JP2015105376A - 塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂材料及び成形体 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂材料及び成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】親水性及び耐熱性を高めることができる塩化ビニル系樹脂を提供する。【解決手段】本発明に係る塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルモノマー50重量%以上、98重量%以下と、親水性モノマー1重量%以上、49重量%以下と、マレイミド化合物1重量%以上、49重量%以下とを含む重合成分を共重合させることにより得られる。【選択図】図1

Description

本発明は、塩化ビニルモノマーを含む重合成分を重合させることにより得られる塩化ビニル系樹脂に関する。また、本発明は、上記塩化ビニル系樹脂を用いた塩化ビニル系樹脂材料及び成形体に関する。
塩化ビニル系樹脂は、一般に、安価であり、加工性に優れており、更に機械的強度にも優れている。このため、塩化ビニル系樹脂は、各種の成形体に加工されており、多くの分野で使用されている。例えば、上記塩化ビニル系樹脂は、上下水道分野において、パイプ及び継手などの管材に用いられている。さらに、上記塩化ビニル系樹脂は、排水浄化用途として平膜に用いられたり、中空子膜などの膜材料に用いられたりしている。これらの分野においては、省エネルギー化が奨励されており、より低エネルギーで水を運搬及び浄化することが求められている。
上記上下水道分野において、合流式下水道では、家庭や工場等から排出される汚水や降雨時の雨水を集めて、下水処理場まで流すために、下水道管が用いられている。合流式下水道では、集中豪雨などで処理しきれないほどの大量の雨水が流れ込んできた場合に、浸水などの災害の発生を未然に防ぐために、雨水の一部又は全部を河川や海などの放流水域に直接放流している。このため、降雨時に河川や海などに汚水が流れ込むことがあり、これが水質汚濁の一因となっている。
また、飲食店街等でラードなどの食用油脂分が多く用いられている。この油脂分は、下水道管の内表面に付着することがある。近年、下水道管の内表面に付着した油脂分が、降雨時に剥がれ落ちて、河川や海などに流出するという環境問題が発生している。
上記のような課題に対応するためには、樹脂管の表面の親水性を高めることが望ましい。下記の特許文献1には、親水化材料を樹脂管の内表面に塗布するか、又は、樹脂管を多層構造として、内層の内表面に親水化材料を使用する等して、樹脂管の内面に親水性の膜又は層を形成させる方法が開示されている。
特開2004−270764号公報
特許文献1に記載の方法では、親水化材料は、樹脂管の構成成分と共重合されていない。このため、樹脂管の内表面から、親水化材料が脱離する可能性がある。特に、短期的には、油脂分の付着は防止できるが、長期的には、油脂分の付着抑制効果は必ずしも十分ではなく、樹脂管の内面から親水性の膜又は層が剥離することがある。また、従来の樹脂管では、耐熱性が充分に高くないことがある。
本発明の目的は、親水性及び耐熱性を高めることができる塩化ビニル系樹脂を提供することである。また、本発明は、上記塩化ビニル系樹脂を用いた塩化ビニル系樹脂材料及び成形体を提供することを目的とする。
本発明の広い局面によれば、塩化ビニルモノマー50重量%以上、98重量%以下と、親水性モノマー1重量%以上、49重量%以下と、マレイミド化合物1重量%以上、49重量%以下とを含む重合成分を共重合させることにより得られる塩化ビニル系樹脂が提供される。
本発明に係る塩化ビニル系樹脂のある特定の局面では、前記親水性モノマーが、非イオン性基を有するモノマーである。
本発明に係る塩化ビニル系樹脂のある特定の局面では、前記非イオン性基を有するモノマーが、水酸基を有するモノマー、ポリアルキレングリコール基を有するモノマー、又は、N−ビニル環状アミド基を有するモノマーである。
本発明に係る塩化ビニル系樹脂のある特定の局面では、前記非イオン性基を有するモノマーが、N−ビニル環状アミド基を有するモノマーである。
本発明に係る塩化ビニル系樹脂のある特定の局面では、前記非イオン性基を有するモノマーが、ビニルピロリドン基を有するモノマーである。
本発明の広い局面によれば、上述した塩化ビニル系樹脂を1重量%以上含む塩化ビニル系樹脂材料が提供される。
本発明の広い局面によれば、上述した塩化ビニル系樹脂を1重量%以上用いて、成形を行うことにより得られ、前記塩化ビニル系樹脂を1重量%以上含む、成形体が提供される。
本発明に係る成形体のある特定の局面では、前記成形体は、塩化ビニル系樹脂管である。
本発明に係る塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルモノマー50重量%以上、98重量%以下と、親水性モノマー1重量%以上、49重量%以下と、マレイミド化合物1重量%以上、49重量%以下とを含む重合成分を共重合させることにより得られるので、親水性及び耐熱性を高めることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る成形体を用いた多層管を模式的に示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
(塩化ビニル系樹脂)
本発明に係る塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルモノマー50重量%以上、98重量%以下と、親水性モノマー1重量%以上、49重量%以下と、マレイミド化合物1重量%以上、49重量%以下とを含む重合成分を共重合させることにより得られる。本発明に係る塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルモノマーに由来する構造単位と、上記親水性モノマーに由来する構造単位と、上記マレイミド化合物に由来する構造単位とを有する。上記塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル系共重合体である。
