JP2015113635A - 水門開度制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】現場での水門の開放の手動操作を排除するとともに、水門よりも上流の排水路での冠水被害および水門よりも下流の排水口での水質基準超過を防止することにある。
【解決手段】昇降機構でゲート板を下降させて開き、水門よりも上流の排水路の水を前記ゲート板の上側から水門よりも下流の排水路に流す水門の開度を制御するシステムにおいて、前記水門よりも上流の排水路での水質と前記水門よりも下流の排水路での水質との検出結果と、前記水門よりも上流の排水路での水位および流速と前記水門よりも下流の排水路での水位および流速との検出結果と、を入力されて、前記排水路を公共水域に繋げる排水口での水質が所定基準を満たす前記水門の開度を決定する開度決定装置と、前記開度決定装置が決定した開度に基づき前記水門の開度を制御する開度制御装置と、を具えることを特徴とする水門開度制御システムである。
【選択図】図1

Description

この発明は、製鉄工場等において排水路に設置されている水門の開度を制御するシステムに関するものである。
製鉄工場等においては通常、異常時の排水停止や水位調整等のために排水路に水門が設置されており、通常の水門は、一枚のゲート板を昇降機構で昇降させて排水路をゲート板の下側で開放および閉止している。このため、排水路閉止後のゲート板の開放操作時にそのゲート板を閉止位置から上昇させると、排水路中の汚泥を巻き上げて下流側にその汚泥を一気に流してしまう可能性がある。それゆえ通常の水門は、汚泥の巻き上げ防止のために、現場で水門の上流側と下流側との排水路の水位差や下流側の水の濁り度合いを確認しながら手動操作で少しずつ開放操作する必要があり、また、排水路を海や河川等の公共水域に繋げる排水口での水質基準を満たす必要があるため、水門の開度調整は慎重に行う必要がある。
ところで従来、ゲート板を上段ゲート板と下段ゲート板との二枚に分割し、上段ゲートに昇降機構を設けるとともにそれら上下段ゲート板間にロック機構を設けることで、上下段ゲート板を上下に配置して一緒に上昇させることにより排水路全体の開放を行い、また上段ゲート板のみを下降させて水路の上部を開放することにより水面近くの温かい水やゴミ等だけを流し、さらに上下段ゲート板を前後に並べて一緒に上昇させることにより排水路の底部と上部とを同時に開放するようにした水門が知られている(特許文献1参照)。
また従来、農業用水路等の幹線に接続する各支線水域の水門ゲートに流量監視制御装置を設け、各水域での使用水量の変動を監視することで、支線水域での需要者の使用水量が契約使用水量を超過しないように水門ゲートの開度を制御する水門ゲート制御システムも知られている(特許文献2参照)。
特開昭62−296004号公報 特開2012−117278号公報
しかしながら、特許文献1記載の従来の上下段ゲート板式の水門で、汚泥を巻き上げないように上段ゲート板だけを開放しても、水門の開け遅れによる上流での冠水被害や、水門の開け過ぎによる排水口での水質基準超過の可能性があった。そして、特許文献1記載の従来の水門ゲート制御システムを用いても、契約使用水量に基づいて支線に入る水量を管理できるのみで、上記のような問題の解決はできなかった。
それゆえ本発明は、現場での水門の開放の手動操作を排除するとともに、水門よりも上流の排水路での冠水被害および水門よりも下流の排水口での水質基準超過を防止する水門開度制御システムを提供することを目的とするものである。
前記課題を有利に解決する本発明の水門開度制御システムは、
昇降機構でゲート板を下降させて開き、水門よりも上流の排水路の水を前記ゲート板の上側から水門よりも下流の排水路に流す水門の開度を制御するシステムにおいて、
前記水門よりも上流の排水路での水質と前記水門よりも下流の排水路での水質との検出結果と、前記水門よりも上流の排水路での水位および流速と前記水門よりも下流の排水路での水位および流速との検出結果と、を入力されて、前記排水路を公共水域に繋げる排水口での水質が所定基準を満たす前記水門の開度を決定する開度決定装置と、
前記開度決定装置が決定した開度に基づき前記水門の開度を制御する開度制御装置と、
