JP2015105354A - 精製魚油の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】3−MCPDEが少ない精製魚油の製造方法及び魚油中の3−MCPDEの生成抑制方法の提供。【解決手段】魚油に、魚油中の遊離脂肪酸の中和当量に対して1.2倍以上のアルカリを接触させる処理を行った後に、当該魚油に対して3質量%以上の活性白土を接触させる処理を行い、次いで、150℃〜230℃の魚油に水蒸気を接触させる脱臭処理を行う工程を含む、精製魚油の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、精製魚油の製造方法、及び魚油中の3−MCPDEの生成抑制方法に関する。
近年の健康指向の高まりを受けて、油脂中の脂肪酸の機能について多数の研究がなされている。例えば、魚油の構成成分であるエイコサペンタエン酸(C20:5、EPA)、ドコサヘキサエン酸(C22:6、DHA)について、抗動脈硬化作用、脳機能改善作用、視覚機能改善作用、抗腫瘍作用、抗炎症作用等が報告されている。2005年には、厚生労働省よりEPAとDHAを合計で1g/日という摂取目標量(成人)が定められ、EPAやDHAを高濃度に含む魚油の利用が望まれている。
一方、クロロプロパノール類の一種である3−モノクロロプロパンジオール(3−MCPD)に、1個乃至2個の脂肪酸がエステル結合した3−MCPD脂肪酸エステル(3−MCPDE)、及びクロロプロパノール類の形成物質が、精製食用油に微量に存在していることが見出されている。3−MCPDEは、食用油の精製工程において高温処理する過程で脂質と塩化物イオンから生成すると考えられている。
クロロプロパノール類及びその形成物質は、パーム系油脂に比較的多く含有されることが知られ、例えば、脱色、脱臭工程を経た油脂をアルカリ水溶液と接触後、精製する方法(特許文献1)、油脂が加熱される処理以前に、吸着剤処理及び/又はアルカリ処理する方法(特許文献2)により、パーム系油脂中のクロロプロパノール類及びその形成物質を低減する方法が報告されている。
国際公開第2011/055732号 国際公開第2010/126136号
しかし、前記従来の技術では、パーム系油脂中の3−モノクロロプロパンジオール(3−MCPD)の低減が確認されているものの、3−MCPDEそのものが低減しているかは確認されていない。また、本発明者らが検討したところ、油脂の中でも魚油は、その精製操作において、3−MCPDEが大幅に増加してしまう傾向があり、従来の技術では、精製魚油中の3−MCPDEの低減は不十分であることが判明した。
従って、本発明の課題は、3−MCPDEが少ない精製魚油を製造する方法、及び魚油中の3−MCPDEの生成抑制方法を提供することにある。
本発明者らは、魚油の精製操作について種々検討したところ、3−MCPDEは、その形成物質等と異なり一度生成されてしまうと、その後に吸着剤処理やアルカリ処理を行っても低減できないことを見出した。また、吸着剤処理とアルカリ処理について、先ず魚油に所定量のアルカリを接触させる処理を行った後に、所定の吸着剤を接触させる処理を行うことが3−MCPDEの生成抑制に重要であること、更にその後、マイルドな条件で魚油に水蒸気を接触させる処理を行えば、3−MCPDEの少ない精製魚油が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、魚油に、魚油中の遊離脂肪酸の中和当量に対して1.2倍以上のアルカリを接触させる処理を行った後に、当該魚油に対して3質量%以上の活性白土を接触させる処理を行い、次いで、150℃〜230℃の魚油に水蒸気を接触させる脱臭処理を行う工程を含む、精製魚油の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、150℃〜230℃の魚油に水蒸気を接触させる脱臭処理を行う前に、魚油に、魚油中の遊離脂肪酸の中和当量に対して1.2倍以上のアルカリを接触させる処理を行い、次いで、当該魚油に対して3質量%以上の活性白土を接触させる処理を行う、魚油中の3−モノクロロプロパンジオール脂肪酸エステルの生成抑制方法を提供するものである。
本発明によれば、3−MCPDEの含有量が少ない精製魚油が得られる。
