JP2020034085A - スラストフォイル軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸受面の局所摩耗を防止する。【解決手段】複数のリーフ42を円周方向に並べることで軸受面Sが形成される。各リーフ42は回転方向の先行側に位置する前端421と、内径縁部423とを備えている。各リーフ42のうち前端421の内径端を除く内径縁部423に、軸心Oからの距離を前端421の内径端の軸心Oからの距離よりも大きくした後退部425を設ける。【選択図】図13

Description

本発明は、スラストフォイル軸受に関する。
ガスタービンやターボチャージャ等のターボ機械の主軸を支持する軸受には、高温・高速回転といった過酷な環境に耐え得ることが要求される。このような過酷条件下での使用に適合する軸受として、フォイル軸受が着目されている。フォイル軸受は、曲げに対して剛性の低い可撓性を有する薄膜(リーフ)で軸受面を構成したものであり、軸の回転時に軸とリーフの軸受面との間に形成された軸受隙間に流体膜(例えば空気膜)を形成して軸を非接触支持するものである。このフォイル軸受によれば、軸受面をリーフで形成することで軸受面のたわみが許容され、軸受面が軸の変位や熱膨張等に追従して変形するため、過酷条件下でも軸を安定的に支持できる、という利点を有する。
このフォイル軸受は、ラジアル方向の荷重を支持するラジアルフォイル軸受とスラスト方向の荷重を支持するスラストフォイル軸受とに大別される。このうち、スラストフォイル軸受としては、下記特許文献1に記載されたものが知られている。このスラストフォイル軸受の構成を図20および図21に示す。なお、図20は軸受面を軸方向から見た平面図であり、図21は一枚のリーフを拡大して示す平面図である。
図20および図21に示すように、スラストフォイル軸受は、回転方向Rの複数箇所にリーフ100を配置し、各リーフの前端101を含む領域で、軸受面S1を有するトップフォイル部102を形成すると共に、後端103を含む領域で、隣接するリーフのトップフォイル部102の背後に配置されるバックフォイル部104を形成したものである。
このスラストフォイル軸受を構成する各リーフ100の外径縁部105および内径縁部106は、何れも軸心Oを中心とする円弧で形成されている(特許文献1の段落0027)。
特開2017−82913号公報
図22(a)(b)は、図20に示すスラストフォイル軸受の断面図である。図22(a)(b)に示すように、スラストフォイル軸受では、リーフ100が積層された状態にあるが、同一枚数のリーフが周長Lo,Liの異なる外径側と内径側で積層されるため、外径側(図22(a))に比べて、内径側(図22(b))ではリーフが密に積層される。そのため、軸受面の内径側で軸受剛性が高くなる。このように軸受剛性が高くなれば、軸に対するリーフの追従性が低下し、特に内径側で軸とリーフの接触が頻繁に生じる。そのため、従来のスラストドイル軸受では、軸受面の内径側(特に内径縁部)で局所的に摩耗が進行する点が問題となっている。
そこで、本発明は、軸受面の局所摩耗を防止できるスラストフォイル軸受を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するため、本発明は、複数のリーフを円周方向に並べることで軸受面が形成され、各リーフが回転方向の先行側に位置する前端と、内径縁部とを備えるスラストフォイル軸受において、各リーフのうち前記前端の内径端を除く内径縁部に、軸心からの距離を前記前端の内径端の軸心からの距離よりも大きくした後退部を設けたことを特徴とするものである。
各リーフには、軸受面を形成するトップフォイル部と、隣接するリーフのトップフォイル部を支持するバックフォイル部とを設けることができる。この場合、後退部は、トップフォイル部に設け、あるいは、バックフォイル部に設けることができる。この他、トップフォイル部とバックフォイル部の双方に後退部を設けることもできる。
また、後退部は、トップフォイル部の内径縁部のうち、各リーフの前端を除く全領域に設けることができる。また、バックフォイル部の内径縁部のうち、各リーフの前端を除く全領域に設けることもできる。
本発明によれば、軸受面の局所摩耗を防止することができる。
