JP2015102635A - ストレッチラベル - Google Patents

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崇宏 亀尾
Takahiro Kameo
崇宏 亀尾
英司 疋田
Eiji Hikita
英司 疋田
崇平 永島
Takahira Nagashima
崇平 永島
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Abstract

【課題】ストレッチ性に優れると共に、製造適性および破れ抑止性にも優れたストレッチラベルを提供する。
【解決手段】本発明のストレッチラベルは、ストレッチフィルムを有するストレッチラベルであって、前記ストレッチフィルムが、基層部と、基層部の両面側に表面層とを有し、前記基層部が、層を3〜65層含み、且つ、層としてアイオノマーの含有量が50重量%以上である層(A層)及びポリエチレン系樹脂の含有量が50重量%以上である層(B層)を少なくとも1層ずつ含み、前記B層に含まれる前記ポリエチレン系樹脂の密度が、0.940g/cm3以下であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ストレッチラベルに関する。より詳しくは、例えば、飲料用容器に装着される用途等に適したストレッチラベルに関する。
現在、炭酸飲料等の飲料用容器として、PETボトルなどのプラスチック製ボトル等が広く用いられている。これらの容器には、表示や装飾性、機能性の付与のためプラスチックラベルを装着する場合が多く、例えば、伸縮性に優れたストレッチフィルムを基材とするストレッチラベルが知られている。上記ストレッチラベルは、例えば、筒状(筒状ストレッチラベル)に形成して、容器などの被装着物と同等又は若干小さい径のラベルを、被装着物より大きな径となるように伸張(伸長)させて被装着物に外嵌した後、外力を解除することにより、収縮(自己収縮)して被装着物に装着される。上記ストレッチラベルには、優れた伸張性(伸長性)及び復元性が求められる。
上記ストレッチラベルとしては、例えば、シングルサイト系メタロセン触媒を用いて重合された、密度が0.905〜0.940g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレンからなる厚さが30〜150μmのフィルムで、且つ横方向に300mm/分の速度で変形させた、25%以下のヒステリシス曲線の測定により得られる応力0歪みが7%を超えず、さらに永久歪みが1.5%を超えないフィルムから形成されたストレッチラベル用フィルムを用いたものが知られている(特許文献1参照)。
特開平9−297539号公報
近年、容器等のストレッチラベルの被装着物の中には、例えば、胴部に大きな径差を有するPETボトル等の、複雑な形状を有する物が増えてきている。これに伴い、特に、複雑な形状を有する被装着物に対して装着する場合にも、被装着物の形状に追従し、優れた装着性を発揮するために、ストレッチラベルには、より一層優れたストレッチ性(伸張性及び復元性)が求められるようになってきている。
上記要求に応えてストレッチラベルのストレッチ性を向上するために、本発明者らは、従来よりやわらかい樹脂(例えば、より密度の低いポリエチレン系樹脂)を用いてストレッチフィルムを形成し、ストレッチラベルの製造を試みた。しかしながら、上記のやわらかい樹脂を用いたストレッチフィルムは、グラビア印刷機等の印刷機で印刷層を形成する際に、フィルムが長手方向(MD方向)に伸びて印刷の見当が合わせにくく、印刷しにくくなり、製造適性が低下する問題が生じることがわかった。また、そのストレッチフィルムを用いて得られたストレッチラベルは、被装着物に装着した後輸送する過程などにおいて、ラベルが破れやすくなる問題が生じることがわかった。一方、硬い樹脂(例えば、高密度のポリエチレン等)を用いたストレッチフィルムよりストレッチラベルを製造した場合には、破れや製造適性の低下の問題は起こり難いが、ストレッチ性が低下してしまうという問題がある。従って、優れたストレッチ性と、製造適性および破れにくさ(破れ抑止性)の全てを満たすストレッチラベルの達成は困難であった。
即ち、本発明の目的は、ストレッチ性に優れると共に、製造適性および破れ抑止性にも優れたストレッチラベルを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、ストレッチフィルムを有するストレッチラベルにおいて、上記ストレッチフィルムを、アイオノマーを主成分とする層と、ポリエチレン系樹脂を主成分とする層とを含む多層構成の基層部を有し、上記ポリエチレン系樹脂の密度が特定の範囲内であり、さらに上記基層部の両面側に表面層を有する構成とすることにより、優れたストレッチ性を有しながら、なおかつ、製造適性および破れ抑止性にも優れたストレッチラベルを得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ストレッチフィルムを有するストレッチラベルであって、前記ストレッチフィルムが、基層部と、基層部の両面側に表面層とを有し、前記基層部が、層を3〜65層含み、且つ、層としてアイオノマーの含有量が50重量%以上である層(A層)及びポリエチレン系樹脂の含有量が50重量%以上である層(B層)を少なくとも1層ずつ含み、前記B層に含まれる前記ポリエチレン系樹脂の密度が、0.940g/cm3以下であることを特徴とするストレッチラベルを提供する。
さらに、本発明は、前記基層部が、層として前記A層を2層以上含む前記のストレッチラベルを提供する。
さらに、本発明は、前記基層部が、層として前記B層を2層以上含む前記のストレッチラベルを提供する。
さらに、本発明は、前記表面層が、ポリオレフィン系樹脂の含有量が50重量%以上である層である前記のストレッチラベルを提供する。
さらに、本発明は、前記基層部が、前記A層及び前記B層を、交互に、合計して3〜65層含む前記のストレッチラベルを提供する。
さらに、本発明は、前記ストレッチラベルの少なくとも一方向における60%歪み時引張応力(F60値[X])に対する、前記ストレッチラベルの前記一方向と直交する方向における60%歪み時引張応力(F60値[Y])の割合[(F60値[Y])/(F60値[X])]が、1.5〜4である前記のストレッチラベルを提供する。
本発明のストレッチラベルは、アイオノマーを主成分とする層と、ポリエチレン系樹脂を主成分とする層とを含む多層構成の基層部を有し、上記ポリエチレン系樹脂の密度が特定の範囲内であり、さらに上記基層部の両面側に表面層を有するストレッチフィルムをラベル基材としている。これにより、本発明のストレッチラベルは、優れた伸張性と優れた復元性を有する。なおかつ、印刷層を形成する際に、ストレッチフィルムの伸びが抑えられるため、印刷層を適切な位置に形成することが容易となり、優れた製造適性を有する。さらに、被装着物に装着した後輸送する過程などにおいて、ラベルが破れにくくなる。このため、本発明のストレッチラベルは、複雑な形状を有する被装着物に装着されるストレッチラベルとして特に有用である。
なお、本明細書では、「伸張性」及び「復元性」を総称して、「ストレッチ性」又は「伸縮性」と称する場合がある。特に限定されないが、「伸張性」とはストレッチフィルムやストレッチラベルを伸ばすことができる性質や伸びやすさを意味する。また、「復元性」とはストレッチフィルムやストレッチラベルを伸張させた後に外力を解除した際に、弾性力によって収縮する(元に戻る)性質を意味する。さらに、ストレッチフィルム(又はストレッチラベル)を伸張させた後に外力を解除した際に、ストレッチフィルム(又はストレッチラベル)が、該ストレッチフィルム(又はストレッチラベル)の復元性により(自動的に)収縮することを「自己収縮」と称する場合がある。
本発明のストレッチラベルの一例を示す概略図(部分断面図)である。 本発明のストレッチラベルの他の一例を示す概略図(部分断面図)である。 本発明のストレッチラベルの他の一例を示す概略図(部分断面図)である。 本発明のストレッチラベルの一実施形態である筒状ストレッチラベルの一例を示す概略図である。 本発明のストレッチラベルの一実施形態である筒状ストレッチラベルの一例を示す概略図(図4のA−A’断面の要部拡大図)である。 本発明のストレッチラベルの一実施形態であるラベル付き容器の一例を示す概略図である。 ケース落下試験に用いたケースの概略図である。
本発明のストレッチラベルは、ストレッチフィルムを有するストレッチラベルである。なお、本明細書では、上記ストレッチフィルム(即ち、本発明のストレッチラベルに含まれるストレッチフィルム)を「本発明のストレッチフィルム」と称する場合がある。本発明のストレッチラベルは、本発明の効果を損なわない範囲内で、本発明のストレッチフィルム以外の層を含んでいてもよい。
[ストレッチフィルム]
本発明のストレッチフィルムは、基層部の両面側に、表面層を有する。即ち、本発明のストレッチフィルムは、基層部と、上記基層部の両面側にそれぞれ設けられた表面層を含む。具体的には、本発明のストレッチフィルムは、表面層/基層部/表面層の層構成を有し、好ましくは基層部と表面層とが直接積層されている。なお、本発明のストレッチフィルム中の表面層は、それぞれ同一の層であってもよいし、互いに異なる層(層を構成する樹脂組成や層厚みが異なる層)であってもよい。本発明のストレッチフィルムは、本発明の目的を損なわない範囲内で、上記基層部及び上記表面層以外の層を含んでいてもよい。上記の基層部及び表面層以外の層としては、特に限定されないが、例えば、帯電防止層やアンカーコート層などが挙げられる。本発明のストレッチフィルムの表面には、必要に応じて、コロナ放電処理やプライマー処理、フレーム処理等の慣用の表面処理が施されていてもよい。
(基層部)
本発明のストレッチフィルムにおける基層部は、層を3〜65層含み、層としてアイオノマーの含有量が50重量%以上である層(A層)と、ポリエチレン系樹脂の含有量が50重量%以上である層(B層)とを少なくとも1層ずつ含む。また、上記B層に含まれる上記ポリエチレン系樹脂の密度は、0.940g/cm3以下である。上記基層部を設けることにより、本発明のストレッチフィルムは、優れたストレッチ性を有しながら、一定の強度を有するものとなる。これにより、本発明のストレッチラベルの、ストレッチ性、製造適性及び破れ抑止性の全てを高いレベルとすることができる。
なお、「基層部」とは、本発明のストレッチフィルム中の表面層にはさまれた部分である。上記基層部は、A層及びB層を少なくとも1層ずつ含む。上記基層部は、A層を2層以上含むことが好ましい。また、上記基層部は、B層を2層以上含むことが好ましい。さらに、上記基層部は、A層及びB層を2層以上含み、且つ、層を4〜65層含むことが好ましい。本発明のストレッチフィルム中にA層が複数含まれる場合、本発明のストレッチフィルム中の複数のA層のうちの、全ての層又は一部の層は、同一の層であってもよいし、本願で規定するA層の範囲内で、互いに異なる層(層を構成する樹脂組成や層厚みが異なる層)であってもよい。同様に、本発明のストレッチフィルム中にB層が複数含まれる場合、本発明のストレッチフィルム中の複数のB層のうちの、全ての層又は一部の層は、同一の層であってもよいし、本願で規定するB層の範囲内で、互いに異なる層(層を構成する樹脂組成や層厚みが異なる層)であってもよい。なお、A層とB層とは互いに異なる層である。また、上記基層部の最外層は、特に限定されず、A層であってもよいし、B層であってもよい。上記基層部は、本発明の効果を損なわない範囲で、A層、B層以外の層(他の層)を含んでいてもよいが、A層とB層のみからなり、他の層を含まないものが最も好ましい。他の層は、例えば、A層とB層との間、A層同士の間、B層同士の間に、又は基層部の最外層として含まれていてもよい。上記他の層は、例えば、A層、B層以外のポリオレフィン系樹脂を主成分とする層、熱可塑性エラストマーを主成分とする層などが挙げられる。
(A層)
A層は、アイオノマーの含有量が50重量%以上である層である。基層部がA層を有することにより、本発明のストレッチラベルは、ストレッチ性を保ちつつ、製造適性及び破れ抑止性を向上できる。
A層は、アイオノマーを必須成分として含む。上記アイオノマーは、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。また、A層は、上記アイオノマー以外の樹脂を含んでもよい。上記アイオノマー以外の樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。上記アイオノマー以外の樹脂は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
