以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
図1、図2、図3は、実施形態に係るインク供給ユニットが適用されるインクジェットプリンタの一例を表す斜視図である。図4、図5、図6は、実施形態に係るインク供給ユニットに適用されるインク容器の一例を表す模式的な斜視図である。図7は、実施形態に係るインク供給ユニットの概略構成を表す斜視図である。図8は、実施形態に係るインク供給ユニットの部分斜視図である。当該図8では、筐体の一部の図示を省略している。図9は、実施形態に係るインク供給ユニットの一部を断面にした部分斜視図である。図10は、実施形態に係るインク供給ユニットの部分断面図である。図11は、実施形態に係るインク供給ユニットのインク容器を取り除いた状態の部分斜視図である。図12は、実施形態に係るインク供給ユニットの回動レバー、及び、キャップの斜視図である。図13、図14は、実施形態に係るインク供給ユニットのインク容器を取り除いた状態で鉛直方向上側から視た平面図である。図15は、実施形態に係るインク供給ユニットの動作を説明する模式図である。図16、図17、図18は、実施形態に係るインク供給ユニットにおけるインク液面の変化について説明する模式的な断面図である。
本実施形態に係るインク供給ユニット1は、図1、図2、図3に例示するように、縦型やフラットベッド型等、種々の形式のインクジェット印刷装置としてのインクジェットプリンタ100A、100B、100Cに適用され、当該インクジェットプリンタ100A、100B、100Cにインクを供給するシステムである。インク供給ユニット1は、液体貯留容器としてのインク容器2から液体タンクとしてのインクタンク4(図8等参照)に液体としてのインクが補充され、当該インクタンク4に補充されたインクを、液体供給系としてのインクチューブT(図7等参照)等を介してインクジェットプリンタ100A、100B、100Cのインクジェットヘッド(プリンタヘッド)側に供給する。つまり、インクジェットプリンタ100A、100B、100Cは、インク供給ユニット1を備えものであり、インク(液体)を貯留するインク容器(液体貯留容器)2と、インク容器2との連結部分が密閉状態とされ、当該インク容器3から供給されるインクを貯留すると共にインク容器2の鉛直方向下方側に配設されるインクタンク(液体タンク)4とを有し、インクタンク4からインクジェットヘッド(不図示)にインクが供給されるように構成されたものである。当該インクジェットヘッドは、インク容器3の液体供給口と接続手段を介して接続されて該インク容器3からインクが供給される。このインク供給ユニット1に適用されるインク容器2は、図4に例示する密閉型インクボトル方式のインク容器2A、図5に例示するアルミパック(液体パック、インクパック)方式のインク容器2B、図6に例示する大気開放型(継ぎ足し型)インクボトル方式のインク容器2C等、種々の方式のものを用いることができる。これらのインク容器2は、後述するキャップ3が装着され、当該キャップ3を介してインクタンク4に装填される。また、インク供給ユニット1に適用されるインク容器2は、既存のインクボトル、アルミパック等であってもよく、当該既存のものに後述のキャップ3を装着すればよい。インク容器2とキャップ3との装着の形式は、適用されるインク容器2の方式に応じて適宜変更されればよい。
具体的には、本実施形態に係るインク供給ユニット1は、図7〜図12に示すように、インク容器2と、キャップ3と、インクタンク4と、回動レバー5と、回転止め機構6と、変換機構7と、開弁突起部8とを備える。
本実施形態のインク供給ユニット1は、インク容器2、キャップ3、インクタンク4、回動レバー5、回転止め機構6、変換機構7、及び、開弁突起部8を1組として、これらの組が印刷可能な色数等に応じて複数設けられる。ここでは、インク供給ユニット1は、図7に示すように、8つの組を有しており、つまり、インクの供給系として8系統を備えている。インク供給ユニット1は、鉛直方向上側の面が開口した箱状の収容ケースとしての筐体9を備える。そして、インク供給ユニット1は、図7、図8に示すように、当該筐体9に8つのインクタンク4が収容されると共に、鉛直方向上側の開口側に各インクタンク4に対応して8つのインク容器2が装填される。上述のインクチューブTは、当該筐体9の側面から延設される。なお、以下の説明では、特に断りのない限り、8つの組の1つについて説明する。また、このインク供給ユニット1では、鉛直方向がインクタンク4に対するインク容器2、及び、キャップ3の挿入方向に相当する。
ここで、開口33を有するキャップ3は、インク容器2の液体供給口を構成する。回動レバー5と回転止め機構6とは、上述の接続手段を構成する。接続手段は、液体供給口とインクジェットヘッドとの間に介在するものであり、インクジェットヘッドが一端側に配設された液体供給系の他端側に配設され、液体供給口に形成された凹部、又は、凸部の一方と係合する当該凹部、又は、当該凸部の他方を有するとともに自らが回転する回転部材としての回動レバー5と、インク容器の回転を阻止する阻止部としての回転止め機構6とを有する。ここで、液体供給系とは、上述のインクチューブTを含むものであり、液体(インクや洗浄液等)の供給経路である。そして、インク容器2は、回転止め機構6によって回転が阻止されるとともに、回動レバー5の回転に伴い、凹部と凸部とが相対移動することによって直動し、当該直動に伴って、閉鎖されたインク供給口(キャップ3)が開口して、インクを供給する。
