JP2015097338A - アンテナ装置およびアンテナ装置の筐体 - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、移動通信では、無線通信によりサービスを行うことが希望される領域(エリア)の方向は様々である。このため、前記の基地局では、アンテナを垂直方向に傾けるチルトや、アンテナを水平方向に回転させるパンなどを行うことで、ビームの方向(指向性)の調整が行われていた。
また、複数のアンテナを用いたアダプティブアレーによりビームの方向を調整することが行われていた(例えば、特許文献1参照。)。
例えば、周辺の建物よりも低い位置に設置されたアンテナを用いる基地局では、ビームの方向を道路が存在する方向に向けて、当該道路の領域にセルを形成することで、サービスの領域を効率的に構築することがある。しかしながら、アンテナがビルの壁面などに設置される構成では、チルトやパンが自由に行われない設置環境であるときもあり、ビームの方向の調整が難しい場合がある。
また、アダプティブアレーによりビームの方向を制御する構成では、制御が複雑であった。
[本実施形態に係るアンテナ装置の説明]
図1は、本発明の一実施形態に係るアンテナ装置1の筐体11の概略的な構成を示す図である。
本実施形態に係るアンテナ装置1の筐体11は、キューブ構造と呼ばれる立方体(正六面体)の形状を有する。
筐体11は、図1における上下左右前後を用いると、前面である第1の面A1と、左面である第2の面A2と、裏面である第3の面A3と、上面である第4の面A4と、下面である第5の面A5と、右面である第6の面に相当する給電面Asを有する。
第1〜第5の面A1〜A5は、それぞれ、アンテナ素子を着脱可能に取り付けることが可能な同じ構造を有し、アンテナ素子の給電ケーブル(給電線)を通すための穴部B1〜B5が形成された構造を有する。
給電面Asは、第1〜第5の面A1〜A5に取り付けられたアンテナ素子の全ての給電ケーブルを通すための穴部Bsが形成された構造を有する。
第1〜第5の面A1〜A5と給電面Asのそれぞれに形成された穴部B1〜B5、Bsは、それぞれの面の中心に、それぞれの面(本実施形態では、正方形の面)に相似な形状(本実施形態では、それぞれの面より小さい正方形の形状)を有する。
本実施形態では、アンテナ装置1の筐体11の5個の面(第1〜第5の面A1〜A5)のそれぞれに、アンテナ装置1の設置環境などに応じてアンテナ素子を自由に取り付けることが可能であり、アンテナ素子の組み合わせにより、ビームの方向(指向性)を容易に制御することが可能である。
アンテナ素子としては、他の一例として、エンドファイヤの指向性を有するアンテナ素子がある。エンドファイヤの指向性を有するアンテナ素子は、アンテナを垂直に立てるとその鉛直方向にビームが出る。
本実施形態に係るブロードサイド用のアンテナ素子は、アンテナが形成されたアンテナ板51と、垂直偏波ポートに対応した給電ケーブル61およびコネクタ62と、水平偏波ポートに対応した給電ケーブル63およびコネクタ64を有する。このように、本実施形態に係るブロードサイド用のアンテナ素子は、板状のアンテナを有し、垂直と水平の2個のブランチを有する。本実施形態では、アンテナ板51は、アンテナ素子が取り付けられるアンテナ装置1の筐体11の面と同じ形状(本実施形態では、正方形の形状)を有する。
本実施形態に係るエンドファイヤ用のアンテナ素子は、アンテナが形成されたアンテナ板81と、垂直偏波ポートに対応した給電ケーブル91およびコネクタ92と、水平偏波ポートに対応した給電ケーブル93およびコネクタ94を有する。このように、本実施形態に係るエンドファイヤ用のアンテナ素子は、板状のアンテナを有し、垂直と水平の2個のブランチを有する。本実施形態では、アンテナ板81は、アンテナ素子が取り付けられるアンテナ装置1の筐体11の面と同じ形状(本実施形態では、正方形の形状)を有する。
本実施形態に係るアンテナ装置1は、筐体11と、筐体11の5個の面(第1〜第5の面A1〜A5)のそれぞれに取り付けられたアンテナ素子C1〜C5を有する。筐体11の他の1個の面(給電面As)の穴部Bsに、全てのアンテナ素子C1〜C5の給電ケーブルD1−1〜D5−1、D1−2〜D5−2が通される。
筐体11の第1の面A1の外側に第1のアンテナ素子C1が取り付けられており、第1のアンテナ素子C1の裏面(筐体11の内部の方の面)に設けられた2本の給電ケーブルD1−1、D1−2が、第1の面A1の穴部B1を通して給電面Asの穴部Bsの内部側から外部へ引き出されている。
