JP2015108390A - 振動低減装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の貫通孔のそれぞれに設けられた転動体が軸線方向に抜けることを防止する部材の部品数を低減することにより組み付け工数を低減することができる振動低減装置を提供する。【解決手段】捩り振動を低減するべき回転部材と一体に回転する保持部材2に、円周方向に所定の長さを有する複数の貫通孔3が互いに所定の間隔を空けて形成され、前記複数の貫通孔3のそれぞれに前記回転部材のトルクの変化に伴って前記貫通孔3の内壁面5に沿って揺動するように転動体4が設けられた振動低減装置1において、前記転動体4は、該転動体4の外周側に突出して形成され、または窪んで形成された係合部8を有し、前記係合部8が円周方向に相対的に移動することができかつ軸線方向に係合されて前記各転動体4が前記各貫通孔3から軸線方向へ抜けることを防止する位置規制部材9が、前記保持部材2に取り付けられている。【選択図】図1

Description

この発明は、捩り振動を低減するための装置に関し、特に転動体(振り子)を回転体に揺動もしくは転動するように保持させた振動低減装置に関するものである。
動力源で発生させたトルクを、目的とする箇所もしくは部材に伝達するための駆動軸や歯車などの回転部材は、入力されるトルク自体の変動や負荷の変動、あるいは摩擦などが原因となって不可避的に振動する。その振動の周波数は回転数に応じて変化するとともに、二次振動以上の高次の振動も併せて発生するので、共振によって振幅が大きくなり、ひいては騒音や耐久性低下などの原因となることがある。そのため、回転によって動力を伝達する各種の機器には上記のような振動を防止するための装置もしくは機構が広く採用されている。
そのような振動を低減する装置の一例として、回転部材のトルクの変化に伴って転動体が揺動することにより回転部材の捩り振動を低減するように構成されたダイナミックダンパが知られている。特許文献1や特許文献2には、そのように構成されたダイナミックダンパが記載されている。特許文献1に記載されたダイナミックダンパは、振動を低減するべき回転部材に一体化されたプレート部材を備えており、そのプレート部材に円周方向に所定の長さを有する貫通孔が複数形成され、それぞれの貫通孔の外周側の内壁面(以下、転動面と記す。)に沿って揺動することができるように転動体が貫通孔に挿入されている。また、転動体は、転動面に接触する中央部と、その中央部の一方側の端部に一体に形成されかつ貫通孔の幅よりも外径が大きく形成された突起部と、中央部の他方側の端部に連結される貫通孔の幅よりも外径が大きく形成された側板とによって構成されている。これら突起部や側板は、転動体が貫通孔から軸線方向に抜けることを防止するためのものであり、転動体が軸線方向に移動したときに、それら突起部や側板とプレート部材とが接触するように構成されている。そして、特許文献1に記載された転動体は、プレート部材の一方の側面側から中央部を貫通孔に挿入した後に、貫通孔から突出した中央部に側板を組み付けられるように構成されている。なお、特許文献1に記載されたダイナミックダンパには、突起部や側板がプレート部材と接触して転動体が揺動することにより生じる摺動抵抗を低減するために、突起部や側板とプレート部材との間に軸線方向の弾性を有するワッシャが設けられている。
また、特許文献2に記載された転動体は、転動面に沿って揺動する中央部と、その中央部の外径よりも大きく、かつ貫通孔の幅よりも外径が小さく形成された両端部とを有し、それら中央部と両端部とが一体に形成されている。そして、転動面と対向する貫通孔の内壁面に緩衝材を組み付けるように構成されている。この特許文献2に記載されたダイナミックダンパは、転動体を貫通孔に挿入した後に、貫通孔の内壁面に緩衝材を組み付けるように構成されている。なお、特許文献2に記載された転動体の両端面には、軸線方向に突出した突起が中心軸線上に形成され、転動体が軸線方向に飛び出すことを規制する環状板がその端部と対向して配置されている。
特開平8−93854号公報 特開平8−93855号公報
特許文献1に記載されているように転動体を2つの部材から構成すれば、転動体と貫通孔の内壁面との隙間を小さくすることができる。その結果、プレート部材の回転数が変化して転動体に作用する遠心力が変化した場合であっても、転動体と貫通孔の内壁面とが接触することに伴って異音が生じることを抑制することができる。また、特許文献2に記載されているように各貫通孔に緩衝材を組み付けて構成した場合であっても、同様に転動体と貫通孔の内壁面との隙間を小さくすることができるので、異音が生じることを抑制することができる。
