以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(実施形態)
図1は、実施形態に係る発光装置10の平面図である。発光装置10は、発光パネル100及び配線基板200を有している。図1は、発光パネル100の上に配線基板200を配置した状態を示している。
発光パネル100は、後述するように発光部104を有している。発光部104は、後述するように複数の発光素子102を有している。発光素子102は、例えば有機EL素子であるが、LED素子であってもよい。以下、発光素子102が有機EL素子として説明を行う。また、発光パネル100は第1発光側端子150及び第2発光側端子160を有している。第1発光側端子150及び第2発光側端子160は、発光素子102に接続している。
配線基板200は配線が形成された基板である。配線基板200は、例えば、外部と接続する端子、発光パネル100に接続する端子、及びこれら2つの端子を接続する配線を有している。また、配線基板は、必要に応じて電子部品を備えていても構わない。この場合、配線基板200は、回路基板となる。
本図に示す例において、配線基板200は、少なくとも配線212,214、配線側第1端子202、及び配線側第2端子204を有している。制御回路220は、発光パネル100を制御する制御回路の少なくとも一部である。配線212は、発光パネル100を制御する制御回路を配線側第1端子202に接続しており、配線214は、この制御回路を配線側第2端子204に接続している。配線側第1端子202及び配線側第2端子204の一方(例えば配線側第1端子202)は電源端子であり、配線側第1端子202及び配線側第2端子204の他方(例えば配線側第2端子204)は接地端子である。なお、制御回路220、配線側第1端子202、及び配線側第2端子204は、配線基板200のうち発光パネル100とは逆側の面に形成されている。なお、本図に示す例において、配線基板200は回路基板であり、制御回路220の少なくとも一部を有している。
配線側第1端子202は、導電部材302を介して発光パネル100の第1発光側端子150に接続しており、配線側第2端子204は、導電部材304を介して発光パネル100の第2発光側端子160に接続している。導電部材302及び導電部材304は、例えばリボン状(箔状)の導電部材(例えば銅箔などの金属箔)、板状の導電部材、可とう性を有する導電部材である。これら導電部材302、304は、例えば長軸(例えば図1の右下の導電部材304においてはy方向)及び短軸(例えば図1の右下の導電部材304においてはx方向)で規定される平面形状、例えば長方形、矩形状を有している。この場合、短軸方向における導電部材304の幅は、導電部材304の厚さの10倍以上になっている。これにより、導電部材302,導電部材304の抵抗値は小さくなる。また、配線側第1端子202(又は配線側第2端子204)と導電部材302(又は導電部材304)の接続抵抗の値は小さくなる。同様に、導電部材302と第1発光側端子150の接続抵抗及び導電部材304と第2発光側端子160の接続抵抗の値も小さくなる。ただし、導電部材302,304はワイヤ状(線状)の導電部材であってもよい。なお、本図に示す例において、配線側第1端子202及び第1発光側端子150は複数(具体的には2個)設けられており、配線側第2端子204及び第2発光側端子160も複数(具体的には2個)設けられている。なお、上記した発光部104は、導電部材302,304のうち長軸方向に延在する端部306(図6参照)に対向する側に配置されている。言い換えると、発光部104は、導電部材302,304のうち長軸方向の側部に対向する側に配置されている。
発光パネル100及び配線基板200は、例えば多角形である。なお、ここでいう多角形には、角が丸まっている場合も含まれる。発光パネル100の各辺には、上記した第1発光側端子150又は第2発光側端子160が設けられている。また、配線側第1端子202及び配線側第2端子204は、配線基板200のうち互いに異なる角部に形成されている。より具体的には、配線基板200には複数(例えば偶数)の配線側第1端子202及び複数(例えば偶数)の配線側第2端子204が形成されている。複数の配線側第1端子202のそれぞれは、いずれかの配線側第1端子202と点対称に配置されている。同様に、複数の配線側第2端子204のそれぞれは、いずれかの配線側第2端子204と点対称に配置されている。例えば本図に示す例において、発光パネル100及び配線基板200は正方形や長方形などの矩形である。そして、配線基板200のうち互いに対向する2つの角のそれぞれに配線側第1端子202が配置されており、残りの2つの角のそれぞれに配線側第2端子204が配置されている。そして、平面視において、配線側第1端子202と配線側第2端子204の間に第1発光側端子150(又は第2発光側端子160)が設けられている。なお、配線側第1端子202及び配線側第2端子204の配置については、別の図を用いて後述する。
