JP2015113548A - 不織布及び吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】不織布は、繊維処理剤が付着している熱融着性繊維を含み、第1部11と第1部より厚みが薄い第2部12とを交互に有し、片面1aに第1部11が凸条部13を形成し第2部12が溝部14を形成しており、第2部12の繊維密度が第1部11の繊維密度よりも低く、前記繊維処理剤が、下記の(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する不織布。(A)ポリオルガノシロキサン、(B)アルキルリン酸エステル、(C)下記の一般式(1)で表わされるアニオン界面活性剤。R1(R2)Z−X・・・(1)(Zは、官能基又はアルキレン基による結合−Xはスルフォン基又はカルボキシ基)
【選択図】図1
Description
また、使い捨ておむつの表面シート等として用い得る不織布として、厚みが厚い部分と厚みが部分とを交互に有し、片面に凸条部と溝部とが形成された不織布が記載されている(特許文献2参照)。
第1部と第1部より厚みが薄い第2部とを交互に有し、片面に、第1部が凸条部を形成し、第2部が溝部を形成しており、
第2部の繊維密度が、第1部の繊維密度よりも低く、
前記繊維処理剤が、下記の(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する不織布。
(A)ポリオルガノシロキサン、
(B)アルキルリン酸エステル、
(C)下記の一般式(1)で表わされるアニオン界面活性剤
これにより、例えば後述する製造工程の一工程であるウエブに熱風を吹き付ける工程において、ウエブ中の繊維が受ける熱量は、熱風吹き付け面とその反対側の面(ネット面)とにおいて自ずと異なっていることにより、熱風吹き付け面の繊維とその反対側の面の繊維とでは、受ける熱量が異なり、熱風吹き付け面の繊維とその反対側の面の繊維とではその繊維の接触角の値も変わってくることになる。このことを利用して、第1部11が、凸条部14の頂部P1から、該凸条部が突出する第1面1a側とは反対側の第2面1b上の底部P3に向けて親水度に勾配を有する不織布を製造することができる。また、熱風を吹き付ける工程の前から、第2部12の繊維密度を、第1部11の繊維密度よりも低くしておくことにより、第2部12の親水度が、第1部11の親水度よりも低い不織布を製造することもできる。以下、それぞれの成分について説明する。
ポリオルガノシロキサンとしては、直鎖状のもの、架橋二次元又は三次元網状構造を有するものいずれも使用できる。好ましくは実質上直鎖状のものである。
分離カラム:GMHHR−H+GMHHR−H(カチオン)
溶離液:LファーミンDM20/CHCl3
溶媒流速:1.0ml/min
分離カラム温度:40℃
(B)成分であるアルキルリン酸エステルは、原綿のカード機通過性やウエブの均一性などの特性を改良し、これによって不織布の生産性の向上と品質低下を防止することを目的として、繊維処理剤に配合される。
アルキルリン酸エステルの具体例としては、ステアリルリン酸エステル、ミリスチルリン酸エステル、ラウリルリン酸エステル、パルミチルリン酸エステルなどの飽和の炭素鎖を持つものや、オレイルリン酸エステル、パルミトレイルリン酸エステルなどの不飽和の炭素鎖及び、これらの炭素鎖に側鎖を有するものが挙げられる。より好ましくは、炭素鎖が16〜18のモノ又はジアルキルリン酸エステルの完全中和または部分中和塩である。なお、アルキルリン酸エステルの塩としては、ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属、アンモニア、各種アミン類などが挙げられる。アルキルリン酸エステルは、一種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
(C)成分は、先に示した一般式(1)で表わされるアニオン界面活性剤である。