A層は、アイオノマーを50重量%以上含む層であり、好ましくは60重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。上記含有量の上限は、特に限定されないが、100重量%であってもよい。上記含有量が50重量%未満であると、基層部がやわらかくなりすぎ、ストレッチフィルムに印刷層を形成する際に、フィルムが伸びやすくなって、印刷層を適切な位置に形成することが困難となるため、ストレッチラベルの製造適性が低下する。また、ストレッチラベルの強度が低下して、破れ抑止性が低下する。なお、アイオノマーの含有量(重量%)は、A層の総重量(100重量%)に対する含有量である。なお、A層中に2種以上のアイオノマーが含まれる場合、アイオノマーの含有量は、A層中に含まれる全てのアイオノマーの含有量の合計量である。なお、本明細書では、「アイオノマーを50重量%以上含む層」を、「アイオノマーを主成分とする層」と称する場合がある。
上記アイオノマーとしては、例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(エチレン−アクリル酸共重合体又はエチレン−メタクリル酸共重合体)をベースポリマーとし、該ベースポリマーに含まれるカルボキシル基の一部又は全部が金属イオンにより架橋された構造のアイオノマーを用いることができる。
上記アイオノマーに含まれる金属イオンとしては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等の1価金属イオン、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、銅、亜鉛等の2価金属イオン、アルミニウム、鉄等の3価金属イオンなどが挙げられる。中でも、ナトリウムイオン、亜鉛イオンが好ましく、より好ましくは亜鉛イオンである。上記アイオノマーに含まれる金属イオンは、1種でもよいし、2種以上であってもよい。
上記アイオノマーの密度は、特に限定されないが、ストレッチフィルムの伸縮性、強度の観点から、0.920〜0.970g/cm3が好ましく、より好ましくは0.930〜0.965g/cm3である。また、上記アイオノマーのメルトフローレート(MFR)(温度190℃、荷重2.16kg)は、溶融押出適性観点から、0.8〜10g/10分が好ましく、より好ましくは0.9〜6g/10分である。また、上記アイオノマーのガラス転移温度(Tg)は、延伸特性の観点から、50〜80℃が好ましく、より好ましくは55〜75℃である。
上記アイオノマーとしては、特に限定されないが、公知乃至慣用のアイオノマーを使用することができる。上記アイオノマーとしては、市販品を用いてもよい。市販品としては、三井・デュポンポリケミカル(株)製、商品名「ハイミラン」などが市場で入手可能である。
上記A層は、特に限定されないが、アイオノマー以外の樹脂として、ポリエチレン系樹脂を含有してもよい。なお、アイオノマーとポリエチレン系樹脂は相溶性に課題があり、アイオノマーとポリエチレン系樹脂を混合させると、押出条件が制限され、メルトフラクチャーが発生する可能性が高い。しかし、本発明のストレッチフィルムは、特定層数の層から構成される多層構成の基層部を有していることにより、各層でメルトフラクチャーが発生する可能性を低下させている。ポリエチレン系樹脂は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。上記ポリエチレン系樹脂は、例えば、後述のB層に含まれるポリエチレン系樹脂として例示及び説明されたポリエチレン系樹脂などが好ましく使用できる。
上記A層中にポリエチレン系樹脂を含有する場合、上記A層中のポリエチレン系樹脂の含有量は、特に限定されないが、A層の総重量(100重量%)に対して、50重量%未満(例えば、0重量%を超え50重量%未満)であり、好ましくは40重量%以下(例えば、1〜40重量%)である。上記ポリエチレン系樹脂の含有量は、A層中に含まれる全てのポリエチレン系樹脂の含有量の合計量である。
上記A層は、本発明の効果を損なわない範囲内で、滑剤、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、難燃剤、着色剤(例えば、酸化チタン、カーボンブラック等)、ピニング剤(アルカリ土類金属)などの添加剤を含有してもよい。
上記A層の密度は、特に限定されないが、ストレッチラベルのストレッチ性、製造適性、破れ抑止性の観点から、0.925〜0.970g/cm3が好ましく、より好ましくは0.940〜0.965g/cm3である。
(B層)
B層は、ポリエチレン系樹脂の含有量が50重量%以上であり、当該B層に含まれる上記ポリエチレン系樹脂の密度が0.940g/cm3以下である。基層部がB層を有することにより、本発明のストレッチラベルは、A層を有していても硬くなり過ぎず、製造適性及び破れ抑止性に優れ、且つ、ストレッチ性にも優れる。
B層は、ポリエチレン系樹脂を必須成分として含む。上記ポリエチレン系樹脂は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。また、B層は、上記ポリエチレン系樹脂以外の樹脂を含んでもよい。上記ポリエチレン系樹脂以外の樹脂としては、例えば、上記ポリエチレン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂、アイオノマー、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。上記ポリエチレン系樹脂以外の樹脂は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
B層は、ポリエチレン系樹脂を50重量%以上含む層であり、好ましくは75重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。上記含有量の上限は、特に限定されないが、100重量%であってもよい。上記含有量が50重量%未満では、基層部が硬くなり、ストレッチラベルのストレッチ性が低下する。なお、上記含有量(重量%)は、B層の総重量(100重量%)に対する含有量である。なお、B層中に2種以上のポリエチレン系樹脂が含まれる場合、ポリエチレン系樹脂の含有量は、B層中に含まれる全てのポリエチレン系樹脂の含有量の合計量である。なお、本明細書では、「ポリエチレン系樹脂を50重量%以上含む層」を、「ポリエチレン系樹脂を主成分とする層」と称する場合がある。
本明細書において、ポリエチレン系樹脂は、エチレンを必須の単量体成分として構成される重合体であり、即ち、分子中(1分子中)にエチレンに由来する構成単位(構造単位)を少なくとも含む重合体である。ポリエチレン系樹脂としては、例えば、エチレンの単独重合体;エチレンと1種以上の単量体成分(エチレン以外の単量体成分)を必須の単量体成分として構成される共重合体(エチレン共重合体)等が挙げられる。なお、ポリエチレン系樹脂には、アイオノマーは含まれないものとする。
上記エチレン以外の単量体成分としては、例えば、α−オレフィン;塩化ビニルなどのビニル系モノマー;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸などの不飽和カルボン酸;無水マレイン酸、無水シトラコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸などの不飽和無水カルボン酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸エステル;アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイミドなどの不飽和アミド又はイミド;(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸亜鉛などの不飽和カルボン酸塩などが挙げられる。上記エチレン以外の単量体成分は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどの炭素数3〜20のα−オレフィン(好ましくは炭素数4〜8のα−オレフィン)などが挙げられる。上記α−オレフィンは、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記エチレン共重合体としては、例えば、エチレンと1種以上のα−オレフィンを必須の単量体成分として構成される共重合体(エチレン−α−オレフィン共重合体);エチレン−酢酸ビニル系共重合体(EVA);エチレン−アクリル酸系共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸系共重合体(EMAA)等のエチレン−カルボン酸系共重合体;エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)等のエチレン−カルボン酸エステル系共重合体などが挙げられる。
上記ポリエチレン系樹脂は、メタロセン触媒を用いて重合して得られたポリエチレン系樹脂(メタロセン触媒系ポリエチレン系樹脂)であってもよい。上記メタロセン触媒としては、公知乃至慣用のオレフィン重合用メタロセン触媒を用いることができる。
上記ポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などが挙げられる。なお、上記LDPEは、エチレンに由来する構成単位を少なくとも含み、高圧法により製造される0.850〜0.945g/cm3程度の低密度のポリエチレンをいう。上記LLDPEは、エチレンに由来する構成単位を少なくとも含み、中・低圧法により製造され、短鎖分岐を持った0.850〜0.945g/cm3程度の低密度のポリエチレンをいう。
上記B層に含まれるポリエチレン系樹脂としては、特に限定されないが、エチレンの単独重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、EVAが好ましく、エチレンの単独重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体が特に好ましい。また、上記B層に含まれるポリエチレン系樹脂は、LDPE、LLDPE、EVAが好ましく、LLDPEがより好ましい。特に、LLDPEは、成膜加工適性の観点から、メタロセン触媒を用いて重合して得られたLLDPE(メタロセン触媒系LLDPE)が好ましい。B層にEVAを含有する場合、酢酸ビニル成分(VA成分)の含有量は、B層全体に対して、1〜10重量%であることが好ましい。
上記B層に含まれるポリエチレン系樹脂(100重量%)中のエチレンに由来する構成単位の含有量、即ち、上記ポリエチレン系樹脂を構成する全単量体成分(100重量%)中のエチレンの含有量は、特に限定されないが、80重量%以上が好ましく、より好ましくは85重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上であり、その上限は100重量%、99重量%、98重量%又は95重量%であってもよい。また、上記エチレン−α−オレフィン共重合体(100重量%)中のα−オレフィンに由来する構成単位の含有量、即ち、上記エチレン−α−オレフィン共重合体を構成する全単量体成分(100重量%)中のα−オレフィンの含有量は、特に限定されないが、1〜20重量%が好ましく、より好ましくは2〜15重量%、さらに好ましくは5〜10重量%である。
上記B層に含まれるポリエチレン系樹脂の密度は、0.940g/cm3以下であり、好ましくは0.925g/cm3以下、より好ましくは、0.920g/cm3以下、特に好ましくは0.915g/cm3以下ある。上記密度の下限は、特に限定されないが、0.850g/cm3であってもよく、好ましくは0.870g/cm3、さらに好ましくは0.880g/cm3である。上記密度が0.940g/cm3を超えると、B層は硬くなり、ストレッチラベルのストレッチ性が低下する。なお、B層に2種以上のポリエチレン系樹脂が含まれる場合は、上記「B層に含まれるポリエチレン系樹脂の密度」は、上記B層に含まれる全てのポリエチレン系樹脂の密度である。B層に含まれる2種以上のポリエチレン系樹脂それぞれの密度は特に限定されない。なお、表面層に含まれていてもよいポリエチレン系樹脂の密度についても同様である。
