JP2015110944A - 深井戸用水中モータポンプ水中モータのスラスト荷重に対する保護装置 - Google Patents
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Abstract
Description
その際、水中ポンプ内の羽根車は、湯水の落下の圧力によって反対方向に回転するが、この時モータにスラスト荷重がかかり、スラスト軸受が破壊されることが多い。
特許文献3は、モータポンプの逆止弁の中央にスプリングを設け、該スプリングの弾発力により弁座を閉鎖し揚湯管内の湯水の落下を防止する構造は記載されている。
深井戸用水中モータポンプの運転停止時、特に深井戸内でモータポンプが1分間に約3000回転で高速運転した後に運転を停止させると、揚湯管内の湯水は、水中モータポンプのガス抜き用チャキ穴から逆流し、湯水は井戸の水位まで戻る。該水中モータポンプは、地下数百メートルに設置されるが、逆流によって、実に数トンもの水が逆流することになるのである。
その際、水中ポンプの羽根車は、湯水落下の圧力によって反対方向に回転(反転、逆回転)するが、この時、スラスト軸受が破壊されることが多い。水中モータのスラスト軸受の破壊の原因の多くが、上記現象により発生する。
かかる構造が破壊されると、機器全体を交換しなければならないのが現状であり、交換・修理に時間を要すことになるが、そのために湯水の供給を止めることとなり、温泉などの営業に支障をきたす。
そこで、水中モータのスラスト荷重による破壊から保護するための、長期に亘り耐久性のある、より簡便な機構の開発が望まれる。
即ち、本発明は、
<1> 水中ポンプの回転軸に接続して、前記水中ポンプを駆動する水中モータを有する深井戸用水中モータポンプの、
前記水中モータと前記水中ポンプの間に配される、ブレーキA、ブレーキB及び接続シャフトからなり、
該ブレーキA及び該ブレーキBのそれぞれの中心を貫通した該接続シャフトが、該水中モータポンプのポンプ部及びモータ部を連結するように配置され、
1)該水中モータポンプの運転時に、該接続シャフトを貫通させて配された該ブレーキA及び該ブレーキBとが互いに連結しない様に間隔を空けて配されるようにし、
2)該水中モータポンプの運転停止時に、該ブレーキBが垂直に下降し該ブレーキAに嵌合し連結固定されることにより、該水中ポンプの羽根車が逆回転しない様に固定され、該水中ポンプの逆回転を防止し、これにより揚湯管内の湯水を水中モータポンプのガス抜き用チャキ穴から井戸の水位まで逆流させる
ことを特徴とする、深井戸用水中モータポンプの保護装置。
<2> 水中ポンプの回転軸に接続して、前記水中ポンプを駆動する水中モータを有する深井戸用水中モータポンプにおいて、
該水中モータと該水中ポンプの間に、保護装置を備え、
該保護装置は、ブレーキA、ブレーキB及び接続シャフトからなり、
該ブレーキA及び該ブレーキBのそれぞれの中心を貫通した該接続シャフトが、該水中モータポンプのポンプ部及びモータ部を連結するように配置され、
1)該水中モータポンプの運転時に、該接続シャフトを貫通させて配された該ブレーキA及び該ブレーキBとが互いに連結しない様に間隔を空けて配されるようにし、
2)該水中モータポンプの運転停止時に、該ブレーキBが垂直に下降し該ブレーキAに嵌合し連結固定されることにより、該水中ポンプの羽根車が逆回転しない様に固定され、該水中ポンプの逆回転を防止し、これにより揚湯管内の湯水を水中モータポンプのガス抜き用チャキ穴から井戸の水位まで逆流させることを特徴とする保護装置である、
深井戸用水中モータポンプ。
である。
そして、本発明によれば、深井戸用水中モータポンプのモータの停止時に、本発明による保護装置が作動するため、水中ポンプは固定され、羽根車を逆回転させない。ゆえに、モータ軸及びポンプの羽根車を、耐久性があり簡便な構造において逆回転による破壊から保護することができ、モータポンプの寿命を格段に延長させることができ、修理時においても部品交換が容易である。
本発明において、スラスト荷重とは、水中モータポンプの回転軸の軸方向にかかる荷重を指す。
本発明において、スラスト軸受けは、モータ下部に設置され(図中に示さず)、モータの回転の際、軸方向へ働く推力を緩和するためのものである。
図1に、本発明の実施形態を示す。図1に示した本発明の水中モータポンプ全体図中、下部にモータ部6を、上部にポンプ部5を有しており、本発明にかかる深井戸用水中モータポンプの保護装置は両者の間7に配される。なお、モータ部の底部は、地中最下部に配置され、ポンプ部の上部にパイプ部(図中に示さず)が接続され、地上へ湯水が汲み上げられる。図2は、該水中モータポンプの組み立てを模式的に示す図であり、図1の7部分の拡大断面図である。図3は、該水中モータポンプの保護装置の拡大図であり、図2のモータ部、保護装置及びポンプ部を連結するために、上下の外枠1、板フランジ13、及びブレーキA2がねじ止めされ連結された状態の断面図である。
なお、従来型の水中モータポンプは、該保護装置部が無く、モータ部とポンプ部が連結されているのみである。
図8は、本発明の水中モータポンプの保護装置ブレーキA及び保護装置ブレーキBを接続しているシャフトの平面図である。なお、図8の該シャフトの図中、左端が図1の水中モータポンプに配置されたときの上部(ポンプ部側)、右端が下部(モータ部側)にあたる。
