JP2015094093A - 屋上設置設備の支持部材を兼用した基礎 - Google Patents

屋上設置設備の支持部材を兼用した基礎 Download PDF

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Abstract

【課題】ビルの屋上に設置する屋上設置設備を支持する基礎において、雨水の浸入可能経路をなくすことで防水性を高めて、長期に亘って基礎の腐食を防止することである。【解決手段】アンカー体A1は、1本ロッド状をなしていて、コンクリート層Cに穿孔されたアンカー孔Hに樹脂接着剤Jを介して下端部が固着状態で埋設されるアンカーロッド1と、当該アンカーロッド1の高さ方向の途中に水密を保持して一体に取付けられた1枚の受圧板2とを備え、前記コンクリート層Cの表面を覆う防水層Dと前記受圧板2との間の空間部に水密シール材Sが、当該防水層Dとの必要ラップ長Nを確保して充填されて、屋上設置設備の自重、或いは当該屋上設置設備に作用する下方成分を有する風圧が、押付荷重となって前記アンカーロッド1に作用することで、前記水密シール材Sが常時加圧されて、基礎の部分の水密が保持される構成とする。【選択図】 図6

Description

本発明は、ビルの屋上に設置するソーラーパネル等の屋上設置設備を支持するために、当該屋上のコンクリート層に一部が埋設される屋上設置設備の基礎に関するものである。
ビルの屋上に、例えばソーラーパネル(太陽光発電装置)を設置する場合には、当該ソーラーパネルの全体を支持する基礎を、屋上のコンクリート層の表面に設置する必要がある。
従来の基礎の一つとして、特許文献1に記載のものが知られている。この基礎は、上面の中央部に支持柱固定部が一体に設けられて、複数本のアンカーを介して押えコンクリートに固定される基板と、当該基板の支持柱固定部に螺合される支持柱本体と、当該支持柱本体の上端部に螺合される天板支持部と、前記支持柱本体の高さ方向の中央部に螺合されて、前記支持柱固定部の外側を覆って、前記基板の上面を覆う防水シートを押え付ける押え具の独立した複数の部品を備えていて、複数の部品を組み付けて使用される。
このように、特許文献1に記載の基礎は、複数の部品を組み付けて構成されているために、施工に手間がかかり、しかも部品の組付け部に不可避的に形成される隙間は、雨水の浸入可能経路となって、支持架台を構成する部品が腐食され易く、結果として、基礎自体の寿命が短くなる。
また、別の基礎として、図15に示されるものが知られている。この別の基礎は、断熱層Eの切欠空間101に配置されて、コンクリート層Cの上面に複数のアンカー102を介して固定される基台103と、当該基台103に螺合される円筒状の連結筒体104と、当該連結筒体104の上端部に螺合されたねじロッド体105と、当該ねじロッド体105の全体を覆う上カバー106との別体の部品を組み付ける構成であって、前記連結筒体104の下端部には、上下2枚の防水層Dの間に挿入配置される防水基板107が一体に設けられ、前記ねじロッド体105には、前記防水基板107の中央凸部を覆う下カバー108で覆われている。
上記した別の基礎においても、特許文献1に記載の支持架台と同様に、複数の部品を組み付けて構成されているために、施工に手間がかかり、しかも、特許文献1に記載の基礎よりも部品数が多い分、部品の組付け部の数が増加して、当該組付け部に不可避的に形成される隙間は、図15で矢印群で示されるような雨水の浸入可能経路となって、基礎を構成する部品が腐食され易い。また、アンカー102の打設ピッチQが小さいために、コンクリートの爆裂、又は亀裂の恐れがあった。
特開2011−58216号公報
本発明の課題は、ビルの屋上に設置する屋上設置設備を支持する基礎において、全体が単一の部品から成るアンカー体と、水密シール材に作用する加圧力との相乗によって、雨水の浸入可能経路をなくすことで防水性を高めて、長期に亘って基礎の腐食を防止することである。
上記課題を解決するための請求項1の発明は、ビルの屋上に設置するソーラーパネル等の屋上設置設備を支持するために、当該屋上のコンクリート層に一部が埋設される屋上設置設備の基礎であって、アンカー体は、1本ロッド状をなしていて、前記コンクリート層に穿孔されたアンカー孔に樹脂接着剤を介して下端部が固着状態で埋設されるアンカーロッドと、当該アンカーロッドの高さ方向の途中に水密を保持して一体に取付けられた1枚の受圧板とを備え、前記コンクリート層に積層された防水層と前記受圧板との間の空間部に水密シール材が、当該防水層との必要ラップ長を確保して充填されて、前記屋上設置設備の自重、或いは当該屋上設置設備に作用する下方成分を有する風圧が、押付荷重となって前記アンカーロッドに作用することで、前記防水層と前記受圧板との間に配置された前記水密シール材が常時加圧されて、前記基礎の部分の水密が保持される構成であることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、1本ロッド状をなしているアンカーロッドの下端部の所定長の部分は、屋上のコンクリート層に穿孔されたアンカー孔に樹脂接着剤を介して固着状態で埋設され、コンクリート層の上面を覆う防水層と、アンカーロッドに一体に設けられていて、当該防水層の上方に所定間隔をおいて配置された受圧板との間には、水密シール材が充填され、屋上設置物の自重、或いは屋上設置物に作用する下方成分を有する風圧は、アンカーロッドに対して押付荷重として作用し、当該押付荷重により前記水密シール材は、常時加圧された状態を維持している。しかも、アンカーロッドに一体に設けられた受圧板と、コンクリート層に積層された防水層とは、必要なラップ長を有して互いに積層状態に配置されているため、当該受圧板の水平方向の変位に対して水密シール材が追従し易い構造となっている。これらに加えて、アンカーロッドのコンクリート層に埋設された部分、及び水密シール材の接触する部分は、樹脂接着剤による固着強度、及び水密性の双方が高められている。このため、請求項1の発明に係るアンカー体は、単一部品で構成されているために、部品同士の組付け部が存在しないことと、コンクリート層のアンカー孔に対してアンカーロッドが埋設された状態では、前記水密シール材及び樹脂接着剤の上記作用とが相乗して、水の浸入可能経路が形成されることは、殆どないので、長期に亘って高い水密性が確保されて、長期に亘って基礎を構成するアンカー体、及びその周辺部の腐食が防止される。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記受圧板の裏面側には、リング厚円盤状をしたゴム製のシール体が一体に設けられていることを特徴としている。
請求項2の発明によれば、リング厚円盤状をしたゴム製のシール体の内側のシール材充填凹部に水密シール材が充填される構成であるため、当該水密シール材と、アンカー体に一体に設けられたゴム製のシール体との双方によって、シール作用が奏されると共に、リング厚円盤状をしたシール体によって、充填された水密シール材が加圧されても、外方に移動しないために、水密シール材が漏出しにくくなって、シール性が一層に高められる。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記コンクリート層と防水層との間には、断熱層が配置されて、当該断熱層における前記アンカーロッドの周囲には、切欠孔部が形成され、当該切欠孔部に前記水密シール材が充填されていることを特徴としている。
