JP6440999B2 - フォイル軸受及びこれに設けられるフォイル - Google Patents

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本発明は、フォイル軸受に関する。
ガスタービンやターボチャージャ等のターボ機械の主軸を支持する軸受として、フォイル軸受が着目されている。フォイル軸受は、曲げに対して剛性の低い可撓性を有する薄膜(フォイル)で軸受面を構成し、軸受面のたわみを許容することで荷重を支持するものである。軸の回転時には、軸の外周面とフォイルの軸受面との間に流体膜(例えば空気膜)が形成され、軸が非接触支持される。この場合、フォイルの可撓性により軸の回転速度や荷重、周囲温度等の運転条件に応じた適切な軸受隙間が自動的に形成されるため、安定性に優れ、一般的な空気動圧軸受と比べて高速での使用が可能となる。
例えば下記の特許文献1には、図10に示すようなフォイル軸受が示されている。このフォイル軸受は、円筒状のフォイルホルダ111の内周面111aに、複数のフォイル113の周方向両端を接触した状態で保持させた、いわゆる多円弧型のフォイル軸受である。各フォイル113は、図11(a)に示すように、軸受面を有するトップフォイル部113aと、トップフォイル部113aの周方向一端側に設けられた差込部113bと、トップフォイル部113aの周方向他端側に設けられたアンダーフォイル部113cと、トップフォイル部113aとアンダーフォイル部113cとの境界に設けられた差込口(スリット113d)とを有する。図11(b)に示すように、各フォイル113の差込部113bを、隣接するフォイル113のスリット113dに差し込むことにより、複数(図示例では3枚)のフォイル113が筒状に仮組みされる。この状態で、図10に示すように、各フォイル113の差込部113bが、フォイルホルダ111の内周面111aに設けられた溝111bに差し込まれる。このとき、各フォイル113のアンダーフォイル部113cは、隣接するフォイル113のトップフォイル部113aとフォイルホルダ111の内周面111aとの間に配され、トップフォイル部113aを背後(外径側)から支持する。
特開2014−119094号公報
上記のようなフォイル軸受では、差込部113bがフォイルホルダ111の溝111bに差し込まれているため、図12に誇張して示すように、各フォイル113のトップフォイル部113aのうち、差込部113bに隣接した領域Qが内径側にせり出した状態となる。さらに、この領域Qは、背後からアンダーフォイル部113cで支持されているため、外径側への変形が規制されており、支持剛性が高い。従って、上記の領域Qは、空気膜の圧力により変形しにくく、軸106が振動したときに、各フォイルの上記領域Qと軸106の外周面106aとが接触しやすくなる恐れがある。
特に、図13に示すように、各フォイル213の軸方向両端部に差込部113bが設けられる場合、支持剛性の高い領域Qが軸方向両端に設けられるため、軸106がコニカルモードで振動したときに、各フォイル213の上記領域Qと軸106とが接触しやすくなる。
例えば、図14に示すように、各フォイル313のアンダーフォイル部113cの軸方向両端に切り欠き部113eを設け、トップフォイル部113aの上記領域Qの背後に配される部分を除去すれば、トップフォイル部113aが変形しやすくなり、軸との接触を防止できる。しかし、このように、上記領域Qの背後のアンダーフォイル部113cを完全に除去すると、トップフォイル部113aの支持剛性が低くなりすぎ、軸のモーメント剛性が大幅に低下してしまう恐れがある。また、トップフォイル部113aのうち、アンダーフォイル部113cで支持されている領域Rと、アンダーフォイル部113cで支持されていない領域Qとが軸方向で隣接することになるため、これらの領域の境界でトップフォイル部113aの剛性が急激に変化することになる。この場合、トップフォイル部113aのうち、両領域Q,Rの境界付近に微小な盛り上がり部が形成され、この盛り上がり部と軸とが接触する恐れがある。
