JP2015111792A - 集約装置、配信方法、配信プログラム、及び、ネットワークシステム - Google Patents

集約装置、配信方法、配信プログラム、及び、ネットワークシステム Download PDF

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Abstract

【課題】無線ネットワークにおいて、無線通信端末にプログラムを迅速に配信することを目的とする。【解決手段】複数の集約装置と複数の通信装置とを有し、無線通信により接続される無線ネットワークシステムの前記集約装置は、前記複数の通信装置が用いる複数ブロックに分割されたプログラムを、1ブロックずつ順次、電波到達範囲内の前記通信装置に向けて所定周期で送信し、自集約装置と他の集約装置が送信するプログラムが同一である場合に、前記ブロック送信手段が送信するブロックが、前記他の集約装置が送信するブロックと異なるブロックとなるように制御する。【選択図】図5

Description

本発明は、複数の通信装置が無線ネットワークで接続されて成る通信システムに関するものである。
近年、各電力需要家に無線通信端末を設置し、これらを電力事業者が保有する収集サーバと通信可能に接続し、各電力需要家における電力量計の検針データを定期的に収集する自動検針システムが実現されつつある。かかる自動検針システムの構築に際し、無線通信端末(ノード)を通して順次データを転送してゆく、いわゆるマルチホップ方式の無線ネットワークシステムの適用が検討されている。
例えば、無線通信端末をノードとしてツリー型のネットワークを構成し、検針データを上位側の無線通信装置に吸い上げて統合し、さらに上位側へと転送してゆく無線データ収集システムが提案されている(特許文献1参照)。
このような無線データ収集システムにおいては、通信方式や業務要件の変更等によって無線通信端末のファームウェアの書替えが必要になると、作業員が現地へ出向き、無線通信端末のファームウェアを1台ずつインストールするか、或いは基板または装置自体を交換することで対応している。このような作業は、無線通信端末(電気のメータ)が、高所に設置されていたり、隣家との隙間に設置されたりして、作業自体が困難であるとともに、台数が多く、所定期間内に作業を終えるには多くの労力を必要とする。また、電気のメータは、複数の納入業者(メーカ)があり、納入時期によって型番(機能)も異なっており、どの家のメータにどのファームウェアをインストールすればよいのかというデータの管理も煩雑である。
そこで、多数の無線通信端末が設置される状況でも、その設置箇所までわざわざ出向くことなく、ファームウェアを無線通信端末1台1台に、トラヒックを抑えつつ、また、通信状況の良し悪しに関わらず確実にインストールすることができる通信システムが提案されている(特許文献2参照)。この通信システムは、図12に示すように、サーバ装置1においてファームウェアプログラム10を、回線占有時間や回線レートに基づく適切なデータ量のブロック(ファームウェアプログラム10内の矩形)に分割し、各ブロックに通し番号「1」〜「24」を割り当てる。そして、サーバ装置1は、ネットワーク2で接続されたゲートウェイ(「GW−1」、「GW−2」が記載された楕円で表す。)を介して、各無線通信端末(「端局」が記載された矩形で表す。)に向けて、所定の時間帯に、1ブロックずつ順次送信する。ブロックを受信した無線通信端末は、受信したブロックをメモリに記憶するとともに、他の無線通信端末に送信することで、ブロックは無線提供エリア内の全無線通信端末に送信される。無線通信端末は、受信したブロックを結合してファームウェアプログラム11を生成し、自装置のファームウェアを更新する。この際、無線通信端末は、受信したブロックのうち、ブロック番号に欠番(破線の矩形で表す。)がある場合には、サーバ装置1に再送要求を行って全ブロックを受信することで、確実にファームウェアを更新することが可能となっている。また、サーバ装置1は、順次、異なるメーカのファームウェアを送信し、無線通信端末は、受信したブロックのうち、自装置用のファームウェアのみをメモリに記憶することで、複数のメーカの無線通信端末が混在したとしても、それぞれの装置用のファームウェアを更新することが可能となっている。
特開2000−187793号公報 特開2009−188930号公報
しかし、ファームウェアプログラム自体のサイズは小さいものではなく、複数のメーカのファームウェアの更新が完了するまでには、それなりの時間を要する。また、新たなメーカの機種の採用等により送信すべきファームウェアの種類が多くなったり、機能追加等によりファームウェア自体のサイズが大きくなることにより、全無線通信端末のファームウェアの更新が完了するまでの時間は長くなる傾向にある。
ファームウェアの更新には、ファームウェアの不具合を修正する場合等も含まれることから、ファームウェアを更新するための時間は、不具合が長期化しないためにも、なるべく短いことが望まれる。
そこで、本発明は、無線ネットワークにおいて、無線通信端末にプログラムを迅速に配信することを目的とする。
本発明にかかる一態様に係る集約装置は、複数の集約装置と複数の通信装置とを有すると共に、各集約装置が各通信装置にプログラムを送信する機能を有し、無線通信により接続される無線ネットワークシステムの前記集約装置であって、前記複数の通信装置が用いる複数ブロックに分割されたプログラムを、1ブロックずつ順次、電波到達範囲内の前記通信装置に向けて所定周期で送信するブロック送信手段と、当該集約装置と前記他の集約装置が送信するプログラムが同一である場合に、前記ブロック送信手段が送信するブロックが、前記他の集約装置が送信するブロックと異なるブロックとなるように制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
そして、本発明の他の一態様に係る配信方法は、複数の集約装置と複数の通信装置とを有すると共に、各集約装置が各通信装置にプログラムを送信する機能を有し、無線通信により接続される無線ネットワークシステムの前記集約装置で用いられる配信方法であって、前記複数の通信装置が用いる複数ブロックに分割されたプログラムを、1ブロックずつ順次、電波到達範囲内の前記通信装置に向けて送信するブロック送信ステップと、当該集約装置と前記他の集約装置が送信するプログラムが同一である場合に、前記ブロック送信ステップが送信するブロックが、前記他の集約装置が送信するブロックと異なるブロックとなるように制御する制御ステップとを備えることを特徴とする。
そして、本発明の他の一態様に係る配信プログラムは、複数の集約装置と複数の通信装置とを有すると共に、各集約装置が各通信装置にプログラムを送信する機能を有し、無線通信により接続される無線ネットワークシステムの前記集約装置で用いられる配信プログラムであって、前記複数の通信装置が用いる複数ブロックに分割されたプログラムを、1ブロックずつ順次、電波到達範囲内の前記通信装置に向けて送信するブロック送信手段と、当該集約装置と前記他の集約装置が送信するプログラムが同一である場合に、前記ブロック送信手段が送信するブロックが、前記他の集約装置が送信するブロックと異なるブロックとなるように制御する制御手段として、前記集約装置のコンピュータを機能させることを特徴とする。