上記B層に含まれるポリエチレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)(温度190℃、荷重2.16kg)は、特に限定されないが、溶融押出適性、生産性の観点から、1〜30g/10分が好ましく、より好ましくは1〜10g/10分である。
上記B層に用いられるポリエチレン系樹脂としては、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、宇部丸善ポリエチレン(株)製「ユメリット 4540F」、「ユメリット 3540F」、「ユメリット 2540F」、「ユメリット 1540F」、「ユメリット 0540F」、「ユメリット 2040FC」、「ユメリット 0520F」、「ユメリット 1520F」、「ユメリット 0520F」、「ユメリット 715FT」、(株)プライムポリマー製、「エボリュー SP1520」、「エボリュー SP2040」(以上、メタロセン触媒系LLDPE)、日本ポリエチレン(株)製「カーネル KF260T」、「カーネル KF360T」、「カーネル KF380」、「カーネル KS340T」(以上、メタロセン触媒系エチレン/α−オレフィン共重合体)、宇部丸善ポリエチレン(株)製「F234」(LDPE)、宇部丸善ポリエチレン(株)製「V206」、日本ポリエチレン(株)製「ノバテックEVAシリーズ」(以上、EVA)などのポリエチレン系樹脂が市場で入手可能である。
上記B層は、本発明の効果を損なわない範囲内で、滑剤、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、難燃剤、着色剤(例えば、酸化チタン、カーボンブラック等)、ピニング剤(アルカリ土類金属)などの添加剤を含有してもよい。
上記B層の密度は、特に限定されないが、ストレッチラベルのストレッチ性、製造適性、破れ抑止性の観点から、0.850〜0.940g/cm3が好ましく、より好ましくは0.870〜0.925g/cm3、さらに好ましくは0.880〜0.920g/cm3、特に好ましくは0.890〜0.915g/cm3である。
(基層部の層構成、物性等)
上記基層部は、層を3〜65層含み、且つ、層としてA層及びB層を少なくとも1層ずつ含む。これにより、本発明のシュリンクフィルム(及び本発明のシュリンクラベル)は、比較的硬いA層と比較的やわらかいB層を有しているため、製造適性及び破れ抑止性に優れ、且つ、ストレッチ性にも優れる。
上記基層部中に含まれるA層の層数は、少なくとも1層以上(例えば、1〜33層)であり、好ましくは2層以上(例えば、2〜17層)、より好ましくは4層以上(例えば、4〜17層)である。
上記基層部中に含まれるB層の層数は、少なくとも1層以上(例えば、1〜33層)であり、好ましくは2層以上(例えば、2〜17層)、より好ましくは4層以上(例えば、4〜17層)である。
上記基層部中に含まれる層の層数は、3〜65層であり、好ましくは5〜33層、より好ましくは9〜33層である。上記層数が3層未満では、基層部の多層化による効果が小さく、ストレッチラベルの製造適性や破れ抑止性が低下する。一方、上記層数が65層を超えると、ストレッチフィルムの厚み(総厚み)をストレッチラベルに適した範囲にする場合に、層1層あたりの厚みが薄くなりすぎて、ストレッチフィルム及びストレッチラベルの復元性が低下する。また、ストレッチフィルムが虹色化する場合がある。なお、特に限定されないが、上記基層部中に含まれる、A層とB層合計の層数は、上記範囲内であることが好ましい。
上記基層部において、A層及びB層は、特に限定されないが、交互に積層されていることが好ましく、他の層を介さずに、交互に直接積層されていることがより好ましい。A層とB層とが直接積層されていることにより、A層とB層との界面が形成され、本発明のストレッチフィルム及び本発明のストレッチラベルの強度が向上するため、好ましい。なお、A層とB層との界面が複数あると、本発明のストレッチフィルム及び本発明のストレッチラベルの強度がさらに向上するため、好ましい。
即ち、上記基層部は、層としてA層及びB層を、交互に、合計して3〜65層含むことが特に好ましい。
上記基層部は、A層及びB層を少なくとも1層ずつ含めばよい。上記基層部の積層構成は、特に限定されないが、具体的には、他の層を介さずに、「A層/B層」を繰り返し単位として繰り返す積層構成(A層/B層/A層/B層/・・・・/A層/B層/A層)、(B層/A層/B層/A層/・・・・/B層/A層/B層)、(A層/B層/A層/B層/・・・・/A層/B層)若しくは(B層/A層/B層/A層/・・・・/B層/A層)となっていることが好ましい。また、基層部の両面の最外層は、A層でもよいし、B層でもよいが、A層であることが好ましい。
特に限定されないが、上記基層部においては、全てのA層が同じ原料から形成されていることが好ましく、なおかつ、全てのB層が同じ原料から形成されていることが好ましい。即ち、A層同士、B層同士は、それぞれ、同じ原料から形成されていることが好ましい。特に、全てのA層は同じ組成の層であることが好ましく、なおかつ、全てのB層は同じ組成の層であることが好ましい。
上記基層部の密度は、特に限定されないが、0.890〜0.960g/cm3が好ましく、より好ましくは0.900〜0.945g/cm3である。上記密度が0.890g/cm3以上であると、基層部がやわらかくなりすぎず、ストレッチフィルムに印刷層を形成する際に、フィルムが伸びにくくなり、ストレッチラベルの製造適性が低下するのを抑制することができ、好ましい。また、ストレッチラベルの強度の低下に伴う破れ抑止性の低下を防止することができ、好ましい。一方、上記密度が0.951g/cm3以下であると、ストレッチラベルのストレッチ性が低下するのを防止することができ、好ましい。
<表面層>
本発明のストレッチフィルムにおける表面層は、基層部の両面側にそれぞれ設けられた層(樹脂層)である。
上記表面層は、ストレッチ性があり、印刷層が形成可能な樹脂層であれば特に限定されない。上記表面層に含まれる樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、スチレン−ブタジエンエラストマー等のスチレン系エラストマー、その他の熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。中でも、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。上記樹脂は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、プロピレンを必須の単量体成分として構成される重合体(ポリプロピレン系樹脂)、アイオノマー、環状オレフィン系重合体などが挙げられる。中でも、ストレッチ性、製造適性の観点から、ポリエチレン系樹脂、アイオノマーが好ましい。上記ポリオレフィン系樹脂は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記表面層に用いられる好適なポリエチレン系樹脂としては、中でも、ストレッチ性の観点から、LDPE、LLDPE(特に、メタロセン触媒系LLDPE)、EVAが好ましく、LLDPE(特に、メタロセン触媒系LLDPE)がより好ましい。表面層にEVAを含有する場合、酢酸ビニル成分(VA成分)の含有量は、表面層の総重量(100重量%)に対して、1〜10重量%であることが好ましい。
上記表面層に含まれていてもよいポリエチレン系樹脂の密度は、特に限定されないが、ストレッチ性、製造適性、破れ抑止性の観点から、0.940g/cm3以下が好ましく、より好ましくは0.925g/cm3以下、さらに好ましくは0.920g/cm3以下ある。上記密度の下限は、特に限定されないが、0.850g/cm3であってもよく、好ましくは0.870g/cm3、さらに好ましくは0.880g/cm3である。また、上記ポリエチレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)(温度190℃、荷重2.16kg)は、溶融押出適性、生産性の観点から、1〜30g/10分が好ましく、より好ましくは1〜10g/10分である。
上記表面層に含まれていてもよいポリエチレン系樹脂としては、市販品を用いることも可能であり、例えば、上述のB層に含まれるポリエチレン系樹脂の市販品として例示及び説明されたポリエチレン系樹脂が市場で入手可能である。
上記表面層に含まれていてもよいアイオノマーとしては、特に限定されないが、例えば、上述のA層に含まれるアイオノマーとして例示及び説明されたアイオノマーなどが挙げられる。
上記表面層に含まれていてもよいアイオノマーとしては、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、上述のA層に含まれるアイオノマーの市販品として例示及び説明されたアイオノマーが市場で入手可能である。
表面層がポリオレフィン系樹脂を含む場合、表面層中のポリオレフィン系樹脂の含有量は、特に限定されないが、ストレッチ性、製造適性の観点から、表面層の総重量(100重量%)に対して、50重量%以上が好ましく、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上、特に好ましくは95重量%以上である。上記含有量の上限は、特に限定されないが、100重量%であってもよく、好ましくは99重量%、さらに好ましくは98重量%である。なお、表面層中に2種以上のポリオレフィン系樹脂が含まれる場合には、上記「表面層中のポリオレフィン系樹脂の含有量」は、表面層中に含まれる全てのポリオレフィン系樹脂の含有量の合計量である。
なお、ストレッチラベルをヒートシールすることによって筒状ストレッチラベルを作製する場合、表面層中のアイオノマーの含有量が多いほどヒートシール性が低下する傾向にある。このため、表面層にアイオノマーを50重量%以上含む場合は、ヒートシールではなく、接着剤を使用してストレッチラベルから筒状ストレッチラベルを作製することが好ましい。なお、ヒートシール性に優れるストレッチラベルを得たい場合は、表面層中のポリエチレン系樹脂の含有量を50重量%以上とすることが好ましい。
上記表面層は、本発明の効果を損なわない範囲内で、滑剤、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、難燃剤、着色剤(例えば、酸化チタン、カーボンブラック等)、ピニング剤(アルカリ土類金属)などの添加剤を含有してもよい。
上記表面層の密度は、特に限定されないが、表面層にポリエチレン系樹脂を50重量%以上含有する場合は、ストレッチ性、製造適性、破れ抑止性の観点から、0.870〜0.925g/cm3が好ましく、より好ましくは0.880〜0.920g/cm3である。
中でも、上記表面層は、ストレッチ性、製造適性の観点から、ポリエチレン系樹脂又はアイオノマーを主成分とする層であることが特に好ましい。この場合、主成分となる上記表面層中のポリエチレン系樹脂又はアイオノマーの含有量は、特に限定されないが、表面層の総重量(100重量%)に対して、80重量%以上が好ましく、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上である。上記含有量の上限は、特に限定されないが、100重量%であってもよく、好ましくは99重量%、さらに好ましくは98重量%である。
(本発明のストレッチフィルムの構成、物性など)
本発明のストレッチフィルムは、上記基層部と、上記表面層を含む。上記表面層は、上記基層部の両面側に積層され、基層部の一面側と他面側とにそれぞれ設けられている。
本発明のストレッチフィルムの密度は、特に限定されないが、0.890〜0.950g/cm3が好ましく、より好ましくは0.900〜0.945g/cm3、さらに好ましくは、0.905〜0.930g/cm3である。上記密度が0.890g/cm3以上であると、ストレッチフィルム(特に基層部)が適度に硬くなり、ストレッチラベルの破れ抑止性や製造適性が向上し、好ましい。一方、上記密度が0.950g/cm3以下であると、ストレッチラベルのストレッチ性が向上し、好ましい。
本発明のストレッチフィルムの厚み(総厚み)は、特に限定されないが、10〜100μmが好ましく、より好ましくは20〜60μm、さらに好ましくは30〜55μmである。上記厚みが10μm以上であると、ストレッチフィルムの強度が高く、ストレッチラベルの製造適性や破れ抑止性が向上し、好ましい。上記厚みが100μm以下であると、ストレッチラベルを伸張させやすくなり、ストレッチ性が向上し、好ましい。また、本発明は、特に限定されないが、印刷層を形成する際にフィルムが伸びやすく製造適性が低下しやすい、厚みの比較的薄いストレッチフィルムを用いたストレッチラベルの場合に、製造適性向上の効果が顕著に発揮される。
