JP2015095505A - 太陽電池用封止膜及びこれを用いた太陽電池 - Google Patents

太陽電池用封止膜及びこれを用いた太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】波長変換材料を含むことで太陽電地素子の発電効率を向上することができ、太陽電池を長期間にわたって使用した場合であっても、発電効率を向上する効果を維持することができる太陽電池用封止膜、及び太陽電池を提供する。【解決手段】太陽電池素子を表面側透明保護部材と裏面側保護部材との間に封止して太陽電池を構成するための二枚一対の太陽電池用封止膜であって、前記太陽電池素子と前記表面側保護部材との間の表面側封止膜が、樹脂材料、紫外領域の光線を可視領域又は近赤外領域の波長の光線に変換する波長変換材料、及び有機系紫外線吸収剤を含み、前記太陽電池素子と前記裏面側保護部材との間の裏面側封止膜が、樹脂材料を含み、且つ前記裏面側封止膜における有機系紫外線吸収剤の含有量が、前記表面側封止膜における有機系紫外線吸収剤の含有量以下であることを特徴とする一対の太陽電池用封止膜、及びこれを用いた太陽電池。【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池において太陽電池素子を封止する太陽電池用封止膜に関し、特に、波長変換材料を含むことにより、太陽電池の発電に寄与する光線を増加させ、発電効率を向上できる太陽電池用封止膜に関する。
近年、資源の有効利用や環境汚染の防止等の面から、太陽光を電気エネルギーに直接変換する太陽電池が広く使用され、更に、発電効率や耐候性等の点から開発が進められている。
太陽電池は、一般に、図1に示すように、ガラス基板などからなる表面側透明保護部材11、表面側封止膜13A、シリコン結晶系発電素子などの太陽電池素子14、裏面側封止膜13B、及び裏面側保護部材(バックカバー)12をこの順で積層し、減圧下で脱気した後、加熱加圧して表面側封止膜13A及び裏面側封止膜13Bを架橋硬化させて接着一体化することにより製造される。
一方、一般にシリコン結晶系発電素子等、何れのタイプの太陽電池素子であっても紫外領域の光線に対しては分光感度が低く、太陽光のエネルギーを有効に活用できていないという問題点が知られている。この問題点を解決するために、紫外領域の光線を可視領域又は近赤外領域の波長の光線に変換する材料(波長変換材料)を用いることにより、太陽電池セルの発電効率を向上させる技術が提案されている。具体的には、蛍光物質(例えば、500〜1000nmの蛍光を発する希土類錯体)を太陽電池モジュールの封止材(封止膜)に含有させる手法(例えば、特許文献1、2)等が提案されている。
また、太陽電池用封止膜の耐候性を向上するために太陽電池用封止膜に紫外線吸収剤が添加される場合があるが、紫外線吸収剤が存在すると上記のような蛍光物質による発電効率の向上効果が阻害されることが知られている。特許文献3においては、発電効率の向上と耐候性の両立を図るため、分散樹脂と、300nm以上、450nm以下に吸収波長ピークを有する蛍光物質とを含み、前記蛍光物質以外の紫外線吸収剤の含有率が分散樹脂100質量部に対し0.15質量部以下(実質的に含まないことが好ましい)である封止シートが提案されている。
特開2006−303033号公報 特開2011−77088号公報 特開2011−210891号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると、太陽電池用封止膜が紫外線吸収剤を実質的に含有していない場合、蛍光物質を含有していても太陽電池の耐候性は十分とは言えず、特に太陽電池のバックカバーの黄変による外観不良等が生じ易いことが分かった。また、表面側封止膜に蛍光物質を含有させ、且つバックカバーの黄変を防止するため、裏面側封止膜にのみ紫外線吸収剤を含有させた場合、表面側封止膜には紫外線吸収剤が含まれていないにも係わらず、太陽電池の保管又は使用中に蛍光物質による発電効率の向上効果が低下する場合があることが分かった。
従って、本発明の目的は、波長変換材料を含むことで太陽電地素子の発電効率を向上させることができる太陽電池用封止膜であって、更に太陽電池の耐候性を向上し、且つ太陽電池の保管又は使用中にその発電効率の向上効果を維持できる封止膜を提供することにある。
また、本発明の目的は、その太陽電池用封止膜を用いた、発電効率が高く、耐候性に優れた太陽電池を提供することにある。
本発明者らは、裏面側封止膜にのみ紫外線吸収剤を含有させ、表面側封止膜には紫外線吸収剤を含有させなかったにも係らず、太陽電池の保管又は使用中に表面側封止膜に含有させた蛍光物質(波長変換材料)による発電効率の向上効果が低下した原因を鋭意検討した結果、裏面側封止膜に添加した有機系紫外線吸収剤が、太陽電池の保管又は使用中に表面側封止膜に移行し、蛍光物質の発電効率を向上する効果を阻害していたことが分かった。本発明者らは、これらの知見から、更に検討を行い本発明に至った。
即ち、上記目的は、太陽電池素子を表面側透明保護部材と裏面側保護部材との間に封止して太陽電池を構成するための二枚一対の太陽電池用封止膜であって、前記太陽電池素子と前記表面側保護部材との間の表面側封止膜が、樹脂材料、紫外領域の光線を可視領域又は近赤外領域の波長の光線に変換する波長変換材料、及び有機系紫外線吸収剤を含み、前記太陽電池素子と前記裏面側保護部材との間の裏面側封止膜が、樹脂材料を含み、且つ前記裏面側封止膜における有機系紫外線吸収剤の含有量が、前記表面側封止膜における有機系紫外線吸収剤の含有量以下であることを特徴とする一対の太陽電池用封止膜によって達成される。
