図1は、本発明の実施の形態のスロットマシン1の外観を示す図である。
本実施形態のスロットマシン1は、前面が開放した箱形の筐体1aの内部に各種の機器が設けられるとともに、筐体1aの前面に、ヒンジ2a(図2参照)を介して前面扉2が左右方向への片開き形式に開閉可能に設けられている。前面扉2の上部には、遊技に応じて表示による演出や情報表示を行うメイン表示器(画像表示装置、表示手段)3、音による演出を行うスピーカ(上スピーカ、下スピーカ)4、光による演出を行う枠発光装置7(パイロットランプ7a、上側発光装飾部7b等)が設けられている。
メイン表示器3は、例えば液晶表示パネルで構成され、遊技に関する演出表示の他、様々な情報を表示する。そして、メイン表示器3における各種演出表示は、演出制御装置70(図9参照)によって制御される。また、メイン表示器3は、スピーカ4や枠発光装置7と比較して奥まった位置に配設されることで、前面側に矩形状の凹室が形成される。この矩形状の凹室は、前面側に開口部が形成され、その内部に演出空間部Rを有している。
演出空間部Rの左側壁部の裏面側には、左可動演出装置360が配置されている。また、演出空間部Rの右側壁部の裏面側には、右可動演出装置370が配置されている。左可動演出装置360及び右可動演出装置370には、可動部材が備えられており、いずれか一方又は両方の可動演出装置の可動部材が演出空間部Rを可動する演出を実行可能に構成されている。
前面扉2の中央部には、後方を視認できないようにするとともに装飾のための絵柄等が描かれた前面パネル9が配され、前面パネル9の中央部には後方を視認可能な(例えば、透明の)図柄表示窓9aが形成されている。
なお、前面パネル9を表示装置で構成してもよく、図柄表示窓9aの部分に画像を表示しない状態ではリール6を視認可能とし、主に図柄表示窓9aの周囲において遊技を演出する画像を表示する。この場合、リール6が停止した状態やリール6の停止操作を行うことができないフリーズ状態であれば、図柄表示窓9aの部分に遊技を演出する画像を表示することも可能である。
この図柄表示窓9a(窓部)を透して、筐体1a内に配設されたリール6の回転により変動表示される図柄を視認可能となっている。リール6は、円筒形の左リール6a、中リール6b、右リール6cが水平方向に並設されて構成されている。これらのリール(6a,6b,6c)の外周面には、長手方向に沿って複数の図柄が描画された短冊状のリールシール(シート)6dが巻き付けられることで、所定の配列に従って複数の図柄が配されている(図10参照)。また、各リール(6a,6b,6c)にはそれぞれ、ステッピングモータであるリール用モータ1〜3(64a,64b,64c(図9参照))が設けられており、各リール(6a,6b,6c)を独立して回転駆動ならびに回転停止することが可能となっている。すなわち、リール用モータ1〜3(64a,64b,64c)が各リール(6a,6b,6c)を駆動する電気的駆動源をなす。
リール用モータ64によりリール6を回転させることによって、図柄表示窓9aから視認される複数種類の図柄を、例えば上から下へと循環するように変動させる(変動表示)。一方、リール6が停止している状態では、各リール(6a,6b,6c)について、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄、つまり3×3の計9つの図柄が図柄表示窓9aを介して視認可能となっている。
また、リール6の裏面側であって、図柄表示窓9aから視認される3×3の図柄行列における各々の図柄停止位置の後方となる位置には、リールの後方から光を照射するバックライト67(図9参照)が設けられている。リール6は光を透過可能であって、バックライト67による光の照射態様を変化させることで光による演出を行うことが可能となっている。
前面パネル9の下部にはクレジット数表示部11、遊技進行表示部12、払出数表示部13、遊技状態表示部18及びベット数表示部19を視認可能な遊技進行用表示窓9cが形成されている。さらに、前面パネル9の右側にはサブ表示器(側部サブ表示装置、表示手段)310、高確率モード表示器320、低確率モード表示器330等を視認可能な液晶用表示窓9dが形成されている。
クレジット数表示部11は、メダル払出装置63(図9参照)により払い出さずにクレジットとして記憶されているメダル数を表示する。また、遊技進行表示部12は、遊技進行状態を表示する。また、払出数表示部13は、入賞成立時の払出枚数を表示する。これらの表示部(11,12,13)は、例えば7セグメントのLEDで構成され、その点灯状態によって各種情報を表示する。
遊技状態表示部18は、再遊技入賞(リプレイ入賞)が成立してリプレイゲームが付与されたことを示すリプレイ表示部と、遊技者がスタートレバー21を操作してからリール6が回転するまでに待ち時間があること(前回のゲーム開始から一定時間経過していないためにリール6の回転開始を待機している状態であること)を示すウェイト表示部と、当該スロットマシン1が遊技可能な待機状態であることを示し賭操作を促すインサートメダル表示部とで構成される。また、ベット数表示部19は、賭数の表示を行う。
サブ表示器310は、高確率モード表示器320及び低確率モード表示器330の前方に配設され上下動作可能となっている。高確率モード表示器320及び低確率モード表示器330の後方にはランプ(図示省略)が配設されており、当該ランプを発光させることにより、高確率モード表示器320及び低確率モード表示器330を間接的に発光させることができるようになっている。また、前面扉2の両側部には光による演出を行う枠発光装置7(中発光装飾部7c)が設けられている。
前面パネル9の左側上部にはベット数を示す1〜3の丸囲み数字が描かれた賭数表示部9eが設けられている。賭数表示部9eの後方には賭数表示ランプ(図示省略)が配設されており、この賭数表示ランプを発光させることにより、賭数表示部9eの所定の丸囲み数字を間接的に発光させる。また、前面パネル9の左側下部には多角形で囲まれたVの文字が描かれた一発告知表示部9fが設けられている。一発告知表示部9fの後方には一発告知ランプ(図示省略)が配設されており、この一発告知ランプを発光させることにより、一発告知表示部9fを間接的に発光させる。これにより特別入賞役が内部当選したことを報知可能となっている。さらに、一発告知表示部9fの下方には「タッチ」の文字が描かれたタッチ示唆表示部9gが設けられている。タッチ示唆表示部9gの後方には赤外線スイッチ83が配設されており、タッチ示唆表示部9gの近傍に遊技者が翳した手を検知することが可能となっている。
前面パネル9の下方には、前側に突出する段部が形成されており、この段部の上面は前面側下方に向かって傾斜する傾斜台部14となっている。この傾斜台部14には、メダル投入口15と、ゲームを進行させるための進行操作部としてのマックスベットボタン17と、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ10aを内蔵した演出操作部をなす演出ボタン10と、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作入力部スイッチ30cを内蔵した操作入力部30が設けられている。
メダル投入口15は、傾斜台部14における当該スロットマシン1の前面側から見て右側(前面扉2の開放端側)に配設されている。遊技者がこのメダル投入口15にメダルを投入して賭操作を行うことにより、ゲームが実行可能となる。このメダル投入口15から投入されたメダルが通過する経路には、メダルの通過を検出するメダル投入検出器922やメダル取込検出器925(図9参照)が設けられており、このメダル投入検出器922やメダル取込検出器925による検出情報をもとにメダルの投入枚数がカウントされる。
マックスベットボタン17は、傾斜台部14における当該スロットマシン1の前面側から見て左側に配設されている。マックスベットボタン17は、押圧操作を一度行うことでクレジットから賭数の上限数(例えば、3枚)まで入力できるが、クレジット数が上限数に満たない場合にはクレジット数を賭数として入力するようになっている。演出ボタン10は、傾斜台部14における中央に配設されており、遊技者が操作することによって、メイン表示器3や、後述するサブ表示器310における演出表示において遊技者の操作を介入させた演出が行われるようになっている。操作入力部30は、傾斜台部14の右側に配設されており、遊技者が操作することによって、サブ表示器310に表示されるメニュー画面から一の項目を選択して所望の表示(例えば、遊技の履歴情報等)がなされるようになっている。
操作入力部30は、上下左右に設けられた各選択ボタン30a,…と、各選択ボタン30a,…の中央に設けられた決定ボタン30bと、を備えている。
傾斜台部14の下方には、払戻ボタン20、スタートレバー21、返却ボタン22、リールストップボタン24、鍵穴23等が設けられている。払戻ボタン20は、メダル投入口15から投入されたメダルやマックスベットボタン17により賭数として入力されたメダル(賭メダル)又は入賞が成立することにより払い出されクレジットとして記憶されているメダル(貯留メダル)を受け皿27に返却させる指令を与える際に用いられる。なお、再遊技入賞(リプレイ入賞)の成立に基づく自動賭操作の後にメダル投入口15からメダルが投入された場合や、クレジットとして記憶可能な所定数を超えるメダルも流路切換機構(メダルセレクタ、メダル選別部)93を介して受け皿27に返却される。
スタートレバー21は、ゲームを進行させるための進行操作部をなし、一区切りのゲームを開始させるための操作レバーである。鍵穴23は、前面扉2を開く際、或いは当該スロットマシン1のエラー(例えば、ホッパーエラー)状態をリセットする際に鍵を差し込むためのものである。返却ボタン22は、メダル投入口15から投入されて流路切換機構(メダルセレクタ)93で詰まったメダルを受け皿27に返却させる際に用いられる。
リールストップボタン24は、ゲームを進行させるための進行操作部をなし、左リール6a、中リール6b及び右リール6cとそれぞれ1対1で対応付けられて設けられた、左リールストップボタン24a、中リールストップボタン24b及び右リールストップボタン24cで構成され、停止操作に応じて対応するリール(6a,6b,6c)の回転をそれぞれ停止させるためのものである。すなわち各リール6に対応して設けられ、リール6の回転を停止させるときに遊技者が操作する停止操作部をなす。これらのリールストップボタン(24a,24b,24c)は、例えば、有色半透明の樹脂部材等で形成されている。リールストップボタン(24a,24b,24c)の内部には、このリールストップボタン(24a,24b,24c)の操作により対応するリール6を停止可能な状態であるか否かを、発光態様により報知するためのストップボタンLED66(図9参照)がそれぞれ設けられている。
また、リールストップボタン(24a,24b,24c)は、左リールストップボタン24aよりも中リールストップボタン24bの方がボタンを押下したときの反発力が大きく、さらに中リールストップボタン24bよりも右リールストップボタン24cの方がボタンを押下したときの反発力が大きくなるように設けられている。すなわち、左、中、右の順にボタンが押し難くなるようになっている。これにより、推し易いボタンから操作をするように仕向けることができるので所謂変則押し(最初に中や右のボタンを操作するような停止操作)を抑制することができる。さらに、右リールストップボタン24cには、左リールストップボタン24aや中リールストップボタン24bよりも大きなボタンが用いられている。なお、遊技状態に応じて各リールストップボタンの反発力を変更するようにしてもよく、例えば、通常遊技状態では上記のような変則押しを抑制する一方で、特定遊技状態(AT状態、ART状態、CT状態等)では各リールストップボタンの反発力を均一にして変則押しを許容する。
また、これらの操作ボタン類が設けられた部分の下方には、前面扉2の下部領域を構成する装飾パネルユニット25が設けられている。さらに、装飾パネルユニット25の下方であって前面扉2の最下部には、灰皿26、メダルを貯留するための受け皿27、メダル払出口28、音声を出力するためのスピーカ4等が設けられている。
図2は、本発明の実施の形態のスロットマシンの筐体内部の構造を示す図である。
筐体内部の上部には、当該スロットマシン1全体を制御する遊技制御装置50が配設されている。また、筐体内部のほぼ中央には、リール載置部29が設けられ、リール載置部29の上に回転可能なリール(6a,6b,6c)を有する変動表示装置600が載置されている。本実施形態の変動表示装置600は、通常配設される位置よりも左寄りとなっている。これは変動表示装置600の右方にサブ表示器310(後述)が配設されるスペースを考慮したためである。変動表示装置600の右方には遊技制御装置50から外部の装置へ信号を出力するための外部信号出力端子33が設けられている。外部信号出力端子33から出力される信号は、例えば、アウト信号、セーフ信号、ボーナス及びリプレイに関する信号などである。
また、遊技制御装置50の右方には、前面扉2の開閉状態を検出する扉開閉検出スイッチ62と、上部ロック機構34aと、下部ロック機構34bが設けられ、遊技制御装置50の左方には、前面扉2の回動軸としてのヒンジ2aが設けられている。また、リール載置部29の両側部直下には、筐体の両側壁にそれぞれ設けられている把持開口を覆う開口カバー部材37a,37bが設けられ、開口カバー部材37bの近傍には前面扉2の閉鎖時の重量を受ける重量支持部38が設けられている。
さらに、筐体内部の下部には、メダル払出装置(ホッパー)63が配設されている。メダル払出装置63は、メダル投入口15から投入されて流路切換機構(メダルセレクタ)93により誘導されたメダルを受け入れて貯留するとともに、有効ライン上に所定の図柄組合せ態様が形成され入賞が成立した場合に、この入賞に対応する枚数のメダル(払出メダル)又は入賞成立に伴う加算によりクレジットの上限を超えた分のメダルを受け皿27に払い出す装置である。クレジット分のメダルは払戻ボタン20を操作することによりメダル払出装置63によって受け皿27に払い出される。
メダル払出装置63の右方には、このメダル払出装置63からオーバーフローして流入してくるメダルを貯留したり、流入してきたメダルを当該スロットマシン1が設置される設置島のメダル回収機構へ誘導したりするためのオーバーフロータンク69が設けられている。また、メダル払出装置63の左方には、制御装置や制御装置によって動作されるモータやランプなどの電子部品の電源を供給する電源装置40及び当該スロットマシン1の当選確率を例えば6段階の何れかに設定するための設定装置60が設けられている。この設定装置60とリール(6a,6b,6c)との間の部位には、電源スイッチ31等が設けられている。
図3は、本発明の実施の形態のスロットマシンの前面枠を示す斜視図である。図3には、導光パネル223、前面パネル9、及び装飾パネルユニット25を取り外した状態の前面扉2が示されている。図3に示されているように、前面扉2は、扉本体ユニット200と、扉本体ユニット200の上部に取り付けられる上部ユニット220と、扉本体ユニット200の下部に取り付けられる下部ユニット240と、を備えている。
扉本体ユニット200は、係合フック部材210,…を備えており、筐体1aに配設された上部ロック機構34a及び下部ロック機構34bと係合することにより、筐体1aの前面開口が閉じられるようになっている。また、扉本体ユニット200は、下部ユニット240の取付位置上方に装飾パネルユニット25を取り付けることが可能となっている。装飾パネルユニット25は、化粧パネル25aと、化粧パネル25aを支持するパネル支持フレーム25bと、化粧パネル25aを間接的に発光させるための蛍光灯25cと、を備えている。さらに、扉本体ユニット200は、傾斜台部14の上方に前面パネル9を取り付けることが可能となっている。
上部ユニット220は、メイン表示器3と、演出制御装置70と、パイロットランプ7aと、上側発光装飾部7bと、上スピーカ4と、導光パネル223と、左可動演出装置360と、右可動演出装置370と、を備えている。
上部ユニット220は、天井壁部と、底面をなす仕切り部と、左側壁部221と、右側壁部222(図5参照)とによって構成され、その背面にメイン表示器3及び演出制御装置70が配設されている。このように構成されることによって、所定の奥行きを有するとともに前側に開口した矩形凹室形状をなし、当該矩形凹室内に演出空間部Rを有している。
左側壁部221には左可動演出装置360が配置され、同様に、右側壁部222には右可動演出装置370が配置される(図5参照)。左可動演出装置360及び右可動演出装置370に備えられた可動部材(361,371)が演出空間部Rで動作することによって所定の演出を実行する。
導光パネル223は、上部ユニット220の前面開口部を塞ぐようにして取り付けられるようになっており、メイン表示器3の前方に配設されるようになっている。また、導光パネル223は、透明なアクリル板であり、通常時は導光パネル223の後方に配設されたメイン表示器3による演出表示等を視認可能となっているが、導光パネル223の端面から入射させた光を導光パネル223の左側領域、右側領域、及び中央領域に形成された文字部分で導光パネル223の前方に反射させることにより、当該文字部分を間接的に発光させることが可能となっている。
さらに、図示は省略するが、導光パネル223の上端に沿って光源が配設されており、当該光源から出た光を導光パネル223の側部(上側部)から入射させ導光パネル223の前面から出射させることにより、導光パネル223に形成された文字部分(発光領域)を間接的に発光させることが可能となっている。なお、導光パネル223の上端に沿って設けられた光源はフルカラーLEDであり、左側領域、右側領域、及び中央領域に形成された文字部分(発光領域)をそれぞれフルカラーで発光させることが可能となっている。
下部ユニット240は、前面扉2の最下部を構成するユニットであり、灰皿26、メダルを貯留するための受け皿27、メダル払出口28、音声を出力するための下スピーカ4、メダル払出口からのメダルの払出を報知するための払出報知ランプ16等を備えている。
図4は、本発明の実施の形態の前面パネル9の右側の部分拡大図である。(A)は、サブ表示器310が上端位置まで移動した状態を示す図であり、(B)は、サブ表示器310が下端位置まで移動した状態を示す図である。
図4(A)に示されているように、サブ表示器310が通常位置から上端位置に移動すると、それまでサブ表示器310の後方に隠れていた「CHANCE」の文字が描かれた第1期待度表示部340が視認可能となる。このとき、第2期待度表示部350は遮蔽されたままである。
一方、図4(B)に示されているように、サブ表示器310が通常位置から下端位置に移動すると、それまでサブ表示器310の後方に隠れていた「激アツ」の文字が描かれた第2期待度表示部350が視認可能となる。このとき、第1期待度表示部340は遮蔽されたままである。
第1期待度表示部340及び第2期待度表示部350は、高確率モード表示器320や低確率モード表示器330と同様、後方にランプ(図示省略)が配設されており、当該ランプを発光させることにより、第1期待度表示部340及び第2期待度表示部350を間接的に発光させることができるようになっている。
図5は、本発明の実施の形態の上部ユニット220に形成された演出空間部Rにおける可動演出装置(360,370)の動作を説明する図である。(A)は左可動演出装置360による演出、(B)は右可動演出装置370による演出、(C)は左可動演出装置360及び右可動演出装置370の動作による演出を説明する図である。
左可動演出装置360は上部ユニット220の左側壁部221の裏面側に配置され、右可動演出装置370は上部ユニット220の右側壁部222の裏面側に配置される。
図5(A)に示されているように、左可動演出装置360による演出が開始されると、支持部材362に取り付けられた左可動部材361が左側壁部221の裏面側(待機空間)から演出空間部Rの中央に向かって移動する。左可動部材361には、LEDなどの発光部材が内蔵されており、変動表示ゲームの信頼度などに対応する演出が実行可能に構成される。変動表示ゲームの信頼度は、対応するメッセージを表示するようにしてもよいし、発光部材の発光態様に対応するようにしてもよい。
また、右可動演出装置370についても、左可動演出装置360と同様に構成されており、図5(B)に示されているように、右可動演出装置370による演出が開始されると、支持部材372に取り付けられた右可動部材371が右側壁部222の裏面側(待機空間)から演出空間部Rの中央に向かって移動する。
本実施形態では、左可動演出装置360による演出と右可動演出装置370による演出のいずれを実行するかは変動表示ゲームの信頼度に応じて決定する。具体的には、左可動演出装置360による演出が実行された場合のほうが、右可動演出装置370による演出が実行された場合よりも遊技者にとって有利な結果となる信頼度が高くなるように設定されている。また、可動部材(361,371)の移動距離は、信頼度に応じて変化するようにしてもよい。
また、図5(C)に示すように、左可動演出装置360及び右可動演出装置370の両方の可動演出装置によって演出を行う場合には、さらに信頼度が高いことを示すようにしてもよい。
なお、左可動演出装置360による演出及び右可動演出装置370による演出とでは、報知する内容を異ならせるようにしてもよい。左可動演出装置360及び右可動演出装置370の両方の可動演出装置によって演出を行う場合にのみ、報知内容を異ならせるようにしてもよい。
次に、本実施形態のスロットマシンにおける前面扉2の裏面に設けられたメダル経路機構部90の詳細について、図6、図7及び図8を参照しながら説明する。図6は、本発明の実施の形態のスロットマシン1における前面扉2の裏面に設けられたメダル経路機構部90の構造を示す背面図である。図7は、本発明の実施の形態のメダル経路機構部90の流路切換機構(メダルセレクタ)93を示す図である。
メダル経路機構部90は、メダル投入口15を形成する投入口形成部材91と、セレクタベース部材92と、流路切換機構(メダルセレクタ)93と、回収レール94と、払出流路部材95とを備える。セレクタベース部材92は、投入口形成部材91の下方に設けられる。流路切換機構(メダルセレクタ)93は、該セレクタベース部材92と一体に形成され、正規のメダルと不正規のメダルとを識別する。回収レール94は、流路切換機構(メダルセレクタ)93により許容されたメダルをメダル払出装置63(図9参照)の上部のメダル貯留部(図示せず)に誘導する。払出流路部材95は、流路切換機構(メダルセレクタ)93によりはじかれた不正規のメダルを返却メダル流入口951より受け入れて受け皿27に返却する。
なお、払出流路部材95の途中には、メダル払出装置63から払い出されたメダルを受け皿27へ排出するために受け入れる払出メダル導入口952が設けられている。また、払出メダル導入口952より流入したメダルの衝突音を低減するため、払出流路部材95にはコインブロッカ(図示せず)が装着されるようになっている。また、払出流路部材95の下端部は、流下したメダルを受け皿27側(メダル払出口28)へ誘導する前方傾斜部が設けられている。
流路切換機構(メダルセレクタ)93は、不正規のメダルが投入された場合やメダルが受入可能でない状態の場合に、投入されたメダルを返却口931から払出流路部材95の上部の返却メダル流入口に排出させる。また、流路切換機構(メダルセレクタ)93は、メダル投入口15より投入されたメダルを検出するメダル投入検出器922(図7参照)を備える。メダル投入検出器922は、投入されたメダルによって回動する回動板と、メダルが通過した後に規定の位置に回動板を戻すためのバネを備える。そして、回動した回動板の位置変化をフォトスイッチが検出することによってメダルの投入を検出する。また、メダル投入検出器922は、メダルの投入を検出するとともに、投入されたメダルが正規のメダルか不正規のメダルか(異物の進入)を判別することも可能となっている。
さらに、メダル投入検出器922の下流側には、投入されたメダルを返却口931又は回収レール94に振り分けるための流路切替部材932と、該流路切替部材932を変換させる状態変換ソレノイド938(状態変換手段、図8参照)を備える。流路切替部材932の構成については図8にて後述する。
さらに、流路切替部材932の下流側には、流路切換機構(メダルセレクタ)93により許容され回収レール94へ向かって流下するメダルを検出するメダル取込検出器925が備えられる。メダル取込検出器925は、メダルが取り込まれたことだけでなく、流路切替部材932によってメダル流路939内にメダルが詰まったことを検出することが可能となっている。具体的には、メダル取込検出器925は、検出スイッチ(SW)1(925a)及び検出スイッチ2(925b)を備える。検出スイッチ1(925a)及び検出スイッチ2(925b)は、流路切替部材932によってメダル流路939(図8参照)内にメダルが詰まった場合に、検出スイッチ1(925a)ではメダルが検出され、検出スイッチ2(925b)ではメダルが検出されない位置に配置される。
続いて、流路切替部材932によっての動作について説明する。図8は、本発明の実施の形態の流路切換機構(メダルセレクタ)93のA−A’断面図であり、流路切替部材932によるメダル流路の切替機能を説明するための図である。図8(A)はメダルを回収レール94に振り分けて取り込むための取込状態、図8(B)はメダルを返却口931に振り分ける返却状態(通常状態、突出状態)を示す。
流路切替部材932は、通常状態において一辺(水平アーム部935a)が水平方向、他辺(垂直アーム部935b)が垂直方向かつ前面側にやや傾斜したL字型形状のアーム部935と、水平アーム部935aの一端から垂直方向に延長する上部ガイド部933と、垂直アーム部935bの他端から水平方向に突出する規制片934とによって構成される。
また、水平アーム部935aの垂直アーム部935b寄りには、回動軸936を挿通可能な軸受部が形成されている。そして、アーム部935は、状態変換ソレノイド(SOL)938によって、支持部937に設けられた回動軸936を中心に所定範囲を回動可能に構成される。
(A)に示すように、取込状態では、水平アーム部935aは、セレクタベース部材92の開口部921から前面側まで延設し、上部ガイド部933はセレクタベース部材92の前面側に位置する。また、上部ガイド部933は、メダル流路939を流下するメダルの上端がカバー部材96側に倒れ込まないようにメダル流路939の天井部よりも下側まで延びている。このように構成することによって、投入されたメダルと取込状態において安定して回収レール94に誘導することが可能となる。
また、セレクタベース部材92の開口部924は、セレクタベース部材92の裏面側からメダル流路939側に貫通している。また、開口部924には、流路切替部材932の規制片934が挿通している。そして、取込状態では、(A)に示すように、規制片934の先端部がメダル流路939に突出せずに回収レール94に向かって投入されたメダルが流下し、返却状態では、(B)に示すように、規制片934の先端部がメダル流路939に突出して投入されたメダルが回収レール94に流下できずに返却口931に流下するようになっている。
返却状態では、(B)に示すように、状態変換ソレノイド938によって流路切替部材932が回動軸を中心に時計回りに回動し、規制片934の先端部がメダル流路939に突出する。このとき、上部ガイド部933が前面側に移動し、メダル流路939を流下するメダルが前面側に倒れ込んで返却口931側に流下するようになっている。
返却状態には、所定の最大クレジット数までメダルが取り込まれている場合、不正規のメダルが投入された場合、変動表示ゲームが開始された場合などに移行する。
図9は、スロットマシン1の制御系の概略構成を示すブロック図である。なお、図1で説明した構成要素と同一もしくは相当する構成要素には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
スロットマシン1の制御系は、遊技を統括的に制御する遊技制御装置(メイン制御装置)50と、この遊技制御装置50の制御下で遊技の演出に関する制御を統括的に行う演出制御装置(サブ制御装置)70と、これらの制御装置に電源を供給する電源装置40とを備えている。この制御系の構成要素は、それぞれ当該スロットマシン1の筐体内部に配設されている。また、電源装置40は、停電時にRAM50c及びRAM70c(後述)に記憶されたデータが保持されるようにバックアップ電源を供給するよう構成されている。
遊技制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)50a、ROM(Read Only Memory)50b、RAM(Random Access Memory)50c、入出力インタフェース(以下「I/F」という)50d、内部抽選に用いられる入賞判定用乱数などの各種乱数値を生成する乱数発生器50e等を備えて構成されている。
CPU50aは、制御部や演算部を備え、遊技制御装置50の演算処理装置として各種演算処理やデータの入出力、制御信号の生成などを行う。
ROM50bには、各種処理を実行するための制御プログラムや制御データのほか、内部抽選用の判定値(判定テーブル)等が格納されている。また、ROM50bには、各ゲームにおいてリール6の停止制御を行う際に参照される停止制御テーブルが格納されている。例えば、内部当選した各種入賞に対応する停止制御テーブルや、はずれに対応する停止制御テーブルなどである。停止制御テーブルには、内部当選状態(セットされている当選フラグの状態)に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に最大限に形成させるリール6の引き込み停止制御や内部当選していない各種入賞に対応する図柄組合せを有効ラインから外すリールの蹴飛ばし停止制御を行うためのデータ(最大4コマの滑りコマ数等)が格納されており、リール6の操作停止順、操作タイミングに応じて停止位置が予め設定されている。
RAM50cは、スタート操作に基づきCPU50aがサンプリングした内部抽選用の乱数の記憶領域、各種データ(例えば、クレジット数のデータ、賭数のデータ、内部当選状態のデータ、所定の図柄組合せ態様が導出されることに基づく払い出しに係るデータ、内部抽選の当選確率値を示すデータ等)を一時的に記憶する記憶領域、並びにCPU50aの作業領域を提供する。
I/F50dは、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、メダル投入検出器922、メダル取込検出器925、スタートレバースイッチ52、リール停止スイッチ53(第1リール(左)停止スイッチ53a、第2リール(中)停止スイッチ53b、第3リール(右)停止スイッチ53c)、リール位置検出スイッチ54(左リール位置検出スイッチ54a、中リール位置検出スイッチ54b、右リール位置検出スイッチ54c)、マックスベットスイッチ57、払戻ボタンスイッチ58、払出メダル検出スイッチ59、設定装置60、リセットスイッチ61、扉開閉検出スイッチ62、電波検出スイッチ81、メダル満杯スイッチ82等から出力された各種信号を、CPU50aに対して供給する。
ここで、メダル投入検出器922は、流路切換機構(メダルセレクタ)93に設けられてメダル投入口15から投入されたメダルの通過をすべて検出し、返却口931から排出されるメダルもカウントされる。一方、メダル取込検出器925は、返却口931から排出されるメダルは検出されず、当該メダル取込検出器925によって検出されたメダルの枚数がベット数としてカウントされる。
スタートレバースイッチ52は、スタートレバー21が操作されたことを検出するためのスイッチである。リール停止スイッチ53の第1リール(左)停止スイッチ53a、第2リール(中)停止スイッチ53b、第3リール(右)停止スイッチ53cは、それぞれに対応するリールストップボタン(24a,24b,24c)が操作されたことを検出するためのスイッチである。リール位置検出スイッチ54の左リール位置検出スイッチ54a、中リール位置検出スイッチ54b、右リール位置検出スイッチ54cは、それぞれに対応するリール(6a,6b,6c)の回動位相を検出するためのスイッチである。
マックスベットスイッチ57は、マックスベットボタン17が操作されたことを検出するためのスイッチである。払戻ボタンスイッチ58は、払戻ボタン20が操作されたことを検出するためのスイッチである。払出メダル検出スイッチ59は、メダル払出装置63から払い出されたメダルを検出するものであり、このスイッチからの検出信号を計数することでメダルの払出枚数がカウントされる。
設定装置60は、設定変更操作に基づき、当該スロットマシン1の設定を切り換えるためのものである。この設定装置60により、例えば、1ゲーム毎の内部抽選における各種入賞の当選確率(内部当選確率)や機械割が異なる複数の設定(例えば、設定1〜6)の何れかに設定される。
リセットスイッチ61は、例えば、鍵穴23に差し込まれた鍵が前面扉2を開放する時とは逆に回動されたことを検出し、この検出に基づき当該スロットマシン1をリセットするためのスイッチである。なお、遊技制御装置50は、リセットスイッチ61からの検出信号に基づき、例えば、当該スロットマシン1のエラー状態を解除する。また、扉開閉検出スイッチ62は前面扉2の開放状態を検出するためのスイッチである。
電波検出スイッチ81は、異常な電波を検出するためのもので、不正行為を防止するためのものである。メダル満杯スイッチ82は、メダル払出装置63のホッパー内のメダルが満杯であることを検出するものである。
また、I/F50dは、CPU50aから出力された制御信号を、図示しない出力ポート及びドライバを介して、演出制御装置70、クレジット数表示部11、遊技進行表示部12、払出数表示部13、遊技状態表示部18、ベット数表示部19、メダル払出装置63、リール用モータ64(左リール用モータ64a、中リール用モータ64b、右リール用モータ64c)、外部信号出力端子(当該スロットマシン1とは別体で設けられた管理装置等と接続する端子)33、状態変換ソレノイド938等に出力する。これによって、遊技制御装置50による各種構成要素の制御を可能としている。
なお、外部信号出力端子33に出力される制御信号としては、例えば、スタートレバー21の操作時に出力される賭数を示す信号(遊技メダル投入信号)、メダルの払い出し時に出力される払い出されたメダル数を示す信号(遊技メダル払出信号)、ビッグボーナス状態中であることを示す信号(BB信号)、レギュラーボーナス状態中であることを示す信号(RB信号)、リプレイタイム状態中であることを示す信号(RT信号)、前面扉2が開放された時又は設定変更時に出力される信号(セキュリティ信号)等がある。なお、CPUに一意に設定された遊技制御装置を識別可能な識別情報(チップID)を電源投入後などの出力イベントが発生した場合に出力するようにしてもよい。
遊技制御装置50は、例えば、CPU50aが所定サイクル時間毎に乱数を更新(例えば、+1)し、スタートレバースイッチ52による検出タイミングで、その時点の乱数をサンプリングする制御を行い、サンプリングされた乱数を内部抽選用の乱数として内部抽選を行う。また、遊技制御装置50は、内部抽選結果と、リールストップボタン(24a,24b,24c)の停止操作タイミングとに基づいて、対応する停止制御テーブルを参照し、リール用モータ(64a,64b,64c)の動作を制御することにより、図柄表示窓5に所定の図柄が停止表示されるようにリール(6a,6b,6c)を停止させる。なお、乱数発生器50eにより発生された乱数をサンプリングするようにしてもよい。
