JP2015112858A - 液体吐出装置、印刷システム、液体吐出方法、および印刷物 - Google Patents
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Abstract
【課題】混色不良を抑制する液体吐出装置、印刷システム、液体吐出方法、および印刷物を提供する。【解決手段】複数の色の液体を吐出可能な液体吐出装置は、第1の色の液体で形成される第1領域と、第2の色の液体で形成される第2領域と、第3の色の液体で形成される第3領域と、第4の色の液体で形成される第4領域とを含み、前記第1領域〜前記第4領域の各領域が、該各領域以外の3つの領域と接するパターンを前記媒体に形成させる制御部、を備える。【選択図】図6
Description
本発明は、液体吐出装置、印刷システム、液体吐出方法、および印刷物に関する。
従来より、インクジェット方式の液体吐出装置において、複数の色の液体(インク)を用いることが知られている。色の種類としては、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)などが挙げられる。複数の色の液体により画像を形成する場合、色間の境界で混色(ブリーディング)が起こることがある。これは一方の色の液体が、他方の色の液体で形成するべき領域に滲み出すことから、ブリード、滲み、色間滲みなどとも言われる。そして、液体吐出装置において、パターンを媒体に形成し、このような混色の状態を確認することがある。例えば、特許文献1には、色間滲みの評価を、異なる色が隣接するパターンを印字し、境界部分の滲み度合いを予め定めておいた限度見本に照合し、官能評価を行なうことが記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載された、インク1〜4が印字されたパターンにおいては、インク2で形成された領域と、インク4で形成された領域とが隣接していない。このように、四色以上の色の液体を用いた画像形成を行う場合のパターンを考えると、単純に各色を並べたパターンでは、各色が該各色以外の全ての色との隣り合うパターンとはならない。このため、隣り合う色の組み合わせを変えた多数の確認用パターンを形成して混色状態を確認する必要が生じるなど、混色状態の確認が非効率的になってしまうという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1] 本適用例にかかる液体吐出装置は、複数の色の液体を吐出可能な液体吐出装置であって、第1の色の液体で形成される第1領域と、第2の色の液体で形成される第2領域と、第3の色の液体で形成される第3領域と、第4の色の液体で形成される第4領域とを含み、前記第1領域〜前記第4領域の各領域が、該各領域以外の3つの領域と接するパターンを前記媒体に形成させる制御部、を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、異なる四つ以上の色を用いる場合に、少なくとも四色の液体について、各色同士の混色の状態を一つのパターンで確認することができる。したがって、パターンによる混色の状態の確認を効率的に実施することができる。
[適用例2] 上記適用例にかかる液体吐出装置において、前記制御部は、前記第1の色〜前記第4の色の中で前記第1の色が最も明度の高い色であるとき、前記第1領域〜前記第4領域のうち前記第1領域以外の3つの領域の各々は、各領域が有する他の3つの領域との接線のうち前記第1領域との接線が最も長いパターンを、前記パターンとして前記媒体に形成させる制御を行うことを特徴とする。
本適用例によれば、明度の高い色の液体により形成された第1領域は、他の色の液体との明度差が比較的大きく、混色状態を視認しやすいので、最も明度の高い第1領域と他の三領域との接線を長くすることにより、パターンにおける混色の状態を正確に把握することができる。
[適用例3] 上記適用例にかかる液体吐出装置において、前記制御部は、前記第1の色〜前記第4の色の中で前記第4の色が最も明度の低い色であるとき、前記第1領域〜前記第4領域のうち前記第4領域以外の3つの領域の各々は、各領域が有する他の3つの領域との接線のうち前記第4領域との接線が最も長いパターンを、前記パターンとして前記媒体に形成させる制御を行うことを特徴とする。
本適用例によれば、明度の低い色の液体は、他の色の液体との明度差が比較的大きく、混色状態を視認しやすいので、最も明度の低い第4領域と他の三領域との接線を長くすることにより、パターンにおける混色の状態を正確に把握することができる。
[適用例4] 上記適用例にかかる液体吐出装置において、前記制御部は、前記第1の色〜前記第4の色の中で、前記第1の色が最も明度の高い色であり、前記第4の色が最も明度の低い色であるとき、前記第1領域〜前記第4領域の各領域が有する該各領域以外の3つの領域との接線のうち、前記第1領域と前記第4領域との接線が最も長いパターンを、前記パターンとして前記媒体に形成させる制御を行うことを特徴とする。
本適用例によれば、パターンにおいて、最も明度の高い第1の色の第1領域と、最も明度の低い第4領域との接線が長くなっているので、第1の色の液体と第4の色の液体との混色状態が鮮明に視認されることにより、混色の状態をより正確に把握することができる。
[適用例5] 上記適用例にかかる液体吐出装置において、前記制御部は、前記吐出部に対して前記媒体を搬送する搬送方向と交差する方向に沿って複数の前記パターンを形成させることを特徴とする。
本適用例によれば、搬送方向と交差する方向である媒体の幅方向に沿って複数のパターンが並んで形成されるので、媒体の幅方向の各部における液体の吐出状態や硬化状態を把握することができる。
[適用例6] 本適用例にかかる印刷システムは、前記液体吐出装置によって前記パターンが形成された前記媒体における前記第1の色の液体〜第4の色の液体を含む異なる色の液体同士の混色の状態を読み取り、前記液体吐出装置に送る撮像装置と、を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、液体吐出装置によってパターンが形成された媒体における、第1の色の液体〜第4の色の液体を含む異なる色の液体同士の混色の状態を読み取り、液体吐出装置にフィードバックすることが可能な印刷システムを提供することができる。
[適用例7] 本適用例にかかる液体吐出方法は、複数の色の液体を吐出可能な液体吐出装置において実行される液体吐出方法であって、第1の色の液体で形成される第1領域と、第2の色の液体で形成される第2領域と、第3の色の液体で形成される第3領域と、第4の色の液体で形成される第4領域とを含み、前記第1領域〜前記第4領域の各領域が、該各領域以外の3つの領域と接するパターンを前記媒体に形成することを特徴とする。
本適用例によれば、異なる四つ以上の色を用いて画像形成を行う場合に、少なくとも四色の液体について、各色同士の混色の状態を一つのパターンで確認することができる。したがって、パターンによる混色の状態の確認を効率的に実施することができる。
[適用例8] 本適用例にかかる印刷物は、第1の色の液体で形成される第1領域と、第2の色の液体で形成される第2領域と、第3の色の液体で形成される第3領域と、第4の液体で形成される第4領域とを含み、前記第1領域〜前記第4領域の各領域が、該各領域以外の3つ領域と接するパターンが形成されたことを特徴とする。
本適用例によれば、異なる四つ以上の色を用いる場合に、少なくとも四色の液体について、各色同士の混色の状態を一つのパターンで確認することができる。
したがって、パターンによる混色の状態の確認を効率的に実施することができる。
したがって、パターンによる混色の状態の確認を効率的に実施することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
(実施形態)
≪印刷システムの基本的な構成≫
発明を実施するための印刷システムの形態として、液体吐出装置としてのインクジェットプリンター(プリンター)を備えた印刷システムを例に挙げて説明する。プリンター1は、紙、布、透明なフィルムシート等の媒体に液体(例えばインク)を吐出することにより、媒体に画像を形成(印刷)することが可能な画像形成装置である。本実施形態で印刷に用いられる液体は、紫外線(以下、UVとも言う)等の光(電磁波)の照射を受けることによって硬化する紫外線硬化型インク(以下、UVインクとも言う)である。UVインクの詳細については後で説明する。
≪印刷システムの基本的な構成≫
発明を実施するための印刷システムの形態として、液体吐出装置としてのインクジェットプリンター(プリンター)を備えた印刷システムを例に挙げて説明する。プリンター1は、紙、布、透明なフィルムシート等の媒体に液体(例えばインク)を吐出することにより、媒体に画像を形成(印刷)することが可能な画像形成装置である。本実施形態で印刷に用いられる液体は、紫外線(以下、UVとも言う)等の光(電磁波)の照射を受けることによって硬化する紫外線硬化型インク(以下、UVインクとも言う)である。UVインクの詳細については後で説明する。
図1乃至図2を参照しながら、本実施形態の印刷システム100、および、印刷システム100に備わるプリンター1の構成について説明する。図1は、液体吐出装置としてのプリンター1を備えた印刷システム100の全体構成を示すブロック図である。また、図2は、プリンター1の構成を模式的に示す概略側面図である。
図1に示されるように、印刷システム100は、プリンター1と、コンピューター110と、撮像装置としてのスキャナー80とを備えている。