ガスタービンの構成を概念的に示す図である。 上記ガスタービンにおけるロータの支持構造を示す断面図である。 上記支持構造に組み込まれたフォイル軸受ユニットの断面図である。 スラストフォイル軸受を軸受面側から見た時の平面図である。 スラストフォイル軸受のリーフを示す平面図である。 図4中のX−X線断面を展開した図である。 複数のリーフを連結したフォイル部材の平面図である。 複数のリーフを連結したフォイル部材の平面図である。 フォイル部材のリーフを拡大して示す平面図である。 2枚のフォイル部材を仮組みした状態を示す平面図である。 仮組した2枚のフォイル部材をフォイルホルダのホルダ本体上に配置した状態を示す平面図である。 図11のホルダ本体に固定部材を取り付けた状態を示す平面図である。 第一の実施形態にかかるスラストフォイル軸受の平面図および一部拡大図である。 第一の実施形態におけるリーフを拡大して示す平面図である。 第二の実施形態にかかるスラストフォイル軸受の平面図および一部拡大図である。 第二の実施形態におけるリーフを拡大して示す平面図である。 第三の実施形態にかかるスラストフォイル軸受の平面図および一部拡大図である。 第三の実施形態におけるリーフを拡大して示す平面図である。 第一〜第三実施形態におけるリーフの変形例を示す平面図である。 従来のスラストフォイル軸受を示す平面図である。 従来のスラストフォイル軸受のリーフを拡大して示す平面図である。 スラスト軸受の断面形状を概略的に示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に、ターボ機械の一種であるガスタービンの構成を概念的に示す。このガスタービンは、それぞれに翼列を形成したタービン1および圧縮機2と、発電機3と、燃焼器4と、再生器5とを主に備える。タービン1、圧縮機2、および発電機3には、水平方向に延びる共通の回転軸6が設けられ、この回転軸6と、タービン1および圧縮機2とで一体回転可能のロータが構成される。
吸気口7から吸入された空気は、圧縮機2で圧縮され、再生器5で加熱された上で燃焼器4に送り込まれる。この圧縮空気に燃料を混合して燃焼させ、高温、高圧のガスでタービン1を回転させる。タービン1の回転力が回転軸6を介して発電機3に伝達され、発電機3が回転することにより発電し、この電力がインバータ8を介して出力される。タービン1を回転させた後のガスは比較的高温であるため、このガスを再生器5に送り込んで燃焼前の圧縮空気との間で熱交換を行うことで、燃焼後のガスの熱を再利用する。再生器5で熱交換を終えたガスは、排熱回収装置9を通ってから排ガスとして排出される。
図2に、上記ガスタービンにおけるロータの回転軸6を支持するフォイル軸受ユニット10を示す。フォイル軸受ユニット10は、回転軸6と、回転軸6に固定された回転部材20と、ラジアルフォイル軸受30と、第1スラストフォイル軸受40と、第2スラストフォイル軸受50とを備える。一体に回転する回転軸6と回転部材20とで軸部材11が構成される。ラジアルフォイル軸受30は軸部材11をラジアル方向で支持し、第1スラストフォイル軸受40および第2スラストフォイル軸受50は、軸部材11を両スラスト方向で支持する。
回転部材20は、図3に示すように、スリーブ部21と、スリーブ部21から外径に突出した円盤状のフランジ部22とを備える。フランジ部22は例えば炭素繊維強化複合材で形成され、スリーブ部21は例えば炭素焼結材で形成される。
以下、第1スラストフォイル軸受40の構成を説明する。
[スラストフォイル軸受の基本構成]
第1スラストフォイル軸受40は、図3に示すように、軸部材11(回転部材20)のフランジ部22を軸方向一方側から支持するものであり、図3および図4に示すように、フォイルホルダ41と、フォイルホルダ41に、周方向で帯状となるように取り付けられる複数のリーフ42とを備える。フォイルホルダ41は、軸心に穴を有する円盤状のホルダ本体41aと、ホルダ本体41aの端面41a1の外径端に設けられた環状の固定部材41bとを有する。ホルダ本体41aと固定部材41bで各リーフ42を軸方向両側から挟み込むことにより、各リーフ42がフォイルホルダ41に保持される。
図4に示すように、リーフ42は回転方向R(円周方向)の複数個所に等ピッチで配置される。図5は、回転方向Rに並べた複数のリーフ42のうち、一つのリーフ42のみを図示して他のリーフの図示を省略したものである。図5に示すように、各リーフ42は、後述するトップフォイル部Tfおよびバックフォイル部Bfを構成する本体部42aと、本体部42aから外径側に延びる延在部42b(クロスハッチングで示す)とを一体に備える。