本発明に係る塩化ビニル系樹脂は、上述した構成を備えているので、親水性及び耐熱性を高めることができる。また、本発明に係る塩化ビニル系樹脂を用いて成形体を作製することで、本発明に係る塩化ビニル系樹脂を用いていない場合と比べて、成形体の親水性及び耐熱性を高めることができる。本発明に係る塩化ビニル系樹脂を用いて成形体においては、上記親水性モノマーが重合成分として、塩化ビニルモノマー及びマレイミド化合物と重合されているので、長期間に渡り、高い親水性を維持することができる。
上下水道分野及び排水浄化分野においては、従来材料からなる部材を使用した管材システム及び排水浄化膜の運転において、更なる省エネルギー化及び使用可能温度域の拡大を達成することが求められている。本発明に係る塩化ビニル系樹脂では、従来の塩化ビニル系樹脂に比べて、水に濡れやすくするために親水性が付与されており、使用可能温度域を高めるために耐熱性が高められている。従って、本発明に係る塩化ビニル系樹脂は、上下水道分野及び排水浄化分野において好適に用いることができる。
上記重合成分は、塩化ビニルモノマーと上記親水性モノマーと上記マレイミド化合物とを上記の配合量で含んでいれば、上記塩化ビニルモノマーと共重合可能である他のビニルモノマーを用いてもよい。
上記塩化ビニルモノマーと上記親水性モノマーと上記マレイミド化合物とを共重合させるために、上記重合成分は、重合開始剤を含むことが好ましい。上記重合開始剤は特に限定されない。上記重合開始剤は、モノマー成分に可溶である油溶性のフリーラジカルを発生する化合物であることが好ましい。上記重合開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記重合成分は、塩化ビニルモノマーを50重量%以上、98重量%以下で含む。長期間に渡り高い親水性を発現させ、かつ高い耐熱性も発現させる観点からは、上記重合成分は、塩化ビニルモノマーを好ましくは50重量%以上、好ましくは80重量%以下で含む。
上記重合成分は、上記親水性モノマーを1重量%以上、49重量%以下で含む。上記親水性モノマーの含有量が1重量%未満であると、親水性が低くなる。上記親水性モノマーの含有量が49重量%を超えると、加工性及び機械的強度などの基本特性が低くなる。長期間に渡り高い親水性を発現させ、かつ高い耐熱性も発現させる観点からは、上記重合成分は、上記親水性モノマーを好ましくは10重量%以上、好ましくは35重量%以下で含む。
上記重合成分は、上記マレイミド化合物を1重量%以上、49重量%以下で含む。上記マレイミド化合物の含有量が1重量%未満であると、耐熱性が低くなる。上記マレイミド化合物の含有量が49重量%を超えると、加工性及び機械的強度などの基本特性が低くなる。長期間に渡り高い親水性を発現させ、かつ高い耐熱性も発現させる観点からは、上記重合成分は、上記マレイミド化合物を好ましくは10重量%以上、好ましくは35重量%以下で含む。
加工性及び機械的強度などの基本特性をより一層高める観点からは、上記重合成分は、上記親水性モノマーと上記マレイミド化合物とを合計で50重量%以下で含むことが好ましく、49重量%以下で含むことがより好ましい。
[親水性モノマー]
上記親水性モノマーは、上記塩化ビニルモノマーと共重合可能である。上記親水性モノマーは、親水性を有する官能基を有する。上記親水性モノマーは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。従って、上記塩化ビニル系樹脂は、親水性モノマーに由来する構造単位を1種のみ有していてもよく、2種以上有していてもよい。上記親水性モノマーを2種以上併用する場合に、2種以上の親水性モノマーが有する官能基は同一であってもよく、異なっていてもよい。親水性を有する官能基の異同にかかわらず、親水性モノマーを1種又は2種以上で用いることができる。
上記親水性を有する官能基は、例えば、その官能基を有する親水性モノマー中に、水分子との間で水素結合を形成し得る官能基である。上記親水性を有する官能基としては、例えば、カルボキシル基、水酸基、スルホニル基、アミノ基、アミド基、アンモニウム基、ピリジル基、イミノ基、ベタイン構造、エステル構造、エーテル構造、スルホ基、及びリン酸基等が挙げられる。
上記親水性モノマーとしては、例えば、(1)アミノ基、アンモニウム基、ピリジル基、イミノ基又はベタイン構造等のカチオン性基を有するビニルモノマー(以下、「(1)カチオン性モノマー」と記載することがある)、(2)水酸基、アミド基、エステル構造又はエーテル構造等の親水性の非イオン性基を有するビニルモノマー(以下、「(2)非イオン性モノマー」と記載することがある)、(3)カルボキシル基、スルホ基又はリン酸基等のアニオン性基を有するビニルモノマー(以下、「(3)アニオン性モノマー」と記載することがある)、及び(4)その他のモノマーが挙げられる。上記カチオン性基を有するモノマー及び上記アニオン性モノマーはそれぞれ、塩の形態であってもよい。
上記(1)カチオン性モノマーの具体例としては、アミノ基を有するモノマーの酸中和物、及び、アミノ基を有するモノマーを、ハロゲン化アルキル(炭素数1〜22)、ハロゲン化ベンジル、アルキル(炭素数1〜18)もしくはアリール(炭素数6〜24)、スルホン酸又は硫酸ジアルキル(アルキル基の総炭素数2〜8)等により4級化した化合物等が挙げられる。
上記アミノ基を有する化合物としては、ジアルキルアミノ基(総炭素数2〜44)を有する(メタ)アクリル酸エステル、ジアルキルアミノ基(総炭素数2〜44)を有する(メタ)アクリルアミド、ジアルキルアミノ基(総炭素数2〜44)を有するスチレン化合物、ビニルピリジン化合物、N−ビニル複素環化合物、及びビニルエーテル化合物等が挙げられる。
上記ジアルキルアミノ基(総炭素数2〜44)を有する(メタ)アクリル酸エステル及び上記ジアルキルアミノ基(総炭素数2〜44)を有する(メタ)アクリルアミドとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジ−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、及びジ−t−ブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
