JP2015107759A - 車両のシートバックバー構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガードバー40は逆U字形状を有すると共に車幅方向内側端部41がクロスバー20に貫通して溶接され、他端42がジャンクション部材50を介してクロスバー20に固定されており、ジャンクション部材50にはリンクブラケット10およびクロスバー20と共締めされる補強部52が形成されたことを特徴とする。
【選択図】図6
Description
また、オープンカーにおいては、ルーフ、特に、ルーフレインが存在しない関係上、側突時の荷重を車幅方向に伝達するためにシートバックバー構造が採用されるものである。
上述の車両のさらなる軽量化を図るためには、クロスバー、脚部、ガードバーのうち、少なくともガードバーをアルミまたはアルミ合金で形成することが考えられる。
そこで、特許文献1に開示された鋼製のガードバーを、アルミまたはアルミ合金の押出成形および曲げ加工により構成することも考えられるが、この場合には上述同様にして取付け性の問題が発生する。
さらに、ジャンクション部材の補強部は、リンクブラケットおよびクロスバーと共締めされるので、ロールオーバ時においてガードバーに入力された荷重を、当該ガードバーからジャンクション部材、クロスバーを介して脚部に伝達すると共に、リンクブラケットを介してサイドパネルにも荷重伝達することができ、脚部およびサイドパネルの双方に荷重伝達して、荷重分散を図ることができる。
図面は車両(オープンカー)のシートバックバー構造を示し、図1はその正面図、図2は背面図、図3は図1のX−X線矢視断面図、図4〜図6はそれぞれ異なる方向から見た状態で示す要部の斜視図である。
図1〜図3において、図示しないフロントフロアパネルの後部には該フロントフロアパネルから前低後高状に立上がるバルクヘッド1を設け、該バルクヘッド1の上面部1aを車両後方に向けて水平に延ばしている。
上述のリヤフロア2の車幅方向両サイド下部には、図2に示すように、車両の前後方向に延びる左右一対のリヤサイドフレーム3,3を接合固定して、これらリヤサイドフレーム3,3と上述のリヤフロア2との間には、車両の前後方向に延びる閉断面4を形成して、下部車体剛性の向上を図っている。
このセンタピラー7は、センタピラーインナ8とセンタピラーアウタ9とを有して、車両の上下方向に延びるセンタピラー閉断面を備えた車体強度部材である。
ここで、上述のリヤフロア2は、左右のセンタピラーインナ8,8間に配設されると共に、これらセンタピラーインナ8,8同士を連結して車両床面(幌格納部および荷室床面)を形成するフロアパネルである。
図1〜図3に示すように、上述のリヤフロア2の上側で、リンクブラケット10およびスペーサブラケット16を介して上述のセンタピラーインナ8,8同士を連結して車幅方向に延びるクロスバー20を設けている。
このクロスバー20は、車両の座席後部側において車幅方向に長く配設されるもので、該クロスバー20はアルミまたはアルミ合金の押出成形により形成されている。
この「くの字」状レイアウトはシートバックの背面形状に対応するものであり、特に、カードバー40の前傾構造は、オープンカーの可動ルーフを構成する幌の開閉軌跡に関し、幌の開閉時にガードバー40が幌と干渉するのを回避するためのレイアウトである。
図4に示すように、上述のクロスバー20は、アルミまたはアルミ合金の押出成形により形成されており、該クロスバー20は上面部21と、この上面部21の前端から下方に延びる前面部22と、上面部21の後部から後方かつ上方に延びる傾斜片部23と、この傾斜片部23の後端から上方に延びる上片部24と、上述の傾斜片部23の後端から下方に延びる後面部25と、この後面部25の下端から前下に延びる後部底面部26と、この後部底面部26の前端から前上に延びる前部底面部27と、を備えている。
また、上述のクロスバー20はメイン閉断面s1を有しており、さらに、クロスバー20の上面部21と交差して厚肉部t1を形成しつつ上記メイン閉断面s1の上部に略三角形の閉断面s2を形成し上記ガードバー40の後部を上記厚肉部t1に対応するよう固定する第1のリブとしての上側リブ28を備えている(図3参照)。
