JP2015099806A - 発光装置、車両用前照灯および照明装置 - Google Patents

発光装置、車両用前照灯および照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光触媒の活性化のために十分な強度の光を容易に得る。
【解決手段】励起光ELを発生するLED1aと、LED1aから発生した励起光ELが照射されることにより蛍光を発生する発光体4と、LED1aから発生した励起光ELを発光体4へ導くための導光部材2aと、発光体4から発生した蛍光を反射する光反射凹面SUF3を有するパラボラミラー5と、を備え、光反射凹面SUF3の少なくとも一部に光触媒コート膜6cが形成され、LED1aから発生する励起光ELが、光触媒コート膜6cに含まれる光触媒の光触媒作用を活性化させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、励起光を蛍光体(発光体)に照射することで発生する蛍光を照明光として利用する発光装置、該発光装置を備えた車両用前照灯および照明装置に関するものである。
近年、励起光源として発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)や半導体レーザ(LD;Laser Diode)等の半導体発光素子を用いた発光装置の研究が盛んになってきている。
このような発光装置に関する技術の一例として特許文献1に開示された光源装置がある。この光源装置は、LDと、該LDからのレーザ光を平行光線束とするコリメータ(レンズ)と、該コリメータからの平行光線束のレーザ光を集光するコンデンサ(レンズ)と、該コンデンサで集光したレーザ光を吸収しインコヒーレント光を放出する蛍光体とを備える。
ところで、上記構成の光源装置をそのまま大気中で使用した場合、反射鏡などに排気ガスなどの汚れが付着して、その反射率などが低下し、光源装置全体の照明光の取出し効率が経時的に低下してしまうという問題点がある。
また、反射鏡による反射光の伝搬方向に投影レンズを設置して光源装置の内部を密閉するにしても、完全な密閉状態とすることは難しいので、時間の経過と共に、排気ガスなどの汚れが反射鏡や投影レンズに付着してしまうことは避けられない。また、光源装置の内部を密閉した場合は、光源装置の内部の清掃は実質的に不可能となってしまう。
以上のような問題点を解決するための技術の一例として特許文献2に開示された照明用灯具がある。この照明用灯具では、光源にメタルハライドランプ(放電灯)を用い、レンズの内面と反射鏡の反射面との少なくとも一面に光触媒膜を形成している。これにより、清掃が不可能なレンズの内面、および、反射鏡の反射面に排気ガスなどによる汚れが付着し蓄積することを抑制している。
特開2003−295319号公報(2003年10月15日公開) 特開平11 −273426号公報(1999年10月08日公開)
しかしながら、上記特許文献2に開示された照明用灯具では、メタルハライドランプの放電で得られる副産物としての紫外光を光触媒の光触媒作用の活性化に使用しているので、光触媒の活性化のために十分な強度の紫外光を得られない可能性がある。
例えば、照明で用いられるメタルハライドランプは、通常、可視領域の光が主成分であるため、副産物である紫外領域の光の割合は小さい。このため、光触媒の活性化のために十分な強度の紫外光を得られない可能性がある。
また、メタルハライドランプ全体の光の強度を高めても、副産物としての紫外光の強度はそれほど大きく向上しないため、やはり、光触媒の活性化のために十分な強度の紫外光を得られない可能性がある。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、光触媒の活性化に十分な強度の光を容易に得ることができる発光装置などを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る発光装置は、
440nm以上、450nm以下の波長範囲にピーク波長を有する青色レーザ光を励起光として発生する光源と、
上記光源から発生した上記青色レーザ光が励起光として照射されることにより蛍光を発生する発光体と、
上記発光体から発生した蛍光を外部に投光する光学系と、を備え、
上記発光体において上記青色レーザ光が照射される面に、酸化チタンが存在している構成である。
上記構成によれば、光触媒の活性化に十分な強度の光を容易に得ることができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態である導光型ヘッドランプの構成を示す断面図である。 励起光の波長と、光触媒の励起光の吸収率との関係を示すグラフである。 本発明の他の実施形態である透過型ヘッドランプの構成を示す断面図である。 本発明のさらに他の実施形態である透過型ヘッドランプの構成を示す断面図である。 本発明のさらに他の実施形態である反射型ヘッドランプの構成を示す断面図である。 本発明のさらに他の実施形態である反射型ヘッドランプの構成を示す断面図である。 (a)は、励起光の入射角と発光体の光照射面における励起光の反射率との関係を示すグラフであり、(b)は、上記励起光に関し、P偏光とS偏光とを説明するための説明図である。 自動車における反射型ヘッドランプの配設方向を示す概念図である。
本発明の一実施形態について図1〜図7に基づいて説明すれば、次の通りである。以下の特定の項目で説明する構成以外の構成については、必要に応じて説明を省略する場合があるが、他の項目で説明されている場合は、その構成と同じである。また、説明の便宜上、各項目に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
〔1.導光型ヘッドランプ10の構成〕
まず、図1に基づき、本発明の一実施形態である導光型ヘッドランプ(発光装置,車両用前照灯,照明装置)10の構成について説明する。図1は、導光型ヘッドランプ10の構成を概略的に示す断面図である。図1に示すように、導光型ヘッドランプ10は、LED(光源)1a、導光部材2a、発光体4、パラボラミラー(反射鏡)5、投影レンズ8を備えている。
(LED1a)
LED1aは、励起光ELを発生する励起光源として機能する発光ダイオード(LED)である。このLED1aは、複数設けられていても良い。この場合、複数のLED1aのそれぞれから励起光ELが発生する。LED1aを1つのみ用いても良いが、高出力の励起光ELを得るためには、複数のLED1aを用いる方が容易である。
LED1aは、1チップに1つの発光点を有するものであっても良く、1チップに複数の発光点を有するものであっても良い。励起光ELの波長は、本実施形態では、380nmであるが、これに限定されず、340nm以上450nm以下であれば良い。
励起光ELの波長が、450nmを超えると、後述する光触媒コート膜(光触媒膜)6a〜6eに含まれる光触媒の光触媒作用の活性化を効率的に行うことが困難となる(図2参照)。
また、励起光ELの波長が、450nm以下であれば、光触媒の材料を選択することで、光触媒の吸収率が50%以上となり、光触媒作用の活性化が効率的に行われる(図2参照)。一方、励起光ELの波長が、340nm未満であると、例えば、半導体発光素子を用いて励起光ELを発生させることが困難となる。
また、後述するように、励起光源として、発光ダイオードの代わりに、レーザダイオード(LD)を用いることも可能である。
(導光部材2a)
導光部材2aは、LED1aから発生した励起光ELを発光体4へ導くための透光性部材である。また、導光部材2aの形状は、本実施形態では、円錐台状であるが、導光部材2aの形状はこれに限られず、楕円錐台状、角錐台状など様々な形状を採用することができる。なお、導光部材2aとして光ファイバーを用いても良い。この場合、LD1bの発光点の手前に非球面レンズなどを設けて、LD1bからの励起光ELを光ファイバの入射端部に入射させ、光ファイバの出射端部から出射する励起光ELを発光体4に照射されば良い。