このような構成の集約装置、配信方法、及び、配信プログラムによれば、通信装置が用いるプログラムのブロックを、複数の集約装置それぞれが、それぞれ異なるブロックを所定周期で送信するので、通信装置は、同一の所定周期において複数のブロックを受信することが可能となる。つまり、全ての集約装置が同一の順番のブロックを順次送信する場合に比べて、通信装置は、より短時間で、プログラムの全てのブロックを受信することができる可能性が高くなる。
また、上述の集約装置において、前記集約装置の電波到達範囲の一部分は、前記他の集約装置の電波到達範囲と重なることが好ましい。
この構成によれば、集約装置の電波到達範囲が重なる領域に在る通信装置は、同一の所定周期において、重なっている電波到達範囲の集約装置が送信するブロックを受信することができるので、重なりが大きい程、より多くの通信装置が、より短時間で全ブロックを受信することができる可能性が高くなる。
また、上述の集約装置において、前記制御手段は、前記ブロック送信手段がブロックを送信するタイミングを、前記他の集約装置がブロックを送信するタイミングと異なるように制御することが好ましい。
この構成によれば、集約装置が送信するブロックの送信タイミングが、他の集約装置が送信するタイミングとずれるので、送信データ(フレーム)の衝突を回避できる可能性が高くなる。つまり、通信装置は、より確実にブロックを受信できることになる。
また、上述の集約装置において、前記通信装置は、前記ブロックを受信し、受信した前記ブロックのうち、自装置の種類に応じたプログラムのブロックをメモリに記憶し、受信したブロックを、電波到達範囲内の前記通信装置に向けて送信するものであることが好ましい。
この構成によれば、通信装置は、集約装置から受信したブロックを、更に、他の通信装置に向けて送信するので、集約装置の電波到達範囲内に無い通信装置も、ブロックを受信することが可能となる。つまり、集約装置の電波到達範囲を越えて、より広範囲に在る通信装置に、ブロックを送信することが可能となる。
また、上述の集約装置において、前記プログラムは、前記通信装置のファームウェアであることが好ましい。
この構成によれば、通信装置は、より短時間でファームウェアを受信することができるので、通信装置は、迅速にファームウェアの更新を行うことが可能となる。
本発明にかかる他の一態様に係るネットワークシステムは、サーバ装置と、複数の集約装置と、複数の通信装置とを有するネットワークシステムであって、前記サーバ装置は、前記複数の集約装置それぞれに、各集約装置と通信可能な前記通信装置の種類に応じたプログラムを送信するプログラム送信手段を備え、前記集約装置は、前記サーバ装置からプログラムを受信するプログラム受信手段と、複数ブロックに分割された前記プログラムを、1ブロックずつ順次、電波到達範囲内の前記通信装置に向けて所定周期で送信するブロック送信手段と、当該集約装置と前記他の集約装置が送信するプログラムが同一である場合に、前記ブロック送信手段が送信するブロックが、前記他の集約装置が送信するブロックと異なるブロックとなるように制御する制御手段とを備え、前記通信装置は、前記ブロックを受信し、電波到達範囲内の他の通信装置に向けて送信するブロック転送手段を備えることを特徴とする。
このような構成のネットワークシステムによれば、それぞれの集約装置は、自装置の電波到達範囲に在る通信装置、及び、この通信装置が送信するブロックを受信する通信装置が用いるプログラムを、サーバ装置から受信してそのプログラムのブロックを送信する。従って、通信装置は、自装置が用いることのないプログラムのブロックを受信することが少なくなるので、迅速に、自装置用のプログラムの全ブロックを受信することが可能となる。
本発明にかかる無線ネットワークシステムの集約装置は、無線通信端末(通信装置)にプログラムを迅速に配信することができる。
電力需要家の端局から検針データ収集するための無線ネットワークシステムの使用例を示す図である。 端局Tの正面図の例である。 無線ネットワークシステムの概略を示す図である。 メーカ限定ネットワークでのファームウェアの配信を説明するための図である。 ゲートウェイGWが近接するネットワークでのファームウェアの配信を説明するための図である。 端局の機能ブロックの構成例を示す図である。 ゲートウェイGWの機能ブロックの構成例を示す図である。 自装置情報テーブルの構成及び内容の例を示す図である。 ゲートウェイが行うファームウェア配信処理のフローチャートである。 端局が行うファームウェア更新処理のフローチャートである。 無線ネットワークにおいて送受信されるデータを説明するための図である。 従来例のファームウェアの配信を説明するための図である。
<実施形態>
実施形態の無線ネットワークシステムは、マルチホップ無線ネットワークであり、各電力需要家から、検針データを収集するためのシステムである。
図1は、実施形態の無線ネットワークシステムの使用例を示す図である。この無線ネットワークシステムは、電力需要家H1、H2、・・・、H12(総称するときは、電力需要家Hという。)、各電力需要家Hに設置されている電力計量器である端局T1、T2、・・・、T12(総称するときは、端局Tという。)、ゲートウェイGWa、GWb、GWc(総称するときは、ゲートウェイGWという。)、ネットワーク2、サーバ装置1を備える。尚、電力需要家H、端局T、ゲートウェイGW、及び、サーバ装置1の個数は、これらの数に限られない。
ネットワーク2は、電力会社等のネットワーク運営会社によって管理されているネットワークであり、有線、無線を問わない。また、ゲートウェイGWは、例えば、主な電柱に設けられ、ネットワーク2を介して、電力会社等によって管理されているサーバ装置1と接続される。
端局Tは、マルチホップを用いたネットワークのノードを構成し、何れかのゲートウェイGWに属している。端局Tは、積算電力量計としての機能を有し、それぞれの検針データは、順次、隣の端局Tに転送され、自装置が属するゲートウェイGWに集められる。各ゲートウェイGWに集められた検針データは、ネットワーク2を介して、サーバ装置1に送信される。端局Tは、無線LAN(Local Area Network)規格での通信を行い、信号A1〜4等で示すように、アドホックモードによって1対1の通信を行う。また、ゲートウェイGWはそれぞれ、数百程度の端局Tの検針データを収集する。
図2は、端局Tの正面図の例である。この端局Tは、電力需要家の宅内の各配電線が接続される端子台6、負荷開閉器3000、電力量計2000、及び、通信装置1000が配列されて構成される。電力量計2000は、積算電力量を、予め定める周期、例えば、5分毎に検針する。その検針データは30分毎に、通信装置1000によって、自装置の属するゲートウェイGWに向けて送信される。負荷開閉器3000は、サーバ装置1から送信されてくる制御データに応じて、開閉動作を行う。
