JP2015093312A - 前方押出し鍛造装置および前方押出し鍛造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】前方押出し鍛造において、ダイスに収容された収容物の中央部分とダイスからせん断摩擦力を受け易い外周部分を可及的に均等に押し出すことができ、このことによって内部に歪み分布が生じ難い成形体を製造することのできる前方押出し鍛造装置および前方押出し鍛造方法を提供する。
【解決手段】中空Hを有するダイス1において、中空Hはその途中位置で縮径しており、中空H内に収容されたワークWが、ワークWの後方に位置して中空H内を摺動するパンチ2にて中空Hの前方へ押し出されて鍛造される前方押出し鍛造装置10であって、パンチ2においてワークWを押し出す押出し面2’が、その中央位置に向かって押出し方向と反対側に窪んでいる。
【選択図】図3
【解決手段】中空Hを有するダイス1において、中空Hはその途中位置で縮径しており、中空H内に収容されたワークWが、ワークWの後方に位置して中空H内を摺動するパンチ2にて中空Hの前方へ押し出されて鍛造される前方押出し鍛造装置10であって、パンチ2においてワークWを押し出す押出し面2’が、その中央位置に向かって押出し方向と反対側に窪んでいる。
【選択図】図3
Description
本発明は、前方押出し鍛造装置および前方押出し鍛造方法に関するものである。
熱間鍛造加工には、大きく2つの加工形態がある。その一つの加工方法は、ダイスに収容物を収容し、中空を有する押出しパンチで収容物を加圧してその厚みを減じながら押出しパンチの中空に収容物の一部を押出して成形体を製造する加工方法であり、いわゆる後方押出し加工(パンチの押出し方向と逆の方向に収容物を押出しながら成形体を製造する方法)によるものである。一方、他の一つの加工方法は、中空を有するダイスに収容物を収容し、中空を具備しないパンチで収容物を加圧して収容物の厚みを減じながらダイスの中空から収容物の一部を押出して成形体を製造する加工方法であり、いわゆる前方押出し加工(パンチの押出し方向に収容物を押出しながら成形体を製造する方法)によるものである。
ところで、ランタノイド等の希土類元素を用いた希土類磁石は永久磁石とも称され、その用途は、ハードディスクやMRIを構成するモータのほか、ハイブリッド車や電気自動車
等の駆動用モータなどに用いられている。
等の駆動用モータなどに用いられている。
この希土類磁石の磁石性能の指標として残留磁化(残留磁束密度)と保磁力を挙げることができるが、モータの小型化や高電流密度化による発熱量の増大に対し、使用される希土類磁石にも耐熱性に対する要求は一層高まっており、高温使用下で磁石の磁気特性を如何に保持できるかが当該技術分野での重要な研究課題の一つとなっている。
希土類磁石としては、組織を構成する結晶粒(主相)のスケールが3〜5μm程度の一般
的な焼結磁石のほか、結晶粒を50nm〜300nm程度のナノスケールに微細化したナノ結晶磁
石があるが、中でも、上記する結晶粒の微細化を図りながら高価な重希土類元素の添加量を低減すること(フリー化)のできるナノ結晶磁石が現在注目されている。
的な焼結磁石のほか、結晶粒を50nm〜300nm程度のナノスケールに微細化したナノ結晶磁
石があるが、中でも、上記する結晶粒の微細化を図りながら高価な重希土類元素の添加量を低減すること(フリー化)のできるナノ結晶磁石が現在注目されている。
希土類磁石の製造方法の一例を概説すると、たとえばNd-Fe-B系の金属溶湯を急冷凝固
して得られた微粉末を加圧成形しながら希土類磁石前駆体(焼結体)とし、この焼結体に磁気的異方性を付与するべく熱間塑性加工を施して希土類磁石(配向磁石)を製造する方法が一般に適用されている。
して得られた微粉末を加圧成形しながら希土類磁石前駆体(焼結体)とし、この焼結体に磁気的異方性を付与するべく熱間塑性加工を施して希土類磁石(配向磁石)を製造する方法が一般に適用されている。
この熱間塑性加工において、上記する前方押出し加工や後方押出し加工が適用されている。より具体的には、後方押出し加工においては、ダイスに焼結体を収容し、中空を有する押出しパンチで押出して加圧し、押出し方向と逆の方向に焼結体を押出しながら希土類磁石前駆体を製造する。一方、前方押出し加工においては、ダイスに収容された焼結体を中空を具備しないパンチで加圧し、ダイスの中空から焼結体の一部を押出して希土類磁石前駆体を製造する。そして、いずれの押出し加工方法を適用した場合でも、パンチにて加圧されてできた希土類磁石前駆体において、このパンチによる加圧方向と垂直な方向に異方性が生じてくる。
このように複数種類の押出し加工方法が存在する中で、前方押出し加工方法を取り上げてその従来の加工方法における課題を説明する。
たとえば熱間塑性加工で使用する前方押出し鍛造装置として、該装置を構成する中空を有するダイスがその途中位置で縮径し、中空内に収容された焼結体(ワーク)が該ワーク
の後方に位置して中空内を摺動するパンチにて中空の前方へ押し出されて鍛造される構成を有している。
