JP2015100045A - シールドケーブル、その製造方法およびアンテナ部一体シールドケーブル - Google Patents

シールドケーブル、その製造方法およびアンテナ部一体シールドケーブル Download PDF

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幸雄 加藤
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祐信 水野
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Abstract

【課題】ノイズの影響を軽減させ通信の信頼性を確保することを目的とする。【解決手段】伝送線路部20は、回路素子部を有する内側導体部22と、前記内側導体部22を挟むように積層された絶縁体32、33とを有する撓み可能な積層体34と、前記積層体34の周囲を覆い、前記積層体34をシールドする外側導体36と、前記外側導体36の周囲を覆う保護被膜37と、を備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、高周波信号の伝送線路部に用いられて好適な、撓み可能なシールドケーブル、その製造方法およびアンテナ部一体シールドケーブルに関する。
近年、携帯電話、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、プリンタ等のモバイル機器を中心とした通信機器は、無線通信モジュールを備えるものがある。このような無線通信モジュールは小型化・薄膜化が求められている。したがって、無線通信モジュールに用いられる伝送線路部には、装着性に優れた可撓性を有するフレキシブル基板を用いることが考えられる。特許文献1には、可撓性を有する樹脂製の薄いシート状絶縁基板の上面に配線層が成形され、配線層にコイル、コンデンサ、抵抗が実装されたフレキシブル回路基板が開示されている。
特開2005−45111号公報
しかしながら、上述した特許文献1のフレキシブル回路基板を高周波信号の伝送線路部に用いた場合、配線層に実装された電子部品が露出しているために外部からのノイズの影響を受けてしまうという問題がある。すなわち、特許文献1のフレキシブル回路基板では、外部からのノイズが直接、電子部品に影響を与えるために信号の精度が低下してしまい、通信の信頼性が低下してしまう。
本発明は上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、ノイズの影響を軽減させ、通信の信頼性を確保することを目的とする。
本発明のシールドケーブルは、回路素子部を有する内側導体部と、前記内側導体部を挟むように積層された絶縁体とを有する撓み可能な積層体と、前記積層体の周囲を覆い、前記積層体をシールドする外側導体と、前記外側導体の周囲を覆う保護被膜と、を備えることを特徴とする。
本発明のシールドケーブルの製造方法は、絶縁性樹脂からなる第1のフィルム部材上に、回路素子部を有する内側導体部を形成する工程と、絶縁性樹脂からなる第2のフィルム部材によって前記内側導体部を前記第1のフィルム部材との間で挟むことで積層体を製造する工程と、前記積層体をシールドするために前記積層体の周囲に外側導体を形成する工程と、前記外側導体の周囲に保護被膜を形成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明のアンテナ部一体シールドケーブルは、上述したシールドケーブルと、前記シールドケーブルの前記内側導体部が延長して形成されるアンテナ素子を有するアンテナ部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、ノイズの影響を軽減させることができ、通信の信頼性を確保することができる。
図1は、伝送線路部20の断面図である。 図2は、第1の実施形態のアンテナ部一体シールドケーブル1を示す斜視図である。 図3は、アンテナ部一体シールドケーブル1の平面図である。 図4は、コンデンサ26の一例を示す斜視図である。 図5は、コイル28の一例を示す斜視図である。 図6は、抵抗29の一例を示す斜視図である。 図7は、第2の実施形態のアンテナ部一体シールドケーブル2を示す斜視図である。 図8は、アンテナ部一体シールドケーブル2の平面図である。 図9は、伝送線路部40の断面図である。 図10Aは、伝送線路部20の第1製造方法を示す図である。 図10Bは、伝送線路部20の第1製造方法を示す図である。 図10Cは、伝送線路部20の第1製造方法を示す図である。 図10Dは、伝送線路部20の第1製造方法を示す図である。 図10Eは、伝送線路部20の第1製造方法を示す図である。 図10Fは、伝送線路部20の第1製造方法を示す図である。 図10Gは、伝送線路部20の第1製造方法を示す図である。 図10Hは、伝送線路部20の第1製造方法を示す図である。 図10Iは、伝送線路部20の第1製造方法を示す図である。 図10Jは、伝送線路部20の第1製造方法を示す図である。 図10Kは、伝送線路部20の第1製造方法を示す図である。 図11Aは、伝送線路部20の第2製造方法を示す図である。 図11Bは、伝送線路部20の第2製造方法を示す図である。 図11Cは、伝送線路部20の第2製造方法を示す図である。 図11Dは、伝送線路部20の第2製造方法を示す図である。 図11Eは、伝送線路部20の第2製造方法を示す図である。 図11Fは、伝送線路部20の第2製造方法を示す図である。 図11Gは、伝送線路部20の第2製造方法を示す図である。 図11Hは、伝送線路部20の第2製造方法を示す図である。 図11Iは、伝送線路部20の第2製造方法を示す図である。 図11Jは、伝送線路部20の第2製造方法を示す図である。 図11Kは、伝送線路部20の第2製造方法を示す図である。 図11Lは、伝送線路部20の第2製造方法を示す図である。 図12Aは、伝送線路部20の第3製造方法を示す図である。 図12Bは、伝送線路部20の第3製造方法を示す図である。 図12Cは、伝送線路部20の第3製造方法を示す図である。 図12Dは、伝送線路部20の第3製造方法を示す図である。 図12Eは、伝送線路部20の第3製造方法を示す図である。 図12Fは、伝送線路部20の第3製造方法を示す図である。 図12Gは、伝送線路部20の第3製造方法を示す図である。 図12Hは、伝送線路部20の第3製造方法を示す図である。 図12Iは、伝送線路部20の第3製造方法を示す図である。 