JP2015113234A - 用紙搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】給紙ローラーが用紙を搬送できない搬送ミスの発生を抑制する用紙搬送装置を提供する。【解決手段】駆動源と、用紙Pと接触しつつ駆動源による回転に伴って用紙を搬送可能な給紙ローラー34と、駆動源を駆動して給紙ローラーの回転を制御する制御部と、を備え、制御部は、揺動により用紙と回転停止状態で接触した給紙ローラーが第1回転速度で回転したのち、第1回転速度よりも低速の第2回転速度で回転するように制御する。【選択図】図1
Description
本発明は、例えば印刷装置に備えられ、その印刷装置の印刷部へ用紙を搬送する用紙搬送装置に関する。
従来から、載置台(例えば給紙カセット)に積層状態で載置された用紙を一枚ずつ搬送路へ送り出すとともに、その搬送路に沿って用紙を搬送する用紙搬送装置を備える印刷装置が実用化されている。このような印刷装置では、用紙搬送装置によって一枚ずつ送り出された用紙が搬送路に沿って印刷部まで搬送され、印刷部において液体噴射ヘッドから用紙に対して液体が噴射されて文字や図形を含む画像が用紙に印刷される。
すなわち、用紙搬送装置は駆動源によって回転される給紙ローラーを備え、この給紙ローラーが用紙と接触しながら回転することによって、載置台に載置された用紙を搬送路に一枚ずつ送り出す構成とされている。したがって、用紙搬送装置では、給紙ローラーは用紙との接触状態を維持しながら回転して、用紙を確実に搬送路に送り出すことが必要である。
ところで、上述した従来の用紙搬送装置では、ローラーの回転軸が変位することなくほぼ定位置で回転する固定式の給紙ローラーや、ローラーの回転軸が用紙との接触部分よりも当該用紙の搬送方向側とは反対側であって用紙から離れた位置を支点として揺動する揺動式の給紙ローラーを備える構成が用いられる。
このような従来の用紙搬送装置において、例えば、固定式の給紙ローラーが所定の回転速度に到達するまでの加速度が大きい場合に、給紙ローラーのローラー面と用紙との接触部分でスリップが生じ、用紙を搬送することができないことがある。このような場合、給紙ローラーが所定の回転速度に到達するまでの加速度を低下させることによって、すなわち低速回転させることによって、給紙ローラーのローラー面と用紙との接触部分でのスリップを抑制する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、こうした給紙ローラーの加速度を低下させることによりローラー面と用紙との接触部分でのスリップを抑制する技術は、固定式の給紙ローラーの場合には有効であるものの、揺動式の給紙ローラーによって用紙を載置台から送り出す用紙搬送装置においては有効ではないことが確認された。すなわち、揺動式の給紙ローラーの場合には、給紙ローラーの加速度を低下させた場合、つまり送り出し開始時の回転速度を低速にした場合において、載置台から用紙を送り出せない搬送ミス、所謂ノンフィードが発生することが確認された。
なお、こうした実情は、少なくとも、用紙との接触部分よりも当該用紙の搬送方向側とは反対側であって用紙から離れた位置を支点として揺動可能に設けられた給紙ローラーを備える用紙搬送装置においては、概ね共通するものであった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、給紙ローラーが用紙を搬送できない搬送ミスの発生を抑制する用紙搬送装置を提供することを主な目的とする。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する用紙搬送装置は、駆動源と、用紙と接触しつつ前記駆動源による回転に伴って用紙を搬送可能な給紙ローラーと、前記駆動源を駆動して前記給紙ローラーの回転を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記用紙と回転停止状態で接触した前記給紙ローラーが、第1回転速度で回転したのち、前記第1回転速度よりも低速の第2回転速度で回転するように制御する。
上記課題を解決する用紙搬送装置は、駆動源と、用紙と接触しつつ前記駆動源による回転に伴って用紙を搬送可能な給紙ローラーと、前記駆動源を駆動して前記給紙ローラーの回転を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記用紙と回転停止状態で接触した前記給紙ローラーが、第1回転速度で回転したのち、前記第1回転速度よりも低速の第2回転速度で回転するように制御する。
この構成によれば、給紙ローラーは、例えば、回転を開始して用紙を搬送する際に、第2回転速度よりも速い第1回転速度で回転することによって、用紙を搬送させる搬送力を大きくすることが可能である。したがって、給紙ローラーが用紙を搬送できない搬送ミスの発生を抑制することができる。
上記用紙搬送装置において、前記給紙ローラーは、前記用紙との接触部分よりも当該用紙の搬送方向側とは反対側であって前記用紙から離れた位置を支点として揺動可能に設けられることが好ましい。
この構成によれば、搬送方向とは反対側に位置する支点を中心に揺動可能に設けられた給紙ローラーは、回転を開始して用紙を搬送する際に、速い第1回転速度で回転することによって、用紙を搬送させる搬送力が大きくなる。したがって、給紙ローラーが用紙を搬送できない搬送ミスの発生を抑制することができる。
上記用紙搬送装置においては、互いに重なって搬送された複数枚の前記用紙と当接して、当該複数枚の用紙を一枚ずつ搬送可能に分離する分離部を備え、前記制御部は、前記用紙が前記分離部と当接する前に、前記給紙ローラーが前記第2回転速度で回転するように制御することが好ましい。
この構成によれば、分離部に当接する際の用紙の搬送速度を遅くすることができるので、分離部に当接する際の異音の発生を抑制することができる。
上記用紙搬送装置において、前記制御部は、前記用紙が前記分離部と当接した後に、前記第2回転速度よりも高速の第3回転速度で前記給紙ローラーが回転するように制御することが好ましい。
上記用紙搬送装置において、前記制御部は、前記用紙が前記分離部と当接した後に、前記第2回転速度よりも高速の第3回転速度で前記給紙ローラーが回転するように制御することが好ましい。
この構成によれば、分離部との当接時に減速した用紙の搬送速度を再び増速することができるので、例えば、用紙を印刷部へ速く搬送することができる。この結果、印刷時のスループットが向上する。