本発明の精製魚油の製造方法では、魚油に、魚油中の遊離脂肪酸の中和当量に対して1.2倍以上のアルカリを接触させる処理を行った後に、当該魚油に対して3質量%以上の活性白土を接触させる処理を行い、次いで、150℃〜230℃の魚油に水蒸気を接触させる脱臭処理を行う工程を含む。また、本発明の3−モノクロロプロパンジオール脂肪酸エステル(3−MCPDE)の生成抑制方法では、150℃〜230℃の魚油に水蒸気を接触させる脱臭処理を行う前に、魚油に、魚油中の遊離脂肪酸の中和当量に対して1.2倍以上のアルカリを接触させる処理を行い、次いで、当該魚油に対して3質量%以上の活性白土を接触させる処理を行う。
本発明の方法に供する魚油とは、水産動物油脂であり、例えば、イワシ、ニシン、サンマ、サバ、マグロ、イカ、たら肝臓等の原料から採取することができる。
本発明の方法に供する魚油は、原料となる魚体等から搾油して得られる所謂粗魚油(原油)であることが好ましい。また、当該粗魚油に、水、場合によっては更に酸を添加混合した後、遠心分離等によってガム分を分離することにより脱ガムすることが好ましい。また、本発明の方法に供する魚油は、150℃以上の熱履歴を受けていないことが好ましく、130℃以上の熱履歴を受けていないことがより好ましく、100℃以上の熱履歴を受けていないことが更に好ましい。
また、魚油は、トリアシルグリセロール及び/又はジアシルグリセロールを含む。
魚油中、トリアシルグリセロールの含有量は、78〜100質量%であることが好ましく、更に88〜100質量%、更に90〜99.5質量%、更に92〜99質量%であることが好ましい。
また、魚油中、ジアシルグリセロールの含有量は、0〜19質量%であることが好ましく、更に0〜9質量%、更に0.1〜7質量%、更に0.2〜5質量%であるのが好ましい。
〔アルカリ処理工程〕
本発明の方法では、まず、魚油に、魚油中の遊離脂肪酸の中和当量に対して1.2倍以上のアルカリを接触させる処理を行う。
本発明で用いられるアルカリとしては、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩が挙げられる。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。なかでも、脱酸効率の点、取り扱い性の点から、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物が好ましく、更に水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムが好ましい。
アルカリの使用量は、魚油中の遊離脂肪酸の中和当量の1.2倍以上であるが、更に1.25倍〜5.0倍、更に1.3倍〜3.0倍であることが、3−MCPDEの生成抑制効果の点から好ましい。
1価のアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩の場合は、アルカリの使用量は、魚油中の遊離脂肪酸に対して1.2mol倍以上であるが、更に1.25mol倍〜5.0mol倍、更に1.3mol倍〜3.0mol倍であることが、3−MCPDEの生成抑制効果の点から好ましい。2価のアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩の場合は、アルカリの使用量は、魚油中の遊離脂肪酸に対して0.6mol倍以上であるが、更に0.625mol倍〜2.5mol倍、更に0.65mol倍〜1.5mol倍であることが、3−MCPDEの生成抑制効果の点から好ましい。
魚油とアルカリの接触温度は、遊離脂肪酸とアルカリとの反応性の点と3−MCPDEが高温で生成することを考慮して、20〜150℃が好ましく、更に25〜120℃、更に30〜90℃が好ましい。
また、魚油とアルカリとの接触時間は、副生成物の含有量低減及び工業的生産性の点から、0.1〜180分が好ましく、更に0.5〜120分、更に1〜90分、更に5〜60分が好ましい。
本発明では、操作性と反応性の点から、アルカリとしてアルカリ水溶液を用いるのが好ましく、更にアルカリ金属の水酸化物の水溶液を用いるのが好ましい。アルカリ水溶液の濃度は、同様の点から、1〜50質量%が好ましく、更に5〜40質量%、更に10〜30質量%が好ましい。
魚油とアルカリとの接触方法は、バッチ式混合、連続式混合等が挙げられるが、操作性の点からバッチ式混合が好ましい。混合方法は、静置、攪拌、振とう、ラインミキサー等が挙げられる。
