JP2021067353A - フォイル軸受およびこれを備えた回転機械 - Google Patents

フォイル軸受およびこれを備えた回転機械 Download PDF

Info

Publication number
JP2021067353A
JP2021067353A JP2019195343A JP2019195343A JP2021067353A JP 2021067353 A JP2021067353 A JP 2021067353A JP 2019195343 A JP2019195343 A JP 2019195343A JP 2019195343 A JP2019195343 A JP 2019195343A JP 2021067353 A JP2021067353 A JP 2021067353A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foil
holder
bearing
row
holder body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019195343A
Other languages
English (en)
Inventor
藤原 宏樹
Hiroki Fujiwara
宏樹 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2019195343A priority Critical patent/JP2021067353A/ja
Publication of JP2021067353A publication Critical patent/JP2021067353A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Supercharger (AREA)
  • Support Of The Bearing (AREA)

Abstract

【課題】フォイル軸受の精度を高めると共に、組み立てを容易化する。【解決手段】フォイル軸受10は、筒状のホルダ本体13を有するフォイルホルダ11と、ホルダ本体13の内周面13aに周方向に並べて取り付けられた複数のフォイル20からなる第一のフォイル列12Aおよび第二のフォイル列12Bとを備える。各フォイル20は、軸受面Aを有する本体部20aと、ホルダ本体13の内周面13aの軸方向溝13cに差し込まれた差込部20bとを有する。フォイルホルダ11は係止部(第二環状部材15の側面15d、15e)を有する。係止部は、第一のフォイル列12Aのフォイル20の差込部20bと第二のフォイル列12Bのフォイル20の差込部20bとの軸方向間に設けられ、各フォイル列12A、12Bのフォイル20の差込部20bに軸方向で当接する。【選択図】図4