コンクリート層と防水層との間に断熱層が設けられている場合には、当該断熱層と、当該断熱層を貫通するアンカーロッドとの接続部に水の浸入可能経路が形成され易くなる。そこで、請求項3の発明は、断熱層におけるアンカーロッドの周囲を欠落させた切欠孔部に、防水層と受圧板との間に充填された水密シール材が連続して充填されることで、アンカーロッドと断熱層との間のシール性(水密性)が高められて、当該部分に水の浸入可能経路が形成されるのを抑制でき、基礎を構成するアンカー体及びその周囲の部分の腐食を防止できる。
請求項4の発明は、ビルの屋上に設置するソーラーパネル等の屋上設置設備を支持するために、当該屋上のコンクリート層に一部が埋設される屋上設置設備の基礎であって、アンカー体は、1本ロッド状をなしていて、前記コンクリート層に穿孔されたアンカー孔に樹脂接着剤を介して下端部が固着状態で埋設されるアンカーロッドと、当該アンカーロッドの高さ方向の途中に、当該高さ方向に沿って所定の間隔をおいて、当該アンカーロッドに対して水密を保持して一体に取付けられた上下2枚の受圧板及び上板とから成り、前記コンクリート層と、当該コンクリート層に積層された防水層との間に下方の受圧板が配置され、前記防水層と上板との間に水密シール材が、当該防水層との必要ラップ長を確保して充填されて、前記アンカーロッドの埋設部の水密が保持されることを特徴としている。
請求項4の発明によれば、下方の受圧板は、コンクリート層と防水層との間に配置されて、アンカーロッドに作用する押付荷重を受ける。アンカーロッドにおけるコンクリート層に埋設された部分は、請求項1の発明と同様に、樹脂接着剤による固着強度及び水密性の双方が高められていると共に、アンカーロッドにおける防水層から上方の部分は、当該防水層と、アンカーロッドに一体に設けられた上板との間のシール材充填空間に充填された水密シール材により、水密性が高められることと、アンカー体が、複数の部品を組み付けた組付け構造ではなくて、1部品から成る一体構造であることとが相俟って、アンカーロッドのコンクリート層に対する埋設部、及び当該埋設部の上方の水密シール材で覆われている部分に、浸水可能経路が形成されなくなる。この結果、基礎を構成するアンカー体及びその周辺部の腐食を長期に亘って防止できる。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記アンカー体は、ステンレスで製作されていることを特徴としている。
請求項5の発明によれば、ステンレスは材質的に腐食しないので、アンカー体の腐食防止の効果が一層に高められる。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記アンカーロッドの上端部には、前記屋上設置設備を支持する水平架設材が、当該水平架設材に作用する浮上力を吸収する圧縮バネを介して取付けられていることを特徴としている。
屋上に設置された屋上設置設備には、風圧の方向によって浮上力が作用したり、或いは風圧の作用により振動が生じたりすることがある。請求項6の発明によれば、屋上設置設備を支持する水平架設材は、アンカーロッドの先端部に、当該水平架設材に作用する浮上力を吸収する圧縮バネを介して取付けられているので、上記した浮上力、或いは振動は、当該圧縮バネにより効果的に吸収される。浮上力の吸収により、コンクリート層に下端部が埋設されているアンカーロッドに引抜き力が作用するのを防止できて、コンクリート層に対するアンカーロッドの固着力、或いは水密シール材のシール性の低下を防止できる。また、前記振動の振動波が原因となって周囲に超音波が発生して、ビル内に居住する人の人体に対して健康上の悪影響を及ぼすことがあるが、当該振動の発生の防止により、超音波に起因する健康上の悪影響を抑制できる。
本発明によれば、屋上設置物の自重、或いは屋上設置物に作用する下方成分を有する風圧は、アンカーロッドに対して垂直荷重として作用し、当該垂直荷重により前記水密シール材は、常時加圧された状態を維持するために、アンカーロッドの埋設部の水密性が増すこと、アンカー体が一体構造(一品構造)であることとが相俟って、コンクリート層に埋設された部分を含めてアンカー体の周囲に浸水可能経路が形成されなくなって、当該アンカー体の腐食を長期に亘って防止できる。
実施例1の基礎の断面図である。 アンカー体A1 を下方から見た斜視図である。 (a),(b)は、それぞれコンクリート層Cに穿孔されたアンカー孔H、及び当該アンカー孔Hに樹脂接着剤Jが充填された状態の断面図である。 防水層Dとアンカー体A1 の受圧板2との間、並びに防水層D及び断熱層Eの各切欠孔部21,22にそれぞれ水密シール材Sが充填された状態の断面図である。 アンカー体A1 を構成するアンカーロッド1の上端部において第1水平架設材71が支持されている状態の斜視図である。 同じく分解斜視図である。 縦横の多数のアンカー体A1 によって多数枚のソーラーパネル73が支持された状態の全体斜視図である。 実施例2の基礎の断面図である。 実施例3の基礎の断面図である。 実施例4の基礎の断面図である。 実施例4の基礎に使用されるアンカー体A3 の斜視図である。 (a),(b)は、それぞれコンクリート層Cにアンカー体A3 の埋設部1aを埋設した状態、及びアンカー体A3 の受圧板2とコンクリート層Cとの間に、分割断熱体16が嵌め込まれた状態の断面図である。 (a),(b)は、それぞれコンクリート層Cの上面を断熱層Eで覆った状態、及び断熱層E及び分割断熱体16の上面を防水層Dで覆った状態の断面図である。 (a),(b)は、それぞれアンカー体A3 の上板13と防水層Dとの間に水密シール材Sが充填された状態、及び当該水密シール材Sの外側に別の周縁水密シール材S’が充填された状態の断面図である。 多数の部品を組み付けて構成される従来の基礎の断面図である。
以下、複数の実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明する。なお、基礎の施工には、コンクリート層Cの上面に防水層D、或いは断熱層E及び防水層Dが施工された後に、アンカー体A1 ,A2 の下端部をコンクリート層C内に埋設して、基礎を施工する「後施工」と、コンクリート層Cにアンカー体A3 を埋設して基礎を施工した後において、コンクリート層Cの上面に防水層D、或いは断熱層E及び防水層Dを施工する「先施工」とがある。本発明に係る基礎は、「後施工」及び「先施工」の双方において実施可能であるが、「後施工」において特に有効に作用するので、「後施工」を主体にして説明する。
実施例1の基礎は、「後施工」によるものであって、コンクリート層Cの上面に断熱層Eが設けられ、当該断熱層Eの上面は、防水層Dで覆われて、防水されている。断熱層Eは、硬質ウレタン等の適宜の断熱材で構成され、防水層Dは、例えば、アスファルト層で構成され、実施例1では、2層のアスファルト層から成る。断熱層E及び防水層Dの厚さは、実施例1では、それぞれ25〜50mm,4〜8mm程度である。