また、導光部材2aの材料は、その屈折率nが1(=空気の屈折率)よりも高く、励起光ELを透過する材料であれば良く、本実施形態では、石英(SiO)であり、その屈折率nは、1.45である。導光部材2aの材料の屈折率nが1よりも高ければ、屈折率nが高い領域に光が閉じ込められる原理により、励起光ELを導光することができるため、導光部材2aの作製が容易になる。
(発光体4)
発光体4は、LED1aから発生した励起光ELを照射することにより蛍光を発生するものであり、励起光ELを受けて発光する蛍光体を含んでいる。具体的には、発光体4は、封止材の内部に蛍光体が分散されているもの、または蛍光体を固めたものである。発光体4は、励起光ELを蛍光に変換するため、波長変換素子であると言える。
本実施形態では、発光体4は、パラボラミラー5の焦点位置に配置されている。
発光体4の形状は、本実施形態では、底面の円の直径が2mmの円柱形状(円盤状)であるが、そのサイズおよび形状は、これに限定されず、任意のサイズおよび様々な形状を選択できる。円盤状以外の形状としては、角柱状、楕円柱状などを例示できる。
次に、発光体4に含める蛍光体としては、例えば、酸窒化物蛍光体(例えば、サイアロン蛍光体)またはIII−V族化合物半導体ナノ粒子蛍光体(例えば、インジュウムリン:InP)を用いることができる。これらの蛍光体は、LED1aから発せられた高い出力(および/または光密度)の励起光ELに対しての熱耐性が高く、導光型ヘッドランプ10に最適である。ただし、発光体4の蛍光体は、上述のものに限定されず、窒化物蛍光体など、その他の蛍光体であってもよい。
また、導光型ヘッドランプ10の照明光は、所定の範囲の色度を有する白色にしなければならないことが、法律により規定されている。そのため、発光体4には、照明光が白色となるように選択された蛍光体が含まれている。
例えば、青色、緑色および赤色の蛍光体を発光体4に含め、405nmの励起光ELを照射すると白色光が発生する。
または、黄色の蛍光体(または緑色および赤色の蛍光体)を発光体4に含め、440nm以上450nm以下の波長範囲にピーク波長を有する、いわゆる青色近傍の励起光ELを照射することでも白色光が得られる。
発光体4の封止材は、例えば、ガラス材(無機ガラス、有機・無機ハイブリッドガラス)や、シリコーン樹脂等の樹脂材料である。ガラス材として低融点ガラスを用いてもよい。封止材は、透明性の高いものが好ましく、レーザ光が高出力の場合には、耐熱性の高いものが好ましい。
なお、発光体4の励起光ELが照射される光照射面に対する励起光ELの入射率は、0.5以上であることが好ましい。発光体4の光照射面に対する励起光ELの入射率が0.5未満であると、発光体4に入射する励起光ELの光量が小さくなりすぎる。
(パラボラミラー5)
パラボラミラー5は、発光体4が発生させた蛍光を反射し、所定の立体角内を進む光線束(照明光)を形成する。このパラボラミラー5は、例えば、金属薄膜がその表面に形成された部材であってもよいし、金属製の部材であってもよい。
また、パラボラミラー5は、放物線の対称軸を回転軸として当該放物線を回転させることによって形成される回転放物面(パラボラ)をその反射面(光反射凹面SUF3SUF3)としている。これにより、発光体4の蛍光を狭い立体角内に効率的に投光することができ、その結果、蛍光の利用効率を高めることができる。
なお、パラボラミラー5の一部にパラボラではない部分を含めてもよい。また、本発明の発光装置が有する反射鏡は、閉じた円形の開口部を有するパラボラミラーまたはその一部を含むものであってもよい。また、上記反射鏡は、パラボラミラーに限定されず、半楕円面ミラーや半球面ミラーであってもよい。すなわち、上記反射鏡は、回転軸を中心として図形(楕円、円、放物線)を回転させることによって形成される曲面の少なくとも一部をその反射面に含んでいるものであればよい。
このパラボラミラー5の光反射凹面SUF3(回転放物面)の底部には、挿通孔7aが設けられており、この挿通孔7aに導光部材2aの断面の径が短い側の先端部が挿入されている。
(投影レンズ8)
次に、投影レンズ8は、パラボラミラー5の光反射凹面SUF3の開口部(紙面に対して右側)に設けられており、導光型ヘッドランプ10を密閉している。発光体4から発生した蛍光、もしくは、パラボラミラー5によって反射された蛍光は、投影レンズ8を通ってパラボラミラー5の外部へ投光される。また、投影レンズ8の材料は、例えば、石英を例示できるが、これに限定されない。
投影レンズ8は、本実施形態では、凸レンズ形状を有し、レンズ機能を有する構造としているが、凸レンズ形状のみならず、凹レンズ形状を有しても良い。また、投影レンズ8は、必ずしもレンズ機能を有する構造とする必要はなく、発光体4から発生した蛍光、もしくは、光反射凹面SUF3で反射した蛍光を透過する透光性を少なくとも有していれば良い。すなわち、投影レンズ8は、少なくとも透光性を有するものであればどのような材質のものでも良い。
投影レンズ8の厚さは、3.0mm以下程度が好ましい。上記厚さが3.0mmを超えると蛍光の吸収を無視できなくなるとともに、部材コストが上昇してしまう。
また、励起光源として後述するLD(光源,レーザダイオード)1bを用いる場合、投影レンズ8の表面SUF4および表面SUF5を、LD1bからの励起光EL(レーザ光)を遮断するとともに、発光体4から発生した蛍光、もしくは、光反射凹面SUF3で反射した蛍光を透過するフィルタ(膜)で覆うことが好ましい。
発光体4を透過するコヒーレントなレーザ光は、そのほとんどがインコヒーレントな蛍光に変換される。しかし、何らかの原因でレーザ光の一部が変換されない場合も考えられる。このような場合でも、上記フィルタによってレーザ光を遮断することにより、レーザ光が外部に漏れることを防止できる。
(光触媒コート膜6a〜6e)
次に、図1および2に基づき、光触媒コート膜(光触媒膜)6a〜6eについて説明する。本実施形態の導光型ヘッドランプ10では、図1に示すように、導光部材2aの表面SUF1、発光体4の表面SUF2、パラボラミラー5の光反射凹面SUF3、投影レンズ8の内面(表面SUF4)、および、外面(表面SUF5)のそれぞれに、光触媒コート膜6a〜6eを形成している。
なお、本実施形態の光触媒コート膜6a〜6eは、光触媒としてTiO(酸化チタン)を含んでいるが、光触媒は、これに限られず、例えば、後述するB(ホウ素)をドープしたTiOや、BとNi(ニッケル)とをドープしたTiO、または、以上の各光触媒の組合せであっても良い。また、光触媒作用を高めることができるのであれば、他の材料をTiOへドープしてもよく、窒素や異種金属などをTiOへイオン注入しても良い。
これにより、励起光ELが、導光部材2a中を伝搬中に、表面SUF1の光触媒コート膜6aに含まれる光触媒が活性化される。これにより、導光部材2aに付着した汚れが分解・除去されるので、導光型ヘッドランプ10の蛍光の取出し効率の経時的な低下を抑制することができる。
また、励起光ELが発光体4へ入射すると、発光体4の表面SUF2の光触媒コート膜6bに含まれる光触媒が活性化されて、汚れが分解・除去されるので、発光体4の発光効率の経時的な低下を抑制することができる。
また、発光体4に入射した励起光ELは、反射光(励起光)RLや、透過光(励起光)PLとして、パラボラミラー5や投影レンズ8に入射し、パラボラミラー5の光反射凹面SUF3の光触媒コート膜6cや、投影レンズ8の表面SUF5の光触媒コート膜6d、および、表面SUF6の光触媒コート膜6eに含まれる光触媒が活性化されて、汚れが分解・除去されるので、導光型ヘッドランプ10の蛍光の取出し効率の経時的な低下が抑制される。