さらに、上述のクロスバー20は、図3,図4に示すように、メイン閉断面s1を上下方向に仕切り、上述の脚部30が固定される位置に対応してサブ閉断面s3を形成する第2のリブとしての下側リブ29を備えている。
この下側リブ29が前面部22と交差する部分には厚肉部t2が形成されており、同様に、下側リブ29が後部底面部26と交差する部分にも厚肉部t3が形成されている。
上述のクロスバー20の断面内に上側リブ28と下側リブ29とを形成することにより、側突荷重を当該クロスバー20を介して車幅方向反対側に伝達して、荷重分散を図るように構成している。
加えて、メイン閉断面s1の上部には、傾斜片部23と後面部25と上側リブ28とで囲繞された略三角形の閉断面s2を形成し、このトラス形状によりクロスバー20の剛性向上を図って、側突耐力を高め、側突時の入力荷重を車幅方向反対側に伝達して、荷重分散を図るように構成している。
図3,図4に示すように、上述のガードバー40はアルミまたはアルミ合金の押出成形により形成された後に、逆U字形状を有するように曲げ加工されたもので、その車幅方向内側端部41が上述のクロスバー20に貫通して溶接されている。
またガードバー40の他端すなわち車幅方向外側端部42は、アルミまたはアルミ合金製のジャンクション部材50に溶接されており、当該ジャンクション部材50を介して上述のクロスバー20に固定されている。
また、上述の外側片44は、クロスバー20上面としての上面部21に対して鉛直に当接する当接部48と、該当接部48から車両前後方向前方に傾斜した傾斜部49とを有している。
図7はクロスバー、ガードバー、リンクブラケットおよび鉄製ブラケットの関連構造を示す正面図、図8は図7のA−A線矢視断面図、図9は図7のB−B線矢視断面図、図10は図7のC−C線矢視断面図、図11はリンクブラケットの斜視図、図12はその分解斜視図である。
すなわち、該リンクブラケット10は車幅方向に延在する接続部11と、車両の略前後方向に延在するリンクブラケットアウタ12と、このリンクブラケットアウタ12の車幅方向内側面に当接固定されるセットブラケットインナ13と、リンクブラケットアウタ12およびセットブラケットインナ13の車幅方向内側かつ上側に当接固定されるセットブラケットアッパ14と、リンクブラケットアウタ12およびセットブラケットインナ13の車幅方向内側かつ下側に当接固定されるセットブラケットロア15と、を備えており、これら各要素11〜15を図11に示すように一体化したものである。
さらに、上述の接続部11の上面11aにおける車幅方向外側には、門形断面形状を有する高剛性のアンカ取付け部材17が固定されており、このアンカ取付け部材17と上下方向に対応すべく接続部11の前面11bには、後述するリトラクタ取付けブラケット71(図13参照)係止用の開口部18と、リトラクタ取付けブラケット71(図13参照)締結用のボルト挿通孔19とが形成されている。
加えて、上述の接続部11の上面11aにおける車幅方向内側端部には、該端部から下方に延びる下方折曲げ片11fを一体形成し、下面11cにおける車幅方向内側端部には、該端部から上方に延びる上方折曲げ片11gを一体形成し、前面11bにおける車幅方向内側端部には、該端部から後方に延びる後方折曲げ片11hを一体形成し、さらに、前面11bにおける車幅方向外側端部には、該端部から斜め前方に延びる前方折曲げ片11iを一体形成している。
図4,図6〜図10に示すように、上述のジャンクション部材50は、アルミまたはアルミ合金で形成されており、該ジャンクション部材50は、クロスバー20の上面部21に締結される取付け面51と、リンクブラケット10およびクロスバー20と共締めされる補強部としての縦面52と、ガードバー40の車幅方向外側端部42が取付けられる取付け面51の後方から上方に延びる倒れ防止部53と、を一体形成したものである。
また、上述の倒れ防止部53をガードバー40の外側片44の後面に当接させており、ロールオーバ時における荷重入力により当該ガードバー40が後傾するのを防止すべく構成している。
