JP2015094630A - センサー用ic、センサーデバイス、電子機器及び移動体 - Google Patents

センサー用ic、センサーデバイス、電子機器及び移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】移動体の位置を算出するための全体制御を実施するホスト側のCPUへの負荷を増大させずに、移動体の姿勢変化を算出するセンサー用IC並びにそれを備えたセンサーデバイス、電子機器及び移動体を提供する。
【解決手段】センサー用ICは、センサー素子13からの信号に基づいて移動体の角速度信号を検出する検出部110と、検出部からのアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換部111と、AD変換部からの信号に基づき所定期間内での移動体の姿勢変化を算出する姿勢変化算出部113と、を有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、センサー用IC、センサーデバイス、電子機器及び移動体に関する。
慣性航法システムにおいては、移動体の姿勢を、角速度センサーの出力を用いて算出する方法が知られている。
特許文献1には、高速に、高精度の姿勢角を演算するために、テーラー展開の次数が小さく演算周波数が相対的に大きい第1の姿勢演算を、テーラー展開の次数が第1の姿勢演算よりも大きく演算周波数が第1の姿勢演算よりも小さい第2の姿勢演算で補正することが開示されている。
特開2001−280970号公報
特許文献1では、第2の姿勢演算において、低い周波数で補正のための演算を行っている。そのような姿勢演算は、ジャイロセンサーが出力する角速度データのサンプルのうち、姿勢演算に用いられないサンプル数が多いため、正しく補正できない可能性がある。
例えば人間のような、短時間における角速度の変化が大きい移動体を対象とする場合には、上記の姿勢演算方法では演算される姿勢角の精度が低下することが分かってきた。
本発明の幾つかの態様では、移動体の位置を算出するための全体制御を実施するホスト側のCPUへの負荷を増大させずに、移動体の姿勢変化を算出するセンサー用IC並びにそれを備えたセンサーデバイス、電子機器及び移動体を提供することにある。
(1)本発明の一態様は、センサー素子からの信号に基づいて角速度信号を検出する検出部と、前記検出部からのアナログの信号をデジタルの信号に変換するAD変換部と、前記AD変換部からの信号に基づき所定期間内での前記移動体の姿勢変化を算出する姿勢変化算出部と、を有するセンサー用ICに関する。
本発明の一態様に係るセンサー用ICは、例えば移動体の位置を第1座標系(センサー座標系)とは異なる第2座標系(絶対座標系、移動体座標系など)での位置を算出するホスト端末に接続して用いることができる。座標変換するために、移動体の姿勢を更新する必要がある。移動体の姿勢(角度)は、ジャイロセンサーからの角速度を積分することで得られる。積分値は、積分期間内の角速度データ量が多いほど、つまり姿勢変化算出部に入力される角速度データの入力周波数が高いほど、精度は高い。本発明の一態様では、姿勢変化算出部に入力される角速度データの入力周波数を例えば第1周波数f1とすると、ホスト端末にある姿勢更新部に入力される姿勢変化及び角速度データの入力周波数(第2周波数f2)よりも高くできる。よって、例えば歩行運動する移動体のように角速度変化が比較的大きくても、積分精度の劣化を抑制できる。なお、ホスト端末側の姿勢更新部に入力される姿勢変化の入力周波数は、第1周波数f1よりも低い第2周波数f2である。よって、ホスト端末のCPUの負荷は低減される。
(2)本発明の一態様では、前記姿勢変化算出部は、exp([αib (t+τ)]×)exp([αib (t+2τ)]×)・・・exp([αib (t+kτ)]×)を演算することができる。ただし、τ=1/f1であり、kは(f1/f2)−1<k≦f1/f2を満たす整数であり、tは時刻であり、[αib (t+nτ)]は時刻t+nτ(ただしnは1≦n≦kを満たす整数)における前記角速度から求めた回転行列である。
n番目の第1周期τ毎の姿勢変化exp([α(t+nτ)]×)を用い、exp([α(t+τ)×])exp([α(t+2τ)×]…exp([α(t+kτ)]×)のようにk回乗算して演算することで、移動体の姿勢変化を精度よく算出することができる。なお、第1,第2周期τ,τと上述した第1,第2周波数f1,f2とは、τ=1/f1、τ=1/f2の関係が成立する。よって、k=f1/f2が成立する。また、f1/f2が整数とならない場合でも、kは期間内に掛け算できるα行列の数になるので、(f1/f2)−1<k≦=f1/f2を満たす整数kとすることができる。
(3)本発明の一態様では、外部から入力されるコマンド信号に基づいて前記姿勢変化算出部を制御する制御部をさらに有することができる。
このように、制御部は外部例えばホスト端末から入力されるコマンド信号に基づいて姿勢変化算出部を制御することができ、センサー用IC内にて姿勢変化を算出するための各種設定を外部から任意に設定できる。
(4)本発明の一態様では、前記制御部は、前記コマンド信号に基づいて前記姿勢変化算出部での算出演算の開始と終了を設定することができる。