ここで、図3に、実施形態のマルチホップを用いたネットワークの概略を示す。2重円がゲートウェイGWを示し、円内部にはゲートウェイGWの識別子「GWa」等が記載されている。1重円が端局Tを示し、円内部には端局Tの識別子「T1」等が記載されている。円を結ぶ破線は、その両端の円で示すゲートウェイGW又は端局T同士が、互いの存在を検出(学習)していることを示す。
サーバ装置1とゲートウェイGWとはネットワーク(通信回線)2によって接続され、ゲートウェイGWと各端局とは、マルチホップにより接続される。実施形態のネットワークでは、ホップ数は、最大で数十、好ましくは十ホップ以下である。
実施形態のネットワークは、例えば、マルチホップ無線ネットワークにおけるいわゆるプロアクティブ型のルーティングのプロトコルの1つであるOLSR(Optimized Link State Routing)によって生成される。ゲートウェイGWと各端局Tとの間の経路は、各装置(ゲートウェイGW、端局T)が、周期的に、自装置の存在を伝えるとともに、経路情報を交換するためのメッセージを送受信することで、各装置が自律的に構築する。各ゲートウェイGW、及び、各端局Tは、ネットワーク全体のトポロジー情報である経路表(ルートテーブル)、例えば、学習したネットワーク内の端局Tと、その端局Tへデータを送信するための隣接送信先である端局Tとを対応付けて記憶する。
各装置が自律的に、周囲の電波状況等の変化に応じて、最適な経路を構築するため、端局TからゲートウェイGWへの上りルートと、ゲートウェイGWから端局Tへの下りルートとでは、経路が異なる場合がある。
検針データは、その端局Tが属するゲートウェイGWに向けて上りルートで送信される。例えば、図3において、ハッチングがかかった識別子「T8」の端局T(以下、「端局T8」という。)の、識別子「GWa」のゲートウェイGW(以下、「ゲートウェイGWa」という。)への上りルートを、ゲートウェイGW向きの実線矢印で示す。具体的には、端局T8が送信した検針データは、端局T6を経由してゲートウェイGWaに到達する。端局T8が、検針データをゲートウェイGWaに向けて送信する為に、上位の隣接送信先である端局T6に送信するパケットの例を図11(a)に示す。このパケットには、隣接宛先として端局T6の宛先「T6−Addr」、最終宛先としてゲートウェイGWaの宛先「GWa−Addr」、データ種別として「検針データ」、自装置の検針データが含まれる。端局T8から検針データのパケットを受信した端局T6は、最終宛先「GWa−Addr」への経路上の宛先に、受信したパケットを転送する。図3の場合は、端局T6は、受信したパケットを「GWa−Addr」に転送することとなるが、他の端局Tを経由する場合は、その端局T宛にパケットを転送する。
尚、実施形態では、端局Tの宛先は、MAC(Media Access Control)アドレスとし、ゲートウェイGWの宛先は、IP(Internet Protocol)アドレスとする。また、図11に示すパケットの例では、説明に必要な項目データのみを記載するものとする。
また、サーバ装置1は、端局T8に制御データを送信する際には、その端局Tが属するゲートウェイGWaに制御データ(命令)を渡して、端局T8への送信を依頼する。制御データは、図3の端局T8に向かう実線矢印のルートで示す下りルートで、送信されることになる。具体的には、ゲートウェイGWaが送信した制御データは、端局T1、端局T3、端局T5を経由して端局T8に到達する。
ゲートウェイGWaは、端局T8に送信する為に、制御データのパケットを、隣接送信先である端局T1宛に送信する。ゲートウェイGWaが、端局T1に送信するパケットの例を図11(b)に示す。このパケットには、隣接宛先として端局T1の宛先「T1−Addr」、データ種別として「制御データ」、最終宛先として端局T8の宛先「T8−Addr」、制御データが含まれる。ゲートウェイGWaから制御データのパケットを受信した端局T1は、最終宛先「T8−Addr」への隣接送信先である端局T3宛に、パケットを転送する。
端局Tは、図1に示すように、各電力需要家Hに設置されていることから、無線通信ネットワーク全体では膨大な数となり、電力需要家Hは広範囲に存在し、点在する場合もあれば、集合住宅のように集中している場合もある。そして、このような無線通信ネットワークでは、複数のメーカにより製造され、また、同一メーカにより製造されたものでも型番が異なる等、複数種類の端局Tが同時に設置されていることが多い。
このような電力需要家Hそれぞれに設置された端局Tから検針データを収集するような無線通信ネットワークには、例えば、次の2つの特徴がある。
1つ目の特徴は、或る地域には、メーカAが製造した端局Tが設置され、他の地域には、メーカBが製造した端局Tが設置される等となることが多い。メーカが異なれば、基本的にファームウェアも異なる。
2つ目の特徴は、ゲートウェイGWが接近して設置されているエリアがある。つまり、住宅密集地や集合住宅が多く在る地域には、小さいエリアに多くの端局Tが存在することから、検針データのトラフィックを軽減するためや、障害物が多い等の理由で、ゲートウェイGWが近接して設置され、その電波到達範囲が一部重なっている場合があることである。
実施形態の無線ネットワークシステムでは、このような特徴を利用してファームウェアの配信を、短時間で行う。
<限定ネットワークの配信方法>
図4に、1つ目の特徴を利用したファームウェアの配信方法の例を示す。「メーカA限定ネットワーク」は、無線ネットワーク内のメーカAの端局Tが設置されたエリアのネットワークを示し、「メーカB限定ネットワーク」は、メーカBの端局Tが設置されたエリアのネットワークを示す。矩形で示す端局Tのうち、「端局A」と記載された矩形は、メーカAの端局Tを示し、「端局B」と記載された矩形は、メーカBの端局Tを示す。楕円で示すゲートウェイGW−Aは、「メーカA限定ネットワーク」内のゲートウェイGWであり、楕円で示すゲートウェイGW−Bは、「メーカB限定ネットワーク」内のゲートウェイGWである。図4では、「メーカA限定ネットワーク」と「メーカB限定ネットワーク」とにゲートウェイGWを1台ずつ記載しているが、複数であってもよい。尚、「メーカA限定ネットワーク」と「メーカB限定ネットワーク」とが重複する部分が発生し得るが、端局Tは、ゲートウェイGWからのホップ数が所定数を超える場合にはデータ転送を行わないことから、限定ネットワークの外縁が確定できる。
サーバ装置1は、メーカA用のファームウェア21をゲートウェイGW−Aに送信し、メーカB用のファームウェア22をゲートウェイGW−Bに送信する。各ゲートウェイGWで、ファームウェアを複数のブロックに分割する。ブロックの分割は、回線占有時間や回線レートに基づく適切なデータ量で分割する。図4では、ファームウェア21とファームウェア22とをそれぞれ12個のブロックに分割しているが、それぞれのファームウェアのサイズや構成に応じて、適切な個数に分割する。尚、ファームウェアの分割は、サーバ装置1で行い、まとめてゲートウェイGWに送信してもよい。