具体的には、インク容器2は、インクを貯留する容器であり、上述したように、密閉型インクボトル方式、アルミパック方式、大気開放型インクボトル方式、いずれの方式のものでもよい。以下の説明では、図16、図17、図18の説明を除いて特に断りのない限り、インク容器2は、密閉型インクボトル方式のインク容器2A(図4参照)を例に挙げて説明する。ここでは、インク容器2は、略円筒状に形成され、一方の端部が閉塞すると共に、他方の端部にインクが流出するインク流出開口2a(図9、図10等参照)が形成されている。
キャップ3は、インク容器2に装着される。キャップ3は、インク容器2のインク流出開口2aに設けられる蓋状の部材である。ここでは、キャップ3は、円筒状に形成されたスクリューキャップである。
より詳細には、キャップ3は、図9、図10に示すように、円筒状に形成される内筒部材31、及び、外筒部材32と、開口33と、弁体34と、弾性体35とを有する。
内筒部材31は、円筒部31a、螺合溝31b、円環板状部31c、弁体孔31d、円筒状バネ保持部31e等を有し、これらが一体で形成される。円筒部31aは、円筒状に形成される。円筒部31aは、複数の円環板状の段付部31f、31gを有している。螺合溝31bは、円筒部31aの一方の端部の内周面側に螺旋溝状に形成される。円環板状部31cは、円筒部31aの他方の端部の内周面側に円環板状に形成される。円筒部31aは、当該螺合溝31b側から当該円環板状部31c側に向かって段付部31f、段付部31gを順に介して徐々に縮径するように形成される。弁体孔31dは、円環板状部31cに円形状の孔部として形成される。円筒状バネ保持部31eは、円筒状に形成され、円筒部31aの内周面側に設けられる。円筒状バネ保持部31eは、一端部が円環板状部31cに接続され、当該円環板状部31cから螺合溝31b側に向けて延在する。円筒状バネ保持部31eは、円環板状部31c側の端部が弁体孔31dと連通し、他方の端部、すなわち、螺合溝31b側の端部が閉塞している。円筒部31a、円環板状部31c、弁体孔31d、円筒状バネ保持部31eは、ほぼ同軸となるように形成される。
外筒部材32は、内筒部材31の円筒部31aの外周面側に装着されるものである。外筒部材32は、円筒部32a、円環板状部32b、円環板状部32cを有し、これらが一体で形成される。円筒部32aは、円筒状に形成される。円環板状部32bは、円筒部32aの一方の端部、ここでは、内筒部材31に装着された状態で螺合溝31b側の端部の外周面側に円環板状に形成される。円環板状部32cは、円筒部32aの他方の端部、ここでは、内筒部材31に装着された状態で円環板状部31c側の端部の内周面側に円環板状に形成される。
開口33は、インク容器2に貯留されたインクが流出可能なものである。開口33は、円環板状部31cに円形状の孔部として形成される。開口33は、直径が弁体孔31dの直径より小さく形成される。当該開口33、及び、外筒部材32の円筒部32a、円環板状部32b、円環板状部32cは、ほぼ同軸となるように形成される。
弁体34は、開口33を開閉可能なものであり、ここでは、球体(ボール)が用いられている。弁体34は、外径が弁体孔31dの直径よりも小さく、かつ、開口33の直径よりも大きく形成される。
弾性体35は、弁体34をインク容器2の内側から閉位置側に付勢するものであり、ここでは、圧縮コイルバネが用いられている。
そして、このキャップ3は、弾性体35が内筒部材31の円筒状バネ保持部31eに保持されると共に、当該弾性体35の弁体孔31d側に弁体34が位置するような位置関係で、外筒部材32が円環板状部31c側から内筒部材31に装着される。キャップ3は、外筒部材32が内筒部材31に装着された状態で、段付部31gと円環板状部32bとが対向して接触する一方、円環板状部31cと円環板状部32cとが所定の間隔をあけて対向する。また、キャップ3は、外筒部材32が内筒部材31に装着された状態で、円筒部31aの円環板状部31c側の外周面と円筒部32aの内周面とが対向し接触する。キャップ3は、外筒部材32が内筒部材31に装着され、弾性体35、及び、弁体34を保持した状態で、ビス等によって外筒部材32が内筒部材31に固定され一体化される。キャップ3は、内筒部材31と外筒部材32とが一体化された状態で、螺合溝31bがインク容器2側の螺合溝2bに螺合することでインク容器2に装着される。ここで、インク容器2側の螺合溝2bは、インク容器2においてインク流出開口2aが形成された突状部分の外周面側に形成される。キャップ3は、上記のように、内筒部材31と外筒部材32とが一体化された状態で、弾性体35の付勢力によって弁体34が開口33側に、すなわち、インク容器2の内側から閉位置側に押圧される。
なお、キャップ3は、インク容器2に装着された状態で、インク容器2のインク流出開口2aが形成された端部と、段付部31fとの間に円環状のシール部材36が設けられる。シール部材36は、キャップ3がインク容器2に装着された状態で、インク流出開口2aが形成された端部と段付部31fとの間を密閉しインクの漏洩を抑制するための部材である。また、キャップ3は、円環板状部31cと円環板状部32cとの間で、かつ、開口33の外周に沿った位置に円環状のOリング37が設けられる。Oリング37は、弁体34の閉弁時に当該弁体34と開口33との間を密閉しインクの漏洩を抑制するための部材である。また、キャップ3は、段付部31gの外周面に円環状の封止手段としてのOリング38が装着される。Oリング38は、後述するように、インク容器2が当該キャップ3と共にインクタンク4に連結され、固定された状態で、キャップ3と後述のインク貯留空間部壁面41aとの間を密閉しインクの漏洩を抑制するための部材である。
