JP2015102414A - ヘリコバクター・ピロリの検出方法及び検出器具 - Google Patents

ヘリコバクター・ピロリの検出方法及び検出器具 Download PDF

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Abstract

【課題】内視鏡検査(生検)を必要としない非侵襲的方法であって、且つ血清学的診断法によらない診断方法でありながらも、同位体標識尿素などの検査薬の服用を要しないヘリコバクター・ピロリの有無を検出することのできる試験方法を提供する。【解決手段】本発明にかかるヘリコバクター・ピロリの検出方法は、呼気中におけるアンモニア成分の量を測定する呼気試験によりヘリコバクター・ピロリの有無を検出するための方法であって、検査薬を被験者に投与せずに呼気採取を行うことを特徴とする、ヘリコバクター・ピロリの検出方法を提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、ヘリコバクター・ピロリによる感染の有無を診断するための器具に関し、より詳細には、検査薬を用いることなく、呼気中の成分からヘリコバクター・ピロリによる感染の有無を診断することができる器具に関する。
ヘリコバクター・ピロリは、ヒトなどの胃に生息するらせん型の細菌である。このヘリコバクター・ピロリは、ウレアーゼと呼ばれる酵素を産生し、この酵素で胃粘液中の尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解し、生じたアンモニアで、局所的に胃酸を中和することによって胃へ定着(感染)する。
そして当該ヘリコバクター・ピロリは、ヒトの萎縮性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの炎症性の疾患、胃癌、MALTリンパ腫(粘膜関連リンパ組織に生じるBリンパ腫)、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫などのがんの発症と密接に関連した病原細菌として知られており、国際がん研究機関が発表しているIARC発がん性リスク一覧では、グループI(発がん性がある)に分類されている。そして独立行政法人 国立がん研究センター がん予防・検診研究センター 予防研究グループの報告(Cancer Epidemiology, Biomarkers and Prevention 2006年 15巻1341−1347ページ)によれば、ヘリコバクター・ピロリの陽性者では、陰性者と比較して胃癌の発生のリスクは5倍となること、さらに胃の萎縮の程度が進むと胃癌のリスクも上がり、ヘリコバクター・ピロリ感染陽性でかつ、萎縮性胃炎ありのグループでは、陰性で萎縮なしのグループと比較して胃癌の発生リスクは10倍となっていることが報告されている。
また、NIH Consensus Conference(Bethesda,1994)では、「H.ピロリ感染が確認された消化性潰瘍は初発、再発を問わず、抗分泌薬に抗菌薬を加えた除菌療法を必要とする」とする勧告がなされていることから、ヘリコバクター・ピロリの感染診断並びに除菌判定を正確且つ迅速に行う測定方法の確立が迫られている。
従前において実施されているヘリコバクター・ピロリ感染の有無の診断方法としては、内視鏡検査(生検)を必要とする侵襲的方法(培養による細菌学的検出法、組織学的・免疫組織学的検出法、ウレアーゼ試験法など)と、それを必要としない非侵襲的な方法とに大別される。この内、被験者の精神的・肉体的負担、並びに試験の簡便性及び安全性の観点からは、非侵襲的な方法が好ましい。
かかる非侵襲的試験法としては、同位体炭素原子を標識した尿素を経口的に投与して呼気中に排出される標識二酸化炭素を計測する尿素呼気試験、血液や尿中に産出されるヘリコバクター・ピロリに対する抗体量を測定する血中・尿中抗H. pylori IgG抗体検査、ヘリコバクター・ピロリに対する抗体を用いて糞便中H. pylori抗原の有無を抗原抗体反応による判定する便中H. pylori抗原検査等があげられる。この内、抗体の存在に基づく血清学的診断法は、ヘリコバクター・ピロリを根絶した後であっても、直ちに陰性化までは至らないことから、除菌治療の効果の判定には向いていない。