さらに、遊技制御装置50は、内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様を構成する図柄が、有効ラインに到達する前に停止操作が行われた場合には、リール(6a,6b,6c)を停止させるタイミングを遅らせて当該図柄が有効ライン上に停止表示されるようにする、いわゆる引き込み停止制御を行う。また、内部当選していない入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に形成されるタイミングで停止操作が行われた場合に、リール(6a,6b,6c)を停止させるタイミングを遅らせて、有効ライン上に形成されうる図柄組合せ態様を構成する図柄が有効ラインを通り過ぎるようにする、いわゆる蹴飛ばし停止制御を行う。なお、遊技制御装置50による引き込み停止制御、蹴飛ばし停止制御において、停止タイミングを変化可能とする(遅延させる)時間値は予め定められており、通常(1リールにつき21コマの場合)は停止操作が行われた位置から所定の図柄数(例えば、4コマ)の範囲内で引き込んだり蹴飛ばしたりすることが可能な時間値となっている。すなわち、遊技制御装置50が、停止操作部(リールストップボタン24)の操作態様に基づき役抽選手段(遊技制御装置50)による抽選結果に応じた図柄組合せ態様が導出され得るようにリール6を停止制御するリール停止制御手段をなす。
一方、演出制御装置70は、CPU70a、ROM70b、RAM70c、I/F70d等を備えて構成されている。この演出制御装置70は、遊技制御装置50から供給される遊技に関する情報に基づいて、メイン表示器3における演出表示の制御、バックライト67や枠発光装置7やスピーカ4による演出の制御等を行う。また、スピーカ4による演出等を行う際の音量の設定は、演出制御装置70に接続された音量ボリュームスイッチ(図示省略)によって行うことができるようになっている。
また、演出制御装置70は、遊技制御装置50から供給される遊技に関する情報に基づいて、ストップボタンLED66、サブ表示器310、可動演出装置(360,370)、払出報知ランプ16、確率モード表示部(320,330)、期待度表示部(340,350)の制御を行う。さらに、演出ボタン10からの入力情報に基づき、演出態様を変化させる制御等を行う。操作入力部スイッチ30cからの入力情報に基づき、サブ表示器310の表示内容を切り替える制御等を行う。なお、ストップボタンLED66は、停止有効コマンドの受信に基づき有効報知点灯状態となり、停止コマンドの受信に基づき無効報知点灯状態となる。なお、無効報知点灯状態を消灯状態としてもよい。
ここで、遊技制御装置50から供給される遊技に関する情報には、賭け操作により賭数が設定された時点で出力される賭数情報やスタートレバー21が操作されてゲームが開始された時点で出力されるゲーム開始情報、内部抽選による抽選結果を示す内部当選情報、現在の遊技状態(通常遊技状態、BB状態、RB状態、RT状態等)を示す遊技状態情報、変動表示中のリール6に対応するリールストップボタン24が操作されたことを示すリール停止情報等が含まれる。
I/F70dは、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、遊技制御装置50から入力された各種信号をCPU70aに対して出力する。また、I/F70dは、CPU70aから入力された制御信号を、図示しない出力ポート及びドライバを介して、メイン表示器3、スピーカ4、ランプやLEDなどからなる枠発光装置7、LEDなどからなるバックライト67等に出力する。これによって、演出制御装置70によるメイン表示器3やスピーカ4などの制御を可能としている。
これにより、例えば演出制御装置70は、メイン表示器3に小役入賞の予告表示や、特別入賞の告知表示、演出表示(1ゲームで完結するものや複数ゲームにわたるもの)などを表示する制御を行う。また、演出制御装置70は、前面扉2に設けられている枠発光装置7での発光による装飾や、スピーカ4での音声による演出を行う。なお、上述した遊技制御装置50と演出制御装置70との間の通信は、遊技制御装置50から演出制御装置70へ向かう一方向にのみ制御信号の送信が可能な形態になっており、これによって遊技制御装置50に不正な信号が入力されることを防止している。
ここで、本実施形態のスロットマシン1における遊技の進行について簡単に説明する。スロットマシン1においてゲームを行う場合、遊技者は、まずメダルをメダル投入口15から投入するか、或いはマックスベットボタン17を操作して、賭数を入力(設定)する(賭入力、賭操作)。賭入力が行われると、有効ラインが設定され、スタートレバー21の操作が有効な状態、すなわちゲームを開始可能な状態となる。そして、スタートレバー21を操作すると、遊技制御装置50において内部抽選処理がなされて入賞(役)の当選/非当選が決定されるとともに、リール(6a,6b,6c)の変動が開始される。
所定時間経過後、停止操作が有効となったリールストップボタン(24a,24b,24c)の操作に基づいて、リール(6a,6b,6c)の回転が停止され、図柄表示窓9aに所定の図柄が表示される。そして、内部当選した入賞(役)に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に入賞が成立し、この入賞(役)に対応するメダルが払い出される。以上で一区切りのゲームが終了し、以降、この操作を繰り返すことによってゲームを進行させるようになっている。
図10は、本発明の実施の形態のスロットマシン1が備えるリール(6a,6b,6c)について説明する図である。(A)はスロットマシン1が備えるリール(6a,6b,6c)の外周面を構成するリールシール(シート)6dに形成されている図柄の配列の一例、(B)は図柄表示窓9aから視認される3×3の図柄行列に対する所定の有効化可能ラインを示す。
図10(A)に示すように、リールシール6dには、「黒7」、「白7」、「BAR」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「リプレイ」の識別可能な7種類の図柄が所定の順序で配置されている。各リールシール6dの上下端部は、リール6に巻きつけた際に継ぎ目となる部分である。
本実施形態では、図10(B)に示すように、左リール6aの下段、中リール6bの中段、右リール6cの下段を結ぶライン(小山型ライン)が有効化可能ラインとなっている。そして、遊技者によるメダルの投入又はクレジットからの入力(「賭操作」)によって賭数(ベット数)が所定数(例えば、遊技状態によって2又は3)となることで有効化可能ラインが有効化され、この有効ライン上に形成された図柄組合せ態様(出目)に基づいて入賞(役)の成立/不成立が判断される。なお、有効化可能ラインを複数設定してもよい。
入賞が成立する場合には、有効ライン上に所定の図柄が3つ並ぶ場合の他、見た目上で他のラインで所定の図柄が3つ並ぶ場合もある。このようなラインとしては、各リール(6a,6b,6c)の上段の図柄を横切るライン(上段ライン)、各リール(6a,6b,6c)の中段の図柄を横切るライン(中段ライン)、各リール(6a,6b,6c)の下段の図柄を横切るライン(下段ライン)がある。また、左リール6a上段、中リール6b中段、右リール6c下段の図柄を横切るライン(右下がり斜めライン)、左リール6a下段、中リール6b中段、右リール6c上段の図柄を横切るライン(右上がり斜めライン)がある。なお、上記以外の各リール(6a,6b,6c)の図柄表示窓9aに臨む前面部(視認可能な部分)を横切るように位置する仮想的なラインに見た目上図柄が並ぶようにしてもよい。以下、入賞時に見た目上図柄が整列可能なライン(上段ラインなど)を図柄整列ラインと称する。
図11は、本発明の実施の形態のスロットマシン1における入賞役の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ態様及び入賞内容を示す図である。本実施形態のスロットマシン1では、特別入賞役(特別役)としてビッグボーナス入賞役(BB入賞役)が定められている。なお、特別入賞役に内部当選した場合は、内部当選したゲームで当該特別入賞役の入賞を成立できなくても、当選フラグは次ゲームに持ち越され、以降のゲームにおいて特別入賞役の入賞を成立させることが可能であるが、通常入賞役(小役)が当選している場合は当該通常入賞役(小役)の入賞が優先して成立するようになっている。
また、本実施形態のスロットマシン1では、通常入賞役(小役)として、擬似ボーナスリプ1入賞役、擬似ボーナスリプ2入賞役、擬似ボーナスリプ3入賞役、ベルA入賞役、ベルB入賞役、ベルリプA入賞役、ベルリプB入賞役、スイカ入賞役、チェリー入賞役、チェリーリプ入賞役、リプレイ入賞役、1枚役A入賞役及び1枚役B入賞役が定められている。通常入賞役(小役)に内部当選した場合は、内部当選したゲームでのみ当該通常入賞役(小役)の入賞を成立させることができる。例えば、停止操作のタイミングによって通常入賞役(例えば、スイカ入賞役)の入賞を成立させることができなかった場合(いわゆる取りこぼし)、この通常入賞役(小役)の当選フラグはクリアされ、次ゲームには持ち越されない。
図11に示すように、特別入賞役は、「黒7−黒7−黒7」のボーナス図柄組合せ態様が図柄整列ライン上に形成されることで入賞が成立し、その後、特別遊技状態(BB状態)が発生する。特別入賞役の入賞の成立に伴うメダルの払い出しは0枚である。特別遊技状態では、ベルB入賞役の内部当選確率が高確率となる判定テーブルを使用したゲームが実行される。そして、特別遊技状態において遊技者に払い出したメダルの総数が59枚以上となったときに終了となる。ただし、特別遊技状態中は2枚賭けとなり、ベルB入賞役の成立に伴う払い出しが2枚とされることから特別遊技状態での純増枚数は略0枚(マイナスの場合もある)であって、いわゆるゼロボーナスとなっている。
擬似ボーナスリプ入賞役は、「白7−黒7−白7」(擬似ボーナスリプ1入賞役)、「白7−白7−白7」(擬似ボーナスリプ2入賞役)、「BAR−BAR−BAR」(擬似ボーナスリプ3入賞役)のいずれかの図柄組合せ態様が図柄整列ライン上に形成された場合に成立する入賞で、成立により改めて賭操作することなくゲームを実行できる再遊技(リプレイゲーム)が付与される。また、擬似ボーナスリプ入賞役では、所定のリールストップボタン24の操作順(押し順)でなければ成立しないようになっている。
さらに、この擬似ボーナス入賞役の成立に基づき所定ゲーム数にわたって当選した小役の導出(入賞の成立)をアシストするAT状態(後述の擬似ボーナス状態)となる。なお、AT状態が継続する所定ゲーム数は、擬似ボーナスリプ1入賞役及び擬似ボーナスリプ2入賞役の場合は30ゲーム、擬似ボーナスリプ3入賞役の場合は10ゲームとなっている。また、所定のゲーム数の代わりに所定枚数のメダルを獲得するまでAT状態(擬似ボーナス)が継続するようにしてもよい。例えば、擬似ボーナスリプ1入賞役及び擬似ボーナスリプ2入賞役の場合は200枚、擬似ボーナスリプ3入賞役の場合は75枚とする。また、所定の入賞役(例えば、ベルA)の入賞が所定回数成立するまでAT状態(擬似ボーナス状態)が継続するようにしてもよい。例えば、擬似ボーナスリプ1入賞及び擬似ボーナスリプ2入賞役の場合は20回、擬似ボーナスリプ3入賞役の場合は10回とする。
ベルA入賞役は、「ベル−ベル−ベル」の図柄組合せ態様が図柄整列ラインのうち右上がり斜めライン上に形成された場合に成立する入賞で、9枚のメダルが払い出される。ベルA入賞役には4種類が含まれ、それぞれ所定のリールストップボタン24の操作順(押し順)でなければ成立しないようになっている。この所定の操作順には、中、左、右の操作順、中、右、左の操作順、右、左、中の操作順、右、中、左の操作順がある。
ベルB入賞役は、「ベル−ベル−ベル」の図柄組合せ態様が図柄整列ラインのうち下段ライン上に形成された場合に成立する入賞で、BB状態(特別遊技状態)中以外では4枚のメダルが払い出され、BB状態中では2枚のメダルが払い出される。ベルB入賞役には3種類が含まれ、それぞれ所定のリールストップボタン24の操作順(押し順)でなければ成立しないようになっている。この所定の操作順には、中リール6bを最初に停止する操作順(中、右、左の操作順又は中、左、右の操作順)、右、左、中の操作順、右、中、左の操作順がある。なお、BB状態中はリールストップボタン24の操作順が不問となる。
すなわち、BB状態中を除いてベルA入賞役とベルB入賞役は左リール6aを最初に停止する操作順では成立しないようになっている。操作順が報知されるAT状態や特別遊技状態以外では左リール6aを最初に停止する操作順以外は後述するペナルティの対象となっており、AT状態や特別遊技状態以外ではベルA入賞役及びベルB入賞役を狙わせないようにしている。なお、ベルA入賞役及びベルB入賞役に左リール6aを最初に停止する操作順で成立するものを含めてもよいが、この場合は、左リール6aを最初に停止する操作順で成立するものは左リール6aを最初に停止しない操作順で成立するものよりも当選確率を低くすることが望ましい。
ベルリプA入賞役はリプレイ入賞の一つであり、「ベル−ベル−ベル」の図柄組合せ態様が図柄整列ラインのうち上段ライン上に形成された場合に成立する入賞で、成立により改めて賭操作することなくゲームを実行できる再遊技(リプレイゲーム)が付与される。ベルリプB入賞役はリプレイ入賞の一つであり、「ベル−ベル−ベル」の図柄組合せ態様が図柄整列ラインのうち中段ライン上に形成された場合に成立する入賞で、成立により改めて賭操作することなくゲームを実行できる再遊技(リプレイゲーム)が付与される。
スイカ入賞役は、「スイカ−スイカ−スイカ」の図柄組合せ態様が図柄整列ライン上に形成された場合に成立する入賞で、4枚のメダルが払い出される。チェリー入賞役は、「チェリー−ANY−ANY」の図柄組合せ態様が図柄整列ラインのうち中段ライン上に形成された場合に成立する入賞で、1枚のメダルが払い出される。ここで、「ANY」は何れの図柄であってもよいことを示す。なお、スイカ入賞役やチェリー入賞役に複数種類の役(弱入賞役、強入賞役)を含め、AT状態への移行確率などを異ならせるようにしてもよい。
チェリーリプ入賞役はリプレイ入賞の一つであり、「チェリー−ANY−ANY」の図柄組合せ態様が図柄整列ラインのうち中段ライン以外に形成された場合、すなわち、左リール6aでチェリーが上段又は下段に停止した場合に成立する入賞である。ここで、「ANY」は何れの図柄であってもよいことを示す。このチェリーリプ入賞役が成立した場合は、改めて賭操作することなくゲームを実行できる再遊技(リプレイゲーム)が付与される。
リプレイ入賞役は、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せ態様が図柄整列ライン上に形成された場合に成立する入賞である。リプレイ入賞役の入賞が成立すると、改めて賭操作することなくゲームを実行できる再遊技(リプレイゲーム)が付与される。
1枚役A入賞役は、「リプレイ−リプレイ−ベル」の図柄組合せ態様が図柄整列ラインのうち中段ライン上に形成された場合に成立する入賞である。1枚役B入賞役は、「リプレイ−リプレイ−チェリー」の図柄組合せ態様が図柄整列ラインのうち中段ライン上に形成された場合に成立する入賞である。各1枚役入賞が成立すると、1枚のメダルが払い出される。1枚役A入賞役又は1枚役B入賞役はベルA入賞役又はベルB入賞役と重複して当選するようになっており、ベルA入賞役及びベルB入賞役を操作順が合致しなかったことにより取りこぼした場合に1枚役A入賞役又は1枚役B入賞役が成立するようになっている。
遊技制御装置50における内部抽選により、上記何れかの入賞役に内部当選すると、この内部当選した入賞役に対応する図柄組合せ態様が図柄整列ライン(有効ライン)上に導出可能とされる。一方、何れの入賞役にも内部当選しない場合にははずれとなり、入賞役に対応する図柄組合せ態様は図柄整列ライン(有効ライン)上に形成されない。
本実施形態のスロットマシン1では、特別入賞役に内部当選したゲームで特別入賞役を成立させることができなかった場合は当選フラグが以降のゲームに持ち越されるが、当選フラグが持ち越されたゲームにおいて通常入賞役(小役)に内部当選することも可能となっている。この場合、有効ライン上に導出される入賞の優先順位は、例えば、リプレイ入賞>リプレイ入賞以外の通常入賞役(小役)>特別入賞役とする。すなわち、特別入賞役の当選フラグが持ち越されていても、通常入賞役(小役)に内部当選している場合は当該通常入賞役(小役)の入賞が優先して成立するように引き込み停止制御がなされる。
また、通常入賞役(小役)のうち、スイカ入賞役、チェリー入賞役、チェリーリプ入賞役はレア役とされ、当選したゲームでは遊技者に有利な状態への移行抽選(例えばAT権利獲得抽選)などが他の小役に当選した場合よりも高い確率で当選可能となっている。
図12は、本発明の実施の形態のスロットマシン1の遊技状態の遷移を説明するための図である。(A)は遊技制御装置50での遊技状態の遷移を説明するための状態遷移図を示し、(B)は各遊技状態の入賞当選判定テーブルにおける当選役の内訳を示す。
通常遊技状態ST200は、RT状態ではない非RT状態であって3枚賭けで遊技を進行する状態である。通常遊技状態ST200において特別入賞役に内部当選して特別入賞役を成立させることができなかった場合(ボーナス当選)は、内部中状態ST210に移行する。内部中状態ST210は、通常遊技状態ST200よりもリプレイ入賞の当選確率が高いRT状態であって3枚賭けで遊技を進行する状態である。
通常遊技状態ST200で特別入賞役に内部当選したゲームで特別入賞役が成立した場合(ボーナス入賞)や、内部中状態ST210で特別入賞役が成立した場合(ボーナス入賞)は、特別遊技状態ST220に移行する。この特別遊技状態ST220では2枚賭けで遊技を進行し、終了条件を満たすと通常遊技状態ST200に移行する。
(B)を参照すると、各遊技状態の入賞当選判定テーブルにおける当選役の内訳を示した。通常遊技状態ST200で用いる通常中TBLでは、特別入賞役(BB)の当選が1/4の確率で発生し、リプレイ入賞以外の小役(ベルA入賞役、ベルB入賞役、スイカ入賞役、チェリー入賞役、1枚役A入賞役、1枚役B入賞役)の単独又は重複当選が1/4の確率で発生する。また、リプレイ入賞(ベルリプA入賞役、ベルリプB入賞役、チェリーリプ入賞役、リプレイ入賞役)の単独又は重複当選が1/6の確率で発生し、1/3の確率で何れの入賞役にも当選しないハズレとなる。
内部中状態ST210で用いる内部中TBLでは、通常中TBLで特別入賞役(BB)の当選であった分の全てがリプレイ入賞(擬似ボーナス入賞役、ベルリプA入賞役、ベルリプB入賞役、チェリーリプ入賞役、リプレイ入賞役)の単独又は重複当選とされている。また、通常中TBLでハズレであった分の略全てがリプレイ入賞(擬似ボーナス入賞役、ベルリプA入賞役、ベルリプB入賞役、チェリーリプ入賞役、リプレイ入賞役)の単独又は重複当選とされ、ハズレは1/65536の確率で当選するようにされている。
また、特別遊技状態ST220で用いるBB中TBLでは、単独小役(ベルB入賞役のみ)に99/100の確率で当選し、1/100の確率でハズレとなるようにされている。特別遊技状態ST220では2枚賭けで遊技を進行するようになっており、当選可能な小役はベルB入賞役のみとされる。特別遊技状態でベルB入賞役が成立した場合の払い出し枚数は2枚であるので、特別遊技状態ST220ではメダルが増加しない(ハズレの場合にはメダルが減少する)。
なお、通常遊技状態ST200では特別入賞役に内部当選していることは報知されないため、ほとんどの場合は特別入賞役に内部当選したゲームで特別入賞役を成立させることができず内部中状態ST210に移行する。内部中状態ST210では通常入賞役(小役)に高い確率で当選するようになっているが、通常入賞役(小役)に当選した場合は特別入賞役に優先して成立するように制御されるので特別入賞役を成立させることができない。また、ハズレとなった場合は特別入賞役を成立させることが可能であるがハズレである旨は報知されないため、遊技者が非常に低い当選確率であるハズレの場合に特別入賞役を狙って成立させることは困難である。このため、遊技中のほとんどは内部中状態ST210に滞在することとなる。
また、メイン遊技状態の各遊技状態の入賞当選判定を各設定で共通にしてもよい。この場合、AT当選確率や特化ゾーン移行率といった演出制御装置70における抽選値に設定差を設け、出率を変化させるようにしてもよい。
図13は、本発明の実施の形態の演出制御装置70における遊技状態の遷移を説明するための状態遷移図である。演出制御装置70での遊技状態には大きく分けて、リールストップボタン24の操作順(リール6の停止順序)を報知せずに内部当選した小役の導出(入賞の成立)をアシストしない非アシストタイム状態(非AT状態)ST300と、内部当選した小役が成立するリールストップボタン24の操作順(リール6の停止順序)を報知して小役の導出をアシストするアシストタイム状態(AT状態)とに分かれている。AT状態ST350は非AT状態ST300に比べて小役の入賞が成立する機会が高まることから、遊技者にとって有利な特定遊技状態をなすものである。また、特定遊技状態は演出制御装置70によって発生及び終了するため、演出制御装置70は特定遊技発生手段をなしている。
演出制御装置70ではゲームの実行回数を計数しており、この実行回数が予め設定された規定回数(解除ゲーム数)に到達することにより非AT状態ST300からAT状態ST350へ移行するようになっている。また、所定のリセット条件が成立することによりゲームの実行回数や規定回数についてリセットするリセット処理が行われるようになっており、このリセット処理により実行回数を初期化(0クリア)するとともに規定回数を複数の値の何れかに再設定するようになっている。なお、リセット処理では、ゲームの実行回数と規定回数の関係(ゲームの実行回数が規定回数となるまでの残りゲーム回数)を更新(決定して設定)することができれば良い。
所定のリセット条件が成立する場合とは、例えば、AT状態ST350が終了した場合や、特別遊技状態ST220が終了した場合、設定装置60で設定を変更した場合(同一設定への打ち替えも含む)、遊技制御装置50のRAM50cにバックアップされていた情報をクリアするRAMクリアスイッチの操作が行われた後にゲームを開始した場合、RAMクリアスイッチの操作ではなく遊技者が実行可能な所定の操作であるリセット操作があった後にゲームを開始した場合である。
非AT状態ST300である場合は、通常ゾーンST310と、ミッションゾーンST320と、特定演出ゾーンST330の何れかのゾーンに滞在することとなる。通常ゾーンST310では、ゲーム毎にミッションゾーンST320への移行抽選が行われるようになっている。この移行抽選における当選確率には、低確率の低確状態と、低確状態よりも確率が高い高確状態と、高確状態よりも確率が高い超高確状態とがあり、後述するようにリセット処理からのゲーム数に応じて何れかが設定されるようになっている。また、何れの状態でも内部抽選の結果に応じて当選確率が異なっており、例えばレア役に内部当選した場合は他の小役に当選した場合よりも当選確率が高くなっている。さらに、移行抽選における当選確率は、内部モードに応じて設定されており、通常Aモード、通常Bモード、天国モードの三種類がある。内部モードの詳細については、図14にて後述する。
また、通常ゾーンST310では、移行抽選の当選確率に応じて演出(表示画面)が設定されるようになっており、低確状態で選択される可能性が高い通常示唆演出ST311、高確状態で選択される可能性が高い高確示唆演出ST312、超高確状態で選択される可能性が高い超高確示唆演出ST313の何れかが設定される。
通常ゾーンST310においてミッションゾーンST320への移行抽選に当選すると、ミッションゾーンST320へ移行する。ミッションゾーンST320は、AT状態ST350に滞在(突入)するための権利であるAT権利の獲得を抽選するAT権利獲得抽選の当選確率が通常ゾーンST310である場合よりも高い状態であり、一定のゲーム数(例えば10ゲーム、20ゲームの何れか)に亘り滞在可能である。このミッションゾーンST320に滞在する一定のゲーム数内でAT権利獲得抽選に当選しなかった場合は、終了条件が成立し、通常ゾーンST310へ移行する。
また、ミッションゾーンST320に滞在する一定のゲーム数内でAT権利獲得抽選に当選した場合は、当該AT権利獲得抽選により決定される数のAT権利を獲得し、当該一定のゲーム数の消化後にAT状態ST350へ移行する(AT権利を獲得した次のゲームからAT状態ST350へ移行してもよい)。この場合、ゲームの実行回数が規定回数(解除ゲーム数)に到達した(ゲーム数解除された)ものとみなされてリセット処理が行われる(リセットタイミングは後述する)。
なお、通常ゾーンST310である場合でも特定役をなすレア役に当選した場合はAT権利獲得抽選(直撃AT抽選)が行われる。このAT権利獲得抽選の当選確率は非常に低いものであるが、内部当選したレア役の種類に応じて当選確率が異なっている。このAT権利獲得抽選に当選した場合は、当該AT権利獲得抽選により決定される数のAT権利を獲得し、AT状態ST350へ移行する。この場合も、ゲームの実行回数が規定回数に到達した(ゲーム数解除された)ものとみなされてリセット処理が行われる(リセットタイミングは後述する)。
なお、AT権利獲得抽選に当選したゲームの次ゲームからAT状態ST350に移行するようにする場合は、AT権利獲得抽選の当選により実行回数が規定回数に到達したとみなすようにする。また、AT権利獲得抽選に当選したゲームの後、所定数のゲームを実行した後にAT状態ST350に移行するようにする場合は、AT権利獲得抽選の当選により規定回数までの残りゲーム数を所定数に減少させるようにする。すなわち、AT権利獲得抽選は、規定回数までの残りゲーム数を減少させる抽選を行うものと言える。
また、通常ゾーンST310において実行回数が規定回数に到達する所定数前となった場合又は実行回数が規定回数に到達する所定数前よりも前であって移行抽選に当選した場合は、特定演出を行う特定演出ゾーンST330に移行する。特定演出は、実行回数が規定回数に到達する可能性があることを複数回のゲームに亘って示唆する演出であって、複数回のゲームに亘って実行される継続演出を行った後、複数回のゲームに亘って実行される連続演出が行われるようになっている。連続演出には連続演出A〜Cの複数種類があり、このうちから一つが選択されて実行される。なお、継続演出についても複数種類を用意し、このうちから一つを選択して実行するようにしてもよい。
特定演出ゾーンST330に移行した場合は、まず、複数回のゲームに亘り継続演出を行う継続演出状態ST331となり、その後複数回のゲームに亘り連続演出A〜Cの何れかを行う連続演出状態ST332となる。実行回数が規定回数に到達する所定数前となったことにより特定演出ゾーンST330に移行した場合は、所定数と継続演出及び連続演出を行うゲーム数が等しく、連続演出が終了したゲーム若しくはその次のゲームで実行回数が規定回数に到達する。これにより抽選により決定される数のAT権利を獲得し、連続演出が終了した次のゲームからAT状態ST350へ移行する。すなわち、ゲーム数解除(G数解除)により遊技者に有利な状態へ移行する。
なお、実行回数が規定回数に到達する所定数前となったことにより特定演出ゾーンST330に移行させる場合において、実行回数が規定回数に到達してゲーム数解除がなされるゲームの次ゲームからAT状態ST350に移行するように設定されている場合は、連続演出が終了するゲームで実行回数が規定回数に到達するようにする。また、実行回数が規定回数に到達してゲーム数解除がなされるゲームからAT状態ST350に移行するように設定されている場合は、連続演出が終了するゲームの次ゲームで実行回数が規定回数に到達するようにする。何れにしても連続演出が終了した次のゲームからAT状態ST350へ移行するようにすればよい。
また、実行回数が規定回数に到達する所定数前よりも前であって移行抽選に当選して特定演出ゾーンST330に移行した場合は、連続演出が終了したゲーム若しくはその次のゲームでも実行回数が規定回数に到達しないので、連続演出の終了により終了条件が成立し、当該ゲームから通常ゾーンST310に移行する。
ここで、実行回数が規定回数に到達する所定数前となったことにより特定演出ゾーンST330に移行した場合に実行される特定演出が、規定回数に到達することがない複数回のゲームに亘って実行される第1特定演出をなす。また、実行回数が規定回数に到達する所定数前となったことにより特定演出ゾーンST330に移行した場合に実行される特定演出が、規定回数に到達するまでの複数回のゲームに亘って実行される第2特定演出をなす。この第1特定演出と第2特定演出とは継続演出や連続演出の初期段階では判別困難であることが好ましく、連続演出の最終段階で判別できるような演出を行うことが好ましい。ただし、継続演出や連続演出の初期段階において何れの特定演出であるかを示唆する演出を含めてもよい。
AT状態ST350には、通常AT状態ST351、上乗せAT状態ST352、昇格抽選状態ST360、第1擬似ボーナス状態ST361、第2擬似ボーナス状態ST362、第3擬似ボーナス状態ST363があり、何れかの状態になる。AT状態ST350は、少なくとも通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態であり、AT状態ST350への移行は遊技者に遊技価値を付与したことになる。非AT状態ST300からAT状態ST350に移行する制御は演出制御装置70によって実行されるため、演出制御装置70は、遊技価値を遊技者に付与する価値付与手段をなす。
通常AT状態ST351では、一つのAT権利につき1セット50ゲームの遊技を実行可能である。なお、複数のAT権利を獲得した場合は、一のAT権利に基づき通常AT状態ST351で1セット50ゲームの遊技が行われ、他のAT権利についてはストックされる。そして、当該一のAT権利に基づく1セットの遊技を終えた場合にAT権利のストックがある場合は、ストックされていたAT権利に基づき新たに通常AT状態ST351での1セット50ゲームの遊技の実行が設定され通常AT状態ST351が継続する。
また、通常AT状態ST351において所定の移行条件が成立すると、上乗せAT状態ST352に移行する。なお、上乗せAT状態ST352への移行条件は、例えばレア役(スイカ入賞役、チェリー入賞役、チェリーリプ入賞役)の当選に基づき所定の割合で付与されるポイントが所定数に達したことである。なお、レア役の当選時に移行抽選を行い、該移行抽選に当選したことを移行条件の成立としてもよい。
上乗せAT状態ST352は、AT権利獲得抽選の当選確率が通常AT状態ST351である場合よりも高い状態である。上乗せAT状態ST352で10ゲームを実行すると終了条件が成立し、通常AT状態ST351に移行する。
通常AT状態ST351でAT権利に基づきAT状態ST350で実行可能なゲーム数を全て消化した場合、すなわち、AT権利のストックがない場合は、終了条件が成立し、非AT状態ST300の通常ゾーンST310へ移行する。なお、AT権利を獲得した際に抽選により決定される獲得するAT権利の数や、上乗せAT状態ST352でのAT権利の獲得の確率などを勘案すると、1セット(50ゲーム)の遊技を終えた後にAT権利のストックがありAT状態が継続する確率は10%、50%又は70%となっている。
なお、図13に示す遊技状態は、遊技制御装置50での遊技状態が通常遊技状態ST200又は内部中状態ST210である場合の遊技状態であり、特別遊技状態ST220となった場合は図示しない専用の遊技状態に移行する。そして、特別遊技状態ST220の終了後、特別遊技状態ST220の発生前に滞在していた遊技状態に戻るようになっている。ただし、特別遊技状態ST220が終了する際にゲーム数解除される規定回数やゲームの実行回数がリセットされるので、特別遊技状態ST220の終了に伴い常に通常ゾーンST310に移行するようにしてもよい。
また、非AT状態ST300の通常ゾーンで所定の入賞役に当選した場合、又は、特定演出ゾーンにおけるゲームの実行回数が規定回数に到達してゲーム数解除(G数解除)がなされた場合には、AT状態ST350の昇格抽選状態ST360に移行する。なお、ゲーム数解除が各ゾーンの上限回数(天井)の場合には、通常AT状態ST351に移行するようにしてもよい。
昇格抽選状態ST360は、擬似ボーナス状態に移行するための抽選が行われる。昇格抽選状態ST360において、内部抽選で擬似ボーナス入賞役に当選し、当該擬似ボーナス入賞役が成立することで各擬似ボーナス状態に移行する。移行する擬似ボーナス状態は、成立した擬似ボーナス入賞役に応じて決定され、例えば、擬似ボーナスリプ1入賞役で当選した場合には第1擬似ボーナス状態ST361、擬似ボーナスリプ2入賞役で当選した場合には第2擬似ボーナス状態ST362、擬似ボーナスリプ3入賞役で当選した場合には第3擬似ボーナス状態ST363に移行する。昇格抽選状態ST360は、所定ゲーム数(例えば、5ゲーム)で終了し、非AT状態ST300に戻るようにしてもよいし、特定の入賞役が成立するまで継続するようにしてもよいし、所定の転落抽選に当選するまで継続するようにしてもよい。
昇格抽選状態ST360は、期待度及び継続期間の異なる複数種類の擬似ボーナス状態(特定遊技状態)のいずれかに移行するかを選択し、さらに、選択された擬似ボーナス状態を変更する変更期間に対応し、演出制御装置70は通常遊技状態から変更期間を発生させる変更期間発生手段をなす。また、演出制御装置70は、昇格抽選状態ST360におけるゲームの結果に基づいて、移行する擬似ボーナス状態を変更するため、移行先の擬似ボーナス状態に対応する遊技価値を変更する価値変更手段をなしている。
擬似ボーナス状態において、所定の入賞役が成立したり、AT権利獲得抽選に当選したりするなどでAT権利を獲得すると、擬似ボーナス状態の終了後に通常AT状態ST351に移行する。擬似ボーナス状態中にAT権利を獲得できるか否かは、第1擬似ボーナス状態ST361、第2擬似ボーナス状態ST362、第3擬似ボーナス状態ST363の順で期待度(当選確率)が高くなっている。
また、各擬似ボーナス状態には、上限のゲーム数が設定されており、具体的には、第1擬似ボーナス状態ST361及び第2擬似ボーナス状態ST362は30G、第3擬似ボーナス状態ST363は10Gとなっている。各擬似ボーナス状態で所定回数のゲームが終了すると、非AT状態ST300の通常ゾーンST310に移行する。
なお、特定遊技状態にAT(アシストタイム)状態に加えてリプレイが当選しやすいRT(リプレイタイム)状態が同時に発生したART状態を追加してもよい。ART状態では、AT状態と同様に、ゲーム数や払出枚数などによって定義された所定期間(アシスト期間)、リールストップボタン24の押し順を報知する。本実施形態における通常AT状態をART状態に置き換えてもよい。
この場合、入賞役に、リプレイゲームを実行する他に、現在の遊技状態から別の遊技状態(ART状態)に移行させるための移行条件となっている「特殊リプレイ」(特定賞役)を追加する。「特殊リプレイ」には押し順の正解を必要とするように設定し、押し順が不正解の場合には通常の「リプレイ」とするようにしてもよい。
ART状態から他の遊技状態への移行は、所定ゲーム数の消化や所定枚数のメダルの払い出しであってもよいし、ART状態において報知された押し順でリールを停止させずに取りこぼした場合であってもよい。ART状態からの移行先は、通常遊技状態やAT状態に移行させてもよいし、ART準備状態などを定義してこのART準備状態に移行させるようにしてもよい。このとき、ART準備状態からART状態に移行する条件を設定してもよい。また、ART準備状態では押し順を報知してもよいし、しなくてもよい。
