JP2015108380A - 回転部材とこれを有するフォイル軸受ユニット及びターボ機械 - Google Patents

回転部材とこれを有するフォイル軸受ユニット及びターボ機械 Download PDF

Info

Publication number
JP2015108380A
JP2015108380A JP2013250144A JP2013250144A JP2015108380A JP 2015108380 A JP2015108380 A JP 2015108380A JP 2013250144 A JP2013250144 A JP 2013250144A JP 2013250144 A JP2013250144 A JP 2013250144A JP 2015108380 A JP2015108380 A JP 2015108380A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotating member
foil
bearing
flange portion
foil bearing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013250144A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6246574B2 (ja
Inventor
真人 吉野
Masato Yoshino
真人 吉野
光生 川村
Mitsuo Kawamura
光生 川村
藤原 宏樹
Hiroki Fujiwara
宏樹 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2013250144A priority Critical patent/JP6246574B2/ja
Priority to EP14843102.6A priority patent/EP3043080A4/en
Priority to CN201480047919.4A priority patent/CN105492786A/zh
Priority to PCT/JP2014/072431 priority patent/WO2015033835A1/ja
Priority to US14/911,784 priority patent/US9689422B2/en
Publication of JP2015108380A publication Critical patent/JP2015108380A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6246574B2 publication Critical patent/JP6246574B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】フォイル軸受で支持される回転部材の回転応答性及び遠心強度の向上を図る。【解決手段】軸6に固定され、フォイル軸受30,40,50で回転自在に支持される回転部材20において、少なくとも一部(例えばフランジ部22)を炭素繊維強化複合材で形成する。【選択図】図3

