JP2015108102A - 抗菌性再生シルク及びその製造方法 - Google Patents

抗菌性再生シルク及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】抗菌性金属イオンを用いない新規な抗菌性再生シルクを提供する。【解決手段】抗菌性再生シルクは、チオシアン酸イオンが水素結合したβシート構造を含むフィブロインよりなる。この抗菌性再生シルクは、シルクを脱セリシン処理して得たフィブロインを、チオシアン酸イオンを有するpH5以下の可溶化液に溶解させてから、可溶化液を減少させて固形のフィブロインを生成し、生成したフィブロインを有機溶媒に溶解させて所定形状に成形し、成形したフィブロインを加熱して、抗菌性が発現するまで有機溶媒の残存量を減少させることで製造できる。【選択図】図1

Description

本発明は、シルクを処理してなる再生シルクとその製造方法に関するものである。
蚕の繭から作るシルクは、衣服、化粧品、食品等に広く使用されている。また、シルクは、生体適合性が知られており、細胞培養足場等に使用されているだけでなく、人体への安全性も高いとして、手術用縫合糸などの医療関連製品への開発も行われている。
また、シルク又はシルク由来のフィブロインに銀イオン、銅イオン等の抗菌性金属イオンを吸着させて抗菌性を付与する技術が、特許文献1、2に記載されている。しかし、抗菌性金属イオンは、人体に金属アレルギーを引き起こすおそれがある。
なお、抗菌性繊維ではないものの、特許文献3〜5には、次のようなフィブロインに関する記載がある。
特許文献3には、効果の程度は不明であるが、絹フィブロインが抗菌性を持つことの記載がある。
特許文献4には、尿素とメルカプトエタノールとを含む水溶液を用いて繭からセリシンを除去してフィブロインを得ることの記載がある。
特許文献5には、セリシンとフィブロインとをヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に溶解した溶液を用いて静電紡糸して、繊維を得ることの記載がある。
また、シルクをβシート構造化させる様々な方法は知られている。しかし、そのシルクの抗菌性に関しては知見がない。
特開2003−227064号公報 特開2004−18757号公報 特開2005−298782号公報 特開2001−163899号公報 特開2007−303015号公報
本発明は、抗菌性金属イオンを用いない新規な抗菌性再生シルクを提供することを目的とする。
(A)抗菌性再生シルク
本発明の抗菌性再生シルクは、チオシアン酸イオンが水素結合したβシート構造を含むフィブロインよりなることを特徴とする。βシート構造(直鎖構造)には、平行βシートと逆平行βシートがある。
本発明の抗菌性再生シルクに抗菌性が発現するメカニズムは、次のようなものと考えられる。すなわち、チオシアン酸イオン(SCN)が、フィブロインに水素結合することにより、HSCNとして安定的に存続する。そのHSCNには抗菌性があると考えられる。しかも、その結合先がβシート構造(直鎖構造)であることにより、HSCNによる抗菌性が発揮されやすくなると考えられる(図1、図2参照)。なお、HSCN以外にも、HOSCNといった、フィブロインの官能基に相互作用しているものも考えられる。
フィブロインは、αヘリックス構造(螺旋構造)とβシート構造とを含み、面積比でαヘリックス構造よりもβシート構造が多いことが好ましい。αヘリックス構造にチオシアン酸イオンが水素結合した場合には、βシート構造にチオシアン酸イオンが水素結合した場合と比べて、HSCNによる抗菌性が発揮されにくいのではないかと考えられるからである(図1、図2参照)。
