JP2015093162A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技の興趣低下を抑制する。
【解決手段】遊技機は、遊技状態に応じた所定の特典付与条件の成立に基づいて特典を付与する特典付与手段を備えている。特典付与手段は遊技状態に応じて1回のゲーム当たりに付与する特典の期待値が異なるように構成されており、特典が付与された場合には付与された特典に関する情報を告知する。このとき、多くの特典の付与が期待できる遊技状態では、付与された特典を実際よりも少なめに告知する。
【選択図】図32

Description

本発明は、スロットマシン等の遊技機に関するものである。
スロットマシン等の遊技機では、遊技者にとって有利な特別状態に切り替える制御を可能とし、その特別状態では抽選により該特別状態の延長等の特典を付与するものがある。かかる遊技機では、特典として所定ゲーム数の延長が付与された場合に特典に関する情報、例えばそのゲーム数を遊技者に対して告知することで遊技者の満足感を高める技術が知られている(例えば特許文献1参照)。また、この特典が常に一定の確率で付与される場合には遊技が単調となってしまうので、相対的に特典が付与されにくい遊技状態と相対的に特典が付与されやすい遊技状態とに切り替える制御を可能とするものもある(例えば特許文献2参照)。
特開2012−235923号公報 特開2012−223289号公報
しかしながら、これらを組み合わせた構成では、遊技状態の切替により遊技の単調化を抑制できる反面、特典の告知確率などから遊技状態が推測可能となり、特典が付与されにくい遊技状態であると推測された場合には特典付与に対する期待感が薄れるため、遊技状態における遊技の興趣が低下してしまうことが懸念される。
そこで本発明は、かかる事情等に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣低下を抑制することを目的としている。
請求項1記載の発明は、
遊技状態に応じた所定の特典付与条件の成立に基づいて特典を付与する特典付与手段と、
所定の第1遊技状態と、前記第1遊技状態よりも1回のゲーム当たりに付与される特典の期待値が高い第2遊技状態とを少なくとも含む複数種類の遊技状態に切り替える制御が可能な遊技状態制御手段と、
前記第1遊技状態又は前記第2遊技状態において前記特典が付与された場合に、該特典に関する情報を遊技者に対して告知する第1告知を行うことが可能であって、前記第2遊技状態においては前記第2遊技状態全体で見て付与された特典よりも前記第1告知により示される特典の方が少なくなるように前記第1告知を行うことが可能な第1特典告知手段と、
前記特典付与手段が付与した特典のうち前記第1告知により示される特典を除外した特典に関する情報を遊技者に対して告知する第2告知を行うことが可能な第2特典告知手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、遊技の興趣低下を抑制することが可能となる。
スロットマシンの正面図である。 スロットマシンの正面斜視図である。 スロットマシンの内部構造を示す展開図である。 前面扉の背面図である。 筐体の正面図である。 各リールの図柄配列を示す図である。 スロットマシンの表示部に表示される図柄と組合せラインとの関係を示す図である。 入賞態様と付与される入賞特典との関係を示す説明図である。 主制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置により実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主制御装置により実行される通常処理を示すフローチャートである。 主制御装置により実行される役抽選処理を示すフローチャートである。 通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 主制御装置により実行されるリール制御処理を示すフローチャートである。 ストップスイッチの操作順序と入賞態様との関係を示す図である。 ベル当選時におけるリールの停止制御を説明するための説明図である。 特殊再遊技当選時におけるリールの停止制御を説明するための説明図である。 主制御装置により実行される払出判定処理を示すフローチャートである。 主制御装置により実行されるBB状態処理を示すフローチャートである。 表示制御装置により実行される状態コマンド処理を示すフローチャートである。 表示制御装置により実行される待機ゲーム数減算処理を示すフローチャートである。 表示制御装置により実行される抽選結果コマンド処理を示すフローチャートである。 表示制御装置により実行される報知開始抽選処理を示すフローチャートである。 報知開始抽選テーブルの一例を示す図である。 補助表示部における押順報知演出を説明するための説明図である。 表示制御装置により実行される上乗せ抽選処理を示すフローチャートである。 第1上乗せ抽選テーブルの一例を示す図である。 第2上乗せ抽選テーブルの一例を示す図である。 表示制御装置により実行される入賞結果コマンド処理を示すフローチャートである。 表示制御装置により実行される報知中処理を示すフローチャートである。 表示制御装置により実行される停止指令コマンド処理を示すフローチャートである。 表示制御装置により実行される罰則判定処理を示すフローチャートである。 表示制御装置により実行される確率変動処理を示すフローチャートである。 表示制御装置により実行される上乗せ告知処理を示すフローチャートである。 補助表示部における上乗せ告知演出を説明するための説明図である。 上乗せ告知抽選テーブルの一例を示す図である。 第2の実施形態における、上乗せ抽選テーブルの一例を示す図である。 第3の実施形態における、表示制御装置により実行される上乗せ告知処理を示すフローチャートである。 第4の実施形態における、表示制御装置により実行される上乗せ告知処理を示すフローチャートである。 第4の実施形態における、告知上限カウンタ及び上乗せ告知カウンタの変位を説明する図である。 第1上乗せ抽選テーブルの別例1を示す図である。 第2上乗せ抽選テーブルの別例1を示す図である。 第1上乗せ抽選テーブルの別例2を示す図である。 第2上乗せ抽選テーブルの別例2を示す図である。 第1上乗せ抽選テーブルの別例3を示す図である。 第2上乗せ抽選テーブルの別例3を示す図である。 第1告知対象上乗せ抽選テーブルの一例を示す図である。 第2告知対象上乗せ抽選テーブルの一例を示す図である。 告知非対象上乗せ抽選テーブルの一例を示す図である。 告知非対象上乗せ抽選テーブルの別例を示す図である。
(第1の実施形態)
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の正面斜視図、図3はスロットマシン10の内部構造を示す展開図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。具体的には、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技に関する情報を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示部26L,26M,26Rが横並びに形成されている。なお、各表示部26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示部としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示部26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示部26L,26M,26Rを通して外部から視認可能な状態となっている。リール32L,32M,32Rが回転した場合、例えば各表示部26L,26M,26Rを通して見えるリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動するように構成されている。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば504パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)が与えられることにより1回転するように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールが1回転したことを検出したリールインデックスセンサからは、その検出毎に後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。主制御装置101では、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの回転位置が1回転毎に確認されるとともに、その回転位置について補正が行われる。すなわち、主制御装置101では、励磁パルス数にズレが生じていた場合には、基準値を示すインデックスセンサからの検出信号に基づきカウント値がリセットされる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その円周方向に、識別情報としての図柄が複数個(本実施形態では21個)等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、24パルス(=504パルス÷21図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101では、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示部26L,26M,26R部分に位置する図柄が確認されたり、表示部26L,26M,26R部分に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示部26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「赤ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの17番目)、「青ベル」図柄(例えば、左リール32Lの16番目)、「青7」図柄(例えば、左リール32Lの15番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「白ベル」図柄(例えば、左リール32Lの6番目)、「チェリー」図柄(例えば、中リール32Mの16番目)、の10種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示部26L,26M,26Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示部26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、計4本の組合せラインが設定されている。