(C)成分は、(B)成分であるアルキルリン酸エステルは含まない成分を指す。また、(C)成分は、一種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、繊維処理剤における(A)成分のポリオルガノシロキサンと、(B)成分のアルキルリン酸エステルとの含有比率(前者:後者)は、質量比で、好ましくは1:5〜10:1であり、より好ましくは1:2〜3:1である。
第1実施形態の不織布1は、図1に示すように、単層構造の不織布である。
第1実施形態の不織布1は、先に述べた通り、第1部11と第1部11に比して厚みが薄い第2部12を有し、片面1aに、第1部11が凸条部13を形成し、第2部12が溝部14を形成している。
第1部11と第2部12は、それぞれ不織布1の一方向Xに延びて形成され、互いに平行に形成されている。また、第1部11と第2部12は、それぞれ複数本形成され、前記一方向Xに直交する方向Yに交互に形成されている。凸条部13及び溝部14も、同様に、それぞれ不織布1の一方向Xに延びて形成され、互いに平行に形成されており、また、それぞれ複数本形成され、前記一方向Xに直交する方向Yに交互に形成されている。
凸条部13は、前記一方向Xにおいて高さが一定であり、溝部14は、前記一方向Xにおいて深さが一定である。また、凸条部13は、断面が半円形である。
不織布の所定の部位から繊維を取り出し、その繊維に対する水の接触角を測定する。測定装置として、協和界面科学株式会社製の自動接触角計MCA−Jを用いる。接触角の測定には蒸留水を用いる。インクジェット方式水滴吐出部(クラスターテクノロジー社製、吐出部孔径が25μmのパルスインジェクターCTC−25)から吐出される液量を20ピコリットルに設定して、水滴を、繊維の真上に滴下する。滴下の様子を水平に設置されたカメラに接続された高速度録画装置に録画する。録画装置は後に画像解析や画像解析をする観点から、高速度キャプチャー装置が組み込まれたパーソナルコンピュータが望ましい。本測定では、17msec毎に画像が録画される。録画された映像において、不織布から取り出した繊維に水滴が着滴した最初の画像を、付属ソフトFAMAS(ソフトのバージョンは2.6.2、解析手法は液滴法、解析方法はθ/2法、画像処理アルゴリズムは無反射、画像処理イメージモードはフレーム、スレッシホールドレベルは200、曲率補正はしない、とする)にて画像解析を行い、水滴の空気に触れる面と繊維のなす角を算出し、接触角とする。不織布から取り出した繊維は、繊維長1mmに裁断し、該繊維を接触角計のサンプル台に載せて、水平に維持する。該繊維1本につき異なる2箇所の接触角を測定する。N=5本の接触角を小数点以下1桁まで計測し、合計10箇所の測定値を平均した値(小数点以下第2桁で四捨五入)を接触角と定義する。
吸収性物品の表面シートとして用いた場合に、液が第2部12を介して第2面1b側に移行しやすい上に、第1面1a側に戻りにくいことは、着用者の肌に液が接触することを低減して、べたつき等の不快感が生じないようにする観点や、経血等の色つきの液体が目立つのを防ぎ、吸液後の吸収性物品の外観を良好とする観点から好ましい。
同様の観点から、第1部11の繊維密度(d1)は、好ましくは0.10g/cm3以下、更に好ましくは0.07g/cm3以下であり、また、好ましくは0.01g/cm3以上、更に好ましくは0.02g/cm3以上であり、また、好ましくは0.01g/cm3以上0.10g/cm3以下、更に好ましくは0.02g/cm3以上0.07g/cm3以下である。
繊維密度は、まず測定したい場所の不織布を切り取る。この際不織布は溝の長さ方向が50mm、幅方向も50mmとする。測定ケ所の幅が狭い場合は、複数個所をカッター等で切り取り合計50mmとなるようにする。その合計重量から不織布の単位面積当たりの重量を測定する。次に不織布を液体窒素中で冷凍した後、それをカッターで、図1のX方向に切断する。次にその断面をマイクロスコープで撮影した写真(倍率20倍)から測定したい部分の断面の厚さ(mm)を測定する。不織布の単位面積当たりの重量を不織布の断面の厚さで除した値を繊維密度とする。
なお、第2部について、繊維に対する水の接触角を測定するための繊維は、第2部12の厚み方向における、第2面1bとは反対側に位置する表面部位P4から採取する。また、第1部11について、繊維に対する水の接触角を測定するための繊維は、頂部P1については、頂部P1から採取し、底部P3については、不織布1の第2面1b上における該頂部P1と重なる部位から採取し、中間部位P2について、第1部における、頂部P1と底部P3との間を2等分する部位から採取する。
