JP2015096458A - 光ファイバの製造方法および光ファイバ用ガラス母材の製造方法 - Google Patents

光ファイバの製造方法および光ファイバ用ガラス母材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】線引き直後から長手方向に均一な光学特性を有する光ファイバの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】上下方向に延びる円柱状の、コア部を含有するコアガラスロッドの外周に、バーナの火炎中に生成したガラス微粒子を堆積させて堆積部を形成して多孔質ガラス母材を形成し、多孔質ガラス母材を透明ガラス化して透明ガラス母材を得て、透明ガラス母材を線引きして光ファイバを製造する、光ファイバの製造方法であって、線引きする直前の透明ガラス母材において、指標X=(コアガラスロッドの外径/透明ガラス母材の外径)×√{(透明化されたコア部の屈折率)−(透明化された堆積部の屈折率)}としたとき、光ファイバとなる有効部の下端部の指標Xを、上下方向の有効部の中央部の指標Xより小さくする、光ファイバの製造方法が提供される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光ファイバの製造方法および光ファイバ用ガラス母材の製造方法に関する。
一般に、コアとクラッドよりなる光ファイバは、光ファイバ用ガラス母材を線引きして製造される。光ファイバ用ガラス母材は、VAD法やOVD法などにより、バーナの火炎中に生成したガラス微粒子を、コア部を含むコアガラスロッドの外周に堆積させて堆積部を有する多孔質ガラス母材を形成し、その後、この多孔質ガラス母材を脱水焼結炉内にて加熱して脱水・焼結して透明ガラス化することにより製造される。
特開2007−210868号公報 特開2009−040662号公報
このようにして製造される光ファイバには、長手方向に光学特性が均一であることが求められる。そこで、特許文献1は、多孔質ガラス母材を焼結して透明ガラス化する際、先行して焼結する箇所が収縮して、その箇所のクラッド部分とコア部分との比率(コアクラッド比率、コア部の直径/クラッド部の直径)が変わり、長手方向における屈折率分布に変動が生じるという問題を挙げている。特許文献1では、多孔質ガラス母材の外径が小さい一端側から焼結し、長手方向におけるコアクラッド比率が一様な透明ガラス母材を得ることを提案している。
また、特許文献2は、焼結時のガラスの変形により下端側の外径が許容範囲を超えて太くなるため、透明ガラス母材のコアクラッド比率が下端側で小さくなり、この透明ガラス母材から得られる光ファイバの屈折率分布が長手方向で均一にならないことを記載している。そこで、特許文献2では、下端側ほど先細り形状となるように多孔質ガラス母材を形成することにより、コアクラッド比率が一様な透明ガラス母材を得ることを提案している。
しかし、本発明者らは、このようにコアクラッド比率が長手方向に一様な透明ガラス母材を得ても、線引き後に得られる光ファイバの光学特性が、特に下端部において規格から外れることがあることを見出した。
そこで、本発明は、長手方向に均一な光学特性を有する光ファイバの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、
上下方向に延びる円柱状の、コア部を含有するコアガラスロッドの外周に、バーナの火炎中に生成したガラス微粒子を堆積させて堆積部を形成して多孔質ガラス母材を形成し、
前記多孔質ガラス母材を透明ガラス化して透明ガラス母材を得て、
前記透明ガラス母材を線引きして光ファイバを製造する、光ファイバの製造方法であって、
線引きする直前の前記透明ガラス母材において、指標X=(前記コアガラスロッドの外径/前記透明ガラス母材の外径)×√{(透明化された前記コア部の屈折率)−(透明化された前記堆積部の屈折率)}としたとき、
光ファイバとなる有効部の下端部の前記指標Xを、上下方向の前記有効部の中央部の前記指標Xより小さくする、光ファイバの製造方法である。