このように、コマンド信号に基づいて姿勢変化算出部での算出演算の開始と終了を設定することにより、上述したようにホスト端末側の第2周波数f2とは異なる第1周波数f1で演算周期(積分周期)を設定することができる。
(5)本発明の一態様では、外部から入力されるコマンド信号をデコードするコマンドデコーダと、前記コマンドデコーダでのデコード結果に基づいて、前記姿勢変化算出部を制御する値が設定されるレジスタと、をさらに有する
ことができる。
つまり、上述した制御部は、コマンドデコーダとレジスタにて構成することができる。
(6)本発明の一態様では、前記コマンドデコーダは、前記コマンド信号に基づいて前記姿勢変化算出部での算出演算の開始及び終了を前記レジスタに設定することができる。
これにより、上述したようにホスト端末側の第2周波数f2とは異なる第1周波数f1で演算周期(積分周期)を設定することができる。
(7)本発明の一態様では、前記姿勢変化算出部は、exp([α(t+nτ)]×)の近似演算を実施する加算器及び乗算器を含むハードウェアにて構成することができる。
こうすると、姿勢変化の計算をexp([α(t+τ)+α(t+2τ)+α(t+3τ)…+α(t+kτ)×]と展開して精度を劣化させることなく、exp([α(t+τ)×])exp([α(t+2τ)×]…exp([α(t+kτ)]×)の演算によって、比較的精度よく演算できる。また、姿勢変化算出部は比較的高い第1周波数f1での演算を、加算器及び乗算器を含むハードウェアにて実施しているので、CPUの負担を増大させることもない。
(8)本発明の他の態様では、センサー素子と、(1)〜(7)のいずれかセンサー用ICと、を有するセンサーデバイス、電子機器及び移動体を定義している。
本発明の他の態様においても、移動体の位置を算出するための全体制御を実施するホスト側のCPUへの負荷を増大させずに、センサー用ICにて移動体の姿勢変化を算出することができる。
位置算出装置の全体システムの構成例を示す図である。 位置算出装置の機能ブロック図である。 ジャイロセンサーICと処理部のブロック図である。 図3に示す機能ブロックの動作を示すフローチャートである。 ジャイロセンサーICの詳細を示すブロック図である。 ジャイロセンサーIC中の姿勢変化算出部の機能ブロック図である。 姿勢変化算出部のハードウェア構成図である。 図8(A)はCレジスタの初期化動作を、図8(B)はα行列演算を、図8(C)はexp演算動作をそれぞれ説明するための図である。 姿勢変化算出部での姿勢変化の積算動作を示すフローチャートである。 比較例の動作を説明するためのフローチャートである。 ダッシュで移動する移動体の位置を本実施例と比較例とで算出した時に生ずる誤差を説明する図である。 ランニングで移動する移動体の位置を本実施例と比較例とで算出した時に生ずる誤差を説明する図である。 歩行で移動する移動体の位置を本実施例と比較例とで算出した時に生ずる誤差を説明する図である。 第2周波数f2を低くした点を除いて図11と同じ条件での比較結果を示す図である。 第2周波数f2を低くした点を除いて図12と同じ条件での比較結果を示す図である。 第2周波数f2を低くした点を除いて図13と同じ条件での比較結果を示す図である。 処理部の主要機能をハードウェアとした変形例の動作フローチャートを示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態の一例について説明する。但し、本発明を適用可能な実施形態が以下説明する実施形態に限定されるわけでないことは勿論である。
1.システム構成
図1は、本実施形態における位置算出装置(電子機器)1の全体システムの構成例を示す図である。この位置算出装置1は、生体または前記生体のエネルギーを動力源として移動する移動体、例えば人間の腰(右腰又は左腰)に装着して利用される小型電子機器であり、姿勢算出装置の一種である。なお、移動体は例えば二足歩行ロボットなどであっても良く、位置算出装置1を搭載したロボット(移動体)とすることもできる。位置算出装置1は、移動体が位置の算出に係る各種操作を入力するための入力装置である操作ボタン3と、算出された位置等の情報が表示される液晶ディスプレイ5と、スピーカー7とを有する。なお、本明細書では、上記の生体および移動体を「移動体」と総称する。
本実施形態では、少なくとも3種類の座標系を定義する。第1の座標系は、位置算出装置1が具備するIMU(Inertial Measurement Unit)10に対応付けられた三次元直交座標系(センサー座標系)であるローカル座標系である。本明細書では、ローカル座標系のことを、右手系で慣性センサーの検出軸を表したB(Body)フレームとも言う。本実施形態では、ローカル座標系の3軸をx軸、y軸及びz軸と表記する。
第2の座標系は、移動体の移動空間を定める座標系である三次元直交座標系(絶対座標系)である。本明細書では、絶対座標系のことをA(Absolute)フレームとも言う。Aフレームは、例えば、北東下座標系として知られるNED(North East Down)座標系(Nフレーム)や、地球中心地球固定座標系として知られるECEF(Earth Centered Earth Fixed)座標系(Eフレーム)として定義される。本実施形態では、絶対座標系の3軸をX軸、Y軸及びZ軸と表記する。