本発明の一対の太陽電池用封止膜は、表面側封止膜に含まれる波長変換材料により、太陽電池の発電効率を向上することができる。また、表面側封止膜に含まれる有機系紫外線吸収剤は、その含有量に応じて波長変換材料による発電効率の向上効果を阻害するものの、裏面側保護部材(バックカバー)を紫外線から保護する等、太陽電池の耐候性の向上を図ることができる。そして、裏面側封止膜における有機系紫外線吸収剤の含有量が、表面側封止膜における有機系紫外線吸収剤の含有量以下であることにより、上述のような、太陽電池の保管又は使用中における裏面側封止膜から表面側封止膜への有機系紫外線吸収剤の移行を抑制し、初期の波長変換材料による発電効率の向上効果を維持することができる。
本発明に係る一対の太陽電池用封止膜の好ましい態様は以下の通りである。
(1)前記表面側封止膜における有機系紫外線吸収剤の含有量が、前記樹脂材料100質量部に対して、0.0001〜0.1質量部である。これにより、波長変換材料による発電効率の向上効果の阻害を極力抑制し、且つ太陽電池の耐候性の向上を図ることができる。
(2)前記波長変換材料が、下記式(I):
Figure 2015095505

[式中、Rは、それぞれ独立して水素原子又は任意に置換されていても良い炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、nは、1〜4の整数である。]
で表されるユウロピウム錯体である。安定性が高い波長変換材料であり、より太陽電池の発電効率の向上効果を維持することができる。
(3)前記式(I)において、Rが全て水素原子であり、nが1である。特に耐紫外線性に優れる。
(4)前記波長変換材料の含有量が、前記樹脂材料100質量部に対して、0.0001〜1質量部である。これにより、十分な発電効率を向上する効果が得られる。
(5)前記樹脂材料が、エチレン−極性モノマー共重合体を含む樹脂材料である。加工性に優れ、架橋剤による架橋構造を形成することができ、接着性が高い封止膜とすることができる。
(6)前記エチレン−極性モノマー共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体である。より透明性に優れ、柔軟性に優れた封止膜とすることができる。
また、上記目的は、太陽電池素子を表面側透明保護部材と裏面側保護部材との間に二枚一対の封止膜を介在させて、封止してなる太陽電池において、前記太陽電池素子と前記表面側保護部材との間の表面側封止膜、及び前記太陽電池素子と前記裏面側保護部材との間の裏面側封止膜が、本発明の一対の太陽電池用封止膜であることを特徴とする太陽電池によって達成される。本発明の太陽電池は、本発明の一対の太陽電池用封止膜が用いられているので、発電効率が高く、その高い発電効率が保管又は使用中に維持され、且つ耐候性に優れた太陽電池であるといえる。
本発明の太陽電池封止膜によれば、表面側封止膜に含まれる波長変換材料により、太陽電池の発電効率を向上することができ、表面側封止膜に含まれる有機系紫外線吸収剤により、その含有量に応じた波長変換材料による発電効率の向上効果の阻害が生じるものの、太陽電池の耐候性の向上を図ることができる。そして、裏面側封止膜における有機系紫外線吸収剤の含有量が、表面側封止膜における有機系紫外線吸収剤の含有量以下であることにより、上述のような、太陽電池の保管又は使用中における裏面側封止膜から表面側封止膜への有機系紫外線吸収剤の移行を抑制し、初期の波長変換材料による発電効率の向上効果を維持することができる。
従って、本発明の太陽電池は、発電効率が高く、その高い発電効率が保管又は使用中に維持され、且つ耐候性に優れた太陽電池である。
図1は一般的な太陽電池の概略断面図である。
以下に、本発明の太陽電池用封止膜及び太陽電池について、図面を参照しながら説明する。図1は一般的な太陽電池の概略断面図である。本発明の太陽電池用封止膜は、太陽電池素子14を表面側透明保護部材11と裏面側保護部材(バックカバー)12との間に封止するための、表面側封止膜13A及び裏面側封止膜13Bからなる二枚一対の封止膜である。表面側封止膜13Aは太陽電池素子14と表面側透明保護部材11(太陽電池素子14の受光面側の透明保護部材)との間を封止し、裏面側封止膜13Bは太陽電池素子14と裏面側保護部材12(太陽電池素子14の受光面と反対側の保護部材)の間を封止している。
本発明は、一対の太陽電池用封止膜の内、表面側封止膜13Aが、樹脂材料、波長変換材料、及び有機系紫外線吸収剤を含み、裏面側封止膜13Bが樹脂材料を含み、且つ裏面側封止膜13Bにおける有機系紫外線吸収剤の含有量が、表面側封止膜13Aにおける有機系紫外線吸収剤の含有量以下であることを特徴とする。表面側封止膜13Aに含まれる波長変換材料は、紫外領域の光線を可視領域又は近赤外領域の波長の光線に変換することで、太陽電池素子が有効に活用できる波長の光線を増加し、太陽電池の発電効率を向上することができる。また、表面側封止膜13Aに含まれる有機系紫外線吸収剤は、その含有量に応じて、上記波長変換材料による発電効率の向上効果を阻害するものの、裏面側保護部材(バックカバー)を紫外線から保護する等、太陽電池の耐候性の向上を図ることができる。そして、裏面側封止膜13Bの有機系紫外線吸収剤の含有量が、表面側封止膜13Aに含まれる有機系紫外線吸収剤の含有量以下であることで、太陽電池の保管又は使用中における裏面側封止膜13Bから表面側封止膜13Aへの有機系紫外線吸収剤の移行を抑制することができる。これにより、初期の波長変換材料による発電効率の向上効果を維持することができる。これは、表面側封止膜13Aと、裏面側封止膜13Bとの間の有機系紫外線吸収剤の移行は、その含有量が多い方から、少ない方へ移動するためと考えられる。
以下、本発明の一対の太陽電池用封止膜について、より詳細に説明する。
[有機系紫外線吸収剤]
本発明において、表面側封止膜13Aにおける有機系紫外線吸収剤の含有量は、前記樹脂材料100質量部に対して、好ましくは0.0001〜0.1質量部である。この範囲であれば、波長変換材料による発電効率の向上効果の阻害を極力抑制し、且つ太陽電池の耐候性の向上を図ることができる。表面側封止膜における有機系紫外線吸収剤の含有量は、より好ましくは0.001〜0.1質量部であり、特に0.01〜0.1質量部である。有機紫外線吸収剤の含有量が多過ぎると、波長変換材料による発電効率の向上効果の阻害が大きくなり過ぎ、少なすぎると、太陽電池の耐候性が低下することになる。