より詳しくは、図7に示すように、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの中段図柄、右リール32Rの上段図柄を結んだ第1ラインL1と、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの中段図柄、右リール32Rの下段図柄を結んだ第2ラインL2と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの中段図柄、右リール32Rの上段図柄を結んだ第3ラインL3と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの中段図柄、右リール32Rの下段図柄を結んだ第4ラインL4と、が設定されている。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される入賞特典が付与されたり、遊技状態が移行される入賞特典が付与されたりするようになっている。
図8には、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される入賞特典とが示されている。なお以下では、各入賞となる図柄の組合せを単に入賞図柄の組合せともいう。例えば、チェリー入賞となる図柄の組合せをチェリー入賞図柄の組合せともいう。また、各入賞図柄の組合せを構成する各リール32L,32M,32Rの図柄を入賞図柄ともいう。例えば、第3特殊ベル入賞図柄とは、左リール32Lにおいては「リプレイ」図柄であり、中リール32Mにおいては「白ベル」図柄であり、右リール32Rにおいては「赤ベル」図柄である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、チェリー入賞、第1スイカ入賞、第2スイカ入賞、一般ベル入賞、第1特殊ベル入賞〜第12特殊ベル入賞がある。中リール32Mの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には、チェリー入賞として1枚のメダル払出が行われる。すなわち、チェリー入賞の場合には、左リール32Lと右リール32Rについて、有効ライン上に停止する図柄がどのような図柄であっても良い。換言すれば、中リール32Mの「チェリー」図柄と、左リール32L及び右リール32Rの任意の図柄との組合せが有効ライン上に停止した場合には、チェリーが入賞する。ここで、中リール32Mの中段は4本の有効ラインが重なる位置であるため、中リール32Mの中段に「チェリー」図柄が停止した場合には、4本全ての有効ライン上にてチェリーが入賞することとなり、結果として4(=1×4)枚のメダル払出が行われる。各リール32L,32M,32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1スイカ入賞として5枚のメダル払出が行われる。中リール32Mの「青7」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2スイカ入賞として1枚のメダル払出が行われる。すなわち、第2スイカ入賞の場合には、左リール32Lについて有効ライン上に停止する図柄がどのような図柄であっても良い。各リール32L,32M,32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ライン上に停止した場合には、一般ベル入賞として9枚のメダル払出が行われる。また、各リール32L,32M,32Rのうち2つのリールの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ライン上に停止し、残り1つのリールの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、特殊ベル入賞として1枚のメダル払出が行われる。例えば、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第1特殊ベル入賞として1枚のメダル払出が行われる。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞と第2BB入賞がある。
各リール32L,32M,32Rの「青7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1BB入賞となり、左リール32L及び中リール32Mの「青7」図柄と右リール32Rの「白7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2BB入賞となる。これらBBが入賞した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。BB状態に移行すると通常遊技状態と比較して小役の入賞が高まり、遊技者の有利度合いが向上する。
次に、メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の入賞特典が付与される入賞としては、一般再遊技入賞及び特殊再遊技入賞がある。各リール32L,32M,32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には一般再遊技入賞となる。左リール32Lの「リプレイ」図柄、「青7」図柄又は「BAR」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄又は「青7」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、特殊再遊技入賞となる。但し、この特殊再遊技が入賞する場合には、特殊再遊技入賞図柄の組合せが常に第3ラインL3上に停止するように制御されるため、特殊再遊技入賞に対応する図柄の組合せが第1ラインL1、第2ラインL2、第4ラインL4上に停止することはない。そして、この特殊再遊技が入賞した場合には、必ず中段ライン上にベル図柄が停止することとなる。このように特殊再遊技が入賞したときにベル図柄を中段ライン上に停止させるのは以下の理由による。
再遊技が入賞した場合、遊技者は新たにメダルを賭けることなく再度遊技を行うことができるが、遊技者にとって遊技が進行せずに足止めをされているような感覚となり、遊技者の遊技意欲が減退する原因となっていた。特に本スロットマシン10のように再遊技入賞の確率が高く設定されている遊技機についてはその問題が顕著である。そこで、特殊再遊技が入賞する場合には、図8に示すように、複数種類の図柄の組合せからなる特殊再遊技入賞図柄を有効ライン上に停止させるとともに、有効ライン以外の中段ライン上にベル図柄を停止させることで、ベルが入賞したように見せかけるようにしている。これにより、遊技者に対して再遊技入賞が頻繁に繰り返されているような感覚を与えることを抑制することができる。
図1〜図5の説明に戻り、遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。遊技の開始に必要な規定数の遊技価値が賭けられている状態でスタートレバー41が操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始、すなわち図柄の変動表示を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、各リール32L,32M,32Rの回転を個別に停止させるボタン状のストップスイッチ42〜44が設けられている。各ストップスイッチ42〜44は、停止させるリール32L,32M,32Rに対応させて表示部26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。よって、このストップスイッチ42〜44は、リール32L,32M,32Rの回転による図柄の変化を停止させる停止操作手段を構成する。
表示部26L,26M,26Rの下方右側には、遊技媒体であるメダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。そして、前面扉12の背面にはメダル通路切替ソレノイド46aを有するセレクタ46が設けられている。メダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時には、メダル投入口45に投入されたメダルは排出用通路48側を通り、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと送られて遊技者に返還される。これにより、メダル投入の受付が禁止される。一方、メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時には、メダル投入口45に投入されたメダルは貯留用通路47側を通り、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと送られる。これにより、メダル投入の受付が許可される。