インクタンク4は、図8、図9、図10に示すように、キャップ3が装着されたインク容器2を、当該キャップ3側で保持するものである。インクタンク4は、上述したように筐体9に収容される。インクタンク4は、インク容器2から補充されるインクを貯留するためのインク貯留空間部41を備える。上述のインク貯留空間部壁面41aは、当該インク貯留空間部41を区画する壁面であり、円筒状の壁面として形成される。つまり、このインク貯留空間部41は、円柱シリンダ状に形成される。インク容器2は、後述の回動レバー5を介してキャップ3側がインク貯留空間部41内に保持される。インクタンク4は、インク容器2との連結部分が密閉状態とされ、当該インク容器2から供給されるインクを貯留する。より詳細には、インクタンク4は、キャップ3、後述の回動レバー5等を介してインク容器2が連結され、インク容器2との連結部分が上述のOリング38によって密閉状態とされる。Oリング38は、インク容器2がキャップ3と共にインクタンク4に接続、保持された状態で、インクタンク4のインク貯留空間部41を区画するインク貯留空間部壁面41aとキャップ3との間を密閉することで、インク容器2とインクタンク4との連結部分を密閉状態とする。また、インクタンク4は、インク貯留空間部41内に貯留されるインクの液面高さを検出するフロートセンサ14(図8参照)が設けられ、当該フロートセンサ14によるインクの液面高さの検出結果に基づいて貯留するインクの残量管理が行われる。
なお、このインク供給ユニット1は、このインクタンク4の内部と大気とを連通する大気開放管10(図7、図9、図10、図11等参照)も備えている。具体的には、本実施形態のインクタンク4は、図11に示すように、当該インクタンク4の内部と外部とを連通して大気側に開口する開口部45を有すると共に、当該開口部45には、当該インクタンク4の内部と大気とを連通する大気開放管10が設けられる。開口部45は、インクタンク4の鉛直方向上側に設けられている。この大気開放管10は、例えば、ゴムチューブ等によって構成され、インク容器2がインクタンク4に連結された状態で、このインクタンク4の内部、すなわち、インク貯留空間部41と大気とを連通し、インク貯留空間部41内を大気開放することができる。また、このインク供給ユニット1は、インクタンク4からインク容器2が取り外された際にインク貯留空間部41を覆いインクの飛び出しを抑制するための開閉式の蓋部材11(図7、図8等参照)も備えている。
回動レバー5は、図9、図10、図11、図12に示すように、インクタンク4に回動軸線Xを回動中心として回動自在に設けられるものである。回動レバー5は、円筒状部51、レバー部52等を有し、これらが一体で形成される。円筒状部51は、円筒状に形成される。円筒状部51は、インクタンク4に回動自在に支持されると共に内周面側にインク容器2と共にキャップ3が挿入される。円筒状部51は、インク貯留空間部壁面41aに形成された円環状の環状案内溝部42に支持される。環状案内溝部42は、インク貯留空間部壁面41aに凹部状に形成される。環状案内溝部42は、鉛直方向に沿って視た状態で円環状に形成される。レバー部52は、円筒状部51から径方向に突出する棒状の部分である。レバー部52は、インクタンク4に形成された切り欠き部43(図13等も参照)、筐体9に形成された切り欠き部9a等を介して、筐体9の外部に露出している。また、円筒状部51は、径方向(回動軸線Xと交差する方向)に対してレバー部52と対向する位置に円弧状の切り欠き部53が形成される。回動レバー5は、回動軸線Xが鉛直方向に沿うような位置関係で、円筒状部51が環状案内溝部42に支持され、この状態でレバー部52が手動にて操作されることで回動軸線X周りに回動可能である。回動レバー5は、円筒状部51の鉛直方向上端部側がビス54(図11等参照)等によって、インクタンク4の環状案内溝部42内で回動可能な状態で当該環状案内溝部42から脱落しないように位置決めされている。なお、上記切り欠き部43、切り欠き部9aは、回動レバー5が回動した際に、当該レバー部52の移動を規制しない程度の寸法、位置に形成される。
回転止め機構6は、図9、図10、図11、図12、図13に示すように、キャップ3が装着されたインク容器2が当該キャップ3側でインクタンク4に連結、保持された状態で、当該インクタンク4に対するインク容器2、及び、キャップ3の相対回転を規制するものである。回転止め機構6は、回転止め突起部61と、回転止め係合部62とを有する。回転止め突起部61は、キャップ3、又は、インク容器2から径方向に突出して板状に形成される。ここでは、回転止め突起部61は、キャップ3の円筒部31aの螺合溝31b側の端部に形成されるものとして説明するが、インク容器2側に設けられていてもよい。回転止め係合部62は、インクタンク4に形成され、回転止め突起部61が係合するものである。回転止め係合部62は、インクタンク4の鉛直方向上端部側で、かつ、環状案内溝部42の径方向外側に形成される壁面44に設けられる。壁面44は、円筒状の壁面として形成される。