上記表面層の厚み(1層の厚み)は、特に限定されないが、2〜30μmが好ましく、より好ましくは3〜20μm、さらに好ましくは5〜15μmである。なお、本発明のストレッチフィルム中の、基層部の両面側のそれぞれの表面層の厚みは、同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
上記基層部の厚みは、特に限定されないが、5〜75μmが好ましく、より好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは15〜45μmである。
上記A層の厚み(1層の厚み)は、特に限定されないが、下限は0.5μm以上が好ましく、より好ましくは1μm以上であり、上限は15μm以下が好ましく、より好ましくは10μm以下、さらに好ましくは7μm以下である。なお、本発明のストレッチフィルム中の複数のA層の厚みは、それらのうちの全て又は一部が同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
上記B層の厚み(1層の厚み)は、特に限定されないが、下限は0.5μm以上が好ましく、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは2μm以上であり、上限は30μm以下が好ましく、より好ましくは25μm以下、さらに好ましくは15μm以下、特に好ましくは10μm以下である。なお、本発明のストレッチフィルム中の複数のB層の厚みは、それらのうちの全て又は一部が同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
本発明のストレッチフィルム中の、表面層の厚み(全ての表面層の厚みの合計)と基層部の厚みの比[(表面層の厚み):(基層部の厚み)]は、特に限定されないが、3:1〜1:10が好ましく、より好ましくは2:1〜1:8、さらに好ましくは、1:1.5〜1:6である。
本発明のストレッチフィルム中の、A層の厚み(全てのA層の厚みの合計)とB層の厚み(全てのB層の厚みの合計)の比[(A層の厚み):(B層の厚み)]は、特に限定されないが、4:1〜1:10が好ましく、より好ましくは2:1〜1:8、さらに好ましくは1:1〜1:6、特に好ましくは1:1.1〜1:5である。
本発明のストレッチフィルムが透明である場合には、当該ストレッチフィルムのヘイズ(ヘーズ)値[JIS K 7136準拠、厚み40μm換算、単位:%]は、特に限定されないが、10%以下が好ましく、より好ましくは7%以下、さらに好ましくは5%以下である。ヘイズ値が10%を超えると、ストレッチフィルムの内側(ストレッチラベルを容器に装着した時に容器側になる面側)に印刷を施し、ストレッチフィルムを通して印刷を見せるストレッチラベル(裏印刷ストレッチラベル)の場合、製品とした際に、印刷が曇り、装飾性が低下することがある。ただし、ヘイズ値が10%を超える場合であっても、ストレッチフィルムを通して印刷を見せる上記用途以外の用途(表印刷ストレッチラベル)においては不透明であってもよく、十分に使用可能である。
[ストレッチラベル]
本発明のストレッチラベルは、本発明のストレッチフィルムを少なくとも有するストレッチラベルである。本発明のストレッチラベルは、本発明のストレッチフィルム以外の層を有していてもよい。本発明のストレッチラベルは、少なくとも一方向にストレッチ性を有し、一方向に伸張させて用いることができる。
(本発明のストレッチフィルム以外の層)
本発明のストレッチラベルに含まれる、本発明のストレッチフィルム以外の層としては、特に限定されないが、印刷層、接着剤層(感圧性接着剤層、感熱性接着剤層等)、保護層、アンカーコート層、プライマーコート層、コーティング層、帯電防止層などが挙げられる。
(印刷層)
上記印刷層としては、特に限定されず、例えば、ストレッチラベルにおいて用いられる公知乃至慣用の印刷層等が挙げられる。また、上記印刷層としては、例えば、商品名、イラスト、取り扱い注意事項等の図やデザインなどの意匠印刷層(カラー印刷層等)、白などの単一色で形成された背景印刷層などが挙げられる。上記印刷層は、特に限定されないが、本発明のストレッチフィルムの片面側のみに設けられていてもよいし、本発明のストレッチフィルムの両面側に設けられていてもよい。また、上記印刷層は、本発明のストレッチフィルムの表面(印刷層が設けられる側の表面)の全面に設けられていてもよいし、一部に設けられていてもよい。さらに、上記印刷層は、特に限定されないが、単層であってもよいし、複層であってもよい。
上記印刷層は、特に限定されないが、バインダー樹脂を必須成分として含み、必要に応じて、青、赤、黄、黒、白等の着色顔料や滑剤、分散剤、消泡剤等の添加剤を含むことが好ましい。上記バインダー樹脂、上記着色顔料等は、それぞれ、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記バインダー樹脂としては、特に限定されず、例えば、公知乃至慣用の印刷層、印刷インキにおいてバインダー樹脂として用いられる樹脂を用いることができる。上記バインダー樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース系樹脂(ニトロセルロース系樹脂を含む)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系樹脂などが挙げられる。上記着色顔料としては、特に限定されず、例えば、公知乃至慣用の印刷層、印刷インキにおいて用いられる着色顔料を用いることができる。上記着色顔料は、例えば、酸化チタン(二酸化チタン)等の白顔料、銅フタロシアニンブルー等の藍顔料、カーボンブラック、アルミフレーク、雲母(マイカ)、その他着色顔料等を用途に合わせて選択、使用できる。また、上記着色顔料として、その他にも、光沢調整などの目的で、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アクリルビーズ等の体質顔料も使用できる。
上記印刷層の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.1〜10μmが好ましく、より好ましくは0.3〜5μmである。上記厚みが0.1μm未満では、印刷層を均一に設けることが困難である場合があり、部分的な「かすれ」が起こり、装飾性が損なわれる場合や、デザイン通りの印刷が困難となる場合がある。また、上記厚みが10μmを超えると、印刷インキを多量に消費するため、コストが高くなったり、均一に塗布することが困難となったり、印刷層がもろくなり剥離しやすくなったり、ストレッチ性が低下したりする場合がある。
(保護層)
上記保護層は、ストレッチフィルムや印刷層を保護するために設けられる層であり、特に限定されないが、公知乃至慣用のストレッチラベル用の保護層を用いることができる。上記保護層としては、特に限定されないが、コーティング剤により形成された保護層(保護コーティング層)であることが好ましい。上記保護層は、特に限定されないが、本発明のストレッチフィルムの片面側のみに設けられていてもよいし、本発明のストレッチフィルムの両面側に設けられていてもよい。また、上記保護層は、特に限定されないが、本発明のストレッチフィルムの印刷層の表面に設けられていてもよいし、本発明のストレッチフィルムの表面に設けられていてもよい。また、上記保護層は、本発明のストレッチフィルムの少なくとも一方の面の全面に設けられていてもよいし、一部に設けられていてもよい。
上記保護コーティング層を介して印刷層の印刷表示やデザインを見る場合は、特に限定されないが、上記保護コーティング層は透明であることが好ましい。上記保護コーティング層が透明である場合は、特に限定されないが、有色、無色のどちらでもよく、無色が好ましい。
上記保護層の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.1〜10μmが好ましい。
上記保護コーティング層は、特に限定されないが、バインダー樹脂及び滑剤(例えば、ワックス等)を必須成分として含むことが好ましい。なお、上記保護コーティング層は、必要に応じて添加剤を含んでもよい。上記バインダー樹脂、上記滑剤は、それぞれ、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記保護コーティング層におけるバインダー樹脂としては、特に限定されず、例えば、公知乃至慣用のコーティング層、コーティング剤においてバインダー樹脂として用いられる樹脂を用いることができる。上記バインダー樹脂としては、例えば、上述の印刷層におけるバインダー樹脂として例示及び説明されたバインダー樹脂などが挙げられる。また、上記滑剤としては、特に限定されず、例えば、公知乃至慣用のコーティング層、コーティング剤において用いられる滑剤を用いることができる。
図1〜3は、それぞれ、本発明のストレッチラベルの一例を示す概略図(部分断面図)である。図1に記載の本発明のストレッチラベル4は、本発明のストレッチフィルム1と、本発明のストレッチフィルム1の一方の面側に設けられた印刷層2と、本発明のストレッチフィルム1の他方の面側に設けられた保護コーティング層3と、を含む。本発明のストレッチフィルム1は、基層部12と、基層部12の両面側にそれぞれ1層ずつ設けられた表面層11とを含む。基層部12は、その最外層(表面層11と接する層)をA層12aとし、A層12aとB層12bとが、交互に、合計9層積層されて形成されている。表面層11と基層部12とは他の層を介することなく直接積層されている。具体的には、表面層11と基層部12の最外層となるA層12aとが他の層を介することなく直接積層されている。
図2に記載の本発明のストレッチラベル4は、本発明のストレッチフィルム1と、本発明のストレッチフィルム1の一方の面側に設けられた印刷層2と、本発明のストレッチフィルム1の他方の面側に設けられた保護コーティング層3と、を含む。本発明のストレッチフィルム1は、基層部12と、基層部12の両面側にそれぞれ1層ずつ設けられた表面層11とを含む。なお、図2に記載の本発明のストレッチラベル3は、基層部12が、図1との関係において、A層12aとB層12bの位置関係が逆のストレッチラベルである。即ち、基層部12は、その最外層(表面層11と接する層)をB層12bとし、B層12bとA層12aとが、交互に、合計9層積層されて形成されている。表面層11と基層部12とは他の層を介することなく直接積層されている。具体的には、表面層11と基層部12の最外層となるB層12bとが他の層を介することなく直接積層されている。
図3に記載の本発明のストレッチラベル4は、本発明のストレッチフィルム1と、その一方の面側に設けられた印刷層2と、他方の面側に設けられた保護コーティング層3と、を含む。本発明のストレッチフィルム1は、基層部12と、基層部12の両面側にそれぞれ1層ずつ設けられた表面層11とを含む。基層部12は、その最外層(表面層11と接する層)をA層12aとし、A層12aとB層12bとが、交互に、合計17層積層されて形成されている。なお、図3に記載の本発明のストレッチラベル4において、A層12aとB層12bは、逆の位置関係、即ち、基層部の最外層をB層12bとし、A層12aとB層12bとが、交互に、合計17層積層されている構成であってもよい。
本発明のストレッチラベルの厚み(総厚み)は、特に限定されないが、10〜110μmが好ましく、より好ましくは15〜65μm、さらに好ましくは30〜55μmである。
本発明のストレッチラベルは、容器への装着し易さの観点から、筒状のストレッチラベル(筒状ストレッチラベル)が好ましい。上記筒状ストレッチラベルは、例えば、本発明のストレッチラベルの両端を溶剤、接着剤、又はヒートシール等でシールし筒状にした後容器に外嵌装着されるタイプの筒状ラベルである。以下、「本発明の筒状ストレッチラベル」と称する場合がある。
(ストレッチラベルの物性)
本明細書における、ストレッチラベルのストレッチ性(伸縮性)は、特に限定されないが、例えば、下記の少なくとも一方向における「60%歪み時引張応力」等により調整することができる。特に、伸張性は少なくとも一方向における「60%歪み時引張応力」により、復元性は少なくとも一方向における「60%伸張後の残留歪み」により調整することができる。なお、本明細書では、「60%歪み時引張応力」を「F60値」と称する場合がある。