ホッパ装置51は、メダルを貯める貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とによって構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52の設定枚数を超えて送られるメダルを受けるための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯まった場合には、オーバーしたメダルが予備タンク54へと送られることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の詰まり解消スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で詰まり解消スイッチ55が操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して作動し、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示部26L,26M,26Rの下方左側には、クレジットベットスイッチ56〜58が設けられている。本スロットマシン10では、投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で、第1クレジットベットスイッチ56が操作された場合には一度に3枚の仮想メダルがベットされ(賭けられ)、第2クレジットベットスイッチ57が操作された場合には一度に2枚の仮想メダルがベットされ、第3クレジットベットスイッチ57が操作された場合には1枚の仮想メダルがベットされるように構成されている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59が操作されることにより、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるように構成されている。
遊技パネル25の表示部26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60〜62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技に関する情報を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ32l,32m,32r、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42〜44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a〜44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、各クレジットベットスイッチ56〜58の操作を個別に検出するクレジットベット検出センサ56a〜58a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するために十分な時間が確保されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路、及び仮想メダル数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106とによって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、BB状態等の遊技状態を記憶するための状態情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
主制御装置101の出力側には、表示制御装置81、ストップスイッチ42〜44に内蔵されたストップランプ42b〜44b、各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ42c〜44c、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、遊技ホールに設けられたホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
次に、表示制御装置81の電気的構成について、図10のブロック図に基づいて説明する。
表示制御装置81には、演算処理手段であるCPU82を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU82には、このCPU82によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM83と、このROM83内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM84などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側に上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいて上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。なお、各種表示部60〜62を表示制御装置81が制御する構成としてもよい。
表示制御装置81のROM83には、遊技者にとって有利な操作順序を報知する報知状態を開始するか否かを決定するための報知開始抽選テーブル群83a、報知状態においてその報知状態を延長する特典を付与するか否かを決定するための上乗せ抽選テーブル群83b、報知状態において相対的に上乗せ抽選に当選し難い遊技状態(以下、本実施形態では低確率状態という。第1遊技状態に相当)である場合に相対的に上乗せ抽選に当選し易い遊技状態(以下、本実施形態では高確率状態という。第2遊技状態に相当)へ移行するか否かを決定するための昇格抽選テーブル83c、高確率状態である場合に低確率状態へ移行するか否かを決定するための転落抽選テーブル83d、高確率状態で上乗せ抽選に当選した場合に上乗せ報知回数を告知する上乗せ告知演出を行うか否かを決定するための上乗せ告知抽選テーブル群83eが設けられている。
表示制御装置81のRAM84には、報知状態を終了させるまでの残り報知回数を記憶する第1カウンタ84a、報知状態を終了させるまでの残り報知回数として報知状態において補助表示部65に表示するための値を記憶するための第2カウンタ84bが設けられている。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを図11〜図20を参照しながら説明する。
図11は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートである。タイマ割込み処理は例えば1.49msecごとに発生する。
まず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。その後ステップS102にて、停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、まずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可すると共に停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
まずステップS104にて、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。その後、ステップS105にて、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。その後、ステップS106にて、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。そしてステップS107に進み、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a〜44a、投入メダル検出センサ45a、払出検出センサ51a等の各種センサ(図9参照)の状態を読み込むと共に、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。その後、ステップS108にて、各カウンタやタイマの値を減算又は加算するタイマ演算処理を行う。その後、ステップS109にて、メダルのベット数(賭け数)や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
その後、ステップS110にて、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。そして、ステップS111にて、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61及び払出枚数表示部62にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112に移り、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60〜62に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。その後、ステップS113にて、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。続いて、ステップS114にて、先のステップS41にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図12のフローチャートに基づき説明する。
通常処理においては、まずステップS201にて、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。その後、ステップS202にて、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS203〜ステップS214に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理においては、まずステップS203にて、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。そして、ステップS204にて前回の遊技でいずれかの再遊技が入賞したか否かを判定し、入賞したと判定した場合には、ステップS205にて前回のベット数と同数の仮想メダルを自動ベットする自動ベット処理を行う。なお、自動ベット処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルのベットを行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技が入賞した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。自動ベット処理後、又はいずれの再遊技も入賞していなかった場合には、ステップS206にて開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、まずタイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップS107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、操作されたと判定した場合にはクレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出す精算処理を行う。精算処理後、又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジットベットスイッチ56〜58の操作がされたか否かを判定する。いずれかが行われた場合にはベット数の設定を行うベット数設定処理を行い、開始待ち処理を終了する。一方、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジットベットスイッチ56〜58の操作のいずれもなされていない場合にはそのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS207にてメダルのベット数が遊技の開始に必要な規定数(本実施形態では3)に達しているか否かを判定し、ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS206の開始待ち処理に戻る。ベット数が規定数に達している場合には、ステップS208にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS206の開始待ち処理に戻る。