プリンター1は外部制御装置であるコンピューター110と通信可能に接続されている。コンピューター110にはプリンタードライバーがインストールされている。プリンタードライバーは、コンピューター110の表示装置にユーザーインターフェースを表示させ、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換させるためのプログラムである。このプリンタードライバーは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピューターが読み取り可能な記録媒体)に記録されている。また、プリンタードライバーはインターネットを介してコンピューター110にダウンロードすることも可能である。なお、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
プリンター1は外部制御装置であるコンピューター110と通信可能に接続されている。コンピューター110にはプリンタードライバーがインストールされている。プリンタードライバーは、コンピューター110の表示装置にユーザーインターフェースを表示させ、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換させるためのプログラムである。このプリンタードライバーは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピューターが読み取り可能な記録媒体)に記録されている。また、プリンタードライバーはインターネットを介してコンピューター110にダウンロードすることも可能である。なお、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
コンピューター110はプリンター1に画像を印刷させるため、印刷させる画像に応じて画像データから変換した印刷データをプリンター1へ送信する。印刷データは、プリンター1が解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドデータと、画素データとを有する。コマンドデータとは、プリンター1に特定の動作の実行を指示するためのデータである。このコマンドデータには、例えば、被印刷媒体の搬送量を示すデータ等がある。また、画素データは、印刷される画像の画素に関するデータである。
ここで、画素とは画像を構成する単位要素であり、この画素が2次元的に並ぶことにより画像が構成される。印刷データにおける画素データは、媒体(例えばフィルムSなど)上に形成されるドットに関するデータ(例えば、階調値)である。画素データは画素毎に2ビットのデータによって構成される。この2ビットの画素データは1つの画素を4階調で表現できる。
プリンター1は、搬送部としての搬送ユニット10と、吐出部としてのヘッドユニット20と、照射部としての照射ユニット30と、表面処理ユニット40と、検出器群50と、制御部としてのコントローラー60と、を有する。
コントローラー60は、外部装置であるコンピューター110から受信した印刷データに基づいて搬送ユニット10やヘッドユニット20等の各ユニットを制御し、媒体上に画像を印刷する。プリンター1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は検出結果をコントローラー60に出力する。コントローラー60は検出器群50から出力された検出結果に基づいて各ユニットを制御する。
コントローラー60は、外部装置であるコンピューター110から受信した印刷データに基づいて搬送ユニット10やヘッドユニット20等の各ユニットを制御し、媒体上に画像を印刷する。プリンター1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は検出結果をコントローラー60に出力する。コントローラー60は検出器群50から出力された検出結果に基づいて各ユニットを制御する。
また、コントローラー60には、外部検出装置であるスキャナー80が接続されている。スキャナー80は、プリンター1により形成された画像を読み取り、その画像形成状態データをコントローラー60に送る。詳細は後述するが、スキャナー80は、プリンター1により複数の異なる色のインクを用いて画像を形成する際に、照射ユニット30の照度劣化により発生し得る異なる色のインク同士の混色の状態を画像データとして読み取り、混色状態データとしてコントローラー60に送る。コントローラー60は、スキャナー80から送られた混色状態データに基づいて照射ユニット30の出力を調整する制御を行う。ここで、照射ユニット30の出力を調整するとは、照射ユニット30の出力を変更可能とすることである。すなわち、照射ユニット30の出力に過不足があれば出力を変更し、過不足がなければ出力を変更しない。
<搬送ユニット10>
図2に示すように、搬送ユニット10は、媒体(例えばフィルムS)を上流側から下流側への方向(以下、搬送方向とも言う)に搬送させる媒体搬送部である。この搬送ユニット10は、上流側搬送ローラー12A及び下流側搬送ローラー12Bと、ロール状に巻かれた長尺のフィルムSを周面にて搬送する搬送ドラム13とを有する。
図2に示すように、搬送ユニット10は、媒体(例えばフィルムS)を上流側から下流側への方向(以下、搬送方向とも言う)に搬送させる媒体搬送部である。この搬送ユニット10は、上流側搬送ローラー12A及び下流側搬送ローラー12Bと、ロール状に巻かれた長尺のフィルムSを周面にて搬送する搬送ドラム13とを有する。
不図示の搬送モーターが回転すると、上流側搬送ローラー12A及び下流側搬送ローラー12Bが回転し、搬送ドラム13が回転する。搬送ドラム13の周面に沿わされて上流側搬送ローラー12A及び下流側搬送ローラー12Bにて押圧支持されたフィルムSは、搬送ドラム13の回転に伴って図2の時計回り方向に搬送される。すなわち、本実施形態において、媒体の搬送方向は搬送ドラム13の回転方向(ドラムの周面の方向)である。なお、搬送ユニット10による媒体搬送速度(搬送ドラム13の回転速度)は、コントローラー60によって所定の速度(ほぼ一定の速度)になるように制御される。
搬送ドラム13の外側には、上流側搬送ローラー12A及び下流側搬送ローラー12Bの間に、搬送ドラムの周面と対向してヘッドユニット20、照射ユニット30、及び、表面処理ユニット40が設けられる。搬送ドラム13の回転により搬送されたフィルムSは、印刷可能な領域(ヘッドユニット20と対向する領域)にて印刷されながら搬送方向の下流側へと搬送される。すなわち、搬送ドラム13がフィルムSを搬送することによって、フィルムSがヘッドユニット20に対して搬送方向に移動する。なお、搬送中のフィルムSは、搬送ドラム13に静電吸着又はバキューム吸着されている。
<ヘッドユニット20>
ヘッドユニット20は、フィルムSに液体(本実施形態ではUVインク)を吐出する液体吐出部であり、インクの色ごとに複数のヘッド(21〜25)を有する。ヘッドユニット20は、搬送中のフィルムSに対してUVインクを吐出することによって、フィルムSにUVインクのドットを形成し、フィルムS上に画像を印刷する。本実施形態のプリンター1はドラム搬送式のラインプリンターであり、ヘッドユニット20はフィルムSの幅分のドットを並べて一度に形成することが可能である。
ヘッドユニット20は、フィルムSに液体(本実施形態ではUVインク)を吐出する液体吐出部であり、インクの色ごとに複数のヘッド(21〜25)を有する。ヘッドユニット20は、搬送中のフィルムSに対してUVインクを吐出することによって、フィルムSにUVインクのドットを形成し、フィルムS上に画像を印刷する。本実施形態のプリンター1はドラム搬送式のラインプリンターであり、ヘッドユニット20はフィルムSの幅分のドットを並べて一度に形成することが可能である。
本実施形態では、図2に示すように、フィルムSの搬送方向に沿って上流側から下流側に向かい、シアン(C)のインクを吐出するシアンヘッド21、マゼンタ(M)のインクを吐出するマゼンタヘッド22、ブラック(K)のインクを吐出するブラックヘッド23、イエロー(Y)のインクを吐出するイエローヘッド24、の各色カラーインクヘッドが設けられる。これらのカラーインクヘッドからCMKYの各色カラーインクがそれぞれ吐出されることによって、画像(カラー画像)が形成される。このとき、プリンター1は、4色のインクにそれぞれ対応したヘッドユニット20(吐出部)を備えている。換言すれば、プリンター1は、光の照射を受けることにより硬化する第1の色の液体を吐出する第1吐出部、光の照射を受けることにより硬化する第2の色の液体を吐出する第2吐出部、光の照射を受けることにより硬化する第3の色の液体を吐出する第3吐出部、光の照射を受けることにより硬化する第4の色の液体を吐出する第4吐出部、を備えている。
なお、4色のインクの色は、必ずしもCMKYでなくてもよい。また、CMKY以外にホワイト(W)等の他色のUVインクを吐出するヘッドを設け、5色以上のUVインクを用いて画像を印刷してもよい。また、4色未満のUVインクを用いて画像を印刷してもよい。なお、CMKY以外のインクの色として、ライトシアン、ライトマゼンタ、ライトブラック(グレー)、オレンジ、グリーン、各種メタリックカラーなどが挙げられる。
また、本実施形態におけるインクの色(CMKYの4食)のうち、イエロー(Y)は最も明度の高い色であり、ブラック(K)は最も明度の低い色である。
なお、4色のインクの色は、必ずしもCMKYでなくてもよい。また、CMKY以外にホワイト(W)等の他色のUVインクを吐出するヘッドを設け、5色以上のUVインクを用いて画像を印刷してもよい。また、4色未満のUVインクを用いて画像を印刷してもよい。なお、CMKY以外のインクの色として、ライトシアン、ライトマゼンタ、ライトブラック(グレー)、オレンジ、グリーン、各種メタリックカラーなどが挙げられる。
