図1は、本発明の一形態に係るゲーム機の全体図である。ゲーム機1は、多数のプレイヤにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗等の所定の施設に設置される。この種のゲーム機1は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。また、ゲーム機1は、メダルを利用する、いわゆるメダルゲーム機である。ゲーム機1は、センターユニットCNと、センターユニットCNの周囲に配置された複数のステーションユニットSTとを備えている。センターユニットCNは、ゲーム機1の中央に配置され、ステーションユニットSTのゲーム結果に応じた各種のゲームを実行する。ステーションユニットSTは、センターユニットCNの周りに配置される。一例として、8台のステーションユニットSTがセンターユニットCNを挟んで4台ずつ両側に配置される。ステーションユニットSTは、メダルを利用したいわゆるプッシャーゲーム、及びそのプッシャーゲームのゲーム結果に応じたデジタル抽選ゲームを実行する。各ステーションユニットSTには、プレイヤが操作する操作手段としての操作部2と、プレイヤの操作に応じてゲームが進行するゲームフィールドGFとが設けられ、ゲームフィールドGFに投入されるメダルMの物理的移動を利用してゲームが進行する。ゲームフィールドGFで提供されるメダルゲームの詳細は後述する。
図2はステーションユニットSTの上面図、図3は図2のIII−III線で切断した断面図である。また、図4A及び図4Bは図3の一部を拡大した要部拡大図である。なお、図2及び図3では、説明の便宜上、適宜の部材を省略している。ステーションユニットSTの操作部2には、メダルMをゲーム機1に投入するメダル投入口11と、投入したメダルMをゲームフィールドGFへ供給するメダル供給部12と、獲得したメダルMを払い出すメダル払出口13とが設けられている。メダル投入口11へ投入されたメダルMは、図示しないメダル検出センサにて検出され、検出されたメダルMの個数がクレジットとして記憶部53に記録される。メダル供給部12には、供給コントローラ12aと、供給方向を調整する調整ハンドル12bとが設けられている。供給コントローラ12aは、水平方向に設けられた回転軸の回りを回転するように構成される。供給コントローラ12aの回転量に応じて、ゲームフィールドGFのメダル供給レール21からメダルMが供給される。調整ハンドル12bは、メダル供給レール21の向きを調整するものである。
ゲームフィールドGFには、メダルMを供給するメダル供給レール21と、メダルM及び遊技動体としてのボールBが載置されるテーブル22と、ゲームフィールドGFのフィールド面としてのテーブル22の上面に沿って前後に移動可能な可動部材としてのプッシャーテーブル23と、テーブル22の前端に位置し、メダルM及びボールBが落下する落下部24と、テーブル22にボールBを供給するボール供給路25と、プッシャーテーブル23とともに、ボールBを到達位置P1〜P3まで案内する案内経路GPを形成する経路形成部材26と、メダルMを検知する複数のチェッカー27と、モニタ28とが設けられている。なお、案内経路GPの詳細については後述する。メダル供給レール21は、供給コントローラ12aの操作に応じて図示しないメダルホッパーから供給されたメダルMをゲームフィールドGFへ案内する。メダルホッパーの構成は、周知技術を利用してよい。
プッシャーテーブル23は、プッシャーテーブル23を前後方向に駆動する駆動機構29(図8)により前後方向に往復運動される。駆動機構29は、メダルM及びボールBを押し出す押出位置Paと、退避位置Pbとの間で往復運動するようにプッシャーテーブル23を駆動する。駆動機構29は周知技術を利用して構成されてよい。プッシャーテーブル23の前方部には、前方へせり出すようにして傾斜面23aが形成される。傾斜面23aには、メダルMを検出する複数のチェッカー27が設けられている。チェッカー27は、傾斜面23aに設けられた貫通孔23bを通過するメダルMを検出する。チェッカー27に進入したメダルMは、テーブル22に落下する。なお、チェッカー27として、光電センサ等の周知技術を利用してよい。