次に、図2に基づき、励起光ELの波長(nm:ナノメートル)と、上述した光触媒コート膜6a〜6eに含まれる光触媒(TiO)の励起光の吸収率(%)との関係について説明する。
図2に示す実線は、上述した光触媒コート膜6a〜6eに含まれる光触媒(TiO)の励起光ELの波長と、光触媒(TiO)の励起光ELの吸収率との関係を示す。
上述したように、本実施形態では、LED1aの励起光ELの波長は380nmである。よって、反射光RLおよび透過光PLの波長も380nmであり、図2のグラフより、TiOの励起光ELの吸収率は50%程度であることがわかる。なお、図2から励起光ELの波長が380nm以下であれば、TiOの励起光ELの吸収率は50%以上となることが分かる。
なお、「励起光ELが光触媒の光触媒作用を活性化させる」とは、例えば、励起光ELの波長が光触媒コート膜6a〜6eに含まれる光触媒の光触媒作用を活性化させる波長に設定されており、かつ、その波長が、発光体4が蛍光を発生し得る波長であることを意味する。
(光触媒コート膜6a〜6eの形成方法)
次に、光触媒コート膜6a〜6eの形成方法について説明する。この形成方法の例としては、以下の2つの方法を例示することができる。
(1)方法1:光触媒(TiOなど)を含むゾルゲル液中へ部材を浸して、取出した部材を乾燥させることで、光触媒コート膜が形成される。
(2)方法2:光触媒と有機バインダーもしくは無機バインダーとを混合したものを、噴霧状にして、スプレーで部材へ吹きつける。吹きつけられた部材を乾燥させることで、光触媒コート膜が形成される。
〔2.透過型ヘッドランプ20の構成〕
次に、図3に基づき、本発明の他の実施形態である透過型ヘッドランプ(発光装置,車両用前照灯,照明装置)20の構成について説明する。図3は、透過型ヘッドランプ20の構成を概略的に示す断面図である。
図3に示すように、透過型ヘッドランプ20は、上述した導光型ヘッドランプ10と比較して以下の点が異なっており、その他の構成については同様であるので、適宜説明を省略する。
(1)励起光源として、LED1aに替えてLD1bを用いている点。
(2)導光部材2aに替えて、励起用レンズ(導光部材)2bを用いている点。
(3)発光体4は透明基板3によって支持された状態で、パラボラミラー5の底部に設けられた挿通孔7aに挿通されている点。
(LD1b)
LD1bは、励起光ELを発生する励起光源として機能するレーザダイオード(LD)である。レーザダイオードによれば、励起光ELの光密度が高くなり、発光体4の発光効率を高めると共に、光触媒を活性化する作用がより高まる。このLD1bは、複数設けられていても良い。この場合、複数のLD1bのそれぞれから励起光ELが発生する。LD1bを1つのみ用いても良いが、高出力の励起光ELを得るためには、複数のLD1bを用いる方が容易である。
LD1bは、1チップに1つの発光点を有するものであっても良く、1チップに複数の発光点を有するものであってもよい。励起光ELの波長は、本実施形態では、405nmであるが、これに限定されず、340nm以上450nm以下であれば良い。その理由は、上述したとおりである。
(励起用レンズ2b)
励起用レンズ2bは、発光体4に照射される励起光のスポットの面積(照射面積)を調整するものである。励起用レンズ2bによれば、発光体4に照射される励起光ELのスポットの面積を調整できるので、発光体4の発光効率を調整することができる。また、光触媒の光触媒作用が活性化されて、励起用レンズ2bの表面SUF1の汚れが分解・除去されるので、透過型ヘッドランプ20全体における照明光の経時的な取出し効率の低下を抑制することもできる。また、励起用レンズ2bの材料は、例えば、石英を例示できるが、これに限定されない。
励起用レンズ2bの形状としては、本実施形態では、両凸レンズであるがこれに限られない、例えば、その他、両凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズ、凸メニスカスレンズ、凹メニスカスレンズ等も例示できる。
その他のレンズとしては、GRINレンズ(Gradient Index lens:屈折率勾配変化型レンズ)も例示できる。
なお、GRINレンズは、レンズが凸又は凹の形状をしていなくても、レンズ内部の屈折率勾配によってレンズ作用が生じるレンズである。
よって、GRINレンズを用いれば、GRINレンズの端面を平面としたままでレンズ作用を生じさせることができる。
(透明基板3)
図3に示すように、透明基板3は、発光体4を、パラボラミラー5に形成された挿通孔7aの一方側から支持している。また、透明基板3の材料は、例えば、石英やサファイアを例示できるが、これに限定されない。
また、発光体4は、パラボラミラー5に形成された挿通孔7aの内部に挿通され、挿通孔7aの内部に挿通された発光体4と、挿通孔7aの内面との間に隙間が存在している。すなわち、挿通孔7aの穴のサイズより発光体4のサイズが小さくなるように設計されている。これにより、隙間を通過した通過光(励起光)PL’が光触媒コート膜6b〜6eに入射して光触媒が活性化される。また、隙間のサイズを調整することで、隙間を通過した通過光PL’の強度を調整することが可能となる。よって、発光体4の発光効率と、光触媒の光触媒作用の活性化の程度とのバランスを調整することができる。
また、発光体4に照射される励起光ELの一部は、発光体4の内部を透過する。これにより、励起光ELが、発光体4の内部を透過し、その透過光(不図示)が光触媒コート膜6b〜6eに入射して光触媒が活性化される。また、透過光は、発光体4に含まれる蛍光体粒子によって散乱され、透過光がパラボラミラー5内で拡散されるので、光触媒の活性化がより効率的に行われる。
(光触媒コート膜6a〜6f)
次に、図2に基づき、光触媒コート膜(光触媒膜)6a〜6fについて説明する。本実施形態の透過型ヘッドランプ20では、図3に示すように、励起用レンズ2bの表面SUF1、発光体4の表面SUF2、パラボラミラー5の光反射凹面SUF3、投影レンズ8の内面(表面SUF4)、外面(表面SUF5)、および、透明基板3の表面SUF6のそれぞれに、光触媒コート膜6a〜6fを形成している。
なお、本実施形態の光触媒コート膜6a〜6fは、光触媒としてBをドープしたTiOを含んでいるが、光触媒は、これに限定されず、例えば、後述するBとNiとをドープしたTiOであっても良い。また、光触媒作用を高めることができるのであれば、他の材料をTiOへドープしてもよく、窒素や異種金属などをTiOへイオン注入しても良い。
これにより、励起光ELが、励起用レンズ2b中を伝搬中に、表面SUF1の光触媒コート膜6aに含まれる光触媒が活性化される。これにより、励起用レンズ2bに付着した汚れが分解・除去されるので、透過型ヘッドランプ20の蛍光の取出し効率の経時的な低下を抑制することができる。
また、励起光ELが、透明基板3へ入射すると、表面SUF6の光触媒コート膜6fに含まれる光触媒が活性化されて、汚れが分解・除去されるので、透過型ヘッドランプ20の蛍光の取出し効率の経時的な低下を抑制することができる。
また、励起光ELが発光体4へ入射すると、発光体4の表面SUF2の光触媒コート膜6bに含まれる光触媒が活性化されて、汚れが分解・除去されるので、発光体4の発光効率の経時的な低下を抑制することができる。
また、発光体4と挿通孔7aの内面との間の隙間を通過する通過光PL’や発光体4を透過した透過光(不図示)は、パラボラミラー5や投影レンズ8に入射し、パラボラミラー5の光反射凹面SUF3の光触媒コート膜6cや、投影レンズ8の表面SUF5の光触媒コート膜6d、および、表面SUF6の光触媒コート膜6eに含まれる光触媒が活性化されて、汚れが分解・除去されるので、透過型ヘッドランプ20の蛍光の取出し効率の経時的な低下を抑制することができる。
次に、図2に基づき、励起光ELの波長と、上述した光触媒コート膜6a〜6fに含まれる光触媒(BをドープしたTiO)の励起光の吸収率との関係について説明する。
