JP2015101156A - 車両用駆動装置 - Google Patents

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Yuya Honda
裕弥 本田
清式 高木
Kiyonori Takagi
清式 高木
佐藤 功
Isao Sato
功 佐藤
篤志 河本
Atsushi Kawamoto
篤志 河本
弘一 奥田
Koichi Okuda
弘一 奥田
圭佑 大室
Keisuke Omuro
圭佑 大室
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Abstract

【課題】車両用駆動装置の組み付け性を向上させつつ装置全体の軸長拡大を抑制する。
【解決手段】本発明は、軸方向に組み付けられる第一モジュールM1と第二モジュールM2とを備える車両用駆動装置1に関する。第一モジュールM1は第一回転部材15と第二回転部材24とを含み、第二モジュールM2は第三回転部材35と第四回転部材44とを含む。第二回転部材24の第二係合部と第四回転部材44の第四係合部との係合位相ピッチが、第一回転部材15の第一係合部E1と第三回転部材35の第三係合部E3との係合位相ピッチよりも大きい。組み付け状態で、第二回転部材24と第四回転部材44との第二重複領域L2の軸方向長さが、第一回転部材15と第三回転部材35との第一重複領域L1の軸方向長さよりも長い。
【選択図】図2

Description

本発明は、軸方向に組み付けられる第一モジュールと第二モジュールとを備える車両用駆動装置に関する。
上記のような車両用駆動装置として、特開2013−104458号公報(特許文献1)に記載された装置が知られている。この装置は、第一回転電機〔ジェネレータMG1〕、動力分配装置〔動力分割機構2〕、及びポンプ駆動機構〔動力伝達機構13〕等を含む第一モジュールと、第二回転電機〔モータMG2〕及びオイルポンプ〔10〕等を含む第二モジュールとを備えている。第一モジュールは、動力分配装置のリングギヤ〔3R〕に駆動連結された第一回転部材〔第1アウトプットシャフト2c〕と、ポンプロータ〔インナーロータ11a〕に駆動連結された第二回転部材〔駆動軸12〕とを有する。また、第二モジュールは、第二回転電機の第二ロータ〔ロータMG2R〕に駆動連結された第三回転部材を有する。車両用駆動装置は、第一回転部材と第三回転部材とが係合し、かつ、第二回転部材とポンプロータとが係合するように2つのモジュールが軸方向に組み付けられて構成されている。
第一回転部材と第三回転部材との係合は例えばスプライン係合により実現され、当該部位における係合位相ピッチは比較的小さい。これに対して、第二回転部材とポンプロータとの係合部位における係合位相ピッチは比較的大きく設定される場合がある。この場合、組み付け性向上の観点からは、組み付け時の位相合わせの難易度が相対的に高い、第二回転部材とポンプロータとの係合を先に行えるような構造を車両用駆動装置が備えていることが好ましい。この点、特許文献1には、そのような組み付け性の向上を考慮した構造に関する明示の記載はない。
なお、特許文献1の図8等に示された構造を考慮すれば、第二回転部材の軸方向長さを延長させることで、第一回転部材と第三回転部材との係合に先立って第二回転部材とポンプロータとの係合を行えるように構成することも一応は考えられる。しかし、第二回転部材の延長は、車両用駆動装置全体の軸長拡大につながるという欠点がある。
特開2013−104458号公報
そこで、互いに組み付けられる2つのモジュールを備える車両用駆動装置において、組み付け性を向上させつつ装置全体の軸長拡大を抑制することが望まれる。
本発明に係る車両用駆動装置は、
軸方向に組み付けられる第一モジュールと第二モジュールとを備える車両用駆動装置であって、
前記第一モジュールは、第一係合部を有する第一回転部材と、前記第一回転部材に平行に配置されているとともに第二係合部を有する第二回転部材と、を含み、
前記第二モジュールは、前記第一係合部に係合する第三係合部を有する第三回転部材と、前記第二係合部に係合する第四係合部を有する第四回転部材と、を含み、
前記第二係合部と前記第四係合部との係合位相ピッチが、前記第一係合部と前記第三係合部との係合位相ピッチよりも大きく、
前記第一モジュールと前記第二モジュールとが組み付けられた状態で、前記第一回転部材と前記第三回転部材とが、前記第一係合部と前記第三係合部との係合のための径方向視での第一重複領域を有するとともに、前記第二回転部材と前記第四回転部材とが、前記第二係合部と前記第四係合部との係合のための径方向視での第二重複領域を有し、
前記第二重複領域の軸方向長さが、前記第一重複領域の軸方向長さよりも長い。
本願において、「ある方向視での重複領域」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線に直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの部材の双方に交わる領域を意味する。
この構成によれば、第二モジュールが第二回転部材に係合する第四回転部材を含み、これらの第二回転部材と第四回転部材とが、径方向視で互いに重複する第二重複領域を有する。そして、この第二重複領域の軸方向長さが、第一回転部材と第三回転部材との径方向視での第一重複領域の軸方向長さよりも長く設定されている。よって、係合位相ピッチが相対的に大きい第二係合部と第四係合部との係合部位を、第一係合部と第三係合部との係合部位よりも先に係合させることができる。よって、組み付け性を向上させることができる。このとき、第二回転部材と第四回転部材との径方向視での第二重複領域が存在するので、組み付け性の向上のために例えば第四回転部材の非存在下で第二回転部材の軸方向長さを延長させる構成に比べて、装置全体の軸長を短く抑えることができる。つまり、組み付け性を向上させつつ装置全体の軸長拡大を抑制することができる。
