JP2015112052A - 液肥の給液装置及び給液方法 - Google Patents

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【課題】培養液のロスが生じるばかりでなく、残留した有機物の腐敗による悪臭や沈殿物によるチューブの閉塞を防ぐための清掃作業やチューブの交換に手間がかかるといった問題を解決するための給液方法の提供。【解決手段】以下の工程を含む、タンクを用いて有機液肥を含む培養液を給液する、固形培地耕および養液土耕栽培において、有機液肥をタンク内において腐敗させずに培養液を植物に給液する方法:工程(a):底面又は側面の底面近傍に開口部が設けられたタンク内に所定量の水及び有機液肥を入れて培養液とし、該培養液を前記開口部から吐出し、該開口部に連結されたチューブを通して培地もしくは土壌に植え付けられた植物に与える工程、ただし前記培養液中の有機液肥の濃度は均一でない;及び工程(b):工程(a)の後、前記タンク内に水を入れ、該水を前記開口部から吐出し、吐出口に接続されたチューブを通して前記植物に所定量の水を与えるとともに、タンク内の有機液肥を除去する工程。【選択図】図1

Description

本発明は、液肥の給液装置及び給液方法に関する。また本発明は、該給液装置及び給液方法を用いる、固形培地耕および養液土耕栽培による植物の栽培方法に関する。
循環型社会を構築する機運の高まり及び商品である作物に付加価値を付ける観点から、有機肥料を用いることが推奨されつつある。有機肥料には、固形のもののほか液状のもの、すなわち有機液肥がある。
有機液肥は微生物によって分解されることにより、植物が利用し得る栄養源としての無機成分を生成する。有機液肥を用いる栽培方法としては養液栽培による方法、すなわち湛液型の水耕栽培による方法の研究・開発が進められてきた(特許文献1)。
一方、土壌微生物による分解がより容易であるため、土壌に植え付けられた植物に液肥を施用する養液土耕栽培(灌水同時施肥栽培)についての研究も進められている(非特許文献1)。養液土耕栽培は、省力化と節水・減肥料など栽培経費の削減,養水分制御による高品質化が可能な栽培法であり、また植物体が必要とする養水分を過不足なく与えれば、系外への余剰肥料分の排出が抑えられるため、周辺環境への影響の少ない栽培方法であり(非特許文献2)、かかる栽培方法に有機液肥を併せて用いる方法は、土壌の有機物分解能を越えない程度で少量ずつ有機性の液肥を土壌に還元することにより、植物の生育が管理・制御される方法である。
液肥を培地もしくは土壌及び植物に与えるためにはチューブ及びドリップが用いられるところ、かかる給液の方式として閉鎖系である液肥混入方式と、開放系である培養液タンク方式の2種類がある。
液肥混入方式の場合、液肥混入装置を用いて給液配管を流れる原水に直接、吸引圧や定量ポンプなどを利用して高濃度液肥を混入し、連結されたドリップから培地もしくは土壌及び植物に供給する。
培養液タンク方式の場合、タンクに貯留した原水に高濃度液肥を定量ポンプ等を用いて混入し、給液はタンクに設けられた開口部(以下「吐出口」ということがある)から培養液がタンクから吐出される。吐出された養液は吐出口に連結されたチューブに送られ、ドリップから培地もしくは土壌及び植物に供給される。
また、有機液肥を施用・管理する方法には、1日に必要な有機液肥を朝方1回だけ培地もしくは土壌及び植物に供給し、その後は水のみを供給して給液配管内を洗い流す、液肥のいわゆる量的管理方法がある。かかる管理方法は、一定濃度の培養液を常時供給し続ける濃度管理方法とは異なる方法である。
特開平2010−88359号公報
中野明正 (2007) 有機養液土耕栽培.農業技術大系.野菜編 第12巻 共通技術・先端技術 養液土耕栽培の基本と応用.農文協、p.74-2〜74-13 川嶋ら、「有機養液土耕のトマト促成長期栽培への適用と現地農家への導入」、野菜茶業研究所研究報告5:55〜62(2006)