Description

本発明は、軸に固定され、フォイル軸受で回転自在に支持される回転部材と、これを有するフォイル軸受ユニット及びターボ機械に関する。
ガスタービンやターボチャージャ等のターボ機械の主軸を支持する軸受には、高温・高速回転といった過酷な環境に耐え得ることが要求される。このような条件下での使用に適合する軸受として、フォイル軸受が着目されている。フォイル軸受は、曲げに対して剛性の低い可撓性を有する薄膜(フォイル)で軸受面を構成し、軸受面のたわみを許容することで荷重を支持するものである。軸の回転時には、軸の外周面とフォイルの軸受面との間に流体膜(例えば空気膜)が形成され、軸が非接触支持される。
例えば、下記の特許文献1及び特許文献2には、フォイル軸受を適用したターボ機械が示されている。これらのターボ機械では、タービン軸に回転部材が固定され、これらがフォイル軸受で回転自在に支持されている。回転部材は外径に突出したフランジ部を有し、このフランジ部がフォイル軸受でスラスト方向に支持される。
特表平9−510522号公報 特表平10−511446号公報
ターボ機械のタービン軸が高速回転すると、回転部材に遠心力が加わる。特に、上記のように、回転部材に外径に突出したフランジ部が設けられる場合、タービン軸の回転に伴ってフランジ部に大きな遠心力が加わる。このような回転部材を金属材料(例えばステンレス鋼)で形成すると、フランジ部の重量が増大し、回転部材、ひいてはタービン軸の慣性モーメントが大きくなる。ターボ機械、特にターボチャージャは、エンジンの出力に対して高い回転応答性が求められるが、上記のようにタービン軸の慣性モーメントが大きくなると、回転応答性が低下してしまう。また、回転部材の重量が大きいと、回転部材に加わる遠心力が大きくなるため、回転部材が遠心力により破損する恐れがある。
本発明は、フォイル軸受で支持される回転部材の回転応答性及び遠心強度(遠心力に対する強度)の向上を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、軸に固定され、フォイル軸受で回転自在に支持される回転部材であって、少なくとも一部が炭素繊維強化複合材で形成された回転部材を提供する。
このように、回転部材の少なくとも一部を炭素繊維強化複合材で形成することにより、金属材料で形成する場合と比べて回転部材の軽量化を図ることができる。これにより、回転部材の慣性モーメントが小さくなって、回転部材、ひいては回転部材が取り付けられる軸(例えばタービン軸)の回転応答性が高められる。また、回転部材が軽量化されることでこれに加わる遠心力が小さくなるため、回転部材の遠心強度が向上する。特に、炭素繊維強化複合材として、炭素繊維と炭素又は黒鉛マトリクスとの複合材料(C/Cコンポジット)を使用すれば、耐熱性が高められると共に、母材を構成する炭素(黒鉛)の潤滑性により摺動性が高められる。
上記の回転部材は、スラストフォイル軸受でスラスト方向に支持されるフランジ部を備えた構造とすることができる。フランジ部は、外径寸法が大きいため、回転部材の慣性モーメントに与える影響が比較的大きく、且つ、回転時に加わる遠心力も比較的大きい。このような場合、フランジ部を炭素強化繊維複合材で形成することが好ましい。
また、上記の回転部材は、ラジアルフォイル軸受でラジアル方向に支持されるスリーブ部をさらに有する構造とすることができる。スリーブ部は、フランジ部と比べて外径寸法が小さいため、回転部材の慣性モーメントに与える影響が比較的小さく、且つ、回転時に加わる遠心力も比較的小さい。このように、フランジ部とスリーブ部とでは要求される特性が異なるため、これらを異なる材料、すなわちそれぞれの特性に応じた材料で形成することが好ましい。例えば、スリーブ部がラジアルフォイル軸受と頻繁に接触する用途で使用される場合、スリーブ部を炭素繊維強化複合材で形成すると、スリーブ部の外周面において炭素繊維よりも母材が早期に摩耗する。この場合、スリーブ部の外周面から炭素繊維が相対的に突出した状態となり、ラジアルフォイル軸受への攻撃性が高まって耐摩耗性が低下する恐れがある。そこで、スリーブ部を炭素焼結材で形成すれば、炭素(黒鉛)の固体潤滑作用によりラジアルフォイル軸受との摺動性が高められると共に、スリーブ部の外周面を均一に摩耗させることができるため、耐摩耗性を高めることができる。
上記のような回転部材は、例えば、水平方向に配置された軸に固定される。この場合、軸の起動停止時等の低速回転時は、フォイル軸受と回転部材との間の流体圧が低いため、軸及び回転部材が重力により降下し、スリーブ部の外周面とラジアルフォイル軸受との接触(いわゆるタッチダウン)が生じる。このため、スリーブ部の外周面には高い耐摩耗性が要求される。一方、フランジ部の端面とスラストフォイル軸受との接触は比較的少ないため、フランジ部にはそれほど高い耐摩耗性は要求されない。従って、回転部材が水平方向の軸に固定される場合には、上記のようにフランジ部を炭素繊維強化複合材で形成し、スリーブ部を炭素焼結材で形成することが特に好ましい。