実施例1の基礎に使用されるアンカー体A1 について説明する。アンカー体A1 は、縦横の第1及び第2の各水平架設材71,72を介して多数枚のソーラーパネル73を支持する部材であって、図1、図2及び図5に示されるように、アンカーロッド1の軸方向の中央部よりも下端側に寄った部分に、円形の受圧板2が一体に設けられて、当該受圧板2の裏面側に、EPDMから成るリング厚円盤状のシール体3が設けられて、当該シール体3の内側に形成された凹部は、シール材充填凹部4となった構成である。アンカーロッド1における受圧板2よりも下方の部分(首下部分)のうち下端部は、コンクリート層Cに埋設される埋設部1aとなる。アンカーロッド1の下端面は、傾斜面に形成されることで、コンクリート層Cに穿孔されたアンカー孔Hに突刺し易いように、尖鋭な突刺部1bに形成されている。当該シール体3の外周縁は、受圧板2の外周縁よりも内側に位置していて、アンカー体A1 のアンカーロッド1の下端部がコンクリート層Cに埋設されて、前記シール体3が防水層Dに密着した状態において、必要に応じて、当該防水層Dと受圧板2との間に、周縁部をシールして水密を確実にするための水密シール材Sを充填する周縁部充填空間6(図4参照)となる部分である。アンカーロッド1及び受圧板2は、いずれもステンレスで製作され、アンカーロッド1の外周面には、全長に亘って雄ねじが形成されている。受圧板2の上面には、当該受圧板2の補強のために、複数枚の三角形状のリブ板5が配置されて、当該受圧板2及びアンカーロッド1に、それぞれ溶接されている。また、アンカーロッド1は、受圧板2の中央部に形成された挿通孔2a(図1及び図2参照)に挿通され、当該挿通孔2aとアンカーロッド1との隙間は、当該受圧板2の上面において全周に亘って溶接W(図1及び図5参照)されることで、アンカーロッド1と受圧板2との接合部の水密が保持されている。
次に、図1〜図7を参照して、実施例1の基礎の施工順序について説明する。最初に、ソーラーパネル73を設置するビルの屋上において、上記した防水層Dの表面を清掃して、コンクリート層Cに対してアンカー体A1 を打設する複数の位置を罫書いておく。図7に示されるように、アンカー体A1 の打設位置は、縦横にそれぞれ一定間隔をおいて設けられる。
次に、図3に示されるように、コンクリート層Cに、穿孔工具81を用いて、アンカー孔Hを穿孔するのであるが、防水層D及び断熱層Eにおける当該アンカー孔Hが穿孔される部分には、アンカー体A1 を構成するアンカーロッド1の外径の2〜3倍の内径の切欠孔部21,22を形成しておく。この状態で、コンクリート層Cに、穿孔工具81を用いて、前記アンカーロッド1の外径よりも僅かに大きな内径を有するアンカー孔Hを穿孔する〔図3(a)〕。アンカー孔Hの深さ、即ち、コンクリート層Cに対するアンカーロッド1の埋設長Lは、必要な耐引抜き強度、及び剪断力が得られるように定める。アンカーロッド1の埋設長Lは、当該アンカーロッド1の外径が16mmの場合において、60mm程度となる。その後に、アンカー孔Hに対してアンカーロッド1を固着させるための樹脂接着剤Jを充填する〔図3(b)〕。アンカーロッド1は、全長に亘って外周面に雄ねじが形成されているため、埋設部1aにおいては、外周面のねじ部にも樹脂接着剤Jが入り込むために、コンクリート層Cに対するアンカーロッド1の固着力が一層に高まる。なお、図3(b)において、82は、樹脂接着剤Jを収容しているチューブを示す。
次に、図4に示されるように、防水層D及び断熱層Eに設けられた各切欠孔部21,22に水密シール材Sを充填しておく。また、アンカー体A1 の受圧板2の裏面側のシール材充填凹部4に、同様の水密シール材Sをシール体3の下端面から盛り上がる程度の厚さに十分に塗布し、この状態で、アンカー体A1 のアンカーロッド1の埋設部1aを、予め樹脂接着剤Jが充填されているアンカー孔Hに押し込んで、当該アンカー孔Hに対してアンカー体A1 を装填し、樹脂接着剤J及び水密シール材Sが硬化するまで放置しておく。樹脂接着剤J及び水密シール材Sの硬化初期において、アンカーロッド1が防水層Dに対して傾くことなく垂直になっていること、及び防水層Dとアンカー体A1 のシール体3とが全周に亘って密着していることを確認する。この状態では、アンカー体A1 の受圧板2の周縁部と防水層Dとの間に、別の水密シール材S’を充填可能な周縁部充填空間6が形成される。
防水層Dに不陸部が存在する等して、当該防水層Dと、アンカー体A1 のシール体3との間に隙間が存在している場合には、アンカーロッド1の埋設部1aに対する水密性が低下するので、上記した周縁部充填空間6に水密シール材Sを充填して、受圧板2の周縁部のシール処理を行う。なお、図1において、受圧板2の周縁部に施された2点鎖線は、周縁シール処理部7を示す。
図1に示されるように、巻上げ処理なしの防水層Dと、シール機能を果す水密シール材S及びアンカー体A1 のシール体3とは、大きなラップ長Nを有しているシール構造であるために、アンカー体A1 と水密シール材Sとは、水平方向の変位に対して追従し易いので、変位に対して高いシール構造となる。
アンカーロッド1の上端部には、後述のように、ソーラーパネル73を支持する第1水平架設材71が複数のナット74及び圧縮バネ75を介して固定され、当該アンカーロッド1におけるリブ板5よりも上方の長さKが長いので、第1水平架設材71の配置高さ、即ち、ソーラーパネル73の配置高さを調整できる範囲が広くなる。
図1、図5〜図7に示されるように、上記のようにして、縦横に一定のピッチをおいて、多数本のアンカー体A1 を構成するアンカーロッド1の下端部の埋設部1aがコンクリート層Cに埋設されて、防水層Dからは、アンカーロッド1における受圧板2よりも上方の部分が突出される。
また、図5及び図6に示されるように、みぞ形鋼から成る第1水平架設材71は、下板部71aに設けられた長孔76に、アンカーロッド1の上端部が挿通されて、当該下板部71aの上下にそれぞれナット74が螺合され、当該下板部71aと上方のナット74との間に圧縮バネ75が介装されている。このため、ソーラーパネル73に上方成分を有する風圧が作用する等して、当該第1水平架設材71に対して浮上力又は振動が作用した場合にのみ、圧縮バネ75が圧縮されて、当該浮上力又は振動が吸収されることで、当該浮上力又は振動がアンカーロッド1に対して引抜き力として作用しない構造にしてある。
一方、ソーラーパネル73の自重、或いは当該ソーラーパネル73に下方成分を有する風圧が作用した場合の風圧力によって、第1水平架設材71に対して押付け力F(図1参照)が作用する場合には、当該押付け力Fは、防水層Dとアンカー体A1 の受圧板2との間に充填された水密シール材Sに対して加圧力P(図1参照)として作用する。これにより、当該水密シール材Sは常に加圧されて、アンカー体A1 の受圧板2、防水層D及び断熱層E及びアンカーロッド1の埋設部1aに対する水密シール材Sの密着力が高められて、アンカーロッド1の埋設部1a及びその周辺部に対する水密性が高められることと、アンカー体A1 が一体構造であって、複数の部品を組み付けて構成されたものでないため、各部品の組付け部に水の浸入可能経路が形成されることがないこととが相俟って、基礎自体の腐食が防止される。なお、図1及び図6において、77は、第1水平架設材71の下板部71aと下方のナット74との間に配置されるゴム製の振動吸収用のスペーサを示し、78は、座金を示す。
実施例1の基礎は、アンカー体A1 に受圧板2の裏面に一体に取付けられたゴム製のシール体3と、当該シール体3の内側のシール材充填凹部4に充填される水密シール材Sとの双方によって、シール作用が果されるために、アンカーロッド1の埋設部1aのシール性が高められると共に、前記シール体3の存在により、当該シール体3の内側のシール材充填凹部4に充填される水密シール材Sが外方に移動できないために、当該水密シール材Sの漏出も防止できる利点がある。
