JP2015115224A - 押ボタンスイッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】異音が発生せず、信頼性を損なうことのない押ボタンスイッチを提供する。【解決手段】筒状のケースと、ケースに支持された操作ボタンと、操作ボタンに取り付けられ、操作ボタンのケース側面に沿った方向である上下方向の動作に伴って上下方向にのみ移動可能とされたケース側面に規制される駆動部材1と、駆動部材1の上下方向の移動に伴って上下方向に伸縮するラバードーム2aを有するラバースイッチ2と、ケースに取り付けられ、ラバースイッチ2が載置された回路基板3と、を備え、ラバードーム2aの内側の天井面2fには可動接点5が形成され、回路基板3のラバースイッチ2が載置されている面には可動接点に接離される固定接点6が形成されており、ラバードーム2aの最上部に位置する押圧面2eに駆動部材1の最下部に位置する接触面1aが前記押圧面を均一に押圧するように構成されていて、接触面1aに複数の突起1bが設けられている。【選択図】図7
Description
本発明は、押ボタンスイッチに関し、特にパッシブキーレスエントリーシステムに使用される車両のエンジン始動のための押ボタンスイッチに関する。
自動車等の移動車両において、従来、当該ドアロックの施錠あるいは解錠は、エンジン始動のためのキーをキー孔に挿入することによって行われていたが、利便性の面から、キーをキー孔に挿入することなく携帯機のスイッチを操作することによってドアロックの解錠・施錠を行ういわゆるキーレスエントリーシステムが用いられている。さらに、近年では、携帯機のスイッチを操作しなくても所定の携帯機を所持して所定の領域に位置すれば、自動的にドアロックの解錠・施錠を行ういわゆるパッシブキーレスエントリーシステムが開発された。また、当該パッシブキーレスエントリーシステムでは、エンジンの始動に関する電気的な認証機能を持たせ、自動車本体と携帯機との間で認証が成立しないとエンジンがスタートしないようにして保安性を高めるように設定されている。そして、自動車本体と携帯機との間で認証が成立すれば、車両に取り付けられた押ボタンスイッチを押すことによって、エンジンを始動することができるように構成されている。
このようなエンジンスタート用の押ボタンスイッチとしては、例えば特許文献1に挙げるようなものが開示されている。特許文献1に記載された押ボタンスイッチ900の構成を図9に示す。
押ボタンスイッチ900は、基板904と、筐体902と、基板904に取り付けられたラバースイッチ907と、ラバースイッチ907の上方に設けられ、筐体902に支持された押ボタン906とで構成されている。ラバースイッチ907のラバードームの下面には接点907bを設け、押ボタン906の頭部906cを筐体902のボタン穴から上方に突出させると共に、接点907bに対向させて基板904に接点905a、905bを配置した。そして、押ボタン906の裏面に先端を凸曲面とした突起906aを設け、ラバースイッチ907の表側の面の中央に突起906aに対応するような湾曲状の凹部907aを形成し、この凹部907aに突起906aを当接させるようにした。
以上の構成によると、押ボタン906のどこを押してもラバースイッチ907の中央を押ボタン906の突起906aが押圧することになる。その結果、ラバースイッチ907の弾性脚部907cは平行に押されて変形するためにラバースイッチ907の裏面の接点907bを基板904上の接点905a、905bに均等に接触させることができる。そのため、不接触による誤動作を防止ことができるという効果を有し、信頼性のある押ボタンスイッチを提供することができるとしている。
しかしながら、特許文献1に記載された押ボタンスイッチ900では、以下のような問題があった。押ボタン906の押し込み荷重が大きすぎたり、突起906aや押ボタン906の内側の側面とラバースイッチ907との間のクリアランスが狭かったりすると、押し込んだ際に突起906aや押ボタン906の内側の側面とラバースイッチ907とが擦れて異音が発生することがあった。また、突起906aや押ボタン906の内側の側面とラバースイッチ907とが接触しラバースイッチ907に傷が付き、ラバーの破損の原因となることがあった。これらの問題を防ぐために突起906aや押ボタン906の内側の側面とラバースイッチ907との間のクリアランスを十分に取ると、押ボタン906が滑ってラバースイッチ907が倒れてしまう危険性があり、結果として信頼性を損なう可能性があった。
本発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたもので、その目的は、擦れによる異音が発生することがなく、信頼性を損なうことのない押ボタンスイッチを提供することにある。
この課題を解決するために、本発明の押ボタンスイッチは、筒状に形成されたケースと、前記ケースに支持された操作ボタンと、前記操作ボタンに取り付けられ、前記操作ボタンの前記ケース側面に沿った方向である上下方向の動作に伴って上下方向にのみ移動可能とされた前記ケース側面に規制される駆動部材と、前記駆動部材の上下方向の移動に伴って上下方向に伸縮するラバードームを有するラバースイッチと、前記ケースに取り付けられ、前記ラバースイッチが載置された回路基板と、を備えた押ボタンスイッチであって、 前記ラバードームの内側の天井面には可動接点が形成されていると共に、前記回路基板の前記ラバースイッチが載置されている面には前記ラバードームの伸縮に応じて前記可動接点に接離される固定接点が形成されており、前記ラバードームの最上部に位置する押圧面に前記駆動部材の最下部に位置する接触面が前記押圧面を均一に押圧するように構成されていて、前記接触面に複数の突起が設けられているという特徴を有する。
このように構成された押ボタンスイッチは、ラバードームの押圧面に接する駆動部材の接触面に複数の突起を設け、ラバードームに対して垂直方向に均一に圧力をかけるようにしたので、駆動部材とラバードームとが擦れる可能性が無い。従って、擦れによる異音が発生することがない。また、駆動部材の接触面とラバードームの押圧面との間の摩擦力が大きくなるため、駆動部材が滑ることによるラバードームの倒れが生じることがない。その結果、信頼性を損なうことのない押ボタンスイッチを提供することができる。
また、上記の構成において、前記ラバースイッチに複数の前記ラバードームが設けられている、という特徴を有する。