以下、本発明の好適な態様について説明する。但し、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定される訳ではない。
1つの態様として、前記第一回転部材及び前記第三回転部材は、駆動力源と車輪との間で駆動力を伝達する主軸を構成し、前記第二回転部材及び前記第四回転部材は、前記駆動力源及び前記車輪のいずれか一方とポンプロータとの間で駆動力を伝達するポンプ駆動軸を構成すると好適である。
この構成によれば、主軸とポンプ駆動軸とが別軸に配置された車両用駆動装置において、組み付け性を向上させつつ装置全体の軸長拡大を抑制することができる。
1つの態様として、前記第一モジュールは、内燃機関に駆動連結される入力部材と、第一ロータを有する第一回転電機と、サンギヤ、キャリヤ、及びリングギヤを有する動力分配装置と、を含み、前記第二モジュールは、第二ロータを有する第二回転電機を含み、前記サンギヤに前記第一ロータが駆動連結され、前記キャリヤに前記入力部材が駆動連結され、前記リングギヤに前記第一回転部材が駆動連結され、前記第三回転部材に前記第二ロータが駆動連結されていると好適である。
本願において、「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力(トルクと同義)を伝達可能に連結された状態を意味する。この概念には、2つの回転要素が一体回転するように連結された状態や、1つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態が含まれる。このような伝動部材には、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材(軸、歯車機構、ベルト等)が含まれ、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置(摩擦係合装置や噛み合い式係合装置等)が含まれても良い。
また、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
この構成によれば、いわゆる2モータスプリット方式のハイブリッド車両用の駆動装置において、組み付け性を向上させつつ装置全体の軸長拡大を抑制することができる。
1つの態様として、前記第一回転部材と前記第二回転部材とが互いに駆動連結され、前記第三回転部材に連動する第一連動部材のイナーシャよりも、前記第四回転部材に連動する第二連動部材のイナーシャが小さいと好適である。
第一回転部材と第二回転部材とが互いに駆動連結される構成では、第二係合部と第四係合部とが先に係合すると、未係合の第一係合部と第三係合部との位相合わせを行う際に、第二連動部材を連れ回す必要性が生じる。この場合であっても、上記の構成では、第二連動部材のイナーシャが第一連動部材のイナーシャよりも小さく、連れ回りによる抵抗が相対的に小さいため、第一係合部と第三係合部との係合部位の位相合わせを容易に行うことができる。
1つの態様として、前記第一モジュールと前記第二モジュールとは、前記軸方向を上下方向に沿わせた状態で前記第二モジュールが上側に位置する状態で組み付けられ、前記ポンプロータに一体的に連結される前記第四回転部材が、前記ポンプ駆動軸の外周面よりも外側に突出してポンプ室形成部材に係止される係止部を有すると好適である。
この構成によれば、ポンプ駆動軸が第二回転部材と第四回転部材とに分割形成され、かつ、第一モジュールに対して上側から組み付けられる第二モジュールに第四回転部材が備えられる場合であっても、組み付け時における第四回転部材の抜け落ちを防止できる。このとき、ポンプロータを収容するためのポンプ室形成部材を利用して、当該ポンプ室形成部材に係止される係止部を第四回転部材に形成するだけで、第四回転部材の抜け落ちを容易に防止できる。
1つの態様として、前記第一係合部と前記第三係合部とは、いずれか一方が筒状部材の内周面に形成された係合部であるとともに他方が軸部材の外周面に形成された係合部であり、前記第二係合部と前記第四係合部とは、いずれか一方が筒状部材の内周面に形成された係合部であるとともに他方が軸部材の外周面に形成された係合部であり、前記第二係合部及び前記第四係合部を構成する径方向の凹凸の周方向の形成ピッチが、前記第一係合部及び前記第三係合部を構成する径方向の凹凸の周方向の形成ピッチよりも大きいと好適である。
この構成によれば、第一係合部及び第三係合部、並びに第二係合部及び第四係合部を、それぞれ適切に構成できる。また、第二係合部と第四係合部との係合位相ピッチが第一係合部と第三係合部との係合位相ピッチよりも大きい構成を適切に実現できる。
一実施形態に係る車両用駆動装置の全体断面図 車両用駆動装置の部分断面図 図2のIII−III断面図 図2のIV−IV断面図 図2のV−V断面図 車両用駆動装置の組み付け時における部分断面図 図6の部分拡大図 比較例の車両用駆動装置の組み付け時における部分断面図
本発明に係る車両用駆動装置の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、内燃機関EG及び回転電機MG(MG1,MG2)の双方を備えた車両(ハイブリッド車両)を駆動するための車両用駆動装置(ハイブリッド車両用駆動装置)1を例として説明する。本実施形態では、車両用駆動装置1は、2モータスプリット方式のハイブリッド車両用の駆動装置として構成されている。また、本実施形態では、車両用駆動装置1は、FR(Front Engine Rear Drive)車両用の駆動装置として構成されている。