図8に示される実施例2の基礎は、同じく「後施工」に係るものであって、実施例1と同一のアンカー体A1 が使用されるが、当該アンカー体A1 が埋設されるコンクリート層Cの表面は、断熱層Eが設けられることなく、直接に1層の防水層Dで覆われている点が異なるのみである。アンカー体A1 は、「後施工」によりコンクリート層Cに埋設される点、アンカー体A1 の受圧板2の裏面に設けられたシール体3の内側のシール材充填凹部4に、水密シール材Sをシール体3の底面を越えるまで十分に塗布した状態で、当該アンカー体A1 をコンクリート層Cに埋め込む点も、実施例1と同一である。従って、実施例2においても、ソーラーパネル73の自重、或いは当該ソーラーパネル73に下方成分を有する風圧が作用する際の風圧力によって、第1水平架設材71に対して押付け力Fが作用する場合には、当該押付け力Fは、防水層Dとアンカー体A1 の受圧板2との間に充填された水密シール材Sに対して加圧力P(図8参照)として作用して、アンカーロッド1の埋設部に対するシール性(水密性)が高められることは、実施例1と同一である。
図9に示される実施例3の基礎は、同じく「後施工」に係るものであって、アンカー体A2 が使用される。アンカー体A2 は、前記アンカー体A1 において受圧板2の裏面に一体に設けられたシール体3が欠落されて、当該受圧板2の裏面側には、何も設けられていない。
コンクリート層Cの表面は、断熱層Eを介して2層の防水層Dで覆われている。このため、図9に示されるように、穿孔工具81によって、コンクリート層Cにアンカー孔Hを穿孔する際に、防水層D及び断熱層Eにロッド挿通孔31,32を同時に穿孔する。その後に、アンカー孔Hに樹脂接着剤Jを充填しておくと共に、アンカー体A2 の受圧板2の裏面に水密シール材Sを十分な厚さに塗布した状態で、アンカー体A2 のアンカーロッド1の埋設部1aを、ロッド挿通孔31,32に挿通させて、アンカー孔Hに埋設することで、アンカー体A2 の受圧板2と防水層Dとの間に、水密シール材Sを充填させる。水密シール材Sの外周縁には、別の水密シール材S’によって周縁シール処理を行う。
実施例3の基礎においても、ソーラーパネル73の自重、或いは当該ソーラーパネル73に下方成分を有する風圧が作用する際の風圧力によって、第1水平架設材71に対して押付け力Fが作用する場合には、当該押付け力Fは、防水層Dとアンカー体A2 の受圧板2との間に充填された水密シール材Sに対して加圧力P(図9参照)として作用して、アンカーロッド1の埋設部1aに対するシール性(水密性)が高められることは、実施例1,2と同一である。
実施例4の基礎は、図10〜図14に示されるように、「先施工」によるものであって、アンカー体A3 が使用される。コンクリート層Cの上面は、断熱層Eを介して防水層Dで覆われた構造である。アンカー体A3 は、図10及び図11に示されるように、ステンレスで製作されたアンカーロッド11の軸方向の中央部よりも下端の側に、受圧板12及び上板13が軸方向に沿って所定の間隔をおいて、当該アンカーロッド11に溶接Wにより水密を保持して一体に取付けられた構成である。上板13は、受圧板12よりも上方に配置されて、その上面側において複数のリブ板14によって補強されている。アンカーロッド11における受圧板12よりも下方の部分が、コンクリート層Cに穿孔されたアンカー孔Hに埋め込まれる埋設部11aとなり、当該埋設部11aの下端部は、尖鋭な突刺部11b となっている。相上下する受圧板12及び上板13の間の環状空間は、シール材充填空間17となる。
次に、図12〜図14を参照して、実施例4の基礎の施工順序について説明する。なお、説明済の実施例1の基礎の施工順序と同一の部分は、図示及び説明を略す。図12(a)に示されるように、樹脂接着剤Jが充填されたコンクリート層Cのアンカー孔Hに対してアンカーロッド11の埋設部11aを埋め込んで、当該樹脂接着剤Jの硬化後において、コンクリート層Cの上面と、アンカー体A3 の受圧板12との間に形成された断熱体配置空間15に、厚円盤状の断熱体を二分割した分割断熱体16を配置させる〔図12(b)参照〕。
次に、図13(a)に示されるように、コンクリート層Cの上面に断熱層Eを設ける。当該断熱層Eにおける分割断熱体16を取り囲む部分は、円形に欠落されている。その後に、図13(a)に示されるように、断熱層Eの上面を2層の防水層Dで覆う。
次に、図14に示されるように、アンカー体A3 に相上下した一体に取付けられた受圧板12と上板13との間のシール材充填空間17に水密シール材Sを充填し、更に、充填された水密シール材Sの外側に別の水密シール材S’を充填して、周縁シール処理部18を設けることで、シール性(水密性)を確実にすると、図11に示されるように、実施例4の基礎が完成する。なお、図14において、Nは、防水層Dと水密シール材S(S’)とのラップ長を示し、83は、シール材充填器を示す。
実施例4の基礎においても、風圧により、ソーラーパネル73に作用する浮上力、或いはソーラーパネル設備に発生する振動は、第1水平架設材71をアンカーロッド11に取付けている部分に配設された圧縮バネ75により吸収されることで、当該アンカーロッド11に引抜き力が作用しなくなる。また、ソーラーパネル設備の自重、或いは下方成分を有する風圧によりアンカーロッド11に作用する押付け力Fは、大きな面積を有する受圧板12により受け止められる。
また、アンカーロッド11における受圧板12と上板13との間のシール材充填空間17には、水密ール材Sが充填されて、当該アンカーロッド11の周囲を囲んでいると共に、当該水密ール材Sの外側は、別の水密シール材S’によって周縁シール処理部18が設けられており、更に、防水層Dと、水密シール材S(S’)とは、大きなラップ長Nを有してオーバーラップしているため、基礎の部分は、高い水密性が確保されている。この高い水密性と、アンカー体A3 は、アンカーロッド11に受圧板12及び上板13が溶接Wにより一体に固着されて、全体が1部品からなって、複数部品の組付け部が存在しないために、水の浸入可能経路が形成されない構造とが相俟って、基礎の部分は、全体として高い水密性が確保されて腐食しにくい構造となる。
また、実施例1〜4の基礎に用いられるアンカー体A1 〜A3 を構成するアンカーロッド1,11は、いずれもステンレスで製作されているが、アンカーロッド1,11は、材質自体からして、腐食しないために、基礎の腐食を一層確実に防止できる利点がある。しかし、本発明においては、アンカーロッドは、ステンレスから成ることが好ましいが、材質として、ステンレスに限定されるものではなく、他の金属から成っていてもよい。
また、実施例1〜4では、基礎が支持する屋上設置設備として、ソーラーパネル設備を挙げて説明したが、本発明に係る基礎の支持対象は、ソーラーパネル設備に限定されず、ビルの屋上に設置される設備であれば、いかなる設備であっても支持可能である。
1 〜A3 :アンカー体
C:コンクリート層
D:防水層
E:断熱層
F:押付け力
H:アンカー孔
J:樹脂接着剤
L:アンカーロッドの埋設長
N:防水層と水密シール材とのラップ長
P:水密シール材に作用する加圧力
S:水密シール材
1,11:アンカーロッド
2,12:受圧板