の後方に位置して中空内を摺動するパンチにて中空の前方へ押し出されて鍛造される構成を有している。
この装置を使用し、パンチのフラットな押出し面でワークを前方に押し出すに当たり、この押出しの際にワークの外周部分にはダイスの内周面との間でせん断摩擦力が作用し、このせん断摩擦力によってワークを前方へスムーズに押出すのが難しくなる。これに対して、ワークの中央部分はこのような外力が作用しないことから押出しが外周部分に比してスムーズにおこなわれる傾向にある。この結果、焼結体の外周部分に比して中央部分が先行して押し出されることになり、外周部分と中央部分の押し出され易さの相違によって成形体の内部に歪み分布と配向乱れが生じ、高い異方性を有する希土類磁石を製造し難いといった課題が存在している。
ここで、特許文献1には、押出し方向に向かって段状に縮径するダイス内を摺動するパンチが、その先端面において、その周辺から斜めに凹む傾斜縁を備えた鍛造装置を使用する鍛造方法が開示されている。この鍛造方法によれば、パンチの周縁部で収容物の周縁部をパンチの中央寄りに押すことにより、鍛造品の端部に生じ得るバリの発生を低減できるとしている。
特許文献1で開示の鍛造装置を構成するパンチは、その周縁部が環状に窪み、その中央部は前方に突出してフラットな押出し面を有している。したがって、この鍛造装置を適用したとしても、既述する従来の前方押出し加工方法における課題、すなわち、焼結体の外周部分に比して中央部分が先行してパンチにて押し出されることにより、外周部分と中央部分の押し出され易さの相違によって成形体に配向乱れが生じ、異方性に優れた希土類磁石を製造し難いといった課題を解消することはできない。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、前方押出し鍛造において、ダイスに収容された収容物の中央部分とダイスからせん断摩擦力を受け易い外周部分を可及的に均等に押し出すことができ、このことによって内部に歪み分布が生じ難い成形体を製造することのできる前方押出し鍛造装置および前方押出し鍛造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による前方押出し鍛造装置は、中空を有するダイスにおいて、該中空はその途中位置で縮径しており、中空内に収容されたワークが、該ワークの後方に位置して中空内を摺動するパンチにて中空の前方へ押し出されて鍛造される前方押出し鍛造装置であって、前記パンチにおいてワークを押し出す押出し面が、その中央位置に向かって押出し方向と反対側に窪んでいるものである。
本発明の前方押出し鍛造装置は、ワークを押し出すパンチの押出し面に特徴があり、その中央位置に向かって押出し方向と反対側に窪んでいるパンチを有するものである。このような形態のパンチを適用することで、ワークの中央部分に先行してワークの外周部分(ダイスの内周面からせん断摩擦力を受ける部分)を押し出すことができ、結果として、ワークの中央部分と外周部分の押し出される量を可及的に均一にすることができる。そして、中央部分と外周部分で押し出される量が可及的に均一になることで、製造される鍛造品
の内部に歪み分布を生じ難くすることができ、品質に優れた鍛造品を製造することができるものである。なお、このワークが希土類磁石前駆体の場合には、製造される鍛造品が配向磁石であることから、歪み分布が生じ難いことから高い配向度を備え、異方性に優れた配向磁石を製造することが可能になる。
の内部に歪み分布を生じ難くすることができ、品質に優れた鍛造品を製造することができるものである。なお、このワークが希土類磁石前駆体の場合には、製造される鍛造品が配向磁石であることから、歪み分布が生じ難いことから高い配向度を備え、異方性に優れた配向磁石を製造することが可能になる。
また、このように製造される鍛造品の全体に均一に歪みが導入されることから、鍛造品全体を有効利用し、製品歩留りの向上を図ることもできる。たとえば鍛造品が配向磁石の場合に、従来の前方押出し加工では、ダイスと接する配向磁石の外周部分には歪みが十分に導入されず、したがって配向度の低い外周部分は製品として使用できない場合があった。この課題に対し、本発明の前方押出し鍛造装置を適用することで、製造される配向磁石は、全体的にその内部に均質な歪みが導入されることから、製造される配向磁石の全部もしくはほぼ全部を製品磁石として使用することが可能となる。
ここで、「ワークを押し出す押出し面が、その中央位置に向かって押出し方向と反対側に窪んでいる」構成に関し、その具体的な形態を例示すると、所定の曲率半径を有する半円形状もしくはさらに所定の中心角をもった円弧状、複数の曲率半径の円弧が組み合わされた形状、パンチの押出し面内における径方向に横長の半楕円状やパンチの厚み方向(押出し方向)に縦長の半楕円状などを挙げることができる。
パンチの押出しはモータやシリンダ機構等のアクチュエータのほか、手動による形態であってもよい。