図7に示すように、上述のリンクブラケット10はその車幅方向内側端部が切欠き部20Aを利用してクロスバー20に連結されており、その車幅方向外側端部が、図1に示すように、スペーサブラケット16を介してサイドパネルとしてのセンタピラー7、詳しくは、センタピラーインナ8に固定されるが、該リンクブラケット10は、図7に示すように、ガードバー40の車幅方向外側端部42と平面視で重複する位置まで上述のクロスバー20に貫通している。
ここで、上述の各締結部材57,58のボルトは、図11,図12で示したボルト挿通孔11e,11eに挿通される。
ところで、図3,図5に示すように、上述の脚部30はアルミまたはアルミ合金で形成されており、該脚部30は図5に示すように、ガードバー40の車幅方向外側端部42がクロスバー20に固定される位置と車幅方向同位置で上述のクロスバー20下部に固定されている。
そして、同図に示すように、脚部30とクロスバー20とを、これらの背面側において上下に連結する鉄製ブラケット60を設けている。ここに鉄の総称を鋼いわゆるスチールといい、鉄製とは、炭素を0.03〜1.7wt%含む炭素鋼と、Ni、Mn、Crなどの他の元素を含む特殊鋼との双方を含むものである。
上述の脚部30は、断面略コの字状に形成され、開放面を車両前方に向けて形成された脚部本体31と、上記開放面を覆うように脚部本体31に取付けられたプレート32と、から形成されている(図14,図15,図16参照)。
図13は図1のY−Y線矢視断面図である。図1,図13に示すように、上述の脚部30の車幅方向外側には、シートベルト装置のリトラクタ70が設けられている。
このリトラクタ70はそのシートベルト(図示せず)により運転席および助手席(但し、図面では一方のみを示す)に着座した乗員を拘束するもので、該リトラクタ70は上述のリンクブラケット10に固定されている。
すなわち、上述のリトラクタ70は車両側面視で略Z字状のブラケット71を一体的に備えており、このブラケット71の上下方向に延びる上部71aを、リンクブラケット10の接続部11における前面11bに対接させると共に、該上部71aの上端に形成した後方折曲げ舌片72を、図11で示した接続部11の開口部18に係入させている。
上述のリトラクタ70とベルトアンカ76とを同一の部材であるリンクブラケット10に取付けることで、リトラクタ70とベルトアンカ76との離間距離短縮を図って、シートベルト(つまりウエビング)の延伸を抑制し、当該ウエビングの引出し性、巻取り性を良好に成し、また上述のリンクブラケット10それ自体がセンタピラー7とクロスバー20とを連結する剛性部材であるため、リトラクタ70の支持剛性確保のための補強を必要とすることなく、車体の重量増加を抑制するように構成したものである。
このように上述のリトラクタ70を連結パイプ80に支持させることで、該リトラクタ70の支持強度のさらなる向上を図るように構成したものである。
上述の前部底面部27は、リトラクタ70から離間するように前高後低状(つまり前上)に傾斜するスラント面に形成されている。
図14は図1のZ−Z線矢視に沿う斜視図、図15は脚部と連結部材(連結パイプ80)とを示す分解斜視図、図16は脚部と連結部材(連結パイプ80)との関連構造を示す平面図である。
上述のプレート32は脚部本体31の開放面を前方から覆うもので、該プレート32と脚部本体31の両側面部31a,31b前端部とはその長手方向に沿って溶接固定されており、プレート32と脚部本体31との間には、閉断面34が形成されている。
また、上述のプレート32の下部はリトラクタ70の下方に延在するように車幅方向に拡幅に形成された拡幅部32aを有すると共に、この拡幅部32aの下端から前方に延びる取付け座面32bが一体形成されている。
上述の連結パイプ80は本来ならば車幅方向に真っ直ぐに配置されるのが好ましいが、この実施例では、車体構造の関係上、センタピラー7の前後位置と、脚部30の前後位置とが一致しないので、上述の連結パイプ80はその車幅方向外側が前方に位置し、車幅方向内側が後方に位置するようにスラント配置されている。
また、リトラクタ70を回避するように拡幅形成された拡幅部32aを設けることで、ロールオーバ時にガードバー40およびクロスバー20を介して脚部30に入力された荷重を効率よくリヤフロア2に伝達すべく構成したものである。
