JP2015108736A - 光学異方性膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1] 工程(1)〜(3)をこの順に行う光学異方性膜の製造方法。
(1)液晶化合物及び溶剤を含む光学異方性膜形成用組成物を、基材に塗布する工程
(2)光学異方性形成用組成物に、赤外線を5秒〜5分間照射する工程
(3)赤外線を照射された光学異方性膜形成用組成物を、60℃〜200℃に加熱し乾燥する工程
[2] 赤外線が、赤外線照射器によって照射される[1]に記載の光学異方性膜の製造方法。
[3] 赤外線照射器から、基材に塗布された光学異方性形成用組成物までの距離が1cm〜100cmの範囲である[2]に記載の光学異方性膜の製造方法。
[4] 赤外線照射器の温度が、40℃〜200℃である[2]又は[3]に記載の光学異方性膜の製造方法。
[5] 乾燥が、風速が1m/秒以上10m/秒以下、温度が60℃以上200℃以下の雰囲気で行われる[1]〜[4]のいずれかに記載の光学異方性膜の製造方法。
[6] 光学異方性膜形成用組成物に含まれる溶剤の蒸気圧が0.01kPa以上0.6kPa以下である[1]〜[5]のいずれかに記載の光学異方性膜の製造方法。
[7] 基材が、長尺方向の長さが100m以上の長尺フィルムロールである[1]〜[6]のいずれかに記載の光学異方性膜の製造方法。
[8] 工程(1)〜(3)を連続して行う[1]〜[7]のいずれかに記載の光学異方性膜の製造方法。
[9] 基材を3〜20m/分の速度で搬送しながら行う[8]に記載の光学異方性膜の製造方法。
[10] [1]〜[9]のいずれかに記載の光学異方性膜の製造方法によって得られる光学異方性膜。
[11] 液晶化合物が垂直配向した[10]に記載の光学異方性膜。
[12] IPS(in-plane switching)液晶表示装置用の[10]又は[11]に記載の光学異方性膜。
[13] [10]〜[12]のいずれかに記載の光学異方性膜を含む位相差フィルム。
[14] [10]〜[12]のいずれかに記載の光学異方性膜を含む偏光板。
[15] [10]〜[12]のいずれかにに記載の光学異方性膜を備える表示装置。
(1)液晶化合物及び溶剤を含む光学異方性膜形成用組成物を、基材に塗布する工程
(2)光学異方性形成用組成物に、赤外線を照射する工程
(3)赤外線を照射された光学異方性膜形成用組成物を、80℃〜120℃に加熱し乾燥する工程
基材は、樹脂基材であることが好ましい。
樹脂基材は、通常透明樹脂基材である。透明樹脂基材とは、光、特に可視光を透過し得る透光性を有する基材を意味し、透光性とは、波長380〜780nmにわたる光線に対しての透過率が80%以上となる特性をいう。樹脂基材には、通常フィルム状のものが用いられ、好ましくは長尺フィルムロールが用いられる。
基材の、光学異方性膜形成用組成物が塗布される面には、好ましくは配向膜が形成されている。
配向膜とは、後述する液晶化合物を所望の方向に配向させる、配向規制力を有するものである。
配向膜としては、光学異方性膜形成用組成物の塗布等により溶解しない溶剤耐性を有し、また、溶剤の除去や液晶化合物の配向のための加熱処理における耐熱性を有するものが好ましい。配向膜としては、配向性ポリマーを含む配向膜、光配向膜及び、表面に凹凸パターンや複数の溝を有するグルブ配向膜等が挙げられる。
配向性ポリマーとしては、アミド結合を有するポリアミドやゼラチン類、イミド結合を有するポリイミド及びその加水分解物であるポリアミック酸、ポリビニルアルコール、アルキル変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリオキサゾール、ポリエチレンイミン、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸エステル類が挙げられる。中でも、ポリビニルアルコールが好ましい。2種以上の配向性ポリマーを組み合わせてもよい。
ラビング処理を行う時に、マスキングを行えば、配向の方向が異なる複数の領域(パターン)を配向膜に形成することもできる。
光配向膜は、通常、光反応性基を有するポリマー又はモノマーと溶剤とを含む光配向膜形成用組成物を基材に塗布し、偏光(好ましくは、偏光UV)を照射することで得られる。光配向膜は、照射する偏光の偏光方向を選択することにより、配向規制力の方向を任意に制御することができる。
グルブ(groove)配向膜は、膜表面に凹凸パターン又は複数のグルブ(溝)を有する膜である。等間隔に並んだ複数の直線状のグルブを有する膜に液晶分子を置いた場合、その溝に沿った方向に液晶分子が配向する。