なお、以下の説明では、各部材についての方向や位置等に関する用語は、製造上許容され得る誤差による差異を有する状態をも含む概念である。また、各部材についての方向は、特に明記して区別する場合を除き、それらが車両用駆動装置1に組み付けられた状態での方向を表す。また、装置全体の概略を示す図1では、見やすさを考慮してハッチングを省略している。
図1に示すように、車両用駆動装置1は、内燃機関EGに駆動連結される入力部材Iと、車輪(図示せず)に駆動連結される出力部材Oと、第一回転電機MG1と、第二回転電機MG2と、動力分配装置Dと、変速装置TMとを備えている。また、車両用駆動装置1は、主に内燃機関EGのトルクによって駆動されるオイルポンプ3を備えている。これらは、ケース(駆動装置ケース)2内に収容されている。第一回転電機MG1、動力分配装置D、第二回転電機MG2、及び変速装置TMは、同軸に配置される入力部材I及び出力部材Oの軸方向に沿って、入力部材I側から記載の順に配置されている。オイルポンプ3は、動力分配装置Dの径方向外側に、径方向視で動力分配装置Dと重複する位置に配置されている。
ケース2は、分割形成された第一ケース部2Aと第二ケース部2Bとを有する。第一ケース部2Aと第二ケース部2Bとは、軸方向に接合されて一体化されている。また、ケース2は、径方向に延びる端部壁2Cと第一中間壁2Dと第二中間壁2Eとを有する。端部壁2Cは、第一ケース部2Aに対して内燃機関EG側から接合されている。第一中間壁2Dは、第一ケース部2Aと一体的に形成されている。第一中間壁2Dは、軸方向で第一回転電機MG1と動力分配装置Dとの間に配置されている。第二中間壁2Eは、第二ケース部2Bに対して内燃機関EG側から接合されている。第二中間壁2Eは、動力分配装置Dと第二回転電機MG2との間に配置されている。第二ケース部2Bの下部には、油を貯留するためのオイルパン90が固定されている。
入力部材(入力軸)Iは、内燃機関EGに駆動連結される。内燃機関EGは、機関内部における燃料の燃焼により駆動されて動力を取り出す原動機(ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等)である。本実施形態では、内燃機関EGの出力軸(クランクシャフト等)に、入力部材Iが駆動連結される。内燃機関EGの出力軸と入力部材Iとの間に、ダンパやクラッチ等が介在されても良い。
第一回転電機MG1は、ケース2に固定された第一ステータST1と、当該第一ステータST1の径方向内側に回転自在に支持された第一ロータRO1とを有する。第一ロータRO1は、動力分配装置DのサンギヤSに駆動連結されている。第一回転電機MG1は、電力の供給を受けて動力を発生するモータ(電動機)としての機能と、動力の供給を受けて電力を発生するジェネレータ(発電機)としての機能とを果たすことが可能である。第一回転電機MG1は、蓄電装置(バッテリやキャパシタ等;図示せず)に電気的に接続されている。第一回転電機MG1は、主に動力分配装置Dを介して入力される入力部材I(内燃機関EG)のトルクにより発電を行うジェネレータとして機能する。なお、車両の高速走行時や内燃機関EGの始動時等には、第一回転電機MG1がモータとして機能する場合もある。
第二回転電機MG2は、ケース2に固定された第二ステータST2と、当該第二ステータST2の径方向内側に回転自在に支持された第二ロータRO2とを有する。第二ロータRO2は、動力分配装置DのリングギヤRに駆動連結されている。第二回転電機MG2も、モータとしての機能とジェネレータとしての機能とを果たすことが可能であり、蓄電装置(図示せず)に電気的に接続されている。第二回転電機MG2は、主に車両を走行させるための駆動力を補助するモータ(アシストモータ)として機能する。なお、車両の減速時等には、第二回転電機MG2がジェネレータとして機能する場合もある。
本実施形態では、動力分配装置Dは、シングルピニオン型の遊星歯車機構により構成されている。動力分配装置Dは、複数のピニオンギヤを支持するキャリヤCAと、前記ピニオンギヤにそれぞれ噛み合うサンギヤS及びリングギヤRとを有する。サンギヤSに第一ロータRO1が駆動連結され、キャリヤCAに入力部材Iが駆動連結され、リングギヤRに第一回転部材15が駆動連結されている。第一ロータRO1がキャリヤCA及びリングギヤRを介することなくサンギヤSに駆動連結され、入力部材IがサンギヤS及びリングギヤRを介することなくキャリヤCAに駆動連結され、第一回転部材15がサンギヤS及びキャリヤCAを介することなくリングギヤRに駆動連結されている。
図1及び図2に示すように、第一ロータRO1は、ロータ支持部材11及びサンギヤ形成部材12を介してサンギヤSに駆動連結されている。第一ロータRO1は、ロータ支持部材11に一体的に連結されている。ロータ支持部材11は、サンギヤSが形成されたサンギヤ形成部材12と一体回転するようにスプライン係合により駆動連結されている。入力部材Iは、その軸方向の端部に形成されたフランジ部を介して、キャリヤCAに一体的に連結されている。第一回転部材15は、入力部材Iに対して同軸かつ軸方向に並べて配置された筒状部15Aと、この筒状部15Aから径方向外側に向かって延びる板状部15Bとを有する。筒状部15Aと板状部15Bとは一体的に連結されている。第一回転部材15は、板状部15Bの外周部において、リングギヤRが形成されたリングギヤ形成部材14と一体回転するようにスプライン係合により駆動連結されている。
動力分配装置Dは、入力部材Iに伝達される内燃機関EGのトルクを第一回転電機MG1とリングギヤ形成部材14とに分配して伝達する。内燃機関EGのトルク(駆動トルク)が入力部材Iを介してキャリヤCAに伝達され、第一回転電機MG1の負トルク(回生トルク)がロータ支持部材11を介してサンギヤSに伝達される。第一回転電機MG1の負トルクは、内燃機関EGのトルクの反力受けとして機能する。このようにして、動力分配装置Dは、キャリヤCAに伝達される内燃機関EGのトルクの一部を第一回転電機MG1に分配し、内燃機関EGのトルクに対して減衰されたトルクを、リングギヤR及びリングギヤ形成部材14を介して第一回転部材15に伝達する。
