JP2015104471A - 保持具および投与キット - Google Patents
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Abstract
【課題】多方活栓とシリンジとを接続するコネクタ部からの放射性薬剤の漏れ出しを防止する器具を提供する。【解決手段】保持具20は、シリンジシールド110と多方活栓130とに対して共に着脱可能に装着して用いられ、シリンジシールド110と多方活栓130との先基端方向の相対移動を拘束する器具である。シリンジシールド110は放射線遮蔽材料を含み、シリンジ100の周囲に装着される。多方活栓130は、シリンジ100の先端部102に連結される。【選択図】図1
Description
本発明は、シリンジシールドに装着して用いられる保持具、および放射性薬剤を投与する投与キットに関する。
ポジトロン断層法(PET:positron emission tomography)や単一光子放射断層撮影(SPECT:Single photon emission computed tomography)などの核医学画像診断では、液状の放射性薬剤を被験者に体内投与し、身体から放出される微量の放射線を計測する。放射性薬剤は一般に静脈注射により被験者に注入される。放射性薬剤は、これを充填したシリンジに接続されたチューブおよび穿刺針を介して被験者に注入される。
放射性薬剤の供給経路には、生理食塩水などの搬送液を供給するための流路が切り替え可能に設けられることが一般的である。これにより、放射性薬剤の供給に先だってチューブ内をプライミングすることができる。また、搬送液を被験者に注入することで、放射性薬剤を被験者の体内に効率的に行き渡らせることができる。
特許文献1には、放射性薬剤を被験者に注入するための手動式放射性液体投与装置(T)が記載されている。一般に放射性液剤は、術者の被曝を軽減するためシリンジに予め充填され、更にこのシリンジを放射線遮蔽材料からなるシリンジシールドで覆った状態で供給される。特許文献1の装置(T)は、PET薬剤用シリンジ(P)を覆うシリンジシールド(S)と生理食塩水用シリンジ(Q)を保持する補助器具(1)を備えている。補助器具(1)に保持されるシリンジシールド(S)と生理食塩水用シリンジ(Q)の軸方向は直交しており、この直交部に三方活栓(R)が配置されている。三方活栓(R)を切り替え操作することで、放射性薬剤と生理食塩水とが切り替えられて被験者に注入される。
特許文献2の図4には、一般的な薬剤を注入するための第一シリンジ(1)と生理食塩水を注入するための第二シリンジ(2)とを三方活栓(18)で接続した注入用具が記載されている。この注入用具は、二つのシリンジ(1、2)を挟持し、また三方活栓(18)を収容する保持具(15)を備えている。
術者の被曝を低減する観点から、放射性薬剤の供給経路から多方活栓(三方活栓)が外れて放射性薬剤が漏れ出すことは避けることが好ましい。多方活栓が備える三以上のコネクタ部や、これに連結されるシリンジの先端部およびチューブの端部(以下、「コネクタ部」という場合がある)には、互いに嵌合するルアーテーパーが形成されている。このため、コネクタ部同士を所定の力で押し込んで密着させることで、放射性薬剤や生理食塩水の注入圧によってコネクタ部が容易に外れることはない。しかしながら、多方活栓は一般に流路の切り替えのためにレバー(コック)を操作する必要があるため、この操作によって多方活栓に不測のトルクが負荷されると、コネクタ部が緩んだり脱離したりしやすいという問題がある。このほか、手技中のハンドリング操作によってシリンジの位置や向きを様々に変更した場合にもコネクタ部に引抜力やモーメントが負荷されてコネクタ部が緩んだり脱離したりする虞がある。
多方活栓には、ルアーテーパーの係合力よりも強固にコネクタ部を接続するための、ルアーロックと呼ばれる螺合構造が設けられているものもある(特許文献2を参照)。しかしながら、多方活栓の三以上のコネクタ部の総てにルアーロックが設けられているものは一般的ではない。また、多方活栓のレバー操作やシリンジのハンドリング操作によってルアーロックに大きな荷重が負荷された場合にはルアーロックが破損して放射性薬剤が漏れ出す可能性がある。
特許文献1の補助器具(1)はシリンジシールド(S)および生理食塩水用シリンジ(Q)を保持するものの、三方活栓(R)は保持されることなく中空に設置されている。このため、コック(R1)を操作したときにPET薬剤用シリンジ(P)または生理食塩水用シリンジ(Q)から三方活栓(R)が外れる虞がある。
特許文献2においては、C型断面の挟持部(16、17)によって円筒状のシリンジ(1、2)の周面は保持されているものの、三方活栓(18)は保持具(15)の凹部に単に収容されているだけである。このため、三方活栓(18)のレバー(19)を操作した場合には、三方活栓(18)とシリンジ(1、2)とを接続する接続管(181、182)やパイプ(21)の端部の連結が外れる虞がある。
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、多方活栓とシリンジとを接続するコネクタ部からの放射性薬剤の漏れ出しを防止する器具を提供するものである。
本発明によれば、放射線遮蔽材料を含みシリンジの周囲に装着されるシリンジシールドと、前記シリンジの先端部に連結される多方活栓と、に対して共に着脱可能に装着して用いられ、前記シリンジシールドと前記多方活栓との先基端方向の相対移動を拘束する保持具が提供される。
また、本発明によれば、放射線遮蔽材料を含みシリンジの周囲に装着されるシリンジシールドと、前記シリンジシールドに着脱可能に装着して用いられる上記の保持具と、を含む、放射性薬剤の投与キットが提供される。
上記発明によれば、シリンジシールドと多方活栓との先基端方向の相対移動が拘束される。このため、多方活栓のレバーを切り替え操作し、またはシリンジシールドが装着されたシリンジの位置や向きを手技に応じて様々に変更しても、シリンジと多方活栓との間のコネクタ部が引抜方向に変位することが抑制される。このため、多方活栓のレバー操作やシリンジのハンドリング操作によってコネクタ部が緩みまたは脱離したり破損したりすることがない。