本発明の水中モータポンプ保護装置8は、図3に示すように、保護装置ブレーキA2、保護装置ブレーキB3、これらを接続する保護装置接続シャフト4及び外枠1から構成される。上下の外枠は、夫々ポンプ部及びモータ部に固定されている。上下外枠及びブレーキAは、図3に示すように板フランジ13を介して固定されるか、又は該フランジ13構造を有さず直接連結固定されていてもよい。
該保護装置ブレーキA及びBは、水中モータポンプの形状に従い円筒状の形状でありポンプの運転停止時に互いに嵌合することにより両者が固定されるための切り込み構造を有し、該保護装置ブレーキA2には、外枠に固定されるための固定部12を有し、該シャフト4には、該ブレーキB3を固定するための構造、例えば、ブレーキB固定用溝9、モータ部及びポンプ部を固定するための構造、例えば、溝構造(夫々10及び11)を有する。
例えば、図5及び7に示すように、該ブレーキA及び該ブレーキBには、互いに嵌合するように軸部を中心に放射状に6つの隣接する切り込み部分にむかって斜め方向への切り込みが設けられる。
水中モータポンプ運転時には、該ブレーキBはポンプで汲み上げられる水の吸引力により、ブレーキAから離れて位置し、該ブレーキAの上部に位置している。該水中モータポンプの運転停止時には、それまでポンプで汲み上げられた水が、井戸の水位まで戻る力により、該ブレーキBの水中モータポンプの運転時のポンプ内の位置から、押し下げられ該ブレーキAに近接するように下降し、最後には該ブレーキAに嵌合する。これにより、ポンプはこれ以上逆回転しないで回転を停止する。
本発明の保護装置がない従来型の水中モータポンプにおいて、ポンプ部の内部構造は、運転前後に亘る内部の水の吸引力や重力によって、若干の上下移動があるが、本発明は、この現象を利用するものである。
このようにして、ブレーキA及びブレーキBは、該ブレーキBが一方向(逆回転方向)に回転し下降したときのみ互いの凹凸により、逆回転が阻止されるように嵌合するような、AとBとが互いに対応する切込み構造を有する。
なお、切り込み深さは、深すぎても、運転再開時に容易にポンプの回転が開始しないため好ましくなく、浅すぎてもしっかり嵌合できないものは好ましくない。
一方、保護装置のブレーキAは、本発明の保護装置の外枠に固定されており、水中モータポンプ内を上下に軸に沿い移動することはない。
該ブレーキAが、外枠に固定されている該固定方法は、ブレーキAに配置されるフランジ部分と外枠とが、例えば、ねじ穴の固定部12(図5参照)、例えば外周に沿った4箇所のねじにより固定される場合を例示したが、固定方法はこれに限定されるものではない。
該ブレーキBの該シャフトへの固定方法としては、例えば、図8に示すように、シャフトの両端の穴部とポンプ部及びモータ部をねじ止め固定する態様が例示されるが、これに限定されるものではない。
該水中モータポンプの運転時には、該接続シャフトを貫通させて配された保護装置ブレーキA及び保護装置ブレーキBは互いに接していない。
したがって、モータの停止に伴い正方向の回転が停止されているのと同時に、湯水の逆流に伴うポンプの逆回転が抑止される。そして、かかるモータポンプの停止時には、揚湯管内の湯水は、ポンプ部が逆回転するという現象なしにポンプ上部のチャキ穴(図示せず)から流出してポンプ外部を通り、井戸水の水位まで自然落下する。
2 保護装置ブレーキA
3 保護装置ブレーキB
4 保護装置接続シャフト
5 ポンプ部
6 モータ部
7 ポンプ部及びモータ部の接続部分
8 保護装置
9 ブレーキB固定用溝
10 ポンプ部回転軸連結用溝
11 モータ部回転軸連結用溝
12 固定部
13 板フランジ
Claims (2)
- 水中ポンプの回転軸に接続して、前記水中ポンプを駆動する水中モータを有する深井戸用水中モータポンプの、
前記水中モータと前記水中ポンプの間に配される、ブレーキA、ブレーキB及び接続シャフトからなり、
該ブレーキA及び該ブレーキBのそれぞれの中心を貫通した該接続シャフトが、該水中モータポンプのポンプ部及びモータ部を連結するように配置され、
1)該水中モータポンプの運転時に、該接続シャフトを貫通させて配された該ブレーキA及び該ブレーキBとが互いに連結しない様に間隔を空けて配されるようにし、
2)該水中モータポンプの運転停止時に、該ブレーキBが垂直に下降し該ブレーキAに嵌合し連結固定されることにより、該水中ポンプの羽根車が逆回転しない様に固定され、該水中ポンプの逆回転を防止し、これにより揚湯管内の湯水を水中モータポンプのガス抜き用チャキ穴から井戸の水位まで逆流させる
ことを特徴とする、深井戸用水中モータポンプの保護装置。 - 水中ポンプの回転軸に接続して、前記水中ポンプを駆動する水中モータを有する深井戸用水中モータポンプにおいて、
該水中モータと該水中ポンプの間に、保護装置を備え、
該保護装置は、ブレーキA、ブレーキB及び接続シャフトからなり、
該ブレーキA及び該ブレーキBのそれぞれの中心を貫通した該接続シャフトが、該水中モータポンプのポンプ部及びモータ部を連結するように配置され、
1)該水中モータポンプの運転時に、該接続シャフトを貫通させて配された該ブレーキA及び該ブレーキBとが互いに連結しない様に間隔を空けて配されるようにし、
2)該水中モータポンプの運転停止時に、該ブレーキBが垂直に下降し該ブレーキAに嵌合し連結固定されることにより、該水中ポンプの羽根車が逆回転しない様に固定され、該水中ポンプの逆回転を防止し、これにより揚湯管内の湯水を水中モータポンプのガス抜き用チャキ穴から井戸の水位まで逆流させることを特徴とする保護装置である、
深井戸用水中モータポンプ。
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