JP2015109038A - マトリクス処理システム、マトリクス処理方法及びマトリクス処理プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】汎用性の高いマトリクスを構築及び運用すること。
【解決手段】
処理に用いる入力要素を上辺部に配置し、処理の結果を示す結果要素を左辺部に配置し、入力要素に対する処理の内容並びに該処理の結果と結果要素との対応関係を示す処理記号を中央部に配置したマトリクスを構築する。その際、自マトリクスの入力要素及び結果要素として他のマトリクスに対するリンクを張ることで他のマトリクスと連係関係を持ち、マトリクス間で要素の受渡を可能とする。
【選択図】図4

Description

この発明は、処理に用いる1又は複数の入力要素を有する第1辺と、前記処理の結果を示す1又は複数の結果要素を有する第2辺と、前記入力要素に対する処理の内容並びに該処理の結果と前記結果要素との対応関係を示す中央部とを有するマトリクスを処理するマトリクス処理システム、マトリクス処理方法及びマトリクス処理プログラムに関する。
従来、多数のパラメータが複雑に関連するケースにおいて、各パラメータの関連を明瞭にモデル化することが試みられてきた。例えば、製造業の経営管理をモデル化する場合には、材料の調達費用、人件費、作業時間、加工費、歩留、設備投資額、設備のランニングコスト、営業や広告にかかる費用、運搬に要する費用、販売単価、販売個数、売上、利益等の多くのパラメータを有するモデルとなる。
このようなモデルでは、特定のパラメータ間の関係は単純なものであるが、パラメータの数が多く、1のパラメータが多数のパラメータに直接及び間接的に影響するため、全体としては複雑な構造となる。
パラメータ数が大きいケースに好適なモデルとして、構造マトリクスが知られている。特許文献1及び特許文献2が開示する構造マトリクス(以下、「マトリクス」という)は、他のパラメータに影響を与えるパラメータを上辺部に設定し、他のパラメータから影響を受けるパラメータを左辺部に設定し、パラメータ間の関係を中央部に設定した構造を有し、パラメータ間の関係を明瞭に示すことを可能にしたものである。
また、かかるマトリクスでは、組織が上位の構成体と下位の構成体により階層構造をなす場合には、下位の構成体のパラメータを上位の構成体のマトリクスに展開することで、組織全体のモデル化が可能である。例えば、製造統括部の下に国内製造部と海外製造部とが存在するならば、製造統括部のマトリクスに国内製造部のパラメータと海外製造部のパラメータを持たせることとなる。この階層構造を用いれば、複数の階層を有するツリー構造の組織であってもマトリクスの構築が可能である。
特開2002−288278号公報 特開2011−154646号公報
しかしながら、上述した従来技術では、適正なマトリクスの構築及び運用が困難な場合があるという問題点があった。この点を具体的に説明すると、組織の構造が複雑である場合には、従来技術のように組織の構造をそのまま反映したマトリクスを構築することができず、各パラメータの関係を個別に精査してマトリクス上に配置する必要が生じる。また、その結果、マトリクスの構造が組織の構造と乖離し、マトリクスの運用に熟練が求められてしまう。
また、組織の構成体が多い場合には、マトリクスのサイズが過度に大きくなり、運用や管理が困難になる。
さらに、組織の構成体によっては他の構成体に開示すべきでないパラメータを使用する場合があるが、従来の技術では下位の構成体のパラメータが全て開示されてしまうため、パラメータの開示範囲を制御することができない。
これらのことから、組織の構造が複雑である場合、組織の構成体の数が多い場合、パラメータの開示範囲を制御する必要がある場合等、従来の技術では適正なマトリクスの構築及び運用が困難なケースに対応することのできる汎用性の高いマトリクスの実現が重要な課題となっている。
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであって、汎用性の高いマトリクスを構築及び運用可能なマトリクス処理システム、マトリクス処理方法及びマトリクス処理プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、処理に用いる1又は複数の入力要素を有する第1辺と、前記処理の結果を示す1又は複数の結果要素を有する第2辺と、前記入力要素に対する処理の内容並びに該処理の結果と前記結果要素との対応関係を示す中央部とを有するマトリクスを処理するマトリクス処理システムであって、複数のマトリクスを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された複数のマトリクスのうち、所定のマトリクスについて前記処理の開始に要求される入力要素が揃った場合に当該マトリクスの中央部に基づいて前記処理を開始し、当該処理の結果により当該マトリクスの結果要素を更新するマトリクス処理制御手段とを備え、前記複数のマトリクスのうち少なくとも1つは、自マトリクスの前記入力要素及び前記結果要素として他のマトリクスを有することで前記他のマトリクスと連係関係を持ち、前記他のマトリクスの結果要素の少なくとも一部を自マトリクスの結果要素として用いることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記複数のマトリクスのうち少なくとも1つは、自マトリクスの結果要素の一部を自マトリクスの入力要素の一部として用いるループ構造を有することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記複数のマトリクスのうち少なくとも1つは、自マトリクスの前記第1辺が有する入力要素の組合せと自マトリクスの前記第2辺が有する結果要素の組合せとが同一であり、かつ自マトリクスの前記第1辺における入力要素の配置順序と自マトリクスの前記第2辺における結果要素の配置順序とが同一であることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