本発明の前方押出し鍛造装置は、パンチの押出し面のみを改良した簡易な構造変更によるものであることから、装置の製作コストが高騰することはない。
また、本発明は前方押出し鍛造方法にも及ぶものであり、この鍛造方法は、中空を有するダイスにおいて、該中空はその途中位置で縮径しており、中空内に収容されたワークが、該ワークの後方に位置して中空内を摺動するパンチにて中空の前方へ押し出されて鍛造される前方押出し鍛造装置であって、前記パンチにおいてワークを押し出す押出し面が、その中央位置に向かって押出し方向と反対側に窪んでいる前方押出し鍛造装置を準備する第1のステップ、第1のワークを中空内に収容し、前記パンチにて該第1のワークを前方に押し出し鍛造し、第1の鍛造体を得る第2のステップからなるものである。
本発明の前方押出し鍛造方法は、既述する前方押出し鍛造装置を使用した鍛造方法であり、その中央位置に向かって押出し方向と反対側に窪んでいるパンチを備えた前方押出し鍛造装置を使用して押出し鍛造をおこなうことによって、ワークの中央部分に先行してワークの外周部分を押し出すことができ、ワークの中央部分と外周部分の押し出される量を可及的に均一にして鍛造品の内部に歪み分布が生じ難くすることができ、品質に優れた鍛造品を製造することができるものである。
ここで、中空に収容される前の第1のワークの形状として、該第1のワークの押出し方向の前方面がその中央位置に向かって押出し方向と反対側に窪んでいる第1のワークを使用するのが好ましい。
パンチの押出し面のみならず、押出し方向の前方面がその中央位置に向かって押出し方向と反対側に窪んでいるワークを使用することで、より効果的に、ワークの外周部分を中央部分に比して先行して前方に押し出すことが可能となる。
また、中空に収容される前の第1のワークの形状として、さらに、パンチで押される該第1のワークの後方面がその中央位置に向かって押出し方向と反対側に凸状である第1の
ワークを使用するのが好ましい。
ワークを使用するのが好ましい。
ワークの後方面がその中央位置に向かって押出し方向と反対側に凸状に成形されていることで、ワークの後方面がパンチの押出し面に嵌まり込み、ワークをパンチにて押出し易くできる。また、このことから、ワークの後方面の形状とパンチの押出し面の形状が相互に相補的形状であるのがより好ましい。
また、本発明による前方押出し鍛造方法の他の実施の形態は、前記第2のステップに続いて、第1の鍛造体の後方の中空内に第2のワークを収容し、前記パンチにて該第2のワークを前方に押し出し鍛造して第2の鍛造体を得るとともに、該第2の鍛造体で第1の鍛造体を中空の出口から押し出す第3のステップをさらに備えるものである。
本実施の形態の鍛造方法は、ワークを押出した後、続いて他のワークを押し出して複数のワークを継ぎ足していく、いわゆる継ぎ押し鍛造方法である。
この継ぎ押し鍛造に際し、既述するワークを押し出す押出し面が、その中央位置に向かって押出し方向と反対側に窪んでいるパンチにて第1、第2のワークを順次継ぎ押すことにより、前方のワークに後方のワークが矢じり状に埋め込まれながら継ぎ足されることが解消される。
従来の押出し面がフラットなパンチでワークを押し出し鍛造する方法では、既述するようにワークの中央部分が押し出され易いことから、継ぎ押し鍛造においては、前方のワークに対して後方のワークの中央部分がやじり状になって埋め込まれ易い。そして、このように前方のワークに対して後方のワークが矢じり状に埋め込まれてしまうと、この矢じり状の部分は割れ易くなることが特定されており、したがって、この矢じり状の部分が製品歩留り低下の原因となる。
このような課題に対し、ワークを押し出す押出し面がその中央位置に向かって押出し方向と反対側に窪んでいるパンチを使用して第1のワークに対して後方の第2のワークを押し出すことにより、第2のワークは中央部分と外周部分を可及的に均等に押し出すことができ、矢じり状の部分の発生が効果的に抑制される。
ここで、中空に収容される前の第2のワークの形状として、該第2のワークの押出し方向の前方面がその中央位置に向かって押出し方向と反対側に窪んでいる第2のワークを使用してもよい。
また、中空に収容される前の第2のワークの形状として、さらに、パンチで押される該第2のワークの後方面がその中央位置に向かって押出し方向と反対側に凸状である第2のワークを使用してもよい。
さらに、前記ワークは、希土類磁石材料となる粉末であって、RE-Fe-B系の主相(RE:Nd、Prの少なくとも一種)と、該主相の周りにあるRE-X合金(X:金属元素)の粒界相からなる粉末を加圧成形して得られた焼結体であり、前記前方押出し鍛造により、前記焼結体に異方性を与える熱間塑性加工が施されて希土類磁石が製造される実施の形態を挙げることができる。
ここで、本発明の鍛造方法が製造対象とする希土類磁石には、組織を構成する主相(結晶)の粒径が200nm以下程度のナノ結晶磁石は勿論のこと、粒径が300nm以上のもの、さらには粒径が1μm以上の焼結磁石や樹脂バインダーで結晶粒が結合されたボンド磁石などが包含される。中でも、最終的に製造される希土類磁石の主相の平均最大寸法(平均最大粒