しかしながら、特許文献1に記載されているように転動体を2つの部材から構成すると、プレート部材に組み付ける転動体の数だけ、部品数が増加し、その部品数の増加分、組み付け工数が増加する可能性がある。また、特許文献2に記載されているように転動体を貫通孔に挿入した後に、貫通孔に緩衝材を組み付けるように構成されたダイナミックダンパの場合にも、その緩衝材を組み付ける分の部品数が増加し、その部品数の増加分、組み付け工数が増加する可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、複数の貫通孔のそれぞれに設けられた転動体が軸線方向に抜けることを防止する部材の部品数を低減することにより組み付け工数を低減することができる振動低減装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、捩り振動を低減するべき回転部材と一体に回転する保持部材に、円周方向に所定の長さを有する複数の貫通孔が互いに所定の間隔を空けて形成され、前記複数の貫通孔のそれぞれに前記回転部材のトルクの変化に伴って前記貫通孔の内壁面に沿って揺動するように転動体が設けられた振動低減装置において、前記転動体は、該転動体の外周側に突出して形成され、または窪んで形成された係合部を有し、前記係合部が円周方向に相対的に移動することができかつ軸線方向に係合されて前記各転動体が前記各貫通孔から軸線方向へ抜けることを防止する位置規制部材が、前記保持部材に取り付けられていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記係合部における前記位置規制部材に接触する第1接触面が、前記位置規制部材における前記係合部と接触する第2接触面に対して傾斜して形成されていることを特徴とする振動低減装置である。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記位置規制部材は、前記保持部材の半径方向において前記転動体の中心軸線よりも外周側で前記係合部と接触するように設けられていることを特徴とする振動低減装置である。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記係合部は、前記貫通孔の幅よりも外径が大きく形成された凸部を含むことを特徴とする振動低減装置である。
請求項5の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記係合部は、環状に形成されたスリット部を含むことを特徴とする振動低減装置である。
この発明によれば、保持部材に形成された複数の貫通孔のそれぞれに回転部材のトルクの変化に伴って貫通孔の内壁面に沿って揺動するように転動体が設けられている。そして、転動体は、外周側に突出して形成され、または窪んで形成された係合部を有し、保持部材に取り付けられた位置規制部材と係合部とが円周方向に相対的に移動することができかつ軸線方向に係合することにより、各転動体が各貫通孔から軸線方向へ抜けることを防止するように構成されている。したがって、各転動体が各貫通孔から軸線方向に抜けることを防止する部材の部品数を少なくすることができる。その結果、振動低減装置を組み付ける工数を低減させることができる。
また、係合部における位置規制部材に接触する第1接触面を、位置規制部材における係合部に接触する第2接触面に対して傾斜して形成することにより、係合部と位置規制部材とが接触する面積を低減することができる。その結果、転動体が揺動する際に作用する摺動抵抗を低下させることができる。そのため、転動体や位置規制部材の耐久性が低下することを抑制することができるとともに、振動減衰効果が低下することを抑制することができる。
さらに、保持部材の半径方向において転動体の中心軸線よりも外周側で係合部と位置規制部材とが接触するように構成することにより、転動体が揺動する際の転動体と位置規制部材との相対速度を小さくすることができる。その結果、転動体が揺動する際に作用する摺動抵抗を低減することができるので、転動体の耐久性が低下することを抑制することができるとともに、振動減衰効果が低下することを抑制することができる。
この発明に係るダイナミックダンパの一例を説明するための図であり、(a)は正面図、(b)は(a)におけるB-B線に沿う断面図である。 この発明に係るダイナミックダンパの他の例を説明するための図であり、(c)は正面図、(d)は(c)におけるD-D線に沿う断面図である。 プレート部材の半径方向における内周側から位置規制部材部材により転動体の軸線方向の位置を規制するように構成されたダイナミックダンパの一例を説明するための図であり、(e)は正面図、(f)は(e)におけるF-F線に沿う断面図である。 プレート部材の半径方向における内周側から位置規制部材により転動体の軸線方向の位置を規制するように構成されたダイナミックダンパの他の例を説明するための図であり、(g)は正面図、(h)は(g)におけるH-H線に沿う断面図である。
