによって、セル14間でタイミングが大幅に異なることが抑止される。
上記した「下り無線フレーム送信タイミング調整」では、複数のRE12が存在するときに、最大のCPRIケーブル長を有するセル14と他のセル14とのタイミングを一致させることが考慮される。従って、「下り無線フレーム送信タイミング調整」では、複数のセル14中の或るセル14が有する最大CPRIケーブル長と他の残りのセル14(R
E12)のCPRIケーブル長との差分が求められる。そして、他の残りのセル14に向けられた下り無線フレームの送信タイミングに関して、対応する差分に応じた遅延が付与される。
また、上記した「上り無線フレーム遅延調整」では、最大CPRIケーブル長との差分に応じた遅延が考慮されたフレーム処理が実行される。これらの「下り無線フレーム送信タイミング調整」と「上り無線フレーム遅延調整」のための処理にかかる遅延時間は、無線フレームタイミングに関する「最大基地局許容遅延」と定義される。「最大基地局許容遅延」は基地局装置10で固有となる。
「最大基地局許容遅延」は、通信を維持するために、REC11と無線端末13間で発生する遅延時間を吸収処理できる能力を指す。「最大基地局許容遅延」は、下り信号がBB信号処理部27からRE12を経由して無線端末13に到達するまでの時間として許容される遅延時間[chip]であり、電波伝搬時間[chip]を含む。また、CPRIケーブル長は、REC11とRE12とを接続するCPRIケーブルの長さを示す。CPRIケーブル長は、例えば光伝送の場合の遅延時間[chip]で表される。CPRIケーブル長は、「ケーブル長」の一例であり、ケーブル長は、「REC−RE間の伝送路長」の一例である。
<セル半径とケーブル長に関して>
「最大基地局許容遅延」は、基地局装置10の各RE12が形成するセル14の「最大セル半径」に関係する。基地局装置10が有するREC11と各RE12間とを結ぶ複数のケーブルの中で最長のケーブル長は「最大ケーブル長“a ”[chip]」と定義される。
最大ケーブル長aは、以下の式(1)で表現される。
a=max [セル(RE)#1のケーブル長、セル(RE)#2のケーブル長、・・・、セル(RE)#nのケーブル長] ・・・(1)
「最大基地局許容遅延」を“b” [chip]とし、最大セル半径を“c” [chip]としたとき、最大ケーブル長aとの関係は、以下の式(2)で表現される。
c=b−a ・・・(2)
ここで、「セル半径」は、RE12のアンテナ端から無線端末13までの電波伝搬上の経路と定義され、式(2)で定義されるセル半径は、「最大セル半径」を示す。基地局装置10に設けられた同一の周波数帯を使用する全てのRE12に関して、「最大セル半径」以上の電波伝搬経路を設定することはできない。
図8は、最大基地局許容遅延が考慮された通常セル(セル14)の設置例を示す。図8に示すように、例えば、最大基地局許容遅延b=768[chip],最大ケーブル長a=640[chip]である場合には、最大セル半径cは、chip換算で128[chip]となる。各セル14のセル半径は、例えば10kmとされる。
電波伝搬距離とチップレート(chiprate)との関係は、以下の式(3)で示される。また、ケーブル伝搬距離とチップレートとの関係は、以下の式(4)で示される。なお、チップレートは、拡散符号の速度を示し、3G,LTE,LTE−Aでは、3.84×106[chip/s]である。
チップレート[chip] = 12.8 [chip/km] × 電波伝搬距離 [km] ・・・(3)
チップレート[chip] = 19.8 [chip/km] × ケーブル長 [km] ・・・(4)
従って、図8に示す例における電波伝搬距離は、式(3)に従えば10[km]相当となる。また、図8の例における最大ケーブル長=640[chip]を距離に換算すると、式(4)に従って33 [km]相当となる。
一般に、セル半径が10[km]程度までのセルは、「小ゾーンセル」又は「中ゾーンセル」と呼ばれる。以下、小ゾーンセルと中ゾーンセルとをまとめて指す場合には、「通常セル」と称する。これに対し、セル半径が通常セルより大きいセルを、「大ゾーンセル」と呼ぶ。一例では、セル半径が10kmまでのセルが通常セルで、10kmを上回るセルが大ゾーンセルとなる。
従って、上述した「大ゾーンセルモード」は、或るRE12がセル14より広い範囲をカバーする大ゾーンセル15を形成する設定で運用されることを意味する。また、「通常モード(通常セルモード)」は、或るREが大ゾーンセルより小さいセル半径を有するセルの設定で運用されることを意味する。
同一周波数帯を使用する複数のセル14が存在する場合には、無線フレームの送信タイミングは、複数のセル14のうち、最大ケーブル長を有するセル14の送信タイミングと一致するようにタイミング調整が行われる。このため、「最大ケーブル長」より短いケーブル長を有するRE12が形成するセル半径は、「最大セル半径」を超えない。
図9は、大ゾーンセルの配置例を示す。近年では、震災や火災のような災害に代表される緊急事態や、その他のイベントの発生に拘わらず、無線通信システムの通信エリア(カバレッジエリアともいう)が維持されることが期待されている。災害発生時等に備えて、例えば、図9のような大ゾーンセル15が形成されることが考えられる。この場合、大ゾーンセル15の電波伝搬距離は、10kmより大きい値に調整して設定される。図9の例は、電波の伝搬距離が予め58.5[km](59km相当)に設定され、当該伝搬距離に従って基地局装置内のパラメータが調整された例を示す。「最大基地局許容遅延」が768[chip]の場合において、セル半径が748.8[chip](58.5[km])に設定されると、ケーブル長は、19.2[chip](1[km]相当)となる。
基地局装置10のデータ格納用のメモリ25には、「最大ケーブル長」、「最大基地局許容遅延」、「最大セル半径」の設定値が予め記憶される。基地局装置10の運用開始時は、記憶された設定値が読み込まれ、運用中は、設定値に基づく動作が実行される。
<基地局装置の動作例>
図10は、基地局装置10における大ゾーンセルモードへの切替処理を含む全体的な動作例を示すフローチャートである。図10に示す処理は、基地局装置10の通常運用状態からスタートする。通常運用状態とは、複数のRE12のそれぞれによって形成された通常セル14を用いる状態を示す。
最初に、監視部28に含まれるCPRI接続状態監視部29として機能するCPU40が、各RE12の運用状態の監視を実行する(001)。運用状態の監視は、例えば、CPU40がCPRI上のヘルスチェック信号を用いることによって行われる。CPRI接続状態監視部29の監視結果(各RE12の正常/異常を示す状態情報)は、モード切替処理部31が利用可能な形式で、例えばDIMM41又はメモリ25に記憶される。
但し、上述したように、監視部28による各RE12の装置障害の監視が行われ、CPRIのヘルスチェックの結果以外で検出されたRE12の障害が、状態情報に反映されても良い。すなわち、各RE12に関して、通信障害,リンク障害,装置障害,ソフトエラーの少なくとも1つが検出されたとき、当該RE12は異常状態と判定されるようにしても良い。
次に、モード切替処理部31(モード切替処理部31として機能するCPU40)は、
CPRI接続状態監視部29(又はCPRI接続状態監視部29及び監視部28)によって得られた状態情報(各RE12の正常/異常)を参照する。モード切替処理部31は、状態情報を用いて正常状態のRE12の数を計数し、RE12の数と予め定められた閾値「NUM_RE_th」と比較する(002)。「NUM_RE_th」は、正常状態のRE数を監視し、緊急モード(大ゾーンセルモード)への切り替えを実施する否かの判断に用いる閾値である。「NUM_RE_th」は「所定値」の一例である。
正常状態のRE12の数が「NUM_RE_th」以下でないときには(002,NO)、通常
運用状態が継続される。これに対し、正常状態のRE12の数が「NUM_RE_th」以下であ