Description

本発明は、フォイル軸受およびこれを備えた回転機械に関する。
ガスタービンやターボチャージャ等のターボ機械の主軸を支持する軸受には、高温および高速回転といった過酷な環境に耐え得ることが要求される。このような条件下での使用に適する軸受として、フォイル軸受が着目されている。フォイル軸受は、曲げに対して剛性の低い可撓性を有する金属薄板(フォイル)で軸受面を構成し、軸受面の撓みを許容しながら荷重を支持するものである。
例えば、下記の特許文献1には、円筒状のフォイルホルダの内周面に、複数のフォイルを周方向に並べて取り付けたフォイル軸受が示されている。各フォイルは、軸受面を有する本体部と、本体部の下流側に設けられ、フォイルホルダの内周面に形成された軸方向溝に差し込まれる差込部と、本体部の上流側に設けられ、上流側に隣接するフォイルとフォイルホルダとの間に配されるバックフォイル部とを有する。このフォイル軸受では、フォイルがフォイルホルダに対して完全に固定されておらず、周方向移動可能な状態で取り付けられているため、フォイルとフォイルホルダとの摺動量が大きくなり、摺動時のクーロン摩擦による軸の振動減衰効果が高められる。
また、下記の特許文献2には、軸方向に並べた2枚のフォイルを連結した複列フォイルを形成し、この複列フォイルを、一部品からなるフォイルホルダに取り付けたフォイル軸受が示されている。
特開2015−143572号公報 特開2016−48074号公報
軸の支持能力を高めるために、上記の特許文献1に示されているような単列のフォイル軸受を、軸方向に複数個並べて使用することがある。しかし、この場合、部品数が増えると共に、各フォイル軸受を個別に装置に組み付ける必要があるため、これらのフォイル軸受の相対的な精度(例えば、両フォイルホルダの同軸度等)を確保することが難しい。
一方、上記の特許文献2のように、一部品からなるフォイルホルダに複列フォイルを取り付ければ、単列のフォイル軸受を軸方向に複数個並べて使用する場合と比べて、部品数が減じられると共に、フォイル軸受の精度が高められる。しかし、特許文献2に示されている複列フォイルは、各フォイルの軸方向一部領域(例えば差込部)のみが連結されているため、フォイルホルダに取り付ける際、具体的には複列フォイルの下流側端部(差込部)をフォイルホルダの軸方向溝に差し込む際に、複列フォイルが変形しやすく、組み立てが難しい。
以上の事情から、本発明は、フォイル軸受の精度を高めると共に、組み立てを容易化することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、一部品からなる筒状のホルダ本体を有するフォイルホルダと、前記ホルダ本体の内周面に周方向に並べて取り付けられた複数のフォイルからなる第一のフォイル列と、前記ホルダ本体の内周面のうち、前記第一のフォイル列と異なる軸方向領域に周方向に並べて取り付けられた複数のフォイルからなる第二のフォイル列とを備え、両フォイル列を構成する各フォイルが、軸受面を有する本体部と、前記本体部の下流側に設けられ、前記ホルダ本体の内周面に設けられた軸方向溝に差し込まれた差込部とを有し、前記フォイルホルダに、第一のフォイル列のフォイルの差込部と第二のフォイル列のフォイルの差込部との軸方向間に設けられ、各フォイル列のフォイルの差込部に軸方向で当接する係止部を設けたフォイル軸受を提供する。
このように、一部品からなるホルダ本体の内周面に複数のフォイル列を取り付けることにより、単列のフォイル軸受を軸方向に並べて使用する場合と比べて、部品数が減じられると共に、フォイル軸受の精度が高められる。また、上記のフォイル軸受では、各フォイル列のフォイルを連結することなく、それぞれ別個にホルダ本体に取り付ける。具体的には、各フォイル列のフォイルの差込部を、ホルダ本体の内周面の軸方向溝に軸方向から差し込むことで組み立てられる。このとき、フォイルホルダに、両フォイル列のフォイルの差込部の軸方向間に配された係止部を設け、この係止部に、各フォイル列のフォイルの差込部を軸方向で当接させることにより、各フォイルを軸方向(ホルダ本体の奥部に挿入する方向)で位置決めすることができるため、単列のフォイル軸受と同じ難易度で組み立てることができる。
上記のフォイル軸受は、例えば、ホルダ本体の内周面に環状溝を形成し、フォイルホルダが、前記環状溝に取り付けられた環状部材を有し、この環状部材の軸方向両側の側面に、前記当接部を設けた構成とすることができる。このとき、環状部材の内径を、ホルダ本体の内径よりも大きくすれば、環状部材がホルダ本体の内周面よりも内径側に突出してフォイルと干渉する事態を防止できる。
以上のように、本発明のフォイル軸受によれば、複数の単列のフォイル軸受を並べて使用する場合よりも精度が高められると共に、単列のフォイル軸受と同じ難易度で組み立てることができる。
ガスタービンの構成を概念的に示す図である。 上記ガスタービンにおけるロータの支持構造を示す断面図である。 上記支持構造に組み込まれた、本発明の一実施形態に係るフォイル軸受を軸方向から見た正面図である。 図3のIV−IV線断面図である。 環状部材の正面図である。 (A)は上記フォイル軸受に設けられるフォイルの斜視図であり、(B)は3枚のフォイルを組み立ててなるフォイル列の斜視図である。 上記フォイル軸受の組立工程を示す図であり、ホルダ本体に第二環状部材を取り付けた状態を示す。 上記フォイル軸受の組立工程を示す図であり、ホルダ本体に第一のフォイル列を挿入した状態を示す。 上記フォイル軸受の組立工程を示す図であり、ホルダ本体に一方の第一環状部材を取り付けた状態を示す。 上記フォイル軸受の組立工程を示す図であり、ホルダ本体に第二のフォイル列を挿入した状態を示す。 他の実施形態に係るフォイル軸受の断面図である。 