また本発明は、上下方向に延びる円柱状の、コア部を含有するコアガラスロッドの外周に、バーナの火炎中に生成したガラス微粒子を堆積させて堆積部を形成して多孔質ガラス母材を形成し、前記多孔質ガラス母材を透明ガラス化して透明ガラス母材を得る、光ファイバ用ガラス母材の製造方法であって、
前記透明ガラス母材において、指標X=(前記コアガラスロッドの外径/前記透明ガラス母材の外径)×√{(透明化された前記コア部の屈折率)−(透明化された前記堆積部の屈折率)}としたとき、
光ファイバとなる有効部の下端部の前記指標Xを、上下方向の前記有効部の中央部の前記指標Xより小さくする、光ファイバ用ガラス母材の製造方法である。
本発明によれば、長手方向に均一な光学特性を有する光ファイバの製造方法が提供される。
本発明の実施形態に係る光ファイバの製造方法を示す図である。 実施形態に係る光ファイバの製造方法の線引き工程での状態を示す図である。 比較例に係る光ファイバの製造方法の線引き工程での状態を示す拡大図である。 実施形態に係る光ファイバの製造方法の線引き工程での状態を示す拡大図である。 本発明の変形例に係る図4と同様の図である。 実施例、比較例における光ファイバの長手方向長さとカットオフ波長との関係を示す図である。
〈本発明の実施形態の概要〉
最初に本発明の実施形態の概要を説明する。
本発明にかかる光ファイバの製造方法の一実施形態は、
(1) 上下方向に延びる円柱状の、コア部を含有するコアガラスロッドの外周に、バーナの火炎中に生成したガラス微粒子を堆積させて堆積部を形成して多孔質ガラス母材を形成し、
前記多孔質ガラス母材を透明ガラス化して透明ガラス母材を得て、
前記透明ガラス母材を線引きして光ファイバを製造する、光ファイバの製造方法であって、
線引きする直前の前記透明ガラス母材において、指標X=(前記コアガラスロッドの外径/前記透明ガラス母材の外径)×√{(透明化された前記コア部の屈折率)−(透明化された前記堆積部の屈折率)}としたとき、
光ファイバとなる有効部の下端部の前記指標Xを、上下方向の前記有効部の中央部の前記指標Xより小さくする。
(1)の構成によれば、有効部の下端部の指標Xが中央部の指標Xより小さくされている。線引き開始後の処理において、下端部の外周部のガラスは内周部のガラスより多く下方に移動しやすくなるが、透明ガラス母材の状態での指標Xの値が、下端部において中央部より小さい値にされているため、光ファイバの状態でのコアクラッド比率の値は長手方向で均一となり、指標Xに影響されるカットオフ波長などの光学特性を、長手方向に均一にすることができる。
(2) 前記透明ガラス母材の前記下端部の前記指標Xを、前記中央部の前記指標Xの90%以上99%以下としてもよい。
下端部の指標Xが中央部の指標Xの90%未満であると、下端部の指標Xが中央部の指標Xより小さくなりすぎてしまい、また、下端部の指標Xが中央部の指標Xの99%より大きいと、下端部の指標Xを中央部の指標Xより大きくした効果が得られにくく、光ファイバの光学特性が、長手方向に均一になりにくい。
(3) 前記下端部の前記多孔質ガラス母材の外径が前記中央部の前記多孔質ガラス母材の外径より大きくなるようにすることにより、前記下端部の前記指標Xを前記中央部の前記指標Xより小さくしてもよい。
(3)の構成によれば、多孔質ガラス母材の形成工程において、下端部で堆積部の肉厚を大きくすることにより、下端部の指標Xを中央部の指標Xより簡単に小さくすることができる。
(4) 前記下端部の前記多孔質ガラス母材の外径の最も大きい部位は、前記コアガラスロッドの下端から上方に前記多孔質ガラス母材全長の10%離れた位置から前記コアガラスロッドの下端から下方に前記多孔質ガラス母材全長の10%離れた位置に跨る領域内に位置してもよい。
(4)の構成によれば、多孔質ガラス母材の外径の最も大きい部位がコアガラスロッドの下端の上下の前記多孔質ガラス母材全長の10%以内の領域内に位置するので、下端部の指標Xを小さくすることができ、光ファイバの光学特性を、長手方向で均一にすることができる。