径)が300〜400nm程度かそれ以下となるように熱間塑性加工前の段階の磁粉の主相の寸法が調整されているのが望ましい。
径)が300〜400nm程度かそれ以下となるように熱間塑性加工前の段階の磁粉の主相の寸法が調整されているのが望ましい。
希土類磁石の製造方法の一例を挙げると、液体急冷にて微細な結晶粒である急冷薄帯(急冷リボン)を製作し、これを粗粉砕等して希土類磁石用の磁粉を製作し、この磁粉をたとえばダイス内に充填してパンチで加圧しながら焼結してバルク化を図ることで等方性の焼結体を得る。
この焼結体は、たとえばナノ結晶組織のRE-Fe-B系の主相(RE:Nd、Prの少なくとも一種で、より具体的にはNd、Pr、Nd-Prのいずれか一種もしくは二種以上)と、該主相の周り
にあるRE-X合金(X:金属元素)の粒界相からなる金属組織を有している。
にあるRE-X合金(X:金属元素)の粒界相からなる金属組織を有している。
第1のステップにて製造された焼結体に対し、第2のステップや第3のステップにて異方性を与える熱間押出し鍛造(熱間塑性加工)を施すことによって配向磁石である希土類磁石を製造する。
以上の説明から理解できるように、本発明の前方押出し鍛造装置および前方押出し鍛造方法によれば、ワークの中央部分に先行してワークの外周部分(ダイスの内周面からせん断摩擦力を受ける部分)を押し出すことができ、結果として、ワークの中央部分と外周部分の押し出される量を可及的に均一にすることができ、このことによって製造される鍛造品の内部に歪み分布を生じ難くすることができ、品質に優れた鍛造品を製造することが可能となる。また、ワークが希土類磁石材料となる粉末を加圧成形して得られた焼結体であり、前方押出し鍛造によって焼結体に異方性を与える熱間塑性加工が施されて希土類磁石が製造される場合においては、高い配向度を有し、残留磁化の高い希土類磁石を製造することができる。
以下、図面を参照して本発明の前方押出し鍛造装置と前方押出し鍛造方法の実施の形態を説明する。
(前方押出し鍛造装置)
図1は本発明の前方押出し鍛造装置を示した縦断面図である。図示する鍛造装置10は、中空Hを有するダイス1と、ダイス1の中空Hにて摺動自在なパンチ2と、パンチ2を摺動させる不図示のアクチュエータや鍛造時にダイス1を加熱する不図示の加熱手段から大略構成されている。
図1は本発明の前方押出し鍛造装置を示した縦断面図である。図示する鍛造装置10は、中空Hを有するダイス1と、ダイス1の中空Hにて摺動自在なパンチ2と、パンチ2を摺動させる不図示のアクチュエータや鍛造時にダイス1を加熱する不図示の加熱手段から大略構成されている。
ダイス1の中空Hはその途中位置で縮径しており、中空H内に収容された不図示のワークは、その後方に位置してダイス1の内周面1’に沿って、中空H内を摺動するパンチ2にて中空Hの前方(X方向)へ押し出され、押出し口1”から押し出されて鍛造されるようになっている。
ダイス1の中空Hはその途中位置で縮径し、この縮径部を経てワークが押出し鍛造されるようになっている。なお、図示例は縮径部が1箇所であるが、2段以上の縮径部を備えたダイスであってもよい。
パンチ2において、ワークを押し出す押出し面2’は、その中央位置に向かって押出し方向(X方向)と反対側に窪んでいる。図1で示すパンチ2の押出し面2’の形状は、曲率半径R1の円弧状を呈している。従来装置を構成するパンチの押出し面がフラットであるのに対して、本発明の鍛造装置10を構成するパンチ2の押出し面2’が図示例のようにその中央位置に向かって押出し方向と反対側に窪んでいる構成が従来装置にはない新規な構成である。
この押出し面の形状に関し、図2では、他の実施の形態を示している。
図2aで示すパンチ2Aの押出し面2aは、2種類の曲率半径R2,R3からなるそれぞれの円弧が組み合わされた形状を呈している。
一方、図2bで示すパンチ2Bの押出し面2bは、パンチ2Bの径方向に横長の半楕円状を呈している。
一方、図2cで示すパンチ2Cの押出し面2cは、パンチ2Cの厚み方向(押出し方向:X方向)に縦長の半楕円状を呈している。
いずれの形態の押出し面を有するパンチであっても、ワークを押し出す押出し面がその中央位置に向かって押出し方向(X方向)と反対側に窪んでいることにより、ワークの中央部分に先行してワークの外周部分(ダイス1の内周面1’からせん断摩擦力を受ける部分)を押し出すことができる。したがって、せん断摩擦力によってスムーズな押出しが難しいワークの外周部分を中央部分に比して先行して押し出すことにより、結果としてワークの中央部分と外周部分の押し出される量を可及的に均一にすることができる。そして、このことにより、製造される鍛造品の内部に歪み分布を生じ難くすることができ、品質に優れた鍛造品を製造することができるものである。
(前方押出し鍛造方法の実施の形態1)
図3は図3a、図3bの順で、本発明の前方押出し鍛造方法の実施の形態1を説明したフロー図である。
図3は図3a、図3bの順で、本発明の前方押出し鍛造方法の実施の形態1を説明したフロー図である。