単官能アクリレートとは、アクリロイルオキシ基(CH2=CH−COO−)及びメタクリロイルオキシ基(CH2=C(CH3)−COO−)からなる群より選ばれる基(以下、(メタ)アクリロイルオキシ基と記すこともある。)を1個有する化合物である。また、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート;エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート;トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物;
トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物;
カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物;カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、及びカプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物等が挙げられる。
カプロラクトン変性とは、(メタ)アクリレート化合物のアルコール由来部位と(メタ)アクリロイルオキシ基との間に、カプロラクトンの開環体、又は、開環重合体が導入されていることを意味する。
光学異方性膜形成用組成物は、液晶化合物と溶剤とを含む。
液晶化合物としては、例えば、式(X)で表される基を含む化合物(以下「化合物(X)」という場合がある)が挙げられる。液晶化合物は一種類でもよいし、異なる構造の化合物を複数組み合わせてもよい。
P11−B11−E11−B12−A11−B13− (X)
[式(X)中、P11は、水素原子又は重合性基を表わす。
A11は、2価の脂環式炭化水素基または2価の芳香族炭化水素基を表わす。該2価の脂環式炭化水素基および2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基で置換されていてもよく、該炭素数1〜6のアルキル基および該炭素数1〜6アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。
B11は、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−NR16−、−NR16−CO−、−CO−、−CS−または単結合を表わす。R16は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表わす。
B12およびB13は、それぞれ独立に、−C≡C−、−CH=CH−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−C(=O)−NR16−、−NR16−C(=O)−、−OCH2−、−OCF2−、−CH2O−、−CF2O−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−または単結合を表わす。
E11は、炭素数1〜12のアルカンジイル基を表わし、該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルコキシ基で置換されていてもよく、該アルコキシ基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。また、該アルカンジイル基を構成する−CH2−は、−O−または−CO−に置き換わっていてもよい。]
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、へキサン−1,6−ジイル基、へプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基およびドデカン−1,12−ジイル基等の炭素数1〜12の直鎖状アルカンジイル基;−CH2−CH2−O−CH2−CH2−、−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH2−CH2−および−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH2−CH2−等が挙げられる。
B11としては、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−が好ましく、中でも、−CO−O−がより好ましい。
B12およびB13としては、それぞれ独立に、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−が好ましく、中でも、−O−または−O−C(=O)−O−がより好ましい。
[式(P−11)〜(P−15)中、
