JP4410695B2 - 無線lanシステムおよびそのアンテナモジュール - Google Patents

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Description

本発明は、例えば無線通信網を形成する無線LANシステムにおいて、無線周波帯の高周波電磁波(以下、電磁波とも高周波ともいう。)信号を伝播させる、高周波マイクロストリップ線路に関するものである。
近年、高度情報化への発展に伴って、ビル内のオフィス内、あるいは工場や倉庫等の構内、一般の住宅内や事務所内等々の屋内、さらには、屋内以外の、商店街等のアーケード、駅プラットホーム、空港ターミナル、あるいはテント等の大型仮設構造物やイベント会場等、一定の区域における無線通信網を形成する無線LANシステム(区域内無線通信網)の使用が拡大しつつある。このような従来例に係る無線LANシステムとしては、例えば後述する構成になるものが公知である。
以下、無線LANシステムに係る従来例1を、添付図面を順次参照しながら説明する。
図12は従来例1に係る無線LANシステムの高周波マイクロストリップ線路(高周波伝送路)の平面図、図13は図12のB−B線断面図である。
図に示す符号51は、無線LANシステムに必要な長さの薄板形状の高周波マイクロストリップ線路である。この高周波マイクロストリップ線路51は、可撓可能であって、かつその断面は、図13に示すように、導体材料からなるグランド層52に、誘電材料からなる誘電体層53と導体材料からなる高周波誘導用の信号線54とが記載順に積層されてなる構成になっている。また、パッチアンテナ60は、図12,13に示すように、誘電材料からなる誘電体61と導体材料からなる放射板62とが順次積層された構成になっている。各パッチアンテナ60は、前記信号線54上に間隔L等の所定の間隔で複数設置されて、この信号線54と電気的に結合されている。
上記のような構成になる無線LANシステムの高周波マイクロストリップ線路51の厚さは極めて薄く製造されており、そして屋内の上部に配設されている。ところで、無線LANシステムの子機群のレイアウトによっては、隣り合うパッチアンテナ60同士の高周波の混信が生じる場合がある。そのため、パッチアンテナ60を左旋回円偏波アンテナと右旋回円偏波アンテナの2種類とし、これらアンテナを交互に配設して混信を防ぐようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
無線LANシステムに係る従来例2を、その無線基地局の構成を示すブロック図の図14を参照しながら説明する。これは、無線LANシステムの無線基地局間の干渉を最小にし、突発的な外来ノイズが発生した場合等に最適なチャンネル、セルの設定に変更するようにしたものである。即ち、無線基地局160の指向性アンテナは、無線信号を出力するアンテナ部161〜164と、位相調整器165〜168と、減衰器169、16A〜16Cとにより構成されている。そして、この指向性アンテナにRF出力を行うRFインターフェイス16Dは、RF部16Eと、BB部16Fとから構成されている。有線LAN16Kとの間でデータの授受を行う有線LANインターフェイス16JとRFインターフェイス16Dとは、制御部16Gを介して接続され、制御部16Gには、無線基地局の位置情報や検索情報等を記憶するメモリ16Hが接続されている。位置情報16Iと検索情報16Lとは、このメモリ16Hの中にその情報が保持されている。
指向性アンテナで得られる他の無線基地局の電界強度は、RFインターフェイス16Dを経由して、制御部16Gでこの無線基地局を基準とした極座標情報に変換され、メモリ16H内に位置情報16Iとして格納される。有線LAN16Kを介して位置情報16Iを得る場合、制御部16Gは、他の無線基地局から送られてくるパケットを有線LAN16Kから有線LANインターフェイス16Jを経由して受け取り、この無線基地局を基準とした極座標情報に変換して、この無線基地局のメモリ16Hの位置情報16Iに格納された情報とマージし、再度メモリ16H内の位置情報16Iとして格納される。