図2に示すように、動力分配装置Dの出力部材としての第一回転部材15に、第二ロータRO2が駆動連結されている。本実施形態では、第一回転部材15の筒状部15Aの外周面には、例えばスプライン歯からなる第一係合部E1が形成されている。この第一係合部E1は、第三回転部材35に形成された第三係合部E3に係合する。第三回転部材35は、入力部材I及び第一回転部材15と同軸に配置された筒状部材である。第三回転部材35には第二ロータRO2が駆動連結されている。第二ロータRO2は、第三回転部材35の外周面に接するように一体的に連結されている。筒状に形成された第三回転部材35の内周面には、例えばスプライン溝からなる上述した第三係合部E3が形成されている。このように、第一係合部E1と第三係合部E3との係合部位は、本実施形態ではスプライン係合により実現されている(図3を参照)。
第一回転部材15と第三回転部材35とは、第一係合部E1と第三係合部E3との位相が合っている状態で、軸方向に相対移動可能となる。また、第一回転部材15と第三回転部材35とは、第一係合部E1と第三係合部E3とが係合している状態で、相対回転不能となる。第一係合部E1と第三係合部E3とが係合した状態で一体回転する第一回転部材15及び第三回転部材35は、内燃機関EGと車輪との間で駆動力を伝達する主軸5を構成している。本実施形態では、内燃機関EGが本発明における「駆動力源」に相当する。
図1に示すように、第三回転部材35は、変速入力部材(変速入力軸)Tに駆動連結されている。変速入力部材Tには、内燃機関EGのトルクの一部と第二回転電機MG2のトルクとの少なくとも一方のトルクが入力される。変速入力部材Tは、変速装置TMに駆動連結されている。変速装置TMは、複数の歯車機構と複数の摩擦係合装置(クラッチやブレーキ等)とを備え、変速比の異なる複数の変速段を切替可能な自動有段変速装置である。なお、変速装置TMは、例えば自動無段変速装置、手動式有段変速装置、又は定変速装置等であっても良い。変速装置TMは、変速入力部材Tに入力される回転及びトルクを、各時点における変速比に応じて変速するとともにトルク変換して、出力部材(出力軸)Oに伝達する。
図示は省略するが、出力部材Oは、出力用差動歯車装置及び車軸を介して、左右2つの車輪に駆動連結されている。これにより、車両用駆動装置1は、内燃機関EG及び第二回転電機MG2の少なくとも一方のトルクを車輪に伝達させて車両を走行させることができる。
図2に示すように、本実施形態では、動力分配装置DのキャリヤCAに、円環板状の駆動ギヤ形成部材18が駆動連結されている。駆動ギヤ形成部材18は、キャリヤCAに一体的に連結されている。このため、本実施形態では、駆動ギヤ形成部材18は、主に入力部材Iに伝達される内燃機関EGのトルクによって駆動される。駆動ギヤ形成部材18の外周部には、駆動ギヤ19が形成されている。この駆動ギヤ19は、被駆動ギヤ形成部材21に形成された被駆動ギヤ22に噛み合う。被駆動ギヤ形成部材21は、中心孔を有する円板状部材である。被駆動ギヤ形成部材21は、駆動ギヤ形成部材18と別軸に、駆動ギヤ形成部材18と同じ軸方向の位置に配置されている。本実施形態では、被駆動ギヤ形成部材21は駆動ギヤ形成部材18よりも小径に形成されている。
被駆動ギヤ形成部材21の中心孔にポンプ駆動軸4が挿通され、これらは一体的に連結されている。本実施形態では、ポンプ駆動軸4は、第二回転部材24と第四回転部材44とに分割形成されている。第二回転部材24は、貫通穴24Aを有する筒状部材である。第二回転部材24は、第一回転部材15と別軸に、第一回転部材15に平行に配置されている。図4に示すように、第二回転部材24の貫通穴24Aの内周面は、互いに平行な2つの平面部と互いに対向する2つの円弧面部とを有する。貫通穴24Aの内周面を構成する2つの平面部は、第二係合部E2を構成している。この第二係合部E2は、第四回転部材44に形成された第四係合部E4に係合する。第四回転部材44は、第二回転部材24と同軸に配置された軸部材であり、一体的に形成された挿通軸44Aとロータ嵌合部44Bとを有する。図4に示すように、第四回転部材44の挿通軸44Aの外周面には、互いに平行な2つのDカット面からなる上述した第四係合部E4が形成されている。このように、第二係合部E2と第四係合部E4との係合部位は、本実施形態では二面係合により実現されている。
図2に示すように、第四回転部材44は、ポンプロータ41に駆動連結されている。オイルポンプ3は、例えば内接型のギヤポンプであり、ポンプロータ41は、第四回転部材44のロータ嵌合部44Bに一体的に連結されたインナーロータ41Aと、このインナーロータ41Aに対して偏心して配置されたアウターロータ41Bとを有する。なお、オイルポンプ3は、例えば外接型のギヤポンプや、ベーンポンプ等であっても良い。ポンプロータ41は、第二中間壁2Eと当該第二中間壁2Eに接合されたポンプカバー46との間に形成されるポンプ室に収容されている。本実施形態では、ポンプカバー46が本発明における「ポンプ室形成部材」に相当する。ポンプ駆動軸4(第二回転部材24及び第四回転部材44)は、ポンプカバー46に形成された貫通孔46Aを通ってポンプカバー46を貫通するように配置されている。