フィブロインは、有機溶媒に溶解させて所定形状に成形したものであり、有機溶媒の残存量が650ppm以下である態様を例示できる。有機溶媒の残存量が650ppmより多いと、その残存した有機溶媒が上述のHSCNを包み込むようになって、HSCNによる抗菌性を阻害するのではないかと考えられるからである(図1参照)。この態様は、例えば後述の(B1)第1方法により製造できる。
フィブロインは、有機溶媒を含まない態様も例示できる。この態様は、例えば後述の(B2)第2方法により製造できる。
抗菌性再生シルクは、グラム陰性菌及びグラム陽性菌に対して抗菌性を有するものとすることができる。グラム陰性菌としては、大腸菌等を例示できる。グラム陽性菌としては、黄色ブドウ球菌、ミュータンス菌等を例示できる。
抗菌性再生シルクは、さらに真菌(細菌と区別される。菌類ともいう。)に対しても抗菌性を有するものとすることができる。真菌としては、カンジダ等を例示できる。
(B)抗菌性再生シルクの製造方法
(B1)第1方法
本発明の第1の抗菌性再生シルクの製造方法は、シルクを脱セリシン処理して得たフィブロインを、チオシアン酸イオンを有するpH5以下の可溶化液に溶解させてから、可溶化液を減少させて固形のフィブロインを生成し、
生成したフィブロインを有機溶媒に溶解させて所定形状に成形し、
成形したフィブロインを加熱して、抗菌性が発現するまで有機溶媒の残存量を減少させることを特徴とする。
フィブロインをチオシアン酸イオンを有する可溶化液に溶解させるのは、フィブロインにチオシアン酸イオン(SCN)を水素結合させるためである。また、その可溶化液をpH5以下とするのは、フィブロインのβシート構造が多くなるからである(図1、図2参照)。そして、そのβシート構造にチオシアン酸イオンが水素結合すると考えられる。
成形したフィブロインを加熱するのは、上述のとおり、HSCNを包み込むと考えられる有機溶媒を減少させて、HSCNによる抗菌性が発揮されやすいようにするためである(図1参照)。前述のとおり、有機溶媒の残存量が650ppm以下になるようにすることが好ましい。
(B2)第2方法
本発明の第2の抗菌性再生シルクの製造方法は、シルクを脱セリシン処理して得た糸状のフィブロインに、チオシアン酸塩の水溶液を接触させることを特徴とする。
フィブロインにチオシアン酸塩の水溶液を接触させるのは、フィブロインにチオシアン酸イオン(SCN)を水素結合させるためである。
本発明によれば、抗菌性金属イオンを用いない新規な抗菌性再生シルクを提供することができる。
実施例1,2の抗菌性再生シルクの製造方法と抗菌性発現メカニズムを説明する図である。 同抗菌性再生シルクのタンパク質構造を説明する図である。 再生シルクのチオシアン酸塩溶解時のpHと抗菌性との関係を示す図である。 再生シルクの各菌に対する抗菌性を他繊維と比較して示す図である。 再生シルクの水のなじみの判定方法を説明する図である。 再生シルク等の表面ゼータ電位を示すグラフ図である。
(A)(B)共通の実施の形態
原料であるシルクは、特に限定されないが、シルク製の衣料品等の廃品や端材等から得られたものや、蚕の繭から得られたもの等を例示できる。蚕は、特に限定されないが、家蚕であってもよいし、野蚕であってもよい。
脱セリシン処理としては、尿素とメルカプトエタノールとトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)とを含む処理水にシルクを入れてセリシンを溶解除去する方法を例示できる。この処理水の各成分の濃度は、特に限定されないが、尿素の濃度は6〜10M、メルカプトエタノールの濃度は1〜5体積%、Trisの濃度は20〜100mMを例示できる。また、この処理水の温度は、特に限定されないが、70〜100℃を例示できる。
再生シルクの形状としては、特に限定されないが、糸状、フィルム状、多孔質状(スポンジ状)等を例示できる。糸状は、中実糸でも中空糸でもよい。
(B1)第1方法の実施の形態