つまり、第1実施形態の不織布1における第1部11は、凸条部14の頂部P1、第2面1b上の底部P3、及び中間部位P2の親水度を比較したときに、底部P3の親水度が最も高く、中間部位P2の親水度が次に高く、頂部P1の親水度が最も低くなっている。
これらの効果は、本発明の不織布を、第1面1a側が着用者の肌側を向くように、吸収性物品の表面シートとして用いた場合に一層顕著なものとなる。
吸収性物品の表面シートとして用いた場合に、液が、凸条部13の頂部P1付近や中間部位P2付近に液が残留しにくくなることは、着用者の肌の表面から液を迅速に隔離して、べたつき等の不快感が生じないようにする観点や、経血等の色つきの液体が目立つのを防ぎ、吸液後の吸収性物品の外観を良好とする観点から好ましい。
また、頂部P1の接触角が中間部位P2の接触角よりも大きいことを前提として、頂部P1と中間部位P2とは、繊維に対する水の接触角の差が好ましくは1度以上、更に好ましくは2度以上であり、好ましくは1度以上10度以下、更に好ましくは2度以上5度以下である。また、中間部位P2の接触角より底部P3の接触角が大きいことを前提として、中間部位P2と底部P3とは、繊維に対する水の接触角の差が好ましくは1度以上、更に好ましくは2度以上であり、また、好ましくは1度以上10度以下、更に好ましくは2度以上5度以下である。
また、同様の観点から、第1部11の厚みt1と第2部12の厚みt2との差t3、換言すれば、凸条部13の高さ又は溝部の深さは、第1部11の厚みt1に対して、好ましくは10%以上、更に好ましくは20%以上であり、また、好ましくは80%以下、更に好ましくは70%以下であり、また、好ましくは10%以上80%以下であり、更に好ましくは20%以上70%以下である。
また、同様の観点から、第1部11の厚みt1と第2部12の厚みt2との差t3は、好ましくは0.1mm以上、更に好ましくは0.2mm以上であり、また、好ましくは1.0mm以下、更に好ましくは0.8mm以下であり、また、好ましくは0.1mm以上1.0mm以下、更に好ましくは0.2mm以上0.8mm以下である。
第一部及び第二部の厚みを測定するには、不織布を液体窒素中で冷凍した後、それをカッターで、図1のX方向に切断する。次にその断面をマイクロスコープで撮影した写真から厚みを測定する。この写真の倍率は20倍以上とする。
また、不織布1は、溝部14の幅W2が、好ましくは0.2mm以上、更に好ましくは0.4mm以上であり、また、好ましくは3.0mm以下、更に好ましくは2.0mm以下であり、また、好ましくは0.2mm以上3.0mm以下、更に好ましくは0.4mm以上2.0mm以下である。
繊維処理剤を付着させる熱融着性芯鞘型複合繊維は、芯部を構成する樹脂成分の融点と鞘部を構成する樹脂成分との融点の差(前者−後者)が、20℃以上であることが、不織布の製造が容易となることから好ましく、また150℃以下であることが好ましい。芯部を構成する樹脂成分が複数種類の樹脂のブレンドである場合の融点は、融点が最も高い樹脂の融点とする。
第1樹脂成分及び第2樹脂成分の融点は、示差走査型熱量計(セイコーインスツルメンツ株式会社製DSC6200)を用い、細かく裁断した繊維試料(サンプル重量2mg)の熱分析を昇温速度10℃/minで行い、各樹脂の融解ピーク温度を測定し、その融解ピーク温度で定義される。第2樹脂成分の融点がこの方法で明確に測定できない場合、その樹脂を「融点を持たない樹脂」と定義する。この場合、第2樹脂成分の分子の流動が始まる温度として、繊維の融着点強度が計測できる程度に第2樹脂成分が融着する温度を軟化点とし、これを融点の代わりに用いる。
しくは30%以上である。配向指数は、繊維を構成する樹脂の高分子鎖の配向の程度の指標となるものである。そして、第1樹脂成分及び第2樹脂成分の配向指数がそれぞれ前記の値であることによって、熱伸長性複合繊維は、加熱によって伸長するようになる。