また、裏面側封止膜13Bにおいては、有機系紫外線吸収剤の含有量が、表面側封止膜13Aにおける有機系紫外線吸収剤の含有量以下であれば良く、有機系紫外線吸収剤の含有量が、樹脂材料100質量部に対して0質量部でも良い。
有機系紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、従来公知のものを使用することができる。例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、サリチル酸系、シアノアクリレート系等を使用することができる。これらの1種類を用いてもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。これらの紫外線吸収剤の内、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系紫外線吸収剤が好ましい。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジ(2−ヒドロキシエチル)ベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメトキシ−5,5'−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメトキシ−5,5'−ジ(2−ヒドロキシエチル)ベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−3,3'−ジ(ヒドロキシメチル)−5,5'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−3,3'−ジ(2−ヒドロキシエチル)−5,5'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ−4,4−ジメトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−〔2'−ヒドロキシ−5'−(ヒドロキシメチル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−5'−(2−ヒドロキシエチル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−5'−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−3'−メチル−5'−(ヒドロキシメチル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−3'−メチル−5'−(2−ヒドロキシエチル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−3'−メチル−5'−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−(ヒドロキシメチル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−(2−ヒドロキシエチル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−(2−ヒドロキシエチル)フェニル〕−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−3'−t−オクチル−5'−(ヒドロキシメチル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−3'−t−オクチル−5'−(2−ヒドロキシエチル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−3'−t−オクチル−5'−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール等、あるいは2,2'−メチレンビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(ヒドロキシメチル)フェノール〕、2,2’;−メチレンビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール〕、2,2'−メチレンビス〔6−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール〕、2,2'−メチレンビス〔6−(5−ブロモ−2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール〕、2,2'−メチレンビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(3−ヒドロキシプロピル)フェノール〕、2,2'−メチレンビス〔6−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(3−ヒドロキシプロピル)フェノール〕、2,2'−メチレンビス〔6−(5−ブロモ−2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(3−ヒドロキシプロピル)フェノール〕、2,2'−メチレンビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(4−ヒドロキシブチル)フェノール〕、2,2'−メチレンビス〔6−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(4−ヒドロキシブチル)フェノール〕、2,2'−メチレンビス〔6−(5−ブロモ−2