ゲートウェイGW−Aは、メーカA用のファームウェア21の、ブロックA1からブロックA12までを1ブロックずつ、端局Tに向けて送信(ブロードキャスト)する(矢印23)。ブロックを受信した端局Tは、受信したブロックが自装置用のファームウェアのブロックである場合にはメモリに記憶し、受信したブロックを他の端局Tに向けて送信する。このように、「メーカA限定ネットワーク」内の全端局Tに、ブロックが転送されていく。端局Tは、ブロックA1〜ブロックA12までを記憶した場合には、ブロックを結合してファームウェア21を生成し、自装置のファームウェアを更新する。尚、ブロックに欠損があった場合には、端局Tは、欠損しているブロックをゲートウェイGW―Aに要求する。
ゲートウェイGW−Bは、メーカB用のファームウェア22の、ブロックB1からブロックB12までを1ブロックずつ、端局Tに向けて送信(ブロードキャスト)する(矢印24)。端局Tの動作は、「メーカA限定ネットワーク」の端局Tと同様である。
このように、ゲートウェイGWごとに、そのゲートウェイGWが設置された周辺の端局Tの種類に応じたファームウェアを配信することで、端局Tは、自装置用のファームウェアを受信するまでの待ち時間を短縮でき、無線通信ネットワーク全体での更新に要する時間を短縮することが可能となる。例えば、図12に示す従来例のように、各ゲートウェイGWが同じファームウェアのブロックを送信する場合には、メーカA用のファームウェア21を送信した後に、メーカB用のファームウェア22を送信することになる。この場合には、「メーカB限定ネットワーク」の端局Tは、メーカA用のファームウェア21が送信されている間が待ち時間となる。
尚、図4では、ゲートウェイGWは、1種類のファームウェア(例えば、メーカA用のファームウェア21)を配信することとしているが、複数のファームウェアを配信することとしてもよい。例えば、メーカCの端局Tが、「メーカA限定ネットワーク」に混在している場合には、メーカC用のファームウェアも配信する。この場合でも、メーカA用のファームウェア、メーカB用のファームウェア、メーカC用のファームウェアと順に送信する場合に比べて、全体の更新時間は短縮することができる。
<複数GWによる配信方法>
図5に、2つ目の特徴を利用したファームウェアの配信方法の例を示す。図5は、図4の「メーカB限定ネットワーク」にファームウェアを配信する場合を示し、ゲートウェイGW−1及びゲートウェイGW−2は、「メーカB限定ネットワーク」内のゲートウェイGWである。ここでは、ゲートウェイGW−1とゲートウェイGW−2が、それぞれの電波到達範囲が一部重複する程度に近接して設置されている。一点鎖線の円が、ゲートウェイGW−1の電波到達範囲を示し、破線の円が、ゲートウェイGW−2の電波到達範囲を示す。
サーバ装置1は、メーカB用のファームウェア22を、ゲートウェイGW−1及びゲートウェイGW−2に送信する。各ゲートウェイGWが、ファームウェアを複数のブロックに分割する(図4のファームウェア22参照)。
そして、ゲートウェイGW−1は、ブロックB1から順番に、端局Tに向けて送信し(矢印31)、ゲートウェイGW−2は、ブロックB4から順番に、端局Tに向けて送信する(矢印32)。つまり、各ゲートウェイGWは、互いに異なるブロックを送信する。言い換えれば、ゲートウェイGWが送信するブロックのブロック番号を分散させる。但し、正確には、ゲートウェイGWの個数及びブロックの個数等によって、一部のゲートウェイGWが同じ番号のブロックを送信する場合もある。
複数のゲートウェイGWが送信するブロックのブロック番号を分散させることで、全端局Tにファームウェアの配信が完了するまでの時間を短縮させることが可能となる。
例えば、5MB(メガバイト)のファームウェアを配信する場合を考える。1400byteを1ブロックとして分割した場合、ブロック数は3572個となる。1ブロックを30秒ごとに送信するものとし、配信可能期間は、1時間あたり40分、具体的には、各時刻の20分〜60分とする。尚、1時間のうちの配信可能期間以外の20分は、検針データの送信等の処理を行う時間である。
全ゲートウェイGWが、同じ番号のブロックを送信した場合、全ブロックの送信が完了するのは、以下の時間となる。
送信時間(時間)=3572(ブロック)×30(秒)÷40(分)=44.65
2台のゲートウェイGWが、それぞれ異なる番号のブロックを送信、つまり、1台のゲートウェイGWがブロック番号1〜1786のブロックを送信し、他のゲートウェイGWがブロック番号1787〜3572のブロックを送信した場合、全ブロックの送信が完了するのは、以下の時間となる。
送信時間(時間)=3572(ブロック)÷2(台)×30(秒)÷40(分)=22.325
つまり、より短時間で、ゲートウェイGWから全ブロックが送信される。ゲートウェイGWから配信されたブロックは、端局Tをホップしながら全端局Tに伝播してくので、全端局Tにブロックをできるだけ早く届けるためには、できるだけ早くネットワーク上にブロックを流すことが効果的である。
<ブロック番号分散方法>
ここで、ゲートウェイGWが送信するブロック番号を分散させる方法を説明する。
実施形態では、以下の式(1)を用いて、送信を開始するブロック番号を求め、昇順に送信を行う。最後の番号のブロックまで送信したら、ブロック番号が「1」のブロックから送信し、全部のブロックを送信するものとする。
開始ブロック番号=(装置ID)Mod(開始分散値)×(全ブロック数÷開始分散値)+1 ・・・(1)
ここで、装置IDはゲートウェイGWに固有の識別番号である。Modは割り算の余りを求める関数であり、(x)Mod(y)は、xをyで割った余りを出力する。開始分散値は、「4」とする。開始分散値は、ゲートウェイGWの数、ブロック数等を考慮して、適切な値とする。
例えば、「装置ID」が「120000」であるとし、ブロック数が12であるとする。式(1)を用いて開始ブロック番号を求めると、(120000)Mod(4)×(12÷4)+1=0×3+1=1となる。また、「装置ID」が「120001」の場合、(120001)Mod(4)×(12÷4)+1=1×3+1=4となる。
ここで、送信するブロック順をまとめた表1を以下に示す。
Figure 2015111792
表1は、「配信回」フィールド、「余り=0」フィールド、「余り=1」フィールド、「余り=2」フィールド、及び、「余り=3」フィールドを備える。「配信回」フィールドは、何回目のブロック送信かを示す値が設定されている。ここでは、12ブロックから成るファームウェアを送信することから、「1」〜「12」が設定されている。「余り=0」フィールドには、(装置ID)Mod(開始分散値)の値が「0」であるゲートウェイGWが送信するブロック番号が設定されている。例えば、「配信回」フィールドに「1」が設定されている行の「余り=0」フィールドには、「1」が設定されていることから、「(装置ID)Mod(開始分散値)」の値が「0」であるゲートウェイGWが最初に送信するのは、ブロック番号「1」のブロックであることになる。また、「余り=1」フィールドには、「(装置ID)Mod(開始分散値)」の値が「1」であるゲートウェイGWが送信するブロック番号が設定されており、例えば、「配信回」フィールドに「4」が設定されている行の「余り=1」フィールドには、「7」が設定されていることから、「(装置ID)Mod(開始分散値)」の値が「1」であるゲートウェイGWが、4回目に送信するのは、ブロック番号「7」のブロックであることになる。尚、「余り=2」フィールドには、「(装置ID)Mod(開始分散値)」の値が「2」であるゲートウェイGWが送信するブロック番号が設定されており、「余り=3」フィールドには、(装置ID)Mod(開始分散値)の値が「3」であるゲートウェイGWが送信するブロック番号が設定されている。