第2の座標系は、移動体に対応付けられた三次元直交座標系(移動体座標系)であっても良い。本明細書では、移動体座標系のことをV(Vehicle)フレームとも言う。本実施形態では、移動体の前方を正とする前後方向をロール軸(R軸)、右方を正とする左右方向をピッチ軸(P軸)、鉛直下方を正とする上下方向をヨー軸(Q軸)とする。
第3の座標系は、IMU10が検出を行う基準となる三次元直交座標系である慣性座標系である(図示せず)。本明細書では、I(Inertial)フレームとも言う。Iフレームは、地球の中心を原点とし、地球の自転軸を軸の1つとした座標系である。地球の自転は考慮しない。本実施形態では、慣性座標系の3軸をL軸、M軸及びN軸と表記する。本実施形態では、N軸が地球の自転軸であるものとする。
IMU10は、位置算出装置1に搭載されるセンサーデバイスであり、慣性航法ユニットとして知られるものである。IMU10は、図2に示すように、加速度センサー11と、ジャイロセンサー13と、姿勢変化算出部を含むジャイロセンサーIC(センサー用IC)14とを有する。図1に示すようにIMU10のz軸が鉛直方向の軸となる。
加速度センサー11は、ローカル座標系の3軸(x軸、y軸及びz軸)について、対応する慣性座標系の各軸(L軸、M軸及びN軸)に対する加速度ベクトルを検出する。加速度センサー11としては、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサーが用いられる。加速度センサー11が計測した値は、ローカル座標系で計測した移動体の加速度となる。
加速度センサー11は、ローカル座標系の3軸(x軸、y軸及びz軸)について移動体の加速度ベクトルを検出する。加速度センサー10としては、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサーが用いられる。加速度センサー10が計測した値は、ローカル座標系で計測した移動体の加速度となる。
本明細書では、原則として、特に断りなく加速度や速度と言ったときは方向及び大きさを考慮した加速度及び速度(すなわち、加速度ベクトルや速度ベクトル)を表すものとする。
ジャイロセンサー13は、位置算出装置1が具備する加速度センサー11と同じローカル座標系の3軸(x軸、y軸及びz軸)について、対応する慣性座標系の各軸(L軸、M軸及びN軸)に対する角速度(以下、「ローカル座標角速度」と称す。)を検出する。
図2に示すGPS(Global Positioning System)センサー15は、測位用衛星の一種であるGPS衛星から送信されるGPS衛星信号を受信し、当該GPS衛星信号を利用して移動体の位置及び速度ベクトルを算出するセンサーである。なお、GPSを利用して位置や速度ベクトルを算出する方法については従来公知であるため、詳細な説明を省略する。
位置算出装置1は、さらに、処理部(ホスト端末)100と、図1に示す操作ボタン3を含む操作部20と、図1に示す液晶ディスプレイ5を含む表示部30と、図1に示すスピーカー7を含む音出力部40と、通信部50と、記憶部60とを有して構成される。
処理部100は、記憶部60に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、位置算出装置1の各部を統括的に制御する。
2.ジャイロセンサーIC及び処理部
図3は、ジャイロセンサーIC14及び処理部100の主たる機能ブロックを示すブロック図である。図4は、図3に示す機能ブロックのシーケンス動作を示している。本実施形態においては、以下に説明する構成のうち、少なくとも姿勢変化算出部113および姿勢更新部124によって、姿勢算出装置の機能が実現される。姿勢算出装置は、さらに、ジャイロセンサー13またはジャイロセンサーIC14、加速度センサー11、座標変換部125のうち少なくとも1つを含んでいてもよい。
図3及び図4において、ジャイロセンサーIC14は、ジャイロセンサー13が検出した角速度を例えば第1周波数f1(例えばf1=7.81kHz)でサンプリングしてA/D変換するA/D変換器111と、デジタルフィルター等のデジタル信号処理をするDSP(Digital Signal Processor)112と、DSP112からの角速度に基づいて移動体の姿勢変化を算出する姿勢変化算出部113とを含む。姿勢変化算出部113は、角速度のバイアスを補正するジャイロバイアス補正部113Aを含んでいる。姿勢変化算出部113は、第1周波数f1でDSP112から入力される角速度に基づいて、移動体の姿勢変化を算出する。
図4に示すように、ジャイロセンサー13により角速度が計測される(ST11)。A/D変換器111及びDSP112を経由して角速度が入力される姿勢変化算出部113では、先ず、ジャイロバイアス補正部113Aでジャイロバイアスが除去される(ST12)。姿勢変化算出部113は、第1周波数f1でDSP112から入力される角速度を、処理部100からの姿勢出力要求に基づいて、第2周波数f2(例えばf2=20Hz)で規定される期間(第2期間τ2)に亘って積分して、移動体の姿勢変化を算出する(ST13)。姿勢変化算出部113は、算出された姿勢変化を出力した後に、姿勢変化をリセットする(ST14)。