このように構成された押ボタンスイッチは、ラバースイッチにラバードームを複数設けたので、操作ボタンにおける操作位置がずれたとしても、複数のラバードームの内、少なくとも1つのラバードームの可動接点が回路基板上の固定接点の一対の導体を接離させるため、確実にスイッチング動作を行わせることができる。従って、より信頼性の高い押ボタンスイッチを提供することができる。
本発明の押ボタンスイッチは、ラバードームの押圧面に接する駆動部材の接触面に複数の突起を設け、ラバードームに対して垂直方向に圧力をかけるようにしたので、駆動部材とラバードームとが擦れる可能性が無い。従って、擦れによる異音が発生することがない。また、駆動部材の接触面とラバードームの押圧面との間の摩擦力が大きくなるため、駆動部材が滑ることによるラバードームの倒れが生じることがない。その結果、信頼性を損なうことのない押ボタンスイッチを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、本明細書では、特に断りの無い限り、各図面のX1側を右側、X2側を左側、Y1側を奥側、Y2側を手前側、Z1側を上側、Z2側を下側として説明する。
まず、
1386227942548_1
及び図2を用いて押ボタンスイッチ100の全体の構成について説明する。
1386227942548_2
は、押ボタンスイッチ100の全体像を示す斜視図であり、図2は、押ボタンスイッチ100の構成を示す分解斜視図である。
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及び図2を用いて押ボタンスイッチ100の全体の構成について説明する。
1386227942548_2
は、押ボタンスイッチ100の全体像を示す斜視図であり、図2は、押ボタンスイッチ100の構成を示す分解斜視図である。
図1に示すように、押ボタンスイッチ100は、ケース10と、ケース10に支持された操作ボタン4とによって、全体として略円筒形の構造となっている。
押ボタンスイッチ100は、車両のエンジンスタート用のスイッチとして用いられるものであり、操作ボタン4の前面が露出し、露出した操作ボタン4の前面を運転者が例えば下側(Z2側)に向かって押圧操作することで、エンジンが始動するように構成されている。尚、操作ボタン4を押圧操作することによってエンジンが始動するためのシステムの構成は公知であるため、その詳細については説明を省略する。
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に示すように、押ボタンスイッチ100は、前述したケース10及び操作ボタン4と、操作ボタン取付部材17と、駆動部材1と、ラバースイッチ2と、回路基板3と、前記回路基板3に取り付けられたコネクタ15及びコイルアンテナ接続部材16とで構成されている。
ケース10は、上下に開口を有するハウジング11と上カバー12と下カバー13とからなり、筒状に形成されている。上カバー12はハウジング11の上部に取り付けられ、操作ボタン4を操作ボタン取付部材17と共に上下動可能に保持している。ケース10の中央部にあるハウジング11はほぼ中空の領域を有している。また、ハウジング11の下部に取り付けられた下カバー13は、ハウジング11の下側の開口を塞ぐように構成される。
駆動部材1は、操作ボタン取付部材17を介して操作ボタン4に取り付けられており、操作ボタン4の上下方向の動作に伴って上下方向に移動可能とされ、ケース10に収納されている。また、駆動部材1と、駆動部材1の上下方向の移動に伴って上下方向に伸縮するラバードーム2aを有するラバースイッチ2と、ラバースイッチ2が載置された回路基板3と、がハウジング11の中央部における中空の領域に収納されていて、回路基板3がケース10に取り付けられている。尚、回路基板3には、ラバースイッチ2を含む電子回路9が形成されている。
ところで、一般的に、パッシブキーレスエントリーシステムにおいて、携帯機の電池が切れていたり、あるいは電圧が低下していたりした場合には、携帯機と車両との間で無線通信を行うことができないため、エンジンを始動させることができない。これを防ぐため、エンジンスタート用の押しボタンスイッチには、非常用の通信手段として、操作前面側にコイルアンテナが内蔵されており、携帯機をエンジンスタートスイッチに近づけることで、コイルアンテナから携帯機に対し非接触で給電されると共に、通信を行うことができるように設計されている。
押ボタンスイッチ100においても、コイルアンテナ14が上カバー12内に取り付けられており、回路基板3に取り付けられているコイルアンテナ接続部材16によって回路基板3内の電子回路9と接続されていて、携帯機と車両との間で無線通信を行うことができるように構成されている。また、回路基板3にはコネクタ15が取り付けられており、パッシブキーレスエントリーシステム内の車載機(図示せず)に接続されている。尚、コネクタ15に設けられた複数の接続用端子15aは、下カバー13に設けられた複数の端子用穴13aに挿入され外部に露出する。
次に、
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乃至図7を用いて押ボタンスイッチ100の主要部である駆動部材1、ラバースイッチ2、及び回路基板3の詳細な構造について説明する。図3は、押ボタンスイッチ100の主要部を示す斜視図であり、図4は、押ボタンスイッチ100の主要部を示す分解斜視図である。また、図5は、押ボタンスイッチ100の主要部を上方から見た平面図であり、図6は、駆動部材1とラバースイッチ2とを、下方から見た斜視図である。更に、図7は、押ボタンスイッチ100の主要部を、図5に示す切断線A−A線から奥方向(Y1方向)に向かって見た場合の、操作ボタン4が押される前の断面図である。
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乃至図7を用いて押ボタンスイッチ100の主要部である駆動部材1、ラバースイッチ2、及び回路基板3の詳細な構造について説明する。図3は、押ボタンスイッチ100の主要部を示す斜視図であり、図4は、押ボタンスイッチ100の主要部を示す分解斜視図である。また、図5は、押ボタンスイッチ100の主要部を上方から見た平面図であり、図6は、駆動部材1とラバースイッチ2とを、下方から見た斜視図である。更に、図7は、押ボタンスイッチ100の主要部を、図5に示す切断線A−A線から奥方向(Y1方向)に向かって見た場合の、操作ボタン4が押される前の断面図である。