R17〜R21はそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基または水素原子を表わす。]
P11−B11−で表わされる基が、アクリロイルオキシ基またはメタアクリロイルオキシ基であることがさらに好ましい。
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-A14-B16-E12-B17-P12 (I)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-A14-F11 (II)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-E12-B17-P12 (III)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-F11 (IV)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-E12-B17-P12 (V)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-F11 (VI)
(式中、
A12〜A14はそれぞれ独立に、A11と同義であり、B14〜B16はそれぞれ独立に、B12と同義であり、B17は、B11と同義であり、E12は、E11と同義である。
F11は、水素原子、炭素数1〜13のアルキル基、炭素数1〜13のアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、ジメチルアミノ基、ヒドロキシ基、メチロール基、ホルミル基、スルホ基(−SO3H)、カルボキシ基、炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基またはハロゲン原子を表わし、該アルキル基およびアルコキシ基を構成する−CH2−は、−O−に置き換っていてもよい。
液晶化合物は好ましくは重合性基を有する。かかる重合性基としては、上記したP11で示される重合性基が挙げられる。
溶剤としては、液晶化合物等の光学異方性膜形成用組成物の構成成分を溶解し得る有機溶剤が好ましく、液晶化合物等の光学異方性膜形成用組成物の構成成分を溶解し得る溶剤であって、且つ、液晶化合物の重合反応に不活性な溶剤がより好ましい。
具体的には、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、フェノール等のアルコール溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、プロピオン酸ブチル、酢酸2−メトキシエチル、酢酸2−エトキシエチル、酢酸イソアミル、アセト酢酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等のエステル溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、N−メチル−2−ピロリジノン等のケトン溶剤;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の非塩素化脂肪族炭化水素溶剤;トルエン、キシレン等の非塩素化芳香族炭化水素溶剤;アセトニトリル等のニトリル溶剤;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル溶剤;およびクロロホルム、クロロベンゼン等の塩素化炭化水素溶剤;が挙げられる。二種以上の有機溶剤を組み合わせて用いてもよい。
好ましくは、アルコール溶剤、エステル溶剤、ケトン溶剤、非塩素化脂肪族炭化水素溶剤及び非塩素化芳香族炭化水素溶剤である。また、好ましくは、蒸気圧が0.01kPa以上0.6kPa以下の溶剤である。かかる範囲の蒸気圧を有する溶剤としては、ブチルセロソルブ、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート、乳酸エチル、プロピオン酸ブチル、酢酸2−メトキシエチル、酢酸2−エトキシエチル、酢酸イソアミル、アセト酢酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリジノンが挙げられる。