続いて、ステップS209以降の処理について説明する。ステップS209にて、上述した第1ラインL1〜第4ラインL4の全ての組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行うとともに、ステップS210にてメダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えて投入メダルの受付を禁止、すなわち、メダル投入口45に投入されたメダルが排出用通路48を通過してメダル受け皿50に払い戻されるようにメダル通路を切り替えて投入メダルの受付を禁止する。その後、ステップS211の役抽選処理、ステップS212のリール制御処理、ステップS213のメダル払出処理、ステップS214のBB状態処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
次に、ステップS211の役抽選処理について、図13のフローチャートに基づき説明する。
まずステップS301にて、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0〜65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを抑制することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302にて、役の当否判定を行うための役抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、大別して通常遊技状態、BB状態の2種類の遊技状態を有している。そこでステップS302にて、状態情報格納エリア106cにセットされている設定フラグに基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、遊技状態と対応した役抽選テーブルを選択する。例えば、状態情報格納エリア106cに設定フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用役抽選テーブルを選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」までの6段階で各遊技状態の役抽選テーブルが予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの役抽選テーブルに基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。乱数の取得後、ステップS302にて、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い役抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い役抽選テーブルを選択する。なお、通常遊技状態では、一般ベルと特殊ベルとが同じゲームで当選した場合に一般ベルが入賞するための操作順序(押順)を報知する報知状態と、報知しない非報知状態とが存在するが、報知状態と非報知状態との間で役抽選テーブルは共通とする。
役抽選テーブルについて、簡単に説明する。図14は、「設定3」の通常遊技状態で選択される通常遊技状態用役抽選テーブルである。役抽選テーブルには、インデックス値IVAが設定されており、各インデックス値IVAには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVAが設定されている。
役抽選テーブルを選択した後、ステップS303にてインデックス値IVAを1とし、続くステップS304にて、役の当否を判定する際に用いる判定値DVAを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVAに、現在のインデックス値IVAと対応するポイント値PVAを加算して新たな判定値DVAを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVAとし、この乱数値に現在のインデックス値IVAである1と対応するポイント値PVAを加算して新たな判定値DVAとする。
その後、ステップS305にてインデックス値IVAと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVAが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306に進み、そのときのインデックス値IVAと対応する当選フラグをRAM106の当選フラグ格納エリア106aにセットする。例えば、IVA=5のときに判定値DVAが65535を超えた場合、ステップS306にて、第2スイカに当選したことを示す当選フラグを当選フラグ格納エリア106aにセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(以下、「第1BB当選フラグ」という。)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(以下、「第2BB当選フラグ」という。)でない場合は、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のS203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合には、これら当選フラグは対応するBBが入賞したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグと第2BB当選フラグは、複数回のゲームにわたって有効とされる場合がある。なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップS306にて、現在のインデックス値IVAが3〜20であればインデックス値IVAと対応する当選フラグをセットし、現在のインデックス値IVAが1又は2であれば対応する当選フラグをセットしない。つまり、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグが持ち越されているゲームでは、第1BB及び第2BB以外の役に当選した場合には対応する当選フラグをセットする一方、第1BB又は第2BBに当選した場合には対応する当選フラグをセットしない。
ステップS305にて判定値DVAが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVAと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS307にてインデックス値IVAを1加算し、続くステップS308にてインデックス値IVAと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVAが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVAの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304にて、先の役の当否判定に用いた判定値DVA(すなわち現在の判定値DVA)に現在のインデックス値IVAと対応するポイント値PVAを加算して新たな判定値DVAとし、ステップS305にて、当該判定値DVAに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図14に示した役抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、IVA=1の際に当選となる確率は約16400分の1、IVA=2の際に当選となる確率は約2050分の1、IVA=3の際に当選となる確率は約72.8分の1、IVA=4の際に当選となる確率は約54.6分の1、IVA=5の際に当選となる確率は約256分の1、IVA=6の際に当選となる確率は約65500分の1である。IVA=7〜10の際に当選となる確率はそれぞれ約1310分の1であり、IVA=11〜18の際に当選となる確率はそれぞれ約25.7分の1である。IVA=19の際に当選となる確率は約7.30分の1であり、IVA=20の際に当選となる確率は約3.21分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約4.99分の1である。
ステップS306にて当選フラグをセットした後、又はステップS308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS309にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理S110にて行われる。
そして、ステップS310にて、リール停止制御用の停止情報を役の当否判定の結果に基づいて最初に設定する停止情報第1設定処理を行い、抽選処理を終了する。