リーフ42の本体部42aは、回転方向R側の端部に位置する前端421と、反回転方向側の端部に位置する後端422と、前端421の両側端につながった内径縁部423および外径縁部424とを有する。前端421および後端422は、いわゆるヘリングボーン形状をなしており、前端421はその両端部の間の領域を回転方向R側に突出させた凸形状に形成され、後端422は、その両端部の間を回転方向R側に凹ませた凹形状に形成されている。前端421および後端422は、半径方向の概ね中央領域に頂部421a,422aを有する。このように前端421および後端422をヘリングボーン形状に形成することにより、軸部材11の回転中に流体(例えば空気)をスラスト軸受隙間の半径方向中央領域に引き込む作用を得ることができ、スラストフォイル軸受の負荷容量を高めることが可能となる。本実施形態では、双方の頂部421a,422aの輪郭形状を円弧にした場合を例示している。
延在部42bは、本体部42aの外径端から、外径側を反回転方向に後退させることで半径方向に対して傾斜方向に延びるように形成されている。図4に示すように、回転方向Rに配列された各延在部42bは、互いに重なり合うことなく回転方向Rの隙間を介してホルダ本体41aの同一平面上に配置される。ホルダ本体41a上に並べた各延在部42b上に固定部材41bを配置し、各リーフ42の延在部42bの外径部分(図5にクロスハッチングで示す)をホルダ本体41aと固定部材41bとで挟み込み、両部材41a,41bをボルト等で締め付け固定することで、各リーフ42がフォイルホルダ41に固定される。
図6は、図4中のX−X線の断面図である。図6に示すように、第1スラストフォイル軸受40の各リーフ42は、ホルダ本体41aの端面41a1上に、各リーフ42の半ピッチ分だけ位相をずらしながら回転方向Rに部分的に重ね合わせて配置されている。各リーフ42の前端421を含む回転方向先行側の領域は、隣接するリーフ42上に乗り上げたトップフォイル部Tfを構成する。また、各リーフ42の後端422を含む反回転方向側の領域は、隣接するリーフ42のトップフォイル部Tfの背後で当該トップフォイル部Tfを弾性的に支持するバックフォイル部Bfを構成する。各リーフ42のトップフォイル部Tfの表面で、フランジ部22の一方の端面22aと対向するスラスト軸受面Sが形成される。
以上に述べたスラストフォイル軸受40は、以下の手順で製作することができる。
まず、図7および図8に示すように、同形状の2枚のフォイル部材60を製作する(図8、図10〜図12では、理解しやすいように、一方のフォイル部材60に散点を付して示している)。各フォイル部材60には、フォイル素材に対するプレス加工やワイヤカット加工等で、複数のリーフ42と、その外径端を連結する環状の連結部61とが一体に形成される。各フォイル部材60には、スラストフォイル軸受40に組み込まれるリーフ42の半数のリーフ42が回転方向Rに沿って等間隔に設けられる。隣接するリーフ42の本体部42aは切り込み62で分断され、隣接するリーフ42の延在部42bの間には打ち抜きにより空間63が形成されている。各リーフ42の延在部42bは、接合部61aを介して連結部61に保持されている。接合部61aの周方向寸法L1は、各リーフ42の延在部42bの外径端の周方向寸法L2よりも小さい。
図9は、各フォイル部材60の隣接する二つのリーフ42を拡大して示すものである。図9に示すように、フォイル部材60における各リーフ42の先端421と隣接するリーフの後端422の間には隙間Cが形成される。この隙間Cの幅は、頂部421a付近で大きく、頂部421aの両側方で小さくなっている。この隙間Cは、各フォイル部材60を形成する際に、例えば、隣接するリーフ42間を分断する切り込み62の回転方向Rの幅を大きくすることで形成される。
二枚のフォイル部材60を製作した後、図10に示すように、一方のフォイル部材60と他方のフォイル部材60を重ねる。この際、二枚のフォイル部材60をリーフ42の半ピッチ分だけずらした状態とし、一方のフォイル部材60の各リーフ42(本体部42a)の回転方向Rの先行側部分を、切り込み62を介して他方のフォイル部材60のリーフ42(本体部42a)の反回転方向側の部分の上に配置する。
その後、上記のように仮組みした2枚のフォイル部材60を、図11に示すように、ホルダ本体41aの端面41a1(図3参照)上に配置する。このとき、各リーフ42の延在部42bの外径端が、ホルダ本体41aの端面41a1の外径端に沿って配される。また、フォイル部材60の連結部61は、ホルダ本体41aよりも外径側に配される。この状態で、図11に示すように、ホルダ本体41a上のフォイル部材60の上に固定部材41bを配置し、ホルダ本体41aと固定部材41bを図示しないボルト等により固定する。これにより、各リーフ42がリーフホルダ41に固定され、フォイル軸受の中間製造体80が完成する。