ウエブの形成工程においては、繊維処理材が表面に付着した熱融着性繊維を構成繊維として含む繊維ウエブを形成する。繊維ウエブの形成方法としては、カード法、エアレイド法、スパンボンド法等の各種公知の方法を用いることができる。繊維ウエブは、典型的には厚みが均一なものである。繊維処理材は、繊維の段階で付着させておくことが、厚み方向及び平面方向に繊維処理剤を分布させ得るので好ましいが、繊維ウエブの形成後に適宜の方法により付着させても良い。特に好ましい方法は、繊維処理材が表面に付着した熱融着性繊維を、カード機11にかけて繊維ウエブとする方法である。カード機を用いるカード法により形成した繊維ウエブは、凹凸形成工程において、繊維の再配置による凹凸の形成が容易である。
本製造方法においては、前述した凹凸形成工程において、繊維の再配置により凹凸を形成しており、凹部を有する第2部相当部分12’の繊維密度が低下しているため、第2部相当部分12’に凸条部を有する第1部相当部分11’に比して多量の熱風が流通する。これにより、得られた不織布1は、第2部12の親水度が、第1部11の頂部P1等の親水度よりも低いものとなる。また、繊維ウエブ15の第1部相当部分11’は、熱風を吹き付ける吹き付け面から反対側のネット面側にむかって、受ける熱量が低下するため、親水度が低下する程度が最も大きいのが頂部P1、最も小さいが底部P3となる。そのため、得られた不織布1の第1部は、底部P3の親水度が最も高く、中間部位P2の親水度が次に高く、頂部P3の親水度が最も低いものとなっている。
熱融着性繊維の繊度は、第1層10と第2層20とで同じであってもよく、あるいは相違していてもよい。各層10,20における熱融着性繊維の繊度が相違する場合、第1層10に含まれる熱融着性繊維の繊度よりも、第2層20に含まれる熱融着性繊維の繊度の方が大きいことが好ましい。
第1層10と第2層20とを含む多層構造の不織布1Aは、ウエブの形成工程において、第1ウエブ及び第2ウエブを重ねた積層ウエブを製造し、凹凸形成工程において、第1ウエブ側から気体等の流体を噴射する以外は、前述した不織布1の製造方法と同様にして製造することができるが、その流体を吹き付ける際に、第1層側の第1ウエブの繊度を小さくしておくと、流体の圧力で、溝部となる部分から、繊維が細く密である第1ウエブの繊維が移動し易い一方、繊維が太く疎である第2ウエブの繊維は移動しにくいため、溝部14を形成する第2部12における繊維間距離が一層拡大する。これにより、第2部12を介した液の透過性に一層優れた不織布が得られる。
第2実施形態の不織布1Aも、第1実施形態の不織布1と同様に、第2部12の繊維密度が、第1部11の繊維密度よりも低くなっており、また、第2部12の親水度が、第1部11の凸条部の頂部P1の親水度よりも低くなっている。また、第2実施形態の不織布1Aにおける第1部11も、凸条部14の頂部P1、第2面1b上の底部P3、及び中間部位P2の親水度を比較したときに、底部P3の親水度が最も高く、中間部位P2の親水度が次に高く、頂部P1の親水度が最も低くなっている。そのため、第2実施形態の不織布1Aも、前述したように、第2部12の繊維密度が、第1部11の繊維密度よりも低くなっている。また、第2部12の親水度が、第1部11の凸条部の頂部P1の親水度よりも低くなっている。そのため、第2実施形態の不織布1Aによっても、第1実施形態の不織布1と同様の作用効果が奏される。
例えば、凸条部14の断面形状は、半円形に代えて、三角形、四角形等であっても良い。また、凸状部14の断面形状は、半円形に代えて、半円がつぶれたような半楕円形状であってもよいし、凸状部14の延びる方向において、断面形状が変化していてもよい。
<1>
繊維処理剤が付着している熱融着性繊維を含む不織布であって、
第1部と第1部より厚みが薄い第2部とを交互に有し、片面に、第1部が凸条部を形成し、第2部が溝部を形成しており、
第2部の繊維密度が、第1部の繊維密度よりも低く、
前記繊維処理剤が、下記の(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する不織布。
(A)ポリオルガノシロキサン、
(B)アルキルリン酸エステル、
(C)下記の一般式(1)で表わされるアニオン界面活性剤