回転止め係合部62は、壁面44に形成される溝部であり、ここでは周方向に沿って対向する2つのリブによって形成される。ここでは、回転止め係合部62は、インクタンク4が筐体9に設けられた状態で、キャップ3の挿入方向、すなわちここでは、鉛直方向に沿って環状案内溝部42まで形成される。回転止め突起部61は、インク容器2と共にキャップ3が回動レバー5の円筒状部51に挿入された状態で、回動レバー5の切り欠き部53を介して回転止め係合部62まで到達するような寸法に形成される。回転止め機構6は、インク容器2と共にキャップ3を回動レバー5の円筒状部51内に装着する際に、回転止め突起部61が鉛直方向上側から回転止め係合部62内に挿入される。これにより、回転止め機構6は、インク容器2がインクタンク4に保持された状態で、回転止め突起部61が回転止め係合部62と係合することで、当該インクタンク4に対するインク容器2、及び、キャップ3の回動軸線X周りの相対回転を規制することができる。
変換機構7は、図11、図12、図13、図14に示すように、回動レバー5の回動運動を、インク容器2、及び、キャップ3の回動軸線Xに沿った方向の直線運動に変換するものである。変換機構7は、凸部としての案内突起部71と、凹部としての案内凹部72とを有する。案内突起部71は、キャップ3から径方向に突出して形成される円柱状の突状部である。案内突起部71は、キャップ3の円筒部31aの外周面に一対で設けられる。一対の案内突起部71は、円筒部31aの外周面に沿ってほぼ対称な位置に設けられる。ここでは、上述の回転止め突起部61は、円筒部31aの外周面に沿って当該一対の案内突起部71の中間位置に設けられる。案内凹部72は、回動レバー5の円筒状部51に形成される。ここでは、案内凹部72は、当該円筒状部51の壁面を貫通するようにして形成された孔部であるが、当該円筒状部51の壁面を貫通しない構成であってもよい。案内凹部72は、回動軸線Xに沿った方向に対して傾斜して形成される。案内凹部72は、一対の案内突起部71に対応して一対で設けられ、対応する案内突起部71が挿入される。より詳細には、案内凹部72は、回動レバー5がインクタンク4に設置された状態で、図12等に示すように、鉛直方向上側から、回動軸線Xを中心として反時計回りに、徐々に鉛直方向下側に向かうように傾斜して形成される。また、案内凹部72は、鉛直方向上端が円筒状部51の鉛直方向上端部側に開口する一方、鉛直方向下端がほぼ水平方向に沿った形状となる。変換機構7は、インク容器2と共にキャップ3を回動レバー5の円筒状部51内に装着する際に、一対の案内突起部71が案内凹部72の鉛直方向上端部側の開口に挿入される。そして、変換機構7は、案内突起部71が案内凹部72内に挿入された状態で、回動レバー5とキャップ3との相対回転に伴って、案内凹部72が案内突起部71を回動軸線Xに沿った方向に案内する。これにより、変換機構7は、インク容器2、及び、キャップ3の相対回転が規制された状態で、回動レバー5の回動運動を、インク容器2、及び、キャップ3の回動軸線Xに沿った方向の直線運動に変換することができる。すなわち、変換機構7は、回動レバー5が回動することで、インク容器2、及び、キャップ3を回動軸線Xに沿った方向に移動させることができる。ここで、回動軸線Xに沿った方向とは、典型的には、鉛直方向であり、ここでは、インク容器2、及び、キャップ3がインクタンク4に対して接近離間する方向、インク容器2、及び、キャップ3の挿入方向に相当する。
なお、キャップ3に設けられた回転止め突起部61、及び、一対の案内突起部71、インクタンク4の壁面44に設けられた回転止め係合部62、及び、回動レバー5に設けられた一対の案内凹部72は、回動レバー5がインクタンク4に設置され、インク容器2と共にキャップ3が当該回動レバー5の円筒状部51に挿入された状態で、一対の案内突起部71がそれぞれ一対の案内凹部72に挿入され、回転止め突起部61が回転止め係合部62に挿入されるような位置関係で形成される。
開弁突起部8は、図9、図10に示すように、インクタンク4の内部、ここでは、インク貯留空間部41内に設けられる。開弁突起部8は、当該インク貯留空間部41を区画するインク貯留空間部底面41bに立設される。開弁突起部8は、回動レバー5がインクタンク4に設置され、インク容器2と共にキャップ3が当該回動レバー5の円筒状部51に挿入された状態で、キャップ3に設けられた開口33と鉛直方向に対向する位置に設けられる。開弁突起部8は、インク容器2、及び、キャップ3の直線運動に伴って当該キャップ3がインクタンク4側に接近した際に弁体34を開位置側に押圧するものである。