処理部100は、図3に示すように、加速度センサー11が検出した例えば第3周波数f3(例えばf3=100Hz)でサンプリングし加速度をA/D変換するA/D変換器121と、加速度のバイアスを補正する加速度バイアス補正部122と、第3周波数f3にてサンプリングされた加速度をm(mは2以上の整数で、(f3/f2)−1<m≦f3/f2を満たす。例えばm=5)個加算平均して、第2周波数f2の出力周波数にて加速度を出力する加算平均部123とを有する。図4に示すように、処理部100では、加速度センサー11からの加速度はA/D変換後にバイアスが除去され(ST21)、5個の加速度が加算平均される(ST22)。
処理部100はさらに、図3に示すように、第2周波数f2にて姿勢変化算出部113から出力される姿勢変化に基づいて、移動体の姿勢を更新する姿勢更新部124を有する。姿勢変化算出部113は、第1周波数f1でDSP112から入力される角速度に基づいて移動体の姿勢変化を算出する。姿勢変化算出部113は、姿勢更新部124からの要求に従い第2周波数f2を出力周波数として姿勢変化を姿勢更新部124に出力する。図4に示すように、処理部100は、第2周波数f2に基づいて姿勢変化要求を姿勢変化算出部113に出力し(ST23)、姿勢変化算出部113から得られた姿勢変化を用いて姿勢を更新する(ST24)。
処理部100はさらに、座標変換部125を有する。座標変換部125は、第2周波数f2にて姿勢更新部124で更新された移動体の姿勢と、第2周波数f2で入力される加速度とに基づいて、第1座標系から第2座標系に座標変換された移動体の加速度(以下、「第2座標系加速度」と称する)を算出する。図4に示すように、処理部100は、求められた姿勢から移動体の加速度の向きを更新する(ST25)。
処理部100はさらに、速度/位置算出部126を有する。図4に示すように、速度/位置算出部126は、座標変換部125から出力された第2座標系加速度を積分して、第2座標系での移動体の速度と位置とを算出する(ST26,27)。
以上の通り、位置算出装置1は、歩行運動する移動体の、第2座標系(絶対座標系、移動体座標系など)における位置を算出する。第1座標系から第2座標系に座標変換する際に、姿勢更新部124にて更新された移動体の姿勢を用いる。移動体の姿勢(角度)は、ジャイロセンサー13が検出した角速度を姿勢変化算出部113が積分することで得られた姿勢変化を用いて、前回の姿勢を更新することで得られる。積分する期間内の角速度のデータ量(サンプル数)が多いほど、つまり姿勢変化算出部113に入力される角速度の周波数(入力周波数)が高いほど、算出される姿勢の精度は高い。本実施形態では、姿勢変化算出部113に入力される角速度の周波数は第1周波数f1であり、姿勢更新部124に入力される姿勢変化周波数(第2周波数f2)よりも高い。よって、歩行運動する移動体のように角速度変化が比較的大きい場合にも、第2周波数f2で積分を行う場合と比較して、積分精度の低下を抑制できる。一方、姿勢更新部124に入力される姿勢変化周波数は、第1周波数f1よりも低い第2周波数f2である。よって、姿勢更新以降の演算におけるCPUの負荷は、姿勢更新部124に姿勢変化が第1周波数f1で入力される場合と比較して低減される。
処理部100はさらに、拡張カルマンフィルター演算部127及びエラー補正部128を有する。拡張カルマンフィルター演算部127は、図4に示すように、姿勢更新部124から出力される姿勢データと、速度/位置算出部126から出力された位置データ及び速度データと、GPSセンサー15の測位データ(位置、速度、方位)と、加速度バイアス補正部122によって加速度バイアスが補正された加速度とを用いて、拡張カルマンフィルターによって、位置、速度、方位の誤差を推定する(ST28)。また、拡張カルマンフィルター演算部127は、ジャイロバイアス及び加速度バイアスを推定し、加速度バイアス補正部122及びジャイロバイアス補正部113Aに出力する。拡張カルマンフィルター演算部127によって推定された位置、速度、姿勢の誤差を用いて、移動体の位置、速度、姿勢の補正をエラー補正部128で行う。エラー補正部128からの情報が処理部100の出力となる。
3.ジャイロセンサーICの具体例
図5は、ジャイロセンサーIC14の具体例を示している。図5では、図3に示す構成に加えて、アナログ回路110、MPU(制御部)114及びシリアルパラレルインターフェース(SPI)115が設けられている。
アナログ回路110は、ジャイロセンサー13の出力をQ−V変換し、増幅する。MPU114は、SPI115から入力されるコマンド/データに基づいて、アナログ回路110、A/D変換器111、DSP112、姿勢変化算出部113及びSPI115を制御する。そのために、MPU114は、コマンドデコーダ114Aとレジスタ114Bとを有する。コマンドデコーダ114Aにてデコードされるコマンドに基づいて、レジスタに各種制御データが格納され、その制御データに基づいてジャイロセンサーIC14内の各所が制御される。SPI115は、処理部100に接続されるチップセレクト端子CS、データイン端子DI、データアウト端子DO、クロック端子CLKに加え、割り込み端子INTを有する。MPU114は、処理部100の姿勢更新部124から、要求コマンドを、SPI115を介して入力する。要求コマンドとは、第2周波数f2を出力周波数として、姿勢変化算出部113から姿勢変化を出力要求するコマンドである。コマンドデコーダ114Aにてデコードされた要求は、レジスタ114Bを介して姿勢変化算出部113に指令され、姿勢変化が出力される。割り込み端子INTから第2周波数f2の周期で割り込み出力を処理部100へ出力してもよく、割り込み発生時に姿勢変化の出力を要求するコマンド(要求信号)を発行してもよい。