従来、固形培地耕や養液土耕栽培などで有機液肥を利用する場合、液肥混入機を用いて、1日に必要な有機液肥を朝方1回だけ培地もしくは土壌及び植物に供給し、その後は水のみを供給して給液配管内を洗い流す、量的管理方法による研究が進められてきた。しかし、液肥混入機は、水を送液しながら有機液肥を送液する仕組みのため密閉性が重要であり、装置全体に水圧がかかっているため、逆流を防ぐ特殊な構造かつ、強制的に機械で注入する方式をとり、構造が複雑になるため、製造コストが高くなる(図2)。
一方、主として無機液肥の給液用として用いられる培養液タンクは上記液肥混入機より構造が単純であり、有機液肥の給液に用いることも不可能ではない。しかしながら当該培養液タンクにおいては、吐出口がタンク側面の底面から離れた位置にあり、タンク内の培養液を完全に排出できない構造になっている。そのためかかる培養液タンクをハウス内において有機液肥の給液に用いると、培養液のロスが生じるばかりでなく、残留した有機物が嫌気性バクテリアにより腐敗し、また、菌体や老廃物が沈殿する。その結果、悪臭が発生したりチューブが閉塞するといった好ましくない現象が生じる。このような好ましくない現象が生じるのを防ぐためには、1〜2週間に一度程度の頻度で定期的に培養液タンクを清掃したりチューブ自体を交換したりするといった、余分な作業を行う必要が生じる。無機液肥の場合は、腐敗や沈殿が生じないためこのような問題は無関係である。
上記のような事情があるため、有機液肥を培養液タンクを用いて給液する場合には、前記したような腐敗や沈殿が生じないようにするための攪拌機、チューブの閉塞を防ぐための逆止弁、あるいは洗浄装置といった追加設備による対処がなされることがある。しかしながら、かかる追加設備は給液システム全体を複雑化するばかりでなく高コストにつながるため、有機液肥の普及に対する障害となっている可能性がある。
したがって、上記のような従来の培養液タンクを有機液肥の給液に用いた場合の課題、すなわち培養液のロスが生じるばかりでなく、残留した有機物の腐敗による悪臭や沈殿物によるチューブの閉塞を防ぐための清掃作業やチューブの交換に手間がかかるといった問題を解決するための方策を講じることは、有機液肥の普及に不可欠である。
上記の問題点に鑑み、本発明者らは、有機液肥を給液する方法とともに培養液を給液するための培養液タンク(以下、「タンク」と省略記載することがある)の構成について検討したところ、驚くべきことにこれらを好適化して組み合わせて用いることにより、タンク内における培養液及び有機物の残留を低減することが可能であることを見出し、さらに鋭意研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、少なくとも以下の各発明に関する。
[1] 以下の工程を含む、培養液タンクを用いて有機液肥を含む培養液を給液する、固形培地耕および養液土耕栽培において、有機液肥を培養液タンク内において腐敗させずに培養液を植物に給液する方法:
工程(a):底面又は側面の底面近傍に開口部が設けられた培養液タンク内に所定量の水及び有機液肥を入れて培養液とし、該培養液を前記開口部から吐出し、該開口部に連結されたチューブを通して培地もしくは土壌に植え付けられた植物に与える工程、ただし前記培養液中の有機液肥の濃度は均一でない;及び
工程(b):工程(a)の後、前記培養液タンク内に水を入れ、該水を前記開口部から吐出し、吐出口に接続されたチューブを通して前記植物に所定量の水を与えるとともに、培養液タンク内の有機液肥を除去する工程。
[2]底面に開口部を具備する培養液タンクを用いる、上記[1]に記載の方法。
[3]工程(b)が行われた後に、再度工程(a)が行われる、上記[1]又は[2]に記載の方法。
[4]工程(b)が行われた後に、さらに工程(b)が行われる、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5]工程(a)が1日に1回行われる、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6] 培養液タンクが開口部付近に水位センサーを具備する、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[7]工程(a)及び(b)が、自動管理により、あらかじめ規定されたスケジュールに従って行われる、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の給液方法により給液が行われる植物の栽培方法。