上記用紙搬送装置において、前記給紙ローラーは、回転することにより前記用紙に印刷を行う印刷部まで前記用紙を搬送可能であり、前記制御部は、前記印刷部によって前記用紙に印刷が行われる場合、前記第2回転速度と等速または前記第2回転速度よりも低速の第4の回転速度で前記給紙ローラーが回転するように制御することが好ましい。
この構成によれば、印刷部へ速く搬送された用紙を印刷に適した速度(低速)で搬送する。したがって、用紙に適切に印刷を行うことができる。
上記用紙搬送装置において、前記給紙ローラーは、回転することにより前記用紙に印刷を行う印刷部まで前記用紙を搬送可能であり、前記制御部は、前記用紙への印刷が前記印刷部によって行われない場合、前記第1回転速度で前記給紙ローラーが回転して前記用紙を前記印刷部から排出するように制御することが好ましい。
上記用紙搬送装置において、前記給紙ローラーは、回転することにより前記用紙に印刷を行う印刷部まで前記用紙を搬送可能であり、前記制御部は、前記用紙への印刷が前記印刷部によって行われない場合、前記第1回転速度で前記給紙ローラーが回転して前記用紙を前記印刷部から排出するように制御することが好ましい。
この構成によれば、用紙に印刷を行わない場合は、速やかにその用紙を印刷部から排出するので、次の印刷準備を素早く行うことできる。
上記用紙搬送装置においては、前記用紙を搬送する際に騒音を抑制する静音モードを備え、前記制御部は、前記静音モードにおいて、前記用紙と回転停止状態で接触した前記給紙ローラーが、第1回転速度で回転したのち前記第1回転速度よりも低速の第2回転速度で回転するように制御する一方、前記静音モード以外のモードにおいて、前記用紙と回転停止状態で接触した前記給紙ローラーが前記第1回転速度で継続回転するように制御することが好ましい。
上記用紙搬送装置においては、前記用紙を搬送する際に騒音を抑制する静音モードを備え、前記制御部は、前記静音モードにおいて、前記用紙と回転停止状態で接触した前記給紙ローラーが、第1回転速度で回転したのち前記第1回転速度よりも低速の第2回転速度で回転するように制御する一方、前記静音モード以外のモードにおいて、前記用紙と回転停止状態で接触した前記給紙ローラーが前記第1回転速度で継続回転するように制御することが好ましい。
この構成によれば、静音モードでは給紙ローラーの回転速度を遅く変化させて騒音を抑制し、静音モード以外では、給紙ローラーを高速のまま回転させるので、用紙は用紙搬送装置によって例えば印刷部へ速く搬送される。したがって、印刷時のスループットが向上する。
以下、印刷装置の一例であるインクジェット式のプリンター(以下、単に「プリンター」と言う場合もある)の一実施形態について、図を参照しながら説明する。この実施形態のプリンターは、印刷媒体の一例である用紙に、液体の一例であるインクを噴射して画像等を形成することによって印刷を行う。
図1および図2に示すように、本実施形態のプリンター11は複数の筐体部材によって構成され、その筐体部材の一つとして外形が略直方体形状の本体ケース12を有している。この本体ケース12において、鉛直方向における反重力方向(+Z方向)側となる上面側には、スキャナーなどの画像読取部15が配設されている。また、本体ケース12内には、移動する用紙Pに対してインクを噴射して画像を印刷する印刷部20が備えられている。印刷部20は、本体ケース12の上方から見て画像読取部15と重なる状態で、画像読取部15の下側(−Z方向側)に配設されている。
また、本体ケース12において、印刷部20を移動する用紙Pの移動方向(これを「副走査方向」とも呼ぶ)側となる前側(+Y方向側)には、印刷部20の印刷動作などを設定するための操作パネル13が配置されている。操作パネル13はメニュー画面等を表示するための表示部(例えば液晶ディスプレイ)や印刷動作に関するデータを入力する操作部(例えば操作ボタン)などを備えている。また、操作パネル13は、その上方側に設けられた不図示のヒンジなどの回転機構によって下方側が前方に持ち上げられて開く構成とされ、本体ケース12に開閉可能に取り付けられている。
操作パネル13に対して操作部等が設けられた前側とは反対側の後側(−Y方向側)には、印刷された用紙Pを本体ケース12外へ排出する排紙口16が、図2に示すように本体ケース12に配設され、操作パネル13が開くことによって露出するその排紙口16から、用紙Pは図1において白抜き矢印で示すように前方(+Y方向)へ排出される。
本実施形態のプリンター11には、印刷部20に対して用紙Pを供給する給紙カセット30が備えられている。給紙カセット30は、その底面である載置面31に用紙Pを積層した状態で収容可能であり、操作パネル13の下方において本体ケース12に対してその前方側から挿抜可能に配設されている。給紙カセット30に収容された用紙Pは、給紙ローラー34によって搬送され、給紙カセット30から後方へ向かって送り出されたのち、挿入方向奥側(−Y方向側)に配設された分離部32に当接する。分離部32は用紙Pの送り出し方向と交差する方向に所定幅を有して一対設けられ、用紙Pはこの分離部32に沿って摺動し、本体ケース12内の後方上側に設けられた用紙Pの搬送路に移動する。
給紙ローラー34は、本体ケース12内の支持フレーム12aに揺動軸33aを中心に揺動可能に支持された揺動部材33の先端部分に回転可能な状態で取り付けられている。そして、本体ケース12内には、不図示の駆動源(例えばモーター)と、この駆動源の駆動を制御する不図示の制御部(例えば回路基板)が備えられている。給紙ローラー34は、制御部によって駆動された駆動源の動力が伝達されて回転駆動される。すなわち、駆動源の動力が揺動部材33内に設けられた図示しない歯車列を介して伝達されることにより給紙ローラー34は回転駆動する。
本実施形態では、揺動部材33は、給紙カセット30が本体ケース12から抜かれる際に、図2において二点鎖線で示すように、給紙ローラー34が載置面31から離れるように上側へ揺動する。一方、揺動部材33は、給紙カセット30が本体ケース12へ挿入された際に、図2において実線で示すように、給紙ローラー34が載置面31に載置された用紙Pと接触するように下方へ揺動する構成とされている。このように、給紙ローラー34は、用紙Pとの接触部分よりも当該用紙Pの搬送方向(−Y方向)側とは反対側(+Y方向側)であって用紙Pから上方(+Z方向)に離れた位置(具体的には揺動軸33a)を支点として揺動可能に設けられている。