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(4−ヒドロキシブチル)フェノール〕、3,3−{2,2'−ビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−1−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル〕}プロパン、2,2−{2,2'−ビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−1−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル〕}ブタン、2,2'−オキシビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール〕、2,2'−ビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール〕スルフィド、2,2'−ビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール〕スルホキシド、2,2'−ビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール〕スルホン、2,2'−ビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾリ−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール〕アミン等が挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン 、2−(2−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル〕−4,6−ジフェニル−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−4,6−ジフェニル−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル〕−4,6−ジフェニル−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕−4,6−ジフェニル−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシブチル)フェニル〕−4,6−ジフェニル−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシブチル)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシブトキシ)フェニル〕−4,6−ジフェニル−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシブトキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン 、2−(2−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルフェニル)−4,6−ビス(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル〕−4,6−ビス(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル〕−4,6−ビス(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−s−トリアジン 、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−s−トリアジン 、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン −2−イル]−5−(オクチロキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン −2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等が挙げられる。
サリチル酸系紫外線吸収剤としては、フェニルサルシレート、4−t−ブチルフェニルサルシレート、2,5−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸n−ヘキサデシルエステル、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート 等が挙げられる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート等が挙げられる。
[波長変換材料]
本発明の表面側封止膜に含まれる波長変換材料としては、紫外領域の光線を可視領域又は近赤外領域の波長の光線に変換する機能を有する物質であれば特に制限はない。一般に、200〜400nmの波長の紫外線を、400〜1000nmの波長の光線に変換する蛍光物質が用いられる。蛍光物質としては、金属錯体、無機蛍光体、有機蛍光体が挙げられル。金属錯体としては、ユーロピウム、サマリウム、テルビウム等のランタノイド錯体、ルテニウム錯体、イリジウム錯体等が挙げられ、無機蛍光体としては、ZnO:Zn、Y22 S:Eu、Zn2 SiO4 :Mn等が挙げられ、有機蛍光体としては、ビオラントロン誘導体、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、キサンチン誘導体、アントラセン誘導体、ローダミン誘導体、ピレン誘導体、フェニレン誘導体等が挙げられる。これらの波長変換材料は単独で用いても、2種以上を組合せて用いても良い。