るときには(002,YES)、モード切替処理部31は、大ゾーンセルモードへの切り替えを要すると判定する。なお、図10の002及び後述する009の判定では、正常なRE12の数が所定範囲になったか否かが判定されれば良い。このため、例えば、閾値未満か否かの判定が実行されても良い。
このとき、モード切替処理部31は、正常状態のRE12に係る「選択順列リスト」を作成し(003)、選択順列リストの最上位にあるRE12を大ゾーンセルモードで動作するRE12として選択する(004)。選択順列リストの作成処理は後述する。以下の説明において、大ゾーンセルモードで動作するRE12を「選択RE」又は「選択されたRE」と表記することもある。選択順列リストは、「リスト」の一例である。
続いて、モード切替処理部31は、選択REによって形成される大ゾーンセル15のセル半径に関するパラメータ調整を実施する(005)。パラメータ調整の詳細は後述する。パラメータ調整の結果に従って、選択REが大ゾーンセルモードへ切り替えられる。すなわち、モード切替処理部31は、パラメータ調整によって得られた選択REが大ゾーンセル15を形成するためのアンテナ調整用パラメータを含むアンテナ制御指示をアンテナ制御部30に与える。
アンテナ制御部30は、アンテナ制御指示に従って、アンテナ調整用パラメータを含む制御信号を生成し、選択RE12に対応するCPRI信号処理部26(FPGA43)に与える。CPRI信号処理部26にて、制御信号はCPRI信号に変換され、選択RE12へ送信される。なお、アンテナ調整用パラメータを含む制御信号の生成及び送信処理は、モード切替処理部31が直接的に(アンテナ制御部30を経由することなく)実行しても良い。
選択REでは、CPRI信号処理部51(FPGA51B)にてCPRI信号が制御信号に変換され、アンテナチルト制御部60(CPU70)に与えられる。アンテナチルト制御部60は、制御信号に従って、送受信アンテナ57のアンテナチルト(チルト角)を変更する。これによって、選択REからの電波放射範囲が広がり、所望のセル半径を有する大ゾーンセル15が形成される。
次に、モード切替処理部31は、BB信号処理部27(BB信号処理部27として機能するDSP42)に対して、選択REのセル情報とともに当該選択REに係るスケジューリングモードを「大ゾーンセルスケジューリングモード」に変更することを指示する(0
06)。
指示を受けたBB信号処理部27は、「大ゾーンスケジューリングモード」への変更処理として、例えば、大ゾーンセル15に接続される各無線端末13に割り当て可能なリソースブロック(Resource Block(RB))数と、各無線端末13のデータの割り当て間隔とを調整する。これによって、選択REによって形成される大ゾーンセル15を用いて並列に接続可能な無線端末13の数を増加させる。大ゾーンスケジューリングモードへの変更
の詳細は後述する。
モード切替処理部31は、選択RE以外のRE12(「非選択RE」と表記)の全てを、省電力モードへ移行(遷移)させることを試行する(007)。これによって、非選択REは、一時的にセル運用から切り離される。セル運用の切り離しは、例えば、異常状態の非選択RE12によるセル形成を停止して、大ゾーンセルへの干渉を回避するために実行される。或いは、セル運用の切り離しは、選択REの大ゾーンセル15と正常状態の非選択REのセル14との間の無線フレーム送信タイミング調整のような処理の複雑化や煩雑さを回避するために実行される。このため、モード切替処理部31は、非選択REに対する省電力モードでの動作指示(省電力モード指示)を発行する。但し、正常状態の非選択REによるセルの形成を継続させる場合もあり得る。
省電力モード指示は、CPRI信号処理部26(FPGA43)でCPRI信号に変換され、各非選択REへ送信される。各非選択REでは、CPRI信号処理部51(CPRI信号処理部51として機能するFPGA51B)がCPRI信号からの変換によって省電力モード指示を得る。CPRI信号処理部51は、省電力モード指示を監視制御部58(監視制御部58として機能するCPU70)に与える。
監視制御部58は、省電力モード指示に従って、RE12が省電力モードで動作するための制御を行う。例えば、監視制御部58(CPU70)は、切替スイッチ63と省電力制御範囲A(RF部)との間に設けられた図示しないスイッチをOFFに設定する。これによって、省電力制御範囲Aへの電力供給が停止される。この結果、当該非選択RE12からの電波の放射が停止され、当該非選択REによってセル14が形成されない状態となる。
但し、省電力モード下でも、FPGA51B,CPU70,メモリ71などへの電力供給は継続される。これによって、少なくとも正常状態を有する非選択REは、例えば、REC11との制御信号のやりとり、及び制御信号に基づく制御を実行することができる。なお、異常状態の非選択REが省電力モードに遷移するか否かは、異常の原因(障害の部位、障害の程度)に依存する。
次に、モード切替処理部31は、選択REの電源状態の確認を行い、電源状態が「通常電源」か「バッテリ」かを判定する(007A)。電源状態の確認は、例えば、選択順列リストの参照によって行うことができる(詳細は後述するが、選択REが上位グループであれば「通常電源」、下位グループであれば「バッテリ」と判断することができる)。或いは、電源状態の確認は、REバッテリ状態監視部32で管理されるバッテリ状態の参照によって行っても良い。
電源状態が「通常電源」であるときには(007A,YES)、選択REの大ゾーンセルモードでの運用が維持される。これに対し、電源状態が「通常電源」でない(「バッテリ」である)ときには(007A,NO)、モード切替処理部31は、選択REのバッテリ残量を監視する(008)。
バッテリ残量の監視は、以下のようにして行われる。選択REの電源状態監視部59(電源状態監視部59として機能するCPU70)は、バッテリ62の残量を監視する。電源状態監視部59は、適宜のタイミングで、バッテリ状態を含む制御信号を生成する。制御信号は、CPRI経由でREC11へ送信される。
REC11では、REバッテリ状態監視部32(REバッテリ状態監視部32として機能するCPU40)が選択REからの制御信号をCPRI信号処理部26から受け取り、
制御信号に含まれたバッテリ状態を管理する。例えば、REバッテリ状態監視部32として機能するCPU40は、各RE12のバッテリ状態をDIMM41又はメモリ25の記憶領域に記憶する。モード切替処理部31として機能するCPU40は、記憶された各RE12のバッテリ状態を読み出して参照する。バッテリ状態の監視の詳細は後述する。
モード切替処理部31は、選択REのバッテリ残量が予め定められた閾値「REMAINING_th」以下であるか否かを判定する(009)。バッテリ残量が閾値以下でないときには(009,NO)、処理が008に戻り、バッテリ残量の監視が継続される。バッテリ残量が閾値以下であるとき(009,YES)には、モード切替処理部31は、選択順列リストから選択REを削除する更新処理を行う(010)。なお、009の処理は、閾値未満か否かの判定を以て行っても良い。
モード切替処理部31は、選択順列リスト中に選択REとして選択可能な非選択REがあるか否かを判定する(011)。このとき、選択可能な非選択REがあれば(011,YES)、処理が004に戻る。これによって、非選択REの中から新たな選択REが選択され、新たな選択REに係る「大ゾーンセルモード」への切替、及び「大ゾーンセル」の運用が行われる。これに対し、選択可能な非選択REがなければ(011,NO)、「大ゾーンセル」の運用が停止される。
なお、007の処理は、005又は006の前に実行されても良い。或いは、007の処理は、005及び006の処理の少なくとも一方と並列に実行されても良い。
また、図10に示す処理は、1つの周波数帯を用いる複数のRE12に関する処理を示している。基地局装置10が複数の周波数帯を扱う(複数のRE12によって複数の周波数帯が使用される)場合、図10に示す処理は、例えば周波数帯毎に実行される。但し、図10に示した各処理において、複数の周波数帯に係る処理が必要に応じて並列に実行されても良い。