を具えることを特徴とするものである。
本発明の水門開度制御システムにあっては、開度決定装置が、水門よりも上流の排水路での水質と水門よりも下流の排水路での水質との検出結果と、水門よりも上流の排水路での水位および流速と水門よりも下流の排水路での水位および流速との検出結果とを入力されて、排水路を公共水域に繋げる排水口での水質が所定基準を満たす水門の開度を決定し、開度制御装置が、開度決定装置が決定した開度に基づき水門の開度を自動的に制御する。その際、あらかじめ判明している水路幅と、入力された水位および流速とから、各排水路での流量を求めることができる。
ところで水門の開度制御の際、通常の水門のようにゲート板を上昇させてゲート板の下側を開くことで水門よりも上流の排水路の水を下流の排水路に流すようにすると、水門よりも上流の排水路の水位の変化によってゲート板の下側の開口における水圧が変化するため、水門を通る水量を正確に制御することが困難になり、しかも水門を通る水量によっては水門よりも上流の排水路の底部に堆積している汚泥の巻上げが生じる可能性があるため、水門を通る水の水質を正確に検出できない。
これに対し本発明では、水門が、昇降機構でゲート板を下降させて開き、水門よりも上流の排水路の水を前記ゲート板の上側から水門よりも下流の排水路に流すので、水門よりも上流の排水路での水位にかかわらず、水門の開度(例えば、上流の排水路の水位とゲート板上端高さとの差)により、水門を通る水量を正確に制御することができ、しかも水門よりも上流の排水路の水を水面付近から下流の排水路に流すことから、上流の排水路の底部に堆積している汚泥の巻上げを生じさせないので、水門を通る水の水質を正確に検出することができる。
従って、本発明の水門開度制御システムによれば、水門の開度を自動的に制御し得て現場での水門の開放の手動操作を排除することができるとともに、水門の開度を速やかに制御し得て水門よりも上流の排水路での冠水被害を防止することができ、しかも排水口での水質が所定基準を満たすように開度を制御し得て排水口での水質基準超過を防止することができる。
なお、本発明の水門開度制御システムにおいては、前記開度決定装置は、前記水門よりも上流の前記排水路での水質を検出する上流水質検出器と、前記水門よりも下流の前記排水路での水質を検出する下流水質検出器と、前記水門よりも上流の前記排水路での水位を検出する上流水位検出器と、前記水門よりも上流の前記排水路での流速を検出する上流流速検出器と、前記水門よりも下流の前記排水路での水位を検出する下流水位検出器と、前記水門よりも下流の前記排水路での流速を検出する下流流速検出器と、の少なくとも一つからの出力信号を入力されるものであると、より容易に水門の開度を自動的に制御し得るので好ましい。
また、本発明の水門開度制御システムにおいては、前記開度決定装置は、あらかじめ求められた水門の開度と排水口での水質との関係に基づき、上流の水位に応じて水門の開度を決定するものであると、短時間で容易に水門の開度を決定できるので好ましい。
さらに本発明の水門開度制御システムにおいては、前記水質基準は、SS(浮遊物質:Suspended Solids)濃度の基準であると、排水口での水質のSS濃度基準超過を防止できるので好ましい。
本発明の水門開度制御システムの一実施形態を示す構成図である。 (a)および(b)は、上記実施形態の水門開度制御システムで開度を制御する水門を例示する断面図および正面図である。 (a),(b)および(c)は、上記例の水門の作動状態をそれぞれ示す断面図である。 上記実施形態の水門開度制御システムが具える検出器の配置を示す説明図である。 上記実施形態の水門開度制御システムでの制御における上流SS濃度と水門開度との関係を例示する関係線図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づく実施例によって詳細に説明する。ここに、図1は、本発明の水門開度制御システムの一実施形態を示す構成図である。この実施形態の水門開度制御システムは、製鉄所の排水路に適用されたもので、図中符号1は排水路、2は水門、3はその水門2の開度制御を行う開度制御装置としての、通常のコンピュータを有するコントローラをそれぞれ示す。排水路1では、図では水門2より右側に位置する上流1aから、水門2より左側に位置する下流1bに向かって水が流れ、その下流1bはここでは、図示しない排水口を介して公共水域としての海に繋がっている。また、排水路1の、水門2よりも下流1bには、他系統の排水路がこの例では2本合流している。