また、本実施形態におけるインクの色(CMKYの4食)のうち、イエロー(Y)は最も明度の高い色であり、ブラック(K)は最も明度の低い色である。
ブラックヘッド23の搬送方向下流側には、無色透明なクリア(CL)のインクを吐出するクリアヘッド25が、搬送ドラム13の周面と対向するように設けられる。クリアインク(CL)は印刷された画像の光沢度の調整や、画像表面の保護、カラーインクの発色性の改善等に用いられるインクであり、一般には色材や顔料を含まないか含んでいても少量の透明なインクである。本実施形態では、カラーインクヘッド(21〜24)によって形成されたカラー画像の上に、クリアインクを塗布することによってクリア画像が形成される。
ヘッドユニット20の各吐出ヘッド(21〜25)では、それぞれフィルムSの幅方向に沿って、複数の短尺ヘッドが千鳥列状に並んでいる。図3は、吐出ヘッド(シアンヘッド)の下面(ノズル面)における複数の短尺ヘッドの配列および短尺ヘッドが有するノズルの配置を模式的に示す説明図である。
図3に示されるように、シアンヘッド21は3個の短尺ヘッド21A,21B、及び21Cから構成されている。
各短尺ヘッドには、フィルムSの幅方向に沿って複数のノズルNzが一定の間隔(ノズルピッチ)にて並べられている。図では、各短尺ヘッドにノズルNzが配列されている状態を2本の線にて示している。これら複数のノズルNzからそれぞれシアンインク(C)を吐出することにより、フィルムSの幅方向に並ぶ複数のシアンインクドットを形成することができる。なお、1ヘッド(ヘッドユニット)を構成する短尺ヘッドの数は任意であり、4個以上の短尺ヘッドによって構成されるのであってもよい。
図3に示されるように、シアンヘッド21は3個の短尺ヘッド21A,21B、及び21Cから構成されている。
各短尺ヘッドには、フィルムSの幅方向に沿って複数のノズルNzが一定の間隔(ノズルピッチ)にて並べられている。図では、各短尺ヘッドにノズルNzが配列されている状態を2本の線にて示している。これら複数のノズルNzからそれぞれシアンインク(C)を吐出することにより、フィルムSの幅方向に並ぶ複数のシアンインクドットを形成することができる。なお、1ヘッド(ヘッドユニット)を構成する短尺ヘッドの数は任意であり、4個以上の短尺ヘッドによって構成されるのであってもよい。
シアンヘッド21以外の他の吐出ヘッド(22〜25)も基本的に同様の構造である。
次に、各吐出ヘッド(上述の短尺ヘッド)の具体的な構造について、シアンヘッド21を例に挙げて説明する。図4は、吐出ヘッド(シアンヘッド)の短尺ヘッドの構造を模式的に示す部分断面図である。
図4において、シアンヘッド21は、ケース211と、流路ユニット212と、ピエゾ素子PZTとを有する。ケース211はピエゾ素子PZTを収納し、ケース211の下面に流路ユニット212が接合されている。流路ユニット212は、流路形成板212aと、弾性板212bと、ノズルプレート212cとを有する。流路形成板212aには、圧力室212dとなる溝部、ノズル連通口212eとなる貫通口、共通インク室212fとなる貫通口、インク供給路212gとなる溝部が形成されている。弾性板212bはピエゾ素子PZTの先端が接合されるアイランド部212hを有する。そして、アイランド部212hの周囲には弾性膜212iによる弾性領域が形成されている。インクカートリッジに貯留されたインクが、共通インク室212fを介して、各ノズルNzに対応した圧力室212dに供給される。ノズルプレート212cはノズルNzが形成されたプレートである。
図4において、シアンヘッド21は、ケース211と、流路ユニット212と、ピエゾ素子PZTとを有する。ケース211はピエゾ素子PZTを収納し、ケース211の下面に流路ユニット212が接合されている。流路ユニット212は、流路形成板212aと、弾性板212bと、ノズルプレート212cとを有する。流路形成板212aには、圧力室212dとなる溝部、ノズル連通口212eとなる貫通口、共通インク室212fとなる貫通口、インク供給路212gとなる溝部が形成されている。弾性板212bはピエゾ素子PZTの先端が接合されるアイランド部212hを有する。そして、アイランド部212hの周囲には弾性膜212iによる弾性領域が形成されている。インクカートリッジに貯留されたインクが、共通インク室212fを介して、各ノズルNzに対応した圧力室212dに供給される。ノズルプレート212cはノズルNzが形成されたプレートである。
ピエゾ素子PZTに駆動信号が印加されると、該駆動信号の電位に応じてピエゾ素子は上下方向に伸縮し、アイランド部212hは圧力室212d側に押されたり、反対方向に引かれたりする。このとき、アイランド部212h周辺の弾性膜212iが変形し、圧力室212d内の圧力が上昇・下降することにより、ノズルNzからインク滴(ドット)が噴出される。
シアン以外の他のヘッド(短尺ヘッド)も基本的に同様の構造である。
シアン以外の他のヘッド(短尺ヘッド)も基本的に同様の構造である。
<照射ユニット30>
図2に戻り、照射ユニット30は、フィルムSに着弾したインクに向けて光(UV)を照射する照射部である。フィルムS上に形成されたUVインクのドットは、照射ユニット30からUVの照射を受けることにより、硬化する。プリンター1では、照射ユニット30として、UVインクの仮硬化用のUV照射を行なう仮硬化用照射部31〜34と、本硬化用のUV照射を行なう本硬化用照射部35とを備えており、2段階の硬化を行なう。ここで、「仮硬化」とは、媒体に着弾したUVインクの流動(ドットの広がり)を抑えるため、あるいは、ドット間のインクの滲みを防止するためにドットの表面部分を硬化するものである。また、「本硬化」とは、UVインクを完全に硬化させるためのものである。通常、「本硬化」において照射されるUVのエネルギー(UV照射量)の方が、「仮硬化」において照射されるUVのエネルギー(照射量)よりも大きい。
図2に戻り、照射ユニット30は、フィルムSに着弾したインクに向けて光(UV)を照射する照射部である。フィルムS上に形成されたUVインクのドットは、照射ユニット30からUVの照射を受けることにより、硬化する。プリンター1では、照射ユニット30として、UVインクの仮硬化用のUV照射を行なう仮硬化用照射部31〜34と、本硬化用のUV照射を行なう本硬化用照射部35とを備えており、2段階の硬化を行なう。ここで、「仮硬化」とは、媒体に着弾したUVインクの流動(ドットの広がり)を抑えるため、あるいは、ドット間のインクの滲みを防止するためにドットの表面部分を硬化するものである。また、「本硬化」とは、UVインクを完全に硬化させるためのものである。通常、「本硬化」において照射されるUVのエネルギー(UV照射量)の方が、「仮硬化」において照射されるUVのエネルギー(照射量)よりも大きい。
仮硬化用照射部31〜34は、それぞれ各色カラーインクヘッド21〜24の搬送方向下流側に設けられ、上流側のカラーインクヘッドによって形成されたカラーインクドットに仮硬化用のUVを照射して、ドットを仮硬化する。仮硬化用照射部31〜34は、それぞれ印刷対象となるフィルムSの幅よりも長く形成されている。また、光源として発光ダイオード(LED:Light Emiting Diode)を用いている。LEDは入力電流の大きさを制御することによって、照射エネルギーを容易に変更することが可能である。仮硬化用のUVの照射強度は、例えば、10〜100mJ/cm2程度である。このとき、仮硬化用照射部31〜34は、異なる色を吐出する2つのカラーインクヘッドの間に配置されている。換言すれば、プリンター1は、第N(Nは1以上の整数)吐出部と第(N+1)吐出部との間に配置され、光を照射する照射部を備えている。
ここで、プリンター1の構成についてまとめると、プリンター1は、光の照射を受けることにより硬化する第1の色の液体を吐出する第1吐出部と、第1の色の液体が吐出された媒体に光を照射する第1照射部と、第1照射部によって光が照射された媒体に、光の照射を受けることにより硬化する第2の色の液体を吐出する第2吐出部と、を少なくとも備えている。さらに、第2の色の液体が吐出された媒体に光を照射する第2照射部と第2照射部によって光が照射された媒体に、光の照射を受けることにより硬化する第3の色の液体を吐出する第3吐出部と、第3の色の液体が吐出された媒体に光を照射する第3照射部と、第3照射部によって光が照射された媒体に、光の照射を受けることにより硬化する第4の色の液体を吐出する第4吐出部と、を備えている。
ここで、プリンター1の構成についてまとめると、プリンター1は、光の照射を受けることにより硬化する第1の色の液体を吐出する第1吐出部と、第1の色の液体が吐出された媒体に光を照射する第1照射部と、第1照射部によって光が照射された媒体に、光の照射を受けることにより硬化する第2の色の液体を吐出する第2吐出部と、を少なくとも備えている。さらに、第2の色の液体が吐出された媒体に光を照射する第2照射部と第2照射部によって光が照射された媒体に、光の照射を受けることにより硬化する第3の色の液体を吐出する第3吐出部と、第3の色の液体が吐出された媒体に光を照射する第3照射部と、第3照射部によって光が照射された媒体に、光の照射を受けることにより硬化する第4の色の液体を吐出する第4吐出部と、を備えている。
本硬化用照射部35は、クリアヘッド25の搬送方向下流側に設けられ、上流側の各色カラーインクヘッド21〜24によって形成されたカラー画像、及び、クリアヘッド25によって形成されたクリア画像に本硬化用のUVを照射する。これにより、媒体(フィルムS)上に印刷されたカラー画像及び当該カラー画像の上に形成されたクリア画像(UVインクのドット)が本硬化される。本硬化用照射部35は、印刷対象となるフィルムSの幅よりも長く形成されている。また、光源としてLEDもしくはランプ(メタルハライドランプ、水銀ランプなど)を用いている。本硬化用のUVの照射強度は、例えば、1000mJ/cm2程度である。