そこで、本発明が解決すべき課題は、多円弧型のフォイル軸受のフォイルと軸との接触を低減し、フォイルの損傷を防止することにある。
前記課題を解決するために、本発明は、フォイルホルダと、前記フォイルホルダの内周面に取り付けられた複数のフォイルとを備え、各フォイルが、軸受面を有するトップフォイル部と、前記トップフォイル部の周方向一端側に設けられ、前記フォイルホルダの内周面に設けられた凹部に差し込まれる差込部と、前記トップフォイル部の周方向他端側に設けられ、隣接するフォイルの前記トップフォイル部と前記フォイルホルダの内周面との間に配されるアンダーフォイル部と、前記トップフォイル部と前記アンダーフォイル部との境界に設けられ、隣接するフォイルの差込部が差し込まれる差込口と、前記トップフォイル部と前記アンダーフォイル部との境界のうち、前記差込口を除く領域に設けられ、前記トップフォイル部と前記アンダーフォイル部とを連結する連結部とを有するフォイル軸受であって、前記差込口の周方向他端側の縁を、前記連結部から離反する側へ向けて周方向他端側に傾斜させることにより、前記差込口の周方向幅を前記連結部から離反する側へ向けて徐々に広げたフォイル軸受を提供する。
上記のように、本発明のフォイル軸受では、差込部の周方向他端側(アンダーフォイル部側)の縁を周方向他端側に変位させることにより、差込部の周方向幅を広げた。これにより、トップフォイル部のうち、差込部の周方向他端側に隣接した領域の背後(外径側)に、周方向幅が広げられた差込口が配されるため、この領域が、他のフォイルのアンダーフォイル部で背後から支持されていない非支持領域となる。これにより、非支持領域の剛性が低下し、空気膜の圧力で非支持領域が変形しやすくなるため、非支持領域と軸とが接触する恐れを低減できる。
また、本発明のフォイル軸受では、差込口の周方向他端側の縁を、連結部から離反する側(以下、「反連結部側」と言う。)へ向けて周方向他端側に傾斜させることにより、差込口の周方向幅を反連結部側へ向けて徐々に広げた。これにより、トップフォイル部の非支持領域の周方向幅が、反連結部側へ向けて徐々に広げられるため、非支持領域におけるフォイルの剛性は、反連結部側へ向けて徐々に低下することになる。これにより、トップフォイル部のうち、上記の非支持領域と、これと軸方向に隣接し、アンダーフォイル部で支持された領域との境界で剛性を連続的に変化させることができるため、剛性の急激な変化に伴う盛り上がり部の形成を回避し、フォイルと軸とが接触する恐れをさらに低減できる。
前記差込部及び前記差込口は、前記フォイルの軸方向端部、又は、前記フォイルの軸方向中間部、あるいはこれらの双方に設けることができる。特に、差込部及び差込口をフォイルの軸方向端部に設けた場合、トップフォイル部のうち、差込部の周方向他端側に隣接した領域が、コニカルモードで振動した軸と接触しやすいため、上記のように、差込口の周方向幅を広げて、トップフォイル部の上記領域の剛性を低下させることが好ましい。
また、上記のフォイル軸受は、各フォイルのアンダーフォイル部の周方向他端に、周方向一方側へ向けて軸方向幅を徐々に狭めた切り欠き部を設けることができる。この場合、各フォイルのアンダーフォイル部の内径側に重ねられた隣接するフォイルのトップフォイル部に、切り欠き部に沿った段差が形成される。この段差により、流体が各切り欠き部の軸方向中央側に集められ、流体の圧力が高められて軸受剛性が向上する。
以上のように、本発明のフォイル軸受によれば、多円弧型のフォイル軸受のフォイルと軸との接触を低減し、フォイルの損傷を防止することができる。