上記動作例では、選択REのバッテリ残量が所定範囲となったときに、当該選択REが大ゾーンセルモードでの動作が継続できなくなったと判定して、次に大ゾーンセルモードへの切り替えを行うRE12が選択順列リストから選択される。但し、大ゾーンセル15を形成しているRE12(選択RE)が故障し、当該RE12が異常状態となったことが検知された場合にも、選択順列リストが更新され、次に選択可能なRE12が大ゾーンセルモードに切り替えられるようにしても良い。
例えば、007と007Aとの間に、選択REが正常状態か否かを判断する処理を追加し、正常状態でなければ、処理が010に進むように、図10の処理を変形可能である。或いは、008のバッテリ残量監視において、選択REから正常なバッテリ状態の報告がなされていないときに、処理が010へ進むようにしても良い。このようにすれば、選択REの異常(障害)を契機として、大ゾーンセル15を形成するRE12を変更することができる。
<選択順列リスト作成>
次に、選択順列リスト作成処理(図10の003)について説明する。選択順列リスト作成処理は、モード切替処理部31として機能するCPU40によって実行される。選択順列リスト作成処理は、以下の手順で実行される。
(1)最初に、正常状態のRE12が複数の周波数グループにグルーピングされる(周波数グループ分け)。
(2)次に、各周波数グループ内で、RE12が上位グループと下位グループとに分類される(上位グループ/下位グループ分け)。
(3)最後に、各周波数グループ内の上位グループ及び下位グループのそれぞれに関して、RE12が順位付けされる(ソート)。
なお、選択順列リストの作成は、002の処理をトリガとすることなく適宜のタイミングで予め行われ、異常状態のRE12が選択順列リストから削除されるようにしても良い。
<<(1)周波数グループ分け>>
図11は、「周波数グループ分け」の処理例を示すフローチャートである。図11に示す処理は、正常状態を示す全てのRE12を対象として、RE12毎に実行される。図11に示す例では、基地局装置10がn個の周波数帯f1,f2,・・・,fnを使用可能である。周波数帯毎に、対応する周波数グループ1,2,・・・,nが設定されている。例として、nの値が4である場合について説明する。
201では、モード切替処理部31は、複数の正常状態のRE12の中から選ばれた1つのRE12の周波数帯を確認する。202では、モード切替処理部31は、確認された周波数帯が“周波数帯f1”であるか否かを判定する。このとき、周波数帯が周波数帯f1であるときには(202,YES)、モード切替処理部31は、RE12を周波数グループ1(周波数帯f1のグループ)に分類し(203)、処理を終了する。
202において、周波数帯が周波数帯f1でないときには(202,NO)、モード切替処理部31は、周波数帯が周波数帯f2か否かを判定する(204)。このとき、周波数帯が周波数帯f2であれば(202,YES)、モード切替処理部31は、RE12を周波数グループ2(周波数帯f2のグループ)に分類し(205)、処理を終了する。
204において、周波数帯が周波数帯f2でないときには(204,NO)、モード切替処理部31は、周波数帯が周波数帯f3か否かを判定する(206)。このとき、周波数帯が周波数帯f3であれば(206,YES)、モード切替処理部31は、RE12を周波数グループ3(周波数帯f3のグループ)に分類し(207)、処理を終了する。
206において、周波数帯が周波数帯f3でないときには(206,NO)、モード切替処理部31は、RE12を周波数グループ4(周波数帯f4のグループ)に分類し(208)、処理を終了する。
図12は、周波数グループ分けの処理結果の例を示す説明図である。図12において、REC11に接続された複数のRE#a〜RE#j(図1の構成と異なる)が存在するときに、これらのRE#a〜RE#jが、周波数グループ1〜nの何れかに分類された様子が示されている。なお、1つのRE12が複数の周波数帯をサポートすることはあり得る。そして、1つのRE12が、複数の周波数帯の大ゾーンセル15を並列に形成するように動作することはあり得る。
<<(2)上位グループ/下位グループ分け>>
図13は、「上位グループ/下位グループ分け」の処理例を示すフローチャートである。図13に示す処理は、周波数グループ分けの処理完了後に実行され、周波数グループ毎に、且つRE12毎に実行される。
301において、モード切替処理部31は、RE12の電源状態を確認する。電源状態の確認は、REバッテリ状態監視部32で管理される各RE12の電源状態に基づいて実行される。302では、モード切替処理部31は、電源状態が「通常電源」であるか否かを判定する。電源状態が「通常電源」であるときには(302,YES)、モード切替処理部31は、RE12を上位グループに分類する(303)。これに対し、電源状態が「通常電源」でない(「バッテリ」である)ときには(302,NO)、モード切替処理部
31は、RE12を下位グループに分類する(304)。
図14は、上位グループ/下位グループ分け処理の結果例を示す説明図である。例えば、周波数グループ1(周波数帯f1)に関して、RE#a及びRE#bが上位グループに分類され、RE#c及びRE#dが下位グループに分類されている。他の周波数グループについても、同様の分類が行われる。
<<(3)ソート>>
図15は、「ソート」の処理例を示すフローチャートである。図15に示す処理は、上位グループ/下位グループ分けの処理後において、各周波数グループの上位及び下位グループに関して実行される。
401では、モード切替処理部31は、或る周波数グループにおいて、上位グループに属するRE12を、ケーブル長が短い順で並べる(ソートする)。各RE12のケーブル長は、例えば、メモリ25(CF39)に予め記憶されており、モード切替処理部31は、記憶されたケーブル長を用いてソートを行う。
402では、モード切替処理部31は、下位グループに属するRE12を、バッテリ残量が多い順で並べる(ソートする)。バッテリ残量として、REバッテリ状態監視部32で管理される各RE12のバッテリ残量を参照する。バッテリ残量が多い程、選択REの動作可能時間が長くなり得る点が考慮されている。
図16は、ソート処理の結果例を示す説明図である。例えば、周波数グループ1(周波数帯f1)の上位グループに関して、RE#a,RE#bの順で順位付けされた様子が示されている。周波数グループ1の下位グループに関しては、RE#c,RE#dの順でソートされた例が示されている。下位グループの順位は、上位グループの順位の下位に置かれる。例えば、周波数グループ1におけるRE#c及びRE#dの順位は、上位グループの1位、2位に後続する3位、4位である。
図16に示すようなリストが、最終的な選択順列リストである。図10における004の処理では、選択順列リストの最上位(1位)のRE12が選択REとして選択される。選択順列リストは、例えば、モード切替処理部31として機能するCPU40がDIMM41又はメモリ25に記憶することで管理される。
<大ゾーンセルのセル半径に関するパラメータ調整>
図17は、図10の005で実行されるセル半径に関するパラメータ調整処理の例を示すフローチャートである。図17の処理は、004(図10)で選択REが決定された後に開始される。
モード切替処理部31は、選択REのケーブル長を新たな最大ケーブル長“a”に設定する(501)。メモリ25(CF39)には、各RE12のケーブル長が予め記憶されており、モード切替処理部31は、メモリ25に記憶された選択REのケーブル長を用いる。
次に、モード切替処理部31は、現在の最大基地局許容遅延bと、最大ケーブル長aとを用い、上記した式(2)を用いて最大セル半径cを算出する(502)。次に、モード切替処理部31は、選択REに関して更新された最大ケーブル長aと最大セル半径cとの反映を行う(503)。すなわち、モード切替処理部31は、選択REが最大セル半径cの大ゾーンセル15を形成するように、アンテナ制御部30を制御して、選択REのアンテナチルト調整を行う。