(5) 前記コアガラスロッドの下端部近傍が下方に向かって小径となるように前記コアガラスロッドを形成することにより、前記下端部の前記指標Xを前記中央部の前記指標Xより小さくしてもよい。
(5)の構成によれば、コアガラスロッド(コアガラスロッド内に含まれるコア部の外径も、コアガラスロッド径に対応して変化する)が下方に向かって小径となっているので、長手方向に均一な直径を有する透明ガラス母材を形成しても、下端部の指標Xは中央部の指標Xよりも小さくなる。これにより、長手方向に均一な光学特性を有する光ファイバが提供される。
(6) 前記コアガラスロッドの前記コア部に含ませる屈折率を高めるための添加物の濃度について、前記コアガラスロッドの下端部の前記添加物の濃度を前記中央部の濃度より小さくすることにより、前記下端部の前記指標Xを前記中央部の前記指標Xより小さくしてもよい。
(6)の構成によれば、有効部の下端部の屈折率を中央部の屈折率より小さくするので、長手方向に直径が均一なコアガラスロッドや多孔質ガラス母材を形成しても、有効部の下端部の指標Xを中央部の指標Xよりも小さくすることができる。これにより、線引き直後から長手方向に均一な光学特性を有する光ファイバが提供される。
(7) 上下方向に延びる円柱状の、コア部を含有するコアガラスロッドの外周に、バーナの火炎中に生成したガラス微粒子を堆積させて堆積部を形成して多孔質ガラス母材を形成し、前記多孔質ガラス母材を透明ガラス化して透明ガラス母材を得る、光ファイバ用ガラス母材の製造方法であって、
前記透明ガラス母材において、指標X=(前記コアガラスロッドの外径/前記透明ガラス母材の外径)×√{(透明化された前記コア部の屈折率)−(透明化された前記堆積部の屈折率)}としたとき、
光ファイバとなる有効部の下端部の前記指標Xを、上下方向の前記有効部の中央部の前記指標Xより小さくする、光ファイバ用ガラス母材の製造方法である。
(7)の構成によれば、有効部の下端部の指標Xが中央部の指標Xより小さくされている。このため、この光ファイバ用ガラス母材を線引きして得られる光ファイバについて、指標Xに影響されるカットオフ波長などの光学特性を、長手方向に均一にすることができる。
以下、本発明に係る光ファイバの製造方法の実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係る光ファイバの製造工程を説明する図である。図1の(a)は多孔質ガラス母材を形成する工程、図1の(b)は透明ガラス母材を形成する工程を示す。多孔質ガラス母材20を形成した後、この多孔質ガラス母材20を透明化して透明ガラス母材30を得て、この透明ガラス母材30を線引きすることにより、光ファイバが得られる。
<多孔質ガラス母材形成工程>
まず、図1の(a)に示すように多孔質ガラス母材20を形成する。多孔質ガラス母材20は、円柱状のコアガラスロッド10の外周に、堆積部21を形成することにより得られる。
コアガラスロッド10は、VAD法などのスス付け法により、多孔質のガラス体を形成し、脱水・焼結工程を経て、得ることができる。このコアガラスロッド10は、後の線引き工程を経て光ファイバのコアとなるコア部を中心部に含む。このコアガラスロッド10のコア部は、堆積部21を形成するガラスよりも高い屈折率を有するガラスにより形成される。なお、コアガラスロッド10内に含まれるコア部の外径(コア径)は、コアガラスロッド10の外径に必ずしも対応する必要はないが、下記では、コアガラスロッド10の外径は、コア径に対応するものとして説明する。つまり、コアガラスロッド10の外径が大きいところでは、コア径も同じ割合で大きくなるものとして説明する。
次に、コアガラスロッド10の外周に、光ファイバのクラッド部となる堆積部21を形成する。例えば、OVD法により、コアガラスロッド10を上下端で支持した状態で往復運動させ、バーナ40の火炎中に生成したガラス微粒子をコアガラスロッド10の外周に堆積させ、堆積部21を形成する。この堆積部21が後の透明化工程および線引き工程を経て光ファイバのクラッド部となる。