テーブル22には、テーブル22の上面を仕切る境界部材30が設けられている。一例として、図2に示すゲームフィールドGFには、2つの境界部材30が設けられている。境界部材30は、テーブル22の上面を前後方向に移動するボールBの移動経路としての複数のレーンL1〜L3(特に区別する必要がない場合、参照符号Lで代表することがある。)を形成する。各レーンL1〜L3は、ボールBが前後方向に移動可能な幅を有している。各レーンL1〜L3に沿って、各レーンL1〜L3を通過するボールBの位置を検出するフィールド検出手段としての複数のボール検出センサ31が設けられている。ボール検出センサ31は、一例として発光部31a及び受光部31bが一組となった赤外線センサで構成される(図6参照)。各レーンL1〜L3の両側にそれぞれ発光部31aと受光部31bとが等間隔に設置され、各レーンL1〜L3の進行方向と垂直な方向に複数の赤外線(図6のレーンL3の破線)が発光する。ボール検出センサ31の検出結果に基づいてボールBの位置が判別される。なお、レーンL1とレーンL2の境界及びレーンL2とレーンL3の境界にそれぞれ配置される発光部31a及び受光部31bは、境界部材30の一部として構成される。
レーンL1には、ボールBの移動を制限するブロッカー32が設けられている。図5は、図2のブロッカー32を拡大した要部拡大図である。ブロッカー32には、ボールBに接触してその移動を制限する制限部材32aと、制限部材32aを制限位置Psと退避位置Ptとの間で駆動するソレノイド32bとが設けられている。ソレノイド32bは、内蔵されたソレノイドコイルの励磁及びその励磁の解除により、制限部材32aを制限位置Psと退避位置Ptとの間で往復駆動させる周知の機構である。制限部材32aは、テーブル22の前端部付近の上方で出没し、ボールBが落下部24に落下することを阻止する。テーブル22上でボールBが移動する移動領域に制限位置Psが位置することでボールBに接触し、移動を制限できる。ブロッカー32の駆動は、ステーションユニットSTやセンターユニットCNのゲーム結果やプレイヤの操作等に応じて制御される。ボールBの移動を制限することで、ボールBが落下部24に落下することなくテーブル22に留まる。
プッシャーテーブル23には、案内経路GPから供給されるボールBを複数のレーンL1〜L3のいずれかのレーンLに振り分ける振分け部材33が取り付けられている。振分け部材33は棒状の部材で、境界部材30とプッシャーテーブル23との間に亘って設けられている。一例として、振分け部材33の一方の端部がプッシャーテーブル23に固定され、他方は移動可能に境界部材30に支持されている。これにより、振分け部材33はプッシャーテーブル23とともに往復運動する。振分け部材33は、プッシャーテーブル23が退避位置Pbまで移動したときに生じるスペースを区切り、案内経路GPから落下したボールBをいずれかのレーンLに振り分ける。
テーブル22の前端から落下部24へメダルMが落下すると、落下した枚数に応じてメダル払出口13からメダルMが払い出される。あるいは、記憶部53にクレジットとして記録するようにしてもよい。所定のゲーム条件を満たすと、供給機構としてのボール供給機構34からボールBが供給され、ボール供給路25を介してテーブル22に案内される。ボール供給路25には、案内されるボールBを検出する供給検出手段としての供給検出センサ25aが設けられている。供給検出センサ25aは、光電センサや接触センサ等の周知技術を利用してよい。ボール供給機構34は、周知技術を利用して構成されてよい。ボールBが落下部24へ落下すると、落下したボールBの価値に応じて抽選ゲームやメダルMの払い出しが実行される。モニタ28は、例えば液晶ディスプレイ装置等の周知のディスプレイ装置で構成され、様々な抽選ゲームの表示や演出、各種情報等を表示する。
ゲームフィールドGFの上方には、ゲームフィールドGFに画像を投影するプロジェクタ35が設けられている。プロジェクタ35は、ゲームフィールドGF上に設定される投影領域に画像(映像を含む。)を投影する。テーブル22に供給されるボールBは白色の素材で構成され、プロジェクタ35により画像が投影される。ボール検出センサ31の検出結果に基づいてボールBに画像が投影される。プロジェクタ35は周知技術を利用してよい。ゲームフィールドGFには、ボールB以外にも白色のスクリーン部材36a、36bが配置され、適宜の画像が表示される。また、境界部材30の上部に配置されるスクリーン部材36cにも適宜の画像が表示される。