<アンテナチルト調整>
モード切替処理部31は、上記したパラメータ調整において得られた選択REの最大セル半径(c_post[chip]とする)と、選択REのアンテナ高さ[m]とを用いて、大ゾーン
セルを形成するためのアンテナチルト(チルト角)θ_post[°]を算出する。メモリ25(CF39)には、各RE12のアンテナ高さが予め記憶されており、モード切替処理部31は、,メモリ25中の選択REのアンテナ高さを用いる。チルト角θ_postは、例えば、以下の式(4)で求められる。
θ_post = tan-1[アンテナ高さ/(c_post/0.0128)] × 360 / 2π ・・・(4)
モード切替処理部31は、以下の式(5)を用いてパラメータ調整前の選択REのセル半径(c_pre[chip]とする)から、パラメータ調整前のチルト角θ_pre[°]を求める。そ
して、モード切替処理部31は、θ_postとθ_preとの差分である、調整角度θ_diff[°]を得る(式(6)参照)。
θ_pre = tan-1[アンテナ高さ/(c_pre /0.0128)] × 360 / 2π ・・・(5)
θ_diff =θ_post − θ_pre ・・・(6)
但し、チルト角θ_preの値が予めメモリ25(CF39)に記憶され、調整角度の算出
に予め記憶されたチルト各θ_preが用いられても良い。なお、チルト角は、水平より下
側へ傾く程大きくなる。このため、調整角度θ_diffの値が正の場合には、アンテナが下方向に(チルト角が大きくなるように)調整され、負の場合にはアンテナが上方向に(チルト角が小さくなるように)調整される。
モード切替処理部31は、選択REのアンテナチルト制御部60へθ_diffを含む制御信号を送る。アンテナチルト制御部60は、REC11から受け取ったθ_diffに従って、チルト角を変更する。なお、パラメータ調整及びアンテナチルト調整は、基地局装置10が複数の周波数帯(周波数グループ)をサポートする場合には、周波数グループ毎に実行される。
<大ゾーンセルスケジューリングモード>
次に、図10の006で変更される「大ゾーンセルスケジューリングモード」について説明する。BB信号処理部27は、スケジューラを含んでおり、スケジューラは、送受信データを有する各ユーザ(無線端末13)に共有データチャネル上の無線リソース(以下、リソースとも表記)を割り当てるスケジューリングを行う。選択REの大ゾーンセルモードへの切り替えに伴い、選択REで形成されるセル(大ゾーンセル15)に接続される各無線端末に対するスケジューリングのモードが、大ゾーンセルモードに対応する大ゾーンスケジューリングモードへ変更される。
データ格納用のメモリ25(CF39)には、大ゾーンスケジューリングモードで適用されるパラメータ“RBl-mode”,“TTIl-mode”,及び“TBSmax_l-mode”が予め記憶される。モード切替処理部31は、上記パラメータをメモリ25から読み出し、BB信号処理部27(スケジューラ)が「大ゾーンスケジューリングモード」で以下のように動作するための指示をBB信号処理部27に与える。
<1>1つの無線端末に割り当てるRBの個数を“RBl-mode”値が示す個数で固定する。
<2>1つの無線端末へのデータの割り当て間隔を“TTIl-mode”の値以上に設定する。
<3>1つの無線端末へ一度に割り当てるデータサイズ(Transport Block Size (TBS))を“TBSmax_l-mode”以下に設定する。
<4>大ゾーンセルにリソースを集中させるため、セル単位で複数のRE12に分割割り当てされていたリソースを大ゾーンセルを形成する選択REに割り当てる。
RBは、LTEやLTE−Aにおけるリソースの最小割り当て単位であり、12サブキャリア×7シンボルで形成される(1サブキャリア=15kHz)。1つの無線端末13に係る送受信データは、当該無線端末13に割り当てられたRBにマッピングされて送受信される。TTIは、スケジューリングの最小時間単位であり、1サブフレーム(1ms)である。通常、サブフレームごとに、スケジューリングで選択された無線端末13へRBが割り当てられる。TBSは、データ伝送などの処理を行う際の基本単位である。
“TTIl-mode”値は、1つの無線端末13のデータ割り当て間隔(周期)を示す所定期間を定義する。“TTIl-mode”値として、1サブフレーム(1ms)より大きい値が設定される。大ゾーンセルモードでは、各無線端末13に関して、或るタイミングでデータが割り当てられてから“TTIl-mode”値で示される時間が経過するまで、次のデータ割り当てが禁止される。
また、“RBl-mode”値は、或る帯域幅に配置される複数のRBのうち、1つの無線端末13に割り当て可能なRB数を示す。“RBl-mode”値として、例えば、或る帯域幅において配置可能な複数のRBが複数の無線端末13に平等に割り当てられるような固定値が設定される。例えば、5MHzの帯域幅に配置されるRB数が20であるときに、“RBl-mode”値が例えば4に設定されると、5つの無線端末にRBを平等に割り当て可能となる。
“TBSmax_l-mode”値は、上記した“TTIl-mode”値で定義される所定期間(時間長)内で、1つの無線端末13に割り当て可能な最大データ量(データサイズ)を示す。“TBSmax_l-mode”値と、“TTIl-mode”値との積は、各無線端末13の最大伝送レートを示す。“TTIl-mode”値は、或る通信サービス(例えば、音声通信)を実施可能な伝送レートが確保される値に設定される。最大伝送レートに制限が設けられることで、各無線端末13のそれぞれが或る通信サービス(音声通信)を実施可能な環境が確保される。なお、或る通信サービスより低いレートで実施可能な通信サービスに関しては、“TTIl-mode”値より小さい適宜のデータ量が設定されてもよい。
「大ゾーンスケジューリングモード」では、1つの無線端末13に割り当てられるRBの個数が“RBl-mode”値で固定される。このため、割り当て可能なRB数に上限が設けられる。一方で、1つの無線端末13に係るデータ割り当て間隔が“TTIl-mode”値で定義された間隔で広げられる。これによって、単位時間(例えば、1サブフレーム(1ms))において大ゾーンセル15に接続可能な無線端末13の数を増やすことができる。さらに、“TBSmax_l-mode”値で、一度に割り当て可能なデータサイズを制限することで、所定期間における最大伝送レートを調整することができる。なお、所定期間は、単位時間を含む所定の時間長で形成される期間を指す。
<REのバッテリ状態監視>
次に、図10の007A,008,009の処理に関連するREバッテリ状態監視部32(CPU40)によるバッテリ状態監視処理について説明する。図18は、バッテリ状態監視処理の例を示すフローチャートである。バッテリ状態監視処理は、大ゾーンセルモードへの切替処理(図10)から独立して実行される。
図18に示す処理は、例えば、基地局装置10の起動を契機として開始される。601において、REバッテリ状態監視部32は、REC11に接続されている全てのRE12のバッテリ状態(電源状態及びバッテリ残量)を収集する。すなわち、REバッテリ状態監視部32は、各RE12の電源状態監視部59に対し、バッテリ状態を報告する指示(報告指示)を送り、報告指示に従って送信される各RE12のバッテリ状態を受信する。
収集された各RE12のバッテリ状態は、DIMM41又はメモリ25に記憶される。
その後、REバッテリ状態監視部32は、バッテリ状態の監視周期を定めるタイマの計時を開始し(602)、タイマが満了すると(603,YES)、再びバッテリ状態の収集を行う(604)。このように、基地局装置10の起動を契機にバッテリ状態が収集されると、その後は、タイマに基づく一定周期で各RE12のバッテリ状態が収集され、必要に応じて記憶されたバッテリ状態が更新される。