[9]上記[1]〜[8]のいずれかに記載の給液方法に用いられる、底面又は側面の底面近傍に開口部が設けられた培養液タンク。
[10]底面に開口部を具備する上記[9]に記載の培養液タンク。
[11]開口部付近に水位センサーをさらに具備する、上記[10]に記載の培養液タンク。
本発明の方法によれば、有機液肥を用いた培養液を給液するタンク内における培養液及び有機物の残留を顕著に低減することができるため、タンクの清掃作業やチューブ・ドリップの交換を不要とするといった効果を奏する。
本発明によれば、以下のような効果も奏される:
・培養液タンクの洗浄工程が不要になるため、作業効率がよくなり、培養液のロスがなくなり、有機液肥の利用効率がよくなる。
・有機液肥を用いた栽培が可能となり、収穫物の付加価値を高めることができる。
・有機液肥が固有の粘性、易分解性などの特性を有するにもかかわらず、培養液に利用できる。
・攪拌機、逆止弁、洗浄装置などの追加設備を不要とするため、有機液肥を利用する培養液給液設備の設計の簡素化および低コスト化が可能となる。
・有機液肥のみならず無機液肥の併用又は単用も可能であり、汎用性が高い。
本発明の培養液タンクの例を示す図である。 従来の液肥混入機を示す図である。 本発明の給液方法の最初のステップ(原水の供給)を示す図である。 本発明の給液方法において、原水の供給に続くステップ(高濃度有機液肥の添加)を示す図である。 本発明の給液方法において、有機液肥の添加に続くステップ(送液)を示す図である。図中の矢印は送液の方向を概念的に表す。 本発明の給液方法において、送液に続くステップ(水の供給:「給水」)を示す図である。 本発明の給液方法において、給水に続くステップ(送液による洗浄)を示す図である。図中の矢印は送液の方向を概念的に表す。 本発明の培養液タンクの例を示す写真図である。
本発明は、以下の工程を含む、タンクを用いて有機液肥を含む培養液を給液する、固形培地耕および養液土耕栽培において、有機液肥をタンク内において腐敗させずに培養液を植物に給液する方法である:
工程(a):底面又は側面の底面近傍に開口部が設けられたタンク内に所定量の水及び有機液肥を入れて培養液とし、該培養液を前記開口部から吐出し、該開口部に連結されたチューブを通して植物に与える工程、ただし前記培養液中の有機液肥の濃度は均一でない;及び
工程(b):工程(a)の後、前記タンク内に水を入れ、該水を前記開口部から吐出し、吐出口に接続されたチューブを通して前記植物に所定量の水を与えるとともに、タンク内の有機液肥を除去する工程。
本発明の装置においては開口部(吐出口)が底面又は側面の底面近傍に設けてあるため、有機液肥を含む培養液を使い切ることができ、そのため培養液がタンクに滞留しない。また、滞留したとしても、滞留する有機液肥の濃度は極めて小さい。吐出する培養液は実質的に撹拌されず濃度が不均一であるため、濃度が高く比重が大きい培養液が先に吐出され、最後に残る培養液における有機液肥の濃度は極めて小さいからである。そのため本発明の装置を用いれば、有機物の腐敗や菌体・老廃物の沈殿が生じないか、極めて生じづらくなるのである。
濃度が不均一な培養液を作るのは、有機液肥を水よりも優先的に吐出し、残留するおそれがある培養液における有機液肥の濃度を極力小さくするためである。たとえば所定量の水をタンク内に入れた後に、一日に必要な量の有機液肥を入れ、数分程度放置して、有機液肥を底部に沈降させればよい。高濃度有機液肥は比重が大きいため、一部は原水に溶解しても大部分は底部に偏在し、優先的に送液・吐出される。吐出される際の濃度が不均一であれば、培養液を撹拌してよい。
本発明の給液方法は、上述した液肥のいわゆる量的管理方法に基づくものである。一日に一度必要な量の有機液肥を与えれば、植物は十分に生育するばかりでなく、作物栽培においては過度の栄養繁殖を抑制することができるといった利点がある。
本発明の給液方法が適用される植物は生育が可能なものであれば限定されないところ、トマト、キュウリ等の野菜類及びキクやバラ等の花卉類、イチジクやマンゴーなど果樹類などが例示される。