上記ジアルキルアミノ基(アルキル基の総炭素数2〜44)を有するスチレン化合物としては、ジメチルアミノスチレン、及びジメチルアミノメチルスチレン等が挙げられる。
上記ビニルピリジン化合物としては、2−ビニルピリジン、及び4−ビニルピリジン等が挙げられる。
上記N−ビニル複素環化合物としては、N−ビニルイミダゾール等が挙げられる。
上記ビニルエーテル化合物としては、アミノエチルビニルエーテル、及びジメチルアミノエチルビニルエーテル等が挙げられる。
上記(1)カチオン性モノマーの他の具体例としては、ジアリル型4級アンモニウム塩、及びベタイン構造を有するビニルモノマー等が挙げられる。
上記ジアリル型4級アンモニウム塩としては、4−ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、及びジエチルジアリルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
上記ベタイン構造を有するビニルモノマーとしては、N−(3−スルホプロピル)−N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−(3−スルホプロピル)−N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−(3−カルボキシメチル)−N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、及びN−カルボキシメチル−N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン等が挙げられる。
上記(1)カチオン性モノマーが有するカチオン性基の中でも、アミノ基又はアンモニウム基が好ましい。上記(1)カチオン性モノマーは、アミノ基又はアンモニウム基を有するモノマーであることが好ましい。
上記(2)非イオン性モノマーとしては、ビニルアルコール化合物、ヒドロキシアルキル基(炭素数1〜8)を有する(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキル基(炭素数1〜8)を有する(メタ)アクリルアミド、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、アルキル(炭素数1〜8)(メタ)アクリルアミド、ジアルキル(アルキル基の総炭素数2〜8)(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−ビニル環状アミド、アルキル(炭素数1〜8)基を有する(メタ)アクリル酸エステル、片末端にアルキルエーテル骨格又は片末端にアリールエーテル骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物であるポリアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル、片末端にアルキルエーテル骨格又は片末端にアリールエーテル骨格を有するアリルエーテル化合物であるポリアルキレングリコールのアリルエーテル、片末端にアルキルエーテル骨格又は片末端にアリールエーテル骨格を有するビニルエーテル化合物であるポリアルキレングリコールのビニルエーテル、片末端にアルキルエーテル骨格又は片末端にアリールエーテル骨格を有するスチリルエーテル化合物であるポリアルキレングリコールのスチリルエーテル、及び環状アミド基を有する(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
上記ヒドロキシアルキル基(炭素数1〜8)を有する(メタ)アクリル酸エステル、及びヒドロキシアルキル基(炭素数1〜8)を有する(メタ)アクリルアミドとしては、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及びN−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
上記多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステルとしては、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、及びポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記多価アルコールの炭素数は好ましくは1〜8である。上記多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステルの炭素数は好ましくは1〜8である。上記多価アルコールはポリアルキレングリコールであることが好ましく、ポリエチレングリコールであることがより好ましい。反応性を確保するために、上記アルキレングリコールの平均重合度は好ましくは4以上、好ましくは140以下、より好ましくは100以下である。
上記アルキル(炭素数1〜8)(メタ)アクリルアミドとしては、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、及びN−イソブチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
上記ジアルキル(総炭素数2〜8)(メタ)アクリルアミドとしては、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、及びN,N−ジエチルアクリルアミド等が挙げられる。
上記N−ビニル環状アミドとしては、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。
上記アルキル(炭素数1〜8)基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、及びn−ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