下記ストレッチ試験により測定される、本発明のストレッチラベルの少なくとも一方向における、60%伸張後の残留歪み(50mm/分)は、特に限定されないが、15%以下が好ましく、より好ましくは13%以下、さらに好ましくは12.5%以下である。上記60%伸張後の残留歪みが15%を超える場合には、ストレッチラベルは高伸張した場合に復元性が低下する場合があり、複雑な形状を有する被装着物(容器など)に対して十分に追従せずラベルの装着状態(見栄えなど)が悪くなる場合がある。ここで、60%伸張とは、初期の長さを100とした時に、長さが160となるまで伸張させることを言う。
下記ストレッチ試験により測定される、本発明のストレッチラベルの少なくとも一方向における、60%伸張後の残留歪み(6000mm/分)は、特に限定されないが、30%以下が好ましく、より好ましくは20%以下、さらに好ましくは18%以下である。上記60%伸張後の残留歪みが30%を超える場合には、ストレッチラベルは高伸張した場合に復元性が低下する場合があり、複雑な形状を有する被装着物(容器など)に対して十分に追従せずラベルの装着状態(見栄えなど)が悪くなる場合がある。
なお、上記60%伸張後の残留歪み(50mm/分、6000mm/分)の下限は、0%が好ましい。
<ストレッチ試験>
引張試験機を用い、温度23±2℃、相対湿度50±5%(%RH)の温湿度条件下にて試験を行う。測定用サンプル(試験片)を、測定方向(引張方向)に所定の試験速度(引張速度)で伸度(伸び)60%まで引っ張る(60%伸張させる)。次いで(伸度60%に到達した直後)、外力を解除して(所定の試験速度で引張試験機のチャック(つかみ具)を上記引張方向とは反対方向(除荷方向)に動かして)、測定用サンプルを収縮(自己収縮)させる。引張試験機により伸度と引張応力を計測し、上記の測定用サンプルを収縮させる過程(除荷過程)において、測定方向(引張方向)の応力(引張応力)が0となった点における測定用サンプルの伸度を測定し、上記測定用サンプルの測定方向における「60%伸張後の残留歪み」とする。
上記の所定の試験速度は、60%伸張後の残留歪み(50mm/分)の場合は50mm/分であり、60%伸張後の残留歪み(6000mm/分)の場合は6000mm/分である。上記引張試験機は、特に限定されないが、例えば、島津製作所(株)製「島津オートグラフ(AGS−50G:ロードセルタイプ500N)」などが挙げられる。
なお、試験条件等は、必要に応じて、JIS K 7161を参考にすることができる。
本発明のストレッチラベルの少なくとも一方向における60%歪み時引張応力(F60値[X])は、特に限定されないが、1〜12MPaが好ましく、より好ましくは2〜10MPa、さらに好ましくは3〜9MPaである。上記F60値[X]が1MPa未満の場合には、ストレッチラベルがやわらかくなりすぎて、破れ抑止性が低下する場合がある。上記F60値[X]が12MPaを超える場合には、ストレッチラベルが硬くなりすぎて、ストレッチ性が低下する場合がある。
本発明のストレッチラベルの上記一方向と直交する方向における60%歪み時引張応力(F60値[Y])は、特に限定されないが、4〜40MPaが好ましく、より好ましくは5〜30MPa、さらに好ましくは9〜25MPaである。上記F60値[Y]が4MPa未満の場合には、ストレッチラベルがやわらかくなりすぎて製造適性が低下し、また、破れ抑止性が低下する場合がある。上記F60値[Y]が40MPaを超える場合には、ストレッチラベルが硬くなりすぎる場合がある。
上記「60%歪み時引張応力(F60値)」は、引張試験において、測定用サンプルを測定方向に歪み(伸度、伸び)60%としたとき(60%伸張させたとき)の引張応力である。上記引張試験に用いる引張試験機は、特に限定されないが、例えば、島津製作所(株)製「島津オートグラフ(AGS−50G:ロードセルタイプ500N)」などが挙げられる。なお、試験条件等は、必要に応じて、JIS K 7161を参考にすることができる。
本明細書において、本発明のストレッチラベルの少なくとも一方向における60%歪み時引張応力を「F60値[X]」と称する場合がある。また、本発明のストレッチラベルの上記一方向に直交する方向における60%歪み時引張応力を「F60値[Y]」と称する場合がある。
上記F60値[X]に対する、上記F60値[Y]の割合[(F60値[Y])/(F60値[X])]は、特に限定されないが、1.5〜4が好ましく、より好ましくは1.7〜3.5、さらに好ましくは2〜3である。上記割合が上記範囲内であると、ストレッチラベルの上記一方向と直交する方向のストレッチ性に優れながら、上記一方向のストレッチ性が適度となり、製造適性及び破れ抑止性が向上し、好ましい。
本発明のストレッチラベルの上記一方向と直行する方向における、引張応力が4.3MPaのときの伸びは、特に限定されないが、製造適性向上の観点から、9%以下(例えば、1〜9%)が好ましく、より好ましくは2〜9%、さらに好ましくは3〜8%である。なお、上記「引張応力が4.3MPaのときの伸び」は、引張試験において、測定用サンプルを測定方向の引張応力が4.3MPaとなるまで引っ張った時の伸び率である。上記引張試験に用いる引張試験機は、特に限定されないが、例えば、島津製作所(株)製「島津オートグラフ(AGS−50G:ロードセルタイプ500N)」などが挙げられる。
図4及び図5を用いて、本発明のストレッチラベルの好ましい実施形態である筒状ストレッチラベルの一例について説明をする。図4に記載の本発明の筒状ストレッチラベル5は、本発明のストレッチフィルムを含む本発明のストレッチラベルの一端部の外側に他端部を重ね合わせて筒状とし、他端部の内面と一端部の外面とを溶剤、接着剤、又はヒートシールで接合しシール部51が形成された筒状体である。筒状ストレッチラベル5は、矩形状に形成された本発明のストレッチラベルが、本発明のストレッチフィルムの一方向(ストレッチ性を有する方向)が筒状ストレッチラベルの周方向Dとなるように筒状にされており、当該方向に伸縮可能である。
図5は、図4におけるA−A’ 断面、即ち、本発明の筒状ストレッチラベル5のシール部51付近の要部拡大図である。具体的には、本発明のストレッチラベルは、本発明のストレッチフィルム1の一方の面(筒状体の内面側の面)の他端部の端から所定幅の領域を除いた領域に意匠印刷層62が形成され、その意匠印刷層62を覆うように、ストレッチフィルム1の一方の面の他端部の端から所定幅の領域を除いた領域の略全域に背景印刷層61が形成されている。また、本発明の筒状ストレッチラベル5は、ストレッチフィルム1の他方の面(筒状体の外面側の面)の一端部の端から所定幅の領域を除いた領域に保護コーティング層64が形成されている。このため、本発明のストレッチラベルには、他端部の端から所定幅の領域は、意匠印刷層62及び背景印刷層61が形成されておらず、本発明のストレッチフィルム1が露出し、フィルム露出面が形成され、一端部の端から所定幅の領域を除いた領域には、保護コーティング層64が形成されていないフィルム露出面が形成されている。本発明の筒状ストレッチラベル5は、具体的には、本発明のストレッチラベルの他端部の内面側に形成されたフィルム露出面と、一端部の外面側に形成されたフィルム露出面とを、ヒートシールすることによって接合されている。
上記意匠印刷層は、特に限定されないが、例えば、商品名、イラスト、取り扱い注意事項等の所望の表示となるように着色顔料の異なる複数の印刷層によって形成されている。
上記背景印刷層は、本発明の筒状ストレッチラベルを筒の外側から観察したときの意匠印刷層の背景となる印刷層であり、例えば、着色顔料として酸化チタンを20〜60重量%含有する白色印刷層によって形成されている。
上記意匠印刷層の厚みは、例えば、0.1〜5μmであり、上記背景印刷層の厚みは、例えば、0.5〜5μmであり、意匠印刷層と背景印刷層とで形成された印刷層は、全体として、例えば、1〜10μmに形成されている。
上記保護コーティング層は、例えば、保護コーティング層の総重量に対して滑剤0.1〜10重量%含有するコーティング層であって、筒の内面側に設けられた意匠印刷層の表示が目視できるように透明性を有している。
上記シール部の幅は、特に限定されないが、0.2〜10mmが好ましく、より好ましくは0.3〜5mm、さらに好ましくは0.4〜2mmである。
なお、上記の好ましい筒状ストレッチラベルでは、シール部51として、他端部の内面と一端部の外面とを接合する接合形態(封筒貼り)を示したが、これに限定されるものではなく、一端部と他端部の内面側の面同士、あるいは外面側の面同士を重ね合わせ、この重ね合わせ部分をヒートシール等により接合(合掌貼り)する接合形態であってもよい。この場合においても、内面側又は外面側に形成されたフィルム露出面同士を重ね合わせて接合することが好ましい。
本発明のストレッチラベルに用いられる、本発明のストレッチフィルムは、層を3〜65層含み、且つ、層として、硬い樹脂であるアイオノマーを主成分とする層と、軟らかい樹脂である特定の密度を有するポリエチレン系樹脂を主成分とする層とを少なくとも1層ずつ含む。このため比較的やわらかく、伸張性にも復元性にも優れている。これにより、本発明のストレッチラベルはストレッチ性に優れ、高倍率に伸張可能であり、高倍率に伸張させた場合にも、高い復元性を示す。この優れたストレッチ性を利用し、高倍率に伸張させて被装着物に装着することにより、複雑な形状の被装着物に対しても高い装着性(追従性)で装着することができる。これと同時に、高い復元性は維持しながら、応力に対する過度の伸びやすさが抑制される。このため、印刷層の形成時に、搬送時にかかる応力によってフィルムが伸びにくく、本発明のストレッチラベルは、製造適性に優れる。また、優れたデザインを有するストレッチラベルを作製することができる。
さらに、本発明のストレッチフィルムは、上記の構成により強度が向上しているため、本発明のストレッチラベルは破れ抑止性にも優れている。このため、ラベルをボトルなどに装着した後にケースに入れて輸送する際にも、ボトル同士がぶつかることによるラベルの破れを抑制することができる。
[本発明のストレッチラベルの製造方法]
本発明のストレッチラベルの製造方法は、本発明のストレッチフィルムを作製する工程を少なくとも含む。本明細書では、上記「本発明のストレッチフィルムを作製する工程」を「フィルム作製工程」と称する場合がある。本発明のストレッチラベルの製造方法は、さらに、本発明のストレッチフィルム以外の層を形成する工程などの他の工程(上記フィルム作製工程以外の工程)を含んでいてもよい。
(フィルム作製工程)
上記フィルム作製工程において、本発明のストレッチフィルムは、溶融製膜などの慣用の方法によって作製することができる。中でも、溶融製膜法(特に、Tダイ法)が好ましい。また、積層の方法としては、慣用の方法、例えば、共押出法(フィードブロック法、マルチマニホールド法等)、ドライラミネート法などを用いることができる。中でも、共押出法が好ましく、フィードブロック法が好ましい。さらに、レイヤー・マルチプライヤー(layer multiplier)を用いて、特にフィードブロックとレイヤー・マルチプライヤーを組み合わせて用いて、基層部の多層化を行うことが好ましい。上記レイヤー・マルチプライヤーは、フィルム層を多層化する装置である。上記レイヤー・マルチプライヤーでフィルム層を多層化する方法としては、特に限定されないが、フィルム層を幅方向に分割した後、分割したフィルム層を厚み方向に積層する方法が挙げられる。本明細書では、上記「レイヤー・マルチプライヤー」を、単に「マルチプライヤー」と称する場合がある。上記マルチプライヤーは、例えば、EDI社より入手できる。
上記共押出法(フィードブロック法)の具体的な一例を下記に説明する。例えば、それぞれ所定の温度に設定した複数の押出機に、基層部を形成する原料、表面層を形成する原料をそれぞれ投入し、Tダイから共押出する。この際、フィードブロックとマルチプライヤーを組み合わせて用いて、基層部を多層化し、所定の積層構成とすることが好ましい。また必要に応じて、ギアポンプを用いて供給量を調節してもよい。さらにフィルターを用いて、異物を除去するとフィルム破れが低減できるため好ましい。なお、押出温度は、用いる原料の種類によっても異なり、特に限定されないが、150〜250℃が好ましい。上記共押出したポリマーを、冷却ドラムなどを用いて急冷することにより、積層未延伸フィルム(シート)を得ることができる。