なお、このインク供給ユニット1は、上述したように、インクタンク4のインク貯留空間部41と大気とを連通し、当該インク貯留空間部41内を大気開放することができる大気開放管10を備える。この大気開放管10は、図7、図13等に示すように、インクタンク4から開放管立設板12によって一旦インク容器2の鉛直方向上側に導かれた後、再度インクタンク4側の壁面44の外周面側を通っている。つまり、大気開放管10は、インク容器2がインクタンク4に連結された状態で、少なくともインクタンク4内のインクが外部に流出しないようにインク容器2の鉛直方向上側まで延在している。言い換えれば、大気開放管10は、鉛直方向の最高高さが、当該インク供給ユニット1に適用可能なインク容器2の最高高さよりも高くなるように設けられている。そしてさらに、本実施形態のインク供給ユニット1は、図13、図14に示すように、回動レバー5の回動と連動して上述の大気開放管10を押圧可能である大気開放突起部13を備える。大気開放突起部13は、回動レバー5に設けられる。大気開放突起部13は、円筒状部51の外周面に突起状に形成される。大気開放突起部13は、切り欠き部53の一方の端部に隣接して設けられる。大気開放突起部13は、回動レバー5の回動に伴って大気開放管10を押圧して閉塞させる閉塞位置と、大気開放管10を解放させる解放位置とに移動可能である。大気開放突起部13は、少なくとも、図13に示すように、回動レバー5のレバー部52が切り欠き部43内において、図13中向かって最右側に位置している状態で、大気開放管10を押圧して閉塞させる閉塞位置に位置している。一方、大気開放突起部13は、図14に示すように、回動レバー5のレバー部52が切り欠き部43内において、図14中向かって最左側に位置している状態で、大気開放管10を解放させる解放位置に位置している。ここでは、大気開放突起部13は、下記で説明するように、キャップ3が開口した状態、すなわち、弁体34が開位置にある状態で解放位置に位置し、キャップ3が閉鎖した状態、すなわち、弁体34が閉位置にある状態で閉塞位置に位置する。
次に、図15等を参照してインク供給ユニット1の動作を説明する。インク供給ユニット1の各構成については、適宜図9、図12、図13、図14、図15を参照する。なお、以下の説明では、回動レバー5の回動方向は、鉛直方向上側から視た際の方向として説明する。
インク供給ユニット1は、図15中、左列に記載されているように、インクタンク4にインクを補充する際には、まず、キャップ3が装着されたインク容器2が、当該キャップ3側から回動レバー5の円筒状部51に挿入される(セット開始)。図15中、中央列は、インク容器2のセットが完了し、回動レバー5を回動させる前の状態である(セット終了、回動レバー回動前)。このとき、回動レバー5は、図13に示すような状態にある。すなわち、回動レバー5は、この状態ではキャップ3に設けられた一対の案内突起部71がそれぞれ一対の案内凹部72の鉛直方向上側の開口に位置し、レバー部52が切り欠き部43内において、図13中向かって最右側に位置している。この状態では、インク容器2は、いまだインクタンク4に対しては固定されておらず取り外し可能な状態であり、弁体34は、閉位置に位置している。この状態では、インクタンク4は、キャップ3に装着されたOリング38とインク貯留空間部壁面41aとの間に隙間があいている状態であり、当該箇所で密閉された状態とはないっていない。また、この状態では、大気開放突起部13は、大気開放管10を押圧して閉塞させる閉塞位置に位置している。これにより、インク供給ユニット1は、大気開放突起部13によって、大気開放管10を介したインク貯留空間部41と大気との連通が遮断された状態となっている。したがって、この状態では、インク供給ユニット1は、インク容器2からインクタンク4へのインクの補充は行われない。
そして、インク供給ユニット1は、セット終了、回動レバー回動前の状態から、図13に示すように、回動レバー5を時計回り方向(固定方向)に回動させることで、Oリング38におけるシール性が維持された状態のまま、キャップ3、及び、インク容器2が回動軸線Xに沿った方向、ここでは、鉛直方向下側に向けて移動する。すなわち、キャップ3、及び、インク容器2は、回動軸線Xに沿ってインクタンク4のインク貯留空間部底面41bに設けられた開弁突起部8側に接近する方向に移動する。より詳細には、インク供給ユニット1は、回転止め機構6によってインク容器2、及び、キャップ3の相対回転が規制された状態で、回動レバー5を固定方向に回動させることで、当該回動レバー5の回動に伴って案内凹部72が案内突起部71を鉛直方向下側に押圧する。この結果、インク供給ユニット1は、インク容器2、及び、キャップ3の回転が規制された上で、当該案内突起部71が形成されたキャップ3、及び、これと一体のインク容器2が鉛直方向下側、すなわち、開弁突起部8に接近する方向に移動する。
そして、インク供給ユニット1は、図14に示すように、レバー部52が切り欠き部43内において、図14中向かって最左側に位置するまで回動レバー5を回動させることで、案内突起部71が案内凹部72の鉛直方向下端の水平部分まで案内される。インク供給ユニット1は、図15中、右列に記載されているように、この状態でインク容器2がキャップ3、及び、回動レバー5を介してインクタンク4に固定される(固定完了)。この状態で、インク供給ユニット1は、開弁突起部8が弾性体35の付勢力に打ち勝って弁体34を開位置に押し上げた状態となり、Oリング37におけるシールが解除された状態となっている。また、この状態では、インクタンク4は、キャップ3とインク貯留空間部壁面41aとの間がOリング38によって密閉された状態となる。さらに、この状態では、大気開放突起部13は、大気開放管10を解放させる解放位置に位置している。これにより、インク供給ユニット1は、大気開放突起部13によって大気開放管10を介したインク貯留空間部41と大気との連通が解放された状態となっている。この結果、インク供給ユニット1は、Oリング38によって、インク容器2とインクタンク4との連結部分が密閉状態とされていても、インク容器2内のインクが、弁体34と開口33との隙間を介して、インクタンク4のインク貯留空間部41に補充される(充填開始)。なお、この状態では、インク供給ユニット1は、インク貯留空間部壁面41aに形成された円環板状の段付部41cと、キャップ3の円環板状部31cとが鉛直方向に対向して接触している。