本発明の保持具および投与キットによれば、多方活栓とシリンジとを接続するコネクタ部からの放射性薬剤の漏れ出しを防止することが可能である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、すべての図面において、同様の構成要素には同様の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。なお、以下の説明では前後方向または上下方向を規定する場合があるが、これは本発明の構成要素の相対関係を便宜的に説明するものであり、本発明にかかる保持具や投与キットの製造時や使用時の方向を必ずしも限定するものではない。
<第一実施形態>
図1は第一実施形態の保持具20および投与キット10の使用状態を示す斜視図である。図2は投与キット10を水平配置した状態を示す分解正面図である。はじめに、保持具20および投与キット10の概要について説明する。
図1は第一実施形態の保持具20および投与キット10の使用状態を示す斜視図である。図2は投与キット10を水平配置した状態を示す分解正面図である。はじめに、保持具20および投与キット10の概要について説明する。
本実施形態の投与キット10は、放射性薬剤の投与に用いられる。投与キット10は、放射線遮蔽材料を含みシリンジ100の周囲に装着されるシリンジシールド110と、シリンジシールド110に着脱可能に装着して用いられる保持具20と、を含む。
保持具20は、シリンジシールド110と多方活栓130とに対して共に着脱可能に装着して用いられ、シリンジシールド110と多方活栓130との先基端方向の相対移動を拘束する器具である。シリンジシールド110は放射線遮蔽材料を含み、シリンジ100の周囲に装着される。多方活栓130は、シリンジ100の先端部102に連結される。ここで、先基端方向とはシリンジシールド110の中心軸AXの延在方向であり、シリンジ100のプランジャロッド106の進退方向である。
次に、本実施形態について詳細に説明する。投与キット10は、シリンジ100に充填された放射性薬剤RP(図5を参照)を、翼状針156などを通じて患者に投与するための医療用キットである。投与キット10は、放射性薬剤RPが充填されたシリンジ100や、シリンジ100のガスケット104に着脱可能なプランジャロッド106を更に含んでもよい。
シリンジ100は、放射性薬剤RPが充填されたうえで先端部102が封止された状態で提供されるプレフィルドシリンジである。シリンジ100の先端部102をルアー針140で穿刺することによりシリンジ100は開封され、プランジャロッド106をシリンジ100に対して前進させることで放射性薬剤RPが吐出される。
図2に示すルアー針140は、両端が開口した両刃針であり、シリンジ100の先端部102に装着されるルアーキャップ142(コネクタ部132a)の内側に配設されている。本実施形態のルアーキャップ142は多方活栓130と一体形成されてコネクタ部132aを構成している。ただし、本実施形態に代えて、ルアー針140を有するルアーキャップ142を、多方活栓130に着脱可能な別部材として構成してもよい。
本実施形態の多方活栓130は、3個のコネクタ部132a〜132cを備える三方活栓である。ただし、本実施形態に代えて4個以上のコネクタ部を有する多方活栓130を用いてもよく、または複数個の三方活栓のコネクタ部同士を組み合わせて多方活栓130を構成してもよい。本実施形態の3個のコネクタ部132a〜132cのうちの2個(具体的にはコネクタ部132aおよび132b)は、内径が先端に向かって拡大するテーパー形状のルアーキャップ(雌コネクタ)である。他の1個(コネクタ部132c)は、外径が先端に向かって縮小するテーパー形状の雄コネクタである。コネクタ部132cには、雄コネクタの嵌合状態を固定するためのロック部138が設けられている。コネクタ部132a〜132cのルアーテーパーの形状は、ISO 594に規定された形状とすることができる。なお、いずれのコネクタ部を雄コネクタまたは雌コネクタとするかは任意である。
多方活栓130のコネクタ部132bには、点滴バッグやシリンジなどの液体供給部150から導出された給液チューブ152が接続される。給液チューブ152の先端は雄コネクタであり、これをコネクタ部132b(雌コネクタ)に嵌合することで両者は連通する。多方活栓130のコネクタ部132cには、患者に液体を導入する送液チューブ154が接続される。送液チューブ154の基端部には雄コネクタである装着部155が設けられている。装着部155はコネクタ部132cに連結された状態でロック部138によりロックされる。送液チューブ154の先端には翼状針156などの針部が設けられている。
多方活栓130は、回動操作可能な操作レバー133と、この操作レバー133を軸支する回動軸134と、を備えている。本実施形態の多方活栓130は三方活栓であり、操作レバー133を三方向に選択的に回動操作することで、コネクタ部132a〜132cのいずれか2つが互いに連通し、他の1つが閉止される。多方活栓130の具体的な形状は特に限定されないが、本実施形態の多方活栓130は、操作レバー133を保持する軸受にあたる筒状の基部136を備えている。筒状の基部136の周面には、径方向の外方に突出するようにコネクタ部132a〜132cがそれぞれ一体形成されている。基部136は回動軸134の周面を覆う筒状をなしている。図2に示すように、基部136は回動軸134よりも下方(操作レバー133の反対側)まで延在しており、回動軸134の軸底部135を覆っている。
シリンジ100の先端部102は、外径が先端に向かって縮小するテーパー形状の雄コネクタである。雌コネクタであるコネクタ部132aはシリンジ100の先端部102に連結される。なお、本実施形態のコネクタ部132aはシリンジ100の先端部102に対して直接的に接続される。ただし、後述する第二実施形態のように他の部材(ルアーキャップ142またはパイプ部材)を介してシリンジ100の先端部102とコネクタ部132aとが間接的に接続される場合も、多方活栓130がシリンジ100の先端部102に連結されているという。