3:シール体
13:上板
21:防水層の切欠孔部
22:断熱層の切欠孔部
71:第1水平架設材(屋上設置設備)
72:第2水平架設材(屋上設置設備)
73:ソーラーパネル(屋上設置設備)
75:圧縮バネ
本発明は、ビルの屋上に設置するソーラーパネル等の屋上設置設備を支持するために、当該屋上のコンクリート層に一部が埋設される屋上設置設備の支持部材を兼用した基礎に関するものである。
ビルの屋上に、例えばソーラーパネル(太陽光発電装置)を設置する場合には、当該ソーラーパネルの全体を支持する基礎を、屋上のコンクリート層の表面に設置する必要がある。
従来の基礎の一つとして、特許文献1に記載のものが知られている。この基礎は、上面の中央部に支持柱固定部が一体に設けられて、複数本のアンカーを介して押えコンクリートに固定される基板と、当該基板の支持柱固定部に螺合される支持柱本体と、当該支持柱本体の上端部に螺合される天板支持部と、前記支持柱本体の高さ方向の中央部に螺合されて、前記支持柱固定部の外側を覆って、前記基板の上面を覆う防水シートを押え付ける押え具の独立した複数の部品を備えていて、複数の部品を組み付けて使用される。
このように、特許文献1に記載の基礎は、複数の部品を組み付けて構成されているために、施工に手間がかかり、しかも部品の組付け部に不可避的に形成される隙間は、雨水の浸入可能経路となって、支持架台を構成する部品が腐食され易く、結果として、基礎自体の寿命が短くなる。
また、別の基礎として、図15に示されるものが知られている。この別の基礎は、断熱層Eの切欠空間101に配置されて、コンクリート層Cの上面に複数のアンカー102を介して固定される基台103と、当該基台103に螺合される円筒状の連結筒体104と、当該連結筒体104の上端部に螺合されたねじロッド体105と、当該ねじロッド体105の全体を覆う上カバー106との別体の部品を組み付ける構成であって、前記連結筒体104の下端部には、上下2枚の防水層Dの間に挿入配置される防水基板107が一体に設けられ、前記ねじロッド体105には、前記防水基板107の中央凸部を覆う下カバー108で覆われている。
上記した別の基礎においても、特許文献1に記載の支持架台と同様に、複数の部品を組み付けて構成されているために、施工に手間がかかり、しかも、特許文献1に記載の基礎よりも部品数が多い分、部品の組付け部の数が増加して、当該組付け部に不可避的に形成される隙間は、図15で矢印群で示されるような雨水の浸入可能経路となって、基礎を構成する部品が腐食され易い。また、アンカー102の打設ピッチQが小さいために、コンクリートの爆裂、又は亀裂の恐れがあった。
特開2011−58216号公報
本発明の課題は、ビルの屋上に設置する屋上設置設備を支持する基礎において、屋上設置設備の支持部材を兼用していて、全体が単一の部品から成るアンカー体と、水密シール材に作用する加圧力との相乗によって、雨水の浸入可能経路をなくすことで防水性を高めて、長期に亘って基礎の腐食を防止することである。
上記課題を解決するための請求項1の発明は、ビルの屋上に設置するソーラーパネル等の屋上設置設備を支持するために、当該屋上のコンクリート層に一部が埋設される屋上設置設備の支持部材を兼用した基礎であって、金属製のアンカー体は、前記屋上設置設備を直接に支持できる長さを有する1本ロッド状をなしていて、前記コンクリート層に穿孔されたアンカー孔に樹脂接着剤を介して下端部が固着状態で埋設されるアンカーロッドと、当該アンカーロッドの下端部に近い高さ方向の途中に水密を保持して一体に溶接された1枚の加圧板とを備え、前記加圧板の裏面の外周部には、リング厚円盤状をしたゴム製のシール体が一体に設けられ、前記コンクリート層に積層された防水層と前記アンカー体の加圧板との間であって、前記シール体の内側の空間部には、水密シール材が当該防水層との必要ラップ長を確保して充填されて、前記アンカーロッドの上端部には、前記屋上設置設備を支持する水平架設材が、当該水平架設材に作用する浮上力及び振動を吸収する圧縮バネを介して取付けられ、複数本の前記アンカーロッドで直接に支持された屋上設置設備の自重、或いは当該屋上設置設備に作用する下方成分を有する風圧が、押付荷重となって前記アンカーロッドに作用することで、前記防水層と前記加圧板との間に、前記シール体の厚さを保持して配置された前記水密シール材の全体が常時加圧される構成と、前記加圧板がアンカーロッドに溶接により一体化された構成との相乗により、前記基礎の水密が保持されることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、屋上設置設備を直接に支持できる長さを有する1本ロッド状をなしているアンカーロッドの下端部の所定長の部分は、屋上のコンクリート層に穿孔されたアンカー孔に樹脂接着剤を介して固着状態で埋設され、コンクリート層の上面を覆う防水層と、アンカーロッドの下端部に近い高さ方向の途中に水密を保持して一体に設けられていて、前記加圧板の裏面の外周部の内側であって、当該防水層の上方に所定間隔をおいて配置された加圧板との間の空間部には、水密シール材が充填され、屋上設置物の自重、或いは屋上設置物に作用する下方成分を有する風圧は、アンカーロッドに対して押付荷重として作用し、当該押付荷重により前記水密シール材は、その全体が前記加圧板により常時加圧された状態を維持している。しかも、アンカーロッドに一体に設けられた加圧板と、コンクリート層に積層された防水層とは、必要なラップ長を有して互いに積層状態に配置されているため、当該加圧板の水平方向の変位に対して水密シール材が追従し易い構造となっている。これらに加えて、アンカーロッドのコンクリート層に埋設された部分、及び水密シール材の接触する部分は、樹脂接着剤による固着強度、及び水密性の双方が高められている。このため、請求項1の発明に係るアンカー体は、単一部品で構成されているために、部品同士の組付け部が存在しないことと、コンクリート層のアンカー孔に対してアンカーロッドが埋設された状態では、前記水密シール材及び樹脂接着剤の上記作用とが相乗して、水の浸入可能経路が形成されることは、殆どないので、長期に亘って高い水密性が確保されて、長期に亘って基礎を構成するアンカー体、及びその周辺部の腐食が防止される。
また、屋上に設置された屋上設置設備には、風圧の方向によって浮上力が作用したり、或いは風圧の作用により振動が生じたりすることがある。請求項の発明によれば、屋上設置設備を支持する水平架設材は、アンカーロッドの先端部に、当該水平架設材に作用する浮上力及び振動を吸収する圧縮バネを介して取付けられているので、上記した浮上力、或いは振動は、当該圧縮バネにより効果的に吸収される。浮上力の吸収により、コンクリート層に下端部が埋設されているアンカーロッドに引抜き力が作用するのを防止できて、コンクリート層に対するアンカーロッドの固着力、或いは水密シール材のシール性の低下を防止できる。また、前記振動の振動波が原因となって周囲に超音波が発生して、ビル内に居住する人の人体に対して健康上の悪影響を及ぼすことがあるが、当該振動の発生の防止により、超音波に起因する健康上の悪影響を抑制できる。
請求項の発明は、請求項の発明において、前記コンクリート層と防水層との間には、断熱層が配置されて、当該断熱層における前記アンカーロッドの周囲には、切欠孔部が形成され、当該切欠孔部に前記水密シール材が充填されていることを特徴としている。