図2に示す短い破線は、上述した光触媒コート膜6a〜6fに含まれる光触媒(BをドープしたTiO)の励起光ELの波長と、光触媒(BをドープしたTiO)の励起光ELの吸収率との関係を示す。
本実施形態では、励起光EL、通過光PL’、透過光(不図示)の波長は、405nmであり、BをドープしたTiOの励起光ELの吸収率は50%を優に超えている。なお、図2から励起光ELの波長が450nm以下であれば、BをドープしたTiOの励起光ELの吸収率は50%以上となることが分かる。
(光触媒コート膜6a〜6fの形成方法)
次に、光触媒コート膜6a〜6fの形成方法について説明する。この形成方法の例としては、以下の2つの方法を例示することができる。
(1)方法1:光触媒(BをドープしたTiOなど)を含むゾルゲル液中へ部材を浸して、取出した部材を乾燥させることで、光触媒コート膜が形成される。
(2)方法2:光触媒と有機バインダーもしくは無機バインダーとを混合したものを、噴霧状にして、スプレーで部材へ吹きつける。吹きつけられた部材を乾燥させることで、光触媒コート膜が形成される。
なお、Bのドープ量は、1×1015cm−3〜1×1022cm−3である。
〔3.透過型ヘッドランプ30の構成〕
つぎに、図4に基づき、本発明のさらに他の実施形態である透過型ヘッドランプ(発光装置,車両用前照灯,照明装置)30の構成について説明する。図4は、透過型ヘッドランプ30の構成を概略的に示す断面図である。
図4に示すように、透過型ヘッドランプ30は、上述した透過型ヘッドランプ20と比較して以下の点が異なっており、その他の構成については同様であるので、適宜説明を省略する。
(1)励起光源として、励起光ELの波長が445nmのLD1bを用いている点。
(2)発光体4は透明基板3によって支持された状態で、パラボラミラー5の底部に設けられた挿通孔7aに挿通されている点は透過型ヘッドランプ20と同じであるが、発光体4と、挿通孔7aの内面との間に隙間がほとんど存在していない(挿通孔7aのサイズと発光体4のサイズとがほぼ一致している)点。
(LD1b)
LD1bは、励起光ELの波長(445nm)以外の構成については、透過型ヘッドランプ20と同様であるので、ここでは説明を省略する。
(透明基板3)
図4に示すように、透明基板3は、発光体4を、パラボラミラー5に形成された挿通孔7aの一方側から支持している。
また、発光体4は、パラボラミラー5に形成された挿通孔7aの内部に挿通されており、発光体4に照射される励起光ELの一部が、発光体4の内部を透過するようになっている。これにより、励起光ELが、発光体4の内部を透過し、その透過光(励起光)PLが光触媒コート膜6b〜6eに入射して光触媒が活性化される。また、透過光PLは、発光体4に含まれる蛍光体粒子によって散乱されるので、透過光PLがパラボラミラー5内で拡散されるので、光触媒の活性化がより効率的に行われる。
(蛍光体の濃度および発光体4の厚さの範囲)
発光体4に含まれる蛍光体の濃度は、本実施形態では10vol%であるが、これに限定されず、1vol%以上30vol%以下であることが好ましい。蛍光体の濃度が30vol%を超えると、発光体4を透過する透過光の強度が弱くなりすぎる。一方、蛍光体の濃度が1vol%未満であると、蛍光体粒子によって散乱される散乱光の強度が弱くなりすぎる。また、発光体4から発生する蛍光の強度が弱くなりすぎる。
また、発光体4の励起光ELの照射方向に沿う厚さtは、本実施形態では2mmであるが、これに限定されず、0.03mm以上3mm以下であることが好ましい。発光体4の厚さtが、3mmを超えると、発光体4を透過する透過光の強度が弱くなりすぎる。一方、発光体4の厚さtが、0.03mm未満であると、発光体4から発生する蛍光の強度が弱くなりすぎる。
以上より、蛍光体の濃度や、厚さtを調整することにより、透過光PLの光強度を調整することができる。よって、発光体4の発光効率と、光触媒の光触媒作用の活性化の程度とのバランスを調整することができる。
(光触媒コート膜6a〜6f)
次に、図2に基づき、光触媒コート膜6a〜6fについて説明する。本実施形態の透過型ヘッドランプ30では、図4に示すように、励起用レンズ2bの表面SUF1、発光体4の表面SUF2、パラボラミラー5の光反射凹面SUF3、投影レンズ8の内面(表面SUF4)、外面(表面SUF5)、および、透明基板3の表面SUF6のそれぞれに、光触媒コート膜6a〜6fを形成している。
なお、本実施形態の光触媒コート膜6a〜6fは、光触媒としてBとNiとをドープしたTiOを含んでいるが、光触媒は、これに限定されない。例えば、光触媒作用を高めることができるのであれば、他の材料をTiOへドープしてもよく、窒素や異種金属などをTiOへイオン注入しても良い。
これにより、励起光ELが、励起用レンズ2b中を伝搬中に、表面SUF1の光触媒コート膜6aに含まれる光触媒が活性化される。これにより、励起用レンズ2bに付着した汚れが分解・除去されるので、透過型ヘッドランプ30の蛍光の取出し効率の経時的な低下を抑制することができる。
また、励起光ELが、透明基板3へ入射すると、表面SUF6の光触媒コート膜6fに含まれる光触媒が活性化されて、汚れが分解・除去されるので、透過型ヘッドランプ30の蛍光の取出し効率の経時的な低下を抑制することができる。
また、励起光ELが発光体4へ入射すると、発光体4の表面SUF2の光触媒コート膜6bに含まれる光触媒が活性化されて、汚れが分解・除去されるので、発光体4の発光効率の経時的な低下を抑制することができる。
また、発光体4を透過する透過光PLは、パラボラミラー5や投影レンズ8に入射し、パラボラミラー5の光反射凹面SUF3の光触媒コート膜6cや、投影レンズ8の表面SUF5の光触媒コート膜6d、および、表面SUF6の光触媒コート膜6eに含まれる光触媒が活性化されて、汚れが分解・除去されるので、透過型ヘッドランプ30の蛍光の取出し効率の経時的な低下を抑制することができる。
次に、図2に基づき、励起光ELの波長と、上述した光触媒コート膜6a〜6fに含まれる光触媒(BとNiをドープしたTiO)の励起光の吸収率との関係について説明する。
図2に示す長い破線は、光触媒としてBとNiをドープしたTiOを用いた場合の、励起光ELの波長と、光触媒(BとNiをドープしたTiO)の励起光ELの吸収率との関係を示す。
図2に示すように、励起光ELの波長が445nmであれば、BとNiをドープしたTiOの励起光ELの吸収率は50%を優に超えていることが分かる。
(光触媒コート膜6a〜6fの形成方法)
次に、光触媒コート膜6a〜6fの形成方法について説明する。この形成方法の例としては、以下の2つの方法を例示することができる。
(1)方法1:光触媒(BとNiをドープしたTiOなど)を含むゾルゲル液中へ部材を浸して、取出した部材を乾燥させることで、光触媒コート膜が形成される。
(2)方法2:光触媒と有機バインダーもしくは無機バインダーとを混合したものを、噴霧状にして、スプレーで部材へ吹きつける。吹きつけられた部材を乾燥させることで、光触媒コート膜が形成される。
なお、BおよびNiのそれぞれのドープ量は、0.5×1015cm−3〜0.5×1022cm−3である。
〔4.反射型ヘッドランプ40の構成〕
つぎに、図5に基づき、本発明のさらに他の実施形態である反射型ヘッドランプ(発光装置,車両用前照灯,照明装置)40の構成について説明する。図5は、反射型ヘッドランプ40の構成を概略的に示す断面図である。
図5に示すように、反射型ヘッドランプ40は、上述した透過型ヘッドランプ30と比較して以下の点が異なっており、その他の構成については同様であるので、適宜説明を省略する。
(1)パラボラミラー5に替えて、ハーフパラボラミラー(反射鏡)5hおよび金属ベース(反射板)5pが用いられている点。
(2)発光体4が、金属ベース5pによって支持されている点。