波長変換材料としては、蛍光の強さ、ストークスシフト(励起極大波長と発光極大波長の差)の大きさ等から金属錯体が好ましい。金属錯体としては、特に蛍光が強く、ストークスシフトが大きく、蛍光寿命が長い点で、ユーロピウム錯体が好ましい。ユーロピウム錯体は、Euイオン(Eu3+)と有機配位子から構成され、例えば、Eu(hfa)(TPPO)、Eu(hfa)(BIPHEPO)、Eu(TTA)Phen等が挙げられる。ユーロピウム錯体としては、特に下記式(I):
Figure 2015095505

[式中、Rは、それぞれ独立して水素原子又は任意に置換されていても良い炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、nは、1〜4の整数である。]で表されるユウロピウム錯体が好ましい。
炭素原子数1〜20の炭化水素基は、脂肪族でも芳香族でも良く、不飽和結合やヘテロ原子を含んでいても良く、直鎖状でも分枝を有していても良い。例えば、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基等)、アルケニル基(ビニル基、アリル基、ブテニル基等)、アルキニル基(エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等)、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。上記炭化水素基は任意に置換されていても良く、置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、スルホ基等が挙げられる。式(I)におけるRは全て水素原子であることが好ましい。
このようなユウロピウム錯体は、他の波長変換材料と比較して、耐候性(特に耐紫外線性)、耐熱性に優れているため、太陽電池の使用中の波長変換効果を高い水準で維持することができ、より太陽電池の発電効率の向上効果を維持することができる。さらに、上記ユウロピウム錯体は、式(I)中のnが1であり、Rが全て水素原子であるEu(hfa)(TPPO)であることが、特に耐紫外線性に優れる点で好ましい。Eu(hfa)(TPPO)はトリフェニルホスフィンオキシドとヘキサフルオロアセチルアセトンの2種の配位子が中心元素である希土類金属のユウロピウムに配位しているユウロピウム錯体である。
上記波長変換材料の含有量は、上記の発電効率の向上効果が得られれば、特に制限はない。好ましくは、前記樹脂材料100質量部に対して、0.0001〜1質量部であり、更に好ましくは0.001〜1質量部であり、特に好ましくは0.01〜0.1質量部である。これにより、更に十分な発電効率を向上する効果が得られる。
[樹脂材料]
本発明の太陽電池封止膜(表面側封止膜、及び裏面側封止膜)に含まれる樹脂材料は、太陽電池用封止膜に要求される接着性、透明性等を有していれば特に制限はない。例えば、エチレン−極性モノマー共重合体、ポリビニルアセタール系樹脂(例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール(PVB樹脂)、変性PVB)、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。本発明において、樹脂材料は、加工性に優れ、架橋剤による架橋構造を形成することができ接着性が高い封止膜とすることができる点で、エチレン−極性モノマー共重合体を含むことが好ましい。これらの樹脂は、単独で用いても、2種以上を組合せて用いても良い。
本発明において、エチレン−極性モノマー共重合体の極性モノマーは、ビニルエステル、不飽和カルボン酸、その塩、そのエステル、そのアミド、一酸化炭素等を例示することができる。より具体的には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸、これら不飽和カルボン酸のリチウム、ナトリウム、カリウムなどの1価金属の塩やマグネシウム、カルシウム、亜鉛などの多価金属の塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル等の不飽和カルボン酸エステル、一酸化炭素、二酸化硫黄などの一種又は二種以上などを例示することができる。
エチレン−極性モノマー共重合体として、より具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体のようなエチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体のようなエチレン−不飽和カルボン酸共重合体、前記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の一部又は全部が上記金属で中和されたアイオノマー、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸イソブチル共重合体、エチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体のようなエチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸イソブチル−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸n−ブチル−メタクリル酸共重合体のようなエチレン−不飽和カルボン酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体及びそのカルボキシル基の一部又は全部が上記金属で中和されたアイオノマー等を代表例として例示することができる。
エチレン−極性モノマー共重合体としては、JIS K7210で規定されるメルトフローレートが、35g/10分以下、特に3〜6g/10分のものを使用するのが好ましい。このようなメルトフローレート有するエチレン−極性モノマー共重合体を用いることで、加工性に優れた太陽電池用封止膜とすることができる。なお、本発明において、メルトフローレート(MFR)の値は、JIS K7210に従い、190℃、荷重21.18Nの条件に基づいて測定されたものである。