フランジ部の端面及びスリーブ部の外周面は、それぞれスラストフォイル軸受及びラジアルフォイル軸受の軸受面と対向するため、これらの相対的な位置精度(直角度や同軸度等)が重要となる。例えば、フランジ部及びスリーブ部を別体に形成し、これらをそれぞれ別々に軸に固定すると、組み付け時に、フランジ部の端面とスリーブ部の外周面との相対的な位置精度が悪化する恐れがある。そこで、フランジ部とスリーブ部とを軸方向に当接させた状態で予め一体化しておけば、軸への組み付け時に両者の相対的な位置精度が悪化することを防止できる。さらに、フランジ部の内周面とスリーブ部の外周面とを嵌合させた状態で一体化すれば、両者の相対的な位置精度及び結合力をより一層高めることができる。
上記の回転部材と、回転部材を回転自在に支持するフォイル軸受とを、フォイル軸受ユニットとしてユニット化すれば、回転部材及びフォイル軸受を一体的に取り扱うことができるため、ターボ機械等に容易に組み付けることができる。
上記のような回転部材は、高速回転する軸、例えばターボ機械のタービン軸の回転支持用として好適に使用することができる。
以上のように、本発明によれば、フランジ部を炭素繊維強化複合材で形成することにより、回転部材の回転応答性及び遠心強度の向上が図られる。
ガスタービンの構成を概念的に示す図である。 上記ガスタービンにおけるロータの支持構造を示す断面図である。 上記支持構造に組み込まれた、本発明の一実施形態に係るフォイル軸受ユニットの断面図である。 上記フォイル軸受ユニットに組み込まれたラジアルフォイル軸受の断面図である。 (A)は、上記ラジアルフォイル軸受のフォイルの斜視図であり、(B)は3枚のフォイルを仮組みした状態の斜視図である。 スラストフォイル軸のフォイル及びフォイルホルダの平面図である。 (A)は第1スラストフォイル軸受の平面図であり、(B)は第2スラストフォイル軸受の平面図である。 第1スラストフォイル軸受の断面図である。 回転部材の他の例を示す断面図である。 回転部材のさらに他の例を示す断面図である。
図1に、ターボ機械の一種であるガスタービンの構成を概念的に示す。このガスタービンは、翼列を形成したタービン1および圧縮機2と、発電機3と、燃焼器4と、再生器5とを主に備える。タービン1、圧縮機2、および発電機3には、水平方向に延びる共通の軸6が設けられ、この軸6と、タービン1および圧縮機2とで一体回転可能のロータが構成される。吸気口7から吸入された空気は、圧縮機2で圧縮され、再生器5で加熱された上で燃焼器4に送り込まれる。この圧縮空気に燃料を混合して燃焼させ、高温、高圧のガスでタービン1を回転させる。タービン1の回転力が軸6を介して発電機3に伝達され、発電機3が回転することにより発電し、この電力がインバータ8を介して出力される。タービン1を回転させた後のガスは比較的高温であるため、このガスを再生器5に送り込んで燃焼前の圧縮空気との間で熱交換を行うことで、燃焼後のガスの熱を再利用する。再生器5で熱交換を終えたガスは、排熱回収装置9を通ってから排ガスとして排出される。
図2に、上記ガスタービンにおけるロータの軸6を支持するフォイル軸受ユニット10を示す。フォイル軸受ユニット10は、軸6に固定された回転部材20と、軸6及び回転部材20をラジアル方向に支持するラジアルフォイル軸受30と、軸6及び回転部材20をスラスト方向に支持する第1スラストフォイル軸受40及び第2スラストフォイル軸受50とを備える。
回転部材20は、図3に示すように、スリーブ部21と、スリーブ部21から外径に突出した円盤状のフランジ部22とを備える。図示例では、スリーブ部21の圧縮機2側(図3の左側)の軸方向端部にフランジ部22が設けられる。回転部材20は、少なくとも一部が炭素繊維強化複合材で形成される。本実施形態では、回転部材20のスリーブ部21及びフランジ部22が別体に形成され、それぞれ異なる材料で形成される。フランジ部22は、炭素繊維強化複合材、特に、炭素繊維と炭素又は黒鉛マトリクスとの複合材料(C/Cコンポジット)で形成される。C/Cコンポジットは、炭素繊維で形成された基材に樹脂等のマトリクスを含浸させた後、焼成することでマトリクスを炭化(必要に応じて黒鉛化)する含浸法や、炭素繊維基材に、炭化水素を熱分解して得られる炭素を沈積させるCVD法により形成される。スリーブ部21は、例えば焼結材で形成され、本実施形態では炭素粉末(特に黒鉛粉末)を焼成して得られた炭素焼結材で形成される。