本実施形態においては、有効部Aの領域内で下方に向かって肉厚となるように堆積部21を形成する。より具体的には、有効部Aの下端部B近傍の堆積部21の厚みTbが有効部Aの上下方向の中央部Cの堆積部21の厚みTcよりも大きくなるように、堆積部21を形成する。
有効部Aとは、線引きされて光ファイバとなる部分であり、上下方向に関してコアガラスロッド10が位置する領域である。有効部Aの下端部Bにはコアガラスロッド10の下端が位置している。
コアガラスロッド10の下端11から上方に多孔質ガラス母材20の全長の10%離れた位置からコアガラスロッド10の下端から下方に多孔質ガラス母材20の全長の10%離れた位置に跨る領域内に、多孔質ガラス母材の直径が最も大きい部位が位置するように、多孔質ガラス母材20を形成する。
<透明ガラス母材形成工程>
次に、図1の(b)に示すように、この多孔質ガラス母材20を透明ガラス化させて透明ガラス母材30を得る。具体的には、多孔質ガラス母材20に脱水処理、焼結処理を施して透明ガラス母材30を得る。
例えば、コアガラスロッド10のコア部が、ゲルマニウムが添加された石英ガラスからなる場合には、これより屈折率の低い、純シリカなどからなる堆積部21を形成して多孔質ガラス母材20を形成した後、この多孔質ガラス母材20を不活性ガスの雰囲気とされた加熱炉内で焼結し、堆積部21を透明化する。
このようにして得られた透明ガラス母材30は、堆積部21が透明化された透明化堆積部31と、コアガラスロッド10とを含んでいる。また、多孔質ガラス形成工程において有効部Aの下端部B近傍の外径が最も大きくなるように多孔質ガラス母材20が形成されているため、透明ガラス母材30も有効部Aの下端部B近傍の外径が最も大きくなっている。なお、コアガラスロッド10は、既にガラス化しているため、この焼結の前後での形状の変化は小さい。
<線引き工程>
このようにして製造された透明ガラス母材30を、図2に示すように、線引き装置50によって線引きする。図2は構成を簡略化して示しているが、線引き装置50は、ヒータ51と、引き取り機52と、巻き取り機53とを備えている。
線引き工程において、図2に示すように、ヒータ51により透明ガラス母材30を下端側から加熱して透明ガラス母材30を軟化させる。透明ガラス母材30の温度が高くなると粘性が低下する。粘性が下がった部位のガラスを引き取り機52により下方に引っ張ることにより、線引きが行われる。引っ張られたガラスは、巻き取り機52により巻き取られて、光ファイバが得られる。
透明ガラス母材30のうち、コアガラスロッド10のコア部が光ファイバのコア部となり、透明化堆積部31は光ファイバのクラッド部となる。また得られた光ファイバのコア部とクラッド部の比率(コアクラッド比率)R(R=コア部の直径/クラッド部の直径)は、コアガラスロッド10の径がコア径に対応するので、線引きされる透明ガラス母材30のコアガラスロッドの外径D1と透明ガラス母材の外径D2との比率R1(R1=D1/D2)に比例する値となる。
透明ガラス母材30において、上述したように有効部Aの下端部B近傍の透明ガラス母材30の外径が最も大きく形成されている。このため、以下の式で表される指標Xについて、光ファイバとなる有効部Aの下端部Bの指標Xが、有効部Aの中央部Cの指標Xより小さくされている。この下端部Bの指標Xは、中央部Cの指標Xに対して90%以上99%以下とすることが好ましい。
指標X=(コアガラスロッドの外径/透明ガラス母材の外径)×√{(コアガラスロッドの屈折率)−(透明化堆積部の屈折率)} (式1)
<比較例>
本実施形態に係る製造方法の効果を説明する前に、本発明とは異なる比較例に係る光ファイバの製造方法における課題を説明する。図3は、比較例に係る光ファイバの製造方法における線引き工程での状態を示す、線引き開始直後の透明ガラス母材の下部の拡大図である。
図3の(a)は、線引き直前の透明ガラス母材60の下部を示している。図3の(a)に示したように、比較例においては、透明ガラス母材60の有効部Aにおいて、長手方向に一様な外径を有するように透明化堆積部61が形成されている。つまり、比較例の透明ガラス母材60は、コアガラスロッド10の直径D1と透明化堆積部61の直径D2との比率R1が長手方向に一定とされている。