エチレン−極性モノマー共重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が特に好ましい。これにより、安価であり、透明性、柔軟性に優れる太陽電池用封止膜とすることができる。このような太陽電池用封止膜を用いることで、より耐久性に優れ、発電効率が高い太陽電池を製造することができる。エチレン−酢酸ビニル共重合体における酢酸ビニルの含有量は、EVAに対して20〜35質量%、さらに22〜30質量%、特に24〜28質量%とするのが好ましい。EVAの酢酸ビニル単位の含有量が低い程、得られるシートが硬くなる傾向がある。酢酸ビニルの含有量が低過ぎると、高温で架橋硬化させる場合に、得られるシートの透明性が充分でない恐れがある。また、酢酸ビニル含有量が高過ぎるとシートの硬さが不十分となる場合がある。
本発明の太陽電池用封止膜には、必要に応じて、架橋剤、架橋助剤、接着向上剤等を添加することができる。
[架橋剤]
架橋剤は、樹脂材料の架橋構造を形成することができるもので、特に上記樹脂材料がエチレン−極性モノマー共重合体を含む場合に有効である。これにより太陽電池用封止膜の強度、接着性及び耐久性を向上することができる。架橋剤は、有機過酸化物又は光重合開始剤を用いることが好ましい。なかでも、接着力、透明性、耐湿性、耐貫通性の温度依存性が改善された封止膜が得られることから、有機過酸化物を用いるのが好ましい。
前記有機過酸化物としては、100℃以上の温度で分解してラジカルを発生するものであれば、どのようなものでも使用することができる。有機過酸化物は、一般に、成膜温度、組成物の調整条件、硬化温度、被着体の耐熱性、貯蔵安定性を考慮して選択される。特に、半減期10時間の分解温度が70℃以上のものが好ましい。
前記有機過酸化物としては、樹脂の加工温度・貯蔵安定性の観点から例えば、ベンゾイルパーオキサイド系硬化剤、tert−ヘキシルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ジ−n−オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、スクシニックアシドパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、4−メチルベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、m−トルオイル+ベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、tert−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシマレイックアシド、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(メチルベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、tert−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等が挙げられる。
ベンゾイルパーオキサイド系硬化剤としては、70℃以上の温度で分解してラジカルを発生するものであればいずれも使用可能であるが、半減期10時間の分解温度が50℃以上のものが好ましく、調製条件、成膜温度、硬化(貼り合わせ)温度、被着体の耐熱性、貯蔵安定性を考慮して適宜選択できる。使用可能なベンゾイルパーオキサイド系硬化剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ビスパーオキシベンゾエート、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。ベンゾイルパーオキサイド系硬化剤は1種でも2種以上を組み合わせて使用してもよい。
有機過酸化物として、特に、2,5−ジメチル−2,5ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネートが好ましい。これにより優れた絶縁性を有する積層体形成用シートが得られる。このようなシートは太陽電池用封止膜として用いた場合に有効である。
有機過酸化物の含有量は特に制限はないが、樹脂材料100質量部に対して、好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは0.2〜3質量部であることが好ましい。
また、光重合開始剤としては、公知のどのような光重合開始剤でも使用することができるが、配合後の貯蔵安定性の良いものが望ましい。このような光重合開始剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1などのアセトフェノン系、ベンジルジメチルケタ−ルなどのベンゾイン系、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、イソプロピルチオキサントン、2−4−ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系、メチルフェニルグリオキシレ−トなどが使用できる。好ましくは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾフェノン等が挙げられる。これら光重合開始剤は、必要に応じて、4−ジメチルアミノ安息香酸のような安息香酸系又は、第3級アミン系などの公知慣用の光重合促進剤の1種または2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。また、光重合開始剤のみの1種単独または2種以上の混合で使用することができる。前記光重合開始剤の含有量は、樹脂材料100質量部に対して0.5〜5.0質量部であることが好ましい。
[架橋助剤]