検索情報16Lは、他の無線基地局が周辺の検索を行っているか否かを示す情報であり、他の無線基地局から送られてくるパケットを、有線LAN16Kから有線LANインターフェイス16J、制御部16Gを経由してメモリ16Hの検索情報16Lとして格納されている。このような無線基地局では、求められたほかの無線基地局方向および距離に基づいて、利用可能なチャンネルと通信可能領域の設定が行われる。その際、通信可能領域の設定は、無線出力の電力調整および受信感度の調整と、指向性アンテナの指向性の調整とによって行われるようになっている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2004−165707号公報 特開2004−282643号公報
上記特許文献1に記載された従来例に係る無線LANシステムのマイクロストリップ線路は、オフィスや家庭等の屋内においては、端末が接続エリア内のどこにいてもモバイル通信ができるので、極めて有用であると考えられる。しかしながら、工場内の製造ライン、原料や在庫ヤード、搬送ライン、港湾のコンテナヤード、物流倉庫等では、無線LANを使用する上で下記のような問題がある。
(1)屋外で、基地局または親機(以下、APという。)を取付けるための天井、柱、鉄塔等の取付け場所がない。
(2)屋内で、天井が高く設置後の保守が困難である。
(3)大型の機器、製造設備、製品、搬送用容器等があり、見通しが悪い。
即ち、上記のようなエリアで無線LANを使用したい場合には、上記のような問題を解決するために、一般的にAPを点在する複数地点の高所に設置し、その設置位置から無線信号を送信するのが一般的である。しかしながら、このような一般的な方法には下記のような問題がある。
(1)見通しを良くするために、APを高所に設置するための高い柱または塔を立設しなければならないから、建設費が高くなる。また、搬送車等の移動の障害になり易い。
(2)見通しを改善することができない場合、多数のAPを設置しなければならないため、所要機器費が嵩む。
(3)多数のAPを設置する場合、利用できるチャンネル数が有限である。従って、チャンネル間干渉が起こり易くなるため、通信品質(通信速度)が低下する恐れがある。
(4)また、複数のAPの間に子局が存在する場合、周囲の環境変化によって無線の伝播状態が変化するため、子局が接続するAPが切り替わる頻度が高くなる。従って、通信が不安定になるから、通信切断等の不安定が生じる。
上記特許文献2に記載された従来例に係る無線LANシステムでは、複数の無線基地局同士が干渉を起こさないように高指向性アンテナを用いて、周辺の無線基地局の周波数や電界強度を得て位置情報とする。そして、この位置情報から、それぞれの通信可能領域と使用周波数を決めるものであるが、周辺の状況は刻一刻と変化するから、通信エリアも変化する。従って、最適化を頻繁に実施する必要があるから、その最適化処理に伴って、実効的な通信品質(通信速度)が低下するという問題がある。
従って、本発明の目的は、屋外であっても容易に設置することができ、周辺状況が変化しても通信品質(通信速度)が低下するとがなく、しかも安価な無線LANシステムおよびそのアンテナモジュールを提供することである。
発明者らは、無線LANシステムの基地局用として使用するアンテナモジュールを複数の通路のそれぞれに沿って地面上に配設すれば、高い柱や塔を立設する必要がなく、周辺状況が変化しても通信品質(通信速度)が低下するとがなく、しかも安価な無線LANシステムを提供することが可能になると考えて本発明をなしたものである。
従って、上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る無線LANシステムが採用した手段は、誘電材料からなる誘電体層と導体材料からなる放射板とが順次積層された無線基地局となるパッチアンテナが所定の間隔で配置されてなる高周波伝送路を、複数の通路のそれぞれに沿う地面上に配設、または地下に埋設し、前記パッチアンテナそれぞれの上方位置に、このパッチアンテナから放射された電波を地面に沿って周囲方向に反射させる電波反射鏡を配設したことを特徴とするものである。