このため、最近では、抗体の有無に基づかず、安全でしかも検査時間の短い尿素呼気試験法が着目されている。かかる試験方法は、ヘリコバクター・ピロリがウレアーゼと呼ばれる酵素を産生し、この酵素で胃粘液中の尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解することを利用するものである。即ち、同位体標識尿素(検査薬)を水溶液の形態で摂取し、服用前後で呼気に含まれる標識二酸化炭素の量を比較して、ヘリコバクター・ピロリに感染しているか否かを判断するものである。ヘリコバクター・ピロリに感染している場合には、摂取した同位体標識尿素が、胃内で、ウレアーゼによってアンモニアと二酸化炭素に分解されて、呼気中の二酸化炭素における同位体炭素の含有量が、非感染時より大きく増加するため、間接的な診断が可能である。
しかしながら、かかる尿素呼気試験法であっても、ヘリコバクター・ピロリの有無をより正確に検査するためには、検査薬である同位体標識尿素を経口摂取した直後に被験者に水で口をすすいでもらい口腔内に残存する同位体標識尿素を除去するか、あるいは予め口腔内・咽頭部を消毒乃至滅菌しておく等の処置が要求される。何故ならば、経口摂取した同位体標識尿素が口腔内や咽頭内に存在するウレアーゼ生産菌によって分解されて、胃内のヘリコバクター・ピロリの有無の検出に偽陽性の結果を示す事も危惧される為である。
そこで従前においては、口腔内や咽喉内等の胃腸以外の器官に存在するウレアーゼ生産菌の影響を排除して偽陽性検出のおそれがなく、しかも迅速にH.ピロリ感染の有無が検出できる製剤も提案されている。例えば、特許文献1(国際公開第2001/087353号)では、尿素呼気テストによるH.ピロリによる感染の有無を検出する製剤であって、少なくとも同位体C標識尿素、賦形剤及び滑沢剤を所定の割合で含有する核組成物の表面を、核組成物100重量%に対して0.1〜10重量%のコーティング剤で被覆してなるコーティング製剤が提案されている。
また、上記尿素呼気試験法に関し、特許文献2(特開平10−87512号公報)では、従前において13C標識尿素を経口投与する前後に呼出した呼気をパックに収納することに由来する課題を解決するべく、13C標識尿素を経口投与する前後において、被験者にマウスピース等の筒を口に咥えさせ、息を呼出させ、高速応答性能を持ったガス分析計により呼気中の炭酸ガス(12CO2)およびその安定同位体(13CO2)の濃度を同時連続的に計測する事と、呼出終了時までの数秒間の各ガス濃度値を認識する事と、呼出終了時までの数秒間の炭酸ガス同位体比(13CO2/12CO2)を算出する事と、呼出終了時に呼出終了時までの数秒間の炭酸ガス同位体比(13CO2/12CO2)の平均値を算出する事と、13C標識尿素投与前後の炭酸ガス同位体比(13CO2/12CO2)の変化率を算出する事と、この変化率が設定した値を越えたか否かを判定する事によって、ヘリコバクター・ピロリの感染の有無を決定する13C標識尿素試薬によるリアルタイムヘリコバクターピロリ感染検査方法が提案されている。
更に、特許文献3(特開平8−145991号広報)では、消化器系に感染するウレアーゼ活性を有する微生物の存在を判定する新規な方法に係わり、特に胃粘膜に感染するヘリコバクター・ピロリの感染の有無を、呼気中のアンモニアガス濃度を測定することにより判定するものに関するものとして、空腹時の被検者に尿素を経口的に服用させ、所定時間経過後に呼気中のアンモニア濃度を測定することを特徴とする、ウレアーゼ活性を有する微生物の感染判定方法が提案されている。
国際公開第2001/087353号 特開平10−87512号公報 特開平8−145991号広報
上記の通りヘリコバクター・ピロリの検出方法においては、内視鏡検査(生検)を必要としない非侵襲的方法が被験者の精神的・肉体的負担、並びに試験の簡便性及び安全性の観点から望ましい。特に呼気中の標識二酸化炭素を測定する尿素呼気試験法や、特許文献3(特開平8−145991号広報)に記載の方法は、血清学的診断法のように抗体の存在に基づくものではない事から、ヘリコバクター・ピロリを根絶した後(除菌後)の判定に向いている。
そこで従前においても、この尿素呼気試験法は広く実施されており、これらの試験方法に由来する課題、即ち、同位体標識尿素や標識を付していない尿素等の検査薬を経口摂取することに起因する課題を解決するべく、上述のとおり種々の提案がなされている。
