JP2015095614A - 冷却装置およびこれを搭載した電子機器 - Google Patents

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Yoshimasa Katsumi
佳正 勝見
杉山 誠
Makoto Sugiyama
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Abstract

【課題】本発明は、冷却装置およびこれを搭載した電子機器に関するもので、高い冷却効率を維持した上で、放熱経路、放熱部、帰還経路の外表面に結露を生じさせないことを目的とする。
【解決手段】放熱部4は、水冷系統機器51内に水冷ヒートシンク7に接触させて設置し、放熱経路5、帰還経路6は、電子機器50の筐体52、水冷系統機器51の筐体53を貫通して、受熱部3と放熱部4を接続し、水冷系統機器51内の供給水路9と排出水路10を水冷ヒートシンク7外で接続するバイパス水路11と、水冷ヒートシンク7への通水を制御する電磁弁12を設け、さらに冷媒の温度を検知する温度センサ14と、雰囲気温度を検知する温度センサ15と、各温度センサ14、15で検知した温度により、電磁弁12を制御する制御部13を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、電力半導体を搭載した電子機器の冷却装置に関するものである。
従来この種の冷却装置として、冷媒循環にポンプ等の駆動源が不要な冷媒循環型冷却タイプのものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この冷媒循環型冷却タイプの冷却装置は、受熱器と、この受熱器の排出口に放熱経路を介して接続した放熱器と、この放熱器と前記受熱器の流入口を接続した帰還経路と、この帰還経路に介在させた逆止弁を備えた構成としている。
また、帰還経路の先端は、受熱器内に突入させ、この突入部で冷媒を受熱器内に薄い膜状態で急速に広げる構成としている。
このような構成で、帰還経路から戻った冷媒が、逆止弁の開放とともに受熱器内に流入すると、電力半導体等の電子機器の発熱により、帰還経路の先端(突入部)内で一部の冷媒が急速に蒸発し、その圧力で帰還経路先端内に残存する冷媒が、受熱器内へと薄い膜状態で急速に広がることとなる。
その結果、受熱器内壁面においては、極めて効果的な受熱が行われることとなり、これによって高い冷却性能が得られるのである。
特開2009−88125号公報
しかしながら、上記構成の冷却装置の放熱器の放熱源として強制水冷式を用いた場合、電子機器の冷却が不要で冷媒が循環していない場合には、放熱器が冷水により冷やされ、受熱器および放熱経路、帰還経路に溜まった液冷媒が沸騰する。よって、その作用により受熱器および放熱経路、帰還経路の温度が周囲環境の露点温度よりも低くなるため、受熱器および放熱経路、帰還経路の外表面にて結露が生じてしまう。
受熱器および放熱経路、帰還経路の一部は、半導体等を搭載した電子基板の近傍または、接触する場所に位置するため、この結露により電気的なショートを発生させてしまい、電子機器の故障を招く恐れがあるという課題があった。
そこで、本発明は、電子機器が未駆動時(半導体等の発熱がない時)でも、受熱器および放熱経路、帰還経路の外表面に結露を生じさせないことを目的とするものである。
そして、この目的を達成するために、本発明は、筐体内に発熱体と電子基板を備えた電子機器を冷却する冷却装置において、発熱体からの熱を作動流体に伝える受熱部と、前記作動流体の熱を放出する放熱部と、前記受熱部と前記放熱部とを接続する放熱経路と帰還経路とで前記作動流体の循環経路を形成するとともに、前記放熱部から受熱部の間に逆止弁を介在させ、前記作動流体を、前記受熱部、放熱経路、放熱部、帰還経路、受熱部へと循環させて熱の移動を行う冷却ユニットと、前記放熱部に接触させ作動流体の熱を奪う水冷ヒートシンクを備え、この水冷ヒートシンクには、水冷式冷却システムのポンプにより冷却水を流通させる供給水路と排出水路を備えるとともに、前記供給水路と前記排出水路を前記水冷ヒートシンク外で接続するバイパス水路と、前記バイパス水路への通水を制御する電磁弁と、前記冷却ユニットの温度を検知する温度センサと、この温度センサで検知した温度により前記電磁弁を制御する制御部を備えたものであり、これにより初期の目的を達成するものである。