本発明の請求項2に係る無線LANシステムが採用した手段は、請求項1に記載の無線LANシステムにおいて、前記高周波伝送路は、導体材料からなるグランド層に誘電材料からなる誘電体層と導体材料からなる信号線とを順次積層した構成になるマイクロストリップ線路と、同軸ケーブルと、導波管とのうちの何れかであることを特徴とするものである。
本発明の請求項3に係る無線LANシステムが採用した手段は、請求項1または2のうちの何れか一つの項に記載の無線LANシステムにおいて、前記パッチアンテナは、左旋回する左旋回円偏波と、右旋回する右旋回円偏波とを放射する2種類であり、左旋回円偏波を照射するパッチアンテナと右旋回円偏波を放射するパッチアンテナとが、前記高周波伝送路のそれぞれに交互に配設されてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項4に係る無線LANシステムが採用した手段は、請求項1乃至3のうちの何れか一つの項に記載の無線LANシステムにおいて、前記電波反射鏡は、円錐形状に形成され、この円錐形の頂点側が前記パッチアンテナ側に向けられてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項5に係る無線LANシステムが採用した手段は、請求項1乃至3のうちの何れか一つの項に記載の無線LANシステムにおいて、前記電波反射鏡は、頂点が鋭くなるように母線が湾曲した略円錐形状に形成され、この略円錐形の頂点側がパッチアンテナ側に向けられてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項6に係る無線LANシステムが採用した手段は、請求項1乃至3のうちの何れか一つの項に記載の無線LANシステムにおいて、前記電波反射鏡は、四角円錐形状に形成され、この、四角円錐形の頂点側が前記パッチアンテナ側に向けられてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項7に係る無線LANシステムが採用した手段は、請求項1乃至3のうちの何れか一つの項に記載の無線LANシステムにおいて、前記電波反射鏡は、頂点が鋭くなるように母線が湾曲した略四角円錐形状に形成され、この略四角円錐形の頂点側がパッチアンテナ側に向けられてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項8に係るアンテナモジュールが採用した手段は、屋外における無線LANシステムの無線基地局用として使用するアンテナモジュールであって、複数の通路のそれぞれに沿う地面上に配設、または地下に埋設され、誘電材料からなる誘電体層と導体材料からなる放射板とが順次積層されてなるパッチアンテナと、このパッチアンテナの上方位置に配設され、このパッチアンテナから放射された電波を地面に沿って周囲方向に反射させる電波反射鏡とから構成されてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項9に係るアンテナモジュールが採用した手段は、請求項8に記載のアンテナモジュールにおいて、前記アンテナモジュールのパッチアンテナは、導体材料からなるグランド層に誘電材料からなる誘電体層と導体材料からなる信号線とを順次積層した構成になるマイクロストリップ線路と、同軸ケーブルと、導波管とのうちの何れかを介して伝送される高周波を取り込むように構成されてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項10に係るアンテナモジュールが採用した手段は、請求項8または9のうちの何れか一つの項に記載のアンテナモジュールにおいて、前記アンテナモジュールのパッチアンテナは、左旋回する左旋回円偏波と、右旋回する右旋回円偏波とを放射する2種類からなり、左旋回円偏波を照射するパッチアンテナを有するアンテナモジュールと右旋回円偏波を放射するパッチアンテナを有するアンテナモジュールとが、前記複数の通路のそれぞれに沿う地面上に交互に配設されてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項11に係るアンテナモジュールが採用した手段は、請求項8乃至10のうちの何れか一つの項に記載のアンテナモジュールにおいて、前記電波反射鏡は、