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に示すように、押ボタンスイッチ100の主要部は、電子回路9が形成された回路基板3を基に、回路基板3の上側の面(Z1側の面)にラバースイッチ2が密着して載置され、その上方に駆動部材1が配置されて構成されている。
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4に示すように、回路基板3の上側の面には、ラバードーム2aを有するラバースイッチ2が載置されると共に、複数の発光部材7(例えばLED)やその他複数の電子部品8が取り付けられ、回路基板3に形成された配線パターン(図示せず)と共に、電子回路9を構成している。尚、電子部品8は、回路基板3の上側の面だけでなく、回路基板3の下側の面(Z2側の面)に配設されていても良い。また、回路基板3のラバースイッチ2が載置されている面には銅箔等で形成された固定接点6が2つ形成されている。2つの固定接点6はそれぞれ、第1導体6a及び第2導体6bからなる一対の導体で構成されていて、この一対の導体同士が他の別の導体によって接続されることによって導通するように形成されている。押ボタンスイッチ100では、この一対の導体がラバードーム2aの伸縮に応じて接離されるように構成されている。
ラバースイッチ2は、回路基板3の上側の面全体に亘って取り付けられている。回路基板3には、
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4に示すように、ラバースイッチ2を取り付けるための取付穴部3aが2箇所設けられていて、ラバースイッチ2の下面に設けられた、図6に示す2つの取付突部2gが回路基板3の取付穴部3aに挿入されることにより回路基板3に対し位置決めされる。回路基板3にラバースイッチ2が取り付けられている状態を上方(Z1方向)から確認すると、
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5に示すように、回路基板3上に配設された発光部材7や電子部品8をラバースイッチ2が覆っており、これらの部品を保護していることが分かる。ただし、
1386227942548_9
4及び図5に示すように、ラバースイッチ2の、発光部材7の上方を覆っている部分(透過部2h)は、発光部材7から発光された光を上方に透過させるように、その肉厚が他の部分よりかなり薄く形成されている。また、
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4及び図5に示すように、ラバードーム2aが、略円形状をしたラバースイッチ2の中心点をはさんで、左右に2つ配置されている。
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4に示すように、ラバースイッチ2を取り付けるための取付穴部3aが2箇所設けられていて、ラバースイッチ2の下面に設けられた、図6に示す2つの取付突部2gが回路基板3の取付穴部3aに挿入されることにより回路基板3に対し位置決めされる。回路基板3にラバースイッチ2が取り付けられている状態を上方(Z1方向)から確認すると、
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5に示すように、回路基板3上に配設された発光部材7や電子部品8をラバースイッチ2が覆っており、これらの部品を保護していることが分かる。ただし、
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4及び図5に示すように、ラバースイッチ2の、発光部材7の上方を覆っている部分(透過部2h)は、発光部材7から発光された光を上方に透過させるように、その肉厚が他の部分よりかなり薄く形成されている。また、
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4及び図5に示すように、ラバードーム2aが、略円形状をしたラバースイッチ2の中心点をはさんで、左右に2つ配置されている。
ラバースイッチ2は、シリコンゴム等の弾性を有する部材からなり、
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7に示すように、その主要部となるラバードーム2aの下部は、下方が開放された形状となっている。ラバードーム2aは、その外周部にリング状で肉厚の脚部2bが形成され、この脚部2bに囲まれた内側がドーム空間2iとなっている。その周囲には、肉薄に形成されて弾性変形可能な周壁部2cがドーム状に形成されており、上方から掛かる圧力の大きさによって伸縮可能となっている。また、ドーム状の周壁部2cの上部には、上方に突出する円筒部2dが形成されており、円筒部2dの上端には平坦な押圧面2eが形成されている。尚、円筒部2dは、上方から力が掛かったとしても、その力を下方に伝えるだけで、その形状は変形することはない。
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7に示すように、その主要部となるラバードーム2aの下部は、下方が開放された形状となっている。ラバードーム2aは、その外周部にリング状で肉厚の脚部2bが形成され、この脚部2bに囲まれた内側がドーム空間2iとなっている。その周囲には、肉薄に形成されて弾性変形可能な周壁部2cがドーム状に形成されており、上方から掛かる圧力の大きさによって伸縮可能となっている。また、ドーム状の周壁部2cの上部には、上方に突出する円筒部2dが形成されており、円筒部2dの上端には平坦な押圧面2eが形成されている。尚、円筒部2dは、上方から力が掛かったとしても、その力を下方に伝えるだけで、その形状は変形することはない。
更に、ラバードーム2aの内側のドーム空間2iの天井部には、押圧面2eに平行な面となる天井面2fが形成されている。そして、天井面2fの中央部には、硬質な合成樹脂からなる可動接点取付部材18が取り付けられていて、可動接点取付部材18の下面には、導体からなる可動接点5が形成されている。即ち、平面視円形状をした押圧面2eの真下の位置に可動接点5が設けられている。また、回路基板3のラバースイッチ2が載置されている面の、可動接点5に対応する位置に、ラバードーム2aの伸縮に応じて接離される第1導体6a及び第2導体6bからなる固定接点6が形成されている。
図4に示す駆動部材1は、ラバースイッチ2の上方に位置し、駆動部材1の最下部に設けられた2つの接触面1aがラバースイッチ2の2つのラバードーム2aそれぞれに対応して配置される。