図1に戻って、センターユニットCNの説明をする。センターユニットCNには、抽選機構41とモニタ42とが設けられている。抽選機構41は、複数の抽選穴が設けられ、いずれかの抽選穴にボールが進入する物理的なルーレット抽選機構である。なお、抽選機構41は物理的抽選機構でなくともよく、モニタ42のみで構成される電子的抽選機構であってもよい。センターユニットCNで実行される抽選は、ルーレット抽選の他にスロット抽選やビンゴ抽選等各種抽選が実行されてよい。また、各種ゲームが実行されてもよい。センターユニットCNは、適宜周知技術を適用して構成してよい。
図6は、ゲームフィールドGFの模式図である。図2〜6を参照してゲームフィールドGFでのメダルMの流れの概略を説明する。プレイヤは、貸与されるメダルMの枚数に応じてオペレータに料金を支払い、あるいは仮想通貨を消費する。プレイヤがメダル投入口11にメダルMを投入するとクレジットとしてカウントされ、記憶部53に記録される。プレイヤが、供給コントローラ12aを操作すると、回転量に応じてメダル供給レール21からメダルMがプッシャーテーブル23の上面に供給される。このとき、プレイヤが調整ハンドル12bを操作すると、メダル供給レール21の供給方向を調整することができる。プッシャーテーブル23の上面にあるメダルMの群は、プッシャーテーブル23の往復運動により押し出され、メダルMの群の一部は、テーブル22の上面に移動する。
テーブル22のメダルMの群上には、ボールBが載置されている。ボールBは、ゲーム進行に応じてテーブル22に供給され、いずれかのレーンLに進入する。ボール供給路25からゲームフィールドGFに供給されたボールBがいずれかのレーンLに進入し、ボール検出センサ31にてボールBが検出されると、プロジェクタ35によりボールBに価値が表示される。プッシャーテーブル23の往復運動によりメダルMの群が押し出され、メダルMの群の移動に付随してボールBも移動する。落下部24に落下したメダルMは、メダル払出口13から払い出される。あるいは、クレジットとして記録される。メダルMがチェッカー27に進入すると、メダルMの検出結果に基づいてスロットゲーム処理が実行される。このスロットゲームは、モニタ28に表示される。スロットゲームに当選し、一例としてプレイヤにメダルMの配当が生じると、配当に相当する数のメダルMが図示しないメダル供給口からゲームフィールドGFに払い出される。また、スロットゲームに当選したときの特典として、ゲームフィールドGFに様々なボールBを供給してもよい。
テーブル22上のボールBには、ボールBの価値に関する情報を示す画像がプロジェクタ35により投影される。ボールBには、例えば、種類や属性、性質、特典等のゲーム進行に影響する価値が設定される。具体的には、落下部24に落下することによりゲームフィールドGFにメダルMを供給するメダルボールB1や、センターユニットCNでの抽選を実行する抽選ボールB2、チャンスゲーム(例えば、ステーションユニットSTで実行される物理抽選や電子抽選等の各種ゲーム)を実行するチャンスボールB3、センターユニットCNでのジャックポット抽選を実行するJPボールB4等がある。これらは一例であり、ゲームに応じて適宜の種類のボールBを設けてよい。ボール検出センサ31により各ボールBの位置が検出され、ボールBの移動に応じて投影される画像も移動する。ボールBは、テーブル22に載置されている間に価値が変化する。ボールBの価値は、テーブル22の上面でのボールBの配置や、ゲーム進行に応じて変化する。例えば、いずれかのレーンLにボールBが3つ並ぶ等のボールBの配置による場合、ボール検出センサ31の検出結果に基づいてボールBの価値を変化させる。ステーションユニットSTで実行されるスロットゲーム等のゲーム進行による場合、ゲーム結果に応じてボールBの価値を変化させればよい。また、レーンL1にはブロッカー32が設けられているので、図6に示すように制限部材32aを制限位置Psに位置させることでボールBをテーブル22上に留めることができる。そうすると、ボールBは、価値変化の対象となり続け、プレイヤが所望する価値まで変化させることができる。