以上のように本発明は、筐体内に発熱体と電子基板を備えた電子機器を冷却する冷却装置において、発熱体からの熱を作動流体に伝える受熱部と、前記作動流体の熱を放出する放熱部と、前記受熱部と前記放熱部とを接続する放熱経路と帰還経路とで前記作動流体の循環経路を形成するとともに、前記放熱部から受熱部の間に逆止弁を介在させ、前記作動流体を、前記受熱部、放熱経路、放熱部、帰還経路、受熱部へと循環させて熱の移動を行う冷却ユニットと、前記放熱部に接触させ作動流体の熱を奪う水冷ヒートシンクを備え、この水冷ヒートシンクには、水冷式冷却システムのポンプにより冷却水を流通させる供給水路と排出水路を備えるとともに、前記供給水路と前記排出水路を前記水冷ヒートシンク外で接続するバイパス水路と、前記バイパス水路への通水を制御する電磁弁と、前記冷却ユニットの温度を検知する温度センサと、この温度センサで検知した温度により前記電磁弁を制御する制御部を備えたので、放熱器の放熱源として強制水冷式を用いた場合でも、電子機器が未駆動時(半導体等の発熱がない時)に、受熱器および放熱経路、帰還経路の外表面に結露を生じさせない。
すなわち、本発明の制御部は、温度センサで検知した温度により電磁弁を制御して、水冷ヒートシンクに冷水を流さないようにすることにより、放熱器内の作動流体温度の低下がなく、作動流体の沸騰蒸発、冷却ユニット内の循環が防止でき、受熱器および放熱経路、帰還経路の温度低下も防止でき、受熱器および放熱経路、帰還経路の外表面に結露を生じさせない。
これにより、受熱器および放熱経路、帰還経路の一部の近傍または、接触する場所に位置する半導体等を搭載した電子基板は、結露水による電気的なショートの発生がなく、電子機器の故障を招く恐れもなくなる。
つまり、電子機器の駆動時(半導体等の発熱がある時)には、冷媒循環にポンプ等の駆動源が不要な冷媒循環型冷却タイプの冷却ユニットを使用して効果的に電子機器の冷却ができるとともに、電子機器が未駆動時(半導体等の発熱がない時)に放熱器の放熱源として強制水冷式を用いた場合でも、結露水による電子基板の不具合も解消できるのである。
本発明の実施の形態1の電子機器の概略図 (a)同冷却装置の温度センサの取付状態を示す斜視図、(b)(a)のA部拡大図 同冷却装置の制御ブロック図 同冷却装置の制御部のフローチャート
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に示すように、電子機器50は、半導体等の発熱体2と電子基板8が複数、筐体52内に納められている。
電子機器50の近傍には、水冷系統機器51が筐体53内に設置され、水冷系統機器51は発熱体2を冷却するための水冷ヒートシンク7と、チラー等の熱源器(図示せず)からの冷水を循環させる供給水路9、排出水路10を有している。
冷却ユニット1は、発熱体2の上面に熱移動可能状態で接続された受熱部3と、この受熱部3の排出口19に放熱経路5を介して接続した放熱部4と、この放熱部4と受熱部3の流入口20を接続した帰還経路6と、この帰還経路6に介在させた逆止弁18とを、備えた構成となっている。
ここで本実施形態において、冷却装置54は、冷却ユニット1と水冷系統機器51で構成している。
また、受熱部3、放熱経路5、放熱部4、帰還経路6で形成する循環経路は密閉状態となっており、しかもその内部雰囲気は常温時(20℃前後)において大気圧より負圧状態としている。
そして、この経路内には、例えば数百cc程度(循環経路の容積よりも十分に少ない量)のフロン系、ハイドロフルオロエーテル系、またはフッ素系溶剤等の冷媒が注入されている。
つまり、本実施形態の冷却ユニット1は、上記特許文献1で示されたものと同じように、先ず、受熱部3内の冷媒が、発熱体2の熱で沸騰すると、その時の圧力上昇で、気液混合状態ではあるが放熱経路5を介して放熱部4に到達し、次に、放熱部4から水冷ヒートシンク7へ放熱することで冷却すると、再び液相状態となり、その後、帰還経路6の逆止弁18上流側へと戻る。