第2部の親水度が、第1部の凸条部の頂部の親水度よりも低い、前記<1>に記載の不織布。
<3>
第2部は、繊維に対する水の接触角が、好ましくは60度以上、更に好ましくは65度以上であり、また、好ましくは80度以下、更に好ましくは75度以下である、前記<1>又は<2>に記載の不織布。
<4>、
第1部11においては、凸条部13の頂部P1に存在する繊維に対する水の接触角が60度以上、特に65度以上であることが好ましく、また80度以下、特に75度以下であることが好ましい、前記<1>〜<3>の何れか1に記載の不織布。
<5>
第2部12と第1部11の凸条部の頂部P1とは、第2部12の接触角が頂部P1の接触角よりも高いことを前提にして、繊維に対する水の接触角の差が、好ましくは1度以上、更に好ましくは2度以上であり、また、好ましくは10度以下、更に好ましくは5度以下であり、また、好ましくは1度以上10度以下、更に好ましくは1度以上5度以下である、前記<1>〜<4>の何れか1に記載の不織布。
<6>
第1部は、前記凸条部の頂部P1、該凸条部が突出する第1面側とは反対側の第2面上の底部P3、及び該頂部P1と該底部P3との中間部位P2の親水度を比較したときに、底部P3の親水度が最も高く、中間部位P2の親水度が次に高く、頂部P1の親水度が最も低くなっている、前記<1>〜<5>の何れか1に記載の不織布。
<7>
第2部の親水度が、第1部の前記底部P3の親水度より低い、前記<6>に記載の不織布。
<8>
第1部11は、頂部P1の接触角が底部P3の接触角よりも大きいことを前提として、頂部P1と底部P3とは、繊維に対する水の接触角の差が好ましくは1度以上、更に好ましくは4度以上であり、また、好ましくは15度以下、更に好ましくは10度以下である、る、前記<6>又は<7>の何れか1に記載の不織布。
<9>
頂部P1の接触角が中間部位P2の接触角よりも大きいことを前提として、頂部P1と中間部位P2とは、繊維に対する水の接触角の差が好ましくは1度以上、更に好ましくは2度以上であり、好ましくは1度以上10度以下、更に好ましくは2度以上10度以下である、前記<6>〜<8>の何れか1に記載の不織布。
<10>
中間部位P2の接触角より底部P3の接触角が大きいことを前提として、中間部位P2と底部P3とは、繊維に対する水の接触角の差が好ましくは1度以上、更に好ましくは2度以上であり、また、好ましくは1度以上10度以下、更に好ましくは2度以上10度以下である、前記<6>〜<9>の何れか1に記載の不織布。
<11>
第1部11においては、凸条部13の頂部P1に存在する繊維に対する水の接触角が60度以上、特に65度以上であることが好ましく、また80度以下、特に75度以下であることが好ましい、前記<1>〜<10>の何れか1に記載の不織布。
<12>
第1部11の底部P3に存在する繊維に対する水の接触角は50度以上、特に55度以上であることが好ましく、また75度以下、特に70度以下であることが好ましい、前記<1>〜<11>の何れか1に記載の不織布。
<13>
第2部12の親水度が、第1部11の底部P3の親水度より低いことが好ましく、第2部12と第1部の底部P3とで、繊維に対する水の接触角との差が、好ましくは1度以上、更に好ましくは5度以上であり、また、15度以下であることが好ましく、10度以下であることが更に好ましい、前記<1>〜<12>の何れか1に記載の不織布。
<14>
第1部は、前記凸条部の頂部に近い側に、第1層を有し、該頂部から遠い側に、構成繊維の繊維径が第1層よりも太い第2層を有する、前記<1>〜<13>の何れか1に記載の不織布。
<15>
前記熱融着性繊維が、熱融着性を有する熱伸長性繊維である前記<1>〜<14>のの何れか1に記載の不織布。
<16>
前記熱伸長性複合繊維は、第2樹脂成分の融点(融点を持たない樹脂の場合は軟化点)より10℃高い温度での熱伸長率が0.5〜20%であることが好ましく、より好ましくは3〜20%、更に好ましくは5.0〜20%である、前記<15>に記載の不織布。
<17>
前記ポリオルガノシロキサンがポリジメチルシロキサンである、前記<1>〜<16>の何れか1に記載の不織布。
<18>