尚、表1では、開始分散値を「4」としたことから、余りが0〜3の4つの場合が示されている。
例えば、4台のゲートウェイGWを用い、それぞれのゲートウェイGWで算出した余りが「0」、「1」、「2」、「3」である場合には、表1に示すように、「配信回」フィールドの「1」、「2」、「3」が示す3回の送信を行えば、ブロック番号「1」〜「12」のブロックが送信されることがわかる。尚、装置IDによっては、複数のゲートウェイGWが同じ余りとなる場合もあるが、その場合でも、12回の配信を行うことなく、全ブロックが送信されることになる。
このように、複数のゲートウェイGWを用いてファームウェアを配信する場合、各ゲートウェイGWが送信するブロックのブロック番号を分散することで、短時間でブロックをネットワーク上に流すことが可能となる。
ネットワーク上に流されたブロックは、各端局Tによって、転送されていくことになる。端局Tは、常にキャリアセンスを行い、キャリアが空いたことを確認し、決められた期間アイドル状態が続くと、フレームの送信権を獲得したと判断する。そして、送信権を獲得した端局Tは、ブロックを他の端局Tに向けてブロードキャストする。
従って、自端局Tが送信したブロック(フレーム)と、自端局Tがキャリアセンスできる範囲に在る端局Tが送信するブロック(フレーム)との間では、フレーム衝突は発生しない。しかし、キャリアセンスできる範囲に無い端局Tが送信するブロック(フレーム)とは、フレーム衝突が発生する可能性がある。フレーム衝突が発生すると、端局Tが受信するブロックのブロック番号に欠番が発生することになる。この場合、ゲートウェイGWが全ブロックを送信した後に、端局TがゲートウェイGWに再送要求を出して欠番のブロックを受信することになり、全端局Tのファームウェアの更新完了までの時間が長期化する可能性がある。
従って、実施形態では、ゲートウェイGW間で、ブロック送信のタイミングをずらすこと、つまり、送信タイミングを分散させて、フレーム衝突をできるだけ回避する。
<送信タイミング分散方法>
以下、ゲートウェイGWがブロックを送信するタイミングを分散させる方法を説明する。
実施形態では、以下の式(2)を用いて、送信を開始するタイミングを求める。具体的には、配信可能期間の開始時刻から遅らせる時間(以下、「分散時間」という。)を算出する。
ゲートウェイGWは、配信可能期間の開始時刻となったら、算出した分散時間だけ遅延させて、所定周期(30秒)でブロックを送信する。
分散時間=(装置ID)Mod(開始分散値) ・・・(2)
ここで、開始分散値は、「10」とする。この開始分散値の値は、ゲートウェイGWの数、ブロックの数等を考慮して、適切な値とする。
例えば、算出された分散時間が9秒であれば、配信可能期間の開始時刻から9秒後に、最初のブロックを送信し、30秒後に、つまり、送信開始時刻から39秒後に、2番目のブロックを送信する。
このように、ゲートウェイGW間で、ブロック送信のタイミングを分散させることにより、フレーム衝突をできるだけ回避させ、複数のゲートウェイGWから送信されたブロックの端局Tによる受信成功率の向上を図っている。
<構成>
図6は、端局Tの機能ブロックの構成例を示す図である。端局Tは、通信装置1000、電力量計2000、及び、負荷開閉器3000を備える。破線の矢印は、一部の端局TがゲートウェイGW(集約装置)と通信を行うことを示す。
通信装置1000は、無線通信制御部1100、無線通信部1200、タイマー1300、機内通信制御部1400、インタフェース1410、インタフェース1420、外部インタフェース1500、入力部1510、リンク情報記憶部1800、ブロック記憶手段1810、及び、電力量情報記憶部1900を備える。
無線通信制御部1100は、ファームウェア更新部1110、ブロック保存部1120、及び、ブロック転送部1130を有し、各機能部を制御して、無線通信の制御を行う機能を有する。例えば、所定期間ごとに、例えば、30分ごとに、電力量情報記憶部1900に記憶されている電力量を読み出して、端局Tが属するゲートウェイGW宛のパケットを無線通信部1200に送信させるなどである。所定期間が経過したことの検出は、タイマー1300からの割り込みによって検知する。
ファームウェア更新部1110は、主に4つの機能を有する。1つ目の機能は、ゲートウェイGWからファームウェア配信の開始通知を受信すると、無線通信制御部1100を介して受信したファームウェアのブロックを、ブロック保存部1120に指示してブロック記憶手段1810に記憶させる機能である。この際、ファームウェア更新部1110は、受信したブロックが、自装置用のファームウェアのブロックであるか否かを判断し、自装置用のファームウェアのブロックである場合に、ブロック保存部1120に記憶させる。尚、ゲートウェイGWからファームウェア配信の開始通知は、図11(b)の制御データとして、ファームウェア更新処理を行う端局Tに送信される。
ここで、図11(c)に、端局Tが受信する、つまり、ゲートウェイGWが送信するブロックデータの例を示す。このブロックデータには、宛先として全宛先(ブロードキャストアドレス)、データ種別として「ファームウェア」、ファームウェア種類として「メーカA」、全ブロック数としてファームウェアのブロック分割数、ブロック番号としてブロックの番号、ブロックとしてブロック化されたプログラム等が含まれる。ファームウェア種類は、メーカ名に限らず、ファームウェアを識別できるものであればよい。ファームウェア更新部1110は、ブロックデータ内のファームウェア種類に設定されている情報を参照して、自装置用のファームウェアか否かを判断する。
2つ目の機能は、ブロック保存部1120から全ブロックを記憶した旨の通知を受けると、ブロック記憶手段1810に記憶されているブロックを結合し、結合したファームウェアプログラムを用いて、自装置のファームウェアを更新する機能である。自装置のファームウェアを更新すると、ファームウェア更新部1110は、自装置が属しているゲートウェイGWに向けて、ファームウェアの更新完了を通知するデータを送信する。
3つ目の機能は、受信できなかった(欠番の)ブロック番号のブロックをゲートウェイGWから取得する機能である。詳細には、ファームウェア配信の開始通知を受信してから予め定められた配信処理時間が経過しても、全ブロックを受け取らなかった場合、つまり、ブロック保存部1120からの全ブロックを記憶した旨の通知を、受け取らなかった場合には、ファームウェア更新部1110は、ブロック保存部1120に欠番のブロック番号を問い合わせ、自装置が属するゲートウェイGWに再送要求を送信する。この配信処理時間は、ファームウェアプログラムの全ブロックが全端局Tに配信されると推定される時間であり、端局Tの数、ブロックの数等を考慮して、予め定められる。ファームウェア更新部1110は、配信処理時間が経過したことを、タイマー1300からの割り込みによって検知する。