まず、図3aで示すように、図1で示した鍛造装置10を用意して、そのダイス1の中空H内にワークWを収容する(第1のステップ)。
次に、図3bで示すように、中空H内を所定温度に昇温した状態でパンチ2を中空H内で摺動させ、パンチ2の押出し面2’でワークWを前方に押し出し鍛造することで、図4で示すように鍛造体WTが製造される(第2のステップ)。
このパンチ2による押出し過程において、ワークWの外周部分はダイス1の内周面1’からせん断摩擦力Fを受け、ワークWの中央部分に比してスムーズに押し出され難い。
ここで、図5は、従来の鍛造装置を使用してワークを押出し鍛造している状態を示したものである。
従来の鍛造装置は、ダイスDiの内部で押出し面がフラットなパンチPaを摺動させ、ワークWを押出し鍛造するものであるが、図3bで示す本発明の鍛造装置10を使用する場合と同様に、ワークWの外周部分にはせん断摩擦力Fが作用し、ワークWの中央部分に比してスムーズに押し出されることがない。このような状況下、押出し面がフラットなパンチPaでワークWが押し出されると、スムーズに押し出され易いワークWの中央部分は外周部分に比して先行して押し出されることになり、図5で示すように中央部分が押出し方向(X方向)に突出した状態で押出し鍛造されることになる。その結果、製造される鍛造品の内部に歪み分布が生じ易くなり、鍛造品の品質に影響を与えることになる。
これに対して、本発明の鍛造装置10によれば、パンチ2のワークWを押し出す押出し面2’がその中央位置に向かって押出し方向(X方向)と反対側に窪んでいることにより、ワークWの中央部分に先行してワークの外周部分(ダイス1の内周面1’からせん断摩擦力Fを受ける部分)を押し出すことができる。したがって、せん断摩擦力Fによってスムーズな押出しが難しいワークの外周部分を中央部分に比して先行して押し出すことにより、結果としてワークの中央部分と外周部分の押し出される量を可及的に均一にすることができる。このことにより、製造される鍛造品の内部に歪み分布を生じ難くすることができ、品質に優れた鍛造品が製造される。
(押出し鍛造されるワークの他の実施の形態)
図6a,bはともに、前方押出し鍛造装置とともにダイス内に収容されるワークの他の実施の形態を鍛造装置のダイス内に収容された状態で示した図である。
図6a,bはともに、前方押出し鍛造装置とともにダイス内に収容されるワークの他の実施の形態を鍛造装置のダイス内に収容された状態で示した図である。
図6aで示すワークWaは、ワークWaの押出し方向(X方向)の前方面がその中央位置に向かって押出し方向と反対側に窪んでいる形態である。なお、この窪み形状も、図2で示す複数種のパンチの押出し面の形状と同様に多様な形状が適用できるが、少なくともその中央位置に向かって押出し方向と反対側に窪んでいる形状であればよい。
鍛造装置10を構成するパンチ2の押出し面2’のみならず、図6aで示すワークWaを使用することで、より効果的に、ワークWaの外周部分を中央部分に比して先行して前方に押し出すことが可能となり、ワークWaの中央部分と外周部分の押し出される量の均質化を図ることができる。
一方、図6bで示すワークWbは、ワークWaと同様に押出し方向(X方向)の前方面
がその中央位置に向かって押出し方向と反対側に窪んでいることに加えて、さらに、パンチ2で押されるワークWbの後方面がその中央位置に向かって押出し方向と反対側に凸状となっている形態である。このワークWbの後方面の形状は、パンチ2の押出し面2’の形状と相補的な形状となっており、パンチ2の押出し面2’にワークWbの後方面が嵌まり込んだ際に、双方の面が面接触し、パンチ2にてワークWbを押出し易くなっている。
がその中央位置に向かって押出し方向と反対側に窪んでいることに加えて、さらに、パンチ2で押されるワークWbの後方面がその中央位置に向かって押出し方向と反対側に凸状となっている形態である。このワークWbの後方面の形状は、パンチ2の押出し面2’の形状と相補的な形状となっており、パンチ2の押出し面2’にワークWbの後方面が嵌まり込んだ際に、双方の面が面接触し、パンチ2にてワークWbを押出し易くなっている。
このように、押出し鍛造されるワークの押出し方向前方面および/または押出し方向後方面の形状を図示例のように改良することで、パンチの押出し面の形状と相俟って、ワーク全体で押し出される量を可及的に均質化することができ、内部に歪み分布がない、もしくは歪み分布が少なく、品質に優れた鍛造品を製造することが可能となる。
(前方押出し鍛造方法の実施の形態2)
図7は図7a、図7bの順で、本発明の前方押出し鍛造方法の実施の形態2を説明したフロー図であり、複数の鍛造体を順次継ぎ足しながら鍛造体を製造する継ぎ押し鍛造方法を説明したものである。
図7は図7a、図7bの順で、本発明の前方押出し鍛造方法の実施の形態2を説明したフロー図であり、複数の鍛造体を順次継ぎ足しながら鍛造体を製造する継ぎ押し鍛造方法を説明したものである。