重合開始剤としては、光重合開始剤が好ましく、光照射によりラジカルを発生する光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、ベンゾイン化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンジルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、α−アセトフェノン化合物、トリアジン化合物、ヨードニウム塩およびスルホニウム塩が挙げられる。具体的には、イルガキュア(Irgacure)907、イルガキュア184、イルガキュア651、イルガキュア819、イルガキュア250、イルガキュア369(以上、全てチバ・ジャパン株式会社製)、セイクオールBZ、セイクオールZ、セイクオールBEE(以上、全て精工化学株式会社製)、カヤキュアー(kayacure)BP100(日本化薬株式会社製)、カヤキュアーUVI−6992(ダウ社製)、アデカオプトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170(以上、全て株式会社ADEKA製)、TAZ−A、TAZ−PP(以上、日本シイベルヘグナー社製)およびTAZ−104(三和ケミカル社製)等が挙げられる。中でも、α−アセトフェノン化合物が好ましく、α−アセトフェノン化合物としては、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オン及び2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−(4−メチルフェニルメチル)ブタン−1−オン等が挙げられ、より好ましくは2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン及び2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オンが挙げられる。α−アセトフェノン化合物の市販品としては、イルガキュア369、379EG、907(以上、BASFジャパン(株)製)及びセイクオールBEE(精工化学社製)等が挙げられる。
重合禁止剤としては、ハイドロキノンおよびアルキルエーテル等の置換基を有するハイドロキノン類;ブチルカテコール等のアルキルエーテル等の置換基を有するカテコール類;ピロガロール類、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル等のラジカル補足剤;チオフェノール類;β−ナフチルアミン類およびβ−ナフトール類が挙げられる。
重合禁止剤の含有量は、液晶化合物の配向を乱さないためには、液晶化合物100質量部に対して、通常0.1〜30質量部であり、好ましくは0.5〜10質量部である。
光増感剤としては、キサントン、チオキサントン等のキサントン類;アントラセンおよびアルキルエーテル等の置換基を有するアントラセン類;フェノチアジン;ルブレンが挙げられる。
光増感剤を用いることにより、光重合開始剤を高感度化することができる。光増感剤の含有量は、液晶化合物100質量部に対して、通常0.1〜30質量部であり、好ましくは0.5〜10質量部である。
レベリング剤としては、有機変性シリコーンオイル系、ポリアクリレート系およびパーフルオロアルキル系のレベリング剤が挙げられる。具体的には、DC3PA、SH7PA、DC11PA、SH28PA、SH29PA、SH30PA、ST80PA、ST86PA、SH8400、SH8700、FZ2123(以上、全て東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341、X22−161A、KF6001(以上、全て信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452、TSF4460(以上、全てモメンティブ パフォーマンス マテリアルズ ジャパン合同会社製)、フロリナート(fluorinert)(登録商標)FC−72、同FC−40、同FC−43、同FC−3283(以上、全て住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)R−08、同R−30、同R−90、同F−410、同F−411、同F−443、同F−445、同F−470、同F−477、同F−479、同F−482、同F−483(以上、いずれもDIC(株)製)、エフトップ(商品名)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(以上、全て三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S−381、同S−382、同S−383、同S−393、同SC−101、同SC−105、KH−40、SA−100(以上、全てAGCセイミケミカル(株)製)、商品名E1830、同E5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)、BM−1000、BM−1100、BYK−352、BYK−353及びBYK−361N(いずれも商品名:BM Chemie社製)が挙げられる。2種以上のレベリング剤を組み合わせてもよい。