ガスタービンの構成を概念的に示す図である。 上記ガスタービンにおけるロータの支持構造を示す断面図である。 上記支持構造に組み込まれた、本発明の一実施形態に係るフォイル軸受の断面図である。 上記フォイル軸受に設けられるフォイルの平面図である。 複数のフォイルを連結した状態を示す平面図である。 図3のフォイル軸受の拡大断面図である。 フォイルの他の例を示す平面図である。 フォイルのさらに他の例を示す平面図である。 フォイルのさらに他の例を示す平面図である。 従来のフォイル軸受の断面図である。 (a)は、図10のフォイル軸受に設けられるフォイルの斜視図であり、(b)は複数のフォイルを仮組みした状態を示す斜視図である。 図10のフォイル軸受の断面図であり、周方向を直線状に変換して示した図である。 (a)は、比較例に係るフォイルの平面図であり、(b)は(a)図のフォイルを連結した状態を示す平面図である。 (a)は、他の比較例に係るフォイルの平面図であり、(b)は(a)図のフォイルを連結した状態を示す平面図である。
図1に、ターボ機械の一種であるガスタービンの構成を概念的に示す。このガスタービンは、翼列を形成したタービン1および圧縮機2と、発電機3と、燃焼器4と、再生器5とを主に備える。タービン1、圧縮機2、および発電機3には、水平方向に延びる共通の主軸6が設けられ、この主軸6と、タービン1および圧縮機2とで一体回転可能のロータが構成される。吸気口7から吸入された空気は、圧縮機2で圧縮され、再生器5で加熱された上で燃焼器4に送り込まれる。この圧縮空気に燃料を混合して燃焼させ、高温、高圧のガスでタービン1を回転させる。タービン1の回転力が主軸6を介して発電機3に伝達され、発電機3が回転することにより発電し、この電力がインバータ8を介して出力される。タービン1を回転させた後のガスは比較的高温であるため、このガスを再生器5に送り込んで燃焼前の圧縮空気との間で熱交換を行うことで、燃焼後のガスの熱を再利用する。再生器5で熱交換を終えたガスは、排熱回収装置9を通ってから排ガスとして排出される。
図2に、上記ガスタービンにおけるロータの支持構造の一例を示す。この支持構造では、軸方向の2箇所にラジアル軸受10が配置され、主軸6に設けられたフランジ部6bの軸方向両側にスラスト軸受20、20が配置される。このラジアル軸受10およびスラスト軸受20により、主軸6がラジアル方向及び両スラスト方向に回転自在に支持される。
この支持構造において、タービン1と圧縮機2の間の領域は、高温、高圧のガスで回転されるタービン1に隣接しているために高温雰囲気となる。この高温雰囲気では、潤滑油やグリース等からなる潤滑剤が変質・蒸発してしまうため、これらの潤滑剤を使用する通常の軸受(転がり軸受等)を適用することは難しい。そのため、この種の支持構造で使用される軸受10、20としては、空気動圧軸受、特にフォイル軸受が適合する。
以下、上記ガスタービン用のラジアル軸受に適合するフォイル軸受10の構成を図面に基づいて説明する。
フォイル軸受10は、図3に示すように、筒状(図示例では円筒状)のフォイルホルダ11と、フォイルホルダ11の内周面に取り付けられた複数(図示例では3枚)のフォイル12とを有する。フォイルホルダ11の外周面は、ガスタービンのハウジング30の内周面31に固定される。
フォイルホルダ11は、例えば焼結金属や溶製材等の金属で形成される。図示例のフォイルホルダ11は、円筒面状の内周面11a及び外周面11bを有する。内周面11aのうち、周方向に離隔した複数箇所(図示例では3箇所)には、凹部としての軸方向溝11cが形成される。各軸方向溝11cの軸方向両端は、それぞれフォイルホルダ11の端面に開口している。
フォイル12は、ばね性に富み、かつ加工性のよい金属、例えば鋼材料や銅合金からなる厚さ20μm〜200μm程度の金属フォイルにプレス加工や放電加工を施すことで形成される。本実施形態のように流体膜として空気を用いる空気動圧軸受では、雰囲気に潤滑油が存在しないため、金属フォイルとしてステンレス鋼もしくは青銅製のものを使用するのが好ましい。