片末端にアルキルエーテル骨格又は片末端にアリールエーテル骨格を有する化合物に関しては、上記アルキルエーテル骨格におけるアルキル基の炭素数は好ましくは1〜20であり、上記アルキルエーテル骨格にアリール基が置換されていてもよく、上記アリールエーテル骨格におけるアリール基の炭素数は好ましくは6〜12であり、上記アリールエーテル骨格に炭素数1〜14のアルキル基が置換されていてもよい。上記アリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、及びナフチル基等が挙げられる。上記アリール基は、フェニル基であることが好ましい。片末端にアルキルエーテル骨格又は片末端にアリールエーテル骨格を有する化合物に関しては、上記ポリアルキレングリコールにおけるアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。上記アルキレン基の炭素数は好ましくは1〜20である。上記ポリアルキレングリコールは、ポリエチレングリコールであることが好ましい。ポリエチレングリコールの水素原子が炭素数1〜18のアルキル基で置換されたポリアルキレングリコールを用いてもよい。置換されているエチレングリコール単位は、全エチレングリコール単位の50%以下であることが好ましい。反応性を確保するために、上記ポリアルキレングリコールの平均重合度は好ましくは4以上、好ましくは140以下、より好ましくは100以下である。上記スチリルエーテルにおけるスチリル基は、α位及びβ位の少なくとも一方が、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン化アルキル基で置換されていてもよく、芳香環上に炭素数1〜20のアルキル基があってもよい。
上記環状アミド基を有する(メタ)アクリルアミドとしては、N−(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
上記(2)非イオン性モノマーは、ビニルアルコール、(メタ)アクリルアミド系モノマー、ヒドロキシアルキル(炭素数1〜8)基を有する(メタ)アクリル酸エステル、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、片末端にアルキルエーテル骨格又は片末端にアリールエーテル骨格を有するアリルエーテル化合物であるポリアルキレングリコールのアリルエーテル、片末端にアルキルエーテル骨格又は片末端にアリールエーテル骨格を有するビニルエーテル化合物であるポリアルキレングリコールのビニルエーテル、片末端にアルキルエーテル骨格又は片末端にアリールエーテル骨格を有するスチリルエーテル化合物であるポリアルキレングリコールのスチリルエーテル、又はN−ビニル環状アミドであることが好ましく、特に、ビニルアルコール、ヒドロキシアルキル(炭素数1〜8)基を有する(メタ)アクリル酸エステル、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、片末端にアルキルエーテル骨格又は片末端にアリールエーテル骨格を有するアリルエーテル化合物であるポリアルキレングリコールのアリルエーテル、片末端にアルキルエーテル骨格又は片末端にアリールエーテル骨格を有するビニルエーテル化合物であるポリアルキレングリコールのビニルエーテル、片末端にアルキルエーテル骨格又は片末端にアリールエーテル骨格を有するスチリルエーテル化合物であるポリアルキレングリコールのスチリルエーテル、又はN−ビニル環状アミドであることがより好ましい。
上記(3)アニオン性モノマーとしては、重合性不飽和基を有するカルボン酸モノマー、重合性不飽和基を有するカルボン酸モノマーの酸無水物(1つのモノマー中に2つ以上のカルボキシル基を有する場合)、重合性不飽和基を有するスルホン酸モノマー、片末端にスルホ基(−SOH)を有するポリエチレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル、片末端にスルホ基(−SOH)を有するポリエチレングリコールのアリルエーテル、片末端にスルホ基(−SOH)を有するポリエチレングリコールのビニルエーテル、片末端にスルホ基(−SOH)を有するポリエチレングリコールのスチリルエーテル、及び重合性不飽和基を有するリン酸モノマー等が挙げられる。
上記重合性不飽和基を有するカルボン酸モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸及びイタコン酸等が挙げられる。
上記重合性不飽和基を有するスルホン酸モノマーとしては、スチレンスルホン酸、及び2−(メタ)アクリルアミド−2−アルキル(炭素数1〜4)プロパンスルホン酸等が挙げられる。
片末端にスルホ基(−SOH)を有するポリエチレングリコールのスチリルエーテルに関しては、上記スチリルエーテルにおけるスチリル基は、α位及びβ位の少なくとも一方が、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン化アルキル基で置換されていてもよく、芳香環上に炭素数1〜20のアルキル基があってもよい。
片末端にスルホ基(−SOH)を有する化合物に関しては、上記ポリエチレングリコールの水素原子が炭素数1〜18のアルキル基で置換されたポリアルキレングリコールを用いてもよい。置換されているエチレングリコール単位は、全エチレングリコール単位の50%以下であることが好ましい。
上記重合性不飽和基を有するリン酸モノマーとしては、ビニルホスホン酸、及び(メタ)アクリロイロキシアルキル(炭素数1〜4)リン酸等が挙げられる。
上記(3)アニオン性モノマーにおけるアニオン性基は、塩基性物質により、任意の中和度に中和されてもよい。この場合、ポリマー中の全てのアニオン性基又はその一部のアニオン性基は、塩を生成する。ここで、塩における陽イオンとしては、アンモニウムイオン、総炭素数3〜54のトリアルキルアンモニウムイオン、炭素数2〜4のヒドロキシアルキルアンモニウムイオン、総炭素数4〜8のジヒドロキシアルキルアンモニウムイオン、総炭素数6〜12のトリヒドロキシアルキルアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、及びアルカリ土類金属イオン等が挙げられる。上記総炭素数3〜54のトリアルキルアンモニウムイオンとしては、トリメチルアンモニウムイオン、及びトリエチルアンモニウムイオン等が挙げられる。