カイラル剤としては、公知のカイラル剤(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)が挙げられる。
カイラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もカイラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物としては、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が挙げられる。
具体的には、特開2007−269640号公報、特開2007−269639号公報、特開2007−176870号公報、特開2003−137887号公報、特表2000−515496号公報、特開2007−169178号公報および特表平9−506088号公報に記載されているような化合物が挙げられ、好ましくはBASFジャパン(株)製のpaliocolor(登録商標) LC756である。
カイラル剤の含有量は、液晶化合物の配向を乱さないためには、液晶化合物100質量部に対して、通常0.1〜30質量部であり、好ましくは1.0〜25質量部である。
反応性添加剤としては、その分子内に炭素−炭素不飽和結合と活性水素反応性基とを有するものが好ましい。なお、ここでいう「活性水素反応性基」とは、カルボキシル基(−COOH)、水酸基(−OH)、アミノ基(−NH2)等の活性水素を有する基に対して反応性を有する基を意味し、エポキシ基、オキサゾリン基、カルボジイミド基、アジリジン基、イミド基、イソシアナート基、チオイソシアナート基、無水マレイン酸基等がその代表例である。
[式(Y)中、
nは1〜10までの整数を表わし、R1’は、炭素数2〜20の2価の脂肪族又は脂環式炭化水素基、或いは炭素数5〜20の2価の芳香族炭化水素基を表わす。各繰り返し単位にある2つのR2’は、一方が−NH−であり、他方が>N−C(=O)−R3’で示される基である。R3’は、水酸基又は炭素−炭素不飽和結合を有する基を表す。
式(Y)中のR3’のうち、少なくとも1つのR3’は炭素−炭素不飽和結合を有する基である。]
化合物(YY)には、市販品をそのまま又は必要に応じて精製して用いることができる。市販品としては、例えば、Laromer(登録商標)LR−9000(BASF社製)等が挙げられる。
光学異方性膜形成用組成物を基材に塗布する方法としては、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、CAPコーティング法、スリットコーティング法、ダイコーティング法等が挙げられる。また、ディップコーター、バーコーター、スピンコーター等のコーターを用いて塗布する方法等も挙げられる。中でも、RolltoRoll形式で連続的に塗布できる点で、CAPコーティング法、インクジェット法、ディップコーティング法、スリットコーティング法、ダイコーティング法およびバーコーターによる塗布方法が好ましい。RolltoRoll形式で塗布する場合、基材に配向膜を形成し、さらに得られた配向膜上に光学異方性膜形成用組成物を連続的に塗布することもできる。
本明細書における赤外線とは、0.75μm〜1000μmの電磁波のことである。本発明における赤外線の極大波長は、好ましくは3μm〜1000μmであり、より好ましくは10μm〜1000μmであり、さらに好ましくは15μm〜1000μmである。
赤外線を照射する際の、赤外線照射器が有する赤外線源と、塗布された光学異方性層形成用組成物との距離は、通常1cm〜100cmであり、好ましくは5cm〜50cmであり、より好ましくは10cm〜30cmであり、さらに好ましくは10cm〜15cmである。
照射時間は、通常5秒〜5分間であり、好ましくは10秒〜2分間であり、より好ましくは15秒〜1分間である。ここで、照射時間とは積算の時間をいう。
赤外線が照射された後の光学異方性膜形成用組成物の固形分濃度は、好ましくは5〜40質量%であり、より好ましくは10〜30質量%であり、さらに好ましくは20〜25質量%である。
加熱乾燥は、通常、赤外線が照射された光学異方性膜形成用組成物に熱風を当てることで行われる。
該熱風の風速は、通常1m/秒〜10m/秒であり、好ましくは2.5m/秒〜5m/秒である。
該熱風の温度は、好ましくは60〜200℃であり、より好ましくは70〜150℃であり、さらに好ましくは80〜120℃である。加熱乾燥の時間は、溶剤の種類にもよるが、通常10秒〜60分間であり、好ましくは30秒〜30分間である。