また、ART状態を複数定義し、各ART状態を遷移するようにしてもよい。さらに、「特殊リプレイ」を複数種類定義して、入賞した「特殊リプレイ」の種類に応じて移行するART状態を決定するようにしてもよい。なお、ART状態は、内部中状態ST210となっていない点でAT状態と相違する。
図14は、本発明の実施の形態の演出制御装置70において設定される内部モードを示す図である。内部モードには通常Aモード、通常Bモード、天国モードの三種類があり、所定のリセット条件が成立した場合に計数していたゲームの実行回数を初期化するとともに何れかの内部モードを設定するようになっている。なお、所定のリセット条件が成立する場合とは、例えば、AT状態ST350が終了した場合や、特別遊技状態ST220が終了した場合、設定装置60で設定を変更したり、RAMクリアスイッチの操作が行われた後にゲームを開始した場合、RAMクリアスイッチの操作ではなく遊技者が実行可能な所定の操作であるリセット操作があった後にゲームを開始した場合である。
各内部モードではゲームの実行回数により区切られるゾーンであるゲーム数ゾーンが設定され、各ゲーム数ゾーンについては、ゲーム数解除(G数解除)がなされる規定回数(解除ゲーム数)の選択確率と、ミッションゾーンST320への移行抽選の当選確率(M抽選)が定められている。リセット条件が成立した場合には、まず設定する内部モードを選択し、選択した内部モードで規定された各ゲーム数ゾーンにおけるゲーム数解除(G数解除)がなされる規定回数の選択確率に従い規定回数の抽選を行って規定回数を決定する。
通常Aモードが選択された場合は、151〜200ゲーム及び601〜700ゲームのゲーム数ゾーンで規定回数が選択される確率が最も高く、次いで351〜400ゲームのゲーム数ゾーンで規定回数が選択される確率が高い。よって、遊技者にとっては、151〜200ゲーム及び601〜700ゲームのゲーム数ゾーンがゲーム数解除される可能性が最も高い大チャンスゾーンとなり、次いで351〜400ゲームのゲーム数ゾーンがゲーム数解除される可能性が高いチャンスゾーンとなる。なお、これ以外のゲーム数ゾーンについても規定回数が選択される確率は0ではなく、上記のゲーム数ゾーンよりは低い確率で規定回数が設定される。また、規定回数として設定可能なのは最大でも750ゲームであり、750ゲームまでに必ずゲーム数解除がなされる。つまり、通常Aモードでは天井が750ゲームとなっている。
通常Bモードが選択された場合は、26〜50ゲーム及び351〜400ゲームのゲーム数ゾーンで規定回数が選択される確率が最も高く、遊技者にとってはこのゲーム数ゾーンが大チャンスゾーンである。次いで151〜200ゲームのゲーム数ゾーン、301〜350ゲームのゲーム数ゾーン及び401〜450ゲームのゲーム数ゾーンで規定回数が選択される確率が高く、遊技者にとってはこのゲーム数ゾーンがチャンスゾーンである。もちろん、これ以外のゲーム数ゾーンについても規定回数が選択される確率は0ではなく、上記のゲーム数ゾーンよりは低い確率で規定回数が設定される。また、規定回数として設定可能なのは最大でも500ゲームであり、500ゲームまでに必ずゲーム数解除がなされる。つまり、通常Bモードでは天井が500ゲームとなっている。なお、天井の値や規定回数が選択される確率の分布から、通常Bモードは通常Aモードよりも遊技者にとって有利な内部モードとなっている。
天国モードが選択された場合は、1〜25ゲーム及び51〜100ゲームのゲーム数ゾーンで規定回数が選択される確率が最も高く、遊技者にとってはこのゲーム数ゾーンがチャンスゾーンである。もちろん、これ以外のゲーム数ゾーンについても規定回数が選択される確率は0ではなく、上記のゲーム数ゾーンよりは低い確率で規定回数が設定される。また、規定回数として設定可能なのは最大でも100ゲームであり、100ゲームまでに必ずゲーム数解除がなされる。つまり、天国モードでは天井が100ゲームとなっている。なお、天井の値や規定回数が選択される確率の分布から、天国モードは通常Bモードよりも遊技者にとって有利な内部モードとなっている。
また、ミッションゾーンST320への移行抽選の当選確率(M抽選)には、低確率の低確状態(低確)と、低確状態よりも確率が高い高確状態(高確)と、高確状態よりも確率が高い超高確状態(超高確)とがあり、例えば、通常Aモードである場合は実行回数が1〜25ゲームである場合に低確率が設定され、26〜50ゲームである場合に高確率が設定される。
なお、同一の内部モードであっても、設定装置60の設定により各ゲーム数ゾーンでゲーム数解除(G数解除)がなされる規定回数が選択される確率の分布が異なるようにしてもよい(設定値が高いほど少ない規定回数が選択されるようにする)。また、通常ゾーンST310でのAT権利獲得抽選(直撃AT抽選)の当選確率は、内部モードにかかわらず一定の確率となっているが、これも内部モードや設定装置60の設定により異ならせるようにしてもよい(設定値が高いほど当選確率が高くなるようにする)。
図15は、本発明の実施の形態の種々の場合におけるゲームの進行例を示す図である。(A)〜(E)に示す場合について説明する。
図15(A)は通常ゾーンST310でAT権利獲得抽選(直撃AT抽選)又は擬似ボーナス権利獲得抽選(直撃擬似ボーナス抽選)に当選した場合の例を示す。この例では、ゲームの実行回数が0クリアされてから通常ゾーンST310でゲームが進行しており、ゲームの実行回数が215ゲームとなるゲームにおいて特定役をなすレア役に内部当選してこれに伴うAT権利獲得抽選又は擬似ボーナス権利獲得抽選で当選している。
ここでは、AT権利獲得抽選又は擬似ボーナス権利獲得抽選に当選することで、ゲーム数解除までの残りゲーム数が当該ゲームを含めて5ゲームとされるようになっており、このゲーム数解除がなされるゲームまでの5ゲームで連続演出が行われる。ここでの連続演出はAT状態ST350に移行する場合の報知演出であるので、連続演出の最終段階ではAT状態ST350に移行する旨の演出が行われる。例えば、遊技者側の弟子キャラクタが師匠キャラクタと対決する対決演出であって、最終的に弟子キャラクタが勝利する演出が行われる。また、移行する状態に応じて演出内容を変更してもよい。
そして、ゲームの実行回数が220ゲームとなるゲームでゲーム数解除がなされて、AT状態ST350となり通常AT状態ST351又は昇格抽選状態ST360に移行する。なお、AT権利獲得抽選の当選により次ゲームで実行回数が規定回数に到達したとみなし、AT権利獲得抽選に当選したゲームの次ゲームからAT状態ST350に移行するようにしてもよい。
通常AT状態ST351では、遊技者側の弟子キャラクタが様々な敵キャラクタと戦うバトル演出が行われる。例えば操作するべきリールストップボタン24に対応する敵キャラクタが弟子キャラクタに襲い掛かり、遊技者が対応するリールストップボタン24を操作することで敵キャラクタを倒す演出となっており、小役の成立をアシストする押し順の報知を演出するようになっている。
一方、昇格抽選状態ST360では、通常AT状態ST351と同様に、遊技者側の弟子キャラクタが様々な敵キャラクタと戦うバトル演出が行われるが、敵キャラクタとバトルの過程で擬似ボーナス状態(ST361〜ST363)に移行し、敵キャラを倒した場合に通常AT状態ST351に移行する。通常AT状態ST351に移行しない場合には、敵キャラに敗れる演出を実行し、非AT状態ST300の通常ゾーンST310に移行するように制御される。
図15(B)には、ゲームの実行回数が規定回数に到達することに基づきゲーム数解除がなされる場合であって、特定演出ゾーンST330の滞在中にゲーム数ゾーンを跨がない場合の例を示した。この例ではゲーム数解除がなされることとなる規定回数が180に設定されている。
ゲームの実行回数が0クリアされてから通常ゾーンST310でゲームが進行し、規定回数となるゲームの15ゲーム前である165ゲーム目の開始により移行条件が成立して特定演出ゾーンST330の継続演出状態ST331となり、10ゲームに亘る継続演出Aが行われる。そして、175ゲーム目から連続演出状態ST332となり、5ゲームに亘る連続演出が行われる。
ここでの特定演出はAT状態ST350に移行する場合の報知演出であるので、連続演出の最終段階ではAT状態ST350に移行する旨の演出が行われる。例えば継続演出Aでは、遊技者側の弟子キャラクタが修行を行う修行演出が行われ、その後の連続演出では、遊技者側の弟子キャラクタが師匠キャラクタと対決する対決演出が行われ、ここではAT状態ST350に移行するので最終的に弟子キャラクタが勝利する演出が行われる。その後、ゲームの実行回数が180ゲームとなるゲームでゲーム数解除がなされてAT状態ST350となり昇格抽選状態ST360に移行する。
図15(C)には、ゲームの実行回数が規定回数に到達することに基づきゲーム数解除がなされる場合であって、特定演出ゾーンST330の滞在中にゲーム数ゾーンを跨ぐ場合の例を示した。この例でもゲームの進行や演出は図64(B)の場合と同じである。この例ではゲーム数解除がなされることとなる規定回数が360に設定されている。
ゲームの実行回数が0クリアされてから通常ゾーンST310でゲームが進行し、規定回数となるゲームの15ゲーム前である345ゲーム目の開始により移行条件が成立して特定演出ゾーンST330の継続演出状態ST331となり、10ゲームに亘る継続演出Aが行われる。特定演出ゾーンST330へ移行するゲームが属するゲーム数ゾーンは、規定回数となるゲームが属するゲーム数ゾーンとは異なるが、特にこれにとらわれることなく特定演出ゾーンST330へ移行可能である。
そして、355ゲーム目から連続演出状態ST332となり、5ゲームに亘る連続演出が行われる。ここでの特定演出はAT状態ST350に移行する場合の報知演出であるので、連続演出の最終段階ではAT状態ST350に移行する旨の演出が行われる。その後、ゲームの実行回数が360ゲームとなるゲームでゲーム数解除がなされてAT状態ST350となり昇格抽選状態ST360に移行する。
図15(D)には、実行回数が規定回数に到達する所定数(特定演出の実行回数)よりも前であって特定演出ゾーンST330への移行抽選に当選して特定演出が行われ、さらにその後、ミッションゾーンST320でAT権利獲得抽選に当選した例を示した。
ゲームの実行回数が0クリアされてから通常ゾーンST310でゲームが進行し、165ゲーム目で特定演出ゾーンST330への移行抽選に当選して特定演出ゾーンST330の継続演出状態ST331となり、10ゲームに亘る継続演出Aが行われる。そして、175ゲーム目から連続演出状態ST332となり、5ゲームに亘る連続演出が行われて特定演出が終了する。
ここでの特定演出はAT状態ST350に移行しない場合のガセ演出であるので、連続演出の最終段階ではAT状態ST350に移行しない旨の演出が行われる。例えば継続演出Aでは、遊技者側の弟子キャラクタが修行を行う修行演出が行われ、その後の連続演出では、遊技者側の弟子キャラクタが師匠キャラクタと対決する対決演出が行われ、ここではAT状態ST350に移行しないので最終的に弟子キャラクタが負ける演出が行われる。その後180ゲーム目から通常ゾーンST310へ戻る。なお、通常AT状態ST351へ移行しない場合の連続演出を5ゲームよりも少ないゲーム回数としてもよい。
さらに、通常ゾーンST310でゲームが進行し、230ゲーム目でミッションゾーンST320への移行抽選に当選してミッションゾーンST320へ移行している。このミッションゾーンST320は7ゲームに亘り継続し、演出として継続演出Bが行われる。このミッションゾーンST320中にAT権利獲得抽選に当選しており、ミッションゾーンST320の終了に伴いAT状態ST350となり通常AT状態ST351へ移行する。例えば継続演出Bでは遊技者側の弟子キャラクタが必殺技の習得を目指す必殺技習得ミッションが行われ、ここではAT状態ST350に移行するので最終的に必殺技の習得に成功する演出が行われる。
図15(E)には、天井に到達した場合の例を示した。この例では、ゲームの実行回数が0クリアされた際に選択された内部モードが通常Aモードであり、規定回数として最大となる750が選択されている。
ゲームの実行回数が0クリアされてから通常ゾーンST310でゲームが進行し、536ゲーム目でミッションゾーンST320への移行抽選に当選してミッションゾーンST320へ移行している。このミッションゾーンST320は10ゲームに亘り継続し、演出として継続演出Bが行われる。このミッションゾーンST320中にAT権利獲得抽選に当選せず、546ゲーム目からはミッションゾーンST320の終了に伴い通常ゾーンST310に戻る。例えば継続演出Bでは遊技者側の弟子キャラクタが必殺技の習得を目指す必殺技習得ミッションが行われ、ここではAT状態ST350に移行しないので最終的に必殺技の習得に失敗する演出が行われる。
その後、608ゲーム目で特定演出ゾーンST330への移行抽選に当選して特定演出ゾーンST330の継続演出状態ST331となり、10ゲームに亘る継続演出Aが行われる。そして、618ゲーム目から連続演出状態ST332となり、4ゲームに亘る連続演出が行われて特定演出が終了する。ここでの特定演出はAT状態ST350に移行しない場合のガセ演出であるので、連続演出の最終段階ではAT状態ST350に移行しない旨の演出が行われる。その後622ゲーム目から通常ゾーンST310へ戻る。例えば継続演出Aでは、遊技者側の弟子キャラクタが修行を行う修行演出が行われ、その後の連続演出では、遊技者側の弟子キャラクタが師匠キャラクタと対決する対決演出が行われ、ここではAT状態ST350に移行しないので最終的に弟子キャラクタが負ける演出が行われる。
そして、規定回数となるゲームの5ゲーム前である745ゲーム目の開始により5ゲームに亘る連続演出が開始される。ここでの特定演出はAT状態ST350に移行する場合の報知演出であるので、連続演出の最終段階ではAT状態ST350に移行する旨の演出が行われる。例えば連続演出では、遊技者側の弟子キャラクタが師匠キャラクタと対決する対決演出が行われ、ここではAT状態ST350に移行するので最終的に弟子キャラクタが勝利する演出が行われる。その後、ゲームの実行回数が750ゲームとなるゲームでゲーム数解除がなされてAT状態ST350となり通常AT状態ST351へ移行する。
なお、天井となるゲーム数に到達することでゲーム数解除がなされてAT状態ST350に移行するようにしたがこれに限られるものではない。例えば、天井となるゲーム数に到達したゲーム以降において所定役条件が成立すること(押し順ベルを取りこぼすベルこぼしや予め定めた特定役の当選など)により連続演出を開始し、当該連続演出の終了に伴いAT状態ST350に移行するようにしてもよい。また、天井となるゲーム数に到達する場合に継続演出を経由せずに連続演出を開始するようにしたが、継続演出を経由して連続演出を開始するようにしてもよい。
次に、遊技制御装置50による処理について説明する。遊技制御装置50による処理は、遊技を統括的に制御する遊技制御処理(図16参照)と、所定時間毎(例えば、約2msec毎)に行われるタイマ割込み処理(図17参照)とを含む。
〔遊技制御処理〕
まず、遊技制御処理について説明する。図16は、本発明の実施の形態の遊技制御処理の手順を示すフローチャートである。遊技制御処理は、スロットマシン1の電源が投入されることによって遊技制御装置50の電源が投入されることで、CPU50aがROM50bに記憶されている遊技制御処理の制御プログラムを読み出して実行することによって開始される。
遊技制御処理が開始されると、遊技制御装置50は、まず、CPU50a内のレジスタの初期化やRAM50cに記憶されている遊技データの初期化などを行う電源投入時処理を実行する(ステップA1001)。
次に、遊技制御装置50は、賭操作(すなわち、メダル投入口15からのメダル投入又はクレジットからの入力)や、リプレイ1入賞の成立に基づく自動賭操作により賭数を設定(ベット)し、賭数コマンドを演出制御装置70に送信する賭数/クレジット数制御処理を実行する(ステップA1002)。その後、払戻ボタン20が操作されたか否かを判定し、操作されたと判定した場合に、賭数として設定された(投入された)メダルの払い戻し及びクレジットとして記憶されているメダルの払い戻しを行うとともに、清算コマンドを演出制御装置70に送信するメダル清算処理を実行する(ステップA1003)。
そして、遊技制御装置50は、ベット(賭)数が上限値(例えば、通常遊技状態では3、特別遊技状態(ボーナス中)では2)であるか否かを判定し(ステップA1004)、ベット(賭)数が上限値に達していない場合には(ステップA1004の結果が「N」)、ステップA1002の処理に戻る。また、ベット(賭)数が上限値に達している場合には(ステップA1004の結果が「Y」)、スタートレバー21が操作されたか否かを判定する(ステップA1005)。
遊技制御装置50は、スタートレバー21が操作されていない場合には(ステップA1005の結果が「N」)、ステップA1002の処理に戻る。また、スタートレバー21が操作された場合には(ステップA1005の結果が「Y」)、リプレイ入賞の成立に基づき設定される再遊技フラグをクリアし(ステップA1006)、流路切換機構(メダルセレクタ)93を動作させてメダルの投入ができない投入規制状態に変換するメダル投入禁止動作を設定する(ステップA1007)。
その後、遊技制御装置50は、遊技状態に応じた入賞役の内部抽選を行い、抽選結果に対応する抽選結果コマンドを演出制御装置70に送信する内部抽選処理を実行する(ステップA1008)。さらに、停止結果を導出するためのリールストップボタン24の操作を所定時間に亘り無効にしたり、ゲームの終了を遅延させたりする演出であるフリーズ演出に関する設定として、内部抽選結果に基づきフリーズ演出の実行をセットしたり、フリーズ演出の実行までのゲーム数を管理したりするフリーズ演出設定処理を実行する(ステップA1009)。
次に、遊技制御装置50は、設定されたフリーズ演出を実行したり、リール6の変動開始(回転開始)を設定したりするリール回転開始処理を実行する(ステップA1010)。さらに、内部抽選の結果に基づき設定される入賞当選フラグと、リールストップボタン24の操作タイミングにより、各リール6の変動表示の停止(回転停止)に関する処理を行うリール回転停止処理を実行する(ステップA1011)。
そして、遊技制御装置50は、リール位置検出スイッチ54からのリール位置情報(具体的には、リール位置検出スイッチ54により検出されたリール6の回動位相等)に基づいて有効ライン上に停止表示された図柄組合せ態様が入賞当選フラグに対応するものであるか否かを判定することで入賞の成立を判定し、入賞が成立している場合に払出枚数情報をセットする入賞判定処理を実行する(ステップA1012)。
その後、遊技制御装置50は、払出枚数情報に基づきクレジットの加算又はメダル払出装置63によるメダルの払い出しを行う払出制御処理(付与処理)を実行し(ステップA1013)、成立した条件に応じて図12(A)に示した遊技状態(通常状態、特別遊技状態(BB状態)、内部中状態(RT状態))の移行を制御する遊技状態更新処理を実行する(ステップA1014)。なお、リール回転開始処理が実行されてから、リール回転停止処理が終了するまでが1ゲームではなく、ステップA1013又はステップA1014の処理が終了するまでの間が1ゲームとなる。なお、遊技制御装置50は払出制御処理(付与処理)を実行するため、付与処理手段をなしている。
最後に、遊技制御装置50は、状態変換ソレノイド938を動作させて流路切換機構(メダルセレクタ)93をメダルの投入が可能な投入許容状態に変換することによりメダル投入禁止動作を解除し(ステップA1015)、ステップA1002の処理に戻る。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図17は、本発明の実施の形態のタイマ割込処理の手順を示すフローチャートである。タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置50は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRAM50cに移すレジスタ退避の処理を実行する(ステップA1101)。さらに、各種センサなどからの入力の取り込み、すなわち各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(ステップA1102)。
ステップA1102の入力処理で取り込まれる入力は、メダル投入検出器922、メダル取込検出器925、スタートレバースイッチ52、リール停止スイッチ53(第1リール(左)停止スイッチ53a、第2リール(中)停止スイッチ53b、第3リール(右)停止スイッチ53c)、リール位置検出スイッチ54(左リール位置検出スイッチ54a、中リール位置検出スイッチ54b、右リール位置検出スイッチ54c)、マックスベットスイッチ57、払戻ボタンスイッチ58、払出メダル検出スイッチ59、設定装置60、リセットスイッチ61、扉開閉検出スイッチ62、電波検出スイッチ81、メダル満杯スイッチ82や設定装置60等からの入力である。
次に、セキュリティに関する処理として、遊技制御装置50は、メダル投入検出器922からの入力が異常を示す入力であった場合にこれに応じた処理を行ったり、メダル投入エラーコマンドを演出制御装置70に送信したりするメダル投入エラー監視処理を実行する(ステップA1103)。さらに、電波検出スイッチ81からの入力に基づき異常な電波の照射を検出した場合に対応する処理を行ったり、電波不正コマンドを演出制御装置70に送信したりする電波エラー監視処理を実行し(ステップA1104)、扉開閉検出スイッチ62からの入力に基づき前面扉2の状態を監視するとともに、前面扉2の開閉に応じて扉開放コマンド又は扉閉止コマンドを演出制御装置70に送信する扉開放監視処理を実行する(ステップA1105)。
次に、遊技制御装置50は、停電の発生を監視し、停電が発生した場合に所定の処理を行う電源遮断処理を実行する(ステップA1106)。停電発生時の処理としては、例えば、メダルの払い出しの停止、RAM50cの情報のバックアップ、スタックポインタ、チェックサムの記憶等を行った後、RAMアクセスを禁止してスロットマシン1の電源が遮断されまで待機する。なお、停電が発生していない場合は電源遮断処理(ステップA1106)を実行せず、次のリール動作制御処理を実行する(ステップA1107)。
リール動作制御処理(ステップA1107)では、フリーズ演出が行われる場合に設定されるフリーズ情報やリール更新情報に基づいてリール6の回転及び停止の出力設定を行う。その後、遊技制御装置50は、各種タイマの更新を行うタイマ更新処理を実行し(ステップA1108)、処理番号に応じた分岐処理を実行する(ステップA1109)。
ステップA1109の処理にて処理番号が「0」の場合は、遊技制御装置50は、メダル満杯スイッチ82からの入力に基づき、メダル払出装置63のホッパー内のメダルが満杯であるかを監視するメダル満杯スイッチ監視処理を実行する(ステップA1110)。また、ステップA1109の処理にて処理番号が「1」の場合は、払出メダル検出スイッチ59からの入力に基づきメダルの払い出しの異常を監視し、異常があった場合は演出制御装置70に払出スイッチエラーコマンドを送信する払出メダル検出スイッチエラー監視処理を実行する(ステップA1111)。
ステップA1109の処理にて処理番号が「2」の場合は、遊技制御装置50は、遊技進行表示部12、ベット数表示部19、クレジット数表示部11、払出数表示部13、遊技状態表示部18での表示を制御するLED/7セグ制御処理を実行する(ステップA1112)。また、ステップA1109の処理にて処理番号が「3」の場合は、ホールコンピュータ等の外部装置に出力する情報を編集する外部情報編集処理を実行する(ステップA1113)。
処理番号に応じた処理を実行した後、遊技制御装置50は、各種処理でセットされた出力データに基づき、演出制御装置70、クレジット数表示部11、遊技進行表示部12、払出数表示部13、遊技状態表示部18、ベット数表示部19、メダル払出装置63、リール用モータ64(左リール用モータ64a、中リール用モータ64b、右リール用モータ64c)、外部信号出力端子(当該スロットマシン1とは別体で設けられた管理装置等と接続する端子)33、状態変換ソレノイド938等に対して制御信号を出力する出力処理を実行する(ステップA1114)。そして、割り込み要求をクリアし(ステップA1115)、レジスタを復帰させ(ステップA1116)、割り込みを許可して(ステップA1117)、タイマ割込み処理を終了する。
〔内部抽選処理〕
図18は、本発明の実施の形態の内部抽選処理の手順を示すフローチャートである。内部抽選処理は、図16に示された遊技制御処理のステップA1008にて実行される。なお、当該内部抽選処理中は、賭操作やリール6の停止操作などの各種操作の入力を受け付けずに無効なものとするように構成されている。
内部抽選処理が開始されると、遊技制御装置50は、まず、乱数発生器50eから入賞役を判定するための役抽選乱数を取得する(ステップA1201)。さらに、現在の遊技状態に応じた入賞当選判定テーブルをセットする(ステップA1202)。
次に、遊技制御装置50は、ステップA1201の処理で取得した乱数値と、ステップA1202の処理でセットした入賞当選判定テーブルとに基づいて、入賞に内部当選したか否かを判定する入賞当選判定処理を実行する(ステップA1203)。これにより、遊技制御装置50は、役抽選手段をなす。なお、本実施形態では、入賞に内部当選したか否かを、乱数発生器50eで生成される乱数値、すなわちハードウェアで生成されるハード乱数を用いて判定するように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、入賞に内部当選したかを、ソフトウェアで生成されるソフト乱数に基づいて判定するように構成することも可能である。また、一方をハード乱数に基づいて判定して他方をソフト乱数に基づいて判定するようにしてもよい。
また、本実施形態では、複数の入賞役に対応する入賞当選フラグが重複してセットされることを可能としている。図19は、本発明の実施の形態の重複可能な入賞役を説明する図である。(A)はリプレイ入賞役、(B)はベルA入賞役、(C)はベルB入賞役と重複可能な入賞役を示す。
(A)に示すように、リプレイ入賞役に当選した場合には、重複しない、又は、「擬似ボーナスリプ1」、「擬似ボーナスリプ2」、「擬似ボーナスリプ3」に重複当選する。なお、リプレイ入賞役がベルなどの小役と重複当選した場合には、リプレイ入賞役が優先されるため、「重複なし」に該当することになる。擬似ボーナスリプ入賞役に当選すると、前述のように、遊技状態を通常遊技状態(非AT状態)から特定遊技状態(AT状態)に移行させる。
また、(B)又は(C)に示すように、ベルA入賞役又はベルB入賞役は、重複しない、1枚役A又は1枚役Bと重複するようになっている。すなわち、本実施形態では、停止ボタンを左から順に停止させる(順押しする)と、重複なし又は1枚役が成立するように設定されている。
ここで、図18の内部抽選処理のフローチャートの説明に戻る。遊技制御装置50は、入賞当選判定処理が終了すると、ハズレ当選フラグをセットし(ステップA1204)、ステップA1203の入賞当選判定処理で得られた判定結果が入賞当選であるか否かを判定する(ステップA1205)。
入賞当選判定処理で得られた判定結果が入賞当選でない場合(ステップA1205の結果が「N」)、すなわち、はずれである場合にはステップA1207の処理に移行する。また、入賞当選判定処理で得られた判定結果が入賞当選である場合には(ステップA1205の結果が「Y」)、ステップA1204の処理でセットしたハズレ当選フラグに代えて、内部当選した入賞に対応する入賞当選フラグをセットし(ステップA1206)、ステップA1207の処理に移行する。
遊技制御装置50は、ステップA1204又はステップA1206でセットした当選フラグ(ハズレ当選フラグ又は入賞当選フラグ)に対応する抽選結果コマンドを演出制御装置70に送信する(ステップA1207)。最後に、有効ライン上に入賞当選フラグに対応する図柄を停止させるための停止情報(停止制御テーブル)を設定する停止情報設定処理を実行し(ステップA1208)、内部抽選処理を終了する。
〔入賞判定処理〕
図20は、本発明の実施の形態の入賞判定処理の手順を示すフローチャートである。入賞判定処理は、図16に示された遊技制御処理のステップA1012にて実行される。
入賞判定処理が開始されると、遊技制御装置50は、まず、停止しているリール6とその停止位置を示す情報であるリール停止情報を取得し(ステップA1301)、遊技状態に応じた入賞成立判定情報をセットする(ステップA1302)。次に、有効ライン数(本実施形態では1)をセットし(ステップA1303)、判定対象とする有効ラインをセットし(ステップA1304)、入賞図柄(何れかの入賞役に対応する図柄組合せ態様)があるかを判定する(ステップA1305)。
遊技制御装置50は、入賞図柄がない場合には(ステップA1305の結果が「N」)、ステップA1309の処理に移行する。一方、入賞図柄がある場合には(ステップA1305の結果が「Y」)、入賞図柄と入賞当選フラグが一致するかを判定する(ステップA1306)。
そして、遊技制御装置50は、入賞図柄と入賞当選フラグが一致しない場合には(ステップA1306の結果が「N」)、復帰不可能エラー処理を実行する(ステップA1313)。復帰不可能エラー処理では、点検を促すエラー報知が行われ、リセットボタンの操作やRAMクリア等のリセット操作が行われない限り復帰しないようになっている。一方、一致する場合には(ステップA1306の結果が「Y」)、リプレイ入賞の成立であるかを判定する(ステップA1307)。
遊技制御装置50は、リプレイ入賞の成立である場合には(ステップA1307の結果が「Y」)、自動ベット再遊技フラグをセットし(ステップA1314)、ステップA1307の処理で判定したリプレイ入賞がベルリプ入賞であるか判定する(ステップA1315)。
そして、遊技制御装置50は、ベルリプ入賞である場合には(ステップA1315の結果が「Y」)、自動ベット再遊技フラグに代えて手動ベット再遊技フラグをセットし(ステップA1316)、ステップA1317の処理に移行する。ベルリプ入賞役は、ボーナス当選と重複して当選することが可能な入賞役であるので、ベルリプ入賞により遊技者に手動ベットさせることで、ボーナス当選している可能性があることを示唆することができる。手動ベット再遊技の場合には、長時間のフリーズ演出を実行して、マックスベットボタン17を操作させたり、スタートレバーを2回操作させたりすることでフリーズ演出が途中終了(キャンセル)するようになっている。そのため、手動ベット再遊技フラグがセットされた場合には、フリーズ演出の途中終了又はフリーズ演出期間の経過により自動ベットが行われる。
一方、遊技制御装置50は、ベルリプ入賞でない場合には(ステップA1315の結果が「N」)、ステップA1316の処理をスキップしてステップA1317の処理に移行する。
また、遊技制御装置50は、リプレイ入賞の成立でない場合には(ステップA1307の結果が「N」)、払出カウンタに入賞図柄に対応する払出数を加算し(ステップA1308)、入賞判定結果情報を記憶する(ステップA1309)。その後、全有効ラインを判定済みであるかを判定し(ステップA1310)、判定済みでない場合には(ステップA1310の結果が「N」)、ステップA1304の処理に戻り、未判定の有効ラインを判定する。一方、全有効ラインが判定済みである場合には(ステップA1310の結果が「Y」)、設定された払出数が1ゲームにおける最大払出数(例えば15)を越えるか否かを判定する(ステップA1311)。
遊技制御装置50は、最大払出数を超えない場合には(ステップA1311の結果が「N」)、ステップA1317の処理に移行する。また、最大払出数を超える場合には(ステップA1311の結果が「Y」)、払出カウンタに最大払出数をセットする(ステップA1312)。そして、入賞判定結果情報に対応するゲーム結果コマンドを演出制御装置70に送信し(ステップA1317)、入賞判定処理を終了する。
〔メダル投入エラー監視処理〕
続いて、メダルの投入時にエラーの発生を監視するメダル投入エラー監視処理について説明する。図21は、本発明の実施の形態のメダル投入エラー監視処理の手順を示すフローチャートである。メダル投入エラー監視処理は、図17に示されたタイマ割込処理のステップA1103にて実行される。メダル投入エラー監視処理では、メダル投入口15から遊技者が投入したメダルが流路切換機構(メダルセレクタ)93のメダル流路内で詰まった状態を検出し、報知する処理である。
遊技制御装置50は、まず、メダル取込検出器925の検出スイッチ1(925a)がONになっているか、すなわち、検出スイッチ1(925a)によって通過したメダルが検出されたか否かを判定する(ステップA1401)。検出スイッチ1(925a)がOFFの場合には(ステップA1401の結果が「N」)、ステップA1404の処理に移行する。
一方、遊技制御装置50は、検出スイッチ1(925a)がONの場合には(ステップA1401の結果が「Y」)、通過カウントに1加算し(ステップA1402)、通過監視タイマ(例えば、200ms)をセットする(A1403)。
次に、遊技制御装置50は、メダル取込検出器925の検出スイッチ2(925b)がONからOFFに変化したか、すなわち、検出スイッチ2(925b)の前方のメダル流路939を投入されたメダルが通過したか否かを判定する(ステップA1404)。検出スイッチ2(925b)がONからOFFに変化していない場合には(ステップA1404の結果が「N」)、メダル流路939を投入されたメダルが通過していないため、ステップA1411の処理に移行する。
一方、遊技制御装置50は、検出スイッチ2(925b)がONからOFFに変化した場合には(ステップA1404の結果が「N」)、メダル流路939を投入されたメダルが検出スイッチ2(925b)の前方を通過したことが確認されたこととなり、通過カウントから1減算する(ステップA1405)。
さらに、遊技制御装置50は、通過カウントが0未満であるか否かを判定する(A1406)。通過カウントは、検出スイッチ1(925a)によって投入されたメダルの通過が検出されると1加算され、検出スイッチ2(925b)によって投入されたメダルの通過が検出されると1減算されるため、正常に通過した場合には0に設定される。すなわち、ステップA1406の処理で通過カウントが0未満と判定された場合には(ステップA1406の結果が「Y」)、異常が発生したことになるため、セレクタ不正エラー報知を開始する(ステップA1407)。その後、ステップA1411の処理に移行する。
一方、遊技制御装置50は、通過カウントが0未満でない場合には(A1406の結果が「Y」)、メダル取込フラグに1加算する(ステップA1408)。さらに、通過カウントが0であるか否か、すなわち、正常にメダルが投入されたか否かを判定する(ステップA1409)。通過カウントが0である場合には(ステップA1409の結果が「Y」)、正常にメダルが投入されたので、通過監視タイマをクリアする(ステップA1410)。通過カウントが0でない場合には(ステップA1409の結果が「N」)、ステップA1411の処理に移行する。