さらに他の実施形態に係るフォイルの平面図である。 図12のフォイルを周方向に並べて組み立てた状態を示す平面展開図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に、回転機械として、ターボ機械の一種であるガスタービンの構成を概念的に示す。このガスタービンは、翼列を形成したタービン1および圧縮機2と、発電機3と、燃焼器4と、再生器5とを主に備える。タービン1、圧縮機2、および発電機3には、水平方向に延びる共通の主軸6が設けられ、この主軸6と、タービン1および圧縮機2とで一体回転可能のロータが構成される。吸気口7から吸入された空気は、圧縮機2で圧縮され、再生器5で加熱された上で燃焼器4に送り込まれる。この圧縮空気に燃料を混合して燃焼させ、高温、高圧のガスでタービン1を回転させる。タービン1の回転力が主軸6を介して発電機3に伝達され、発電機3が回転することにより発電し、この電力がインバータ8を介して出力される。タービン1を回転させた後のガスは比較的高温であるため、このガスを再生器5に送り込んで燃焼前の圧縮空気との間で熱交換を行うことで、燃焼後のガスの熱を再利用する。再生器5で熱交換を終えたガスは、排熱回収装置9を通ってから排ガスとして排出される。
図2に、上記ガスタービンにおけるロータの支持構造の一例を示す。この支持構造では、軸方向一箇所にラジアル軸受10が配置され、主軸6に設けられたフランジ部6bの軸方向両側にスラスト軸受30、30が配置される。このラジアル軸受10およびスラスト軸受30により、主軸6がラジアル方向及び両スラスト方向に回転自在に支持される。
この支持構造において、タービン1と圧縮機2の間の領域は、高温、高圧のガスで回転されるタービン1に隣接しているために高温雰囲気となる。この高温雰囲気では、潤滑油やグリース等からなる潤滑剤が変質・蒸発してしまうため、これらの潤滑剤を使用する通常の軸受(転がり軸受等)を適用することは難しい。そのため、この種の支持構造で使用される軸受10、20としては、空気動圧軸受、特にフォイル軸受が適合する。
以下、上記ガスタービン用のラジアル軸受に適合するフォイル軸受10の構成を図面に基づいて説明する。尚、フォイル軸受10の説明において、軸6の回転に伴う流体の流れ方向の上流側および下流側を、それぞれ「上流側」および「下流側」と言う。
フォイル軸受10は、図3および図4に示すように、フォイルホルダ11と、フォイルホルダ11に取り付けられた複数のフォイル20からなる第一のフォイル列12Aおよび第二のフォイル列12Bとを有する。尚、図4および8〜11では、各フォイル列12A、12Bを構成する複数のフォイル20のうち、一枚のフォイル20のみを示している。
フォイルホルダ11は、筒状のホルダ本体13と、ホルダ本体13の内周面の軸方向両端に取り付けられた第一環状部材14と、ホルダ本体13の内周面の軸方向中間部(図4では軸方向中央部)に取り付けられた第二環状部材15とを有する。
ホルダ本体13は一部品からなり、例えば金属(焼結金属や溶製材等)で円筒状に一体形成される。ホルダ本体13の内周面13aのうち、周方向に離隔した複数箇所(図3では3箇所)には、軸方向溝13cが形成される。各軸方向溝13cは、例えば図4に点線で示すように、ホルダ本体13の内周面13aの軸方向全長にわたって連続して延び、各軸方向溝13cの軸方向両端がそれぞれホルダ本体13の端面に開口している。ホルダ本体13の外周面13bは、ガスタービンのハウジングの内周面に固定される。
図4に示すように、ホルダ本体13の内周面13aの軸方向両端部には、第一周方向溝13dが形成され、ホルダ本体13の内周面13aの軸方向中間部(図示例では軸方向中央部)には、第二周方向溝13eが形成される。本実施形態では、両周方向溝13d、13eが全周で連続した環状を成し、第一環状溝13dには第一環状部材14が取り付けられ、第二環状溝13eには第二環状部材15が取り付けられる。第一環状部材14および第二環状部材15は、金属やゴム等の弾性変形しやすい材料で形成される。環状部材14、15は、例えば図5に示すように、周方向一箇所を分断した有端状に形成される。環状部材14、15の端部14a、15aを軸方向にずらしながら、環状部材14、15を直径方向に圧縮して端部14a、15a同士を交差させることにより、環状部材14、15を弾性的に縮径させることができる(点線参照)。尚、環状部材14、15を、ゴム等の特に弾性に富んだ材料で形成する場合、環状部材14、15を全周で連続させてもよい。
図4に示すように、環状部材14、15の内周面14b、15bは、ホルダ本体13の内周面13a(環状溝13d、13eの軸方向間の円筒領域)と同径あるいはこれよりも大径とされる。図示例では、環状部材14、15の内周面14b、15bが、ホルダ本体13の内周面13aよりも大径とされる。このように、環状部材14、15の内周面14b、15bを、ホルダ本体13の内周面13aよりも外径側に後退させることで、環状部材14、15の内周面14b、15bとフォイル20の本体部20aとが非接触となる。
第一のフォイル列12Aおよび第二のフォイル列12Bは、それぞれ、周方向に並べた複数のフォイル20で構成される。フォイル20は、ばね性に富み、かつ加工性のよい金属、例えば鋼材料や銅合金からなる厚さ20μm〜200μm程度の金属フォイルにプレス加工や放電加工を施すことで形成される。本実施形態のように流体膜として空気を用いる空気動圧軸受では、雰囲気に潤滑油が存在しないため、金属フォイルとしてステンレス鋼もしくは青銅製のものを使用するのが好ましい。