その後、ホルダ本体41aおよび固定部材41bの外径側に食み出た接合部61aを切断し、連結部61を各リーフ42から分離する。以上により、図4に示すスラストフォイル軸受40が完成する。なお、このように連結部61を各リーフ42から分離する他、連結部61を分離せずにそのまま残しても構わない。すなわち、上記中間製造体80を第1スラストフォイル軸受40として使用することもできる。この場合、ホルダ本体41aおよび固定部材41bの外径寸法を連結部61の外径寸法よりも大きくして、フォイルホルダ41の外径側に連結部61が食み出さないようにするのが好ましい。
図3に示す第2スラストフォイル軸受50は、回転部材20のフランジ部22を軸方向他方側から支持するものであり、フォイルホルダ51と、フォイルホルダ51に固定された複数のリーフ52とを備える。フォイルホルダ51は、軸心に穴を有する円盤状のホルダ本体51aと、ホルダ本体51aの端面51a1の外径端に配置された固定部材51bとを有する。第2スラスト軸受50の構成および組立手順は、第1スラスト軸受40と共通するので、その説明は省略する。
以上に述べたリーフ42,52は、ばね性に富み、かつ加工性のよい金属、例えば鋼材料や銅合金からなる厚さ20μm〜200μm程度のリーフ素材で形成される。リーフ素材としては、ステンレス鋼もしくは青銅製からなるものを用いるのが好ましい。
図4に示す第1スラストフォイル軸受40(第2スラストフォイル軸受50も含む)では、図6に示すように、各リーフ42のトップフォイル部Tfが隣接するリーフ42間の切り込み62(図7および図8参照)を介して各リーフ42のバックフォイル部Bfに乗り上げているため、トップフォイル部Tfは傾斜して立ち上がった状態となる。従って、軸部材11の一方向回転に伴って、各リーフ42のラジアル軸受面S2と軸部材11の端面(回転部材20のフランジ部22の端面22a)との間に楔空間が形成され、この楔空間に生じる流体動圧で軸部材11がスラスト方向に非接触支持される。
このとき、リーフ42,52が有する可撓性により、各リーフ42,52の軸受面S2,S3が、荷重や軸部材11の回転速度、周囲温度等の運転条件に応じて任意に変形するため、スラスト軸受隙間は運転条件に応じた適切幅に自動調整される。そのため、高温・高速回転といった過酷な条件下でも、スラスト軸受隙間を最適幅に管理することができ、軸部材11を安定して支持することが可能となる。
また、フォイル部材60の隣接するリーフ間に隙間Cを設けることで、図6に示すように、最も近接した前端421と後端422の間に挟まれた中間位置にあるリーフ42のばね効果が増す。これにより、リーフ42の前端421の剛性を小さくすることができ、フランジ部22の端面22aに対する前端421の追従性を高めることができる。
尚、軸部材11の停止直前や起動直後の低速回転時には、各リーフ42の軸受面Sとフランジ部22の端面22aが接触摺動するため、これらの何れか一方または双方に、DLC膜、チタンアルミナイトライド膜、二硫化タングステン膜、あるいは二硫化モリブデン膜等の低摩擦化被膜を形成してもよい。また、軸部材11の回転時には、各リーフ42と各フォイルホルダ41との間の微小摺動により、軸部材11の振動を抑制することができる。この微小摺動による摩擦力を調整するために、リーフ42と各フォイルホルダ41との何れか一方または双方に、上記のような低摩擦化被膜を形成してもよい。
[本発明の特徴的構成]
以上に述べたスラストフォイル軸受40を基本構造として、本願発明の特徴的構成を説明する。
図4に示すスラストフォイル軸受40では、各リーフ41の内径縁部423および外径縁部424の双方が軸心を中心とする円弧で形成されている。かかる構成では、既に述べたように、内径側と外径側でのリーフの密度が相違し、内径側でのリーフの密度が外径側よりも大きくなるため、内径縁部423の軸受剛性が高くなる。そのため、内径縁部423およびその近傍がフランジ部22の端面22aに接触し易くなり、特に各リーフ42の内径縁部423が局所的に摩耗する問題がある。
かかる課題に対し、本発明では、図13〜図18に示すように、各リーフ42の内径縁部423に、前端421の内径端を通る、軸心Oを中心とした円よりも外径側に後退した後退部425を設けている。