ポリオルガノシロキサンの分子量は、重量平均分子量で好ましくは10万以上、より好ましくは15万以上、更に好ましくは20万以上であり、好ましくは100万以下、より好ましくは80万以下、更に好ましくは60万以下である、前記<1>〜<17>の何れか1に記載の不織布。
<19>
ポリオルガノシロキサンとして、分子量の異なる2種類以上のポリオルガノシロキサンを用いられている、前記<1>〜<18>の何れか1に記載の不織布。
<20>
分子量が異なる2種類以上のポリオルガノシロキサンは、そのうちの一種類は、重量平均分子量が、好ましくは10万以上、より好ましくは15万以上、更に好ましくは20万以上であり、また、好ましくは100万以下、より好ましくは80万以下、更に好ましくは60万以下であり、他の一種類は、重量平均分子量が、好ましくは10万未満、より好ましくは5万以下、より好ましくは3万5千以下、更に好ましくは2万以下であり、また、好ましくは2000以上、より好ましくは3000以上、更に好ましくは5000以上である、前記<19>に記載の不織布。
<21>
重量平均分子量が10万以上のポリオルガノシロキサンと重量平均分子量が10万未満のポリオルガノシロキサンとの好ましい配合比率(前者:後者)は、質量比で、好ましくは1:10〜4:1、より好ましくは1:5〜2:1である、前記<19>又は<20>に記載の不織布。
<22>
前記ポリオルガノシロキサンが前記繊維処理剤の全質量に対して1質量%以上30質量%以下の割合で含まれている、前記<1>〜<21>の何れか1に記載の不織布。
<23>
ポリオルガノシロキサンの繊維処理剤中の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることが更に好ましく、7.5質量%以上であることがより好ましく、また、30質量%以下が好ましく、20質量%以下が更に好ましく、15質量%以下がより好ましい、前記<1>〜<22>の何れか1に記載の不織布。
<24>
(B)成分であるアルキルリン酸エステルが、炭素鎖が16〜18のモノ又はジアルキルリン酸エステルの完全中和又は部分中和塩である、前記<1>〜<23>の何れか1に記載の不織布。
<25>
前記繊維処理剤中の(B)成分の配合割合は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下である、前記<1>〜<24>の何れか1に記載の不織布。
<26>
前記(C)成分が、ジアルキルスルホン酸又はその塩である、前記<1>〜<25>の何れか1に記載の不織布。
<27>
前記繊維処理剤中の前記(C)成分の配合割合は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、好ましくは20質量%以下、より好ましくは13質量%以下である、前記<1>〜<26>の何れか1に記載の不織布。
<28>
繊維処理剤における(A)成分のポリオルガノシロキサンと、(B)成分のアルキルリン酸エステルとの含有比率(前者:後者)は、質量比で、好ましくは1:5〜10:1であり、より好ましくは1:2〜3:1である、前記<1>〜<27>の何れか1に記載の不織布。
<29>
前記(A)成分と前記(C)成分との含有比率(前者:後者)が、質量比で1:3〜4:1である、前記<1>〜<28>の何れか1に記載の不織布。
<30>
第1部11と第2部12は、それぞれ不織布1の一方向Xに延びて形成され、互いに平行に形成されており、第1部11と第2部12は、それぞれ複数本形成され、前記一方向Xに直交する方向Yに交互に形成されている、前記<1>〜<29>の何れか1に記載の不織布。
<31>
凸条部13及び溝部14も、それぞれ不織布1の一方向Xに延びて形成され、互いに平行に形成されており、また、それぞれ複数本形成され、前記一方向Xに直交する方向Yに交互に形成されている、前記<30>に記載の不織布。
<32>
凸条部13は、前記一方向Xにおいて高さが一定であり、溝部14は、前記一方向Xにおいて深さが一定である、前記<30>又は<31>に記載の不織布。
<33>
不織布1は、凸条部13及び溝部14を有する凹凸面となっている第1面1aと、平坦であるか又は前記凹凸面に比して凹凸の程度が明確に小さい第2面1bとを有している、前記<1>〜<32>の何れか1に記載の不織布。