液晶化合物が重合性基を有する場合は、配向した液晶化合物を重合して硬化させ、光学異方性膜を得ることもできる。液晶化合物が重合した光学異方性膜は、液晶化合物の配向が固定化されるため、熱による複屈折の変化の影響を受けにくい。
この際、基材を3〜20m/分の速度で搬送しながら、工程(1)〜(3)を行うのが好ましい。
本光学異方性膜は、基材と積層された状態でもよいし、基材から剥離され、その他の光学フィルム等に貼合されて使用さてれもよい。
ヘイズの値は、一般的に市販されているヘイズメーターによって測定することができ、当該ヘイズメーターとしては、スガ試験機株式会社製 ヘイズメーター(型式HZ−2)等が挙げられる。
水平、垂直等の表現は、基材面を基準とした液晶化合物の長軸の配向方向を表す。垂直配向とは基材面に対して垂直な方向に液晶化合物の長軸を有することである。ここでいう垂直とは、90°±20°のことである。
配向規制力は、配向膜が配向性ポリマーを含む配向膜の場合は、表面状態やラビング条件によって任意に調整することが可能であり、光配向膜の場合は、偏光照射条件等によって任意に調整することが可能である。また、液晶化合物の、表面張力や液晶性等の物性を選択することにより、配向を制御することもできる。
また、本光学異方性膜は、光射出側の斜角から確認した場合の直線偏光を円偏光や楕円偏光に変換したり、円偏光または楕円偏光を直線偏光に変換したり、直線偏光の偏光方向を変換したりするために用いられる位相差フィルムとしても使用できる。
nx>ny≒nzのポジティブAプレート、
nx≒ny>nzのネガティブCプレート、
nx≒ny<nzのポジティブCプレート、
nx≠ny≠nzのポジティブOプレートおよびネガティブOプレート
R0 =(nx−ny)×d (9)
R50=(nx−ny')×d/cos(φ) (10)
(nx+ny+nz)/3=n0 (11)
ここで、
φ=sin−1〔sin(40°)/n0〕
ny'=ny×nz/〔ny2×sin2(φ)+nz2×cos2(φ)〕1/2
偏光板の具体例としては、図1(a)〜図1(e)で示される偏光板が挙げられる。図1(a)で示される偏光板4aは、位相差フィルム1と、偏光フィルム2とが、直接積層された偏光板であり、図1(b)で示される偏光板4bは、位相差フィルム1と偏光フィルム2とが、接着剤層3’を介して貼り合わされた偏光板である。図1(c)で示される偏光板4cは、位相差フィルム1と、位相差フィルム1’とを積層させ、さらに、位相差フィルム1’と偏光フィルム2とを積層させた偏光板であり、図1(d)で示される偏光板4dは、位相差フィルム1と、位相差フィルム1’とを接着剤層3を介して貼り合わせ、さらに、位相差フィルム1’上に偏光フィルム2を積層させた偏光板である。図1(e)で示される偏光板4eは、位相差フィルム1と、位相差フィルム1’とを接着剤層3を介して貼り合わせ、さらに、位相差フィルム1’と偏光フィルム2とを接着剤層3’を介して貼り合せた偏光板である。”接着剤”とは、接着剤および/または粘着剤の総称を意味する。上記位相差フィルム1及び位相差フィルム1’からなる群から選ばれる少なくも一つには本光学異方性膜が含まれる。
前記吸収異方性を有する色素を塗布したフィルムとしては、具体的には、特開2012−33249号公報等に記載の偏光フィルムが挙げられる。
配向性ポリマー組成物の組成を、表1に示す。市販の配向性ポリマーであるサンエバーSE−610(日産化学工業株式会社製)にN−メチル−2−ピロリドン、2−ブトキシエタノールおよびエチルシクロヘキサンを加えて配向性ポリマー組成物(1)を得た。
光学異方性膜形成用組成物の組成を表2に示す。各成分を混合し、得られた溶液を80℃で1時間攪拌した後、室温まで冷却し、光学異方性膜形成用組成物(1)を得た。
表2における括弧内の値は、調製した組成物の全量に対する各成分の含有割合を表す。
表2におけるLR9000はBASFジャパン社製のLaromer(登録商標)LR−9000を、Irg907はBASFジャパン社製のイルガキュア907を、BYK361Nはビックケミージャパン製のレベリング剤を、LC242は、下記式で示されるBASF社製の液晶化合物を、PGMEAは、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタートを表す。