配線基板200の少なくとも一部は、発光パネル100の少なくとも一部と重なっている。本図に示す例では、発光パネル100の全面、又は発光パネル100のうち縁の少なくとも一部を除いた全面が、配線基板200によって覆われている。より詳細には、配線基板200の形状は発光パネル100の形状と相似形(好ましくは同一)であり、配線基板200の面積は発光パネル100の面積の95%以上105%以下である。このため、発光パネル100のほぼ全体は、後述する切欠部230と重なる領域を除いて、配線基板200の全体と重なっている。これにより、発光パネル100を配線基板200で保護することができる。また、発光パネル100を配線基板200で補強することができる。なお、上記した配線基板200の面積には、切欠部230の面積も含まれている。
なお、本実施形態において、発光パネル100の縁は、発光パネル100の端面からある程度内側までの領域を指している。別の言い方をすれば、発光パネル100の縁は、発光パネル100の端部のことである。発光パネル100の端部は、例えば、発光パネル100の発光部104(又は後述する絶縁層170)と発光パネル100の端面の間の領域である。
そして、配線基板200の縁には、切欠部230が形成されている。切欠部230は、配線側第1端子202の近く及び配線側第2端子204の近くのそれぞれに形成されている。本図に示す例では、切欠部230は、配線基板200の4辺のそれぞれに形成されている。配線基板200の対角線の交点(すなわち配線基板200の中心)を基準にした場合、複数の切欠部230の位置は、互いに回転対称になっている。
図2は、発光装置10を図1のA方向からみた側面図である。図1及び図2に示すように、導電部材302は、切欠部230を介して、発光パネル100と配線基板200の間から配線側第1端子202まで引き出されている。同様に、導電部材304も、切欠部230を介して、発光パネル100と配線基板200の間から配線側第2端子204まで引き出されている。このように、切欠部230を設けることにより、配線基板200の少なくとも一部で発光パネル100の少なくとも一部を覆っても、発光パネル100と配線基板200の間から導電部材302(又は導電部材304)を引き出して配線側第1端子202(又は配線側第2端子204)に接続することができる。
詳細には、導電部材302,304は、接続部308(後述)から、発光パネル100の基板110の面に沿う方向に引き出されることにより、発光パネル100と配線基板200の間を通過する。その後、導電部材302,304は、配線基板200に向かって折り曲げられ、切欠部230から引き出される。
特に図1に示す例のように、発光パネル100の全面、又は発光パネル100のうち縁の少なくとも一部を除いた全面が、配線基板200によって覆われている場合、切欠部230を設けずに導電部材302,304を配線側第1端子202,配線側第2端子204に接続しようとすると、導電部材302,304を発光パネル100の外部まで引きだした後、導電部材302、304を曲げる必要が出てくる。この場合、発光装置10が大きくなってしまう。
切欠部230の幅L2は、配線基板200の一辺の長さL1の例えば30%以下である。このようにすることで、発光パネル100のうち配線基板200で覆われている部分の面積が減少することを抑制できる。
なお、導電部材302は、その導電部材302が引き出されている切欠部230が形成されている辺に対して、ほぼ平行に延在している。図1に示す例において、平面視において、導電部材302は、配線基板200の互いに対向する2辺のそれぞれに平行かつ直線的に延在しており、導電部材304は、配線基板200の残りの2辺のそれぞれに平行かつ直線的に延在している。そして、平面視において、導電部材302の延長線上に第1発光側端子150及び配線側第1端子202が位置しており、導電部材304の延長線上に第2発光側端子160及び配線側第2端子204が位置している。言い換えると、導電部材302は第1発光側端子150と配線側第1端子202を直線的に接続しており、導電部材304は第2発光側端子160と配線側第2端子204を直線的に接続している。そして、切欠部230が形成されている辺に直交する方向(例えば配線側第1端子202においては図1の上下方向、配線側第2端子204においては図1の左右方向)で見た場合、その切欠部230の隣に位置する配線側第1端子202(又は配線側第2端子204)の少なくとも一部は、その切欠部230と重なっている。これにより、導電部材302(又は導電部材304)は、切欠部230から引き出された後、平面方向に折り曲げられなくても、配線側第1端子202(又は配線側第2端子204)に接続することができる。これにより、導電部材302,304の信頼性は向上する。また、導電部材302は、面で配線側第1端子202及び導電性接着材306に接続しているため、平面方向への変形が生じにくい。導電部材304についても同様に、平面方向への変形が生じにくい。従って、導電部材302,304の信頼性はさらに向上する。