上記フィルム作製工程は、特に限定されないが、基層部がA層とB層のみから形成されるストレッチフィルムの場合、A層を構成する原料(「原料(a)」と称する場合がある)と、B層を構成する原料(「原料(b)」と称する場合がある)と、上記表面層を構成する原料(「原料(c)」と称する場合がある)とをそれぞれ溶融する第1の段階;上記第1の段階で溶融された、原料(a)と、原料(b)とを積層して、また、必要に応じてさらに多層化して積層体を形成する第2の段階;及び、上記第2の段階で形成された積層体の両面側に、上記第1の段階で溶融された、原料(c)を1層ずつ積層する第3の段階を少なくとも含む。さらに、他の段階(第1の段階、第2の段階、及び第3の段階以外の段階)を含んでいてもよい。上記他の段階は、例えば、第1の段階の前、第3の段階の後、第1の段階と第2の段階との間、第2の段階と第3の段階との間などのいずれの位置に設けられてもよい。
上記第1の段階においては、公知乃至慣用の押出機を用いて、原料(a)、原料(b)、原料(c)をそれぞれ、溶融(又は溶融混練)することが好ましい。例えば、それぞれ所定の温度に設定した3台の押出機に、原料(a)、原料(b)、原料(c)をそれぞれ投入して、溶融(又は溶融混練)を行うことができる。押出温度は、特に限定されないが、150〜250℃が好ましい。
上記第2の段階において、上記第1の段階において溶融された、原料(a)と、原料(b)とを積層し、形成される積層体は、特に限定されないが、例えば、上記溶融された原料(a)と原料(b)とを順次積層して、あるいはフィードブロックを用いて同時に積層して形成することができる。他に、上記積層体としては、上記の順次積層あるいは共押出(同時積層)して形成した積層体を、マルチプライヤーを用いてさらに多層化して形成された積層体であってもよい。上記積層には、特に限定されないが、フィードブロックとマルチプライヤーを組み合わせて用いることが好ましい。上記フィードブロックやマルチプライヤーは、それぞれ、1のみを用いてもよいし、2以上を用いてもよい。上記積層体において、原料(a)から形成された層の層数と原料(b)から形成された層の層数の合計は3〜65層が好ましく、より好ましくは5〜33層、さらに好ましくは9〜33層である。上記第2の段階において得られた積層体は、本発明のストレッチフィルムの基層部を形成する。
上記第2の段階において、原料(a)と、原料(b)を積層して得られる積層体は、具体的には、例えば、上記第1の段階で溶融された原料(a)及び原料(b)を、フィードブロックを用いて押出し、[原料(a)/原料(b)/原料(a)]の構成を有する積層体(「積層体1」と称する場合がある)を得ることができる。
他に、上記第2の段階において、原料(a)と、原料(b)を積層し、さらに多層化された積層体は、具体的には、例えば、上記積層体1を1つの単位として、マルチプライヤーを用いて積層し、[原料(a)/原料(b)/原料(a)/原料(a)/原料(b)/原料(a)/・・・・/原料(a)/原料(b)/原料(a)]の構造を有する積層体(「積層体2」と称する場合がある)を得ることができる。
他に、上記第2の段階において、原料(a)と、原料(b)を積層して得られる積層体は、具体的には、例えば、上記第1の段階で溶融された原料(a)及び原料(b)を、フィードブロックを用いて押出し、[原料(b)/原料(a)/原料(b)]の構成を有する積層体(「積層体3」と称する場合がある)を得ることができる。
他に、上記第2の段階において、原料(a)と、原料(b)を積層し、さらに多層化された積層体は、具体的には、例えば、上記積層体3を1つの単位として、マルチプライヤーを用いて積層し、[原料(b)/原料(a)/原料(b)/原料(b)/原料(a)/原料(b)/・・・・/原料(b)/原料(a)/原料(b)]の構造を有する積層体(「積層体4」と称する場合がある)を得ることもできる。
他に、上記第2の段階において、原料(a)と、原料(b)を積層して得られる積層体は、具体的には、例えば、上記第1の段階で溶融された原料(a)及び原料(b)を、フィードブロックを用いて押出し、[原料(a)/原料(b)]の構成を有する積層体を作製し、次いで上記積層体を1つの単位として、マルチプライヤーを用いて積層し、[原料(a)/原料(b)/原料(a)/原料(b)/・・・・/原料(a)/原料(b)]の構造を有する積層体(「積層体5」と称する場合がある)を得ることができる。なお、上記積層体5は、逆から追えば、[原料(b)/原料(a)/原料(b)/原料(a)/・・・・/原料(b)/原料(a)]の構造を有する積層体でもある。
上記第3の段階において、上記第2の段階で形成された積層体(例えば、積層体1〜5)の両面側に、上記第1の段階で溶融された、原料(c)を積層する際には、フィードブロックを用いることが好ましい。積層された原料(c)は、本発明のストレッチフィルムの表面層を形成する。上記第3の段階により、上記第2の段階において形成された積層体の両面側に、上記第1の段階において溶融された、原料(c)が積層された、多層構造体が得られる。
特に限定されないが、上記第1の段階、第2の段階、及び第3の段階を経て形成された積層体をTダイから共押出し、冷却ドラムなどを用いて急冷することにより、A層及びB層を少なくとも1層ずつ含む積層未延伸フィルム(シート)を得ることができる。
なお、[原料(a)/原料(b)/原料(a)/原料(a)/原料(b)/原料(a)/・・・・/原料(a)/原料(b)/原料(a)]の構造を有する上記積層体2は、[A層/B層/A層/A層/B層/A層/・・・・/A層/B層/A層]の構造を有する基層部となるはずであるが、実際は、積層体2の同一素材を積層した[原料(a)/原料(a)]から形成される[A層/A層]の部分は界面が見えなくなり1つのA層となるため、[A層/B層/A層/B層/・・・・/A層/B層/A層]の構造を有する基層部となる。同様に、上記積層体4の同一素材を積層した[原料(b)/原料(b)]から形成される[B層/B層]の部分は界面が見えなくなり1つのB層となるため、上記積層体4に由来する基層部は、[B層/A層/B層/B層/A層/B層/・・・・/B層/A層/B層]の構造を有する基層部となるはずであるが、実際は、[B層/A層/B層/A層/・・・・/B層/A層/B層]の構造を有する基層部となる。
なお、表面層と基層部の最外層の層(樹脂層)とが同一の樹脂組成物を原料とする層である場合はその界面が見えなくなり、表面層と基層部の最外層の層とが1つの層(表面層)となる。
上記他の段階としては、特に限定されないが、延伸を行う段階、表面処理を行う段階などが挙げられる。上記延伸を行う段階(延伸段階)は行わなくてもよいが、製造適性の観点から、わずかに延伸を行ってもよい。上記延伸は、長手方向(縦方向又はMD方向とも称する)および幅方向(長手方向と直交する方向。横方向又はTD方向とも称する)の2軸延伸、長手方向又は幅方向の1軸延伸等を用いることができる。上記延伸は、中でも、少なくとも長手方向(MD方向)に1軸延伸することが好ましい。ストレッチフィルムを少なくともMD方向に1軸延伸すると、ストレッチフィルムがMD方向に硬くなり、伸びが抑制されることにより、製造適性が向上するため、好ましい。なお、1軸延伸されたストレッチフィルムは、延伸方向と直行する方向に高伸長させると、延伸方向の歪みが発生し、例えば印刷層を設けた場合に、歪みによって延伸方向に印刷層が割れる虞がある観点から、上記延伸は、MD方向及びTD方向に2軸延伸することがより好ましい。延伸方式は、ロール方式、テンター方式、チューブ方式の何れの方式を用いてもよい。2軸延伸する場合には、同時に2軸に延伸してもよく、逐次に2軸に延伸してもよい。より具体的には、例えば、ロール方式により長手方向に延伸温度60〜75℃、延伸倍率1.05〜1.30倍で延伸した後、テンター方式により幅方向に延伸温度60〜75℃、延伸倍率1.05〜1.30倍で延伸する。上記長手方向の延伸倍率や幅方向の延伸倍率が1.30倍を超えると、ストレッチラベルのストレッチ性が低下する場合がある。
なお、本明細書において、ストレッチフィルムの「長手方向」とはストレッチフィルムの製造ライン方向である。また、ストレッチフィルムの「幅方向」とは上記長手方向と直交する方向である。
上記表面処理を行う段階としては、例えば、本発明のストレッチフィルムの表面にコロナ放電処理やプライマー処理、フレーム処理等の慣用の表面処理を行う段階が挙げられる。
上記フィルム作製工程では、基層部がA層とB層のみから形成される例を説明したが、A層及びB層以外の層を含む場合も、同様の工程により基層部及び積層未延伸フィルムを作製することができる。また、上記フィルム作製工程は、3種の原料を溶融して用いる例を示したが、これに限定されるものではなく、2種の原料(例えば、原料(a)と原料(b))を溶融する第1段階と、当該第1段階で溶融された、2種の原料(例えば、原料(a)と原料(b))を積層し、また、必要に応じてさらに多層化して積層体を形成する第2段階とを有するものであってもよく、この場合は第3段階が設けられず、第2段階の積層体の最外層が表面層となる。
(他の工程)
本発明のストレッチラベルの製造方法において、特に限定されないが、フィルム作製工程の他の工程として、印刷層を設ける工程、保護層を設ける工程などを有していてもよい。
上記印刷層を設ける工程では、本発明のストレッチフィルムの少なくとも一方の表面上に、印刷インキを塗布し、乾燥等によって固化させる印刷段階を単数又は複数行うことにより印刷層が形成される。例えば、単数又は複数の印刷段階を行い、意匠印刷層を形成した後、単数又は複数の印刷段階を行い、背景印刷層を形成することができる。上記の印刷層を設ける工程は、周知慣用の印刷方法を用いることができ、中でも、グラビア印刷法またはフレキソ印刷法が好ましい。
上記印刷インキは、例えば、上記バインダー樹脂、上記着色顔料、溶剤及びその他添加剤などを、必要に応じて、混合することにより製造される。混合は、公知乃至慣用の混合方法により行うことができ、特に限定されないが、例えば、ペイントシェイカー、バタフライミキサー、プラネタリーミキサー、ポニーミキサー、ディゾルバー、タンクミキサー、ホモミキサー、ホモディスパーなどのミキサーや、ロールミル、サンドミル、ボールミル、ビーズミル、ラインミルなどのミル、ニーダーなどの混合装置が用いられる。混合の際の混合時間(滞留時間)は、特に限定されないが、10〜120分が好ましい。得られた印刷インキは、必要に応じて、濾過してから用いてもよい。上記各成分(バインダー樹脂、着色顔料、溶剤、その他の添加剤)は、それぞれ、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記溶剤(溶媒)としては、印刷インキに通常用いられる有機溶剤等を用いることができる。上記溶剤としては、例えば、酢酸エステル(酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等)などのエステル;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール;エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステルなどが挙げられる。上記溶剤は、印刷インキを本発明のストレッチフィルムに塗布した後、乾燥により除去することができる。なお、上記溶剤(溶媒)は、「分散媒」の意味も含む。
上記保護層を設ける工程において、保護層が保護コーティング層である場合、例えば、本発明のストレッチフィルムの少なくとも一方の表面上に、保護コーティング層を形成するコーティング剤を塗布し、乾燥等によって固化させる印刷段階を行うことにより保護コーティング層が形成される。上記の保護コーティング層を設ける工程は、周知慣用のコーティング方法を用いることができ、中でも、グラビア印刷法またはフレキソ印刷法が好ましい。
上記印刷層を設ける工程及び上記保護層を設ける工程では、特に限定されないが、一つのラインの印刷装置で印刷層と保護層を設けてもよい。例えば、[印刷層/本発明のストレッチフィルム/保護層]の構成を有するストレッチラベルは、本発明のストレッチフィルムの一方の表面上に印刷層を設け、次いで、本発明のストレッチフィルムの表裏を反転させ、本発明のストレッチフィルムの他方の表面上に保護層を設けて製造することができる。または、本発明のストレッチフィルムの一方の表面上に保護層を設け、次いで本発明のストレッチフィルムの表裏を反転させ、本発明のストレッチフィルムの他方の表面上に印刷層を設けて製造することもできる。