なお、クリアヘッド25と本硬化用照射部35との間に、クリアインクのドットを仮硬化するための仮硬化用照射部(不図示)が設けられていてもよい。
<表面処理ユニット40>
表面処理ユニット40は、仮硬化用照射部34とクリアヘッド25との間に設けられ、カラーインクヘッド(21〜24)によってフィルムS(媒体)上に形成されたカラー画像の表面処理を行なう処理部である。本実施形態における表面処理とはカラー画像の表面の濡れ性を向上させる処理である。
表面処理ユニット40は、仮硬化用照射部34とクリアヘッド25との間に設けられ、カラーインクヘッド(21〜24)によってフィルムS(媒体)上に形成されたカラー画像の表面処理を行なう処理部である。本実施形態における表面処理とはカラー画像の表面の濡れ性を向上させる処理である。
表面処理ユニット40は、コロナ処理部41を備える。コロナ処理部41は、搬送ドラム13によって搬送されるフィルムSと対向する位置に設置され、搬送されるフィルムSに向けてコロナ放電を行なうことができる。これにより、フィルムS上に形成されているカラー画像の表面にコロナ処理を行い、カラー画像の表面張力を上昇させて濡れ性を向上させる。本実施形態のコロナ処理部41は、ナイフエッジ状の電極(不図示)がフィルムSの幅方向に沿って複数並んだ構造をしており、フィルムSの幅方向に対して一度にコロナ放電を行なうことができる。なお、電極の形状はこれには限られず、ワイヤー状の電極や針状の電極を用いてもよい。
<検出器群50>
検出器群50は、プリンター1の状況を監視するためのものである。検出器群50には、ロータリー式エンコーダーや光学センサー等が含まれる(全て不図示)。ロータリー式エンコーダーは、上流側搬送ローラー12A、下流側搬送ローラー12Bもしくは搬送ドラム13の回転量を検出する。光学センサーは、状況に応じて、フィルムSの先端位置(搬送方向下流側の印刷端部の位置)や、後端位置(搬送方向上流側の印刷端部の位置)等を検出する。
検出器群50は、プリンター1の状況を監視するためのものである。検出器群50には、ロータリー式エンコーダーや光学センサー等が含まれる(全て不図示)。ロータリー式エンコーダーは、上流側搬送ローラー12A、下流側搬送ローラー12Bもしくは搬送ドラム13の回転量を検出する。光学センサーは、状況に応じて、フィルムSの先端位置(搬送方向下流側の印刷端部の位置)や、後端位置(搬送方向上流側の印刷端部の位置)等を検出する。
<コントローラー60>
コントローラー60は、プリンター1の制御を行うための制御部である。コントローラー60は、インターフェイス部61と、CPU62と、メモリー63と、ユニット制御回路64とを有する(図1参照)。
インターフェイス部61は、外部装置であるコンピューター110およびスキャナー80とプリンター1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンター1の全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子によって構成される。
そして、CPU62は、メモリー63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して搬送ユニット10や表面処理ユニット40等の各ユニットを制御するとともに、インターフェイス部61を介してスキャナー80から受信した混色状態データに基づいて照射ユニット30の出力を調整する制御を行う。
コントローラー60は、プリンター1の制御を行うための制御部である。コントローラー60は、インターフェイス部61と、CPU62と、メモリー63と、ユニット制御回路64とを有する(図1参照)。
インターフェイス部61は、外部装置であるコンピューター110およびスキャナー80とプリンター1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンター1の全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子によって構成される。
そして、CPU62は、メモリー63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して搬送ユニット10や表面処理ユニット40等の各ユニットを制御するとともに、インターフェイス部61を介してスキャナー80から受信した混色状態データに基づいて照射ユニット30の出力を調整する制御を行う。
≪照射部出力調整方法≫
次に、上記印刷システム100を用いた液体吐出方法において、各吐出ヘッド(21〜25)から吐出させた各色のUVインク同士の混色を防止するための、確認用パターン形成方法、および、照射ユニット30(照射部)の出力を調整する照射部出力調整方法について図面を参照して説明する。図5は、印刷システム100を用いた液体吐出方法における確認用パターンの形成方法を含む照射部出力調整方法を示すフローチャートである。また、図6は、照射部出力調整方法で用いる確認用パターンを示すものであり、図6(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のD部を拡大して示す説明図である。
次に、上記印刷システム100を用いた液体吐出方法において、各吐出ヘッド(21〜25)から吐出させた各色のUVインク同士の混色を防止するための、確認用パターン形成方法、および、照射ユニット30(照射部)の出力を調整する照射部出力調整方法について図面を参照して説明する。図5は、印刷システム100を用いた液体吐出方法における確認用パターンの形成方法を含む照射部出力調整方法を示すフローチャートである。また、図6は、照射部出力調整方法で用いる確認用パターンを示すものであり、図6(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のD部を拡大して示す説明図である。
照射部出力調整は、印刷システム100を用いた液体吐出方法において、照射ユニット30(31〜35)の経時的な照度劣化に対して、各吐出ヘッド(21〜25)から媒体に吐出された異なる色のUVインク同士の混色が起こらない程度に硬化(半硬化)させる照度に調整するために行う。したがって、照射部出力調整を実施するタイミングは、照射ユニット30の積算運転時間が所定の時間経過したときや、定期メンテナンスを実施するとき、あるいは、ユーザーが照射ユニット30の設定条件を変更した場合などの突発的な照射条件変更時などである。
本実施形態の液体吐出方法における照射部出力調整では、まず、図5のステップS1に示すように、プリンター1により媒体(例えばフィルムS)に確認用パターンを形成する。これは、異なる色のインク同士の混色の状態を確認するためのパターンであり、単にパターンとも呼称する。
パターンの一例を図6(a)に示す。図6(a)に示す確認用パターン90は、図2に示すプリンター1のヘッドユニット20が有する各吐出ヘッド(21〜25)のうちクリアヘッド25を除く四つのカラーインクヘッド(21〜24)から吐出されるカラードットにより形成される四つの色の領域を有している。即ち、確認用パターン90は、シアンヘッド21からのUVインクの吐出により形成されたシアンインク領域91C、マゼンタヘッド22からのUVインクの吐出により形成されたマゼンタインク領域91M、ブラックヘッド23からのUVインクの吐出により形成されたブラックインク領域91K、および、イエローヘッド24からのUVインクの吐出により形成されたイエローインク領域91Yを有している。
なお、本実施形態において、仮に、イエロー(Y)は第1の色、シアン(C)を第2の色、マゼンタ(M)を第3の色、ブラック(K)を第4の色と呼称する。ただし、第1の色〜第4の色と、各色との対応関係は、これに限定されない。この呼称は、任意の4色の色を呼称するために用いているに過ぎない。
パターンの一例を図6(a)に示す。図6(a)に示す確認用パターン90は、図2に示すプリンター1のヘッドユニット20が有する各吐出ヘッド(21〜25)のうちクリアヘッド25を除く四つのカラーインクヘッド(21〜24)から吐出されるカラードットにより形成される四つの色の領域を有している。即ち、確認用パターン90は、シアンヘッド21からのUVインクの吐出により形成されたシアンインク領域91C、マゼンタヘッド22からのUVインクの吐出により形成されたマゼンタインク領域91M、ブラックヘッド23からのUVインクの吐出により形成されたブラックインク領域91K、および、イエローヘッド24からのUVインクの吐出により形成されたイエローインク領域91Yを有している。
なお、本実施形態において、仮に、イエロー(Y)は第1の色、シアン(C)を第2の色、マゼンタ(M)を第3の色、ブラック(K)を第4の色と呼称する。ただし、第1の色〜第4の色と、各色との対応関係は、これに限定されない。この呼称は、任意の4色の色を呼称するために用いているに過ぎない。
本実施形態の確認用パターン90では、第1領域としてのイエローインク領域91Y、第2領域としてのシアンインク領域91C、第3領域としてのマゼンタインク領域91M、および、第4領域としてのブラックインク領域91Kの各領域が、該各領域以外の三領域と隣り合うようにパターン形成されている。換言すれば、コントローラー(制御部)60は、第1の色の液体で形成される第1領域と、第2の色の液体で形成される第2領域と、第3の色の液体で形成される第3領域と、第4の色の液体で形成される第4領域とを含み、第1領域〜第4領域の各領域が、該各領域以外の3つの領域と接するパターンを媒体に形成させる。