さらに、図3,図5,図16に示すように、上述の脚部30の後部には、当該脚部30の倒れを防止するガセット90が設けられている。
このガセット90は逆U字状の上側フランジ91と、円弧状の下側フランジ92とを有し、図3に示すように、上側フランジ91を脚部本体31の背面に接合固定し、下側フランジ92をリヤフロア2の上面に接合固定して、脚部本体31とリヤフロア2と当該ガセット90との間に閉断面93を形成したもので、各要素40,20,30が側面視で「くの字」にレイアウトされていることに起因して、ロールオーバ時の入力荷重により脚部30が後方に倒れようとするのを防止すべく構成したものである。
なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示し、矢印UPは車両上方を示す。また上記実施例においては主として車両右側の構成について詳述したが、車両左側のシートバックバー構造は車両右側のそれと左右略対称に構成されている。
さらに、ジャンクション部材50の補強部(縦面52)は、リンクブラケット10およびクロスバー20と共締めされるので、ロールオーバ時においてガードバー40に入力された荷重を、当該ガードバー40からジャンクション部材50、クロスバー20を介して脚部30に伝達すると共に、リンクブラケット10を介してサイドパネル(センタピラー7)にも荷重伝達することができ、脚部30およびサイドパネル(センタピラー7)の双方に荷重伝達して、荷重分散を図ることができる。
この発明のフロアパネルは、実施例のリヤフロア2に対応し、
以下同様に、
サイドパネルは、センタピラー7に対応し、
ガードバーの他端は、ガードバー40の車幅方向外側端部に対応し、
補強部は、縦面52に対応し、
締結部は、締結部材57,58に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、上記実施例においてはリンクブラケット10を、接続部11、リンクブラケットアウタ12、セットブラケットインナ13、セットブラケットアッパ14、セットブラケットロア15の合計5つの部材で構成したが、このリンクブラケット10はハイドロフォーム成形部材で構成してもよい。
7…センタピラー(サイドパネル)
10…リンクブラケット
20…クロスバー
30…脚部
40…ガードバー
41…車幅方向内側端部
42…車幅方向外側端部(他端)
50…ジャンクション部材
51…取付け面
52…縦面(補強部)
57,58…締結部材(締結部)
Claims (3)
- 左右の車体側壁を構成するサイドパネルと、当該左右のサイドパネル間に配設されると共にこれらサイドパネル同士を連結して車両床面を形成するフロアパネルとを備えた車体に、
そのフロアパネルの上側において車幅方向に延びるクロスバーと、
上記クロスバーと上記フロアパネルとを連結する脚部と、
上記クロスバー上部に固定されたアルミまたはアルミ合金の押出成形のガードバーと、
一端が上記サイドパネルに固定され、他端が上記クロスバーに連結されたリンクブラケットと、で構成された車両のシートバックバー構造であって、
上記ガードバーは逆U字形状を有すると共に車幅方向内側端部が上記クロスバーに貫通して溶接され、
他端がジャンクション部材を介して上記クロスバーに固定されており、
上記ジャンクション部材には上記リンクブラケットおよびクロスバーと共締めされる補強部が形成された
車両のシートバックバー構造。 - 上記ジャンクション部材は上記ガードバーが取付けられる取付け面の後方から上方に延びる倒れ防止部が設けられ、
該倒れ防止部が上記ガードバーの後面に当接している
請求項1記載の車両のシートバックバー構造。 - 上記リンクブラケットが上記ガードバーの車幅方向外側端部と平面視で重複する位置まで上記クロスバーに貫通しており、
上記ジャンクション部材の補強部と上記クロスバーと上記リンクブラケットとが車幅方向に離間する複数の締結部で締結された
請求項1または2記載の車両のシートバックバー構造。
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