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5には、上方から見たラバースイッチ2に対する駆動部材1を2点鎖線で表している。駆動部材1の2つの接触面1aの中心部がそれぞれ、ラバースイッチ2の2つのラバードーム2aそれぞれの押圧面2eの位置に配置されていることが分かる。言い換えれば、駆動部材1の接触面1aは、ラバードーム2aの押圧面2e、更にはラバードーム2aに設けられた可動接点5に対応する位置に配置されている。
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5には、上方から見たラバースイッチ2に対する駆動部材1を2点鎖線で表している。駆動部材1の2つの接触面1aの中心部がそれぞれ、ラバースイッチ2の2つのラバードーム2aそれぞれの押圧面2eの位置に配置されていることが分かる。言い換えれば、駆動部材1の接触面1aは、ラバードーム2aの押圧面2e、更にはラバードーム2aに設けられた可動接点5に対応する位置に配置されている。
駆動部材1の接触面1aがラバードーム2aに設けられた可動接点5に対応する位置に配置されていることを、図6で確認する。図6は、駆動部材1とラバースイッチ2とを、下方(Z2方向)から見た斜視図であり、駆動部材1及びラバースイッチ2それぞれの下部側(Z2側)の形状を確認することができる。
前述したように、ラバードーム2aのドーム空間2iの天井面2fには可動接点5が設けられていて、ラバースイッチ2の上部には駆動部材1が配置されている。そして、図6の2本の両矢印Bで示すように、可動接点5の上方(Z1方向)で、かつ平行な面に、駆動部材1の接触面1aが配置されている。それと共に、図7に示すように、ラバードーム2aの最上部に位置する押圧面2eに駆動部材1の最下部に位置する接触面1aが接触するように構成されている。従って、駆動部材1とラバードーム2aとが擦れ合うことがない。このことにより、操作ボタン4からラバードーム2aへ垂直方向に圧力を伝えることができ、押ボタンスイッチ100によるスイッチ動作を確実に行うことできる。
尚、押ボタンスイッチ100において、回路基板3上に設けられた固定接点6とラバードーム2aに設けられた可動接点5との組み合わせによるスイッチ回路は2組あることになるが、これらのスイッチ回路は互いに並列に接続されている。従って、これらのスイッチ回路の内、少なくともどちらか1つのスイッチ回路が導通すれば押ボタンスイッチ100が導通することになる。
押ボタンスイッチ100には更なる特徴がある。図6に示すように、複数の細かい突起1bが、駆動部材1の略円形状をした接触面1aの全面に亘って形成されている。図7からも分かるように、接触面1aに設けられた複数の突起1bは、ラバードーム2aの押圧面2eに接するように配設されている。そのため、接触面1aの複数の細かい突起1bがラバースイッチの押圧面2eに食い込むように接することになる。その結果、駆動部材1の接触面1aとラバースイッチの押圧面2eとの間の摩擦力を大きくすることができる。尚、細かい突起1bの形状は、突起間隔(ピッチ)が0.2〜0.5mm、突起の高さが0.03〜0.05mmである。また円筒部2dの径はφ1.0mm程度、厚さは0.1mm程度である。
次に、
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図8を用いて押ボタンスイッチ100の動作について説明する。図8は、押ボタンスイッチ100の主要部を、図5に示す切断線A−Aから奥方向(Y1方向)に向かって見た場合の、操作ボタン4が押された状態の断面図である。
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図8を用いて押ボタンスイッチ100の動作について説明する。図8は、押ボタンスイッチ100の主要部を、図5に示す切断線A−Aから奥方向(Y1方向)に向かって見た場合の、操作ボタン4が押された状態の断面図である。
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に示すように、駆動部材1が押される前においては、上方からの圧力が掛かっていないため、ラバードーム2aの伸縮可能な周壁部2cは伸びた状態のままである。従って、可動接点5は、回路基板3上の固定接点6から離れている。そのため、可動接点5による固定接点6の導通は成立していない。
次に、
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に示すように、駆動部材1が上方からの圧力Pによって押された状態においては、ラバードーム2aの周壁部2cは下方向に収縮する。またこの時、円筒部2dは収縮せず、そのままの形状を保っている。その結果、可動接点5が下方に押し下げられて、回路基板3上の固定接点6の一対の導体、即ち第1導体6a及び第2導体6bに同時に接触する。そのため、固定接点6が可動接点5を介して導通することになる。
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に示すように、駆動部材1が上方からの圧力Pによって押された状態においては、ラバードーム2aの周壁部2cは下方向に収縮する。またこの時、円筒部2dは収縮せず、そのままの形状を保っている。その結果、可動接点5が下方に押し下げられて、回路基板3上の固定接点6の一対の導体、即ち第1導体6a及び第2導体6bに同時に接触する。そのため、固定接点6が可動接点5を介して導通することになる。
このように押ボタンスイッチ100は、ラバードーム2aの押圧面2eに接する駆動部材1の接触面1aに複数の突起1bを設け、ラバードーム2aに対して垂直方向に圧力を掛けるようにしたので、駆動部材1とラバードーム2aとが擦れる可能性が無い。従って、擦れによる異音が発生することがない。また、駆動部材1の接触面1aとラバードーム2aの押圧面2eとの間の摩擦力が大きくなるため、駆動部材1が滑ることによるラバードーム2aの倒れが生じることがない。その結果、信頼性を損なうことのない押ボタンスイッチ100を提供することができる。
また、押ボタンスイッチ100は、ラバースイッチ2にラバードーム2aを2つ設けたので、操作ボタン4における操作位置がずれたとしても、2つのラバードーム2aの内、少なくとも1つのラバードーム2aの可動接点5が回路基板3上の固定接点6の第1導体6a及び第2導体6bを接離させるため、確実にスイッチング動作を行わせることができる。従って、より信頼性の高い押ボタンスイッチ100を提供することができる。