まず、図7aで示すように、図1で示した鍛造装置10を用意して、そのダイス1の中空H内にワークWを収容し、パンチ2を摺動させて第1の鍛造体WT1を製造し(第1、第2のステップ)、パンチ2を後方に戻して別途のワークWを中空H内に収容する。
次で、パンチ2を再度摺動させてワークWを前方に押し出し鍛造し、第1の鍛造体WT1の後方に第2の鍛造体WT2を継ぎ足していく(第3のステップ)。
ここで、第2の鍛造体WT2の先端には通常は矢じり状の部分Yaが生じ、この矢じり状の部分Yaが第1の鍛造体WT1に埋め込まれることになる。
この矢じり状の部分Yaは鍛造体の他の部分に比して強度が弱く、割れが生じ易いことなどから、矢じり状の部分Yaが存在する範囲(図7bの幅t1の範囲)は最終製品として使用できず、この範囲が製品歩留り低下の要因となる。したがって、図示する矢じり状の部分Yaが可及的に少なくなるように継ぎ押し鍛造が実行されるのがよい。
ここで、図8は、従来の前方押出し鍛造装置を使用する継ぎ押し鍛造方法を説明した図である。
図示するように、鍛造装置を構成するパンチPaの押出し面がフラットであることから、ワークの中央部分が先行して押し出される結果、先行して製造された第1の鍛造品WT1の後方には、前方に突出する矢じり状の部分Ya’の長さが長い(長さがt2でt2>t1)第2の鍛造品WT2が製造される。
図8で示す長さt2の矢じり状の部分Ya’に対し、図7bで示す長さt1の矢じり状の部分Yaの長さは格段に短くなり、製品歩留りが大きく向上することになる。
(希土類磁石の製造方法)
次に、希土類磁石の製造方法を図9〜11を参照して概説する。ここで、図9a、図9bはその順で急冷薄帯(急冷リボン)を製作し、これを粗粉砕等して希土類磁石用の磁粉を製作し、磁粉を加圧して等方性の焼結体を得るまでを説明したフロー図である。また、図10は図9の製造フローで製造された焼結体のミクロ構造を説明した図である。また、図11は図10で示す焼結体に前方押出し鍛造をおこなって製造された希土類磁石のミクロ構造を説明した図である。
次に、希土類磁石の製造方法を図9〜11を参照して概説する。ここで、図9a、図9bはその順で急冷薄帯(急冷リボン)を製作し、これを粗粉砕等して希土類磁石用の磁粉を製作し、磁粉を加圧して等方性の焼結体を得るまでを説明したフロー図である。また、図10は図9の製造フローで製造された焼結体のミクロ構造を説明した図である。また、図11は図10で示す焼結体に前方押出し鍛造をおこなって製造された希土類磁石のミクロ構造を説明した図である。
図9aで示すように、たとえば50kPa以下に減圧したArガス雰囲気の不図示の炉中で、
単ロールによるメルトスピニング法により、合金インゴットを高周波溶解し、希土類磁石を与える組成の溶湯を銅ロールRに噴射して急冷薄帯B(急冷リボン)を製作し、これを粗粉砕する。
単ロールによるメルトスピニング法により、合金インゴットを高周波溶解し、希土類磁石を与える組成の溶湯を銅ロールRに噴射して急冷薄帯B(急冷リボン)を製作し、これを粗粉砕する。
粗粉砕された急冷薄帯のうち、最大寸法が200nm程度かそれ以下の寸法の急冷薄帯Bを
選別し、これを図9bで示すように超硬ダイスDとこの中空内を摺動する超硬パンチPで画成されたキャビティ内に充填する。そして、超硬パンチPで加圧しながら(Z方向)加圧方向に電流を流して通電加熱することにより、ナノ結晶組織のNd-Fe-B系の主相(50nm
〜200nm程度の結晶粒径)と、主相の周りにあるNd-X合金(X:金属元素)の粒界相からな
る四角柱状の焼結体Sを製作する。
選別し、これを図9bで示すように超硬ダイスDとこの中空内を摺動する超硬パンチPで画成されたキャビティ内に充填する。そして、超硬パンチPで加圧しながら(Z方向)加圧方向に電流を流して通電加熱することにより、ナノ結晶組織のNd-Fe-B系の主相(50nm
〜200nm程度の結晶粒径)と、主相の周りにあるNd-X合金(X:金属元素)の粒界相からな
る四角柱状の焼結体Sを製作する。
ここで、粒界相を構成するNd-X合金は、Ndと、Co、Fe、Ga等のうちの少なくとも1種以上の合金からなり、たとえば、Nd-Co、Nd-Fe、Nd-Ga、Nd-Co-Fe、Nd-Co-Fe-Gaのうちのいずれか一種、もしくはこれらの二種以上が混在したものであって、Ndリッチな状態となっている。
図10で示すように、焼結体Sはナノ結晶粒MP(主相)間を粒界相BPが充満する等方性の結晶組織を呈している。
四角柱状の焼結体Sが製造されたら、図3で示す前方押出し加工による熱間塑性加工を施し、焼結体Sに磁気的異方性を付与して希土類磁石(配向磁石)を製造する。
この熱間塑性加工により、たとえば熱間塑性加工前の焼結体の厚みがs1で、熱間塑性加工によって製造された希土類磁石の厚みがs2とした際に、加工率は(s1-s2)/s1で表されるが、押出し鍛造によって60〜80%の加工率で加工されるのがよい。なお、熱間塑性加工の
押出し加工の際の歪み速度は0.1/sec以上に調整されているのがよい。
押出し加工の際の歪み速度は0.1/sec以上に調整されているのがよい。