コンクリート層と防水層との間に断熱層が設けられている場合には、当該断熱層と、当該断熱層を貫通するアンカーロッドとの接続部に水の浸入可能経路が形成され易くなる。そこで、請求項の発明は、断熱層におけるアンカーロッドの周囲を欠落させた切欠孔部に、防水層と加圧板との間に充填された水密シール材が連続して充填されることで、アンカーロッドと断熱層との間のシール性(水密性)が高められて、当該部分に水の浸入可能経路が形成されるのを抑制でき、基礎を構成するアンカー体及びその周囲の部分の腐食を防止できる。
本発明によれば、屋上設置物の自重、或いは屋上設置物に作用する下方成分を有する風圧は、アンカーロッドに対して垂直荷重として作用し、当該垂直荷重により前記水密シール材は、常時加圧された状態を維持するために、アンカーロッドの埋設部の水密性が増すこと、アンカー体が一体構造(一品構造)であることとが相俟って、コンクリート層に埋設された部分を含めてアンカー体の周囲に浸水可能経路が形成されなくなって、当該アンカー体の腐食を長期に亘って防止できる。
実施例1の基礎の断面図である。 アンカー体A1 を下方から見た斜視図である。 (a),(b)は、それぞれコンクリート層Cに穿孔されたアンカー孔H、及び当該アンカー孔Hに樹脂接着剤Jが充填された状態の断面図である。 防水層Dとアンカー体A1 加圧板2との間、並びに防水層D及び断熱層Eの各切欠孔部21,22にそれぞれ水密シール材Sが充填された状態の断面図である。 アンカー体A1 を構成するアンカーロッド1の上端部において第1水平架設材71が支持されている状態の斜視図である。 同じく分解斜視図である。 縦横の多数のアンカー体A1 によって多数枚のソーラーパネル73が支持された状態の全体斜視図である。 実施例2の基礎の断面図である。 実施例3の基礎の断面図である。 参考例1の基礎の断面図である。 参考例1の基礎に使用されるアンカー体A3 の斜視図である。 (a),(b)は、それぞれコンクリート層Cにアンカー体A3 の埋設部11aを埋設した状態、及びアンカー体A3 加圧板12とコンクリート層Cとの間に、分割断熱体16が嵌め込まれた状態の断面図である。 (a),(b)は、それぞれコンクリート層Cの上面を断熱層Eで覆った状態、及び断熱層E及び分割断熱体16の上面を防水層Dで覆った状態の断面図である。 (a),(b)は、それぞれアンカー体A3 の上板13と防水層Dとの間に水密シール材Sが充填された状態、及び当該水密シール材Sの外側に別の周縁水密シール材S’が充填された状態の断面図である。 多数の部品を組み付けて構成される従来の基礎の断面図である。
以下、複数の実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明する。なお、基礎の施工には、コンクリート層Cの上面に防水層D、或いは断熱層E及び防水層Dが施工された後に、アンカー体A1 ,A2 の下端部をコンクリート層C内に埋設して、基礎を施工する「後施工」と、コンクリート層Cにアンカー体A3 を埋設して基礎を施工した後において、コンクリート層Cの上面に防水層D、或いは断熱層E及び防水層Dを施工する「先施工」とがある。本発明に係る基礎は、「後施工」及び「先施工」の双方において実施可能であるが、「後施工」において特に有効に作用するので、「後施工」を主体にして説明する。
実施例1の基礎は、「後施工」によるものであって、コンクリート層Cの上面に断熱層Eが設けられ、当該断熱層Eの上面は、防水層Dで覆われて、防水されている。断熱層Eは、硬質ウレタン等の適宜の断熱材で構成され、防水層Dは、例えば、アスファルト層で構成され、実施例1では、2層のアスファルト層から成る。断熱層E及び防水層Dの厚さは、実施例1では、それぞれ25〜50mm,4〜8mm程度である。
実施例1の基礎に使用されるアンカー体A1 について説明する。アンカー体A1 は、縦横の第1及び第2の各水平架設材71,72を介して多数枚のソーラーパネル73を支持する部材であって、図1、図2及び図5に示されるように、アンカーロッド1の軸方向の中央部よりも下端側に寄った部分に、円形の加圧板2が一体に設けられて、当該加圧板2の裏面側に、EPDMから成るリング厚円盤状のシール体3が設けられて、当該シール体3の内側に形成された凹部は、シール材充填凹部4となった構成である。アンカーロッド1における加圧板2よりも下方の部分(首下部分)のうち下端部は、コンクリート層Cに埋設される埋設部1aとなる。アンカーロッド1の下端面は、傾斜面に形成されることで、コンクリート層Cに穿孔されたアンカー孔Hに突刺し易いように、尖鋭な突刺部1bに形成されている。当該シール体3の外周縁は、加圧板2の外周縁よりも内側に位置していて、アンカー体A1 のアンカーロッド1の下端部がコンクリート層Cに埋設されて、前記シール体3が防水層Dに密着した状態において、必要に応じて、当該防水層Dと加圧板2との間に、周縁部をシールして水密を確実にするための水密シール材Sを充填する周縁部充填空間6(図4参照)となる部分である。アンカーロッド1及び加圧板2は、いずれもステンレスで製作され、アンカーロッド1の外周面には、全長に亘って雄ねじが形成されている。加圧板2の上面には、当該加圧板2の補強のために、複数枚の三角形状のリブ板5が配置されて、当該加圧板2及びアンカーロッド1に、それぞれ溶接されている。また、アンカーロッド1は、加圧板2の中央部に形成された挿通孔2a(図1及び図2参照)に挿通され、当該挿通孔2aとアンカーロッド1との隙間は、当該加圧板2の上面において全周に亘って溶接W(図1及び図5参照)されることで、アンカーロッド1と加圧板2との接合部の水密が保持されている。
次に、図1〜図7を参照して、実施例1の基礎の施工順序について説明する。最初に、ソーラーパネル73を設置するビルの屋上において、上記した防水層Dの表面を清掃して、コンクリート層Cに対してアンカー体A1 を打設する複数の位置を罫書いておく。図7に示されるように、アンカー体A1 の打設位置は、縦横にそれぞれ一定間隔をおいて設けられる。
次に、図3に示されるように、コンクリート層Cに、穿孔工具81を用いて、アンカー孔Hを穿孔するのであるが、防水層D及び断熱層Eにおける当該アンカー孔Hが穿孔される部分には、アンカー体A1 を構成するアンカーロッド1の外径の2〜3倍の内径の切欠孔部21,22を形成しておく。この状態で、コンクリート層Cに、穿孔工具81を用いて、前記アンカーロッド1の外径よりも僅かに大きな内径を有するアンカー孔Hを穿孔する〔図3(a)〕。アンカー孔Hの深さ、即ち、コンクリート層Cに対するアンカーロッド1の埋設長Lは、必要な耐引抜き強度、及び剪断力が得られるように定める。アンカーロッド1の埋設長Lは、当該アンカーロッド1の外径が16mmの場合において、60mm程度となる。その後に、アンカー孔Hに対してアンカーロッド1を固着させるための樹脂接着剤Jを充填する〔図3(b)〕。アンカーロッド1は、全長に亘って外周面に雄ねじが形成されているため、埋設部1aにおいては、外周面のねじ部にも樹脂接着剤Jが入り込むために、コンクリート層Cに対するアンカーロッド1の固着力が一層に高まる。なお、図3(b)において、82は、樹脂接着剤Jを収容しているチューブを示す。