スリーブ部21及びフランジ部22は、軸方向で当接させた状態で一体化されている。具体的には、スリーブ部21の端面21cとフランジ部22の内径端に設けられた端面22cとを軸方向で当接させた状態で、接着や溶着等の適宜の手段で両者が固定される。こうして一体化された回転部材20が軸6の外周面に嵌合固定され、具体的には圧入固定される。このように、スリーブ部21及びフランジ部22を予め一体化することで、両者の相対位置(直角度や同軸度等)を高精度に設定した状態で、軸6へ組み付けることができる。
ラジアルフォイル軸受30は、図4に示すように、円筒状のフォイルホルダ31と、フォイルホルダ31の内周面に取り付けられた複数のフォイル32とを有する。フォイルホルダ31の内周面31aには、フォイル32の周方向端部が差し込まれる溝31bが形成される。溝31bは、フォイルホルダ31の軸方向全長にわたって延び、円周方向等間隔の複数箇所(図示例では3箇所)に設けられる。
複数のフォイル32は、フォイルホルダ31の内周面31aに周方向に並べた状態で取り付けられる。各フォイル32の内径面32aは、ラジアル軸受面S1として機能する。図示例では、3枚のフォイル32で多円弧型のラジアル軸受面S1を形成している。フォイルホルダ31の内周面31aと各フォイル32との間には、フォイル32に弾性を付与するための部材(バックフォイル等)は設けられておらず、フォイル32の外径面32bとフォイルホルダ31の内周面31aとが摺動可能とされる。
各フォイル32は、図5(A)に示すように、周方向一端に設けられた凸部32cと、周方向他端に設けられた凹部32dとを備える。各フォイル32の凸部32cと凹部32dとは、軸方向で同じ位置に設けられる。図5(B)に示すように、各フォイル32の凸部32cを、隣接するフォイル32の凹部32dに嵌め込むことで、3枚のフォイル32を筒状に仮組みすることができる。この場合、図4に示す軸方向視において、各フォイル32の周方向一端(凸部32c)と、隣接するフォイル32の周方向他端(凹部32dの軸方向両側の凸部32e)とが交差した状態となる。本実施形態では、各フォイル32の周方向他端の凸部32eが、フォイルホルダ31の内周面31aに設けられた溝31bに差し込まれる。各フォイル32の周方向一端の凸部32cは、隣接するフォイル32の外径面32bとフォイルホルダ31の内周面31aとの間に配され、アンダーフォイル部として機能する。
第1スラストフォイル軸受40は、図3に示すように、回転部材20のフランジ部22を軸方向一方側(図中右側)から支持するものであり、円盤状のフォイルホルダ41と、フォイルホルダ41の端面41aに固定された複数のフォイル42とを備える。本実施形態では、第1スラストフォイル軸受40のフォイルホルダ41と、ラジアルフォイル軸受30のフォイルホルダ31とが一体に形成される。
第1スラストフォイル軸受40の各フォイル42は、図6に示すように、本体部42aと、本体部42aよりも外径側に設けられた固定部42bと、本体部42aと固定部42bとを連結する連結部42cとを一体に備える。本体部42aの回転方向(軸6の回転方向、以下同様)先行側の縁42d及び回転方向後方側の縁42eは、何れも中央部を回転方向先行側へ突出した略V字形状を成している。本体部42aの縁42d,42eの中央部は、円弧状に丸まっている。
各フォイル42の固定部42bは、図7(A)に示すように、フォイルホルダ41の端面41aの外径端に固定される。図示例では、複数のフォイル42の固定部42bが同一円周上に配され、リング状の固定部材43とフォイルホルダ41の端面41aとで固定部42bの全域が挟持固定される。複数のフォイル42は、円周方向等ピッチで配され、図示例では、各フォイル42の半分だけ位相をずらして重ね合わせている。図8に示すように、各フォイル42の回転方向先行側の縁42dは、隣接するフォイル42の上(フランジ部22側)に配される。すなわち、各フォイル42の回転方向先行側部分は、隣接するフォイル42の回転方向後方側部分に乗り上げている。各フォイル42の本体部42aの表面のうち、フランジ部22の一方の端面22aと直接対向している部分{図7(A)で見えている部分}は、スラスト軸受面S2として機能する。尚、各フォイル42の固定部42bを、フォイルホルダ41あるいは固定部材43に溶接や接着等により固定してもよい。
第2スラストフォイル軸受50は、図3に示すように、回転部材20のフランジ部22を軸方向他方側(図中左側)から支持するものである。第2スラストフォイル軸受50は、図7(B)に示すように、円盤状のフォイルホルダ51と、フォイルホルダ51の端面51aに固定された複数のフォイル52とを備える。各フォイル52の本体部の表面のうち、フランジ部22の他方の端面22bと直接対向している部分{図7(B)で見えている部分}は、スラスト軸受面S3として機能する。第2スラストフォイル軸受50のその他の構成は、第1スラストフォイル軸受40と同様であるため、重複説明を省略する。