同様に、筐体11の第2〜5の面A2〜A5の外側に第2〜第5のアンテナ素子C2〜C5が取り付けられており、第2〜第5のアンテナ素子C2〜C5の裏面(筐体11の内部の方の面)に設けられた2本の給電ケーブルD2−1〜D5−1、D2−2〜D5−2が、第2〜第5の面A2〜A5の穴部B2〜B5を通して給電面Asの穴部Bsの内部側から外部へ引き出されている。
なお、図4の例では、各アンテナ素子C1〜C5が、垂直偏波のための給電ケーブルD1−1〜D5−1およびコネクタE1−1〜E5−1を有するとともに、水平偏波のための給電ケーブルD1−2〜D5−2およびコネクタE1−2〜E5−2を有する。
図5(A)に示されるように、板状アンテナに相当するアンテナ板Fの表面には、アンテナ101が設けられている。図5(B)に示されるように、このアンテナ板Fの裏面には、垂直偏波ポートの給電ケーブルが接続される端子111と、水平偏波ポートの給電ケーブルが接続される端子112が設けられている。
アンテナ板Fは、図2に示されるアンテナ板51や図3に示されるアンテナ板81の一例である。
図6(A)は板状モノポールアンテナのモデルを示す図であり、図6(B)は板状モノポールアンテナの指向性を示す図である。板状モノポールアンテナの指向性は、垂直面内指向性において、ブロードサイドの指向性を有し、ダイポールアンテナの指向性と同じである。
図7(A)はパッチアンテナのモデルを示す図であり、図7(B)はパッチアンテナの指向性を示す図である。パッチアンテナの指向性は、垂直面内指向性において、エンドファイヤの指向性(天頂側への指向性)を有する。
さらに、垂直偏波および水平偏波の両方を励振することが可能なアンテナ素子を形成するために、ブロードサイドのアンテナ素子については、一例として、垂直偏波のための板状モノポールアンテナと、水平偏波のためのターンスタイル型水平ダイポールアンテナとが組み合わされて用いられてもよい。
ターンスタイル型水平ダイポールアンテナでは、3個の水平ダイポールを120度おきに配置して各水平ダイポールの信号を合成する。
図9は、2点給電のパッチアンテナの構成例を示す図である。
図9に示されるパッチアンテナは、円状の金属部121と、金属部121に設けられた2個の給電点131、132を有する。2個の給電点131、132は金属部121の中心から互いに90度直交した場所に配置されており、この配置ではそれぞれの給電点131、132への給電により互いに直交する偏波(相対的に、垂直偏波と水平偏波)が励振される。
図10(A)に示されるアンテナ装置1aでは、5個の各面における指向性201−1〜201−5はエンドファイヤの指向性である。
図10(B)は、アンテナ装置1b(アンテナ装置1の一例)の各面における指向性の他の一例を示す図である。
図10(B)に示されるアンテナ装置1bでは、3個の各面における指向性211−1〜211−3はエンドファイヤの指向性であり、他の2個の各面における指向性211−4、211−5はブロードサイドの指向性である。
一例として、本実施形態に係るアンテナ装置1は、携帯電話などの移動通信システムにおける基地局装置のアンテナ装置として用いられてもよい。この場合、アンテナ装置1が有する各アンテナ素子C1〜C5の各給電ケーブルD1−1〜D5−1、D1−2〜D5−2には、コネクタE1−1〜E5−1、E1−2〜E5−2を介して、基地局装置の給電コネクタが接続される。基地局装置は、給電コネクタから当該給電コネクタに接続された給電ケーブルを介して該当するアンテナ素子へ、無線送信する対象となる信号(電力)を出力し、これにより、当該信号が当該アンテナ素子から無線により送信される。なお、アンテナ装置1が有する各アンテナ素子C1〜C5の各給電ケーブルD1−1〜D5−1、D1−2〜D5−2ごと(各ブランチごと)に、任意の基地局装置の任意のポートの給電コネクタが接続されてもよい。
本実施形態に係るアンテナ装置1では、例えば、ユーザの設定により、様々な無線通信領域を形成することができる。ユーザは、アンテナ装置1を設置する場所の付近の地図のデータなどを参照して、アンテナ装置1を設置する環境を考慮して、例えば、道路の方向、道幅、交通量、周辺の建物の高さなどに基づいて、アンテナ装置1の各アンテナ素子C1〜C5として用いるアンテナ素子を選択することや、各アンテナ素子C1〜C5におけるビームを形成する方向(指向性)を設定することが可能である。
以下で、アンテナ装置1の各アンテナ素子C1〜C5における指向性をブロードサイドとエンドファイヤとで選択することで形成される無線通信領域の例を示す。
図11(A)は、アンテナ装置1−1が設置される環境の第1の例を示す図である。図11(B)は、アンテナ装置1−1の各アンテナ素子C1−1〜C5−1における指向性の選択の第1の例を示す図である。図11(C)は、アンテナ装置1−1の各アンテナ素子C1−1〜C5−1における指向性の第1の例を示す図である。