シリンジ100の周囲にはシリンジシールド110が装着されている。シリンジシールド110は、タングステン合金などの放射性遮蔽材料からなる略円筒状の筒状部114と、この筒状部114の周面に嵌め込まれた窓部116を備えている。窓部116は鉛ガラスなどの可視光透過性の放射線遮蔽材料からなる。窓部116の表面には可視光透過性の樹脂材料からなるガラスカバー(図示せず)が装着されている。窓部116からは、筒状部114に収容されたシリンジ100の目盛108(図5を参照)およびガスケット104が視認可能である。
筒状部114の先端は開口しており、シリンジシールド110に収容されたシリンジ100の先端部102はこの開口から突出する。筒状部114の基端側の周囲には翼状の鍔部118が径方向に突出して設けられており、術者の人差指と中指をこれに係止することができる。鍔部118は、シリンジシールド110の周囲に形成された突部である。
筒状部114(鍔部118)の基端部には環状のキャップ119が着脱可能に螺合装着されている。キャップ119を鍔部118に装着することにより、筒状部114に収容されたシリンジ100が離脱することを規制する。プランジャロッド106は、環状のキャップ119の開口(図示せず)を通じて挿通され、シリンジ100のガスケット104と連結される。本実施形態のプランジャロッド106はガスケット104に対して着脱可能に螺合する。また、この環状のキャップ119の開口の内径はガスケット104の外径よりも小径であり、キャップ119を筒状部114に螺合装着することでガスケット104がシリンジ100から基端側に離脱することが抑制される。
図3は保持具20の斜視図である。図4(a)から図4(e)は保持具20の五面図であり、図4(a)は正面図、図4(b)は平面図、図4(c)は底面図、図4(d)は右側面図、図4(e)は左側面図である。保持具20の背面図は、図4(a)の正面図と左右対称である点を除き共通であるため図示を省略する。特に断りなき場合、半割筒状の保持具20の開放側を上方として水平配置した状態で保持具20や投与キット10を長手方向に直交する方向から目視したものを正面図と呼称する。
保持具20は全体に半割筒状をなしており、シリンジシールド110の周囲に装着される。保持具20は、シリンジシールド110の周囲に装着される半割筒状の湾曲面22を有している。湾曲面22は保持具20の内周面である。湾曲面22の幅方向(図4(b)の上下方向)の両側には、保持具20の長手方向に沿って一対の長端面24が形成されている。
なお、保持具20にシリンジシールド110を装着した状態で、シリンジシールド110に収容されたシリンジ100の先端部102が位置する側を、保持具20および湾曲面22の先端側と呼称し、その反対側を基端側と呼称する。図4(a)の右方が保持具20および湾曲面22の先端側に相当し、図4(a)の左方がこれらの基端側に相当する。
図4(d)および図4(e)に示すように、湾曲面22は半割円筒面状をなしている。なお、ここでいう半割円筒面状とは、幾何学的に完全な部分円筒面である必要はない。本実施形態の湾曲面22には、シリンジシールド110の外周面の形状に対応する凹凸部が形成されていてもよい。具体的には、本実施形態の湾曲面22の基端側の一部は滑らかに削り落とされて保持具20は部分的に薄肉に形成されている。
長端面24の基端側の一部は立ち上がって基端挟持部26を形成している。基端挟持部26は保持具20の幅方向の両側に形成され、シリンジシールド110の鍔部118の近傍を挟持して保持する。
湾曲面22の長手方向(図4(a)の左右方向)は、シリンジ100の中心軸AXと略一致している。ただし、後述するようにシリンジ100の中心軸AXは、湾曲面22の長手方向に対して僅かな傾斜角で交差している。
保持具20の材料は特に限定されないが、ポリ塩化ビニルなどの不透明すなわち可視光不透過性の硬質プラスチック材料を用いて作成することができる。このほか、金属材料を用いてもよい。
保持具20の長端面24の基端側にシールド係止部30を有している。シールド係止部30は、シリンジシールド110の周囲に形成された突部(鍔部118)に係止して、この突部を先基端方向に拘束する。シールド係止部30は、シリンジシールド110が湾曲面22から長手方向に離脱することを規制する。ただし、シリンジシールド110の突部(鍔部118)がシールド係止部30に遊挿されて鍔部118とシールド係止部30との間にガタ(空隙)が存在してもよい。
本実施形態のシールド係止部30は基端挟持部26に形成されている。シールド係止部30は保持具20(基端挟持部26)の周方向に延在する細長形状の溝部である。シールド係止部30にはシリンジシールド110の鍔部118が嵌合する。
本実施形態の保持具20は、多方活栓130の操作レバー133を軸支する回動軸134の軸底部135を保持する軸保持部40を有している。これにより、多方活栓130が保持具20に対して先基端方向に相対移動することが抑制される。
軸保持部40が回動軸134の軸底部135を保持するとは、回動軸134のうち操作レバー133が設けられていない側を軸保持部40が直接的または間接的に保持することをいう。本実施形態の回動軸134の軸底部135は基部136に覆われており、軸保持部40は軸底部135を間接的に保持する。具体的には、多方活栓130の基部136の下端部137が軸保持部40に嵌合する。多方活栓130の基部136の下端部137が軸保持部40に嵌合することにより、多方活栓130はコネクタ部132b・132cおよび基部136が保持具20に保持される。なお、本実施形態の多方活栓130に代えて、回動軸134の軸底部135が基部136の下端から突出している場合には、軸保持部40は回動軸134を直接的に保持してもよく、または本実施形態のように基部136を保持してもよい。
本実施形態の軸保持部40は、湾曲面22の幅方向の中央に形成された円形の凹部である。軸保持部40は、保持具20に貫通形成された円孔でもよく、または保持具20に止まり穴として形成された有底の円穴でもよい。