以上説明したように、本発明の押ボタンスイッチは、ラバードームの押圧面に接する駆動部材の接触面に複数の突起を設け、ラバードームに対して垂直方向に圧力をかけるようにしたので、駆動部材とラバードームとが擦れる可能性が無い。従って、擦れによる異音が発生することがない。また、駆動部材の接触面とラバードームの押圧面との間の摩擦力が大きくなるため、駆動部材が滑ることによるラバードームの倒れが生じることがない。その結果、信頼性を損なうことのない押ボタンスイッチを提供することができる。
本発明は上記の実施形態の記載に限定されず、その効果が発揮される態様で適宜変更して実施することができる。本発明の押ボタンスイッチには、図2に示される構成素子と等価な構成素子が含まれることがあっても良い。例えば、本発明の押ボタンスイッチでは、固定接点とラバードームを2組設けたが、固定接点とラバードームを3組設け、互いに並列に接続しても良い。固定接点とラバードームとによるスイッチを多く設けることにより、より安定したスイッチング動作を行わせることができる。
1 駆動部材
1a 接触面
1b 突起
2 ラバースイッチ
2a ラバードーム
2b 脚部
2c 周壁部
2d 円筒部
2e 押圧面
2f 天井面
2g 取付突部
2h 透過部
2i ドーム空間
3 回路基板
3a 取付穴部
4 操作ボタン
5 可動接点
6 固定接点
6a 第1導体
6b 第2導体
7 発光部材
8 電子部品
9 電子回路
10 ケース
11 ハウジング
12 上カバー
13 下カバー
14 コイルアンテナ
15 コネクタ
16 コイルアンテナ接続部材
17 操作ボタン取付部材
18 可動接点取付部材
100 押ボタンスイッチ
1a 接触面
1b 突起
2 ラバースイッチ
2a ラバードーム
2b 脚部
2c 周壁部
2d 円筒部
2e 押圧面
2f 天井面
2g 取付突部
2h 透過部
2i ドーム空間
3 回路基板
3a 取付穴部
4 操作ボタン
5 可動接点
6 固定接点
6a 第1導体
6b 第2導体
7 発光部材
8 電子部品
9 電子回路
10 ケース
11 ハウジング
12 上カバー
13 下カバー
14 コイルアンテナ
15 コネクタ
16 コイルアンテナ接続部材
17 操作ボタン取付部材
18 可動接点取付部材
100 押ボタンスイッチ
本発明は、押ボタンスイッチに関し、特にパッシブキーレスエントリーシステムに使用される車両のエンジン始動のための押ボタンスイッチに関する。
自動車等の移動車両において、従来、当該ドアロックの施錠あるいは解錠は、エンジン始動のためのキーをキー孔に挿入することによって行われていたが、利便性の面から、キーをキー孔に挿入することなく携帯機のスイッチを操作することによってドアロックの解錠・施錠を行ういわゆるキーレスエントリーシステムが用いられている。さらに、近年では、携帯機のスイッチを操作しなくても所定の携帯機を所持して所定の領域に位置すれば、自動的にドアロックの解錠・施錠を行ういわゆるパッシブキーレスエントリーシステムが開発された。また、当該パッシブキーレスエントリーシステムでは、エンジンの始動に関する電気的な認証機能を持たせ、自動車本体と携帯機との間で認証が成立しないとエンジンがスタートしないようにして保安性を高めるように設定されている。そして、自動車本体と携帯機との間で認証が成立すれば、車両に取り付けられた押ボタンスイッチを押すことによって、エンジンを始動することができるように構成されている。
このようなエンジンスタート用の押ボタンスイッチとしては、例えば特許文献1に挙げるようなものが開示されている。特許文献1に記載された押ボタンスイッチ900の構成を図9に示す。
押ボタンスイッチ900は、基板904と、筐体902と、基板904に取り付けられたラバースイッチ907と、ラバースイッチ907の上方に設けられ、筐体902に支持された押ボタン906とで構成されている。ラバースイッチ907のラバードームの下面には接点907bを設け、押ボタン906の頭部906cを筐体902のボタン穴から上方に突出させると共に、接点907bに対向させて基板904に接点905a、905bを配置した。そして、押ボタン906の裏面に先端を凸曲面とした突起906aを設け、ラバースイッチ907の表側の面の中央に突起906aに対応するような湾曲状の凹部907aを形成し、この凹部907aに突起906aを当接させるようにした。
以上の構成によると、押ボタン906のどこを押してもラバースイッチ907の中央を押ボタン906の突起906aが押圧することになる。その結果、ラバースイッチ907の弾性脚部907cは平行に押されて変形するためにラバースイッチ907の裏面の接点907bを基板904上の接点905a、905bに均等に接触させることができる。そのため、不接触による誤動作を防止ことができるという効果を有し、信頼性のある押ボタンスイッチを提供することができるとしている。
しかしながら、特許文献1に記載された押ボタンスイッチ900では、以下のような問題があった。押ボタン906の押し込み荷重が大きすぎたり、突起906aや押ボタン906の内側の側面とラバースイッチ907との間のクリアランスが狭かったりすると、押し込んだ際に突起906aや押ボタン906の内側の側面とラバースイッチ907とが擦れて異音が発生することがあった。また、突起906aや押ボタン906の内側の側面とラバースイッチ907とが接触しラバースイッチ907に傷が付き、ラバーの破損の原因となることがあった。これらの問題を防ぐために突起906aや押ボタン906の内側の側面とラバースイッチ907との間のクリアランスを十分に取ると、押ボタン906が滑ってラバースイッチ907が倒れてしまう危険性があり、結果として信頼性を損なう可能性があった。
本発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたもので、その目的は、擦れによる異音が発生することがなく、信頼性を損なうことのない押ボタンスイッチを提供することにある。
この課題を解決するために、本発明の押ボタンスイッチは、筒状に形成されたケースと、前記ケースに支持された操作ボタンと、前記操作ボタンに取り付けられ、前記操作ボタンの前記ケース側面に沿った方向である上下方向の動作に伴って上下方向にのみ移動可能とされた前記ケース側面に規制される駆動部材と、前記駆動部材の上下方向の移動に伴って上下方向に伸縮するラバードームを有するラバースイッチと、前記ケースに取り付けられ、前記ラバースイッチが載置された回路基板と、を備えた押ボタンスイッチであって、 前記ラバードームの内側の天井面には可動接点が形成されていると共に、前記回路基板の前記ラバースイッチが載置されている面には前記ラバードームの伸縮に応じて前記可動接点に接離される固定接点が形成されており、前記ラバードームの最上部に位置する押圧面に前記駆動部材の最下部に位置する接触面が前記押圧面を均一に押圧するように構成されていて、前記接触面に複数の突起が設けられているという特徴を有する。