バッテリ状態監視は、基地局装置10の稼働中において継続して実行される。但し、何らかの都合でバッテリ状態の収集を停止する場合には、収集の停止指示が、例えば図示しないユーザインタフェース、或いはネットワークを介してREバッテリ監視部32に与えられる。605において、REバッテリ状態監視部32が停止指示を検出すると、バッテリ状態監視処理が終了する。
電源状態監視部59とREバッテリ状態監視部32との間のバッテリ状態のやりとりは、例えば、電源状態監視部59が定期的(周期的)にバッテリ状態をREバッテリ状態監視部32へ報告することで行われても良い。
<実施例>
次に、上述した基地局装置10を用いた無線アクセスシステムの実施例について説明する。図19は、実施例における基地局装置10(無線アクセスシステム)の構成例を示す。実施例における基地局装置10は、これまでに説明したREC11及びRE12の構成及び機能を有する。但し、図19に示す実施例では、基地局装置10は、REC11に接続されるn個のRE12として、5つのRE12(RE#1,RE#2,RE#3,RE#4,RE#5)を有している(n=5)。
図19に示す基地局装置10の通常運用では、RE#1は通常セル14#1を形成し、RE#2は通常セル14#2を形成し、RE#3は通常セル14#3を形成し、RE#4は通常セル14#4を形成し、RE#5は通常セル14#5を形成する。
REC11とRE#1〜RE#5のそれぞれとを結ぶCPRIケーブル長(REC−RE間の伝送路長)は、以下の表1に示す通りである。また、RE#1〜RE#5が形成する通常セル#1〜#5のセル半径は、表2に示す通りである。
Figure 2015115697
Figure 2015115697
以下の表3に示すように、RE#1,RE#2,RE#3及びRE#5は、周波数帯f1の例として、2GHz帯を使用する。一方、RE#4は、周波数帯f2の例として、800MHz帯を使用する。2GHz帯は、周波数グループ1(Gr1)を形成し、800MHz帯は周波数グループ2(Gr2)を形成する。このように、実施例では、複数のRE12によって複数の周波数帯が使用される。
Figure 2015115697
また、図10に示した処理で使用される各種のバラメータ(例えば、閾値“NUM_RE_th
”や閾値“REMAINING_th”など)は、例えば、以下の表4に示す設定値を仮定する。閾値“NUM_RE_th”として、本実施例では“3”が設定されていると仮定する。
表1〜表4に示したケーブル長,セル半径,周波数帯,各種パラメータの設定値を示すデータは、例えば、メモリ25(CF39)に予め記憶される。モード切替処理部31等として機能するCPU40は、図10に示した処理の実行に際して必要なデータをメモリ25から読み出し使用する。なお、表4におけるアンテナチルト角は、「+方向」が下向きである。また、最大ケーブル長の初期値(項1−1,1−2),最大セル半径の初期値(項3−1,3−2)は、周波数グループGr1と周波数グループGr2とで同じ値を使用することができる。
Figure 2015115697
また、RE#1〜RE#5の運用状態は、以下の表5に示すように、それぞれ正常である(正常状態を示す)と仮定する。
Figure 2015115697
また、RE#1〜RE#5のバッテリ状態(初期状態)を以下の表6に示す。RE#1〜RE#5は、通常電源61を使用しており、バッテリ62のバッテリ残量は100%であると仮定する。なお、表6に示す例では、バッテリ残量がフル容量に対するパーセンテージで管理されている。もっとも、バッテリ残量は、絶対値で管理されても良い。
Figure 2015115697
表5に示した運用状態は、例えば、CPRI接続状態監視部29で監視及び収集され、DIMM41又はメモリ25に記憶される。運用状態は適宜のタイミングで更新される。また、バッテリ状態は、図18に示したように、REバッテリ状態監視部32によって収集され、DIMM41又はメモリ25に記憶される。バッテリ状態は、適宜のタイミングで更新される。運用状態及びバッテリ状態は、モード切替処理部31(CPU40)によって参照される。
以下、図19及び表1〜表6に示した実施例の通常運用状態を前提として、大ゾーンセルモードへの切り替えに係る説明を行う。図10に示したように、大ゾーンセルモードへの切り替えは、何らかの事象の発生によって、正常状態のRE12の数が所定範囲(閾値以下又は未満)となったときに実行される。典型的な事象として、地震,火事,竜巻のような天災を含む様々な災害が挙げられる。また、事象は災害以外の事象(例えば、無線端末13のユーザの局所的な集中)を含む。また、事象は、基地局装置10の運用上の諸事情に基づくRE12の一時的な運用停止や、RE12の交換のような事象を含んでも良い。
<<シナリオ1>>
図20は、事象の発生により、通常運用が継続できなくなった基地局装置10の状態例を示す。例えば、災害の発生によって、RE#2及びRE#3が故障して異常状態となり、通常セル14#2及び通常セル#14#3が形成されない状態になったと仮定する。また、RE#1,RE#4及びRE#5は、正常状態であるが、例えば停電により、バッテリ62を使用する状態となったと仮定する。そして、REC11で監視される各RE12の運用状態(状態情報)が以下の表7に示す内容となり、REC11で監視される各RE12のバッテリ状態が以下の表8に示す内容となったと仮定する。
Figure 2015115697
Figure 2015115697
すると、モード切替処理部31(CPU40)は、図10の001において、表7に示すような運用状態を参照し、正常なRE12の数“3”を得る。この結果、モード切替処理部31は、正常なRE12の数が閾値“NUM_RE_th(=3)”以下となったことを検知
して、以降「大ゾーンセルモード」へ切り替える処理を実行する。
<<シナリオ2>>
モード切替処理部31は、図10の003において、選択順列リストの作成を行い、図11及び図13に示した処理を行う。図20に示した各RE12の状態に基づく「上位グループ/下位グループ分け」(図13)の処理結果を表9に示す。
Figure 2015115697
表9に示すように、周波数グループGr1(2GHz帯)に属する正常なRE#1及びRE#5は、バッテリ62を使用しているため、周波数グループGr1の下位グループに分類される。周波数グループGr2(800MHz帯)に属するRE#4は、バッテリ62を使用しているため、周波数グループGr2の下位グループに分類される。
本実施例では、正常なRE#1,RE#4及びRE#5の全てがバッテリを使用しているため、周波数グループGr1及び周波数グループGr2の双方において、上位グループのRE12は存在しない。
<<シナリオ3>>
モード切替処理部31は、図15に示した「ソート」処理を行い、選択順列リストの最終版を作成する。表10に、ソート処理の結果を示す。周波数グループGr1の下位グループに関して、RE#1のケーブル長は、RE#5のケーブル長より短い。このため、表10に示されるように、モード切替処理部31は、RE#1に順列番号1を設定し、RE#5に順列番号2を設定する。周波数グループGr2に関しては、下位グループにRE#4が属するのみであるため、RE#4に順列番号1が設定される。表10に示す選択順列リストは、例えばDIMM41又はメモリ25(CF39)に記憶され、CPU40によって参照される。
Figure 2015115697
<<シナリオ4>>
モード切替処理部31(CPU40)は、選択順列リスト(表10)を参照し、周波数グループ毎に、大ゾーンセルを形成するRE12(選択RE)を選択する(図10の004)。モード切替処理部31は、周波数グループGr1に関して、順列が最上位のRE#1を選択REとして選択(決定)する。また、モード切替処理部31は、周波数グループGr2に関して、RE#4を選択REとして選択(決定)する。
<<シナリオ5>>