フォイル32,42,52は、ばね性に富み、かつ加工性のよい金属、例えば鋼材料や銅合金からなる厚さ20μm〜200μm程度の金属フォイルにプレス加工、ワイヤーカット、あるいはエッチングなどを施すことで形成される。本実施形態のように流体膜として空気を用いる空気動圧軸受では、雰囲気に潤滑油が存在しないため、金属フォイルとしてステンレス鋼もしくは青銅製のものを使用するのが好ましい。
上記構成のフォイル軸受ユニット10は、以下のような手順で組み立てられる。まず、ラジアルフォイル軸受30の内周に、回転部材20のスリーブ部21を挿入する。その後、回転部材20のフランジ部22を軸方向両側から挟み込むように、第2スラストフォイル軸受50を第1スラストフォイル軸受40に取り付ける。具体的に、第1スラストフォイル軸受40のフォイルホルダ41に取り付けた固定部材43と、第2フォイル軸受50のフォイルホルダ51に取り付けた固定部材53とを軸方向で当接させ、この状態で、図示しないボルト等で両フォイルホルダ41,51を固定する。以上により、フォイル軸受ユニット10が完成する。
上記構成のフォイル軸受ユニット10は、回転部材20の内周に軸6を圧入すると共に、フォイル軸受30,40,50のフォイルホルダ31,41,51の一部又は全部をガスタービンのハウジングに固定することにより、ガスタービンに組みつけられる。このとき、回転部材20のスリーブ部21及びフランジ部22が予め一体化されているため、両者の相対的な位置精度、具体的には、スリーブ部21の外周面21aとフランジ部22の両端面22a,22bとの直角度等を高精度に設定した状態で、回転部材20を軸6に取り付けることができる。また、フォイル軸受ユニット10では、ラジアルフォイル軸受30及びスラストフォイル軸受40,50で構成される軸受部材の内部に回転部材20が収容され、軸受部材と回転部材20との分離が規制された状態でこれらが一体化されているため、ガスタービンへの組み付け時に軸受部材及び回転部材20を一体的に取り扱うことができ、組み付け性が向上する。
軸6が円周方向一方(図4及び図7の矢印方向)に回転すると、ラジアルフォイル軸受30のフォイル32のラジアル軸受面S1と回転部材20のスリーブ部21の外周面21aとの間にラジアル軸受隙間が形成され、このラジアル軸受隙間に生じる空気膜の圧力により回転部材20及び軸6がラジアル方向に支持される。これと同時に、第1スラストフォイル軸受40のフォイル42のスラスト軸受面S2と回転部材20のフランジ部22の一方の端面22aとの間、及び、第2スラストフォイル軸受50のフォイル52のスラスト軸受面S3と回転部材20のフランジ部22の他方の端面22bとの間にそれぞれスラスト軸受隙間が形成され、各スラスト軸受隙間に生じる空気膜の圧力により、回転部材20及び軸6が両スラスト方向に支持される。
このとき、フォイル32,42,52が有する可撓性により、各フォイル32,42,52の軸受面S1,S2,S3が、荷重や軸6の回転速度、周囲温度等の運転条件に応じて任意に変形するため、ラジアル軸受隙間及びスラスト軸受隙間は運転条件に応じた適切幅に自動調整される。そのため、高温・高速回転といった過酷な条件下でも、ラジアル軸受隙間及びスラスト軸受隙間を最適幅に管理することができ、回転部材20及び軸6を安定して支持することが可能となる。
また、上記のように、回転部材20のフランジ部22を炭素繊維強化複合材で形成することで、フランジ部22の軽量化及び引張強度の向上が図られ、回転部材20の回転応答性及び遠心強度が高められる。特に、フランジ部22が比較的大径の場合(例えば、フランジ部22の直径が、スリーブ部21の軸方向寸法よりも大きい場合、図3参照)、上記のようにフランジ部22を炭素繊維強化複合材で形成することが有効となる。特に、フランジ部22をC/Cコンポジットで形成することで、耐熱性が向上すると共に、フランジ部22の母材を構成する炭素(黒鉛)の潤滑性により、スラストフォイル軸受40,50との摺動性が高められる。
また、回転部材20のスリーブ部21を炭素焼結材で形成することで、ラジアルフォイル軸受30との摺動性が高められる。特に、本実施形態のように、水平方向に延びる軸6に回転部材20が固定される場合、軸6の起動、停止時等の低速回転時に、スリーブ部21の外周面21aがラジアルフォイル軸受30のフォイル32と接触するため、スリーブ部21を炭素焼結材で形成して摺動性を高めることが有効となる。
尚、軸6の停止直前や起動直後の低速回転時には、各フォイルの軸受面S1〜S3と回転部材20が接触摺動するため、これらの何れか一方または双方に、DLC膜、チタンアルミナイトライド膜、あるいは二硫化モリブデン膜等の低摩擦化被膜を形成してもよい。また、軸6の回転時には、フォイル32,42,52と各フォイルホルダ31,41,51との間の微小摺動により、軸6の振動を抑制することができる。この微小摺動による摩擦力を調整するために、フォイル32,42,52と各フォイルホルダ31,41,51との何れか一方または双方に、上記のような低摩擦化被膜を形成してもよい。