各フォイル20は、図6(A)に示すように、軸受面Aを有する本体部20aと、本体部20aの下流側に設けられた差込部20bと、本体部20aの上流側に設けられたバックフォイル部20cとを備える。各フォイル20には、隣接するフォイル20の差込部20bが取り付けられる取付部が設けられ、本実施形態では、取付部として、本体部20aとバックフォイル部20cとの境界にスリット20dが形成される。差込部20bとスリット20dは軸方向で同じ位置に設けられる。図6(B)に示すように、各フォイル20の差込部20bを隣接するフォイル20のスリット20dに差し込むことにより、3枚のフォイル20を筒状に組み立てて各フォイル列12A、12Bを形成することができる。
図3に示すように、各フォイル20の差込部20bは、フォイルホルダ11のホルダ本体13の内周面13aに設けられた軸方向溝13cに差し込まれる。各フォイル20のバックフォイル部20cは、上流側に隣接するフォイル20の本体部20aとホルダ本体13の内周面13aとの間に配される。以上により、各フォイル20の周方向両端が、フォイルホルダ11のホルダ本体13に接触した状態で保持される。各フォイル20の本体部20aの下流側端部は、隣接するフォイル20の本体部20aの上流側端部と周方向に突っ張りあっている。これにより、各フォイル20の本体部20aが外径側に張り出し、ホルダ本体13の内周面13aに沿った円弧状の軸受面Aが得られる。
図4に示すように、第一のフォイル列12Aの各フォイル20の差込部20bに対し、軸方向一方側(図4の左側)から第一環状部材14を、軸方向他方側(図4の右側)から第二環状部材15を当接させる(あるいは、微小隙間を介して軸方向で対向させる)ことで、第一のフォイル列12Aがホルダ本体13に対して軸方向両方向で位置決めされる。同様に、第二のフォイル列12Bの各フォイル20の差込部20bに対し、軸方向他方側(図4の右側)から第一環状部材14を、軸方向一方側(図4の左側)から第二環状部材15を当接させる(あるいは、微小隙間を介して軸方向で対向させる)ことで、第二のフォイル列12Bがホルダ本体13に対して軸方向両方向で位置決めされる。
主軸6が図3の矢印方向に回転すると、フォイル軸受10の各フォイル20の本体部20aの内径面(軸受面A)と主軸6の外周面6aとの間の空気膜の圧力が高められる。本体部20aの下流側端部を含む領域は、下流側に隣接するフォイル20のバックフォイル部20cに乗り上げているため、軸受面Aが、下流側へ向けて主軸6の外周面6aに徐々に接近する。これにより、各フォイル20の軸受面Aと主軸6の外周面6aとの間に、下流側へ向けて徐々に狭くなったラジアル軸受隙間Rが形成される。このラジアル軸受隙間の幅狭側に空気が押し込まれることにより、ラジアル軸受隙間の空気膜の圧力が高められ、この圧力により主軸6がラジアル方向に非接触支持される。尚、図3では、ラジアル軸受隙間Rの幅を誇張して示している。
このとき、フォイル20が有する可撓性により、各フォイル20の軸受面Aが、荷重や主軸6の回転速度、周囲温度等の運転条件に応じて任意に変形するため、ラジアル軸受隙間は運転条件に応じた適切幅に自動調整される。そのため、高温・高速回転といった過酷な条件下でも、ラジアル軸受隙間を最適幅に管理することができ、主軸6を安定して支持することが可能となる。
本実施形態のフォイル軸受10では、複列のフォイル列12A、12Bが設けられるため、軸受面Aの面積、特に軸方向寸法を大きくすることができ、これにより軸受剛性、特に軸6のコニカルモードの振動に対する軸受剛性を高めることができる。このとき、複列のフォイル列12A、12Bを共通のホルダ本体13に取り付けることで、各フォイル列12A、12Bを高精度に配置することができるため、軸受剛性がさらに高められる。
また、各フォイル20は、フォイルホルダ11のホルダ本体13に完全に固定されておらず、ホルダ本体13に対する僅かな周方向移動が許容される。これにより、主軸6に微小振動が生じると、各フォイル20とホルダ本体13との間や、隣接するフォイル20の間に微小摺動が生じる。この微小摺動による摩擦エネルギーにより、主軸6の振動を減衰させることができる。
尚、主軸6の停止直前や起動直後の低速回転時には、各フォイル20の軸受面Aと主軸6の外周面6aとが接触摺動するため、これらの何れか一方または双方に、DLC膜、チタンアルミナイトライド膜、二硫化タングステン膜、あるいは二硫化モリブデン膜等の低摩擦化被膜を形成してもよい。また、フォイル20とホルダ本体13との間の微小摺動による摩擦力を調整するために、これらの何れか一方または双方に、上記のような低摩擦化被膜を形成してもよい。
上記のフォイル軸受10は、以下の手順で組み立てられる。
まず、第二環状部材15をホルダ本体13に取り付ける。第二環状部材15をホルダ本体13に取り付ける前の状態では、第二環状部材15の外周面15cは第二環状溝13eの溝底面よりも大径である。この第二環状部材15を、図5に点線で示すように弾性的に縮径させた状態でホルダ本体13の内周に挿入し、第二環状溝13eの内周で弾性復元させて拡径させる。これにより、図7に示すように、第二環状部材15が第二環状溝13eに嵌合してホルダ本体13に対して軸方向で位置決めされると同時に、第二環状部材15の外周面15cが、自身の弾性復元力により第二環状溝13eの溝底面に押し付けられて固定される。このとき、第二環状部材15の切り欠き部(両端部15a間の隙間)は、軸方向溝13cを除く周方向領域に配することが好ましい。
次に、図6(B)に示すように3枚のフォイル20を筒状に組み立てて、第一のフォイル列12Aを形成する。そして、図8に矢印で示すように、第一のフォイル列12Aを、ホルダ本体13の内周に軸方向一方側(図8の左側)から挿入する。このとき、各フォイル20の差込部20bを、ホルダ本体13の軸方向溝13cに軸方向一方側から差し込み、各フォイル20の挿入方向奥側(図8の右側)の差込部20bを、第二環状部材15の軸方向一方側の側面15d(係止部)に当接させる。これにより、第一のフォイル列12Aの挿入方向奥側(図8の右側)への移動が規制される。