本例について、図1および図4に示される符号に「−1」を付した符号を用いて説明する。
なお、本例では、第4の面A4−1の垂直外向きの方向(本例では、空の方向であり、例えば、建物301−1、301−2の内部やテラス)に電波を出力するように、第4の面A4−1にエンドファイヤのアンテナ素子C4−1が取り付けられたが、他の例として、ブロードサイドのアンテナ素子が取り付けられてもよい。また、本例では、第5の面A5−1の垂直外向きの方向(本例では、地面の方向)に電波を出力しないように、第5の面A5−1にブロードサイドのアンテナ素子C5−1が取り付けられたが、他の例として、エンドファイヤのアンテナ素子が取り付けられてもよい。
これにより、図11(A)に示される所望の道路の部分をカバーするビーム311が形成される。
図12(A)は、アンテナ装置1−2が設置される環境の第2の例を示す図である。図12(B)は、アンテナ装置1−2の各アンテナ素子C1−2〜C5−2における指向性の選択の第2の例を示す図である。図12(C)は、アンテナ装置1−2の各アンテナ素子C1−2〜C5−2における指向性の第2の例を示す図である。
本例について、図1および図4に示される符号に「−2」を付した符号を用いて説明する。
本例では、第4の面A4−2におけるブロードサイドおよび第5の面A5−2におけるブロードサイドは、第1の面A1−2におけるエンドファイヤおよび第3の面A3−2におけるエンドファイヤに合った指向性を有する。これにより、道幅が広い道路に多くのアンテナ素子からのビーム411が形成される。
なお、本例では、第4の面A4−2および第5の面A5−2の垂直外向きの方向(本例では、空中と地面の方向)に電波を出力しないように、第4の面A4−2および第5の面A5−2にブロードサイドのアンテナ素子C4−2、C5−2が取り付けられたが、他の例として、エンドファイヤのアンテナ素子が取り付けられてもよい。
これにより、図12(A)に示される所望の道路の部分をカバーするビーム411、412が形成される。このように、道幅が広い道路のようにMIMOのブランチの数を多くしたい方向が存在する場合には、その方向についてエンドファイヤの指向性とし、他の方向についてブロードサイドの指向性とする。
図13(A)は、アンテナ装置1−3が設置される環境の第3の例を示す図である。図13(B)は、アンテナ装置1−3の各アンテナ素子C1−3〜C5−3における指向性の選択の第3の例を示す図である。図13(C)は、アンテナ装置1−2の各アンテナ素子C1−3〜C5−3における指向性の第3の例を示す図である。
本例について、図1および図4に示される符号に「−3」を付した符号を用いて説明する。
本例では、第4の面A4−3におけるブロードサイドおよび第5の面A5−3におけるブロードサイドは、第2の面A2−3におけるエンドファイヤに合った指向性を有する。これにより、ホットスポット511に多くのアンテナ素子からのビームが形成される。
なお、本例では、第4の面A4−3および第5の面A5−3の垂直外向きの方向(本例では、空中と地面の方向)に電波を出力しないように、第4の面A4−3および第5の面A5−3にブロードサイドのアンテナ素子C4−3、C5−3が取り付けられたが、他の例として、エンドファイヤのアンテナ素子が取り付けられてもよい。
これにより、図13(A)に示されるホットスポット511の部分をカバーするビームが形成される。このように、ホットスポット511のようにMIMOのブランチの数を多くしたい方向が存在する場合には、その方向についてエンドファイヤの指向性とし、他の方向についてブロードサイドの指向性とする。
図14(A)は、アンテナ装置1−4が設置される環境の第4の例を示す図である。図14(B)は、アンテナ装置1−4の各アンテナ素子C1−4〜C5−4における指向性の選択の第4の例を示す図である。図14(C)は、アンテナ装置1−4の各アンテナ素子C1−4〜C5−4における指向性の第4の例を示す図である。
本例について、図1および図4に示される符号に「−4」を付した符号を用いて説明する。
なお、本例では、第4の面A4−4の垂直外向きの方向(本例では、空の方向であり、例えば、建物601−3、601−4の内部やテラス)に電波を出力するように、第4の面A4−4にエンドファイヤのアンテナ素子C4−4が取り付けられたが、他の例として、ブロードサイドのアンテナ素子が取り付けられてもよい。また、本例では、第5の面A5−4の垂直外向きの方向(本例では、地面の方向)に電波を出力しないように、第5の面A5−4にブロードサイドのアンテナ素子C5−4が取り付けられたが、他の例として、エンドファイヤのアンテナ素子が取り付けられてもよい。