また、後述する封止部材180をアルミニウム、鉄等の導電材料で形成し、かつ、後述する基板100の平面方向に変形可能な導電部材を封止部材180に並べて配置した場合、導電部材302、304と封止部材180とが電気的に接触してショートする場合がある。しかし、本実施形態において、導電部材302、304は、基板100の平面方向に変形が生じにくい。このため、導電部材302,304を封止部材180に所定の間隙を設けて並べて配置しても、導電部材302,304と封止部材180の間のショートの発生を抑止しながら、導電部材302、304を引き回すことができる。従って、発光装置10の信頼性は向上する。
また、配線側第1端子202及び配線側第2端子204は、発光パネル100の厚さ方向において発光パネル100とは異なる位置(図2においては上)に位置している。これに対して、導電部材302,304は、リボン状、板状、基板110の厚さ方向に可とう性を有する、又は箔状であり、その幅方向は、発光パネル100の面方向と平行になっている。従って、導電部材302,304は、発光パネル100の厚さ方向に変形しやすく、よって、容易に配線側第1端子202と配線側第2端子204のそれぞれに接続することができる。
なお、導電部材302,304は、本図に示すように、発光パネル100の厚さ方向に屈曲する屈曲部305を有している。屈曲部305は、切欠部230の中に位置している。詳細には、導電部材302、304と配線基板200の間には、所定の間隙が設けられている。そして、屈曲部305において、導電部材302,304は、切欠部230から離間した状態で、発光パネル100側に屈曲し、更に配線基板200側に屈曲してから、配線側第1端子202又は配線側第2端子204に接続される。このため、切欠部230に導電部材302、304が接触して断線することを抑止することができる。
また、図2に示すように、第1発光側端子150は、導電性接着材306を介して導電部材302に接続している。同様に、第2発光側端子160も、導電性接着材306を介して導電部材302に接続している。導電性接着層306は、例えば接着性を有する樹脂に金属粒子などの導電性粒子を混ぜたものである。図1及び図2に示すように、導電部材302(又は導電部材304)のうち第1発光側端子150(又は第2発光側端子160)に接続している部分(接続部308)は、配線基板200で覆われている。このため、接続部308に外力が加わって、導電部材302(又は導電部材304)が第1発光側端子150(又は第2発光側端子160)から外れることを抑制できる。具体的には、発光装置10に、基板110の厚さ方向の外力が加わった場合においても、導電部材302(又は導電部材304)が第1発光側端子150(又は第2発光側端子160)から引き剥がされることを抑止できる。なお、接続部308は、切欠部230とは重ならない位置(異なる位置)に形成されている。
また、詳細を後述するように、発光パネル100の基板110は多角形(例えば矩形)である。発光パネル100の発光部104(詳細を後述)も発光パネル100と同様の多角形となっている。そして、第1発光側端子150は、発光部104のある幅の方向に延在しており、第2発光側端子160は、発光部104農地第1発光側端子150とは異なる幅方向に延在している。言い換えると、第1発光側端子150は、基板110の一辺及び発光部104の一辺に沿って延在しており、第2発光側端子160は、基板110の他の一辺及び発光部104の他の一辺に沿って延在している。第1発光側端子150(又は第2発光側端子160)の長さL4は、発光部104の一辺の長さL5の例えば50%以上である。そして、接続部308の長さL3は、発光部104の一辺の長さL5の10%以上である。このため、第1発光側端子150(又は第2発光側端子160)と導電部材302(又は導電部材304)との接触面積を増やして、これらの間の接触抵抗の値を小さくすることができる。また、発光パネル100の電極に電流分布又は電圧分布が生じることを抑制できるため、発光パネル100の内部で輝度に分布が生じることを抑制できる。
なお、図16に示すように、発光部104は円形であってもよいし、楕円形であってもよい。発光部104が円形の場合、発光部104の幅は、発光部104の直径になる。また、発光部104が楕円の場合、発光部104の一方の幅は長径であり、発光部104の他方の幅は短径になる。
接続部308の長さL3は、発光部104の一辺の長さL5の40%以上であるのが好ましい。このようにすると、第1発光側端子150(又は第2発光側端子160)と導電部材302(又は導電部材304)の間の接触抵抗の値をさらに小さくすることができる。
一方、接続部308の長さL3を長くしすぎると、導電部材302,304を長くする必要があるため、発光装置10のコストが高くなる。このため、接続部308の長さは、発光部104の一辺の長さL5の80%以下であるのが好ましい。また、接続部308の長さL3は、基板110の幅を基準に定義することもできる。この場合、接続部308の長さL3は、基板110のうち接続部308と平行な方向の幅の10%以上であるのが好ましく、さらには80%以下であるのが好ましい。この好ましい理由については、上述した通りである。