(3)ハーフパラボラミラー5hにおける発光体4の直上の位置に窓部7bが設けられており、励起光ELが、発光体4の光照射面に対する入射角θが0°で、この窓部7bから発光体4に向けて照射されている点。
(励起用レンズ2b)
励起用レンズ2bは、励起光EL(波長445nm)のスポットの面積を、発光体4の励起光が照射される側の表面(光照射面)の面積よりも小さくすすることが好ましい。これにより、発光体4の光照射面と辺を共有する側面から出射する蛍光(側方出射蛍光)が少なくなる。それゆえ、発光体4の光照射面から出射される蛍光の、発光体4の表面全体から出射される蛍光に対する割合を高めることができる。
(ハーフパラボラミラー5h)
ハーフパラボラミラー5hは、発光体4が発生させた蛍光を反射し、所定の立体角内を進む光線束(照明光)を形成する。このハーフパラボラミラー5hは、例えば、金属薄膜がその表面に形成された部材であってもよいし、金属製の部材であってもよい。
ハーフパラボラミラー5hは、回転放物面を、その回転軸を含む平面で切断することによって得られる部分曲面(ハーフパラボラ)からなる。
このような形状のハーフパラボラミラー5hが、発光体4の、側面よりも面積の広い上面(光照射面)の上方にその一部が配置されている。すなわち、ハーフパラボラミラー5hは、発光体4の上面を覆う位置に配置されている。別の観点から説明すれば、発光体4の側面の一部は、ハーフパラボラミラー5hの開口部(紙面に対して右側)の方向を向いている。
発光体4とハーフパラボラミラー5hとの位置関係を上述のものにすることで、発光体4の蛍光を所定の立体角内に効率的に投光することができ、その結果、蛍光の利用効率を高めることができる。
また、上記の構成によれば、ハーフパラボラミラー5hはパラボラを、回転軸を含む平面で切断することによって得られるハーフパラボラ(光反射凹面SUF3)を有しており、パラボラの残り半分に相当する部分に、パラボラ以外の構造体を配置できる。この構造体を、後述するような熱伝導性の高い金属ベース5pとし、発光体4を当接させれば、発光体4を効率良く冷却できる。
また、上記の構成では、ハーフパラボラミラー5hで制御できなかった蛍光のほとんどがパラボラ側に出射される。この特性を利用して、反射型ヘッドランプ40のパラボラ側の広い範囲を照らすこともできる。
また、LD1bは、ハーフパラボラミラー5hの外部に配置されており、ハーフパラボラミラー5hには、励起光ELを透過または通過させる窓部7bが形成されている。この窓部7bは、本実施形態では、開口部(穴)であるが、これに限られず、励起光ELを透過可能な透明部材を含むものであってもよい。例えば、励起光ELを透過し、白色光(発光体4の蛍光)を反射するフィルタを設けた透明板を窓部7bとして設けてもよい。この構成では、発光体4の蛍光が窓部7bから漏れることを防止できる。
なお、ハーフパラボラミラー5hの一部にパラボラではない部分を含めてもよい。また、本発明の発光装置が有する反射鏡は、閉じた半円形の開口部を有するハーフパラボラミラーまたはその一部を含むものであってもよい。また、上記反射鏡は、ハーフパラボラミラーに限定されず、半楕円面ミラーや半球面ミラーであってもよい。すなわち、上記反射鏡は、回転軸を中心として図形(楕円、円、放物線)を回転させることによって形成される曲面の少なくとも一部をその反射面に含んでいるものであればよい。
(金属ベース5p)
本実施形態では、発光体4が、金属ベース5pによって支持されており、金属ベース5pは、発光体4の内部を透過する励起光ELの一部を反射するようになっている。
これにより、励起光ELの一部が、発光体4を透過し、その透過光が金属ベース5pで折り返(反射)される。また、その折り返し光SL(波長445nm)の一部は、発光体4を透過して光触媒コート膜6b〜6eに入射して光触媒が活性化される。
また、金属ベース7は、金属(例えば、銅や鉄)からなっている。それゆえ、金属ベース7は熱伝導性が高く、発光体4の発熱を効率的に放熱することができる。なお、金属ベース5pは、金属からなるものに限定されず、金属以外の熱伝導性が高い物質(石英、サファイアなど)を含む部材でもよい。ただし、発光体4と当接する金属ベース7の表面は反射面として機能することが好ましい。上記表面が反射面であることにより、発光体4の上面から入射した励起光ELが蛍光に変換された後に、当該反射面で反射させてハーフパラボラミラー5hへ向かわせることができる。または、発光体4の上面から入射した励起光ELを上記反射面で反射させて、再度発光体4の内部に向かわせて蛍光に変換することができる。
金属ベース7は、ハーフパラボラミラー5hによって覆われているため、金属ベース7は、ハーフパラボラミラー5hの光反射凹面SUF3と対向する面を有していると言える。金属ベース7の発光体4が設けられている側の表面は、ハーフパラボラミラー5hの回転放物面の回転軸と概ね平行であり、当該回転軸を概ね含んでいることが好ましい。
(蛍光体の濃度および発光体4の厚さの範囲)
発光体4に含まれる蛍光体の濃度は、本実施形態では、8vol%であるが、これに限られず、1vol%以上15vol%以下であることが好ましい。蛍光体の濃度が15vol%を超えると、発光体4を透過する透過光の強度が弱くなりすぎる。一方、蛍光体の濃度が1vol%未満であると、発光体4から発生する蛍光の強度が弱くなりすぎる。
また、発光体4の励起光ELの照射方向に沿う厚さtは、本実施形態では、1mmであるが、0.015mm以上1.5mm以下であることが好ましい。発光体4の厚さtが、1.5mmを超えると、発光体4を透過する透過光の行路長が長くなりすぎる。一方、発光体4の厚さtが、0.015mm未満であると、発光体4から発生する蛍光の強度が弱くなりすぎる。
(光触媒コート膜6a〜6e)
次に、図5に基づき、光触媒コート膜6a〜6eについて説明する。本実施形態の反射型ヘッドランプ40では、図5に示すように、励起用レンズ2bの表面SUF1、発光体4の表面SUF2、ハーフパラボラミラー5hの光反射凹面SUF3、投影レンズ8の内面(表面SUF4)、および、外面(表面SUF5)のそれぞれに、光触媒コート膜6a〜6eを形成している他、金属ベース5pの表面SUF3’にも光触媒コート膜(光触媒膜)6c’を形成している。
なお、本実施形態の光触媒コート膜6a〜6eおよび光触媒コート膜6c’は、それぞれ、光触媒としてBとNiとをドープしたTiOを含んでいるが、光触媒はこれに限定されない。例えば、光触媒作用を高めることができるのであれば、他の材料をTiOへドープしてもよく、窒素や異種金属などをTiOへイオン注入しても良い。
これにより、励起光ELが、励起用レンズ2b中を伝搬中に、表面SUF1の光触媒コート膜6aに含まれる光触媒が活性化される。これにより、励起用レンズ2bに付着した汚れが分解・除去されるので、反射型ヘッドランプ40の蛍光の取出し効率の経時的な低下を抑制することができる。
また、励起光ELが発光体4へ入射すると、発光体4の表面SUF2の光触媒コート膜6bに含まれる光触媒が活性化されて、汚れが分解・除去されるので、発光体4の発光効率の経時的な低下を抑制することができる。
また、発光体4を透過する透過光(励起光;不図示)や、金属ベース5pによる折り返し光SLは、ハーフパラボラミラー5h、金属ベース5p、投影レンズ8に入射し、ハーフパラボラミラー5hの光反射凹面SUF3の光触媒コート膜6cや、投影レンズ8の表面SUF5の光触媒コート膜6d、および、表面SUF6の光触媒コート膜6e、ならびに、金属ベース5pの表面SUF3’の光触媒コート膜6c’に含まれる光触媒が活性化されて、汚れが分解・除去されるので、反射型ヘッドランプ40の蛍光の取出し効率の経時的な低下を抑制することができる。
〔5.反射型ヘッドランプ50の構成〕
つぎに、図6に基づき、本発明のさらに他の実施形態である反射型ヘッドランプ(発光装置,車両用前照灯,照明装置)50の構成について説明する。図6は、反射型ヘッドランプ50の構成を概略的に示す断面図である。