可溶化液は、チオシアン酸塩の水溶液であり、チオシアン酸塩以外の不純物を実質的に含まないことが好ましい。不純物を含むほど、HSCNによる抗菌性が妨げられると考えられるからである。
チオシアン酸塩としては、特に限定されないが、チオシアン酸リチウム(LiSCN)を例示できる。
水溶液のチオシアン酸塩濃度は、特に限定されないが、質量比で水の1〜1.3倍、すなわち、水100gに対してチオシアン酸塩100〜130gを例示できる。
フィブロインに対する水溶液の量は、特に限定されないが、質量比でフィブロインの30〜100倍、すなわち、フィブロイン1gに対して水溶液30〜100gを例示できる。
水溶液の液温は、特に限定されないが、20〜40℃を例示できる。
可溶化液を減少させるには、特に限定されないが、チオシアン酸塩を減少させてから、水を減少させて行う態様を例示できる。
チオシアン酸塩を減少させる方法としては、透析、限外ろ過、ゲルろ過クロマトグラフィー、脱塩カラム等を例示でき、処理量によって使い分けることができることから、透析が好ましい。
水を減少させる方法としては、凍結乾燥、熱風乾燥等を例示でき、多孔質状の乾燥フィブロインが得られる(後で有機溶媒に溶け易い)ことから、凍結乾燥が好ましい。
有機溶媒としては、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)、フルオロアセトン(HFA)等を例示でき、フィブロインの溶解性が高く、高濃度のフィブロイン有機溶液が得やすいことから、HFIPが好ましい。
フィブロインに対する有機溶媒の量は、特に限定されないが、乾燥フィブロイン1gに対して有機溶媒6〜20mLを例示できる。
有機溶媒の液温は、特に限定されないが、30〜60℃を例示できる。
所定形状は、糸状又はフィルム状である態様を例示できる。
加熱は、オートクレーブによる高温高圧水蒸気処理である態様を例示できる。
(B2)第2方法の実施の形態
チオシアン酸塩としては、特に限定されないが、チオシアン酸アンモニウム(NH4SCN)、チオシアン酸カリウム(KSCN)等を例示できる。
水溶液のチオシアン酸塩濃度は、特に限定されないが、質量比で水の0.05〜0.5倍、すなわち、水100gに対してチオシアン酸塩5〜50gを例示できる。
フィブロインに対する水溶液の量は、特に限定されないが、質量比でフィブロインの10〜20倍、すなわち、フィブロイン1gに対して水溶液10〜20gを例示できる。
水溶液の液温は、特に限定されないが、20〜40℃を例示できる。
フィブロインにチオシアン酸塩の水溶液を接触させた後、フィブロインを洗浄して未反応のチオシアン酸塩を除去することが好ましい。
本発明の上記(B1)第1方法を具体化して製造した抗菌性再生シルクの実施例1について、図1の上側のフロー図に基づき、処理順に説明する。また、図1には、第1方法の要所の処理において、本発明の抗菌性再生シルクが抗菌性を発現するメカニズムについての説明を付記した。この説明において、フィブロインのαヘリックス構造及びβシート構造については、周知のαヘリックス構造の概略図とβシート構造の概略図を後述する面積比の測定結果に基づいて記載したものであり、これらの構造に付したチオシアン酸イオン、不純物、HFIPについては、後述する使用材料の分析と抗菌性試験の結果に基づいて記載したものである。
<製造方法>
1.脱セリシン処理・洗浄工程
家蚕の繭20個を切りきざんで得た9.0gの原料繭を、尿素、メルカプトエタノール及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)を水に溶かした400mLの処理水(尿素濃度が8M、メルカプトエタノール濃度が2体積%、Tris濃度が50mM)に入れ、80℃で8時間攪拌して、原料繭に含まれているセリシンを処理水中に溶解させた。
その後、この処理水から不溶分のシルク(フィブロイン)をろ別し、ろ別で得られたフィブロインを蒸留水で洗浄した後、30℃の恒温槽中に約半日間静置して乾燥し、6.7gのフィブロインを得た。