図3の(b)は、線引き開始直後の透明ガラス母材60の下部を示している。線引き開始時には、まず、通常時より温度を高くして透明ガラス母材60をヒータ51によって加熱し、下端部近傍のガラス塊を引き落とす。透明ガラス母材60の外周部はヒータ51に近いので、高温になりやすい。一方、透明ガラス母材60の内周部は、温まるのに時間がかかるため、引き落とし時には、温度が外周部ほど十分に高くなりにくい。
すると、透明ガラス母材60の有効部Aの下部において、外周部は内周部よりも粘度が低くなるため、線引き開始直後は、透明ガラス母材60の有効部Aの下部のガラスが均一に下方に移動するのではなく、外周部が内周部よりも多く下方に移動することになる。また、外周側に位置するガラスほど多く下方に移動する。なお、図中の矢印の長さは、ガラスの移動量を示している。
つまり、線引き開始直後には、有効部Aの下端部B近傍において、内周部のコアガラスロッド10に比べて外周部の透明化堆積部61が多く下方に移動する。このため、有効部Aの下端部B近傍での比率R1=D1/D2は、まだ線引きされていない有効部Aの中央部C近傍の比率R1よりも大きくなる。
この状態で線引きが続行されるので、透明ガラス母材60の有効部Aの下端部Bから得られる光ファイバのコアクラッド比率Rは、中央部Cから得られる光ファイバのコアクラッド比率Rよりも大きくなる。
このため、透明ガラス母材60の有効部Aの下端部Bから得られる光ファイバの光学特性は、中央部Cから得られる光ファイバの光学特性と異なってしまい、長手方向で均一の光学特性が得られない。例えば、光ファイバの代表的な光学特性の一つであるカットオフ波長λcは、以下の式
λc=k×コア部の直径/クラッド部の直径×√{(コア部の屈折率)−(クラッド部の屈折率)} (kは定数である。)
により表されるが、この式より、光ファイバのコアクラッド比率Rが異なれば、カットオフ波長も異なることがわかる。
このように、透明ガラス母材から光ファイバに線引きする際にコアクラッド比率Rが変わってしまうため、特許文献1のように、透明ガラス母材60についてコアガラスロッド10の直径D1と透明化堆積部61の直径D2との比率R1を一様にしても、光ファイバにしたときに、長手方向に一様な光学特性が得られにくい。
<本実施形態の効果>
図4は、本実施形態に係る光ファイバの製造方法の線引き工程での状態を示す、透明ガラス母材の下部の拡大図である。本実施形態に係る光ファイバの製造方法によれば、図4の(a)に示したように、有効部Aの下端部Bで透明ガラス母材30の外径が最も大きくなるように形成し、下端部Bの指標Xを中央部Cの指標Xより小さくしている。
上記したように、図4の(b)に示すように、線引き直後には、透明ガラス母材30の下部の外周側のガラスが内周側のガラスに比べて下方に多く移動して、有効部Aの下端部Bの外周部もつられて下方に垂れ下がる。このため、下端部Bの透明化堆積部31の肉厚が小さくなるが、下端部Bの指標Xを中央部Cの指標Xに比べて小さくしているため、下端部Bの光ファイバのコアクラッド比率Rは、中央部Cのコアクラッド比率Rに近くなる。つまり、線引き開始直後であっても、本実施形態に係る光ファイバの製造方法によれば、線引き直後から長手方向に亘って一様な光学特性を有する光ファイバが得られる。
なお、この下端部Bの指標Xは、中央部Cの指標Xの90%以上99%未満とすることが好ましい。下端部Bの指標Xが中央部Cの指標Xの90%未満であると、下端部Bの指標Xが中央部Cの指標Xより小さくなりすぎてしまい、また、下端部Bの指標Xが中央部Cの指標Xの99%より大きいと、下端部Bの指標Xを中央部Cの指標Xより大きくした効果が得られにくく、光ファイバの光学特性が長手方向に均一になりにくい。
本実施形態においては、有効部Aの下端部Bの多孔質ガラス母材20の外径が中央部Cの多孔質ガラス母材20の外径より大きくなるように、多孔質ガラス母材20を形成することにより、下端部Bの指標Xを中央部Cの指標より小さくしている。これにより、多孔質ガラス母材を形成する工程の中で簡単に下端部Bの指標Xを変えることができる。