図5に示すように、第四回転部材44のロータ嵌合部44Bの外周面には、互いに平行な2つのDカット面からなる第五係合部E5が形成されている。この第五係合部E5は、インナーロータ41Aに形成された第六係合部E6に係合する。インナーロータ41Aの中心孔の内周面は、第二回転部材24の貫通穴24Aと同様に、互いに平行な2つの平面部と互いに対向する2つの円弧面部とを有する。この2つの平面部は、上述した第六係合部E6を構成している。このように、第五係合部E5と第六係合部E6との係合部位は、本実施形態では二面係合により実現されている。
第二回転部材24と第四回転部材44とは、第二係合部E2と第四係合部E4との位相が合っている状態で、軸方向に相対移動可能となる。同様に、第四回転部材44とポンプロータ41とは、第五係合部E5と第六係合部E6との位相が合っている状態で、軸方向に相対移動可能となる。また、第二回転部材24と第四回転部材44とは、第二係合部E2と第四係合部E4とが係合している状態で、相対回転不能となる。同様に、第四回転部材44とポンプロータ41とは、第五係合部E5と第六係合部E6とが係合している状態で、相対回転不能となる。第二係合部E2と第四係合部E4とが係合した状態で一体回転する第二回転部材24及び第四回転部材44は、内燃機関EGとポンプロータ41との間で駆動力を伝達するポンプ駆動軸4を構成している。本実施形態では、第二回転部材24及び第四回転部材44によって構成されるポンプ駆動軸4は、第一回転部材15及び第三回転部材35によって構成される主軸5よりも小径となっている。
オイルポンプ3は、入力部材I(内燃機関EG)が回転している状態で、内燃機関EGのトルクによって油を吐出する。オイルポンプ3から吐出された油は、第一回転電機MG1及び第二回転電機MG2の冷却や各部位の潤滑のために供される。また、オイルポンプ3から吐出された油は、変速装置TMに備えられる摩擦係合装置の係合の状態の制御等のためにも供される。その後、油はオイルパン90(図1を参照)に回収され、オイルパン90から再びオイルポンプ3に戻されることにより、装置の各部位を油が循環する。
本実施形態に係る車両用駆動装置1は、第一モジュールM1と第二モジュールM2とが軸方向に組み付けられて製造される。図6に示すように、第一モジュールM1と第二モジュールM2とは、それぞれ軸方向を上下方向に沿わせた状態で、第一モジュールM1が下側に位置し、第二モジュールM2が上側に位置する状態で組み付けられる。第一モジュールM1と第二モジュールM2とは、各モジュールがそれぞれ一体化された状態で、軸方向に沿って相対移動することによって組み付けられる。
第一モジュールM1は、入力部材I、第一回転電機MG1、及び動力分配装置Dを含むモジュールである。また、第一モジュールM1は、主軸5を構成する第一回転部材15と、ポンプ駆動軸4を構成する第二回転部材24とを含んでいる。これらは、第一ケース部2A、端部壁2C、及び第一中間壁2Dによって収容又は支持された状態で一体化されている。上述したように、第一回転部材15は第一係合部E1を有し、第二回転部材24は第二係合部E2を有する。第一モジュールM1は、組み付け時には、第一係合部E1及び第二係合部E2が第二モジュールM2側(本例では上側)に位置するように配置される。
第二モジュールM2は、第二回転電機MG2、変速入力部材T、変速装置TM、出力部材O、及びオイルポンプ3を含むモジュールである。また、第二モジュールM2は、主軸5を構成する第三回転部材35と、ポンプ駆動軸4を構成する第四回転部材44とを含んでいる。これらは、第二ケース部2B、第二中間壁2E、及びポンプカバー46等によって収容又は支持された状態で一体化されている。上述したように、第三回転部材35は第三係合部E3を有し、第四回転部材44は第四係合部E4を有する。第二モジュールM2は、組み付け時には、第三係合部E3及び第四係合部E4が第一モジュールM1側(本例では下側)に位置するように配置される。
なお、第四回転部材44は、当該第四回転部材44の第五係合部E5とポンプロータ41の第六係合部E6とが既に係合した状態で保持される。図7に示すように、本実施形態では、ポンプカバー46の第二中間壁2Eとの接合面における貫通孔46Aの周囲には、面取り状に形成された環状の傾斜面46Bが形成されている。言い換えれば、ポンプカバー46の貫通孔46Aは、傾斜面46Bを有することで、第二中間壁2Eとの接合面に向かって次第に拡径するように形成されている。一方、第四回転部材44は、挿通軸44Aとロータ嵌合部44Bとの境界部分に、鍔状に形成された係止部44Cを有する。係止部44Cは、ポンプカバー46の貫通孔46Aの内周面(つまり、ポンプ駆動軸4の外周面と実質的に同じ)よりも外側に突出するように形成されている。第四回転部材44に重力が作用した状態で、係止部44Cはポンプカバー46の傾斜面46Bに係止される。つまり、第四回転部材44が“抜け止め”として機能する係止部44Cを有していることで、第四回転部材44は下方に抜け落ちることなく第二モジュールM2に適正に保持される。
第一モジュールM1と第二モジュールM2との組み付けは、異なる2箇所(第一係合部E1と第三係合部E3との係合部位,第二係合部E2と第四係合部E4との係合部位)での係合動作を略同時期に行うことで実行される。2箇所での係合動作を行うに際しては、それに先立って、軸方向の相対移動を可能とするべくそれぞれ位相合わせが行われる。このとき、組み付け作業の実情を考慮して、2箇所での位相合わせは、完全に同時ではなく順次行われる。2箇所での係合動作は、位相合わせが行われた順に、略同時期に、かつ、開始タイミングを僅かにずらして順次行われる。
本実施形態では、上述したように、第一係合部E1と第三係合部E3との係合部位はスプライン係合により実現されており(図3を参照)、第一係合部E1と第三係合部E3との第一係合位相ピッチθ1は比較的小さい。なお、第一係合位相ピッチθ1は、第一係合部E1及び第三係合部E3を構成する径方向の凹凸(本例ではスプライン歯及びスプライン溝)の周方向の形成ピッチである。例えば図3に示す例のように径方向の凹凸が周方向に20組設けられた構成では、第一係合位相ピッチθ1は“18°”となる。