図12Jは、伝送線路部20の第3製造方法を示す図である。 図12Kは、伝送線路部20の第3製造方法を示す図である。 図12Lは、伝送線路部20の第3製造方法を示す図である。 図13Aは、伝送線路部20の第4製造方法を示す図である。 図13Bは、伝送線路部20の第4製造方法を示す図である。 図13Cは、伝送線路部20の第4製造方法を示す図である。 図13Dは、伝送線路部20の第4製造方法を示す図である。 図13Eは、伝送線路部20の第4製造方法を示す図である。 図13Fは、伝送線路部20の第4製造方法を示す図である。 図13Gは、伝送線路部20の第4製造方法を示す図である。 図13Hは、伝送線路部20の第4製造方法を示す図である。 図13Iは、伝送線路部20の第4製造方法を示す図である。 図13Jは、伝送線路部20の第4製造方法を示す図である。 図13Kは、伝送線路部20の第4製造方法を示す図である。 図14Aは、伝送線路部20の第5製造方法を示す図である。 図14Bは、伝送線路部20の第5製造方法を示す図である。 図14Cは、伝送線路部20の第5製造方法を示す図である。 図14Dは、伝送線路部20の第5製造方法を示す図である。 図14Eは、伝送線路部20の第5製造方法を示す図である。 図14Fは、伝送線路部20の第5製造方法を示す図である。 図14Gは、伝送線路部20の第5製造方法を示す図である。 図14Hは、伝送線路部20の第5製造方法を示す図である。 図14Iは、伝送線路部20の第5製造方法を示す図である。 図14Jは、伝送線路部20の第5製造方法を示す図である。 図14Kは、伝送線路部20の第5製造方法を示す図である。
以下、本発明を適用できる実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図2は、第1の実施形態のアンテナ部一体シールドケーブル1を示す斜視図である。
図3は、アンテナ部一体シールドケーブル1の平面図である。
本実施形態のアンテナ部一体シールドケーブル1は、近距離無線通信に対応可能であり、携帯電話、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、プリンタ等のモバイル機器を中心とした通信機器に用いることができる。
アンテナ部一体シールドケーブル1は、高周波信号の電磁波を送受信するアンテナ部10と、高周波信号を伝送させる伝送線路部20(シールドケーブル)とが一体で形成されている。なお、以下では、幅とは図2に示すW方向をいうものとし、長さとは幅方向に直交する、伝送線路部20の長手方向をいうものとする。
アンテナ部10は、伝送線路部20よりも幅広であって、断面視で扁平状に形成されている。アンテナ部10は、伝送線路部20を製造するときに一体で形成される。アンテナ部10のうち、伝送線路部20に隣接する領域11は、伝送線路部20の構成と同様であり、内側導体部15が形成されている。アンテナ部10のうち領域12は、伝送線路部20の構成の一部が除かれている。領域12には、伝送線路部20の後述する内側導体部22が延長されたアンテナ素子13が形成され、アンテナ素子13が支持誘電体14により支持されている。
伝送線路部20は、全体が可撓性を有して形成され、屈曲あるいは湾曲させるなど撓み可能である。したがって、伝送線路部20を任意の方向に屈曲させたり湾曲させたりすることで、アンテナ部一体シールドケーブル1を、通信機器の筐体内に省スペースに収容することができる。また、伝送線路部20の端部21には、高周波信号を処理する高周波回路部が接続される。
伝送線路部20は、内部に高周波信号を伝送するための内側導体部22が長手方向に形成されている。本実施形態の伝送線路部20には、複数列(ここでは3列)の内側導体23a〜23cが形成されている。内側導体23a〜23cのうち、中央列の内側導体23bは、その長手方向の途中に回路素子部24を有している。ここでは、回路素子部24は、配線の機能を除いた所定の機能を有する一つまたは複数の回路素子をいうものとする。本実施形態の回路素子部24は、複数の回路素子25(25a、25b)により構成されている。回路素子25a、25bは、それぞれ内側導体23bに一体で形成された回路パターンである。具体的には、回路素子25aは、内側導体23bの一部を幅広に形成したコンデンサである。また、回路素子25bは、内側導体23bを環状に形成したコイルである。
ここで、回路素子25の具体的な構成の一例について図4〜図6を参照して説明する。
図4は、コンデンサ26の一例を示す斜視図である。図4に示すコンデンサ26は、幅寸法W1が46μm、厚みが12μmの銅箔で形成された内側導体27の途中に、幅寸法W2が500μm、長さ寸法L1が1.3mmの矩形を一体で形成した。このように形成したコンデンサ26のキャパシタンスは0.9[pF]である。なお、コンデンサ26は、伝送線路部20内で後述する外側導体36と対面することにより電荷が蓄積される。
図5は、コイル28の一例を示す斜視図である。図5に示す各コイル28は、幅寸法W3が46μm、厚みが12μmの銅箔で形成された内側導体27の途中に、半径Rが122μmの環状形状を一体で形成した。このようなコイル28を同形状で4つ直列に形成した全体のインダクタンスは2.2[nH]である。
図6は、抵抗29の一例を示す斜視図である。図6に示す抵抗29は、幅寸法W4が46μm、厚みが12μmの銅箔で形成された内側導体27の途中に、厚みが1μm、長さL2が4.8mmのニッケルめっきによりニッケル層を形成した。このように形成した抵抗29の抵抗値は50[Ω]である。なお、抵抗29は、内側導体27と異なる材料を用いる場合に限られず、内側導体27自体の幅寸法W4を幅狭に形成したり、厚みを薄く形成したりしてもよい。また、抵抗29はミアンダ状で形成してもよい。
上述した図3に示す回路素子部24は、アンテナ部10および高周波回路部の間をマッチングさせるためのマッチング回路として機能する。回路素子部24は、マッチング回路として機能させる場合に限られず、その他の所定の機能を実現するための回路であってもよい。
このように、通常であればアンテナ部10などに実装される回路素子25a、25bを、伝送線路部20内に形成することでアンテナ部10における実装面積を縮小させることができ、アンテナ部10を小型化することができる。そして、通常、高周波信号の伝送のみに用いられる伝送線路部20にマッチング回路を形成したので、他の部分にマッチング回路を形成する必要がなくなり、アンテナ部10およびアンテナ部一体シールドケーブル1全体を小型化することができる。