そして、給紙ローラー34が、給紙カセット30内の最上位の用紙Pと当接した状態で、制御部によって駆動される駆動源の動力により回転すると、給紙カセット30から最上位の用紙Pが、給紙ローラー34の接触部分に対して揺動軸33a側とは反対側の後方(−Y方向)へ送り出される。こうして、制御部と駆動源と給紙ローラー34とは、用紙搬送装置40として機能する。
図2に示すように、プリンター11では、給紙カセット30から送り出される用紙Pを印刷部20へ搬送する用紙Pの搬送路が設けられている。具体的には、搬送路は、本体ケース12を構成する複数の筐体部材によって形成されている。そして、筐体部材に対して回転自在に取り付けられた第1ローラー61、第2ローラー62、第3ローラー63、および第4ローラー64が、搬送路に沿って配設されている。このうち第1ローラー61は駆動源によって駆動される駆動ローラーであり、他の第2ローラー62、第3ローラー63、第4ローラー64は第1ローラー61の回転に従動して回転する従動ローラーである。なお、本実施形態では、第1ローラー61の駆動源は、給紙ローラー34の駆動源と同じ駆動源とされている。もとより、第1ローラー61の駆動源は、給紙ローラー34の駆動源とは異なっていてもよい。
これらのローラーによって、搬送方向の上流側である給紙カセット30側から、搬送方向の下流側である印刷部20側に向かって、順に、給紙カセット30の用紙Pを搬送する第1搬送路35、第2搬送路36、第3搬送路37が、用紙Pの搬送路として形成されている。これらの搬送路を介して、第1ローラー61が図2において実線矢印で示すように回転することによって、用紙Pが、図2において破線矢印K1および破線矢印K2で示すように搬送路に沿って搬送され、印刷部20へ供給される。
また、本実施形態のプリンター11には、給紙カセット30から印刷部20へ用紙Pを供給する以外に、本体ケース12において操作パネル13が設けられた前側とは反対側の後側の上部に、用紙Pを手差しで一枚ずつ供給する手差給紙部14も備えられている。手差給紙部14は、用紙Pが差し込まれる差込口36aを開閉する開閉蓋14aが、本体ケース12に揺動自在に備えられている。従って、使用者は、図1において矢印Rで示すように開閉蓋14aを後方へ揺動させることによって露出する差込口36aに用紙Pを差し込むことによって、用紙Pを印刷部20へ供給することも可能である。すなわち、この差込口36aは、本体ケース12の筐体部材の一部が変位した状態になることによって、第2搬送路36と連通する。この連通によって、差込口36aから差し込まれた用紙Pは、図2において破線矢印K3で示すように第2搬送路36に進入し、その後、破線矢印K2で示すように印刷部20へ送られる。
印刷部20へ送られた用紙Pは、本体ケース12に回転可能に軸支された一対のローラーからなる紙送りローラー65によって挟持されて副走査方向(+Y方向)へ送られ、印刷部20と対向配置される支持台26によって下方から支持されながら支持台26上を移動する。なお、用紙Pに印刷が行われる場合は、用紙Pは副走査方向(+Y方向)へ間欠移動する。
印刷部20は、液体噴射ヘッド25を有するキャリッジ24を備え、キャリッジ24が支持台26上を移動する用紙Pの移動方向である副走査方向(+Y方向)と交差する用紙Pの幅方向(±X方向)に沿って相対移動する際に、液体噴射ヘッド25から適宜インクを用紙Pに噴射して印刷を行う。
すなわち、本体ケース12内には、第1レール部材21と第2レール部材22とが、用紙Pの副走査方向において所定の間隔を空けて用紙Pの幅方向に延設され、この2つの第1レール部材21および第2レール部材22に沿って幅方向(±X方向)に移動可能な状態でキャリッジ24が支持されている。そして、キャリッジ24は、図示しない駆動源(モーター)の駆動に伴って第1レール部材21および第2レール部材22に沿って幅方向に沿って往復移動する構成とされている。なお、キャリッジ24が移動する用紙Pの幅方向(±X方向)を主走査方向とも呼ぶとともに、この主走査方向に沿う方向については、参照する図において、プリンター11の前方(+Y方向)から見て右方向を+X方向、左方向を−X方向と記す。
また、本実施形態のプリンター11では、印刷部20による印刷に際して液体噴射ヘッド25が噴射するインクを収容した図示しないインクカートリッジが、少なくとも一つキャリッジ24に装着される。そして、インクカートリッジからキャリッジ24内に設けられたインクの流路を介して液体噴射ヘッド25に供給され、液体噴射ヘッド25から供給されたインクが噴射される。
その後、印刷部20においてインクの噴射によって印刷が完了した用紙Pは、図2において二点鎖線矢印K4で示すように、本体ケース12に回転可能に軸支された一対のローラーからなる排紙ローラー67によって挟持されて副走査方向(+Y方向)へ搬送され、排紙口16から排出される。
次に、図3を参照して、用紙搬送装置40によって給紙カセット30から送り出され、搬送路を搬送される用紙Pの搬送状態について詳しく説明する。なお、図3は、図2を一部拡大した図であり、手差給紙部14には用紙Pが差し込まれていない状態、つまり開閉蓋14aが閉じられた状態で図示されている。
図3に示すように、給紙ローラー34は、揺動部材33の揺動に伴って積層状態で載置面31に載置された用紙Pのうちの最上位の用紙Pに接触する。このとき、給紙ローラー34は、回転していない状態で、そのローラー面が用紙Pに対して所定の圧力を有して接触する。なお、給紙ローラー34の外周面であるローラー面は、用紙Pの搬送方向と交差する幅方向に所定幅を有する円筒面とされ、給紙ローラー34は、このローラー面が弾性変形可能な材料で形成されている。
このローラー面の接触状態から、駆動源の動力が伝達されて給紙ローラー34が図3において白抜き矢印で示すように回転を開始すると、給紙ローラー34は、接触したローラー面を介して所定の搬送力を用紙Pに作用させることによって、用紙Pを後方へ送り出す。送り出された用紙Pは、図3において破線で示すように、その送り出された用紙Pにおける送り出し方向側の先端部(以下、単に「先端部」ともいう。)が、給紙カセットに載置された状態での初期位置T0から、分離部32の前方側(+Y方向側)に設けられた傾斜面32aに当接する状態となる当接位置T1まで、後方に向かって移動する。