架橋助剤は、樹脂材料のゲル分率を向上させ、太陽電池用封止膜の接着性及び耐久性を向上させることができる。
前記架橋助剤(官能基としてラジカル重合性基を有する化合物)としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の3官能の架橋助剤の他、(メタ)アクリルエステル(例、NKエステル等)の単官能又は2官能の架橋助剤等を挙げることができる。なかでも、トリアリルシアヌレートおよびトリアリルイソシアヌレートが好ましく、特にトリアリルイソシアヌレートが好ましい。
前記架橋助剤の含有量は、樹脂材料100質量部に対して、一般に10質量部以下、好ましくは0.1〜5質量部、更に好ましくは0.1〜2.5質量部で使用される。これにより、更に接着性に優れる太陽電池用封止膜が得られる。
[接着向上剤]
接着向上剤としては、シランカップリング剤を用いることができる。これにより、得られる太陽電池用封止膜の接着力を、更に向上させることができる。前記シランカップリング剤としては、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。これらシランカップリング剤は、単独で使用しても、又は2種以上組み合わせて使用しても良い。なかでも、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましく挙げられる。前記シランカップリング剤の含有量は樹脂材料100質量部に対して0.1〜0.7質量部、特に0.3〜0.65質量部であることが好ましい。
[その他]
本発明の太陽電池用封止膜を形成する組成物は、膜の種々の物性(機械的強度、接着性、透明性等の光学的特性、耐熱性、架橋速度等)の改良あるいは調整、特に機械的強度の改良のため、必要に応じて、可塑剤、アクリロキシ基含有化合物、メタクリロキシ基含有化合物、エポキシ基含有化合物及び/又は老化防止剤などの各種添加剤をさらに含んでいてもよい。
[太陽電池用封止膜の形成]
上述した太陽電池用封止膜を形成するには、公知の方法に準じて行えばよい。例えば、上記の各材料をスーパーミキサー(高速流動混合機)、ロールミル等を用いて公知の方法で混合した組成物を通常の押出成形、又はカレンダ成形(カレンダリング)等により成形してシート状物を得る方法により製造することができる。また、前記組成物を溶剤に溶解させ、この溶液を適当な塗布機(コーター)で適当な支持体上に塗布、乾燥して塗膜を形成することによりシート状物を得ることもできる。尚、製膜時の加熱温度は、架橋剤が反応しない或いはほとんど反応しない温度とすることが好ましい。例えば、50〜90℃、特に40〜80℃とするのが好ましい。表面側封止膜の厚さは、特に制限されないが、50μm〜2mmの範囲であればよい。
[太陽電池]
本発明の太陽電池は、図1に示すように、太陽電池素子14を表面側透明保護部材11と裏面側保護部材12との間に二枚一対の封止膜(表面側封止膜13A及び裏面側封止膜13B)を介在させて封止したものである。そして、表面側封止膜13A(太陽電池素子14と表面側保護部材11との間の封止膜)、及び裏面側封止膜13B(太陽電池素子14と裏面側保護部材12との間の封止膜)が、本発明の一対の太陽電池用封止膜が用いられている。
本発明の太陽電池において、太陽電池素子を十分に封止するには、図1に示すように表面側透明保護部材11、表面側封止膜13A、太陽電池素子14、裏面側封止膜13B及び裏面側保護部材12を積層し、加熱加圧など常法に従って、封止膜を架橋硬化させればよい。
前記加熱加圧するには、例えば、樹脂材料としてエチレン−極性モノマー共重合体を用いる場合、前記積層体を、真空ラミネータで温度135〜180℃、さらに140〜180℃、特に155〜180℃、脱気時間0.1〜5分、プレス圧力0.1〜1.5kg/cm2、プレス時間5〜15分で加熱圧着すればよい。この加熱加圧時に、表面側封止膜13A及び裏面側封止膜13Bに含まれるエチレン−極性モノマー共重合体を架橋させることにより、表面側封止膜13A及び裏面側封止膜13Bを介して、表面側透明保護部材11、裏面側透明部材12、及び太陽電池素子14を一体化させて、太陽電池素子14を封止することができる。
本発明の太陽電池に使用される表面側透明保護部材11は、通常珪酸塩ガラスなどのガラス基板であるのがよい。ガラス基板の厚さは、0.1〜10mmが一般的であり、0.3〜5mmが好ましい。ガラス基板は、一般に、化学的に、或いは熱的に強化させたものであってもよい。
本発明で使用される裏面側保護部材12は、一般に、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチックフィルムである。反射性を高めるため、二酸化チタン(チタン白)等の白色顔料を含有させても良い。
本発明の太陽電池においては、表面側封止膜13Aに含まれる波長変換材料により、発電効率が向上され、表面側封止膜13Aに含まれる有機系紫外線吸収剤により、その含有量に応じた波長変換材料による発電効率の向上効果の阻害が生じるものの、太陽電池の耐候性の向上が図られている。そして、裏面側封止膜13Bにおける有機系紫外線吸収剤の含有量が、表面側封止膜13Aにおける有機系紫外線吸収剤の含有量以下であることにより、太陽電池の保管又は使用中における裏面側封止膜13Bから表面側封止膜13Aへの有機系紫外線吸収剤の移行が抑制され、初期の波長変換材料による発電効率の向上効果が維持されている。従って、本発明の太陽電池は、発電効率が高く、その高い発電効率が保管又は使用中に維持され、且つ耐候性に優れた太陽電池であるといえる。
なお、本発明の太陽電池は、上述のような一対の太陽電池用封止膜に特徴を有する。従って、表面側透明保護部材、裏面側保護部材、及び太陽電池素子等の太陽電池用封止膜以外の部材については、従来公知の太陽電池と同様の構成を有していればよく、特に制限されない。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