2.チオシアン酸塩水溶解処理
表1に示すとおり、チオシアン酸リチウムとして、キシダ化学株式会社の旧品(以下「キシダ旧品」という。)と、キシダ化学株式会社の現行品(以下「キシダ現行品」という。)と、三津和化学薬品株式会社の現行品(以下「三津和品」という。)の3種を130gずつ100mLの水に溶かし、次に述べる水不溶物質(浮遊物)をろ過により除去して、3種の水溶液を作成した。なお、後述する表3〜表5の再生シルクは、キシダ旧品を使用したものである。
各水溶液の水不溶物質(浮遊物)を、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)(アジレント・テクノロジー社製、FTS7000e 臭化カリウム(KBr)法)及び走査型蛍光X線分析装置(XRF)(リガク社製、ZSX Primus型)により測定した。
また、各水溶液のろ液のpHを、pHメータ(堀場製作所製、D−51)により測定した。
また、各水溶液の不純物を、イオンクロマトグラフィー(日本ダイオネクス社製、DX−100、DX−500,ICS−3000)、核磁気共鳴装置(NMR)(Bruker BioSpin社製、AVANCE500型、温度27℃、積算32回、Cyroプローブ)により測定した。
これらの測定結果を表1、表2(三津和品のpH)に示すとおり、チオシアン酸リチウム塩は、メーカーが異なると、また同一メーカーでもロットが異なると、水不溶物質(浮遊物)の有無と種類、pH、不純物の種類と量が異なる。なお、表1の抗菌性(大腸菌生菌対数)の欄については後述する。
さらに、三津和品については、表2に示すとおり、ろ過ありとろ過なしの各水溶液について、チオシアン酸アンモニウム(NH4SCN)及び/又は塩酸(HCl)を添加してpH調整したものも作成した。なお、表2の抗菌対数の欄については後述する。
以上の各チオシアン酸リチウム塩水溶液に、上記「1.脱セリシン処理・洗浄工程」で得られたフィブロインを6.7gずつ浸して溶解させ、それぞれ約200mLのフィブロイン水溶液を得た。
3.透析(脱チオシアン酸リチウム処理)
上記で得られた約200mLのフィブロイン水溶液を、再生セルロースからなる10本の透析チューブに約20mLずつ入れた後、処理されるフィブロイン水溶液の約50〜65倍の量(体積)の蒸留水が入れられた容器に各透析チューブを4〜6日間浸して、透析によりチオシアン酸リチウムを除去した。なお、各透析チューブを蒸留水に浸している期間中、各容器中の蒸留水を1日に2回入れ替えた。
4.凍結乾燥(乾燥処理)
上記で得られた、チオシアン酸リチウムが除去された各フィブロイン水溶液を、四等分し、それぞれを−50℃のエタノール浴中に約1時間静置して予備凍結を行った後、1〜2日間凍結乾燥を行い、6.0gの多孔質状の乾燥フィブロインを得た。
5.HFIP溶解処理
上記で得られた乾燥フィブロインを1gにつき、10mLのヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に入れ、すなわち、HFIPに対してフィブロインを約10質量%入れ、密閉し、50℃で2日間攪拌して、フィブロインHFIP溶液を得た。
また、上記「2.チオシアン酸塩水溶解処理」でキシダ旧品を使用したものの一部については、HFIPに対してフィブロインを約30質量%入れ、同様の方法でHFIP溶液を得た。このフィブロインの質量%は、後述する表3の繊維種類の欄に括弧書きした。
6.紡糸(糸状再生シルク成形処理)
上記で得られたフィブロインHFIP溶液を、内径0.25mm、長さ10mmのノズルが付けられた2.5mLのシリンジに入れ、ノズルの先端部をエタノール中につけた状態で、フィブロインHFIP溶液をノズルの先端開口からエタノール中に吐出し、糸中のHFIP量を減少させて、フィブロインを糸状に成形してなる、直径が約120μmの再生シルクを得た。