保持具20は、軸保持部40に係止された多方活栓130が有する三以上のコネクタ部132a〜132cのうち、シリンジ100の先端部102が連結されていない他のコネクタ部132b・132cの少なくとも一つを保持するコネクタ保持部32・33を更に備えている。具体的には、本実施形態の保持具20は一対のコネクタ保持部32・33を保持具20の幅方向の両側に備えており、シリンジ100の先端部102が連結されていない他のコネクタ部132b・132cの総てを保持する。コネクタ保持部32にコネクタ部132cが嵌合し、コネクタ保持部33にコネクタ部132bが嵌合する。
本実施形態の保持具20は、軸保持部40に加えてコネクタ保持部32・33を有することで、多方活栓130を複数箇所で保持することができる。コネクタ保持部32・33のみならず軸保持部40で多方活栓130を保持することにより、保持具20から多方活栓130に荷重が負荷されてもコネクタ部132b・132cが破損することが低減されている。
保持具20におけるシールド係止部30とコネクタ保持部32との長手方向の距離は、シリンジシールド110の鍔部118から多方活栓130のコネクタ部132cまでの距離に対応している。同じく、保持具20におけるシールド係止部30とコネクタ保持部33との長手方向の距離は、シリンジシールド110の鍔部118から多方活栓130のコネクタ部132bまでの距離に対応している。
コネクタ保持部32・33は、保持具20の長端面24の先端側に形成された半円形の凹溝部である。凹溝部の半径は多方活栓130のコネクタ部132b・132cの外径に対応している。図1に示すように、コネクタ保持部32には多方活栓130のコネクタ部132bが嵌合し、コネクタ保持部33には多方活栓130のコネクタ部132cが嵌合する。これにより、多方活栓130が保持具20に対して先基端方向に移動することが規制される。したがって、多方活栓130をシリンジ100の先端部102に連結した状態で多方活栓130およびシリンジシールド110を保持具20に装着すると、多方活栓130とシリンジシールド110との先基端方向の相対移動が抑制される。
本実施形態の投与キット10により投与される薬剤は放射性薬剤RPであるため、多方活栓130のコネクタ部132aから放射性薬剤RPが漏れ出すことは術者の被曝の観点から避けることが好ましい。これに対し、コネクタ部132a(ルアーキャップ142)はシリンジ100の先端部102に対して単純に外装される雌コネクタである。このため、操作レバー133の操作などにより多方活栓130とシリンジシールド110とを先基端方向に相対的に離間させる方向に外力(引抜負荷)が加わった場合にはコネクタ部132aがシリンジ100から緩んだり脱離したりする虞がある。また、シリンジシールド110はタングステン合金などの比重の大きな放射性遮蔽材料からなるため質量が大きい。このため、術中にシリンジシールド110をハンドリングした際にシリンジシールド110の自重によりコネクタ部132aに大きなモーメント負荷が作用してコネクタ部132aが緩んだり破損したりする虞もある。これに対し、本実施形態の投与キット10のようにシリンジシールド110と多方活栓130とを保持具20で一体に保持して先基端方向の相対移動を拘束することで、引抜負荷やモーメント負荷が多方活栓130に作用することが抑制され、コネクタ部132aの緩みや脱離、および破損が防止される。
コネクタ保持部32・33、軸保持部40およびシールド係止部30は、いずれも保持具20に対して半割円筒の深さ方向(図4(a)における上方から下方)に向かって彫り込み形成されている。このため、コネクタ保持部32・33に対するコネクタ部132b・132cの装着方向、軸保持部40に対する基部136の装着方向、シールド係止部30に対する鍔部118の装着方向、そして湾曲面22に対する筒状部114の装着方向は共通している。
保持具20に形成された複数のコネクタ保持部32・33は、軸保持部40を挟んで幅方向の両側に形成されて二以上のコネクタ部132b・132cを保持する。コネクタ保持部32・33は、軸保持部40を中心に180度対向して直線上に配置されている。このため、図1に示すように、液体供給部150から導出された給液チューブ152と、翼状針156に連なる給液チューブ152とが一直線上に配置される。コネクタ保持部32・33同士を結ぶ直線は保持具20の幅方向と平行である。なお、本実施形態に代えて、コネクタ保持部32・33同士を結ぶ直線が保持具20の幅方向に対して傾斜するように、コネクタ保持部32・33を保持具20の長手方向にずらして配置してもよい。
つぎに、本実施形態の保持具20および投与キット10の使用方法を説明する。
はじめに、操作レバー133を適宜操作して多方活栓130におけるコネクタ部132bの流路を閉止したうえで、多方活栓130のコネクタ部132bに給液チューブ152の雄コネクタを連結して液体供給部150を接続し、コネクタ部132cに送液チューブ154の装着部155を連結して翼状針156を接続する(図1を参照)。次に、操作レバー133を操作してコネクタ部132bとコネクタ部132cとを互いに連通させ、液体供給部150に貯留された搬送液を翼状針156より吐出可能とする。そして、多方活栓130のコネクタ部132aの先端を上方に向けた状態で、多方活栓130のコネクタ部132aの内部に翼状針156より搬送液を吐出してこれをプライミングする。
はじめに、操作レバー133を適宜操作して多方活栓130におけるコネクタ部132bの流路を閉止したうえで、多方活栓130のコネクタ部132bに給液チューブ152の雄コネクタを連結して液体供給部150を接続し、コネクタ部132cに送液チューブ154の装着部155を連結して翼状針156を接続する(図1を参照)。次に、操作レバー133を操作してコネクタ部132bとコネクタ部132cとを互いに連通させ、液体供給部150に貯留された搬送液を翼状針156より吐出可能とする。そして、多方活栓130のコネクタ部132aの先端を上方に向けた状態で、多方活栓130のコネクタ部132aの内部に翼状針156より搬送液を吐出してこれをプライミングする。
つぎに、図5に示すようにコネクタ部132aを上方に向けたままコネクタ部132aにシリンジ100の先端部102を挿入してシリンジシールド110と多方活栓130とを連結する。図5のようにプランジャロッド106を上方に向けて投与キット10を縦置きした状態を起立配置と呼称する。