次に、ステップS212のリール制御処理について、図15のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、まずステップS401において各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。このため、遊技者が規定数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするためのモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理S106にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。その後、各リール32L,32M,32Rが所定速度の定速回転に達することにより回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転が定速になると、各ストップスイッチ42〜44に内蔵されたストップランプ42b〜44bを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS402にて、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42〜44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS403に進み、回転中の何れのリールに対応したストップスイッチが操作されたか否か、すなわち何れのストップスイッチ検出センサから停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令の発生があるまではステップS402に戻ってステップS403との判定が繰り返されるため、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまでは待機状態となる。停止指令が発生した場合には、ステップS404にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、何れのストップスイッチが操作されたのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。そして、停止指令コマンドをセットした場合には、次に回転中のリールを停止させるべくステップS405〜ステップS411に示す停止制御処理を行う。
まずステップS405にて、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS406にて、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42〜44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS406にて、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0〜4のいずれかの値を算出する。その後、ステップS407にて、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に対して実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。その後、ステップS408にて、今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しいか否かを判定し、等しいと判定した場合にはステップS409にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS410にて、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS411にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS402に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、最初に停止したリールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目とに基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIVA=7〜18の際に当選となった場合、すなわち一般ベルと2種類の特殊ベルについて当選となった場合(図14参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42〜44の操作順序によって入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図16は、IVA=7〜18の際にセットされる当選フラグと、ストップスイッチ42〜44の操作順序と、入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えばIVA=11と対応する当選フラグ「11」がセットされている場合には、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合に第1特殊ベルが入賞するよう停止情報を設定し、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合に一般ベルが入賞するよう停止情報を設定し、右ストップスイッチ44が最初に操作された場合に第9特殊ベルが入賞するよう停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングによっては対応する役が入賞しない場合がある。
ここで、各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42〜44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができ、左リール32Lと右リール32Rにおいては上段と下段に有効ラインが設定され、中リール32Mにおいては中段に有効ラインが設定される。このため、左リール32Lと右リール32Rに関しては、同種図柄同士の間隔が6図柄以下で配置されていればストップスイッチ42,44の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができ、中リール32Mに関しては、同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されていればストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。左リール32Lには、「リプレイ」図柄、「青年」図柄及び「スイカ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mには、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄が同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されており、右リール32Rには、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されている。このため、上記各図柄が当選図柄となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず有効ライン上に当選図柄を停止させることができる。一方、「赤ベル」図柄や「白ベル」図柄等の他の図柄に関しては、上記間隔以上に離れた区間が形成されるようにして配置されているため、有効ライン上に停止させるためには遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42〜44を操作する必要がある。
IVA=11の際に当選となり、左ストップスイッチ42→中ストップスイッチ43→右ストップスイッチ44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第1特殊ベルを入賞させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lには、第1特殊ベル図柄たる「リプレイ」図柄が、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されている。このため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段又は下段に「リプレイ」図柄が停止する。例えば左リール32Lの11番の「スイカ」図柄が下段に到達しているタイミングで左ストップスイッチ42が操作された場合には、図17(a)に示すように、12番の「リプレイ」図柄が下段に停止する。この結果、第3ラインL3と第4ラインL4で第1特殊ベルの入賞する余地が残る。なお、13番の赤ベルが下段に到達しているタイミングで左ストップスイッチ42が操作された場合には、「リプレイ」図柄を下段に引き込むことができないので、19番の「リプレイ」図柄を上段に停止することにより、第1ラインL1と第2ラインL2で第1特殊ベルの入賞する余地が残る。
中リール32Mには、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が、2番,5番,10番,20番の位置に配置されている。20番〜10番の区間では、「赤ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている一方、10番〜20番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が9図柄となっている。このため、中ストップスイッチ43の操作タイミングによって「赤ベル」図柄が有効ライン上に停止したりしなかったりする。具体的には、16番の「チェリー」図柄〜10番の「赤ベル」図柄のいずれかが中段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、図17(b)に示すように、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が中段に停止する。この結果、第3ラインL3と第4ラインL4で第1特殊ベルの入賞する余地が残る。一方、11番の「スイカ」図柄〜15番の「白ベル」図柄のいずれかが中段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合には、中リール32Mを4図柄分滑らせた後に停止させたとしても第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄を中段に停止させることができない。かかるタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合には、図17(c)に示すように、15番の「白ベル」図柄が中段に停止する。「赤ベル」図柄を中段に停止させることができない場合に「白ベル」図柄を中段に停止させることにより、当選役が報知されていない状況において、第3特殊ベル入賞又は第4特殊ベルが入賞することを遊技者に期待させることが可能となる。