図2(a)および(b)は、この実施形態の水門開度制御システムで開度を制御する水門の一例としての、先に本願出願人が特願2013−091366号にて提案した汚泥巻上げ防止用の水門を示す断面図および正面図であり、図中、符号11はゲート板、Fは水面をそれぞれ示す。
この水門は従来のゲート板が一枚の水門を転用したもので、ここでは、従来の水門の、排水路1の下部から上部まで延在するとともに排水路1の両側壁に昇降可能に支持されている大きな一枚のゲート板から主ゲート板11aが形成され、その主ゲート板11aの、全高の略1/3の高さの下部が下段ゲート板として機能し、その主ゲート板11aの排水路下流1b側(図では左側)にその主ゲート板11aの全高の略1/3の高さの中段ゲート板11bが配置され、またその主ゲート板11aの排水路上流1a側(図では右側)にその主ゲート板11aの全高の略1/3の高さの上段ゲート板11cが配置され、それら主ゲート板11aと中段ゲート板11bと上段ゲート板11cとが組み合わされてゲート板11が構成されている。
そしてこの水門2では、それら中段ゲート板11bおよび上段ゲート板11cが、上記主ゲート板11aの両側部の排水路下流1b側および上流1a側の面にそれぞれ設けられた、たとえば互いに向き合うガイド溝を持つ二本のガイド部材と、それらのガイド部材のガイド溝内にそれぞれ嵌合してそれらのガイド溝内を摺動するスライド部材とを有する図示しない通常の案内機構の、上記二本のガイド部材間に配置されて上記スライド部材に取り付けられ、主ゲート板11aにそれに沿って昇降可能に支持されている。
また、この水門2では、上記主ゲート板11aの中間部に複数の開口部11dが形成されるとともに、上記主ゲート板11aの上部にも複数の開口部11eが形成され、主ゲート板11aと一緒に中段ゲート板11bおよび上段ゲート板11cが下降している際の排水路1の中間部および上部の水が、上記主ゲート板11aを通り抜け可能とされている。
さらに、この水門2では、排水路1を横断方向に跨ぐフレーム12上に、主ゲート板11aと中段ゲート板11bと上段ゲート板11cとを互いに独立に昇降させる3台の昇降機構13が設けられている。
各昇降機構13は、手動で水平軸線周りに回転駆動されるハンドル14と、そのハンドル14の回転を伝える連結ロッド15と、ハンドル14の回転をそれぞれ鉛直軸線周りのナットの回転に変換する図示しない歯車組を収容する二つのケース16と、各々鉛直方向へ延在して上部の雄ねじで上記ナットと螺合し、連結ロッド15を介してハンドル14と連動するそれらのナットの回転により互いに同期して昇降する二本のシャフト17と、連結ロッド15のハンドル14が設けられた側と反対側に設けられて連結ロッド15を正逆回転駆動するモータ18とを有している。
図2では、主ゲート板11aと中段ゲート板11bと上段ゲート板11cとがそれぞれ図示の閉止位置に位置して、ゲート板11が排水路1を全閉しており、主ゲート板11aと、中段ゲート板11bと、上段ゲート板11cとは、各昇降機構13の上記二本のシャフト17の昇降により、それぞれその閉止位置と後述する開放位置との間で昇降される。
図3(a),(b)および(c)は、これら主ゲート板11aと、中段ゲート板11bと、上段ゲート板11cとの昇降を組み合わせた、この水門2の互いに異なる作動状態をそれぞれ示している。
すなわち、図3(a)は、図2におけると同様、ゲート板11が排水路1を全閉している状態を示し、ここでは主ゲート板11aが排水路1の底部まで下降して主ゲート板11aの下部である下段ゲート板が排水路1の下部を閉止し、中段ゲート板11bが排水路1の中間部に位置して主ゲート板11aの中間部の開口部11dを閉止し、上段ゲート板11cが排水路1の上部に位置して主ゲート板11aの上部の開口部11eを閉止している。