図11で示すように、押出し鍛造加工からなる熱間塑性加工によって、製造された希土類磁石C(配向磁石)は、ナノ結晶粒MPが扁平形状をなし、異方軸とほぼ平行な界面は湾曲したり屈曲していて、磁気的異方性に優れた希土類磁石Cとなっている。
図示する配向磁石Cに関し、RE-Fe-B系の主相(RE:Nd、Prの少なくとも一種)と、該主相の周りにあるRE-X合金(X:金属元素)の粒界相からなる金属組織を有しており、REの含有割合が29質量%≦RE≦32質量%であり、製造された希土類磁石の主相の平均粒径は300nm
となっているのがよい。REの含有割合が上記範囲にあることで、熱間塑性加工時の割れの発生抑止効果が一層高く、高い配向度を保証することができる。また、REの含有割合が上記範囲であることで、高い残留磁束密度を保証できる主相の大きさが確保できる。
となっているのがよい。REの含有割合が上記範囲にあることで、熱間塑性加工時の割れの発生抑止効果が一層高く、高い配向度を保証することができる。また、REの含有割合が上記範囲であることで、高い残留磁束密度を保証できる主相の大きさが確保できる。
なお、製造された希土類磁石(配向磁石)に対し、Dy等の重希土類金属のほか、Nd-Cu
合金、Nd-Al合金、Pr-Cu合金、Pr-Al合金等の重希土類金属を含まない改質合金を粒界拡
散し、保磁力が一層高められた希土類磁石としてもよい。たとえば、Nd-Cu合金の共晶温
度は520℃程度、Pr-Cu合金の共晶温度は480℃程度、Nd-Al合金の共晶温度は640℃程度、Pr-Al合金の共晶温度は650℃程度であり、これらの改質合金はナノ結晶磁石を構成する結
晶粒の粗大化を齎す700℃〜1000℃を大きく下回っていることから、希土類磁石がナノ結
晶磁石の場合に特に好適である。
合金、Nd-Al合金、Pr-Cu合金、Pr-Al合金等の重希土類金属を含まない改質合金を粒界拡
散し、保磁力が一層高められた希土類磁石としてもよい。たとえば、Nd-Cu合金の共晶温
度は520℃程度、Pr-Cu合金の共晶温度は480℃程度、Nd-Al合金の共晶温度は640℃程度、Pr-Al合金の共晶温度は650℃程度であり、これらの改質合金はナノ結晶磁石を構成する結
晶粒の粗大化を齎す700℃〜1000℃を大きく下回っていることから、希土類磁石がナノ結
晶磁石の場合に特に好適である。
[従来の前方押出し鍛造装置を使用して製造された成形体と本発明の前方押出し鍛造装置
を使用して製造された成形体の部位ごとの加工歪みを測定した実験とその結果]
本発明者等は、従来の前方押出し鍛造装置を使用して製造された成形体(比較例1)、
本発明の前方押出し鍛造装置を使用して製造された成形体(実施例1、実施例2)それぞれの部位ごとの加工歪みを測定した実験をおこなった。
を使用して製造された成形体の部位ごとの加工歪みを測定した実験とその結果]
本発明者等は、従来の前方押出し鍛造装置を使用して製造された成形体(比較例1)、
本発明の前方押出し鍛造装置を使用して製造された成形体(実施例1、実施例2)それぞれの部位ごとの加工歪みを測定した実験をおこなった。
ここで、比較例1、実施例1、2ともに、2つのワークを継ぎ押し鍛造したものであるが
、比較例1と実施例1のワークの断面形状は矩形であり、実施例2のワークの断面形状は図
6bで示すように前方面および後方面が湾曲状を呈したものである。実験結果を図12に示す。
、比較例1と実施例1のワークの断面形状は矩形であり、実施例2のワークの断面形状は図
6bで示すように前方面および後方面が湾曲状を呈したものである。実験結果を図12に示す。
図12において、測定位置0mmはダイスの縮径している箇所の内周面の位置であり、1.8mmの位置はダイスの縮径している箇所の中央位置である。
同図より、比較例1に比して実施例1の加工歪み分布はワーク全体として均質化が図られていることが分かる。
また、実施例1に比して実施例2の加工歪み分布は、さらにワーク全体として均質化が図られていることが分かる。
この実験結果より、パンチの押出し面形状に特徴のある本発明の鍛造装置を使用して前方押出し鍛造を実施することで、鍛造品内部の歪み分布を緩和することができることが実証されている。さらに、ワークの前方面および後方面の形状にも改良を加えることでより一層鍛造品内部の歪み分布の緩和が図られることが実証されている。
[従来の前方押出し鍛造装置を使用して製造された成形体と、本発明の前方押出し鍛造装
置を使用して製造された成形体それぞれの継ぎ押し鍛造の際のやじり長さを測定する実験とその結果]
本発明者等はさらに、従来の前方押出し鍛造装置を使用して製造された成形体(比較例2)、本発明の前方押出し鍛造装置を使用して製造された成形体(実施例3)それぞれの継ぎ押し鍛造の際のやじり長さを測定し、比較する実験をおこなった。なお、この実験では、ダイスの内周面に塗布される潤滑剤の摩擦係数を0.1、0.08、0.06の3種でおこなった
。その結果を図13に図である。
置を使用して製造された成形体それぞれの継ぎ押し鍛造の際のやじり長さを測定する実験とその結果]