以下に工程(a)及び(b)のそれぞれについて説明する。
工程(a)
工程(a)は、底面又は側面の底面近傍に開口部が設けられたタンク内に所定量の水及び有機液肥を入れて培養液とし、該培養液を前記開口部から吐出し、該開口部に連結されたチューブを通して植物に与える工程であるところ、前記培養液中の有機液肥の濃度は均一でない。
本発明の方法に用いられるタンクは、上記のとおり底面又は側面の底面近傍に開口部が設けられているものであれば限定されない。「側面の底面近傍」とはタンク内の培養液をほぼすべて吐出できる高さを意味し、開口部の口径にもよるが底面から開口部の最下部までの距離が約2cm以下の高さを意味する。また、開口部の形状は限定されず、従来のタンクと同様の円形であってよい。
本発明の方法のうち、開口部を底面に具備するタンクを用いる方法は好ましい(図1)。開口部を底面に具備する場合、底面における位置は限定されず、底面の中央部であっても中央部から離れた位置であってもよい。
また、底面又は側面の底面近傍の開口部に向けて有機液肥が流れやすいように、タンク底部に傾斜をつけてもよい。
工程(a)における所定量の水及び有機液肥はとくに限定されない。有機液肥の量は植物に一日に与えるべき量の肥料成分を含む量である。水の量は、当該量の有機液肥を植物に供給するために必要な量であってよい。これらの有機液肥の量及び水の量は、典型的には植物一株あたり約0.1g〜約10g及び約5ミリリットル〜約500ミリリットルである。
所定量の水及び有機液肥を一日に一度供給することは作業効率上好ましい。また、水及び有機液肥をタンクに入れる順番は限定されないが、有機液肥の粘性等を考慮すると、有機液肥のみを先に入れない順番が好ましい。たとえば、まず所定量の水を入れ、その後に有機液肥を入れることは好ましい。また、水を入れた後に有機液肥を入れ、さらに水及び有機液肥を順番に入れるなどしてもよい。
水及び有機肥料をいずれの順番でタンクに供給しても、結果物としての培養液中の有機液肥の濃度が均一でなければよい。すなわち、所定量の水及び有機肥料を供給したのち、撹拌操作は必要ではない。
実質的に全量のタンク内の培養液を前記開口部から吐出し、前記開口部に連結されたチューブを通して植物に与えることにより、工程(a)は完了する。
この後の工程が工程(b)であり水のみが与えられるところ、工程(a)において用いられた培養液を少量残して、工程(b)において供給される水をタンク内に供給することは好ましい。培養液を少量残すことにより、給液するためのチューブに空気が入り込みバブルを形成するのを防ぐことができるからである。
タンク内に新たに水を供給するタイミングを機械的に検知し、自動的に該供給を行うために、タンクの開口部付近に水位センサーを設けた本発明の方法は好ましい。
工程(b)
工程(b)は、工程(a)の後、前記タンク内に水を入れ、該水を前記開口部から吐出し、吐出口に接続されたチューブを通して前記植物に所定量の水を与えるとともに、タンク内の有機液肥を除去する工程である。
当該工程により、タンク内及びチューブ・ドリップに残留する有機液肥は除去され、これらの部材が洗浄される。
工程(b)を1回完了するための水の量は、植物の栽培規模や日照・降水量、季節等を勘案して決定する。工程(b)が1回行われた後、さらに工程(b)を行う本発明の方法は、有機液肥の除去がより確実に行われるため好ましい。
また、工程(b)が行われた後に、再度工程(a)が行われてもよく、かかる方法も好ましい。
工程(a)及び(b)が、自動管理により、あらかじめ規定されたスケジュールに従って行われる本発明の方法は効率に優れるため好ましい。
本発明においては、上記いずれかの給液方法により給液が行われる植物の栽培方法も提供される。上記いずれかの給液方法は、栽培全期間を通して用いられてもよく、ある一定の期間のみ用いられてもよい。
本発明の植物の栽培方法は、上記いずれかの給液方法により給液が行われること以外は、通常の栽培方法と同様であってよい。たとえば本発明の植物の栽培方法において用いられる培地もしくは土壌は、各植物の通常の栽培方法において用いられるものを用いてよい。