図7A〜図7Dは、ゲームフィールドGF上のボールBの動きを説明する図である。図7A〜図7Dを参照して、所望のレーンLにボールBを投入させる仕組みを説明する。ゲーム機1では、ゲームフィールドGFに供給されるボールBは、いずれかのレーンLに進入することになるが、進入するレーンLを選択することができる。つまり、所望のレーンLにボールBを進入させることができる。
ステーションユニットSTで実行されるスロットゲームの結果等により、ゲームフィールドGFにボールBを供給することが決定されると、プッシャーテーブル23は押出位置Paで停止して経路形成部材26とともに案内経路GPを形成する。案内経路GPは、プッシャーテーブル23の傾斜面23aと経路形成部材26との間で形成され、ボールBを案内する経路である。案内経路GPを形成するプッシャーテーブル23の傾斜面23aと経路形成部材26との幅はボールBの直径未満となるように構成され、ボールBは傾斜面23aと経路形成部材26とに支持されながら移動する。
ボール供給機構34からボールBが供給されると、ボールBはボール供給路25に案内される。このとき、供給検出センサ25aによってボールBが検出される。ボールBは案内経路GPに進入し(図7A参照)、到達位置(図7BではP2)に到達すると(図7B参照)、供給検出センサ25aの検出タイミングに応じてプッシャーテーブル23の停止が解除される。プッシャーテーブル23が退避位置Pbに向かって移動すると案内経路GPが消失する。そうすると、ボールBはテーブル22に落下し(図7C参照)、プッシャーテーブル23に押し出されていずれかのレーンLに進入する(図7D参照)。各レーンL1〜L3を区分するように振分け部材33が設けられているので落下したボールBはいずれかのレーンLに進入できる。
プッシャーテーブル23の停止が解除されるタイミングは、供給検出センサ25aの検出されたタイミングからの経過時間による。ボール供給路25は傾斜しているため、ボールBは、供給検出センサ25aで検出されるタイミングで所定速度になっている。このため、案内経路GPを移動するボールBが、レーンL1に投入するための到達位置P1、レーンL2に投入するための到達位置P2、レーンL3に投入するための到達位置P3にそれぞれ到達するタイミングは毎回同じになる。供給検出センサ25aの検出されたタイミングからの経過時間を停止解除時間として設定することで各到達位置P1〜P3にボールが到達したときに案内経路GPを消失させ、所望のレーンLに導くことができる。ボールBは所定の速度で案内経路GPに進入するので、到達位置P1〜P3はボールBがテーブル22に落下する位置よりも手前に設定される。停止解除時間は、ボールBの速度と案内経路GPの各到達位置P1〜P3に応じて適宜設定すればよい。
図8は、ゲーム機1の制御系の構成を示す機能ブロック図である。ゲーム機1には、センターユニットCN及び各ステーションユニットSTの動作を管理するユニット管理部51が設けられている。ユニット管理部51は、各ステーションユニットSTのゲーム結果に応じてセンターユニットCNのゲームを実行し、また、対応するステーションユニットSTのゲーム進行にセンターユニットCNのゲーム結果を反映させる。なお、図8では、センターユニットCNの図示を省略しているが、周知技術を利用して構成されている。
各ステーションユニットSTには、ステーション制御部52と、記憶部53とが設けられている。ユニット管理部51及びステーション制御部52は、ゲーム機1のハードウエア(CPU及びその内部記憶装置としてのメモリを含む。)とソフトウエアとの組合せによって実現される論理的装置である。ステーション制御部52は、各ステーションユニットSTに設けられボール供給路25を移動するボールBを検出する供給検出センサ25a、プッシャーテーブル23を駆動する駆動機構29、テーブル22上のボールBを検出するボール検出センサ31、プロジェクタ35等とそれぞれ接続され、ステーションユニットST毎にゲーム進行に必要な信号やデータを送信あるいは受信する。ステーション制御部52は、他にもゲーム実行や設定に必要な各種センサ、機構、部材等と接続され、信号やデータの送受信や、動作を制御したりしている。