一方、回路素子部24を伝送線路部20に形成することで、伝送線路部20を通信機器の筺体内に収容したとき、回路素子部24がノイズの影響を受けやすくなる。そこで、本実施形態では、伝送線路部20に形成された回路素子部24を含めて内側導体部22を外側導体36で覆うことによりシールド性を向上させ、外部からのノイズの影響を軽減させている。
ここで、伝送線路部20について図1を参照して具体的に説明する。図1は、図3に示すI−I線を矢印方向に切断した断面図である。
図1に示すように、本実施形態の伝送線路部20は、内側導体部22が絶縁体32および絶縁体33によって挟まれて積層された撓み可能な積層体34と、積層体34の周囲を覆うことで積層体34をシールドする外側導体36と、外側導体36の周囲を覆う保護被膜37と、を備えている。したがって、外側導体36は外部からのノイズをシールドすることにより、伝送線路部20の回路素子部25を含めた内側導体23bに対するノイズの影響が軽減され、通信の信頼性を確保することができる。
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態のアンテナ部一体シールドケーブル2を示す斜視図である。
図8は、アンテナ部一体シールドケーブル2の平面図である。なお、第1の実施形態と同様の構成は、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態のアンテナ部一体シールドケーブル2は、近距離無線通信に対応可能である。アンテナ部一体シールドケーブル2は、アンテナ部10と、高周波信号を伝送させる伝送線路部40(シールドケーブル)とが一体で形成されている。
伝送線路部40は、全体が可撓性を有して形成され、屈曲あるいは湾曲させるなど撓み可能である。したがって、伝送線路部40を任意の方向に屈曲させたり湾曲させたりすることで、アンテナ部一体シールドケーブル2を、通信機器の筐体内に省スペースに収容することができる。
伝送線路部40は、内部に高周波信号を伝送するための内側導体部42が長手方向に形成されている。本実施形態の伝送線路部40には、複数列(ここでは3列)の内側導体43a〜43cが形成されている。内側導体43aと内側導体43bは、その長手方向の途中に回路素子部44を有している。ここでは、回路素子部44は、配線の機能を除いた所定の機能を有する一つまたは複数の電子部品をいうものとする。本実施形態の回路素子部44は、電子部品45(45a、45b)により構成されている。具体的には、電子部品45aは、内側導体43b上に半田付けによって実装されたコンデンサである。また、電子部品45bは、内側導体43aおよび内側導体43bに跨って半田付けによって実装されたコイルである。
上述した図7および図8に示す回路素子部44は、アンテナ部10および高周波回路部の間をマッチングさせるためのマッチング回路として機能する。回路素子部44は、マッチング回路として機能させる場合に限られず、その他の所定の機能を実現するための回路であってもよい。また、電子部品はコンデンサやコイルなどの受動素子に限られず、能動素子であってもよい。
このように、通常であればアンテナ部10などに実装される電子部品45a、45bを、伝送線路部40内に実装することでアンテナ部10における実装面積を縮小させることができ、アンテナ部10を小型化することができる。そして、通常、高周波信号の伝送のみに用いられる伝送線路部40にマッチング回路を形成したので、他の部分にマッチング回路を形成する必要がなくなり、アンテナ部10およびアンテナ部一体シールドケーブル2全体を小型化することができる。
一方、回路素子部44を伝送線路部40に形成することで、伝送線路部40を通信機器の筺体内に収容したとき、回路素子部44がノイズの影響を受けやすくなる。そこで、本実施形態では、伝送線路部40に形成された回路素子部44を含めて内側導体部42を外側導体36で覆うことによりシールド性を向上させ、外部からのノイズの影響を軽減させている。
ここで、伝送線路部40について図9を参照して具体的に説明する。図9は、図8に示すII−II線を矢印方向に切断した断面図である。
図9に示すように、本実施形態の伝送線路部40は、内側導体部42が絶縁体32および絶縁体33によって挟まれて積層された撓み可能な積層体44と、積層体44の周囲を覆うことで積層体44をシールドする外側導体36と、外側導体36の周囲を覆う保護被膜37と、を備えている。したがって、外側導体36は外部からのノイズをシールドすることにより、伝送線路部40の電子部品45を含めた内側導体43a、43bに対するノイズの影響が軽減され、通信の信頼性を確保することができる。
また、本実施形態の伝送線路部40では、電子部品45は絶縁体33を接着させるための接着層31によって囲まれているので、電子部品45が内側導体43a、43bから剥離されることが防止される。また、電子部品45が実装された部位では、伝送線路部40が曲がり難くなり可撓性が僅かに失われるものの、電子部品45と内側導体43a、43bとの間の接合部に対する応力の集中が軽減され、電子部品45が剥離されることが更に防止される。
(伝送線路部の第1製造方法)
次に、伝送線路部20、40の第1製造方法について図10A〜図10Kを参照して説明する。図10A〜図10Kは、伝送線路部20の一連の製造工程を示す図である。以下では、第1の実施形態の伝送線路部20の製造工程を中心に説明し、第2の実施形態の伝送線路部40の製造工程を補足して説明する。
(1−A)まず、絶縁体32としての第1のフィルム部材32aを用意する。ここでは、第1のフィルム部材32aとして、厚み50μmの絶縁性樹脂であるポリイミドのフィルムを用いるものとする。なお、第1のフィルム部材32aの厚みは、インピーダンスコントロールおよび伝送線路部20、40の可撓性を維持するために25μm〜75μmであることが好ましい。
次に、第1のフィルム部材32aの一方の表面上に、後に内側導体として形成される厚み12μmの銅箔22aを貼り合わせる(図10A)。なお、銅箔22aの厚みは、強度が低下せず、電気抵抗が大きくならないようにするために5μm以上であることが好ましい。また、伝送線路部20、40の可撓性を維持するために25μm以下であることが好ましい。なお、銅箔22aを用いることで仕様に応じて容易に厚みを大きくすることができる。
(1−B)次に、銅箔22aの表面上に、エッチングレジスト38を塗布する(図10B)。