各フォイル12は、図4に示すように、軸方向に並べられた第1領域12aと第2領域12bとからなる。
第1領域12aは、軸受面を有するトップフォイル部12a1と、トップフォイル部12a1の周方向一端側に設けられた差込部12a2と、トップフォイル部12a1の周方向他端側に設けられたアンダーフォイル部12a3とを有する。図示例では、差込部12a2が、トップフォイル部12a1の周方向一端部の軸方向両端に設けられる。アンダーフォイル部12a3には、周方向一端側に向けて軸方向幅を徐々に狭めた切り欠き部12a4が設けられる。図示例では、切り欠き部12a4が、略円弧状に形成される。このほか、切り欠き部12a4を、直線を軸方向中央で折り曲げた略V字形状としてもよい。トップフォイル部12a1の周方向一端部のうち、差込部12a2に近接した位置には、周方向の微小な切り込み12a5が設けられる。
第1領域12aのトップフォイル部12a1とアンダーフォイル部12a3との境界には、隣接するフォイル12の差込部12a2が差し込まれる差込口12a6と、トップフォイル部12a1とアンダーフォイル部12a3とを連結する連結部12a7とが形成される。図示例では、差込口12a6が、第1領域12aの軸方向両端部(すなわち、フォイル12の軸方向一端部及び軸方向中央部付近)に設けられ、差込口12a6の軸方向間に連結部12a7が設けられる。差込口12a6の周方向他端側(アンダーフォイル部12a3側)の縁は、反連結部側(連結部12a7から離反する側。図示例では、第1領域12aの軸方向端部側。)へ向けて周方向他端側に傾斜している。これにより、差込口12a6の周方向幅が、反連結部側へ向けて徐々に広がる。図示例では、差込口12a6の周方向他端側の縁が、反連結部側へ向けて周方向他端側に傾斜した直線で構成される。また、図示例では、差込口12a6の連結部12a7側の端部に、周方向幅が一定の領域が設けられる。
第2領域12bは、第1領域12aと同様の形状を成し、トップフォイル部12b1、差込部12b2、アンダーフォイル部12b3、切り欠き部12b4、切り込み12b5、差込口12b6、連結部12b7等を有する(重複説明は省略する)。
各フォイルは、第1領域12aと第2領域12bの境界の一部が分断されると共に、両領域12a,12bの境界の他の部分が連結されている。本実施形態では、両領域12a,12bの差込部12a2,12b2同士が連結され、両領域12a,12bのトップフォイル部12a1,12b1の間、及びアンダーフォイル部12a3,12b3の間に、これらを周方向全域にわたって分断する周方向のスリット12cが形成される。
図5に示すように、各フォイル12の差込部12a2,12b2を、隣接するフォイルの差込口12a6,12b6に差し込むことにより、3枚のフォイル12を筒状に仮組みすることができる。この仮組体を、フォイルホルダ11の内周に挿入することで、フォイル軸受10が組み立てられる。具体的には、3枚のフォイル12の仮組体をフォイルホルダ11の内周に挿入しながら、各フォイル12の差込部12a2,12b2をフォイルホルダ11の軸方向溝11cに軸方向一端側から差し込む。以上により、3枚のフォイル12が、フォイルホルダ11の内周面11aに周方向に並べた状態で取り付けられる。