モード切替処理部31は、選択RE(RE#1,RE#4)のセル半径に関するパラメータ調整(図10の005,図17)を実行する。最初に、まずは、最大セル半径を計算する。周波数グループGr1の選択REであるRE#1に係るセル半径調整例は、以下となる。最大基地局許容遅延は768.0[chip]であり(表4)、RE#1のケーブル長は192.0[chip]である(表1)。モード切替処理部31は、式(2)を用いて、最大セル半径を算出する。この結果、最大セル半径として576.0[chip](=768.0―192.0)が算出される。さらに、モード切替処理部31は、式(3)を用いて、電波伝搬距離45.00[km]を算出する。
周波数グループGr2の選択REであるRE#4に係るセル半径調整例は、以下となる。最大基地局許容遅延は768.0[chip]であり(表4)、RE#4のケーブル長は19.2[chip]である(表1)。モード切替処理部31は、式(2)を用いて、周波数グループGr2の最大セル半径748.8[chip](=768.0−19.2)を算出する。続い
て、モード切替処理部31は、式(3)を用いて、電波伝搬距離58.50[km]を算出する。
<<シナリオ6>>
モード切替処理部31は、シナリオ5で求めた最大セル半径を用いてRE#1及びRE#4のアンテナチルト(チルト角)を調整する。モード切替処理部31は、チルト角の調整に際し、表4に示すような、予めメモリ25に記憶された調整前アンテナチルト角(θ
_pre[°])及びアンテナ高を用いる。
図21は、周波数グループGr1の選択REであるRE#1に対するチルト角調整例の説明図である。表4に示したように、RE#1のアンテナ高は50[m]であり、調整前のチルト角θ_preは0.29[°]である。モード切替処理部31は、シナリオ5で求めた
RE#1のセル半径576.0[chip]と、上述した式(5)とを用いて調整後のアンテナチルト角θ_postを算出する。ここでは、θ_postの値は0.06[°]となる。続いて、モード切替処理部31は、θ_preの値とθ_postの値とを式(6)に代入し、調整角度
θ_diffを算出する。ここでは、θ_diffの値は−0.23[°]となる。
モード切替処理部31又は、モード切替処理部31からの指示を受けたアンテナ制御部
30は、RE#1のアンテナチルト制御部60へ、θ_diffを含む制御指示(チルト角変更指示)を送る。RE#1のアンテナチルト制御部60は、θ_diffの値が負であるため、アンテナを0.23[°]上げる。
図22は、周波数グループGr2の選択REであるRE#4に対するチルト角調整例の説明図である。表4に示したように、RE#4のアンテナ高は50[m]であり、調整前のチルト角θ_preは0.29[°]である。モード切替処理部31は、シナリオ5で求めた
RE#4のセル半径748.8[chip]と、上述した式(5)とを用いて調整後のアンテナチルト角θ_postを算出する。ここでは、θ_postの値は0.05[°]となる。続いて、モード切替処理部31は、θ_preの値とθ_postの値とを式(6)に代入し、調整角度
θ_diffを算出する。ここでは、θ_diffの値は−0.24[°]となる。
モード切替処理部31又は、モード切替処理部31からの指示を受けたアンテナ制御部30は、RE#1のアンテナチルト制御部60へ、θ_diffを含む制御指示(チルト角変更指示)を送る。RE#1のアンテナチルト制御部60は、θ_diffの値が負であるため、アンテナを0.24[°]上げる。
なお、モード切替処理部31又はアンテナ制御部30(REC11)は、θ_preの値
とθ_postの値とを選択REに送り、選択REのアンテナチルト制御部60がθ_diff算出以降の処理を行うようにしても良い。この場合、θ_preの値は、選択REが予め記憶
していても良い。
<<シナリオ7>>
モード切替処理部31は、BB信号処理部27のスケジューリングモードを「大ゾーンスケジューリングモード」に変更する処理を実行する(図10の006)。すなわち、モード切替処理部31は、表4の項16,17及び18に示したパラメータ“RBl-mode”,“TBSmax_l-mode”及び“TTIl-mode”を用いて、BB信号処理部27のスケジューラが以下のスケジューリング動作を行うように制御する。
・同一ユーザ(無線端末13)に割り当てるRB数を4個で固定する。
・一度に割り当てるデータサイズ(TBS)を最大で2000[bit]に制限する。
・同一ユーザ(無線端末13)に対するデータの割り当て間隔(所定期間)を20[ms]とする。すなわち、一度データを割り当てると、20ms経過するまでは同一ユーザへのデータ割当を禁止する。
上記に従ったスケジューリング動作によって、以下の式(7)に示すように、所定期間(実施例では20ms)における1ユーザ(無線端末13)あたりの最大伝送レートは100[kbps]に制限される。
2000[bit]/20 [ms] = 100[kbps] ・・・(7)
一方で、単位時間(1ms=TTI)あたりの無線端末13の接続可能数は、以下のようになる。例えば、帯域幅が5MHzのときのRB数が20個であるとする。1つの無線端末13あたりのRB数は4個であるので、単位時間当たり5つの無線端末が接続可能となる(20[RB]/4[RB/UE] =5[UE])。
また、帯域幅が10MHzのときのRB数が40個であるとする。この場合、単位時間当たりの無線端末13の接続可能数は10となる(40[RB]/4[RB/UE] =10[UE])。また、帯域幅が15MHzのときのRB数が60個であるとする。この場合、
単位時間当たりの無線端末13の接続可能数は15となる(60[RB]/4[RB/UE]
=15[UE])。また、帯域幅が20MHzのときのRB数が80個であるとする。こ
の場合、単位時間当たりの無線端末13の接続可能数は20となる(80[RB]/4[R
B/UE] =20[UE])。
そして、“TTIl-mode”値(20ms)に基づく所定期間内で処理可能なユーザ(無線端末13)の数は、以下のようになる。
帯域幅5MHz:5 ×20 =100 [UE]
帯域幅10MHz:10 ×20 =200 [UE]
帯域幅15MHz:15 ×20 =300 [UE]
帯域幅20MHz:20 ×20 =400 [UE]
音声通信に必要な伝送レートは、一般的に12[kbps](W−CDMAにおけるAMR(adaptive multi-rate)音声呼通信速度)である。このため、最大伝送レートが100[kbps]であれば、十分に音声通信を行うことができる。これにより、大ゾーンセル15に接続
される各無線端末13に対し、公平な伝送レートで音声通信可能な環境を提供することができる。
<<シナリオ8>>
モード切替処理部31は、選択RE以外のRE12を省電力モードにする(図10,007)。本実施例では、モード切替処理部31は、RE#2,RE#3,RE#5向けに省電力モード指示を発行する。省電力モード指示を含む制御信号は、CPRI信号処理部26でCPRI信号に変換され、RE#2,RE#3,RE#5へ送られる。
RE#5は、CPRI信号処理部51がCPRI信号を制御信号に戻す。このとき、CPRI信号処理部51は、制御信号が省電力モード指示を含むと判別し、省電力モード指示を監視制御部58に与える。監視制御部58は、省電力モード指示を受け取ると、省電力制御範囲Aへの電力供給停止、或いは電力供給量の低減を行い、省電力モードにする。これによって、非選択REの電力消費量を抑えることができる。特に、選択順列リストにある非選択RE(RE#5)がバッテリ62を使用している場合、バッテリ62の残量低下速度を抑えることができる。
なお、RE#2及びRE#3は、異常状態であるので、省電力モードに遷移できるか否かは、異常(障害)の内容に依存する。従って、異常状態のRE12への省電力モード指示の送信は、省電力モードへの遷移の試行となる。
図23は、シナリオ8終了後の無線アクセスシステムの状態を示し、RE#1及びRE#4が大ゾーンセルモードに切り替えられた後の様子が示されている。RE#1によって2GHz帯(Gr1)の大ゾーンセル15#1が形成される。大ゾーンセル15#1によって、RE#2の通常セル14#2,RE#3の通常セル14#3,RE#5の通常セル14#5の通信エリア(カバレッジエリア)がカバーされる。また、RE#4によって800MHz帯(Gr2)の大ゾーンセル15#2が形成され、800MHz帯のカバレッジエリアが拡張される。なお、図23には、RE#5だけが省電力モードに遷移した例が図示されている。