この状態となると、受熱部3内の圧力は徐々に低下しており、次の瞬間に、この受熱部3内の圧力よりも、この逆止弁18上流側の冷媒の量により主に決まる圧力の方が高くなると、逆止弁18を開放させることになる。
その結果、逆止弁18上流側の冷媒が受熱部3内へと流入し、次の瞬間、受熱部3内では冷媒の爆発的な気化が行われ、この気化熱により発熱体2は効果的に冷却されることになる。
ここで、放熱部4は、水冷系統機器51内に水冷ヒートシンク7に接触させて設置している。すなわち、放熱経路5、帰還経路6は、電子機器50の筐体52、水冷系統機器51の筐体53を貫通して、受熱部3と放熱部4を接続している。
また、水冷系統機器51内の供給水路9と排出水路10を水冷ヒートシンク7外で接続するバイパス水路11と、水冷ヒートシンク7への通水を制御する電磁弁12を設けている。
さらに冷媒の温度を検知する温度センサ14と、雰囲気温度を検知する温度センサ15と、各温度センサ14、15で検知した温度により、電磁弁12を制御する制御部13を設けている。
図2に冷媒の温度を検知する温度センサ14の取付状態を示す。図2に示すように、放熱部4の放熱経路5の接続口21側の水冷ヒートシンク7に凹部22を設け、凹部22内に温度センサ14の温度測定部16を配している。温度センサ14は放熱前の冷媒の温度を検知するため、放熱部4の放熱経路5の接続口21側に設けている。
温度測定部16の水冷ヒートシンク7側には弾力性のある断熱材17を凹部22内に設け、図2(a)に示すように、放熱部4を水冷ヒートシンク7に取付時に、温度測定部16が放熱部4に密着するようにしている。
上記構成において、電子機器50運転時、すなわち発熱体2の発熱時には、発熱体2の熱は受熱部3から放熱経路5を介して放熱部4に到達し、次に放熱部4から水冷ヒートシンク7へ放熱され、発熱体2は冷却される。
水冷ヒートシンク7へ放熱された熱は、供給水路9から水冷ヒートシンク7へ供給された冷水に伝えられ、温まった水が排出水路10から熱源へ送られる。
このように、電子機器50運転時には発熱体2を冷却できるが、水冷系統が他の用途、例えば空調等にも使用される場合、電子機器50停止時にも水冷系統機器51には冷水が供給されるため、前述した課題が生じる。
この課題を解決するための、本願の特徴である電子機器50停止時の水冷系統機器51の動作を以下で説明する。
図3は、制御部13の構成を示すブロック図である。図3に示すように制御部13は、入力として、冷媒の温度を検知する温度センサ14、雰囲気温度を検知する温度センサ15、出力として電磁弁12が接続されている。
この構成において、制御部13は、温度センサ14で検知した冷媒の温度と、温度センサ15で検知した雰囲気温度を比較することにより、電磁弁12を制御している。
制御部13の制御の一例として、図4にフローチャートを示す。
図4に示すように、電子機器50が運転を開始すると、まず、温度センサ15で雰囲気温度T1を検知する(S1)。次に温度センサ14で冷媒の温度T2を検知する(S2)。
雰囲気温度T1と冷媒の温度T2を比較して(S3)、T1<T2の場合、電子機器50運転時であり、電磁弁12により水冷ヒートシンク7側を開放して、水冷ヒートシンク7内へ冷水を供給する(S4)。
T1<T2でない場合、電子機器50停止時であり、電磁弁12によりバイパス水路11側を開放して、水冷ヒートシンク7内へ冷水を供給しないようにする(S5)。
水冷ヒートシンク7側を開放またはバイパス水路11側を開放後、S1に戻り、S1〜S4またはS5を繰り返す。
ここで、冷媒の温度を検知する温度センサ14は、図2に示すように、水冷ヒートシンク7の凹部22内に配置されているが、凹部22内に弾力性のある断熱材17を設けているので、水冷ヒートシンク7内を流れる冷水の温度の影響を受けにくく、放熱部4の放熱経路5の接続口21側を流れる冷媒の温度に近い温度を検知することができる。