3枚のフォイル12をフォイルホルダ11に組み付けた状態で、各フォイル12の周方向両端は、フォイルホルダ11に接触した状態で保持される。図示例では、各フォイル12の周方向両端が、それぞれ隣接するフォイル12の背後(外径側)に配されている。具体的に、各フォイル12の周方向一端に設けられた差込部12a2,12b2は、隣接するフォイル12の差込口12a6,12b6を介して、フォイルホルダ11の内周面11aの軸方向溝11cに差し込まれる。一方、各フォイル12の周方向他端に設けられたアンダーフォイル部12a3,12b3は、隣接するフォイル12のトップフォイル部12a1,12b1とフォイルホルダ11の内周面11aとの間に配され、隣接するフォイル12のトップフォイル部12a1,12b1を背後から支持する(図6参照)。尚、隣接するフォイル12同士は、周方向で係合して互いに突っ張り合っている。これにより、各フォイル12のトップフォイル部12a1,12b1が外径側に張り出し、フォイルホルダ11の内周面11aに沿った形状に湾曲する。
主軸6が図3の矢印方向に回転すると、フォイル軸受10の各フォイル12のトップフォイル部12a1,12b1の内径面(軸受面)と主軸6の外周面6aとの間のラジアル軸受隙間の空気膜の圧力が高められる。図6に示すように、トップフォイル部12a1,12b1の周方向一端(回転方向先行側の端部)を含む領域は、隣接するフォイルのアンダーフォイル部12a3,12b3に乗り上げているため、軸受面が、回転方向先行側へ向けて主軸6の外周面6aに徐々に接近する。これにより、各フォイル12の軸受面と主軸6の外周面6aとの間に、回転方向先行側へ向けて徐々に狭くなったラジアル軸受隙間が形成され、ラジアル軸受隙間の幅狭側に空気が押し込まれる。これにより、ラジアル軸受隙間の空気膜の圧力が高められ、この圧力により主軸6がラジアル方向に非接触支持される。
このとき、フォイル12が有する可撓性により、各フォイル12の軸受面が、荷重や主軸6の回転速度、周囲温度等の運転条件に応じて任意に変形するため、ラジアル軸受隙間は運転条件に応じた適切幅に自動調整される。そのため、高温・高速回転といった過酷な条件下でも、ラジアル軸受隙間を最適幅に管理することができ、主軸6を安定して支持することが可能となる。尚、主軸6が回転している時は、主軸6の回転に伴って流動する流体(空気)との摩擦により、各フォイル12が回転方向先行側に押し込まれ、フォイルホルダ11の軸方向溝11cの角部11c1に突き当たっている。
また、トップフォイル部12a1,12b1のうち、差込部12a2,12b2の周方向他端側に隣接した領域の背後には、隣接するフォイル12の差込口12a6,12b6が配される。すなわち、この領域には、隣接するフォイル12のアンダーフォイル部12a3,12b3で背後から支持されていない非支持領域Pが設けられる(図5参照)。トップフォイル部12a1,12b1のうち、差込部12a2,12b2に隣接した領域は、フォイルホルダ11の軸方向溝11cに差し込まれた差込部12a2,12b2に追従して変形することで、内径側に迫り出しやすい(図12参照)。そこで、上記のように、差込部12a2,12b2に隣接した領域に非支持領域Pを設けることで、この領域の支持剛性が低下し、空気膜の圧力で外径側に変形しやすくなるため、この非支持領域Pと主軸6とが接触する恐れを低減できる。特に、非支持領域Pをフォイル12の軸方向端部に設けることで、主軸6がコニカルモードで振動したときの主軸6の外周面6aとフォイル12との接触を可及的に回避できる。
また、差込口12a6,12b6が、反連結部側へ向けて周方向幅を徐々に広げた形状を成すことにより、非支持領域Pの周方向幅も同様に反連結部側へ向けて徐々に広げられるため、非支持領域Pの剛性が、反連結部側へ向けて徐々に低下する。これにより、トップフォイル部12a1,12b1のうち、差込部12a2,12b2の周方向他端側に隣接し、非支持領域Pを含む領域と、連結部12a7の周方向他端側に隣接し、アンダーフォイル部12a3,12b3で支持された領域との境界で、フォイル12の剛性が連続的に変化するため、この境界に盛り上がり部が形成される事態を回避し、フォイル12と主軸6とが接触する恐れをさらに低減できる。