中和は、モノマーの段階で行われてもよく、ポリマー(例えば、塩化ビニル系樹脂)の段階で行われてもよい。
上記親水性モノマー構造単位が、水酸基を有するモノマーに由来する場合には、水酸基を有するモノマー構造単位は、ビニルアルコールに由来するモノマー構造単位であることが好ましい。言い換えると、上記塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体は、酢酸ビニル構造単位が加水分解により変換されたビニルアルコール構造単位を含むことが好ましい。
ビニルアルコール構造単位を塩化ビニル系樹脂に導入するために、塩化ビニルと酢酸ビニルとを共重合させ、得られた共重合体中に含まれる酢酸ビニル構造単位を加水分解することにより、ビニルアルコール構造単位に変換することが好ましい。なお、加水分解は、酢酸ビニル構造単位100重量%に対して行われていなくてもよく、ビニルアルコール単位に変換されていない酢酸ビニル構造単位が、本発明の効果を実質的に損なわない範囲にて存在してもよい。
長期間に渡り高い親水性を発現させ、かつ高い耐熱性も発現させる観点からは、上記親水性モノマーが、非イオン性基を有するモノマーであることが好ましい。長期間に渡り高い親水性を発現させ、かつ高い耐熱性も発現させる観点からは、上記非イオン性基を有するモノマーが、水酸基を有するモノマー、ポリアルキレングリコール基を有するモノマー、又は、N−ビニル環状アミド基を有するモノマーであることが好ましく、N−ビニル環状アミド基を有するモノマーであることがより好ましく、ビニルピロリドン基を有するモノマーであることが更に好ましく、N−ビニル−2−ピロリドンであることが特に好ましい。
[マレイミド化合物]
上記マレイミド化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。従って、上記塩化ビニル系樹脂は、マレイミド化合物に由来する構造単位を1種のみ有していてもよく、2種以上有していてもよい。
上記マレイミド化合物は、マレイミド基を有する。上記マレイミド化合物では、窒素原子が置換されていてもよい。上記マレイミド化合物としては、窒素原子が置換されていないマレイミド化合物及び窒素原子が置換されたマレイミド化合物等が挙げられる。上記マレイミド化合物の代表例としては、N−アルキルマレイミド及びN−フェニルマレイミド等が挙げられる。
上記マレイミド化合物としては特に限定されず、例えば、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−オクチルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−p−カルボキシフェニルマレイミド、N−p−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−p−クロロフェニルマレイミド、N−p−トリルマレイミド、N−p−キシリルマレイミド、N−o−クロロフェニルマレイミド、N−o−トリルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−2,5−ジエチルフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルフェニルマレイミド、N−m−トリルマレイミド、N−α−ナフチルマレイミド、N−o−キシリルマレイミド、N−m−キシリルマレイミド、ビスマレイミドメタン、1,2−ビスマレイミドエタン、1,6−ビスマレイミドヘキサン、ビスマレイミドドデカン、N,N’−m−フェニレンジマレイミド、N,N’−p−フェニレンジマレイミド、4,4’−ビスマレイミドジフェニルエーテル、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン、4,4’−ビスマレイミド−ジ(3−メチルフェニル)メタン、4,4’−ビスマレイミド−ジ(3−エチルフェニル)メタン、4,4’−ビスマレイミド−ジ(3−メチル−5−エチル−フェニル)メタン、N,N’−(2,2−ビス−(4−フェノキシフェニル)プロパン)ジマレイミド、N,N’−2,4−トリレンジマレイミド、N,N’−2,6−トリレンジマレイミド、及びN,N’−m−キシリレンジマレイミド等が挙げられる。
[重合方法]
上記塩化ビニル系樹脂を得る共重合方法について説明する。共重合の方法としては特に限定されず、例えば、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法、塊状重合法、及び沈殿重合等が挙げられる。これらの方法の中では、懸濁重合法、乳化重合法又は沈殿重合が好ましい。
上記懸濁重合法により重合を行う際には、分散剤又は油溶性重合開始剤等を用いてもよい。上記分散剤の使用により、材料中における材料成分の水への分散安定性を高めることができ、共重合を安定的に進行させることができる。
上記分散剤としては特に限定されず、ポリ(メタ)アクリル酸塩、(メタ)アクリル酸塩/アルキルアクリレート共重合体、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルの部分けん化物、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、デンプン、及び無水マレイン酸/スチレン共重合体等が挙げられる。上記分散剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記油溶性重合開始剤は特に限定されない。上記油溶性重合開始剤は、ラジカル重合開始剤であることが好ましい。上記油溶性重合開始剤としては、有機パーオキサイド化合物及びアゾ化合物が挙げられる。上記有機パーオキサイド化合物としては、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジオクチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート及びα−クミルパーオキシネオデカノエート等が挙げられる。上記アゾ化合物としては、2,2−アゾビスイソブチロニトリル及び2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等が挙げられる。上記油溶性重合開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