4つ目の機能は、ゲートウェイGWからファームウェア配信の開始通知を受信してから、配信処理時間が経過するまでの間、受信したブロックデータをブロック転送部1130に転送させる機能である。
ブロック保存部1120は、ファームウェア更新部1110から渡されたブロックを、ブロック記憶手段1810に記憶し、管理する機能を有する。ブロック保存部1120は、ブロック番号を管理し、既に記憶されているブロックはブロック記憶手段1810に記憶しない。ブロック保存部1120は、全ブロックを記憶すると、その旨をファームウェア更新部1110に通知する。また、ブロック保存部1120は、ファームウェア更新部1110からの問い合わせに応じて、ブロック番号に欠番が発生している場合には、その欠番の番号を通知する。
ブロック転送部1130は、ファームウェア更新部1110から渡されたブロックデータ(図11(c)参照)に、ホップ数を更新する等の必要な処理を行い、無線通信制御部1100、及び、無線通信部1200を介して送信する機能を有する。
無線通信部1200は、他の端局T(図6の「端局T’」)、又は、ゲートウェイGWと、無線LAN規格によりアドホックモードでの通信を行う機能を有する。
タイマー1300は、無線通信制御部1100、及び、機内通信制御部1400に時刻を通知し、また、予め定められた所定周期での割り込みを掛ける機能を有する。例えば、無線通信制御部1100及びに30分毎に割り込みを掛ける。機内通信制御部1400に5分毎に割り込みを掛ける等である。無線通信制御部1100は、割り込みのタイミングで電力量情報記憶部1900から30分間の検針データを読み出して送信し、機内通信制御部1400は、割り込みのタイミングで電力量計2000から5分間の受電電力量を取得して電力量情報記憶部1900に記憶させる。
インタフェース1410は、電力量計2000から検針データを受信するインタフェースであり、インタフェース1420は、負荷開閉器3000に制御データを送信するインタフェースである。
機内通信制御部1400は、インタフェース1410、及び、インタフェース1420を介して、電力量計2000、及び、負荷開閉器3000との通信を制御する機能を有する。また、機内通信制御部1400は、電力量計2000から受電電力量を定期的に取得して電力量情報記憶部1900に記憶させておく機能を有する。
外部インタフェース1500は、外部の設定ツール等と接続するインタフェースであり、端局Tの初期設定時等に初期値等を設定するために用いる。
入力部1510は、ユーザの操作を受け付け、ユーザ操作に応じて、リンク情報記憶部1800、及び、電力量情報記憶部1900にデータを記憶させたり、記憶されているデータを書き換えたりする機能を有する。
リンク情報記憶部1800は、図3で示すようなネットワーク全体のトポロジー情報など、データの送受信に必要な情報を、適時更新しながら記憶しておく機能を有する。
ブロック記憶手段1810は、ファームウェアのブロックを記憶しておく機能を有する。
電力量情報記憶部1900は、機内通信制御部1400が電力量計2000から取得した電力量を記憶しておく機能を有する。
図7は、ゲートウェイGWの機能ブロックの構成例を示す図である。ゲートウェイGWは、無線通信制御部4100、無線通信部1200、タイマー1300、外部インタフェース1500、入力部1510、外部通信制御部4000、リンク情報記憶部1800、検針データ記憶部1850、及び、ファームウェア記憶部4200を備える。
無線通信制御部4100は、ファームウェア配信部4110(ブロック送信手段)、ファームウェア管理部4120(制御手段)、及び、ファームウェア分割部4130を有し、各機能部を制御して、無線通信の制御を行う機能を有する。また、無線通信制御部4100は、端局Tから受信した検針データを検針データ記憶部1850に記憶させる。無線通信制御部4100は、所定のタイミングで、検針データ記憶部1850に記憶されている検針データを読み出して、外部通信制御部4000を介してサーバ装置1に送信し、また、外部通信制御部4000を介して受信されたサーバ装置1からのパケットを、無線通信部1200を介して端局Tに送信する。
ファームウェア配信部4110は、主に3つの機能を有する。1つ目の機能は、サーバ装置1から外部通信制御部4000を介してファームウェアプログラムを受信すると、ファームウェア管理部4120に渡してファームウェア記憶部4200に記憶させる機能である。
2つ目の機能は、ファームウェア管理部4120から1ブロックを取得し、端局Tに向けて送信する機能である。詳細には、ファームウェア配信部4110は、ファームウェア配信の開始通知を自GWに属する端局Tに向けて送信し、その後、ファームウェア管理部4120から1ブロックを取得してブロックデータ(図11(c))を作成し、無線通信部1200を介して全方位に送信する。ファームウェア配信部4110は、予め定められた配信可能期間に、所定周期で1ブロックずつ送信する。この際、配信可能期間の開始時刻から分散時間経過後に、ブロックの送信を開始する。分散時間は、ファームウェア管理部4120から通知される。実施形態では、上述のように、配信可能期間は、各時間の20分〜60分であり、所定周期は30秒とする。尚、配信可能期間の開始時刻及び終了時刻は、タイマー1300からの割り込みで検知するものとする。
3つ目の機能は、全ブロックの送信を終了後、自GWに属する端局Tからブロックの再送要求を受けると、そのブロック番号のブロックをファームウェア管理部4120から取得して、その端局Tに向けて送信する機能である。
ファームウェア管理部4120は、主に4つの機能を有する。1つ目は、ファームウェア配信部4110から渡されたファームウェアプログラムを、ファームウェア分割部4130に渡してブロック分割させ、各ブロックをファームウェア記憶部4200に記憶させる機能である。分割数等の分割に必要な情報は、ファームウェアプログラムに含まれているものとする。
2つ目の機能は、分割したファームウェアのブロックのうち、どのブロックを配信するかを判断し、1ブロックずつファームウェア記憶部4200から読み出してファームウェア配信部4110に渡す機能である。上述の式(1)を用いて、最初に送信するブロック番号を算出する。
3つ目の機能は、上述の式(2)を用いて分散時間を算出し、ファームウェア配信部4110に通知する機能である。
4つ目の機能は、ファームウェア配信部4110からブロック番号を指定されてブロックを要求されると、ファームウェア記憶部4200から該当のブロックを読み出して、ファームウェア配信部4110に渡す機能である。
無線通信部1200、タイマー1300、外部インタフェース1500、入力部1510、リンク情報記憶部1800は、通信装置1000の無線通信制御部1100、無線通信部1200、タイマー1300、外部インタフェース1500、入力部1510、リンク情報記憶部1800と同様の機能を有する。
外部通信制御部4000は、サーバ装置1と通信する機能を有する。
検針データ記憶部1850は、自装置であるゲートウェイGWに属する端局Tから送信されてきた検針データを記憶しておく機能を有する。