この発明に係る振動低減装置は、捩り振動を低減するべき回転部材と一体に回転するように保持部材が設けられ、その保持部材に形成された複数の貫通孔のそれぞれに転動体が設けられ、回転部材のトルクの変化に伴って転動体が揺動することで捩り振動を低減する、いわゆるダイナミックダンパである。そのように構成されたダイナミックダンパの一例を図1に示している。図1に示すダイナミックダンパ1は、図示しないフライホイールや回転軸などの回転部材に一体化された円板状のプレート部材2を備えている。なお、図1に示す例では、プレート部材2が円板状に形成されているが、回転軸の捩り振動を低減する場合には、プレート部材2を環状に形成して回転軸にスプラインなどにより一体に回転するように連結すればよい。
そのプレート部材2には、円周方向に所定の長さを有する四つの貫通孔3が、互いに所定の間隔を空けて形成されている。この貫通孔3は、後述する転動体4が内壁面5に沿って揺動するように形成されている。具体的には、プレート部材2の回転数に応じた遠心力により、転動体4が貫通孔3の外周側の内壁面5に接触し、かつそのプレート部材2のトルクの変動、言い換えると回転部材のトルクの変動に伴ってその内壁面5に沿って転動体4が揺動するように構成されている。すなわち、貫通孔3の外周側の内壁面5は、転動面として機能するように形成されている。したがって、貫通孔3の外周側の内壁面5(以下、転動面5と記す。)の曲率半径は、対象とする回転部材の振動の次数に基づいて定められている。具体的には、プレート部材2の回転中心から転動体4が揺動する円弧の中心までの距離と、転動体4が揺動することにより転動体4の重心が描く円弧の半径とに基づく値が、対象とする回転部材の振動の次数になるように、転動面5の曲率半径が定められている。
このようにプレート部材2に形成されたそれぞれの貫通孔3には、転動面5に沿って揺動することができるように転動体4が挿入されている。ここで、図1に示す転動体4の構成について具体的に説明する。図1(b)は、図1(a)におけるB-B線に沿う断面図である。図1(b)に示す転動体4は、貫通孔3に挿入される円筒部6を備えている。この円筒部6は、転動体4が転動面5に沿って揺動する際に転動面5と接触する部分であって、外径が貫通孔3の幅よりも若干小さくあるいはほぼ同一となるように円筒状に形成されている。すなわち、転動体4が貫通孔3の幅方向に移動する量が小さくなるように構成されている。これは、転動体4に作用する遠心力が低下して転動体4が転動面5と対向する面7に衝突し、または転動体4に作用する遠心力が増大して転動体4が転動面5に衝突することを抑制するためである。言い換えると、転動体4が貫通孔3の内壁面5(7)と衝突することによる異音の発生を抑制するためである。
また、その円筒部6の一方の端部には、転動体4が貫通孔3から軸線方向に抜けることを防止する凸部8が形成されている。この凸部8は、転動体4が軸線方向に移動したときに、プレート部材2や後述する位置規制部材9に接触することにより、転動体4が貫通孔3から軸線方向に抜けることを防止するように構成されている。言い換えると、転動体4の軸線方向の位置を定めるように構成されている。具体的には、凸部8は、貫通孔3の幅よりも外径が大きく形成されている。したがって、転動体4が図1(b)に示す右側に移動した場合、言い換えると円筒部6が貫通孔3に挿入される方向に転動体4が移動した場合に、凸部8とプレート部材2の側面とが接触して転動体4の移動量を規制することができるように構成されている。なお、図1に示す転動体4は、円筒部6側の端部から貫通孔3に挿入される。
また、その凸部8の外周部10は、凸部8の厚み方向における中央部の外径が最も大きくなるようにテーパ状に形成されている。具体的には、凸部8の厚み方向における中央部から転動体4の端部側に向けて外径が小さくなるように形成された第1テーパ面11と、中央部から円筒部6側に向けて外径が小さくなるように形成された第2テーパ面12とが形成されている。これは、凸部8とプレート部材2との接触面積や凸部8と位置規制部材9との接触面積を低減させることにより、プレート部材2や位置規制部材9と凸部8とが接触した状態で転動体4が揺動したときに作用する摺動抵抗を抑制するためである。なお、図1(b)に示す例では、第2テーパ面12は、軸線方向において貫通孔3の内側まで形成されている。
上記のように貫通孔3に挿入された転動体4が、凸部8側に移動することを抑制するための位置規制部材9がプレート部材2に一体に設けられている。この位置規制部材9は、外径がプレート部材2の外径とほぼ同一に形成された環状の部材である。その位置規制部材9の内径は、プレート部材2に貫通孔3が形成されている箇所では、転動面5に沿うように形成され、貫通孔3が形成されていない箇所では、貫通孔3の幅の中央部を通るように所定の半径に形成されている。また、図1(b)に示すように内周部13は、プレート部材2と所定の隙間が空くように軸線方向に屈曲して形成されている。すなわち、転動体4が凸部8側に移動したときに、第1テーパ面11と位置規制部材9の内周部13とが接触するように構成されている。言い換えると、凸部8が位置規制部材9と円周方向に相対的に移動することができかつ軸線方向に係合するように構成されている。なお、転動体4が軸線方向に移動して位置規制部材9やプレート部材2に接触することによる異音の発生を抑制するために、転動体4が転動面5に接触しているときに、凸部8が位置規制部材9とプレート部材2とに接触するように構成されていることが好ましい。すなわち、転動体4が転動面5に沿って揺動するときに凸部8がプレート部材2と位置規制部材9と接触するように構成することが好ましい。