しかしながら、従前において実施されているこれらの検査方法は、その前提として同位体標識尿素や標識を付していない尿素等の検査薬を経口摂取が必要不可欠であり、これを無くすことは技術的に困難であった。
そこで本発明では、内視鏡検査(生検)を必要としない非侵襲的方法であって、且つ血清学的診断法によらない診断方法でありながらも、同位体標識尿素や標識を付していない尿素その他の検査薬の服用を要せずヘリコバクター・ピロリの有無を検出できる試験方法を提供することを第一の課題とする。
また、上記課題の試験方法を簡易に実施することのできる測定器具を提供することを第二の課題とする。
更に、上記課題の試験器具を用いて上記課題の試験方法を実施して得た試験結果から、ヘリコバクター・ピロリ感染の有無や除菌治療の効果を判定する方法を提供することを第三の課題とする。
上記課題の何れかを解決するべく、本発明では呼気中におけるアンモニアを検出することによりヘリコバクター・ピロリの有無を判定するようにした試験方法、測定器具及び判断方法を提供するものである。
即ち、本発明にかかるヘリコバクター・ピロリの検出方法は、呼気中におけるアンモニア成分の量を測定する呼気試験によりヘリコバクター・ピロリの有無を検出するための方法であって、検査薬を被験者に投与せずに呼気採取を行うことを特徴とする、ヘリコバクター・ピロリの検出方法を提供する。
胃中の尿素は、ヘリコバクター・ピロリが産生するウレアーゼによりアンモニアと炭酸ガスに分解される。かかるアンモニアは、消化管壁を通じて血中に吸収され、一部が肺を介して呼気中に排泄される。前記呼気試験は、以上のようにして呼気中に生じたアンモニア成分を測定する検査として行うことができ、少なくとも、利用者の呼気を採取する呼気採取ステップ、呼気中のアンモニア成分量を測定する測定ステップ、測定されたアンモニア成分量からヘリコバクター・ピロリ感染の有無や除菌治療の効果を判断する判断ステップを含む検査方法として行うことができる。
前記呼気採取ステップは、被験者の肺においてガス交換に寄与した肺胞気を採取する工程として行うことができ、例えば、被験者がマウスピース等を通じて呼気成分を分析する装置内に息を吹き込むことや、或いはアンモニア測定部材を備えた測定部へ息を吹きかけること等の手段により行うことができる。血中ないし呼気中のアンモニア成分は食事や運動によっても増加する為、これらのヘリコバクター・ピロリと無関係の要因によるアンモニア成分の増加が検査精度の低下を招くおそれがある。この為、前記呼気採取ステップは被験者の食事前に行うことが望ましく、特に被験者の空腹安静時に行うことが望ましい。かかる空腹時の検査は、被験者の4時間以上の絶食後において行うことが望ましく、特に5時間以上の絶食後において行うことが望ましい。本発明にかかるヘリコバクター・ピロリの検出方法は、検査にいわゆる生活呼気(特段の検査薬等を使用せず、通常の呼吸状態で排出される呼気)を用いる為、被験者への標識尿素等の投与が不要であり、被験者の肉体的・経済的負担を軽減することができる。
前記測定ステップは、前記呼気採取ステップにおいて採取された呼気中のアンモニア成分の量を測定する工程として行うことができ、例えば、アンモニアの存在下で変化する電気抵抗を有するガスセンサ素子により検知して、当該ガスセンサ素子の抵抗の変化を検出信号の強弱として出力するガスセンサにより行うことができる。具体的には、酸化スズをガスセンサ素子として利用したガスセンサに前記呼気を接触させることにより行うことができる。かかる場合には、前記ガスセンサは前記呼気中のアンモニアガスの量が多くなるに従って強い検出信号を出力し、反対に前記呼気中のアンモニアガスの量が少なくなるに従って弱い検出信号を出力する為、かかる検出信号の強度に基づいて呼気中のアンモニア成分の量を測定することができる。また、アンモニアガスと化学反応を起こして呈色する発色試験紙を用いることもできる。呈色した発色試験紙は、呈色の程度を光反射率計等により計測することで、前記呼気中のアンモニア成分の量を算出することができる。