、連係元マトリクスが入力要素及び結果要素として連係先マトリクスを有する場合に、連係先マトリクスが有する入力要素及び結果要素のうち、前記連係元マトリクスの処理に影響する入力要素及び結果要素を抽出したパックマトリクスを前記連係元マトリクスと前記連係先マトリクスとの間の受渡に用いることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記複数のマトリクスの少なくとも一部は、組織を構成する複数の構成体に対応し、前記組織の構造に対応した連係構造を有することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記複数のマトリクスの少なくとも一部は、時系列の複数時点に対応し、前記時系列に対応した連係構造を有することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記入力要素及び前記結果要素は、当該要素の決定に関する時刻情報を用いた識別情報により一意に特定可能であることを特徴とする。
また、本発明は、処理に用いる1又は複数の入力要素を有する第1辺と、前記処理の結果を示す1又は複数の結果要素を有する第2辺と、前記入力要素に対する処理の内容並びに該処理の結果と前記結果要素との対応関係を示す中央部とを有するマトリクスを処理するマトリクス処理方法であって、複数のマトリクスのうち、所定のマトリクスについて前記処理の開始に要求される入力要素が揃った場合に当該マトリクスの中央部に基づいて前記処理を開始する処理開始ステップと、前記処理開始ステップにより開始された処理の結果により前記所定のマトリクスの結果要素を更新する更新ステップと、処理対象のマトリクスの入力要素及び結果要素として他のマトリクスを有する場合に、当該他のマトリクスの処理の開始を求め、当該他のマトリクスの結果要素の少なくとも一部を自マトリクスの結果要素として用いる連係ステップとを含んだことを特徴とする。
また、本発明は、処理に用いる1又は複数の入力要素を有する第1辺と、前記処理の結果を示す1又は複数の結果要素を有する第2辺と、前記入力要素に対する処理の内容並びに該処理の結果と前記結果要素との対応関係を示す中央部とを有するマトリクスを処理するマトリクス処理プログラムであって、複数のマトリクスのうち、所定のマトリクスについて前記処理の開始に要求される入力要素が揃った場合に当該マトリクスの中央部に基づいて前記処理を開始する処理開始プロセスと、前記処理開始プロセスにより開始された処理の結果により前記所定のマトリクスの結果要素を更新する更新プロセスと、処理対象のマトリクスの入力要素及び結果要素として他のマトリクスを有する場合に、当該他のマトリクスの処理の開始を求め、当該他のマトリクスの結果要素の少なくとも一部を自マトリクスの結果要素として用いる連係プロセスとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明によれば、処理に用いる入力要素を上辺部に配置し、処理の結果を示す結果要素を左辺部に配置し、入力要素に対する処理の内容並びに該処理の結果と結果要素との対応関係を示す処理記号を中央部に配置した複数のマトリクスにおいて、複数のマトリクスのうち少なくとも1つは、自マトリクスの入力要素及び結果要素として他のマトリクスを有することで他のマトリクスと連係関係を持ち、他のマトリクスの結果要素の少なくとも一部を自マトリクスの結果要素として用いるよう構成したので、汎用性の高いマトリクスを構築及び運用することができる。
図1は、本実施例にかかるマトリクスの基本構造について説明するための説明図である。 図2は、階層構造の組織に対応したマトリクスについて説明するための説明図である。 図3は、階層を超えた関連を持つ組織の具体例を説明するための説明図である。 図4は、マトリクス間にリンクを張る構成について説明するための説明図である。 図5は、マトリクス間のリンクによる受渡について説明するための説明図である。 図6は、マトリクスにおける入出力のパターンについて説明するための説明図である。 図7は、組織構造のマトリクスと時系列の関係を説明するための説明図である。 図8は、時系列のマトリクスを説明するための説明図である。 図9は、時系列のマトリクスにおける処理について説明するための説明図である。 図10は、マトリクスTS1のMa1の列とマトリクスTS2のMb1の行とが交わるセルについて説明するための説明図である。 図11は、組織構造が変化した場合の時系列のマトリクスにおける処理について説明するための説明図である。 図12は、組織構造のマトリクスの下位に時系列のマトリクスを配置する場合の説明図である。 図13は、マトリクス処理装置の構成を示す構成図である。 図14は、マトリクスの処理手順を示すフローチャートである。
以下に、添付図面を参照して、本発明に係るマトリクス処理システム、マトリクス処理方法及びマトリクス処理プログラムの好適な実施例を詳細に説明する。
まず、本実施例にかかるマトリクスの基本構造について説明する。図1は、本実施例にかかるマトリクスの基本構造について説明するための説明図である。図1に示すように、マトリクスは、上辺部、左辺部及び中央部を有する。上辺部は、処理に用いる1又は複数の入力要素を配置する領域である。左辺部は、処理の結果を示す1又は複数の結果要素を配置する領域である。中央部は、入力要素に対する処理の内容並びに該処理の結果と結果要素との対応関係を示す領域である。
入力要素及び結果要素は、単一の値を有するパラメータであっても良いし、行列形式で複数の値を有するパラメータであってもよい。このように値を直接有するパラメータをデータブロックという。また、入力要素及び結果要素は、後述するように他のマトリクスであってもよい。
図1では、入力要素と結果要素はそれぞれA1〜A5である。また、上辺部A1の列と左辺部A2の行が交わるセルには、A1を用いた処理の結果をA2とすることを示す処理記号が配置されている。中央部のセルに配置する処理記号は、その処理の内容を示す。従って、処理の内容毎に異なる処理記号が用意され、セル上に適宜配置されるのであるが、本実施例では処理の入出力関係にのみ着目し、処理の内容を問わず同一の処理記号を例として用いて説明を行うこととする。