遊技制御装置50は、検出スイッチ1(925a)及び検出スイッチ2(925b)の値のチェックが完了すると、通過カウントが0より大きいか否かを判定する(ステップA1411)。通過カウントが0寄りも大きくない場合には(ステップA1411の結果が「N」)、本処理を終了する。
一方、遊技制御装置50は、通過カウントが0寄りも大きい場合には(ステップA1411の結果が「Y」)、通過監視タイマを−1減算する。この場合、検出スイッチ1(925a)がONに設定された後、検出スイッチ2(925b)がONからOFFに変化しないこととなり、投入されたメダルが通過していない状態となっている。本実施形態では、通過監視タイマが0になるまでの間に投入されたメダルが検出スイッチ2(925b)の前方を通過した場合に正常に動作していると判定する。
続いて、遊技制御装置50は、通過監視タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップA1413)。タイムアップしていない場合には(ステップA1413の結果が「N」)、本処理を終了する。一方、タイムアップした場合には(ステップA1413の結果が「Y」)、検出スイッチ1(925a)と検出スイッチ2(925b)との間にメダルが詰まっている状態となるため、セレクタ詰まりエラー報知を開始する(ステップA1414)。
ここで、セレクタ詰まりエラーの具体例について説明する。図22は、本発明の実施の形態において流路切換機構(メダルセレクタ)93でメダル詰まりが発生する状況を説明する図である。
本実施形態のスロットマシン1では、開始操作によりゲームが開始されると、流路切換機構(メダルセレクタ)93が、メダルを取り込んでベットする取込状態から、返却口931にメダルを振り分ける返却状態に移行する。一方、払出処理が終了するなどしてゲームが終了すると、返却状態から取込状態に移行する。
取込状態では、図8(A)に示したように、流路切替部材932の上部ガイド部933がメダル流路939の上側に当該メダル流路939と平行になるように位置している。一方、返却状態では、図8(B)に示したように、回動軸936を中心にアーム部935が時計回りに回動し、流路切替部材932に形成された規制片934がメダル流路939に突出することによって、投入されたメダルが取り込まれずに返却口931に流下するようになっている。
ところで、払出処理の実行中に投入口からメダルを投入し、メダル流路939をメダルが流下している途中で払出処理が終了して返却状態から取込状態に移行すると、図22(A)に示すように、流路切替部材932の回動によって上部ガイド部933によって流下しているメダルが挟まってメダル詰まりが生じてしまうおそれがある。
具体的には、図22(B)に示すように、返却状態から取込状態に戻る過程で、流路切替部材932が反時計回りに回動することによって、規制片934によって傾いたメダルの側面が上部ガイド部933に接触し、メダル流路939との間に挟み込んでしまう状態となる。
このとき、図22(A)に示すように、メダル取込検出器925の検出スイッチ1(925a)がメダルを検出し、かつ、検出スイッチ2(925b)がメダルを検出していない状態でメダルの流下が停止する。
このようなメダル詰まりは、特に、入賞が成立したことをリール出目から認識し難い1枚役A・B(第2賞役)の入賞が成立した場合に、それを認識していない遊技者が、ゲームが終了していない払出処理の実行中にメダルを投入することによって発生しやすくなる。一方、1枚役A・B以外の賞役(第1賞役)については、同一の図柄が有効ラインや図柄整列ラインに整列して停止したり、所定の位置に特定の位置に停止するため、遊技者が認識しやすくなっている。
次に、演出制御装置70による処理について説明する。演出制御装置70による処理は、演出を統括的に制御する演出制御処理(図23参照)と、所定時間毎(例えば、約2msec毎)に行われるタイマ割込み処理(図24参照)とを含む。
〔演出制御処理〕
図23は、本発明の実施の形態の演出制御処理の手順を示すフローチャートである。演出制御処理は、スロットマシン1の電源が投入されることにより演出制御装置70の電源が投入されることで、CPU70aがROM70bに記憶されている演出制御処理の制御プログラムを読み出して実行することにより開始される。
演出制御処理が開始されると、演出制御装置70は、まず、定期演出情報設定処理を実行する(ステップB1001)。定期演出は、所定時刻に実行される演出であって、例えば、電源投入時から2時間おきに特殊モードを発生させる。定期演出情報設定処理は定期演出を実行するために電源投入時の時刻を設定したり、演出内容を決定したりする処理である。定期演出情報設定処理の詳細については、図25にて説明する。
次に、演出制御装置70は、CPU70a内のレジスタの初期化やRAM70cに記憶されている遊技データの初期化処理や、遊技制御装置50からの電源投入/復旧コマンドに基づく電源投入/復旧の報知処理などを行う初期化・初期設定処理を実行する(ステップB1002)。
次に、演出制御装置70は、ゲームが所定時間実行されていない場合にメイン表示器3及びサブ表示器310に客待ちデモ画像及び/又は通常よりもディスプレイの輝度を低減した省エネ中画像を表示させる客待ち中処理を実行する(ステップB1003)。なお、サブ表示器310には過剰に遊技を行うこと(射幸心)を抑制するための表示(例えば「パチンコ・パチスロは適度に楽しむものです」)を行うようにしてもよい。
また、客待ち中処理では、客待ち画面が表示されている間、演出ボタンの操作によって演出モード変更画面を表示し、演出ボタン10が操作されるたびに演出モードをA⇒B⇒Cの順で変更する。ただし、定期演出の所定期間前から定期演出の終了までは演出モードの変更が規制されるようになっている。
演出制御装置70は、操作入力部30による閲覧操作に基づいて、特別入賞役の発生履歴などのゲーム結果の履歴情報等をサブ表示器310に表示するためのサポートメニュー処理を実行する(ステップB1004)。サポートメニュー処理の詳細については、図29にて説明する。
さらに、演出制御装置70は、ゲームが開始されたか否かを判定する(ステップB1005)。なお、ゲームの開始は抽選結果コマンド(ゲーム開始情報)の受信により判定する。演出制御装置70は、ゲームが開始されていない場合には(ステップB1005の結果が「N」)、客待ち中処理に戻る(ステップB1003)。
一方、演出制御装置70は、ゲームが開始された場合には(ステップB1005の結果が「Y」)、特定遊技状態の発生を実行ゲーム数で管理するための情報を設定するゲーム管理情報設定処理を実行する(ステップB1006)。ゲーム管理情報設定処理では、AT状態ST350(特定遊技状態)の発生(ゲーム数解除の規定回数)やミッションゾーンST320への移行抽選の当選確率(低確状態、高確状態、超高確状態)をゲームの実行回数で管理するための情報を設定し、例えば内部モードの設定やゲーム数解除が行われる規定回数の設定などが行われる。なお、特定遊技状態の発生を実行ゲーム数で管理するための情報は、スタートレバー21の操作時に決定される。また、ゲーム管理情報設定処理の詳細については、図47にて説明する。
さらに、演出制御装置70は、ゲームの進行を管理するゲーム進行管理処理を実行する(ステップB1007)。具体的には、実行ゲーム数の管理、ミッション状態、昇格抽選状態、擬似ボーナス状態(特殊AT状態)、通常AT状態、上乗せAT状態の発生や進行を管理(制御)する。
続いて、演出制御装置70は、遊技状態が非AT状態ST300の場合に内部抽選結果に基づいて擬似ボーナス状態を発生させるか否かを抽選する擬似ボーナス抽選処理を実行する(ステップB1008)。擬似ボーナス抽選処理の詳細については、図51にて説明する。
続いて、演出制御装置70は、遊技状態が昇格抽選状態ST360の場合に昇格抽選モード及び内部抽選結果に基づき擬似ボーナスの種類を昇格(ランクアップ)させるか否かを抽選する擬似ボーナス昇格抽選処理を実行する(ステップB1009)。擬似ボーナス昇格抽選処理の詳細については、図53にて説明する。
次に、演出制御装置70は、遊技状態が非AT状態ST300の場合に内部抽選結果に基づきミッション状態を発生させるか否かを抽選するミッション抽選処理を実行する(ステップB1010)。さらに、通常ゾーンST310又はミッションゾーンST320の場合に内部抽選結果に基づきAT状態ST350に移行させるか否かや移行させる場合の通常AT状態ST351のループ率を抽選するAT発生抽選処理を実行する(ステップB1011)。
次に、演出制御装置70は、通常AT状態ST351及び上乗せAT状態ST352の場合に内部抽選結果に基づきATゲーム数を上乗せするか否かと、上乗せ方式(上乗せの種類)とを抽選するATゲーム数上乗せ抽選処理を実行する(ステップB1012)。なお、上乗せAT状態ST352のほうがATゲーム数を上乗せしやすくなっており、また、上乗せゲーム数が多い上乗せ方式が選択され易く設定されている。
さらに、演出制御装置70は、通常AT状態ST351及び上乗せAT状態ST352の場合に内部抽選結果に基づきATセット数を上乗せするか否かを抽選するATセット数上乗せ抽選処理を実行する(ステップB1013)。なお、上乗せAT状態ST352の場合の方が高確率で上乗せするようになっている。
続いて、演出制御装置70は、フリーズ演出を行う場合に当該フリーズ演出に対応する演出を実行するフリーズ演出処理を実行する(ステップB1014)。次に、特別入賞や小役入賞の当選、遊技状態に応じて、当該ゲームのみで行う単発演出や複数のゲームに亘り連続して行う連続予告(連続演出)を行うゲーム演出決定処理を実行する(ステップB1015)。
次に、演出制御装置70は、特定遊技状態の非発生時において中・右第1停止操作が行われた場合に、実行ゲーム数のカウントを停止させたり、所定ゲーム間ミッション抽選をしないようにペナルティを与えたりする変則押しペナルティ設定処理を実行する(ステップB1016)。なお、ペナルティを変則押しが実行されたことだけを条件に与えてもよいが、変則押しが実行されたことに加えて変則押しが実行された結果として所定の入賞役の入賞が成立したことを条件にしてもよい。
その後、演出制御装置70は、ゲームが終了するまでステップB1016の変則押しペナルティ設定処理を実行する(ステップB1017)。ゲームが終了すると(ステップB1017の結果が「N」)、特定遊技状態の発生を実行ゲーム数で管理するための情報を更新するゲーム管理情報更新処理を実行する(ステップB1018)。ゲーム管理情報更新処理は、例えば、内部モードの設定やゲーム数解除が行われる規定回数の設定などが行われる。
なお、ゲーム管理情報設定処理(ステップB1006)では、内部モードの設定に関してリセット処理の前の内部モードの情報を考慮しない場合の処理が行なわれる。この場合には、設定装置60で設定を変更した後にゲームを開始した場合や、RAMクリアスイッチの操作が行われた後にゲームを開始した場合、RAMクリアスイッチの操作ではなく遊技者が実行可能な所定の操作であるリセット操作があった後にゲームを開始した場合が含まれる。これに対してゲーム管理情報更新処理(ステップB1018)では、内部モードの設定に関してリセット処理の前の内部モードの情報を考慮する場合の処理が行なわれる。この場合には、AT状態ST350が終了した場合や、特別遊技状態ST220が終了した場合が含まれる。
最後に、演出制御装置70は、ゲーム結果を履歴情報として記憶する履歴情報記憶処理を実行し(ステップB1018)、ステップB1013の客待ち演出処理に戻る。
なお、停電が発生した場合には停電発生時の処理を行う電源遮断処理を行うようになっている。停電発生時の処理としては、例えば、RAM70cの情報のバックアップ、スタックポインタ、チェックサムの記憶等を行った後、RAMアクセスを禁止してスロットマシン1の電源が遮断されるまで待機する。
〔タイマ割込み処理〕
図24は、本発明の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理が開始されると、演出制御装置70は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRAM70cに退避させる(ステップB1101)。続いて、演出ボタンスイッチ10a、操作入力部スイッチ30cから演出制御装置70に入力される信号を処理する入力処理を実行する(ステップB1102)。
次に、演出制御装置70は、賭数の更新毎に送信される賭数コマンドに基づいて賭数の報知(音、表示、発光)を行う賭数報知処理を実行する(ステップB1103)。賭数報知処理では、例えば、メダルが投入されるたびに音を出力する。
さらに、演出制御装置70は、精算コマンドに基づいて精算が行われたことの報知(音、表示、発光)を行う精算報知処理を実行する(ステップB1104)。精算報知処理では、例えば、クレジットされたメダルを排出するたびに音を出力したり、所定時間(例えば、精算時間+5秒間)アラーム音を出力したりする。
続いて、演出制御装置70は、特別入賞や小役入賞の当選、遊技状態に応じて、当該ゲームのみで行う単発演出を制御する通常演出制御処理を実行する(ステップB1105)。さらに、複数のゲームにわたって連続して予告(演出)が実行される連続予告(連続演出)を制御する連続演出制御処理を実行する(ステップB1106)。連続演出制御処理の詳細については、図54にて説明する。
次に、演出制御装置70は、昇格抽選状態ST360における演出を制御する擬似ボーナス昇格演出制御処理を実行する(ステップB1107)。昇格抽選状態ST360における演出には、例えば、擬似ボーナス状態の価値(種類)を昇格(変更)させる抽選に当選した際の昇格演出などが含まれる。擬似ボーナス昇格演出制御処理の詳細については、図64にて説明する。
次に、演出制御装置70は、ゲーム結果が払い出しを伴う場合に、1払い出し毎に送信される払出コマンドに基づいて払い出しを報知(音、表示、発光)する払出報知制御処理を実行する(ステップB1108)。払出報知制御処理の詳細については、図78にて説明する。
次に、演出制御装置70は、現在時刻と定期演出の実行開始時刻とを比較して定期演出を実行したり、実行中の定期演出の制御を行ったりする定期演出制御処理を実行する(ステップB1109)。
続いて、演出制御装置70は、メイン表示器3、サブ表示器310での表示を制御する表示制御処理を実行する(ステップB1110)。さらに、スピーカ4から出力する音声を制御する音声制御処理(ステップB1111)、枠発光装置7、バックライト67、停止ボタンであるリールストップボタン(24a,24b,24c)に設けられたストップボタンLED66を制御するランプ/LED制御処理を実行する(ステップB1112)。
その後、演出制御装置70は、ゲームの演出内容を決定する際に用いられる演出乱数などの乱数を更新(例えば+1)する乱数更新処理を実行する(ステップB1113)。そして、各種処理で設定された情報に基づく制御信号を出力する出力処理を実行する(ステップB1114)。さらに、割り込み要求をクリアし(ステップB1115)、レジスタを復帰し(ステップB1116)、割り込みを許可して(ステップB1117)、タイマ割込み処理を終了する。
〔定期演出〕
図25は、本発明の実施の形態の定期演出情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置70は、まず、初期化スイッチ信号がオンであるか否かを判定する(ステップB1201)。初期化スイッチ信号は、電源装置40に設けられた初期化スイッチの操作により強制的なRAMクリアが行われる場合に入力される。
演出制御装置70は、初期化スイッチ信号がオンである場合には(ステップB1201の結果が「Y」)、定期演出を実行するための基準年月日情報をクリアする(ステップB1210)。さらに、定期演出を無効とするための定期演出無効フラグをRAM70cに記憶する(ステップB1211)。最後に、定期演出無効報知情報をセットし(ステップB1212)、定期演出情報設定処理を終了する。なお、基準年月日情報とは定期演出の演出態様を決定するために用いる情報である。
一方、演出制御装置70は、初期化スイッチ信号がオンでない場合には(ステップB1201の結果が「N」)、定期演出を実行するための基準年月日情報が記憶されているか否かを判定する(ステップB1202)。基準年月日情報が記憶されていない場合には(ステップB1202の結果が「N」)、図9には図示しないRTC(リアルタイムクロック、計時IC)から取得した年月日情報を基準年月日情報としてRAM70cに記憶する(ステップB1203)。基準年月日情報は、RAMクリア後に電源が初めて投入された場合に新たに記憶される。さらに、定期演出を無効とするための定期演出無効フラグをクリアする(ステップB1204)。
演出制御装置70は、基準年月日情報が設定された後、又は、基準年月日情報が記憶されている場合には(ステップB1202の結果が「Y」)、RTCから日時情報を取得する(ステップB1205)。日時情報は、日付(年月日)及び時刻である。なお、RCTにはバックアップ電源(電池やコンデンサ)からバックアップ電源が供給されており、スロットマシンへの電源供給が停止しても所定期間に亘って年月日情報を更新することが可能となっている。
続いて、演出制御装置70は、基準年月日情報とステップB1205の処理で取得された日時情報に基づいて定期演出態様を決定し、RAM711に記憶する(ステップB1206)。態様は、基準年月日からの経過日数に基づいて決定される。定期演出態様を決定するためのテーブルの一例について図26Aを参照しながら説明する。
図26Aは、本発明の実施の形態の定期演出の態様を決定するための定期演出態様決定テーブルの一例を示す図である。本実施形態の定期演出は、基準年月日からの経過日数に基づいて決定される。基準年月日は、RAMクリア後に最初に電源が投入された時刻が設定される。
本実施形態では、図26Aに示すように、2週間毎に定期演出の態様が演出Aから演出Fまで切り替えられ、12週以降は、演出Aから演出Fまでを定期演出毎に順次実行するようになっている。なお、12週以降は、遊技者が演出Aから演出Fを選択できるようにしてもよいし、遊技者が定期演出毎の演出を予め決定(カスタマイズ)できるようにしてもよい。
ここで、図25の定期演出情報設定処理のフローチャートの説明に戻る。演出制御装置70は、ステップB1205の処理で取得された日時情報に基づいて、定期演出の実行時刻を決定し、RAM711の実行情報記憶領域に記憶する(ステップB1207)。定期演出の実行時刻を格納する実行情報記憶領域の一例について図26Bを参照しながら説明する。
図26Bは、本発明の実施の形態の定期演出の実行情報記憶領域の内容の一例を示す図である。定期演出の実行情報記憶領域には、定期演出の実行回を示す定期演出回数、定期演出回数に対応する実行時刻、及び、実行される演出態様が記憶される。図26Bでは、電源が投入された時刻が09時00分1.28秒として情報が記憶されている。
定期演出回数は、本実施形態では1日6回だが、電源投入の時刻によっては回数が少なくなる場合もある。実行時刻については電源が投入されるたびに更新され、本実施形態では、電源投入時の時刻を基準として2時間おきに実行されるように定義される。実行時刻は、ステップB1206の処理で決定され、記憶される。なお、全台のRAMクリアを同時に行うことはできないため、RAMクリアを行った電源投入時点で定期演出に関する設定を行うのではなく、電源投入の時刻を基準とすることで、同時に電源が投入された複数の遊技機(同一機種)で同期するように定期演出を行うことができる。
さらに、演出態様は、日付情報に基づいて、ステップB1206の処理で決定される。なお、基準年月日からの経過日数によって一義的に各定期演出の演出態様を決定するのではなく、客待ち時等に演出ボタン10を操作することによって、各定期演出時に実行される演出態様を遊技者が任意に設定(カスタマイズ)可能としてもよい。なお、遊技者に任意に設定(カスタマイズ)させる場合には、過去に実行された演出態様の中から選択させるようにしてもよいし、遊技者個人の遊技履歴(ゲーム回数やミッションの達成度等)に応じて選択できる演出態様の選択肢を増やすようにしてもよい。
ここで、図25の定期演出情報設定処理のフローチャートの説明に戻る。演出制御装置70は、最後に、定期演出有効報知情報をセットし(ステップB1208)、定期演出情報設定処理を終了する。なお、ステップB1208の処理でセットされる定期演出有効報知情報と、ステップB1212の処理でセットされる定期演出無効報知情報については、図27にて説明する。
図27は、本発明の実施の形態の定期演出報知情報の一例を示す図であり、(A)は定期演出無効報知情報、(B)は定期演出有効報知情報である。
定期演出無効報知情報は、RAMクリアが実行された(初期化スイッチ信号が入力された)場合に表示され、具体的には、定期演出情報設定処理の実行後又は電源投入コマンドの受信時に表示される。
定期演出有効報知情報は、RAMクリアが実行されずに電源が復帰した場合(停電時における正常復旧)、又は、機種全台の電源が同時に投入された場合に表示され、具体的には、定期演出情報設定処理の実行後又は停電復旧コマンドの受信時に表示される。
〔サポートメニュー表示階層〕
図28は、本発明の実施の形態のサブ表示器310に表示されるメニュー画面の内容と表示階層を示す図である。本実施形態では、ベット(賭数の設定)が行われていない状態で操作入力部30や演出ボタン10の操作が行われると、サブ表示器310が液晶用表示窓9dの下端位置(操作入力部30の近傍)まで移動し、まず、第1表示階層のサポートメニュー画面が表示される。
サポートメニュー画面には選択可能な項目が表示されており、遊技者が項目を選択して当該選択を決定する操作を行うと、選択した項目に対応した第2表示階層の画面が表示される。同様に第2表示階層の画面にも選択可能な項目が表示されており、遊技者が項目を選択して当該選択を決定する操作を行うと、選択した項目に対応した第3表示階層の画面が表示される。
第1表示階層のサポートメニュー画面には、ゲーム説明、ゲーム履歴、携帯連動(ゲームログ)、演出カスタマイズの項目が表示されており、例えば遊技者がゲーム履歴の項目を選択して当該選択を決定する操作を行うと、第2表示階層のゲーム履歴画面が表示される。第2表示階層のゲーム履歴画面には、当選確率表示、スランプグラフ表示、ゲーム数リセット設定、設定リセット解除の項目が表示されており、例えば遊技者がゲーム数リセット設定の項目を選択して当該選択を決定する操作を行うと、第3表示階層のゲーム数リセット設定画面が表示される。
このように表示手段をなすサブ表示器310には、複数種類の操作画面を順次表示可能であり、遊技者が項目を選択して当該選択を決定する操作を行うという所定の更新条件が成立することにより、別の表示画面に更新されるように制御される。各表示画面には複数の表示階層のうちの一つが設定され、各表示画面は下位及び/又は上位の表示階層の操作画面に対応付けられており、遊技者の操作により順次異なる表示階層への遷移が可能となっている。
このような表示画面の更新はサポートメニュー処理(ステップB1004)において行われるようになっている。すなわち、演出制御装置70が、所定の更新条件の成立に基づき、表示手段(サブ表示器310)に表示されている操作画面を別の操作画面に更新することが可能な画面更新手段をなす。なお、複数種類の操作画面を所定時間(例えば5秒)が経過する毎に順次切り替えて表示するようにしてもよく、この場合には所定時間が経過することが所定の更新条件が成立することに相当する。
〔サポートメニュー処理〕
続いて、サポートメニュー処理について説明する。図29は、本発明の実施の形態のサポートメニュー処理の手順を示すフローチャートである。
サポートメニュー処理が開始されると、演出制御装置70は、まず、賭数設定があるか否かを判定する(ステップB5001)。賭数設定がある場合には(ステップB5001の結果が「Y」)、サポートメニュー処理を終了する。賭数設定がある場合とはベットされた状態のことであり、遊技者によるメダルの投入やマックスベットボタン17の操作などのベット操作による場合のほか、リプレイ入賞役の成立により再遊技が設定されたことによる場合も含む。なお、ゲーム中もベットされた状態である。
一方、演出制御装置70は、賭数設定がない場合には(ステップB5001の結果が「N」)、操作入力部(操作部)の操作があるか否かを判定する(ステップB5002)。操作入力部には、操作入力部30の他、演出ボタン10も含まれる。
演出制御装置70は、操作入力部の操作があった場合には(ステップB5002の結果が「Y」)、サブ表示器310を液晶用表示窓9dの下端位置(操作入力部30の近傍)まで移動させる(ステップB5003)。次いで、サブ表示器310にメニュー選択(操作)画面(図35(B)参照)を表示する(ステップB5004)。そして、メニュー選択画面の中から「ゲーム説明(リール配列、役構成)」の項目を選択して決定する説明表示操作があるか否かを判定する(ステップB5005)。
なお、メニュー選択画面の表示に先駆けてサブ表示器310の移動を行ったが、それらの順序は逆でも良い。また、操作入力部30の操作の有無に関係なく、客待ち中処理(ステップB1003)が行われる時点でサブ表示器310にメニュー選択(操作)画面を表示するようにしてもよい。この場合、メニュー選択画面を表示した後、操作入力部30の操作があったときにサブ表示器310を液晶用表示窓9dの下端位置(操作入力部30の近傍)まで移動させるようにしてもよい。また、操作入力部30の操作を要せずにメニュー選択画面の表示とともにサブ表示器310を液晶用表示窓9dの下端位置まで移動させてもよい。
演出制御装置70は、説明表示操作がある場合には(ステップB5005の結果が「Y」)、リール6の配列画面や入賞役の構成画面等のゲーム内容を説明する各画面を操作入力部30の操作により遊技者に選択させて表示することを可能とする説明表示処理を実行し(ステップB5006)、ステップB5018の処理に移行する。
また、演出制御装置70は、説明表示操作がない場合には(ステップB5005の結果が「N」)、メニュー選択画面の中から「ゲーム履歴表示」の項目を選択して決定する履歴表示操作があるか否かを判定する(ステップB5007)。
演出制御装置70は、履歴表示操作がある場合には(ステップB5007の結果が「Y」)、過去3日分のゲーム履歴情報画面や当日の詳細履歴情報画面等の各履歴画面を操作入力部30の操作により遊技者に選択させて表示することを可能とする履歴表示処理を実行し(ステップB5008)、ステップB5018の処理に移行する。なお、後述する携帯連動処理によって個人IDが登録されている場合には履歴表示処理にて個人履歴情報画面を選択表示することが可能となる。
また、演出制御装置70は、履歴表示操作がない場合には(ステップB5007の結果が「N」)、メニュー選択画面の中から「携帯連動(ゲームログ)」の項目を選択して決定する携帯連動操作があるか否かを判定する(ステップB5009)。
演出制御装置70は、携帯連動操作がある場合には(ステップB5009の結果が「Y」)、個人IDを登録したり当該個人IDを登録した遊技者のみが見られるコンテンツ等を表示したりすることを可能とする携帯連動処理を実行し(ステップB5010)、ステップB5013の処理に移行する。
また、演出制御装置70は、携帯連動操作がない場合には(ステップB5009の結果が「N」)、メニュー選択画面の中から「演出カスタマイズ」の項目を選択して決定する演出カスタマイズ操作があるかを判定する(ステップB5011)。
演出制御装置70は、演出カスタマイズ操作がある場合には(ステップB5011の結果が「Y」)、各種の遊技演出(BGM、背景画像、ゲーム内容等)をカスタマイズすることを可能とする演出カスタマイズ処理を実行し(ステップB5012)、ステップB5018の処理に移行する。なお、演出カスタマイズ処理の詳細については、図43にて後述する。
また、演出制御装置70は、演出カスタマイズ操作がない場合には(ステップB5011の結果が「N」)、メニュー選択画面の中から「演出モード切替」の項目を選択して決定する演出モード切替操作があるかを判定する(ステップB5013)。
演出制御装置70は、演出モード切替操作がある場合には(ステップB5013の結果が「Y」)、遊技者が選択した演出モードに切り替えることを可能とする演出モード切替処理を実行し(ステップB5014)、ステップB5018の処理に移行する。また、演出モード切替操作がない場合には(ステップB5013の結果が「N」)、ステップB5018の処理に移行する。
一方、演出制御装置70は、操作入力部の操作がなかった場合には(ステップB5002の結果が「N」)、全停止ボタン(全てのリールストップボタン24)の同時操作があったか否かを判定する(ステップB5015)。そして、全停止ボタンの同時操作がなかった場合には(ステップB5015の結果が「N」)、サポートメニュー処理を終了する。
また、演出制御装置70は、全停止ボタンの同時操作があった場合(ステップB5015の結果が「Y」)、強制リセットフラグをセットし(ステップB5016)、ゲーム数リセット設定処理を実行する(ステップB5017)。これらの処理により、ゲームの実行回数を初期化し規定回数を複数の値のうちから選択して再設定するリセット処理が行われる。なお、ゲーム数リセット設定処理の詳細については、図32にて後述する。
ゲーム数リセット設定処理の終了後、又は、メニュー画面から選択された処理の実行が完了すると、演出制御装置70は、メニュー選択画面の中から「終了」の項目を選択して決定する終了操作があるか否かを判定する(ステップB5018)。終了操作がない場合には(ステップB5018の結果が「N」)、ステップB5004の処理に戻る。
また、演出制御装置70は、終了操作がある場合には(ステップB5018の結果が「Y」)、サブ表示器310にゲームに関する遊技演出画面を表示する(ステップB5019)。さらに、サブ表示器310の移動があったか否かを判定し(ステップB5020)、移動があった場合には(ステップB5020の結果が「Y」)、移動前の位置(例えば液晶用表示窓9dの中央位置)まで移動(復帰)させる(ステップB5021)。その後、サポートメニュー処理を終了する。
なお、全停止ボタンの同時操作があった場合には、サブ表示器310は移動していないが、この場合であってもサブ表示器310の移動を行ってもよい。全停止ボタンの同時操作によるリセット処理は強制リセットであって、後述する通常リセットと同様に、RAMクリアスイッチの操作ではなく遊技者が実行可能な所定の操作であるリセット操作に基づくリセット処理であるが、両者は実行可能なゲーム状態が異なるものとなっている。
以上のように、演出制御装置70は、サポートメニュー処理にて、操作入力部30の操作に対応してサブ表示器310の表示内容を変更する操作連動処理を実行することが可能な操作連動処理手段、及びサブ表示器310を第1位置と該第1位置よりも操作入力部30に近づく第2位置(液晶用表示窓9dの下端位置)とに移動させることが可能な表示移動手段をなし、操作連動処理の開始に伴いサブ表示器310を第1位置から第2位置に移動させることとなる。また、補助遊技(ゲーム)の非実行状態中にサブ表示器310の操作があった場合に操作連動処理を開始することとなる。
〔履歴表示処理〕
次に、図29のサポートメニュー処理における履歴表示処理(ステップB5008)について説明する。図30は、本発明の実施の形態の履歴表示処理の手順を示すフローチャートである。
履歴表示処理が開始されると、演出制御装置70は、まず、履歴メニュー選択画面(ゲーム履歴画面)を表示する(ステップB5101)。履歴メニュー選択画面は、第1表示階層のサポートメニュー画面の下位に対応付けられた第2表示階層の画面である。図31は、本発明の実施の形態の履歴メニュー選択画面の一例を示す図である。履歴メニュー選択画面には、当選確率表示、スランプグラフ表示、ゲーム数リセット設定、設定リセット解除、終了の項目が表示されており、選択操作により選択されている項目は他の項目よりも明るく表示されて遊技者が認識できるようにされている。そして項目を選択した状態で決定する決定入力を行うと、当該項目に対応付けられた第3表示階層の画面が表示されることとなる。なお、終了の項目を選択した場合はサポートメニュー画面に戻る。
演出制御装置70は、当選確率表示の項目を選択した状態で決定する決定入力を行う当選確率表示操作があった場合には(ステップB5102)、所定期間(当日、過去3日間など)におけるAT状態ST350への移行確率や擬似ボーナス入賞役の当選確率など、各種の当選確率を示す各種当選確率画面を表示する当選確率表示処理を実行する(ステップB5103)。
また、演出制御装置70は、スランプグラフの項目を選択した状態で決定する決定入力を行うスランプ表示操作があった場合には(ステップB5104)、所定期間におけるメダルの増減を示すスランプグラフを示すスランプグラフ画面を表示するスランプグラフ表示処理を実行する(ステップB5105)。
また、演出制御装置70は、ゲーム数リセット設定の項目を選択した状態で決定する決定入力を行うG数リセット設定操作があった場合には(ステップB5106)、リセット処理を実行するためのリセット情報の設定を行うためのゲーム数リセット設定画面を表示するゲーム数リセット設定処理を実行する(ステップB5107)。ゲーム数リセット設定処理の詳細については、図32にて説明する。
また、演出制御装置70は、設定リセット解除の項目を選択した状態で決定する決定入力を行う設定リセット解除操作があった場合には(ステップB5108)、リセット処理を実行するためのリセット情報の設定を解除するためのゲーム数リセット解除画面を表示する設定リセット解除処理を実行する(ステップB5109)。設定リセット解除処理の詳細については、図34にて説明する。
また、演出制御装置70は、終了の項目を選択した状態で決定する決定入力を行う終了操作があった場合には(ステップB5110の結果が「Y」)、履歴表示処理を終了する。この場合、サポートメニュー処理(図29参照)においてメニュー選択(操作)画面を表示する処理(ステップB5004)が実行されることで、サポートメニュー画面が表示される。
〔ゲーム数リセット設定処理〕
続いて、ゲーム数リセット設定処理について説明する。ゲーム数リセット設定処理は、図30の履歴表示処理におけるゲーム数リセット設定処理(ステップB5107)と図29に示したサポートメニュー処理におけるゲーム数リセット設定処理(ステップB5005)とで共通の処理である。図32は、本発明の実施の形態のゲーム数リセット設定処理の手順を示すフローチャートである。
ゲーム数リセット設定処理が開始されると、演出制御装置70は、まず、パスワード保護があるかを判定する(ステップB5201)。パスワード保護とは、後述するように携帯端末とスロットマシン1とを連動させた場合に設定可能となるもので、遊技者の意図しないリセット処理を防止するためのものである。
演出制御装置70は、パスワード保護がなされている場合には(ステップB5201の結果が「Y」)、設定不可(エラー)画面を表示し(ステップB5213)、確認入力があるか否かを判定する(ステップB5214)。設定不可画面では、パスワード保護がなされておりゲーム数リセットの設定が行えない旨の表示がなされるとともに確認の項目が表示される。そして、遊技者が確認の項目を選択した状態で決定する決定入力を行う確認入力があった場合には(ステップB5214の結果が「Y」)、ゲーム数リセット設定処理を終了する。
ゲーム数リセット処理を終了した場合は、履歴表示処理(図30)における履歴メニュー選択画面を表示する処理(ステップB5101)により、ゲーム履歴画面が表示されるようになる。なお、パスワード保護がなされている場合にパスワードの入力画面を表示し、正当なパスワードが入力されたことに基づきステップB5202以降の処理を行うようにしてもよい。