前記判断ステップは、以上のようにして測定された前記呼気中におけるアンモニア成分の量に基づいて、ヘリコバクター・ピロリ感染の有無や除菌治療の効果を判断する工程として行うことができ、例えば、前記呼気中から検出されたアンモニア成分の測定値や、複数日・複数回に渡る前記呼気採取ステップ及び前記測定ステップにより測定された測定値の平均値、複数日・複数回の測定値の推移等から判断することができる。これらの判断手段のうち、特に複数日・複数回に渡る前記呼気採取ステップ及び前記測定ステップにより測定された測定値の平均値を用いることが望ましい。本発明にかかるヘリコバクター・ピロリの検出方法は、ヘリコバクター・ピロリの保菌者は非保菌者と比較して、血中ないし呼気中のアンモニア成分量が平均的に多くなることに基づいて感染や治療効果の判断をするものであることから、単回の測定値よりも複数日・複数回に渡る測定結果を用いたほうがより検査精度が高まる為である。
即ち、前記測定ステップにおいて測定された呼気中におけるアンモニア成分の量が1.5ppm以上である場合には、ヘリコバクター・ピロリの保菌者である可能性があり、また除菌治療が功を奏していないと疑うことができる。特に複数日・複数回に渡る測定値の平均が1.5ppm以上である場合には、ヘリコバクター・ピロリの保菌者である可能性が一層高いものとなる。この点、非保菌者の場合には、測定するタイミング(測定時刻や食事の前後、運動の有無等)によっては1.5ppmを超える値が測定されることもあり得るが、長期に渡って平均的に1.5ppmを超える値が測定されるおそれは低い。但し、非保菌者であっても、肝疾患や腎疾患等を患っている場合には、長期に渡って平均的に血中ないし呼気中のアンモニア成分量が増加するおそれがある為、ヘリコバクター・ピロリ感染の有無を判断するに当たっては、これらの疾患との鑑別が行われることが望ましい。
以上のように構成される本発明にかかるヘリコバクター・ピロリの検出方法は、例えば以下のように構成される検査器具を用いて行うことができる。
即ち、呼気試験によりヘリコバクター・ピロリの有無を検出するための検査器具であって、被験者の呼気サンプルを取り込む取り込み口と、当該取り込み口から取り込まれた被験者の呼気サンプルと接触するガスセンサとを有し、当該ガスセンサは、呼気サンプル中に含まれるアンモニアを検知するガスセンサ素子が使用されていることを特徴とする、ヘリコバクター・ピロリの有無の検査器具により行うことができる。
前記呼気サンプルを取り込む取り込み口は、被験者が呼気を呼出した際に、当該呼気を前記ガスセンサまで導くものとして構成することができ、例えば、中空円筒状の管であって、被験者が一端を口に咥えて息を呼出し、反対側の一端を前記ガスセンサに接続したものを用いることができる。かかる場合には、被験者の呼気は管内を通って前記ガスセンサに導かれ、前記ガスセンサ素子と接触することにより呼気中のアンモニア成分量を測定することができる。被験者が口に咥えて使用する部分にマウスピース等の呼気を吹き込みやすくする部材を備えた場合には、呼気採取の際の呼気の漏出を抑止することができ、検査結果の正確性を高めたり、被験者の負担を減少させることができる。
前記ガスセンサは、被験者の呼気中のアンモニア成分の量を測定することができるものを利用することができ、例えば、前記ガスセンサ素子として酸化スズを用いたものを利用することができる。かかるガスセンサは、アンモニアの存在下におけるガスセンサ素子の電気抵抗の変化を検出信号の強弱として出力することができ、かかる検出信号の強度に基づいて呼気中のアンモニア成分の濃度を測定することができる。なお、前記ガスセンサによっては、吹き込まれる呼気の流速次第で測定結果に大きく誤差を生ずる場合がある為、呼気の流速に対してアンモニア成分含有量を補正する、いわゆるキャリブレーション(較正)を行うことが望ましい。当該キャリブレーション(較正)は、例えば、所定の濃度のアンモニア成分を含んだガス(かかるアンモニア成分量は、例えば、0.1ppm、1ppm、10ppm或いはその他の濃度とすることができる)を、所定の流速(例えば、流速無し、50L/min、100L/min、200L/min或いはその他の流速とすることができる)で前記ガスセンサへ接触させた際の測定値から得た検量線により行うことができる。
前記呼気取り込み口から前記ガスセンサに至るまでの何れかの箇所に、被験者が吹き込んだ呼気の圧力を測定することができる圧力センサを設け、これにより被験者の吹き込みの開始と終了の検知及び被験者の吹き込んだ呼気量の測定を行うことが望ましく、特には吹き込まれる呼気の流速の測定を行うことが望ましい。これは、測定中に被験者が呼気吹き込みを中断したり、測定に十分な呼気量でなかった場合には、過小な測定値が検出され検査の正確性を損なうおそれがある為である。