<34>
第2部12の繊維密度(d2)は、第1部11の繊維密度(d1)に対する割合(%)が、好ましくは80%以下、更に好ましくは70%以下であり、また、好ましくは5%以上、更に好ましくは10%以上である、前記<1>〜<33>の何れか1に記載の不織布。
<35>
第1部11の繊維密度(d1)は、好ましくは0.10g/cm3以下、更に好ましくは0.07g/cm3以下であり、また、好ましくは0.01g/cm3以上、更に好ましくは0.02g/cm3以上である、前記<1>〜<34>の何れか1に記載の不織布。
<36>
第2部12の厚みt2は、第1部11の厚みt1に対する割合(%)が、好ましくは80%以下、更に好ましくは70%以下であり、また、好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上である、前記<1>〜<35>の何れか1に記載の不織布。
<37>
第1部11の厚みt1と第2部12の厚みt2との差t3は、好ましくは0.1mm以上、更に好ましくは0.2mm以上であり、また、好ましくは1.0mm以下、更に好ましくは0.8mm以下である、前記<1>〜<36>の何れか1に記載の不織布。
<38>
液透過性の表面シートとして、前記<1>〜<36>の何れか1に記載の不織布を用いた吸収性物品であって、
前記不織布は、前記凸条部及び前記溝部を有する面側が、着用者の肌側を向くように用いられている吸収性物品。
繊維処理剤を付着させた熱融着性繊維を原料としてカード機により繊維ウエブに製造した後、その繊維ウエブに対して、複数の噴射ノズルから空気を噴射し、表面の繊維を移動させて凹凸を有する繊維ウエブを形成した。その繊維ウエブに対して、図4に示すように、エアスルー方式の熱風処理を施し、図1に示す形態のエアスルー不織布を得た。
ウエブの原料繊維を以下の表1に示す。同表には、各原料繊維に対して施した繊維処理剤の組成も記載されている。熱風処理の熱風の温度は136℃、風速は0.5m/secに設定した。また、円形(直径1mm)の噴射ノズルから噴射させた圧搾空気の温度は20から30℃の常温で、風量は10L/分・孔であった。このようにして、同表に示す坪量を有する単層構造のエアスルー不織布を得た。
繊維処理剤を付着させた熱融着性繊維を原料としてカード機により、第1ウエブ及び第2ウエブを製造した。第1ウエブ及び第2ウエブを重ねて、その積層ウエブに対して、第1ウエブ側から、実施例1と同様にして空気を噴射し、表面の繊維を移動させて第1ウエブ側に凹凸を有する繊維ウエブを形成した。その繊維ウエブに対して、図4に示すように、エアスルー方式の熱風処理を施し、図3に示す形態のエアスルー不織布を得た。第1ウエブの原料繊維及び第2ウエブの原料繊維を以下の表2に示す。同表には、各原料繊維に対して施した繊維処理剤の組成も記載されている。記載されている。同表に示す繊維及び繊維処理剤は、前述の実施例1ないし4と同じものである。
熱風処理の熱風の温度は136℃、風速は0.5m/secに設定した。また、噴射ノズルから噴射させた圧搾空気の温度は20から30℃の常温で、風量は10L/分・孔であった。これ以外は実施例1と同様にして、同表に示す坪量を有する2層構造のエアスルー不織布を得た。
特許文献2(特開2010−168715号公報)の比較例4に使用されている下記親水化剤Nを付着させた熱融着性繊維を原料繊維として用いる以外は、実施例1と同様にして、表1に示す坪量を有するエアスルー不織布を得た。
親水化剤N:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性シリコーン(信越化学工業株式会社製、KF−6004)およびジグリセリンラウリン酸エステル(理研ビタミン株式会社製、リケマールL−71−D)を50重量%:50重量%で配合した親水化剤
〔液残り量の測定〕
測定は、吸収性物品の一例として生理用ナプキン(花王株式会社製:ロリエ 肌キレイガード ふつうの日用 羽なし)から表面シートを取り除き、その代わりに、測定対象の不織布を前記のナプキン吸収体における前記表面シートが存していた箇所(ナプキン吸収体の肌当接面上)に、凹凸面とは反対側の面が該ナプキン吸収体と対向するよう固定した。これによって、測定対象の不織布を表面シートとして用いた評価用の生理用ナプキンを得た。