本発明によれば、上記いずれかに記載の給液方法に用いられる、底面又は側面の底面近傍に開口部が設けられたタンクも提供される。底面又は側面の底面近傍に開口部が設けられていれば、その他の構成は従来のタンクと同様でよい。「側面の底面近傍」とは、タンク内の培養液をほぼすべて吐出できる高さを意味する。「側面の底面近傍」とはタンク内の培養液をほぼすべて吐出できる高さを意味し、開口部の口径にもよるが底面から開口部の最下部までの距離が約2cm以下の高さを意味する。開口部は、底面と側面の両方にあってもよい。
本発明のタンクのうち、底面に開口部を具備するものは好ましい。
また、本発明のタンクのうち、開口部付近に水位センサーをさらに具備するものも好ましい。
本発明の好適な態様について例示する。
本発明の給液方法及び栽培方法においては、A.培養液タンク底部に開口部(吐出口)を設け、この吐出口上に水位センサーを配置した給液装置を用いる(図1)。
また、B.該培養液タンクの先に送液ポンプを設置する(図1)。
本発明の給液方法は、好適には以下の方法が例示される(図3A〜図3E):
(i)培養液タンク1は各々定量ポンプ4を具備する1つ又は2つ以上の有機液肥貯留槽2を備える。吐出口6は底面に具備される。
培養液タンク1内に、所定量の原水が貯留された状態にしてから有機液肥原液タンク2から高濃度有機液肥を供給した後、高濃度有機液肥を送液ポンプ7を介して1回/日供給する(図3A及びB)。高濃度有機液肥は比重が大きく、一部は原水に溶解するが多くは底部に偏在し、優先的に送液される(図3B)。
送液ポンプ7の稼動及び原水の供給は、各々別個の電磁弁3により自動制御される。
(ii)培養液タンク1が空になると、原水が自動的に一定量供給される。培養液タンク1内の水量の制御は、水位センサー5により行われる(図3C及びD)。
(iii)上記(i)及び(ii)の工程を繰り返すことにより、培養液タンク1内および灌水チューブ(図示せず)内の有機物を洗浄しつつ、植物体に有機物及び水分を供給する。
(iv)培養液タンク1の容量は、1日に植物に供給する培養液量に応じて決定・改変してよい。例えばトマト1万株程度を栽培する場合を考慮するに、培養液量及び培養液タンクへの水の供給量は植物の生育段階及び日によって変動させてよいところ、1日あたり培養液量は0〜10,000Lであってよく、培養液タンクへの水の供給量は1回当たり5〜1,900Lであってよいことから、培養液タンク容量は例えば2,000Lであってよい。タンク容量が2,000Lであっても、少量の培養液量及び培養液タンクへの水の供給量への対応が可能であることは自明である。
また、1日に必要な培養液量に対し、所定の量の水を複数回に分けて培養液タンク内に供給して灌水することは、培養液タンク内の洗浄をより確実に行うことを可能とするため好ましい。
本発明について、実施例を参照しながらさらに説明する。本発明は、いかなる意味においても当該実施例に限定されるものではない。
(実施例)
[目的]
本発明の培養液タンクを用いて本発明の有機液肥の給液方法の効果を検証する。
[材料と方法]
(1)材料
・混合有機液肥(魚ソリュブル、CSL、パームヤシ灰懸濁液を混合。)
・本発明の培養液タンク(吐出口を底面に設けた(図4)。容量は約20L。)
・給液制御装置(メーコー精機製)
・日射比例式灌水制御機(メーコー精機製)
(2)方法
上記培養液タンク及び下記給液方法によって給液を行い、下記調査方法により培養液の腐敗状況及び供給量の均一性を調査した。
試験は温室内にて、2013年1月9日〜2013年1月25日に行った。
(給液方法)
(1)培養液タンク内に原水を約6L供給する。
(2)培養液タンク内へ毎朝9時半に混合有機液肥を88g(トマト48株定植時、N=40mg/株相当)供給する。
(3)日射比例制御により灌水を行う。灌水量は2.4L/MJ(50ml/MJ/株)に設定。(試験期間内の1日当たり灌水量/日射量は平均21L/9.2MJ、最大28L/12.7MJ、最小0L/0.5MJ。)。
(4)培養液タンク内の培養液がほぼなくなったときに、自動的に原水6Lが供給される。供給回数は平均3.5回/日。
(調査方法)