右リール32Rには、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が9番と16番の位置に配置されている。9番〜16番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が6図柄となっている一方、16番〜9番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が13図柄となっている。このため、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって「赤ベル」図柄が有効ライン上に停止したりしなかったりする。具体的には、3番の「リプレイ」図柄〜16番の「赤ベル」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が上段又は下段に停止する。この結果、第3ラインL3又は第4ラインL4で第1特殊ベルが入賞する。例えば、15番の「白7」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、図17(d)に示すように、16番の「赤ベル」図柄が下段に停止して、第4ラインL4で第1特殊ベルが入賞する。一方、17番の「青7」図柄〜2番の「白ベル」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、右リール32Rを4図柄分滑らせた後に停止させたとしても第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄を上段又は下段に停止させることができない。かかるタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「青ベル」図柄が上段又は下段に停止する。例えば、2番の「白ベル」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、図17(e)に示すように、第4ラインL4上に左から「リプレイ」図柄、「白ベル」図柄、「青ベル」図柄が停止する。つまり、第1特殊ベルを入賞させることができないタイミングでストップスイッチ42〜44が操作された場合には、有効ライン上に外れ目が停止する。
次に、IVA=7の際に当選となり、左ストップスイッチ42→中ストップスイッチ43→右ストップスイッチ44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、一般ベルを入賞させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lには、ベル図柄たる「赤ベル」図柄が13番と20番の位置に配置されるとともに、ベル図柄たる「白ベル」図柄が6番の位置に配置されている。かかる場合、6番の「白ベル」図柄と13番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、13番の「赤ベル」図柄と20番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、20番の「赤ベル」図柄と6番の「白ベル」図柄の間隔は6図柄である。つまり、左リール32Lには、青ベル図柄を除くベル図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段又は下段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」が停止する。
中リール32Mには、ベル図柄たる「赤ベル」図柄が20番,2番,5番,10番の位置に配置されるとともに、ベル図柄たる「白ベル」図柄が15番の位置に配置されている。かかる場合、20番〜10番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となっており、10番の「赤ベル」図柄と15番の「白ベル」図柄の間隔が4図柄となっており、15番の「白ベル」図柄と20番の「赤ベル」図柄の間隔が4図柄となっている。つまり、中リール32Mには、青ベル図柄を除くベル図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、中ストップスイッチ43が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」が停止する。
右リール32Rには、ベル図柄たる「赤ベル」図柄が9番と16番の位置に配置されるとともに、ベル図柄たる「白ベル」図柄が2番の位置に配置されている。かかる場合、2番の「白ベル」図柄と9番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、9番の「赤ベル」図柄と16番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、16番の「赤ベル」図柄と2番の「白ベル」図柄の間隔は6図柄である。つまり、右リール32Rには、青ベル図柄を除くベル図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、右ストップスイッチ44が最後に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段又は下段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」が停止する。この結果、各リール32L,32M,32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ライン上に停止し、一般ベルが入賞する。
IVA=7〜18の際に当選となった場合には、6通りのストップスイッチ42〜44の操作順序のうち2通りの操作順序について一般ベルが入賞するよう停止情報を設定し、4通りの操作順序について特殊ベルが入賞するよう停止情報を設定する。上述したとおり、一般ベルが入賞するよう停止情報が設定された場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず一般ベルが入賞する。一方、特殊ベルが入賞するよう停止情報が設定された場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングによって特殊ベルが入賞したりしなかったりする。
また、遊技者は、左リール32Lに「リプレイ」図柄が停止した場合、中リール32Mと右リール32Rを停止させる場合に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄を狙って中ストップスイッチ43と右ストップスイッチ44を操作するものと想定される。かかる場合、当選役が報知されていない状況においては、4分の1の確率で特殊ベルが入賞し、4分の3の確率で外れ目が有効ライン上に停止することとなる。ちなみに、IVA=6の際に当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず一般ベルが入賞する。
次に、IVA=20の際に当選となった場合を例として説明する。かかる場合には、第3ラインL3上に特殊再遊技入賞図柄の組合せを停止させて特殊再遊技を入賞させると同時に、有効ラインではない左リール32Lの中段図柄、中リール32Mの中段図柄、右リール32Rの中段図柄を結ぶ中段ライン上に「赤ベル」図柄、「白ベル」図柄、「青ベル」図柄のいずれかのベル図柄を停止させることによりベルが入賞したかのように見せかけるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
まず特殊再遊技入賞図柄の組合せについて説明する。特殊再遊技入賞図柄の組合せは、図8に記載の通り、左リール32Lの「リプレイ」図柄、「青7」図柄、「BAR」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄、「白ベル」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄,「青7」図柄との組合せからなる。そうした特殊再遊技入賞図柄の組合せは、いずれの組合せについても複数種類の図柄によって構成されているので、特殊再遊技が入賞した場合であっても遊技者にとってはその入賞が把握しにくい構成となっている。
左リール32Lには、「リプレイ」図柄が5番,12番,19番の位置に配置され、「青7」図柄が15番の位置に配置され、「BAR」図柄が1番と8番の位置に配置されている。かかる場合、1番の「BAR」図柄、5番の「リプレイ」図柄、8番の「BAR」図柄、12番の「リプレイ」図柄、15番の「青7」図柄、19番の「リプレイ」図柄、1番の「BAR」図柄の間隔はそれぞれ3図柄、2図柄、3図柄、2図柄、3図柄、2図柄である。つまり、左リール32Lは、「リプレイ」図柄、「青7」図柄、「BAR」図柄の間隔が4図柄以下となるように配置されている。このため、左ストップスイッチ42が操作された場合には、その操作タイミングに関わらず「リプレイ」図柄、「青7」図柄、「BAR」図柄のうちいずれかの図柄を任意の有効ライン上に停止させることができる。本実施形態では特殊再遊技入賞時に特殊再遊技入賞図柄の組合せが停止する有効ラインが第3ラインL3であるため、左リール32Lでは下段が対応する。そこで、当該下段に「リプレイ」図柄、「青7」図柄、「BAR」図柄のうちいずれかの図柄を停止させる。
中リール32Mには、上述した通り「赤ベル」図柄が2番,5番,10番,20番の位置に配置され、「白ベル」図柄が15番の位置に配置されているので、「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄の間隔が4図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、中ストップスイッチ43が操作された場合にはその操作タイミングに関わらず「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄を任意の有効ライン上に停止させることができる。中リール32Mは、中段が有効ラインである第3ラインL3に対応するため、当該中段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄を停止させる。