共重合を行う際には、重合中に重合槽内に付着する付着物の量を少なくする目的で、スケール防止剤、pH調整剤又は酸化防止剤等を用いてもよい。更に、必要に応じて、重合槽の内部、攪拌翼及び邪魔板等の形状、並びに重合槽の材質等を変更してもよい。
上記スケール防止剤は特に限定されず、ポリアミノベンゼン、多価フェノール、アミノフェノール、アルキル置換フェノール等から選ばれた1種又は2種以上の化合物の縮合反応によって得られる多価フェノール等が挙げられる。上記スケール防止剤は、水又は有機溶媒に希釈されていてもよい。上記スケール防止剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記懸濁重合法は、例えば、以下の方法により行われる。温度調整機及び攪拌機を備える重合器内に、純水、上記分散剤、上記油溶性重合開始剤、必要に応じて水溶性増粘剤及び重合度調節剤を含む分散溶液を入れ、真空ポンプにより重合器内から空気を排除する。次に、攪拌条件下で、原料の全てを重合器内に入れる。その後、重合器内を昇温し、所望の重合温度で、材料の重合反応を進行させ、グラフト共重合を行う。グラフト共重合反応を行う際に、重合温度は30〜90℃であることが好ましく、重合時間は2〜20時間であることが好ましい。
上記懸濁重合法では、ジャケット温度を変えることにより反応容器内の温度、すなわち、重合温度を制御可能である。反応終了後には、例えば未反応の塩化ビニルを主成分とするビニルモノマーを除去してスラリー状にし、更に、脱水及び乾燥を行うことにより、目的とする塩化ビニル系樹脂を得ることができる。
[塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂材料及び成形体の詳細]
上記塩化ビニル系樹脂の重合度は好ましくは500以上、好ましくは2000以下である。上記重合度が上記下限以上であると、疲労特性などの長期性能が損なわれ難い。上記重合度が上記上限以下であると、成形時に高温下にする必要がなくなり、加工性がより一層良好になる。
管に成形する前の上記塩化ビニル系樹脂は、粒子であることが好ましい。粒子である塩化ビニル系樹脂の粒子径は好ましくは0.1μm以上、好ましくは500μm以下である。上記粒子径が上記下限以上であると、乾燥時に微粉状態とならず、取扱い性が高くなる。上記粒子径が上記上限以下であると、粒子を得る際の重合時の反応が不安定になりにくい。
上記塩化ビニル系樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の有機材料と併用されてもよい。例えば、機械的強度の更なる向上のため、上記塩化ビニル系樹脂を、塩素化塩化ビニル系樹脂又はアクリル樹脂等と併用してもよい。
上記塩化ビニル系樹脂は、単独で塩化ビニル系樹脂材料(好ましくは成形材料)として用いることができる。上記塩化ビニル系樹脂は、必要に応じて、他の成分と混合されて、塩化ビニル系樹脂材料(塩化ビニル系樹脂組成物)として用いることができる。上記塩化ビニル系樹脂材料は、本発明に係る塩化ビニル系樹脂を好ましくは1重量%以上含み、より好ましくは10重量%以上含み、更に好ましくは50重量%以上含む。上記成形体は、塩化ビニル系樹脂を1重量%以上用いて、成形を行うことにより得られることが好ましく、上記塩化ビニル系樹脂を1重量%以上含むことが好ましい。
上記成形体は、上記塩化ビニル系樹脂を成形することにより得られる。上記成形体を得る際に、上記塩化ビニル系樹脂を含む塩化ビニル系樹脂材料(塩化ビニル系樹脂組成物)を用いてもよい。上記成形体は、管状であることが好ましく、塩化ビニル系樹脂管であることが好ましい。
上記塩化ビニル系樹脂管は、上記塩化ビニル系樹脂を得る際に、管状に成形するか、又は上記塩化ビニル系樹脂を得た後に、得られた上記塩化ビニル系樹脂を管状に成形することにより得られる。
上記塩化ビニル系樹脂及び上記塩化ビニル系樹脂組成物の成形方法としては特に限定されず、例えば、押出成形法、射出成形法、カレンダー成形法及びプレス成形法等が挙げられる。
成形に用いる成形機としては特に限定されず、例えば、単軸押出機、二軸異方向パラレル押出機、二軸異方向コニカル押出機、及び二軸同方向押出機等が挙げられる。上記成形機を用いて成形するとき、賦形する金型、樹脂温度等は、特に限定されない。
上記塩化ビニル系樹脂材料は、必要に応じて、各種の添加剤を含んでいてもよい。上記添加剤としては、安定剤、安定化助剤、滑剤、加工助剤、衝撃改質剤、耐熱向上剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、顔料及び可塑剤等が挙げられる。本発明に係る塩化ビニル系樹脂管では特に、安定剤を用いることが好ましい。上記添加剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記安定剤としては特に限定されず、熱安定剤及び熱安定化助剤などが挙げられる。上記熱安定剤としては特に限定されず、有機錫系安定剤、鉛系安定剤、カルシウム−亜鉛系安定剤、バリウム−亜鉛系安定剤、及びバリウムーカドミウム系安定剤等が挙げられる。上記有機錫系安定剤としては、ジブチル錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプト、ジメチル錫メルカプト、ジブチル錫メルカプト、ジブチル錫マレート、ジブチル錫マレートポリマー、ジオクチル錫マレート、ジオクチル錫マレートポリマー、ジブチル錫ラウレート、及びジブチル錫ラウレートポリマー等が挙げられる。