このように構成された押ボタンスイッチは、ラバードームの押圧面に接する駆動部材の接触面に複数の突起を設け、ラバードームに対して垂直方向に均一に圧力をかけるようにしたので、駆動部材とラバードームとが擦れる可能性が無い。従って、擦れによる異音が発生することがない。また、駆動部材の接触面とラバードームの押圧面との間の摩擦力が大きくなるため、駆動部材が滑ることによるラバードームの倒れが生じることがない。その結果、信頼性を損なうことのない押ボタンスイッチを提供することができる。
また、上記の構成において、前記ラバースイッチに複数の前記ラバードームが設けられている、という特徴を有する。
このように構成された押ボタンスイッチは、ラバースイッチにラバードームを複数設けたので、操作ボタンにおける操作位置がずれたとしても、複数のラバードームの内、少なくとも1つのラバードームの可動接点が回路基板上の固定接点の一対の導体を接離させるため、確実にスイッチング動作を行わせることができる。従って、より信頼性の高い押ボタンスイッチを提供することができる。
本発明の押ボタンスイッチは、ラバードームの押圧面に接する駆動部材の接触面に複数の突起を設け、ラバードームに対して垂直方向に圧力をかけるようにしたので、駆動部材とラバードームとが擦れる可能性が無い。従って、擦れによる異音が発生することがない。また、駆動部材の接触面とラバードームの押圧面との間の摩擦力が大きくなるため、駆動部材が滑ることによるラバードームの倒れが生じることがない。その結果、信頼性を損なうことのない押ボタンスイッチを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、本明細書では、特に断りの無い限り、各図面のX1側を右側、X2側を左側、Y1側を奥側、Y2側を手前側、Z1側を上側、Z2側を下側として説明する。
まず、図1及び図2を用いて押ボタンスイッチ100の全体の構成について説明する。図1は、押ボタンスイッチ100の全体像を示す斜視図であり、図2は、押ボタンスイッチ100の構成を示す分解斜視図である。
図1に示すように、押ボタンスイッチ100は、ケース10と、ケース10に支持された操作ボタン4とによって、全体として略円筒形の構造となっている。
押ボタンスイッチ100は、車両のエンジンスタート用のスイッチとして用いられるものであり、操作ボタン4の前面が露出し、露出した操作ボタン4の前面を運転者が例えば下側(Z2側)に向かって押圧操作することで、エンジンが始動するように構成されている。尚、操作ボタン4を押圧操作することによってエンジンが始動するためのシステムの構成は公知であるため、その詳細については説明を省略する。
図2に示すように、押ボタンスイッチ100は、前述したケース10及び操作ボタン4と、操作ボタン取付部材17と、駆動部材1と、ラバースイッチ2と、回路基板3と、前記回路基板3に取り付けられたコネクタ15及びコイルアンテナ接続部材16とで構成されている。
ケース10は、上下に開口を有するハウジング11と上カバー12と下カバー13とからなり、筒状に形成されている。上カバー12はハウジング11の上部に取り付けられ、操作ボタン4を操作ボタン取付部材17と共に上下動可能に保持している。ケース10の中央部にあるハウジング11はほぼ中空の領域を有している。また、ハウジング11の下部に取り付けられた下カバー13は、ハウジング11の下側の開口を塞ぐように構成される。
駆動部材1は、操作ボタン取付部材17を介して操作ボタン4に取り付けられており、操作ボタン4の上下方向の動作に伴って上下方向に移動可能とされ、ケース10に収納されている。また、駆動部材1と、駆動部材1の上下方向の移動に伴って上下方向に伸縮するラバードーム2aを有するラバースイッチ2と、ラバースイッチ2が載置された回路基板3と、がハウジング11の中央部における中空の領域に収納されていて、回路基板3がケース10に取り付けられている。尚、回路基板3には、ラバースイッチ2を含む電子回路9が形成されている。
ところで、一般的に、パッシブキーレスエントリーシステムにおいて、携帯機の電池が切れていたり、あるいは電圧が低下していたりした場合には、携帯機と車両との間で無線通信を行うことができないため、エンジンを始動させることができない。これを防ぐため、エンジンスタート用の押しボタンスイッチには、非常用の通信手段として、操作前面側にコイルアンテナが内蔵されており、携帯機をエンジンスタートスイッチに近づけることで、コイルアンテナから携帯機に対し非接触で給電されると共に、通信を行うことができるように設計されている。
押ボタンスイッチ100においても、コイルアンテナ14が上カバー12内に取り付けられており、回路基板3に取り付けられているコイルアンテナ接続部材16によって回路基板3内の電子回路9と接続されていて、携帯機と車両との間で無線通信を行うことができるように構成されている。また、回路基板3にはコネクタ15が取り付けられており、パッシブキーレスエントリーシステム内の車載機(図示せず)に接続されている。尚、コネクタ15に設けられた複数の接続用端子15aは、下カバー13に設けられた複数の端子用穴13aに挿入され外部に露出する。
次に、図3乃至図7を用いて押ボタンスイッチ100の主要部である駆動部材1、ラバースイッチ2、及び回路基板3の詳細な構造について説明する。図3は、押ボタンスイッチ100の主要部を示す斜視図であり、図4は、押ボタンスイッチ100の主要部を示す分解斜視図である。また、図5は、押ボタンスイッチ100の主要部を上方から見た平面図であり、図6は、駆動部材1とラバースイッチ2とを、下方から見た斜視図である。更に、図7は、押ボタンスイッチ100の主要部を、図5に示す切断線A−A線から奥方向(Y1方向)に向かって見た場合の、操作ボタン4が押される前の断面図である。
図3に示すように、押ボタンスイッチ100の主要部は、電子回路9が形成された回路基板3を基に、回路基板3の上側の面(Z1側の面)にラバースイッチ2が密着して載置され、その上方に駆動部材1が配置されて構成されている。