以下、図13〜図18に基づいて、かかる構成の第一の実施形態〜第三の実施形態を説明する。なお、図13、図15、図17はスラストフォイル軸受40の軸受面Sを軸方向から見た平面図である。これらの図面では、図4に示すホルダ本体41aと固定部材41bで挟まれた領域の図示が省略されている。また、図14、図16、図18は、一つのリーフ42を拡大して示す平面図である。図14、図16、図18では、スラストフォイル軸受40の組立状態で隣接するリーフ(以下、「隣接リーフ」と称する)の前端421’を破線で示している。
図12および図13に基づいて第一の実施形態を説明する。
第一の実施形態において、後退部425は、各リーフ42のトップフォイル部Tfを形成する部分(前端421と隣接リーフの前端421’とに挟まれた領域)のみに設けられている。従って、各リーフ42に設けられた後退部425の軸心Oからの距離r2は、当該リーフ42の前端421の内径端の軸心Oからの距離r1(当該内径端の半径寸法)よりも大きい(r2>r1)。各リーフ42のバックフォイル部Bfを形成する部分(後端422と隣接リーフの前端421’とに挟まれた領域)に後退部は設けられていない。従って、各リーフ42のバックフォイル部Bfを形成する部分の内径縁部423の輪郭は、軸心Oを中心とした、前端421の内径端を通る円を構成する円弧となる。
後退部425の形成範囲を回転方向Rで極力大きくするため、後退部425の回転方向Rと反対側の端部(「終点」と呼ぶ)は、隣接リーフの前端421’の内径端と一致するように設ける。後退部425の終点を回転方向Rと反対側にさらに延ばし、バックフォイル部Bfとなる部分に後退部425の終点を配置することもできる。一方、後退部425の回転方向R側の端部(「始点」と呼ぶ)は、リーフ42の前端421の内径端に極力接近させる。すなわち、後退部425は、リーフ42の内径縁部423のうち、前端421の内径端を除く領域に設ける。後退部425の始端をリーフ42の前端421の内径端よりも外径側に到達させると、前端421の形状が内径側で変化し、ヘリングボーン状に形成した前端421による流体の引き込み作用に影響を与えるためである。
かかる第一の実施形態であれば、後退部425を形成した領域では、フランジ部22の端面22aに最も接近するリーフが、回転方向R側に隣接するリーフのバックフォイル部Bfとなる。これにより、剛性が高くなりがちな内径縁部423において、リーフ42とフランジ部22の端面22aとの間の距離が大きくなるため、リーフ42とフランジ部22の端面22aが接触し難くなる。つまり、トップフォイル部Tfの高剛性部分がフランジ部22の端面22aと接触し難くなる。従って、軸受面Sの局所摩耗を防止することができる。
次に図14および図15に基づいて第二の実施形態を説明する。
この第二の実施形態では、各リーフ42の内径縁部423のうち、トップフォイル部Tfを形成する部分と、バックフォイル部Bfを形成する部分の双方に後退部425が設けられている。トップフォイル部Tfを構成する部分およびバックフォイル部Bfを構成する部分に設けられた二つの後退部425の軸心Oからの距離r2、r3は、当該リーフ42の前端421の内径端の軸心Oからの距離r1よりも大きい(r2>r1、r3>r1)。図14に示すスラストフォイル軸受の組立状態では、トップフォイル部Tfの後退部425は、隣接するリーフのバックフォイル部Bfに設けた後退部425と重なる位置にある。
かかる構成でも、図12および図13に示す第一の実施形態と同様に、各リーフ42のトップフォイル部Tfの高剛性部分(内径縁部423及びその周辺)がフランジ部22の端面22aと接触し難くなる。従って、軸受面Sの局所摩耗を防止することができる。特にこの実施形態であれば、後退部425を設けた領域において、フランジ部22の端面22aとバックフォイル部Bfとの接触も防止できるため、局所摩耗の抑制効果がさらに高まる。
次に図16および図17に基づいて第三の実施形態を説明する。
第三の実施形態では、各リーフ42の内径縁部423のうち、バックフォイル部Bfを形成する部分にのみ後退部425が設けられている。バックフォイル部Bfを形成する部分に設けられた後退部425の軸心Oからの距離r3は、当該リーフ42の前端421の内径端の軸心Oからの距離r1よりも大きい(r3>r1)。トップフォイル部Tfを形成する部分には後退部425が設けられていない。従って、トップフォイル部Tfの内径縁部423の輪郭は、軸心Oを中心とした、前端421の内径端を通る円を構成する円弧となる。