上記全閉状態からこの水門2を開く際に、図3(a)に示すように、水門2の上流1a側(図では右側)の排水路1の水面Fが水路1の上部近くにあり、水門2の下流1b側(図では左側)の排水路1の水面Fとの間に大きな差がある場合に、モータ18を作動させることで、昇降機構13が先ず、図3(b)に示すように、上段ゲート板11cを排水路1の中間部まで下降させるとともに中段ゲート板11bを排水路1の下部まで下降させて、排水路1の上部の水を上側から徐々に、主ゲート板11aの上部の開口部11eを通して下流に流す。
この排水路1の上部の水の通流で水門2の上流1a側の排水路1の水面Fが水門2の下流1b側の排水路1の水面と一致しない場合は次に、図2(c)に示すように、上段ゲート板11cを排水路1の下部までさらに下降させて排水路1の中間部の水を上側から徐々に主ゲート板11aの中間部の開口部11dを通して下流に流し、これで水門2の上流側の排水路1の水面Fが水門2の下流側の排水路1の水面と一致しない場合はさらに、図1(a)に仮想線で示すように、主ゲート板11aと中段ゲート板11bと上段ゲート板11cとを一緒に上昇させて排水路1の下部の水を排水路1の底部付近から徐々に流す。
なお、上段ゲート板11cを排水路1の中間部まで下降させる際に、中段ゲート板11bを排水路1の下部まで下降させずに排水路1の中間部に維持しておき、上段ゲート板11cを排水路1の下部まで下降させる際に、中段ゲート板11bも一緒に排水路1の下部まで下降させるようにしてもよい。
また、水門2の上流1a側の排水路1の水面Fが排水路1の中間部にある場合は、先ず、中段ゲート板11bを排水路1の下部まで下降させて排水路1の中間部の水を上側から徐々に主ゲート板11aの中間部の開口部11dを通して下流に流し、これで水門2の上流1a側の排水路1の水面Fが水門2の下流1b側の排水路1の水面と一致しない場合は次に、主ゲート板11aと中段ゲート板11bとを一緒に上昇させて、排水路1の下部の水を排水路1の底部付近から徐々に下流に流す。
なお、水門2の上流1a側の排水路1の水面Fが排水路1の下部の近くの中間部にある場合は、中段ゲート板11bを排水路1の下部まで下降させる代わりに排水路1の上部まで上昇させて、排水路1の中間部の水を主ゲート板11aの中間部の開口部11dを通して下流に流してもよい。
従って、この水門2によれば、排水路1中の水位が少なくとも排水路1の中間部以上であればその水位にかかわらず水面F付近からゲート板11を開放でき、排水路1の底部に堆積している汚泥Mの巻上げを生じさせずに速やかに排水路1を開放して水門2の上流1a側の水を下流1b側の排水路1に流出させることができる。
しかしてこの実施形態の水門開度制御システムでは、図1に概略を示すように、上記の水門2の上流1aに設けた後述する検出器と、上記の水門2の下流1bの2本の他系統の排水路の合流点より下流側に設けた後述する検出器とから、開度決定装置および開度制御装置としてのコントローラ3が検出結果のデータを受け、そのコントローラ3が、水門2のモータ18を作動させて、排水口での水質が所定基準としての例えばSS(浮遊物質:Suspended Solids)濃度基準を満たすように水門2の開度を制御する。
図4は、この実施形態の水門開度制御システムが具える検出器の配置を示す説明図である。すなわちこの実施形態の水門開度制御システムでは、排水路1の、水門2よりも上流1aの位置に上流水質検出器としての上流水質センサ4を設けるとともに、排水路1の、水門2よりも下流1bであって2本の他系統の排水路の合流点より下流側の位置に下流水質検出器としての下流水質センサ5を設ける。これら上流水質センサ4および下流水質センサ5としては、例えば互いに対向する発光素子と受光素子との間に水質検出対象の水を通してその水の光透過度を測定することで、実質的にリアルタイムで水質を検出し、その検出結果を示す出力信号を実質的に連続的に出力する、通常のものを用いることができる。
また、この実施形態の水門開度制御システムでは、排水路1の、水門2よりも上流1aの位置に上流水位検出器としての上流水位計6を設けるとともに、排水路1の、水門2よりも下流1bであって2本の他系統の排水路の合流点より下流側の位置に下流水位検出器としての下流水位計7を設ける。これら上流水位計6および下流水位計7としては、例えば水底付近に配置され、水位に比例する水頭圧を外側から受けるとともに内側からスプリングで押圧されてバランスするベローズの変位を差動トランスで検出し、その検出結果を示す出力信号を実質的に連続的に出力する、通常のものを用いることができる。