(1−C)次に、塗布したエッチングレジスト38の露光および現像を行う(図10C)。図10Cは、3列の内側導体23a〜23cを形成する場合のレジストパターンを示している。この際、上述した回路素子25a、25bの形状に一致させたパターンで露光する。また、図6に示す抵抗29を形成する場合には、抵抗29を配置する位置に、内側導体23bが形成されないようにレジストパターンを形成する。
(1−D)次に、塩化第二鉄を用いてエッチングをすることで不要な銅箔22aを除去する(図10D)。
(1−E)次に、エッチングレジスト38を剥離することで配線パターンとして、内側導体部22が露出される(図10E)。図6に示す抵抗29を形成する場合には、この後、所定の位置に無電解ニッケルめっきによりニッケル層を形成する。また、第2の実施形態の伝送線路部40を製造する場合には、露出された内側導体43a〜43c上の所定の位置に電子部品45を例えば半田付けにより実装する。
(1−F)次に、内側導体部22が形成された側の第1のフィルム部材32aの表面に接着層31としてポリアミック酸を塗布する(図10F)。ここで、接着層31は、内側導体部22を覆うように塗布するものとする。第2の実施形態の伝送線路部40を製造する場合には、内側導体に実装された最も高さの高い電子部品45の上面を覆うように塗布することが好ましい。このように、電子部品45の上面を覆うように接着層31を塗布することで、接着層31の上面を平坦に形成することができる。
(1−G)次に、塗布した接着層31上に、絶縁体33としての第2のフィルム部材33aを貼り合わせる。ここでは、第2のフィルム部材33aは、第1のフィルム部材32aと同一のポリイミドのフィルムを用いる。すなわち、第1のフィルム部材32aと第2のフィルム部材33aとによって内側導体部22を挟み込む。その後、250℃で加熱積層することで、積層体34を製造する(図10G)。なお、第2のフィルム部材33aの厚みは、インピーダンスコントロールおよび伝送線路部20、40の可撓性を維持するために25μm〜75μmであることが好ましい。
この工程では、(1−F)の工程において、接着層31の上面が平坦に形成されているので、接着層31と第2のフィルム部材33aとの間に隙間が生じず、両者を密着させることができる。
(1−H)次に、内側導体部22の幅方向における両端から離れた位置で、内側導体部22の長手方向と平行に積層体34を切断する。この際、アンテナ部10が形成される部位では、アンテナ部10に対応して幅広に積層体34を切断する。更に、積層体34の矩形断面の4つの角部に湾曲状(R面)の面取りを行い、形状を整える(図10H)。この工程により、内側導体部22が第1のフィルム部材32a、第2のフィルム部材33aおよび接着層31からなる内部誘電体によって囲まれた、可撓性を有する扁平状の積層体34が製造される。
(1−I)次に、積層体34の端部(図2、図7などに示す端部21)を保護した状態で、積層体34の外周全面に低圧水銀ランプによりUV光(紫外線)を5分間照射することで、易接着処理層35を形成する(図10I)。
(1−J)次に、易接着処理層35上に無電解銅めっきをすることで易接着処理層35の外周全面に亘って銅層を形成した後に、更に電解銅めっきにより銅層を加えることで厚み10μmの外側導体36を形成する(図10J)。なお、外側導体36の厚みは、外部からのノイズをシールドし、かつ伝送線路部20、40の可撓性を維持するために8μm〜15μmであることが好ましい。この工程により、積層体34の周囲に外側導体36が易接着処理層35を介して密着して形成される。
(1−k)次に、外側導体36の外周全面にニッケルめっきにより厚み5μmの保護被膜37を形成する(図10K)。保護被膜37は、外側導体36を錆から保護する。なお、保護被膜37の厚みは、外側導体36を保護し、かつ伝送線路部20、40の可撓性を維持するために5μm〜10μmであることが好ましい。なお、保護被膜37は、ニッケルめっき以外であってよく例えば塩化ビニル樹脂などの樹脂であってもよい。また、保護被膜37は、鉄、アルミニウムなどの箔を混ぜ合わせた導電性樹脂であってもよく、銅、ニッケル、銀などの金属粉を混ぜ合わせた導電性塗料を塗布することで形成してもよい。保護被膜37に導電性樹脂や導電性塗料を用いることにより、更にシールド性を向上させることができる。
このように第1製造方法により製造された伝送線路部20、40は、厚み150μm程度であるため、厚み方向を山谷にして容易に曲げることができる。すなわち、伝送線路部20、40は、クランク形状やS字形状など、通信機器の筐体内の配置スペースに応じて曲げることができるので、通信機器の筐体内に省スペースで実装することができる。
また、伝送線路部20、40は、内側導体部22、42の周囲が絶縁体32、33により覆われ、更にその周囲が外側導体36により覆われている。したがって、内側導体部22、42の内側導体23に形成された回路素子25および内側導体部42の内側導体43に実装された電子部品45に対するシールド性を向上させることができる。特に、外側導体36は、積層体34、44の外周全面に亘ってシームレス(継ぎ目なく)に一体的に形成されているので、シールド性をより向上させることができる。
また、積層体34、44の周囲に外側導体36を形成する際に、積層体34、44と外側導体36との接合面には、表面処理によって易接着処理層35を形成している。このように、外側導体36が易接着処理層35を介して積層体34、44に接合することで、積層体34、44と外側導体36との間が密着し、その接合性を確保することができる。
また、外側導体36を形成する前に、積層体34、44の扁平な矩形断面の4つの各角部に面取りを行っている。したがって、積層体34、44に薄膜の外側導体36を形成しても、破損に対する耐久性が向上するので外側導体36のシールド能力を維持することができる。
また、第1製造方法によって伝送線路部20、40を製造することでアンテナ部10を一体で製造することができる。アンテナ部10を一体で製造することで、アンテナ部10と伝送線路部20、40とを例えばコネクタなどにより接続する必要がないために、コネクタを用いることによる伝送損失を防止することができる。なお、アンテナ部10のうち領域11は、伝送線路部20、40の上述した製造工程と同じ工程で製造される。領域11では内側導体部15の一部を外側導体36と導通させることでグランド層として用いることができる。また、伝送線路部20、40の領域も同様に内側導体23a、23c、43a、43cの一部を外部導体36と導通させることができる。内側導体部15の一部と外側導体36を導通させる工程は、後述する。