また、アルカリを接触させた後、水洗、中和処理等により魚油からアルカリや脂肪酸石鹸、夾雑物等を除去するのが好ましい。
〔活性白土処理工程〕
本発明の方法では、次に、アルカリ処理後の魚油に対して3質量%以上の活性白土を接触させる吸着処理を行う。
活性白土は、一般的な化学成分として、SiO2、Al23、Fe23、CaO、MgO等を含有するものであるが、SiO2/Al23比が3〜12、更に4〜10であるのが好ましい。またFe23を1〜5%、CaOを0〜1.5%、MgOを1〜7%含有する組成のものが好ましい。
活性白土は天然に産出する酸性白土(モンモリロナイト系粘土)を硫酸等の鉱酸で処理したものであり、大きい比表面積と吸着能を有する多孔質構造をもった化合物である。酸性白土を更に、酸処理することにより比表面積が変化し、脱色能の改良及び物性が変化することが知られている。活性白土の比表面積は、酸処理の程度等により異なるが、50〜400m2/gであるのが好ましく、pH(5質量%懸濁液)は2.5〜9、更に3〜7のものが好ましい。
活性白土としては、例えば、ガレオンアース(登録商標)V2R、ガレオンアースNV、ガレオンアースGSF(以上、水澤化学工業(株)製)等の市販品を用いることができる。
活性白土の使用量は、3−MCPDEの生成抑制効果の点、濾過速度が早く生産性が良好である点から、魚油に対して3質量%以上であり、更に3.5〜20質量%、更に4〜10質量%、更に5〜10質量%が好ましい。アルカリ処理後の活性白土処理は複数回に分けて行うこともできる。この場合、活性白土の使用量の合計の量を、前記活性白土の使用量とする。
魚油と活性白土の接触温度は、副生成物の含有量低減及び工業的生産性の点から、20〜150℃が好ましく、更に30〜135℃、更に40〜120℃が好ましい。また、接触時間は、同様の点から、3〜180分が好ましく、更に5〜120分、更に7〜90分、更に15〜60分が好ましい。圧力は、減圧下でも常圧でもよいが、酸化抑制及び脱色性の点から減圧下が好ましく、更に0.1〜30kPa、更に1〜20kPa、更に5〜15kPaが好ましい。
本発明の方法では、アルカリ処理後に活性白土処理を行う必要があるが、アルカリ処理の前に活性白土処理を行ってもよい。このときの活性白土の使用量は、アルカリ処理後に行う活性白土処理の活性白土使用量には含まれない。
アルカリ処理の前の活性白土処理で用いられる活性白土としては、アルカリ処理後に行う活性白土処理で示したものを用いることができる。
アルカリ処理の前に行われる活性白土処理で用いられる活性白土の使用量は、3−MCPDEの生成抑制効果の点、濾過速度が早く生産性が良好である点から、魚油に対して1質量%以上であることが好ましく、更に1〜20質量%、更に3〜20質量%、更に3.5〜20質量%、更に4〜10質量%、更に5〜10質量%が好ましい。アルカリ処理の前に行われる活性白土処理は複数回に分けて行うこともできる。この場合、活性白土の使用量の合計の量を、前記アルカリ処理の前に行われる活性白土処理で用いられる活性白土の使用量とする。
〔脱臭処理工程〕
本発明の方法では、次に、活性白土処理後に、150℃〜230℃の魚油に水蒸気を接触させる脱臭処理を行う。
本発明において、油脂に水蒸気を接触させる方法としては、減圧水蒸気蒸留が挙げられ、バッチ式、半連続式、連続式等で行ってもよい。処理すべき油脂の量が少量の場合はバッチ式を用い、多量になると半連続式、連続式を用いることが好ましい。
半連続式装置としては、例えば数段のトレイを備えた脱臭塔からなるガードラー式脱臭装置等が挙げられる。本装置は、上部から脱臭すべき油脂を供給し、トレイ上で油脂と水蒸気又は不活性ガスの接触を適当な時間行った後、油脂を下段のトレイへ下降させ、間欠的に次々と下降しながら移動することにより処理を行うものである。
連続式装置としては、薄膜状の油脂と水蒸気を接触させることが可能な、構造物が充填された薄膜脱臭装置等が挙げられる。
脱臭処理における魚油の温度は、150〜230℃であるが、3−MCPDEの生成抑制、風味の点から、160〜230℃が好ましく、更に170〜220℃が好ましい。
接触時間は、3−MCPDEの生成抑制、風味の点から、0.5〜120分が好ましく、1〜90分がより好ましく、2〜60分が更に好ましい。
圧力は、同様の点から、0.01〜4kPaが好ましく、0.05〜1kPaがより好ましく、0.1〜0.8kPaが更に好ましい。
接触させる水蒸気の量は、同様の点から、油脂に対して0.3〜20%が好ましく、0.5〜10%がより好ましく、1〜5%が更に好ましい。