また、本実施形態では、図4に示すように、アンダーフォイル部12a3,12b3に切り欠き部12a4,12b4を設けることで、これに乗り上げるトップフォイル部12a1,12b1に、切り欠き部12a4,12b4に沿った段差が形成される。これにより、トップフォイル部12a1,12b1に沿って流れる流体が、上記の段差に沿って流れて軸方向中央側に集められるため、圧力向上効果が高められる(図5の矢印参照)。
このとき、トップフォイル部12a1,12b1の周方向一端部のうち、差込部12a2,12b2の近傍に、微小な切り込み12a5,12b5を設けることで、この部分の剛性が低下する。これにより、トップフォイル部12a1,12b1を、その背後に配されたアンダーフォイル部12a3,12b3の切り欠き部12a4,12b4に沿って変形させやすくなる。
また、各フォイル12は、フォイルホルダ11に完全に固定されておらず、フォイルホルダ11に対して移動可能とされる。従って、主軸6の回転中は、ラジアル軸受隙間に形成された空気膜の影響でフォイル12がフォイルホルダ11に押し付けられ、これに伴って各フォイル12とフォイルホルダ11、特に、各フォイル12のトップフォイル部12a1,12b1及びアンダーフォイル部12a3,12b3の外径面とフォイルホルダ11の内周面11aとの間に微小摺動が生じる。この微小摺動による摩擦エネルギーにより、主軸6の振動を減衰させることができる。本実施形態では、図4に示すように、各フォイル12の第1領域12aと第2領域12bとの境界にスリット12cを設け、両領域12a,12bを分断していることで、フォイル12の剛性が低下する。これにより、フォイル12の変形の自由度が高められ、フォイル12が変形しやすくなり、主軸6の振動を減衰する効果が高められる。
尚、主軸6の停止直前や起動直後の低速回転時には、各フォイル12の軸受面と主軸6の外周面とが接触摺動するため、これらの何れか一方または双方に、DLC膜、チタンアルミナイトライド膜、二硫化タングステン膜、あるいは二硫化モリブデン膜等の低摩擦化被膜を形成してもよい。また、フォイル12とフォイルホルダ11との間の微小摺動による摩擦力を調整するために、これらの何れか一方または双方に、上記のような低摩擦化被膜を形成してもよい。
本発明は、上記の実施形態に限られない。以下、本発明の他の実施形態を説明するが、上記の実施形態と同様の機能を有する箇所には同一の符号を付して、重複説明を省略する。
例えば、図7に示すように、差込口12a6,12b6の周方向他端側の縁を円弧状の曲線としてもよい。
また、図8に示すように、各フォイル12の第1領域12aと第2領域12bとを分断するスリット12cを省略し、両領域12a,12bを完全に連結してもよい。この場合、第1領域12aの図中下側の差込口12a6と、第2領域の図中上側の差込口12b6とが一体化され、これらで一つの穴を構成する。
また、図9に示すように、各フォイル12の軸方向両端部の差込口12a6,12b6を、反連結部側に向けて周方向幅を徐々に大きくする一方で、各フォイル12の軸方向中央部の差込口12a6,12b6を、周方向幅一定のスリットとしてもよい。また、これとは逆に、各フォイル12の軸方向中央部の差込口12a6,12b6を、反連結部側に向けて周方向幅を徐々に大きくする一方で、各フォイル12の軸方向両端部の差込口12a6,12b6を、周方向幅一定のスリットとしてもよい(図示省略)。
また、図示は省略するが、各フォイル12の軸方向両端部のみに、差込部12a2,12b2及び差込口12a6,12b6を設けてもよい。また、各フォイル12の軸方向中間部のみに、差込部12a2,12b2及び差込口12a6,12b6を設けてもよい。
また、以上の実施形態では、フォイルホルダ11の内周面11aに形成された溝11cの開口部の周方向幅が比較的大きい場合を示したが、これに限らず、例えば、フォイルホルダの内周面に、開口部の周方向幅が小さいスリット状の溝を形成し、この溝にフォイルの端部を差し込んでもよい。