右リール32Rには、「リプレイ」図柄が3番,6番,13番,20番の位置に配置され、「青7」図柄が10番,17番の位置に配置されている。かかる場合、3番の「リプレイ」図柄、6番の「リプレイ」図柄、10番の「青7」図柄、13番の「リプレイ」図柄、17番の「青7」図柄、20番の「リプレイ」図柄、3番の「リプレイ」図柄の間隔はそれぞれ2図柄、3図柄、2図柄、3図柄、2図柄、3図柄である。つまり、右リール32Rには「リプレイ」図柄と「青7」図柄の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄と「青7」図柄が配置されている。このため、右ストップスイッチ44が操作された場合にはその操作タイミングに関わらず「リプレイ」図柄又は「青7」図柄を任意の有効ライン上に停止させることができる。右リール32Rは、上段が有効ラインである第3ラインL3に対応するため、当該上段に「リプレイ」図柄又は「青7」図柄を停止させる。この結果、左リール32Lの「リプレイ」図柄、「青7」図柄又は「BAR」図柄、中リール32Mの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄、右リール32Rの「リプレイ」図柄又は「青7」図柄が有効ラインである第3ラインL3上に停止し、特殊再遊技が入賞する。
次に、特殊再遊技が入賞した場合において、ベル図柄が有効ラインではない中段ライン上に停止する構成について説明する。
左リール32Lには、特殊再遊技入賞図柄である1番の「BAR」図柄、5番の「リプレイ」図柄、8番の「BAR」図柄、12番の「リプレイ」図柄、15番の「青7」図柄、19番の「リプレイ」図柄の1図柄上側にはそれぞれ2番の「青ベル」図柄、6番の「白ベル」図柄、9番の「青ベル」図柄、13番の「赤ベル」図柄、16番の「青ベル」図柄、20番の「赤ベル」図柄が配置されている。つまり、特殊再遊技入賞図柄の1図柄上側にはいずれかのベル図柄が配置されている。このため、特殊再遊技が当選している状態で左ストップスイッチ42が操作された場合には、左リール32Lの下段に「リプレイ」図柄、「青7」図柄又は「BAR」図柄が停止するとともに、中段にはいずれかのベル図柄が停止する。例えば、12番の「リプレイ」図柄が下段に到達しているタイミングで左ストップスイッチ42が操作された場合には、図18(a)に示すように、当該12番の「リプレイ」図柄が下段に停止するとともに、13番の「赤ベル」が中段に停止する。
上述したように、特殊再遊技が入賞する場合には、中リール32Mの中段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が停止する。例えば、12番の「チェリー」図柄が中段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合には、図18(b)に示すように、中リール32Mを3図柄分滑らせた後に停止させることにより、15番の「白ベル」図柄を中段に停止する。
右リール32Rには、特殊再遊技入賞図柄である3番の「リプレイ」図柄、6番の「リプレイ」図柄、10番の「青7」図柄、13番の「リプレイ」図柄、17番の「青7」図柄、20番の「リプレイ」図柄の1図柄下側にはそれぞれ2番の「白ベル」図柄、5番の「青ベル」図柄、9番の「赤ベル」図柄、12番の「青ベル」図柄、16番の「赤ベル」図柄、19番の「青ベル」図柄が配置されている。つまり、特殊再遊技入賞図柄である図柄の1図柄下側にはいずれかのベル図柄が配置されている。このため、特殊再遊技が当選している状態で右ストップスイッチ44が操作された場合には、右リール32Rの上段に「リプレイ」図柄又は「青7」図柄が停止するとともに、中段にはいずれかのベル図柄が停止する。例えば、12番の「青ベル」図柄が上段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、図18(c)に示すように、右リール32Rを1図柄分滑らせた後に停止させることにより、13番の「リプレイ」図柄を上段に停止するとともに、12番の「青ベル」を中段に停止する。この結果、第3ラインL3上に特殊再遊技入賞図柄の組合せが停止して特殊再遊技が入賞するとともに、中段ライン上にベル図柄が停止する。
図15に示すリール制御処理の説明に戻り、ステップS410にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS412にて払出判定処理を行う。払出判定処理が終了した場合には、ステップS413にて今回のゲームにおける入賞役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップS412の払出判定処理について説明する。払出判定処理とは、入賞図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。詳しくは、図19のフローチャートに基づき説明する。
まずステップS501にて、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から各有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞しているか否かを判定する。入賞している場合には、ステップS502にて入賞役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞役が当選フラグと対応している場合には、ステップS503にて入賞役と、当該入賞役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞役が当選フラグと対応していない場合には、ステップS504にてスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、ステップS505にてリセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
次に、ステップS213のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合は、先の払出判定処理にて小役が入賞していないと判定したことを意味する。かかる場合には、更に払出判定処理にてセットした入賞役に基づいて、いずれかの再遊技が入賞したか否かを判定する。いずれの再遊技も入賞していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技が入賞している場合には、遊技状態を再遊技状態とする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、ここで行われた再遊技設定処理に基づき、先に説明した開始待ち処理S206において遊技状態が再遊技状態であると判定した場合の自動ベット処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップS214のBB状態処理を図20のフローチャートに基づいて説明する。
まずステップS601にて、現在の遊技状態が既にBB状態になっているか否かを判定する。BB状態になっていない場合には、ステップS602〜ステップS605に示すBB判定処理を行う。
BB判定処理では、ステップS602にて第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップS603に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞役に基づいて、第1BB入賞又は第2BBが入賞したか否かを判定する。そして、いずれかのBBが入賞した場合には、ステップS604にてRAM106の状態情報格納エリア106cにBB設定フラグをセットする。またこのとき、RAM106の当選フラグ格納エリア106aにセットされているBB当選フラグはクリアする。その後、ステップS605にて、状態情報格納エリア106cに設けられたBB状態中に払出可能な残りのメダル数をカウントするための残払出数カウンタに442をセットし、残払出枚数表示部61に442を表示させる処理を行う。こうしたステップS604及びステップS605の処理を行うことにより、遊技状態がBB状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302にて、状態情報格納エリア106cにBB設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態がBB状態であると判別し、BB状態用抽選テーブルを選択する。
遊技状態がBB状態に移行している場合には、ステップS601にて肯定判定をし、ステップS606にて終了判定処理を行う。終了判定処理では、例えば残払出数カウンタの値が0となったか否かを判定し、0となった場合にBB設定フラグをクリアして遊技状態を通常遊技状態に移行する処理を行う。
いずれのBB当選フラグもセットされていない場合(ステップS602がNOの場合)、いずれのBBも入賞していない場合(ステップS603がNOの場合)、ステップS605にて残払出数カウンタに442をセットした場合、及びステップS606にて終了判定処理を行った場合には、ステップS607に進み、状態コマンドをセットする。ここで、状態コマンドとは、ゲーム終了時点での遊技状態(すなわち次回のゲームの遊技状態)を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドであり、ステップS607にて、状態情報格納エリア106cにセットされている設定フラグと対応する状態コマンドをセットする。
状態コマンドをセットした後、ステップS608〜ステップS612にて、ホール管理装置等に大当たりが発生したことを示す大当たり信号を出力する信号出力処理を行う。具体的には、まずステップS608にて外部集中端子板121からホール管理装置等に大当たり信号を出力しているか否かを判定する。大当たり信号を出力していない場合には、次にステップS609に進み、現在の遊技状態がBB状態であるか否かを判定する。BB状態でない場合には、そのまま本処理を終了し、遊技状態がBB状態である場合には、ステップS610にて外部集中端子板121から大当たり信号の出力を開始する出力開始処理を行い、本処理を終了する。