また本実施形態においては、コアガラスロッド30の下端の上下の、多孔質ガラス母材20の全長の10%以内の領域である下端部Bの中に、多孔質ガラス部材20の外径の最も大きい部位を位置させている。これにより、下端部Bの指標Xを小さくすることができ、光ファイバの光学特性を、長手方向で均一にすることができる。
<変形例>
なお、上述した実施形態においては、多孔質ガラス母材20の形成工程において、多孔質ガラス母材20の外径が有効部Aの下端部B近傍で最も大きくなるように、堆積部21を堆積させる例を説明したが、本発明はこれに限られない。
図5は、本発明の変形例に係る光ファイバの製造方法を示す図である。図5の(a)は多孔質ガラス母材の形成工程での状態を示し、図5の(b)は線引き工程での状態を示す。
図5の(a)に示すように、下端部が下方に向かって先細りとなる形状のコアガラスロッド70(コア径も先細り形状となる)を用意する一方、長手方向に亘って多孔質ガラス母材80の外径が一様になるように形成してもよい。この多孔質ガラス母材80においては、コアガラスロッド70の外周に下方に向かって肉厚となるように堆積部81が形成されており、透明ガラス母材90は、有効部Aの下端部Bの指標Xが中央部Cの指標Xより小さくされている。
図5の(b)に示すように、この透明ガラス母材90を線引きすると、線引き直後には、透明ガラス母材90の下部の外周部のガラスが内周部のガラスより多く下方に移動して、透明ガラス母材90の外径は下方に向かって小さくなる。ところが、コアガラスロッド70の下端部が下方に向かって小さくなる形状とされているため、透明ガラス母材90の下端部Bでのコアガラスロッド70の直径D1と、透明ガラス母材90の直径D2との比率が同様の値となる。すなわち、有効部Aの下端部Bから得られる光ファイバのコアクラッド比Rと、中央部Bから得られる光ファイバのコアクラッド比Rとが同様な値となる。これにより、線引き直後から一様な光学特性を持つ光ファイバが得られる。
また、上述した実施形態および変形例では、コアガラスロッドの直径や堆積部の肉厚を有効部の下端部で変化させる例を説明したが、本発明はこれらに限らない。有効部の下端部において、コアガラスロッドと透明化堆積部の少なくとも一方の屈折率を変化させることにより、透明ガラス母材の有効部の下端部の指標Xを中央部の指標Xより小さくしてもよい。
例えば、コアガラスロッドを形成する際に、コアガラスロッドの下端部の屈折率を低くするために、コアガラスロッドのコア部の石英ガラスに含ませるゲルマニウムなどの不純物の濃度を小さくしてもよい。これにより、有効部の下端部のコアガラスロッドのコア部の屈折率が有効部の中央部のコアガラスロッドのコア部の屈折率よりも小さくなる。これにより、有効部の下端部の指標Xが中央部の指標Xより小さくなる。
このような製造方法によっても、有効部の全長に亘って一様な光学特性を持つ光ファイバが得られる。本変形例によれば、長手方向に亘って一様な外径を有するコアガラスロッドに、長手方向に亘って均一な肉厚の堆積部を形成し、長手方向に亘って一様な外径を有する多孔質ガラス母材を使って、均一な光学特性を持つ光ファイバを製造できる。
<実施例>
次に、本発明の実施例に係る製造方法により得られた光ファイバと、比較例に係る製造方法により得られた光ファイバとを比較する。図6は、有効部の線引き開始端からの線引き長さとカットオフ波長の関係を示した図である。
図6において、上述した実施形態のように、有効部の下端部の指標Xを中央部の指標Xより小さくなるように形成した透明ガラス母材から得られた光ファイバを実施例(実線)として示す。また、有効部Aの全長に亘って指標Xが均一となるように形成した透明ガラス母材から得られた光ファイバを比較例(破線)で示す。実施例および比較例ともに、得られる光ファイバの目標カットオフ波長が1260nm付近となるように設定されている。