シリンジ100の先端部102をコネクタ部132aに挿入することで、ルアー針140(図2を参照)が先端部102に穿刺されてシリンジ100が開封される。なお、図5では液体供給部150、給液チューブ152、送液チューブ154、装着部155および翼状針156は図示を省略している。投与キット10を起立配置した状態で、シリンジシールド110の鍔部118を保持具20のシールド係止部30に装着し、また多方活栓130のコネクタ部132b・132cをそれぞれ保持具20のコネクタ保持部32・33に装着する。あわせて、多方活栓130の基部136の下端部137を保持具20の軸保持部40に装着する(後述する図6を参照)。これにより、コネクタ部132aが搬送液(以下、プライミング液という場合がある)でプライミングされた状態でシリンジ100が多方活栓130に連結される。
ただし、プライミングされたコネクタ部132aの内部に、僅かに気泡(図示せず)が残留する場合がある。そこで、この気泡を一旦シリンジ100の内部に取り込んだうえで、再びこの気泡がコネクタ部132aに戻ることなく放射性薬剤RPを吐出するとよい。具体的には以下のようにおこなう。
シリンジ100のガスケット104は、放射性薬剤RPが充填されたシリンジ100の最基端(図5における上端)よりも僅かに前進(図5において下降)した位置に配置されている。言い換えると、放射性薬剤RPが充填されたシリンジ100に対して、ガスケット104は僅かに後退(図5において上昇)することが可能である。そこで、放射性薬剤RPの吐出前に、起立配置した投与キット10においてプランジャロッド106を後退(図5において上昇)させて、コネクタ部132aより気泡(図示せず)とともにプライミング液をシリンジ100の内部に吸引する。これにより、気泡はシリンジ100の内部で放射性薬剤RPを上昇し、ガスケット104の近傍に至る。
つぎに、図6に示すように、保持具20が下方となるように投与キット10を横倒しにして保持具20およびシリンジシールド110を水平配置する。これにより、気泡はシリンジ100の上部(窓部116の近傍)に滞留する。この状態でプランジャロッド106を図6の右方に前進させると、ガスケット104の移動に伴って気泡もシリンジ100の内部を前進する。ここで、先端部102の近傍においてシリンジ100は一般に太径から細径に階段状に縊れた内部段差を有している。このため、ガスケット104が最も前進して放射性薬剤RPの実質的に全量がシリンジ100から吐出されても、気泡はこの内部段差に留まるため先端部102を通過しない。以上により、コネクタ部132aのプライミングが仮に不十分で気泡が残留していたとしても、投与キット10を起立配置してプライミング液をシリンジ100に吸引したうえで投与キット10を水平配置してから放射性薬剤RPを吐出することで、この気泡が翼状針156を通じて患者に供給されることがない。仮にこの気泡がシリンジ100の先端部102から吐出されたとしても、放射性薬剤RPが吐出された後の最後に気泡が吐出されるため、この気泡はコネクタ部132aの内部に留まり、多方活栓130を通過することはない。すなわち、放射性薬剤RPの一部をシリンジ100から外部に廃棄することなく、放射性薬剤RPの供給経路の空気抜きをすることができる。また、本実施形態の保持具20を用いて多方活栓130とシリンジシールド110を一体に保持した状態で上記のように投与キット10を起立および横倒しすることができるため、このような手技中にコネクタ部132aが緩んだり外れたりして新たな気泡が放射性薬剤RPに混入することがない。また、本実施形態の保持具20は半割円筒状をなし、また多方活栓130のコネクタ保持部32・33および基部136とシリンジシールド110の筒状部114および鍔部118が保持具20に嵌合する方向が半割円筒の深さ方向で共通している。このため、多方活栓130とシリンジシールド110(シリンジ100)とがプライミングされた状態で連結された後に、シリンジシールド110の側方から保持具20を装着することが可能である。
なお、放射性薬剤RPの吐出操作の前および後に、多方活栓130の操作レバー133を適宜操作してコネクタ部132b・132cを互いに連通させ搬送液を液体供給部150から患者に投与するとよい。これにより、放射性薬剤RPが搬送液と切り替えて患者に間欠投与される。また、放射性薬剤RPの吐出後に搬送液を投与することで、送液チューブ154の内部に付着した放射性薬剤RPを搬送液で洗い流して略全量を患者に投与することができる。
上記のように、水平配置された投与キット10から気泡が再び吐出されることを更に好適に防止するため、水平配置された状態でシリンジ100の先端が僅かに下方を向いていることが好ましい。
図6に示すように、本実施形態の保持具20は、シリンジシールド110の周囲に装着された状態で保持具20を下方として水平設置したときに、シリンジ100の中心軸AXが水平方向よりも斜め下方を向くようにシリンジシールド110を保持する。言い換えると、シリンジ100の先端部102が保持具20の長手方向よりも深さ方向の内側に傾斜するようにシリンジシールド110は保持具20に装着される。
本実施形態の場合、水平配置された投与キット10におけるシリンジ100の中心軸AXと水平線Hとのなす傾斜角度θは、1度以上10度以下とすることができる。これにより、プライミングされたコネクタ部132aからシリンジ100に吸引された気泡がガスケット104(図2を参照)に付着した状態で放射性薬剤RPが徐々に吐出され、全量が吐出された状態でも気泡がシリンジ100の内部に好適に残留する。
なお、図6に示すように、シリンジ100の中心軸AXが斜め下方を向くことで、コネクタ部132aの先端(図6の左端)は斜め上方を向き、多方活栓130の基部136は保持具20の深さ方向(図6の上下方向)に対して傾斜角度θで傾斜する。このため、保持具20に開口する軸保持部40の内径を、基部136の下端部137の外径よりも僅かに大きく形成して、基部136が傾斜した状態で下端部137を嵌合可能とするとよい。多方活栓130の回動軸134が保持具20の深さ方向に対して極力起立して配設されるよう、傾斜角度θは1度以上5度以下とすることが好ましい。