なお、本発明のストレッチラベルの「長手方向(MD方向)」は、本発明のストレッチフィルムの長手方向(MD方向)と同じである。また、ストレッチラベルの「幅方向(TD方向)」は上記長手方向と直交する方向であり、本発明のストレッチフィルムの幅方向(TD)と同じである。本発明のストレッチラベルは、容器等の被着体に装着する際にMD方向又はTD方向を伸張させて用いられることが好ましく、ストレッチ性を示すストレッチラベルの一方向は、MD方向又はTD方向となるように製造することが好ましい。
(筒状ストレッチラベルの製造方法)
本発明の筒状ストレッチラベルの製造方法は、特に限定されないが、例えば、下記の通りである。幅方向(TD方向)にストレッチ性を有する長尺状の本発明のストレッチフィルムに、任意で印刷層や保護層を設けた後、所定の幅にスリットして、幅方向(TD方向)にストレッチ性を有する本発明のストレッチラベルが長尺方向(長手方向)に複数個連なったラベル長尺体を得る。このラベル長尺体を、幅方向(即ち、本発明のストレッチフィルムの幅方向)が周方向となるように、上記ラベル長尺体の一端部と他端部の内面側の面同士、あるいは外面側の面同士を重ね合わせて筒状に形成し、当該重ね合わせた部分を約0.2〜10mm幅で帯状にシールして両端部を接合して、又は、上記ラベル長尺体を、幅方向が周方向となるように他端部が一端部の外側になるように重ね合わせて筒状に形成し、当該重ね合わせた部分を約0.2〜10mm幅で帯状にシールして両端部を接合して、長尺筒状のラベル連続体(長尺筒状ストレッチラベル)を得ることができる。この長尺筒状ストレッチラベルを長手方向が所定の長さとなるように幅方向に切断することで、高さ方向に所定の長さを有する1つの筒状ストレッチラベル(本発明の筒状ストレッチラベル)を得ることができる。なお、ラベル切除用のミシン目を設ける場合は、慣用の方法(例えば、周囲に切断部と非切断部とが繰り返し形成された円板状の刃物を押し当てる方法やレーザーを用いる方法等)により施すことができる。ミシン目を施す工程は、上記印刷層を設ける工程の後や、筒状に加工する工程の前後など、適宜選択できる。
[ラベル付き容器]
本発明のストレッチラベルは、特に限定されないが、飲料用容器などの容器に装着して、図6に示すようなラベル付き容器として用いられる。なお、本発明のストレッチラベルは、容器以外の被着体に用いられてもよい。例えば、本発明のストレッチラベル(特に本発明の筒状ストレッチラベル)を、容器に装着することでラベル付き容器(本発明のストレッチラベルを有するラベル付き容器)が得られる。上記容器には、例えば、PETボトルなどのソフトドリンク用ボトル、宅配用牛乳瓶、調味料などの食品用容器、アルコール飲料用ボトル、医薬品容器、洗剤、スプレーなどの化学製品の容器、トイレタリー用の容器、カップ麺容器などが含まれる。上記容器の形状としては、特に限定されないが、例えば、円筒状、角形のボトルタイプや、カップタイプなどの様々な形状が挙げられる。また、上記容器の材質としては、特に限定されないが、例えば、PETなどのプラスチック、ガラス、金属などが挙げられる。
上記ラベル付き容器において、容器の形状や本発明のストレッチラベルの装着する領域は、特に限定されない。例えば、本発明のストレッチラベルは、高い装着性(追従性)を有する観点から、大径部と、大径部よりも周の長さが小さい小径部とを有する容器に対して、径差のある大径部と小径部の領域に亘って装着することができる。特に、本発明のストレッチラベルは、図6に示すように、耐圧PETボトルのような、ペタロイド状の底部と、底部の上方に連接する円筒状の胴部と、胴部の上方に連接し且つ上方に向けて縮径する肩部と、肩部の上方に連接し且つキャップが取り付け可能な注出部と、を有する形状のPETボトルに対して特に有用であり、本発明のストレッチラベルは当該容器の上記胴部(大径部)から上記肩部(胴部より小径の小径部)の領域にかけて装着することができる。
上記ラベル付き容器は、例えば、被装着物である容器のラベルが装着される部分の最小直径と同等又はそれよりも小さな直径の本発明の筒状ストレッチラベルを、外力により上記被装着物である容器よりも大きな径となるように周方向に伸張させて該容器に外嵌した後、外力を解除することにより、上記筒状ストレッチラベルを自己収縮させて該容器に追従密着させることによって作製できる。本発明のストレッチラベルは、高伸張させた場合にも、優れた復元性を示すため、被装着物である容器が径差のある(胴部において直径が異なる部分を有する)容器の場合にも、高い装着性(追従性)を発揮できる。
以下に、実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
なお、表1に、実施例及び比較例で用いた、表面層用原料(原料(c))、A層用原料(原料(a))、B層用原料(原料(b))、A層の代わりに用いた樹脂層(A’層)を形成する原料(A’層用原料)の組成、実施例及び比較例で作製したストレッチフィルム及びストレッチラベルの構成及び評価結果などを示した。
また、表2に、実施例及び比較例で用いた材料の詳細を示した。
実施例1
(原料)
A層を構成する原料(A層用原料)として、アイオノマーA(三井・デュポンポリケミカル(株)製、商品名「ハイミラン 1855」)100重量%を用いた。
B層を構成する原料(B層用原料)として、ポリエチレン系樹脂A(日本ポリエチレン(株)製、商品名「カーネル KF360T」)100重量%を用いた。
表面層を構成する原料(表面層用原料)として、ポリエチレン系樹脂A100重量%を用いた。
(ストレッチフィルム)
220℃に加熱した押出機xに上記A層用原料、220℃に加熱した押出機yに上記B層用原料、220℃に加熱した押出機zに上記表面層用原料を投入した。上記3台の押出機を用いて、溶融押出を行った。溶融したA層用原料及び溶融したB層用原料を、合流方式が2種3層型のフィードブロックと2分割のマルチプライヤー(EDI社製)とを組み合わせた積層装置を用いて、A層用原料/B層用原料/A層用原料の2種3層構成をひとつの繰り返し単位として分割・合流・積層させ、積層体(I)(前記2種3層構成が4つ積層(繰り返し数2)されたもの)とし、溶融した表面層用原料を、上記積層体(I)の両面側に、フィードブロックを用いて合流・積層させ、積層体(II)とした。さらに、上記積層体(II)を、Tダイより押出した後、25℃に冷却したキャスティングドラム上で急冷して、基層部の両面側にそれぞれ表面層が設けられた、[表面層/A層/B層/A層/B層/A層/表面層]の構成を有する7層の積層未延伸フィルムを得た。なお、上記積層未延伸フィルムにおいて、基層部は、2種3層構成の繰り返し単位を繰り返し数2で積層しているため6層となるが、実際はA層用原料同士が重なる部分は1つの層となるため、[A層/B層/A層/B層/A層]の5層構成となっている。
次に、上記積層未延伸フィルムを、幅方向(TD方向)1.06倍、長手方向(MD方向)1.06倍にそれぞれテンター延伸することにより、延伸フィルムであるストレッチフィルムを得た。なお、上記ストレッチフィルムにおいて、基層部の最外層はA層である。
(筒状ストレッチラベル)
上記で得られたストレッチフィルムをグラビア印刷機によって長手方向に搬送しながら、ストレッチフィルムの片面に、プロセスカラーの印刷インキを用いて意匠印刷層を形成した後、シール部とする部分を除いて、白色の印刷インキを用いて背景印刷層を形成することにより、厚み約3μmの印刷層を形成して、ストレッチラベルの長尺体を得た。
次いで、上記ストレッチラベルの長尺体を、幅方向が周方向となるように筒状に形成して幅方向の一端部と他端部とを重ね合わせるとともに、当該一端部の一方の面と他端部の他方の面とをヒートシールして2mm幅のシール部を形成し、ストレッチラベルの筒状長尺体を得た。さらに、上記ストレッチラベルの筒状長尺体(ラベル連続体)を、個々のラベルサイズにカットして、筒状ストレッチラベルを得た。上記筒状ストレッチラベルの筒の高さは165mmであり、筒の周は152mmであった。
(ラベル付き容器)
次いで、上記筒状ストレッチラベルを、開口して円筒状にし、その径を伸度50%(伸張倍率:1.5倍)に拡張しながら、容器(ペタロイド脚砲弾型炭酸用PETボトル、容量:500ml、胴部の周の長さ215mm)に、外嵌装着し、容器の肩部から胴部までラベルが装着されたラベル付き容器を得た。
実施例2
(原料)
実施例1で用いたものと同一のA層用原料、B層用原料、及び表面層用原料をそれぞれ用いた。
(ストレッチフィルム)
220℃に加熱した押出機xに上記A層用原料、220℃に加熱した押出機yに上記B層用原料、220℃に加熱した押出機zに上記表面層用原料を投入した。上記3台の押出機を用いて、溶融押出を行った。溶融したA層用原料及び溶融したB層用原料を、合流方式が2種3層型のフィードブロックと4分割のマルチプライヤー(EDI社製)とを組み合わせた積層装置を用いて、A層用原料/B層用原料/A層用原料の2種3層構成をひとつの繰り返し単位として分割・合流・積層させ、積層体(III)(前記2種3層構成が4つ積層(繰り返し数4)されたもの)とし、溶融した表面層用原料を、上記積層体(III)の両面側に、フィードブロックを用いて合流・積層させ、積層体(IV)とした。さらに、上記積層体(IV)を、Tダイより押出した後、25℃に冷却したキャスティングドラム上で急冷して、基層部の両面側にそれぞれ表面層が設けられた、[表面層/A層/B層/A層/B層/A層/B層/A層/B層/A層/表面層]の構成を有する11層の積層未延伸フィルムを得た。なお、上記積層未延伸フィルムにおいて、基層部は、2種3層構成の繰り返し単位を繰り返し数4で積層しているため12層となるが、実際はA層用原料同士が重なる部分は1つの層となるため、[A層/B層/A層/B層/A層/B層/A層/B層/A層]の9層構成となっている。
次に、上記積層未延伸フィルムを、幅方向(TD方向)1.06倍、長手方向(MD方向)1.06倍にそれぞれテンター延伸することにより、延伸フィルムであるストレッチフィルムを得た。なお、上記ストレッチフィルムにおいて、基層部の最外層はA層である。
(筒状ストレッチラベル、ラベル付き容器)
上記で得られたストレッチフィルムを用いて、実施例1と同様にして、筒状ストレッチラベル及びラベル付き容器を得た。
実施例3〜5、7
表1に示すとおり、原料(a)、原料(b)、原料(c)の組成や成分比などを変更して、実施例2と同様にして、ストレッチフィルム、筒状ストレッチラベル、及びラベル付き容器を得た。
なお、上記ストレッチフィルムにおいて、基層部の最外層はA層である。
実施例6
(原料)
A層用原料として、アイオノマーA100重量%を用いた。
B層用原料として、ポリエチレン系樹脂C((株)プライムポリマー製、商品名「エボリュー SP1520」)100重量%を用いた。
表面層用原料として、ポリエチレン系樹脂A100重量%を用いた。
(ストレッチフィルム)
220℃に加熱した押出機xに上記A層用原料、220℃に加熱した押出機yに上記B層用原料、220℃に加熱した押出機zに上記表面層用原料を投入した。上記3台の押出機を用いて、溶融押出を行った。溶融したA層用原料及び溶融したB層用原料を、合流方式が2種3層型のフィードブロックと4分割のマルチプライヤー(EDI社製)とを組み合わせた積層装置を用いて、B層用原料/A層用原料/B層用原料の2種3層構成をひとつの繰り返し単位として分割・合流・積層させ、積層体(V)(前記2種3層構成が4つ積層(繰り返し数4)されたもの)とし、溶融した表面層用原料を、上記積層体(V)の両面側に、フィードブロックを用いて合流・積層させ、積層体(VI)とした。さらに、上記積層体(VI)を、Tダイより押出した後、25℃に冷却したキャスティングドラム上で急冷して、基層部の両面側にそれぞれ表面層が設けられた、[表面層/B層/A層/B層/A層/B層/A層/B層/A層/B層/表面層]の構成を有する11層の積層未延伸フィルムを得た。なお、上記積層未延伸フィルムにおいて、基層部は、2種3層構成の繰り返し単位を繰り返し数4で積層しているため12層となるが、実際はB層用原料同士が重なる部分は1つの層となるため、[B層/A層/B層/A層/B層/A層/B層/A層/B層]の9層構成となっている。
次に、上記積層未延伸フィルムを、幅方向(TD方向)1.06倍、長手方向(MD方向)1.06倍にそれぞれテンター延伸することにより、延伸フィルムであるストレッチフィルムを得た。なお、上記ストレッチフィルムにおいて、基層部の最外層はB層である。
(筒状ストレッチラベル、ラベル付き容器)