記憶部53は、磁気記憶媒体、光学記憶媒体、EEPROMといった不揮発性の記憶媒体を含む装置である。記憶部53には、ゲーム機1でゲームを実行するためのゲームプログラム54と、プレイデータ55と、停止解除データ56とが記録されている。その他、ゲームの実行に必要な各種のデータが記憶されている。プレイデータ55には、プレイヤがプレイした各種ゲームの結果や取得したアイテム等のゲーム内容に関するデータが記録されている。図9は、停止解除データ56の一例を示す図である。停止解除データ56には、供給検出センサ25aの検出されたタイミングからの経過時間が停止解除時間として設定されている。案内経路GPを形成しているプッシャーテーブル23は、ボールBを投入したいレーンLの停止解除時間に基づいて停止を解除する。記憶部53には上記以外にもゲーム進行に必要な各種のデータが記録されている。
ステーション制御部52が記憶部53に記憶されたゲームプログラム54を読み取って実行することにより、ステーション制御部52の内部には論理的装置としてのゲーム実行部57及び動作制御部58が設けられる。ゲーム実行部57は、ゲームの進行に必要な各種の処理を実行する。動作制御部58は、ゲーム進行に応じてプッシャーテーブル23を押出位置Paで停止させ、供給検出センサ25aがボールBを検出したときからの経過時間に基づいてプッシャーテーブル23の停止を解除し、駆動を再開する。経過時間は停止解除データ56を参照して決定される。なお、図8では、1つのステーションユニットSTを図示しているが、ゲーム機1には実際には同様の構成の複数のステーションユニットSTが設けられている。
図10は、ステーション制御部52の動作制御部58が実行する動作制御処理ルーチンを示すフローチャートである。動作制御処理は、プッシャーテーブル23の駆動を制御して案内経路GPを形成し、所望のレーンLにボールBを投入するための処理である。この処理は、ステーションユニットST又はセンターユニットCNのゲーム結果に基づいて、ゲームフィールドGFにボールBが供給されることが決定されると実行される。まず、動作制御部58は、ボールBを投入するレーンLを決定する(ステップS1)。ボールBを投入するレーンLの決定は、ゲーム結果に応じて指定されたいずれかのレーンLでもよいし、プレイヤがレーンLを指定してもよい。この間にゲームを盛り上げる所定の演出がされてもよい。投入するレーンLが決定すると、動作制御部58は、停止解除データ56を参照して、投入するレーンLの停止解除時間を取得し(ステップS2)、プッシャーテーブル23を押出位置Paで停止させるように駆動機構29を制御する(ステップS3)。押出位置Paでプッシャーテーブル23が停止することで、プッシャーテーブル23の傾斜面23aと経路形成部材26との間にはボールBを案内する案内経路GPが形成される。
動作制御部58は、ボール供給機構34を駆動させ、ボールBをボール供給路25に排出させる(ステップS4)。ボールBはボール供給路25を移動し、供給検出センサ25aがボールBを検出すると、動作制御部58は供給検出センサ25aからボールBの検出信号を受信する(ステップS5)。検出信号を受信した時刻から動作制御部58は計時を開始し(ステップS6)、取得した停止解除時間を参照し、停止解除時間になったか否かを判別する(ステップS7)。停止解除時間になると、動作制御部58は、プッシャーテーブル23の停止を解除して退避位置Pbに向けて駆動を開始し(ステップS8)、今回の処理を終了する。
例えば、レーンL2へボールBを供給する場合には、供給検出センサ25aでボールBが検出されてから2秒後にプッシャーテーブル23が動作を再開する。プッシャーテーブル23が動作すると、案内経路GPが消滅し、ボールBは落下する。停止解除データ56に設定されている時間は、各到達位置P1〜P3のそれぞれに到達するボールBの時間であり、落下したボールBは振分け部材26によりレーンL2に進入するように振り分けられる。