一方、アンテナ部10のうち領域12は、第1製造方法の(1−A)の工程〜(1−E)の工程と同じ工程で製造される。具体的には、内側導体部22、42を形成するときにアンテナ素子13が形成される。すなわち、アンテナ素子13は、伝送線路部20、40の内側導体部22、42を製造する工程と同じ工程で製造され、内側導体部22が領域12まで延長して形成されている。また、図2および図7に示すように、領域12にはアンテナ素子13を支持する支持誘電体14を有している。支持誘電体14は、伝送線路部20、40の第1のフィルム部材32a、すなわち絶縁体32が領域12まで延長して形成されている。
なお、アンテナ素子13上には、伝送線路部20、40を製造する上述の工程とは異なる工程で積層されたアンテナ保護層を有している。アンテナ保護層は、例えばポリオレフィンやポリスチレン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などの有機材料を用いることができる。
(伝送線路部の第2製造方法)
次に、伝送線路部20、40の第2製造方法について図11A〜図11Lを参照して説明する。第2製造方法では、内側導体部22のうちいくつかの内側導体53を外側導体36と導通させてグランド導体とする場合について説明する。ここでは、内側導体部22は内側導体53a〜内側導体53eを有し、内側導体53a、53c、53eをグランド導体として形成するものとする。
第2製造方法のうち、(2−A)の工程(図11A)〜(2−G)の工程(図11G)は、第1製造方法の(1−A)の工程〜(1−G)の工程と同様であるため、その説明を省略する。
(2−H)製造された積層体34に対して、第1のフィルム部材32aの表面(下面)から内側導体部22のうち内側導体53a、53c、53eに向かってレーザ光線を用いて孔径が約30〜50μmのブラインドビア51を形成する(図11H)。したがって、ブラインドビア51は積層体34の外周面から内側導体部22に到るため、ブラインドビア51を通して内側導体53a、53c、53eの一部が露出される。ブラインドビア51は、積層体34の長手方向に間隔を空けて複数、形成することが好ましい。また、アンテナ部10でも同様に、ブラインドビア51を形成することができる。
(2−I)次に、内側導体部22の幅方向における両端から離れた位置で、内側導体部22の長手方向と平行に積層体34を切断する。更に、積層体34の矩形断面の4つの角部に湾曲状(R面)の面取りを行い、形状を整える(図11I)。この工程により、内側導体部22が第1のフィルム部材32a、第2のフィルム部材33aおよび接着層31からなる内部誘電体によって囲まれた、可撓性を有する扁平状の積層体34が製造される。
(2−J)次に、積層体34の端部(図2、図7などに示す端部21)を保護した状態で、積層体34の外周全面に低圧水銀ランプによりUV光を5分間照射し、表面改質させることで易接着処理層35を形成する(図11J)。この際、ブラインドビア51内の表面にも易接着処理層35が形成される。
(2−K)次に、易接着処理層35上に無電解銅めっきをすることで易接着処理層35の外周全面に亘って銅層を形成した後に、更に電解銅めっきにより銅層を加えることで厚み5μmの外側導体36を形成する(図11K)。外側導体36を形成する際、ブラインドビア51内の表面にもビア導体52として銅層が形成されることにより、外側導体36と内側導体53a、53c、53eとが導通される。ブラインドビア51は、ビア導体52によって閉塞される。
なお、外側導体36の厚みは、外部からのノイズをシールドし、かつ伝送線路部20、40の可撓性を維持するために8μm〜15μmであることが好ましい。この工程により、積層体34の周囲に外側導体36が易接着処理層35を介して密着して形成されると共に、グランド導体が形成される。
(2−L)次に、外側導体36の外周全面にニッケルめっきにより厚み5μmの保護被膜37を形成する(図11L)。この際、保護被膜37は、ブラインドビア51内に形成されたビア導体52の表面にも形成される。なお、保護被膜37の厚みは、外側導体36を保護し、かつ伝送線路部20、40の可撓性を維持するために5μm〜10μmであることが好ましい。
このように第2製造方法により製造された伝送線路部20、40は、第1製造方法により製造された場合と同様、厚み方向を山谷にして容易に曲げることができる。また、内側導体部22の内側導体23に形成された回路素子25および内側導体部42の内側導体43に実装された電子部品45に対するシールド性を向上させることができる。
更に、第2製造方法により製造された伝送線路部20、40では、内側導体部22の内側導体53a、53c、53eを容易にグランド導体として形成することができる。具体的には、内側導体53a、53c、53eは絶縁体32に形成されたブラインドビア51内のビア導体52を介して導通されることで容易にグランド導体として形成することができる。
また、第2製造方法によって伝送線路部20、40を製造することでアンテナ部10を一体で製造することができる。アンテナ部10のうち領域11では、内側導体部22に形成した同様の方法でグランド導体を形成することができる。
(伝送線路部の第3製造方法)
次に、伝送線路部20、40の第3製造方法について図12A〜図12Lを参照して説明する。第3製造方法は、第2製造方法と比較して内側導体53a、53eをグランド導体として形成する方法が異なるだけで、その他の製造方法は同一であり、第2造方法と同一符号を付して説明する。
第3製造方法のうち、(3−A)の工程(図12A)〜(3−G)の工程(図12G)は、第2製造方法の(2−A)の工程〜(2−G)の工程と同様であるため、その説明を省略する。
(3−H)製造された積層体34に対して、第1のフィルム部材32aの表面(下面)から内側導体部22のうち内側導体53cに向かってレーザ光線を用いて孔径が約30〜50μmのブラインドビア51を形成する(図12H)。したがって、ブラインドビア51は積層体34の外周面から内側導体部22に到るため、ブラインドビア51を通して内側導体53cの一部が露出される。ブラインドビア51は、積層体34の長手方向に間隔を空けて複数、形成することが好ましい。
(3−I)次に、内側導体部22の幅方向における両側の位置で、内側導体部22の長手方向と平行に積層体34を切断する。この際、グランド導体として形成する両側の内側導体53a、53eの一部、具体的には幅方向における端部が露出されるように切断する。更に、積層体34の矩形断面の4つの角部に湾曲状(R面)の面取りを行い、形状を整える(図12I)。この工程により、内側導体部22が第1のフィルム部材32a、第2のフィルム部材33aおよび接着層31からなる内部誘電体によって囲まれた、可撓性を有する扁平状の積層体34が製造される。