本発明は、上記の実施形態に限られない。例えば、図9に示す回転部材120は、フランジ部22とスリーブ部21とを軸方向に当接させるだけでなく、フランジ部22の内周面とスリーブ部21の外周面とを嵌合させた状態で一体化している。具体的には、スリーブ部21の外周面21aの軸方向一端側に小径外周面21bを設け、このスリーブ部21の小径外周面21bをフランジ部22の内周面22dと嵌合させると共に、スリーブ部21の外周面21aと小径外周面21bとの間の肩面(端面21c)とフランジ部22の端面22cとを当接させる。
このように、スリーブ部21の端面21cとフランジ部22の端面22aとの当接に加えて、スリーブ部21の小径外周面21bとフランジ部22の内周面22dとを嵌合させることで、両者の相対的な位置精度がより一層高められると共に、両者の接触面積が大きくなって結合力が増大する。特に、本実施形態では、スリーブ部21の小径外周面21bにおける半径方向の肉厚が、他の領域と比べて薄くなっている。このため、軸6への圧入により、小径外周面21bが拡径してフランジ部22の内周面22dに押し付けられるため、スリーブ部21とフランジ部22との結合力がさらに高められる。
図10に示す回転部材220は、スリーブ部21の外周面21aと小径外周面21bとの間に、外径に向けて突出した突出部21dを設け、この突出部21dの端面21cをフランジ部22の内径端の端面22cに当接させている。これにより、スリーブ部21とフランジ部22との軸方向の当接部の接触面積が拡大し、両者の相対的な位置精度及び結合力をさらに高めることができる。尚、突出部21dは、スリーブ部21の全周に設けてもよいし、円周方向に離隔した複数箇所に設けてもよい。
また、以上の実施形態では、回転部材20のスリーブ部21を炭素焼結材で形成し、フランジ部22を炭素繊維強化複合材で形成した場合を示したが、これに限らず、要求される特性に応じて、炭素繊維強化複合材で形成する部位を変えてもよい。例えば、軸6が鉛直方向に配される場合(図示省略)、軸の起動停止時等の低速回転時に、フランジ部22の端面22b(あるいは端面22a)とスラストフォイル軸受50(あるいはスラストフォイル軸受40)とが接触摺動する。一方、スリーブ部21の外周面21aとラジアルフォイル軸受30との接触は比較的少ない。従って、回転部材20が鉛直方向の軸6に固定される場合は、フランジ部を摺動性に優れた炭素焼結材で形成し、スリーブ部21を炭素繊維強化複合材で形成してもよい。
また、以上の実施形態では、回転部材20のスリーブ部21とフランジ部22とを別体に形成しているが、これらを炭素繊維強化複合材で一体成形してもよい。
また、以上の実施形態では、ラジアルフォイル軸受30を多円弧軸受で構成した場合を示したが、これに限らず、各フォイルの周方向一端をフォイルホルダ31の内周面31aに取り付けると共に、各フォイルの周方向他端を自由端とした、いわゆるリーフ型のラジアル軸受フォイルや、円筒状のトップフォイルの外径に波型のバックフォイルを配した、いわゆるバンプフォイル型のラジアル軸受フォイルを使用してもよい。また、スラストフォイル軸受の構成も上記に限らず、例えば、トップフォイルとフォイルホルダとの間に波型のバックフォイルを配したバンプフォイル型のスラストフォイル軸受を使用してもよい。
本発明にかかるフォイル軸受ユニット10の適用対象は、上述したガスタービンに限られず、例えば過給機のロータを支持する軸受としても使用することができる。また、本発明にかかるフォイル軸受は、ガスタービンや過給機等のターボ機械に限らず、潤滑油などの液体による潤滑が困難である、エネルギー効率の観点から潤滑油循環系の補機を別途設けることが困難である、あるいは液体のせん断による抵抗が問題になる等の制限下で使用される自動車等の車両用軸受、さらには産業機器用の軸受として広く使用することが可能である。
また、以上に説明した各フォイル軸受は、圧力発生流体として空気を使用した空気動圧軸受であるが、これに限らず、圧力発生流体としてその他のガスを使用することもでき、あるいは水や油などの液体を使用することもできる。
6 軸
10 フォイル軸受ユニット
20 回転部材
21 スリーブ部
22 フランジ部
30 ラジアルフォイル軸受
31 フォイルホルダ
32 フォイル
40 第1スラストフォイル軸受
41 フォイルホルダ
42 フォイル
43 固定部材
50 第2スラストフォイル軸受
51 フォイルホルダ
52 フォイル
53 固定部材
S1 ラジアル軸受面
S2 スラスト軸受面
S3 スラスト軸受面