一方、インク供給ユニット1は、インクタンク4からインク容器2を取り外す場合には、回動レバー5を上記とは逆方向に回動させる。すなわち、インク供給ユニット1は、インク容器2がインクタンク4に固定された状態から、図14に示すように、回動レバー5を反時計回り方向(解除方向)に回動させることで、キャップ3、及び、インク容器2が回動軸線Xに沿った方向、ここでは、鉛直方向上側に向けて移動する。この結果、キャップ3、及び、インク容器2は、回動軸線Xに沿って開弁突起部8から離間する方向に移動する。より詳細には、インク供給ユニット1は、回転止め機構6によってインク容器2、及び、キャップ3の相対回転が規制された状態で、回動レバー5を解除方向に回動させることで、当該回動レバー5の回動に伴って案内凹部72が案内突起部71を鉛直方向上側に押圧する。この結果、インク供給ユニット1は、インク容器2、及び、キャップ3の回転が規制された上で、当該案内突起部71が形成されたキャップ3、及び、これと一体のインク容器2が鉛直方向上側、すなわち、開弁突起部8から離間する方向に移動する。これにより、インク供給ユニット1は、開弁突起部8による弁体34の押圧が解除され、弾性体35の付勢力によって当該弁体34が閉位置に押し戻される。この結果、インク供給ユニット1は、Oリング37におけるシールが復旧され、弁体34と開口33との隙間を介したインクの補充が停止される。そして、インク供給ユニット1は、図13に示すように、レバー部52が切り欠き部43内において、図13中向かって最右側に位置するまで回動レバー5を回動させることで、インクタンク4からインク容器2、及び、キャップ3を取り外すことができる。この状態では、上述の図13の説明と同様、大気開放突起部13は、大気開放管10を押圧して閉塞させる閉塞位置に位置している。これにより、インク供給ユニット1は、大気開放突起部13によって大気開放管10を介したインク貯留空間部41と大気との連通が遮断された状態となっている。これにより、インク供給ユニット1は、インクタンク4からインク容器2、及び、キャップ3を取り外した際に、大気開放管10に残留していたインクが、インクタンク4側に流れ込むことを抑制することができる。
つまり、このインク供給ユニット1は、レバー部52を固定方向に動かした場合は、インク容器2のインクタンク4への固定、大気開放管10の開放(大気開放突起部13の解除)、弁体34と開弁突起部8との接触に応じた隙間形成によるインクの供給開始という、1回のレバー部52の操作で3つの機能を果たす事が可能となる。逆に、このインク供給ユニット1は、レバー部52を解除方向に動かした場合には、インクタンク4からのインク容器3の取り外し、大気開放管10の閉鎖(大気開放突起部13の設定)、弁体34と開放突起部8との離間によって隙間が閉ざされインク供給が停止されるという、1回のレバー部52の操作で3つの機能を果たす事が可能となる。したがって、このインク供給ユニット1は、インク容器2の脱着の操作性を向上させる事ができ、また、ユーザーの作業のバラツキも抑制することができる。
上記のように構成されるインク供給ユニット1は、インクジェットプリンタ100A、100B、100Cは、インク容器2と共にキャップ3が回動レバー5に挿入され、回転止め機構6によってインク容器2、及び、キャップ3の回転が規制された状態で、回動レバー5を回動させ、当該回動運動を変換機構7によってインク容器2、及び、キャップ3の直線運動に変換しインクタンク4側に接近させることで、開弁突起部8によって、キャップ3に設けられた弁体34を開弁させ、インク容器2のインクをインクタンク4へ補充することができる。また、インク供給ユニット1は、回動レバー5を上記とは逆に回動させ、インク容器2、及び、キャップ3をインクタンク4側から離間させることで、キャップ3に設けられた弁体34を閉弁させ、インクタンク4へのインクの補充を終了することができる。この結果、インク供給ユニット1は、インクタンク4へインクを補充する際の作業性を向上することができる。
例えば、インク供給ユニット1は、上述のようにインク容器2をインクタンク4にセットし、回動レバー5を回動させることでインクの補充開始、補充終了を実行することができるので、インク容器2とキャップ3とが相対回転することを抑制した上でインク容器2からインクタンク4へのインクの補充を完了することができる。これにより、インク供給ユニット1は、インクの補充作業中に、キャップ3が緩むことを抑制しインク漏れが発生することを抑制することができるので、インク容器2からインクタンク4へ安全にインクを供給することができる。また、インク供給ユニット1は、回動レバー5を回動させることで、インク容器2とインクタンク4の脱着作業を行うことができるので、安全かつ機械的に脱着作業を行うことができるので、ユーザーに応じた作業のばらつきを低減することができ、この点でも作業性を向上することができる。