また、本実施形態の確認用パターン90では、四つの色の中で最も明度の高い色であるイエロー(Y)によりイエローインク領域91Yが形成され、イエローインク領域91Y以外の三領域の各々は、各領域が有する他の三領域との接線のうち、イエローインク領域91Yとの接線が一番長くなるようにパターン形成されている。換言すると、コントローラー60は、第1の色〜第4の色の中で第1の色が最も明度の高い色であるとき、第1領域〜第4領域のうち第1領域以外の3つの領域の各々は、各領域が有する他の3つの領域との接線のうち第1領域との接線が最も長いパターンを、パターンとして媒体に形成させる。
これにより、明度の高い色の液体により形成された第1領域は、他の色の液体との明度差が比較的大きく、混色状態を視認しやすいので、最も明度の高い第1領域と他の三領域との接線を長くすることにより、パターンにおける混色の状態を正確に把握することができる。
具体的に述べると、イエローインク領域91Y以外の三領域の各々は、各領域が有する他の三領域との接線のうち、シアンインク領域91Cとマゼンタインク領域91Mとの接線として接線CMbがあり、シアンインク領域91Cとブラックインク領域91Kとの接線として接線CKaがあり、マゼンタインク領域91Mとブラックインク領域91Kとの接線として接線MKaがある。
これに対して、イエローインク領域91Y以外の三領域の各々とイエローインク領域91Yとの接線について述べると、シアンインク領域91Cとイエローインク領域91Yとの接線は、接線YCa1、接線YCa2、接線YCb1、および接線YCb2を有し、マゼンタインク領域91Mとイエローインク領域91Yとの接線は、接線YMa1、接線YMa2、接線YMb1、および接線YMb2を有し、ブラックインク領域91Kとイエローインク領域91Yとの接線は、接線YKa1、接線YKa2、接線YKa3、接線YKa4、接線YKb1、接線YKb2、および接線YKb3を有している。このように各領域同士の接線が複数本ある場合、各接線の合計を各領域同士の接線の長さとする。
これにより、明度の高い色の液体により形成された第1領域は、他の色の液体との明度差が比較的大きく、混色状態を視認しやすいので、最も明度の高い第1領域と他の三領域との接線を長くすることにより、パターンにおける混色の状態を正確に把握することができる。
具体的に述べると、イエローインク領域91Y以外の三領域の各々は、各領域が有する他の三領域との接線のうち、シアンインク領域91Cとマゼンタインク領域91Mとの接線として接線CMbがあり、シアンインク領域91Cとブラックインク領域91Kとの接線として接線CKaがあり、マゼンタインク領域91Mとブラックインク領域91Kとの接線として接線MKaがある。
これに対して、イエローインク領域91Y以外の三領域の各々とイエローインク領域91Yとの接線について述べると、シアンインク領域91Cとイエローインク領域91Yとの接線は、接線YCa1、接線YCa2、接線YCb1、および接線YCb2を有し、マゼンタインク領域91Mとイエローインク領域91Yとの接線は、接線YMa1、接線YMa2、接線YMb1、および接線YMb2を有し、ブラックインク領域91Kとイエローインク領域91Yとの接線は、接線YKa1、接線YKa2、接線YKa3、接線YKa4、接線YKb1、接線YKb2、および接線YKb3を有している。このように各領域同士の接線が複数本ある場合、各接線の合計を各領域同士の接線の長さとする。
また、本実施形態の確認用パターン90では、最も明度の高い色であるイエロー(Y)のインクにより形成されたイエローインク領域91Yと、最も明度の低い色のブラック(K)により形成されたブラックインク領域91Kとの接線は、接線YKa1、接線YKa2、接線YKa3、接線YKa4、接線YKb1、接線YKb2、および接線YKb3がある。そして、イエローインク領域91Yとブラックインク領域91Kとの接線は、ブラックインク領域91Kとイエローインク領域91Yとの接線以外のいずれの接線よりも長い。換言すると、コントローラー60は、第1の色〜第4の色の中で、第1の色が最も明度の高い色であり、第4の色が最も明度の低い色であるとき、第1領域〜第4領域のうち、第1領域〜第4領域の各領域が有する該各領域以外の3つの領域との接線のうち、第1領域と第4領域との接線が最も長いパターンを、パターンとして媒体に形成させる。
このパターンは、各領域が、該各領域以外の全ての領域と接するパターンであると換言することもできる。
なお、パターンにおいて、各領域は必ずしも接しなくてもよい。例えば、数mm程度の間隔を空けてもよい。ただし、混色状態を詳細に把握するためにはできるだけ各領域の間隔は近い方が好ましい。
また、パターンに含まれる領域の数は、4つでなくてもよい。3つ以下であったり、5つ以上であってもよい。領域の数が5つ以上であるとき、そのうちの少なくとも4つの領域は、各領域が、該各領域以外の3つの領域と接するパターンであることが好ましい。5つ目以降の各領域も、該各領域以外の全ての領域と接するパターンであることが好ましいが、必ずしもそうならなくてもよい。
また、本実施形態の確認用パターン90において、四つの色の中で最も明度の低い色であるブラック(K)によりブラックインク領域91Kが形成され、ブラックインク領域91K以外の三領域の各々は、各領域が有する他の三領域との接線のうち、ブラックインク領域91Kの接線が一番長くなるようにパターンが形成されていてもよい。具体的には、図6における、イエローインク領域91Yとブラックインク領域91Kとが、逆になる構成のパターンである。換言すると、コントローラー60は、第1の色〜第4の色の中で第4の色が最も明度の低い色であるとき、第1領域〜第4領域のうち第4領域以外の3つの領域の各々は、各領域が有する他の3つの領域との接線のうち第4領域との接線が最も長いパターンを、パターンとして媒体に形成させる。
これにより、パターンにおいて、最も明度の高い第1領域と、最も明度の低い第4領域との接線が長くなっているので、第1の色の液体と第4の色の液体との混色状態が鮮明に視認されることにより、混色の状態をより正確に把握することができる。
なお、本実施形態の照射部出力調整における確認用パターン90の形成では、クリアヘッド25から吐出される無色透明のクリアインクは、クリアインク層を形成した状態における混色状態を確認する目的で塗布してもよく、また、カラーインクの混色状態のみを確認する目的であれば塗布しなくてもよい。
なお、パターンにおいて、各領域は必ずしも接しなくてもよい。例えば、数mm程度の間隔を空けてもよい。ただし、混色状態を詳細に把握するためにはできるだけ各領域の間隔は近い方が好ましい。
また、パターンに含まれる領域の数は、4つでなくてもよい。3つ以下であったり、5つ以上であってもよい。領域の数が5つ以上であるとき、そのうちの少なくとも4つの領域は、各領域が、該各領域以外の3つの領域と接するパターンであることが好ましい。5つ目以降の各領域も、該各領域以外の全ての領域と接するパターンであることが好ましいが、必ずしもそうならなくてもよい。
また、本実施形態の確認用パターン90において、四つの色の中で最も明度の低い色であるブラック(K)によりブラックインク領域91Kが形成され、ブラックインク領域91K以外の三領域の各々は、各領域が有する他の三領域との接線のうち、ブラックインク領域91Kの接線が一番長くなるようにパターンが形成されていてもよい。具体的には、図6における、イエローインク領域91Yとブラックインク領域91Kとが、逆になる構成のパターンである。換言すると、コントローラー60は、第1の色〜第4の色の中で第4の色が最も明度の低い色であるとき、第1領域〜第4領域のうち第4領域以外の3つの領域の各々は、各領域が有する他の3つの領域との接線のうち第4領域との接線が最も長いパターンを、パターンとして媒体に形成させる。
これにより、パターンにおいて、最も明度の高い第1領域と、最も明度の低い第4領域との接線が長くなっているので、第1の色の液体と第4の色の液体との混色状態が鮮明に視認されることにより、混色の状態をより正確に把握することができる。
なお、本実施形態の照射部出力調整における確認用パターン90の形成では、クリアヘッド25から吐出される無色透明のクリアインクは、クリアインク層を形成した状態における混色状態を確認する目的で塗布してもよく、また、カラーインクの混色状態のみを確認する目的であれば塗布しなくてもよい。
次に、図5のステップS2に示すように、スキャナー(撮像装置)80により確認用パターン90の混色状態データを画像データとして読み取る。本実施形態では、確認用パターン90において隣り合う異なる色の領域同士の各接線を形成する境界部分の平面視において、一方の領域に視認される他方の領域の色の液体(UVインク)の滲み度合いを混色状態データとする。例えば、図6(a)の確認用パターン90のD部の拡大図である図6(b)は、ブラックインク領域91Kとイエローインク領域91Yとの境界部分(接線YKb2)の混色状態の一例を示している。ブラックインク領域91Kとイエローインク領域91Yの境界部分においては、色の明度が高いイエローインク領域91Y側に、イエローに対して色の明度が非常に低いブラックインクの滲みであるブリード部分95が視認される。滲み度合は、ブリード部分95の長さBLによって規定される。ここで、ブリード部分95の長さBLとは、領域同士の境界線と交差する方向の長さである。スキャナー80は、このブラックインクのブリード部分95の長さBLを混色状態データとしてプリンター1のコントローラー60に送る。
スキャナー80からの混色状態データを受信したコントローラー60では、メモリー63に格納されている混色状態データテーブルとの比較などにより、混色状態が許容範囲内にあるか否かの解析を行う(ステップS3)。