本実施形態の保持具20においては、コネクタ保持部32・33同士を結ぶ直線が保持具20の幅方向と平行である。このため、コネクタ部132b・132cをそれぞれコネクタ保持部32・33に嵌合した状態でこの直線を中心として多方活栓130を回転することにより、保持具20の長手方向を含む平面内でシリンジシールド110および多方活栓130を回転させることができる。これにより、多方活栓130を保持具20に装着した状態で、シリンジシールド110を所定の傾斜角度θに微調整しながら保持具20に装着することができる。
なお、図6に示すように、シリンジ100の中心軸AXが斜め下方を向くことで、コネクタ部132aの先端(図6の左端)は斜め上方を向き、多方活栓130の基部136は保持具20の深さ方向(図6の上下方向)に対して傾斜角度θで傾斜する。このため、保持具20に開口する軸保持部40の内径を、基部136の下端部137の外径よりも僅かに大きく形成して、基部136が傾斜した状態で下端部137を嵌合可能とするとよい。多方活栓130の回動軸134が保持具20の深さ方向に対して極力起立して配設されるよう、傾斜角度θは1度以上5度以下とすることが好ましい。
本実施形態の保持具20においては、コネクタ保持部32・33同士を結ぶ直線が保持具20の幅方向と平行である。このため、コネクタ部132b・132cをそれぞれコネクタ保持部32・33に嵌合した状態でこの直線を中心として多方活栓130を回転することにより、保持具20の長手方向を含む平面内でシリンジシールド110および多方活栓130を回転させることができる。これにより、多方活栓130を保持具20に装着した状態で、シリンジシールド110を所定の傾斜角度θに微調整しながら保持具20に装着することができる。
<第二実施形態>
図7は第二実施形態の保持具20および投与キット10の使用状態を示す斜視図である。図8は本実施形態の保持具20の斜視図であり、図9は本実施形態の保持具20の平面図である。
図7は第二実施形態の保持具20および投与キット10の使用状態を示す斜視図である。図8は本実施形態の保持具20の斜視図であり、図9は本実施形態の保持具20の平面図である。
本実施形態の保持具20は、軸保持部40に係止された多方活栓130が有する三以上のコネクタ部132a〜132cのうち、シリンジ100の先端部102が連結されていない他のコネクタ部の少なくとも一つ(コネクタ部132c)を保持するコネクタ保持部32を備えている点で第一実施形態と共通する。そして、本実施形態の保持具20は、図8および図9に示すように、幅方向の片側の長端面24のみにコネクタ保持部32が設けられている点で第一実施形態と相違する。
多方活栓130のコネクタ部132cは、保持具20の先端開口23に配置されている。コネクタ部132cに連結される送液チューブ154はシリンジ100の中心軸AXと直交せず一直線上に配置される。したがって、液体供給部150から導出された給液チューブ152は、送液チューブ154と直交するようにして多方活栓130のコネクタ部132bに連結される。
送液チューブ154が保持具20の先端側に延在しているため、本実施形態の投与キット10を起立配置する場合は、術者が投与キット10を宙空で把持した状態でおこなう。また、送液チューブ154および翼状針156がシリンジ100の中心軸AXと一直線上に配置されているため、プランジャロッド106を前進させて放射性薬剤RP(図2を参照)を吐出する際に、多方活栓130の内部における圧損が低減される。
ルアー針140が設けられたルアーキャップ142が多方活栓130のコネクタ部132aとは別部材として構成されている点で第一実施形態と相違する。多方活栓130は、いずれのコネクタ部132a〜132cにもルアー針140が設けられていない汎用の三方活栓である。
本実施形態のルアーキャップ142は筒状をなし、一端側(図7の左上側)が雌コネクタであり他端側(図7の右下側)が雄コネクタになっている。ルアー針140は、ルアーキャップ142のうち雌コネクタである一端側から突出している。プレフィルドシリンジであるシリンジ100の先端部102に対してルアー針140を穿刺するとともにルアーキャップ142の一端側を装着する。これにより、開栓された先端部102の周囲にルアーキャップ142が装着された状態となる。かかるルアーキャップ142の他端側(雄コネクタ)には、多方活栓130のコネクタ部132a(雌コネクタ)が装着される。本実施形態では、コネクタ部132aがシリンジ100の先端部102に対してルアーキャップ142を介して間接的に接続されることにより、多方活栓130がシリンジ100の先端部102に連結されている。
保持具20におけるシールド係止部30とコネクタ保持部32との長手方向の距離は、ルアーキャップ142を介して互いに連結されたシリンジシールド110の鍔部118から多方活栓130のコネクタ部132bまでの距離に対応している。
本実施形態の保持具20を用いることで、ルアーキャップ142と多方活栓130とが別部材で構成されている場合でも、多方活栓130とシリンジシールド110とを共に保持して先基端方向の相対移動を拘束することができる。
<第三実施形態>
図10(a)は第三実施形態の保持具20の一部断面を示す正面図である。保持具20は水平配置されており、その先端側の一部断面を模式的に図示している。図10(b)は、本実施形態の変形例にかかる保持具20の一部断面を示す正面図である。図10(a)と同様に保持具20は水平配置されており、その先端側の一部断面を模式的に図示している。
図10(a)は第三実施形態の保持具20の一部断面を示す正面図である。保持具20は水平配置されており、その先端側の一部断面を模式的に図示している。図10(b)は、本実施形態の変形例にかかる保持具20の一部断面を示す正面図である。図10(a)と同様に保持具20は水平配置されており、その先端側の一部断面を模式的に図示している。