次に、一方の第一環状部材14をホルダ本体13の一方の環状溝13dに取り付ける。第一環状部材14をホルダ本体13に取り付ける前の状態では、第一環状部材14の外周面14cは第一環状溝13dの溝底面よりも大径である。この第一環状部材14を、図5に点線で示すように弾性的に縮径させた状態でホルダ本体13の内周に挿入し、第一環状溝13dの内周で弾性復元させて拡径させる。これにより、図9に示すように、第一環状部材14が第一環状溝13dに嵌合してホルダ本体13に対して軸方向で位置決めされると同時に、第一環状部材15の外周面14cが、自身の弾性復元力により第一環状溝13dの溝底面に押し付けられて固定される。このとき、第一環状部材14の切り欠き部(両端部14a間の隙間)は、軸方向溝13cを除く周方向領域に配することが好ましい(図3参照)。
次に、図6(B)に示すように他の3枚のフォイル20を筒状に組み立てて第二のフォイル列12Bを形成する。そして、図10に矢印で示すように、第二のフォイル列12Bを、ホルダ本体13の内周に軸方向他方側(図10の右側)から挿入する。このとき、各フォイル20の差込部20bを、ホルダ本体13の軸方向溝13cに軸方向他方側から差し込み、各フォイル20の挿入方向奥側(図10の左側)の差込部20bを、第二環状部材15の軸方向他方側の側面15e(係止部)に当接させる。これにより、第二のフォイル列12Bの挿入方向奥側(図10の左側)への移動が規制される。
次に、他方の第一環状部材14を、ホルダ本体13の他方の第一環状溝13dに取り付ける。このときの取付手順は、上記の一方の第一環状部材14をホルダ本体13の他方の第一環状溝13dに取り付ける場合と同様であるため、説明を省略する。以上により、フォイル軸受10の組立が完了する(図4参照)。
上記のように、フォイル軸受10は、一部品からなるホルダ本体13に、各フォイル列12A、12Bのフォイル20をそれぞれ別個に取り付けるため、例えば軸方向に2枚のフォイルを連結させた複列フォイルを取り付ける場合と比べてフォイルが変形しにくい。また、各フォイル20をホルダ本体13に挿入する際、各フォイル20の差込部20bを第二環状部材15の側面15d、15eに当接させることで、各フォイル20をホルダ本体13に対して挿入方向(軸方向)で容易に位置決めすることができる。以上により、上記のフォイル軸受10は、単列のフォイル軸受と同程度の難易度で組み立てることができる。
また、上記のフォイル軸受10では、図4に示すように、フォイル20の本体部20aを環状部材14、15の内周を覆う軸方向領域まで延ばすことで、軸受面Aの面積を最大限確保している。このとき、環状部材14、15の内周面14b、15bがホルダ本体13の内周面13aよりも外径側に後退していることで、環状部材14、15がホルダ本体13の内周に突出してフォイル20と干渉する事態を回避できる。
本発明は、上記の実施形態に限られない。例えば、上記の実施形態では、各フォイル20の差込部20bに奥側から当接する係止部を第二環状部材15の側面15d、15eに設けた場合を示したが、これに限らず、係止部を、ホルダ本体13に一体に設けてもよい。例えば、図11に示す実施形態では、ホルダ本体13のうち、第一のフォイル列12Aのフォイル20の差込部20bが差し込まれる軸方向溝13cと、第二のフォイル列12Bのフォイル20の差込部20bが差し込まれる軸方向溝13cとの間に隔壁13fを一体に設け、この隔壁13fの軸方向両側の側面13f1に、各差込部20bと当接する係止部を設けている。
また、上記の実施形態では、各フォイル20の差込部20bの軸方向両側に環状部材14、15(係止部)を設けた場合を示したが、これに限らず、例えば図11に示すように、各フォイル20の差込部20bに軸方向外側から当接する第一環状部材14を省略してもよい。
また、図12に示す実施形態では、フォイル20のバックフォイル部20cに切り欠き部20eを設けている。このフォイル20を用いて両フォイル列12A、12Bを形成すると、図13に示すように、各フォイル20の本体部20aが、下流側に隣接するフォイル20のバックフォイル部20cに乗り上げることで、本体部20aに切り欠き部20eに沿った段差が形成される。この段差に沿って流体が軸方向中央側に集められることで、圧力向上効果が高められる(図13の矢印参照)。
また、上記の実施形態では、各フォイル20の下流側端部に差込部20bを設け、上流側端部にバックフォイル部20cを設けた場合を示したが、フォイル20の構成はこれに限られない。例えば、フォイル20の下流側端部および上流側端部にそれぞれ差込部20bを設け、両差込部20bを、それぞれホルダ本体13の軸方向溝13cに差し込んでもよい。
本発明にかかるフォイル軸受の適用対象は、上述したガスタービンに限られず、例えばターボチャージャ(過給機)のロータを支持する軸受としても使用することができる。また、本発明にかかるフォイル軸受は、ガスタービンやターボチャージャ等のターボ機械に限らず、油の使用が制限される回転機械の軸受(例えば、車両用軸受や産業機器用軸受)として広く使用することが可能である。
10 フォイル軸受
11 フォイルホルダ
12A 第一のフォイル列
12B 第二のフォイル列
13 ホルダ本体
13c 軸方向溝
13d 第一環状溝
13e 第二環状溝
14 第一環状部材
15 第二環状部材
15d、15e 側面(係止部)
20 フォイル
20a 本体部
20b 差込部
20c バックフォイル部
A 軸受面
R ラジアル軸受隙間