<<シナリオ9>>
モード切替処理部31は、選択REであるRE#1及びRE#4のバッテリ状態を監視する(図10,008,図13)。但し、モード切替処理部31は、選択REだけでなく、REC11に接続されている全てのRE12のバッテリ状態を監視する。
モード切替処理部31は、上記したように、REバッテリ状態監視部32によって管理される各RE12のバッテリ状態を示す情報を共有する(参照する)ことができる。モード切替処理部31は、例えば、各RE12のバッテリ状態を示す情報のうち、選択REで
あるRE#1及びRE#4のバッテリ状態を参照する。表11は、モード切替処理部31によって参照されるRE#1及びRE#4のバッテリ状態の例を示す。
Figure 2015115697
<<シナリオ10>>
モード切替処理部31は、各RE#1及びRE#4のバッテリ残量と、閾値“REMAINING_th(10[%])”とを比較する(図10,009)。このとき、RE#4に関しては、バ
ッテリ残量が閾値を上回るため、現状の運用が継続される。一方、RE#1に関しては、RE#1のバッテリ残量が閾値以下(未満)となっている。このため、モード切替処理部31は、選択順列リストからRE#1を削除する更新処理を行う(図10,010)。これによって、周波数グループGr1では、順列番号2番(表10)のRE#5が最上位のRE12になる。
モード切替処理部31は、RE#5を対象として、図10の005〜0011の処理を行う。すなわち、周波数グループGr1に関して、RE#5によって形成される大ゾーンセル15での運用が行われる。
なお、上記実施例では、異常状態のRE12(RE#2,RE#3)からは、バッテリ
状態を受け取れないため、データを示していない(表8)。これを利用して、以下の変形を行うことができる。すなわち、REバッテリ状態監視部32は、正常なバッテリ状態を受信できないRE12に関しては、当該RE12のバッテリ状態を示す値を、予め決められた特殊値(例えばNull)に設定する。モード切替処理部31は、RE#1,RE#
4のバッテリ状態を参照したとき、値が特殊値になっていれば、特殊値のRE12(例えばRE#1)が異常状態とみなして、選択順列リストの更新及びREの再選択を実行する。
<実施形態の作用効果>
上記記実施例を含む実施形態によれば、複数のRE12の監視結果が所定条件を満たすときに、大ゾーンセルモードで動作するRE12が選択され、当該RE12が大ゾーンセルモードへ切り替えられる。これによって、大ゾーンセルモードで動作するRE12を動的に選択することができる。
実施形態では、例として、RE12の状態(正常/異常)の監視の結果、正常状態を示す(正常な)RE12の数が閾値以下又は未満となったときに、正常状態を示すRE12の中から、大ゾーンセルモードで動作するRE12が選択される。これによって、残りの正常なRE12から大ゾーンセルモードで動作する(大ゾーンセルを形成する)RE12を動作することができる。
これによって、例えば、災害等の発生によって、複数のRE12のうち1又は2以上が同時期に故障しても、残った正常なRE12の中から、大ゾーンセル15を形成するRE12を動的に選択することができる。従って、複数のRE12の全てが異常とならない限り、大ゾーンセル15を形成することができる。なお、実施形態で示したRE12の監視
内容及び選択動作の開始条件は例示であり、実施形態の例示と異なる内容及び条件を採用することができる。
大ゾーンセルは、複数のRE12によって形成される各セルの少なくとも一部をカバーするように形成される。これによって、例えば、故障したRE12によって形成されていたセルのエリアを大ゾーンセルでカバーすることができ、故障したRE12がセルを形成しなくなったエリアにおいて大ゾーンセルを用いた通信が可能となる。
また、実施形態では、正常なRE12の環境情報(電源状態、ケーブル長のようなRE12の動作環境を示す情報)に基づいて、正常なRE12から選択REが動的に選択される。これによって、残りの正常なRE12の中から、動作環境が大ゾーンセルの形成に適したRE12を選択することができる。
選択REの選択に際しては、バッテリ62を使用中のRE12よりも、通常電源61を使用中のRE12が優先して選択される。さらに、バッテリ62を使用するRE12間では、バッテリ残量が多いRE12が優先して選択される。これによって、選択REによって形成される大ゾーンセル15の運用時間(持続時間)を長くすることができる。
また、選択REの選択に際して、通常電源61を使用するRE12間では、REC11とRE12との間のケーブル長が短いRE12が選択される。セル半径に係るパラメータ調整(図17)において、大ゾーンセル15の最大セル半径cは、最大基地局許容遅延bから最大ケーブル長aを減じて算出される(式(2)参照)。このため、ケーブル長が短いRE12が優先して選択されることで、大ゾーンセル15のセル半径を大きくすることができる。
これによって、異常状態のRE12がセル14の形成によってカバーしていた通信エリアや、省電力モードに遷移したRE12がセル14の形成によってカバーしていた通信エリアが大ゾーンセル15によってカバーされる可能性を高めることができる。このような選択REによる大ゾーンセル15の形成によって、基地局装置10の通信エリア(カバレッジエリア)の縮小を抑止することができる。
なお、実施例では、最大セル半径cが減じられる予め定められた値(bの値)として、通常運用時における最大基地局許容遅延が用いられている。但し、最大基地局許容遅延と異なる値が適用されても良い。例えば、大ゾーンセル15のセル半径が所望の値となるような値が予め記憶され、新たな大ゾーンセル15のセル半径の算出時に使用されても良い。なお、予め定められた値の設定には、チルト角が考慮される。
さらに、複数のRE12が複数の周波数帯を使用する場合には、周波数帯(周波数グループ)毎に、大ゾーンセルモードへの切り替えが実行される。これによって、周波数帯毎に、大ゾーンセル15を形成することができる。
このとき、実施例に示したように、通常の運用状態において、或る周波数帯(周波数グループ)を用いるRE12が1つであっても、当該RE12を対象とする大ゾーンセルモードへの切り替えが実行される。したがって、正常なRE12の個数が所定範囲となったときに、当該RE12の通信エリアが拡張される。これにより、例えば、災害等によって通常セル14#4の周辺セルの形成が停止されたときに、当該周辺セルの通信エリアに位置する800MHz帯の無線端末13が大ゾーンセル15#2を用いて通信を行い得る。
また、実施形態によれば、大ゾーンセルモードへ切り替えるRE12の選択順序を示す選択順列リストが生成される。大ゾーンセルモードに切り替えられたRE12が、大ゾー
ンセルモードでの動作を継続できなくなったとき、選択順列リストで次の選択REに該当するRE12が大ゾーンセルモードへ切り替えられる。
これによって、速やかに次のRE12を大ゾーンセルモードへ切り替えることができ(大ゾーンセル15を形成するRE12を速やかに変更することができ)、大ゾーンセル15を用いる基地局装置10の運用を継続することができる。なお、選択順列リストから次のRE12を選択するときに、当該RE12の状態が正常か異常かを判定し、異常であれば、当該RE12の選択をスキップして、さらに次のRE12が選択されるようにしても良い。
上記の説明では、大ゾーンセルモードに切り替えられたRE12のバッテリ残量が閾値以下となったとき、及び当該RE12の状態が「異常」となったときに、当該RE12が“既に大ゾーンセルモードでの動作を継続できない状態になった”と判定し、次のRE12への切り替えを行う。但し、次のRE12への切り替えは「大ゾーンセルモードでの動作継続に関する障害が検知」されたときに実行されるようにしても良い。すなわち、次のRE12への切り替えが“既に大ゾーンセルモードでの動作を継続できない状態になった”場合だけでなく、“大ゾーンセルモードでの動作を継続できなくなる前兆が検知された”場合にもなされる形態を採用することができる。