当接位置T1まで移動した用紙Pの先端部は、その後、給紙ローラー34の搬送力によって分離部32の傾斜面32aに沿って上昇する。用紙Pは、給紙ローラー34によって複数枚が一緒に送り出された場合、その先端部が分離部32の傾斜面32aに沿って上昇して、図3において実線で示すように傾斜面32aの上端位置T2に到達する間に、一枚ずつに分離される。すなわち、傾斜面32aは用紙Pの分離面となっている。
分離部32において一つ下位となる次位の用紙Pから分離された最上位の用紙Pは、給紙ローラー34によって更に搬送され、その先端部が第1搬送路35に至るまで送られる。第1搬送路35に送られた用紙Pは、給紙ローラー34と一緒に回転駆動される第1ローラー61と、従動する第2ローラー62との間で挟持されて第1搬送路35から第2搬送路36へ搬送される。
そして、先端部が第2搬送路36に至るまで搬送された用紙Pは、さらに給紙ローラー34および第1ローラー61の回転駆動によって移動が継続され、続いて先端部が第1ローラー61と第3ローラー63との間で挟持されて第2搬送路36から第3搬送路37へ搬送される。そして、第3搬送路37を搬送される用紙Pは、その先端部が紙送りローラー65に挟持されて支持台26上に向かって搬送され、印刷部20における用紙Pに対する印刷開始位置T3に移動する。
そして次に、先端部が印刷開始位置T3に移動した用紙Pは、給紙ローラー34および第1ローラー61のそれぞれの回転駆動によって、その後に開始される印刷動作に応じた速度で搬送され、支持台26上を後方から前方(+Y方向)へ移動する。なお、給紙ローラー34は、最上位の用紙Pの搬送方向側と反対側の後端部が給紙カセット30から送り出された時点で回転が停止される。そして用紙搬送装置40では、次に最上位となることによって給紙ローラー34が接触する次位の用紙Pについて、搬送路に送り出す搬送動作が行われる。
なお、本実施形態のプリンター11では、搬送路は用紙Pの両面に印刷を行うことが可能な反転搬送路とされている。すなわち、印刷部20において用紙Pへの表面(片面)の印刷が終了した後、紙送りローラー65(排紙ローラー67)が逆転駆動される。この逆転によって、用紙Pは副走査方向と逆方向となる後方(−Y方向)に戻されるとともに、第1ローラー61と第4ローラー64との間に挟持されることによって、第3搬送路37の後方に設けられた第4搬送路38に搬送される。用紙Pは、この第4搬送路38から再び第1搬送路35へ搬送された時点で表裏が反転された状態となり、その後、再び第1搬送路35から第2搬送路36を通って第3搬送路37に搬送され、印刷部20へ供給されることによって、裏面への印刷が行われる。
次に、図4、図5(a),(b)及び図6(a),(b)を参照して、上記のように構成された用紙搬送装置40の作用、すなわち給紙ローラー34の回転制御処理について説明する。ここでは、給紙ローラー34の回転制御処理についての理解を容易にするため、この給紙ローラー34の回転制御処理が行われない場合の用紙搬送装置40の搬送動作について、図を参照して先に説明する。
図5(a)に示すように、用紙搬送装置40は、用紙Pを、給紙カセット30の初期位置T0から印刷開始位置T3まで、搬送路を速く搬送する高速搬送モード(実線で示すグラフ)と、搬送路を遅く搬送する低速搬送モード(破線で示すグラフ)とを備えている。それぞれの搬送モードは、操作パネル13からのデータ入力によって設定され、高速搬送モードは、印刷のスループットを優先する場合に設定され、低速搬送モードは、用紙Pを搬送する際に発生する騒音を抑制することを優先する場合に設定される。
すなわち、低速搬送モードは、例えば用紙Pが分離部32の傾斜面32aに当接するときの用紙Pの搬送速度を遅くすることによって、当接時に発生する音(衝突音)を抑制するモードであり、本実施形態では用紙搬送装置40において静音モードとして備えられる。そして、プリンター11の使用者が、例えば静かに印刷を行うことを所望する場合に、この静音モード(低速搬送モード)を設定する。
したがって、制御部は、高速搬送モードが設定された場合は、回転停止状態の給紙ローラー34を第1回転速度V1で継続回転させることによって、用紙Pを初期位置T0から印刷開始位置T3まで速く搬送する。また、低速搬送モードが設定された場合は、回転停止状態の給紙ローラー34を第2回転速度V2で継続回転させることによって、用紙Pを初期位置T0から印刷開始位置T3までゆっくり搬送する。また、制御部は、給紙ローラー34の回転速度Vが停止状態から第1回転速度V1に到達するまでの用紙Pの移動量と、停止状態から第2回転速度V2に到達するまでの用紙Pの移動量とが、略同じになるように駆動源の駆動を制御する。すなわち、第1回転速度V1に到達するまでの給紙ローラー34の加速度(角加速度)は、第2回転速度V2に到達するまでの給紙ローラー34の加速度(角加速度)よりも大きくなっている。
また、制御部は、用紙Pの先端部が印刷開始位置T3まで移動したのち、印刷部20において副走査方向に移動する用紙Pの移動速度に応じた第4回転速度V4で給紙ローラー34を回転させる。本実施形態では第4回転速度V4は第2回転速度V2よりも低速とされている。したがって、制御部は、図5(a)に示すように、給紙カセット30の初期位置T0からの用紙Pの移動量Lが、用紙Pの先端部が当接位置T1及び上端位置T2を通過して印刷開始位置T3よりも手前に位置するまでの第3移動量L3となった時点で、給紙ローラー34を減速させる。そして、制御部は、用紙Pの先端部が印刷開始位置T3まで移動した時点で第4回転速度V4となるように駆動源の駆動を制御する。
その後、制御部は、第4回転速度V4で回転する給紙ローラー34を、用紙Pの後端部が給紙カセット30から送り出された時点で回転停止させる。すなわち、制御部は、用紙Pが給紙カセット30の初期位置T0から第4移動量L4に相当する距離だけ移動した時点で給紙ローラー34の第4回転速度V4を減速させて停止させる。このとき用紙Pは、給紙ローラー34が回転停止するまでに搬送方向に移動し、その後端部が給紙ローラー34との接触状態が解除される位置、すなわち搬送終了位置T4(図3参照)に位置する。
次に、図4および図5(b)を参照して、給紙ローラー34の回転制御処理について説明する。もとより、この処理は、プリンター11において、給紙カセット30から印刷部20へ用紙Pを送り出す際に制御部が駆動源の駆動を制御することによって行われる。