さらに、この実施形態の水門開度制御システムでは、排水路1の、水門2よりも上流1aの位置に上流流速検出器としての上流流速計8を設けるとともに、排水路1の、水門2よりも下流1bであって2本の他系統の排水路の合流点より下流側の位置に下流流速検出器としての下流流速計9を設け、さらに、水門2に、ゲート板11の開度を示す主ゲート板11aと中段ゲート板11bと上段ゲート板11cとのそれぞれの高さを検出して出力する水門開度計10を設ける。上流流速計8および下流流速計9としては、例えばファラデーの法則を用いた電磁誘導式の通常のものを用いることができる。また水門開度計10としては、例えば連結ロッド15等の回転角を検出する通常のロータリーエンコーダを用いることができる。
これら上流水質センサ4および下流水質センサ5と、上流水位計6および下流水位計7と、上流流速計8および下流流速計9と、水門開度計10との出力信号は、それぞれコントローラ3に常時入力され、コントローラ3は、あらかじめ入力されたプログラムに基づき作動して、上記出力信号と、あらかじめ与えられている水路幅とから、先ず、排水口での水質がSS濃度基準を満たす水門2の開度を所定時間間隔(例えば1分間隔)で繰返し決定し、次いでその開度を実現するように水門2のモータ18の作動を常時制御する。
例えば、排水路1の上流1aでのSS濃度が200mg/lで、水門2を通る水の流量が100m/hとすると、上流1aから水門2を通って下流1bへ流れる浮遊物質の量は200mg/l×100m/h=20kg/hであり、このとき、排水路1の下流1bでのSS濃度が50mg/lで、流量が2本の他系統の排水路からの合流を加えて2000m/hとすると、下流1bで流れる浮遊物質の量は50mg/l×2000m/h=100kg/hであるので、上流1aから水門2を通って下流1bへ流れる浮遊物質分を除いた下流1bでの水質は、(100kg/l−20kg/l)÷(2000m/h−100m/h)=42mg/lとなる。
ここで、排水口での水質のSS濃度基準が100mg/lであるとするとともに、水門2を通る水の流量をXとすると、排水口を通る浮遊物質の量は100mg/l×(1900m/h+Xm/h)=(1900m/h×42mg/l)+(Xm/h×200mg/l)となるので、最大でX=1,102m/hまで水門2に水を通すように水門2の開度を決定できるということが判明する。
水門2は、ゲート板11の上部から水を流すので、この実施形態では上流水位計6の出力値から判明する水門2よりも上流1aの排水路1の水位とゲート板11の上端高さ(上段ゲート板11cや中段ゲート板11bの上端高さ)との差(水位差)として設定した水門2の開度と、水門2を通る水の流量との関係式を事前に作成しておくとともに、あらかじめ判明している上流1aおよび下流1bの水路幅と上流水位計6および下流水位計7並びに上流流速計8および下流流速計9の出力値とから上流1aおよび下流1bでの流量を求め、さらに上流水質センサ4および下流水質センサ5の出力値を用いることで、上記計算を自動的に行い、水門開度計10の出力値のフィードバックを受けて、上流1aおよび下流1bの水位に見合う水門2の開度を自動的に調整することができる。
[実施例]
以下の表1は、この実施形態の水門開度制御システムによる水門2の開度制御の一実施例を示しており、この実施例では、排水路1の水路幅が水門2よりも上流1aで3m、水門2よりも下流1bで10mであり、測定した水位が上流1aで0.5m、下流1bで2mであり、測定した流速が上流1aで2m/min、下流1bで2m/minであり、これらから計算した流量が上流1aで180m/h、下流1bで2,400m/h(他系統からの合流分2,220m/hを含む)であり、測定したSS濃度が上流1aで300mg/l、下流1bで50mg/l、従って、上述の如くして計算した他系統からのSS濃度が51mg/lである。
Figure 2015113635