Claims (12)

  1. 軸に固定され、フォイル軸受で回転自在に支持される回転部材であって、
    少なくとも一部が炭素繊維強化複合材で形成された回転部材。
  2. 前記炭素繊維強化複合材が、C/Cコンポジットである請求項1記載の回転部材。
  3. スラストフォイル軸受でスラスト方向に支持されるフランジ部を備えた請求項1又は2記載の回転部材。
  4. 前記フランジ部が炭素繊維強化複合材で形成された請求項3記載の回転部材。
  5. ラジアルフォイル軸受でラジアル方向に支持されるスリーブ部をさらに有する請求項3又は4記載の回転部材。
  6. 前記フランジ部と前記スリーブ部とを異なる材料で形成した請求項5記載の回転部材。
  7. 前記フランジ部が炭素繊維強化複合材で形成され、前記スリーブ部が炭素焼結材で形成された請求項6記載の回転部材。
  8. 前記軸が水平方向に配置された請求項7記載の回転部材。
  9. 前記フランジ部及び前記スリーブ部を別体に形成し、両者を軸方向に当接させた状態で一体化した請求項5〜8の何れかに記載の回転部材。
  10. さらに、前記フランジ部の内周面と前記スリーブ部の外周面とを嵌合させた状態で一体化した請求項9記載の回転部材。
  11. 請求項1〜10の何れかに記載の回転部材と、前記回転部材を回転自在に支持するフォイル軸受とを備えたフォイル軸受ユニット。
  12. 請求項1〜10の何れかに記載の回転部材と、前記回転部材が固定された軸と、前記回転部材を回転自在に支持するフォイル軸受とを備えたターボ機械。
JP2013250144A 2013-09-06 2013-12-03 フォイル軸受ユニット及びターボ機械 Expired - Fee Related JP6246574B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013250144A JP6246574B2 (ja) 2013-12-03 2013-12-03 フォイル軸受ユニット及びターボ機械
EP14843102.6A EP3043080A4 (en) 2013-09-06 2014-08-27 Foil bearing unit
CN201480047919.4A CN105492786A (zh) 2013-09-06 2014-08-27 箔片轴承单元
PCT/JP2014/072431 WO2015033835A1 (ja) 2013-09-06 2014-08-27 フォイル軸受ユニット
US14/911,784 US9689422B2 (en) 2013-09-06 2014-08-27 Foil bearing unit