コマンドデコーダ114Aにてデコードされるライト(W)コマンドによりレジスタ114Bに設定される制御値として、近似関数次数、バイアス更新タイミング、角速度変換(LSB→rad/s)係数、DRDY出力タイミング、姿勢演算開始/停止、バイアス推定値書き込み等を挙げることができる。また、コマンドデコーダ114Aにてデコードされるリード(R)コマンドに続いて、姿勢変化演算結果の読み出しを実施することができる。姿勢変化演算開始/停止タイミングは、第2周波数f2の第2周期τ(τ=1/f2)に一致させることができる。
コマンドデコーダ114Aにてデコードされるライト(W)コマンドによりレジスタ114Bに設定される制御値として、近似関数次数SelApp、バイアス更新タイミング、角速度変換(量子化単位LSB→rad/s)係数、INT出力タイミング、姿勢変化演算開始/停止、バイアス推定値書き込み等を挙げることができる。また、コマンドデコーダ114Aにてデコードされるリード(R)コマンドに続いて、姿勢変化演算結果の読み出しを実施することができる。姿勢変化演算開始/停止タイミングは、第2周波数f2の第2周期τ(=1/f2)に一致させることができる。
ここで、姿勢変化算出部113と姿勢更新部124と座標変換部125での演算の一例を次の式(1)に示す。
Figure 2015094630
…(1)
本明細書では、座標変換行列を大文字の“C”で表す。各座標変換行列において、下付きの添え字は座標変換前の座標系を示し、上付きの添え字は座標変換後の座標系を示す。例えば、“C ”は、ローカル座標系(Bフレーム)から絶対座標系(Eフレーム))への座標変換行列を示す。
式(1)の左辺は、時刻t+τにおける姿勢である。c(t)は、時刻tにおける姿勢の回転行列である。Cchangeは、時刻tから時刻t+τの期間における姿勢変化である。式(1)の右辺のマイナス項は地球の自転の影響を表す。地球の自転の影響は省略しても良い。
式(1)のCchangeは、次式(2)で示すことができる。
Figure 2015094630
…(2)
式(2)において、τ1=1/f1であり、kは(f1/f2)−1<k≦f1/f2を満たす整数である。本明細書においては、自然対数の底e=2.781…のd乗を“exp(d)”で表す(dは任意の数値、行列、数式等である)。また、本明細書においては、exp([α(t+nτ)]×)を座標変換マトリックスと称する。式(2)は、第2周期τ2の期間に第1周期τ1の間隔で算出される総数k個の座標変換マトリックスを掛け算することで、第2周期τ2毎の姿勢の変化を算出することを意味する。
式(2)のα(t+nτ)は角速度から求めた行列であり、次式(3)が成立する。ただし、nは1≦n≦kが成立する整数である。
Figure 2015094630
…(3)
式(3)の右辺は、時刻(t+nτ)の時のIフレームとBフレームとの間の回転角度をBフレームで表したものであり、ジャイロセンサー13の検出値から得られる角速度である。よって、式(2)の右辺の行列([α(t+nτ))]×)は角速度から求めることができる行列であり、次の式(4−1)(4−2)の通りとなる。
Figure 2015094630
式(4−2)が示すように、式(4−1)の右辺の各要素は、時刻(t+nτ)におけるジャイロセンサーの各軸の検出値をジャイロバイアスが補正した値に、第1周期τを掛けた値である。
ここで、exp(α)の演算には、次の式(5)〜(7)に示す一次〜三次近似を用いることができる。
Figure 2015094630
…(5)
Figure 2015094630
…(6)
Figure 2015094630
…(7)
図6は、姿勢変化算出部113の機能ブロック図である。なお、図6に示すレジスタ131〜134,136,139は、図5に示すレジスタ114Bの具体例である。図6に示す乗算器130には、ジャイロセンサー13から入力された角速度のデータ(以下、「角速度データ」という)が入力される。乗算器130は、角速度データにレジスタ131の係数krを乗算することで、角速度をrad/sに変換する。レジスタ131に格納される係数は、図5に示すコマンドデコーダ114Aのライトコマンドに基づいて格納することができる。レジスタ132〜134には式(4−2)のバイアス補正値(負値)が格納され、α行列演算部135内の加算器にて角速度からバイアス補正値が減算される。当該加算器が、ジャイロバイアス補正部113Aに相当する。バイアス補正値は、拡張カルマンフィルター演算部127からSPI115を介してレジスタ132〜134に所定のタイミングでセットされている。α行列演算部135は、式(4−1)の行列演算を実施する。