また、上記「2.チオシアン酸塩水溶解処理」でキシダ旧品を使用したものの一部については、直径が約45μmの再生シルクも、同様の方法で作成した。この直径約45μmは、後述する表3の繊維種類の欄に但し書きした。但し書きのないものは直径約120μmである。
7.熱処理(オートクレーブ処理)
上記で得られた糸状の再生シルクを、3種のオートクレーブの内部に置き、それぞれ121℃、100kPa、15分の条件で高温高圧蒸気処理をした。3種のオートクレーブは下記の場所に設置されているものであり、後述する表3のオートクレーブ先の欄には下記の略号を記載した。
N:日本食品分析センターに設置のオートクレーブ
Q:日本繊維製品評価センターに設置のオートクレーブ
TG:豊田合成社(本出願人)に設置のオートクレーブ
以上により得られた糸状の再生シルクについて、高温高圧蒸気処理後、再生シルクに残存するHFIPの残存量を燃焼イオンクロマトグラフィー(三菱化学社製、AQF−100、GA−100)により測定した。
上記「2.チオシアン酸塩水溶解処理」でキシダ旧品を使用したもののについて、HFIPの残存量の測定結果を、表3(No.1,2,4〜9)に示す。なお、表3のNo.10は、No.1と同様に得られた再生シルクをアセトンで洗浄処理してからオートクレーブ処理したものである。
上記「2.チオシアン酸塩水溶解処理」で三津和化学品を使用したものは、オートクレーブ先がTG(上記略号)であり、HFIPの残存量が約100ppmであった。
表3に示すとおり、HFIP溶解処理におけるHFIPに対するフィブロインの質量%が異なることで、また、再生シルクの直径が異なることで、また、オートクレーブが異なることで、さらには、同じオートクレーブであっても何らかの要因で、HFIPの残存量が相違した。その要因としては、オートクレーブ内のフィブロインを置く位置や傾かせ方が異なったこと等が考えられる。なお、表3の生菌対数の欄については後述する。
<抗菌性試験>
上記の製造方法で得られた糸状再生シルクを、JIS L1902:2008(繊維製品の抗菌性試験方法及び抗菌効果)に準拠して抗菌性試験した。標準布には綿(無加工)を用いた。
ア.試験条件
定量試験:菌液吸収法
生菌数の測定法:混釈平板培養法
試験菌種:大腸菌(NBRC3301、グラム陰性の桿菌で通性嫌気性菌)
:黄色ぶどう球菌(NBRC12732、グラム陽性の球菌で通性嫌気性菌)
:ミュータンス菌(IFO13955、グラム陽性の連鎖球菌で通性嫌気性菌)
:カンジダ(NBRC1594、真菌に属する無色の不完全酵母)
検体数:各試料3
検体重さ:0.2g
接種菌液量:0.1mL
試験菌懸濁液:非イオン界面活性剤0.05%添加
イ.試験操作
バイアル瓶中に検体(0.2g)を入れ、菌液(0.1mL)を検体に接種した後、バイアル瓶のキャップを締める。その後、37℃で18時間培養した。その後、検体から菌を洗い出して、生菌数を測定した。
ウ.測定項目
各試料ごとに生菌数の常用対数値の平均値(以下「生菌対数」という。)を求めた。各試料とも接種直後の生菌対数は4であり(すなわち1.0×104個)、培養後の生菌対数が4未満であった場合を抗菌性あり、4以上であった場合を抗菌性なしと評価した。
エ.試験結果
(1)抗菌性試験結果その1(チオシアン酸リチウム塩の影響)
表1の抗菌性(大腸菌生菌対数)の欄に示すように、上記「2.チオシアン酸塩水溶解処理」でキシダ旧品を使用した再生シルク(表2のNo.9)は、生菌対数が1.3未満であり、顕著な抗菌性があった。これは、チオシアン酸塩水溶液がpH5以下であったことにより、フィブロインのβシート構造が多くなり、そのβシート構造にチオシアン酸イオンが水素結合し、HSCNによる抗菌性が発揮されたためと考えられる。また、水溶液の不純物の種類と量が少なかったことにより、不純物が再生シルクに付着してHSCNによる抗菌性を阻害するようなこともなかったためと考えられる(図1、図2参照)。