一方、演出制御装置70は、パスワード保護がない場合(ステップB5201の結果が「N」)、通常リセット用の判定情報をセットし(ステップB5202)、強制リセットフラグがあるかを判定する(ステップB5203)。強制リセットフラグは、全停止ボタンの同時操作によりリセット処理を行うことを選択した場合に設定されるフラグである。
演出制御装置70は、強制リセットフラグがある場合には(ステップB5203の結果が「Y」)、全停止ボタンの同時操作による強制リセットにおいて、リセット処理を行うためのリセット情報を設定可能なゲーム状態が規定された強制リセット用の判定情報をセットして強制リセットフラグをクリアする(ステップB5204)。
演出制御装置70は、強制リセットフラグのクリア後(ステップB5204)、又は、強制リセットフラグがない場合には(ステップB5203の結果が「N」)、サブ表示器310における選択による通常リセットにおいて、リセット処理を行うためのリセット情報を設定可能なゲーム状態が規定された通常リセット用の判定情報のまま現在の遊技進行状態がゲーム数リセットを設定可能な状態か否かを判定する(ステップB5205、ステップB5206)。図33にゲーム数リセットを設定可能な状態か否かを判定するためのテーブルを示す。
図33は、本発明の実施の形態の通常リセットと強制リセットでリセット情報を設定可能なゲーム状態を説明する図である。サブ表示器310における選択による通常リセットと、全停止ボタンの同時操作による強制リセットは、リセット処理を実行可能なゲーム状態が異なっている。すなわちリセット処理には、第1の操作をなすサブ表示器310のみの操作に基づいて実行される第1リセット処理と、第2の操作をなす全停止ボタンの操作に基づいて実行される第2リセット処理とがあり、それぞれ実行可能なゲーム状態が異なっている。
図33(A)に示すように、通常リセットの場合は、通常ゾーンST310であってリセット処理から計数されるゲームの実行回数が101ゲーム以上である場合のみリセット処理を実行するためのリセット情報の設定が可能である。特にミッションゾーンST320や特定演出ゾーンST330でのリセット情報の設定をできないようにすることで、ミッションゾーンST320での演出や特定演出の実行が阻害されて遊技の興趣が減衰するという不都合を回避することが可能となる。
これに対して強制リセットの場合は、リセット処理から計数されるゲームの実行回数が101ゲーム以上である場合に加え、ミッションゾーンST320である場合や、特定演出ゾーンST330である場合にもリセット情報の設定が可能である。これにより、何らかの原因によりミッションゾーンでの演出や特定演出の実行中であってもリセット処理を行いたい場合にはその設定が可能となる。すなわち、第2リセット処理(強制リセット)は第1リセット処理(通常リセット)よりも多くのゲーム状態でリセット処理が可能である。
また、リセット処理から計数されるゲームの実行回数が100ゲーム以下である場合や、AT状態ST350である場合は、通常リセットと強制リセットの何れでもリセット情報の設定ができないようにされている。これにより遊技者によってあまりにも頻繁にリセット処理が実行されることを抑制することができる。
また、天国モードである場合は100ゲーム以内に必ずゲーム数解除がなされるようになっており、100ゲーム以下でのリセット情報の設定をできないようにすることで、リセット処理が可能となるまでの期間内で規定回数に到達する可能性を持たせることができ、リセット処理が実行されることによってAT状態ST350(特定遊技状態)が発生しないという不都合を回避することが可能となる。なお、パスワード保護がなされている場合は、通常リセット及び強制リセットの何れにおいても全てのゲーム状態でリセット情報の設定が無効化されているともいえる。
ここで、リセット情報の設定が可能なゲーム状態は図33(A)に示すような設定に限られるものではなく、例えば、図33(B)や(C)に示すような設定としてもよい。図33(B)に示す設定では、通常リセットの場合に、特定演出ゾーンST330のうち継続演出状態ST331である場合はリセット情報の設定を可能としている。また、図33(C)に示す設定では、図33(B)に示す設定に対して、強制リセットの場合にリセット処理から計数されるゲームの実行回数が100ゲーム未満である場合のリセット情報の設定を可能としている。
また、図33に示した全ての例において、特定演出ゾーンST330である場合について、実行回数が規定回数に到達する所定数前となったことに基づき特定演出ゾーンST330に移行した場合はリセット情報の設定をできないようにし、実行回数が規定回数に到達する所定数前よりも前であって移行抽選に当選したことに基づき特定演出ゾーンST330に移行した場合はリセット情報の設定をできるようにしてもよい。
図32に戻り、演出制御装置70は、現在の遊技進行状態がゲーム数リセットを設定可能な状態でない場合には(ステップB5206の結果が「N」)、ステップB5213以降の処理を実行する。また、現在の遊技進行状態がゲーム数リセットを設定可能な状態である場合には(ステップB5206の結果が「Y」)、リセット情報の設定が可能な設定操作画面をなすゲーム数リセット設定画面を表示する(ステップB5207)。
すなわち、演出制御装置70が、現在のゲーム状態がリセット処理を実行可能なゲーム状態であるか否かを判定することが可能な状態判定手段をなすとともに、状態判定手段の判定結果に基づき、リセット処理手段(演出制御装置70)によるリセット処理の実行を規制することが可能なリセット規制手段をなす。また、演出制御装置70が、現在のゲーム状態が第1リセット処理(通常リセット)を実行可能なゲーム状態であるか否かを第1状態判定値(図33参照)に基づき判定することが可能な第1状態判定手段をなすとともに、現在のゲーム状態が第2リセット処理(強制リセット)を実行可能なゲーム状態であるか否かを第2状態判定値(図33参照)に基づき判定することが可能な第2状態判定手段をなす。
そして、演出制御装置70は、ゲーム数リセット設定画面の項目のうち、リセット拒否の項目を選択した状態で決定する決定入力を行うリセット拒否入力があった場合には(ステップB5208の結果が「Y」)、ゲーム数リセット設定処理を終了する。また、リセット拒否入力がなかった場合には(ステップB5208の結果が「N」)、リセット承認の項目を選択した状態で決定する決定入力を行うリセット承認入力があるか否かを判定する(ステップB5209)。リセット承認入力がない場合(ステップB5209の結果が「N」)、リセット拒否入力があるか否かの判定に戻る(ステップB5208)。
また、演出制御装置70は、リセット承認入力があった場合には(ステップB5208の結果が「Y」)、リセット処理を実行するためのリセット情報としてゲーム数リセットフラグを設定する(ステップB5210)。さらに、リセット情報の設定が行われていることを報知するゲーム数リセット設定表示をONにセットし(ステップB5211)、ゲーム数リセット確認画面を表示する(ステップB5212)。ゲーム数リセット設定表示をONにセットすることで、遊技者に対してリセット情報が設定された待機状態であり、スタートレバー21の操作によりリセット処理が行われることを報知可能となる。これによりリセット処理の待機状態であることを認識した状態でゲームの開始操作を行わせることができ、リセット処理に関する興趣が向上する。
その後、演出制御装置70は、ゲーム数リセット確認画面において確認の項目を選択した状態で決定する決定入力を行う確認入力があった場合には(ステップB5214の結果が「Y」)、ゲーム数リセット設定処理を終了する。すなわち、演出制御装置70が、ゲームの非実行中に所定の設定操作が行われたことに基づき、リセット処理を実行するためのリセット情報(ゲーム数リセットフラグ)を設定することが可能なリセット情報設定手段をなす。また、演出制御装置70が、リセット情報設定手段によってリセット情報が設定された待機状態であることを報知することが可能な待機状態報知手段をなす。また、演出制御装置70が、予め定められた設定操作画面の表示中に所定の設定操作が行われたことに基づき、リセット情報を設定することが可能なリセット情報設定手段をなす。
なお、ここで設定されるのはリセット処理を実行するためのリセット情報であってこのリセット情報が設定されただけの状態では未だリセット処理は開始されず、この後にスタートレバー21の操作があったことに基づきリセット処理が行われる。このようにすることでゲームの実行に関連してリセット処理が実行されるようになり、リセット処理をゲーム性の向上に役立てることができる。
このため、ゲーム数リセット設定表示によりスタートレバー21を操作するとリセット処理が行われる旨を遊技者に示すようにしている。この場合、ゲーム数リセット設定表示が見られなくなってしまうことを回避するために、客待ち状態に移行しない若しくはサブ表示器310にデモ画像や省エネ中画像を表示させないようにすることが望ましい。
このように、遊技者の操作に基づくリセット処理により実行回数と規定回数の関係が再設定(更新)されるという新たな機能を備えることによりゲーム性を向上することができる。また、リセット処理によりリセット前よりも少ないゲーム回数で規定回数に到達できるようになる可能性もあるため、ゲームの実行回数が規定回数に到達するまでが長いと遊技者が察知した場合に、遊技をやめてしまったり遊技を行うことを避けてしまったりすることを防止でき、稼動を向上させることができる。また、ゲーム状態によりリセット処理の実行を規制するので、リセット処理によってゲーム性が損なわれるという不都合を回避することが可能となる。
また、リセット情報の設定を指示可能な設定操作画面は、所定の更新条件が複数回成立した場合に表示されるように設定したので、遊技者の意思に反してリセット情報が設定されてしまうことを抑制することができる。すなわち、設定操作画面に到達しにくくなるので、他の遊技者や係員によっていたずらにリセット情報が設定されてしまうことを抑制することができる。
以上のことから、複数のリール6の変動表示を伴うゲームの実行回数を計数し、該実行回数が予め設定された規定回数に到達したことに基づき、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるように制御することが可能なスロットマシン1であって、複数種類の操作画面を順次表示することが可能な表示手段(サブ表示器310)と、所定の更新条件の成立に基づき、表示手段に表示されている操作画面を別の操作画面に更新することが可能な画面更新手段(演出制御装置70)と、予め定められた設定操作画面の表示中に所定の設定操作が行われたことに基づき、リセット情報を設定することが可能なリセット情報設定手段(演出制御装置70)と、リセット情報が設定されたことに基づき、実行回数と規定回数の関係を再設定するリセット処理を実行することが可能なリセット実行手段(演出制御装置70)と、を備え、設定操作画面は、所定の更新条件が複数回成立した場合に、表示手段に表示されるように設定していることとなる。
ここで、実行回数が予め設定された規定回数に到達したことに基づき、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるとは、規定回数に到達したことのみにより特定遊技状態を発生させることの他、規定回数に到達した後に所定の条件を満たした場合に特定遊技状態を発生させることも含む。また、所定の更新条件の成立とは、所定の操作があることや所定時間が経過することなどである。また、実行回数と規定回数の関係を再設定するとは、ゲームの実行回数が規定回数となるまでの残りゲーム回数を更新(決定して設定)することであり、ゲームの実行回数を規定回数よりも小さな値に更新(初期化、増加、減少、変更なし)するだけでもよいし、規定回数をゲームの実行回数よりも大きな値に更新(初期化、増加、減少、変更なし)するだけでもよいし、実行回数と規定回数の両方を更新してもよい。また、実行回数や規定回数を更新する場合には、予め定められたいくつかの値を順に選択又は抽選でランダムに選択(決定)することとしてもよいし、任意の値を抽選でランダムに選択(決定)することとしてもよい。
また、複数種類の操作画面は、複数の表示階層のうちの1つがそれぞれ設定されるとともに、下位及び/又は上位の表示階層の操作画面に対応付けられてなり、画面更新手段(演出制御装置70)は、所定の更新操作が行われたことに基づき、表示手段(サブ表示器310)に表示された操作画面を当該操作画面に対応付けられた別の表示階層の操作画面に更新するよう構成され、設定操作画面は、複数回の更新操作に基づいて表示手段に表示可能となる表示階層が設定されていることとなる。
〔設定リセット解除処理〕
図34は、本発明の実施の形態における履歴表示処理の設定リセット解除処理(ステップB5109)の手順を示すフローチャートである。
設定リセット解除処理が開始されると、演出制御装置70は、まず、ゲーム数リセット設定処理(図32参照)においてリセット情報の設定がなされた場合にセットされるゲーム数リセットフラグがあるか否かを判定する(ステップB5301)。
演出制御装置70は、ゲーム数リセットフラグがない場合には(ステップB5301の結果が「N」)、解除不可(エラー)画面を表示し(ステップB5308)、確認入力があるかを判定する(ステップB5309)。解除不可画面では、リセット情報の設定がなされておらず解除を行うことができない旨の表示がなされるとともに確認の項目が表示される。
そして、演出制御装置70は、遊技者が確認の項目を選択した状態で決定する決定入力を行う確認入力があった場合には(ステップB5309の結果が「Y」)、設定リセット解除処理を終了する。なお、設定リセット解除処理を終了した場合は、履歴表示処理(図30参照)における履歴メニュー選択画面を表示する処理(ステップB5101)により、ゲーム履歴画面が表示されるようになる。
一方、演出制御装置70は、ゲーム数リセットフラグがある場合には(ステップB5301の結果が「Y」)、予め定められた解除操作画面をなすゲーム数リセット解除画面を表示する(ステップB5302)。
そして、演出制御装置70は、ゲーム数リセット解除画面の項目のうち、リセット解除拒否の項目を選択した状態で決定する決定入力を行うリセット解除拒否入力があった場合には(ステップB5303の結果が「Y」)、設定リセット解除処理を終了する。
また、演出制御装置70は、リセット解除拒否入力がなかった場合には(ステップB5303の結果が「N」)、リセット解除承認の項目を選択した状態で決定する決定入力を行うリセット解除承認入力があるかを判定する(ステップB5304)。リセット解除承認入力がない場合には(ステップB5304の結果が「N」)、リセット解除拒否入力があるか否かの判定に戻る(ステップB5303)。
また、演出制御装置70は、リセット解除承認入力があった場合には(ステップB5304の結果が「Y」)、ゲーム数リセットフラグをクリアし(ステップB5305)、リセット情報の設定が行われていることを報知するゲーム数リセット設定表示をOFFにセットして(ステップB5306)、リセット解除確認画面を表示する(ステップB5307)。その後、リセット解除確認画面において確認の項目を選択した状態で決定する決定入力を行う確認入力があった場合には(ステップB5309の結果が「Y」)、設定リセット解除処理を終了する。
これによりリセット情報の設定が解除され、この後にスタートレバー21の操作を行ってもリセット処理は行われないようになり、例えば、遊技者の意思に反してリセット情報の設定がなされてしまった場合など、不本意にリセット処理が実行されることがなくなる。すなわち、演出制御装置70が、ゲームの非実行中に所定の解除操作が行われたことに基づき、リセット情報の設定を解除することが可能なリセット情報解除手段をなす。
続いて、リセット処理を実行するためのリセット情報の設定を行う際のサブ表示器310での表示例について説明する。図35は、本発明の実施の形態のリセット処理を実行するためのリセット情報の設定を行う際のサブ表示器310での表示例を示す図である。
図35(A)に示すように、通常ゾーンST310で遊技を行っている状態では、通常ゾーンであることを示す通常画面が表示されるとともに、ミッションゾーンST320への移行抽選の当選確率を示唆する演出画像310aが表示される。また、リセット処理からのゲームの実行回数を示すゲーム数表示310b、携帯端末とスロットマシン1とを連動させた携帯連動中であるか否かを示す携帯連動表示310c、リセット情報の設定が行われているか否かを報知するゲーム数リセット設定表示310dが表示される。ここでは、ゲーム数表示310bとして200ゲームを実行したことが表示され、携帯連動表示310cでは連動中であることが表示され、ゲーム数リセット設定表示310dではリセット情報の設定がないこと(OFF)が示されている。
ベット状態でない場合に演出ボタン10や操作入力部30を操作する操作入力があると、図35(B)に示すように第1表示階層のサポートメニュー画面が表示される。このサポートメニュー画面では、まず、ゲーム説明の項目が選択された状態となっており、操作入力部30を操作して選択する項目を移動させる選択入力を行うことで、図35(C)に示すようにゲーム履歴の項目が選択された状態となる。
この状態で操作入力部30を操作して項目の選択を決定する決定入力を行うと、図35(D)に示すように第2表示階層のゲーム履歴画面が表示される。このゲーム履歴画面では、まず、当選確率表示の項目が選択されており、操作入力部30を操作して選択する項目を移動させる選択入力により、図35(E)に示すようにゲーム数リセット設定の項目を選択した状態とし、操作入力部30を操作して項目の選択を決定する決定入力を行うと、図35(F)に示すように第3表示階層のゲーム数リセット設定画面(設定操作画面)が表示される。このように設定操作画面が複数回の更新操作に基づいて表示されるようにすることで設定操作画面に到達しにくくなり、他の遊技者や係員によっていたずらにリセット情報が設定されてしまうことを抑制することができる。
この場合は通常ゾーンST310であってリセット処理から計数されるゲームの実行回数が101ゲーム以上である場合であるので、ゲーム数リセット設定画面に移行するようになっているが、リセット処理を受け付けることができないゲーム状態である場合には後述するように設定不可画面が表示される(図36参照)。なお、ゲーム履歴画面において、ゲーム数リセットを受付可能なゲーム状態でのみゲーム数リセット設定の項目を選択可能としてもよい。
図35(F)に示すようにこのゲーム数リセット設定画面まで表示階層が移行すると、サブ表示器310の表示画面における右側部に表示されていた操作入力部30の操作方法を説明する説明表示が消去される。この表示階層まで選択入力及び決定入力により移行することで操作方法は熟知しており、説明表示を表示しなくとも問題はなく、さらに報知すべき事項を表示画面の全面で表示できるので、重要な事項を見やすくすることができる。
ゲーム数リセット設定画面では、現在までのゲームの実行回数(ここでは200ゲーム)を報知し、これがリセットされることを確認するようになっている。なお、ゲーム数解除がなされる期待値が高い次のゲーム数ゾーン(例えば、図14でチャンスや大チャンスと示したゲーム数ゾーン)の報知や、そのゲーム数ゾーンまでのゲーム数などを報知して、遊技者にリセット処理を行うか検討させるようにしてもよい。
また、ゲーム数リセット設定画面に移行した場合には、まず、ゲーム数リセットの設定を行わないことを選択するためのリセット拒否の項目である「いいえ」の項目が選択されており、遊技者の意図しないリセット情報の設定を防止ししている。操作入力部30を操作して項目を移動させる選択入力を行うと、図35(G)に示すように、ゲーム数リセットの設定を行うことを選択するためのリセット承認の項目である「はい」の項目を選択した状態となり、さらに、操作入力部30を操作して項目の選択を決定する決定入力(リセット承認入力)を行うと、リセット情報の設定がなされる。そして、図35(H)に示すように第4表示階層のゲーム数リセット確認画面が表示される。なお、「はい」の項目が選択された状態で賭け操作があった場合に、「はい」の決定入力(リセット承認入力)があったものとみなしてリセット情報の設定を行ってもよいし、「いいえ」の決定入力(リセット拒否入力)があったものとみなしてもよい。
ゲーム数リセット確認画面には、リセット情報の設定がなされた旨が表示され、次のゲームのスタートレバー21に操作によりリセット処理がなされることが表示される。また、次のゲームのスタートレバー21の操作まではリセット情報の設定を解除することができる旨も表示される。なお、ゲーム数解除がなされる期待値が高い次のゲーム数ゾーン(例えば、図14でチャンスや大チャンスと示したゲーム数ゾーン)の報知や、そのゲーム数ゾーンまでのゲーム数などを報知してもよい。
このゲーム数リセット確認画面においては「OK」の項目が選択されており、操作入力部30を操作して項目の選択を決定する決定入力(確認入力)を行うと、図35(A)に示したような遊技中の表示に戻る。なお、リセット情報の設定がなされているので、リセット情報の設定が行われているか否かを報知するゲーム数リセット設定表示310dではリセット情報の設定があること(ON)が表示される。また、ゲーム数リセット確認画面の表示中に賭け操作が行われた場合にも決定入力(確認入力)があったものとみなして、図35(A)に示したような遊技中の表示に戻るようにしてもよい。
なお、ゲーム数リセット設定表示310dでリセット情報の設定があること(ON)が表示されている状態では、所定期間に亘ってゲームが実行されずに客待ち状態に移行したとしても、客待ちデモ画像においてゲーム数リセット設定表示310dが表示されてリセット情報の設定があること(ON)が表示されるようになっている。これにより、リセット待機状態であることを認識した状態でゲームの開始操作を行うことができ、リセット処理に関する興趣が向上する。また、遊技者の意図しないリセット処理の実行を防止できる。
また、ゲーム数表示310bやゲーム数リセット設定表示310dをメイン表示器3に表示するようにしたり、専用の報知装置で表示したりするようにして、遊技者が把握しやすいようにしてもよい。また、サポートメニュー画面やその他の画面をメイン表示器3に表示するようにしてもよいし、特に遊技者にとって重要なゲーム数リセット設定画面やリセット確認画面についてのみメイン表示器3にも表示したり関連した画像を表示したりしてもよい。
続いて、通常リセットによるリセット情報の設定ができないゲーム状態でリセット情報の設定を行おうとした場合について説明する。図36は、本発明の実施の形態の通常リセットによるリセット情報の設定ができないゲーム状態でリセット情報の設定を行おうとした場合のサブ表示器310での表示例を示す図である。
図36に示す例では、特定演出ゾーンST330の継続演出状態ST331となっており、図36(A)に示すようにサブ表示器310には継続演出画面が表示されている。なお、リセット処理からのゲームの実行回数を示すゲーム数表示310b、携帯端末とスロットマシン1とを連動させた携帯連動中であるか否かを示す携帯連動表示310c、リセット情報の設定が行われているか否かを報知するゲーム数リセット設定表示310dも表示されている。
ベット状態でない場合に演出ボタン10や操作入力部30を操作する操作入力を行い、図35(B)から(D)に示す操作を行って、図36(B)に示すようにゲーム履歴画面でゲーム数リセット設定の項目を選択して決定入力を行うと、図36(C)に示すように設定不可(エラー)画面が表示される。この設定不可画面では、現在のゲーム状態においてはリセット情報の設定ができない旨が表示される。また、設定不可画面においては「OK」の項目が選択されており、操作入力部30を操作して項目の選択を決定する決定入力(確認入力)を行うと、図36(A)に示したような遊技中の表示に戻る。
なお、ゲーム履歴画面において、ゲーム数リセットを受付可能なゲーム状態でのみゲーム数リセット設定の項目を選択可能とし、この例のようにリセット情報の設定を受け付けできない場合は、図36(B)のゲーム履歴画面においてゲーム数リセット設定の項目を選択できないようにしてもよい。また、全ての停止ボタン(リールストップボタン24)を同時操作することにより行う強制リセットの場合は、全停止ボタンの同時操作に伴い図35(F)のゲーム数リセット設定画面又は図36(C)の設定不可画面が表示される。なお、ミッションゾーンや特定演出ゾーン中には操作入力があってもサポートメニュー画面を表示しないようにしてもよく、このようにした場合であってもリセット情報が設定されるのを規制することが可能となる。
続いて、リセット情報の設定を解除する場合について説明する。図37は、本発明の実施の形態のリセット情報の設定を解除する際のサブ表示器310での表示例を示す図である。
図37(A)に示すように、ゲーム履歴画面で受付リセット解除の項目を選択して当該項目の選択を決定する決定入力を行うと、図37(B)に示すように第3表示階層のゲーム数リセット解除画面(解除操作画面)が表示される。
そして、ゲーム数リセット解除画面まで表示階層が移行すると、サブ表示器310の表示画面における右側部に表示されていた操作入力部30の操作方法を説明する説明表示が消去される。ゲーム数リセット解除画面では、リセット情報の設定を解除するか否かを問う表示がなされ、リセット情報の設定を解除するか否かを選択する項目が表示される。このゲーム数リセット設定画面に移行した場合には、まず、リセット情報の設定を解除しないことを選択するためのリセット解除拒否の項目である「いいえ」の項目が選択されており、遊技者の意図しないリセット情報の設定の解除を防止している。
操作入力部30を操作して項目を移動させる選択入力を行うと、図37(C)に示すように、リセット情報の設定を解除することを選択するためのリセット解除承認の項目である「はい」の項目を選択した状態となり、さらに、操作入力部30を操作して項目の選択を決定する決定入力(リセット解除承認入力)を行うと、リセット情報の設定が解除される。そして、図37(D)に示すように第4表示階層のゲーム数リセット解除確認画面が表示される。
ゲーム数リセット解除確認画面には、リセット情報の設定が解除された旨が表示される。また、携帯連動を行うことで、パスワードの設定によりリセット情報の設定を保護することができる旨も表示される。このゲーム数リセット解除確認画面においては「OK」の項目が選択されており、操作入力部30を操作して項目の選択を決定する決定入力(確認入力)を行うと遊技中の表示に戻る。なお、リセット情報の設定が解除されているので、リセット情報の設定が行われているか否かを報知するゲーム数リセット設定表示310dではリセット情報の設定がないこと(OFF)が表示される。
次に、携帯端末とスロットマシン1とを連動させる携帯連動により、遊技者が意図しないリセット情報の設定が行われることを防止できるパスワード保護の機能について説明する。上述したように、操作入力部30の操作による通常リセットや全停止ボタンの操作による強制リセットによりリセット情報の設定が可能であるが、遊技者が離席している場合に他人がリセット情報の設定をしてしまい、これに気づかずにスタートレバー21の操作を行ってしまってリセット処理がなされてしまうおそれがある。これを防止するためにゲーム数リセット設定表示310dによりリセット情報の設定がなされていることが報知されるようになっているが、より確実に意図しないリセット処理を防止するために、パスワードによる保護をかけて他人がリセット情報の設定をできないようにするパスワード保護が可能となっている。
〔携帯連動処理〕
図38は、本発明の実施の形態のサポートメニュー処理(図29)の携帯連動処理(ステップB5013)の手順を示すフローチャートである。
携帯連動処理が開始されると、演出制御装置70は、まず、連動メニュー選択画面(図39参照)を表示する(ステップB5401)。次に、連動メニュー選択画面の中から「携帯連動(ゲームログ)開始」の項目を選択して決定する連動開始操作があるか否かを判定する(ステップB5402)。
演出制御装置70は、連動開始操作がある場合には(ステップB5402の結果が「Y」)、携帯連動を初めて行う場合や再開する場合に実行される連動開始処理を実行し(ステップB5403)、ステップB5410の処理に移行する。一方、連動開始操作がない場合には(ステップB5402の結果が「N」)、連動メニュー選択画面の中から「個人ログ(履歴)確認」の項目を選択して決定する個人ログ確認操作があるか否かを判定する(ステップB5404)。
演出制御装置70は、個人ログ確認操作がある場合には(ステップB5404の結果が「Y」)、携帯連動中に達成したミッションや獲得したポイント等の情報を表示する個人ログ表示処理を実行し(ステップB5405)、ステップB5410の処理に移行する。また、個人ログ確認操作がない場合には(ステップB5404の結果が「N」)、連動メニュー選択画面の中から「携帯連動(ゲームログ)終了」の項目を選択して決定する連動終了操作があるか否かを判定する(ステップB5406)。
演出制御装置70は、連動終了操作がある場合には(ステップB5406の結果が「Y」)、携帯連動を再開するときに必要な再開パスワードを発行して当該携帯連動を終了する連動終了処理を実行し(ステップB5407)、ステップB5410の処理に移行する。また、連動終了操作がない場合には(ステップB5406の結果が「N」)、連動メニュー選択画面の中から「G数リセット保護」の項目を選択して決定するゲーム数リセット保護操作があるか否かを判定する(ステップB5408)。
演出制御装置70は、ゲーム数リセット保護操作があった場合には(ステップB5408の結果が「Y」)、G数(ゲーム数)リセット保護処理を実行する(ステップB5409)。なお、G数(ゲーム数)リセット保護処理の詳細については、図41にて説明する。
携帯連動処理により、遊技者が所持する通信端末を介して外部サーバと連携することで所定の連携遊技の実行の設定が可能である。すなわち、演出制御装置70が、遊技者が所持する通信端末を介して外部サーバと連携することで所定の連携遊技の実行を可能とする連携遊技手段をなしている。
演出制御装置70は、ゲーム数リセット保護操作がない場合(ステップB5408の結果が「N」)、又は、ステップB5403、ステップB5405、ステップB5407、ステップB5409の処理が終了した場合には、連動メニュー選択画面の中から「終了」の項目を選択して決定する終了操作があるか否かを判定する(ステップB5410)。
演出制御装置70は、終了操作がない場合には(ステップB5410の結果が「N」)、ステップB5401の処理に戻る。また、終了操作がある場合には(ステップB5410の結果が「Y」)、携帯連動処理を終了する。
図39は、本発明の実施の形態のサブ表示器310に表示される連動メニュー選択画面の一例を示す図である。図39に示すように、サブ表示器310の表示画面には連動メニュー選択画面が表示され、「携帯連動(ゲームログ)開始」、「個人ログ(履歴)確認」、「携帯連動(ゲームログ)終了」、「G数リセット保護」、「終了」のうちの何れかの項目が選択決定されるようになっている。なお、例えば、未達成ミッションの挑戦中は「携帯連動(ゲームログ)終了」の項目が選択決定されないように規制する(「未達成ミッションに挑戦中ですがよろしいですか?」等の注意を促す表示を行う)ようにしてもよい。また、上記のような規制を行っている場合であっても、所定時間ゲームが行われなかった場合には当該規制を解除できるようにする。
図40は、本発明の実施の形態のスロットマシン1(遊技機)が連動開始処理(ステップB5403)及び連動終了処理(ステップB5407)を受け付けたときのスロットマシン1(遊技機)及び外部サーバGの動作の一例を示すフローチャートである。
スロットマシン1(遊技機)が連動開始処理を受け付けた場合には、携帯連動を初めて行うか再開するかを遊技者に選択決定させるための選択画面がサブ表示器310に表示されるようになっている。そして、携帯連動を初めて行う旨の選択決定がなされた場合には連動開始操作として受け付けられるようになっている。一方、携帯連動を再開する旨の選択決定がなされた場合には連動再開操作として受け付けられるようになっている。
図40(A)に示されているように、連動開始操作がスロットマシン1(遊技機)によって受け付けられた場合、スロットマシン1は、外部サーバGへのアクセスコード(例えば2次元バーコード等)をサブ表示器310に表示する(ステップY1)。このアクセスコードを携帯端末Mで読み取り、ウェブから外部サーバGにアクセスすると、外部サーバGは、必要事項の入力要求画面情報を携帯端末Mに送信する(ステップG1)。そして、携帯端末Mにおいてこの入力要求画面に表示された必須事項を入力すると、外部サーバGは、必要事項の入力受付を行い(ステップG2)、個人ログレコードを作成し(ステップG3)、開始パスワードを発行する(ステップG4)。
スロットマシン1は、外部サーバGへのアクセスコードをサブ表示器310に表示した後、パスワード入力操作受付を行う(ステップY2)。そして、外部サーバGから携帯端末Mに送信された開始パスワードに基づき、遊技者がスロットマシン1に対して当該開始パスワードの入力を行うと、スロットマシン1は、開始パスワードの入力受付を行い(ステップY3)、携帯連動を開始し(ステップY4)、個人履歴(ログ)を更新する(ステップY5)。
図40(B)に示されているように、連動終了操作がスロットマシン1(遊技機)によって受け付けられた場合、スロットマシン1は、それまで携帯連動した状態で行われたゲームの履歴に応じたアクセスコードをサブ表示器310に表示する(ステップY11)。このアクセスコードを携帯端末Mで読み取り、ウェブから外部サーバGにアクセスすると、外部サーバGは、個人ログ(履歴)レコードを更新し(ステップG11)、再開パスワードを発行する(ステップG12)。
図40(C)に示されているように、連動再開操作がスロットマシン1(遊技機)によって受け付けられた場合、スロットマシン1は、パスワード入力操作受付を行う(ステップY21)。そして、外部サーバGから携帯端末Mに送信された再開パスワードに基づき、遊技者がスロットマシン1に対して当該再開パスワードの入力を行うと、スロットマシン1は、再開パスワードの入力受付を行い(ステップY22)、携帯連動を開始し(ステップY23)、個人履歴(ログ)を更新する(ステップY24)。
〔G数リセット保護処理〕
図41は、本発明の実施の形態の携帯連動処理(図38)におけるG数リセット保護処理(ステップB5409)の手順を示すフローチャートである。また、図42は、本発明の実施の形態のG数リセット保護処理において表示される画面の一例を示す図である。
G数リセット保護処理が開始されると、演出制御装置70は、まず、携帯連動中であるか否かを判定し(ステップB5501)、携帯連動中でない場合には(ステップB5501の結果が「N」)、エラー報知処理を実行する(ステップB5502)。
エラー報知処理では、携帯連動が行われていないためにパスワード保護ができない旨を報知するエラー画面を表示する(図42(A)参照)。また、エラー画面では「OK」の項目が選択されており、操作入力部30を操作して項目の選択を決定する確認入力が行われるとエラー報知処理が終了し、G数リセット保護処理が終了する。この場合、携帯連動処理(図41参照)における連動メニュー選択画面を表示する処理(ステップB5401)に移行する。