(3−J)次に、積層体34の端部(図2、図7などに示す端部21)を保護した状態で、積層体34の外周全面に低圧水銀ランプによりUV光を5分間照射し、表面改質させることで易接着処理層35を形成する(図12J)。この際、ブラインドビア51内の表面にも易接着処理層35が形成される。
(3−K)次に、易接着処理層35上に無電解銅めっきをすることで易接着処理層35の外周全面に亘って銅層を形成した後に、更に電解銅めっきにより銅層を加えることで厚み5μmの外側導体36を形成する(図12K)。外側導体36を形成する際、ブラインドビア51内の表面にもビア導体52として銅層が形成されることにより、外側導体36と内側導体53cとが導通される。ブラインドビア51は、ビア導体52によって閉塞される。また、外側導体36に近接した内側導体53a、53eは、幅方向における端部が外側導体36と接触するために、外側導体36と内側導体53a、53eとが導通される。
なお、外側導体36の厚みは、外部からのノイズをシールドし、かつ伝送線路部20、40の可撓性を維持するために8μm〜15μmであることが好ましい。この工程により、積層体34の周囲に外側導体36が易接着処理層35を介して密着して形成されると共に、グランド導体が形成される。
(3−L)次に、外側導体36の外周全面にニッケルめっきにより厚み5μmの保護被膜37を形成する(図12L)。この際、保護被膜37は、ブラインドビア51内に形成されたビア導体52の表面にも形成される。なお、保護被膜37の厚みは、外側導体36を保護し、かつ伝送線路部20、40の可撓性を維持するために5μm〜10μmであることが好ましい。
このように第3製造方法により製造された伝送線路部20、40は、第2製造方法により製造された場合と同様、厚み方向を山谷にして容易に曲げることができる。また、内側導体部22の内側導体23に形成された回路素子25および内側導体部42の内側導体43に実装された電子部品45に対するシールド性を向上させることができる。
更に、第3製造方法により製造された伝送線路部20、40では、内側導体部22の内側導体53a、53c、53eを容易にグランド導体として形成することができる。具体的には、内側導体53a〜53eのうち端側に位置する内側導体53a、53eは、積層体34を切断するときに幅方向における端部を露出させ、外側導体36と導通させることで容易にグランド導体として形成することができる。
なお、内側導体53a、53eの端部を露出させて外側導体36と導通させると共に、第2製造方法によるビア導体52を介して外側導体36と導通させてもよい。
また、内側導体53a、53eの両方の端部を露出させる場合に限られず、内側導体53a、53eのうち何れか一方の端部を露出させて、外側導体36と導通させてもよい。
(伝送線路部の第4製造方法)
次に、伝送線路部20、40の第4製造方法について図13A〜図13Kを参照して説明する。第4製造方法では、内側導体部22を形成する工程が第1製造方法〜第3製造方法と異なる。また、ここでは、内側導体部22は、内側導体63a〜内側導体63eを有し、内側導体63a、63c、63eをグランド導体として形成するものとする。
(4−A)まず、絶縁体32としての第1のフィルム部材32aを用意する(図13A)。第1のフィルム部材32aは、第1製造方法と同様、厚み50μmのポリイミドのフィルムを用いるものとする。
(4−B)次に、第1のフィルム部材32aの一方の表面に、内側導体63a〜63eの形状の開口を有するニッケル製露光マスクを密着させ、低圧水銀ランプによりUV光を5分間照射することで、表面改質層としての易接着層64を形成する(図13B)。ここでは、ニッケル製露光マスクの開口が内側導体63a〜63eの回路パターンと一致する。したがって、第1の実施形態の伝送線路部20を製造する場合には、回路素子25の形状に一致させた開口の露光マスクを用いて易接着層64を形成する。また、図6に示す抵抗29を形成する場合には、抵抗29を配置する位置に、内側導体63a〜63eが形成されないような露光マスクを用いて易接着層64を形成する。
(4−C)次に、易接着層64上に無電解銅めっきをすることで、下部内側導体61a〜61eを形成する(図13C)。この工程により、第1のフィルム部材32aに下部内側導体61a〜61eが易接着層64を介して密着して形成される。
(4−D)次に、形成した下部内側導体61a〜61e上に電解銅めっきにより銅層を加えることで上部内側導体62a〜62eを形成する。下部内側導体61a〜61eと上部内側導体62a〜62eとにより内側導体63a〜63eを有する厚み12μmの内側導体部22が形成される(図13D)。なお、内側導体部22の厚みは、強度が低下せず、電気抵抗を大きくならないようにするために5μm以上であることが好ましい。また、内側導体部22の微細な回路パターンを維持できるようにするために25μm以下であることが好ましい。
その後、図6に示す抵抗29を形成する場合には、所定の位置にニッケル層を形成する。また、第2の実施形態の伝送線路部40を製造する場合には、内側導体63a〜63eの所定の位置に電子部品45を例えば半田付けにより実装する。
(4−E)次に、内側導体部22が形成された側の第1のフィルム部材32aの表面に接着層31としてポリアミック酸を塗布する(図13E)。この工程は、第1の製造方法の(1−F)と同様であり、その説明を省略する。
(4−F)次に、塗布した接着層31上に、絶縁体33としての第2のフィルム部材33aを貼り合わせて、積層体34を製造する(図13F)。この工程は、第1製造方法の(1−G)と同様であり、その説明を省略する。
(4−G)次に、製造された積層体34に対して、第1のフィルム部材32aの表面(下面)から内側導体部22のうち内側導体63a、63c、63eに向かってレーザ光線を用いて孔径が約30〜50μmのブラインドビア51を形成する(図13G)。したがって、ブラインドビア51は積層体34の外周面から易接着層64を貫通して内側導体部22に到るため、内側導体63a、63c、63eの一部が露出される。ブラインドビア51は、積層体34の長手方向に間隔を空けて複数、形成することが好ましい。また、アンテナ部10でも同様に、ブラインドビア51を形成することができる。