また、特に必要なければ、切り欠き部12a4,12b4を省略し、アンダーフォイル部12a3,12b3の周方向他端を軸方向に延びる直線状としてもよい(図示省略)。
本発明にかかるフォイル軸受の適用対象は、上述したガスタービンに限られず、例えばターボチャージャ(過給機)のロータを支持する軸受としても使用することができる。また、本発明にかかるフォイル軸受は、ガスタービンやターボチャージャ等のターボ機械に限らず、油の使用が制限される車両用軸受や産業機器用軸受として広く使用することが可能である。
また、以上に説明した各フォイル軸受は、圧力発生流体として空気を使用した空気動圧軸受であるが、これに限らず、圧力発生流体としてその他のガスを使用することもでき、あるいは水や油などの液体を使用することもできる。
10 フォイル軸受
11 フォイルホルダ
11c 軸方向溝(凹部)
12 フォイル
12a 第1領域
12b 第2領域
12a1,12b1 トップフォイル部
12a2,12b2 差込部
12a3,12b3 アンダーフォイル部
12a4,12b4 切り欠き部
12a6,12b6 差込口
12a7,12b7 連結部
12c スリット
P 非支持領域

Claims (5)

  1. フォイルホルダと、前記フォイルホルダの内周面に取り付けられた複数のフォイルとを備え、各フォイルが、軸受面を有するトップフォイル部と、前記トップフォイル部の周方向一端側に設けられ、前記フォイルホルダの内周面に設けられた凹部に差し込まれる差込部と、前記トップフォイル部の周方向他端側に設けられ、隣接するフォイルの前記トップフォイル部と前記フォイルホルダの内周面との間に配されるアンダーフォイル部と、前記トップフォイル部と前記アンダーフォイル部との境界に設けられ、隣接するフォイルの差込部が差し込まれる差込口と、前記トップフォイル部と前記アンダーフォイル部との境界のうち、前記差込口を除く領域に設けられ、前記トップフォイル部と前記アンダーフォイル部とを連結する連結部とを有するフォイル軸受であって、
    前記差込口の周方向他端側の縁を、前記連結部から離反する側へ向けて周方向他端側に傾斜させることにより、前記差込口の周方向幅を前記連結部から離反する側へ向けて徐々に広げたフォイル軸受。
  2. 前記フォイルの軸方向端部に、前記差込部及び前記差込口を設けた請求項1記載のフォイル軸受。
  3. 前記フォイルの軸方向中間部に、前記差込部及び前記差込口を設けた請求項1又は2記載のフォイル軸受。
  4. 前記アンダーフォイル部の周方向他端に、周方向一方側へ向けて軸方向幅を徐々に狭めた切り欠き部を設けた請求項1〜3の何れかに記載のフォイル軸受。
  5. 軸受面を有するトップフォイル部と、前記トップフォイル部の周方向一端側に設けられ、フォイルホルダの内周面に設けられた凹部に差し込まれる差込部と、前記トップフォイル部の周方向他端側に設けられ、隣接するフォイルの前記トップフォイル部と前記フォイルホルダの内周面との間に配されるアンダーフォイル部と、前記トップフォイル部と前記アンダーフォイル部との境界に設けられ、隣接するフォイルの差込部が差し込まれる差込口と、前記トップフォイル部と前記アンダーフォイル部との境界のうち、前記差込口を除く領域に設けられ、前記トップフォイル部と前記アンダーフォイル部とを連結する連結部とを有するフォイルであって、
    前記差込口の前記アンダーフォイル部側の縁を、前記連結部から離反する側へ向けて周方向他端側に傾斜させることにより、前記差込口の周方向幅を前記連結部から離反する側へ向けて徐々に広げたフォイル。
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