本発明の方法においては、本発明の各工程の前及び/又は後に、通常油脂に対して用いられる精製工程を行ってもよい。具体的には、脱ガム工程、トップカット蒸留工程、酸処理工程、脱色工程、水洗工程等を挙げることができる。脱ガム工程は水和による方法、酸による方法などがあり、リン脂質やたんぱく質などのガム質を除去する工程である。トップカット蒸留工程は、油脂を蒸留することにより、油脂から脂肪酸等の軽質の副生物を除去する工程をいう。酸処理工程は、油脂にクエン酸等のキレート剤を添加、混合し、更に減圧脱水することにより、不純物を除去する工程をいう。脱色工程とは、油脂に吸着剤等を接触させ、色相、風味を更に良好とする工程である。水洗工程は、油脂に水を接触させ、油水分離を行う操作を行う工程をいう。水洗により水溶性の不純物を除去することができる。水洗工程は複数回繰り返すことが好ましい。
本発明の処理の結果、3−MCPDEの生成が抑制され、3−MCPDEの含有量が少ない精製魚油を得ることができる。
3−MCPDEは、ドイツ脂質科学会(以下、「DGF」ともいう)標準法C−VI 18(10)(DGF Standard Methods 2010(16.Supplement),C−VI 18(10),“Fatty−acid−bound 3−chloropropane−1,2−diol(3−MCPD)and 2,3−epoxi−propane−1−ol (glycidol)”)記載の方法にて測定することができる。本発明においては、当該標準法assay Bの方法にて得られた値をもって3−MCPDEの含有量とする。測定方法の詳細は実施例に記載した。
本発明の精製魚油における3−MCPDEの含有量は、3質量ppm以下、更に2質量ppm以下、更に1質量ppm以下であることが好ましい。
本発明の方法により得られる精製魚油は、一般の食用油脂と同様に使用でき、油脂を用いた各種飲食物に広範に適用することができる。
〔分析方法〕
3−MCPDEの測定(ドイツ脂質科学会(DGF)標準法C−VI 18(10)assay B準拠)
フタ付試験管に油脂サンプル約100mgを計量し、内標(3−MCPD−d5−dipalmitate/t−ブチルメチルエーテル)100μL、t−ブチルメチルエーテル100μL、及び0.5Nナトリウムメトキシド200μLを添加して攪拌した後、5分間静置した。イソヘキサン600μL、8.75質量%硫酸/60質量%臭化ナトリウム水溶液600μLを添加し攪拌した後、上層を除去した。さらにイソヘキサン600μLを添加し攪拌した後、上層を除去した。下層からジエチルエーテル/酢酸エチル混合溶液(体積比3:2)600μLで3回抽出した抽出液に、飽和フェニルボロン酸/ジエチルエーテル溶液を100μL添加して攪拌した。窒素気流下で有機溶媒を留去した後、これにイソオクタン500μLを加え攪拌した後、ガスクロマトグラフ−質量分析計(GC−MS)に供して、3−MCPDEの定量を行った。
実施例1〜6及び比較例5、7〜8
〔アルカリ処理〕
粗魚油を脱ガム処理した魚油に、表1に示す条件(1)で15質量%水酸化ナトリウム水溶液を加え、60℃にて30分撹拌を行った。遠心分離にて水相を除去した後、蒸留水を50%添加し、70℃で30分間撹拌し、遠心分離にて水相を除去した。
〔活性白土処理〕
表1に示す条件(2)で、得られた魚油と活性白土(ガレオンアースV2R、水澤化学工業(株)製)を攪拌しながら減圧下で接触処理後、活性白土を濾別した。
〔脱臭処理〕
得られた魚油を、表1に示す条件(3)でバッチ式の脱臭処理を行った。500mLガラス製クライゼンフラスコに、魚油200gを投入した後、水蒸気と接触処理して、精製魚油を得た。
実施例7、8
〔活性白土処理〕
表1に示す条件(0)で、粗魚油を脱ガム処理した魚油と活性白土(ガレオンアースV2R、水澤化学工業(株)製)を攪拌しながら減圧下で接触処理後、活性白土を濾別した。
〔アルカリ処理〕
得られた魚油に、表1に示す条件(1)で15質量%水酸化ナトリウム水溶液を加え、60℃にて30分撹拌を行った。遠心分離にて水相を除去した後、蒸留水を50%添加し、70℃で30分間撹拌し、遠心分離にて水相を除去した。
〔活性白土処理〕
表1に示す条件(2)で、得られた魚油と活性白土(ガレオンアースV2R、水澤化学工業(株)製)を攪拌しながら減圧下で接触処理後、活性白土を濾別した。
〔脱臭処理〕