一方、演出制御装置70は、携帯連動中である場合には(ステップB5501の結果が「Y」)、設定メニュー選択画面を表示する(ステップB5503)。図42(B)に示すように設定メニュー選択画面では、保護パスワード設定、保護パスワード解除、終了の項目を選択できるようになっている。設定メニュー選択画面を表示した後、保護パスワード設定の項目を選択した状態で決定する決定入力を行う保護パス設定操作があった場合には(ステップB5504の結果が「Y」)、保護パスワード設定処理を実行する(ステップB5505)。
保護パスワード設定処理では、図42(C)に示すような保護パスワード設定画面を表示する。そして、遊技者が4桁の数字を入力してOKの項目を選択すると、当該4桁の数字をパスワードとしてパスワード保護を開始する処理を行う。これによりパスワード保護が有りの状態となり、パスワードの入力によりパスワード保護を解除しなければリセット情報の設定ができない状態となる。すなわち、演出制御装置70が、連携遊技手段(演出制御装置70)による連携遊技の実行中にリセット情報設定手段(演出制御装置70)によってリセット情報が設定されないように保護することが可能なリセット保護手段をなす。
さらに、図42(D)に示すように設定されたパスワードを表示する設定完了画面を表示する処理を行う。設定完了画面では「OK」の項目が選択されており、操作入力部30を操作して項目の選択を決定する確認入力が行われると保護パスワード設定処理が終了し、設定メニュー選択画面を表示する処理に戻る。なお、パスワードは遊技者が設定するのではなく、遊技機が任意の文字列をパスワードとして設定し、設定完了画面で表示するようにしてもよい。
また、演出制御装置70は、設定メニュー選択画面で保護パスワード解除の項目を選択した状態で決定する決定入力を行う保護パス解除操作があった場合には(ステップB5506の結果が「Y」)、保護パスワード解除処理を実行する(ステップB5507)。
保護パスワード解除処理では、図42(C)と同様の表示で設定されたパスワードの入力を受け付ける処理を行い、適合するパスワードが入力されるとパスワード保護を解除する処理を行う。これによりリセット情報の設定が可能となる。これらの処理を行った後に保護パスワード解除処理を終了し、設定メニュー選択画面を表示する処理に戻る。なお、パスワード保護の解除は、この保護パスワード解除処理によるものの他、携帯連動の終了によっても行われるようになっている。
このようなパスワード保護により、連携遊技の実行中はリセット処理を規制することが可能となるので、離席時などに不本意なリセット処理が行われることを防止できる。さらに、連携遊技の実行を促すことができ、結果的に遊技の興趣を向上させることが可能となる。また、パスワードを設定することが可能となるので、確実に不本意なリセット処理が行われることを防止できる。
なお、携帯連動中でなければパスワード保護をできないようにしたが、携帯連動の会員登録を行っていなくてもパスワード保護を利用できるように、携帯連動の仮開始を行えるようにしてもよい。この場合は、例えば、ゲーム履歴画面に連動仮開始の項目を設け、この項目の選択及び決定入力に基づき携帯連動の仮開始を設定できる連動仮開始画面を表示するようにする。そして、必要な設定操作が完了することに基づき、携帯連動が仮開始されてパスワード保護を利用できるようにする。また、携帯連動を行う際に複数のキャラクタの何れかを育成キャラクタとして設定可能とし、当該育成キャラクタをサブ表示器310に表示させるようにしてもよいし、当該育成キャラクタによって各表示画面での操作案内報知が行われるようにしてもよい。
〔演出カスタマイズ処理〕
次に、図29のサポートメニュー処理における演出カスタマイズ処理(ステップB5015)について説明する。図43は、本発明の実施の形態の演出カスタマイズ処理の手順を示すフローチャートである。
演出カスタマイズ処理が開始されると、演出制御装置70は、まず、携帯連動中であるか否かを判定し(ステップB5601)、携帯連動中でない場合には(ステップB5601の結果が「N」)、エラー報知処理を実行する(ステップB5602)。
エラー報知処理では、携帯連動が行われていないためカスタマイズした内容を保持できない旨を報知するエラー画面を表示する。このとき、保持する必要がない場合には、ステップB5603の処理を実行するようにしてもよい。演出カスタマイズを行わない場合にはエラー報知処理が終了し、演出カスタマイズ処理を終了する。この場合、携帯連動処理における連動メニュー選択画面を表示する処理(ステップB5401)に移行して携帯連動の開始を促すようにしてもよいし、サポートメニュー画面を表示するようにしてもよい。
演出制御装置70は、携帯連動中の場合には(ステップB5601の結果が「Y」)、カスタマイズメニュー選択画面を表示する(ステップB5603)。カスタマイズメニュー選択画面は、第1表示階層のサポートメニュー画面の下位に対応付けられた第2表示階層の画面である。
図44は、本発明の実施の形態のカスタマイズメニュー選択画面の一例を示す図である。カスタマイズメニュー選択画面には、背景設定、操作カットイン演出設定、昇格演出設定、終了の項目が表示されており、他の画面と同様に、選択操作により選択されている項目は他の項目よりも明るく表示されて遊技者が認識できるようにされている。そして項目を選択した状態で決定する決定入力を行うと、当該項目に対応付けられた第3表示階層の画面が表示されることとなる。なお、終了の項目を選択した場合はサポートメニュー画面に戻る。また、定期演出に関する設定もカスタマイズメニュー選択画面から実行できるようにしてもよい。
演出制御装置70は、背景設定の項目を選択した状態で決定する決定入力を行う背景設定操作があった場合には(ステップB5604の結果が「Y」)、演出時やメニュー画面表示時などの背景設定を行うための背景設定処理を実行する(ステップB5605)。
また、演出制御装置70は、操作カットイン演出設定の項目を選択した状態で決定する決定入力を行うカットイン設定操作があった場合には(ステップB5606の結果が「Y」)、遊技者の操作によって実行される操作カットイン演出の態様を設定するための操作カットイン演出設定処理を実行する(ステップB5607)。
また、演出制御装置70は、昇格演出設定の項目を選択した状態で決定する決定入力を行う昇格演出設定操作があった場合には(ステップB5608の結果が「Y」)、昇格抽選状態ST360において、移行する擬似ボーナス状態(ST361〜ST363)の報知を含む昇格演出の態様を設定する擬似ボーナス昇格演出設定処理を実行する(ステップB5609)。なお、擬似ボーナス昇格演出設定処理の詳細については、図45にて説明する。
また、演出制御装置70は、終了の項目を選択した状態で決定する決定入力を行う終了操作があった場合には(ステップB5610の結果が「Y」)、演出カスタマイズ処理を終了する。この場合、サポートメニュー処理(図29参照)においてメニュー選択(操作)画面を表示する処理(ステップB5004)が実行されることで、サポートメニュー画面が表示される。
〔擬似ボーナス昇格演出設定処理〕
次に、図43の演出カスタマイズ処理における擬似ボーナス昇格演出設定処理(ステップB5608)について説明する。図45は、本発明の実施の形態の演出カスタマイズ処理の手順を示すフローチャートである。
擬似ボーナス昇格演出設定処理が開始されると、演出制御装置70は、まず、昇格演出設定画面を表示する(ステップB5701)。昇格演出設定画面は、第2表示階層のカスタマイズメニュー選択画面の下位に対応付けられた第3表示階層の画面である。図46は、本発明の実施の形態の昇格演出設定画面の一例を示す図である。昇格演出設定画面には、昇格演出の有効/無効設定、昇格演出の報知レベル設定、終了の項目が表示されている。なお、終了の項目を選択した場合はカスタマイズメニュー選択画面に戻る。
図46に示すように、昇格演出の有効/無効を設定する場合には、「有効」又は「無効」のいずれか一方を選択するようになっている。演出制御装置70は、昇格演出を「無効」に操作する無効操作があった場合には(ステップB5702の結果が「Y」)、昇格演出の実行を無効に設定する(ステップB5703)。一方、昇格演出を「有効」に操作する有効操作があった場合には(ステップB5704の結果が「Y」)、昇格演出の実行を有効に設定する(ステップB5705)。
また、図46に示すように、昇格演出の報知レベルを設定する場合、「普通」「明確」又は「曖昧」のいずれかを選択可能となっている。「明確」に設定された場合には、昇格モードにおける演出内容や昇格したか否かについても明確に報知される。また、「普通」に設定された場合には、昇格モードにおける演出については曖昧であるが、昇格したか否かについては明確に報知される。「曖昧」に設定された場合には、昇格モードにおける演出内容や昇格したか否かについても曖昧に報知される。具体的な演出態様については、後述する。なお、デフォルトの設定は「有効」且つ「普通」となっている。
演出制御装置70は、昇格演出の報知レベルを「明確」に操作する明確報知操作があった場合には(ステップB5706の結果が「Y」)、昇格演出の報知レベル(報知態様)を明確に設定する(ステップB5707)。また、昇格演出の報知レベルを「普通」に操作する普通報知操作があった場合には(ステップB5708の結果が「Y」)、昇格演出の報知レベル(報知態様)を普通に設定する(ステップB5709)。さらに、昇格演出の報知レベルを「曖昧」に操作する曖昧報知操作があった場合には(ステップB5710の結果が「Y」)、昇格演出の報知レベル(報知態様)を明確に設定する(ステップB5711)。
また、演出制御装置70は、終了の項目を選択した状態で決定する決定入力を行う終了操作があった場合には(ステップB5712の結果が「Y」)、擬似ボーナス昇格演出設定処理を終了する。この場合、演出カスタマイズ処理(図43参照)においてメニュー選択(操作)画面を表示する処理(ステップB5602)が実行されることで、カスタマイズメニュー選択画面が表示される。
以上のように、昇格報知演出を実行するか否かを設定可能とすることで、擬似ボーナスの期待度が変更されるか否かの過程を楽しむか、擬似ボーナスの期待度が変更されたか否かを最後まで楽しみにするかを遊技者が選択させることが可能となり、ゲーム性を格段に向上させることができる。このように、演出制御装置70は、昇格報知演出の実行態様を切り替える機能を提供する機能切替手段をなしている。
〔ゲーム管理情報設定処理〕
続いて、図23の演出制御処理におけるゲーム管理情報設定処理(ステップB1006)について説明する。図47は、本発明の実施の形態のゲーム管理情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
ゲーム管理情報設定処理が開始されると、演出制御装置70は、設定装置60で設定を変更した場合(ステップB1501の結果が「Y」)又はゲーム数リセットフラグがある場合に(ステップB1502の結果が「Y」)、ステップB1503以降のリセット処理を実行する。
なお、設定装置60で設定を変更した場合には、設定装置60を操作して操作前と異なる設定値に設定した場合の他、設定装置60を操作して操作前と同じ設定値を設定した場合も含む。
また、ゲーム数リセットフラグは、上述したゲーム数リセット設定処理(図32)で設定されるものである。また、ゲーム数リセットフラグは、RAMクリアスイッチの操作に基づきRAMクリアを伴う電源投入があった後にゲームを開始した場合にも設定されるようになっている。
演出制御装置70は、リセット処理を行う場合には、まず、実行ゲーム数及びゲーム数リセットフラグをクリアし(ステップB1503)、計数されていた実行回数を0とする。そして、初回内部モード設定処理(ステップB1504)により、設定する内部モードを設定装置60で設定される設定値に応じた割合で選択する処理を行う。
ここで、図48を参照しながら各設定値についての内部モードの選択割合について説明する。図48は、本発明の実施の形態の各設定値についての内部モードの選択割合を規定した初回モード決定テーブル(リセット時)の一例を示す図である。
例えば、設定1である場合は、通常Aモードが70%の確率で選択され、通常Bモードが20%の割合で選択され、天国モードが10%の割合で選択される。またここでは設定値が遊技者にとって有利な設定値となるほど、通常Aモードの選択割合が低くなり、通常Bモード及び天国モードの選択割合が高くなるようにされている。これにより、遊技者にとって有利な設定値となるほど遊技者に有利な(ここではゲーム数解除のタイミングが早くなる可能性が高い)内部モードが選択されやすくすることができる。また、設定値により内部モードの選択割合を異ならせることで、リセット処理の後に設定された内部モードを、例えばゲーム数解除があったゲーム数やミッションゾーンへの移行確率から推測して設定値を推測するという遊技性を持たせることができる。
図47に戻り、初回内部モード設定処理(ステップB1504)の後、演出制御装置70は、設定された内部モードに基づき、ゲームの実行回数で区切られる複数のゲーム数ゾーンから、ゲーム数解除が行われる解除ゾーンを決定する解除ゾーン決定処理を実行する(ステップB1505)。
次に、演出制御装置70は、決定された解除ゾーンの中から詳細な解除ゲーム(規定回数)を決定して設定する解除ゲーム数設定処理を実行する(ステップB1506)。なお、解除ゾーンを決定(選択)せずに規定回数を直接決定(選択)するようにしてもよい。また、解除ゲーム(規定回数)の決定は、各内部モードの天井(最大ゲーム数)までの全ての値が決定される可能性があるような方法で決定してもよいし、予め設定された複数の選択肢から選択するような方法で決定してもよい。
その後、演出制御装置70は、ミッションゾーンへの移行抽選の当選確率を低確、高確、超高確のうちから選択して設定する演出モード設定処理を実行する(ステップB1507)。そして、実行したゲーム数のカウント及び表示を行う機能を有する外部装置(例えば、呼出ランプ等の遊技機から信号を収集して各種の遊技データを表示するデータ表示装置)に対して、ゲームの実行回数がリセットされたことを通知するリセット特定信号の出力設定を行うリセット特定信号出力設定処理を実行し(ステップB1508)、ゲーム管理情報設定処理を終了する。
リセット特定信号を外部装置に出力することで、リセット処理の実行によりゲームの実行回数をリセットすべきことを外部装置に通知することが可能となり、外部装置で把握するゲームの実行回数とスロットマシン1で管理するゲームの実行回数とが一致するようになり、遊技者に正確な情報を提供することが可能となる。
以上の処理により、計数されていたゲームの実行回数が初期化されてゲーム数解除が行われる規定回数が複数の値のうちから選択されて再設定されることとなる。すなわち、演出制御装置70が、遊技者が実行可能な所定の操作に基づき、実行回数と規定回数の関係を再設定するリセット処理を実行することが可能なリセット処理手段をなすとともに、リセット情報(ゲーム数リセットフラグ)の設定状態でゲームの開始操作が行われたことに基づき、リセット処理を実行することが可能なリセット実行手段をなす。また、演出制御装置70が、当該スロットマシン1から出力される各種の信号を収集してゲームの実行回数を計数して表示することが可能な外部装置に対して、リセット実行手段(演出制御装置70)によってリセット処理が実行されたことを特定可能なリセット特定信号を出力することが可能なリセット特定信号出力手段をなす。
なお、リセット特定信号は、専用のリセット特定信号を出力するのではなく、特別遊技状態(ボーナス)の発生期間に亘って出力される特賞信号や、特定遊技状態(AT状態)の発生期間に亘って出力されるAT信号を出力することで代用してもよい。その場合には、通常の特賞信号やAT信号よりも短い時間(予め設定された固定値、例えば256ms)に亘って出力するなどして外部装置で区別ができるようにする。
なお、外部装置(呼出ランプ等の遊技機から信号を収集して各種の遊技データを表示するデータ表示装置)においては、リセット特定信号の受信時には特賞回数やAT回数等の表示を増加させずに、ゲーム回数(回転数)だけをリセット(0クリア)すると良い。また、リセット特定信号が特賞信号やAT信号で代用される場合には、該当の信号が所定期間(時間)以上であるか否かを、閾値を用いて判定し、所定期間よりも長い場合には特賞回数やAT回数を加算して該当信号の出力が終了したタイミングでゲーム数をリセットし、所定期間よりも短い場合にはゲーム数リセットが実行されたものとして、特賞回数やAT回数を加算せずにゲーム数をリセット(判定したタイミングであってもよいし、該当信号の出力が終了したタイミングであってもよい)すると良い。また、リセット特定信号出力設定処理はあってもなくてもよい。
〔ゲーム管理情報設定処理〕
続いて、図23の演出制御処理におけるゲーム管理情報設定処理(ステップB1018)について説明する。図49は、本発明の実施の形態のゲーム管理情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
ゲーム管理情報更新処理が開始されると、演出制御装置70は、特別遊技状態ST220が終了した場合(ステップB1601の結果が「Y」)又は特定遊技状態(AT状態ST350、昇格抽選状態ST360及び擬似ボーナス状態ST361,ST362,ST363を含む)が終了した場合に(ステップB1602の結果が「Y」)、ステップB1603以降のリセット処理を実行する。
演出制御装置70は、リセット処理を行う場合には、まず、実行ゲーム数を0クリアし(ステップB1603)、移行先内部モード設定処理を実行する(ステップB1604)。移行先内部モード設定処理(ステップB1604)では、設定装置60で設定される設定値及びこれまで設定されていた内部モードに応じた割合で設定する内部モードを選択する処理を実行する。
ここで、リセット処理内部モードを選択するための処理について説明する。図50は、本発明の実施の形態のリセット処理の前に設定されていた内部モードとリセット処理後に設定される内部モードの割合を設定値に応じて規定したモード移行決定テーブルのうち、特定遊技状態が終了した場合に用いられるモード移行決定テーブルの内容を示す図である。なお、「移行せず」とは、設定されていた内部モードが再度設定されることである。
例えば、リセット処理の前に設定されていた内部モードが通常Aモードであった場合は、図50(A)に示す割合で次の内部モードが選択されるようになっており、設定1である場合は、移行しないこと、すなわち通常Aモードが40%の確率で選択され、通常Bモードが56%の割合で選択され、天国モードが4%の割合で選択される。また、設定されていた内部モードが通常Bモードであった場合は、図50(B)に示す割合で次の内部モードが選択されるようになっており、設定1である場合は、移行しないこと、すなわち通常Bモードが90%の確率で選択され、天国モードが10%の割合で選択される。
また、設定されていた内部モードが天国モードであった場合は、図50(C)に示す割合で次の内部モードが選択されるようになっており、設定1である場合は、通常Aモードが60%の確率で選択され、通常Bモードが10%の割合で選択され、移行しないこと、すなわち天国モードが30%の割合で選択される。このように設定値により内部モードの選択割合を異ならせることで、リセット処理の後に設定された内部モードを推測して設定値を推測するという遊技性を持たせることができる。
図49に戻り、移行先内部モード設定処理(ステップB1604)の後、演出制御装置70は、設定された内部モードに基づき、ゲームの実行回数で区切られる複数のゲーム数ゾーンから、ゲーム数解除が行われる解除ゾーンを決定する解除ゾーン決定処理を実行する(ステップB1605)。
次に、演出制御装置70は、決定された解除ゾーンの中から詳細な解除ゲーム(規定回数)を決定して設定する解除ゲーム数設定処理を実行する(ステップB1606)。なお、解除ゾーンを決定(選択)せずに規定回数を直接決定(選択)するようにしてもよい。また、解除ゲーム(規定回数)の決定は、各内部モードの天井(最大ゲーム数)までの全ての値が決定される可能性があるような方法で決定してもよいし、予め設定された複数の選択肢から選択するような方法で決定してもよい。
その後、演出制御装置70は、ミッションゾーンへの移行抽選の当選確率を低確、高確、超高確のうちから選択して設定する演出モード設定処理を実行し(ステップB1607)、ゲーム管理情報更新処理を終了する。なお、この場合は特別遊技状態の終了又は特定遊技状態の終了に基づき、実行したゲーム数のカウント及び表示を行う機能を有する外部の装置に対してその旨を示す信号が出力され、外部の装置ではこの信号により計数していたゲームの実行回数をリセットするので、リセット特定信号出力設定処理(ステップB1508)を実行しない。
なお、ゲーム管理情報設定処理やゲーム管理情報更新処理において、リセット処理が行われた場合にメイン表示器3やサブ表示器310などにおいてリセット処理が行われた旨を報知するための処理を行うようにして、リセット処理が実行されたことを遊技者に知らせるようにしてもよい。すなわち、演出制御装置70に、リセット処理手段によってリセット処理が実行されたことを示すリセット報知を実行することが可能なリセット報知手段を備えるようにしてもよい。
この場合に、ゲーム管理情報設定処理においては、設定変更後の初回ゲームやRAMクリアスイッチの操作によるリセット処理の場合には報知を規制するようにし、遊技者に設定の変更(同一設定への打ち替えも含む)やRAMのクリアが分からないようにしてもよい。すなわち、演出制御装置70に、予め定められた所定のリセット条件の成立によるリセット処理が行われた場合には、リセット報知手段によるリセット報知を規制するリセット報知規制手段を備えてもよい。
以上のことから、複数のリール6の変動表示を伴うゲームの実行回数を計数し、該実行回数が予め設定された規定回数に到達したことに基づき、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるように制御することが可能なスロットマシン1であって、遊技者が実行可能な所定の操作に基づき、実行回数と規定回数の関係を再設定するリセット処理を実行することが可能なリセット処理手段(演出制御装置70)と、現在のゲーム状態がリセット処理を実行可能なゲーム状態であるか否かを判定することが可能な状態判定手段(演出制御装置70)と、状態判定手段の判定結果に基づき、リセット処理手段によるリセット処理の実行を規制することが可能なリセット規制手段(演出制御装置70)と、を備えていることとなる。
ここで、実行回数が予め設定された規定回数に到達したことに基づき、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるとは、規定回数に到達したことのみにより特定遊技状態を発生させることの他、規定回数に到達した後に所定の条件を満たした場合に特定遊技状態を発生させることも含む。また、実行回数と規定回数の関係を再設定するとは、ゲームの実行回数が規定回数となるまでの残りゲーム回数を更新(決定して設定)することであり、ゲームの実行回数を規定回数よりも小さな値に更新(初期化、増加、減少、変更なし)するだけでもよいし、規定回数をゲームの実行回数よりも大きな値に更新(初期化、増加、減少、変更なし)するだけでもよいし、実行回数と規定回数の両方を更新してもよい。また、実行回数や規定回数を更新する場合には、予め定められたいくつかの値を順に選択又は抽選でランダムに選択(決定)することとしてもよいし、任意の値を抽選でランダムに選択(決定)することとしてもよい。
また、状態判定手段(演出制御装置70)は、リセット処理が実行されてから所定期間の間は、リセット処理を実行可能なゲーム状態ではないと判定するようにしていることとなる。
また、所定期間は、リセット処理によって初期化された実行回数が所定回数となるまでの間であり、リセット処理手段(演出制御装置70)は、所定回数よりも少ないゲームの実行回数に規定回数を設定可能であることとなる。言い換えると、所定期間は、リセット処理が実行されてから所定回数のゲームが実行されるまでの間であり、リセット処理手段は、所定回数のゲームが実行されるまでの間にゲームの実行回数が規定回数に到達するように、実行回数と規定回数の関係を再設定可能であることとなる。
また、実行回数が規定回数に到達する可能性があることを複数回のゲームに亘って示唆する特定演出を実行することが可能な特定演出実行手段(演出制御装置70)を備え、状態判定手段(演出制御装置70)は、特定演出実行手段による特定演出の実行中は、リセット処理を実行可能なゲーム状態ではないと判定するようにしていることとなる。
また、リセット処理手段(演出制御装置70)は、ゲームの非実行中に所定の設定操作が行われたことに基づき、リセット処理を実行するためのリセット情報を設定することが可能なリセット情報設定手段(演出制御装置70)と、リセット情報の設定状態でゲームの開始操作が行われたことに基づき、リセット処理を実行することが可能なリセット実行手段(演出制御装置70)と、を備えていることとなる。
また、リセット処理手段(演出制御装置70)は、ゲームの非実行中(例えば予め定められた解除操作画面の表示中)に所定の解除操作が行われたことに基づき、リセット情報の設定を解除することが可能なリセット情報解除手段(演出制御装置70)を備えていることとなる。
また、リセット処理手段(演出制御装置70)は、リセット情報設定手段(演出制御装置70)によってリセット情報が設定された待機状態であることを報知することが可能な待機状態報知手段(演出制御装置70)を備えていることとなる。
また、所定期間に亘ってゲームが実行されなかったことに基づき、当該スロットマシン1を客待ち状態に移行させることが可能な客待ち移行手段(演出制御装置70)を備え、待機状態報知手段(演出制御装置70)は、客待ち状態であってもリセット情報が設定された待機状態であることの報知を継続するようにしていることとなる。
また、リセット処理手段(演出制御装置70)によってリセット処理が実行されたことを示すリセット報知を実行することが可能なリセット報知手段(演出制御装置70)を備えていることとなる。
また、リセット処理には、遊技者が実行可能な第1の操作に基づいて実行される第1リセット処理と、遊技者が実行可能な第2の操作に基づいて実行される第2リセット処理とを含み、状態判定手段(演出制御装置70)は、現在のゲーム状態が第1リセット処理を実行可能なゲーム状態であるか否かを第1状態判定値に基づき判定することが可能な第1状態判定手段(演出制御装置70)と、現在のゲーム状態が第2リセット処理を実行可能なゲーム状態であるか否かを第2状態判定値に基づき判定することが可能な第2状態判定手段(演出制御装置70)と、を備え、第2状態判定値には、第1状態判定値よりも多くのゲーム状態が含まれることとなる。
また、当該スロットマシン1から出力される各種の信号を収集してゲームの実行回数を計数して表示することが可能な外部装置に対して、リセット実行手段(演出制御装置70)によってリセット処理が実行されたことを特定可能なリセット特定信号を出力することが可能なリセット特定信号出力手段(演出制御装置70)を備えていることとなる。
また、遊技者が所持する通信端末を介して外部サーバと連携することで所定の連携遊技の実行を可能とする連携遊技手段(演出制御装置70)と、連携遊技手段による連携遊技の実行中にリセット情報設定手段(演出制御装置70)によってリセット情報が設定されないように保護することが可能なリセット保護手段(演出制御装置70)と、を備えていることとなる。
また、リセット保護手段(演出制御装置70)は、遊技者の操作に基づきリセット情報の設定に必要となるパスワードを設定し、該パスワードの入力操作があったことに基づき、リセット情報の設定を許容するようにしていることとなる。
〔擬似ボーナス抽選処理〕
続いて、図23の演出制御処理における擬似ボーナス抽選処理(ステップB1008)について説明する。図51は、本発明の実施の形態の擬似ボーナス抽選処理の手順を示すフローチャートである。擬似ボーナス抽選処理は、非AT状態ST300において、昇格抽選状態ST360及び擬似ボーナス状態(ST361〜ST363)に移行するか否かを決定するための抽選を行う処理である。
擬似ボーナス抽選処理が開始されると、演出制御装置70は、まず、現在の遊技状態が非AT状態ST300であるか否かを判定する(ステップB1701)。遊技状態がすでにAT状態ST350に移行済みの場合には(ステップB1701の結果が「N」)、擬似ボーナス抽選を実行する必要がないため、擬似ボーナス抽選処理を終了する。
一方、演出制御装置70は、現在の遊技状態が非AT状態ST300の場合には(ステップB1701の結果が「Y」)、擬似ボーナスフラグが設定されていないか否かを判定する(ステップB1702)。擬似ボーナスフラグが設定されている場合には(ステップB1702の結果が「N」)、さらに擬似ボーナス抽選を実行する必要がないため、擬似ボーナス抽選処理を終了する。
演出制御装置70は、擬似ボーナスフラグが設定されていない場合には(ステップB1702の結果が「Y」)、内部当選役の種類に応じて擬似ボーナスを発生させるか否かを抽選する(ステップB1703)。擬似ボーナスを発生させる対象となる内部当選役は、ベルリプA・B、チェリーリプ、スイカ、チェリーのいずれかであり、ベルリプA、チェリーリプ、スイカ、ベルリプB、チェリーの順で当選期待値が大きくなる。なお、他の入賞役(例えば、ベルA、ベルB、1枚役など)では、擬似ボーナスは発生しないように設定されている。擬似ボーナスを発生させる対象となる内部当選役は擬似ボーナスを昇格(又は降格)するように変更可能な変更賞役となっている。
次に、演出制御装置70は、擬似ボーナスの発生抽選に当選したか否かを判定する(ステップB1704)。当選しなかった場合には(ステップB1704の結果が「N」)、擬似ボーナス抽選処理を終了する。
一方、演出制御装置70は、擬似ボーナスの発生抽選に当選した場合には(ステップB1704の結果が「Y」)、発生させる擬似ボーナスの種類を抽選する(ステップB1705)。擬似ボーナスの種類は、擬似ボーナス状態から通常AT状態ST351に移行する確率(期待度)に応じて、第1擬似ボーナス(超高確、超高期待度)、第2擬似ボーナス(高確、高期待度)、第3擬似ボーナス(低確、低期待度)が含まれている。各擬似ボーナスの選択確率は、例えば、第1擬似ボーナスが5%、第2擬似ボーナスが35%、第3擬似ボーナスが60%に設定される。なお、擬似ボーナスの発生抽選に当選した場合には、通常ゾーンST310から特定演出ゾーンST330に移行し、その後、AT状態ST350に含まれる昇格抽選状態ST360に移行する。
さらに、演出制御装置70は、発生させる擬似ボーナスの種類の抽選結果に対応する擬似ボーナスフラグをセットする(ステップB1706)。そして、内部当選役及びAT抽選確率に応じて昇格抽選モードを抽選する(ステップB1707)。昇格抽選モードには、低昇格モードと高昇格モードとが含まれ、図52に示すテーブルを参照して決定する。
図52は、本発明の実施の形態の擬似ボーナス状態における昇格モードを決定するための表の一例を示す図である。前述のように、擬似ボーナス状態における昇格モードは、内部当選役(ベルリプA・B、チェリーリプ、スイカ、チェリー)と、AT抽選確率とに基づいて決定される。
例えば、内部当選役が「チェリーリプ」でAT抽選確率が「高確」の場合には、低昇格モードが90%の確率、高昇格モードが10%の確率で選択される。また、「チェリー」でAT抽選確率が「超高確」の場合には、低昇格モードが25%の確率、高昇格モードが75%の確率で選択される。
図51に戻り、演出制御装置70は、ステップB1707の昇格抽選モードの抽選結果に対応する昇格抽選モードをセットする(ステップB1708)。擬似ボーナス状態に移行する場合には、連続演出を実行するため、連続演出実行フラグをセットし(ステップB1709)、擬似ボーナス抽選処理を終了する。なお、非AT状態ST300である場合だけ擬似ボーナス抽選処理を行うようにしたが、通常AT状態ST351である場合にも擬似ボーナス抽選処理を実行するようにし、非AT状態ST300である場合とは異なる確率(低確率、高確率)で擬似ボーナスの発生抽選に当選させるようにするとゲーム性が向上する。
〔擬似ボーナス昇格抽選処理〕
続いて、図23の演出制御処理における擬似ボーナス昇格抽選処理(ステップB1009)について説明する。図53は、本発明の実施の形態の擬似ボーナス昇格抽選処理の手順を示すフローチャートである。擬似ボーナス昇格抽選処理は、擬似ボーナス状態を発生させることが決定された後の昇格抽選状態において、発生させる擬似ボーナス状態の種類(価値)を昇格(ランクアップ、変更)させるか否かを決定する抽選を行う処理である。
演出制御装置70は、擬似ボーナス昇格抽選処理を開始すると、まず、現在の遊技状態が昇格抽選状態であるか否かを判定する(ステップB1801)。昇格抽選状態でない場合には(ステップB1801の結果が「N」)、擬似ボーナス状態の種類を昇格させることはないので、擬似ボーナス昇格抽選処理を終了する。
演出制御装置70は、昇格抽選状態の場合には(ステップB1801の結果が「Y」)、擬似ボーナス抽選処理の結果に基づいて、擬似ボーナス状態の種類を昇格させることが可能か否かを判定する(ステップB1802)。擬似ボーナス状態の種類を昇格させる可能性(必要)が無い場合(既に遊技者にとって最も有利となる第1擬似ボーナス状態の発生が決定されている場合)には(ステップB1802の結果が「N」)、擬似ボーナス抽選処理を終了する。
演出制御装置70は、擬似ボーナス状態の種類を昇格可能な場合には(ステップB1802の結果が「Y」)、昇格抽選モードに対応する昇格抽選テーブルをセットする(ステップB1803)。さらに、内部当選役の種類に応じて擬似ボーナス状態の種類を昇格させるか否かを抽選し(ステップB1804)、擬似ボーナス状態の種類を昇格させるか否かの昇格抽選に当選したか否かを判定する(ステップB1805)。
そして、演出制御装置70は、擬似ボーナス状態の昇格抽選に当選した場合には(ステップB1805の結果が「Y」)、昇格結果に対応する擬似ボーナスフラグをセットし(ステップB1809)、擬似ボーナス昇格抽選処理を終了する。この場合には昇格抽選モードの昇格抽選は行われないが、昇格抽選モードの昇格抽選を行うようにしてもよい。
一方、演出制御装置70は、擬似ボーナス状態の昇格抽選に当選しなかった場合には(ステップB1805の結果が「N」)、内部当選役の種類に応じて昇格抽選モードを昇格(ランクアップ、変更)させるか否かを抽選する(ステップB1806)。さらに、昇格抽選モードの昇格抽選に当選したか否かを判定し(ステップB1807)、当選した場合には(ステップB1807の結果が「Y」)、昇格結果に対応する昇格抽選モードをセットし(ステップB1808)、擬似ボーナス昇格抽選処理を終了する。昇格抽選モードの昇格抽選に当選しなかった場合には(ステップB1807の結果が「N」)、そのまま擬似ボーナス昇格抽選処理を終了する。
以上のように、本実施形態では、擬似ボーナス抽選処理によって、擬似ボーナス状態を発生可能とするか否か(昇格抽選状態に移行するか否か)や発生させる擬似ボーナス状態の種類(価値)を決定する。そして、擬似ボーナス抽選処理による抽選結果に基づいて擬似ボーナス昇格抽選処理を実行することによって、昇格抽選状態ST360における制御を実行するように構成されている。
〔連続演出制御処理〕
続いて、図24のタイマ割込処理における連続演出制御処理(ステップB1106)について説明する。図54は、本発明の実施の形態の連続演出制御処理の手順を示すフローチャートである。連続演出制御処理は、非AT状態ST300において、特定演出ゾーンST330において実行される連続演出を制御するための処理である。