そして、混色状態が許容範囲内である場合(ステップS4でYes)、ブラックヘッド23の搬送方向下流側に配置された仮硬化用照射部33の出力は正常であると判断できるので、照射部出力調整の必要はなく、処理を終了する。
そして、混色状態が許容範囲内である場合(ステップS4でYes)、ブラックヘッド23の搬送方向下流側に配置された仮硬化用照射部33の出力は正常であると判断できるので、照射部出力調整の必要はなく、処理を終了する。
ステップS3にて、混色状態が許容範囲内でないと判定された場合(ステップS4でNo)には、ステップS5に示すように、例えばメモリーに格納された混色状態(ブリード部分95の長さBL)と照射部出力調整量との関係を示すテーブルを参照して照射部出力調整値を算出し、ユニット制御回路64を介して照射ユニット30の出力調整を行う(ステップS6)。
照射ユニット30の出力調整を実施後、ステップS1に戻り、上記の照射部出力調整方法を繰り返して状況を確認する。換言すれば、コントローラー60は、第2領域に滲んだ第1の色の液体の滲み度合に基づいて第1照射部の出力を変更可能とする。
照射ユニット30の出力調整を実施後、ステップS1に戻り、上記の照射部出力調整方法を繰り返して状況を確認する。換言すれば、コントローラー60は、第2領域に滲んだ第1の色の液体の滲み度合に基づいて第1照射部の出力を変更可能とする。
以上述べたように、本実施形態に係るプリンター1を備えた印刷システム100、および、印刷システム100を用いた確認用パターン90形成方法、および、照射部出力調整方法によれば、以下に示す効果が得られる。
まず、本実施形態の液体吐出方法における確認用パターン90の形成方法によれば、第1領域としてのイエローインク領域91Y、第2領域としてのシアンインク領域91C、第3領域としてのマゼンタインク領域91M、および、第4領域としてのブラックインク領域91Kの各領域が、該各領域以外の三領域と隣り合うようにパターン形成された確認用パターン90が得られる。
これにより、異なる四つ以上の色を用いて画像形成を行う場合に、少なくとも四色のインクについて、隣り合う二色間の混色の状態を一つの確認用パターン90で確認することができる。換言すれば、異なる四つ以上の色の液体を用いる場合に、少なくとも四色の液体について、各色同士の混色の状態を一つのパターンで確認することができる。したがって、パターンによる混色の状態の確認を効率的に実施することができる。
したがって、確認用パターン90による混色の状態の確認を効率的に実施し、その確認結果に基づいて画像形成条件にフィードバックすることにより、安定した画質の画像形成を行うことが可能なプリンター1、印刷システム100を提供することができる。
まず、本実施形態の液体吐出方法における確認用パターン90の形成方法によれば、第1領域としてのイエローインク領域91Y、第2領域としてのシアンインク領域91C、第3領域としてのマゼンタインク領域91M、および、第4領域としてのブラックインク領域91Kの各領域が、該各領域以外の三領域と隣り合うようにパターン形成された確認用パターン90が得られる。
これにより、異なる四つ以上の色を用いて画像形成を行う場合に、少なくとも四色のインクについて、隣り合う二色間の混色の状態を一つの確認用パターン90で確認することができる。換言すれば、異なる四つ以上の色の液体を用いる場合に、少なくとも四色の液体について、各色同士の混色の状態を一つのパターンで確認することができる。したがって、パターンによる混色の状態の確認を効率的に実施することができる。
したがって、確認用パターン90による混色の状態の確認を効率的に実施し、その確認結果に基づいて画像形成条件にフィードバックすることにより、安定した画質の画像形成を行うことが可能なプリンター1、印刷システム100を提供することができる。
また、本実施形態の確認用パターン90では、四つの色の中で最も明度の高い色であるイエロー(Y)によりイエローインク領域91Yが形成され、イエローインク領域91Y以外の三領域の各々は、各領域が有する他の三領域との接線のうち、イエローインク領域91Yとの接線が一番長くなるようにパターン形成されている。
この構成によれば、明度の高いイエローインクにより形成されたイエローインク領域91Yは、他の色との混色状態を視認しやすいので、イエローインク領域91Yとその他の三領域との接線を長くとることにより、確認用パターン90における混色の状態を正確に把握することができるようになっている。
この構成によれば、明度の高いイエローインクにより形成されたイエローインク領域91Yは、他の色との混色状態を視認しやすいので、イエローインク領域91Yとその他の三領域との接線を長くとることにより、確認用パターン90における混色の状態を正確に把握することができるようになっている。
しかも、本実施形態の確認用パターン90では、最も明度の高いイエロー(Y)のインクにより形成されたイエローインク領域91Yと、最も明度の低い色のブラック(K)により形成されたブラックインク領域91Kとの接線である接線YKa1、接線YKa2、接線YKa3、接線YKa4、接線YKb1、接線YKb2、および接線YKb3は、ブラックインク領域91Kと、イエローインク領域91Y以外の他の二領域(シアンインク領域91C、マゼンタインク領域91M)との接線よりも長い。
これにより、確認用パターン90に用いられた四色のなかで、明度の差が最も大きいイエロー(Y)とブラック(K)との接線がより長くなるように確認用パターン90が設計されているので、明度の高いイエローインク領域91Y側へのブラックインクの混色が鮮明に視認され、混色の状態をより正確に把握することができる。
これにより、確認用パターン90に用いられた四色のなかで、明度の差が最も大きいイエロー(Y)とブラック(K)との接線がより長くなるように確認用パターン90が設計されているので、明度の高いイエローインク領域91Y側へのブラックインクの混色が鮮明に視認され、混色の状態をより正確に把握することができる。
また、本実施形態の照射部出力調整方法によれば、上記した構成の確認用パターン90において隣り合う異なる色の領域同士の境界部分の混色状態を確認し、その混色状態確認データに基づいて、照射ユニット30の出力調整を実施する。
これにより、複数の照射ユニット30(31〜34)それぞれの照度劣化(出力低下)の状態を把握することができ、照度劣化がある照射ユニット30に対して適切な照射部出力調整を行うことが可能になることにより、プリンター1を用いた印刷物の混色不良の発生を抑制することができる。
これにより、複数の照射ユニット30(31〜34)それぞれの照度劣化(出力低下)の状態を把握することができ、照度劣化がある照射ユニット30に対して適切な照射部出力調整を行うことが可能になることにより、プリンター1を用いた印刷物の混色不良の発生を抑制することができる。
また、本実施形態の印刷システム100は、確認用パターン90の混色状態を読み取る撮像装置としてのスキャナー80を備えた構成とした。換言すれば、印刷システム100は、プリンター1と、プリンター1によってパターンが形成された媒体における、第1の色の液体〜第4の色の液体を含む異なる色の液体同士の混色の状態を読み取り、プリンター1に送るスキャナー80と、を備えている。
これにより、確認用パターン90の異なる色同士の混色状態(滲み度合)を画像データとして読み取り、その画像データに基づいて照射部出力調整を実施することができるので、確認用パターン90の形成、混色状態の確認、および、混色状態データに基づいた照射部出力調整を自動、若しくは半自動で実施することが可能な印刷システム100を提供することができる。
これにより、確認用パターン90の異なる色同士の混色状態(滲み度合)を画像データとして読み取り、その画像データに基づいて照射部出力調整を実施することができるので、確認用パターン90の形成、混色状態の確認、および、混色状態データに基づいた照射部出力調整を自動、若しくは半自動で実施することが可能な印刷システム100を提供することができる。
上記実施形態のプリンター1を有する印刷システム100、および、それを用いた液体吐出方法における照射部出力調整方法は、以下のように変更を加えることが可能である。以下に、照射部出力調整方法の変形例を述べる。
(変形例1)
図7は、照射部出力調整方法の変形例を示す説明図である。
上記実施形態の照射部出力調整方法において、スキャナー80からの混色状態データを受信したコントローラー60は、印刷システム100を用いて媒体に形成したい画像に要求される要求画質により、照射部出力調整の仕方を異ならせる制御を行う構成としてもよい。換言すれば、コントローラー60は、滲み度合と、媒体に形成する画像に要求される要求画質とに基づいて、照射部の出力を調整する。
図7は、照射部出力調整方法の変形例を示す説明図である。
上記実施形態の照射部出力調整方法において、スキャナー80からの混色状態データを受信したコントローラー60は、印刷システム100を用いて媒体に形成したい画像に要求される要求画質により、照射部出力調整の仕方を異ならせる制御を行う構成としてもよい。換言すれば、コントローラー60は、滲み度合と、媒体に形成する画像に要求される要求画質とに基づいて、照射部の出力を調整する。
図7に示す照射部出力調整方法において、印刷システム100のプリンター1により形成した確認用パターン90の異なる色同士の境界で確認された混色状態としての滲み度合が比較的小さい「小」の場合、要求画質が「高」である場合は、「+3%」の調整量にて照射部出力調整を実施し、要求画質が高よりも低い「中」、および「低」である場合は、滲み度合「小」が要求画質の許容範囲内と判断して照射部出力調整を実施しない。