(a)培養液タンク内の培養液およびドリップ液を採取して、腐敗臭や沈殿物の有無を調査した。
(b)採取したドリップ液のEC濃度を測定し、各給液箇所における液肥濃度を比較して液肥濃度の均一性を調査した。
[結果]
培養液タンク内の培養液およびドリップ液の腐敗臭や沈殿物の有無を調査した結果、試験開始より16日経過時点において、腐敗臭や沈殿物は生じていなかった。
また、液肥濃度の均一性を調査した結果、12Lの水が灌水された時点においてドリッパー設置位置による液肥供給量の差は生じていなかった。ドリッパー設置位置は下記のとおりであった(図中のアルファベット及び数字は、下記表1に記載のものにそれぞれ対応する。)。
12Lの水が灌水された後のドリップ液のECを測定した結果、原水とほぼ同等であった(表1)。なお、配管内容量は6L以下と推定される。
[考察]
以上の結果から、本発明の給液方法又は培養液タンクによれば、有機液肥を用いた培養液を給液するタンク内における培養液及び有機物の残留を顕著に低減することができる。その結果、本発明の給液方法又は培養液タンクによれば、タンクの清掃作業やチューブ・ドリップの交換が不要となることが確認された。
本発明によれば、植物栽培において、培養液のロスが生じるばかりでなく、残留した有機物の腐敗による悪臭や沈殿物によるチューブの閉塞を防ぐための清掃作業やチューブの交換に手間がかかるといった問題を解決するための給液方法が提供される。
したがって、本発明は、作物や花卉類の生産業及び関連産業の発展に寄与するところ大である。
1:培養液タンク
2:有機液肥原液タンク
3:電磁弁
4:定量ポンプ
5:水位センサー
6:吐出口
7:送液ポンプ

Claims (11)

  1. 以下の工程を含む、培養液タンクを用いて有機液肥を含む培養液を給液する、固形培地耕および養液土耕栽培において、有機液肥を培養液タンク内において腐敗させずに培養液を植物に給液する方法:
    工程(a):底面又は側面の底面近傍に開口部が設けられた培養液タンク内に所定量の水及び有機液肥を入れて培養液とし、該培養液を前記開口部から吐出し、該開口部に連結されたチューブを通して培地もしくは土壌に植え付けられた植物に与える工程、ただし前記培養液中の有機液肥の濃度は、均一でない;及び
    工程(b):工程(a)の後、前記培養液タンク内に水を入れ、該水を前記開口部から吐出し、吐出口に接続されたチューブを通して前記植物に所定量の水を与えるとともに、前記培養液タンク内の有機液肥を除去する工程。
  2. 底面に開口部を具備する培養液タンクを用いる、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(b)が行われた後に、再度工程(a)が行われる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 工程(b)が行われた後に、さらに工程(b)が行われる、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 工程(a)が1日に1回行われる、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 培養液タンクが開口部付近に水位センサーを具備する、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 工程(a)及び(b)が、自動管理により、あらかじめ規定されたスケジュールに従って行われる、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の給液方法により給液が行われる植物の栽培方法。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の給液方法に用いられる、底面又は側面の底面近傍に開口部が設けられた培養液タンク。
  10. 底面に開口部を具備する請求項9に記載の培養液タンク。
  11. 開口部付近に水位センサーをさらに具備する、請求項10に記載の培養液タンク。
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