ここで、下流1bを海に繋げる排水口での水質のSS濃度基準が100mg/lであるとすると、水門2を通って上流1aから下流1bへ流れる水の流量は計算で540m/hとなり、流速2m/minから水の断面積を計算で求めると4.5mとなり、水路幅が3mであるので、水門2は水路幅全体に開くものとすると水位差(開口高さ)は1.50mとなる。従って、この水位差の値以下の水位差となるように水門2の開度を制御すればよい。
なお、図5は、上記実施形態の水門開度制御システムでの制御における上流SS濃度と水門開度との関係を例示する関係線図であり、下流1bでのSS濃度基準の設定を100mg/lとした場合(図中の下側の曲線)と、下流1bでのSS濃度基準の設定を200mg/lとした場合(図中の下側の曲線)とを示している。上記実施例の場合もこの100mg/lの曲線に含まれている。
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載の範囲内で適宜変更し得るものであり、例えば水門2は、上記例のように主ゲート板11aと中段ゲート板11bと上段ゲート板11cとを有するものでなく、上下2段のゲート板を有し、それらのうち上段ゲート板を下降させて水門を開くものでもよく、あるいは1枚のゲート板を排水路1の底部に設けたゲート板収容溝内に下降させて水門を開くものでもよい。
また、上流水質センサ4と、下流水質センサ5と、上流水位計6と、下流水位計7と、上流流速計8と、下流流速計9との少なくとも一つに代えて、別途の測定器あるいは手作業でデータを取得して、そのデータをコントローラ3に入力するようにしてもよい。
かくして本発明の水門開度制御システムによれば、水門の開度を自動的に制御し得て現場での水門の開放の手動操作を排除することができるとともに、水門の開度を速やかに制御し得て水門よりも上流の排水路での冠水被害を防止することができ、しかも排水口での水質が所定基準を満たすように開度を制御し得て排水口での水質基準超過を防止することができる。
1 排水路
1a 上流
1b 下流
2 水門
3 コントローラ
4 上流水質センサ
5 下流水質センサ
6 上流水位計
7 下流水位計
8 上流流速計
9 下流流速計
10 水門開度計
11 ゲート板
11a 主ゲート板
11b 中段ゲート板
11c 上段ゲート板
11d,11e 開口部
12 フレーム
13 昇降機構
14 ハンドル
15 連結ロッド
16 ケース
17 シャフト
18 モータ
F 水面
M 汚泥

Claims (4)

  1. 昇降機構でゲート板を下降させて開き、水門よりも上流の排水路の水を前記ゲート板の上側から水門よりも下流の排水路に流す水門の開度を制御するシステムにおいて、
    前記水門よりも上流の排水路での水質と前記水門よりも下流の排水路での水質との検出結果と、前記水門よりも上流の排水路での水位および流速と前記水門よりも下流の排水路での水位および流速との検出結果と、を入力されて、前記排水路を公共水域に繋げる排水口での水質が所定基準を満たす前記水門の開度を決定する開度決定装置と、
    前記開度決定装置が決定した開度に基づき前記水門の開度を制御する開度制御装置と、
    を具えることを特徴とする水門開度制御システム。
  2. 前記開度決定装置は、
    前記水門よりも上流の前記排水路での水質を検出する上流水質検出器と、
    前記水門よりも下流の前記排水路での水質を検出する下流水質検出器と、
    前記水門よりも上流の前記排水路での水位を検出する上流水位検出器と、
    前記水門よりも上流の前記排水路での流速を検出する上流流速検出器と、
    前記水門よりも下流の前記排水路での水位を検出する下流水位検出器と、
    前記水門よりも下流の前記排水路での流速を検出する下流流速検出器と、
    の少なくとも一つからの出力信号を入力されるものであることを特徴とする、請求項1記載の水門開度制御システム。
  3. 前記開度決定装置は、あらかじめ求められた水門の開度と排水口での水質との関係に基づき、上流の水位に応じて水門の開度を決定するものであることを特徴とする、請求項1または2記載の水門開度制御システム。
  4. 前記水質基準は、SS濃度の基準であることを特徴とする、請求項1から3までの何れか1項記載の水門開度制御システム。
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