図6に示すように、反射型ヘッドランプ50は、上述した反射型ヘッドランプ40と比較して以下の点が異なっており、その他の構成については同様であるので、適宜説明を省略する。
(1)励起光源として、励起光ELの波長が445nmのLD1bを用いている点は同じであるが、励起光ELが、発光体4の光照射面に対してP偏光である点。
(2)励起光ELの発光体4の光照射面への入射角θが30°となっており、ハーフパラボラミラー5hにおける窓部7cの位置は、この入射角θで発光体4に励起光ELを照射可能な位置とされている点。
(P偏光)
ここで、「P偏光」とは、発光体4の光照射面に入射する励起光ELの入射光線と反射光線とを含む平面に対して、励起光ELの偏光方向pdが平行であり、かつ、偏光方向pdが励起光ELの入射方向に対して垂直である場合を言う(図6および7(b)参照)。
なお、発光体4の光照射面に対する、励起光EL(P偏光)の入射角が、ブリュースター角である場合、該光照射面で励起光ELが全く反射しないので、光触媒の光触媒作用の活性化を効率的に行うことが困難となる。よって、入射角θは、ブリュースター角でないことが好ましい。
励起光ELをP偏光とすることで、発光体4の蛍光体の濃度や厚さtを調整することなく、励起光ELの入射角θ(LD1bの設置位置)の調整のみで、光触媒コート膜6a〜6eの光触媒作用を高めることが可能となる。また、LD1bの設置位置の許容範囲が広いので、設計の自由度が高い。
(入射角θ)
次に、図7(a)に基づき、励起光ELがP偏光である場合の入射角θについて説明する。
図7(a)に示す破線は、励起光ELがP偏光である場合の入射角θ(入射角度)と、発光体4の光照射面に対する反射率Rとの関係を示している。同図によれば、入射角θは、0°から85°まで(但し、ブリュースター角=60°は除く)であることが好ましい。なお、発光体4の屈折率が変化すると反射率Rの特性が変化するが、入射する励起光ELの波長はこのグラフへ影響しない。よって、上記入射角θと反射率Rとの関係は、発光体4の構成材料およびサイズに依存しない。
(S偏光)
なお、本実施形態では、励起光ELをP偏光としているが、励起光ELはS偏光としても良い。
ここで、「S偏光」とは、発光体4の光照射面に入射する励起光ELの入射光線と反射光線とを含む平面に対して、励起光ELの偏光方向pdが垂直である場合を言う(図7(b)参照)。
励起光ELをS偏光とすれば、発光体4の蛍光体の濃度や厚さtを調整することなく、励起光ELの入射角θ(LD1bの設置位置)の調整のみで、光触媒コート膜6a〜6eの光触媒作用を高めることが可能となる。また、P偏光のブリュースター角のような入射角θの制限がない。また、LD1bの設置位置の許容範囲が広いので、設計の自由度が高い。
(入射角θ)
次に、図7(a)に基づき、励起光ELがS偏光である場合の入射角θについて説明する。
図7(a)に示す実線は、励起光ELがS偏光である場合の入射角θ(入射角度)と、発光体4の光照射面に対する反射率Rとの関係を示している。同図によれば、入射角θは、0°から72°までであることが好ましい。
(反射率R)
次に、発光体4の光照射面の反射率Rは、0.03以上0.5以下であることが好ましい。反射率Rが0.03未満であれば、表面反射光(励起光)rL(波長445nm)の強度が弱くなりすぎる。一方、反射率Rが0.5を超えると、逆に発光体4の内部を透過する透過光の強度が弱くなりすぎる。
(蛍光体の濃度および発光体4の厚さの範囲)
発光体4に含まれる蛍光体の濃度は、本実施形態では30vol%であるがこれに限定されない。また、発光体4の励起光ELの照射方向に沿う厚さtは、本実施形態では2mmであるがこれに限定されない。
(光触媒コート膜6a〜6e)
次に、図6に基づき、光触媒コート膜6a〜6eについて説明する。本実施形態の反射型ヘッドランプ50では、図6に示すように、励起用レンズ2bの表面SUF1、発光体4の表面SUF2、ハーフパラボラミラー5hの光反射凹面SUF3、投影レンズ8の内面(表面SUF4)、および、外面(表面SUF5)のそれぞれに、光触媒コート膜6a〜6eを形成している他、金属ベース5pの表面SUF3’にも光触媒コート膜6c’を形成している。
なお、本実施形態の光触媒コート膜6a〜6eおよび光触媒コート膜6c’は、それぞれ、光触媒としてBとNiとをドープしたTiOを含んでいるが、光触媒は、これに限定されない。例えば、光触媒作用を高めることができるのであれば、他の材料をTiOへドープしてもよく、窒素や異種金属などをTiOへイオン注入しても良い。
これにより、励起光ELが、励起用レンズ2b中を伝搬中に、表面SUF1の光触媒コート膜6aに含まれる光触媒が活性化される。これにより、励起用レンズ2bに付着した汚れが分解・除去されるので、反射型ヘッドランプ50の蛍光の取出し効率の経時的な低下を抑制することができる。
また、励起光ELが発光体4へ入射すると、発光体4の表面SUF2の光触媒コート膜6bに含まれる光触媒が活性化されて、汚れが分解・除去されるので、発光体4の発光効率の経時的な低下を抑制することができる。
また、発光体4を透過する透過光(励起光;不図示)や、発光体4の光照射面での表面反射光(励起光)rL(波長445nm)は、ハーフパラボラミラー5h、金属ベース5p、投影レンズ8に入射し、ハーフパラボラミラー5hの光反射凹面SUF3の光触媒コート膜6cや、投影レンズ8の表面SUF5の光触媒コート膜6d、および、表面SUF6の光触媒コート膜6e、ならびに、金属ベース5pの表面SUF3’の光触媒コート膜6c’に含まれる光触媒が活性化されて、汚れが分解・除去されるので、反射型ヘッドランプ40の蛍光の取出し効率の経時的な低下を抑制することができる。
(反射型ヘッドランプの配設方法)
次に、図8は、反射型ヘッドランプ50(または反射型ヘッドランプ40)を自動車(車両)100の前照灯に適用した場合の、反射型ヘッドランプ40または50の配設方向を示す概念図である。図8に示すように、反射型ヘッドランプ40または50は、ハーフパラボラミラー5hが鉛直下側に位置するように自動車100のヘッドに配設されてもよい。この配設方法では、上述のハーフパラボラミラー5hの投光特性により、自動車100の正面が十分に明るく照らされるとともに、自動車100の前方下側も明るくなる。
なお、反射型ヘッドランプ40または50を自動車用の走行用前照灯(ハイビーム)に適用してもよいし、すれ違い用前照灯(ロービーム)に適用してもよい。
〔6.ヘッドランプの機能の概要〕
以上で説明したように、導光型ヘッドランプ10、透過型ヘッドランプ20および30、ならびに反射型ヘッドランプ40および50(以下、各ヘッドランプという)では、LED1aまたはLD1bからから発生する(光の主成分としての)励起光ELがそのまま光触媒コート膜6a〜6e、光触媒コート膜6f、および/または、光触媒コート膜6c’に含まれる光触媒の光触媒作用を活性化させるようになっている。よって、励起光ELは、(LED1aまたはLD1bから発生する光の主成分であり、)上記特許文献2の紫外光のような副産物の光ではないので、光触媒の活性化のために十分な光の強度を容易に得ることができる。
また、励起光ELの強度が弱いため、光触媒の活性化のために十分な光の強度を得られないような場合でも、励起光ELのパワーを高めるだけで、十分な強度の光を容易に得ることができる。
また、上記構成によれば、光触媒の光触媒作用が活性化されてパラボラミラー5またはハーフパラボラミラー5hの光反射凹面SUF3などの汚れが分解・除去されるので、上記各ヘッドランプ全体における照明光の取出し効率の経時的な低下も抑制することができる。
以上より、光触媒の光触媒作用の活性化のために十分な強度の光を容易に得ることができる。