常圧プラズマ表面処理装置(ロールダイレクトヘッド型 AP−T04S−R890、積水化学工業株式会社製)を用いて、窒素と酸素とを含む雰囲気(体積比 窒素:酸素=99.9:0.1)下で、1.3kV下の条件でプラズマを発生させ、ロール状のシクロオレフィンポリマーフィルム(ZF−14、日本ゼオン株式会社製)の表面を、該シクロオレフィンポリマーフィルムを搬送速度4m/minで搬送しながら、100m処理した。プラズマ処理を施したシクロオレフィンポリマーフィルム表面に、ダイコーターを用いて配向性ポリマー組成物(1)を塗布し、90℃の乾燥炉に搬送して1分間乾燥し配向膜を形成した。続いて、得られた配向膜の表面に、ダイコーターを用いて光学異方性膜形成用組成物(1)を塗布し、電気式遠赤外線ヒーター(ノリタケカンパニーリミテッド製)を用いて、塗布された光学異方性膜形成用組成物(1)と前記電気式遠赤外線ヒーターの遠赤外線源との距離を10cmに保って、赤外線(設定温度:80℃)を、30秒間照射した。その後、90℃の送風乾燥炉(風速:2m/秒)で1分間乾燥し、高圧水銀ランプ(ウシオ電機株式会社製)を用いて、紫外線を、波長365nmにおいて120W/cmの照度で照射することで液晶化合物を重合し、光学異方性膜(1)を備えるロール状の光学異方性フィルム(1)を得た。
常圧プラズマ表面処理装置(ロールダイレクトヘッド型 AP−T04S−R890、積水化学工業株式会社製)を用いて、窒素と酸素とを含む雰囲気(体積比 窒素:酸素=99.9:0.1)下で、1.3kV下の条件でプラズマを発生させ、ロール状のシクロオレフィンポリマーフィルム(ZF−14、日本ゼオン株式会社製)の表面を、該シクロオレフィンポリマーフィルムを搬送速度4m/minで搬送しながら、100m処理した。プラズマ処理を施したシクロオレフィンポリマーフィルム表面に、ダイコーターを用いて配向性ポリマー組成物(1)を塗布し、90℃の乾燥炉に搬送して1分間乾燥し配向膜を形成した。続いて、得られた配向膜の表面に、ダイコーターを用いて光学異方性膜形成用組成物(1)を塗布し、90℃の送風乾燥炉(風速:2m/秒)で1分30秒間乾燥し、高圧水銀ランプ(ウシオ電機株式会社製)を用いて、紫外線を、波長365nmにおいて120W/cmの照度で照射することで液晶化合物を重合し、光学異方性膜(2)を備えるロール状の光学異方性フィルム(2)を得た。
光学異方性フィルム(1)及び(2)の位相差値を測定機(KOBRA−WR、王子計測機器社製)により測定した。サンプルへの光の入射角を変えて測定し、液晶化合物の配向状態を確認した。結果を表3に示す。
スガ試験機株式会社製 ヘイズメーター(型式HZ−2)を用いて、ダブルビーム法で、光学異方性フィルム(1)及び(2)のヘイズ値を測定した。結果を表3に示す。
光学異方性膜(1)及び(2)の膜厚分布を、日本分光株式会社製 エリプソメーターM−220を用いて測定した。結果を表3に示す。
2、2’:偏光フィルム
3、3’:接着剤層
4a、4b、4c、4d、4e、4、4’:偏光板
5、5’:接着層
6:液晶パネル
10a、10b:液晶表示装置
Claims (15)
- 工程(1)〜(3)をこの順に行う光学異方性膜の製造方法。
(1)液晶化合物及び溶剤を含む光学異方性膜形成用組成物を、基材に塗布する工程
(2)光学異方性形成用組成物に、赤外線を照射する工程
(3)赤外線を照射された光学異方性膜形成用組成物を、60〜200℃に加熱し乾燥する工程 - 赤外線が、赤外線照射器によって照射される請求項1に記載の光学異方性膜の製造方法。
- 赤外線照射器が有する赤外線源から、基材に塗布された光学異方性形成用組成物までの距離が1cm〜100cmである請求項2に記載の光学異方性膜の製造方法。
- 赤外線照射器が有する赤外線源の温度が、40〜200℃である請求項2又は3に記載の光学異方性膜の製造方法。
- 乾燥が、風速が1m/秒〜10m/秒、温度が60〜200℃の雰囲気で行われる請求項1〜4のいずれかに記載の光学異方性膜の製造方法。
- 光学異方性膜形成用組成物に含まれる溶剤の蒸気圧が0.01kPa以上0.6kPa以下である請求項1〜5のいずれかに記載の光学異方性膜の製造方法。
- 基材が、長尺方向の長さが100m以上の長尺フィルムロールである請求項1〜6のいずれかに記載の光学異方性膜の製造方法。
- 工程(1)〜(3)を連続して行う請求項1〜7のいずれかに記載の光学異方性膜の製造方法。
- 基材を3m/分〜20m/分の速度で搬送しながら行う請求項8に記載の光学異方性膜の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の光学異方性膜の製造方法によって得られる光学異方性膜。
- 液晶化合物が垂直配向した請求項10に記載の光学異方性膜。
- IPS(in-plane switching)液晶表示装置用の請求項10又は11に記載の光学異方性膜。
- 請求項10〜12のいずれかに記載の光学異方性膜を含む位相差フィルム。
- 請求項10〜12のいずれかに記載の光学異方性膜を含む偏光板。
- 請求項10〜12のいずれかにに記載の光学異方性膜を備える表示装置。
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