円錐形状に形成され、この円錐形の頂点側が前記パッチアンテナ側に向けられてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項12に係るアンテナモジュールが採用した手段は、請求項8乃至10のうちの何れか一つの項に記載のアンテナモジュールにおいて、前記電波反射鏡は、頂点が鋭くなるように母線が湾曲した略円錐形状に形成され、この略円錐形の頂点側がパッチアンテナ側に向けられてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項13に係るアンテナモジュールが採用した手段は、請求項8乃至10のうちの何れか一つの項に記載のアンテナモジュールにおいて、前記電波反射鏡は、四角円錐形状に形成され、この、四角円錐形の頂点側が前記パッチアンテナ側に向けられてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項14に係るアンテナモジュールが採用した手段は、請求項8乃至10のうちの何れか一つの項に記載のアンテナモジュールにおいて、前記電波反射鏡は、頂点が鋭くなるように母線が湾曲した略四角円錐形状に形成され、この略四角円錐形の頂点側がパッチアンテナ側に向けられてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項1乃至7に係る無線LANシステムおよび本発明の請求項8乃至14に係るアンテナモジュールでは、パッチアンテナが複数の通路のそれぞれに沿う地面上に配設、または地下に埋設されており、そしてパッチアンテナから放射された電波が、電波反射鏡により地面に沿ってパッチアンテナの周囲に反射される。
従って、本発明請求項1乃至7に係る無線LANシステムおよび本発明の請求項8乃至14に係るアンテナモジュールによれば、下記のとおりの効果を得ることができる。
(1)パッチアンテナが道路に沿う地面あるいは地面下に設けられているから、無線基地局であるパッチアンテナを設置するために、高い柱または塔を立設する必要がない。
(2)高周波伝送路およびパッチアンテナと電波反射鏡からなるアンテナモジュールを地面上に多数配設、または地下に多数埋設することにより、見通しに影響されるようなことがなくなる。
(3) 通信エリアを設定することができるので、チャンネル干渉が起こり難くなるから、無線基地局であるパッチアンテナと子局との間の通信安定性が高くなる。
大型工場の現場では、作業者は工場内で各種の操業情報や設備情報等を得たいと考えている。モバイルで工場内のネットワークに接続する場合、無線による通信が必要になる。
ところが、大型工場では天井が高く、また各種の製造装置や機械が多数あり、無線基地局を設置する場所がないし、そして高所に無線基地局を設けると、この無線基地局保守、点検作業が困難になる。また、港湾のコンテナヤードでは、コンテナを搬送するトラックがセンターからの指示を受けてコンテナの搬送が行われている。そのため、センターとトラック間で通信が必要になる。しかし、港湾のコンテナヤードでは、上記のような工場の場合と同様に、コンテナが多数あって、無線基地局を設置する場所がないし、そしてコンテナにより見通しが遮られ、無線通信が出来なくなる。
例えば、工場やコンテナヤードでは、その模式的斜視図の図9に示すように、広いエリアに対して、無線通信をする必要があるエリア と、無線通信をする必要がないエリアAとが存在する。ところが、無線通信をする必要があるエリアAは、一般に作業者やトラック等の搬送車が行き来できる通路となっている。一方、無線通信をする必要がないエリアAには、製造設備やコンテナがある。勿論、無線通信をする必要がないエリアAにあっても、通信ニーズがある場合も考えられるが、そのような場合には、通信可能エリアまで無線端末を移動させれば良い。
上記図9に示す通信可能エリアに対して、高さが高い無線基地局を立てた場合、無線基地局からの電波の伝播は、無線端末までの通信区間に存在する製造設備やコンテナの状況によって変化する。製造設備やコンテナが少ない場合には、工場やコンテナヤードにおいて製造設備やコンテナが少ない場合の電波の伝播状況説明図の図10に示すように、通信可能エリアAcが広がる。一方、製造設備やコンテナが多い場合には、工場やコンテナヤードにおいて製造設備やコンテナが多い場合の電波の伝播状況説明図の図11に示すように、通信可能エリアAcが比較的狭くなる。従って、通信可能エリアAcが製造設備やコンテナの数に応じて変化するため、ユーザには使い難い。また、通信可能エリアAcを広く取ろうとして、より高さが高い無線基地局を設けた場合は、チャンネル数が有限であるため、同じチャンネルで干渉するという問題が生じる。
そこで、発明者らは,工場の構内やコンテナヤードの通路に沿って、高周波伝送路(アンテナモジュールを含む)を通路の地面に配設または地下に埋設すれば、上記問題を解決することができると考えたものである。以下、本発明の形態1に係る無線LANシステムを、添付図面を順次参照しながら説明する。図1は無線LANシステムの高周波伝送路である高周波マイクロストリップ線路(以下、高周波線路という。)の配設状態説明図であり、図2は高周波線路の平面図であり、図3は図2のA−A線断面図である。また、図4は高周波線路に設けられたアンテナモジュールの側面構成説明図であり、図5は高周波線路に設けられたアンテナモジュールの模式的斜視図である。
本発明の形態1に係る無線LANシステム1の後述する高周波線路2は、図1に示すように構成されている。即ち、高周波線路2は、工場の構内やコンテナヤードの通路に沿って地面上に配設(本形態の場合には、3列であるが、高周波伝送路2の配列数は必要に応じて変更される。)されており、この高周波線路2は、防水並びに破損防止のために、例えば金属製のパイプ等の保護手段によって保護されている。そして、これら高周波線路2は、何れも図における左側に設けられた無線LAN親機3から、同図における右方向に延設されている。
前記高周波線路2上には、無線基地局となるアンテナモジュール4が所定の間隔、例えばL(図2参照。)で配設されており、それぞれ細い線で示す枠内が通信可能エリアAcになっている。そして、この通信可能エリアAcにおいて、前記無線LAN親機3から高周波線路2を介して伝送されると共に、アンテナモジュール4から放射された電波を受信して交信するための図示しない無線端末(子機)は、例えば作業者が携帯し、またトラックに装備されている。なお、この形態1の場合には、上記のとおり、高周波線路2は道路に沿って地面上に配置されているが、アンテナモジュール4が地面上に露出していれば、この高周波線路2は地下に埋設されていても良いものである。
無線LANシステム1の前記高周波線路2は、図2に示すように、厚さが薄い条形状に形成されている。この高周波線路2の断面形状は、図3に示すように、導体材料からなるグランド層2aに、誘電材料からなる誘電体層2bと、導体材料からなる高周波誘導用の信号線2cとが記載順に順次積層された形状になっており、そしてこの高周波線路2は、曲げ変形自在に構成されている。
前記アンテナモジュール4は、図2、3に示すように、誘電材料からなる誘電体板5aと、導体材料からなる放射板5bとが記載順に積層されてなるパッチアンテナ5を備えている。そして、互いに隣接するパッチアンテナ5から、左旋回する左旋回円偏波と右旋回する右旋回円偏波が放射されるように構成されている。この場合、前記信号線2cは誘電体層2b内に埋設して高周波線路2の長手方向に配置されていても良く、誘電体層2bの上に突設または載置して、高周波線路2の長手方向に配置されていても良い。
前記グランド層2aは、銅、アルミニウム、錫、金、ニッケル、またはハンダ等の金属から構成されている。また、前記誘電体層2bは、ガラス繊維、ポリテトラフルオロエチレン(デュポン社商品名;テフロン)、ポリイミド、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ビニル、またはマイラ等の樹脂誘電材料から構成されている。そして、前記信号線2cは、細線や薄板状の良導電性金属材から構成されている。このような素材からなる高周波線路2の厚さや幅は、できる限り小寸にするのが好ましい。
そのため、グランド層2aの厚さは0.2mm以下に、幅は10〜50mmに設定され、誘電体層2bの厚さは0.1〜2.0mmに、幅は10〜50mmに設定され、信号線4の厚さは0.2mm以下に設定されている。なお、この形態1に係る無線LANシステム1の場合には、上記のとおり、無線LAN親機3から高周波を伝送するのに高周波線路2を用いている。しかしながら、これに限らず、例えば周知の構成になる同軸ケーブルや導波管を用いることも可能である。
また、前記アンテナモジュール4は、後述する構成になる電波反射鏡6を備えている。
この電波反射鏡6は前記パッチアンテナ5の上方位置に配置されており、図4に示すように、電波を透過させる、例えばプラスチック、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル、またはガラス等からなる支持ケーシング7の上部に支持されている。そして、この電波反射鏡6の形状は、図5に示すように、下側に頂部を向けた逆円錐形状に形成されている。
つまり、この電波反射鏡6は、前記パッチアンテナ5から上方に向かって放射された電波を支持ケーシング7のサイド方向へ反射させることにより、地面に沿って放射させるように構成されている。
ところで、この形態1に係る無線LANシステム1の場合、上記のとおり、電波反射鏡6は逆円錐形状に構成されているが、形態2に係るアンテナモジュールの模式的斜視図の図6に示すように、下部の頂部が鋭くなるように母線が湾曲したサチュレーションカーブの回転体、つまり略逆円錐形状、所謂シンダーコーン(Cinder cone)状の構成にすることができる。また、形態3に係るアンテナモジュールの模式的斜視図の図7に示すように、下側に頂部を向けた逆四角錐形状に形成することができる。さらに、形態4に係るアンテナモジュールの模式的斜視図の図8に示すように、下部の頂部が鋭くなるように母線が湾曲した略逆四角錐形状に構成することもできる。
以下、本発明の形態に係る無線LANシステム1の作用態様を説明する。即ち、無線LAN親機3から発信された情報信号は高周波線路2を介してアンテナモジュール4のパッチアンテナ5に送信され、このパッチアンテナ5から電波として放射される。この場合、パッチアンテナ5から放射される電波は、電波反射鏡6によって反射され、地面に沿って放射されるため、上方に放射されるようなことがない。従って、工場やコンテナヤードの路上やトラックの運転席上において作業者や運転手は、無線端末により容易に交信することができる。
本発明の形態1に係る無線LANシステム1によれば、上記従来例1に係る無線LANシステムのように、見通しを良くするために、無線基地局を高所に設置するための高い柱や塔を立設する必要がない。従って、上記従来例1よりも建設費に関して有利になるのに加えて、トラック等の搬送車の移動の障害になるようなことがない。また、本発明の形態1に係る無線LANシステム1によれば、高周波線路2が道路に沿って、地面上に配設または地下に埋設されていて、見通しを改善する必要がなく多数の無線基地局を設置する必要がないため、所要機器費が低廉である。
また、上記のとおり、多数の無線基地局を設置する必要がなく、しかも隣り合うアンテナモジュール4のパッチアンテナ5から左旋回円偏波と右旋回円偏波が発信されるようになっている。従って、チャンネル間干渉が起こり難いため、通信品質(通信速度)が低下するような恐れがない。さらに、複数の無線基地局の間に無線端末が存在しても、周囲の環境変化によってアンテナモジュールと無線端末間で見通しが完全になくなるといったことが起こり難いから、無線端末が接続される無線基地局が切り替わる頻度が高くなるようなことがない。従って、通信が不安定になることがないから、通信切断等の不安定が生じるようなこともない。
また、本発明の形態1に係る無線LANシステム1では、上記のとおり、高周波線路2が道路に沿って、地面上に配設または地下に埋設されており、そして道路上で交信が行われるため、製造設備やコンテナの数量、置き場所等の変化による周辺状況の変化の如何に関わらず、なんの支障もなく交信することができる。従って、上記従来例2に係る無線LANシステムのように、刻一刻と変化する周辺の状況に起因する通信エリアの変化に応じて、それぞれの通信可能エリアと使用周波数を最適化処理する必要がないから、実効的な通信品質(通信速度)が低下するような恐れがない。
以下、本発明の形態に係る無線LANシステムの実施例を、高周波線路に接続されているパッチアンテナの上方に、逆円錐形状の電波反射鏡が設けられてなるアンテナモジュールを備えた無線LANシステムの場合を例として説明する。この無線LANシステムの実施例は、2.4GHz帯の無線LAN信号を、高周波線路を介してアンテナモジュールに伝送して、パッチアンテナから放射されると共に電波反射鏡によって反射されて外方に放射される電波の放射特性を、受信電力として測定した場合の例である。
この無線LANシステムにおける電波の放射特性の測定には、底面半径が15cmであって、かつ高さが7.5cmと、15cmとの2種類の電波反射鏡を用いた。そして、パッチアンテナと電波反射鏡の頂部との間の間隔を、5cm、10cm、および15cmの3段階に変化させて、アンテナモジュールから5m離れた位置で電波の放射特性を測定したものである。また、本発明に係る無線LANシステムの優位性を確認するために、電波反射鏡を設けない場合についても、パッチアンテナから5m離れた位置で電波の放射特性を測定した。これらの各測定で得られた放射特性の測定結果は、下記表1に示すとおりである。
Figure 0004410695
上記表1によれば、本発明の無線LANシステムの場合には、電波反射鏡が適正な位置に設けられていれば、電波反射鏡が設けられていない場合に比較して、総じて受信電力が増加している。例えば、底面半径が15cm、高さが7.5cmの電波反射鏡の場合に、パッチアンテナと電波反射鏡の頂部との間の間隔を10cmにすると最も効果が大きく、電波反射鏡が設けられていない場合に比較して+9dB大きい受信電力が得られている。
従って、パッチアンテナと電波反射鏡の頂部との間の間隔を適正に設定することによって、極めて良好な結果を得ることができるから、本発明に係る無線LANシステムが極めて優れていることが良く分かる。
なお、本発明の上記形態に係る無線LANシステムは具体例に過ぎないから、上記形態に係る無線LANシステムの構成に限定されるものではなく、また本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内における設計変更等は自由自在である。
本発明の形態1に係り、無線LANシステムの高周波線路の配設状態説明図である。 本発明の形態1に係り、無線LANシステムの高周波線路の平面図である。 図2のA−A線断面図である。 本発明の形態1に係り、高周波線路に設けられたアンテナモジュールの側面構成説明図である。 本発明の形態1に係り、高周波線路に設けられたアンテナモジュールの模式的斜視図である。 本発明の形態2に係り、アンテナモジュールの模式的斜視図である。 本発明の形態3に係り、アンテナモジュールの模式的斜視図である。 本発明の形態4に係り、アンテナモジュールの模式的斜視図である。 工場やコンテナヤードの模式的斜視図である。 工場やコンテナヤードにおいて製造設備やコンテナが少ない場合の電波の伝播状況説明図である。 工場やコンテナヤードにおいて製造設備やコンテナが多い場合の電波の伝播状況説明図である。 従来例1に係る無線LANシステムの高周波線路の平面図である。 図12のB−B線断面図である。 本発明の形態2に係る無線LANシステムの無線基地局の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1…無線LANシステム
2…高周波線路,2a…グランド層,2b…誘電体層,2c…信号線
3…無線LAN親機
4…アンテナモジュール
5…パッチアンテナ,5a…誘電体層,5b…放射板
6…電波反射鏡
7…支持ケーシング

Claims (14)

  1. 誘電材料からなる誘電体層と導体材料からなる放射板とが順次積層された無線基地局となるパッチアンテナが所定の間隔で配置されてなる高周波伝送路を、複数の通路のそれぞれに沿う地面上に配設、または地下に埋設し、前記パッチアンテナそれぞれの上方位置に、このパッチアンテナから放射された電波を地面に沿って周囲方向に反射させる電波反射鏡を配設したことを特徴とする無線LANシステム。
  2. 前記高周波伝送路は、導体材料からなるグランド層に誘電材料からなる誘電体層と導体材料からなる信号線とを順次積層した構成になるマイクロストリップ線路と、同軸ケーブルと、導波管とのうちの何れかであることを特徴とする請求項1に記載の無線LANシステム。
  3. 前記パッチアンテナは、左旋回する左旋回円偏波と、右旋回する右旋回円偏波とを放射する2種類であり、左旋回円偏波を照射するパッチアンテナと右旋回円偏波を放射するパッチアンテナとが、前記高周波伝送路のそれぞれに交互に配設されてなることを特徴とする請求項1または2のうちの何れか一つの項に記載の無線LANシステム。
  4. 前記電波反射鏡は、円錐形状に形成され、この円錐形の頂点側が前記パッチアンテナ側に向けられてなることを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一つの項に記載の無線LANシステム。
  5. 前記電波反射鏡は、頂点が鋭くなるように母線が湾曲した略円錐形状に形成され、この略円錐形の頂点側がパッチアンテナ側に向けられてなることを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一つの項に記載の無線LANシステム。
  6. 前記電波反射鏡は、四角円錐形状に形成され、この、四角円錐形の頂点側が前記パッチアンテナ側に向けられてなることを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一つの項に記載の無線LANシステム。
  7. 前記電波反射鏡は、頂点が鋭くなるように母線が湾曲した略四角円錐形状に形成され、この略四角円錐形の頂点側がパッチアンテナ側に向けられてなることを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一つの項に記載の無線LANシステム。
  8. 屋外における無線LANシステムの無線基地局用として使用するアンテナモジュールであって、複数の通路のそれぞれに沿う地面上に配設、または地下に埋設され、誘電材料からなる誘電体層と導体材料からなる放射板とが順次積層されてなるパッチアンテナと、このパッチアンテナの上方位置に配設され、このパッチアンテナから放射された電波を地面に沿って周囲方向に反射させる電波反射鏡とから構成されてなることを特徴とするアンテナモジュール。
  9. 前記アンテナモジュールのパッチアンテナは、導体材料からなるグランド層に誘電材料からなる誘電体層と導体材料からなる信号線とを順次積層した構成になるマイクロストリップ線路と、同軸ケーブルと、導波管とのうちの何れかを介して伝送される高周波を取り込むように構成されてなることを特徴とする請求項8に記載のアンテナモジュール。
  10. 前記アンテナモジュールのパッチアンテナは、左旋回する左旋回円偏波と、右旋回する右旋回円偏波とを放射する2種類からなり、左旋回円偏波を照射するパッチアンテナを有するアンテナモジュールと右旋回円偏波を放射するパッチアンテナを有するアンテナモジュールとが、前記複数の通路のそれぞれに沿う地面上に交互に配設されてなることを特徴とする請求項8または9のうちの何れか一つの項に記載のアンテナモジュール。
  11. 前記電波反射鏡は、円錐形状に形成され、この円錐形の頂点側が前記パッチアンテナ側に向けられてなることを特徴とする請求項8乃至10のうちの何れか一つの項に記載のアンテナモジュール。
  12. 前記電波反射鏡は、頂点が鋭くなるように母線が湾曲した略円錐形状に形成され、この略円錐形の頂点側がパッチアンテナ側に向けられてなることを特徴とする請求項8乃至10のうちの何れか一つの項に記載のアンテナモジュール。
  13. 前記電波反射鏡は、四角円錐形状に形成され、この、四角円錐形の頂点側が前記パッチアンテナ側に向けられてなることを特徴とする請求項8乃至10のうちの何れか一つの項に記載のアンテナモジュール。
  14. 前記電波反射鏡は、頂点が鋭くなるように母線が湾曲した略四角円錐形状に形成され、この略四角円錐形の頂点側がパッチアンテナ側に向けられてなることを特徴とする請求項8乃至10のうちの何れか一つの項に記載のアンテナモジュール。

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