図4に示すように、回路基板3の上側の面には、ラバードーム2aを有するラバースイッチ2が載置されると共に、複数の発光部材7(例えばLED)やその他複数の電子部品8が取り付けられ、回路基板3に形成された配線パターン(図示せず)と共に、電子回路9を構成している。尚、電子部品8は、回路基板3の上側の面だけでなく、回路基板3の下側の面(Z2側の面)に配設されていても良い。また、回路基板3のラバースイッチ2が載置されている面には銅箔等で形成された固定接点6が2つ形成されている。2つの固定接点6はそれぞれ、第1導体6a及び第2導体6bからなる一対の導体で構成されていて、この一対の導体同士が他の別の導体によって接続されることによって導通するように形成されている。押ボタンスイッチ100では、この一対の導体がラバードーム2aの伸縮に応じて接離されるように構成されている。
ラバースイッチ2は、回路基板3の上側の面全体に亘って取り付けられている。回路基板3には、図4に示すように、ラバースイッチ2を取り付けるための取付穴部3aが2箇所設けられていて、ラバースイッチ2の下面に設けられた、図6に示す2つの取付突部2gが回路基板3の取付穴部3aに挿入されることにより回路基板3に対し位置決めされる。回路基板3にラバースイッチ2が取り付けられている状態を上方(Z1方向)から確認すると、図5に示すように、回路基板3上に配設された発光部材7や電子部品8をラバースイッチ2が覆っており、これらの部品を保護していることが分かる。ただし、図4及び図5に示すように、ラバースイッチ2の、発光部材7の上方を覆っている部分(透過部2h)は、発光部材7から発光された光を上方に透過させるように、その肉厚が他の部分よりかなり薄く形成されている。また、図4及び図5に示すように、ラバードーム2aが、略円形状をしたラバースイッチ2の中心点をはさんで、左右に2つ配置されている。
ラバースイッチ2は、シリコンゴム等の弾性を有する部材からなり、図7に示すように、その主要部となるラバードーム2aの下部は、下方が開放された形状となっている。ラバードーム2aは、その外周部にリング状で肉厚の脚部2bが形成され、この脚部2bに囲まれた内側がドーム空間2iとなっている。その周囲には、肉薄に形成されて弾性変形可能な周壁部2cがドーム状に形成されており、上方から掛かる圧力の大きさによって伸縮可能となっている。また、ドーム状の周壁部2cの上部には、上方に突出する円筒部2dが形成されており、円筒部2dの上端には平坦な押圧面2eが形成されている。尚、円筒部2dは、上方から力が掛かったとしても、その力を下方に伝えるだけで、その形状は変形することはない。
更に、ラバードーム2aの内側のドーム空間2iの天井部には、押圧面2eに平行な面となる天井面2fが形成されている。そして、天井面2fの中央部には、硬質な合成樹脂からなる可動接点取付部材18が取り付けられていて、可動接点取付部材18の下面には、導体からなる可動接点5が形成されている。即ち、平面視円形状をした押圧面2eの真下の位置に可動接点5が設けられている。また、回路基板3のラバースイッチ2が載置されている面の、可動接点5に対応する位置に、ラバードーム2aの伸縮に応じて接離される第1導体6a及び第2導体6bからなる固定接点6が形成されている。
図4に示す駆動部材1は、ラバースイッチ2の上方に位置し、駆動部材1の最下部に設けられた2つの接触面1aがラバースイッチ2の2つのラバードーム2aそれぞれに対応して配置される。図5には、上方から見たラバースイッチ2に対する駆動部材1を2点鎖線で表している。駆動部材1の2つの接触面1aの中心部がそれぞれ、ラバースイッチ2の2つのラバードーム2aそれぞれの押圧面2eの位置に配置されていることが分かる。言い換えれば、駆動部材1の接触面1aは、ラバードーム2aの押圧面2e、更にはラバードーム2aに設けられた可動接点5に対応する位置に配置されている。
駆動部材1の接触面1aがラバードーム2aに設けられた可動接点5に対応する位置に配置されていることを、図6で確認する。図6は、駆動部材1とラバースイッチ2とを、下方(Z2方向)から見た斜視図であり、駆動部材1及びラバースイッチ2それぞれの下部側(Z2側)の形状を確認することができる。
前述したように、ラバードーム2aのドーム空間2iの天井面2fには可動接点5が設けられていて、ラバースイッチ2の上部には駆動部材1が配置されている。そして、図6の2本の両矢印Bで示すように、可動接点5の上方(Z1方向)で、かつ平行な面に、駆動部材1の接触面1aが配置されている。それと共に、図7に示すように、ラバードーム2aの最上部に位置する押圧面2eに駆動部材1の最下部に位置する接触面1aが接触するように構成されている。従って、駆動部材1とラバードーム2aとが擦れ合うことがない。このことにより、操作ボタン4からラバードーム2aへ垂直方向に圧力を伝えることができ、押ボタンスイッチ100によるスイッチ動作を確実に行うことできる。
尚、押ボタンスイッチ100において、回路基板3上に設けられた固定接点6とラバードーム2aに設けられた可動接点5との組み合わせによるスイッチ回路は2組あることになるが、これらのスイッチ回路は互いに並列に接続されている。従って、これらのスイッチ回路の内、少なくともどちらか1つのスイッチ回路が導通すれば押ボタンスイッチ100が導通することになる。
押ボタンスイッチ100には更なる特徴がある。図6に示すように、複数の細かい突起1bが、駆動部材1の略円形状をした接触面1aの全面に亘って形成されている。図7からも分かるように、接触面1aに設けられた複数の突起1bは、ラバードーム2aの押圧面2eに接するように配設されている。そのため、接触面1aの複数の細かい突起1bがラバースイッチの押圧面2eに食い込むように接することになる。その結果、駆動部材1の接触面1aとラバースイッチの押圧面2eとの間の摩擦力を大きくすることができる。尚、細かい突起1bの形状は、突起間隔(ピッチ)が0.2〜0.5mm、突起の高さが0.03〜0.05mmである。また円筒部2dの径はφ1.0mm程度、厚さは0.1mm程度である。
次に、図7及び図8を用いて押ボタンスイッチ100の動作について説明する。図8は、押ボタンスイッチ100の主要部を、図5に示す切断線A−Aから奥方向(Y1方向)に向かって見た場合の、操作ボタン4が押された状態の断面図である。
図7に示すように、駆動部材1が押される前においては、上方からの圧力が掛かっていないため、ラバードーム2aの伸縮可能な周壁部2cは伸びた状態のままである。従って、可動接点5は、回路基板3上の固定接点6から離れている。そのため、可動接点5による固定接点6の導通は成立していない。