exp(α)演算部137では、式(5)〜(7)のいずれかの近似演算が、図5に示すコマンドデコーダ114Aのライトコマンドに基づいてレジスタ(図示せず)にセットされた制御信号SelAppで選択され、式(5)〜(7)のいずれかの近似演算が実施される。姿勢変化更新部138は、式(2)に従ってexp(α)演算部137からの最新の姿勢変化データを過去の変化分に掛け合わせた結果をレジスタ139に格納する。レジスタ139に格納された姿勢変化データは、3×3の行列であり、式(2)のCchargeに相当する。Cchargeは、姿勢更新部124からの要求(コマンド信号)に従って例えば40ビット×9出力として、式(2)のCchargeがSPI115を経由して姿勢更新部124に送出される。
4.ハードウェアで構成される姿勢変化算出部
図7は姿勢変化算出部113をハードウェアにて構成した一例を示す回路図である。図7には、図6に示すα行列演算部135及びexp(α)演算部137の機能をハードウェアとして実現する、レジスタ出力等を選択するセレクター141、142、144、145、147、148,レジスタ143、150〜155と、乗算器140と、加算器146とが設けられている。図7に示すレジスタ131〜134、136も、図5に示すレジスタ114Bの具体例である。
図6に示す姿勢変化算出部113の動作のうち、Cレジスタ153の初期化、α行列演算、及び式(5)に示す一次近似による演算動作が、図8(A)〜図8(C)及び図9に示されている。図9のステップ1(ST1)でシステム(処理部100)から姿勢変化の積算開始要求コマンドが入力されると、過去に計算して、Cレジスタ153に記憶(保持)されていた姿勢変化がリセット(消去)される(ST2)。具体的には、図8(A)に示すように、図7に示すCレジスタ153の初期化動作が開始される。乗算器140のX,Y端子と、加算器146のA,B端子に、手順(図8のsequence、以下同様)1〜3にて定数1または0をセットすることで、Cレジスタ153の領域c11,c22,c33が1にセットされ、他の領域に0がセットされる。
図9のステップ3にて角速度が入力されたか否かが判断される。角速度が入力されると(ST3がYES)、図9のST4,5が実施され、る。つまり、図8(B)に示すように、図6に示すα行列演算部135が、式(4)に示すα行列演算を図7に示すハードウェアを用いて実行する手順が示されている。手順1〜4で角速度データがバイアス補正され(図9のST4)、手順4〜7で式(4)の行列演算が実施され(図9のST5)、手順5〜8にてAレジスタ150の9領域a11〜a33に3×3の行列が格納される。図8(B)では、Aレジスタ150の領域a11=a22=a33=0であり、他の領域a12,a13,a21,a23,a31,a32には図8(B)に示すタイミングでの乗算器140の出力opoutまたは加算器146の出力oadderが格納される。
次に、図9のST6が実施される。図8(C)に示すように、図6に示すexp(α)演算部137での式(5)に示す一次近似によるexp(α)演算が、図7に示すハードウェアを用いて実施する手順が示されている。図8(C)では、Aレジスタ150の領域a11,a22,a33には図8(C)に示すタイミンクでの加算器146の出力oadderが格納される(図9のST7)。
図8(A)〜図8(C)に示す姿勢変化の算出動作は、第1周波数f1=7.81kHzで入力される角速度データに対して、第1周期τ=1/f1にて繰り返し実施される。そのため、図9のST8に示すように、システム(処理部100)から姿勢変化の出力要求があったか否かが判定される。図9のST8がNOである限り、図9のST3〜7が繰り返される。出力要求(コマンド信号)があったと判定されると、姿勢変化のデータは、Cレジスタ153を経由してAttレジスタ139を経て、処理部100の姿勢更新部124に送出される(ST9)。なお、Tレジスタ151,Uレジスタ152,T1レジスタ154,T2レジスタ155等は、二次、三次近似計算の時に用いることができる。さらにレジスタを追加することで4次近似計算以上も対応することが可能である。また第1周波数f1=7.81kHzは一例でありさらに高周波数での演算も可能である。
図3の速度/位置算出部126は、式(2)により求められた今回の姿勢変化を用いて、式(1)によって今回の姿勢を算出する。そして、今回の姿勢と、過去に求めた姿勢と、加速度センサー11が検出した加速度とに基づいて、下記の式(8)を演算して、Eフレームでの加速度を求める。なお、fib (t+τ)は時刻t+τにおける加速度であり、時刻t+τの時のIフレームに対するBフレームの加速度をBフレームで表したものである。
Figure 2015094630
…(8)
次に式(8)で求められた加速度と、過去に求めた速度とを用いて、下記の式(9)を演算して、Eフレームでの速度を求める。veb (t)は、時刻tにおけるEフレームに対するbフレームの速度を、Eフレームで表したものである。なお、式(9)では、右辺の第3,4項にて重力と地球の自転の影響が考慮されている。
Figure 2015094630
…(9)
さらに、次に式(9)で求められた今回の速度と過去に求めた速度との平均値と、前回求めた位置とを用いて、下記の式(10)を演算して、Eフレームでの位置を求める。