また、滲み度合が「大」の場合は、要求画質が「高」である場合は、「+15%」の調整量にて照射部出力調整を実施し、要求画質が「中」の場合は、要求画質が「高」のときよりも小さい「+12%」の調整量にて照射部出力調整を実施し、要求画質が「低」の場合には、要求画質が「中」のときよりさらに小さい「+9%」の調整量にて照射部出力調整を実施する。
また、滲み度合が「小」と「大」の間の「中」の大きさである場合は、要求画質が「高」であるとき、滲み度合が「小」の場合よりも大きく「大」の場合よりも小さい「+9%」の調整量にて照射部出力調整を実施し、要求画質が「中」の場合は、要求画質が「高」のときよりも小さい「+6%」の調整量にて照射部出力調整を実施し、要求画質が「低」の場合には、滲み度合「中」が要求画質の許容範囲内と判断して照射部出力調整を実施しない。
また、滲み度合が「大」の場合は、要求画質が「高」である場合は、「+15%」の調整量にて照射部出力調整を実施し、要求画質が「中」の場合は、要求画質が「高」のときよりも小さい「+12%」の調整量にて照射部出力調整を実施し、要求画質が「低」の場合には、要求画質が「中」のときよりさらに小さい「+9%」の調整量にて照射部出力調整を実施する。
また、滲み度合が「小」と「大」の間の「中」の大きさである場合は、要求画質が「高」であるとき、滲み度合が「小」の場合よりも大きく「大」の場合よりも小さい「+9%」の調整量にて照射部出力調整を実施し、要求画質が「中」の場合は、要求画質が「高」のときよりも小さい「+6%」の調整量にて照射部出力調整を実施し、要求画質が「低」の場合には、滲み度合「中」が要求画質の許容範囲内と判断して照射部出力調整を実施しない。
ここで、出力を調整する、とは、出力を変更可能とする、と換言できる。また、調整量は、変更量と換言できる。そして、上記の動作についてまとめると、次のようになる。
コントローラー60は、要求画質が第1要求画質で、滲み度合が第1の滲み度合のときには、第1の変更量にて照射部の出力を変更可能とする。また、要求画質が第1要求画質よりも低い第2要求画質で、滲み度合が第1の滲み度合のときには、第1の変更量よりも小さい第2の変更量にて照射部の出力を変更可能とする。ここで、第1の変更量よりも小さい第2の変更量とは、変更量がゼロ、即ち、照射部の出力を変更しない場合も含むものである。
また、コントローラー60は、要求画質が第1要求画質で、滲み度合が第1の滲み度合よりも大きい第2の滲み度合のときには、第1の変更量よりも大きい第3の変更量にて照射部の出力を変更可能とする。また、要求画質が第2要求画質で、滲み度合が第2の滲み度合のときに、第2の変更量よりも大きく、第3の変更量よりも小さい第4の変更量にて照射部の出力を変更可能とする。
以上述べた本変形例に係る照射部出力調整方法を含む液滴吐出方法によれば、要求画質に応じて決定された調整量にて照射部の出力を調整するので、過剰な照射部出力調整が回避され、照射ユニット30の光源の寿命の延長を図りながら、形成する画像の画質(要求画質)を確保することができる。換言すると、要求画質に応じて決定された変更量にて照射部の出力を変更可能とするので、過剰な照射部出力変更が回避され、照射ユニット30の光源の寿命の延長を図りながら、形成する画像の画質(要求画質)を確保することができる。
コントローラー60は、要求画質が第1要求画質で、滲み度合が第1の滲み度合のときには、第1の変更量にて照射部の出力を変更可能とする。また、要求画質が第1要求画質よりも低い第2要求画質で、滲み度合が第1の滲み度合のときには、第1の変更量よりも小さい第2の変更量にて照射部の出力を変更可能とする。ここで、第1の変更量よりも小さい第2の変更量とは、変更量がゼロ、即ち、照射部の出力を変更しない場合も含むものである。
また、コントローラー60は、要求画質が第1要求画質で、滲み度合が第1の滲み度合よりも大きい第2の滲み度合のときには、第1の変更量よりも大きい第3の変更量にて照射部の出力を変更可能とする。また、要求画質が第2要求画質で、滲み度合が第2の滲み度合のときに、第2の変更量よりも大きく、第3の変更量よりも小さい第4の変更量にて照射部の出力を変更可能とする。
以上述べた本変形例に係る照射部出力調整方法を含む液滴吐出方法によれば、要求画質に応じて決定された調整量にて照射部の出力を調整するので、過剰な照射部出力調整が回避され、照射ユニット30の光源の寿命の延長を図りながら、形成する画像の画質(要求画質)を確保することができる。換言すると、要求画質に応じて決定された変更量にて照射部の出力を変更可能とするので、過剰な照射部出力変更が回避され、照射ユニット30の光源の寿命の延長を図りながら、形成する画像の画質(要求画質)を確保することができる。
(変形例2)
図8は、確認用パターンの変形例を示す説明図である。
図8において、変形例2の確認用パターン190は、上記実施形態の確認用パターン90(図6を参照)と同様なパターンが縮小されたものが、媒体Sを上流側から下流側に搬送する搬送方向と交差する方向に沿って複数配置されている。
本実施形態では、照射ユニット30の搬送方向と交差する方向に複数配置された光源30aの配置と、媒体S上に形成された確認用パターンの位置とが搬送方向と交差する方向において対応している。
図8は、確認用パターンの変形例を示す説明図である。
図8において、変形例2の確認用パターン190は、上記実施形態の確認用パターン90(図6を参照)と同様なパターンが縮小されたものが、媒体Sを上流側から下流側に搬送する搬送方向と交差する方向に沿って複数配置されている。
本実施形態では、照射ユニット30の搬送方向と交差する方向に複数配置された光源30aの配置と、媒体S上に形成された確認用パターンの位置とが搬送方向と交差する方向において対応している。
変形例2の構成では、媒体Sの搬送方向と交差する方向である媒体Sの幅方向に沿って複数の確認用パターン190が並んで形成されている。これにより、媒体Sの幅方向の各部におけるシアンヘッド21(ヘッドユニット20)の各短尺ヘッド21A,21B、及び21cそれぞれの吐出状態や、それに対応する照射ユニット30の各光源30aによる硬化状態を混色状態として把握し、プリンター1による画像形成条件にフィードバックすることが可能になる。
なお、図8では、本変形例の効果をわかりやすく説明する便宜上、照射ユニット30の各光源30aの配置と、媒体S上の各確認用パターン190との位置が、搬送方向において一対一で対応している構成を図示している。これに限らず、例えば、照射ユニット30の複数の光源30aに対応する大きさの確認用パターン190を媒体Sの幅方向に沿って配置してもよい。
なお、図8では、本変形例の効果をわかりやすく説明する便宜上、照射ユニット30の各光源30aの配置と、媒体S上の各確認用パターン190との位置が、搬送方向において一対一で対応している構成を図示している。これに限らず、例えば、照射ユニット30の複数の光源30aに対応する大きさの確認用パターン190を媒体Sの幅方向に沿って配置してもよい。
(変形例3)
図9(a)〜(c)は、確認用パターンの別の変形例のバリエーションを示す概略平面図である。
確認用パターンの各色の領域の配置の大きさを含む形状は、上記実施形態の確認用パターン90や変形例2の確認用パターン190のような形状に限らず、以下のように変更を加えることが可能である。
図9(a)〜(c)に示す確認用パターンの三つの変形例において、シアンインク領域91C、マゼンタインク領域91M、およびブラックインク領域91Kは、上記実施形態および変形例2の確認用パターン90,190と同じ配置や形状にて形成され、第1領域としてのイエローインク領域(91Y)の形状が変更されている。
図9(a)〜(c)は、確認用パターンの別の変形例のバリエーションを示す概略平面図である。
確認用パターンの各色の領域の配置の大きさを含む形状は、上記実施形態の確認用パターン90や変形例2の確認用パターン190のような形状に限らず、以下のように変更を加えることが可能である。
図9(a)〜(c)に示す確認用パターンの三つの変形例において、シアンインク領域91C、マゼンタインク領域91M、およびブラックインク領域91Kは、上記実施形態および変形例2の確認用パターン90,190と同じ配置や形状にて形成され、第1領域としてのイエローインク領域(91Y)の形状が変更されている。
図9(a)に示す確認用パターン90aは、シアンインク領域91C、マゼンタインク領域91M、およびブラックインク領域91Kの略中央に、上記実施形態および変形例2の確認用パターン90における十字型のイエローインク領域91Yの十字の、一方の直線パターンと平行な直線パターンが、十字の直線パターンの両側に形成されたイエローインク領域91Yaが形成されている。
この確認用パターン90aによれば、イエローインクと、他の各色との混色状態をより詳細に確認することができる。
この確認用パターン90aによれば、イエローインクと、他の各色との混色状態をより詳細に確認することができる。
図9(b)に示す確認用パターン90bは、シアンインク領域91C、マゼンタインク領域91M、およびブラックインク領域91Kの略中央に、菱形状のイエローインク領域91Ybが形成されている。
この確認用パターン90bによれば、例えば、イエローインク領域91Ybと他の各色領域との接線と、ヘッドユニット20のノズル列や、照射ユニット30の光源30aの列(図8を参照)に対して平行、または直交する方向とは異なる斜め方向の接線の混色状態を確認することができる。
この確認用パターン90bによれば、例えば、イエローインク領域91Ybと他の各色領域との接線と、ヘッドユニット20のノズル列や、照射ユニット30の光源30aの列(図8を参照)に対して平行、または直交する方向とは異なる斜め方向の接線の混色状態を確認することができる。
図9(c)に示す確認用パターン90cは、シアンインク領域91C、マゼンタインク領域91M、およびブラックインク領域91Kの略中央に、円形状のイエローインク領域91Ycが形成されている。