次に、図8に示すように、駆動部材1が上方からの圧力Pによって押された状態においては、ラバードーム2aの周壁部2cは下方向に収縮する。またこの時、円筒部2dは収縮せず、そのままの形状を保っている。その結果、可動接点5が下方に押し下げられて、回路基板3上の固定接点6の一対の導体、即ち第1導体6a及び第2導体6bに同時に接触する。そのため、固定接点6が可動接点5を介して導通することになる。
このように押ボタンスイッチ100は、ラバードーム2aの押圧面2eに接する駆動部材1の接触面1aに複数の突起1bを設け、ラバードーム2aに対して垂直方向に圧力を掛けるようにしたので、駆動部材1とラバードーム2aとが擦れる可能性が無い。従って、擦れによる異音が発生することがない。また、駆動部材1の接触面1aとラバードーム2aの押圧面2eとの間の摩擦力が大きくなるため、駆動部材1が滑ることによるラバードーム2aの倒れが生じることがない。その結果、信頼性を損なうことのない押ボタンスイッチ100を提供することができる。
また、押ボタンスイッチ100は、ラバースイッチ2にラバードーム2aを2つ設けたので、操作ボタン4における操作位置がずれたとしても、2つのラバードーム2aの内、少なくとも1つのラバードーム2aの可動接点5が回路基板3上の固定接点6の第1導体6a及び第2導体6bを接離させるため、確実にスイッチング動作を行わせることができる。従って、より信頼性の高い押ボタンスイッチ100を提供することができる。
以上説明したように、本発明の押ボタンスイッチは、ラバードームの押圧面に接する駆動部材の接触面に複数の突起を設け、ラバードームに対して垂直方向に圧力をかけるようにしたので、駆動部材とラバードームとが擦れる可能性が無い。従って、擦れによる異音が発生することがない。また、駆動部材の接触面とラバードームの押圧面との間の摩擦力が大きくなるため、駆動部材が滑ることによるラバードームの倒れが生じることがない。その結果、信頼性を損なうことのない押ボタンスイッチを提供することができる。
本発明は上記の実施形態の記載に限定されず、その効果が発揮される態様で適宜変更して実施することができる。本発明の押ボタンスイッチには、図2に示される構成素子と等価な構成素子が含まれることがあっても良い。例えば、本発明の押ボタンスイッチでは、固定接点とラバードームを2組設けたが、固定接点とラバードームを3組設け、互いに並列に接続しても良い。固定接点とラバードームとによるスイッチを多く設けることにより、より安定したスイッチング動作を行わせることができる。
1 駆動部材
1a 接触面
1b 突起
2 ラバースイッチ
2a ラバードーム
2b 脚部
2c 周壁部
2d 円筒部
2e 押圧面
2f 天井面
2g 取付突部
2h 透過部
2i ドーム空間
3 回路基板
3a 取付穴部
4 操作ボタン
5 可動接点
6 固定接点
6a 第1導体
6b 第2導体
7 発光部材
8 電子部品
9 電子回路
10 ケース
11 ハウジング
12 上カバー
13 下カバー
14 コイルアンテナ
15 コネクタ
16 コイルアンテナ接続部材
17 操作ボタン取付部材
18 可動接点取付部材
100 押ボタンスイッチ
1a 接触面
1b 突起
2 ラバースイッチ
2a ラバードーム
2b 脚部
2c 周壁部
2d 円筒部
2e 押圧面
2f 天井面
2g 取付突部
2h 透過部
2i ドーム空間
3 回路基板
3a 取付穴部
4 操作ボタン
5 可動接点
6 固定接点
6a 第1導体
6b 第2導体
7 発光部材
8 電子部品
9 電子回路
10 ケース
11 ハウジング
12 上カバー
13 下カバー
14 コイルアンテナ
15 コネクタ
16 コイルアンテナ接続部材
17 操作ボタン取付部材
18 可動接点取付部材
100 押ボタンスイッチ
Claims (2)
- 筒状に形成されたケースと、前記ケースに支持された操作ボタンと、前記操作ボタンに取り付けられ、前記操作ボタンの前記ケース側面に沿った方向である上下方向の動作に伴って上下方向にのみ移動可能とされた前記ケース側面に規制される駆動部材と、前記駆動部材の上下方向の移動に伴って上下方向に伸縮するラバードームを有するラバースイッチと、前記ケースに取り付けられ、前記ラバースイッチが載置された回路基板と、を備えた押ボタンスイッチであって、
前記ラバードームの内側の天井面には可動接点が形成されていると共に、前記回路基板の前記ラバースイッチが載置されている面には前記ラバードームの伸縮に応じて前記可動接点に接離される固定接点が形成されており、
前記ラバードームの最上部に位置する押圧面に前記駆動部材の最下部に位置する接触面が前記押圧面を均一に押圧するように構成されていて、
前記接触面に複数の突起が設けられていることを特徴とする押ボタンスイッチ。 - 前記ラバースイッチに複数の前記ラバードームが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の押ボタンスイッチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013257175A JP2015115224A (ja) | 2013-12-12 | 2013-12-12 | 押ボタンスイッチ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013257175A JP2015115224A (ja) | 2013-12-12 | 2013-12-12 | 押ボタンスイッチ |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2017018097A1 (ja) * | 2015-07-24 | 2017-11-02 | 信越ポリマー株式会社 | 押釦スイッチ用部材 |
WO2018173924A1 (ja) * | 2017-03-24 | 2018-09-27 | ヤマハ株式会社 | アクチュエータ、押圧装置および鍵盤装置 |
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-
2013
- 2013-12-12 JP JP2013257175A patent/JP2015115224A/ja active Pending
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JP7291866B2 (ja) | 2019-11-19 | 2023-06-16 | ミック電子工業株式会社 | 押しボタンスイッチ |
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