実施形態の通信装置1000、及び、ゲートウェイGWはそれぞれ、例えば、コンピュータを用いて構成可能であり、ハードディスク等の記憶部(不図示)に格納されているゲートウェイGW決定方法等をプログラムしたソフトウェアを、CPUにより実行することによって上述の無線通信制御部1100等がコンピュータに機能的に構成される。
<データ>
以下、通信装置1000で用いる主なデータについて、図8を用いて説明する。
図8は、自装置情報テーブル1810の構成及び内容の例を示す図である。自装置情報テーブル1810は、リンク情報記憶部1800に記憶されている。
自装置情報テーブル1810は、項目1811、及び、内容1812を有する。
項目1811は、自装置に関する情報の項目を示す。「自装置アドレス」は、自装置の宛先アドレスを示す。「ファームウェア種類」は、自装置が用いているファームウェアを特定する識別子を示す。
内容1812は、項目1811が示す項目の内容を示す。例えば、項目1811が「自装置アドレス」の内容1812として「T8−Addr」が設定されているので、この自装置情報テーブル1810を記憶している端局Tの宛先は「T8−Addr」であることになる。従って、宛先として「T8−Addr」が設定されたパケットは、自装置宛のパケットであると判断する。また、項目1811が「ファームウェア種類」の内容1812として「メーカB」が設定されているので、この自装置情報テーブル1810を記憶している端局Tが使用しているファームウェアの識別子は「メーカB」であることになる。
<動作>
以下、ゲートウェイGW、及び、端局Tの通信装置1000の動作について、図9、及び、図10を用いて説明する。
図9は、ゲートウェイGWが行うファームウェア配信処理のフローチャートである。また、図10は、端局Tの通信装置1000が行うファームウェア更新処理のフローチャートである。
まず、図9を用いて、ゲートウェイGWが行うファームウェア配信処理を説明する。
ゲートウェイGWの無線通信制御部4100は、外部通信制御部4000を介してサーバ装置1からファームウェアプログラムを受信すると、ファームウェア配信部4110に渡して、ファームウェアの配信処理を依頼する(ステップS30)。
依頼を受けたファームウェア配信部4110は、ファームウェア配信の開始通知を、自GWに属する端局Tに向けて送信する(ステップS31)。ファームウェア配信部4110は、必要に応じて、各端局Tからの応答を確認する。
ファームウェア配信部4110は、無線通信制御部4100から渡されたファームウェアプログラムをファームウェア管理部4120に渡し、保存を依頼する。
依頼を受けたファームウェア管理部4120は、渡されたファームウェアプログラムをファームウェア分割部4130に渡して、分割を依頼する。分割を依頼されたファームウェア分割部4130は、ファームウェアプログラムに含まれている分割に必要な情報に基づいてファームウェアプログラムをブロック化し、ファームウェア記憶部4200に記憶する(ステップS32)。
次に、ファームウェア管理部4120は、式(1)を用いて、配信開始のブロック番号を算出し、作業領域に記憶しておく(ステップS33)。また、ファームウェア管理部4120は、式(2)を用いて、分散時間を算出し、ファームウェア管理部4120に通知する(ステップS34)。
そして、ファームウェア配信部4110は、配信可能期間の開始時刻をタイマー1300からの割り込みで検知すると(ステップS35:Yes)、分散時間の経過を待って(ステップS36)、ファームウェア管理部4120から最初に送信するブロック番号のブロックを取得し、ブロックデータを作成して無線通信部1200を介して全方位に送信する(ステップS37)。
次に、ファームウェア配信部4110は、次に送信するブロックをファームウェア管理部4120に要求し、次に送信するブロックを取得すると(ステップS38:No)、所定周期(30秒)の経過を待つ(ステップS39)。所定周期の経過を待つ間に、配信可能期間の終了時刻の割り込みが無い場合は(ステップS40:No)、ブロックデータ(図11(c))を作成して無線通信部1200を介して全方位に送信する(ステップS37)。
ファームウェア配信部4110は、所定周期(30秒)の経過を待つ間に、配信可能期間の終了時刻の割り込みがあった場合は(ステップS40:No)、ステップS35に戻り、配信可能期間の開始時刻を示すタイマー1300からの割り込みを待つ。
また、ステップS38において、次に送信するブロックをファームウェア管理部4120に要求し、全ブロック配信済みの旨の通知を受けると(ステップS38:Yes)、ファームウェア配信部4110は、自GWに属する端局Tからのブロック再送要求を待つ。要求を受けると、要求されたブロック番号のブロックをファームウェア管理部4120から取得して、再送を要求している端局Tに向けて送信する(ステップS41)。ステップS31においてファームウェア配信の開始通知を送信してから、予め定められた配信期間が経過したら、ファームウェアの再送処理を終了する。
次に、図10を用いて、端局Tの通信装置1000が行うファームウェア更新処理を説明する。
端局Tの無線通信制御部1100は、無線通信制御部1100を介して、自装置が属するゲートウェイGWからファームウェア配信の開始通知を受信すると、ファームウェア更新部1110にファームウェアの更新を依頼する(ステップS10)。
依頼を受けたファームウェア更新部1110は、配信処理時間が経過したことを示す割り込み前に(ステップS11:No)、ブロックデータを受信した場合(ステップS12:Yes)、受信したブロックデータをブロック転送部1130に渡して、転送を依頼する。依頼を受けたブロック転送部1130は、渡されたブロックデータに必要な処理を行い、無線通信部1200を介して全方位に送信する(ステップS13)。
次に、ファームウェア更新部1110は、受信したブロックデータに含まれているファームウェアのブロックが、自装置用のファームウェアのブロックであるか否かを判断し(ステップS14)、自装置用のブロックでないと判断した場合は(ステップS14:No)、ステップS11からの処理を行う。一方、自装置用のブロックであると判断した場合は(ステップS14:Yes)、ブロック保存部1120にブロックの保存を依頼する。
依頼を受けたブロック保存部1120は、受信したブロックのブロック番号のブロックが、既にブロック記憶手段1810に保存してある場合は(ステップS15:Yes)、ステップS11からの処理を行う。一方、受信したブロックのブロック番号のブロックが、未だブロック記憶手段1810に保存してない場合は(ステップS15:No)、受信したブロックデータ内のブロックをブロック記憶手段1810に記憶する(ステップS16)。そして、ブロック保存部1120は、全ブロックが保存された場合には(ステップS17:Yes)、その旨をファームウェア更新部1110に通知し、未だ全ブロックが保存されていない場合には(ステップS17:No)、ステップS11からの処理を行う。