Figure 2015094630
…(10)
5.比較例
図10は、比較例の動作を説明するためのフローチャートである。図10に示す比較例では、加速度センサー11とジャイロセンサー13からは、同一周波数(図10では500Hz)にて加速度及び角速度が処理部100に入力されている。
ここで、例えば、図10に示す処理部100では、角速度を積分して姿勢を演算する動作や位置の算出を含め、全て500Hzの周波数で実施した場合、処理部100の処理負担は、実施形態のように第2周波数f2=20Hzで演算を行う場合と比較して重くなる。
処理部100の負担を軽減する方法の比較例として、平均化について説明する。
次の式(11)の通り複数データ分(複数周期分)の角速度を乗算せずに足し合わせる。これを平均化と称する。式(11)に示されるように、第1周期τ1毎に1つの座標変換マトリックスを計算するのではなく、所定期間(τ3からnτ3まで)の角速度を加算して、得られた行列を用いて座標変換マトリックスを計算する。本比較例ではn=5周期分の角速度を平均化しているので、exp(α)の計算以降の演算はf=100Hzで行われることになり、計算負荷を軽減することができる。なお、式(11)において、τは第3周期であり、τ=1/fである。
Figure 2015094630
…(11)
式(11)の平均化は、短時間における角速度の変化が比較的少ない車両等を移動体とする場合には誤差が少なく好適に用いることができた。ところが、本実施形態のように歩行運動する移動体は短時間における角速度の変化が比較的大きいため、平均化すると誤差が大きく、姿勢の算出精度が不十分であることが分かった。
図11〜図16は、本実施形態の実施例と比較例とで算出される移動体の位置の誤差を説明する図である。図11〜図16では、二次元位置座標(X,Y)上で、スタート点(0,0)から図の矢印が示すように移動してエンド点(0,0)に戻るシミュレーションを行い、位置算出を行った。各図において、縦軸および横軸は位置座標を表す。単位はメートルである。破線は軌跡の真値を、一点鎖線は本実施形態の結果を、実線は比較例の結果を示している。図11〜図13に採用された本実施例では、第1周波数f1=7.81kHz、第2周波数f2=100Hzとされている。一方、図11〜図13に採用された比較例では、7.81kHzの周波数で検出された角速度を平均化してf=100Hzで姿勢演算を実施した。移動体としては人間を想定し、ダッシュ(全力で走行)、ランニング(駆け足)、歩行の3種類の方法で移動した場合について比較した。
図11は移動体がダッシュで移動した例であり、図12は移動体がランニングで移動した例であり、図13は移動体が歩行により移動した例である。図11〜図13では、本実施例での算出結果は真値とほぼ一致し、誤差はほとんど生じていない。これに対して、比較例の算出結果はいずれも誤差が大きく、角速度変化が大きい図11ではほとんど再現性がない算出結果となった。
図14〜図16に採用された本実施例では、第1周波数f1=7.81kHz、第2周波数f2=20Hzとされている。一方、図14〜図16に採用された比較例では、図11〜図13と同様に7.81kHzの周波数で検出された角速度を平均化してf=100Hzで姿勢演算を実施した。
図14は移動体がダッシュで移動した例であり、図15は移動体がランニングで移動した例であり、図16は移動体が歩行により移動した例である。第2周波数f2を低く設定した結果として、図14〜図16に示す実施例での算出結果は、図11〜図13に示すものと比較すると誤差は大きくなった。しかし、本実施例よりも高い周波数の100Hzで計算された比較例よりも誤差は少なくいことが分かる。図16から分かるように、歩行程度の角速度の変化であれば、第2周波数f2が20Hzと低い値であっても、移動体の移動を充分に再現できることが分かる。したがって、実施形態において、姿勢の更新をf1>f2≧20Hzで行うことで、演算の負荷を抑制し、かつ、移動体の姿勢を適切に算出することができる。
6.変形例
本発明を適用可能な実施形態は、上記の第1〜第3の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。以下、変形例について説明する。なお、上記実施形態と同一の構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
6−1.システムの全体構成
図17は、図3に示すジャイロセンサーICの機能ブロックを処理部100に取り込み、処理部の主要機能をハードウェアとした変形例での動作フローチャートを示している。ここで、図17に示すST41〜ST43は図4のST12〜ST14と同じである。また、図17に示すST51〜ST57は図4に示すST21、ST23〜ST28と同じである(ST22に相当する動作が省略されている)。演算の内容自体は図4の実施形態と同様であるので説明を省略し、図4の実施形態と異なる部分を説明する。図17では、第1周波数f1=10kHzとし、第2周波数f2=1kHz、第3周波数f3=1kHzとして、図3に示す加算平均部123を不要とした。この場合でも、上述した実施形態と同様に姿勢変化算出部113はハードウェア化されているので、CPUに負担をかけずに重い演算をハードウェアにて実施できる。