これに対し、キシダ現行品を使用した再生シルクは、生菌対数が7.7であり、抗菌性がなかった。これは、チオシアン酸塩水溶液がpH5を超えたことにより、フィブロインのβシート構造が少なくなり、そのβシート構造に水素結合するチオシアン酸イオンも少なくなったためと考えられる。また、水溶液の不純物の量が多かったことにより、不純物が再生シルクに付着してHSCNによる抗菌性を阻害したためと考えられる。
三津和品を使用した表2の結果を見ても、水不溶物質(浮遊物)のろ過前よりもろ過後にpHが下がることが確認された。また、チオシアン酸アンモニウム(NH4SCN)及び/又は塩酸(HCl)によりpH調整できる(下げられる)ことが確認された。そして、表2のpHの欄と抗菌対数の欄との対応関係、及び、この対応関係をグラフ化した図3に示すように、ろ過ありでpH5以下の場合に抗菌性があるという結果が得られた。なお、もともと水不溶物質(浮遊物)が少ない場合には、ろ過なしでもよいことはいうまでもない。
(2)抗菌性試験結果その2(HFIPの残存量による影響)
上述のとおり、表3のNo.1,2,4〜10の再生シルクは、「2.チオシアン酸塩水溶解処理」でキシダ旧品を使用したものであり、そのうちNo.10はオートクレーブ処理前にアセトン処理したものである。
表3に示すとおり、まず、HFIPの残存量が10000ppm以上と極端に多いNo.1,2の再生シルクは、大腸菌と黄色ぶどう球菌に対して抗菌性があり、ミュータンス菌とカンジダ菌に対しては抗菌性がなかった。これは、HFIPによる特定の菌に対する抗菌作用であると考えられる(表6参照)。
次に、HFIPの残存量が650ppm以下と少ないNo.7〜9の再生シルクは、抗菌性があった。これは、上述したとおり、βシート構造におけるHSCNによる抗菌性が、HFIPにより阻害されずに発揮されたためであると考えられる。なお、各菌に対する抗菌性については、次の(3)で他繊維と比較説明する。
次に、HFIPの残存量が上記の中間的なNo.4〜6の再生シルクは、抗菌性がなかった。これは、HFIPによる抗菌作用が少なく、また、HSCNによる抗菌作用がHFIPに包み込まれて阻害されたためであると考えられる。
次に、アセトン処理したNo.10の再生シルクは、抗菌性がなかった。これは、アセトン処理によりαヘリックス構造が増大したためではないかと考えられる。
なお、参考例としての、HFIPを接触させてからオートクレーブ処理したNo.3の天然シルクは、抗菌性がなかった。また、標準布の綿(無加工)にも、抗菌性はなかった。
(3)抗菌性試験結果その3(他繊維との比較)
さらに、比較例として、次の各繊維についても上記と同様の抗菌性試験を行った。表4及び図4に各繊維の生菌対数を示すとともに、表3の標準布(綿)とNo.8の再生シルクの測定結果を並記した。
・繭繊維(上記「1.脱セリシン処理・洗浄工程」を行う前の繊維)
・脱セリシン繭繊維(上記「1.脱セリシン処理・洗浄工程」のみ行って得た繊維)
・ポリエステル繊維(PET繊維)
・ナイロン繊維
表4及び図4に示すとおり、大腸菌については、比較例としての綿繊維、繭繊維、脱セリシン繭繊維、PET繊維、ナイロン繊維はいずれも抗菌性がないが、再生シルクは抗菌性があった。
黄色ぶどう球菌についても、比較例としての綿繊維、繭繊維、脱セリシン繭繊維、PET繊維、ナイロン繊維はいずれも抗菌性がないが、再生シルクは抗菌性があった。
ミュータンス菌については、比較例としての綿繊維及び脱セリシン繭繊維は抗菌性がないが、再生シルクは抗菌性があった。
カンジダについては、比較例としての綿繊維及び脱セリシン繭繊維は抗菌性がなく、再生シルクも培養中に抗菌数を顕著に減らすまでの抗菌性はなかった。しかし、綿繊維及び脱セリシン繭繊維と比べて、再生シルクは培養中の抗菌数の増加がほとんど無く、ある程度の抗菌性が期待できる。