図4に示すように、この処理が開始されると、まずステップS1にて、給紙ローラーを第1回転速度で回転させる処理を行う。すなわち、制御部は、給紙ローラー34を高速搬送モード時の第1回転速度V1で回転させる。したがって給紙ローラー34には、第1回転速度V1に到達するまでの間で、第2回転速度V2に到達するまでの加速度よりも大きな加速度が加わる。また、この第1回転速度V1による回転(高速回転)によって、給紙ローラー34は、用紙Pとの接触を維持しながら用紙Pを大きな力(搬送力)で搬送して、給紙カセット30から送り出す。
図6(a),(b)を参照して、このステップS1の処理における用紙Pの搬送動作について説明する。
図6(a)に示すように、給紙ローラー34は、用紙Pとの接触部分よりも当該用紙Pの搬送方向(−Y方向)側とは反対側であって用紙Pから上方(+Z方向)へ離れた位置に設けられた揺動軸33aを支点とする揺動部材33の揺動に伴って揺動する。そして、給紙カセット30において、積層状態で載置面31に載置された用紙Pのうちの最上位の用紙Pに対して回転していない状態で所定の初期圧力を有して接触する。
図6(a)に示すように、給紙ローラー34は、用紙Pとの接触部分よりも当該用紙Pの搬送方向(−Y方向)側とは反対側であって用紙Pから上方(+Z方向)へ離れた位置に設けられた揺動軸33aを支点とする揺動部材33の揺動に伴って揺動する。そして、給紙カセット30において、積層状態で載置面31に載置された用紙Pのうちの最上位の用紙Pに対して回転していない状態で所定の初期圧力を有して接触する。
この接触状態から、ステップS1の処理によって、駆動源の動力が伝達されて給紙ローラー34が図6(a)において白抜き矢印Dで示すように第1回転速度V1での回転を開始する。この回転に伴って、給紙ローラー34は、そのローラー面の用紙Pとの接触部分に存在する摩擦力の作用によって、最上位の用紙Pを破線で示すように初期位置T0から搬送方向へ移動させる力、すなわち搬送力Fを発生させる。すると、この搬送力Fに抗する反力Frが、給紙ローラー34に対して搬送方向とは反対方向へ作用することになる。この反力Frによって、揺動部材33には、揺動軸33aを中心に給紙ローラー34を用紙Pに押し付ける方向への回転モーメントMが作用し、作用した回転モーメントMによって、給紙ローラー34に対して押力Fpが発生する。
この発生した押力Fpの作用によって、用紙Pと接触する給紙ローラー34のローラー面が押しつぶされるため、給紙ローラー34と用紙Pとの搬送方向(±Y方向)に沿う接触部分の長さWが大きくなる。すなわち、給紙ローラー34と用紙Pとの接触面積は、初期圧力による接触面積よりも大きくなる。したがって、給紙ローラー34は、この大きくなった用紙Pとの接触面積によって、用紙Pとの間でのスリップを抑制しつつ、接触状態を維持しながら接触部分を介してその搬送力Fを用紙Pに対して作用させる。
また、図6(b)に示すように、この給紙ローラー34による用紙Pの搬送力Fは、給紙ローラー34の回転速度Vが速くなるほど大きくなる。すなわち、本実施形態では、第1回転速度V1のときに発生する第1搬送力F1は、第1回転速度V1よりも低速の第2回転速度V2のときに発生する第2搬送力F2よりも大きくなる。これは、第1回転速度V1の場合は、第2回転速度V2の場合よりも、用紙Pの移動開始時における給紙ローラー34の加速度が大きいことや、給紙ローラー34のローラー外周の速度が速いことなどの違いによる。そして、搬送力Fが大きな第1搬送力F1は、用紙Pを押し付ける押力Fpも大きくなるので、用紙Pとの間でのスリップを抑制しつつ接触状態を維持しながら、接触部分を介してその大きな第1搬送力F1を用紙Pに対して作用させる。
したがって、例えば、給紙ローラー34の第2回転速度V2での回転による第2搬送力F2では、最上位の用紙Pと、その一つ下位となる次位の用紙Pとの間に生じる吸着力や摩擦力などに起因して、最上位の用紙Pを後方へ送り出すことができない搬送ミスが発生する場合がある。このような場合、給紙ローラー34の第1回転速度V1での回転による大きな第1搬送力F1を最上位の用紙Pに作用させることによって、次位の用紙Pとの間に生じる吸着力や摩擦力などに抗して最上位の用紙Pを後方へ送り出す。
図4に戻り、次に、ステップS2にて、静音モードか否かを判定処理する。ここでは、制御部は操作パネル13の操作部によって入力された印刷動作に関するデータに基づいて判定する。判定の結果、静音モードでなければ(ステップS2:NO)、制御部は、給紙ローラー34を第1回転速度V1で継続回転させ、ステップS8の処理に進む。
判定の結果、静音モードであれば(ステップS2:YES)、ステップS3に進んで、用紙Pは第1移動量を移動したか否かを判定する。本実施形態では、用紙Pの第1移動量L1は給紙ローラー34の外周長さにその回転数を乗算した値から求められる。あるいは、分離部32との当接手前にセンサーを備え、第1移動量L1を移動した用紙Pの先端部をセンサーによって検出することにより判定してもよい。
判定の結果、用紙Pが第1移動量L1を移動した場合(ステップS3:YES)、続くステップS4にて、給紙ローラーを第2回転速度で回転させる処理を行う。すなわち、制御部は、図5(b)に示すように、用紙Pが給紙カセット30から第1移動量L1だけ移動した時点で給紙ローラー34の回転速度Vを第1回転速度V1から減速する。この第2回転速度V2への減速により、用紙Pは分離部32(傾斜面32a)に向う移動速度が遅くなる。
そして、制御部は、用紙Pの先端部が分離部32の傾斜面32aに当接する当接位置T1に到達した時に、もしくは到達する前に、給紙ローラー34の回転速度Vを低速搬送モード(静音モード)時の第2回転速度V2にする。したがって、用紙Pの第1移動量L1は、その後、給紙ローラー34が第2回転速度V2まで減速する間に、用紙Pの先端部が、当接位置T1まで、もしくは当接位置T1の手前まで移動する初期位置T0からの移動量(距離)である。
なお、給紙ローラー34の回転速度Vを第1回転速度V1よりも低速の第2回転速度V2とすることによって、搬送力Fが第1搬送力F1よりも小さい第2搬送力F2となる場合がある。このような場合、最上位の用紙Pはすでに移動を開始している状態であるため、次位の用紙Pとの間の吸着力や摩擦力は減少している状態となっていることから、給紙ローラー34は、回転速度Vが第2回転速度V2とされても、用紙Pを安定して搬送することができる。