図1に示したように、上辺部A1を用いた処理の結果として得られた左辺部A2は、上辺部A2に反映される。そして、上辺部A2は、左辺部A3及びA4の算出に用いられる。さらに左辺部A3及びA4は、上辺部A3及びA4に反映される。このように、上辺部と左辺部で同一名称の要素は同一の値をとり、処理の結果が反映されるループ構造を形成する。
また、上辺部A3及びA4は、左辺部A5の算出に使用される。左辺部A5の行のように、同一の行に複数の処理記号が配置されている場合には、その全てに対応する入力要素を用いて処理が行われる。一方、上辺部A2の列のように、同一の列に複数の処理記号が配置されている場合には、対応する結果要素の算出に当該列の入力要素が個別に使用される。
このマトリクスの処理を行う場合には、A1が入力されれば、A2〜A5が順次算出されることとなる。このように処理の開始の起点となる要素を始点要素という。始点要素は複数あっても良く、始点要素が複数ある場合には、始点要素が全て入力された時点で処理が開始可能となる。
ここで、上辺部及び左辺部の要素の組合せと配置順序について説明する。図1に示したマトリクスでは、上辺部及び左辺部の要素の組合せが同一(A1〜A5)であり、また配置順序も同一である。この要素のうち、A1は入力要素としてのみ作用する。具体的には、左辺部A1の行には処理記号が配置されていない。このため、左辺部のA1を省略してもよい。同様に、A5は入力要素として使用しない。具体的には、上辺部A5の列には処理記号が配置されていない。このため、上辺部のA5を省略してもよい。
このように、処理の入出力の観点からは省略可能な左辺部A1や上辺部A5を含めてマトリクスを構成することは、デッドロックの発生を回避するという点で有用である。デッドロックは、上辺部と左辺部が同一のセルに処理記号を配置した場合には生ずる。
例えば、A2は入力要素としても結果要素としても用いるため、上辺部と左辺部の双方に必要である。しかし、上辺部A2の列と左辺部A2の行が交わるセルに処理記号を配置すると、上辺部A2を用いて左辺部A2が算出され、左辺部A2が上辺部A2に反映されて更新され、更新された上辺部A2により左辺部A2が更新されるという処理が繰り返される自己ループに陥り、処理が完了しないデッドロックとなるのである。
デッドロックの発生を回避するため、上辺部と左辺部が同一のセルには処理記号を配置しないようマトリクスを構築するのであるが、上辺部と左辺部の要素がバラバラに配置されていると、誤って処理記号を配置するという事態を引き起こしやすい。また、誤って配置された処理記号がないかを確認する場合にも、上辺部と左辺部の要素を精査しながら作業を行う必要があり、大きな負担である。
そこで、図1に示したように、上辺部及び左辺部の要素の組合せと配置順序を同一とすれば、上辺部と左辺部が同一のセルは常に対角線(左上端から右下端への対角線)上に所在することとなる。この対角線上に処理記号を配置しないようにマトリクスを構築すれば、自己ループによるデッドロックの発生を簡易に回避することができる。また、誤って配置された処理記号がないかを確認する場合にも、対角線上のセルに着目して確認すれば良く、作業効率を向上することができる。なお、マトリクスを使用する際に、常に上辺部及び左辺部の要素の組合せと配置順序を同一とする必要があるわけではない。ディスプレイの表示領域の制限などから一度に表示可能な情報量には限界があるので、マトリクスが有する情報のうち、必要に応じて選択された情報を表示することになるのであるが、この表示において適宜上辺部及び左辺部の要素の組合せと配置順序を異ならせることが可能である。
次に、階層構造の組織に対応したマトリクスについて説明する。図2は、階層構造の組織に対応したマトリクスについて説明するための説明図である。図2では、1つの構成体を上位とし、その下位に2つの構成体を有するツリー構造の組織に対応するマトリクスを示している。
図2に示すマトリクスMaは、上位の構成体に対応するマトリクスであり、マトリクスMb及びマトリクスMcは下位の構成体に対応するマトリクスである。マトリクスMbは、Mb上辺部、Mb左辺部及びMb中央部を有する。同様に、マトリクスMcは、Mc上辺部、Mc左辺部及びMc中央部を有する。
マトリクスMaは、Ma上辺部、Ma左辺部及びMa中央部を有する。Ma上辺部は、入力要素として、A1、A2、Mb上辺部、Mb左辺部、A3、A4、Mc上辺部、Mc左辺部及びA5を有する。同様に、Ma左辺部は、入力要素として、A1、A2、Mb上辺部、Mb左辺部、A3、A4、Mc上辺部、Mc左辺部及びA5を有する。
Ma上辺部及びMa左辺部に、Mb上辺部及びMb左辺部が含まれているが、これはマトリクスMbを展開したものである。同様に、Ma上辺部及びMa左辺部に、Mc上辺部及びMc左辺部が含まれているが、これはマトリクスMcを展開したものである。
このように、下位のマトリクスの上辺部及び左辺部を、上位のマトリクスの上辺部及び左辺部にそれぞれ取り込むことにより、上位のマトリクスは下位のマトリクスの内容を含んだ構成となる。
なお、上位のマトリクスでは、下位のマトリクスの上辺部に対応する列と、下位のマトリクスの左辺部に対応する行については処理記号の配置を不能とする。また、下位のマトリクスの左辺部に対応する列と、下位のマトリクスの上辺部に対応する行についてはデータの受け渡しを行うための処理記号のみを配置可能とする。その他のセルについては、任意の処理記号を配置可能である。
図2に示したマトリクスMaではMb上辺部に対応する列と、Mc上辺部に対応する列で処理記号の配置が不能である。また、Mb左辺部に対応する行と、Mc左辺部に対応する行で処理記号の配置が不能である。Mb上辺部に対応する列と、Mb左辺部に対応する行とが交わるセルがマトリクスMbの中央部に対応する。Mc上辺部に対応する列と、Mc左辺部に対応する行とが交わるセルがマトリクスMcの中央部に対応する。そして、Mb左辺部に対応する列と、Mc左辺部に対応する列はデータ受渡用の処理記号のみ配置可能である。また、Mb上辺部に対応する行と、Mc上辺部に対応する行はデータ受渡用の処理記号のみ配置可能である。