図6に示すように、線引き長さが50kmを超えた領域では、実施例および比較例の製造方法のいずれも、目標カットオフ波長である1260nm付近のカットオフ波長を有する光ファイバが得られている。
しかし比較例に係る製造方法により得られた光ファイバは、線引き開始直後(線引き長さが短い地点)のカットオフ波長が1360nm付近であり、目標カットオフ波長よりも大きくずれている。これに対して実施例に係る製造方法により得られた光ファイバは、線引き開始直後から目標カットオフ波長に近いカットオフ波長を有していることが確認された。
10:コアガラスロッド
20:多孔質ガラス母材
21:堆積部
30:透明ガラス母材
31:透明化堆積部
40:バーナ
50:線引き機
60:透明ガラス母材
61:透明化堆積部
70:コアガラスロッド
80:多孔質ガラス母材
81:堆積部
90:透明ガラス母材
91:透明化堆積部
A:有効部
B:有効部の下端部
C:有効部の中央部
X:指標
R:光ファイバのコアクラッド比率
R1:透明ガラス母材のコアガラスロッドの直径と透明ガラス母材の直径の比率

Claims (7)

  1. 上下方向に延びる円柱状の、コア部を含有するコアガラスロッドの外周に、バーナの火炎中に生成したガラス微粒子を堆積させて堆積部を形成して多孔質ガラス母材を形成し、
    前記多孔質ガラス母材を透明ガラス化して透明ガラス母材を得て、
    前記透明ガラス母材を線引きして光ファイバを製造する、光ファイバの製造方法であって、
    前記透明ガラス母材において、指標X=(前記コアガラスロッドの外径/前記透明ガラス母材の外径)×√{(透明化された前記コア部の屈折率)−(透明化された前記堆積部の屈折率)}としたとき、
    光ファイバとなる有効部の下端部の前記指標Xを、上下方向の前記有効部の中央部の前記指標Xより小さくする、光ファイバの製造方法。
  2. 前記透明ガラス母材の前記下端部の前記指標Xを、前記中央部の前記指標Xの90%以上99%以下とする、請求項1に記載の光ファイバの製造方法。
  3. 前記下端部の前記多孔質ガラス母材の外径が前記中央部の前記多孔質ガラス母材の外径より大きくなるようにすることにより、前記下端部の前記指標Xを前記中央部の前記指標Xより小さくする、請求項1または請求項2に記載の光ファイバの製造方法。
  4. 前記下端部の前記多孔質ガラス母材の外径の最も大きい部位は、前記コアガラスロッドの下端から上方に前記多孔質ガラス母材全長の10%離れた位置から前記コアガラスロッドの下端から下方に前記多孔質ガラス母材全長の10%離れた位置に跨る領域内に位置する、請求項3に記載の光ファイバの製造方法。
  5. 前記コアガラスロッドの下端部近傍が下方に向かって小径となるように前記コアガラスロッドを形成することにより、前記下端部の前記指標Xを前記中央部の前記指標Xより小さくする、請求項1または請求項2に記載の光ファイバの製造方法。
  6. 前記コアガラスロッドの前記コア部に含ませる屈折率を高めるための添加物の濃度について、前記コアガラスロッドの下端部の前記添加物の濃度を前記中央部の濃度より小さくすることにより、前記下端部の前記指標Xを前記中央部の前記指標Xより小さくする、請求項1または請求項2に記載の光ファイバの製造方法。
  7. 上下方向に延びる円柱状の、コア部を含有するコアガラスロッドの外周に、バーナの火炎中に生成したガラス微粒子を堆積させて堆積部を形成して多孔質ガラス母材を形成し、前記多孔質ガラス母材を透明ガラス化して透明ガラス母材を得る、光ファイバ用ガラス母材の製造方法であって、
    前記透明ガラス母材において、指標X=(前記コアガラスロッドの外径/前記透明ガラス母材の外径)×√{(透明化された前記コア部の屈折率)−(透明化された前記堆積部の屈折率)}としたとき、
    光ファイバとなる有効部の下端部の前記指標Xを、上下方向の前記有効部の中央部の前記指標Xより小さくする、光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
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