連続演出は、表示演出及び音演出によって構成され、演出制御処理(図23)のステップB1015のゲーム演出決定処理によって、演出の種類や回数などの演出内容が決定される。また、連続演出は設定されている演出モードに対応するものが実行されるため、連続演出の実行中は、演出ボタン10の操作による演出モードの切替を規制するとよい。
連続演出制御処理が開始されると、演出制御装置70は、まず、連続演出設定があるか否かを判定する(ステップB2001)。連続演出設定がない場合には(ステップB2001の結果が「N」)、ステップB2013の処理を実行する。
一方、演出制御装置70は、連続演出設定がある場合には(ステップB2001の結果が「Y」)、ゲームの開始タイミングであるか否かを判定する(ステップB2002)。ゲームの開始タイミングである場合には(ステップB2002の結果が「Y」)、連続演出の種類と、残り連続回数に応じた段階演出の実行を開始する(ステップB2003)。
続いて、演出制御装置70は、リール6の停止操作がなされたか否かを判定する(ステップB2004)。リール6の停止操作がなされなかった場合には(ステップB2004の結果が「N」)、ステップB2009以降の処理を実行する。また、リール6の停止操作がなされた場合には(ステップB2004の結果が「Y」)、停止したリール6の数に応じて実行中の段階演出を進展させる(ステップB2005)。
さらに、演出制御装置70は、リール停止操作が第3停止操作(3個目(最後)のリールを停止させる操作)であるか否かを判定する(ステップB2006)。そして、リール6の停止操作が第3停止操作の場合には(ステップB2006の結果が「Y」)、実行されていたゲームが連続演出の最終ゲームであるか否かを判定する(ステップB2007)。連続演出の最終ゲームである場合には(ステップB2007の結果が「Y」)、連続演出の結果に応じた告知演出の実行を開始する(ステップB2008)。
本実施形態における告知演出は、下スピーカによる告知音(当り告知音、はずれ告知音)の出力であるが、告知音に合わせてサブ表示器310や可動演出部材(360,370)を動作させるようにしてもよいし、サブ表示器310や可動演出部材(360,370)の動作のみであってもよい。
なお、演出制御装置70は、リール停止操作が第3停止操作でない場合(ステップB2006の結果が「N」)、実行されていたゲームが連続演出の最終ゲームでない場合には(ステップB2007の結果が「N」)、ステップB2009以降の処理を実行する。
演出制御装置70は、ゲームの終了タイミングであるか否かを判定する(ステップB2009)。ゲームの終了タイミングでない場合には(ステップB2009の結果が「N」)、ステップB2013以降の処理を実行する。
演出制御装置70は、ゲームの終了タイミングの場合には(ステップB2009の結果が「Y」)、実行中の段階演出を終了させて可動部材(サブ表示器310、左可動演出装置360、右可動演出装置370)を初期位置(通常位置)に復帰させる(ステップB2010)。さらに、実行されていたゲームが連続演出の最終ゲームであるか否かを判定し(ステップB2011)、連続演出の最終ゲームである場合には(ステップB2011の結果が「Y」)、連続演出設定をクリアする(ステップB2012)。
演出制御装置70は、ステップB2008の処理で開始された告知演出を実行中であるか否かを判定する(ステップB2013)。告知演出を実行中でない場合には(ステップB2013の結果が「N」)、連続演出制御処理を終了する。
さらに、演出制御装置70は、告知演出を実行中の場合には(ステップB2013の結果が「Y」)、告知演出を継続する所定時間を経過したか否かを判定する(ステップB2014)。所定時間を経過した場合には(ステップB2014の結果が「Y」)、告知演出の実行を終了し(ステップB2019)、連続演出制御処理を終了する。
一方、演出制御装置70は、所定時間を経過していない場合には(ステップB2014の結果が「N」)、次のゲームが開始されるか否かを判定する(ステップB2015)。次のゲームが開始されない場合には(ステップB2015の結果が「N」)、連続演出制御処理を終了する。なお、次ゲームの開始により告知演出を終了させているが、賭け操作(手動、自動)、演出ボタン10の操作、メダルの払戻操作などによって告知演出を終了させるようにしてもよい。
また、演出制御装置70は、次のゲームが開始される場合には(ステップB2015の結果が「Y」)、連続演出の実行要因がATセット数の上乗せによるものか否かをチェックし(ステップB2016)、判定する(ステップB2017)。
演出制御装置70は、連続演出の実行要因がATセット数の上乗せによるものである場合には(ステップB2017の結果が「N」)、特定結果の告知演出であるか否かを判定する(ステップB2018)。この場合の特定結果は、ATセット数の上乗せに当選したことである。演出制御装置70は、特定結果の告知演出である場合には(ステップB2018の結果が「Y」)、告知演出の実行を終了せずに、連続演出制御処理を終了する。一方、特定結果の告知演出でない場合(ステップB2018の結果が「N」)、すなわち、ATセット数の上乗せによる連続演出であって、かつ、当選しなかった場合には、告知演出の実行を終了し(ステップB2019)、連続演出制御処理を終了する。
連続演出の実行要因には、G数解除、擬似ボーナス自力当選、AT自力当選、G数上乗せ当選、セット数上乗せ当選があるが、セット数上乗せ当選の場合にはその後の演出で連続演出の結果が報知されない(遊技者のドキドキ感を煽るために残りのATセット数が報知されずに不明となっている)。そのため、特定結果(セット数上乗せ当選)の場合には告知演出を最後まで実行することで遊技者にセット数上乗せ当選を報知する。
なお、他の当選はその後の表示内容の変化などによって遊技者が結果を把握できるが、ゲーム数上乗せなどについても特定結果として最後まで告知演出を実行してもよい。この場合、上乗せゲーム数に応じて告知演出を最後まで実行するか否かを決定するようにしてもよい。また、次ゲームの開始時にはずれ結果の告知演出が実行されている場合には告知演出を終了させているが、結果にかかわらず告知演出を継続するようにしてもよい。
〔タイミングチャート〕
続いて、連続演出及び告知演出の実行(終了)タイミングについて、図55から図57を参照しながら説明する。図55は、本発明の実施の形態の告知演出の終了後に次ゲームが開始された場合の例を示すタイミングチャートであり、(A)は連続演出の開始から終了までを示し、(B)は最終段階演出の詳細を示す。図55に示す例では、連続演出の回数は3回である。
時刻t10は、連続演出の開始となるゲームを開始したタイミングである。そして、リールストップボタン(24a,24b,24c)を操作することによってゲームが終了し、その後、第1段階演出が終了する。
その後、遊技者がベット操作を行い、スタートレバー21を操作することで、次のゲームが開始され、第2段階演出が開始される(時刻t11)。さらに、実行されたゲームが終了すると、連続演出の最後の段階に対応するゲームを開始し(時刻t12)、最終段階演出が実行される。
そして、最後のゲームが終了すると、告知演出(報知演出)が開始される(時刻t13)。告知演出(報知演出)は、連続演出の結果が特定結果(擬似B確定、上乗せ確定)であっても、はずれ結果であっても所定期間(所定時間)に亘って実行される演出である。告知演出(報知演出)は演出制御装置70によって実行されるため、演出制御装置70は、告知演出手段(報知演出手段)をなす。
また、図55の例では、告知演出が実行されている間は次のゲームを開始していないため、告知演出が所定時間(ステップB2014)継続する。なお、告知演出は、下スピーカを利用した重低音の告知音を出力する演出である。また、告知演出は、最終段階演出の進展が終了した後も継続する。
また、最終段階演出は、次のゲームが開始されるまで継続するが、図55(B)に示すように、実際に演出が実行される演出進展期間が終了すると(時刻t14)、次のゲームが開始されるまで(時刻t15)、静止画面や繰り返し演出などを実行する演出停滞期間となる。
演出進展期間は、ゲームの開始から所定時間に亘って又は少なくとも何れかの停止操作から所定時間に亘って演出内容が進展する期間である。なお、各段階演出は、演出進展期間であっても次のゲームが開始されると終了して、次のゲームに応じた演出が実行される。演出停滞期間は、演出内容が進展しない期間であって、次のゲームが開始されるまで又は客待ち画面に移行するまで継続する。なお、最終段階よりも以前の段階演出も基本的には演出進展期間と演出停滞期間から構成されている。
告知演出が終了した後、次のゲームが開始されると、上下のスピーカを利用した高音メイン(主体)の通常演出が実行される。
図56は、本発明の実施の形態の当り告知演出の終了前に次ゲームが開始され、連続演出は終了するが告知演出は終了しない場合の例を示すタイミングチャートである。
連続演出の開始(時刻t20)から最終段階演出の開始(時刻t22)までの態様については、図55(A)に示した例と同様である。図56に示す例では、ミッション抽選に当選し、最終段階演出におけるゲームが終了した後、当り(特定結果)演出に対応する告知演出が実行される(時刻t23)。このとき、特定結果に対応するため、次のゲームの開始操作がなされても(時刻t24)、当り演出が継続される(時刻t25)。
なお、図56のタイミングチャートに示すように、次ゲームを開始するための操作によって、連続演出が終了するため、スタートレバー21や当該スタートレバー21の操作を受けて次ゲームを開始する遊技制御装置50及び次のゲームのための演出を開始する演出制御装置70は、連続演出終了手段をなす。
以上のように、連続演出の終了を待たずに次ゲームを開始しても、報知演出によって連続演出の結果を報知することができる。すなわち、単位時間当たりのゲームの実行数を減少させることなく、連続演出の結果を遊技者に認識させることが可能となる。
特に、前述したように、連続演出実行後の演出などで抽選結果が判別できない(残りのATセット数が報知されない)ATセット数上乗せ当選(第2遊技価値)などの場合に報知演出を継続するとよい。すなわち、連続演出の実行要因(特定結果の種類、付与される遊技価値)に応じて報知演出が終了するか否かが変わるため、ゲームにおける演出効果が変化して遊技の興趣を向上させることができる。一方、連続演出終了後の演出などによって遊技者が遊技価値(第1遊技価値)を付与されたことを認識できる(残りのATセット数が報知されている)場合には連続演出の終了とともに報知演出を終了させてもよい。
図57は、本発明の実施の形態のはずれ告知演出の終了前に次ゲームが開始され、連続演出も告知演出も終了する場合の例を示すタイミングチャートである。
図57に示す例では、図56と同様のタイミングで連続演出の開始から告知演出(はずれ演出)の実行までが行われるが(時刻t30〜t33)、次のゲームの開始操作がなされた時点で(時刻t34)、本来ならば時刻t35まで実行される告知演出が途中で中止される。また、最終段階演出の演出進展期間が終了する前に次のゲームが開始される。
以上のように、抽選結果がはずれの場合には、告知演出を継続せずに次のゲームを開始可能に構成することによって、次ゲームにおける通常演出の実行が阻害されることを抑制することができ、遊技者にテンポよく遊技を行わせることができる。なお、抽選結果がはずれの場合であっても図56に示した例と同様に、告知演出が終了するまで次のゲームを開始させないようにしてもよい。なお、通常演出は演出制御装置70によって実行されるため、演出制御装置70は通常演出手段をなす。
また、連続演出の結果が特定結果の場合に限り、次ゲームが開始されても報知演出を実行するため、報知演出が終了するか否かによって遊技価値が付与されるか否かを遊技者が把握することが可能となる。また、報知演出が中断するか否かによって、次ゲームにおける通常演出の演出態様が変化するため、ゲームにおける演出効果が変化して遊技の興趣を向上させることができる。
〔連続演出例〕
続いて、連続演出及び告知演出の演出例について、図58から図61を参照しながら説明する。まず、図58を参照しながら連続演出の最終段階演出までを説明し、図59から図61を参照しながら最終段階演出から告知演出及び次ゲームの開始までの演出について説明する。
図58は、本発明の実施の形態の連続演出の開始から最終段階演出までの一連の演出の一例を示す遷移図である。図58に示す例では、通常AT状態ST351において、連続演出を発生させる入賞役(例えば、「スイカ」)で当選した場合について説明する。
図58(A)を参照すると、連続演出を開始させる入賞役に当選し、所定枚数のメダルが払い出され、払出音(例えば、「デンデンデンデン♪」)が出力される。その後、賭け(ベット)操作及びスタートレバー21を操作してゲームの開始操作を行うと、次ゲームが開始される。
また、遊技状態が通常AT状態ST351であるため、図58(B)に示すように、リールストップボタン24の押し順を報知する押し順表示部(押し順表示アイコン)390が表示される。そして、第1段階の演出が開始され、連続演出が開始されることが報知される。このとき、左可動演出装置360の左可動部材361が左右に移動する演出が実行される。左可動演出装置360による演出は、連続演出の結果が特定結果となる確率がはずれとなる確率よりも高い場合に実行される。
その後、各リール6の停止操作を行って実行中のゲームを終了し、さらに、賭け操作及び次ゲームの開始操作を実行する。その後、図58(C)に示すように、第2段階演出が実行される。さらに、停止操作を行って実行中のゲームを終了し、続いて、賭け操作及び次ゲームの開始操作を実行する。その後、図58(D)に示すように、最終段階演出が開始される。このとき、左可動部材361が遊技者から視認可能な状態で停止する。
以上、連続演出が開始されてから最終段階演出が開始されるまでの演出態様である。この後、連続演出の結果に基づく告知演出が実行される。以下、以降の演出について代表的なパターンについて説明する。
図59は、本発明の実施の形態の連続演出の最終段階演出から次ゲーム開始までの演出態様を説明する図であり、告知演出の終了後に次ゲームが開始された場合を説明する図である。
図59(E)及び(F)は、最終段階演出を実行しているゲームで、指示された押し順でリールストップボタン24を操作している状態である。図59(E)は2番目のリールストップボタン24を操作した後の状態であり、図58(D)に示した状態から最終段階演出が継続されている。
図59(F)は最後のリールストップボタン24を操作することでゲームが終了した直後の演出進展期間を示しており、また、図59(G)は最終段階演出の演出停滞期間において告知演出が継続している状態を示している。最後のリールストップボタン24を操作すると、告知演出が開始される。告知演出は、抽選結果に応じた結果音(例えば、はずれの場合は「じょわわわ〜ん♪」、特定結果の場合は「ずどどどど〜ん♪」)が、下スピーカーから重低音で出力される。図59では、抽選結果が特定結果となった場合を示している。なお、はずれの場合には特定結果の場合と区別し易いように高音や中音で結果音を出力するようにしてもよい。
また、告知演出は、結果音の出力だけでなく、可動演出装置による演出を含めてもよい。具体的には、抽選結果が特定結果の場合に限り、図59(F)に示すように、左可動演出装置360の左可動部材361が左に移動して初期位置に戻る一方、右可動演出装置370の右可動部材371を遊技者が視認可能な位置まで左方向に移動させる。さらに、セット数の追加を示すセット数追加報知部380を表示し、セット数が追加されたことを報知する。
告知演出が終了し、賭け操作及び次ゲームの開始操作を行うと、図59(H)に示すように、通常AT状態ST351を継続し、次ゲームが開始されて内部抽選結果に応じた演出(通常演出の表示や押し順表示部の表示など)が実行される。
図60は、本発明の実施の形態の連続演出の最終段階演出から次ゲーム開始までの演出態様を説明する図であり、告知演出の実行中に次ゲームが開始されるが、特定結果音の出力が途中で終了しない場合を説明する図である。
図60(E)及び図60(F)については、図59(E)及び図59(F)と同様である。図60(G)では、告知演出の実行中に遊技者が賭け操作及び次ゲームの開始操作を行うことによって、次ゲームが開始された状態を示している。このとき、連続演出の結果が特定結果となったので、次ゲーム開始後も結果音(告知音、報知音)の出力が継続される。一方、右可動演出装置370の右可動部材371は、初期位置まで戻り、セット数追加報知部380の表示は終了し、結果音出力以外の告知演出は終了するように構成されている。
図61は、本発明の実施の形態の連続演出の最終段階演出から次ゲーム開始までの演出態様を説明する図であり、告知演出の実行中に次ゲームが開始されるが、特定結果音の出力が途中で終了しない場合を説明する図である。
図61(E)及び図61(F)については、図59(E)及び図59(F)と同様である。なお、抽選結果がはずれであるため、セット数追加報知部380には、抽選結果がはずれである旨が表示される。
図61(G)では、告知演出の実行中に遊技者が賭け操作及び次ゲームの開始操作を行うことによって、次ゲームが開始した状態を示している。このとき、抽選結果がはずれであるため、結果音の出力は中止される。さらに、右可動演出装置370の右可動部材371は、初期位置まで戻り、セット数追加報知部380の表示は終了し、次ゲームにおける通常演出が実行される。
〔連続演出の変形例〕
続いて、連続演出の変形例について説明する。ここまで説明した告知演出は、連続演出の結果を告知する告知音を出力していたが、本変形例では、連続演出の結果が特定結果であることを報知する確定演出を実行する。
図62は、本発明の実施の形態の連続演出終了後の確定演出の例を示すタイミングチャートであり、(A)は連続演出の結果がはずれの場合、(B)は連続演出の結果が特定結果の場合を示す。図63は、本発明の実施の形態の変形例の連続演出の最終段階演出から次ゲーム開始までの演出態様を説明する図であり、報知演出の実行中に次ゲームが開始される場合を説明する図である。
連続演出の開始(時刻t40)から最終段階演出の開始(時刻t42)までの態様については、図55(A)に示した例と同様である。図62(A)に示す例では、連続演出の結果がはずれであるため、確定演出が行われず、連続演出における最後のゲームが終了した後(時刻t43)も、最終段階演出が継続される。そして、最終段階演出が終了する時刻(時刻t45)よりも前であっても、次ゲームの賭け操作及び開始動作が行われると、次ゲームが開始され(時刻t44)、次ゲームの通常演出が実行される。
一方、図62(B)に示す例では、図62(A)と同様のタイミングで連続演出の開始(時刻t50)から連続演出における最後のゲームの終了(時刻t53)まで経過する。このとき、連続演出の結果が特定結果であるため、確定演出が連続演出における最後のゲームが終了したタイミングで実行される(時刻t53、図63(B))。
その後、次ゲームの賭け操作及び開始動作が行われると、次ゲームが開始されるが(時刻t54)、確定演出は時刻t55まで継続して実行される(図63(C))。確定演出は告知演出と同様に、下スピーカを利用した重低音が出力される。また、確定演出が継続している間に次ゲームが開始された場合、次ゲームのための通常演出は、確定演出が終了するまで、上スピーカを利用した高音メイン(主体)の演出となる。
なお、図63に示すように、本変形例の確定演出では、次ゲームが開始されてもセット数追加報知部380の表示が継続されているが、連続演出の結果が特定結果の場合と同様に、次ゲームの開始とともにセット数追加報知部380の表示を終了させてもよい。また、確定演出で出力される確定音は、連続演出の結果が特定結果の場合の特定結果音と異なる出力となっているが、同じであってもよい。
なお、以上説明した連続演出の結果の報知演出の制御は、次ゲームの開始操作に伴うものであったが、次ゲームの開始操作ではなく、例えば、精算入力を受け付けた場合であってもよい。すなわち、連続演出の最終段階演出の実行中にクレジットからメダルを払い出す操作が遊技者によって行われた場合に、連続演出の結果が特定結果であれば、報知演出を実行(継続)する。このように構成することによって、クレジットが精算される場合であっても、無駄な報知演出を実行せずに必要な報知演出を実行するので、報知演出が終了するか否かによって遊技価値が付与されるか否かを遊技者が把握できる。
〔擬似ボーナス昇格演出〕
続いて、擬似ボーナス昇格演出について説明する。擬似ボーナス昇格演出は、昇格抽選状態ST360においてその後に発生させる擬似ボーナス状態(ST361〜ST363)の種類(価値)が昇格(ランクアップ、変更)する場合に実行される演出である。擬似ボーナス状態では、所定の確率でAT抽選が実行され、当選すると、擬似ボーナス状態の終了後に通常AT状態ST351に移行する。
まず、図24のタイマ割込処理における擬似ボーナス昇格演出制御処理(ステップB1107)について説明する。図64は、本発明の実施の形態の擬似ボーナス昇格演出制御処理の手順を示すフローチャートである。擬似ボーナス昇格演出制御処理は、昇格抽選状態ST360において、処理番号に応じた昇格演出を実行したり、あらかじめ設定された報知レベルに応じた昇格演出を実行したりするための処理である。
演出制御装置70は、擬似ボーナス昇格演出制御処理が開始されると、処理番号に応じて分岐する(ステップB2101)。
処理番号が0の場合には、演出制御装置70は、昇格演出開始処理を実行する。昇格演出開始処理は、昇格演出開始時に実行される処理であり、あらかじめ設定された報知レベルに応じた処理番号を設定する。昇格演出開始処理の詳細については、図65にて説明する。
処理番号が1の場合には、演出制御装置70は、明確昇格演出処理を実行する。明確昇格演出処理は、昇格抽選の結果について、昇格モードにおける演出内容や昇格したか否かについて明確に報知する演出を実行する処理である。明確昇格演出処理の詳細については、図66にて説明する。
処理番号が2の場合には、演出制御装置70は、普通昇格演出処理を実行する。普通昇格演出処理は、昇格抽選の結果について、昇格モードにおける演出については曖昧であるが、昇格したか否かについては明確に報知する演出を実行する処理である。普通昇格演出処理の詳細については、図67にて説明する。
処理番号が3の場合には、演出制御装置70は、曖昧昇格演出処理を実行する。曖昧昇格演出処理は、昇格抽選の結果について、昇格モードにおける演出内容や昇格したか否かについて曖昧に報知する演出を実行する処理である。曖昧昇格演出処理の詳細については、図68にて説明する。
続いて、昇格演出開始処理の手順について説明する。図65は、本発明の実施の形態の昇格演出開始処理の手順を示すフローチャートである。昇格演出開始処理は、昇格抽選状態ST360に移行して最初に実行される処理であり、昇格抽選状態ST360であることの報知の設定やあらかじめ設定された昇格演出の態様に応じて処理番号を設定する。
演出制御装置70は、まず、昇格抽選状態ST360が開始されたか否かを判定する(ステップB2201)。昇格抽選状態ST360が開始されていない場合には(ステップB2201の結果が「N」)、昇格演出を実行しないので、昇格演出開始処理を終了する。
一方、演出制御装置70は、昇格抽選状態ST360が開始された場合には(ステップB2201の結果が「Y」)、メイン表示器3及びサブ表示器310に昇格抽選中(昇格抽選状態ST360)であることを示す背景画像の表示をセットする(ステップB2202)。
さらに、演出制御装置70は、昇格演出の実行が有効に設定されている否かを判定する(ステップB2203)。昇格演出の実行が有効に設定されていない場合には(ステップB2203の結果が「N」)、昇格演出を実行しないので、昇格演出開始処理を終了する。なお、昇格演出の実行可否については、図45及び図46にて説明した擬似ボーナス昇格演出設定処理で設定される。
演出制御装置70は、昇格演出の実行が有効に設定されている場合には(ステップB2203の結果が「Y」)、メイン表示器3に昇格演出の報知レベル画像の表示をセットする(ステップB2204)。さらに、昇格演出の報知レベルが「明確」であるか否かを判定する(ステップB2205)。
演出制御装置70は、昇格演出の報知レベルが「明確」の場合には(ステップB2205の結果が「Y」)、演出処理番号を1にセットする(ステップB2206)。さらに、現在の昇格抽選モードに応じて左右の可動演出部材(361、371)の移動をセットする(ステップB2207)。
一方、演出制御装置70は、昇格演出の報知レベルが「明確」でない場合には(ステップB2205の結果が「N」)、演出処理番号を2にセットし(ステップB2208)、さらに、昇格演出の報知レベルが「普通」であるか否かを判定する(ステップB2209)。
演出制御装置70は、昇格演出の報知レベルが「普通」でない場合には(ステップB2209の結果が「N」)、昇格演出の報知レベルが「曖昧」であるため、演出処理番号を3にセットする(ステップB2212)。さらに、サブ表示器310を移動させずに、ボーナス曖昧画像の表示をセットする(ステップB2213)。
演出制御装置70は、昇格演出の報知レベルが「明確」の場合、又は、「普通」の場合には(ステップB2209の結果が「Y」)、擬似ボーナスフラグに応じた位置へのサブ表示器310の移動をセットする(ステップB2210)。さらに、擬似ボーナスフラグに応じたボーナス画像の表示をサブ表示器310にセットする(ステップB2213)。
〔明確昇格演出処理〕
次に、明確昇格演出処理について説明する。図66は、本発明の実施の形態の明確昇格演出処理の手順を示すフローチャートである。明確昇格演出処理は、擬似ボーナス昇格演出設定処理において報知レベルが「明確」に設定された場合に実行される処理である。前述のように、報知レベルが「明確」に設定されている場合には、昇格モードにおける演出内容や昇格したか否かについて明確に報知する。
演出制御装置70は、明確昇格演出処理が開始されると、まず、昇格可能な状態(擬似ボーナス状態の種類や昇格抽選モードを昇格させることが可能な状態)であるか否かを判定する(ステップB2301)。昇格可能な状態でない場合には(ステップB2301の結果が「N」)、ステップB2315以降の処理を実行する。
演出制御装置70は、昇格可能な状態の場合には(ステップB2301の結果が「Y」)、擬似ボーナス状態の種類(価値)が昇格(ランクアップ、変更)可能であるか否かを判定する(ステップB2302)。擬似ボーナス状態の種類が昇格可能でない場合には(ステップB2302の結果が「N」)、ステップB2315以降の処理を実行する。
演出制御装置70は、擬似ボーナス状態の種類が昇格可能である場合には(ステップB2302の結果が「Y」)、ゲーム開始タイミングであるか否かを判定する(ステップB2303)。ゲーム開始タイミングの場合には(ステップB2303の結果が「Y」)、昇格対象役に当選するか否かを判定する(ステップB2304)。昇格対象役(例えば、ベルリプA・B、チェリーリプ、スイカ、チェリー)に当選した場合には(ステップB2304の結果が「Y」)、サブ表示器310の揺動(上下動)をセットする(ステップB2305)。これにより、擬似ボーナス状態の種類(価値)が昇格(ランクアップ、変更)する可能性があることを予告することが可能となり、サブ表示器310及びサブ表示器310の動作を制御する演出制御装置70は、予告演出制御手段をなしている。
演出制御装置70は、ゲーム開始タイミングでない場合(ステップB2303の結果が「N」)、昇格対象役に当選していない場合(ステップB2304の結果が「N」)、又は、サブ表示器310の揺動のセットが完了した場合には、最終リールが停止した状態か否かを判定する(ステップB2306)。
演出制御装置70は、最終リールが停止した場合には(ステップB2306の結果が「Y」)、さらに、サブ表示器310が揺動中であるか否かを判定する(ステップB2307)。サブ表示器310が揺動中である場合には(ステップB2307の結果が「Y」)、サブ表示器310の揺動の停止をセットする(ステップB2308)。
演出制御装置70は、最終リールが停止していない場合(ステップB2306の結果が「N」)、サブ表示器310が揺動していない場合(ステップB2307の結果が「N」)、又は、サブ表示器310の揺動停止のセットが完了した場合には、ゲームが終了したか否かを判定する(ステップB2309)。ゲームが終了していない場合には(ステップB2309の結果が「N」)、ステップB2315以降の処理を実行する。
演出制御装置70は、ゲームが終了した場合には(ステップB2309の結果が「Y」)、擬似ボーナスが昇格するか否かを判定する(ステップB2310)。擬似ボーナス状態の種類が昇格しない場合には(ステップB2310の結果が「N」)、昇格抽選モードが昇格するか否かを判定する(ステップB2311)。昇格抽選モードが昇格しない場合には(ステップB2311の結果が「N」)、ステップB2315以降の処理を実行する。
演出制御装置70は、昇格抽選モードが昇格する場合には(ステップB2311の結果が「Y」)、左可動部材361の初期位置復帰と、右可動部材371の移動をセットする(ステップB2312)。
一方、演出制御装置70は、擬似ボーナス状態の種類が昇格する場合には(ステップB2310の結果が「Y」)、擬似ボーナスフラグに応じた位置へのサブ表示器310の移動をセットする(ステップB2313)。さらに、擬似ボーナスフラグに応じた画像にサブ表示器310の表示の更新をセットする(ステップB2314)。すなわち、演出制御装置70は、サブ表示器310に付与される擬似ボーナス状態の種類を特定可能な特定情報表示するため、演出制御装置70及びサブ表示器310は特定情報表示手段をなしている。
続いて、演出制御装置70は、発生させる擬似ボーナス状態の種類に対応する擬似ボーナスリプの入賞が成立したか否かを判定する(ステップB2315)。擬似ボーナスリプに入賞しなかった場合には(ステップB2315の結果が「N」)、明確昇格演出処理を終了する。
一方、演出制御装置70は、擬似ボーナスリプの入賞が成立した場合には(ステップB2315の結果が「Y」)、左右の可動部材(361、362)及びサブ表示器310を初期位置(通常位置)に復帰させる(ステップB2316)。さらに、演出処理番号を0にセットし(ステップB2317)、明確昇格演出処理を終了する。
このように、擬似ボーナスリプの入賞が成立するまで、すなわち、擬似ボーナス状態に移行するまで、左右の可動部材(361、362)及びサブ表示器310を初期位置に復帰させないため、例えば、遊技中に離席して遊技を再開する場合であっても現在の状況(擬似ボーナスの期待度など)を即座に把握することが可能となる。
〔普通昇格演出処理〕
次に、普通昇格演出処理について説明する。図67は、本発明の実施の形態の普通昇格演出処理の手順を示すフローチャートである。普通昇格演出処理は、擬似ボーナス昇格演出設定処理において報知レベルが「普通」に設定された場合に実行される処理である。前述のように、報知レベルが「普通」に設定されている場合には、昇格モードにおける演出については曖昧であるが、昇格したか否かについては明確に報知される。
演出制御装置70は、普通昇格演出処理が開始されると、まず、昇格可能な状態(擬似ボーナス状態の種類や昇格抽選モードを昇格させることが可能な状態)であるか否かを判定する(ステップB2401)。昇格可能な状態でない場合には(ステップB2401の結果が「N」)、ステップB2407以降の処理を実行する。
演出制御装置70は、昇格可能な状態の場合には(ステップB2401の結果が「Y」)、擬似ボーナス状態の種類(価値)が昇格(ランクアップ、変更)可能であるか否かを判定する(ステップB2402)。擬似ボーナス状態の種類が昇格可能でない場合には(ステップB2402の結果が「N」)、ステップB2407以降の処理を実行する。
演出制御装置70は、擬似ボーナス状態の種類が昇格可能である場合には(ステップB2402の結果が「Y」)、ゲームが終了したか否かを判定する(ステップB2403)。ゲームが終了していない場合には(ステップB2403の結果が「N」)、ステップB2407以降の処理を実行する。
演出制御装置70は、ゲームが終了した場合には(ステップB2403の結果が「Y」)、擬似ボーナス状態の種類が昇格するか否かを判定する(ステップB2404)。昇格抽選モードが昇格しない場合には(ステップB2404の結果が「N」)、ステップB2407以降の処理を実行する。
一方、演出制御装置70は、擬似ボーナス状態の種類が昇格する場合には(ステップB2404の結果が「Y」)、擬似ボーナスフラグに応じた位置へのサブ表示器310の移動をセットする(ステップB2405)。さらに、擬似ボーナスフラグに応じた画像にサブ表示器310の表示の更新をセットする(ステップB2406)。
続いて、演出制御装置70は、発生させる擬似ボーナス状態の種類に対応する擬似ボーナスリプの入賞が成立したか否かを判定する(ステップB2407)。擬似ボーナスリプの入賞が成立しなかった場合には(ステップB2407の結果が「N」)、普通昇格演出処理を終了する。
一方、演出制御装置70は、擬似ボーナスリプの入賞が成立した場合には(ステップB2407の結果が「Y」)、サブ表示器310を初期位置(通常位置)に復帰させる(ステップB2408)。さらに、演出処理番号を0にセットし(ステップB2409)、普通昇格演出処理を終了する。
〔曖昧昇格演出処理〕
最後に、曖昧昇格演出処理について説明する。図68は、本発明の実施の形態の曖昧昇格演出処理の手順を示すフローチャートである。曖昧昇格演出処理は、擬似ボーナス昇格演出設定処理において報知レベルが「曖昧」に設定された場合に実行される処理である。前述のように、報知レベルが「曖昧」に設定されている場合には、昇格モードにおける演出内容や昇格したか否かの報知が曖昧になる。
演出制御装置70は、曖昧昇格演出処理が開始されると、まず、昇格可能な状態(擬似ボーナス状態の種類や昇格抽選モードを昇格させることが可能な状態)であるか否かを判定する(ステップB2501)。昇格可能な状態でない場合には(ステップB2501の結果が「N」)、ステップB2508以降の処理を実行する。
演出制御装置70は、昇格可能な状態の場合には(ステップB2501の結果が「Y」)、ゲーム開始タイミングであるか否かを判定する(ステップB2502)。ゲーム開始タイミングの場合には(ステップB2502の結果が「Y」)、昇格対象役に当選するか否かを判定する(ステップB2503)。昇格対象役(例えば、ベルリプA・B、チェリーリプ、スイカ、チェリー)に当選した場合には(ステップB2503の結果が「Y」)、サブ表示器310の揺動(上下動)をセットする(ステップB2504)。
演出制御装置70は、ゲーム開始タイミングでない場合(ステップB2502の結果が「N」)、昇格対象役に当選していない場合(ステップB2503の結果が「N」)、又は、サブ表示器310の揺動のセットが完了した場合には、最終リールが停止した状態か否かを判定する(ステップB2505)。
演出制御装置70は、最終リールが停止した場合には(ステップB2505の結果が「Y」)、さらに、サブ表示器310が揺動中であるか否かを判定する(ステップB2506)。サブ表示器310が揺動中である場合には(ステップB2306の結果が「Y」)、サブ表示器310の揺動の停止をセットする(ステップB2307)。
演出制御装置70は、最終リールが停止していない場合(ステップB2505の結果が「N」)、サブ表示器310が揺動していない場合(ステップB2506の結果が「N」)、又は、サブ表示器310の揺動停止のセットが完了した場合には、昇格抽選状態が終了したか否かを判定する(ステップB2508)。昇格抽選状態が終了していない場合には(ステップB2508の結果が「N」)、曖昧昇格演出処理を終了する。