(4−H)次に、内側導体部22の幅方向における両端から離れた位置で、内側導体部22の長手方向と平行に積層体34を切断する。更に、積層体34の矩形断面の4つの角部に湾曲状(R面)の面取りを行い、形状を整える(図13H)。この工程により、内側導体部22が第1のフィルム部材32a、第2のフィルム部材33aおよび接着層31からなる内部誘電体によって囲まれた、可撓性を有する扁平状の積層体34が製造される。
(4−I)次に、積層体34の端部(図2、図7などに示す端部21)を保護した状態で、積層体34の外周全面に低圧水銀ランプによりUV光を5分間照射し、表面改質させることで易接着処理層35を形成する(図13I)。この際、ブラインドビア51内の表面にも易接着処理層35が形成される。
(4−J)次に、易接着処理層35上に無電解銅めっきをすることで易接着処理層35の外周全面に亘って銅層を形成した後に、更に電解銅めっきにより銅層を加えることで厚み5μmの外側導体36を形成する(図13J)。外側導体36を形成する際、ブラインドビア51内の表面にもビア導体52として銅層が形成されることにより、外側導体36と内側導体63a、63c、63eとが導通される。
なお、外側導体36の厚みは、外部からのノイズをシールドし、かつ伝送線路部20、40の可撓性を維持するために8μm〜15μmであることが好ましい。この工程により、積層体34の周囲に外側導体36が易接着処理層35を介して密着して形成されると共に、グランド導体が形成される。
(4−K)次に、外側導体36の外周全面にニッケルめっきにより厚み5μmの保護被膜37を形成する(図13K)。この工程は、第2製造方法の(2−L)の工程と同様であり、その説明を省略する。
このように第4製造方法により製造された伝送線路部20、40は、第1製造方法〜第3製造方法により製造された場合と同様、厚み方向を山谷にして容易に曲げることができる。また、内側導体部22の内側導体23に形成された回路素子25および内側導体部42の内側導体43に実装された電子部品45に対するシールド性を向上させることができる。
更に、第4製造方法のように露光マスクを用いて易接着層64を形成し、易接着層64上に無電解銅めっきおよび電解銅めっきにより内側導体部22を形成することで、微細な回路パターンを形成することができる。
(伝送線路部の第5製造方法)
次に、伝送線路部20、40の第5製造方法について図14A〜図14Kを参照して説明する。第5製造方法は、第4製造方法と比較して内側導体63a、63eをグランド導体として形成する方法が異なるだけで、その他の製造方法は同一であり、第4製造方法と同一符号を付して説明する。
第5製造方法のうち(5−A)の工程(図14A)〜(5−F)の工程(図14F)は、第4製造方法の(4−A)の工程〜(4−F)の工程と同様であるため、その説明を省略する。
(5−G)製造された積層体34に対して、第1のフィルム部材32aの表面(下面)から内側導体部22のうち内側導体63cに向かってレーザ光線を用いて孔径が約30〜50μmのブラインドビア51を形成する(図14G)。したがって、ブラインドビア51は積層体34の外周面から易接着層64を貫通して内側導体部22に到るため、内側導体63cの一部が露出される。ブラインドビア51は、積層体34の長手方向に間隔を空けて複数、形成することが好ましい。また、アンテナ部10でも同様に、ブラインドビア51を形成することができる。
(5−H)次に、内側導体部22の幅方向における両側の位置で、内側導体部22の長手方向と平行に積層体34を切断する。この際、グランド導体として形成する両側の内側導体63a、63eの一部、具体的には幅方向における端部が露出されるように切断する。更に、積層体34の矩形断面の4つの角部に湾曲状(R面)の面取りを行い、形状を整える(図14H)。この工程により、内側導体部22が第1のフィルム部材32a、第2のフィルム部材33aおよび接着層31からなる内部誘電体によって囲まれた、可撓性を有する扁平状の積層体34が製造される。
(5−I)次に、積層体34の端部(図2、図7などに示す端部21)を保護した状態で、積層体34の外周全面に低圧水銀ランプによりUV光を5分間照射し、表面改質させることで易接着処理層35を形成する(図14I)。この際、ブラインドビア51内の表面にも易接着処理層35が形成される。
(5−J)次に、易接着処理層35上に無電解銅めっきをすることで易接着処理層35の外周全面に亘って銅層を形成した後に、更に電解銅めっきにより銅層を加えることで厚み5μmの外側導体36を形成する(図14J)。外側導体36を形成する際、ブラインドビア51内の表面にもビア導体52として銅層が形成されることにより、外側導体36と内側導体63cとが導通される。また、外側導体36に近接した内側導体63a、63eは、幅方向における端部が外側導体36と接触するために、外側導体36と内側導体63a、63eとが導通される。
なお、外側導体36の厚みは、外部からのノイズをシールドし、かつ伝送線路部20、40の可撓性を維持するために8μm〜15μmであることが好ましい。この工程により、積層体34の周囲に外側導体36が易接着処理層35を介して密着して形成されると共に、グランド導体が形成される。
(5−K)次に、外側導体36の外周全面にニッケルめっきにより厚み5μmの保護被膜37を形成する(図14K)。この工程は、第4製造方法の(4−K)の工程と同様であり、その説明を省略する。
このように第5製造方法により製造された伝送線路部20、40は、第1製造方法〜第4製造方法により製造された場合と同様、厚み方向を山谷にして容易に曲げることができる。また、内側導体部22の内側導体23に形成された回路素子25および内側導体部42の内側導体43に実装された電子部品45に対するシールド性を向上させることができる。
なお、内側導体63a、63eの端部を露出させて外側導体36と導通させると共に、第4製造方法によるビア導体52を介して外側導体36と導通させてもよい。
また、内側導体63a、63eの両方の端部を露出させる場合に限られず、内側導体63a、63eのうち何れか一方の端部を露出させて、外側導体36と導通させてもよい。
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されず、本発明の範囲内で変更等が可能である。
なお、上述した製造方法では、第1のフィルム部材32aおよび第2のフィルム部材33aとして、ポリイミドのフィルムを用いる場合について説明したが、この場合に限られず、ポリイミド、シクロオレフィンポリマー、ポリスチレンまたはポリエチレンテレフタレートなど何れかの高分子樹脂材料を用いることができる。また、第1のフィルム部材32aと第2のフィルム部材33aとが同一の材料である場合に限られず、異なる材料であってもよい。