なお、発光部104の幅方向において、接続部308は発光部104の中心と重なっているのが好ましく、特に好ましくは接続部308の両端は、発光部104の中心を基準として対称な位置にあることが好ましい。このようにすると、発光パネル100の電極に電流分布又は電圧分布が生じることをさらに抑制できるため、発光パネル100の内部で輝度に分布が生じることをさらに抑制できる。
さらに、導電部材302のうち少なくとも配線側第1端子202に接続している部分は、絶縁部材によって被覆されていない。すなわち、この部分は、基板110側の面及びその逆側の面も含め、全周が電気的に接続可能な接続面となっており、全周に導電材料が露出している。このため、配線側第1端子202と導電部材302の接続面積が広くなり、これらの間の接続抵抗の値を小さくすることができる。特に本実施形態では、導電部材302は箔形状をしており、厚さに対する幅の比が10倍以上になっている。このため、導電部材302の下面のみではなく上面も配線側第1端子202に電気的に接続することにより、配線側第1端子202と導電部材302の接続抵抗の値は特に小さくなる。
また、導電部材302の基板110側の面及びその逆側の面が電気的に接続可能な接続面となっているので、本実施形態のように、導電部材302のうち基板110側の面が配線側第1端子202又は配線側第2端子204に対する接続面となっている場合において、基板110に対して逆側の面も電気的に接続可能な面となっているので、この面を利用して、導通の有無を確認することができる。具体的には、配線側第1端子202と導電部材302が接続しているかをテスター等を用いて確認することができ、また、配線側第2端子204と導電部材304が接続しているかを、テスター等を用いて確認することができる。
同様に、基板110側における導電部材304のうち基板110側の面が発光部側第1端子150又は発光部側第2端子160に対する接続面となっていれば、導電部材302,304のうち基板110に対して逆側の面を利用して導通の有無を確認することができる。具体的には、導電部材302と第1発光側端子150が接続しているかをテスター等を用いて確認することができ、また、導電部材304と第2発光側端子160が接続しているかを、テスター等を用いて確認することができる。
また、導電部材302の弾性力に起因して、導電部材302のうち配線側第1端子202に接続している部分に、配線側第1端子202から離れる方向の力が加わることがある。これに対して本図に示す例では、導電部材302と配線側第1端子202は、はんだ240(他の導電部材)を介して互いに接続している。これにより、上記した力に起因して導電部材302と配線側第1端子202の接続部分が断線することを抑制できる。また、導電部材302のうち配線側第1端子202と電気的に接続している部分の面積は、さらに広くなる。また、導電部材302と配線側第1端子202を確実に接続することができる。また、導電部材302のうち配線側第1端子202とは逆側の面を、容易に配線側第1端子202に接続することもできる。
なお、導電部材304と配線側第2端子204の接続部分についても、導電部材302と配線側第1端子202の接続部分と同様の構成になっているため、同様の効果が得られる。
図3、図4、図5、及び図6は、発光パネル100の構成を説明するための平面図である。図5は、図6から封止部材180、導電部材302,304、及び導電性接着材306を取り除いた図であり、図4は、図5から第2電極140を取り除いた図であり、図3は、図4から有機層130及び絶縁層170を取り除いた図である。ただし、図3においては、説明のため、封止部材180を点線で示している。
本図に示す例において、発光パネル100は、図4に示すように、複数の発光素子102を有している。そして複数の発光素子102によって、発光部104が形成されている。本図に示す例において、発光部104は、互いに離間している2つの第1発光側端子150の間に位置しており、また、互いに離間している2つの第2発光側端子160の間に位置している。このようにすると、第1電極120には複数の第1発光側端子150から電流又は電圧が供給され、かつ第2電極140には複数の第2発光側端子160から電流又は電圧が供給されるため、発光部104の内部で電流又は電圧に分布が生じることを抑制できる。これにより、発光部104に輝度の分布が生じることを抑制できる。
また、複数の発光素子102は、第1発光側端子150が延在している方向(図4の左右方向)に並んでいる。本図に示す例において、発光素子102は長方形であり、短辺が第1発光側端子150と平行な方向を向いている。
発光素子102は、基板110に、第1電極120(第1導電膜)、有機層130、及び第2電極140を積層した構成を有している。本図に示す例では、基板110の上に、第1電極120、有機層130、及び第2電極140がこの順に積層されている。ただし、第1電極120と第2電極140は逆になっていてもよい。