Claims (4)

  1. 一部品からなる筒状のホルダ本体を有するフォイルホルダと、前記ホルダ本体の内周面に周方向に並べて取り付けられた複数のフォイルからなる第一のフォイル列と、前記ホルダ本体の内周面のうち、前記第一のフォイル列と異なる軸方向領域に周方向に並べて取り付けられた複数のフォイルからなる第二のフォイル列とを備え、
    両フォイル列を構成する各フォイルが、軸受面を有する本体部と、前記本体部の下流側に設けられ、前記ホルダ本体の内周面に設けられた軸方向溝に差し込まれた差込部とを有し、
    前記フォイルホルダが、第一のフォイル列のフォイルの差込部と第二のフォイル列のフォイルの差込部との軸方向間に設けられ、各フォイル列のフォイルの差込部に軸方向で当接する係止部を有するフォイル軸受。
  2. 前記ホルダ本体の内周面に環状溝を形成し、
    前記フォイルホルダが、前記環状溝に取り付けられた環状部材を有し、
    前記環状部材の軸方向両側の側面に、前記当接部を設けた請求項1に記載のフォイル軸受。
  3. 前記環状部材の内径が、前記ホルダ本体の内径よりも大きい請求項2に記載のフォイル軸受。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のフォイル軸受と、前記フォイル軸受の内周に挿入された回転軸とを備えた回転機械。
JP2019195343A 2019-10-28 2019-10-28 フォイル軸受およびこれを備えた回転機械 Pending JP2021067353A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019195343A JP2021067353A (ja) 2019-10-28 2019-10-28 フォイル軸受およびこれを備えた回転機械