一方、第二係合部E2と第四係合部E4との係合部位は二面係合により実現されており(図4を参照)、第二係合部E2と第四係合部E4との第二係合位相ピッチθ2は比較的大きい。なお、第二係合位相ピッチθ2は、第二係合部E2及び第四係合部E4を構成する径方向の凹凸(本例では貫通穴24Aの平面部及び挿通軸44AのDカット面)の周方向の形成ピッチである。例えば図4に示す例のように径方向の凹凸が周方向に2組設けられた構成では、第二係合位相ピッチθ2は“180°”となる。
第一係合位相ピッチθ1及び第二係合位相ピッチθ2は、位相合わせのために必要な相対回転角度の最大値に応じた値(最大角度の2倍の値)となる。このため、本実施形態のように第二係合位相ピッチθ2が第一係合位相ピッチθ1よりも大きい構成では、第二係合部E2と第四係合部E4との位相合わせは、第一係合部E1と第三係合部E3との位相合わせに比べて難易度が高い。このため、位相合わせの難易度が相対的に高い、第二係合部E2と第四係合部E4との係合動作を先に行えるように構成することで、組み付け性を向上させることが可能である。このような観点は、本発明を完成させる上での重要なポイントの1つである。
本実施形態では、そのような構造を、概略的には、従来は単一の軸部材で構成されていたポンプ駆動軸4を互いにスライド可能な第二回転部材24と第四回転部材44とに分割形成したことによって実現している。このような具体的構造を採用したことも、本発明の重要なポイントの1つである。具体的には、第二回転部材24の貫通穴24Aに第四回転部材44の挿通軸44Aが軸方向にスライド可能に配置されるとともに、第二回転部材24及び挿通軸44Aの軸方向長さが、第一係合部E1と第三係合部E3との係合部位(図2に示す“L1”を参照)の軸方向長さよりも長く設定されている。これにより、第一係合部E1と第三係合部E3とが径方向視で未だ重複していない状態(軸方向の異なる位置に配置された状態)で、先に第二係合部E2と第四係合部E4との位相合わせを行ってそのまま係合させることができる。
その後、図6に示すように第一係合部E1の軸方向一方側の端部と第三係合部E3の軸方向他方側の端部とが同じ軸方向位置となるまで組み付けられた状態では、第二回転部材24と挿通軸44Aとは、径方向視で互いに重複する領域を有することになる。この重複領域を、ここでは“先行重複領域L0”と称する。本実施形態では、この状態で、第2の位相合わせ(第一係合部E1と第三係合部E3との位相合わせ)を行う。第一係合部E1と第三係合部E3との第一係合位相ピッチθ1は、第二係合部E2と第四係合部E4との第二係合位相ピッチθ2よりも小さいため、第2の位相合わせを容易に行うことができ、組み付け性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、動力分配装置DのキャリヤCAに固定された駆動ギヤ形成部材18の駆動ギヤ19と、第二回転部材24に固定された被駆動ギヤ形成部材21の被駆動ギヤ22とが、互いに噛み合っている。このため、これらの各部材を介して、第一回転部材15と第二回転部材24とが互いに駆動連結されている。このような構成では、第二係合部E2と第四係合部E4との係合動作を先に行うと、先行重複領域L0において動力伝達が発生するため、上記第2の位相合わせの際には、第二回転部材24及び第四回転部材44に連動してポンプロータ41が連れ回る。なお、仮に本実施形態とは反対に第一係合部E1と第三係合部E3との係合動作を先に行えば、その後の第二係合部E2と第四係合部E4との位相合わせの際には、第一回転部材15及び第三回転部材35に連動して第二ロータRO2が連れ回る。本実施形態では、第二ロータRO2が本発明における「第一連動部材C1」に相当し、ポンプロータ41が本発明における「第二連動部材C2」に相当する。
本実施形態では、第一連動部材C1である第二ロータRO2及び第二連動部材C2であるポンプロータ41は、いずれも金属材料を用いて構成されている。第二ロータRO2は、ポンプロータ41に比べてかなり大型に形成されており(図1も参照)、第二ロータRO2のイナーシャはポンプロータ41のイナーシャよりも大きい。当然ながら、イナーシャが大きくなるに従って回転体は回転しにくくなる。この点を考慮すれば、第一係合部E1と第三係合部E3との位相合わせの際に、第二回転部材24及び第四回転部材44に連動してポンプロータ41が連れ回ったとしても、連れ回りによる抵抗は比較的小さく抑えられる。例えば第一係合部E1と第三係合部E3との係合動作を先に行い、その後に第二ロータRO2が連れ回る状態で第二係合部E2と第四係合部E4との位相合わせを行う場合に比べて、連れ回りによる抵抗を極めて小さく抑えることができる。よって、この点からも第2の位相合わせを容易に行うことができ、組み付け性を向上させることができる。
第2の位相合わせが完了した後は、2箇所での係合動作を同時に並行して行う。これにより、第一モジュールM1と第二モジュールM2とが完全に組み付けられる(図2を参照)。この状態では、第一回転部材15と第三回転部材35とは、第一係合部E1と第三係合部E3との係合のための径方向視での第一重複領域L1を有する。なお、第一回転部材15と第三回転部材35とが径方向視で重複する領域であっても、第一係合部E1と第三係合部E3との係合に関与しない領域は、ここで言う“第一重複領域L1”には含まれない。また、第二回転部材24と第四回転部材44とは、第二係合部E2と第四係合部E4との係合のための径方向視での第二重複領域L2を有する。同様に、第二回転部材24と第四回転部材44とが径方向視で重複する領域であっても、第二係合部E2と第四係合部E4との係合に関与しない領域は、ここで言う“第二重複領域L2”には含まれない。図2から理解できるように、第二重複領域L2の軸方向長さは、第一重複領域L1の軸方向長さよりも長い。このような第一重複領域L1と第二重複領域L2との軸方向長さの大小関係は、第二回転部材24及び挿通軸44Aと第一係合部E1及び第三係合部E3との軸方向長さの大小関係に対応している。