基板110は、たとえばガラス基板や樹脂基板などの透明基板である。基板110は、可撓性を有していてもよい。この場合、基板110の厚さは、例えば10μm以上1000μm以下である。この場合においても、基板110は無機材料及び有機材料のいずれで形成されていてもよい。基板110は、例えば矩形などの多角形である。
本実施形態では、第1電極120は陽極として機能し、第2電極140は陰極として機能する。第1電極110及び第2電極140の一方(本図に示す例では第1電極120)は、光透過性を有する透明電極である。透明電極の材料は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)等の無機材料、またはポリチオフェン誘導体などの導電性高分子を含んでいる。
また、第1電極120及び第2電極140の他方(本図に示す例では第2電極140)は、Au、Ag、Pt、Sn、Zn、及びInからなる第1群の中から選択される金属、又はこの第1群から選択される金属の合金からなる金属層を含んでいる。
より具体的には、第1電極120は、図3に示すように、第1発光側端子150に接続している。そして第1電極120は、基板110のうち、発光部104となる領域から第1発光側端子150まで連続して形成されている。本図に示す例では、基板110は矩形であり、第1発光側端子150は互いに対向する2辺に沿って設けられている。第1電極120は、この2辺の間に形成されている。
第1電極120には複数の開口122が設けられている。開口122は複数の発光素子102の間を延在しており、第1電極120を、複数の発光素子102のそれぞれに分割している。そして、いずれの発光素子102が有する第1電極120も、第1発光側端子150に接続している。このため、開口122が形成されていても、第1電極120は複数の発光素子102に共通の電極として機能する。なお、第1電極120のうち第1発光側端子150の近くに位置している部分には、開口122がなくてもよい。
第1電極120の上には、補助電極124が設けられている。補助電極124は、複数の発光素子102のそれぞれに設けられており、開口122の近くに位置している。補助電極124は、第1電極120よりも抵抗値の低い材料(例えばAlなどの金属)によって形成されている。補助電極124が形成されることにより、第1電極120の面内で電圧効果が生じることを抑制できる。これにより、発光パネル100の輝度に分布が生じることを抑制できる。
なお、本図に示す例において、補助電極124は2つの第1発光側端子150の間を延在しているが、2つの第1発光側端子150のいずれにも直接接続していない。
第1電極120のうち第1発光側端子150となるべき領域の上には、第1発光側端子150の第2層154が形成されている。言い換えると、第1発光側端子150は、第1電極120と同一の層(第1層152)と第2層154を積層した構成を有している。そして第1層152は第1電極120と一体になっている。このため、第1発光側端子150と第1電極120の間の距離を短くして、これらの間の抵抗値を小さくすることができる。また、発光パネル100の縁に存在する非発光領域を狭くすることができる。
第2層154は、第1電極120よりも抵抗値が低い材料(例えばAlなどの金属、またはMo/Al/Moなどの金属の積層膜)によって形成されている。そして、導電性接着材306(接続部308)は、第2層154に接続している。なお、第2層154は、第1電極120よりも透光性が低い(すなわち遮光性が高い)。
第1発光側端子150の第2層154には複数の開口が形成されている。本図に示す例では、複数の開口は、第1発光側端子150が延在している方向に並んでいる。詳細には、複数の開口は、第2層154のうち基板110の縁(側面)を向いている辺に繋がっている。このため、第2層154は櫛歯形状になっている。そして導電性接着材306の少なくとも一部は、これらの開口と重なっている。言い換えると、第1発光側端子150の第1層152の一部は、第2層154で覆われていない。そして、この覆われていない部分は導電性接着材306と重なっている。
なお、第1発光側端子150のうち発光部104を向いている側部151(図3参照)は、導電部材302の長軸方向の側部に沿っている。これにより、接続部308から発光部104に電流を均一に流し込むことができる。本図に示すように、第2層154が、導電部材302の長軸方向(図3における左右方向)において、発光部104の一方の端部から他方の端部に渡って形成されている(すなわちこの方向における発光部104の幅よりも大きい)場合、この効果は特に大きくなる。
また、第2発光側端子160は、第1層162の上に第2層164を積層した構成を有している。第1層162は第1電極120と同様の材料により形成されている。ただし、第1層162は第1電極120から分離している。第2層164は、第2層154と同様の材料により形成されている。また、第1層162には、第2層154と同様に複数の開口が形成されている。そして、第1層162のうち基板110の縁に対向している辺は櫛歯形状となっている。導電性接着材306の少なくとも一部は、これらの開口、すなわち第1層162のうち第2層164で覆われていない部分と重なっている。なお、第2発光側端子160は第1層162を有していなくてもよい。