図4に戻り、続くステップS5にて、高速搬送モードか否かを判定処理する。ここでは、制御部は静音モードと同様に、操作パネル13の操作部によって入力された印刷動作に関するデータに基づいて判定する。判定の結果、高速搬送モードでなければ(ステップS5:NO)、給紙ローラー34は、図5(b)において破線で示すように第2回転速度V2での回転を維持したまま、ステップS8に進む。
判定の結果、高速搬送モードであれば(ステップS5:YES)、ステップS6に進んで、用紙Pは第2移動量L2を移動したか否かを判定する。本実施形態では、第2移動量L2は給紙ローラー34の外周長さにその回転数を乗算した値から求められる。または、傾斜面32aに沿って移動する用紙Pの先端部を検出可能なセンサーを備え、第2移動量L2を移動した用紙Pの先端部をそのセンサーによって検出することにより判定してもよい。本実施形態では、第2移動量L2は、給紙カセット30から重なって複数枚送り出された用紙Pが、傾斜面32aにおいて一枚ずつに分離された状態になるまでの初期位置T0からの移動量(距離)である。
判定の結果、用紙Pが第2移動量L2を移動した場合(ステップS6:YES)、続くステップS7にて、給紙ローラーを第3回転速度で回転させる処理を行う。すなわち、制御部は、図5(b)に示すように、用紙Pが給紙カセット30から第2移動量L2移動した時点で給紙ローラー34の回転速度Vを、第2回転速度V2よりも高速の第3回転速度V3に切り替える。本実施形態では、第3回転速度V3は、高速搬送モード時の第1回転速度V1と同じ速度である。この第3回転速度V3すなわち第1回転速度V1への切り替えによって、用紙Pの先端部が傾斜面32aの上端位置T2を通過して第1搬送路35に進入するまでには、給紙ローラー34は第1回転速度V1に到達する。
次に、ステップS8にて、用紙は第3移動量を移動したか否かを判定処理する。本実施形態では、第3移動量L3は、給紙ローラー34の減速が開始され、その後、減速の間に用紙Pの先端部が印刷開始位置T3まで移動した時点で第4回転速度V4となる初期位置T0からの距離である。この第3移動量L3は給紙ローラー34の外周長さにその回転数を乗算した値から求められる。あるいは、印刷部20や紙送りローラー65の前後などにセンサーを備え、第3移動量L3を移動した用紙Pの先端部をそのセンサーによって検出することにより判定してもよい。
判定の結果、用紙Pが第3移動量L3を移動した場合(ステップS8:YES)、続くステップS9にて、給紙ローラーを第4回転速度で回転させる処理を行う。すなわち、制御部は、図5(b)に示すように、用紙Pが給紙カセット30から第3移動量L3移動した時点で給紙ローラー34の回転速度Vを、それまでの第1回転速度V1あるいは第2回転速度V2から、低速の第4回転速度V4に切り替える。
このとき、給紙ローラー34は、第1回転速度V1からの減速あるいは第2回転速度V2からの減速が開始され、第4回転速度V4となった時点で、用紙Pの先端部が印刷開始位置T3まで移動する。したがって、用紙Pの第3移動量L3は、給紙ローラー34が第4回転速度V4まで減速する間に用紙Pの先端部が印刷開始位置T3まで移動する初期位置T0からの移動量(距離)である。
次に、ステップS10にて、用紙は第4移動量を移動したか否かを判定処理する。本実施形態では、第4移動量L4は給紙ローラー34の外周長さに回転数を乗算した値から求められる。あるいは、用紙Pの搬送方向の後端部を検出可能なセンサーを備え、第4移動量L4を移動した用紙Pの後端部をそのセンサーによって検出することにより判定してもよい。本実施形態では、第4移動量L4は、給紙カセット30からの送り出しが終了する搬送終了位置T4の直前の位置までの用紙Pの移動量である。
判定の結果、用紙Pが第4移動量L4を移動した場合(ステップS10:YES)、続くステップS11にて、給紙ローラー34を回転停止させる処理を行い、ここでの処理が終了する。すなわち、制御部は、図5(b)に示すように、最上位の用紙Pが給紙カセット30から第4移動量L4を移動した時点で給紙ローラー34の第4回転速度V4を減速させて停止させる。この給紙ローラー34の回転停止までに用紙Pの後端部が搬送方向に移動して、給紙ローラー34との接触状態が解除された搬送終了位置T4に到達する。したがって、最上位の用紙Pの第4移動量L4は、給紙ローラー34が回転停止するまで減速する間に最上位の用紙Pの後端部が搬送終了位置T4まで移動する初期位置T0からの用紙Pの先端部の移動量(距離)である。
なお、本実施形態の給紙ローラー34は、回転することにより用紙Pに印刷を行う印刷部20まで用紙Pを搬送可能である。そして、制御部は、用紙Pへの印刷が印刷部20によって行われない場合、図5(b)において2点鎖線で示すように、高速搬送モードにおける第1回転速度V1で給紙ローラー34が回転して、その用紙Pを印刷部20から排出するように制御する。
また、本実施形態の用紙搬送装置40では、給紙カセット30から用紙Pを搬送路へ送り出す際に、制御部は、高速搬送モードの第1回転速度V1と低速搬送モードの第2回転速度V2とを用いて給紙ローラー34の回転制御を行う。したがって、給紙ローラー34の回転制御処理において、制御部は給紙ローラーの回転速度Vの数を増やすことなく駆動源を駆動することができるので、処理負荷が軽減する。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)給紙ローラー34は、回転を開始して用紙Pを搬送する際に、第2回転速度V2よりも速い第1回転速度V1で回転することによって、用紙Pを搬送させる搬送力Fを大きくすることが可能である。したがって、給紙ローラー34が用紙Pを搬送できない搬送ミスの発生を抑制することができる。
(1)給紙ローラー34は、回転を開始して用紙Pを搬送する際に、第2回転速度V2よりも速い第1回転速度V1で回転することによって、用紙Pを搬送させる搬送力Fを大きくすることが可能である。したがって、給紙ローラー34が用紙Pを搬送できない搬送ミスの発生を抑制することができる。
(2)搬送方向(−Y方向)とは反対側に位置する揺動軸33aを中心に揺動可能に設けられた給紙ローラー34は、回転を開始して用紙Pを搬送する際に、速い第1回転速度V1で回転することによって、用紙Pを搬送させる搬送力が大きくなる。したがって、給紙ローラー34が用紙Pを搬送できない搬送ミスの発生を抑制することができる。