かかる構成では、トップフォイル部Tfの内径縁部423の直下が空間となるため、トップフォイル部Tfを支持するばね力が低くなる。そのため、トップフォイル部Tfの内径縁部423が弾性変形し易くなり、フランジ部22の端面22aに対するトップフォイル部Tfの内径縁部423の追従性が増す。これにより、フランジ部22の端面22aとの接触によるトップフォイル部Tfの局所摩耗を防止することができる。
以上に説明した第一の実施形態および第二の実施形態では、図13および図15に示すように、後退部425の始点と前端421の内径端との間に軸心Oを中心とする円弧状の内径縁部423が形成されているが、図19(a)(b)に示すように、後退部425の始点を前端421の内径端と一致させてもよい。
また、第三の実施形態では、図17に示すように、後退部425の始点と隣接リーフの前端421’の内径端との間に軸心Oを中心とする円弧状の内径縁部423が形成されているが、図19(c)に示すように、後退部425の始点を隣接リーフの前端421’の内径端と一致させてもよい。
このように後退部425の始端をリーフ42の前端421,421’の内径端と一致させることにより、トップフォイル部Tfの内径縁部423には、各リーフ42の前端421,421’の内径端を除く全領域に後退部425が形成され(図19(a)および図19(b))、バックフォイル部Bfの内径縁部423には、各リーフ42の前端421,421’の内径端を除く全領域に後退部425が形成される(図19(c))。かかる構成から、軸方向から見た後退部425を面積が拡大するため、より広範囲にわたりトップフォイル部Tfの局所摩耗を防止することが可能となる。
以上に説明したスラストフォイル軸受の適用対象は、上述したガスタービンに限られず、例えば過給機のロータを支持する軸受としても使用することができる。また、以上に説明したスラストフォイル軸受は、ガスタービンや過給機等のターボ機械に限らず、潤滑油などの液体による潤滑が困難である、エネルギー効率の観点から潤滑油循環系の補機を別途設けることが困難である、あるいは液体のせん断による抵抗が問題になる等の制限下で使用される自動車等の車両用軸受、さらには産業機器用の軸受として広く使用することが可能である。
また、以上に説明したスラストフォイル軸受は、圧力発生流体として空気を使用した空気動圧軸受であるが、これに限らず、圧力発生流体としてその他のガスを使用することもでき、あるいは水や油などの液体を使用することもできる。さらに、軸部材11を回転させる場合を説明したが、これとは逆にフォイルホルダ31,41,51側(リーフ側)を回転させる場合にも以上に説明したスラストフォイル軸受を採用することができる。
11 軸部材
40 スラストフォイル軸受
41 フォイルホルダ
42 リーフ
60 フォイル部材
61 連結部
62 切り込み
421 前端
422 後端
423 内径縁部
424 外径縁部
425 後退部
Bf バックフォイル部
C 隙間
O 軸心
R 回転方向
S 軸受面
Tf トップフォイル部

Claims (6)

  1. 複数のリーフを円周方向に並べることで軸受面が形成され、各リーフが回転方向の先行側に位置する前端と、内径縁部とを備えるスラストフォイル軸受において、
    各リーフのうち前記前端の内径端を除く内径縁部に、軸心からの距離を前記前端の内径端の軸心からの距離よりも大きくした後退部を設けたことを特徴とするスラストフォイル軸受。
  2. 各リーフに、前記軸受面を形成するトップフォイル部と、隣接するリーフのトップフォイル部を支持するバックフォイル部とを設け、前記後退部を前記トップフォイル部に設けた請求項1に記載のスラストフォイル軸受。
  3. 各リーフに、前記軸受面を形成するトップフォイル部と、隣接するリーフのトップフォイル部を支持するバックフォイル部とを設け、前記後退部を前記バックフォイル部に設けた請求項1に記載のスラストフォイル軸受。
  4. 各リーフに、前記軸受面を形成するトップフォイル部と、隣接するリーフのトップフォイル部を支持するバックフォイル部とを設け、前記後退部を前記トップフォイル部と前記バックフォイル部の双方に設けた請求項1に記載のスラストフォイル軸受。
  5. 前記トップフォイル部の内径縁部のうち、各リーフの前端を除く全領域に前記後退部を設けた請求項2〜4の何れか1項に記載のスラストフォイル軸受。
  6. 前記バックフォイル部の内径縁部のうち、各リーフの前端を除く全領域に前記後退部を設けた請求項2〜4の何れか1項に記載のスラストフォイル軸受。
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