さらに第2層164のうち第1電極120に対向する辺には、複数の第2開口が形成されている。第2発光側端子160が延在する方向において、これら複数の第2開口の幅は、導電性接着材306と重なる開口の幅よりも狭くなっている。本図に示す例において、複数の第2開口は、第2層164のうち第1電極120に対向している辺に繋がっている。このため、第2層164は、第1電極120に対向している辺も櫛歯形状になっている。そしてこの櫛歯部分(第2開口)には、封止部材180の縁が重なっている。
また、図4に示すように、第1電極120のうち第2層154で覆われていない領域の上には、絶縁層170が形成されている。絶縁層170は、例えばポリイミドなどの感光性の樹脂によって形成されている。絶縁層170には、複数の開口172が設けられている。開口172は、開口122及び補助電極124と平行に延在している。ただし、開口172は補助電極124及び第1電極120の開口122に重なっていない。このため、補助電極124は絶縁層170に覆われており、また、開口122のうち発光部104の内部に位置する部分も、絶縁層170によって覆われている。
そして、少なくとも開口172の内部には、上記した有機層130が形成されている。有機層130は、発光層を有している。そして、開口172の内側において、第1電極120及び第2電極140の間に電圧が印加されることにより、有機層130は発光する。言い換えると、開口172のそれぞれの中に発光素子102が形成されている。
発光素子102が発光した光は、第1電極120及び第2電極140のうち透明電極となっている電極(本図に示す例では第1電極120)を介して外部に出射する。有機層130は、例えば、正孔注入層、発光層、及び電子注入層をこの順に積層させた構成を有している。正孔注入層と発光層の間には正孔輸送層が形成されていてもよい。また、発光層と電子注入層の間には電子輸送層が形成されていてもよい。有機層130の少なくとも一つの層は、塗布法によって形成されている。なお、有機層130の残りの層は、蒸着法によって形成されている。なお、有機層130は塗布材料を用いて、インクジェット法、印刷法、スプレー法で形成しても構わない。
また、図5に示すように、第2電極140は、複数の発光素子102に共通の電極として形成されている。詳細には、第2電極140は、有機層130及び絶縁層170の上に形成されており、また、第2発光側端子160に接続している。本図に示す例では、第2発光側端子160は、基板110のうち互いに対向する2辺に沿って形成されている。そして第2電極140は、これら2つの第2発光側端子160の間の領域を覆うように形成されている。
また、図6に示すように、複数の発光素子102は封止部材180によって封止されている。封止部材180は、基板110と同様の多角形の金属箔又は金属板(例えばAl箔又はAl板)の縁部182の全周を押し下げた形状を有している。そして縁部182は基板110に固定されている。詳細を後述するように、縁部182の一部は、第2発光側端子160の第2開口と重なっている。
なお、平面視において、封止部材180の縁部182は、導電性接着材306及び接続部308よりも発光パネル100の内側に位置している。このため、接続部308は封止部材180と重なっておらず、したがって、導電部材302(又は導電部材304)は第1発光側端子150(又は第2発光側端子160)と接続することができる。
また、本実施形態において、配線側第1端子202及び配線側第2端子204は、配線基板200の角部にそれぞれ配置されている。また、第1発光側端子150は、基板100の一辺内に配置されており、平面視において、配線側第1端子202及び配線側第2端子204の間に配置されている。また、第2発光側端子160も同様に基板100のうち第1発光側端子150とは異なる一辺内に配置されており、平面視において、配線側第1端子202及び配線側第2端子204の間に配置されている。発光側端子150、160に導電部材302、304の一方の端部が接続し、他方の端部が配線側第1端子202及び配線側第2端子204に接続される。この時、導電部材302、304の一方の端部から他方の端部に向かう方向は、基板100の周方向に沿っている。言い換えれば、導電部材302、304の一方の端部から他方の端部に向かう方向は、基板100の外周部を一周する方向になっている。このため、導電部材302、304を配線基板200の切欠部230から引き出す際、基板100を回転させながら引き出し作業を行うことができる。従って、容易に導電部材302、304の引き出しを行うことができる。
図7は、図3のB−B断面図である。上記したように、第1発光側端子150は、第1電極120の端部(第1層152)の上に第2層154を積層した構成を有している。また、有機層130は封止部材180によって封止されている。封止部材180の内側には、乾燥剤が配置されていてもよい。封止部材180の縁部182は、絶縁性の接着層184を介して、基板110の上に形成された層(B−B断面では第2層154)に固定されている。ただし、第2層154のうち基板110の縁に近い部分は、縁部182から露出している。そして、第2層154のうち縁部182から露出していない部分には、導電性接着材306を介して導電部材302が接続している。