上述した処理によれば、ゲーム結果等に応じていずれかのレーンLにボールBが投入されることが決定されると(ステップS1)、案内経路GPを形成するようにプッシャーテーブル23を停止し(ステップS3)、ボール供給機構34からボールBが供給される(ステップS4)。供給検出センサ25aがボールBを検出すると(ステップS5)、検出した時刻から計時が開始され、停止解除時間になると(ステップS6)、プッシャーテーブル23の駆動が再開する(ステップS8)。プッシャーテーブル23の駆動を制御することで案内経路GPを形成し、ボールBが到達位置P1〜P3に到達するタイミングで案内経路GPを消失させることで所望のレーンLにボールBを投入することができる。なお、動作制御部58が実行するステップS3〜S8の処理が動作制御手段として機能する。
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、本形態では、プッシャーテーブル23を押出位置Paに位置させて案内経路GPを形成したが、これに限られない。例えば、退避位置Pbと押出位置Paとの間で、経路形成部材26との幅がボールBの直径未満となる任意の位置でプッシャーテーブル23を停止させてもよい。案内経路GPの幅が、ボールBの直径未満であればボールBはテーブル22に落下せずに案内される。この場合、プッシャーテーブル23を退避位置Pbに向かって移動させる形態の他、押出位置Paに向かって移動させてもよい。押出位置Paに向かって移動させる場合は、ボールBが前方へ押し出されるようになる。
また、案内経路GPを形成するための制御は、プッシャーテーブル23を停止させる形態に限られない。例えば、プッシャーテーブル23を往復運動させる押出位置Paと退避位置Pbとの領域のうち、経路形成部材26との幅がボールBの直径未満になる案内経路領域Aを押出位置Paと境界位置Pcとで規定すると、案内経路領域Aにプッシャーテーブル23の先端が位置する時間を調整してもよい(図6参照)。プッシャーテーブル23が往復運動するタイミングに応じてボール供給機構34がボールBを投入するタイミングを制御すればよい。そうすると、ボールBが案内経路GPに進入してから案内経路GPが消失するまでの時間を調整でき、ボールBの到達位置P1〜P3で案内経路GPが消失するように制御ができる。
上述した形態では、プッシャーテーブル23の前方部には傾斜面23aが設けられている例で説明したがこれに限られない。例えばプッシャーテーブル23の前端が延長されたプッシャーテーブル面で形成されるようにしてもよい。プッシャーテーブル23の前端がどのような形状であっても経路形成部材26との間でボールBの直径未満となる案内経路GPが形成される。またプッシャーテーブル23は、前後方向に往復運動する例に限られない。例えば、左右方向に往復運動してもよいし、上下方向に往復運動してもよい。隣接して設けられる経路形成部材26との間に案内経路GPを形成できれば適宜の構成としてよい。あるいは、テーブル22の上面に沿って一定の方向に移動する部材でもよい。
また、上述した形態では、供給検出センサ25aがボール供給路25を移動するボールBを検出するように設けられていたが、これに限られない。供給検出センサ25aは、ボールBがボール供給機構34から供給されて到達位置P1〜P3に到達するまでに移動する経路のいずれかの地点で検出されるように設けられていればよい。例えば、プッシャーテーブル23の傾斜面23aに設けられていてもよい。この場合、傾斜面23aに設けられたチェッカー27の貫通孔23bに光電センサ等の検出センサを設けるようにしてもよい。あるいは、経路形成部材26に設置してもよい。貫通孔23bや経路形成部材26に検出センサを設ける場合、各到達位置P1〜P3に対応するように複数の検出センサを設けてもよく、検出センサからの検出信号があるとプッシャーテーブル23の停止を解除するように制御すればよい。あるいは、ゲームフィールドGFの上方にゲームフィールドGFを撮像する撮像手段(例えば、カメラ)を設け、投入対象のボールBの位置を検出するようにしてもよい。ボール供給機構34でボールBを排出するための駆動をする際の信号を利用してもよい。