本実施形態の保持具20は、多方活栓130の操作レバー133を軸支する回動軸134の軸底部135(図2を参照)を保持する軸保持部40を有する点で第一実施形態と共通する。本実施形態の保持具20は、湾曲面22に形成された有底の凹部28に保持筒42が嵌合して軸保持部40が構成されている点で第一実施形態と相違する。保持筒42は環状をなし、凹部28に嵌合した状態で接着固定されている。環状の保持筒42の内腔が軸保持部40にあたる。保持筒42は湾曲面22よりも突出している。このため、多方活栓130の回動軸134や基部136が比較的短い場合にも、湾曲面22よりも上方で回動軸134の軸底部135を保持することができる。なお、湾曲面22に凹部28を形成することなく、保持筒42を湾曲面22に接着固定してもよい。湾曲面22から保持筒42が突出する高さは、一例として1mm以上5mm以下とすることができる。
図10(b)に示す変形例にかかる保持具20は、湾曲面22に形成された貫通孔29に保持筒42が挿入されている点で第三実施形態と相違する。保持筒42は貫通孔29の周面に対して接着固定されている。本変形例の保持筒42は貫通孔29の一方または両方に突出している。これにより、保持具20の肉厚を超えて、十分な長さで多方活栓130の軸底部135(図2を参照)を保持することができる。
第一実施形態で説明したようにシリンジシールド110および多方活栓130の基部136を所定の傾斜角度θで傾斜させて保持具20に装着する場合は、保持筒42を保持具20に対して斜めに傾斜させて固定してもよい。具体的には、保持筒42の立設方向を、湾曲面22の法線方向に対して傾斜角度θにて保持具20の先端側に傾斜させてもよい。
<第四実施形態>
図11は第四実施形態の投与キット10を水平配置した状態を示す正面図である。本実施形態の保持具20は、その先端に延出部21が設けられている点で第一実施形態と相違する。延出部21は、図11に示すように水平配置された状態で、投与キット10の重心位置を超える高さまで延出している。これにより、延出部21がスタンドとなって、図5のように起立配置した状態で投与キット10が自立可能となる。このため、コネクタ部132aのプライミング操作やプランジャロッド106の進退操作が容易となる。延出部21は、半割筒状の保持具20の開口側(図11の上方)に延出しているため、投与キット10を設置面に水平配置したときに、延出部21が当該設置面と干渉することはない。これにより、投与キット10を水平配置したときにシリンジ100の中心軸AXが水平線Hよりも斜め下方を向くことが阻害されることはない。
図11は第四実施形態の投与キット10を水平配置した状態を示す正面図である。本実施形態の保持具20は、その先端に延出部21が設けられている点で第一実施形態と相違する。延出部21は、図11に示すように水平配置された状態で、投与キット10の重心位置を超える高さまで延出している。これにより、延出部21がスタンドとなって、図5のように起立配置した状態で投与キット10が自立可能となる。このため、コネクタ部132aのプライミング操作やプランジャロッド106の進退操作が容易となる。延出部21は、半割筒状の保持具20の開口側(図11の上方)に延出しているため、投与キット10を設置面に水平配置したときに、延出部21が当該設置面と干渉することはない。これにより、投与キット10を水平配置したときにシリンジ100の中心軸AXが水平線Hよりも斜め下方を向くことが阻害されることはない。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
たとえば上記各実施形態においては、シリンジシールド110の鍔部118を保持具20のシールド係止部30で保持することを例示したが、本発明はこれに限られない。シリンジシールド110の窓部116や、筒状部114の周面に突出形成したボス部(図示せず)を、保持具20で保持する突部として用いてもよい。
また、上記各実施形態においては、保持具20として片側が開口した半割筒状の形態を例示したが、本発明はこれに限られない。保持具20に装着されたシリンジシールド110に周着する環状の保持部(図示せず)を設けてもよい。また、軸保持部40から多方活栓130の軸底部135(基部136)が脱落しないよう、多方活栓130を保持具20に固定するための帯状などの固定部材(図示せず)を設けてもよい。
たとえば上記各実施形態においては、シリンジシールド110の鍔部118を保持具20のシールド係止部30で保持することを例示したが、本発明はこれに限られない。シリンジシールド110の窓部116や、筒状部114の周面に突出形成したボス部(図示せず)を、保持具20で保持する突部として用いてもよい。
また、上記各実施形態においては、保持具20として片側が開口した半割筒状の形態を例示したが、本発明はこれに限られない。保持具20に装着されたシリンジシールド110に周着する環状の保持部(図示せず)を設けてもよい。また、軸保持部40から多方活栓130の軸底部135(基部136)が脱落しないよう、多方活栓130を保持具20に固定するための帯状などの固定部材(図示せず)を設けてもよい。
なお、本発明の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はない。複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)放射線遮蔽材料を含みシリンジの周囲に装着されるシリンジシールドと、前記シリンジの先端部に連結される多方活栓と、に対して共に着脱可能に装着して用いられ、前記シリンジシールドと前記多方活栓との先基端方向の相対移動を拘束する保持具。
(2)前記シリンジシールドの周囲に形成された突部に係止して前記突部を前記先基端方向に拘束するシールド係止部を有する上記(1)に記載の保持具。
(3)前記シリンジシールドの周囲に装着された状態で前記保持具を下方として水平設置したときに前記シリンジの中心軸が水平方向よりも斜め下方を向くように前記シリンジシールドを保持することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の保持具。
(4)前記シリンジシールドの周囲に装着される半割筒状の湾曲面を有する上記(3)に記載の保持具。
(5)前記多方活栓の操作レバーを軸支する回動軸の軸底部を保持する軸保持部を有する上記(1)から(4)のいずれか一項に記載の保持具。
(6)前記軸保持部に係止された前記多方活栓が有する三以上のコネクタ部のうち前記シリンジの前記先端部が連結されていない他のコネクタ部の少なくとも一つを保持するコネクタ保持部を備える上記(5)に記載の保持具。