以上のように構成される本発明にかかるヘリコバクター・ピロリの有無の検査器具に、更に前記ガスセンサの検出結果を複数回に渡って保持する記憶手段、又は当該ガスセンサ素子の検出結果を出力する出力手段を備えることもできる。
前記記憶手段は、少なくとも2回以上の測定にかかる前記ガスセンサによる呼気中のアンモニア成分の測定値を保持することができるものを利用することができ、特にこれに加えて測定日時を保持することができるものを利用することが望ましい。また、前述したキャブレーションを行う場合には、必要となるデータ(例えば、呼気の流速と測定値との関係を示す検量線にかかるデータ等)を記録する記憶手段を備えることが望ましい。具体的には、例えば、不揮発性メモリであるROM(Read Only Memory)、及び揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)を利用することができる。また、メモリーカードやメモリースティック等の可搬型記録媒体を利用することもでき、かかる場合には保存されたデータを容易に他の機器へ移して利用することができる。
前記出力手段は、検出結果を文字やグラフ等の情報として出力することができるものを利用することができ、例えば、前記測定器具にディスプレイを備えて前記検出結果を出力することや、プリンター等の外部機器に接続して前記検出結果を出力することができる。
以上のように構成される本発明にかかる測定器具においては、前記呼気取り込み口から採気された被験者の呼気を、前記ガスセンサに接触させ、前記ガスセンサより出力される検出信号の強弱を数値化することで、被験者の呼気中のアンモニア成分量の測定値を求めることができる。
以上のように構成される、本発明にかかるヘリコバクター・ピロリの検出方法及び検査器具によれば、被験者の生活呼気中のアンモニア成分の量を測定し、ヘリコバクター・ピロリ感染の有無や除菌治療の効果を判断することができる。これにより、非侵襲的方法であって、且つ血清学的診断法によらない診断方法でありながらも、検査薬の服用を要しない検出方法を提供することができる。
また、本発明にかかるヘリコバクター・ピロリの有無の検査器具は、被験者の呼気中のアンモニア成分の量を測定することができるガスセンサを備えており、検査に際して被験者は呼気取り込み口から呼気を吹き込むだけでよい為、本発明にかかるヘリコバクター・ピロリの検出方法を簡易に実施することのできる検査器具を提供することができる。
更に、本発明にかかるヘリコバクター・ピロリの有無の検査器具を用いて、本発明にかかるヘリコバクター・ピロリの検出方法を実施して得た呼気中のアンモニア成分量の測定結果が、1.5ppm以上である場合にはヘリコバクター・ピロリの感染や除菌治療が功を奏していないことを疑うことができるので、感染の有無や治療効果の判定方法を提供することができる。
本実施の形態にかかるヘリコバクター・ピロリの有無の検査器具を示すブロック図 本実施の形態にかかるヘリコバクター・ピロリの検出方法を示す工程図
以下、本実施の形態にかかるヘリコバクター・ピロリの検出方法及び検出器具を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施の形態にかかるヘリコバクター・ピロリの有無の検査器具を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態にかかるヘリコバクター・ピロリの有無の検査器具は、被験者が手に持って使用することができるハンディタイプの検査器具として構成した。
検査に際して、被験者はマウスピース11を口に咥え、呼気取り込み口111から息を吹き込む。本実施の形態においては、マウスピース11は呼気導入管12から着脱自在となっており、検査後にはマウスピース11を取り外して洗浄したり、廃棄して新規のマウスピースと交換することで、衛生的に検査を行うことができる。