あるいは、プレイヤの操作タイミングでプッシャーテーブル23の停止を解除してもよい。図11は、ステーション制御部52の動作制御部58が実行する動作制御処理ルーチンの他の例を示すフローチャートである。動作制御部58は、プッシャーテーブル23を押出位置Paで停止させるように駆動機構29を制御し(ステップS11)、続いて、ボール供給機構34を駆動させ、ボールBをボール供給路25に排出させる(ステップS12)。動作制御部58は、操作部2に設けられた所定の操作部材(例えば、押しボタン)の操作を許可し(ステップS13)、プレイヤの操作があると(ステップS14)、その操作に基づいてプッシャーテーブル23の停止を解除して退避位置Pbに向けて駆動を開始し(ステップS15)、今回の処理を終了する。
上述した処理によれば、案内経路GPを形成するようにプッシャーテーブル23を停止し(ステップS11)、ボール供給機構34からボールBが供給される(ステップS12)。プレイヤのボール投入操作が許可されると(ステップS13)、プレイヤは所望のレーンLにボールBが落下するように操作部材を操作する(ステップS14)。この操作に基づいてプッシャーテーブル23の停止が解除され(ステップS15)、ボールBが落下する。プレイヤが操作を誤っても、振分け部材26が設けられているのでボールBはいずれかのレーンLに進入する。これにより、プレイヤに特定のレーンLを狙わせるゲームを提供することも可能である。また、この場合、プロジェクタ35を利用して操作タイミングをスクリーン部材36a〜36cに映し出すようにしてもよい。プレイヤの操作を補助することができる。また、図11の処理においては、プレイヤがボールBを投入するレーンLを決定できるので、ボールBの価値を確実に変化させたい場合にはブロッカー32が設置されたレーンL1を選択させ、ボールBをゲームフィールドGF上に留まらせることもできる。なお、図11の処理において、動作制御部58が実行するステップS11〜S15の処理が動作制御手段として機能する。
上述した形態では、案内経路GPの下方には振分け部材33が設けられていたが、振分け部材33は適宜の態様で構成してよい。例えば、振分け部材33がプッシャーテーブル23とともに往復運動せず、いずれかの部材に固定されていてもよい。テーブル22や境界部材30に固定されていてもよい。この場合、形状は棒状でもよいし、図12に示すようにプッシャーテーブル23側へ向かって細くなる三角形状の振分け部材33Aでもよい。固定する場合、プッシャーテーブル23の下部と衝突しないように対象部分に空間を設けるようにすればよい。
また、上述した形態では、案内経路GPの消失後、プッシャーテーブル23は往復駆動を再開する。ただし、ゲーム進行の都合により、例えば、ステーションユニットSTで所定のゲームが実行されている場合には、プッシャーテーブル23は案内経路GPを消失させた後、そのゲームの終了まで適宜の位置で停止する。供給検出センサ25aでボールBが検出された後、あるいはプッシャーテーブル23の停止を解除した後、所定時間内にボール検出センサ31でボールBの検出がない場合、レーンL1〜L3の入口付近でボールBが詰まっている可能性がある。これを防止するため、プッシャーテーブル23を複数回(一例として3回)往復運動させ、ボールBが確実にレーンLに進入するようにしてもよい。
上述した形態では、各レーンL1〜L3は、境界部材30により区切られているがこれに限られない。テーブル22の上面に凹凸を設け、ボールBを所定方向に移動させるようにしてもよい。また、境界部材30はゲームフィールドGFの前後方向に亘って設けられているが、これに限られず、適宜の方向に向けて設けてよい。また、遊技動体はボールに限られず、楕円体や円筒形等の適宜の形状であってもよい。
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明の一態様に係るゲーム機(例えば、図8に記載のゲーム機1)は、ゲームフィールド(例えば、図2に記載のゲームフィールドGF)のフィールド面(例えば、図2に記載のテーブル22の上面)に沿って移動可能な可動部材(例えば、図2に記載のプッシャーテーブル23)が設けられ、前記可動部材の移動に応じて前記ゲームフィールド上の遊技動体(例えば、図2に記載のボールB)を移動させるゲーム機であって、前記フィールド面に沿って移動するように前記可動部材を駆動する駆動機構(例えば、図8に記載の駆動機構29)と、前記ゲームフィールドに前記遊技動体を供給する供給機構(例えば、図2に記載のボール供給機構34)と、前記可動部材とともに、前記供給機構から供給される前記遊技動体を到達位置(例えば、図7Bに記載の到達位置P1〜P3)まで案内する案内経路(例えば、図7Aに記載の案内経路GP)を形成する経路形成部材(例えば、図7Aに記載の経路形成部材26)と、を備えたものである。