次に、図4に示されるように、防水層D及び断熱層Eに設けられた各切欠孔部21,22に水密シール材Sを充填しておく。また、アンカー体A1 加圧板2の裏面側のシール材充填凹部4に、同様の水密シール材Sをシール体3の下端面から盛り上がる程度の厚さに十分に塗布し、この状態で、アンカー体A1 のアンカーロッド1の埋設部1aを、予め樹脂接着剤Jが充填されているアンカー孔Hに押し込んで、当該アンカー孔Hに対してアンカー体A1 を装填し、樹脂接着剤J及び水密シール材Sが硬化するまで放置しておく。樹脂接着剤J及び水密シール材Sの硬化初期において、アンカーロッド1が防水層Dに対して傾くことなく垂直になっていること、及び防水層Dとアンカー体A1 のシール体3とが全周に亘って密着していることを確認する。この状態では、アンカー体A1 加圧板2の周縁部と防水層Dとの間に、別の水密シール材S’を充填可能な周縁部充填空間6が形成される。
防水層Dに不陸部が存在する等して、当該防水層Dと、アンカー体A1 のシール体3との間に隙間が存在している場合には、アンカーロッド1の埋設部1aに対する水密性が低下するので、上記した周縁部充填空間6に水密シール材Sを充填して、加圧板2の周縁部のシール処理を行う。なお、図1において、加圧板2の周縁部に施された2点鎖線は、周縁シール処理部7を示す。
図1に示されるように、巻上げ処理なしの防水層Dと、シール機能を果す水密シール材S及びアンカー体A1 のシール体3とは、大きなラップ長Nを有しているシール構造であるために、アンカー体A1 と水密シール材Sとは、水平方向の変位に対して追従し易いので、変位に対して高いシール構造となる。
アンカーロッド1の上端部には、後述のように、ソーラーパネル73を支持する第1水平架設材71が複数のナット74及び圧縮バネ75を介して固定され、当該アンカーロッド1におけるリブ板5よりも上方の長さKが長いので、第1水平架設材71の配置高さ、即ち、ソーラーパネル73の配置高さを調整できる範囲が広くなる。
図1、図5〜図7に示されるように、上記のようにして、縦横に一定のピッチをおいて、多数本のアンカー体A1 を構成するアンカーロッド1の下端部の埋設部1aがコンクリート層Cに埋設されて、防水層Dからは、アンカーロッド1における加圧板2よりも上方の部分が突出される。
また、図5及び図6に示されるように、みぞ形鋼から成る第1水平架設材71は、下板部71aに設けられた長孔76に、アンカーロッド1の上端部が挿通されて、当該下板部71aの上下にそれぞれナット74が螺合され、当該下板部71aと上方のナット74との間に圧縮バネ75が介装されている。このため、ソーラーパネル73に上方成分を有する風圧が作用する等して、当該第1水平架設材71に対して浮上力又は振動が作用した場合にのみ、圧縮バネ75が圧縮されて、当該浮上力又は振動が吸収されることで、当該浮上力又は振動がアンカーロッド1に対して引抜き力として作用しない構造にしてある。
一方、ソーラーパネル73の自重、或いは当該ソーラーパネル73に下方成分を有する風圧が作用した場合の風圧力によって、第1水平架設材71に対して押付け力F(図1参照)が作用する場合には、当該押付け力Fは、防水層Dとアンカー体A1 加圧板2との間に充填された水密シール材Sに対して加圧力P(図1参照)として作用する。これにより、当該水密シール材Sは常に加圧されて、アンカー体A1 加圧板2、防水層D及び断熱層E及びアンカーロッド1の埋設部1aに対する水密シール材Sの密着力が高められて、アンカーロッド1の埋設部1a及びその周辺部に対する水密性が高められることと、アンカー体A1 が一体構造であって、複数の部品を組み付けて構成されたものでないため、各部品の組付け部に水の浸入可能経路が形成されることがないこととが相俟って、基礎自体の腐食が防止される。なお、図1及び図6において、77は、第1水平架設材71の下板部71aと下方のナット74との間に配置されるゴム製の振動吸収用のスペーサを示し、78は、座金を示す。
実施例1の基礎は、アンカー体A1 加圧板2の裏面に一体に取付けられたゴム製のシール体3と、当該シール体3の内側のシール材充填凹部4に充填される水密シール材Sとの双方によって、シール作用が果されるために、アンカーロッド1の埋設部1aのシール性が高められると共に、前記シール体3の存在により、当該シール体3の内側のシール材充填凹部4に充填される水密シール材Sが外方に移動できないために、当該水密シール材Sの漏出も防止できる利点がある。
図8に示される実施例2の基礎は、同じく「後施工」に係るものであって、実施例1と同一のアンカー体A1 が使用されるが、当該アンカー体A1 が埋設されるコンクリート層Cの表面は、断熱層Eが設けられることなく、直接に1層の防水層Dで覆われている点が異なるのみである。アンカー体A1 は、「後施工」によりコンクリート層Cに埋設される点、アンカー体A1 加圧板2の裏面に設けられたシール体3の内側のシール材充填凹部4に、水密シール材Sをシール体3の底面を越えるまで十分に塗布した状態で、当該アンカー体A1 をコンクリート層Cに埋め込む点も、実施例1と同一である。従って、実施例2においても、ソーラーパネル73の自重、或いは当該ソーラーパネル73に下方成分を有する風圧が作用する際の風圧力によって、第1水平架設材71に対して押付け力Fが作用する場合には、当該押付け力Fは、防水層Dとアンカー体A1 加圧板2との間に充填された水密シール材Sに対して加圧力P(図8参照)として作用して、アンカーロッド1の埋設部に対するシール性(水密性)が高められることは、実施例1と同一である。
図9に示される実施例3の基礎は、同じく「後施工」に係るものであって、アンカー体A2 が使用される。アンカー体A2 は、前記アンカー体A1 において加圧板2の裏面に一体に設けられたシール体3が欠落されて、当該加圧板2の裏面側には、何も設けられていない。
コンクリート層Cの表面は、断熱層Eを介して2層の防水層Dで覆われている。このため、図9に示されるように、穿孔工具81によって、コンクリート層Cにアンカー孔Hを穿孔する際に、防水層D及び断熱層Eにロッド挿通孔31,32を同時に穿孔する。その後に、アンカー孔Hに樹脂接着剤Jを充填しておくと共に、アンカー体A2 加圧板2の裏面に水密シール材Sを十分な厚さに塗布した状態で、アンカー体A2 のアンカーロッド1の埋設部1aを、ロッド挿通孔31,32に挿通させて、アンカー孔Hに埋設することで、アンカー体A2 加圧板2と防水層Dとの間に、水密シール材Sを充填させる。水密シール材Sの外周縁には、別の水密シール材S’によって周縁シール処理を行う。
実施例3の基礎においても、ソーラーパネル73の自重、或いは当該ソーラーパネル73に下方成分を有する風圧が作用する際の風圧力によって、第1水平架設材71に対して押付け力Fが作用する場合には、当該押付け力Fは、防水層Dとアンカー体A2 加圧板2との間に充填された水密シール材Sに対して加圧力P(図9参照)として作用して、アンカーロッド1の埋設部1aに対するシール性(水密性)が高められることは、実施例1,2と同一である。
参考例1
参考例1の基礎は、図10〜図14に示されるように、「先施工」によるものであって、アンカー体A3 が使用される。コンクリート層Cの上面は、断熱層Eを介して防水層Dで覆われた構造である。アンカー体A3 は、図10及び図11に示されるように、ステンレスで製作されたアンカーロッド11の軸方向の中央部よりも下端の側に、加圧板12及び上板13が軸方向に沿って所定の間隔をおいて、当該アンカーロッド11に溶接Wにより水密を保持して一体に取付けられた構成である。上板13は、加圧板12よりも上方に配置されて、その上面側において複数のリブ板14によって補強されている。アンカーロッド11における加圧板12よりも下方の部分が、コンクリート層Cに穿孔されたアンカー孔Hに埋め込まれる埋設部11aとなり、当該埋設部11aの下端部は、尖鋭な突刺部11b となっている。相上下する加圧板12及び上板13の間の環状空間は、シール材充填空間17となる。