具体的には、マトリクスMaのA1とA3がMb上辺部に受け渡される。マトリクスMbでは、受け渡されたA1及びA3を用いて処理を行い、その結果がMb左辺部となる。Mb左辺部は、マトリクスMaのA3に受け渡される。
同様に、マトリクスMaのA3とA4がMc上辺部に受け渡される。マトリクスMcでは、受け渡されたA3及びA4を用いて処理を行い、その結果がMc左辺部となる。Mc左辺部は、マトリクスMaのA5に受け渡される。
図2では組織が2階層である場合を例示したが、下位のマトリクスの上辺部及び左辺部を1階層上のマトリクスに展開していくことにより、3以上の階層を有するツリー構造の組織であってもマトリクスの構築が可能である。
しかしながら、下位のマトリクスの上辺部及び左辺部を1階層上のマトリクスに展開していくと、マトリクスの数が多くなる程、上位のマトリクスのサイズが大きくなり、運用や管理が困難になる。
また、組織は単純なツリー構造とは限らず、1階層を超えて関連が発生する場合には、組織の構造をそのまま反映したマトリクスを構築することができない。図3は、階層を超えた関連を持つ組織の具体例を説明するための説明図である。
図3に示した組織では、企業全体を管理する全社管理部門の下に販売統括部門があり、販売統括部門の下に国内販売部門と海外販売部門がある。また、販売統括部門は、製造統括部門と財務統括部門に影響を与える。製造統括部門の下に国内製造部門と海外製造部門がある。また、製造統括部門は財務統括部門に影響を与える。財務統括部門の下に国内財務部門と海外財務部門がある。また、財務統括部門は全社管理部門に影響を与える。
このように、階層を超えて関連が発生する複雑な構成の組織では、下位のマトリクスの上辺部及び左辺部を1階層上のマトリクスに展開していくのではなく、マトリクス間にリンクを張ることが有効である。
図4は、マトリクス間にリンクを張る構成について説明するための説明図である。図4では、図2と同様に、1つの構成体を上位とし、その下位に2つの構成体を有するツリー構造の組織に対応するマトリクスを示している。
図4に示すマトリクスMaは、上位の構成体に対応するマトリクスであり、マトリクスMb及びマトリクスMcは下位の構成体に対応するマトリクスである。マトリクスMbは、Mb上辺部、Mb左辺部及びMb中央部を有する。同様に、マトリクスMcは、Mc上辺部、Mc左辺部及びMc中央部を有する。
図4に示すマトリクスMaは、Ma上辺部、Ma左辺部及びMa中央部を有する。そして、Ma上辺部は、入力要素として、A1、A2、Mbリンク、A3、A4、Mcリンク及びA5を有する。同様に、Ma左辺部は、入力要素として、A1、A2、Mbリンク、A3、A4、Mcリンク及びA5を有する。
Ma上辺部及びMa左辺部に、Mbリンクが含まれているが、これはマトリクスMbとの間で処理の受渡を行うことを示すものである。同様に、Ma上辺部及びMa左辺部に、Mcリンクが含まれているが、これはマトリクスMcとの間で処理の受渡を行うことを示すものである。
マトリクスのリンクに対応する行及び列では、データの受け渡しを行うための処理記号を配置可能とする。その他のセルについては、任意の処理記号を配置可能である。従って、処理記号の配置が不能なセルが不要であり、マトリクスのサイズが小さくなる。
図4に示したマトリクスMaでは、Mbリンクに対応する行及び列と、Mcリンクに対応する行及び列にデータ受渡用の処理記号が配置されることになる。そして、Mbリンクに対応する行及び列が交わるセルがマトリクスMcの中央部に対応し、Mcリンクに対応する行及び列が交わるセルがマトリクスMcの中央部に対応する。
具体的には、マトリクスMaのA1とA3がMbリンクによりマトリクスMbに受け渡される。マトリクスMbでは、受け渡されたA1及びA3を用いて処理を行う。マトリクスMbの処理の結果は、マトリクスMaのA3に受け渡される。
同様に、マトリクスMaのA3とA4がMcリンクによりマトリクスMcに受け渡される。マトリクスMcでは、受け渡されたA3及びA4を用いて処理を行う。マトリクスMcの処理の結果は、マトリクスMaのA5に受け渡される。
このように、他のマトリクスに対するリンクを設定すれば、下位のマトリクスの上辺部及び左辺部を展開する構成よりもマトリクスMaのサイズを小さくすることができる。この効果は、関連するマトリクスの数が多くなるほど顕著である。
また、マトリクス間にリンクを張る構成であれば、階層を超えて関連が発生する複雑な構成の組織に対応するマトリクスを構築する場合であっても、組織の構成に対応するリンクを張れば良く、組織の構成に即したマトリクスを構築することができる。
次に、マトリクス間のリンクによる受渡について説明する。図5は、マトリクス間のリンクによる受渡について説明するための説明図である。マトリクス間のリンクにより受渡を行う場合には、リンク先のマトリクスが有する入力要素及び結果要素のうち、リンク元マトリクスの処理に影響する入力要素及び結果要素を抽出したパックマトリクスを用いる。
図5では、マトリクスMaがリンク元マトリクスであり、マトリクスMbがリンク先マトリクスである。リンク先マトリクスであるマトリクスMbは、上辺部及び左辺部にB1〜B8の要素を含む。このうち、B1、B3及びB4がリンク元マトリクスであるマトリクスMaから受け渡される要素であり、B7及びB8がリンク元マトリクスであるマトリクスMaに受け渡すマトリクスである。
この場合には、マトリクスMaとマトリクスMbで受け渡されるパックマトリクスは、上辺部に入力要素としてB1、B3及びB4を有し、結果要素としてB7及びB8を有する。B2、B5及びB6は、マトリクスMbのみで使用されるため、パックマトリクスには含めない。