本発明のゲーム機によれば、可動部材の移動を利用して、経路形成部材との間に遊技動体を案内する案内経路を形成する。可動部材の動作と遊技動体の進入タイミングとを調整して必要なときに案内経路を形成すれば、所望の到達位置まで遊技動体を案内し、ゲームフィールドへの投入位置を変化させることができる。また、ゲームフィールドの可動部材を利用することで簡易な構成となり、部品点数が削減される。
本発明のゲーム機の一態様において、前記案内経路が形成された状態で前記可動部材を停止させ、前記到達位置に前記遊技動体が到達したときに前記可動部材の停止を解除するように前記駆動機構の動作を制御する動作制御手段(例えば、図8に記載の動作制御部58)をさらに備えてもよい。これによれば、可動部材の動作を制御することにより、案内経路が形成される期間を調整できるので、案内経路を移動する遊技動体の到達位置を変化させることができる。上記の態様においては、前記動作制御手段は、前記フィールド面の所定位置で前記可動部材を停止させるように前記駆動機構の動作を制御してもよい。
上記の態様において、前記供給機構から供給される前記遊技動体を検出する供給検出手段(例えば、図2に記載の供給検出センサ25a)を備え、前記動作制御手段は、前記供給検出手段の検出結果に基づいて、前記可動部材の停止を解除するように前記駆動機構の動作を制御してもよい。供給検出手段の検出結果により遊技動体が案内経路に進入するタイミングがわかるので、この検出結果に基づいて到達位置を変化させることができる。
上記の態様において、プレイヤの操作を受け付ける操作手段(例えば、図2に記載の操作部2)を備え、前記動作制御手段は、前記操作手段からの操作入力結果に基づいて、前記可動部材の停止を解除するように前記駆動機構の動作を制御してもよい。これによれば、遊技動体の到達位置はプレイヤの操作に応じて定まる。したがって、プレイヤに遊技動体を投入する位置を決定させることができる。
本発明のゲーム機の一態様において、前記案内経路の一部が、前記可動部材の前方部(例えば、図7Aに記載の傾斜面23a)で形成されていてもよい。また、この態様において、前記前方部には、斜面が形成されていてもよい。
本発明のゲーム機の一態様において、前記ゲームフィールドには、前記遊技動体を案内する複数の移動経路(例えば、図7Aに記載の複数のレーンL1〜L3)が設けられ、前記到達位置は前記複数の移動経路のそれぞれに対応して設定されてもよい。これによれば、遊技動体をいずれかの移動経路に投入することができる。
上記の態様において、前記案内経路は前記フィールド面の上方に形成され、前記フィールド面には、前記案内経路から供給される前記遊技動体を前記複数の移動経路のいずれかに振り分ける振分け部材(例えば、図7Cに記載の振分け部材33)が設けられていてもよい。これによれば、案内経路からフィールド面に移動した遊技動体をいずれかの移動経路に案内することができる。この態様において、前記複数の移動経路は、少なくとも1つの境界部材(例えば、図7Aに記載の境界部材30)によって区分され、前記振分け部材が、前記境界部材と前記可動部材との間に亘って設けられていてもよい。確実に遊技動体をいずれかの移動経路に進入させることができ、遊技動体の詰まりを防止することができる。本発明のゲーム機の一態様において、前記遊技動体がボール(例えば、図7Aに記載のボールB)であり、前記案内経路の幅が前記ボールの直径未満に設定されていてもよい。案内経路に沿ってボールが移動することができる。
本発明のゲーム機の一態様において、前記ゲームフィールド上の前記遊技動体を検出するフィールド検出手段(例えば、図6に記載のボール検出センサ31)が設けられ、前記動作制御手段は、前記フィールド検出手段からの検出が前記可動部材の停止を解除してから所定の時間内にない場合に、前記可動部材を所定回数往復運動するように制御してもよい。