上記安定剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱安定化助剤としては特に限定されず、例えば、エポキシ化大豆油、りん酸エステル、ポリオール、ハイドロタルサイト、及びゼオライト等が挙げられる。上記熱安定化助剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記滑剤としては、内部滑剤、及び外部滑剤が挙げられる。上記内部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂の流動粘度を下げ、摩擦発熱を防止する目的で使用される。上記内部滑剤としては特に限定されず、ブチルステアレート、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、エポキシ大豆油、グリセリンモノステアレート、ステアリン酸、及びビスアミド等が挙げられる。上記外部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂と金属面との滑り効果を上げる目的で使用される。上記外部滑剤としては特に限定されず、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、エステルワックス、及びモンタン酸ワックス等が挙げられる。上記滑剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記加工助剤としては特に限定されず、アクリル系加工助剤等が挙げられる。上記アクリル系加工助剤としては、重量平均分子量が10万〜200万であるアルキルアクリレート−アルキルメタクリレート共重合体等が挙げられ、具体的には、n−ブチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体、及び2−エチルヘキシルアクリレート−メチルメタクリレート−ブチルメタクリレート共重合体等が挙げられる。上記加工助剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記衝撃改質剤としては特に限定されず、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)、塩素化ポリエチレン、及びアクリルゴム等が挙げられる。上記衝撃改質剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記耐熱向上剤としては特に限定されず、α−メチルスチレン系、及びN−フェニルマレイミド系樹脂等が挙げられる。上記耐熱向上剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記酸化防止剤としては特に限定されず、フェノール系酸化防止剤等が挙げられる。上記酸化防止剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記紫外線吸収剤としては特に限定されず、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、及びシアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。上記紫外線吸収剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光安定剤としては特に限定されず、ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。上記光安定剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記充填剤としては特に限定されず、炭酸カルシウム、及びタルクなどが挙げられる。上記充填剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記顔料としては特に限定されず、有機顔料及び無機顔料が挙げられる。上記有機顔料としては、アゾ系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料、スレン系有機顔料、及び染料レーキ系有機顔料等が挙げられる。上記無機顔料としては、酸化物系無機顔料、クロム酸モリブデン系無機顔料、硫化物・セレン化物系無機顔料、及びフェロシアニン化物系無機顔料等が挙げられる。
上記可塑剤は、成形時の加工性を高める目的で添加されていてもよい。可塑剤の添加により成形品の耐熱性が低下することがあるため、可塑剤の添加量は少ない方が好ましい。上記可塑剤としては特に限定されず、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、及びジ−2−エチルヘキシルアジペート等が挙げられる。上記可塑剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記成形体(塩化ビニル系樹脂管)は、多層管の一部又は全部として用いることができる。上記成形体は、多層管の接液層に用いられることにより、長期間に渡り、管の内表面に油脂分の付着を抑制することができる。
上記多層管は、管状の複数の層を備え、該複数の層が積層されていることが好ましい。上記複数の層のうち最も内側に位置する層(最内層)が、上述した成形体(塩化ビニル系樹脂管)であることが好ましい。上記多層管は、上記複数の層を2層有してもよく、3層以上有していてもよい。
図1に、本発明の一実施形態に係る成形体を用いた多層管を模式的に断面図で示す。
図1に示す多層管11は、管状の第1の層1と、第1の層1の外側の表面に積層された管状の第2の層2とを備える。第1の層1は、最も内側の層である。第1の層1の内側の表面は、多層管11内を流れる物質(液など)に接する。第1の層1は、上述した塩化ビニル系樹脂管である。第1の層1は、本発明の一実施形態に係る成形体である。
多層管11では、第1,第2の層1,2が直接接するように積層されている。第1,第2の層1,2などの複数の層は、直接接するように積層されていてもよく、接着剤層などを介して間接的に積層されていてもよい。