図1に示すように構成されたダイナミックダンパ1は、まず、各貫通孔3のそれぞれに転動体4が挿入される。このように転動体4を挿入する場合には、位置規制部材9が連結される側のプレート部材2の側面を鉛直方向における上方側に向けて配置し、各貫通孔3のそれぞれに転動体4を挿入する。このように転動体4を挿入することにより、凸部8とプレート部材2とが接触するので、転動体4を組み付けるときに貫通孔3から転動体4が脱落することを防止することができる。ついで、凸部8の外周面を覆うようにプレート部材2に位置規制部材9を、半径方向および円周方向に位置決めしつつボルトやリベットあるいは溶接もしくはカシメまたは接着などによって一体に連結する。このように位置規制部材9をプレート部材2に組み付けることにより、転動体4が軸線方向に移動して脱落することを抑制することができ、かつダイナミックダンパ1をユニットとして構成することができる。そして、ユニット化されたダイナミックダンパ1を回転部材に組み付ける。なお、上記のように位置規制部材9をプレート部材2に連結しているので、ダイナミックダンパ1を回転部材に組み付けるときに転動体4が脱落することを防止することができる。
上述したように構成されたダイナミックダンパ1は、各貫通孔3に挿入されたそれぞれの転動体4が軸線方向に抜けることを、位置規制部材9のみによって防止することができる。そのため、転動体4が軸線方向に抜けることを防止するための部材の部品数が増加することを抑制することができる。また、上記のように転動体4の一方の端部に外径が貫通孔3よりも大きい凸部8を形成するように構成されているので、転動体4を容易に貫通孔3に挿入することができる。さらに、一つの位置規制部材9をプレート部材2に組み付けることで、各転動体4が軸線方向に抜けることを防止することができる。そのため、ダイナミックダンパ1を組み付ける工数を低減させることができる。
また、上述したように凸部8に各テーパ面11,12を形成することにより、転動体4が転動面5に沿って揺動するときに、凸部8と位置規制部材9あるいはプレート部材2との接触面積を低減することができる。その結果、転動体4が揺動する際に作用する摺動抵抗を低減することができるので、転動体4の耐久性が低下することを抑制することができるとともに、振動減衰効果が低下することを抑制することができる。さらに、位置規制部材9が、プレート部材2の半径方向における外周側で転動体4の凸部8と接触するように構成されている。なお、転動体4が転動面5に沿って揺動するときには、転動体4と転動面5とが接触した位置を中心に転動体4が回転する。そのため、転動体4が転動面5に沿って揺動する際の転動体4と位置規制部材9との相対速度を小さくすることができる。その結果、転動体4が揺動する際に作用する摺動抵抗を低減することができるので、転動体4の耐久性が低下することを抑制することができるとともに、振動減衰効果が低下することを抑制することができる。
そして、上述したように凸部8に各テーパ面11,12を形成するとともに、転動体4が転動面5に接触して揺動するときに各テーパ面11,12と位置規制部材9およびプレート部材2とが接触するように構成することにより、プレート部材2の半径方向における転動体4の位置を規制することができる。したがって、転動体4に遠心力が作用して転動面5に接触するときに、各テーパ面11,12と位置規制部材9およびプレート部材2とが接触するように構成すれば、転動体4と転動面5とが衝突することによる異音の発生を抑制することができる。
上述した例では、貫通孔3の幅よりも外径が大きい凸部8を形成し、その凸部8と位置規制部材9とが軸線方向において係合するように構成されているが、図2に示すように転動体に環状のスリットを形成し、そのスリットに位置規制部材が軸線方向において係合するように構成されていてもよい。ここで、図2に示すダイナミックダンパ14の構成について説明する。なお、図2(c)は、ダイナミックダンパ14の正面図であり、図2(d)は、図2(c)におけるD-D線に沿う断面図である。また、図1と同様の構成については同一の参照符号を付してその説明を省略する。図2に示す転動体15は、外径が同一に形成された円筒状の部材であって、その転動体15の一方の端部側に環状のスリット16が形成されている。このスリット16は、位置規制部材17と接触することにより転動体15が貫通孔3から軸線方向に抜けることを防止するように形成されている。したがって、貫通孔3から転動体15が突出した部分にスリット14が形成されている。また、位置規制部材17と接触する面積を低減するために、スリット14の両側壁面18,19がテーパ状に形成されている。