次に、図12〜図14を参照して、参考例1の基礎の施工順序について説明する。なお、説明済の実施例1の基礎の施工順序と同一の部分は、図示及び説明を略す。図12(a)に示されるように、樹脂接着剤Jが充填されたコンクリート層Cのアンカー孔Hに対してアンカーロッド11の埋設部11aを埋め込んで、当該樹脂接着剤Jの硬化後において、コンクリート層Cの上面と、アンカー体A3 加圧板12との間に形成された断熱体配置空間15に、厚円盤状の断熱体を二分割した分割断熱体16を配置させる〔図12(b)参照〕。
次に、図13(a)に示されるように、コンクリート層Cの上面に断熱層Eを設ける。当該断熱層Eにおける分割断熱体16を取り囲む部分は、円形に欠落されている。その後に、図13(a)に示されるように、断熱層Eの上面を2層の防水層Dで覆う。
次に、図14に示されるように、アンカー体A3 に相上下した一体に取付けられた加圧板12と上板13との間のシール材充填空間17に水密シール材Sを充填し、更に、充填された水密シール材Sの外側に別の水密シール材S’を充填して、周縁シール処理部18を設けることで、シール性(水密性)を確実にすると、図10に示されるように、参考例1の基礎が完成する。なお、図14において、Nは、防水層Dと水密シール材S(S’)とのラップ長を示し、83は、シール材充填器を示す。
参考例1の基礎においても、風圧により、ソーラーパネル73に作用する浮上力、或いはソーラーパネル設備に発生する振動は、第1水平架設材71をアンカーロッド11に取付けている部分に配設された圧縮バネ75により吸収されることで、当該アンカーロッド11に引抜き力が作用しなくなる。また、ソーラーパネル設備の自重、或いは下方成分を有する風圧によりアンカーロッド11に作用する押付け力Fは、大きな面積を有する加圧板12により受け止められる。
また、アンカーロッド11における加圧板12と上板13との間のシール材充填空間17には、水密ール材Sが充填されて、当該アンカーロッド11の周囲を囲んでいると共に、当該水密ール材Sの外側は、別の水密シール材S’によって周縁シール処理部18が設けられており、更に、防水層Dと、水密シール材S(S’)とは、大きなラップ長Nを有してオーバーラップしているため、基礎の部分は、高い水密性が確保されている。この高い水密性と、アンカー体A3 は、アンカーロッド11に加圧板12及び上板13が溶接Wにより一体に固着されて、全体が1部品からなって、複数部品の組付け部が存在しないために、水の浸入可能経路が形成されない構造とが相俟って、基礎の部分は、全体として高い水密性が確保されて腐食しにくい構造となる。
また、実施例1〜3及び参考例1の基礎に用いられるアンカー体A1 〜A3 を構成するアンカーロッド1,11は、いずれもステンレスで製作されているが、アンカーロッド1,11は、材質自体からして、腐食しないために、基礎の腐食を一層確実に防止できる利点がある。しかし、本発明においては、アンカーロッドは、ステンレスから成ることが好ましいが、材質として、ステンレスに限定されるものではなく、他の金属から成っていてもよい。
また、実施例1〜3及び参考例1では、基礎が支持する屋上設置設備として、ソーラーパネル設備を挙げて説明したが、本発明に係る基礎の支持対象は、ソーラーパネル設備に限定されず、ビルの屋上に設置される設備であれば、いかなる設備であっても支持可能である。
1 〜A3 :アンカー体
C:コンクリート層
D:防水層
E:断熱層
F:押付け力
H:アンカー孔
J:樹脂接着剤
L:アンカーロッドの埋設長
N:防水層と水密シール材とのラップ長
P:水密シール材に作用する加圧力
S:水密シール材
1,11:アンカーロッド
2,12:加圧板
3:シール体
13:上板
21:防水層の切欠孔部
22:断熱層の切欠孔部
71:第1水平架設材(屋上設置設備)
72:第2水平架設材(屋上設置設備)
73:ソーラーパネル(屋上設置設備)
75:圧縮バネ

Claims (6)

  1. ビルの屋上に設置するソーラーパネル等の屋上設置設備を支持するために、当該屋上のコンクリート層に一部が埋設される屋上設置設備の基礎であって、
    アンカー体は、1本ロッド状をなしていて、前記コンクリート層に穿孔されたアンカー孔に樹脂接着剤を介して下端部が固着状態で埋設されるアンカーロッドと、当該アンカーロッドの高さ方向の途中に水密を保持して一体に取付けられた1枚の受圧板とを備え、
    前記コンクリート層に積層された防水層と前記受圧板との間の空間部に水密シール材が、当該防水層との必要ラップ長を確保して充填されて、
    前記屋上設置設備の自重、或いは当該屋上設置設備に作用する下方成分を有する風圧が、押付荷重となって前記アンカーロッドに作用することで、前記防水層と前記受圧板との間に配置された前記水密シール材が常時加圧されて、前記基礎の部分の水密が保持される構成であることを特徴とする屋上設置設備の基礎。
  2. 前記受圧板の裏面側には、リング厚円盤状をしたゴム製のシール体が一体に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の屋上設置設備の基礎。
  3. 前記コンクリート層と防水層との間には、断熱層が配置されて、当該断熱層における前記アンカーロッドの周囲には、切欠孔部が形成され、当該切欠孔部に前記水密シール材が充填されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の屋上設置設備の基礎。
  4. ビルの屋上に設置するソーラーパネル等の屋上設置設備を支持するために、当該屋上のコンクリート層に一部が埋設される屋上設置設備の基礎であって、
    アンカー体は、1本ロッド状をなしていて、前記コンクリート層に穿孔されたアンカー孔に樹脂接着剤を介して下端部が固着状態で埋設されるアンカーロッドと、当該アンカーロッドの高さ方向の途中に、当該高さ方向に沿って所定の間隔をおいて、当該アンカーロッドに対して水密を保持して一体に取付けられた上下2枚の受圧板及び上板とから成り、
    前記コンクリート層と、当該コンクリート層に積層された防水層との間に下方の受圧板が配置され、
    前記防水層と上板との間に水密シール材が、当該防水層との必要ラップ長を確保して充填されて、前記アンカーロッドの埋設部の水密が保持されることを特徴とする屋上設置設備の基礎。
  5. 前記アンカー体は、ステンレスで製作されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の屋上設置設備の基礎。
  6. 前記アンカーロッドの上端部には、前記屋上設置設備を支持する水平架設材が、当該水平架設材に作用する浮上力を吸収する圧縮バネを介して取付けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の屋上設置設備の基礎。
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