なお、第二係合部E2と第四係合部E4との係合動作を先に行えるような構造を実現するためは、例えば比較例として図8に示すように、単一部材からなるポンプ駆動軸4の軸方向長さを単純に延長させることも考えられる。しかし、そのような構成では、第一モジュールM1と第二モジュールM2との組み付け後に、ポンプ駆動軸4のポンプロータ41側の端部が、ポンプロータ41を貫通して軸方向に大きく突出してしまう。このため、当該ポンプ駆動軸4の突出部分を収容し得るように第二中間壁2Eを形成したり、第二中間壁2Eとの干渉を回避し得るようにその近傍の部品(例えば第二回転電機MG2)を配置したりする必要がある。特に、第二中間壁2Eの一部を第二回転電機MG2側に突出形成するとともに、その分だけ第二回転電機MG2や変速装置TM等を軸方向に移動させる必要がある。このように、ポンプ駆動軸4の軸方向長さの延長は、結果的に、装置全体の軸長拡大を招いてしまう。
これに対して、本実施形態では、ポンプ駆動軸4を、最終的な組み付け状態において径方向視で重複して配置される第二回転部材24と第四回転部材44とによって構成したので、装置全体の軸長を短く抑えることができる。つまり、組み付け性の向上と装置全体の軸長拡大の抑制とを両立させることができる。
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明に係る車両用駆動装置の、その他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の実施形態では、ポンプ駆動軸4が、内燃機関EGとポンプロータ41との間で駆動力を伝達する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、ポンプ駆動軸4が、車輪とポンプロータ41との間で駆動力を伝達するように構成しても良い。この場合、例えばリングギヤ形成部材14の外周部に駆動ギヤを形成し、この駆動ギヤが被駆動ギヤ形成部材21に形成された被駆動ギヤ22と噛み合うように構成しても良い。或いは、ポンプ駆動軸4が、走行状況に応じて切替可能に、内燃機関EG及び車輪のいずれか一方とポンプロータ41との間で駆動力を伝達するように構成しても良い。
(2)上記の実施形態では、第一回転部材15及び第三回転部材35が主軸5を構成し、第二回転部材24及び第四回転部材44がポンプ駆動軸4を構成する例について説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、第二回転部材24及び第四回転部材44が、ポンプ駆動軸4以外の他の軸部材を構成しても良い。また、例えば車両用駆動装置1が複軸構成である場合において、第一回転部材15及び第三回転部材35が第一軸を構成し、第二回転部材24及び第四回転部材44が、上記第一軸に平行かつ別軸の第二軸を構成しても良い。また、例えば第一回転部材15及び第三回転部材35がポンプ駆動軸を構成し、第二回転部材24及び第四回転部材44が主軸を構成しても良い。
(3)上記の実施形態では、第一係合部E1と第三係合部E3との係合部位がスプライン係合により実現され、第二係合部E2と第四係合部E4との係合部位が二面係合により実現された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。第一係合部E1と第三係合部E3との係合部位及び第二係合部E2と第四係合部E4との係合部位はそれぞれ、上記以外にも、例えばセレーション係合、キー係合、及び三面係合以上の多面係合等によって実現されても良い。少なくとも第二係合部E2と第四係合部E4との第二係合位相ピッチθ2が第一係合部E1と第三係合部E3との第一係合位相ピッチθ1よりも大きくなる組み合わせであれば良い。第五係合部E5と第六係合部E6との係合部位に関しては、特段の制約なく各種の係合態様が採用できる。
(4)上記の実施形態では、第三回転部材35に連動する第一連動部材C1のイナーシャが第四回転部材44に連動する第二連動部材C2のイナーシャよりも大きい構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。第一連動部材C1のイナーシャが第二連動部材C2のイナーシャ以下であっても良い。
(5)上記の実施形態では、第四回転部材44がポンプカバー46の傾斜面46Bに係止される係止部44Cを有する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。ポンプカバー46に“抜け止め”として機能する部位を設けても良い。例えば、ポンプカバー46が、第四回転部材44のロータ嵌合部44Bの外周面よりも内側に突出してロータ嵌合部44Bの挿通軸44A側の端面に係止される係止部を有しても良い。
(6)上記の実施形態では、動力分配装置Dがシングルピニオン型の遊星歯車機構により構成された例について説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、動力分配装置Dがダブルピニオン型の遊星歯車機構により構成されても良い。また、動力分配装置Dの3つの回転要素に対する入力部材I、第一回転電機MG1、及び第一回転部材15の駆動連結関係は、車両用駆動装置1に要求される仕様に応じて適宜設定されて良い。
(7)上記の実施形態では、本発明を2モータスプリット方式のハイブリッド車両用の駆動装置に適用した例について説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば1モータパラレル方式のハイブリッド車両用の駆動装置にも、本発明を適用することができる。