得られた魚油を、表1に示す条件(3)でバッチ式の脱臭処理を行った。500mLガラス製クライゼンフラスコに、魚油200gを投入した後、水蒸気と接触処理して、精製魚油を得た。
比較例1及び2
〔アルカリ処理、活性白土処理省略〕
表1に示す条件(3)で、脱ガム処理後の粗魚油についてバッチ式の脱臭処理を行い、精製魚油を得た。
比較例3
〔脱臭処理〕
表1に示す条件で、粗魚油を脱ガム処理した魚油についてバッチ式の脱臭処理を行った。
〔活性白土処理後の脱臭処理省略〕
得られた魚油に、実施例1と同様にして、表1に示す条件(1)でアルカリ処理を行った。
次いで、表1に示す条件(2)で、得られた魚油と活性白土と攪拌しながら減圧下で接触処理後、活性白土を濾別し、精製魚油を得た。
比較例4
〔アルカリ処理省略〕
粗魚油を脱ガム処理した魚油に、実施例1と同様にして、表1に示す条件(2)で活性白土処理を行った。
次いで、得られた魚油を、実施例1と同様にして表1に示す条件(3)でバッチ式の脱臭処理を行い、精製魚油を得た。
比較例6
〔活性白土処理省略〕
粗魚油を脱ガム処理した魚油に、実施例1と同様にして、表1に示す条件(1)でアルカリ処理を行った。
次いで、得られた魚油を、実施例1と同様にして表1に示す条件(3)でバッチ式の脱臭処理を行い、精製魚油を得た。
比較例9
〔活性白土処理後にアルカリ処理〕
粗魚油を脱ガム処理した魚油に、実施例1と同様にして、表1に示す条件(2)で活性白土処理を行った。
次いで、得られた魚油に、表1に示す条件で15%水酸化ナトリウム水溶液を加え、60℃にて30分撹拌を行った。遠心分離にて水相を除去した後、蒸留水を50%添加し、70℃で30分間撹拌し、遠心分離にて水相を除去した。
次いで、得られた魚油を、実施例1と同様にして表1に示す条件(3)でバッチ式の脱臭処理を行い、精製魚油を得た。
比較例10及び11
〔アルカリ処理〕
粗魚油を脱ガム処理した魚油に、実施例1と同様にして、表1に示す条件(1)でアルカリ処理を行った。
〔酸性白土又は活性炭処理〕
次いで、表1に示す条件(2)で、得られた魚油と酸性白土(ミズカエース#20、水澤化学工業(株)製)又は活性炭を攪拌しながら減圧下で接触処理後、酸性白土又は活性炭を濾別した。
〔脱臭処理〕
次いで、得られた魚油を、実施例1と同様にして表1に示す条件(3)でバッチ式の脱臭処理を行い、精製魚油を得た。
各実施例及び比較例の条件と結果を表1に示す。
Figure 2015105354
表1より明らかなように、魚油に所定量のアルカリを接触させる処理を行った後に、活性白土を接触させる処理を行い、更に、マイルドな条件で水蒸気を接触させる脱臭処理を行うことで、3−MCPDEの生成を抑制でき、3−MCPDEの含有量が少ない精製魚油を得ることができた。

Claims (7)

  1. 魚油に、魚油中の遊離脂肪酸の中和当量に対して1.2倍以上のアルカリを接触させる処理を行った後に、当該魚油に対して3質量%以上の活性白土を接触させる処理を行い、次いで、150℃〜230℃の魚油に水蒸気を接触させる脱臭処理を行う工程を含む、精製魚油の製造方法。
  2. 魚油とアルカリの接触温度が20〜150℃であり、接触時間が0.1〜180分である請求項1記載の精製魚油の製造方法。
  3. 魚油と活性白土の接触温度が20〜150℃であり、接触時間が3〜180分である請求項1又は2記載の精製魚油の製造方法。
  4. アルカリを接触させる処理に供する魚油が、搾油後脱ガム処理した魚油である請求項1〜3のいずれか1項記載の精製魚油の製造方法。
  5. アルカリを接触させる処理の前に、活性白土を接触させる処理を行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の精製魚油の製造方法。
  6. 得られる精製魚油中の3−モノクロロプロパンジオール脂肪酸エステルの含有量が3ppm以下である請求項1〜5のいずれか1項記載の精製魚油の製造方法。
  7. 150℃〜230℃の魚油に水蒸気を接触させる脱臭処理を行う前に、魚油に、魚油中の遊離脂肪酸の中和当量に対して1.2倍以上のアルカリを接触させる処理を行い、次いで、当該魚油に対して3質量%以上の活性白土を接触させる処理を行う、魚油中の3−モノクロロプロパンジオール脂肪酸エステルの生成抑制方法。
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