この確認用パターン90cによれば、例えば、イエローインク領域91Ybと他の各色領域との接線と、ヘッドユニット20のノズル列や、照射ユニット30の光源30aの列(図8を参照)に対して平行、または直交する方向とは異なる方向で、且つ、曲線の接線を挟んだ2色の色同士の混色状態を確認することができる。
この確認用パターン90cによれば、例えば、イエローインク領域91Ybと他の各色領域との接線と、ヘッドユニット20のノズル列や、照射ユニット30の光源30aの列(図8を参照)に対して平行、または直交する方向とは異なる方向で、且つ、曲線の接線を挟んだ2色の色同士の混色状態を確認することができる。
以上、発明者によってなされた本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上記した実施の形態およびその変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、プリンター1を備えた印刷システム100において、CMKYの四色のカラーインクを用いた構成について説明した。
これに限らず、五色以上のカラーインクを用いる構成としてもよい。五色以上のカラーインクを用いて画像形成するプリンターにおいて、そのうちの四色について上記実施形態で説明した構成のパターンを含む確認用パターンを形成することにより、一つの確認用パターンにて少なくとも四色のカラーインクの二色間の混色状態を確認することができる。
これに限らず、五色以上のカラーインクを用いる構成としてもよい。五色以上のカラーインクを用いて画像形成するプリンターにおいて、そのうちの四色について上記実施形態で説明した構成のパターンを含む確認用パターンを形成することにより、一つの確認用パターンにて少なくとも四色のカラーインクの二色間の混色状態を確認することができる。
また、上記実施形態では、印刷システム100において、形成した確認用パターンの異なる色同士の境界部分において、スキャナー80により混色の状態を確認する構成とした。
これに限らず、スキャナー80以外の、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラなどの撮像装置や画像認識装置などにより、混色の状態をデータとして読み取る構成としてもよい。
これに限らず、スキャナー80以外の、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラなどの撮像装置や画像認識装置などにより、混色の状態をデータとして読み取る構成としてもよい。
また、上記実施形態および変形例では、カラーインクの異なる色同士の境界部分において一方の色の領域に視認される他方の色の滲み度合を混色状態データとして取得し、滲み度合データに基づいて調整量を決定し照射部出力調整を行う方法について説明した。
これに限らず、例えば、異なる色同士の境界部分の色の明度や彩度、あるいは輝度など、滲み度合以外の指標を混色状態データとして扱う構成としてもよい。
これに限らず、例えば、異なる色同士の境界部分の色の明度や彩度、あるいは輝度など、滲み度合以外の指標を混色状態データとして扱う構成としてもよい。
また、プリンター1は、インクの色ごとに複数のヘッド(21〜25)を有するとしたが、1つのヘッドから、複数の色の液体を吐出してもよい。このときの具体例としては、1つのヘッドにノズル列が複数設けられており、ノズル列毎に異なる色の液体を吐出する。また、プリンター1は、搬送中のフィルムSに対してインクを吐出することによって、フィルムSにドットを形成し、フィルムS上に画像を印刷するとしたが、搬送していない媒体にインクを吐出する構成であってもよい。このような構成のプリンターの例として、ヘッドを主走査方向に移動させながらインクを吐出する吐出動作を行い、吐出動作の後に、主走査方向と交差する方向に媒体を搬送する、シリアルタイプのプリンターが挙げられる。また、ヘッドを主走査方向と、主走査方向と交差する副走査方向に動かすことが可能で、媒体を搬送せずに印刷を行うことが可能な、フラットベッドタイプのプリンターであってもよい。
1…液体吐出装置としてのプリンター、10…搬送部としての搬送ユニット、12A…上流側搬送ローラー、12B…下流側搬送ローラー、13…搬送ドラム、20…吐出部としてのヘッドユニット、21…シアンヘッド、22…マゼンタヘッド、23…ブラックヘッド、24…イエローヘッド、25…クリアヘッド、30…照射部としての照射ユニット、30a…光源、31〜34…照射部としての仮硬化用照射部、35…本硬化用照射部、40…表面処理ユニット、41…コロナ処理部、50…検出器群、60…制御部としてのコントローラー、61…インターフェイス部、62…CPU、63…メモリー、64…ユニット制御回路、80…撮像装置としてのスキャナー、90,90a,90b,90c,190…確認用パターン、91C…第2領域としてのシアンインク領域、91K…第4領域としてのブラックインク領域、91M…第3領域としてのマゼンタインク領域、91Y,91Ya,91Yb,91Yc…第1領域としてのイエローインク領域、CMb,CKa,MKa,YCa1,YCa2,YCb1,YCb2,YMa1,YMa2,YMb1,YMb2,YKa1,YKa2,YKa3,YKa4,YKb1,YKb2,YKb3…接線、95…ブリード部分、100…印刷システム、110…コンピューター、211…ケース、212a…流路形成板、212…流路ユニット、212e…ノズル連通口、212b…弾性板、212c…ノズルプレート、212d…圧力室、212f…共通インク室、212g…インク供給路、212h…アイランド部、212i…弾性膜。
Claims (8)
- 複数の色の液体を吐出可能な液体吐出装置であって、
第1の色の液体で形成される第1領域と、第2の色の液体で形成される第2領域と、第3の色の液体で形成される第3領域と、第4の色の液体で形成される第4領域とを含み、前記第1領域〜前記第4領域の各領域が、該各領域以外の3つの領域と接するパターンを前記媒体に形成させる制御部、を備えることを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1に記載の液体吐出装置において、
前記制御部は、前記第1の色〜前記第4の色の中で前記第1の色が最も明度の高い色であるとき、前記第1領域〜前記第4領域のうち前記第1領域以外の3つの領域の各々は、各領域が有する他の3つの領域との接線のうち前記第1領域との接線が最も長いパターンを、前記パターンとして前記媒体に形成させる制御を行うことを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1に記載の液体吐出装置において、
前記制御部は、前記第1の色〜前記第4の色の中で前記第4の色が最も明度の低い色であるとき、前記第1領域〜前記第4領域のうち前記第4領域以外の3つの領域の各々は、各領域が有する他の3つの領域との接線のうち前記第4領域との接線が最も長い前記パターンを、前記パターンとして前記媒体に形成させる制御を行うことを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体吐出装置において、
前記制御部は、前記第1の色〜前記第4の色の中で、前記第1の色が最も明度の高い色であり、前記第4の色が最も明度の低い色であるとき、前記第1領域〜前記第4領域の各領域が有する該各領域以外の3つの領域との接線のうち、前記第1領域と前記第4領域との接線が最も長いパターンを、前記パターンとして前記媒体に形成させる制御を行うことを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体吐出装置において、
前記制御部は、前記吐出部に対して前記媒体を搬送する搬送方向と交差する方向に沿って複数の前記パターンを形成させることを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体吐出装置と、
前記液体吐出装置によって前記パターンが形成された前記媒体における前記第1の色の液体〜第4の色の液体を含む異なる色の液体同士の混色の状態を読み取り、前記液体吐出装置に送る撮像装置と、
を備えたことを特徴とする印刷システム。 - 複数の色の液体を吐出可能な液体吐出装置において実行される液体吐出方法であって、
第1の色の液体で形成される第1領域と、第2の色の液体で形成される第2領域と、第3の色の液体で形成される第3領域と、第4の色の液体で形成される第4領域とを含み、前記第1領域〜前記第4領域の各領域が、該各領域以外の3つの領域と接するパターンを前記媒体に形成することを特徴とする液体吐出方法。 - 第1の色の液体で形成される第1領域と、第2の色の液体で形成される第2領域と、第3の色の液体で形成される第3領域と、第4の液体で形成される第4領域とを含み、前記第1領域〜前記第4領域の各領域が、該各領域以外の3つの領域と接するパターンが形成されたことを特徴とする印刷物。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113733772A (zh) * | 2020-05-28 | 2021-12-03 | 精工爱普生株式会社 | 印刷物和印刷方法 |
JP7539232B2 (ja) | 2020-01-16 | 2024-08-23 | ローランドディー.ジー.株式会社 | インクジェットプリンタおよび光の強度の確認方法 |
-
2013
- 2013-12-16 JP JP2013258898A patent/JP2015112858A/ja active Pending
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