図8は、図3のC−C断面であり、図9は図3のD−D断面である。上記したように、第2発光側端子160は、第1層162の上に第2層164(遮光層)を積層した構成を有している。第2層164は、少なくとも一つの開口を有している。詳細には、第2層164のうち有機層130側の領域は、櫛歯状になっており、第2層164で覆われていない部分(C−C断面)、及び第2層164で覆われている部分(D−D断面)がある。そして、C−C断面及びD−D断面において、封止部材180の縁部182は、絶縁性の接着層184を介して、第2発光側端子160に固定されている。より詳細には、接着層184の一部は、C−C断面に示すように、第2層164の櫛歯の歯の間に位置する領域(第2層164の開口)において、第1層162に固定されている。また、接着層184の他の一部は、D−D断面に示すように、第2層164に固定されている。
封止部材180の縁部182を、接着層184を用いて基板110に固定する場合、接着層184と基板110の間に気泡が入り込む可能性がある。この気泡が生じると、封止部材180による封止能力が低下する。本実施形態では、縁部182の少なくとも一部は、第2発光側端子160と重なっている。第2層164は開口を有しており、また、第1層162は透光性の材料によって形成されている。このため、接着層184と第2発光側端子160の界面に気泡が混入した場合、この気泡を、基板110のうち封止部材180が取り付けられていない面(すなわち発光面側)から確認することができる。特に本実施形態では、第2層164のうち縁部182と重なる部分を櫛歯形状にしたため、気泡の有無を確認しやすい。
また本実施形態では、第2発光側端子160の第2層164を用いて気泡の有無を確認できるようにしたため、気泡の有無を確認するための遮光パターンを設ける必要がない。従って、発光パネル100の非発光領域の面積が大きくなることを抑制できる。この効果は、本実施形態のように第2発光側端子160が基板110の縁に沿って形成されている場合、特に大きくなる。また、第2発光側端子160が、Al等の比較的抵抗値が小さい導電材料で形成された陰極としての第2電極140に接続する場合、第2電極140を構成する膜内で電圧分布又は電流分布が生じにくい。このため、第2発光側端子160の第2層164に開口を設けることができる。この点から、遮光パターンを形成する第2層164の一部を開口して、接着層184と第2発光側端子160の界面における気泡の有無を確認することができる。
図10は、図3のE−E断面である。図3を用いて説明したように、第1発光側端子150の第2層154には複数の開口が形成されている。そして、導電性接着材306の少なくとも一部は、これらの開口と重なっている。このため、導電性接着材306の一部は、第2層154の開口内を入り込んで、第1層152に接続している。第1層152及び基板110は透光性を有している。従って、基板110のうち配線基板200の逆側の面から発光パネル100を見た場合、導電性接着材306の一部が第1層152に接続している場合(特に導電性接着材306の導電性粒子が第1層152に接触している場合)と接触していない場合とで、第1発光側端子150の見え方が異なる。従って、第1発光側端子150と導電性接着材306の接続不良を視覚的に確認することができる。特に本実施形態では、第2層154は櫛歯形状になっている。よって、第2層154と導電性接着材306のコントラストに起因して、第1発光側端子150と導電性接着材306の接続不良は視覚的に確認しやすくなる。
また、導電性接着材306の一部は第1層152に接続しているため、導電性接着材306と第1発光側端子150の接続抵抗の値が大きくなることも抑制できる。また、第2層154の開口の下には第1層152が位置しているため、導電性接着材306のうち第2層154の開口内に位置する部分は、第1層152に接続する。従って、第2層154の開口の下に第1層152を形成しない場合と比較して、導電性接着材306と第1発光側端子150の接続抵抗の値を小さくすることができる。
なお、第2発光側端子160と導電性接着材306の接続部308についても、同様の効果が得られる。
図11は、図3のF−F断面である。上記したように、第2発光側端子160のうち第1電極120に対向する辺は櫛歯状になっている。そしてこの櫛歯の歯の部分(図11において第2層164が存在している部分)の幅L7は、歯と歯の間の部分である空白部分(図11において第2層164が存在していない部分)の幅L6よりも大きくなっている。接着層184に混入した気泡の径は小さいと想定される。よって、空白部分の幅L6を幅L7より小さくしている。例えば、観察対象とする気泡の径を幅L7の半分以下と想定した場合には、空白部分の幅L6を第2層164で覆われている部分の幅L7の半分以下にすることができる。一方、気泡の径が大きい場合、又は気泡自体が小さいので観察者が視認しにくい場合には、空白部分の幅L6を幅L7より大きくしても構わない。