また、図2に示す位置規制部材17は環状に形成されていて、その内径は、貫通孔3が形成されている箇所では、転動面5よりも内周側に突出するように形成されている。すなわち、貫通孔3の幅よりも位置規制部材17の内周面と転動面5に対向した貫通孔3の内壁面7との半径方向における距離が小さくなるように構成されている。この突出した部分が、上記スリット16に係合するように構成されている。したがって、転動体15が軸線方向のいずれかに移動したときに、スリット16の側壁面18,19と位置規制部材17とが接触することにより、転動体15が貫通孔3から軸線方向に抜けることを防止するように構成されている。すなわち、スリット16が図1に示す凸部8と同様に機能するように構成されている。
図2に示すダイナミックダンパ14は、まず、各転動体15のスリット14に位置規制部材17の外周部を嵌合させた状態で、各転動体15を貫通孔3に挿入しつつ、プレート部材2に位置規制部材17を重ね合わせて連結させる。なお、そのようにプレート部材2に位置規制部材17を連結されるときには、プレート部材2と位置規制部材17との半径方向および円周方向の位置決めをしつつ、ボルトなどによって連結させる。
そのため、図2に示すようにダイナミックダンパ14を構成することにより、位置規制部材17によって各転動体15が軸線方向に各貫通孔から抜けることを防止することができる。すなわち、転動体15が貫通孔3から抜けることを防止する部品数が増加することを抑制することができる。また、位置規制部材17により複数の転動体15を保持させながらプレート部材2と位置規制部材17とを組み付けるように構成されているので、ダイナミックダンパ14を組み付ける工数を低減させることができる。
さらに、上述したようにスリット16の側壁面18,19をテーパ状に形成することにより、転動体15が転動面5に沿って揺動するときに、スリット16の側壁面18(19)と位置規制部材17との接触面積を低減することができる。その結果、転動体15が揺動する際に作用する摺動抵抗を低減することができるので、転動体15の耐久性が低下することを抑制することができるとともに、振動減衰効果が低下することを抑制することができる。また、位置規制部材17が、プレート部材2の半径方向における外周側で転動体15のスリット16と接触するように構成されている。そのため、転動体15が転動面5に沿って揺動する際の、転動体15と位置規制部材17との相対速度を小さくすることができる。その結果、転動体15が揺動する際に作用する摺動抵抗を低減することができるので、転動体15の耐久性が低下することを抑制することができるとともに、振動減衰効果が低下することを抑制することができる。
そして、上述したようにスリット16の両側壁面18,19をテーパ状に形成するとともに、転動体15が転動面5に接触して揺動するときにそれら両側壁面18,19と位置規制部材17とが接触するように構成することにより、プレート部材2の半径方向において転動体15の位置を規制することができる。したがって、転動体15に遠心力が作用して転動面5に接触するときに、各側壁面18,19と位置規制部材17とが接触するように構成すれば、転動体15と転動面5とが衝突することによる異音の発生を抑制することができる。
なお、上述した各構成例に示すように位置規制部材が、プレート部材の半径方向における転動体の中心軸線よりも外周側で転動体と接触するように構成されたものに限らず、図3および図4に示すように転動体の中心軸線よりも内周側で転動体と位置規制部材とが接触するように構成されたものであってもよい。なお、図3は、図1における位置規制部材9の構成を変更したものであり、図3(e)は正面図、図3(f)は図3(e)におけるF-F線に沿う断面図である。また、図4は、図2における位置規制部材17の構成を変更したものであり、図4(g)は正面図、図4(h)は図4(g)におけるH-H線に沿う断面図である。以下の説明では、図1および図2と同様の構成については同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図3に示す例では、円板状に形成された位置規制部材20がプレート部材2の側面に連結されている。そして、位置規制部材20の外周部21が、プレート部材2と対向した面とは反対側に向けて屈曲して形成されていて、その屈曲した外周部21とプレート部材2の側面との間に凸部8が挟み込まれるように、言い換えると凸部8が軸線方向において外周部21と係合するように構成されている。また、図4に示す例では、円板状に形成された位置規制部材22がプレート部材2の側面に連結されている。そして、位置規制部材22の外周部が、スリット16に係合するように構成されている。