また、インク供給ユニット1は、インク容器2をインクタンク4に脱着する際の回動レバー5の回動動作に連動して、大気開放突起部13によって大気開放管10を閉塞、あるいは、解放することができる。この結果、インク供給ユニット1は、インクの補充の際には確実にインクタンク4を大気開放して適正にインクを補充することができ、これにより、フロートセンサ14の検出結果に基づいてインクタンク4内のインクの残量管理を適正に行うことができると共に、インク容器2を取り外す際には大気開放管10内のインクがインクタンク4内に流れ込むことを確実に抑制することができる。
そして、本実施形態のインク供給ユニット1は、上記のように、インク容器2がインクタンク4に保持された状態で、大気開放管10が少なくともインクタンク4内のインクが外部に流出しないようにインク容器2の鉛直方向上側まで延在していることで、各種インク容器2を当該インク供給ユニット1に適用できるように、汎用性を向上させることができる。
以下、図16、図17、図18を参照して、各方式のインク容器2におけるインク液面の変化について説明する。
まず、図16は、インク供給ユニット1に密閉型インクボトル方式のインク容器2Aが適用された場合のインク液面の変化を表している。インク供給ユニット1は、インク容器2Aからインクタンク4にインクが供給される状態では、大気開放管10を介したインク貯留空間部41と大気との連通が解放された状態となっている。密閉型インクボトル方式のインク容器2A内のインクは、インクタンク4に供給される際には、大気開放管10、インク貯留空間部41等を介して導入される大気と置換されて徐々に液面が低下していく。このとき、密閉型インクボトル方式のインク容器2Aは、基本的には剛体であるのでこのインク容器2A自体が大気圧の影響を受けて萎んでいくことはない。つまり、密閉型インクボトル方式のインク容器2Aの場合、当該インク容器2Aからインクタンク4にインクを補充する際には、インク容器2A内のインクと大気とが置換されていくことで、当該インク容器2Aからインクタンク4にインクが流れていき、インク容器2A内のインクの液面が徐々に低下していくことになる。そして、インク貯留空間部41内のインクがキャップ3の先端(鉛直方向)近傍まで溜り、インク貯留空間部41がフル(満杯)になると、インク容器2A内のインクと大気との置換が一旦停止し、以降、インク貯留空間部41内のインクが減るごとに当該インク容器2Aからインクタンク4にインクが流れていくようになる。この場合、インク容器2Aが所定の剛性を有しており大気圧の影響によって押し潰されることがないことから、大気開放管10は、必ずしもインク容器2Aの鉛直方向上側まで延在している必要はなく、インクタンク4内よりも少し高い位置まで延在していれば、大気開放管10の開口からインクが溢れることはない。しかしながらここでは、このインク供給ユニット1は、上記のように他の種類のインク容器2B、2Cも適用できるように汎用性を高めるべく、大気開放管10が当該インク供給ユニット1に適用可能なインク容器2の鉛直方向上側まで延在されている。
次に、図17は、インク供給ユニット1にアルミパック方式のインク容器2Bが適用された場合のインク液面の変化を表している。アルミパック方式のインク容器2Bは、インクタンク4にインクを供給していくと、アルミパックが大気圧の影響によって徐々に萎んでいく。そして、当該アルミパック方式のインク容器2Bが大気圧に押されて萎んだ分、インク貯留空間部41内のインクが大気開放管10側に流れ込んでいく。大気開放管10側に流れ込んだインクは、当該大気開放管10側からも大気圧で押されているので、最終的には圧力がつり合い、アルミパック方式のインク容器2B、及び、当該インク容器2B内のインクの液面高さと、大気開放管10内のインクの液面高さとがほぼ同等の高さになる。この場合、このインク供給ユニット1は、大気開放管10内のインクの液面高さが最高でもインク容器2Bの高さを超えることはないので、大気開放管10がインク容器2Bの鉛直方向上側まで延在されていることで、当該大気開放管10の開口からインクがオーバーフローすることを防止し、当該大気開放管10からインクが流出することを防止することができる。そして、以降は、インク貯留空間部41内のインクが減るごとに当該インク容器2Bからインクタンク4にインクが流れていき、当該インク容器2B内のインクの液面高さと、大気開放管10内のインクの液面高さとがほぼ同様に降下していく。
図18は、インク供給ユニット1に大気開放型(継ぎ足し型)インクボトル方式のインク容器2Cが適用された場合のインク液面の変化を表している。大気開放型インクボトル方式のインク容器2Cにおけるインク液面の変化は、インク容器2C自体が所定の剛性を有していることから、このインク容器2C自体が大気圧の影響を受けて萎まないこと以外は、アルミパック方式のインク容器2Bの場合とほぼ同様である。大気開放型インクボトル方式のインク容器2Cは、インクタンク4にインクを供給していくと、大気に開放されているインク容器2C内のインクの液面が徐々に低下していく。そして、大気圧の影響でインク貯留空間部41内から大気開放管10側に流れ込んだインクは、当該大気開放管10側からも大気圧で押されているので、最終的には圧力がつり合い、当該インク容器2C内のインクの液面高さと、大気開放管10内のインクの液面高さとがほぼ同等の高さになる。この場合も、上述のアルミパック方式のインク容器2Bの場合と同様に、このインク供給ユニット1は、大気開放管10内のインクの液面高さが最高でもインク容器2Cの高さを超えることはないので、大気開放管10がインク容器2Cの鉛直方向上側まで延在されていることで、当該大気開放管10の開口からインクがオーバーフローすることを防止し、当該大気開放管10からインクが流出することを防止することができる。そして、以降は、インク貯留空間部41内のインクが減るごとに当該インク容器2Cからインクタンク4にインクが流れていき、当該インク容器2C内のインクの液面高さと、大気開放管10内のインクの液面高さとがほぼ同様に降下していく。なお、大気開放型インクボトル方式のインク容器2Cは、インクを継ぎ足すとき以外は継ぎ足し用の開口に蓋を装着しておくものもあるが、密閉状態ではないので、上記とほぼ同様の動作となる。