上記で得られたストレッチフィルムを用いて、実施例1と同様にして、筒状ストレッチラベル及びラベル付き容器を得た。
実施例8
表1に示すとおり、原料(a)、原料(b)、原料(c)の組成や成分比などを変更して、実施例2と同様にして、ストレッチフィルム、筒状ストレッチラベル、及びラベル付き容器を得た。
なお、上記ストレッチフィルムは、本来基層部の最外層となるA層用原料と表面層用原料の組成が同一であるため、表面層と基層部の最外層となるA層との層間の界面が見えなくなり、重なって1つの表面層を形成するため、[表面層/B層/A層/B層/A層/B層/A層/B層/表面層]の9層構成となっている。従って、上記ストレッチフィルムにおいて、基層部は[B層/A層/B層/A層/B層/A層/B層]の7層構成となっており、基層部の最外層はB層となっている。
比較例1
(原料)
B層用原料として、ポリエチレン系樹脂D(宇部丸善ポリエチレン(株)製、商品名「ユメリット 1540F」)100重量%を用いた。
表面層用原料として、ポリエチレン系樹脂D100重量%を用いた。
なお、A層用原料は用いず、その代わりに、A’層用原料として、ポリエチレン系樹脂D100重量%を用いた。
(ストレッチフィルム)
220℃に加熱した押出機xに上記A’層用原料、220℃に加熱した押出機yに上記B層用原料、220℃に加熱した押出機zに上記表面層用原料を投入した。上記3台の押出機を用いて、溶融押出を行った。溶融したA’層用原料及び溶融したB層用原料を、合流方式が2種3層型のフィードブロックと4分割のマルチプライヤー(EDI社製)とを組み合わせた積層装置を用いて、A’層用原料/B層用原料/A’層用原料の2種3層構成をひとつの繰り返し単位として分割・合流・積層させ、積層体(VII)(前記2種3層構成が4つ積層(繰り返し数4)されたもの)とし、溶融した表面層用原料を、上記積層体(VII)の両面側に、フィードブロックを用いて合流・積層させ、積層体(VIII)とした。さらに、上記積層体(VIII)を、Tダイより押出した後、25℃に冷却したキャスティングドラム上で急冷して、基層部の両面側にそれぞれ表面層が設けられた積層未延伸フィルムを得た。
次に、上記積層未延伸フィルムを、幅方向(TD方向)1.06倍、長手方向(MD方向)1.06倍にそれぞれテンター延伸することにより、延伸フィルムであるストレッチフィルムを得た。
なお、上記ストレッチフィルムは、A’層用原料、B層用原料、表面層用原料の全ての組成が同一であるため、表面層、A’層、B層各層の層間の界面が見えなくなり、全ての層が重なった単層構成となっている。
(筒状ストレッチラベル、ラベル付き容器)
上記で得られたストレッチフィルムを用いて、実施例1と同様にして、筒状ストレッチラベル及びラベル付き容器を得た。
比較例2
(ストレッチフィルム)
比較例1と同様にして得られた積層未延伸フィルムを、幅方向(TD方向)1.06倍、長手方向(MD方向)1.5倍にそれぞれテンター延伸することにより、延伸フィルムであるストレッチフィルムを得た。なお、上記ストレッチフィルムは、比較例1と同様に、単層構成となっている。
(筒状ストレッチラベル、ラベル付き容器)
上記ストレッチフィルムを用いて、実施例1と同様にして、筒状ストレッチラベル及びラベル付き容器を得た。
(評価)
実施例及び比較例で得られたストレッチフィルム、ストレッチラベルの長尺体、及びラベル付き容器について、以下の評価を行った。評価結果は表1に示した。
(1)ヘイズ値(透明性)
実施例および比較例で作製したストレッチフィルムから、100mm(長手方向)×150mm(幅方向)の大きさのフィルム片を切り出し、測定用サンプルを得た。
(株)東洋精機製作所製「ヘイズ−ガード II」を用いて、JIS K 7136に準拠して、上記測定用サンプルのヘイズ値を測定した。
そして、透明性を以下の基準で評価した、
透明性が良好(○): ヘイズ値が5%以下
透明性が不良(×): ヘイズ値が5%超
(2)F60値
F60値(TD)の測定では、実施例及び比較例で得られたストレッチラベルの長尺体から、幅方向(TD方向)が200mm、長手方向(MD方向)が15mmの長方形状のラベル片を切り出し、測定用サンプルとした。測定用サンプルの両端(上記の幅方向における両端)からそれぞれ50mmの位置に標線を引き、標線間隔100mmとした。
一方、F60値(MD)を測定では、実施例及び比較例で得られたストレッチラベルから、長手方向(MD方向)が200mm、幅方向(TD方向)が15mmの長方形状のラベル片を切り出し、測定用サンプルとした。測定用サンプルの両端(上記の長手方向における両端)からそれぞれ50mmの位置に標線を引き、標線間隔100mmとした。
引張試験機[島津製作所(株)製、「島津オートグラフ(AGS−50G:ロードセルタイプ500N)」]を用いて、温度23±2℃、相対湿度50±5%(%RH)の温湿度条件下で試験を行った。
チャック間隔(つかみ具間隔)を100mmとした上記引張試験機に、上記測定用サンプルを、標線間が測定位置となるように取り付けた(初期長100mm)。引張試験機により、引張速度(試験速度)50mm/分で、上記測定用サンプルをチャック間隔が160mm(伸度60%)となるまで引っ張った。次いで、チャック間隔160mmの位置から、チャックを移動速度50mm/分で試験開始位置(チャック間隔100mm)まで戻した。引張試験機により伸度と引張応力を計測し、引っ張り時に伸度(歪み)が60%となった点における測定用サンプルの引張応力を「F60値」(「F60値(MD)」又は「F60値(TD)」)とした。
それぞれの試験数(n数)は5(n=5)とし、平均値を評価結果とした。
(3)引張応力が4.3MPaのときの伸び(MD)
実施例及び比較例で得られたストレッチラベルの長尺体から、長手方向(MD方向)が200mm、幅方向(TD方向)が15mmの長方形状のラベル片を切り出し、測定用サンプルとした。測定用サンプルの両端(上記の長手方向における両端)からそれぞれ50mmの位置に標線を引き、標線間隔100mmとした。
引張試験機[島津製作所(株)製、「島津オートグラフ(AGS−50G:ロードセルタイプ500N)」]を用いて、温度23±2℃、相対湿度50±5%(%RH)の温湿度条件下で試験を行った。
チャック間隔(つかみ具間隔)を100mmとした上記引張試験機に、上記測定用サンプルを、標線間が測定位置となるように取り付けた(初期長100mm)。引張試験機により、50mm/minの引張速度(試験速度)で、上記測定用サンプルを引張応力が4.3MPaとなる位置まで、チャック間隔が大きくなる方向に引っ張った。そして、このときの標線間隔(mm)(「引張応力4.3MPaで引張時の標線間隔」)を測定した。そして、下記式(1)より、「引張応力が4.3MPaのときの伸び」を算出した。なお、上記引張応力が4.3MPaのときの伸びは、試験数(n数)は5(n=5)とし、平均値を評価結果とした。
引張応力が4.3MPaのときの伸び(%)=100×[{(引張応力4.3MPaで引張時の標線間隔)−100}/100] (1)
(4)残留歪み
実施例及び比較例で得られたストレッチラベルの長尺体から、幅方向(TD方向)が200mm、長手方向(MD方向)が15mmの長方形状のラベル片を切り出し、測定用サンプルとした。測定用サンプルの両端(上記の幅方向における両端)からそれぞれ50mmの位置に標線を引き、標線間隔100mmとした。
引張試験機[島津製作所(株)製、「島津オートグラフ(AGS−50G:ロードセルタイプ500N)」]を用いて、温度23±2℃、相対湿度50±5%(%RH)の温湿度条件下で試験を行った。
チャック間隔(つかみ具間隔)を100mmとした上記引張試験機に、上記測定用サンプルを、標線間が測定位置となるように取り付けた(初期長100mm)。引張試験機により、所定の試験速度(引張速度)で、上記測定用サンプルをチャック間隔が160mm(伸度60%)となるまで引っ張った。次いで、チャック間隔160mmの位置から、チャックを所定の試験速度で試験開始位置(チャック間隔100mm)まで戻した。引張試験機により伸度と引張応力を計測し、伸度60%まで引っ張った後に引張応力がゼロに戻ったときの伸度を「残留歪み」とした。なお、上記残留歪みは、試験数(n数)は5(n=5)とし、平均値を評価結果とした。
なお、上記所定の試験速度は、60%伸張後の残留歪み(50mm/分)の場合は50mm/分であり、60%伸張後の残留歪み(6000mm/分)の場合は6000mm/分である。
(5)印刷適性(製造適性)
実施例及び比較例において、ストレッチラベルの製造中のグラビア印刷時における印刷適性を以下の基準で判断した。
○ : 印刷の問題なし
× : ストレッチフィルムがやわらかく、意匠印刷の見当があわず印刷困難
(6)ケース落下適性(破れ抑止性)
実施例及び比較例で得られたラベル付き容器を、図7に示すようなボトル24本用の直方体のケース8(長辺410mm×短辺275mm×高さ220mm)に、4本を並べたものを6列で24本入れ、このケースを600mmの高さからコンクリート面に落下させた。上記落下は、面8a(図7に示すケースの底面)、角8b、稜8c(長辺)、稜8d(短辺)の順に、それぞれの箇所が鉛直方向の下方となるように位置合わせして、各一回ずつ行った。そして、ケース落下適性を以下の基準で評価した。
○ : ラベルが破れたラベル付き容器の本数が、24本中1本以下
△ : ラベルが破れたラベル付き容器の本数が、24本中2本
× : ラベルが破れたラベル付き容器の本数が、24本中3本以上
(7)装着追従性(ストレッチ性)
実施例及び比較例で作製したラベル付き容器において、ストレッチ性の評価として、装着追従性を以下の基準で判断した。
○ : ストレッチラベルが容器に追従しており、肩部においてたるみがない
× : ストレッチラベルが容器に追従していない、又は肩部においてたるみがある
Figure 2015102635
Figure 2015102635
表1からもわかるとおり、本発明のストレッチラベル(実施例1〜8)は、ストレッチ性に優れると共に、製造適性、及び破れ抑止性にも優れていた。一方、基層部がアイオノマーを主成分とする層(A層)を有さず単層構成であるストレッチラベル(比較例1)は、ストレッチ性に優れているが、製造適性や破れ抑止性が劣っていた。また、基層部がアイオノマーを主成分とする層(A層)を有さず単層構成であるストレッチラベルの延伸倍率を高くしたもの(比較例2)は、製造適性に優れているが、ストレッチ性や破れ抑止性が劣っていた。
1 本発明のストレッチフィルム
11 表面層
12 基層部
12a A層
12b B層
2 印刷層
3 保護コーティング層
4 本発明のストレッチラベル
5 本発明の筒状ストレッチラベル
51 シール部
D 周方向
61 背景印刷層
62 意匠印刷層
63 溶剤、接着剤、又はヒートシール部分
64 保護コーティング層
7 ラベル付き容器
71 容器
8 ケース

Claims (6)

  1. ストレッチフィルムを有するストレッチラベルであって、
    前記ストレッチフィルムが、基層部と、基層部の両面側に表面層とを有し、
    前記基層部が、層を3〜65層含み、且つ、層としてアイオノマーの含有量が50重量%以上である層(A層)及びポリエチレン系樹脂の含有量が50重量%以上である層(B層)を少なくとも1層ずつ含み、
    前記B層に含まれる前記ポリエチレン系樹脂の密度が、0.940g/cm3以下であることを特徴とするストレッチラベル。
  2. 前記基層部が、層として前記A層を2層以上含む請求項1に記載のストレッチラベル。
  3. 前記基層部が、層として前記B層を2層以上含む請求項1又は2に記載のストレッチラベル。
  4. 前記表面層が、ポリオレフィン系樹脂の含有量が50重量%以上である層である請求項1〜3のいずれか1項に記載のストレッチラベル。
  5. 前記基層部が、層として前記A層及び前記B層を、交互に、合計して3〜65層含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のストレッチラベル。
  6. 前記ストレッチラベルの少なくとも一方向における60%歪み時引張応力(F60値[Y])に対する、前記ストレッチラベルの前記一方向と直交する方向における60%歪み時引張応力(F60値[Y])の割合[(F60値[Y])/(F60値[X])]が、1.5〜4である請求項1〜5のいずれか1項に記載のストレッチラベル。
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