また、本実施形態では、積層体34、44の周囲に易接着処理層35を介して外側導体36を形成する場合について説明したが、この場合に限られず、積層体34、44の周囲に直接、外側導体36を形成してもよい。
また、上述した製造方法では、接着層31としてアクリル系、エポキシ系、シリコーン系等の公知の接着剤を用いることができる。また、塗布方法も、シート状の接着層を貼り合わせる方法の他、液状の接着剤をディスペンサや印刷法等で塗布し、熱や紫外線照射によって硬化する方法を用いることができる。
また、上述した製造方法では、接着層31を介して内側導体部22を第1のフィルム部材32aと第2のフィルム部材32aとにより挟み込む場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、第1のフィルム部材32aと第2のフィルム部材32aにシクロオレフィンポリマーなどの熱溶着される材料を用いることで、接着層31を省略して構成してもよい。
また、回路素子部は、配線の機能を除いた所定の機能を有する回路素子と、電子部品との組合せであってもよい。
1、2:アンテナ部一体シールドケーブル 10:アンテナ部 13:アンテナ素子 14:支持誘電体 20:伝送線路部 22:内側導体部 23a〜23c:内側導体 24:回路素子部 25(25a、25b):回路素子 26:コンデンサ 28:コイル 29:抵抗 32:絶縁体 33:絶縁体 34:積層体 35:易接着処理装置 36:外側導体 37:保護被膜 38:エッチングレジスト 51:ブラインドビア 52:ビア導体 53a〜53e:内側導体 63a〜63e:内側導体

Claims (17)

  1. 回路素子部を有する内側導体部と、前記内側導体部を挟むように積層された絶縁体とを有する撓み可能な積層体と、
    前記積層体の周囲を覆い、前記積層体をシールドする外側導体と、
    前記外側導体の周囲を覆う保護被膜と、を備えることを特徴とするシールドケーブル。
  2. 前記回路素子部は、内側導体に一体で形成され、所定の機能を有する回路パターンであることを特徴とする請求項1に記載のシールドケーブル。
  3. 前記所定の機能を有する回路パターンは、前記内側導体に一体で形成されたコンデンサ、コイルおよび抵抗の少なくとも何れか1つであることを特徴とする請求項2に記載のシールドケーブル。
  4. 前記回路素子部は、内側導体に実装された電子部品であることを特徴とする請求項1に記載のシールドケーブル。
  5. 前記積層体の周囲に易接着処理層が形成され、
    前記外側導体は、前記易接着処理層を介して前記積層体の周囲を覆うことを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載のシールドケーブル。
  6. 前記内側導体部は、前記絶縁体に形成されたブラインドビア内のビア導体を介して前記外側導体に導通されることで、グランド導体として形成されることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載のシールドケーブル。
  7. 前記内側導体部は、幅方向における端部が前記外側導体に導通されることでグランド導体として形成されることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載のシールドケーブル。
  8. 絶縁性樹脂からなる第1のフィルム部材上に、回路素子部を有する内側導体部を形成する工程と、
    絶縁性樹脂からなる第2のフィルム部材によって前記内側導体部を前記第1のフィルム部材との間で挟むことで積層体を製造する工程と、
    前記積層体をシールドするために前記積層体の周囲に外側導体を形成する工程と、
    前記外側導体の周囲に保護被膜を形成する工程と、を有することを特徴とするシールドケーブルの製造方法。
  9. 前記第1のフィルム部材上に、前記内側導体部を覆うように接着層を形成する工程を有し、
    前記積層体を製造する工程では、前記接着層を介して前記内側導体部を前記第1のフィルム部材と前記第2のフィルム部材とにより挟み込むことを特徴とする請求項8に記載のシールドケーブルの製造方法。
  10. 前記外側導体を形成する工程では、前記積層体の周囲に紫外線を照射することで易接着処理層を形成し、前記易接着処理層上に前記外側導体を形成することを特徴とする請求項8または9に記載のシールドケーブルの製造方法。
  11. 前記外側導体を形成する工程の前に、前記積層体の各角部を面取りする工程を有することを特徴とする請求項8ないし10の何れか1項に記載のシールドケーブルの製造方法。
  12. 前記外側導体を形成する工程の前に、前記積層体の外周から前記内側導体部に到るブラインドビアを形成する工程を有し、
    前記外側導体を形成する工程によって、前記ブラインドビア内に、前記外側導体と前記内側導体部とを導通させるビア導体が形成されることを特徴とする請求項8ないし11の何れか1項に記載のシールドケーブルの製造方法。
  13. 少なくとも一方の前記内側導体部の幅方向における端部を露出させるように前記積層体を切断する工程を有し、
    前記外側導体を形成する工程によって、前記内側導体部の端部が前記外側導体と導通されることを特徴とする請求項8ないし11の何れか1項に記載のシールドケーブルの製造方法。
  14. 前記第1のフィルム部材および前記第2のフィルム部材の少なくとも何れか一方は、ポリイミド、シクロオレフィンポリマー、ポリスチレンまたはポリエチレンテレフタレートの何れかであることを特徴とする請求項8ないし13の何れか1項に記載のシールドケーブルの製造方法。
  15. 前記第1のフィルム部材および前記第2のフィルム部材は、同一の材料であることを特徴とする請求項14に記載のシールドケーブルの製造方法。
  16. 請求項1ないし7の何れか1項に記載のシールドケーブルと、
    前記シールドケーブルの前記内側導体部が延長して形成されるアンテナ素子を有するアンテナ部と、を有することを特徴とするアンテナ部一体シールドケーブル。
  17. 前記アンテナ部は、前記アンテナ素子が支持される支持誘電体を有し
    前記支持誘電体は、前記シールドケーブルの前記絶縁体が延長して形成されることを特徴とする請求項16に記載のアンテナ部一体シールドケーブル。
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