一方、演出制御装置70は、昇格抽選状態が終了した場合には(ステップB2508の結果が「Y」)、演出処理番号を0にセットし(ステップB2509)、曖昧昇格演出処理を終了する。
〔擬似ボーナス昇格演出例〕
次に、擬似ボーナス昇格演出の具体的な態様について説明する。図69は、本発明の実施の形態の昇格抽選モードを報知する演出の一例を示す図であり、(A)は普通昇格演出及び曖昧昇格演出、(B)は低昇格モードの場合における明確昇格演出、(C)は高昇格モードの場合における明確昇格演出を示す。
図69(A)に示すように、普通昇格演出及び曖昧昇格演出の場合には、昇格抽選モードの報知演出を実行せず、左可動部材361及び右可動部材371は移動しないようになっている。
また、明確昇格演出の場合には、前述のように、遊技者が昇格抽選モードを認識可能な態様で報知演出が実行される。図69(B)に示すように、低昇格モードの場合には、左可動演出装置360の左可動部材361がメイン表示器3の前方まで移動することによって、昇格抽選モードが報知される。一方、図69(C)に示すように、高昇格モードの場合には、右可動演出装置370の右可動部材371がメイン表示器3の前方まで移動することによって、昇格抽選モードが報知される。
なお、左可動演出装置360の左可動部材361には「CHANCE」と表示され、右可動演出装置370の右可動部材371には「あつい!」と表示されており、右可動部材371が移動した場合のほうが擬似ボーナス状態の種類(価値)が昇格(ランクアップ、変更)する期待度が高いことを遊技者が認識することができる。
なお、本実施形態では、「高昇格モード」と「低昇格モード」の2段階の昇格抽選モードが定義されているが、さらに多段階であってもよい。例えば、3段階の場合でもっとも有利なモードであることを報知する場合には、左可動部材361と右可動部材371を同時に移動させるようにしてもよい。
続いて、内部抽選結果の報知について説明する。図70は、本発明の実施の形態の内部抽選結果を報知する演出の一例を示す図であり、(A)はBARボーナス、(B)はノーマルボーナス、(C)はスーパーボーナスを示す。
図70(A)〜(C)に示すように、擬似ボーナス状態の種類(特定遊技状態の価値)は、サブ表示器310の配置及び表示内容によって報知される。本実施形態では、(A)→(B)→(C)の順で価値が高くなるように設定されており、すなわち、サブ表示器310の位置が高くなるほど価値が高くなるように設定されている。
このように、擬似ボーナス状態の種類(期待度、価値)に合わせてサブ表示器310の位置を変更することによって、発生する擬似ボーナス状態の(期待度の)変化を遊技者が把握することができる。さらに、サブ表示器310の表示内容によって擬似ボーナス状態(の期待度)を報知することによって、より正確に擬似ボーナス状態の種類(期待度)を報知することが可能となる。以上のように、本実施形態では、擬似ボーナス状態の種類(期待度の)変更を効果的に演出することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
本実施形態では、昇格抽選状態ST360において、擬似ボーナス状態の種類が昇格するたびにサブ表示器310を上昇させている。さらに、擬似ボーナス状態の種類を昇格させるだけでなく、擬似ボーナス状態の種類を降格させるようにしてもよい。この場合には、移行(変更)後の擬似ボーナス状態の種類に合わせてサブ表示器310を上昇又は下降させるように制御する。このように制御することによって、遊技者は発生する擬似ボーナス状態の変化を明確に把握することができる。
このように、サブ表示器310は擬似ボーナス状態の種類が変更されるたびに移動するように構成されており、サブ表示器310及びサブ表示器310の動作を制御する演出制御装置70は、特定遊技状態の価値を変更されたことを示唆する示唆演出手段をなしている。
次に、擬似ボーナス昇格演出(昇格抽選モード及び内部抽選結果の報知)について、ゲームの流れに沿って説明する。図71及び図72は、本発明の実施の形態の擬似ボーナス昇格における一連の演出を説明する図である。
図71(A)は、非AT状態ST300において昇格抽選状態ST360に移行すること(擬似ボーナス状態の発生)が確定した状態を示している。昇格抽選状態ST360には、前述のように、通常ゾーンST310で所定の役に当選するか、特定演出ゾーンST330においてゲーム数解除となった場合に移行する。このとき、サブ表示器310は、通常位置(初期位置)に配置され、遊技者にとって有利な状態(昇格抽選状態ST360)に移行することを示す情報(「WIN」)を表示する。
図71(B)は、昇格抽選状態ST360に移行確定後、ベット操作を実行した状態である。このとき、メイン表示器3では昇格抽選状態ST360であることが報知されており、左可動部材361が移動していることで昇格抽選モードが低昇格モードであることも報知されている。なお、左可動部材361がメイン表示器3の前方に位置している間は、左可動部材361に備えられたLEDなどの発光体により発光演出が実行される。このとき、サブ表示器310は下段に配置され、発生する擬似ボーナスの種類が通常AT状態ST351に移行する期待度の高くない結果(遊技者にとって価値の低い種類の擬似ボーナス)であることを示す情報(「BARボーナス」)を表示している。
その後、ゲームの開始操作を行うと、図71(C)に示すように、各リール6の回転が開始される。このとき、メイン表示器3には、当選した入賞役が報知されている。そして、遊技者がリール6の停止操作を行うと、図71(D)に示すように、「リプレイ」の入賞が成立する。このとき、「リプレイ」の入賞が成立したことに対応する告知音(「ペペッ!」)が出力される。なお、「リプレイ」の入賞が成立したため、ベット操作を行うことなく次ゲームを開始することができる。
さらに、ゲーム開始操作を行うと、図71(E)に示すように、次ゲームが開始され、メイン表示器3には昇格対象役である「スイカ」が当選したことが報知される。このとき、サブ表示器310が揺動し(昇格示唆演出)、擬似ボーナス状態の種類が昇格することが示唆される(図66のステップB2305)。このように、昇格示唆演出を実行することによって、擬似ボーナス状態の種類が昇格する可能性があることをあらかじめ遊技者に期待させることが可能となり、ゲーム性を向上させることができる。
その後、リール6の停止操作を行うと、「スイカ」の入賞が成立し、対応する告知音(「デンデンデンデン♪」)が出力される。さらに、サブ表示器310が下段から中段に移動し、移行先の擬似ボーナス状態が第3擬似ボーナス状態ST363から第2擬似ボーナス状態ST362に移行したことが報知される(昇格報知演出)。擬似ボーナス状態の昇格はメイン表示器3によっても報知される。なお、昇格対象役の当選して昇格抽選に当選したことによって擬似ボーナス状態の種類が変更されるようになっているが、入賞が成立したことを条件としてもよい。
さらに、ベット操作及びゲームの開始操作を行うと、次のゲームが開始される。このとき、図72(G)に示すように、メイン表示器3に当選役(昇格対象役の当選)が報知され、サブ表示器310が再び揺動を開始している(昇格示唆演出)。その後、遊技者が停止操作を行うと、昇格抽選モードが低昇格モードから高昇格モードに移行する。そして、図72(H)に示すように、昇格抽選モードの昇格がメイン表示器3に報知され、さらに、左可動部材361が初期位置に戻り、右可動部材371がメイン表示器3の前方に移動することによっても報知される。なお、擬似ボーナスの昇格はなく、図72(G)におけるサブ表示器310の揺動はいわゆるガセ演出であったため、サブ表示器310の揺動は停止する。
その後、ベット操作及びゲームの開始操作を行うと、図72(I)に示すように、次のゲームが開始される。このとき、メイン表示器3には当選役が報知されるとともに、リールストップボタン24の停止順序(押し順)も報知されている。
そして、停止操作を行うと、図72(J)に示すように、「ベルA」に当選し、告知音(「テロテロ・・・テロ♪」)が出力される。その後、ベット操作及びゲームの開始操作を行うと、図72(K)に示すように、メイン表示器3に当選役(昇格対象役の当選)が報知され、サブ表示器310が再び揺動する(昇格示唆演出)。さらに、遊技者が停止操作を行うと、図72(L)に示すように、サブ表示器310が上昇するとともに(昇格報知演出)、メイン表示器3にて擬似ボーナス状態の種類が昇格したことを報知する。なお、昇格抽選状態中に擬似ボーナス状態の種類が降格するような場合には、サブ表示器310を遥動(降格示唆演出)させて、遊技者の停止操作によりサブ表示器310を下降させるとともに(降格報知演出)、メイン表示器3にて擬似ボーナス状態の種類が降格したことを報知するとよい。昇格示唆演出と降格示唆演出とを同じ態様とすることで、昇格するのか降格するのかに対して遊技者の期待感や焦燥感を煽ることが可能となり、遊技の興趣が向上する。
なお、演出ボタン10の操作、次ゲームのための賭け操作(手動、自動)、次ゲームの開始操作などのタイミングでサブ表示器310を移動させて昇格演出を実行するようにしてもよい。また、実際の昇格ゲームよりも後のゲームで昇格演出を実行するようにしてもよい。また、擬似ボーナス状態中に昇格抽選状態を発生させるようにしてもよい。
さらに、昇格対象役の当選時には、サブ表示器310を遥動(上下動)させるのではなく、可動演出部材を遥動(出没)させてもよいし、サブ表示器310に昇格する可能性があることを示唆するようなエフェクトを表示させてもよい。
また、サブ表示器310の後方の低/高確率モード表示部(320,330)や第1/第2期待度表示部(340,350)の点灯や点滅によって擬似ボーナス状態の種類が昇格する可能性を示唆するようにしてもよいし、それらを任意に組み合わせて擬似ボーナス状態の種類の昇格可能性を示唆してもよい。、また、擬似ボーナス状態の種類が1段階ずつ変化する場合には、サブ表示器310も1段階ずつ移動するが、複数段階まとめて変化する場合には、サブ表示器310も変化する段階に応じて移動させるとよい。
〔擬似ボーナス昇格演出の変形例〕
以上が本実施形態における擬似ボーナス昇格演出の例であったが、ここでは、例示した以外のその他の変形例について説明する。まず、擬似ボーナス状態の種類の昇格に関する演出の変形例について説明する。図73は、本発明の実施の形態の擬似ボーナス状態の種類の昇格演出の第1変形例を説明する図であって、(A)は1段階の昇格、(B)は2段階の昇格の例を示す図である。
まず、1段階の昇格の例について説明する。図73(A)を参照すると、(a1)はサブ表示器310がデフォルト位置(通常位置、初期位置)に配置されている状態を示している。(a2)は、(a1)の状態で昇格対象役に当選し、昇格示唆演出が実行されている状態である。本変形例では、昇格示唆演出に「強」と「弱」が定義されており、1段階の昇格の場合は「弱」の昇格示唆演出が実行される。
実行中のゲームの終了又は終了後の所定操作の後、(a3)に示すように、サブ表示器310が一旦上昇し、デフォルト位置に戻る昇格報知演出が実行される。なお、終了後の所定操作とは、例えば、演出ボタンの操作、賭け操作(手動、自動)、次ゲームの開始操作などである。なお、1段階の昇格報知演出では、液晶用表示窓9dの上端位置までサブ表示器310は移動せずに上端位置から液晶用表示窓9dの高さの1/4程度の位置まで移動する。
そして、サブ表示器310がデフォルト位置に戻ると、(a4)に示すように、サブ表示器310が昇格後の擬似ボーナスに対応する表示に更新される。その後、さらに、昇格対象役に当選すると、(a5)に示すように、再び昇格示唆演出(弱)が実行される。
さらに、擬似ボーナスが昇格すると、(a6)に示すように、昇格報知演出が実行され、(a7)に示すように、サブ表示器310が昇格後の擬似ボーナスに対応する表示に更新される。一方、擬似ボーナスが昇格しなかった場合には、(a8)に示すように、昇格報知演出を実行せずに(a4)の状態に戻る。
続いて、2段階の昇格について説明する。図73(B)を参照すると、まず、(b1)は、(a1)と同様に、サブ表示器310がデフォルト位置(通常位置、初期位置)に配置されている状態を示している。その後、昇格対象役に当選すると、(b2)及び(b3)に示すように、高確率モード表示器320及び低確率モード表示器330が交互に点灯(点滅)する(昇格示唆選出(強))。
そして、実行中のゲームの終了又は終了後の所定操作の後、(b4)及び(b5)に示すように、サブ表示器310が一旦上昇し、デフォルト位置に戻る昇格報知演出が実行される。なお、2段階の昇格報知演出では、少なくとも1段階の昇格報知演出よりもサブ表示器310の移動範囲が大きくなるように(例えば、液晶用表示窓9dの上端位置まで)、サブ表示器310を移動させる。なお、擬似ボーナス状態が降格するような場合には、降格する段階に応じた移動範囲でサブ表示器310を一旦下降させてからデフォルト位置に戻るような降格報知演出を実行するとよい。
このように、擬似ボーナスの昇格の段階数に応じて異なる態様で演出を実行することによって、どの程度擬似ボーナスの期待度が変化したかを遊技者に把握させることが可能となる。
次に、擬似ボーナス昇格演出の別の変形例について説明する。図74及び図75は、擬似ボーナス昇格演出の第2変形例を説明する図である。図74は昇格抽選モードの昇格演出を示し、図75は擬似ボーナスの昇格演出を示す。本変形例では、前述した態様と異なり、サブ表示器310の位置によって昇格抽選モードを報知し、メイン表示器3及び左右の可動演出装置(360,370)によって発生する擬似ボーナス状態の種類を報知する。
図74を参照すると、普通昇格演出又は曖昧昇格演出が設定されている場合には、(A)に示すように、サブ表示器310を通常位置(初期位置、デフォルト位置)に配置し、報知内容も曖昧にする。これに対し、明確昇格演出が設定されている場合には、昇格抽選モードが低確モードの場合には(B)に示すように下端位置、昇格抽選モードが高確モードの場合には(C)に示すように上端位置にサブ表示器310を配置する。
また、曖昧昇格演出や普通昇格演出が設定されている場合であっても、サブ表示器310を上昇又は下降させてもよい。この場合、一旦下降させてから上昇させたり、下降させてから上昇させたりするなどしてもよい(いわゆるガセ演出)。
次に、擬似ボーナス状態の種類の報知について説明すると、本変形例では、メイン表示器3には昇格抽選状態であることを示す情報及び擬似ボーナス状態の種類を示す識別表示画像391を表示する。
図75(A)に示すように、BARボーナス(第3擬似ボーナス状態ST363に移行)の場合には、左右の可動部材(361,371)がともに可動せず、識別表示画像391のみが表示される。なお、本変形例では、擬似ボーナス状態に移行後、通常AT状態ST351に移行する確率に大きいほど識別表示画像391のサイズが大きく表示されるようになっている。
図75(B)に示すように、ノーマルボーナス(第2擬似ボーナス状態ST362に移行)の場合には、左可動部材361のみが移動し、識別表示画像391が中程度の大きさで表示される。
さらに、図75(C)に示すように、スーパーボーナス(第1擬似ボーナス状態ST361に移行)の場合には、右可動部材371のみが移動し、識別表示画像391が大きく表示される。
なお、昇格抽選モードを報知しながら昇格対象役の当選時にはサブ表示器310を遥動(上下動)させてもよいし、可動演出部材に遥動(出没)させてもよいし、メイン表示器3に可動演出部材(361,371)が動作することを示唆するエフェクトを表示させてもよい。
また、可動演出部材(361,371)の動作状態(動作パターン)だけで擬似ボーナスの種類を示唆(報知)するようにしてもよい。さらに、可動演出部材(361,371)に表示部を設けて擬似ボーナスの種類を表示できるようにしてもよい。
〔上乗せ報知演出〕
続いて、サブ表示器310を用いてATゲーム数の上乗せ演出を行う変形例について説明する。図76は、本発明の実施の形態の上乗せ示唆報知演出の一例を説明する図であり、(A)は通常位置、(B)は上乗せ示唆報知動作1、(C)は上乗せ示唆報知動作2を示す。
図76(A)に示すように、上乗せAT状態ST352では、サブ表示器310は液晶用表示窓9dの最下部に配置され、上乗せAT状態ST352であること及び残りゲーム数が表示される。その後、上乗せAT状態ST352において、上乗せ対象役に当選すると、信頼度などに応じて上乗せ示唆報知動作が実行される。
図76(B)及び(C)は上乗せ示唆報知動作の一例を示すが、(B)よりも(C)のほうが、信頼度が高くなっている。具体的には、上乗せAT状態ST352において上乗せ対象役に当選すると、(B)に示すように、サブ表示器310が揺動し、表示内容が更新される。信頼度がより高い場合には、サブ表示器310の揺動に加え、第2期待度表示部350(及び/又は第1期待度表示部340)によって報知する。なお、上乗せ期待度(信頼度)に応じてサブ表示器の表示内容を変更することでより明確な示唆を行ってもよい。信頼度のより高い場合とは、例えば、上乗せされる確率が高い(又は確定している)場合などであり、上乗せされるゲーム数が多い場合としてもよい。
図77は、本発明の実施の形態の上乗せ報知演出の一例を説明する図であり、(A)は一撃低上乗せ報知動作、(B)は一撃高上乗せ報知動作、(C)は特殊上乗せ報知動作を示す。
上乗せ数の報知では、図77(A)及び(B)に示すように、上乗せされるゲーム数に対応した上昇幅でサブ表示器310を移動させる。このとき、低上乗せ及び高上乗せの2段階で上昇幅を設定してもよいし、上乗せされるゲーム数毎に移動幅を段階的に設定するようにしてもよいし、無段階に設定してゲーム数に応じた位置を計算して指定するようにしてもよい。
また、継続抽選に漏れるまで継続的に上乗せ数が追加されるような特殊上乗せ時には、図77(C)に示すように、ゲーム数が上乗せされるたびにサブ表示器310を上昇させるようにしてもよい。また、特殊上乗せとは、連続操作上乗せ(ゲームの終了後の開始レバー、停止ボタン、演出ボタン等の操作毎に継続抽選を行ってゲーム数の上乗せを行うもの)、0ゲーム連上乗せ(ゲーム中に発生するフリーズ演出中に開始レバー、停止ボタン、演出ボタン等の操作毎に継続抽選を行ってゲーム数の上乗せを行うもの)や1ゲーム連上乗せ(毎ゲーム継続抽選を行ってゲーム数の上乗せを行うもの)が該当する。
なお、リール6の停止時やゲームの終了時に自動で上乗せ報知動作を行ってもよいが、ゲーム終了後の演出ボタンの操作に基づき上乗せ報知動作を行ってもよい。また、演出ボタンの操作がなく次ゲームが開始された場合には、サブ表示器310の移動を伴わずに上乗せゲーム数だけをサブ表示器310、メイン表示器3、効果音で報知(表示)するとよい。
〔払出報知制御〕
最後に、メダルの払出制御について説明する。払出報知制御処理は、図24のタイマ割込処理のステップB1108にて実行される。図78は、本発明の実施の形態の払出報知制御処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置70は、まず、払出開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB2601)。払出開始コマンドを受信していない場合には(ステップB2601の結果が「N」)、ステップB2606以降の処理を実行する。
一方、演出制御装置70は、払出開始コマンドを受信した場合には(ステップB2601の結果が「Y」)、1枚役A又は1枚役B(第2賞役)の払出か否かを判定する(ステップB2602)。1枚役A又はBの払出の場合には(ステップB2602の結果が「Y」)、遊技状態が非AT状態ST300であるか否かを判定する(ステップB2603)。遊技状態が非AT状態ST300でない場合には(ステップB2604の結果が「N」)、ステップB2606以降の処理を実行する。
演出制御装置70は、1枚役A又は1枚役Bの払出でない賞役(第1賞役)の場合(ステップB2602の結果が「N」)、又は、1枚役A又は1枚役Bの払出であって、かつ、現在の遊技状態が非AT状態ST300である場合には(ステップB2603の結果が「Y」)、払出開始コマンドに対応する払出音(効果音)の出力(報知演出の一種)を開始する(ステップB2604)。さらに、払出中フラグをセットする(ステップB2605)。なお、AT状態ST350であっても1枚役A及び1枚役Bの払出時に払出音の出力を行ってもよい。
払出開始コマンドは当選役の種類を識別可能となっており、払出開始コマンドに対応する払出音(効果音)とは、当選役に対応する。具体的には、当選役が「ベルA」又は「ベルB」の場合には払出音1(「テロテロ・・・テロ」)、当選役が「スイカ」又は「チェリー」の場合には払出音2(「デンデン・・・デン」)、当選役がリプレイ系(擬似Bリプ1・2、ベルリプA・B、チェリーリプ、リプレイ)の場合には払出音3(「ペペッ」)、当選役が「1枚役A」又は「1枚役B」の場合には払出音4(「ピロロンッ」)となる。なお、リプレイ系の場合には払出音ではなく、払出報知ランプ16を点滅させずに、入賞音という形で音を出力するようにしてもよい。
続いて、演出制御装置70は、実際の払出が開始されたか否かを判定する(ステップB2606)。実際の払出とは、クレジットに加算中ではなく、メダル払出装置(ホッパー)63によって実際にメダル払出口28からメダルが払い出されることである。演出制御装置70は、実際の払出が開始された場合には(ステップB2606の結果が「Y」)、払出報知ランプ16の点滅(報知演出の一種)を開始する(ステップB2607)。払出報知ランプ16の点滅パターンは、当選した賞役にかかわらず共通であるが、賞役毎に異ならせるようにしてもよい。なお、払出報知ランプは実払出の場合のみでクレジットへの加算時には点滅させないようにしているが、クレジットへの加算も含む払出期間に亘って点滅させるようにしてもよい。
さらに、演出制御装置70は、払出中断条件が成立したか否かを判定する(ステップB2608)。払出中断条件とは、例えば、ホッパーエラーが発生した場合である。ホッパーエラーには、払い出すメダルが不足するエンプティエラーやメダル流路のメダル詰まりエラーなどがある。
演出制御装置70は、払出中断条件が成立した場合には(ステップB2608の結果が「Y」)、払出音の出力を中断する(ステップB2609)。さらに、払出報知ランプ16の点滅を中断する(ステップB2610)。
次に、演出制御装置70は、払出再開条件が成立したか否かを判定する(ステップB2611)。払出再開条件は、例えば、リセット操作のエラー判定によってホッパーエラーが解消された場合である。
演出制御装置70は、払出再開条件が成立した場合には(ステップB2611の結果が「Y」)、払出音の出力を再開する(ステップB2612)。さらに、払出報知ランプ16の点滅を再開する(ステップB2613)。
次に、演出制御装置70は、払出終了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB2614)。払出終了コマンドを受信していない場合には(ステップB2614の結果が「N」)、ステップB2620以降の処理を実行する。
一方、演出制御装置70は、払出終了コマンドを受信した場合には(ステップB2614の結果が「Y」)、払出報知ランプ16の点滅を終了する(ステップB2615)。さらに、1枚役A又は1枚役Bの払出が終了したか否かを判定する(ステップB2616)。1枚役A又は1枚役Bの払出が終了したのではない場合には(ステップB2616の結果が「N」)、払出音の出力を終了する(ステップB2619)。
演出制御装置70は、1枚役A又は1枚役Bの払出が終了した場合には(ステップB2616の結果が「Y」)、遊技状態が非AT状態ST300であるか否かを判定する(ステップB2617)。遊技状態が非AT状態ST300でない場合には(ステップB2617の結果が「N」)、払出音の出力を終了する(ステップB2619)。
一方、演出制御装置70は、遊技状態が非AT状態ST300の場合には(ステップB2617の結果が「Y」)、払出音遅延タイマをセットする(ステップB2618)。本実施形態では、非AT状態ST300で所定の役で当選した場合、払出音の出力を所定時間継続(延長)する。払出音遅延タイマは、払出音の出力を継続する時間を計測するためのタイマである。
このように、1枚役A又は1枚役B(第2賞役)の場合に払出音(報知音)の出力を払出が終了した所定期間後まで延長させることで、演出制御装置70は第2賞役の当選を報知する第2報知演出手段をなす。これに対し、払出音(報知音)の出力を払出の終了とともに終了することで、第2賞役以外の第1賞役の当選であることを報知できるため、演出制御装置70は第1賞役を報知する第1報知演出手段をなす。
演出制御装置70は、払出音の出力が遅延中であるか否かを判定する(ステップB2620)。払出音の出力が遅延中でない場合には(ステップB2620の結果が「N」)、払出報知制御処理を終了する。
一方、演出制御装置70は、払出音の出力が遅延中の場合には(ステップB2620の結果が「Y」)、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップB2621)。所定時間を経過した場合には(ステップB2621の結果が「Y」)、払出音の出力を終了し(ステップB2623)、払出報知制御処理を終了する。
演出制御装置70は、所定時間を経過していない場合には(ステップB2621の結果が「N」)、賭数コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB2622)。賭数コマンドを受信した場合には(ステップB2622の結果が「Y」)、払出音の出力を終了し(ステップB2623)、払出報知制御処理を終了する。賭数コマンドを受信していない場合には(ステップB2622の結果が「N」)、払出音の出力を終了せずに、払出報知制御処理を終了する。
以上のように、本実施形態では、見た目で入賞が成立したことを認識しにくい1枚役A及び1枚役Bについて、払出報知音の出力期間を払出期間よりも長い期間に亘って出力する(払出音の出力終了が遅い)。このように制御することによって、流路切換機構(メダルセレクタ)93が返却状態から導入状態に復帰するまでにメダルが投入されること(図22参照)を抑制することが可能となり、セレクタエラー(メダル詰まり等)の発生を抑制することができる。
なお、払出音の出力を延長する役は1枚役だけでなく、払出枚数の少ないチェリーなどであってもよい。
また、クレジットは、通常は手動投入による加算であっても払出による加算であっても50枚を上限としているが、1枚役A及び1枚役Bの払出時に必ずクレジットに加算されるように手動投入による加算の上限を48や49に設定してもよい。
以上のように、演出制御装置70は、払出音の出力及び払出報知ランプ16の点灯若しくは点滅によって、賞役の当選をメダルの払出中に報知する報知演出手段をなしている。
続いて、図79及び図80を参照しながら、当選役毎の動作を説明する。図79及び図80は、本発明の実施の形態のメダルの払出時における制御を説明するタイミングチャートである。
図79(A)は、ベルA成立時のタイミングチャートである。遊技状態は非AT状態ST300及びAT状態ST350で共通である。また、クレジットは47となっている。
時刻t101は、ゲームが終了し、ベルAが成立したタイミングである。ベルAが成立すると、9枚のメダルが払い出されるため、このタイミングで払出処理が開始される。また、払出処理の開始と同時に払出音が出力される。払出音の出力は、払出期間の終了まで継続する。
本実施形態のスロットマシン1では、クレジットの上限が50であるため、クレジットが47の状態から9枚のメダルの払出がある場合、3枚分のメダルはクレジットに加算され、6枚分のメダルはメダル払出口28から払い出される。
メダルの払出は、クレジットの加算を優先しているため、時刻t102まで継続する。時刻t101から時刻t102までの期間がクレジットへの加算期間となる。
クレジットへの加算が終了すると、ホッパーの駆動によりメダル払出口28からメダルの払出が開始される。そして、9枚のメダルが払い出されると(時刻t103)、メダルの払出が終了し、報知音の出力が停止される(OFFになる)。時刻t102から時刻t103までの期間が、実際にメダルが払い出される実払出期間となる。実払出期間では払出報知ランプ16を点滅させることによってメダルの払出中を報知し、実払出期間が終了すると払出報知ランプ16を消灯させる。
なお、流路切換機構(メダルセレクタ)93は、基本的にゲームの開始時に取込状態から返却状態に変換され、ゲームの終了時に返却状態から取込状態に変換される。
図79(B)は、ベルB又はスイカ成立時のタイミングチャートである。遊技状態は(A)の場合と同様に、非AT状態ST300及びAT状態ST350で共通である。また、クレジットは0となっている。
ベルB又はスイカ成立時にはメダルの払出枚数が4枚であり、クレジットが0であるため、払い出されるメダルすべてがクレジットに加算される。そのため、ゲーム終了後、払出処理が開始されると(時刻t201)、メダル払出口28からメダルが払い出されることなく、払出処理が終了する(時刻t202)。したがって、払出報知ランプ16は消灯されたままとなる。
図80(A)は、チェリー成立時のタイミングチャートである。遊技状態は図79(A)の場合と同様に、非AT状態ST300及びAT状態ST350で共通である。また、クレジットは上限値である50となっている。
チェリー成立時にはメダルの払出枚数が1枚であり、クレジットが50であるため、メダル払出口28からメダルが払い出される。そのため、ゲーム終了後、払出処理が開始されると(時刻t301)、払出期間に対応する長さの払出音が出力され、この間、払出報知ランプ16が点滅する。その後、払出処理が終了すると(時刻t302)、流路切換機構(メダルセレクタ)93が、返却状態から取込状態に変換される。
なお、リールの見た目(ゲームの結果)から払い出しがあると把握しやすいチェリーについては払出期間に応じて払出音が出力されるが、1枚役A・Bと同様に払出期間よりも長く払出音を出力してもよい。
図80(B)は、1枚役A又は1枚役B成立時のタイミングチャートである。遊技状態は非AT状態ST300である。また、クレジットは上限値である50となっている。
1枚役A又は1枚役B成立時には、チェリー成立時と同様に、メダルの払出枚数が1枚であり、クレジットが50であるため、メダル払出口28からメダルが払い出される。ゲーム終了後、払出処理が開始されると(時刻t401)、前述のように、払出期間に対応する長さよりも長い期間払出音が出力される(時刻t403)。なお、払出報知ランプ16が点滅する期間は、払出期間に対応する長さである(時刻t402)。
その後、払出処理が終了すると(時刻t302)、流路切換機構(メダルセレクタ)93が、返却状態から取込状態に変換される。なお、メダル詰まりを防止するため、払出音の出力停止は、流路切換機構(メダルセレクタ)93が取込状態に変換された後が望ましい。このように構成することによって、流路切換機構(メダルセレクタ)93が返却状態から取込状態に変換するまでのメダル投入を抑制することが可能となり、流路切換機構(メダルセレクタ)93での異常の発生を効果的に抑制することが可能となる。
なお、投入されたメダルが返却口931に到達しないタイミングであれば、取込状態に完全に変換される前に払出音の出力を停止してもよい。また、メダルの払い出し後にも払出音の出力が継続するので、遊技者がリールを見ていない場合であっても入賞が成立したことを認識させることが可能となり、遊技者によるメダルの投入動作を遅らせることが可能となる。また、実際よりも多くのメダルが払い出されているような錯覚をさせることができ、遊技者にお得感を与えることもできる。
さらに、AT状態ST350における1枚役A又は1枚役Bの払出音は、チェリーと同様に払出期間中だけ出力されるが、出力されないようにしてもよい。また、チェリーや1枚役A、1枚役Bのように払出枚数が1枚の役についてはメダル払出口28からメダルが払い出されることがないので、払出報知ランプ16を点滅させなくてもよい。
また、本実施形態では、メダルの賭数の上限値(3枚又は2枚)よりも1枚役A又は1枚役Bによる払い出し枚数(1枚)が少なく、賞メダルはクレジットに加算されて払い出しがない。本実施形態によれば、入賞の成立を認識しにくい1枚役の入賞が成立したことを遊技者に認識させやすくなるため、前述のように、流路切換機構(メダルセレクタ)93での異常の発生を効果的に抑制することができる。
以上のように、本実施形態では、異常の発生しやすい特定の賞役(第2賞役)について払出音の出力態様を通常の賞役(第1賞役)と変更することによってゲームの進行が阻害されることを軽減しつつ、異常の発生を抑制することができる。また、第1賞役の報知演出と第2賞役の報知演出とが共通のタイミングで開始されるようになっていることで、報知演出を実行するための処理を簡素化することができる。
〔払出報知制御の変形例〕
最後に、払出報知制御の変形例の変形例について説明する。図81は、本発明の実施の形態の変形例の1枚役A又は1枚役B成立時のメダル払出時における制御を説明するタイミングチャートである。
図81(A)は、変形例1のタイミングチャートである。遊技状態は非AT状態ST300である。変形例1では、払出処理の開始から(時刻t501)、終了までの間(時刻t503)、払出報知ランプ16が点灯する。払出音の出力は、払出処理の開始から所定時間経過後に開始される(時刻t502)。なお、払出音の出力が停止(時刻t504)するまでの期間は、図80(B)と同様に、払出期間よりも長くなっているが、出力の開始タイミングを遅らせる分短くしてもよい。
図81(B)は、変形例2のタイミングチャートである。遊技状態は非AT状態ST300である。変形例2では、払出処理の開始から(時刻t601)、終了までの間(時刻t602)、同様に払出報知ランプ16が点灯させるが、払出音の出力は、払出処理の終了タイミングで開始される。なお、払出音の出力期間(時刻t503)は、出力の開始タイミングを遅らせられているため、払出期間に対応する時間であってもよい。また、流路切換機構(メダルセレクタ)93が取込状態に変換されるまで継続するようにしてもよい。
このように、本変形例によれば、当選した賞役が第1賞役か第2賞役かによって、報知演出の開始時期が異なるため、遊技者は報知演出の開始時期によって成立した賞役を把握することができる。
以上のように、本実施形態及びその変形例における払出報知制御では、遊技者が認識しにくい賞役(1枚役A・B)に当選した場合に、遊技者がメダルを投入して流路切換機構(メダルセレクタ)93でメダル詰まりが発生することを防ぐために、払出音の出力の終了を遅らせることによって、遊技者のメダル投入を遅らせるように仕向けることができる。これにより、メダル詰まりを発生させる可能性を少なくすることができる。
なお、流路切換機構(メダルセレクタ)93については、ゲーム中であってもメダルの投入を可能とするためにクレジットが満杯になった場合にだけ取込状態から返却状態に変換するようにし、ゲームの終了により返却状態から取込状態に変換するようにしてもよい。このようにすると、リプレイの入賞が成立した後の自動賭操作が行われた後であってもメダルの投入が可能となる。
なお、本発明のスロットマシンは、前記実施の形態に示されるようなメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシン(所謂パロットや雀球遊技機)などの全てのスロットマシンに適用可能である。また、上述の各実施形態の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。