(4)抗菌性発現のメカニズムを裏付けるための分析その1
表3のNo.1,4,8,10の再生シルクについて、図5に示すようにして水のなじみ(疎水性)を調べた。すなわち、微小な水滴を注射針の先端に作製し、注射針ごと再生シルクに近付け、その水滴を横方向にピンと張った再生シルクに接触させて10秒程度静置した後、注射針をゆっくり遠ざけていった場合に、図5(a)に示すように水が再生シルクにくっついていたときは、水のなじみが強い(○)と評価し、図5(b)に示すように水が注射針側にくっついていったときは、水のなじみが弱い(×)と評価した。
その結果を表3に示すとおり、HFIPが増加すると水のなじみが強くなる。そして、抗菌性を示す再生シルク(No.8)は水のなじみが弱い、すなわち水をはじきやすいこと(疎水性)が分かる。そして、βシート構造は疎水性を示すことが知られていることから、βシート構造が抗菌性に関与しているといえる。
(5)抗菌性発現のメカニズムを裏付けるための分析その2
そこで次に、表3の抗菌性があるNo.7の再生シルクと、アセトン洗浄処理して抗菌性がないNo.10の再生シルクと、No.3の天然シルクについて、FT−IR(Varian社製、Varian−700、ATR法 積算回数512回)により、タンパク質の構造分析をした。その分析結果(ピークの面積比)を表5に示す。
これら3種を比較すると、抗菌ある再生シルクと天然シルクはβシート構造が多いが、αヘリックス構造の量に若干の違いがあることが分かる。また、アセトン洗浄処理したものは、βシート構造が減り、αヘリックス構造が多くなっている。
以上から、上述した本発明の抗菌性発現のメカニズム(βシート構造にチオシアン酸イオンが水素結合し、HSCNによる抗菌性が発揮される)は、妥当なものと考えられる。
(6)HFIPの抗菌性評価
水にHFIPを加え、各種濃度のHFIP水溶液を調整した。この水溶液の抗菌性試験を、一般細菌数評価SCDLP寒天平板培養法(日本食品分析センター)に準拠して行った結果を表6に示す。
表6から、10000ppmのHFIP水溶液では顕著な抗菌性を示すことが判った。このことは、表3のNo.1,2の抗菌性は、残存のHFIPに由来するものであることを強く示唆している。
(7)別要因による抗菌性発現の可能性の検証
一般に菌の細胞膜表面はマイナス電荷であり、一般的な市販抗菌剤はプラス電荷(例Ag)をもっているために抗菌性を発現していると考えられる。そこで、本発明の再生シルクも表面電荷が関係している可能性があると考えて、その検証をした。
すなわち、上述の表3の天然シルクと、抗菌あり再生シルク(HFIP77ppm)と、抗菌あり再生シルク(HFIP650ppm)の再生シルクについて、ポリスチレンラテックスをヒドロキシプロピルセルロースでコーティングしたものを、10mM−NaCl水溶液中に分散した液を利用し、0.1M−HCl0.1M−NaOHを用いてpH調整を行い、レーザーゼータ電位計(大塚電子製、ELS−8000)により表面ゼータ電位を測定した。その測定結果を図6に示す。いずれのシルク表面も、表面ゼータ電位がマイナスの傾向であった。この結果から、本発明は、表面ゼータ電位が抗菌性の発現に関与するものではない、ということができる。
本発明の上記(B2)第2方法を具体化して製造した抗菌性再生シルクの実施例2について、図1の下側のフロー図と、表7及び表8に基づき、処理順に説明する。
<製造方法>
1.脱セリシン処理・洗浄工程
実施例1と同じである。
2.チオシアン酸塩水浸漬
チオシアン酸アンモニウム1.93gを7.2mLの水に溶かし、その水溶液(pH4.8)に上記「1.脱セリシン処理・洗浄工程」で得られた糸状のフィブロイン0.5gを24時間浸漬した。
また、チオシアン酸カリウム0.37gを7.2mLの水に溶かし、その水溶液(pH5.7)に上記「1.脱セリシン処理・洗浄工程」で得られた糸状のフィブロイン0.5gを24時間浸漬した。