(7)複数の前記コネクタ保持部が前記軸保持部を挟んで幅方向の両側に形成されて二以上の前記コネクタ部を保持する上記(6)に記載の保持具。
(8)放射線遮蔽材料を含みシリンジの周囲に装着されるシリンジシールドと、前記シリンジシールドに着脱可能に装着して用いられる上記(1)から(7)のいずれか一項に記載の保持具と、を含む、放射性薬剤の投与キット。
(1)放射線遮蔽材料を含みシリンジの周囲に装着されるシリンジシールドと、前記シリンジの先端部に連結される多方活栓と、に対して共に着脱可能に装着して用いられ、前記シリンジシールドと前記多方活栓との先基端方向の相対移動を拘束する保持具。
(2)前記シリンジシールドの周囲に形成された突部に係止して前記突部を前記先基端方向に拘束するシールド係止部を有する上記(1)に記載の保持具。
(3)前記シリンジシールドの周囲に装着された状態で前記保持具を下方として水平設置したときに前記シリンジの中心軸が水平方向よりも斜め下方を向くように前記シリンジシールドを保持することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の保持具。
(4)前記シリンジシールドの周囲に装着される半割筒状の湾曲面を有する上記(3)に記載の保持具。
(5)前記多方活栓の操作レバーを軸支する回動軸の軸底部を保持する軸保持部を有する上記(1)から(4)のいずれか一項に記載の保持具。
(6)前記軸保持部に係止された前記多方活栓が有する三以上のコネクタ部のうち前記シリンジの前記先端部が連結されていない他のコネクタ部の少なくとも一つを保持するコネクタ保持部を備える上記(5)に記載の保持具。
(7)複数の前記コネクタ保持部が前記軸保持部を挟んで幅方向の両側に形成されて二以上の前記コネクタ部を保持する上記(6)に記載の保持具。
(8)放射線遮蔽材料を含みシリンジの周囲に装着されるシリンジシールドと、前記シリンジシールドに着脱可能に装着して用いられる上記(1)から(7)のいずれか一項に記載の保持具と、を含む、放射性薬剤の投与キット。
10:投与キット
20:保持具
21:延出部
22:湾曲面
23:先端開口
24:長端面
26:基端挟持部
28:凹部
29:貫通孔
30:シールド係止部
32・33:コネクタ保持部
40:軸保持部
42:保持筒
100:シリンジ
102:先端部
104:ガスケット
106:プランジャロッド
108:目盛
110:シリンジシールド
114:筒状部
116:窓部
118:鍔部
119:キャップ
130:多方活栓
132a〜132c:コネクタ部
133:操作レバー
134:回動軸
135:軸底部
136:基部
137:下端部
138:ロック部
140:ルアー針
142:ルアーキャップ
150:液体供給部
152:給液チューブ
154:送液チューブ
155:装着部
156:翼状針
θ:傾斜角度
AX:中心軸
H:水平線
RP:放射性薬剤
20:保持具
21:延出部
22:湾曲面
23:先端開口
24:長端面
26:基端挟持部
28:凹部
29:貫通孔
30:シールド係止部
32・33:コネクタ保持部
40:軸保持部
42:保持筒
100:シリンジ
102:先端部
104:ガスケット
106:プランジャロッド
108:目盛
110:シリンジシールド
114:筒状部
116:窓部
118:鍔部
119:キャップ
130:多方活栓
132a〜132c:コネクタ部
133:操作レバー
134:回動軸
135:軸底部
136:基部
137:下端部
138:ロック部
140:ルアー針
142:ルアーキャップ
150:液体供給部
152:給液チューブ
154:送液チューブ
155:装着部
156:翼状針
θ:傾斜角度
AX:中心軸
H:水平線
RP:放射性薬剤
Claims (8)
- 放射線遮蔽材料を含みシリンジの周囲に装着されるシリンジシールドと、前記シリンジの先端部に連結される多方活栓と、に対して共に着脱可能に装着して用いられ、前記シリンジシールドと前記多方活栓との先基端方向の相対移動を拘束する保持具。
- 前記シリンジシールドの周囲に形成された突部に係止して前記突部を前記先基端方向に拘束するシールド係止部を有する請求項1に記載の保持具。
- 前記シリンジシールドの周囲に装着された状態で前記保持具を下方として水平設置したときに前記シリンジの中心軸が水平方向よりも斜め下方を向くように前記シリンジシールドを保持することを特徴とする請求項1または2に記載の保持具。
- 前記シリンジシールドの周囲に装着される半割筒状の湾曲面を有する請求項3に記載の保持具。
- 前記多方活栓の操作レバーを軸支する回動軸の軸底部を保持する軸保持部を有する請求項1から4のいずれか一項に記載の保持具。
- 前記軸保持部に係止された前記多方活栓が有する三以上のコネクタ部のうち前記シリンジの前記先端部が連結されていない他のコネクタ部の少なくとも一つを保持するコネクタ保持部を備える請求項5に記載の保持具。
- 複数の前記コネクタ保持部が前記軸保持部を挟んで幅方向の両側に形成されて二以上の前記コネクタ部を保持する請求項6に記載の保持具。
- 放射線遮蔽材料を含みシリンジの周囲に装着されるシリンジシールドと、前記シリンジシールドに着脱可能に装着して用いられる請求項1から7のいずれか一項に記載の保持具と、を含む、放射性薬剤の投与キット。
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KR101864295B1 (ko) * | 2018-01-22 | 2018-06-07 | (주)동림의료기 | 방사선 약물 주입 장치 |
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2013
- 2013-11-29 JP JP2013247299A patent/JP2015104471A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101864295B1 (ko) * | 2018-01-22 | 2018-06-07 | (주)동림의료기 | 방사선 약물 주입 장치 |
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