呼気取り込み口111から吹きこまれた呼気は、呼気導入管12を通じて測定部13へ送られる。測定部13には、圧力センサ及びガスセンサが設けられており、吹き込まれた呼気中のアンモニア成分量を測定する。測定部13に備えた圧力センサは、被験者の呼気吹き込みにより生ずる圧力を感知することができ、これに基づき制御部15において呼気吹き込みの開始と終了の検出及び呼気の流速の算出を行う。これにより、測定中に被験者が呼気吹き込みを中断したり、十分な呼気量が吹き込まれなかった場合には、アンモニア成分量が過小に測定されることを防ぐことができる。また、測定部13に備えたガスセンサは、酸化スズからなるガスセンサ素子を有しており、呼気導入管12を通じて接触した呼気中にアンモニアが存在した場合には、かかるガスセンサ素子の電気抵抗の変化を検出し、これを検出信号の強弱として制御部15へ伝達する。被験者が吹き込んだ呼気は、測定部13においてアンモニア成分量の測定を受けた後に、排気部14から検査器具外部へ抜け出る。
制御部15は、演算や制御処理を行うマイクロコンピュータを備えており、本実施の形態にかかるヘリコバクター・ピロリの有無の検査器具の動作を制御する。前述した通り、圧力センサやガスセンサにおける測定結果は、制御部15へ送られる。制御部15では、前述の通り、圧力センサから送られたデータから呼気吹き込みの中断の有無、及び呼気吹き込みの流速を算出する。このとき、呼気吹き込みの中断があった場合には、処理を中断して呼気の吹き込み及び測定をやり直す。また、制御部15では、前述の通り、ガスセンサの検出信号の強弱から吹き込まれた呼気中のアンモニア成分量を算出する。そして、前述の通り算出された呼気の流速に基づき、算出された呼気中のアンモニア成分量をキャリブレーション(較正)する。記憶部16には、0.1ppm及び1ppmのアンモニア成分を含む混合ガスを、各々流速ゼロと50L/minの流速でガスセンサへ接触させて得た測定値の検量線にかかるデータを記録したROM(Read Only Memory)を備えており、かかるキャリブレーション(較正)は、かかるデータを参照して行うことができる。
以上のようにして測定された呼気中のアンモニア成分量は、記憶部16及び表示部17へ送られる。本実施の形態においては、記憶部16には可搬型記憶媒体であるメモリーカードを利用しており、制御部15から伝達された測定値及び測定日時を保存することができる。かかるメモリーカードは、カードリーダを利用して簡易にPC等他の機器へ接続することができ、他の機器においても保存されたデータを利用して分析や保存をすることができるので利便性を向上させることができる。記憶部16には、他にRAM(Random Access Memory)やメモリースティック等を利用することもできる。
表示部17は、液晶ディスプレイを備えており、任意に制御部15から伝達された測定値及び記憶部16に保存された測定値を表示することができる。本実施の形態においては、液晶ディスプレイに加えて又は代えて、プリンターを備えることもできる。当該プリンターは、例えば、当該プリンターに備えたロール紙に測定結果及び測定日時を印字して出力する小型のモバイルプリンターを利用することができる。
本実施の形態においては、以上のように構成される本実施の形態にかかるヘリコバクター・ピロリの有無の検査器具を用いて、本実施の形態にかかるヘリコバクター・ピロリの検出方法を実施した。図2は、本実施の形態にかかるヘリコバクター・ピロリの検出方法を示す工程図である。本実施の形態においては、ヘリコバクター・ピロリと無関係な要因による血中ないし呼気中のアンモニア成分量の増加によって検査精度が低下するおそれを低減するために、呼気採取ステップS1及び測定ステップS2を早朝の空腹安静時に実施した。また、呼気採取ステップS1及び測定ステップS2は、1日当たり1回の検査を7日間に渡って行っており、判断ステップS3においては、かかる7日間の測定値の平均値を用いた。なお、呼気採取ステップS1及び測定ステップS2を実施する時間帯等はこれらに限られず、例えば、早朝の時間帯で朝食後、正午の時間帯で運動後その他の条件で実施することもできる。また、判断ステップS3において平均値を求める期間は、7日間より短くてもよく、例えば3日間とすることもできる。但し、検査の精度を向上させる為に、7日間より長い期間で平均値を求めることが望ましく、例えば、10日間、15日間とすることもできる。