したがって、上記のように、インク供給ユニット1は、インク容器2がインクタンク4に連結された状態で、大気開放管10が少なくともインク容器2の鉛直方向上側まで延在していることで、汎用性を向上することができ、各種インク容器2に対して当該インク供給ユニット1を共通化することができるので、例えば、製造コストの削減を実現することができる。
例えば、上記インクジェットプリンタ1100A、100B、100Cは、安定なインク供給を行うために、インクタンク4内の圧力を一定の範囲内に保っておかなければ、インクタンク4の内部と外部との圧力差のバランスが崩れ、円滑なインク供給が阻害され、結果として、インク吐出量の正確な制御に影響がでるおそれがある。これに対し、インクジェットプリンタ1100A、100B、100Cは、インクタンク4に開口部45、及び、大気開放管10が設けられることで、インクタンク4内の圧力が極端に高くなったり、低くなったりする事を防止することができる。この場合、例えば、継ぎ足しタイプのインク容器2Cは大気開放されているため、実際にはインクタンク4に大気開放管10を設ける必要はないが、本実施形態では、上記の構成により各種インク容器2に対してインク供給ユニット1を共通化することができるため、密閉系のインク容器2A、アルミパックのように容器変形するインク容器2B、開放系のインク容器2Cに応じて、それぞれにその機種専用のインクタンク4、更には専用のインク供給ユニット1を設けなくてもよく、これにより、設備コストの増大を抑制することができる。
以上で説明した実施形態に係るインクジェットプリンタ1100A、100B、100Cによれば、液体(インク)を貯留する液体貯留容器(インク容器2)と、液体貯留容器との連結部分が密閉状態とされ、当該液体貯留容器から供給される液体を貯留すると共に液体貯留容器の鉛直方向下方側に配設される液体タンク(インクタンク4)とを有し、液体タンクからインクジェットヘッドに液体が供給されるように構成されたインクジェット印刷装置において、液体タンクは、当該液体タンクの内部と外部とを連通して大気側に開口する開口部45を有すると共に、当該開口部45には、当該液体タンクの内部と大気とを連通する大気開放管10が設けられ、大気開放管10は、液体貯留容器が液体タンクに連結された状態で、少なくとも液体タンク内の液体が外部に流出しないように液体貯留容器の鉛直方向上側まで延在している構成である。したがって、インク供給ユニット1は、インク容器2とインクタンク4との連結部分が密閉状態とされた上で、液体貯留容器(インク容器2)が液体タンク(インクタンク4)に連結された状態で、大気開放管10が少なくともインク容器2の鉛直方向上側まで延在していることから、各種液体貯留容器2が適用されても、大気開放管10からの液体の流出を確実に抑制することができるので、汎用性を向上することができる。
なお、上述した本発明の実施形態に係るインクジェット印刷装置は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
以上の説明では、凹部(案内凹部72)が回転部材(回動レバー5)側に設けられ、凸部(案内突起部71)がインク供給口(キャップ3)側に設けられるものとして説明したが、この逆であってもよい。また、以上の説明では、凹部は、案内凹部72、凸部は、案内突起部71であるものとして説明したが、それぞれ相互に螺合する雄ネジ溝、及び、雌ネジ溝であってもよい。
また、以上の説明では、液体貯留容器、液体タンクは、それぞれ液体としてのインクを貯留しインクジェットヘッドに供給するものとして説明したが、これに限らず、液体としての洗浄液を貯留しインクジェットヘッドに供給するものであってもよい。
なお、上記で説明したインクジェット印刷装置は、前記インク容器に装着され、当該インク容器に貯留されたインクが流出可能な開口、当該開口を開閉可能である弁体、及び、前記弁体を前記インク容器の内側から閉位置側に付勢する弾性体を有するキャップと、前記インクタンクに回動軸線を回動中心として回動自在に設けられた回動レバーと、前記キャップが装着された前記インク容器が当該キャップ側で前記インクタンクに保持された状態で、当該インクタンクに対する前記インク容器、及び、前記キャップの相対回転を規制する回転止め機構と、前記回動レバーの回動運動を、前記インク容器、及び、前記キャップの前記回動軸線に沿った方向の直線運動に変換する変換機構と、前記インクタンクの内部に設けられ、前記インク容器、及び、前記キャップの直線運動に伴って当該キャップが前記インクタンク側に接近した際に前記弁体を開位置側に押圧する開弁突起部と、前記インク容器が前記キャップと共に前記インクタンクに保持された状態で、前記キャップと前記インクタンクのインク貯留空間部を区画する壁面との間を密閉することで、前記インク容器と前記インクタンクとの接続部分を密閉状態とする封止手段とを備えるものであってもよい。