(8)上記の実施形態では、本発明を内燃機関EG及び回転電機MGの双方を備えたハイブリッド車両用の駆動装置に適用した例について説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば内燃機関EG及び回転電機MGのうち内燃機関EGのみを備えたエンジン車両用の駆動装置や、回転電機MGのみを備えた電動車両用の駆動装置にも、本発明を適用することができる。
(9)上記の実施形態では、本発明をFR(Front Engine Rear Drive)車両用の駆動装置に適用した例について説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えばFF(Front Engine Front Drive)車両用の駆動装置や、4WD(4-Wheel Drive)車両用の駆動装置にも、本発明を適用することができる。
(10)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。従って、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
本発明は、例えばハイブリッド車両用の駆動装置に利用することができる。
1 車両用駆動装置
4 ポンプ駆動軸
5 主軸
15 第一回転部材
24 第二回転部材
35 第三回転部材
41 ポンプロータ
44 第四回転部材
44C 係止部
46 ポンプカバー(ポンプ室形成部材)
EG 内燃機関
I 入力部材
D 動力分配装置
S サンギヤ
CA キャリヤ
R リングギヤ
MG1 第一回転電機
RO1 第一ロータ
MG2 第二回転電機
RO2 第二ロータ
M1 第一モジュール
M2 第二モジュール
E1 第一係合部
E2 第二係合部
E3 第三係合部
E4 第四係合部
θ1 第一係合位相ピッチ
θ2 第二係合位相ピッチ
L1 第一重複領域
L2 第二重複領域
C1 第一連動部材
C2 第二連動部材

Claims (6)

  1. 軸方向に組み付けられる第一モジュールと第二モジュールとを備える車両用駆動装置であって、
    前記第一モジュールは、第一係合部を有する第一回転部材と、前記第一回転部材に平行に配置されているとともに第二係合部を有する第二回転部材と、を含み、
    前記第二モジュールは、前記第一係合部に係合する第三係合部を有する第三回転部材と、前記第二係合部に係合する第四係合部を有する第四回転部材と、を含み、
    前記第二係合部と前記第四係合部との係合位相ピッチが、前記第一係合部と前記第三係合部との係合位相ピッチよりも大きく、
    前記第一モジュールと前記第二モジュールとが組み付けられた状態で、前記第一回転部材と前記第三回転部材とが、前記第一係合部と前記第三係合部との係合のための径方向視での第一重複領域を有するとともに、前記第二回転部材と前記第四回転部材とが、前記第二係合部と前記第四係合部との係合のための径方向視での第二重複領域を有し、
    前記第二重複領域の軸方向長さが、前記第一重複領域の軸方向長さよりも長い車両用駆動装置。
  2. 前記第一回転部材及び前記第三回転部材は、駆動力源と車輪との間で駆動力を伝達する主軸を構成し、
    前記第二回転部材及び前記第四回転部材は、前記駆動力源及び前記車輪のいずれか一方とポンプロータとの間で駆動力を伝達するポンプ駆動軸を構成する請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 前記第一モジュールは、内燃機関に駆動連結される入力部材と、第一ロータを有する第一回転電機と、サンギヤ、キャリヤ、及びリングギヤを有する動力分配装置と、を含み、
    前記第二モジュールは、第二ロータを有する第二回転電機を含み、
    前記サンギヤに前記第一ロータが駆動連結され、前記キャリヤに前記入力部材が駆動連結され、前記リングギヤに前記第一回転部材が駆動連結され、
    前記第三回転部材に前記第二ロータが駆動連結されている請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。
  4. 前記第一回転部材と前記第二回転部材とが互いに駆動連結され、
    前記第三回転部材に連動する第一連動部材のイナーシャよりも、前記第四回転部材に連動する第二連動部材のイナーシャが小さい請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
  5. 前記第一モジュールと前記第二モジュールとは、前記軸方向を上下方向に沿わせた状態で前記第二モジュールが上側に位置する状態で組み付けられ、
    前記ポンプロータに一体的に連結される前記第四回転部材が、前記ポンプ駆動軸の外周面よりも外側に突出してポンプ室形成部材に係止される係止部を有する請求項2に記載の車両用駆動装置。
  6. 前記第一係合部と前記第三係合部とは、いずれか一方が筒状部材の内周面に形成された係合部であるとともに他方が軸部材の外周面に形成された係合部であり、
    前記第二係合部と前記第四係合部とは、いずれか一方が筒状部材の内周面に形成された係合部であるとともに他方が軸部材の外周面に形成された係合部であり、
    前記第二係合部及び前記第四係合部を構成する径方向の凹凸の周方向の形成ピッチが、前記第一係合部及び前記第三係合部を構成する径方向の凹凸の周方向の形成ピッチよりも大きい請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
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