第2発光側端子160は第1層162で形成されていても構わないが、第2層164を積層すると、第2発光側端子160の抵抗を低くすることができる。更に、第2層164の面積をできるだけ大きくして、第2発光側端子160の抵抗をより低くすることもできる。
また、本図に示すように、接着層184の全体にわたって気泡が混入していることを確認するために、空白部分を複数設けても構わない。本図に示す例では、複数の空白部分は、第2発光側端子160が延在する方向に並んでいる。この場合、例えば、第2層164で覆われる部分の幅L7を空白部分の幅L6の約125%〜約25%の間に設定するのが好ましく、気泡を確認できる点(視認性の観点)から50%以上100%以下がより好ましい。
また、導電部材302,304は、封止部材180から離れている。言い換えると、導電部材302,304と封止部材180の間には所定の間隔が設けられている。これにより、封止部材180をAlなどの導電材料で形成しても、封止部材180が導電部材302,304にショートすることを抑制できる。
図12は、発光装置10の変形例の第1例を示す平面図であり、図3に対応している。本図に示すように、第2層154,164のうち導電性接着材306と接続する部分は櫛歯になっていない。ただし、導電性接着材306の一部が第2層154,164に接続し、導電性接着材306の他の部分が第1層152,162に接続しているため、本図に示すレイアウトにおいても、図10を用いて説明した効果が得られる。
図13は、配線側第1端子202及び配線側第2端子204の配置を説明するための平面図である。配線側第1端子202(又は配線側第2端子204)に導電部材302(又は導電部材304)を接続する際、接続装置を用いる必要がある。本実施形態において、配線側第1端子202及び配線側第2端子204は、ある円CIRの円周上に位置している。このようにすると、配線基板200を回転させるのみで、同一の接続装置を用いて、複数の配線側第1端子202のそれぞれに導電部材302を接続することができ、かつ配線側第2端子204のそれぞれに導電部材304を接続することができる。この場合、接続装置のヘッド(例えばはんだ接続用のヘッド)を移動させる場合と比較して、発光装置10の製造効率は高くなる。
また、本実施形態において、配線側第1端子202及び配線側第2端子204の数の和は偶数である。そして、基板110の対角線の交点CNTを基準にした場合、配線側第1端子202及び配線側第2端子204のそれぞれは、いずれかの配線側第1端子202又は配線側第2端子204と点対称に配置されている。この場合においても、配線基板200を回転させるのみで、配線側第1端子202に導電部材302を(又は配線側第2端子204に導電部材304を)接続することができる。
図14は、発光装置10の変形例の第2例を示す図であり、図13に対応している。本図に示す例において、配線基板200は長方形になっている。そして、配線基板200の一方の長辺の端部に配線側第1端子202が形成されており、配線基板200の他方の長辺の端部に配線側第2端子204が形成されている。そして、配線側第1端子202及び配線側第2端子204は、対角線の交点CNTを中心に点対称に配置されている。この場合においても、配線基板200を回転させるのみで、同一の接続装置を用いて、配線側第1端子202に導電部材302を(又は配線側第2端子204に導電部材304を)接続することができる。
図15は、発光装置10の変形例の第3例を示す図であり、図13に対応している。本図に示す例において、配線基板200は三角形(例えば正三角形)になっている。そして、配線基板200の2つの辺に沿って配線側第1端子202が形成されており、基板110の残りの1辺に沿って配線側第2端子204が形成されている。なお、配線側第1端子202を1つにして、その代わりに配線側第2端子204を2つにしてもよい。そして、配線側第1端子202及び配線側第2端子204は、同一の円周上に配置されている。この場合においても、配線基板200を回転させるのみで、同一の接続装置を用いて、配線側第1端子202に導電部材302を(又は配線側第2端子204に導電部材304を)接続することができる。
なお、接続部308においても、配線側第1端子202及び配線側第2端子204と同様に、同一の円周上又は点対称に配置されているのが好ましい。このようにすると、基板110を回転させるのみで、複数の接続部308を形成することができる。
なお、図17に示すように、切欠部230の代わりに開口部232が設けられていてもよい。この場合においても、開口部232は配線基板200の端部に位置している。
また、図18に示すように、配線側第1端子202及び配線側第2端子204別に配線基板200が設けられていてもよい。この場合、配線基板200は、封止部材180及び接続部308を覆っていなくてもよい。
以上、図面を参照して実施形態及び実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。