多層管における最内層以外の層は特に限定されず、熱可塑性樹脂層、繊維強化樹脂層、ガスバリア層、金属層及び接着剤層などから、目的とする機能に応じて適宜選定して組み合わせることができる。
上記熱可塑性樹脂層の材料としては、オレフィン系樹脂及び塩化ビニル樹脂等が挙げられる。上記オレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。
上記繊維強化樹脂層としては、熱可塑性樹脂と強化用繊維とを組み合わせた層等が挙げられる。上記強化用繊維として、従来公知の全ての物が使用できる。上記強化用繊維は無機繊維であってもよく、有機繊維であってもよい。上記無機繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、シリコン・チタン・炭素繊維、ボロン繊維及び微細な金属繊維等が挙げられる。上記有機繊維としては、アラミド繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維及びポリアミド繊維等が挙げられる。これら強化用繊維は、連続繊維が長手方向に配される場合、長手方向に配された連続繊維とこの連続繊維と直交又は交差する連続繊維とが配される場合、並びに有限長さの繊維が配される場合等で用いられる。
上記の繊維に、熱可塑性樹脂を保持させる方法として、公知の方法が全て採用可能である。また、繊維量は好ましくは5重量%以上、好ましくは60重量%以下である。繊維量が上記下限以上であると、補強効果が充分に得られる。上記繊維量が上記上限以下であると、融着が容易である。
上記ガスバリア層の材料としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)、及びポリアクリロニトリル(PAN)等が挙げられる。
上記金属層の材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、銅及び銅合金等が挙げられる。
上記接着剤層の材料としては、ゴム系ホットメルト接着剤、変性ポリエチレン及び変性ポリプロピレン等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。本発明は以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1〜8及び比較例1〜3)
攪拌機及びジャケットを備えた反応容器内にノンスケール剤を塗布し、下記の表1に示す塩化ビニルを除く配合物を一括で入れた。その後、真空ポンプで反応器内の空気を排出し、更に、攪拌しながら塩化ビニルを入れた。次いで、ジャケット温度を制御して、下記の表1に示す重合温度にて重合を開始し、反応器内の圧力が所定圧力まで低下することで反応の終了を確認し、反応を停止した。その後、未反応の塩化ビニルを除去し、更に、脱水及び乾燥を行うことで、塩化ビニル系樹脂を得た。
(評価)
(1)重合度
塩化ビニル系樹脂の重合度を、JIS K6720−2に準拠して測定した。なお、発生した不溶解物は濾別し、可溶解分のみを用いて測定した。
(2)塩化ビニルの含有率
塩化ビニル系樹脂における塩素重量含有率(Cl%)はJIS K7229に準拠して、電位差滴定法にて測定した。
この塩素重量含有率(C=Cl%/100)から下記式(X)により、塩化ビニルの含有率を算出した。
塩化ビニルの含有率(重量%)=(C/56.7)×100 ・・・式(X)
(3)塩化ビニル構造単位以外の構造単位の含有率
塩化ビニル系樹脂中の親水性モノマーに由来する構造単位の含有率(親水性モノマーの含有率)とマレイミド化合物に由来する構造単位の含有率(マレイミド化合物の含有率)とは、NMRを用いて測定した。重溶媒(THF他)に塩化ビニル系樹脂を少量溶解させ、NMRのHスペクトルの特徴ピークから面積比を計算し、含有率を算出した。
(4)ビカット軟化温度
得られた塩化ビニル系樹脂を用いて、ロール混練(180℃)およびプレス成形(190℃)することにより、プレス板を得た。プレス板を用いて、JIS K7206(荷重5kgf)に準拠して、ビカット軟化温度を測定した。
(5)水の接触角
上記(4)ビカット軟化温度の評価で得られたプレス板を用意した。23℃、相対湿度50%の室内で、協和界面科学社製「FACE接触角計CA−X150型」を用い、液滴法によって水滴接触角(°)を測定し、プレス板の表面の親水性を評価した。
組成及び結果を下記の表1に示す。
Figure 2015105376
1…第1の層(成形体、塩化ビニル系樹脂管)
2…第2の層
11…多層管

Claims (8)

  1. 塩化ビニルモノマー50重量%以上、98重量%以下と、親水性モノマー1重量%以上、49重量%以下と、マレイミド化合物1重量%以上、49重量%以下とを含む重合成分を共重合させることにより得られる塩化ビニル系樹脂。
  2. 前記親水性モノマーが、非イオン性基を有するモノマーである、請求項1に記載の塩化ビニル系樹脂。
  3. 前記非イオン性基を有するモノマーが、水酸基を有するモノマー、ポリアルキレングリコール基を有するモノマー、又は、N−ビニル環状アミド基を有するモノマーである、請求項2に記載の塩化ビニル系樹脂。
  4. 前記非イオン性基を有するモノマーが、N−ビニル環状アミド基を有するモノマーである、請求項3に記載の塩化ビニル系樹脂。
  5. 前記非イオン性基を有するモノマーが、ビニルピロリドン基を有するモノマーである、請求項4に記載の塩化ビニル系樹脂。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の塩化ビニル系樹脂を1重量%以上含む塩化ビニル系樹脂材料。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の塩化ビニル系樹脂を1重量%以上用いて、成形を行うことにより得られ、
    前記塩化ビニル系樹脂を1重量%以上含む、成形体。
  8. 塩化ビニル系樹脂管である、請求項7に記載の成形体。
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