例えば、バッテリ残量の閾値を、大ゾーンセルモードでの動作を継続できなくなるバッテリ残量に合わせて設定するのではなく、大ゾーンセルモードでの動作を継続できなくなる前兆と認められる値に設定することで、前兆を考慮したRE12の切り替えが可能となる。
或いは、或るRE12について監視部28及びCPRI接続状態監視部29の少なくとも一方が「前兆」となる事象を検知したときに或るRE12の状態を「異常」と判定することが考えられる。すなわち、「異常」と判定される事象に「前兆」となる事象を含めて、「動作継続に関する障害」が検知されるようにすることができる。この場合、「前兆」の考慮は、通常モードから大ゾーンセルモードへの切り替え判定(大ゾーンセルモードで動作するRE12の選択)にも及ぶ。これによって、異常判定の前兆となる事象が生じているRE12を選択候補から除外することができる。
或いは、監視部28及びCPRI接続状態監視部29の少なくとも一方が「異常」と判定される事象とは異なる異常の「前兆」となる事象を検知したときにも、次のRE12への切り替えが実行されるようにしても良い。この場合、次のRE12への切り替えを早めることができ、異常と判定される事象の発生によって大ゾーンセルが形成されなくなる状態を回避し得る。
また、大ゾーンセルモードへの切り替えに際しては、「大ゾーンスケジューリングモード」への変更が行われる。このとき、選択RE(大ゾーンセル15)に関して、所定期間当たりにおける無線端末13の接続可能数が大ゾーンセルモードへの切り替え前における接続可能数よりも増加するように、スケジューリングモードが変更される。これによって、例えば、大ゾーンセルモードにおいて、或る期間内で多数のユーザが無線端末13の利用を所望する状況に応えることが可能となる。
また、スケジューリングモードの変更にあたっては、各無線端末13に関して所定期間当たりの伝送可能なデータ量に上限が設けられる。これによって、各無線端末13に公平な通信環境を与えることができる。さらに、上限として、所定の通信サービス(例えば音声通信)を実施可能なデータ量が設定される。これによって、大ゾーンセル15に接続された各無線端末13のユーザに対し、公平に音声通信可能な環境を提供することができる
なお、上記した実施例では、閾値「NUM_RE_th」と比較する正常なRE12の数を、
周波数グループの区別なく用いている。これに代えて、正常なRE12の数が周波数グループ毎に管理され、大ゾーンセルモードへの切替判定及び切替処理が、周波数グループ単位で実行されるようにしても良い。例えば、上述した実施例では、以下のようにすることが可能である。すなわち、周波数グループGr1に属する正常なRE12の数のみが管理され、周波数グループGr2に属するRE12は1つであるため管理されない。そして、周波数グループGr1に関して正常なRE12の数が閾値以下のときに、周波数グループGr1のみの大ゾーンセルモードへの切替が実行される。結果として、周波数グループGr2に関しては、通常セルでの運用が継続される。
10・・・基地局装置
11・・・REC装置
12・・・RE装置
40・・・CPU

Claims (14)

  1. それぞれセルを形成する複数の無線装置と、
    前記複数の無線装置を制御可能な無線制御装置であって、前記複数の無線装置を監視する処理と、前記監視の結果が所定条件を満たしたときに前記セルより大きい大ゾーンセルを形成する大ゾーンセルモードで動作する無線装置を前記複数の無線装置の中から選択する処理と、選択した無線装置を前記大ゾーンセルモードへ切り替える処理と、を実行する制御装置を含む無線制御装置と、
    を備える無線アクセスシステム。
  2. 前記大ゾーンセルモードで動作する前記無線装置は、前記複数の無線装置の少なくとも一部のセルを包含するエリアを有する大ゾーンセルを形成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線アクセスシステム。
  3. 前記無線制御装置は、前記大ゾーンセルに包含される前記複数の無線装置のうち前記大ゾーンセルモードで動作する無線装置以外の他の無線装置に対して、セルの形成を停止させる省電力モードへ動作を切り替えさせる制御信号を送信する、ことを特徴とする請求項2に記載の無線アクセスシステム。
  4. 前記制御装置は、前記複数の無線装置のそれぞれの状態が正常か異常かを監視し、正常状態を示す無線装置の数が所定範囲となったときに、当該正常状態を示す無線装置の中から前記大ゾーンセルモードで動作する無線装置を選択する
    請求項1から3の何れか1項に記載の無線アクセスシステム。
  5. 前記制御装置は、無線装置の動作環境に基づいて、前記大ゾーンセルモードで動作する無線装置を選択する
    請求項1から4の何れか1項に記載の無線アクセスシステム。
  6. 前記複数の無線装置のそれぞれは、通常電源とバッテリとの一方を用いて動作し、
    前記制御装置は、前記大ゾーンセルモードで動作する無線装置を選択するときに、前記通常電源を用いて動作している無線装置を前記バッテリを用いて動作している無線装置よりも優先して選択する
    請求項1から5の何れか1項に記載の無線アクセスシステム。
  7. 前記制御装置は、大ゾーンセルモードで動作する無線装置を選択するときに、複数の無線装置のうちで前記伝送路長の短い無線装置を選択する
    請求項1から6の何れか1項に記載の無線アクセスシステム。
  8. 前記制御装置は、大ゾーンセルモードで動作する無線装置として、バッテリを用いて動作している2以上の無線装置から1つの無線装置を選択するときに、当該2以上の無線装置のうちで前記バッテリの残量が多い無線装置を選択する
    請求項1から7の何れか1項に記載の無線アクセスシステム。
  9. 前記制御装置は、前記複数の無線装置によって使用される2以上の周波数帯があるときに、前記2以上の周波数帯のそれぞれに関して大ゾーンセルモードで動作する無線装置を選択し、選択した各無線装置の大ゾーンセルモードへの切り替えを行う
    請求項1から8の何れか1項に記載の無線アクセスシステム。
  10. 前記制御装置は、大ゾーンセルモードで動作する無線装置の選択順を定めたリストを生成し、前記リストに従って大ゾーンセルモードに切り替えた無線装置について大ゾーンセ
    ルモードでの動作継続に関する障害を検知したときに、前記リスト上で前記大ゾーンセルモードでの動作継続に関する障害を検知した無線装置の次に選択される無線装置を大ゾーンセルモードに切り替える
    請求項1から9の何れか1項に記載の無線アクセスシステム。
  11. 前記制御装置は、前記選択した無線装置について、所定期間当たりの無線端末の接続可能数が大ゾーンセルモードへの切り替え前における接続可能数より増加するように、前記選択した無線装置に接続される各無線端末に対して無線リソースを割り当てるスケジューリングモードの変更を行う
    請求項1から10の何れか1項に記載の無線アクセスシステム。
  12. 前記制御装置は、前記選択した無線装置に接続される各無線端末に関して所定期間当たりの伝送可能なデータ量に上限が設けられるように、前記スケジューリングモードの変更を行う
    請求項1から11の何れか1項に記載の無線アクセスシステム。
  13. 前記上限が所定の通信サービスを実施可能なデータ量で設定されている
    請求項12に記載の無線アクセスシステム。
  14. それぞれセルを形成する複数の無線装置を制御可能な無線制御装置であって、
    前記複数の無線装置を監視する処理と、前記監視の結果が所定条件を満たしたときに前記セルより大きい大ゾーンセルを形成する大ゾーンセルモードで動作する無線装置を前記複数の無線装置の中から選択する処理と、選択した無線装置を前記大ゾーンセルモードへ切り替える処理と、を実行する制御装置、
    を備える無線制御装置。
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