これにより、図14(A)に示される所望の道路の部分をカバーするとともに干渉領域621を回避するビーム611が形成される。このように、隣接する干渉基地局631のセル(例えば、干渉領域621を含むセル)との干渉がある場合には、そのセルの方向についてブロードサイドの指向性とし、所望の方向についてエンドファイヤの指向性とする。
図15(A)は、アンテナ装置1−5が設置される環境の第5の例を示す図である。図15(B)は、アンテナ装置1−5の各アンテナ素子C1−5〜C5−5における指向性の選択の第5の例を示す図である。図15(C)は、アンテナ装置1−5の各アンテナ素子C1−5〜C5−5における指向性の第5の例を示す図である。
本例について、図1および図4に示される符号に「−5」を付した符号を用いて説明する。
本例では、第1の面A1−5におけるブロードサイドおよび第3の面A3−5におけるブロードサイドは、第4の面A4−5におけるエンドファイヤおよび第5の面A5−5におけるエンドファイヤに合った指向性を有する。これにより、吹き抜けの上下方向に多くのアンテナ素子からのビームが形成される。
これにより、図15(A)に示される所望の吹き抜けの部分をカバーするビームが形成される。
以上のように、本実施形態に係るアンテナ装置1では、様々なアンテナの設置環境において、その設置環境に合わせたアンテナ素子C1〜C5の組み合わせを用いることができ、例えば、無線通信領域の構築やMIMO効果を効率的に実現することができる。
本実施形態に係るアンテナ装置1では、例えば、周辺の建物よりも低い位置に設置されたアンテナを用いるような環境においても、アンテナのビームの方向(指向性)を様々に制御することが可能である。
本実施形態に係るアンテナ装置1では、5個の面A1〜A5のアンテナ素子C1〜C5を自由に付け替えることができ、これにより、例えば、MIMOのブランチの数を様々に調整することが可能である。
本実施形態に係るアンテナ装置1では、本体(本実施形態では、アンテナ素子C1〜C5以外の筐体11の部分)とアンテナ素子C1〜C5を個別に製造することが可能であるため、低コスト化することが可能である。
また、例えば、アンテナ素子の給電ケーブルが筐体の内部から外部へ引き出されるための面が筐体に設けられる必要がない構成であれば、筐体に給電面が設けられなくてもよい。
一構成例として、それぞれ1個以上のアンテナ素子(本実施形態では、アンテナ素子C1〜C5)が設けられる2個以上の面(本実施形態では、面A1〜A5)と、前記2個以上の面のそれぞれに設けられたアンテナ素子と、を備えるアンテナ装置(本実施形態では、アンテナ装置1)である。
Claims (8)
- それぞれ1個以上のアンテナ素子が設けられる2個以上の面と、
前記2個以上の面のそれぞれに設けられたアンテナ素子と、
を備えるアンテナ装置。 - さらに、前記2個以上の面のそれぞれに設けられた前記アンテナ素子の給電ケーブルを引き出すための面である給電面を備える、
請求項1に記載のアンテナ装置。 - それぞれの面に穴部が形成された多面体の形状を有する筐体を含み、
前記アンテナ素子の給電ケーブルが、前記アンテナ素子が設けられる面に形成された穴部を通して前記筐体の内部に通される、
請求項1または請求項2に記載のアンテナ装置。 - 前記アンテナ素子が前記面に対して着脱可能である、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のアンテナ装置。 - 前記アンテナ素子として、エンドファイヤ用のアンテナ素子またはブロードサイド用のアンテナ素子が用いられる、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のアンテナ装置。 - 前記アンテナ素子として、垂直偏波と水平偏波の一方または両方のアンテナ機能を有するアンテナ素子が用いられる、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のアンテナ装置。 - 立方体の形状を有する、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のアンテナ装置。 - それぞれ1個以上のアンテナ素子が着脱可能に設けられる2個以上の面を備え、
前記2個以上の面のそれぞれは、穴部が形成された面である、
アンテナ装置の筐体。
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