(3)分離部32に当接する際の用紙Pの搬送速度を遅くすることができるので、分離部32に当接する際の異音の発生を抑制することができる。また、当接による用紙Pの変形を抑制することができる。
(4)分離部32との当接時に減速した用紙Pの搬送速度を再び増速することができるので、例えば、用紙Pを印刷部20へ速く搬送することができる。この結果、印刷時のスループットが向上する。
(5)印刷部20へ速く搬送された用紙を印刷に適した速度(低速)で搬送する。したがって、用紙Pに適切に印刷を行うことができる。また、印刷時の搬送に伴う音の発生を抑制することができる。
(6)プリンター11において用紙Pに印刷を行わない場合は、速やかにその用紙Pを印刷部20から排出するので、次の印刷準備を素早く行うことできる。
(7)静音モードでは給紙ローラー34の回転速度Vを遅く変化させて騒音を抑制し、静音モード以外では、給紙ローラー34を高速のまま継続回転させるので、用紙Pは用紙搬送装置40によって例えば印刷部20へ速く搬送される。したがって、印刷時のスループットが向上する。
(7)静音モードでは給紙ローラー34の回転速度Vを遅く変化させて騒音を抑制し、静音モード以外では、給紙ローラー34を高速のまま継続回転させるので、用紙Pは用紙搬送装置40によって例えば印刷部20へ速く搬送される。したがって、印刷時のスループットが向上する。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態における給紙ローラー34の回転制御処理(図4参照)において、ステップS1での給紙ローラー34の回転速度Vは、必ずしも高速搬送モードでの第1回転速度V1でなくてもよい。あるいは、ステップS4での給紙ローラー34の回転速度Vは、必ずしも低速搬送モードでの第2回転速度V2でなくてもよい。この変形例について、図を参照して説明する。
・上記実施形態における給紙ローラー34の回転制御処理(図4参照)において、ステップS1での給紙ローラー34の回転速度Vは、必ずしも高速搬送モードでの第1回転速度V1でなくてもよい。あるいは、ステップS4での給紙ローラー34の回転速度Vは、必ずしも低速搬送モードでの第2回転速度V2でなくてもよい。この変形例について、図を参照して説明する。
図7(a)に示すように、ステップS1での処理における給紙ローラー34の回転速度Vは、高速搬送モードの第1回転速度V1よりも、速い第1回転速度V1aであってもよいし、遅い第1回転速度V1bであってもよい。すなわち、搬送される用紙Pの表面状態(例えば摩擦係数)に応じて、最適な搬送力Fが得られる回転速度Vとすることが好ましい。もとより、第1回転速度V1よりも低速の第1回転速度V1bは、第2回転速度V2よりも高速である。
あるいは、図7(b)に示すように、ステップS4での処理において、給紙ローラー34の回転速度Vは、低速搬送モードの第2回転速度V2よりも、速い第2回転速度V2aであってもよいし、遅い第2回転速度V2bであってもよい。例えば、給紙ローラー34の回転速度Vは、用紙Pが分離部32の傾斜面32aに当接する際の傾斜面32aへの進入角が大きい場合は当接時の衝撃を抑制するために遅くすることが好ましい。すなわち、用紙Pと傾斜面32aとの当接状態に応じて、発生する衝撃を抑制しつつ分離部32での分離が可能な用紙Pの最適な搬送速度が得られる回転速度Vとすることが好ましい。もとより、低速搬送モードの第2回転速度V2よりも高速の第2回転速度V2aは、高速搬送モードの第1回転速度V1よりも低速である。また、第2回転速度V2よりも低速の第2回転速度V2bは、第4回転速度V4よりも高速である。
・上記実施形態において、用紙搬送装置40は、必ずしも静音モードを備えなくてもよい。この場合、制御部は、給紙ローラー34の回転速度が変化することなく第1回転速度V1で給紙ローラー34が回転するように制御することが好ましい。
・上記実施形態において、給紙ローラー34は、必ずしも用紙Pに印刷を行う印刷部20まで用紙Pを搬送可能でなくてもよい。この場合、給紙ローラー34は、少なくとも用紙Pが分離部32を通過して第1搬送路35に進入するまで、用紙Pを搬送可能であることが好ましい。
・上記実施形態において、制御部は、用紙Pの先端部が印刷開始位置T3まで移動したのち、給紙ローラー34の回転速度Vを、必ずしも第2回転速度V2よりも低速の第4回転速度V4にしなくてもよい。例えば、第4回転速度V4は、第2回転速度V2と同じ速度であってもよい。こうすれば、回転速度Vの種類を一つ削減できるので、制御部による回転制御処理の負荷が軽減する。
・上記実施形態において、制御部は、用紙Pが分離部32と当接した後に、第3回転速度V3として必ずしも第2回転速度V2よりも高速の第1回転速度V1で給紙ローラー34が回転するように制御しなくてもよい。第3回転速度V3は、少なくとも、低速搬送モードでの第2回転速度V2よりも高速の回転速度であればよい。
・上記実施形態において、必ずしも分離部32を備えなくてもよい。例えば、一枚ずつ搬送される用紙Pが搬送路に送られる際に搬送路の構成部材(例えば第1ローラー61と第2ローラー62)に当接する際の発生音を抑制することができる。
・上記実施形態において、給紙ローラー34は、必ずしも、用紙Pとの接触部分よりも当該用紙Pの搬送方向側とは反対側であって用紙Pから離れた位置を支点として揺動可能に設けられなくてもよい。要は、給紙ローラー34の回転が速くなるのに伴って、給紙ローラー34の用紙Pに対する押し力が増加する構成であれば、用紙Pとの接触部分よりも当該用紙Pの搬送方向側に揺動の支点が位置してもよいし、給紙ローラー34が揺動可能に設けられなくてもよい。
・上記実施形態において、プリンター11は用紙Pの表裏両面に記録を施す反転搬送路を有さなくてもよい。この場合、第4ローラー64および第4搬送路38は備えなくてもよい。
・上記実施形態において、手差給紙部14は必ずしも備えなくてもよい。この場合、用紙Pが差し込まれる差込口36a、およびこの差込口36aを開閉する開閉蓋14aは、本体ケース12に備えられなくてもよい。
・上記実施形態において、液体噴射ヘッド25は、用紙Pの移動方向(副走査方向)と交差する方向にキャリッジ24と共に往復移動してインクを噴射する所謂シリアルヘッドタイプのものに限らない。すなわち、長さサイズが用紙Pの幅サイズに対応した全体形状をなし、その長手方向が副走査方向と交差する幅方向(主走査方向)に沿うように固定配置された状態で、その長手方向の略全体に亘るように設けられた多数のノズルから用紙Pに向けてインクを噴射する所謂ラインヘッドタイプのものであってもよい。