これにより、通常、雰囲気温度T1が25〜30℃で電子機器50運転時には、冷媒の温度は40〜60℃となり、温度センサ14で検知する温度T2は内部を冷水が流れる水冷ヒートシンク7の影響を少し受けたとしても25〜30℃の雰囲気温度T1より高い温度を維持することができる。
また、電子機器50停止時には、発熱体2の発熱はないため、受熱部3内の冷媒は沸騰せず、放熱部4内の冷媒は、放熱する熱がない状態で、水冷ヒートシンク7内を流れる冷水(例えば5〜20℃)に冷やされていき、その後25〜30℃の雰囲気温度T1とほぼ同じ温度になるときがある。
このT1=T2になった場合に、電磁弁12により、供給水路9からの冷水供給を水冷ヒートシンク7側から、バイパス水路11側へ切替える。すなわち、冷媒の温度を検知する温度センサ14が放熱部4の放熱経路5の接続口21側を流れる冷媒の温度に近い温度を検知することにより、電子機器50停止時に水冷ヒートシンク7内に冷水を流入させないようにすることができる。
これにより、受熱部3、放熱経路5、帰還経路6の温度が周囲環境の露点温度よりも低くなることが防止でき、受熱部3、放熱経路5、帰還経路6の外表面に結露を生じさせないことができる。
本実施形態の冷媒は、水、フロン系、ハイドロフルオロエーテル系、またはフッ素系溶剤系の冷媒が使用可能であるが、水よりも低沸点の冷媒は、大気圧より負圧状態の場合、雰囲気温度で蒸発し、受熱部から放熱経路、放熱部、帰還経路、受熱部へと循環し、放熱経路、放熱部、帰還経路の外表面に結露を生じやすくなるため、水よりも低沸点の冷媒を使用した場合に特に有効である。
以上のように本発明の冷却装置は、放熱器の放熱源として強制水冷式を用いた場合でも、電子機器が未駆動時(半導体等の発熱がない時)に、受熱器および放熱経路、帰還経路の外表面に結露を生じさせないため、医療装置やモーター駆動等の大電力を使用する電子機器のパワー半導体、電子機器の高速演算処理装置部分などの冷却装置として有用なものとなる。
1 冷却ユニット
2 発熱体
3 受熱部
4 放熱部
5 放熱経路
6 帰還経路
7 水冷ヒートシンク
8 電子基板
9 供給水路
10 排出水路
11 バイパス水路
12 電磁弁
13 制御部
14 温度センサ
15 温度センサ
16 温度測定部
17 断熱材
18 逆止弁
19 排出口
20 流入口
21 接続口
22 凹部
50 電子機器
51 水冷系統機器
52 筐体
53 筐体
54 冷却装置

Claims (4)

  1. 筐体内に発熱体と電子基板を備えた電子機器を冷却する冷却装置において、
    発熱体からの熱を作動流体に伝える受熱部と、
    前記作動流体の熱を放出する放熱部と、
    前記受熱部と前記放熱部とを接続する放熱経路と帰還経路とで前記作動流体の循環経路を形成するとともに、前記放熱部から受熱部の間に逆止弁を介在させ、
    前記作動流体を、前記受熱部、放熱経路、放熱部、帰還経路、受熱部へと循環させて熱の移動を行う冷却ユニットと、
    前記放熱部に接触させ作動流体の熱を奪う水冷ヒートシンクを備え、
    この水冷ヒートシンクには、水冷式冷却システムのポンプにより冷却水を流通させる供給水路と排出水路を備えるとともに、
    前記供給水路と前記排出水路を前記水冷ヒートシンク外で接続するバイパス水路と、
    前記バイパス水路への通水を制御する電磁弁と、
    前記冷却ユニットの温度を検知する温度センサと、
    この温度センサで検知した温度により前記電磁弁を制御する制御部を備えたことを特徴とする冷却装置。
  2. 温度センサを水冷ヒートシンクに設けた凹部内に配置したことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  3. 凹部内に断熱材を設けたことを特徴とする請求項2に記載の冷却装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の冷却装置を搭載し、発熱体の冷却を行なう電子機器。
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