本発明者等はさらに、従来の前方押出し鍛造装置を使用して製造された成形体(比較例2)、本発明の前方押出し鍛造装置を使用して製造された成形体(実施例3)それぞれの継ぎ押し鍛造の際のやじり長さを測定し、比較する実験をおこなった。なお、この実験では、ダイスの内周面に塗布される潤滑剤の摩擦係数を0.1、0.08、0.06の3種でおこなった
。その結果を図13に図である。
同図より、いずれの摩擦係数の場合でも、比較例2に比して実施例3の矢じり状の部分の長さは大きく低減しており、摩擦係数0.1、0.08の場合で5割程度低減し、摩擦係数0.06の場合で9割程度低減することが実証されている。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…ダイス、1’…内周面、2,2A,2B,2C…パンチ、2’,2a,2b,2c
… 押出し面、10…鍛造装置(前方押出し鍛造装置)、H…中空、W,Wa,Wb…ワ
ーク、WT…鍛造体、WT1…第1の鍛造体、WT2…第2の鍛造体、Ya…矢じり状の部分、R…銅ロール、B…急冷薄帯(急冷リボン)、D…超硬ダイス、P…超硬パンチ、S…焼結体、C…希土類磁石(配向磁石)、MP…主相(ナノ結晶粒、結晶粒、結晶)、BP…粒界相
… 押出し面、10…鍛造装置(前方押出し鍛造装置)、H…中空、W,Wa,Wb…ワ
ーク、WT…鍛造体、WT1…第1の鍛造体、WT2…第2の鍛造体、Ya…矢じり状の部分、R…銅ロール、B…急冷薄帯(急冷リボン)、D…超硬ダイス、P…超硬パンチ、S…焼結体、C…希土類磁石(配向磁石)、MP…主相(ナノ結晶粒、結晶粒、結晶)、BP…粒界相
Claims (8)
- 中空を有するダイスにおいて、該中空はその途中位置で縮径しており、中空内に収容されたワークが、該ワークの後方に位置して中空内を摺動するパンチにて中空の前方へ押し出されて鍛造される前方押出し鍛造装置であって、
前記パンチにおいてワークを押し出す押出し面が、その中央位置に向かって押出し方向と反対側に窪んでいる前方押出し鍛造装置。 - 中空を有するダイスにおいて、該中空はその途中位置で縮径しており、中空内に収容されたワークが、該ワークの後方に位置して中空内を摺動するパンチにて中空の前方へ押し出されて鍛造される前方押出し鍛造装置であって、前記パンチにおいてワークを押し出す押出し面が、その中央位置に向かって押出し方向と反対側に窪んでいる前方押出し鍛造装置を準備する第1のステップ、
第1のワークを中空内に収容し、前記パンチにて該第1のワークを前方に押し出し鍛造し、第1の鍛造体を得る第2のステップからなる前方押出し鍛造方法。 - 中空に収容される前の第1のワークの形状として、該第1のワークの押出し方向の前方面がその中央位置に向かって押出し方向と反対側に窪んでいる第1のワークを使用する請求項2に記載の前方押出し鍛造方法。
- 中空に収容される前の第1のワークの形状として、さらに、パンチで押される該第1のワークの後方面がその中央位置に向かって押出し方向と反対側に凸状である第1のワークを使用する請求項3に記載の前方押出し鍛造方法。
- 前記第2のステップに続いて、第1の鍛造体の後方の中空内に第2のワークを収容し、前記パンチにて該第2のワークを前方に押し出し鍛造して第2の鍛造体を得るとともに、該第2の鍛造体で第1の鍛造体を中空の出口から押し出す第3のステップをさらに備える請求項2〜4のいずれかに記載の前方押出し鍛造方法。
- 中空に収容される前の第2のワークの形状として、該第2のワークの押出し方向の前方面がその中央位置に向かって押出し方向と反対側に窪んでいる第2のワークを使用する請求項5に記載の前方押出し鍛造方法。
- 中空に収容される前の第2のワークの形状として、さらに、パンチで押される該第2のワークの後方面がその中央位置に向かって押出し方向と反対側に凸状である第2のワークを使用する請求項6に記載の前方押出し鍛造方法。
- 前記ワークは、希土類磁石材料となる粉末であって、RE-Fe-B系の主相(RE:Nd、Prの少なくとも一種)と、該主相の周りにあるRE-X合金(X:金属元素)の粒界相からなる粉末を加圧成形して得られた焼結体であり、
前記前方押出し鍛造により、前記焼結体に異方性を与える熱間塑性加工が施されて希土類磁石が製造される請求項2〜7のいずれかに記載の前方押出し鍛造方法。
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- 2013-11-13 JP JP2013235268A patent/JP2015093312A/ja active Pending
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- 2014-11-11 CN CN201410641887.2A patent/CN104624895A/zh active Pending
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