本実施の形態にかかるヘリコバクター・ピロリの検出方法は、まず被験者が上述した検査器具を手に持ち、マウスピースを口に咥えて5秒間一定の速度で息を吐き出し、検査器具内部へ呼気を吹き込んだ(呼気採取ステップS1)。このとき息を呼出する時間は、5秒より短くてもよく、例えば3秒とすることもできるが、検査器具によっては測定精度が低下するおそれがある為、5秒以上とすることが望ましい。吹きこまれた呼気は、上述した検査器具の測定部でアンモニア成分量が測定されて、測定結果及び測定日時が上述した検査器具の表示部に数値として表示され、また記憶部に保存される(測定ステップS2)。以上の工程を7日間行い、各日の測定値及び平均値をまとめたものが次の表1である。
判断ステップS3においては、以上のようにして得られた測定結果から、被験者のヘリコバクター・ピロリ感染の有無を判断した。即ち、表1に示す通り、測定された呼気中のアンモニア成分量の平均値は1.6ppmであり、感染判断の基準となる1.5ppm以上である為、本実施の形態にかかる被験者のヘリコバクター・ピロリ感染を疑うことができる。
以上のように構成される本実施の形態にかかるヘリコバクター・ピロリの検出方法及び検査器具によれば、被験者の呼気中のアンモニア成分の量を測定し、ヘリコバクター・ピロリ感染の有無や除菌治療の効果を判断することができる。これにより、非侵襲的方法であって、且つ血清学的診断法によらない診断方法でありながらも、同位体標識尿素などの検査薬の服用を要しない検出方法を提供することができる。また、本実施の形態にかかるヘリコバクター・ピロリの有無の検査器具は、被験者の呼気中のアンモニア成分の量を測定することができるガスセンサを備えており、検査に際して被験者は呼気取り込み口から呼気を吹き込むだけでよい為、本発明にかかるヘリコバクター・ピロリの検出方法を簡易に実施することのできる検査器具を提供することができる。更に、本実施の形態にかかるヘリコバクター・ピロリの有無の検査器具を用いて、本発明にかかるヘリコバクター・ピロリの検出方法を実施して得た呼気中のアンモニア成分量の測定結果が、1.5ppm以上である場合にはヘリコバクター・ピロリの感染や除菌治療が功を奏していないことを疑うことができるので、感染の有無や治療効果の判定方法を提供することができる。
なお、本発明にかかるヘリコバクター・ピロリの検出方法及び検査器具は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、適宜変更することができる。
11 マウスピース
111 呼気取り込み口
12 呼気導入管
13 測定部
14 排気部
15 制御部
16 記憶部
17 表示部

Claims (6)

  1. 呼気中におけるアンモニア成分の量を測定する呼気試験によりヘリコバクター・ピロリの有無を検出するための方法であって、
    検査薬を被験者に投与せずに呼気採取を行うことを特徴とする、ヘリコバクター・ピロリの検出方法。
  2. 前記呼気試験において、
    被験者の食前の呼気を採取する事を特徴とする、請求項1に記載のヘリコバクター・ピロリの検出方法。
  3. 前記呼気試験において、
    複数日にわたって複数回呼気中のアンモニア成分の量を測定し、
    当該測定結果に基づいてヘリコバクター・ピロリの有無を検出する、請求項1又は請求項2に記載のヘリコバクター・ピロリの検出方法。
  4. 前記呼気試験におけるアンモニア成分の量を測定は、アンモニアの存在下で変化する電気抵抗を有するガスセンサ素子により検知して、当該ガスセンサ素子の抵抗の変化によって測定する、請求項1〜3の何れか1項に記載のヘリコバクター・ピロリの検出方法。
  5. 呼気試験によりヘリコバクター・ピロリの有無を検出するための検査器具であって、
    被験者の呼気サンプルを取り込む取り込み口と、当該取り込み口から取り込まれた被験者の呼気サンプルと接触するガスセンサとを有し、
    当該ガスセンサは、呼気サンプル中に含まれるアンモニアを検知するガスセンサ素子が使用されていることを特徴とする、ヘリコバクター・ピロリの有無の検査器具。
  6. 前記ガスセンサ素子が酸化スズを含み、
    更に前記ガスセンサの検出結果を複数日に渡って保持する記憶手段、又は前記ガスセンサの検出結果を外部の機器に出力する出力手段を備える、請求項5に記載のヘリコバクター・ピロリの有無の検査器具。
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