・液体噴射ヘッド25から噴射する液体であるインクの供給元は、キャリッジ24に装着される所謂オンキャリタイプのインクカートリッジ以外であってもよい。例えば、プリンター11の本体ケース12の内部であってキャリッジ24以外の箇所に設けられる所謂オフキャリタイプのインク収容体であってもよい。あるいは、本体ケース12の外部に設けられる所謂外付けタイプのインク収容体であってもよい。このようにすれば、キャリッジ24に装着するタイプであるためにインクの容量に制約があるインクカートリッジの場合に比べて、キャリッジ24の外部に設けられるインク収容体を用いた場合はインクの容量を大きくできるので、より多くのインクの噴射を行うことが可能である。
なお、本体ケース12の外部に設けられたインク収容体から本体ケース12の内部の液体噴射ヘッド25にインクを供給する場合には、インクを供給するためのインク供給チューブを本体ケース12の外部から内部へ引き回す必要がある。よって、この場合には、本体ケース12にインク供給チューブを挿通可能な孔や切り欠きを設けることが好ましい。あるいは本体ケース12に開閉可能に設けられたスキャナユニットやカバーなどの開閉体が本体ケース12に対して完全に閉じないようにするボスなどの規制部材を本体ケース12に設け、この規制部材で形成される隙間を通してインク供給チューブを本体ケース12の外部から内部へ引き回しても良い。このようにすれば、インク供給チューブのインク流路を用いた液体噴射ヘッド25に対するインクの供給を容易に行うことができる。
・上記実施形態において、プリンター11は画像読取部15を備えない装置であってもよいし、印刷部20とともにFAX装置やコピー装置などの機能を備えた複合機であってもよい。
・上記実施形態において、印刷装置としてのプリンター11は、インク以外の他の流体(液体や、機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体、ゲルのような流状体、流体として流して噴射できる固体を含む)を噴射したり吐出したりして印刷を行う流体噴射装置であってもよい。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材(画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射して印刷を行う液状体噴射装置であってもよい。また、ゲル(例えば物理ゲル)などの流状体を噴射する流状体噴射装置、トナーなどの粉体(粉粒体)を例とする固体を噴射する粉粒体噴射装置(例えばトナージェット式印刷装置)であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の流体噴射装置に本発明を適用することができる。なお、本明細書において「流体」とは、気体のみからなる流体を含まない概念であり、流体には、例えば液体(無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)等を含む)、液状体、流状体、粉粒体(粒体、粉体を含む)などが含まれる。
11…プリンター(印刷装置の一例)、12…本体ケース、20…印刷部、30…給紙カセット、32…分離部、34…給紙ローラー、40…用紙搬送装置、P…用紙、V…回転速度、V1,V1a,V1b…第1回転速度、V2,V2a,V2b…第2回転速度、V3…第3回転速度、V4…第4回転速度。
Claims (7)
- 駆動源と、
用紙と接触しつつ前記駆動源による回転に伴って用紙を搬送可能な給紙ローラーと、
前記駆動源を駆動して前記給紙ローラーの回転を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記用紙と回転停止状態で接触した前記給紙ローラーが、第1回転速度で回転したのち、前記第1回転速度よりも低速の第2回転速度で回転するように制御する用紙搬送装置。 - 前記給紙ローラーは、前記用紙との接触部分よりも当該用紙の搬送方向側とは反対側であって前記用紙から離れた位置を支点として揺動可能に設けられる請求項1に記載の用紙搬送装置。
- 前記給紙ローラーによって互いに重なって搬送された複数枚の前記用紙と当接して、当該複数枚の用紙を一枚ずつ搬送可能に分離する分離部を備え、
前記制御部は、前記用紙が前記分離部と当接する前に、前記給紙ローラーが前記第2回転速度で回転するように制御する請求項1または2に記載の用紙搬送装置。 - 前記制御部は、前記用紙が前記分離部と当接した後に、前記第2回転速度よりも高速の第3回転速度で前記給紙ローラーが回転するように制御する請求項3に記載の用紙搬送装置。
- 前記給紙ローラーは、回転することにより前記用紙に印刷を行う印刷部まで前記用紙を搬送可能であり、
前記制御部は、前記印刷部によって前記用紙に印刷が行われる場合、前記第2回転速度と等速または前記第2回転速度よりも低速の第4回転速度で前記給紙ローラーが回転するように制御する請求項1から4の何れか一項に記載の用紙搬送装置。 - 前記給紙ローラーは、回転することにより前記用紙に印刷を行う印刷部まで前記用紙を搬送可能であり、
前記制御部は、前記用紙への印刷が前記印刷部によって行われない場合、前記第1回転速度で前記給紙ローラーが回転して前記用紙を前記印刷部から排出するように制御する請求項1から4の何れか一項に記載の用紙搬送装置。 - 前記用紙を搬送する際に騒音を抑制する静音モードを備え、
前記制御部は、
前記静音モードにおいて、前記用紙と回転停止状態で接触した前記給紙ローラーが、第1回転速度で回転したのち前記第1回転速度よりも低速の第2回転速度で回転するように制御する一方、
前記静音モード以外のモードにおいて、前記用紙と回転停止状態で接触した前記給紙ローラーが前記第1回転速度で継続回転するように制御する請求項1から6の何れか一項に記載の用紙搬送装置。
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---|---|---|---|
JP2013259234A JP2015113234A (ja) | 2013-12-16 | 2013-12-16 | 用紙搬送装置 |
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