ステップS17において、全ブロックが保存された旨の通知をブロック保存部1120から受けたファームウェア更新部1110は、ブロック記憶手段1810に記憶されている全ブロックを結合し(ステップS19)、自装置のファームウェアを更新し(ステップS20)、ファームウェアの更新完了通知を、自装置が属するゲートウェイGWに対して送信する(ステップS21)。
ステップS11において、配信処理時間(一定時間)が経過したことを示す割り込みを受けた場合(ステップS11:Yes)、ファームウェア更新部1110は、ブロック保存部1120から欠番のブロック番号を取得し、欠番のブロック番号のブロックの再送要求を、自装置が属するゲートウェイGWに送信する。欠番のブロック番号のブロックを受信したら(ステップS18)、ファームウェア更新部1110は、ステップ19からの処理を行う。
尚、実施形態では、ファームウェアを配信することとしているが、ファームウェアに限らず、他のプログラムやデータであってもよい。
また、実施形態では、通信装置1000はマルチホップ形式でゲートウェイGWや他の通信装置1000と無線通信することとしているが、マルチホップ形式に限らない。
また、実施形態では、送信を開始するブロック番号を、式(1)を用いて求めているが、他の方法でブロック番号を分散させてもよい。例えば、「(装置ID)Mod(開始分散値)」で求めた値毎に、送信するブロック番号の順番を予め決めて、記憶しておく等である。
また、実施形態では、各端局Tは、ファームウェア配信の開始通知を受信してから予め定められた配信処理時間が経過したときに、ブロックの欠損を判断し、欠損しているブロックをゲートウェイGWに要求することとしているが、ブロックを一定時間受信しなかった場合に、ブロックの欠損を判断することとしてもよい。また、例えば、ゲートウェイGWが全ブロックを送信した後に、自装置に属する端局Tに対して、ブロックの欠損がある場合は、要求を行うよう依頼することとしてもよい。この場合、端局Tは、ゲートウェイGWから依頼を受けたら、ブロックの欠損を判断し、欠損しているブロックをゲートウェイGWに要求する。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
GW ゲートウェイ(集約装置)
T 端局
H 電力需要家
1 サーバ装置
2 ネットワーク
1000 通信装置
1100 4100 無線通信制御部
1110 ファームウェア更新部
1120 ブロック保存部
1130 ブロック転送部
1200 無線通信部
1300 タイマー
1400 機内通信制御部
1500 外部インタフェース
1800 リンク情報記憶部
1810 ブロック記憶手段
1900 電力量情報記憶部
2000 電力量計
3000 負荷開閉器
4000 外部通信制御部
4110 ファームウェア配信部
4120 ファームウェア管理部
4130 ファームウェア分割部
4200 ファームウェア記憶部

Claims (8)

  1. 複数の集約装置と複数の通信装置とを有すると共に、各集約装置が各通信装置にプログラムを送信する機能を有し、無線通信により接続される無線ネットワークシステムの前記集約装置であって、
    前記複数の通信装置が用いる複数ブロックに分割されたプログラムを、1ブロックずつ順次、電波到達範囲内の前記通信装置に向けて所定周期で送信するブロック送信手段と、
    当該集約装置と前記他の集約装置が送信するプログラムが同一である場合に、前記ブロック送信手段が送信するブロックが、前記他の集約装置が送信するブロックと異なるブロックとなるように制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする集約装置。
  2. 前記集約装置の電波到達範囲の一部分は、前記他の集約装置の電波到達範囲と重なる
    ことを特徴とする請求項1に記載の集約装置。
  3. 前記制御手段は、前記ブロック送信手段がブロックを送信するタイミングを、前記他の集約装置がブロックを送信するタイミングと異なるように制御する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の集約装置。
  4. 前記通信装置は、前記ブロックを受信し、受信した前記ブロックのうち、自装置の種類に応じたプログラムのブロックをメモリに記憶し、受信したブロックを、電波到達範囲内の前記通信装置に向けて送信するものである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の集約装置。
  5. 前記プログラムは、前記通信装置のファームウェアである
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の集約装置。
  6. サーバ装置と、複数の集約装置と、複数の通信装置とを有するネットワークシステムであって、
    前記サーバ装置は、
    前記複数の集約装置それぞれに、各集約装置と通信可能な前記通信装置の種類に応じたプログラムを送信するプログラム送信手段を備え、
    前記集約装置は、
    前記サーバ装置からプログラムを受信するプログラム受信手段と、
    複数ブロックに分割された前記プログラムを、1ブロックずつ順次、電波到達範囲内の前記通信装置に向けて所定周期で送信するブロック送信手段と、
    当該集約装置と前記他の集約装置が送信するプログラムが同一である場合に、前記ブロック送信手段が送信するブロックが、前記他の集約装置が送信するブロックと異なるブロックとなるように制御する制御手段とを備え、
    前記通信装置は、
    前記ブロックを受信し、電波到達範囲内の他の通信装置に向けて送信するブロック転送手段を備える
    ことを特徴とするネットワークシステム。
  7. 複数の集約装置と複数の通信装置とを有すると共に、各集約装置が各通信装置にプログラムを送信する機能を有し、無線通信により接続される無線ネットワークシステムの前記集約装置で用いられる配信方法であって、
    前記複数の通信装置が用いる複数ブロックに分割されたプログラムを、1ブロックずつ順次、電波到達範囲内の前記通信装置に向けて送信するブロック送信ステップと、
    当該集約装置と前記他の集約装置が送信するプログラムが同一である場合に、前記ブロック送信ステップが送信するブロックが、前記他の集約装置が送信するブロックと異なるブロックとなるように制御する制御ステップと
    を備えることを特徴とする配信方法。
  8. 複数の集約装置と複数の通信装置とを有すると共に、各集約装置が各通信装置にプログラムを送信する機能を有し、無線通信により接続される無線ネットワークシステムの前記集約装置で用いられる配信プログラムであって、
    前記複数の通信装置が用いる複数ブロックに分割されたプログラムを、1ブロックずつ順次、電波到達範囲内の前記通信装置に向けて送信するブロック送信手段と、
    当該集約装置と前記他の集約装置が送信するプログラムが同一である場合に、前記ブロック送信手段が送信するブロックが、前記他の集約装置が送信するブロックと異なるブロックとなるように制御する制御手段として、前記集約装置のコンピュータを機能させる
    ことを特徴とする配信プログラム。
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