したがって、図3および図4に示すように構成されたダイナミックダンパであっても、位置規制部材20(22)によって各転動体4(15)が貫通孔3から軸線方向に抜けることを防止することができ、その結果、転動体4(15)が貫通孔3から軸線方向に抜けることを防止するための部品数が増加することを抑制することができる。また、図1や図2と同様にダイナミックダンパを組み付けることができるので、ダイナミックダンパを組み付ける工数を低減させることができる。さらに、凸部8やスリット16にテーパ面11,12(18,19)を形成することにより、転動体4(15)が転動面5に沿って揺動するときに、位置規制部材20(22)と接触する面積を低減することができる。その結果、転動体4(15)が揺動する際に作用する摺動抵抗を低減することができるので、転動体4(15)の耐久性が低下することを抑制することができるとともに、振動減衰効果が低下することを抑制することができる。
そして、上述したように凸部8やスリット14にテーパ面11,12(18,19)を形成するとともに、転動体4(15)が転動面に接触して揺動するときにテーパ面11,12(18,19)と位置規制部材20(22)あるいはプレート部材2とが接触するように構成することにより、プレート部材2の半径方向において転動体4(15)の位置を規制することができる。したがって、転動体4(15)に遠心力が作用して転動面5に接触するときに、テーパ面11,12(18,19)と位置規制部材20(22)あるいはプレート部材2とが接触するように構成すれば、転動体4(15)と転動面5とが衝突することによる異音の発生を抑制することができる。
なお、上述した例では、係合部やスリットにテーパ面を形成するように構成された例を挙げて説明したが、凸部やスリットと位置規制部材やプレート部材との接触する面積を低減させ、または転動体の半径方向の位置を規制することができればよい。したがって、凸部やスリットとが位置規制部材やプレート部材に接触する面が、位置規制部材やプレート部材の側面に対して傾斜して形成されていてもよく、位置規制部材やプレート部材のエッジが凸部やスリットの側面に対して傾斜して形成されていてもよい。また、この発明に係る振動低減装置は、係合部と位置規制部材とが係合して転動体が貫通孔から軸線方向に抜けることを防止することができればよい。したがって、転動体が断面形状が矩形に形成された環状のフランジ部と、そのフランジ部よりも軸線方向に突出しかつフランジ部よりも外径が小さい軸部とを備え、そのフランジ部の側面と接触するように位置規制部材を設けるように構成されていてもよい。
1,14…ダイナミックダンパ、 2…プレート部材、 3…貫通孔、 4,15…転動体、 5…転動面、 8…係合部、 9,17,20,22…位置規制部材、 11,12…テーパ面、 16…スリット、 18,19…側壁面。

Claims (5)

  1. 捩り振動を低減するべき回転部材と一体に回転する保持部材に、円周方向に所定の長さを有する複数の貫通孔が互いに所定の間隔を空けて形成され、前記複数の貫通孔のそれぞれに前記回転部材のトルクの変化に伴って前記貫通孔の内壁面に沿って揺動するように転動体が設けられた振動低減装置において、
    前記転動体は、該転動体の外周側に突出して形成され、または窪んで形成された係合部を有し、
    前記係合部が円周方向に相対的に移動することができかつ軸線方向に係合されて前記各転動体が前記各貫通孔から軸線方向へ抜けることを防止する位置規制部材が、前記保持部材に取り付けられていることを特徴とする振動低減装置。
  2. 前記係合部における前記位置規制部材に接触する第1接触面が、前記位置規制部材における前記係合部と接触する第2接触面に対して傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の振動低減装置。
  3. 前記位置規制部材は、前記保持部材の半径方向において前記転動体の中心軸線よりも外周側で前記係合部と接触するように設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の振動低減装置。
  4. 前記係合部は、前記貫通孔の幅よりも外径が大きく形成された凸部を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の振動低減装置。
  5. 前記係合部は、環状に形成されたスリット部を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の振動低減装置。
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JP7056539B2 (ja) 2018-12-17 2022-04-19 トヨタ自動車株式会社 振り子式捩り振動低減装置

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