次に、得られた生理用ナプキンの表面上に、直径10mmの円筒状の透過孔を有するアクリル板を重ねて、注入口から脱繊維馬血3gを一度に流し込み60秒後に、アクリル板を取り除いた。
表面シートの上に、縦6cm×横9.5cmで坪量13g/m2の吸収紙(テ
ィッシュぺーパー)を16枚重ねて載せ、圧力が4.0×102 Paになるよう重りを載せて5秒間加圧した後、吸収紙を取り出し、吸収紙の質量を、吸収させる前と比較することで、吸収紙に吸収された脱繊維馬血の質量を測定し、液戻り量とした。
・文章があまり良くないかも知れませんので適宜修正してください。明確性についてご確認ください。
液残り量の測定と同様にして作成した評価用の生理用ナプキンを用いて、凹部液残り面積率の測定を行った。凹部液残り面積率は、生理用ナプキン使用後の外観の良否を判断する指標となり、面積率の値が高いほど、使用後の外観から使用者が不快感を感じる。
次に、上記の液残り測定後の不織布の凹部の馬血に触れた部分の面積に対する、馬血が不織布の凹部に残っている面積の比率を求め、液残り面積率とした。凹部の馬血に触れた部分の面積は、馬血に触れた部分の溝の合計長さを溝の幅と乗じた値とする。また馬血が不織布の凹部に残っている面積は、馬血が残っている部分の溝の合計長さを溝の幅と乗じた値とする。溝の幅は前述の厚みを測定する際に用いた写真から溝の幅を物差しで測定する。溝の長さは、例えば透明なシートを表面材に重ね、凹部及び馬血が不織布の凹部に残っている部分を目視で写し取り、その長さを物差しやを重量法や各種の画像処理装置で求める。馬血が不織布に触れた部分は、色が薄い赤色に変化しており、また馬血が残る部分は濃赤色に変化しており、その色を目視で判断し溝の長さを測定する。面積率は、それぞれの面積より計算する。
11 第1部
12 凸条部
13 第2部
14 溝部
Claims (10)
- 繊維処理剤が付着している熱融着性繊維を含む不織布であって、
第1部と第1部より厚みが薄い第2部とを交互に有し、片面に、第1部が凸条部を形成し、第2部が溝部を形成しており、
第2部の繊維密度が、第1部の繊維密度よりも低く、
前記繊維処理剤が、下記の(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する不織布。
(A)ポリオルガノシロキサン、
(B)アルキルリン酸エステル、
(C)下記の一般式(1)で表わされるアニオン界面活性剤
- 第2部の親水度が、第1部の凸条部の頂部の親水度よりも低い、請求項1に記載の不織布。
- 第1部は、前記凸条部の頂部P1、該凸条部が突出する第1面側とは反対側の第2面上の底部P3、及び該頂部P1と該底部P3との中間部位P2の親水度を比較したときに、底部P3の親水度が最も高く、中間部位P2の親水度が次に高く、頂部P1の親水度が最も低くなっている、請求項1又は2に記載の不織布。
- 第2部の親水度が、第1部の前記底部P3の親水度より低い、請求項3に記載の不織布。
- 第1部は、前記凸条部の頂部に近い側に、第1層を有し、該頂部から遠い側に、構成繊維の繊維径が第1層よりも太い第2層を有する、請求項1〜4の何れか1項に記載の不織布。
- 前記熱融着性繊維が、熱融着性を有する熱伸長性繊維である請求項1〜5の何れか1項に記載の不織布。
- 前記ポリオルガノシロキサンが前記繊維処理剤の全質量に対して1質量%以上30質量%以下の割合で含まれている請求項1〜6の何れか1項に記載の不織布。
- 前記(C)成分が、ジアルキルスルホン酸又はその塩である、請求項1〜7の何れか1項に記載の不織布。
- 前記(A)成分と前記(C)成分との含有比率(前者:後者)が、質量比で1:3〜4:1である請求項1〜8の何れか1項記載の不織布。
- 液透過性の表面シートとして、請求項1〜9の何れか1項記載の不織布を用いた吸収性物品であって、
前記不織布は、前記凸条部及び前記溝部を有する面側が、着用者の肌側を向くように用いられている吸収性物品。
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