[実施例1〜13、比較例1〜11]
1.太陽電池用封止膜の作製
表1及び2に示す配合で各材料をロールミルに供給し、70℃において混練して各太陽電池用封止膜組成物(表面側封止膜用、裏面側封止膜用)を調製した。この太陽電池用封止膜組成物を、70℃においてカレンダ成形し、放冷後、各太陽電池用封止膜(表裏側封止膜、裏面側封止膜)(厚さ0.5mm)を作製した。
2.モジュールモデルサンプルの作製
作製した太陽電池用封止膜を表1及び2に示す表面側封止膜及び裏面側封止膜を一対として積層し、それを2枚の白板ガラス(厚さ3.2mm)で挟み、得られた積層体を真空ラミネータを用いて90℃において真空時間2分、プレス時間8分で圧着した後、155℃のオーブン中で45分間加熱して架橋硬化させることにより、サンプルを作製した。
(評価方法)
(1)保管試験(蛍光強度残存率)
上記サンプルについて、温度30℃、湿度60%RH環境下に30日間保管し、保管前後の蛍光強度を測定し、残存率を測定した。蛍光強度の測定方法は以下の通りである。
(蛍光強度の測定)
上記サンプルについて、分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製、F−7000)を用いて蛍光強度を測定した。測定条件:ホトマル電圧400V、励起側スリット20nm、蛍光側スリット10nm、スキャンスピード240nm/min。照射波長は波長変換材料(1)の場合は325nm、波長変換材料(2)の場合は335nmとした。なお、各波長変換材料自体の励起ピーク波長は、上記各照射波長よりも短波長側に位置しているが、白板ガラスの光線透過率(白板ガラスでの吸収)が紫外線領域に存在しており、白板ガラスの吸収は短波長側にかけて強くなる傾向がある。したがって、短波長側の紫外線は強く吸収され、合わせガラス構造の試験では見かけ励起のピーク波長が長波長側にシフトすることから、各照射波長を上記のとおりとした。
波長をX軸、発光量をY軸に表した関数f(x)の、発光ピークの開始波長から終了波長における曲線と関数f(x)上のX=XとXの2点を結ぶ直線により囲まれる領域の面積を算出し、蛍光強度とした。
(評価結果)
評価結果を表に示す。
Figure 2015095505
Figure 2015095505
表1及び2に示したように、裏面側封止膜における有機系紫外線吸収剤の含有量を表面側封止膜における有機系紫外線吸収剤の含有量より多くした比較例においては、保管試験後に表面側封止膜に含有させた波長変換材料の蛍光強度が低下した。特に、波長変換材料(2)を用いた比較例では、波長変換材料(1)を用いた比較例より蛍光強度の低下が顕著であった。一方、裏面側封止膜における有機系紫外線吸収剤の含有量を表面側封止膜における有機系紫外線吸収剤の含有量以下とした実施例においては、保管試験後に表面側封止膜に含有させた波長変換材料の蛍光強度はほとんど低下しなかった。
なお、本発明は上記の実施の形態の構成及び実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々変形が可能である。
本発明により、波長変換材料により太陽電池素子の発電効率が向上されており、高い発電効率が長期間にわたって維持される太陽電池を提供することができる。
11 表面側透明保護部材
12 裏面側保護部材
13A 表面側封止膜
13B 裏面側封止膜
14 太陽電池素子

Claims (8)

  1. 太陽電池素子を表面側透明保護部材と裏面側保護部材との間に封止して太陽電池を構成するための二枚一対の太陽電池用封止膜であって、前記太陽電池素子と前記表面側保護部材との間の表面側封止膜が、樹脂材料、紫外領域の光線を可視領域又は近赤外領域の波長の光線に変換する波長変換材料、及び有機系紫外線吸収剤を含み、
    前記太陽電池素子と前記裏面側保護部材との間の裏面側封止膜が、樹脂材料を含み、且つ
    前記裏面側封止膜における有機系紫外線吸収剤の含有量が、前記表面側封止膜における有機系紫外線吸収剤の含有量以下であることを特徴とする一対の太陽電池用封止膜。
  2. 前記表面側封止膜における有機系紫外線吸収剤の含有量が、前記樹脂材料100質量部に対して、0.0001〜0.1質量部である請求項1に記載の一対の太陽電池用封止膜。
  3. 前記波長変換材料が、下記式(I):
    Figure 2015095505

    [式中、Rは、それぞれ独立して水素原子又は任意に置換されていても良い炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、nは、1〜4の整数である。]
    で表されるユウロピウム錯体である請求項1又は2に記載の一対の太陽電池用封止膜。
  4. 前記式(I)において、Rが全て水素原子であり、nが1である請求項3に記載の一対の太陽電池用封止膜。
  5. 前記波長変換材料の含有量が、前記樹脂材料100質量部に対して、0.0001〜1質量部である請求項1〜4のいずれか1項に記載の一対の太陽電池用封止膜。
  6. 前記樹脂材料が、エチレン−極性モノマー共重合体を含む樹脂材料である請求項1〜5のいずれか1項に記載の一対の太陽電池用封止膜。
  7. 前記エチレン−極性モノマー共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体である請求項6に記載の一対の太陽電池用封止膜。
  8. 太陽電池素子を表面側透明保護部材と裏面側保護部材との間に二枚一対の封止膜を介在させて、封止してなる太陽電池において、
    前記太陽電池素子と前記表面側保護部材との間の表面側封止膜、及び前記太陽電池素子と前記裏面側保護部材との間の裏面側封止膜が、請求項1〜7のいずれか1項に記載の一対の太陽電池用封止膜であることを特徴とする太陽電池。
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