また、例えば、励起光ELの波長として、光触媒の光触媒作用の活性化の効果が最大となる波長を選択すると、光触媒の活性化のためにLED1aまたはLD1bに要求される励起光ELのパワーが抑制される。また、これにより、光触媒の活性化の効果を最大としつつ、上記各ヘッドランプの消費電力を低減させることができるという副次的効果も得られる。
さらに、上記特許文献2のメタルハライドランプでは、電源が安定しないために、電源側に安定器を設ける必要があるが、上記各ヘッドランプでは、このような安定器を設ける必要がないので、上記各ヘッドランプの構成を簡単にし、上記各ヘッドランプ全体のサイズを小さくすることができるという副次的効果も得られる。
また、本発明は、以下のように表現することもできる。
すなわち、本発明の照明装置は、光源と蛍光体が用いられる照明装置において、照明装置のレンズの内面外面、ミラー表面、励起光導波部表面の少なくとも一面に光触媒コート膜が設けられていても良い。
また、本発明の照明装置は、光源波長が、450nm以下であっても良い。
また、本発明の照明装置は、光源としてLDを用いても良い。
また、本発明の照明装置は、蛍光体からなる発光体がミラーの穴に嵌り、励起光が発光体を透過しても良い。
また、本発明の照明装置は、蛍光体が励起光の波長領域で透明である基板に設置され、その透明基板に光触媒コート膜が設けられていても良い。
また、本発明の照明装置は、光源波長が、ミラーの穴より発光体サイズが小さくても良い。
また、本発明の照明装置は、発光体中の蛍光体濃度が30vol%以下で、発光体の厚さが3mm以下であっても良い。
また、本発明の照明装置は、発光体が金属などに貼り付けられて、発光体で励起光が反射しても良い。
また、本発明の照明装置は、発光体中の蛍光体濃度が15vol%以下で、発光体の高さが1.5mmであっても良い。
また、本発明の照明装置は、発光体の表面反射の反射率が0.03以上となるように、光源が設置されていても良い。
また、本発明の照明装置は、光源がLDであり、励起光はP偏光で、入射角度がブリュースター角でなければ良い。
また、本発明の照明装置は、光源がLDであり、励起光はS偏光であっても良い。
また、本発明の照明装置は、光触媒として、TiO、BをドープしたTiO、NiをドープしたTiOのいずれか、またはその組合せを用いても良い。
さらに、本発明は、以下のように表現することもできる。
本発明の発光装置は、励起光を発生する光源と、上記光源から発生した励起光が照射されることにより蛍光を発生する発光体と、上記発光体から発生した蛍光を反射する光反射凹面を有する反射鏡と、を備え、上記光反射凹面の少なくとも一部に光触媒膜が形成され、上記光源から発生する励起光が、上記光触媒膜に含まれる光触媒の光触媒作用を活性化させる。
上記構成によれば、光源から発生する(光の主成分としての)励起光がそのまま光触媒膜に含まれる光触媒の光触媒作用を活性化させるようになっている。よって、励起光は、(光源から発生する光の主成分であり、)上記特許文献2の紫外光のような副産物の光ではないので、光触媒の活性化のために十分な光の強度を容易に得ることができる。
また、励起光の強度が弱いため、光触媒の活性化のために十分な光の強度を得られないような場合でも、励起光の強度を高めるだけで、光触媒の活性化のために十分な強度の光を容易に得ることができる。
また、上記構成によれば、光触媒の光触媒作用が活性化されて反射鏡の光反射凹面の少なくとも一部の汚れが分解・除去されるので、装置全体における照明光の取出し効率の経時的な低下も抑制することができる。
以上より、上記構成によれば、光触媒の活性化のために十分な強度の光を容易に得ることができる。
なお、「励起光が光触媒の光触媒作用を活性化させる」とは、例えば、励起光の波長が光触媒膜に含まれる光触媒の光触媒作用を活性化させる波長に設定されており、かつ、その波長が、発光体が蛍光を発生し得る波長であることを意味する。
また、例えば、励起光の波長として、光触媒の活性化の効果が最大となる波長を選択すると、光触媒の活性化のために光源に要求される励起光の強度が抑制される。また、これにより、光触媒の活性化の効果を最大としつつ、発光装置の消費電力を低減させることができるという副次的効果も得られる。
また、上記特許文献2のメタルハライドランプを用いる構成では、電源が安定しないために、電源側に安定器を設ける必要があるが、本発明の発光装置では、このような安定器を設ける必要がないので、装置全体の構成を簡単にすると共に、装置全体のサイズを小さくすることができるという副次的効果も得られる。
また、本発明の発光装置は、上記構成に加えて、上記光源から発生した励起光を上記発光体へ導くための導光部材を備え、上記導光部材の表面の少なくとも一部に光触媒膜が形成されていても良い。
上記構成によれば、光触媒の光触媒作用が活性化されて、導光部材の表面の少なくとも一部の汚れが分解・除去されるので、装置全体における照明光の経時的な取出し効率の低下を抑制することができる。
また、本発明の発光装置は、上記構成に加えて、上記導光部材は、屈折率が1よりも高い材料で構成されていても良い。
上記構成によれば、導光部材は、空気(屈折率=1)よりも高い屈折率を有する材料から構成されている。よって、導光部材の外面に励起光を反射する反射面などを形成しなくても、屈折率が高い領域に光が閉じ込められる原理により、励起光を導光することができるため、導光部材の作製が容易となる。
また、本発明の発光装置は、上記構成に加えて、上記導光部材は、上記発光体に照射される励起光のスポットの面積を調整する励起用レンズであっても良い。
上記構成によれば、発光体に照射される励起光のスポットの面積(照射面積)を調整できるので、発光体の発光効率を調整することができる。また、光触媒の光触媒作用が活性化されて、励起用レンズの表面の少なくとも一部の汚れが分解・除去されるので、装置全体における照明光の経時的な取出し効率の低下を抑制することもできる。
また、例えば、励起光のスポットの面積を、発光体の励起光が照射される側の表面(光照射面)の面積よりも小さくすれば、発光体の光照射面と辺を共有する側面から出射する蛍光(側方出射蛍光)が少なくなる。それゆえ、発光体の光照射面から出射される蛍光の、発光体の表面全体から出射される蛍光に対する割合を高めることができる。
また、本発明の発光装置は、上記構成に加えて、上記反射鏡の開口部に設けられ、上記発光体から発生した蛍光を上記反射鏡の外部に投光する投影レンズを備え、上記投影レンズの表面の少なくとも一部に光触媒膜が形成されていても良い。
上記構成によれば、光触媒の光触媒作用が活性化されて、投影レンズの表面の少なくとも一部の汚れが分解・除去されるので、装置全体における照明光の経時的な取出し効率の低下を抑制することができる。
また、本発明の発光装置は、上記構成に加えて、上記発光体の表面の少なくとも一部に光触媒膜が形成されていても良い。
上記構成によれば、光触媒の光触媒作用が活性化されて、発光体の表面の少なくとも一部の汚れが分解・除去されるので、発光体の経時的な発光効率の低下を抑制できる。
また、本発明の発光装置は、上記構成に加えて、上記光源から発生する励起光の波長が、340nm以上450nm以下であることが好ましい。
励起光の波長が、450nmを超えると、光触媒の光触媒作用の活性化を効率的に行うことが困難となる。また、450nm以下であれば、光触媒の材料を選択することで、光触媒の吸収率が50%以上となり、光触媒作用の活性化が効率的に行われる(図2参照)。一方、励起光の波長が、340nm未満であると、例えば、半導体発光素子を用いて励起光を発生させることが困難となる。
また、本発明の発光装置は、上記構成に加えて、上記光源が、レーザダイオードであることが好ましい。
レーザダイオードによれば、励起光の光密度が高くなり、発光体の発光効率を高めると共に、光触媒を活性化する作用がより高まる。