加えて、姿勢更新部124もハードウェア化されているので、上述の実施形態の第2周波数f2=20Hzよりも格段に高いf2=1kHzとすることができ、姿勢更新も精度高く実施することができる。
6−2.姿勢算出装置
上記の実施形態では、位置算出装置1が姿勢算出装置の機能を含む例を説明したが、姿勢算出装置を独立の装置として構成してもよい。例えば、ジャイロセンサー13と、ジャイロセンサーIC14と、姿勢更新部124とを含む機器とすることが可能である。
6−3.姿勢変化算出部
上記の実施形態では、姿勢変化算出部113がハードウェアである例を中心に説明したが、姿勢変化算出部113はソフトウェアで構成することも可能である。この場合、姿勢変化算出部113は処理部100の一部として構成してもよい。
6−4.GPSセンサー
上記の実施形態では、位置算出装置1がGPSセンサー15を備える例を説明したが、GPSセンサーは省略してもよい。
6−5.移動体
上記の実施形態では、移動体として人間を例として説明したが、移動体は人間に限定されない。平均化を適用して算出した姿勢または位置の誤差が許容できない場合には、本発明を適用することで効果を得ることができる。例えば、生体は人間以外の動物であってもよい。移動体の動作は歩行やランニングに限定されず、跳躍、遊泳、滑走、または飛行等であってもよい。生体のエネルギーを動力源として移動する移動体の例としては、スキー板、スケート靴、自転車、ハンググライダー、ボート、橇等が例示できる。IMU10は、生体に装着しても、生体のエネルギーを動力源として移動する移動体に装着してもよい。
本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。なお、第1,第2座標系は三次元に限らず二次元であっても良い。
1 位置算出装置、10 センサーデバイス、11 加速度センサー、13 ジャイロセンサー(センサー素子)、14 ジャイロセンサーIC(センサー用IC)、100 ホスト端末、110 検出部、111 A/D変換器、113 姿勢変化算出部、114 MPU(制御部)、124 姿勢更新部、125 座標変換部、126 速度/位置算出部、130 乗算器、146 加算器

Claims (10)

  1. センサー素子からの信号に基づいて角速度信号を検出する検出部と、
    前記検出部からのアナログの信号をデジタルの信号に変換するAD変換部と、
    前記AD変換部からの信号に基づき所定期間内での前記移動体の姿勢変化を算出する姿勢変化算出部と、
    を有することを特徴とするセンサー用IC。
  2. 請求項1記載のセンサー用ICにおいて、
    前記姿勢変化算出部は、
    exp([αib (t+τ)]×)exp([αib (t+2τ)]×)・・・exp([αib (t+kτ)]×)
    を演算する、センサー用IC。
    ただし、τ=1/f1であり、kは(f1/f2)−1<k≦f1/f2を満たす整数であり、tは時刻であり、[αib (t+nτ)]は時刻t+nτ(ただしnは1≦n≦kを満たす整数)における前記角速度から求めた回転行列である。
  3. 請求項1または2に記載のセンサー用ICにおいて、
    外部から入力されるコマンド信号に基づいて前記姿勢変化算出部を制御する制御部をさらに有することを特徴とするセンサー用IC。
  4. 請求項3に記載のセンサー用ICにおいて、
    前記制御部は、前記コマンド信号に基づいて前記姿勢変化算出部での算出演算の開始と終了を設定することを特徴とするセンサー用IC。
  5. 請求項1または2に記載のセンサー用ICにおいて、
    外部から入力されるコマンド信号をデコードするコマンドデコーダと、
    前記コマンドデコーダでのデコード結果に基づいて、前記姿勢変化算出部を制御する値が設定されるレジスタと、
    をさらに有することを特徴とするセンサー用IC。
  6. 請求項5に記載のセンサー用ICにおいて、
    前記コマンドデコーダは、前記コマンド信号に基づいて前記姿勢変化算出部での算出演算の開始及び終了を前記レジスタに設定することを特徴とするセンサー用IC。
  7. 請求項2に記載のセンサー用ICにおいて、
    前記姿勢変化算出部は、exp([α(t+nτ)]×)の近似演算を実施する加算器及び乗算器を含むハードウェアにて構成されることを特徴とするセンサー用IC。
  8. センサー素子と、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載のセンサー用ICと、
    を有することを特徴とするセンサーデバイス。
  9. センサー素子と、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載のセンサー用ICと、
    を有することを特徴とする電子機器。
  10. センサー素子と、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載のセンサー用ICと、
    を有することを特徴とする移動体。
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