図5に示したマトリクスMbでは、B1及びB2が始点要素である。B1は既に説明したようにリンク元のマトリクスMaから受け渡される。B2は、マトリクスMbに直接入力されるデータブロックである。
B1の受渡とB2の入力により、始点要素が揃うと、B1及びB2からB5が算出され、B3〜5からB6が算出され、B5からB7が算出され、B2及びB6によりB8が算出される。そして、B7及びB8は、パックマトリクスによりリンク元であるマトリクスMaに受け渡されることになる。
このように、リンク元マトリクスの処理に影響する入力要素及び結果要素を抽出したパックマトリクスを用いて受渡を行うことにより、マトリクスMbのみで使用されるB2、B5及びB6は、マトリクスMa側に開示されない。このため、パラメータの開示範囲を制御することが可能となる。
次に、マトリクスにおける入出力のパターンについて説明する。図6は、マトリクスにおける入出力のパターンについて説明するための説明図である。図6に示す単一構造マトリクスは、リンクを持たないマトリクスである。パックマトリクスは、リンクによる受渡に用いるマトリクスであり、データブロックは単一又は行列形式の値を持つ要素である。
処理対象のマトリクスの上辺部の入力要素が他の単一構造マトリクスである場合には、その左辺部が処理対象のマトリクスの入力要素として用いられる。同様に、処理対象のマトリクスの上辺部の入力要素がパックマトリクスである場合には、その左辺部が処理対象のマトリクスの入力要素として用いられる。そして、処理対象のマトリクスの上辺部の入力要素がデータブロックである場合には、その値が処理対象のマトリクスの入力要素として直接用いられる。
処理対象のマトリクスの左辺部の結果要素が他の単一構造マトリクスである場合には、処理結果が他の単一構造マトリクスの入力要素として用いられる。同様に、処理対象のマトリクスの左辺部の結果要素がパックマトリクスである場合には、処理結果がパックマトリクスの入力要素として用いられる。そして、処理対象のマトリクスの左辺部の結果要素がデータブロックである場合には、その値が処理対象のマトリクスの入力要素となる。
次に、時系列のマトリクスについて説明する。例えば、ある企業の昨年度の状態を示すパラメータは、次の年度の状態を示すパラメータと関係する。このように、時点が異なるパラメータが関係を有する場合には、各時点のパラメータの関係を示す時系列のマトリクスが構築できる。
さらに、時系列のマトリクスは、組織構造のマトリクスと組み合わせることもできる。図7は、組織構造のマトリクスと時系列の関係を説明するための説明図である。図7では、時点TS1〜TS6での組織構造のマトリクスを示している。
時点TS1では、組織構造のマトリクスは、マトリクスM0の下にマトリクスMa1及びMb1を有する。また、マトリクスMa1の下にマトリクスMa11〜Ma13を有し、マトリクスMa11の下にマトリクスMa111〜Ma113を有する。そして、マトリクスMb1の下にマトリクスMb11及びMb12を有する。
時点TS2〜TS4における組織構造のマトリクスは、時点TS1における組織構造のマトリクスと同一であるが、各マトリクスはその時点のものであり、内容は異なる。時点TS5における組織構造のマトリクスは、マトリクスM0の下にマトリクスMc1が追加されている点が時点TS1〜TS4と異なるが、その他の構成は同一である。時点TS6における組織構造のマトリクスは、時点TS5における組織構造のマトリクスと同一であるが、各マトリクスはその時点のものであり、内容は異なる。
図8は、時系列のマトリクスを説明するための説明図である。図8に示す時系列のマトリクスは、図7に示した時系列から構築したマトリクスである。図8に示すように、時系列のマトリクスの上辺部は、入力要素としてマトリクスTS1〜TS5を有する。また、時系列のマトリクスの左辺部は、結果要素としてマトリクスTS2〜TS6を有する。入力要素及び結果要素のマトリクスTS1〜TS6は、それぞれ対応する時系列の組織構造のマトリクスへのリンクとなっている。
具体的には、マトリクスTS1を用いてマトリクスTS2が算出され、マトリクスTS1及びTS2を用いてマトリクスTS3が算出される。また、マトリクスTS1〜TS3を用いてマトリクスTS4が算出され、マトリクスTS2〜TS4を用いてマトリクスTS5が算出され、マトリクスTS3〜TS5を用いてマトリクスTS6が算出される。
時系列のマトリクスにおいても、図1に示したように上辺部及び左辺部の要素の組合せと配置順序を同一とし、デッドロックの発生を回避してもよい。しかし、時系列のマトリクスでは、要素間の関係に規則性があり、比較的単純なパターンの繰り返しとなるため、図8に示したように上辺部及び左辺部の要素の組合せを異ならせたとしても、デッドロックの回避は容易である。
次に、時系列のマトリクスにおける処理について更に説明する。図9は、時系列のマトリクスにおける処理について説明するための説明図である。具体的には、図8におけるマトリクスTS1を入力要素とし、マトリクスTS2を結果要素とするセルの詳細である。
図9に示すように、マトリクスTS1は、時点TS1における組織構造のマトリクスを有する。具体的には、マトリクスM0、マトリクスMa1、マトリクスMa11、マトリクスMa111〜Ma113、マトリクスMa12、マトリクスMa13、マトリクスMb1、マトリクMb11及びMb12を有する。
また、マトリクスTS2は、時点TS2における組織構造のマトリクスを有する。具体的には、マトリクスM0、マトリクスMa1、マトリクスMa11、マトリクスMa111〜Ma113、マトリクスMa12、マトリクスMa13、マトリクスMb1、マトリクMb11及びMb12を有する。
マトリクスTS2のM0は、マトリクスTS1のM0、Ma1及びMb1に基づいて算出される。なお、マトリクスTS2のM0と、マトリクスTS1のM0とは別のマトリクスであるので自己ループは発生しない。
マトリクスTS2のMa1は、マトリクスTS1のMa1に基づいて算出される。同様に、マトリクスTS2のMa11、Ma111〜Ma113、Ma12及びMa13は、それぞれマトリクスTS1のMa11、Ma111〜Ma113、Ma12及びMa13に基づいて算出される。