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013250144A JP6246574B2 (ja) 2013-12-03 2013-12-03 フォイル軸受ユニット及びターボ機械

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015108380A true JP2015108380A (ja) 2015-06-11
JP6246574B2 JP6246574B2 (ja) 2017-12-13

Family

ID=53438868

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013250144A Expired - Fee Related JP6246574B2 (ja) 2013-09-06 2013-12-03 フォイル軸受ユニット及びターボ機械

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6246574B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2018110132A1 (ja) * 2016-12-12 2019-10-24 株式会社フジキン バルブおよび半導体製造装置
WO2021233751A1 (de) * 2020-05-18 2021-11-25 Cellcentric Gmbh & Co. Kg Rotor für eine luftversorgungseinheit einer brennstoffzelleneinheit und luftversorgungseinheit für eine brennstoffzelleneinheit

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58183822A (ja) * 1982-04-19 1983-10-27 Mazda Motor Corp 排気タ−ビン過給機の潤滑構造
JPS60173316A (ja) * 1984-02-17 1985-09-06 Nissan Motor Co Ltd タ−ボチヤ−ジヤ用の気体軸受装置
JPS6220134U (ja) * 1985-07-22 1987-02-06
JPH0821261A (ja) * 1994-07-05 1996-01-23 Kobe Steel Ltd タービンエンジン
JPH10288187A (ja) * 1997-04-16 1998-10-27 Shimadzu Corp ドライポンプ
JP2003278751A (ja) * 2002-03-20 2003-10-02 Ntn Corp スピンドル装置
JP2006329321A (ja) * 2005-05-26 2006-12-07 Tokyo Univ Of Science フォイル軸受
JP2007503546A (ja) * 2003-08-27 2007-02-22 ティーティーエル ダイナミクス リミッテッド エネルギ回収システム

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58183822A (ja) * 1982-04-19 1983-10-27 Mazda Motor Corp 排気タ−ビン過給機の潤滑構造
JPS60173316A (ja) * 1984-02-17 1985-09-06 Nissan Motor Co Ltd タ−ボチヤ−ジヤ用の気体軸受装置
JPS6220134U (ja) * 1985-07-22 1987-02-06
JPH0821261A (ja) * 1994-07-05 1996-01-23 Kobe Steel Ltd タービンエンジン
JPH10288187A (ja) * 1997-04-16 1998-10-27 Shimadzu Corp ドライポンプ
JP2003278751A (ja) * 2002-03-20 2003-10-02 Ntn Corp スピンドル装置
JP2007503546A (ja) * 2003-08-27 2007-02-22 ティーティーエル ダイナミクス リミッテッド エネルギ回収システム
JP2006329321A (ja) * 2005-05-26 2006-12-07 Tokyo Univ Of Science フォイル軸受

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2018110132A1 (ja) * 2016-12-12 2019-10-24 株式会社フジキン バルブおよび半導体製造装置
WO2021233751A1 (de) * 2020-05-18 2021-11-25 Cellcentric Gmbh & Co. Kg Rotor für eine luftversorgungseinheit einer brennstoffzelleneinheit und luftversorgungseinheit für eine brennstoffzelleneinheit

Also Published As

Publication number Publication date
JP6246574B2 (ja) 2017-12-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9689422B2 (en) Foil bearing unit
US9784307B2 (en) Foil bearing
WO2015087677A1 (ja) スラストフォイル軸受、ラジアルフォイル軸受、及びこれらの製造方法
JP5766562B2 (ja) スラストフォイル軸受
WO2015087675A1 (ja) フォイル軸受と、これを有するフォイル軸受ユニット及びターボ機械
JP2012092969A (ja) フォイル軸受
JP6104597B2 (ja) フォイル軸受
JP6104596B2 (ja) フォイル軸受
JP6305749B2 (ja) フォイル軸受と、これを有するフォイル軸受ユニット及びターボ機械
JP2013053645A (ja) スラストフォイル軸受
JP5840423B2 (ja) フォイル軸受
JP6246574B2 (ja) フォイル軸受ユニット及びターボ機械
JP2013044394A (ja) スラストフォイル軸受
JP6305748B2 (ja) フォイル軸受と、これを有するフォイル軸受ユニット及びターボ機械
JP2013032797A (ja) フォイル軸受
JP6257965B2 (ja) フォイル軸受ユニット
JP6266329B2 (ja) スラストフォイル軸受、ラジアルフォイル軸受、及びこれらの製造方法
JP6144222B2 (ja) フォイル軸受
WO2017073603A1 (ja) フォイル軸受
JP2020159452A (ja) フォイル軸受
JP2021067353A (ja) フォイル軸受およびこれを備えた回転機械
JP6219489B2 (ja) フォイル軸受
JP2020034085A (ja) スラストフォイル軸受
JP6324774B2 (ja) フォイル軸受及びこれを備えたターボ機械

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170704

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170904

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171102

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171115

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6246574

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees