JPH11191752A - 無線基地局、無線通信エリア形成方法 - Google Patents

無線基地局、無線通信エリア形成方法

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JPH11191752A
JPH11191752A JP9357116A JP35711697A JPH11191752A JP H11191752 A JPH11191752 A JP H11191752A JP 9357116 A JP9357116 A JP 9357116A JP 35711697 A JP35711697 A JP 35711697A JP H11191752 A JPH11191752 A JP H11191752A
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JP
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building
base station
antenna
radio wave
radio
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JP9357116A
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English (en)
Inventor
Shuichi Miyazaki
秀一 宮▲崎▼
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無線基地局設置のための工数を低減し、ビル
内の通信トラヒックの変動に柔軟に対応する。 【解決手段】 ビルの外部に設置した基地局放射パター
ンの少なくとも1つのビームを、ビル内におけるトラヒ
ックが発生することが予想される部位につながる、電波
透過性を有する部位に向ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の内部に無
線通信エリアを形成するための、無線基地局、無線通信
エリア形成方法、および、建築物に係り、特に、建築物
の外部に設置された基地局により建築物の内部に、無線
通信エリアを形成するための、無線基地局、無線通信エ
リア形成方法、および、建築物に係る。
【0002】
【従来の技術】近年、通信のパーソナル化に伴い、建築
物の構内でも利用可能な移動体通信システムを提供する
ことが求められている。このような移動体通信システム
として、例えば、特開平8−84107公報に記載され
るビル内移動体通信システムが挙げられる。これは、ビ
ル構内に無線基地局を設置して、移動局が通信可能な無
線通信エリアを構内に形成するものである。図7を参照
して、このビル内移動体通信システムについて説明す
る。
【0003】図7において、ビル内移動体通信システム
は、構内交換機制御装置13と、構内回線網12と、m
個の無線基地局装置11,11A〜11Gと、n個の移
動局16,16A〜16Cとを有して構成される。
【0004】上記無線基地局装置11,11A〜11G
は、小型軽量に構成されている。また、無線基地局装置
11,11A〜11Gには、アンテナが一体構造で取り
付けられている。これらの無線基地局装置11,11A
〜11Gは、例えば、ロッカー71、71A〜71C、
戸棚72などの上や、天井に設置される。
【0005】上記無線基地局装置が、小型軽量に構成さ
れることにより、ロッカー、戸棚、事務機器の上部、建
物の壁面などに設置することが容易に行うことができ
る。
【0006】また、ビル内の移動局による通信を可能に
するための他の方法としては、例えば、特開平7−07
4693公報に記載される携帯電話機を用いることがで
きる。これは、携帯電話機を、通信機能を有する第1の
部分と、マンマシンインタフェース機能を有する第2の
部分とを分割可能に構成し、かつ、上記第1の部分およ
び第2の部分を接続するためのインタフェース機能を設
けたものである。この携帯電話によれば、上記第1の部
分を窓際に設置すれば、これとインタフェースされる第
2の部分を用いて室内で無線通信を行うことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したビル内移動体
通信システムでは、ビル内に設置した個々の無線基地局
装置11,11A〜11Gと構内交換機制御装置13と
を接続しなければならない。このためには、構内回線網
12をビル内に張り巡らせる必要がある。従って、無線
基地局装置11,11A〜11Gの運用開始までには多
大なコストと時間を要する。さらに、無線基地局装置1
1,11A〜11Gの設置位置の変更、撤去、増設など
の無線基地局装置の構成変更を行うことも容易ではな
い。
【0008】また、図7に示されるように、ビル内に無
線通信エリア70,70A〜70Gを形成するために
は、ビル構内に設置された戸棚72、ロッカー71,7
1A〜71Cなどの上、ビルの天井・壁・柱などに無線
基地局装置11,11A〜11Gを複数設置して、電波
によって無線基地局装置11,11A〜11Gと移動局
16,16A〜16Cとの間で屋内移動体通信を行って
いる。
【0009】このとき、ビル内に広い無線通信エリアを
形成するためには、無線基地局装置11,11A〜11
Gをビル内の見通しのよいところに設置する必要があ
る。
【0010】このため、十分な数の無線基地局装置を設
置する場所を確保することは困難である。
【0011】また、上記のように無線基地局装置をビル
内の見通しのよいところに設置するということは、一方
では、無線基地局がビル内の他の位置から目立つことに
なる。
【0012】このため、無線基地局に対する盗難、いた
ずらなどが発生し易いという問題がある。
【0013】また、ビル内に設置される無線基地局装置
11,11A〜11Gは、設置場所の制限から小型軽量
化が要求され、その代わりに、屋外に設置する大型基地
局よりも一台の基地局で収容できるユーザ数は少ない。
例えば、PHS(Personal Handy-phone System)では
通信方式として4チャネルTDMA/TDD方式を採用
しており、1台の基地局で1制御チャネルと3通信チャ
ネルしか保有していない。このため、1台の基地局では
同時に3台までの移動局しか通話できない。PHSの通
信方式の詳細については、社団法人 電波産業会 「第
二世代コードレス電話システム標準規格 第2版 RCR
STD-28」平成7年12月26日に説明がある。
【0014】前述した従来のビル内移動体通信システム
では、アンテナと一体構造の無線基地局装置11,11
A〜11Gを室内に固定して無線通信エリア70,70
A〜70Gを形成している。このため、各無線通信エリ
ア内では、移動局は、特定の基地局との間でしか通信が
行えない。従って、近接する無線通信エリアの通信チャ
ネルが、仮に余っていたとしても、その通信チャネルは
利用できないので、基地局設備を無駄にしてしまうとい
う不具合が生じている。このように、ビル内に固定設置
された小型の無線基地局装置11,11A〜11Gは、
通信容量が小さいため、通信トラヒックの増減に柔軟に
対応することができない。そのために、一時的に増大す
る通信トラヒックに対応できるように、基地局はビル内
に過剰に配置されている例が多く、経済性を損なう。
【0015】また、特開平7−074693公報に記載
される、2つの部分に分割可能な携帯電話機を用いる場
合は、ビルの内外で基地局設備が二重に必要となる。こ
のため、基地局コストが上昇するという不具合が生じ
る。
【0016】前述したように従来の構成では、構内回線
網をビル内に張り巡らせる必要があり、基地局装置の運
用開始までに多大なコストと時間とを要している。さら
に、無線基地局装置の設置位置の変更、撤去、増設など
の無線基地局装置の構成変更も容易ではないという問題
が生じている。また、通信トラヒックに対応するため
に、基地局を過剰に配置しなければならないという問題
が生じている。
【0017】本発明の第1の目的は、ビル内に構内回線
網を張り巡らせることなく、基地局装置の運用開始まで
の時間とコストとを削減することができる、無線基地局
装置、無線通信エリア形成方法を提供することにある。
本発明者らの検討によれば、このためには、建築物の外
部に設置される無線基地局を用いて、ビルの内部に無線
通信エリアを形成することが有用であると考えられ、こ
れに好適な無線基地局装置、無線通信エリア形成方法を
提供することも目的とする。
【0018】本発明の第2の目的は、通信トラヒック量
の変動に適応して基地局設備の有効利用を図ることがで
きるビル内移動体通信システムを提供することにある。
【0019】本発明の第3の目的は、外部に設置される
無線基地局により、内部に無線通信エリアを形成ことに
好適な建築物を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明の第1の態様によれば、建築物の内部
に無線通信エリアを形成するための無線基地局におい
て、上記建築物の外部に設けられるアンテナと、上記ア
ンテナを用いて無線通信するための送受信手段とを備
え、上記アンテナは、その放射パターンにおける少なく
とも1つのビーム方向が、上記建築物の電波透過性を有
する部位を向く姿勢に支持されることを特徴とする無線
基地局が提供される。
【0021】また、本発明の第2の態様によれば、建築
物の内部に存在する移動局との通信を行うための無線通
信エリア形成方法において、建築物の外部から、その建
築物における電波透過性を有する部位に向けて、電波を
照射し、上記電波透過性を有する部位から建築物の内部
に侵入した電波を屋内伝搬させて、無線通信エリアを形
成することを特徴とする無線通信エリア形成方法が提供
される。
【0022】本発明の第3の態様によれば、建築物の内
部に存在する移動局との通信を行うための無線通信エリ
ア形成方法において、建築物の外部に設置した基地局ア
ンテナの放射パターンにおける少なくとも1つのビーム
を建築物における電波透過性を有する部位に向け、建築
物の内部に侵入した電波の伝搬により、廊下に沿って広
がる櫛状の無線通信エリアを形成することを特徴とする
無線通信エリア形成方法が提供される。
【0023】上記第2の目的を達成するために、本発明
の第4の態様によれば、構造体により囲まれた対象空間
に無線通信エリアを形成するための無線基地局におい
て、上記対象空間の外部に、上記構造体を隔てて配置さ
れるアンテナと、上記アンテナの放射パターンを設定す
るための指向特性制御手段と、上記アンテナを用いて無
線通信するための送受信手段とを備え、指向特性制御手
段は、上記放射パターンにおける少なくとも1つのビー
ム方向が、上記構造体の電波透過性を有する部位を向く
ように上記アンテナの放射パターンを設定することを特
徴とする無線基地局が提供される。
【0024】本発明の第5の態様によれば、上記第4の
態様における無線基地局において、上記ビーム方向を向
けるべき部位を、上記指向特性制御手段に指示するため
の指示手段をさらに備え、上記指示手段は、上記構造体
における電波透過性を有する部位を、上記ビーム方向を
向けるべき候補部位として予め複数記憶し、上記予め複
数記憶している候補部位のうちのいずれかを予め定めら
れた規則に従って選択し、上記選択した候補部位を上記
指向特性制御手段に指示することを特徴とする無線基地
局が提供される。
【0025】本発明の第6の態様によれば、上記第5の
態様における無線基地局において、移動局を検知するた
めの移動局検知手段をさらに備え、上記移動局検知手段
は、上記無線通信エリアを形成すべき候補となる複数の
場所のそれぞれについて、移動局が存在するか否かを検
知し、上記指示手段に予め複数記憶されている、上記構
造体における電波透過性を有する部位と、上記無線通信
エリアを形成すべき候補となる複数の場所との対応関係
を示す情報を予め記憶し、上記移動局が存在することを
検知した場所について、当該場所に対応する電波透過性
を有する部位を、選択すべき候補部位として上記指示手
段に指示することを特徴とする無線基地局が提供され
る。
【0026】上記第3の目的を達成するために、本発明
の第7の態様によれば、無線通信エリアを形成すべき対
象空間を囲む区画部材は、電波透過性を有する部位を有
し、上記区画部材が電波透過性を有する部位は、建築物
における共通の側面に設けられることを特徴とする建築
物が提供される。
【0027】本発明の第8の態様によれば、複数階を連
通する吹き抜け構造部を有し、上記吹き抜け構造部に接
する区画部材は、電波透過性を有する部位を有すること
を特徴とする建築物が提供される。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について説明する。
【0029】まず、図1、図8〜図11および図21を
参照して、本発明の第1の実施の形態について説明す
る。
【0030】図1において、本実施の形態におけるビル
内移動体通信システム1は、無線通信エリアを形成すべ
きビル20の外部(屋外)に設置される。この例では、
ビル20内部には無線基地局が設置されておらず、無線
通信エリアを形成すべき領域は、建築物の外壁に囲まれ
る内部空間の全体、または、内部空間の一部に設定され
る。例えば、ビル20における居室、廊下、ホールなど
に設定される。
【0031】ビル内移動体通信システム1は、電波を送
受信するための有指向性アンテナ22と、送受信される
電波を用いて通信するための屋外設置型基地局装置24
と、上記有指向性アンテナ22および屋外設置型基地局
装置24を接続するための接続ケーブル25と、上記有
指向性アンテナ22を支持するための支柱23と、上記
有指向性アンテナ22の放射パターンにおけるビーム2
7の方向を制御するためのビーム方向制御装置26とを
有して構成される。
【0032】上記有指向性アンテナ22としては、例え
ば、八木・宇田アンテナ、パラボラアンテナなどを用い
ることができる。また、指向性の有無、または、その程
度を制御することができるアンテナとして、例えば、ア
レイアンテナなどが挙げられる。アレイアンテナは、そ
の指向方向も制御することができる。以下の説明では、
指向性を有し得るアンテナを有指向性アンテナと総称す
る。
【0033】上記八木・宇田アンテナは、テレビジョン
受信用などに古くから実用されているアンテナであり、
ダイポールアンテナ(放射器)の近くに反射器および/
または導波器を配列し、アンテナ間の相互結合により単
方向性を得ている。八木・宇田アンテナは、素子数(放
射器、反射器、導波器の総数)を増やすことにより、指
向性を鋭くして高利得化することができる。
【0034】また、上記アレイアンテナは、電波を励振
する放射器が複数配置され、全体として、等価開口面積
が大きいアンテナとして働く。放射器としては、アンテ
ナ素子、開口などが用いられ、アレイアンテナ全体の指
向性を、各放射器が励振される信号の振幅位相関係によ
って設定することができる。より具体的には、上記アン
テナ素子として、例えば、ダイポールアンテナ、マイク
ロストリップ(パッチアンテナなど)を用いることがで
きる。
【0035】上記ビーム方向制御装置26は、有指向性
アンテナ22のビーム27の方向を、ビル20における
電波透過性を有する部位に指向させるためのものであ
る。電波透過性を有する部位としては、例えば、壁面が
非金属性の材料で形成された構造物で構成される部位、
すなわち、ガラス、木材などを用いて構成される部位、
鉄筋コンクリート造りの建築物における、鉄筋、鉄骨な
どの金属性部材の間隔が広い部位、ガラス張りの部位、
などが挙げられる。より具体的には、例えば、ビル20
における窓21が挙げられる。
【0036】なお、電波透過性は、無線通信に用いられ
る電波について得られれば十分であり、特定の周波数、
偏波面についての電波透過性であってもよい。例えば、
無線通信にUHF帯の電波が用いられる場合には、この
周波数帯における電波透過性があればよく、他の周波数
帯において反射、吸収が生じても差し支えない。また、
電波通信が特定の偏波面の電波を用いられる場合には、
少なくともその偏波面の電波を透過することができれば
よいことは勿論である。
【0037】ビーム方向制御装置26におけるビーム2
7の方向の制御は、例えば、上記有指向性アンテナ22
の姿勢を変化させることによって行われる。より具体的
には、例えば、ローテータ装置などを用いて、有指向性
アンテナ22の姿勢を変化させることができる。また、
指向性アンテナ22としてアレイアンテナが用いられる
場合には、各放射器を励振する振幅位相関係を変化させ
て、ビーム27の方向を制御してもよい。ビーム27の
方向の制御は、好ましくは、3次元的に行われる。例え
ば、方位角(アジマス)と、俯仰角(エレベーション)
とについてビーム27の方向が制御される。なお、ビー
ム27の方向に加えて、電波透過性を有する部位におけ
る電波透過性、および、そこを見込む立体角に対応して
ビーム27の幅を制御してもよい。
【0038】また、ビーム27の方向の変化処理は、ビ
ーム27の方向を指向すべき方向と、その順序が予め定
められたシーケンス手順に従って行われる。例えば、1
日の予め定められた時間間隔をもってなされる。より具
体的には、ビル20の窓21のうちの複数の部位を候補
として予め設定し、予め定められた時刻にいずれかの部
位を指向するように、ビーム27の方向の変化処理が行
われる。なお、変化処理は必ずしも動的に行われる場合
に限らず、特別な場合として、指向すべき方向が唯一つ
定められ、この方向を常時指向するようにビーム27の
方向が制御されることを含む。この場合、ビーム方向制
御装置26によってビーム27の方向が変更可能とな
る。従って、ビル20における電波透過性を有する部位
のうち、ビル内の特定の領域に無線通信エリアを形成す
るために好適な部位に、ビーム27の方向を指向させる
ことが容易となる。
【0039】アンテナの利得は、窓の構成(広さ、材
質)に応じて目的の値を定めるすなわち、窓が広い場
合、電波透過性が高い材質である場合には、ビーム幅を
広くし、利得を小さくする。また、窓を見込む角が小さ
い場合、電波透過性が低い場合には、ビーム幅を狭く
し、利得を大きくする。アンテナの利得の設定は、例え
ば、八木・宇田アンテナにおいては、その構成(素子数
など)を設定することによって、目的の値とすることが
できる。
【0040】上記屋外設置型基地局装置24は、設置場
所が屋外であることと、有指向性アンテナ22とは、接
続ケーブル25を介して接続されることとによって、大
きさの制約が少なくなる。このため、屋内に設置される
アンテナ一体型の基地局装置と比較すると、大容量化す
ることが容易となる。接続ケーブル25としては、例え
ば、同軸ケーブルを用いることができる。また、支柱2
3の高い位置に、有指向性アンテナ22と屋外設置型基
地局装置24とを設置することにより、人目につくこと
を避け、いたずら等を防止することができる。
【0041】次に、同じく図1を参照して、上述のよう
に構成されるビル内移動体通信システム1の動作につい
て説明する。
【0042】有指向性アンテナ22のビーム27の方向
が、ビーム方向制御装置26によってビル20の窓21
に指向される。屋外設置型基地局装置24からの接続ケ
ーブル25を介して信号が有指向性アンテナ22に与え
られると、有指向性アンテナ22の利得によって強めら
れた電波が窓21に到来する。窓21は、電波透過性を
有するため、ビル20の内部に電波を効率よく侵入させ
ることができる。ビル20の内部に侵入した電波は、ビ
ル20内の構造物、例えば、壁面、天井および床などに
よって反射されて伝搬し、移動局16により電波を受信
可能な無線通信エリア27が、ビル20内に形成され
る。
【0043】すなわち、ビル内の窓付近に設置した基地
局から放射された電波は、見通し範囲内にある、隣接す
るビルのビル窓などから、隣接するビル内にも侵入す
る。このため、基地局を設置していないビル内の各階で
も隣接するビル内基地局からの電波が受信できる。この
ことについては、宮崎,山本「構内PHSの電波伝搬特
性の検討」信学技報 RCS96-127,pp.1-6に報告例が記載
されている。
【0044】一方、ビル内の直線状廊下では、廊下が低
損失の導波路として動作し、自由空間伝搬の場合よりも
低損失で伝搬することがある。このことについては、濱
辺,金井「2GHz帯ビル内伝搬実験結果に基づくフロ
ア間周波数再利用条件の検討」信学技報AP90-110,pp.79
-86に報告例が記載されている。
【0045】ところが、窓から離れた場所から電波が放
射される場合には、電波減衰が大きいために通話品質が
不安定になることがある。安定した通話品質を確保する
には強い電波をビル内に侵入させる必要がある。このた
めには、例えば、基地局の送信電力を大きくする方法が
ある。しかし、この方法では、セル半径が拡大して、全
体としての移動局収容能力を低下させる。本発明では、
基地局アンテナにビルの窓を指向する指向性を持たせ、
ビル内へ強い電波を侵入させることでビル内の目的領域
に無線通信エリアを形成する。具体的には、屋外に設置
した基地局アンテナの放射パターンの少なくとも1つの
ビームを周囲のビルの電波透過性を有する部位、例え
ば、窓、非金属性構造物の方向に向ける。これによっ
て、ビル内に強い電波が侵入し、ビル内に侵入した電波
は廊下に沿って低損失で伝搬し、廊下に沿って広がる櫛
状の広い無線通信エリアが形成される。
【0046】ここで、図8〜10を参照して、ビル内に
電波を侵入させるための条件について説明する。
【0047】まず、図8を参照して、自由空間における
伝搬について説明する。図8において、送信側アンテナ
81と、受信側アンテナ82とが、距離Lを隔てて設置
されている。ここで、送信側アンテナ81の利得をG
t、出力される電波の送信電力を出力電圧レベルに換算
した値をVtとし、受信側アンテナ82における利得を
Gr、受信するための必要とされる所要受信電圧レベル
をVrとする。この場合、自由空間を伝搬する際に生じ
る損失は小さいため、距離Lを隔てた状態であっても通
信は実現される。
【0048】次に、図9を参照して、遮蔽物により隔て
られる場合について説明する。遮蔽物としては、例え
ば、建築物の区画部材などが挙げられる。図9におい
て、区画部材91による損失をΣMとすると、通信が実
現されるための条件は、 Vt+Gt−ΣM+Gr≧Vr となる。
【0049】次に、図10を参照して、本実施の形態に
おける電波の侵入について説明する。本実施の形態で
は、送信側アンテナとして有指向性アンテナを用い、ま
た、区画部材における電波透過性を有する部位を伝搬経
路として選択している。
【0050】図10において、本実施の形態では、送信
側アンテナとして、有指向性アンテナ95が採用され、
その利得は、Gt’である。また、区画部材95におけ
る損失は、ΣM’とする。すなわち、図9に示される場
合と比較すると、 Gt’>Gt ΣM’<ΣM 従って、上記の通信が実現されるための条件の左辺は、 Vt+Gt’−ΣM’+Gr>Vt+Gt−ΣM+Gr となり、区画部材95を介して受信側に侵入する電波の
電圧レベルを増強することが可能となる。ここで、本実
施の形態では、送信側アンテナ85から出力される電圧
レベルVt、および、受信側アンテナ82のアンテナ利
得Grについては、図8における状態と同様である。従
って、出力される電圧レベルVtの増大に伴う、セル半
径の拡大を避けることができ、全体としての移動局収容
能力を維持することができる。また、受信側アンテナ8
2のアンテナ利得Grの増強を要求しないため、受信側
アンテナ82に指向性を要求することなく、通信を実現
することができる。例えば、受信側アンテナにダイポー
ルアンテナを用いることができる。ダイポールアンテナ
の利得は、2.15dB以上である。このため、小型の
アンテナを使用することが可能となり、移動局の携帯を
容易にすることができる。なお、アンテナ利得Grの増
強を要求しないことから、受信側アンテナ82として、
無指向性のアンテナを採用することも可能である。従っ
て、通信する際に、移動局の姿勢の自由度が制限されな
い。従って、移動局の取り扱いを容易にすることができ
る。
【0051】一方、移動局16から送信された電波は、
ビル20内の構造物によって反射されて伝搬して、窓2
1から放射される。窓21から放射された電波は、有指
向性アンテナ22の利得によって効率よく受信され、接
続ケーブル25を介して屋外設置型基地局装置24に送
られる。この場合についての電波の伝搬については、電
波伝搬の可逆性に従って、上述した屋外基地局から移動
局の場合から明らかであるので、詳細に説明することは
省略する。
【0052】また、ビル内に侵入する電波の指向性、強
度を制御することによって、侵入した電波によって形成
される無線通信エリアを必要とするマイクロセルの大き
さとすることができる。
【0053】さらに、自律分散制御方式を採用すること
によって、隣接するセル間の干渉が発生することを避け
ることができる。自律分散制御方式は、無線通信エリア
間の干渉による通信品質の劣化や呼損が発生しないよう
に、セル棲み分けを行う方式である。セル棲み分けは、
複数の基地局で制御チャネル(制御用物理スロット)の
周波数を共有している状況で、制御チャネルの送信・受
信のタイミングを基地局間同士で自律的にずらしてスロ
ットを配置していく。これによって、各基地局の制御チ
ャネルの送信・受信のタイミングが衝突することを避け
ることができる。通信品質の劣化や呼損の発生を避ける
ことができる。
【0054】また、電波の屋内伝搬に際し、多重伝搬に
伴う遅延歪、フラットフェージングなどの多重伝搬路フ
ェージングが発生することが予想される。フェージング
については、周波数領域での等化(スペクトラム等
化)、時間領域での等化(波形等化)、ダイバーシチを
行うことによって抑圧することができる。周波数領域で
の等化を行うための等化器としては、例えば、ガウスフ
ィルタ型等化器、べき級数型等化器、可変共振型等化器
などを用いることができる。また、時間領域での等化を
行うための等化器としては、例えば、トランスバーサル
等化器がある。また、遅延素子、可変重み付け回路を用
いて、時間領域での等化を行うための等化器を構成して
もよい。
【0055】上記ダイバーシチは、特性が相異なる複数
の受信信号を、合成あるいは切り換えて、単一の信号を
得る通信技術である。ダイバーシチとしては、例えば、
複数のアンテナを使用するスペースダイバーシチ、複数
の周波数を使用する周波数ダイバーシチ、複数の偏波を
使用する偏波ダイバーシチ、複数の到来角を使用する角
度ダイバーシチ、複数のルートを使用するルートダイバ
ーシチ、複数の時間を使用する時間ダイバーシチなどが
挙げられる。
【0056】次に、図11および図21を参照して、ビ
ーム方向の制御について詳細に説明する。
【0057】まず、図11を参照して、アンテナの放射
パターンにおけるビーム方向を表す座標について説明す
る。
【0058】図11において、面Θは、基準方向Oを含
む水平面であり、角θは、面Θにおける基準方向Oから
の角度である。同様に、面Ηは、基準方向Oを含む鉛直
面であり、角ηは、面Ηにおける基準方向Oからの角度
である。これらθ、ηにより、ビーム27の向きは、
(θ,η)と表すことができる。
【0059】次に、図21の(a)および(b)を参照
して、ビル内の無線通信エリアと、アンテナのビーム方
向との関係について説明する。
【0060】まず、鉛直面(面Η)内については、図2
1(a)に示すように、アンテナ22の放射パターン
は、ビル20の無線通信エリアを提供すべき移動局16
が存在する空間につながる電波透過性を有する部位(窓
21)を、ビーム27が指向するように制御される。ま
た、水平面(面Θ)内についても同様にアンテナ22の
放射パターンは、ビル20の無線通信エリアを提供すべ
き移動局16が存在する空間につながる電波透過性を有
する部位(窓21)を、ビーム27が、指向するように
制御される。
【0061】特に、水平面内の制御においては、ビル2
0に廊下が配置されている廊下構造を考慮して、指向性
の制御が行われる。例えば、図21(b)に示すよう
に、窓21から侵入した電波の屋内伝搬により、廊下を
伝搬路として櫛上に広がる無線通信エリアが形成され
る。これにより、アンテナ22を見通すことができない
場所に存在する移動局16であっても、無線通信を行う
ことが可能となる。
【0062】また、上記ビル20は、予め電波伝搬を考
慮したビル建築を行う。例えば、電波透過性の高いガラ
ス窓を意図的に用いて、ビル内に電波が伝搬しやすい環
境を構築する。
【0063】本実施の形態におけるビル内移動体通信シ
ステムによれば、屋外に設置された基地局によって、ビ
ル内部に無線通信エリアを形成することができる。基地
局の設置場所を屋外とすることにより、基地局設置のた
めのケーブル敷設工事、無線基地局の維持管理のための
諸費用を削減することができる。
【0064】次に、図2および図16を参照して、本発
明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態
におけるビル内移動体通信システムは、無線通信の通信
トラヒックを検知し、検知した通信トラヒックに応じて
有指向性アンテナのビーム方向を制御する点において、
第1の実施の形態と異なる。
【0065】図2において、本実施の形態におけるビル
内移動体通信システムは、電波を送受するための有指向
性アンテナ22と、送受信される電波を用いて通信する
ための屋外設置型基地局装置24と、上記有指向性アン
テナ22および屋外設置型基地局装置24を接続するた
めの接続ケーブル25と、上記有指向性アンテナ22を
支持するための支柱23と、上記有指向性アンテナ22
の放射パターンにおけるビーム方向を制御するためのビ
ーム方向制御装置26と、無線通信エリアを形成すべき
ビル20の内部(屋内)に設置されるアンテナ一体型基
地局装置11,11A,11Bと、構内交換機制御装置
13と、構内交換機制御装置13およびビーム方向制御
装置26を接続するためのビーム方向制御信号線15と
を有して構成される。有指向性アンテナ22と、接続ケ
ーブル25と、支柱23と、ビーム方向制御装置26と
は、第1の実施の形態と同様に構成される。ただし、ビ
ーム方向制御装置26における制御の内容は、第1の実
施の形態と相違し、通信トラヒックを示す情報を構内交
換機制御装置13からビーム方向制御信号線15を介し
て受け取り、この情報に対応して、有指向性アンテナ2
2のビーム方向を制御する。
【0066】上記構内交換機制御装置13は、アンテナ
一体型基地局装置11,11A,11Bを用いて通信を
実現するための交換機機能に併せて、アンテナ一体型基
地局装置11,11A,11Bのそれぞれの稼働状態を
管理するための管理機能を有している。この管理機能
は、各アンテナ一体型基地局装置11,11A,11B
について、その設置場所と、それを用いて通信している
移動局16の台数とを検知し、通信トラヒックが集中し
ているアンテナ一体型基地局装置の設置場所を特定する
ものである。そして、特定された設置場所に無線通信エ
リアを形成するように有指向性アンテナ22のビーム方
向を指向させるべき方向を求め、その方向を示す制御信
号をビーム方向制御信号線15を介してビーム方向制御
装置26に送る。上記指向させるべき方向は、例えば、
図20の(b)に示すようなデータベースを用いて求め
ることができる。
【0067】上記ビーム方向制御装置26は、構内交換
機制御装置13からビーム方向制御信号線15を介して
送られた制御信号に基づいて、その方向に有指向性アン
テナ22のビームを向ける。
【0068】次に、同じく図2を参照して、本実施の形
態におけるビル内移動体通信システムの動作について説
明する。ここで、1台のアンテナ一体型基地局が保有す
る通信チャネルは、そのアンテナ一体型基地局によって
形成される無線通信エリアで同時に通話可能な移動局が
3台までである場合について説明する。
【0069】構内交換機制御装置13は、アンテナ一体
型基地局装置11によって形成される無線通信エリア1
4で、移動局16,16A,16Bの最大3台数の移動
局によって通信が行われていることを検知すると、その
アンテナ一体型基地局装置11の設置場所を特定する。
この閾値台数は、例えば、そのアンテナ一体型基地局装
置11によって同時に通話可能な移動局の台数に定める
ことができる。ここでは、この閾値台数が3台に設定さ
れているとする。また、時間的に近接して、複数の通信
チャネルの利用が発生することが予想される場合には、
より少ない閾値台数に設定してもよい。また、設置場所
の特定は、例えば、それぞれのアンテナ一体型基地局装
置の識別情報と、それが設置されている情報を示す設置
場所情報とを対応付けた対応付け情報を予め格納してお
き、上記閾値台数に達する台数の移動局によって通信が
行われていることが検知されたアンテナ一体型基地局装
置の識別情報に対応付けられている設置場所情報を上記
対応付け情報から見つけることによって行うことができ
る。
【0070】図2において、3台の移動局16,16
A,16Bによって無線通信エリア14で通話が同時に
行われていると、構内交換機制御装置13は、無線通信
エリア14を形成しているアンテナ一体型基地局装置1
1を用いて通話している移動局の台数が閾値台数に達し
たことを検知し、アンテナ一体型基地局装置11の設置
場所を特定する。そして、特定した設置場所に無線通信
エリアを形成するための有指向性アンテナ22のビーム
方向を求める。屋内交換機制御装置13には、アンテナ
一体型基地局装置11の設置場所情報と、ビル20内に
おける電波伝搬(屋内伝搬)が効率よく行われるよう
な、ビル20における非金属性構造物21で形成される
電波透過性を有する部位の指向方向との対応が、予め図
20の(b)に示すようなデータベースとして格納して
おく。そして、求めたビーム方向をビーム方向制御装置
26に、ビーム方向制御線15を介して送る。
【0071】これを受けて、有指向性アンテナ22のビ
ーム方向が、ビーム方向制御装置26により変更され
る。例えば、有指向性アンテナ22が、図2に示すビー
ム28を形成している場合に、ビーム27を形成するよ
うに、ビーム方向がビーム方向制御装置26によって制
御される。これによって、アンテナ一体型基地局装置1
1の設置場所を含む領域に無線通信エリアが形成され
る。
【0072】ここで、屋内交換機制御装置13は、有指
向性アンテナ22のビーム方向を指向させるべき方向を
求める際に、アンテナ一体型基地局装置11が設置され
ている場所にビル20内における電波伝搬(屋内伝搬)
が効率よく行われるような、ビル20における非金属性
構造物21で形成される電波透過性を有する部位に指向
させるべきビーム方向を求める。これにより、有指向性
アンテナ22の利得により、ビル20内に比較的強い電
波を侵入させることができ、また、侵入した電波を効率
よくアンテナ一体型基地局装置11が設置されている場
所に伝搬させることができる。このようにして、アンテ
ナ一体型基地局装置11が設置されている場所に無線通
信エリア14に加えて、無線通信エリア27がオーバー
レイされる。従って、その設置場所における通信チャネ
ルを追加することができ、移動局16Cによる通信が可
能となる。
【0073】また、ビームの方向に加えて、アンテナ利
得を制御してもよい。例えば、フェーズドアレイアンテ
ナを用いる場合には、その指向性を、窓の構成(広さ、
材質など)に応じて可変制御することができる。
【0074】次に、図16を参照して、ビームの方向を
制御するための手順について説明する。
【0075】構内交換機制御装置13(図2参照)にお
いて、あるエリアにトラヒックが集中していること(ま
たは、集中する蓋然性)が検出される(ステップS60
1)と、ビーム方向制御装置26(図2参照)におい
て、トラヒックが集中していることが検出されたエリア
に無線通信エリアを形成するための動作(ステップS6
02〜S630)が行われる。
【0076】すなわち、構内交換機制御装置13(図2
参照)からアンテナのビームを指向させるべき方向を示
すアンテナ回転角検出要求信号が送出され、ビーム方向
制御装置26(図2参照)において、これを受信する
(ステップS602)。この方向は、鉛直方向の回転
(エレベーション)角ηおよび水平方向の回転(アジマ
ス)角θによって記述されている。すなわち、鉛直方向
の回転角ηをsetAとし、水平方向の回転角θをse
tBとするように要求する信号が受信される。この信号
に従い、ビーム方向制御装置26(図2参照)では、鉛
直方向の回転制御をするための動作(ステップS61
0)と、水平方向の回転制御を行うための動作(ステッ
プS620)とが順次行われる。ここでは、これらの動
作が並列して実行される場合について説明するが、時分
割にタスクを切り替えて交互に行ってもよいし、いずれ
か動作が完了してから他方の動作を開始してもよい。
【0077】鉛直方向の回転制御をするための動作(ス
テップS610)においては、まず、現在アンテナのビ
ームの方向が指向している、鉛直面内の回転角ηが検出
される(ステップS611)。そして、構内交換機制御
装置13(図2参照)により設定された回転角setA
と、検出した回転角ηとを比較する。比較の結果、これ
らが一致していなければ、その差の角度だけアンテナを
駆動する(ステップS613)。また、一致すれば、駆
動を完了し、S630に進む。
【0078】また、水平方向の回転制御についても、ス
テップS620おいて、同様な手順に従って、交換機制
御装置13から設定された回転角setBと、アンテナ
のビームが指向している方向θとが一致するようにアン
テナの駆動が行われる。
【0079】そして、鉛直方向および水平方向ともに、
設定された回転角と、実際に指向しているビーム方向と
が一致(η=setA、θ=setB)したら、ステッ
プS630において、アンテナ回転制御完了信号を、構
内交換機制御装置13(図2参照)に送信する。
【0080】本実施の形態のビル内移動体通信システム
によれば、一次的に通信トラヒックが集中している通信
エリアに、そのトラヒックの集中に応じて動的に通信チ
ャネルを追加することが可能となる。このため、過剰な
無線基地局の設置が不要となる。従って、トラヒックが
変動しても、経済的にかつ容易に、通話チャネル容量を
補うことができる。
【0081】また、必要な場所にだけ無線通信エリアを
形成することができるため、無線基地局設置のためのケ
ーブル敷設工事、無線基地局の維持管理のための費用を
削減することができる。
【0082】さらに、屋外設置型基地局装置は、設置場
所のスペース等に関する制約が少なく、通信チャネル容
量を増やすことが可能である。このため、通話容量の不
足に十分な対策を施すことが可能である。
【0083】次に、図22を参照して、複数の無線基地
局を屋外に予め設置する例について説明する。この例で
は、1つの屋外無線基地局でトラヒックをカバーできな
い場合、2つ以上の屋外無線基地局によって補完するこ
とも可能である。
【0084】図22において、本例におけるビル内移動
体通信システムは、電波を送受するための有指向性アン
テナ22,22A、と、送受信される電波を用いて通信
するための屋外設置型基地局装置24,24Aと、上記
有指向性アンテナ22および屋外設置型基地局装置24
を接続するための接続ケーブル25と、上記有指向性ア
ンテナ22Aおよび屋外設置型基地局装置24Aを接続
するための接続ケーブル25Aと、上記有指向性アンテ
ナ22,22Aをそれぞれ支持するための支柱23,2
3Aと、上記有指向性アンテナ22,22Aの放射パタ
ーンにおけるビーム方向をそれぞれ制御するためのビー
ム方向制御装置26,26Aと、無線通信エリアを形成
すべきビル20の内部(屋内)に設置されるアンテナ一
体型基地局装置11,11A,11Bと、構内交換機制
御装置13と、構内交換機制御装置13およびビーム方
向制御装置26を接続するためのビーム方向制御信号線
15とを有して構成される。
【0085】上記各構成要素は、図2に示す例と同様に
構成することができる。ただし、この例では、構内交換
機制御装置13において、いずれかの有指向性アンテナ
が形成している無線通信エリアにおけるトラヒックが増
大することに対応して、それにオーバーレイする無線通
信エリアが形成されるように他の有指向性アンテナ、ビ
ーム方向制御装置などを制御する。例えば、ビーム方向
制御装置26Aによって、ビーム28Aのビーム方向を
ビーム27A方向に向けることで、無線通信エリア1
4、27、27Aがオーバーレイされ、通信チャネルを
さらに増やすことができる。
【0086】次に、図3、図12〜15、図17〜20
を参照して、本発明の第3の実施の形態について説明す
る。本実施の形態におけるビル内移動体通信システム
は、通信トラヒックが発生し得る状態を検知し、検知し
た状態に応じて有指向性アンテナのビーム方向を制御す
る点において、第1および第2の実施の形態と異なる。
【0087】図3において、本実施の形態におけるビル
内移動体通信システムは、電波を送受するための有指向
性アンテナ34と、送受信される電波を用いて通信する
ための屋外設置型基地局装置24と、上記有指向性アン
テナ34および屋外設置型基地局装置24を接続するた
めの接続ケーブル25と、上記有指向性アンテナ34を
支持するための支柱23と、上記有指向性アンテナ34
のビーム方向を制御するためのビーム方向制御装置26
と、通信トラヒックが発生し得る状態を検知するための
センサ31,31A,31B,31Cと、通信トラヒッ
クが発生し得る状態を検知したセンサ31,31A,3
1Bの感知領域を求め、当該感知領域の位置を示す位置
情報信号を生成するための位置情報処理装置33と、セ
ンサ31,31A,31Bのそれぞれと位置情報処理装
置33とを接続するための位置情報信号線32と、位置
情報処理装置33によって生成された位置情報信号をビ
ーム方向制御装置26に伝送するためのビーム方向制御
信号線15とを有して構成される。
【0088】上記有指向性アンテナ34は、屋外に設置
された基地局設置用の支柱23に取り付けらる。本実施
の形態では、有指向性アンテナ34として、フェーズド
アレイアンテナを採用している。フェーズドアレイアン
テナは、指向性を電気的に切り替えることが可能であ
る。フェーズドアレイアンテナは、例えば、無指向性ア
ンテナをλ/4(λは波長)間隔で正方形状に4素子配
置して構成される。フェーズドアレイアンテナの指向性
は、素子相互に位相差を与えて給電することで得られ
る。フェーズドアレイアンテナの詳細については、例え
ば、太郎丸、大石、赤岩の「基地局アンテナ指向性切り
替えおよびスペースダイバーシチによる下り制御チャネ
ル伝送」信学技報 RCS96-142,pp.107-114に記載されて
いる。
【0089】上記センサ31,31A,31Bは、通信
トラヒックが発生し得る状態を検知するためのものであ
り、例えば、移動局16の存在、または、人(移動局1
6を所持している可能性がある)を検知するセンサを用
いて構成することができる。本実施の形態では、センサ
31,31A,31Bとして、人の動きを感知すること
ができる動体センサを用いる場合を中心にして説明す
る。より具体的には、このような動体センサとしては、
人の動きを感知して、屋内の照明装置35を点灯させる
ような動体センサを用いることができる。なお、人の存
在を体温によって検知する赤外線温度検知器、移動局1
6から放射される電磁波を検知する検知器などをセンサ
31として用いてもよい。また、例えば、ビル内に設置
されている防犯カメラ、自動点滅照明装置などによって
取得される、人が存在することの情報を利用して、人
(移動局)の存在位置を特定してもよい。
【0090】上記センサ31は、位置情報信号線32に
よって位置情報処理装置33と接続されており、対象と
する状態が検知されたことを位置情報処理装置33に報
知する。
【0091】次に、同じく図3を参照して、本実施の形
態におけるビル内移動体通信システムの動作について説
明する。
【0092】図3において、センサ31,31A、31
Bによって、その感知領域内に人が居ること、すなわ
ち、移動局16が存在する可能性があり、通信トラヒッ
クが発生し得る状態であることが検知される。感知領域
内に人が居ること(移動局16が存在すること)を検知
したセンサ31,31A、31Bを示す識別情報が、位
置情報信号線32を介して位置情報処理装置33に送ら
れる。位置情報処理装置33では、送られた識別情報に
基づいてその識別情報が示すセンサ31の感知領域の位
置を示す位置情報を求め、求めた位置情報をビーム方向
制御線15を介してビーム方向制御線26に送る。ここ
で、上記位置情報を求めるためには、例えば、センサ3
1,31A、31Bのそれぞれについて、センサを示す
識別情報と、そのセンサの感知領域の位置を示す位置情
報とが対応付けられている対応付け情報を予め格納して
おき、この対応付け情報から、識別情報に対応付けられ
ている位置情報を見つけることによって行うことができ
る。
【0093】センサ31,31A、31Bとして用いら
れる、動体センサは、例えば、図19に示すように、構
成することができる。
【0094】図19において、動体センサは、1または
複数の焦電センサを備える検知部191と、フィルター
部190と、動体を検出したことを示す信号を送出する
ための信号線192とを備えて構成される。上記フィル
ター部190は、例えば、焦電センサに塵埃が付着する
ことを防止し、また、焦電センサの指向性を調整し、さ
らには、不要な波長成分の透過を抑圧する機能を有す
る。
【0095】また、ビーム方向制御装置26は、フェー
ズドアレイアンテナを用いた有指向性アンテナ34に位
相差を与えてビーム方向を制御する。位置情報信号を受
信したビーム方向制御装置26は、移動局16が居るエ
リアに向かって有指向性アンテナ34のビーム方向を屋
外無線通信エリア28から屋内無線通信エリア27方向
へ切り替える。
【0096】次に、図12を参照して、有指向性アンテ
ナ34としてフェーズドアレイアンテナを用いる場合
の、屋外設置型基地局装置24ならびにビーム方向制御
装置26の詳細について説明する。図12では、有指向
性アンテナ34として、フェーズドアレイアンテナが採
用される場合が描かれている。また、ビーム方向制御装
置26の機能を実現するためのアンテナ位相制御回路2
60が、屋外設置型基地局装置24に内蔵されている。
【0097】図12において、屋外設置型基地局装置2
4は、構内交換機制御装置13とのインタフェースのた
めの回線インタフェース部241と、受信回路242
と、送信回路247と、周波数制御回路245と、通信
制御回路246と、基地局を管理するための基地局管理
データを格納するメモリ251と、アレイアンテナから
送出されるビームの方向を制御するためのアンテナ位相
制御回路260と、全体の制御を行うための主制御部2
50とを有して構成される。
【0098】上記受信回路は、受信部243と、復調回
路244とを備え、また、上記送信回路247は、送信
部248と、変調回路249とを備えている。
【0099】また、有指向性アンテナとして、八木宇田
アンテナ、パラボラアンテナなどが用いられる場合は、
屋外設置型基地局装置24は、例えば、図13に示すよ
うに構成することができる。この場合も、図12の屋外
設置型基地局装置24と基本的に同様の構成とすること
ができるが、ビーム方向制御装置26が機械的に有指向
性アンテナ13を駆動し、その姿勢を変化させること、
および、送信と受信とでアンテナを共用するための送受
信共用回路255を備えることにおいて、図12に示し
た構成と相違する。
【0100】次に、図20の(a)を参照して、上記メ
モリ251に格納されている、基地局管理データについ
て説明する。基地局管理データは、動体センサを識別す
るための情報(固体センサ個別信号)と、各動体センサ
が設置されている位置を識別するための情報(設置位置
識別信号)と、動体センサの状態を示す情報(状態信
号)と、アンテナのビームを指向させるべき方向を示す
情報(アンテナ回転制御信号)とが、対応付けられた情
報が、図20の(a)に示すように、テーブル形式で格
納されている。
【0101】ここで、上記アンテナのビームを指向させ
るべき方向は、水平面内および鉛直面内における角度で
記述される。すなわち、図14に示すように定義される
水平面内の角度θと、図15に示すように定義される鉛
直面内の各ηとで、ビームの方向が定義される。
【0102】次に、図17および図18を参照して、動
体センサ、ビーム方向制御装置、位置情報処理装置の各
々における処理と、これらの処理の関連について説明す
る。
【0103】まず、動体センサ31、31A、31Bに
おいて、動体のモニタが開始される(ステップS81
1)。そして、ある動体センサ(ここでは、動体センサ
31)において、動体が感知される(ステップS81
2)と、照明装置の電源を投入するための照明装置電源
制御信号が送出される(ステップS813)。この信号
によって、ビル20に設けられている照明装置の電源が
投入される(ステップS840)。そして、動体を検知
した動体センサの設置位置を示す動体センサ設置位置識
別信号と、当該動体センサの識別情報を示す動体センサ
個別信号とが、位置情報処理装置33に送出される(ス
テップS814)。
【0104】位置情報処置装置33では、動体センサ3
1から送出された動体センサ設置位置識別信号と、動体
センサ個別信号とを、基地局管理データのテーブル(図
20の(a)参照)と照合する(ステップS821)。
そして、照合の結果、合致している位置であれば(ステ
ップS822)、その位置に無線通信エリアを形成する
ことができるビルの電波透過性を有する部位を指向する
ビーム方向を示す、アンテナ回転制御信号(setη、
setθ)を、ビーム方向制御装置に送出する(ステッ
プS823)。ここで、setη、setθは、set
θビーム方向を鉛直面内、水平面内で示す角度である。
【0105】ビーム方向制御装置では、まず、現在のア
ンテナ22のビーム方向の回転角(η、θ)を検出する
(ステップS831)。
【0106】そして、上記検出したビーム方向の回転角
(η、θ)と、上記位置情報処置装置から送られた回転
角(setη、setθ)とが一致するように、アンテ
ナ22を駆動する(ステップS833)。そして、これ
らが一致すると、駆動を停止して、アンテナ22を固定
する(ステップS834)。
【0107】このようにして、アンテナ22を駆動し
て、形成されるビームをビーム28からビーム27へと
制御し、動体センサ31が設置されている位置に無線通
信エリアを形成し、移動局16における通信を可能とす
ることができる。
【0108】このように、本実施の形態の屋内移動体通
信システムによれば、屋外に設置された少ない基地局を
活用して、必要なときにだけビル内に屋内無線通信エリ
ア27を形成することができる。
【0109】次に、図4を参照して、本発明の第4の実
施の形態について説明する。
【0110】図4において、ビル40は、例えば、ビル
中央部に吹き抜け構造のアトリウム41が形成され、ア
トリウム41に面する部位にガラス窓42が設けられて
いる。アトリウム41の内部には、例えば、アンテナ設
置用の支柱43が設置され、この支柱43に基地局アン
テナ44、アンテナ一体型基地局45が取り付けられて
いる。なお、アトリウムに観葉樹木などが設けられてい
る場合に、これに、基地局アンテナ44、アンテナ一体
型基地局45を取り付けてもよい。
【0111】基地局アンテナ44は、その放射パターン
におけるビーム48が、ビル40内の事務室46を、ア
トリウム41から指向するように指向性が制御されてい
る。また、アンテナ一体型基地局45は、水平面内で全
方位的なビーム47を形成している。
【0112】上記基地局アンテナ44の指向性は、第1
から第3の実施の形態におけるビーム方向制御装置とを
備える指向性制御装置により、ビル40内の必要な場所
方向にビーム48を向ける。アトリウム41に面したガ
ラス窓42方向に照射される電波は指向性をもつために
ガラス窓42を透過して、ビル内の比較的奥の部屋まで
電波が到達できる。
【0113】また、アンテナ一体型基地局45における
ビーム47は、立体的には、アンテナ一体型基地局45
が設置される水平面内を指向するから、その面内、すな
わち、相当する高さのフロアにおける部屋などに、電波
を集中させることができる。従って、アトリウム41に
面したガラス窓42方向に照射される電波は指向性をも
つためにガラス窓42を透過して、ビル内の比較的奥の
部屋まで電波が到達できる。
【0114】このような吹き抜け構造の中空空間(アト
リウム、ロビーなど)を、ビル内中央部に設けることに
より、ビル内の各フロアに電波が伝搬しやすい環境を構
築することができる。従って、ビルの低層階から高層階
までを広くカバーする無線通信エリアを形成することが
できる。
【0115】このように、本実施の形態によれば、ビル
内の中空空間に設置された少ない基地局を活用して、ビ
ル内の必要な場所に広い屋内無線通信エリア47,48
を形成することができる。
【0116】次に、図5を参照して、本発明の第5の実
施の形態について説明する。
【0117】図5において、本実施の形態におけるビル
内移動体通信システムは、ビル内基地局アンテナ51を
備える移動体通信用基地局装置52と、構内回線網12
を介して移動体通信用基地局52と接続される構内交換
機制御装置13と、無給電アンテナ50と、無給電アン
テナを支持するための支持機構56と、支持機構56が
取り付けられる支柱23と、無給電アンテナ50の指向
性を制御するための指向性制御部54とを有して構成さ
れる。
【0118】上記指向性制御部54は、信号線15を介
して、構内交換機制御装置13の状態を受け付け、無給
電アンテナ50が取るべき姿勢を、上記受け付けた状態
に応じて決定する。そして、上記決定した姿勢を、接続
ケーブル55を介して、上記支持機構56に指令する。
【0119】上記無給電アンテナ50としては、例え
ば、電磁波を反射する反射板を用いることができる。支
柱23に取り付けられた無給電アンテナ50は、ビル2
0内に設けられた基地局アンテナ51からの電波を反射
させて、ビル20内に無線通信エリアを形成する。これ
により、移動体通信用基地局装置52の設置されていな
い階であっても無線通信エリアを形成することができ
る。これにより、例えば、図5における、移動局16付
近に無線通信エリアを形成することが可能である。すな
わち、移動体通信用基地局装置52の設置されていない
階に存在する移動局16による通信を可能とする。
【0120】ここで、指向性制御部54において、実施
の形態1,2と同様にして、移動局16の場所を識別
し、この場所に無線通信エリアが形成されるような無給
電アンテナ50の姿勢を、支持機構56に指令すること
により、通信の必要に応じて、その方向に無線通信エリ
アを形成することができる。
【0121】このように、本実施の形態によれば、ビル
内に基地局を設置することが困難なビル高層階にも無線
通信エリアを形成することが可能となり,屋内に設置さ
れた少ない移動体通信用基地局52を活用して、離れた
場所(屋内)に無線通信エリアを、無線通信の必要に応
じて形成することができる。
【0122】次に、図6を参照して、本発明の第6の実
施の形態について説明する。図6において、有指向性ア
ンテナ22,22A〜22Dが、基地局アンテナ設置用
の支柱23に取り付けられている。有指向性アンテナ2
2、22A〜22Dは、屋外設置型基地局装置24と同
軸ケーブル25で接続される。屋外設置型基地局装置2
4は、アンテナ22,22A〜22Dと分離して設置で
きることから大きさの制約が少なくビル内に設置する基
地局と較べて大容量化が容易である。図6において、有
指向性アンテナ22,22A〜22Dは、各階のビル窓
付近から各フロア内を照射するビーム60,60A〜6
0Dを形成するように、屋外設置型基地局装置24によ
って管理される。この管理動作は、各有指向性アンテナ
22,22A〜22Dごとに、個別に動作させることが
可能である。
【0123】従って、第1または第2の実施と同様の指
向性制御を屋外設置型基地局装置24によって行うこと
により、移動局16が存在しないフロアに対して無線通
信エリアを形成しないように制御することが可能とな
る。
【0124】このように、本実施の形態によれば、ビル
20内に無線通信エリアを形成するために必要な基地局
装置24の消費電力を低減することが可能となり、経済
的な屋内移動体通信システムが構築できる。
【0125】
【発明の効果】本発明によれば、屋外に設置した無線基
地局アンテナのビーム方向をビル内へ向けることによっ
て、ビル内に広い無線通信エリアを形成することができ
る。従って、ビル内に構内回線網を張り巡らせることな
く、無線基地局装置の運用開始までの時間とコストとを
削減したビル内移動体通信システムが構築できる。
【0126】さらに、屋外に設置した無線基地局アンテ
ナのビーム方向を制御する手段を用いることにより、ビ
ル内に形成する無線通信エリアの構成を変えることが可
能となり、ビル内の通信トラヒックの変動に柔軟に対応
できるビル内移動体通信システムが構築できる。
【0127】本発明によれば、通話トラヒックの集中す
る場所に、屋外無線基地局アンテナの指向性を向けるこ
とでビル内における通信トラヒックの変動に柔軟に対応
できるシステムが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態におけるビル内移
動体通信システムの構成を示す説明図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態におけるビル内移
動体通信システムの構成を示す説明図である。
【図3】 本発明の第3の実施の形態におけるビル内移
動体通信システムの構成を示す説明図である。
【図4】 本発明の第4の実施の形態におけるビル内移
動体通信システムの構成を示す説明図である。
【図5】 本発明の第5の実施の形態におけるビル内移
動体通信システムの構成を示す説明図である。
【図6】 本発明の第6の実施の形態におけるビル内移
動体通信システムの構成を示す説明図である。
【図7】 従来のビル内移動体通信システムを示す説明
図である。
【図8】 自由空間における電波の伝搬を示す説明図で
ある。
【図9】 区画部材による電波伝搬の遮断を示す説明図
である。
【図10】 区画部材を透過して電波を伝搬させるシス
テムを示す説明図である。
【図11】 アンテナのビーム方向を表す座標を示す説
明図である。
【図12】 無線基地局の構成を示すブロック図であ
る。
【図13】 無線基地局の他の構成を示すブロック図で
ある。
【図14】 ビーム方向制御における水平方向の座標を
示す説明図である。
【図15】 ビーム方向制御における垂直方向の座標を
示す説明図である。
【図16】 ビーム方向制御の手順を示すシーケンス図
である。
【図17】 形成される無線通信エリアを、ビーム方向
を制御して変更する制御を示す説明図である。
【図18】 本発明を適用した無線基地局装置の動作手
順を示すシーケンス図である。
【図19】 移動局を検知するためのセンサを示す説明
図である。
【図20】 位置情報処理のためのテーブルを示す説明
図である。
【図21】 アンテナのビーム方向と、ビル内に形成さ
れる無線通信エリアとの関係を示す説明図である。
【図22】 複数の屋外設置型基地局装置を用いたビル
内移動体通信システムの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1…ビル内移動体通信システム、11,11A〜11G
…屋内小型無線基地局装置、12…構内回線網、13…
構内交換機制御装置、14…無線通信エリア、15…ビ
ーム方向制御信号線、16,16A〜16C…移動局、
17…有指向性アンテナのビーム(無線通信エリア)、
20…全面ガラス貼りの大規模オフィスビル、21…ビ
ルの窓あるいは非金属性構造物、29…電波透過性に乏
しい区画部材、22,22A〜22D…有指向性アンテ
ナ、23…基地局アンテナ設置用の支柱、24…屋外設
置型基地局装置、25…同軸ケーブル、26…ビーム方
向制御装置、27,27A…有指向性アンテナのビーム
(屋内無線通信エリア)、28,28A…有指向性アン
テナのビーム(屋外無線通信エリア)、31…動体セン
サ、32…位置情報信号線、33…位置情報処理装置、
34…フェーズドアレイアンテナ、35…屋内の照明装
置、40…ビル中央部に吹き抜け構造のアトリウムがあ
るビル、41…吹き抜け構造のアトリウム、42…アト
リウムに面したガラス窓、43…アトリウム内に設置し
たアンテナ設置用の支柱または観葉樹木、44…基地局
アンテナ、45…アンテナ一体型基地局、46…ビル内
事務室、47,48…屋内無線通信エリア、50…無給
電アンテナ、51…ビル内基地局アンテナ、52…移動
体通信用基地局、60,60A〜60D…各階のビル窓
付近から各フロア内を照射するビーム、70,70A〜
70G…無線通信エリア、71,71A〜71C…ロッ
カー、72…戸棚、81…送信側アンテナ、82…受信
側アンテナ、91…区画部材、85…有指向性アンテ
ナ、95…電波透過性を有する区画部材、241…回線
インタフェース部、242…受信回路、243…受信
部、244…復調回路、245…周波数制御回路、24
6…通信制御回路、247…送信回路、248…送信
部、249…変調回路、250…主制御部、251メモ
リ、255…送受信共用回路、260…アンテナ位相制
御回路、190…フィルター部、191…焦電センサ、
192…信号線。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年3月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 無線基地局、無線通信エリア形成方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の内部に無
線通信エリアを形成するための、無線基地局、および、
無線通信エリア形成方法係り、特に、建築物の外部に
設置された基地局により建築物の内部に、無線通信エリ
アを形成するための、無線基地局、および、無線通信エ
リア形成方法係る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】削除
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】削除
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】削除

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物の内部に無線通信エリアを形成す
    るための無線基地局において、 上記建築物の外部に設けられるアンテナと、 上記アンテナを支持するための支持手段と、 上記アンテナを用いて無線通信するための送受信手段と
    を備え、 上記支持手段は、上記アンテナの放射パターンにおける
    少なくとも1つのビームの方向が、上記建築物の電波透
    過性を有する部位を向く姿勢に、上記アンテナを支持す
    ることを特徴とする無線基地局。
  2. 【請求項2】 構造体により囲まれた対象空間に無線通
    信エリアを形成するための無線基地局において、 上記対象空間の外部に、上記構造体を隔てて配置される
    アンテナと、 上記アンテナの放射パターンを設定するための指向特性
    制御手段と、 上記アンテナを用いて無線通信するための送受信手段と
    を備え、 指向特性制御手段は、上記放射パターンにおける少なく
    とも1つのビーム方向が、上記構造体の電波透過性を有
    する部位を向くように上記アンテナの放射パターンを設
    定することを特徴とする無線基地局。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の無線基地局において、 上記ビーム方向を向けるべき部位を、上記指向特性制御
    手段に指示するための指示手段をさらに備え、 上記指示手段は、 上記構造体における電波透過性を有する部位を、上記ビ
    ーム方向を向けるべき候補部位として予め複数記憶し、 上記予め複数記憶している候補部位のうちのいずれかを
    予め定められた規則に従って選択し、 上記選択した候補部位を上記指向特性制御手段に指示す
    ることを特徴とする無線基地局。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の無線基地局において、 移動局を検知するための移動局検知手段をさらに備え、 上記移動局検知手段は、上記無線通信エリアを形成すべ
    き候補となる複数の場所のそれぞれについて、移動局が
    存在するか否かを検知し、 上記指示手段に予め複数記憶されている、上記構造体に
    おける電波透過性を有する部位と、上記無線通信エリア
    を形成すべき候補となる複数の場所との対応関係を示す
    情報を予め記憶し、 上記移動局が存在することを検知した場所について、当
    該場所に対応する電波透過性を有する部位を、選択すべ
    き候補部位として上記指示手段に指示することを特徴と
    する無線基地局。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の無線基地局において、 上記移動局検知手段は、上記無線通信エリアを形成すべ
    き候補となる複数の場所のそれぞれにおける人の存在に
    より移動局の存在を検知することを特徴とする無線基地
    局。
  6. 【請求項6】 請求項2から5のいずれか一項記載の無
    線基地局において、 上記アンテナは、複数の素子アンテナを有するアレイア
    ンテナであり、 上記指向特性制御手段は、上記素子アンテナ相互の給電
    位相差および/または給電振幅差を操作することによ
    り、上記アンテナの放射パターンを制御することを特徴
    とする無線基地局。
  7. 【請求項7】 請求項2から5のいずれか一項記載の無
    線基地局において、 上記アンテナは、予め定められた放射パターンを有する
    指向性アンテナであり、 上記指向特性制御手段は、上記アンテナを、姿勢を変更
    可能に支持することを特徴とする無線基地局。
  8. 【請求項8】 建築物の内部に存在する移動局との通信
    を行うための無線通信エリア形成方法において、 建築物の外部から、その建築物における電波透過性を有
    する部位に向けて、電波を照射し、 上記電波透過性を有する部位から建築物の内部に侵入し
    た電波を屋内伝搬させて、無線通信エリアを形成するこ
    とを特徴とする無線通信エリア形成方法。
  9. 【請求項9】 建築物の内部に存在する移動局との通信
    を行うための無線通信エリア形成方法において、 建築物の外部に設置した基地局アンテナの放射パターン
    における少なくとも1つのビームを建築物における電波
    透過性を有する部位に向け、 建築物の内部に侵入した電波の伝搬により、廊下に沿っ
    て広がる櫛状の無線通信エリアを形成することを特徴と
    する無線通信エリア形成方法。
  10. 【請求項10】 無線通信エリアを形成すべき対象空間
    を囲む区画部材は、電波透過性を有する部位を有し、 上記区画部材が電波透過性を有する部位は、建築物にお
    ける共通の側面に設けられることを特徴とする建築物。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の建築物において、 上記電波透過性を有する部位を有する区画部材で構成さ
    れる側面を除く面を構成する区画部材は、電波透過性が
    抑圧されていることを特徴とする建築物。
  12. 【請求項12】複数階を連通する吹き抜け構造部を有
    し、 上記吹き抜け構造部に接する区画部材は、電波透過性を
    有する部位を有することを特徴とする建築物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008099133A (ja) * 2006-10-13 2008-04-24 Nec Corp 屋内カバレッジ構造
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CN108574937A (zh) * 2017-03-14 2018-09-25 株式会社日立制作所 通信系统及通信方法

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