3.洗浄
チオシアン酸アンモニウム水溶液に浸漬した後の糸状のフィブロインは、水中で30分、手もみして洗浄した。
チオシアン酸カリウム水溶液に浸漬した後の糸状のフィブロインは、水中で40分、スターラー撹拌して洗浄した。
4.熱処理
上記糸状のフィブロインを、オートクレーブに入れ、それぞれ121℃、100kPa、15分の条件で高温高圧蒸気処理した。
<抗菌性試験>
抗菌性試験方法は実施例1と同じである。接種直後の生菌対数は4であり、培養後の生菌対数が4未満であった場合を抗菌性あり、4以上であった場合を抗菌性なしと評価できる。
表7に示すように、チオシアン酸アンモニウム水溶液に浸漬した糸状のフィブロインには、抗菌性があった。また、表8に示すように、チオシアン酸カリウム水溶液に浸漬した糸状のフィブロインにも、抗菌性があった。これは、実施例2では、チオシアン酸アンモニウムやチオシアン酸カリウムにフィブロインは溶解していないために(従って、実施例1と異なり、水溶液のpHはあまり影響しないと考えられる。)、もともとあったβシート構造が維持されていることと、浸漬時にそのβシート構造にチオシアン酸イオンがイオン結合したためであると考えられる。また、洗浄後も若干残留すると考えられるチオシアン酸アンモニウムやチオシアン酸カリウムによる抗菌性もあるものと考えられる。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。

Claims (13)

  1. チオシアン酸イオンが水素結合したβシート構造を含むフィブロインよりなることを特徴とする抗菌性再生シルク。
  2. フィブロインは、αヘリックス構造とβシート構造とを含み、αヘリックス構造よりもβシート構造が多い請求項1記載の抗菌性再生シルク。
  3. フィブロインは、有機溶媒に溶解させて所定形状に成形したものであり、有機溶媒の残存量が650ppm以下である請求項1又は2記載の抗菌性再生シルク。
  4. フィブロインは、有機溶媒を含まない請求項1又は2記載の抗菌性再生シルク。
  5. グラム陰性菌及びグラム陽性菌に対して抗菌性を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の抗菌性再生シルク。
  6. 真菌に対しても抗菌性を有する請求項5記載の抗菌性再生シルク。
  7. シルクを脱セリシン処理して得たフィブロインを、チオシアン酸イオンを有するpH5以下の可溶化液に溶解させてから、可溶化液を減少させて固形のフィブロインを生成し、
    生成したフィブロインを有機溶媒に溶解させて所定形状に成形し、
    成形したフィブロインを加熱して、抗菌性が発現するまで有機溶媒の残存量を減少させることを特徴とする抗菌性再生シルクの製造方法。
  8. 可溶化液は、チオシアン酸塩の水溶液であり、チオシアン酸塩以外の不純物を実質的に含まない請求項7記載の抗菌性再生シルクの製造方法。
  9. 可溶化液を減少させるには、チオシアン酸塩を減少させてから、水を減少させて行う請求項8記載の抗菌性再生シルクの製造方法。
  10. 有機溶媒は、ヘキサフルオロイソプロパノールである請求項7〜9のいずれか一項に記載の抗菌性再生シルクの製造方法。
  11. 所定形状は、糸状又はフィルム状である請求項7〜10のいずれか一項に記載の抗菌性再生シルクの製造方法。
  12. 加熱は、オートクレーブによる高温高圧水蒸気処理である請求項7〜11のいずれか一項に記載の抗菌性再生シルクの製造方法。
  13. シルクを脱セリシン処理して得た糸状のフィブロインに、チオシアン酸塩の水溶液を接触させることを特徴とする抗菌性再生シルクの製造方法。
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