マトリクスTS2のMb1は、マトリクスTS1のMa1及びMb1に基づいて算出される。そして、マトリクスTS2のMb11及びMb12は、それぞれマトリクスTS1のMb11及びMb12に基づいて算出される。
ここで、図9に示したマトリクスTS1のMa1の列とマトリクスTS2のMb1の行とが交わるセルについてさらに説明する。図10は、マトリクスTS1のMa1の列とマトリクスTS2のMb1の行とが交わるセルについて説明するための説明図である。
このセルでは、図10(a)に示すように、マトリクスTS1のMa1の左辺部が入力要素として用いられる。Ma1の左辺部は、A1、A2、Ma11リンク、A3、Ma12リンク、A4、Ma13リンク、A5を要素として有し、A1〜A5はデータブロックとする。
また、このセルの処理の結果は、マトリクスTS2のMb1の上辺部に渡される。Mb1の上辺部は、B1、Mb11リンク、B2、Mb12リンク、B3を要素として有し、B1〜B3はデータブロックとする。
このように、Ma11〜Ma13及びMb11〜Mb12へのリンクが含まれているが、図9に示したように、Ma11〜Ma13及びMb11〜Mb12は、時系列マトリクスに既に展開されており、これらのマトリクスへのリンクは重複した状態となる。
そこで、図10(b)に示したように、重複するマトリクスへのリンクは省略し、データブロックであるA1〜A5及びB1〜B3を残して処理を行えばよい。
次に、組織構造が変化した場合の時系列のマトリクスにおける処理について説明する。図11は、組織構造が変化した場合の時系列のマトリクスにおける処理について説明するための説明図である。具体的には、図8におけるマトリクスTS4を入力要素とし、マトリクスTS5を結果要素とするセルの詳細である。
マトリクスTS4は、図9に示したマトリクスTS1と同様に、マトリクスM0、マトリクスMa1、マトリクスMa11、マトリクスMa111〜Ma113、マトリクスMa12、マトリクスMa13、マトリクスMb1、マトリクMb11及びMb12を有する。
これに対し、マトリクスTS5は、マトリクスMc1をさらに有する。これは、時点TS5における組織構造のマトリクスにおいて、マトリクスM0の下にマトリクスMc1が追加されたためである。
このように組織構造のマトリクスに変化があったとしても、図11に示したようにマトリクスの処理が可能である。図11では、マトリクスTS5のMc1は、マトリクスTS4のMa1、Mb1及びMb12に基づいて算出することとなっている。
ここまでの説明では、時系列のマトリクスを上位とし、その下位に組織構造のマトリクスを配置する構成を説明したが、組織構造のマトリクスの下位に時系列のマトリクスを配置してもよい。
図12は、組織構造のマトリクスの下位に時系列のマトリクスを配置する場合の説明図である。図12(a)に示すように、組織構造のマトリクスは、マトリクスM0の下にマトリクスMa1及びMb1を有する。そして、このマトリクスMa1は、時点TS1〜TS3に対応する時系列のマトリクスにより決定される。
図12(b)は、図12(a)に示したマトリクスM0の詳細である。マトリクスM0は、組織構造に対応したマトリクスであり、M0の上辺部及び左辺部にはMa1及びMb1を有する。
図12(c)は、図12(a)に示したマトリクスMa1の詳細である。マトリクスMa1(TS3)は、時点TS3におけるマトリクスである。このマトリクスMa1(TS3)は、上辺部及び左辺部に、Ma1(TS1)リンク、Ma1(TS2)リンク、A1〜A3を有する。Ma1(TS1)リンクは、時点TS1におけるマトリクスMa1へのリンクであり、Ma1(TS2)リンクは、時点TS2におけるマトリクスMa1へのリンクである。このように、マトリクスMa1は、時系列のマトリクスへのリンクを含んで構築されている。なお、A1〜A3はデータブロックである。
次に、マトリクスを処理するマトリクス処理装置の構成について説明する。図13は、マトリクス処理装置の構成を示す構成図である。図13に示すように、マトリクス処理装置10は、入力部11、出力部12、通信部13、記憶部14及び制御部15を有する。
入力部11は、キーボードやマウス等であり、出力部12は液晶パネルやディスプレイ装置等である。また、通信部13は、外部の装置と通信する通信インタフェースである。記憶部14は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、マトリクス構造データ14a、処理記号定義データ14b及び要素定義データ14cを記憶する。
マトリクス構造データ14aは、上述したマトリクスの構造を特定するデータであり、1又は複数のマトリクスがこのマトリクス構造データ14aに格納されている。処理記号定義データ14bは、マトリクスの中央部に配置する処理記号について、どのような処理を行うかの定義を示すデータである。要素定義データ14cは、マトリクスの上辺部及び左辺部に配置する要素を定義するデータである。
ここで、要素定義データ14cにより定義される各要素は、全マトリクスで一意に識別可能であることが求められる。そこで、要素を定義する場合には、当該要素の決定に関する時刻情報を利用した識別情報を対応付ける。例えば、要素の定義時点の時刻を要素の識別情報の一部に含めるのである。
このように時刻情報を識別情報に含めることとすれば、新たな要素の定義を行う時に既に定義済の要素と重複する名称を付けたとしても、定義を行った時刻が異なるため、それぞれの要素を個別に取り扱うことができる。なお、要素の名称を表示する場合には、必ずしも識別情報を表示する必要はない。また、新たに定義を行う時の時刻情報に限らず、定義を変更した時の時刻情報を用いてもよい。