また、本発明の発光装置は、上記構成に加えて、上記発光体が、上記反射鏡に形成された挿通孔の内部に挿通され、上記発光体に照射される励起光の一部が、上記発光体の内部を透過するようにしても良い。
上記構成によれば、励起光が、発光体の内部を透過し、その透過光が光触媒膜に入射して光触媒が活性化される。また、透過光は、発光体に含まれる蛍光体粒子によって散乱され、透過光(透過した励起光)が反射鏡内で拡散されるので、光触媒の活性化がより効率的に行われる。
また、本発明の発光装置は、上記構成に加えて、上記挿通孔の内部に挿通された発光体と、上記挿通孔の内面との間に隙間が存在していても良い。
上記構成によれば、隙間を通過した励起光(通過光)が光触媒膜に入射して光触媒が活性化される。また、隙間のサイズを調整することで、隙間を通過した通過光の強度を調整することが可能となる。
また、本発明の発光装置は、上記構成に加えて、上記発光体を、上記反射鏡に形成された挿通孔の一方側から支持する透明基板を備え、上記透明基板の表面の少なくとも一部に光触媒膜が形成されていても良い。
上記構成によれば、光触媒膜の光触媒作用が活性化されて、透明基板の表面の少なくとも一部の汚れが分解・除去されるので、装置全体における照明光の経時的な取出し効率の低下を抑制することができる。
また、本発明の発光装置は、上記構成に加えて、上記発光体に含まれる蛍光体の濃度が、1vol%以上30vol%以下であり、上記発光体の上記励起光の照射方向に沿う厚さが、0.03mm以上3mm以下であることが好ましい。
蛍光体の濃度が30vol%を超えると、発光体を透過する透過光の強度が弱くなりすぎる。一方、蛍光体の濃度が1vol%未満であると、蛍光体粒子によって散乱される散乱光の強度が弱くなりすぎる。また、発光体から発生する蛍光の強度が弱くなりすぎる。
発光体の励起光の照射方向に沿う厚さが、3mmを超えると、発光体を透過する透過光の強度が弱くなりすぎる。一方、発光体の励起光の照射方向に沿う厚さが、0.03mm未満であると、発光体から発生する蛍光の強度が弱くなりすぎる。
また、本発明の発光装置は、上記構成に加えて、上記発光体の内部を透過する励起光の一部を反射する反射板を備え、上記発光体は、上記反射板によって支持されていても良い。
上記構成によれば、励起光の一部が、発光体を透過し、その透過光が反射板で折り返(反射)される。また、その折り返し光の一部は、発光体を透過して光触媒膜に入射して光触媒が活性化される。
また、本発明の発光装置は、上記構成に加えて、上記発光体に含まれる蛍光体の濃度が、1vol%以上30vol%以下であり、上記発光体の上記励起光の照射方向に沿う厚さが、0.015mm以上1.5mm以下であることが好ましい。
蛍光体の濃度が30vol%を超えると、発光体を透過する透過光の強度が弱くなりすぎる。一方、蛍光体の濃度が1vol%未満であると、発光体から発生する蛍光の強度が弱くなりすぎる。
発光体の励起光の照射方向に沿う厚さが、1.5mmを超えると、発光体を透過する透過光の行路長が長くなりすぎる。一方、発光体の励起光の照射方向に沿う厚さが、0.015mm未満であると、発光体から発生する蛍光の強度が弱くなりすぎる。
また、本発明の発光装置は、上記構成に加えて、上記発光体の表面の、上記励起光に対する反射率が、0.03以上0.5以下であることが好ましい。
発光体の表面の反射率が0.03未満であれば、反射光の強度が弱くなりすぎる。一方、発光体の表面の反射率が0.5を超えると、逆に発光体の内部を透過する透過光の強度が弱くなりすぎる。
また、本発明の発光装置は、上記構成に加えて、上記発光体の励起光が照射される光照射面に対して、上記励起光は、P偏光であっても良く、その場合、上記発光体の上記光照射面に対する上記励起光の入射角は、ブリュースター角でないことが好ましい。
上記構成によれば、励起光の入射角(光源の設置位置)の調整のみで、光触媒膜の光触媒作用を高めることが可能となる。
なお、「P偏光」とは、発光体の光照射面に入射する励起光の入射光線と反射光線とを含む平面に対して、励起光の偏光方向が平行であり、かつ、該偏光方向が励起光の入射方向に対して垂直である場合を言う(図7(b)参照)。
また、発光体の光照射面に対する、励起光(P偏光)の入射角が、ブリュースター角である場合、該光照射面で励起光が全く反射しないので、光触媒の光触媒作用の活性化を効率的に行うことが困難となる。
また、本発明の発光装置は、上記構成に加えて、上記発光体の励起光が照射される光照射面に対して、上記励起光は、S偏光であっても良い。
上記構成によれば、励起光の入射角(光源の設置位置)の調整のみで、光触媒膜の光触媒作用を高めることが可能となる。また、P偏光のブリュースター角のような入射角の制限がない。
なお、「S偏光」とは、発光体の光照射面に入射する励起光の入射光線と反射光線とを含む平面に対して、励起光の偏光方向が垂直である場合を言う(図7(b)参照)。
また、本発明の発光装置は、上記構成に加えて、上記光触媒膜は、酸化チタン、ホウ素をドープした酸化チタン、および、ニッケルをドープした酸化チタンから選択される少なくとも1の化合物を含むことが好ましい。光触媒作用を高めることができるのであれば、他の材料をTiOへドープしてもよく、窒素や異種金属などをTiOへイオン注入しても良い。
また、上記発光装置を含む車両用前照灯および照明装置も本発明の技術的範囲に含まれる。
〔付記事項〕
本発明は上述した実施形態および各実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の発光装置は、車両用前照灯のみならず、その他の照明装置に適用することができる。その他の照明装置の一例としては、ダウンライトを挙げることができる。ダウンライトは、家屋、乗物などの構造物の天井に設置される照明装置である。さらに、その他にも、本発明の照明装置は、車両以外の移動物体(例えば、人間・船舶・航空機・潜水艇・ロケットなど)のヘッドランプとして実現されてもよいし、サーチライト、プロジェクタ、ダウンライト以外の室内照明器具(スタンドランプなど)として実現されてもよい。
1a LED(光源)
1b LD(光源,レーザダイオード)
2a 導光部材
2b 励起用レンズ
3 透明基板
4 発光体
5 パラボラミラー(反射鏡)
5h ハーフパラボラミラー(反射鏡)
5p 金属ベース(反射板)
6a〜6f 光触媒コート膜(光触媒膜)
6c’ 光触媒コート膜(光触媒膜)
7a 挿通孔
8 投影レンズ
10 導光型ヘッドランプ(発光装置,車両用前照灯,照明装置)
20,30 透過型ヘッドランプ(発光装置,車両用前照灯,照明装置)
40,50 反射型ヘッドランプ(発光装置,車両用前照灯,照明装置)
EL 励起光
n 屈折率
PL 透過光(励起光)
PL’ 通過光(励起光)
R 反射率
RL 反射光(励起光)
rL 表面反射光(励起光)
SL 折り返し光(励起光)
SUF1 表面
SUF2〜6 表面
SUF3 光反射凹面
SUF3’ 表面
t 厚さ

Claims (4)

  1. 440nm以上、450nm以下の波長範囲にピーク波長を有する青色レーザ光を励起光として発生する光源と、
    上記光源から発生した上記青色レーザ光が励起光として照射されることにより蛍光を発生する発光体と、
    上記発光体から発生した蛍光を外部に投光する光学系と、を備え、
    上記発光体において上記青色レーザ光が照射される面に、酸化チタンが存在していることを特徴とする発光装置。
  2. 前記発光体に隣接する部材の表面に、酸化チタンが存在していることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 請求項1または2に記載の発光装置を備えていることを特徴とする車両用前照灯。
  4. 請求項1または2に記載の発光装置を備えていることを特徴とする照明装置。
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