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019195343A JP2021067353A (ja) 2019-10-28 2019-10-28 フォイル軸受およびこれを備えた回転機械

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021067353A true JP2021067353A (ja) 2021-04-30

Family

ID=75638342

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019195343A Pending JP2021067353A (ja) 2019-10-28 2019-10-28 フォイル軸受およびこれを備えた回転機械

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021067353A (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20110171020A1 (en) * 2010-01-13 2011-07-14 Honeywell International Inc. Turbo compressor/journal foil bearings with axial retainers
JP2017187166A (ja) * 2016-03-30 2017-10-12 Ntn株式会社 フォイル軸受

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20110171020A1 (en) * 2010-01-13 2011-07-14 Honeywell International Inc. Turbo compressor/journal foil bearings with axial retainers
JP2017187166A (ja) * 2016-03-30 2017-10-12 Ntn株式会社 フォイル軸受

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2937584B1 (en) Foil bearing
JP2012092969A (ja) フォイル軸受
WO2015087675A1 (ja) フォイル軸受と、これを有するフォイル軸受ユニット及びターボ機械
WO2013042713A1 (ja) フォイル軸受
JP5766562B2 (ja) スラストフォイル軸受
JP6104597B2 (ja) フォイル軸受
WO2015141806A1 (ja) フォイル軸受
JP2012092967A (ja) フォイル軸受
JP5840423B2 (ja) フォイル軸受
JP6305749B2 (ja) フォイル軸受と、これを有するフォイル軸受ユニット及びターボ機械
WO2020195488A1 (ja) スラストフォイル軸受、フォイル軸受ユニット、ターボ機械及びフォイル
JP2021067353A (ja) フォイル軸受およびこれを備えた回転機械
JP6144222B2 (ja) フォイル軸受
JP2019082195A (ja) フォイル軸受、フォイル軸受ユニット、ターボ機械
JP6246574B2 (ja) フォイル軸受ユニット及びターボ機械
JP6440999B2 (ja) フォイル軸受及びこれに設けられるフォイル
JP6541946B2 (ja) フォイル軸受及びこれに設けられるフォイル
JP6324774B2 (ja) フォイル軸受及びこれを備えたターボ機械
WO2016031465A1 (ja) フォイル軸受及びこれに設けられるフォイル
JP6219489B2 (ja) フォイル軸受
WO2020179475A1 (ja) スラストフォイル軸受
JP2017082912A (ja) フォイル軸受
WO2018116740A1 (ja) フォイル軸受
JP2024053880A (ja) フォイル軸受
JP2023148086A (ja) フォイル軸受

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220916

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230518

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230601

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231027

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240416