制御部15は、マトリクス処理装置10を全体制御する制御部であり、マトリクス要素定義部15a、マトリクス構築部15b、マトリクス入出力処理部15c、マトリクス受渡処理部15d及びマトリクス演算処理部15eを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、マトリクス要素定義部15a、マトリクス構築部15b、マトリクス入出力処理部15c、マトリクス受渡処理部15d及びマトリクス演算処理部15eにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
マトリクス要素定義部15aは、マトリクスの上辺部及び左辺部に配置する要素を定義し、要素定義データ14cとして記憶部14に格納する処理部である。具体的には、オペレータが入力部11により入力した要素の定義や、通信部13が他の装置から受信した要素の定義を用いて要素定義データ14cを更新していくことになる。
マトリクス構築部15bは、マトリクスを構築し、マトリクス構造データ14aとして記憶部14に格納する処理部である。オペレータが入力部11により入力を行ってマトリクスを構築する場合には、上辺部及び左辺部に要素を配置し、中央部に処理記号を配置することで1のマトリクスを構築することとなる。このとき、1のマトリクスの構築に際し、他のマトリクスへのリンクを張ることもできる。また、通信部13が他の装置からマトリクスの構造を示すデータを受信した場合には、受信したマトリクスをマトリクス構造データ14aとして格納することができる。
マトリクス入出力処理部15cは、マトリクス構造データ14aに格納されたマトリクスに対し、データブロックの入出力を行う処理部である。データブロックの入力は、入力部11により受け付けてもよいし、通信部13により他の装置から受信してもよい。また、データブロックの出力は、出力部12により出力してもよいし、通信部13により他の装置に送信してもよい。
マトリクス受渡処理部15dは、パックマトリクスの受渡を行う処理部である。リンク元マトリクスとリンク先マトリクスの双方がマトリクス構造データ14aに格納されているならば、パックマトリクスの受渡は、マトリクス処理装置10内で完結する。一方、リンク元マトリクスとリンク先マトリクスのいずれかが他の装置に格納されている場合には、通信部13によりパックマトリクスの送受信を行うこととなる。
マトリクス演算処理部15eは、マトリクスの処理を行う処理部である。具体的には、マトリクス入出力処理部15cによるデータブロックの入力や、マトリクス受渡処理部15dによるパックマトリクスの受渡により始点要素が揃った場合に、当該マトリクスの処理を開始する。処理結果は自マトリクスの更新、他マトリクスへの受渡、出力部12への出力に用いられる。なお、処理の途中で必要な要素に不足が生じた場合には、処理を中断し、必要な要素が揃うのを待って処理を再開する。
次に、マトリクスの処理手順について説明する。図14は、マトリクスの処理手順を示すフローチャートである。まず、マトリクス入出力処理部15c及びマトリクス受渡処理部15dは、入力要素を受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。具体的には、マトリクス入出力処理部15cは、入力部11による受付や通信部13による受信によってデータブロックを入力要素として受け付ける。また、マトリクス受渡処理部15dは、パックマトリクスの受渡により入力要素を受け付ける。
入力要素を受け付けたならば(ステップS101;Yes)、受け付けた入力要素はマトリクスの上辺部に適用される(ステップS102)。ステップS102の後、若しくはデータブロックの入力が行われていない場合(ステップS101;No)、マトリクス演算処理部15eは、処理に必要な入力要素が揃ったかを判定する(ステップS103)。処理に必要な入力要素が揃っていない場合(ステップS103;No)、ステップS101に移行する。
処理に必要な入力要素が揃ったならば(ステップS103;Yes)、マトリクス演算処理部15eは、中央部に配置された処理記号に基づいて処理を実行し(ステップS104)、処理結果を出力する(ステップS105)。この処理結果の出力は、結果要素の更新の他、出力部12への出力やパックマトリクスの受渡などを含めることができる。
ステップS105の後、マトリクス演算処理部15eは、処理結果である結果要素が自マトリクスの入力要素として使用されるか否かを判定する(ステップS106)。結果要素を自マトリクスの入力要素として使用するならば(ステップS106;Yes)、マトリクス演算処理部15eはステップS101に移行し、処理を継続する。結果要素を自マトリクスの入力要素として使用しないならば(ステップS106;No)、マトリクス入出力処理部15cは、最終的な処理結果を出力部12に出力し(ステップS107)、処理を終了する。
上述してきたように、本実施例では、マトリクスの上辺部及び左辺部に他のマトリクスへのリンクを配置することで、複数のマトリクスを連係させて処理する。このため、組織の構造が複雑であっても組織の構造に即したマトリクスを構築することが可能となるとともに、マトリクスのサイズを抑制することができる。
また、上辺部及び左辺部の要素の組合せと配置順序を同一とすることで、自己ループによるデッドロックの発生を簡易に回避することができる。また、誤って配置された処理記号がないかを確認する作業の効率を向上することができる。
また、リンク元マトリクスの処理に影響する入力要素及び結果要素を抽出したパックマトリクスを用いてマトリクス間の受渡を行うことにより、パラメータの開示範囲を制御することが可能である。
本発明に係るマトリクスにより、組織等の管理を行う際に、現場の細部に至るまで、必要な情報を適宜参照することが可能となる。すなわち、上位のマトリクスにより全体を俯瞰し、必要に応じて細部のマトリクスへのリンクを辿り、詳細を確認することが可能となっている。
なお、本実施例では、企業の組織構造に対応したマトリクスを構築する場合を例に説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、プラントの設計、物流、工程管理、工場内物流管理、保険会社等の収益管理、ガスや電力等の基盤の運用、会計管理、人事計画等に多数のパラメータが複雑に関連するケースのモデル化に広く適用することが可能である。例えば、人事計画をモデル化する場合には、年間給与や対象者の査定をそれぞれマトリクスとし、これらのマトリクスを時系列で連係させたモデルを構築することで、人事計画の策定及び評価に用いることができる。
以上のように、本発明に係るマトリクス処理システム、マトリクス処理方法及びマトリクス処理プログラムは、汎用性の高いマトリクスの構築及び運用に適している。
10 マトリクス処理装置
11 入力部
12 出力部
13 通信部
14 記憶部
14a マトリクス構造データ
14b 処理記号定義データ
14c 要素定義データ
15 制御部
15a マトリクス要素定義部
15b マトリクス構築部
15c マトリクス入出力処理部
15d マトリクス受渡処理部
15e マトリクス演算処理部

Claims (9)

  1. 処理に用いる1又は複数の入力要素を有する第1辺と、前記処理の結果を示す1又は複数の結果要素を有する第2辺と、前記入力要素に対する処理の内容並びに該処理の結果と前記結果要素との対応関係を示す中央部とを有するマトリクスを処理するマトリクス処理システムであって、
    複数のマトリクスを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された複数のマトリクスのうち、所定のマトリクスについて前記処理の開始に要求される入力要素が揃った場合に当該マトリクスの中央部に基づいて前記処理を開始し、当該処理の結果により当該マトリクスの結果要素を更新するマトリクス処理制御手段と
    を備え、
    前記複数のマトリクスのうち少なくとも1つは、自マトリクスの前記入力要素及び前記結果要素として他のマトリクスを有することで前記他のマトリクスと連係関係を持ち、前記他のマトリクスの結果要素の少なくとも一部を自マトリクスの結果要素として用いる
    ことを特徴とするマトリクス処理システム。
  2. 前記複数のマトリクスのうち少なくとも1つは、自マトリクスの結果要素の一部を自マトリクスの入力要素の一部として用いるループ構造を有することを特徴とする請求項1に記載のマトリクス処理システム。
  3. 前記複数のマトリクスのうち少なくとも1つは、自マトリクスの前記第1辺が有する入力要素の組合せと自マトリクスの前記第2辺が有する結果要素の組合せとが同一であり、かつ自マトリクスの前記第1辺における入力要素の配置順序と自マトリクスの前記第2辺における結果要素の配置順序とが同一であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマトリクス処理システム。
  4. 連係元マトリクスが入力要素及び結果要素として連係先マトリクスを有する場合に、連係先マトリクスが有する入力要素及び結果要素のうち、前記連係元マトリクスの処理に影響する入力要素及び結果要素を抽出したパックマトリクスを前記連係元マトリクスと前記連係先マトリクスとの間の受渡に用いることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のマトリクス処理システム。
  5. 前記複数のマトリクスの少なくとも一部は、組織を構成する複数の構成体に対応し、前記組織の構造に対応した連係構造を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のマトリクス処理システム。
  6. 前記複数のマトリクスの少なくとも一部は、時系列の複数時点に対応し、前記時系列に対応した連係構造を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のマトリクス処理システム。
  7. 前記入力要素及び前記結果要素は、当該要素の決定に関する時刻情報を用いた識別情報により一意に特定可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のマトリクス処理システム。
  8. 処理に用いる1又は複数の入力要素を有する第1辺と、前記処理の結果を示す1又は複数の結果要素を有する第2辺と、前記入力要素に対する処理の内容並びに該処理の結果と前記結果要素との対応関係を示す中央部とを有するマトリクスを処理するマトリクス処理方法であって、
    複数のマトリクスのうち、所定のマトリクスについて前記処理の開始に要求される入力要素が揃った場合に当該マトリクスの中央部に基づいて前記処理を開始する処理開始ステップと、
    前記処理開始ステップにより開始された処理の結果により前記所定のマトリクスの結果要素を更新する更新ステップと、
    処理対象のマトリクスの入力要素及び結果要素として他のマトリクスを有する場合に、当該他のマトリクスの処理の開始を求め、当該他のマトリクスの結果要素の少なくとも一部を自マトリクスの結果要素として用いる連係ステップと
    を含んだことを特徴とするマトリクス処理方法。
  9. 処理に用いる1又は複数の入力要素を有する第1辺と、前記処理の結果を示す1又は複数の結果要素を有する第2辺と、前記入力要素に対する処理の内容並びに該処理の結果と前記結果要素との対応関係を示す中央部とを有するマトリクスを処理するマトリクス処理プログラムであって、
    複数のマトリクスのうち、所定のマトリクスについて前記処理の開始に要求される入力要素が揃った場合に当該マトリクスの中央部に基づいて前記処理を開始する処理開始プロセスと、
    前記処理開始プロセスにより開始された処理の結果により前記所定のマトリクスの結果要素を更新する更新プロセスと、
    処理対象のマトリクスの入力要素及び結果要素として他のマトリクスを有する場合に、当該他のマトリクスの処理の開始を求め、当該他のマトリクスの結果要素の少なくとも一部を自マトリクスの結果要素として用いる連係プロセスと
    をコンピュータに実行させることを特徴とするマトリクス処理プログラム。
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