このように、本スロットマシン10では、遊技状態がBB状態に移行した場合に大当たり信号を出力する。このため、スロットマシン10と当該スロットマシン10の大当たり回数を表示する大当たりカウンタとを接続して設置する遊技場等においては、BB状態に移行した場合に大当たりカウンタに表示することができる。なお、BB状態に移行した場合だけでなく、報知状態に移行した場合にも大当たり信号を出力するようにしても良い。報知状態に移行したことの判定手法としては、例えば、報知状態でなければ発生しないはずの事象(本実施形態では、最初に中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44が操作されてベルが入賞することや、当該事象がベルを取りこぼすことなく所定回数連続で発生することなど)が発生した場合に報知状態の開始を判定し、報知状態では発生しないはずの事象(本実施形態では、ベルを取りこぼすことなど)が発生した場合に報知状態の終了を判定することが考えられる。あるいは、報知状態の開始抽選に当選した後、通常の遊技手順では停止しえない所定の図柄組合せが停止した場合に報知状態に移行させるように構成した上で、報知状態の移行抽選に当選した場合に補助表示部65等で所定の図柄組合せが停止するように遊技手順を報知し、所定の図柄組合せが停止したことを条件として報知状態の開始を判定するようにしても良い。また、BB状態に移行した場合の大当たり信号と、報知状態に移行した場合の大当たり信号とを外部集中端子板121の異なる出力部から出力する構成としても良い。かかる構成とした場合には、大当たりカウンタにおいて、BB状態に移行した回数と、報知状態に移行した回数とを別個に表示することが可能となる。
続いて本スロットマシン10では、表示制御装置81がストップスイッチ42〜44の操作順序を報知したりしなかったりすることにより、ベルの入賞確率が変動し、遊技者の有利度合いが変化する。そこで以下では、表示制御装置81が行う各種処理について、図21〜図37を参照しながら説明する。
状態コマンド処理を図21のフローチャートに基づいて説明する。
まずステップS701にて、主制御装置101から状態コマンドを受信したか否かを判定し、受信していない場合にはそのまま本処理を終了する。状態コマンドを受信した場合には、ステップS702に進み、状態コマンドの示す遊技状態を表示制御装置81のRAM84に記憶する。その後、ステップS703にて、現在の遊技状態がBB状態であるか否かを判定する。BB状態でない場合にはステップS704に進み、今回のゲームがBB状態の終了したゲームであるか否かを判定する。具体的には、先のゲームでBB状態であることを示す状態コマンドを受信し、今回のゲームで通常遊技状態であることを示す状態コマンドを受信したか否かを判定する。今回のゲームがBB状態の終了したゲームであると判定した場合には、ステップS705に進み、待機ゲーム数抽選処理を行う。待機ゲーム数抽選処理では、表示制御装置81が取得する乱数に基づいて、1〜1280のいずれかの値を取得する。乱数を取得した後、ステップS706にて、待機ゲーム数抽選処理にて取得した値を、表示制御装置81のRAM84に設けられた待機ゲーム数カウンタにセットする。その後、本処理を終了する。
一方、ステップS704にて今回のゲームがBB状態の終了したゲームでないと判定した場合には、ステップS707に進み、罰則フラグがセットされているか否かを判定する。罰則フラグがセットされている場合には、ステップS708〜ステップS710に示す罰則ゲーム数減算処理を行った後に本処理を終了する。また、罰則フラグがセットされていない場合には、ステップS711に示す待機ゲーム数減算処理を行った後に本処理を終了する。罰則ゲーム数減算処理については後述することとし、待機ゲーム数減算処理を図22のフローチャートに基づいて説明する。
待機ゲーム数減算処理では、ステップS801にて待機ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判定する。待機ゲーム数カウンタの値が0である場合には、そのまま本処理を終了し、待機ゲーム数カウンタの値が0でない場合には、ステップS802にて待機ゲーム数カウンタの値を1減算する。続くステップS803にて、減算後の待機ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判定する。待機ゲーム数カウンタの値が0でない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、待機ゲーム数カウンタの値が0である場合には、ステップS804にてストップスイッチ42〜44の操作順序を報知するための報知フラグをセットする。その後、ステップS805にて、報知状態の終了条件となる操作順序の残り報知回数として、表示制御装置81のRAM84に設けられた第1カウンタ84aに所定値(本実施形態では20)をセットし、ステップS806にて、補助表示部65上に表示するための残り報知回数として、表示制御装置81のRAM84に設けられた第2カウンタ84bに所定値(本実施形態では20)をセットする。その後、本処理を終了する。
このように、表示制御装置81は、BB状態が終了した場合、1〜1280のいずれかの値を待機ゲーム数としてセットする。そして、罰則フラグがセットされていない場合には、状態コマンドを受信する毎に(すなわち1回のゲームが終了する毎に)待機ゲーム数を1減算し、待機ゲーム数が0となった場合に報知フラグをセットする。
ところで、ステップS703にてBB状態であると判定された場合には、待機ゲーム数抽選処理、罰則ゲーム数減算処理、待機ゲーム数減算処理を行う必要がないため、そのまま本処理を終了する。なお、BB状態であると判定された場合においても、待機ゲーム数抽選処理、罰則ゲーム数減算処理、待機ゲーム数減算処理の全て又は一部の処理を行うように構成しても良い。
次に、抽選結果コマンド処理を、図23のフローチャートに基づいて説明する。
まずステップS901にて、主制御装置101から抽選結果コマンドを受信したか否かを判定し、受信していない場合にはそのまま本処理を終了する。抽選結果コマンドを受信した場合には、ステップS902に進み、現在の遊技状態がBB状態であるか否かを判定する。BB状態である場合にはステップS903に進み、何らかの役に当選しているか否かを判定する。いずれの役にも当選していない場合には、そのまま本処理を終了し、いずれかの役に当選している場合には、ステップS904にて罰則フラグがセットされているか否かを判定する。罰則フラグがセットされていない場合には、ステップS905に進み、報知フラグがセットされているか否かを判定する。
初期状態では報知フラグはセットされていないため否定判定してステップS906に進み、報知状態への移行契機となる第1特定役が当選しているか否かを判定する。第1特定役が当選している場合にはステップS907にて報知開始抽選処理を行う。
報知開始抽選処理では、図24のフローチャートに示すように、前述した役抽選処理のような抽選処理を行う。まずステップS1001にて報知状態を開始するか否かの抽選に用いる乱数を取得する。但し、本処理では0〜9999の乱数を生成するフリーランカウンタの値をラッチする構成とし、役抽選に用いるフリーランカウンタとは乱数生成範囲が異なるようにしている。これにより、役抽選の結果と報知開始抽選の結果との間に偏りが生じないようにしている。ラッチした値はCPU82がRAM84に格納する。
乱数を取得した後、ステップS1002にて、報知状態を開始するか否かを決定するための報知開始抽選テーブルを報知開始抽選テーブル群83aの中から選択する。本スロットマシン10では、第1特定役の当選が報知開始の抽選契機となっているが、第1特定役にはチェリー、第1スイカ、第2スイカの3種類が存在し、その役毎に報知開始抽選テーブルが設けられており、当選した第1特定役の種類に対応する報知開始抽選テーブルを選択する。また、本スロットマシン10では、報知開始抽選テーブルについても役抽選テーブルと同様に設定状態に対応して6段階の抽選テーブルが予め用意されており、設定状態に対応する抽選テーブルが選択される。
報知開始抽選テーブルについて簡単に説明する。図25は、「設定3」で選択される報知開始抽選テーブルである。図25(a)はチェリー当選時、図25(b)は第1スイカ当選時、図25(c)は第2スイカ当選時に選択される報知開始抽選テーブルである。報知開始抽選テーブルには、インデックス値IVBが設定されており、各インデックス値IVBには当選セット数、すなわち報知状態の開始が決定された際に実行される報知状態のセット数が一義的に対応付けられているとともにポイント値PVBが設定されている。ここでセットとは、報知状態が開始した後、予め設定された所定条件の成立(本実施形態では、所定回数(20回)の押順の報知。但し、延長あり。)によりその報知状態が終了するまでを1とした報知状態の発生期間を表す単位である。つまり、当選セット数が1である場合には、報知状態が開始し、所定条件の成立によりその報知状態が終了した場合に、報知開始抽選の当選に伴う一連の報知状態が終了となる。当選セット数が2である場合には、報知状態が開始し、所定条件の成立によりその報知状態が終了した後、再度報知状態が開始し、再度所定条件の成立によりその報知状態が終了した場合に、報知開始抽選の当選に伴う一連の報知状態が終了となる。なお、報知状態開始時の所定回数は報知状態毎に抽選により決定するようにしても良い。
報知開始抽選テーブルを選択した後、ステップS1003にてインデックス値IVBを1とし、続くステップS1004にて報知開始抽選の当否を判定する際に用いる判定値DVBを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVBに、現在のインデックス値IVBと対応するポイント値PVBを加算して新たな判定値DVBを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS1001にて取得した乱数値を現在の判定値DVBとし、この乱数値に現在のインデックス値IVBである1と対応するポイント値PVBを加算して新たな判定値DVBとする。
その後、ステップS1005にてインデックス値IVBと対応するセット数の報知状態について当否判定を行う。この当否判定では判定値DVBが9999を超えたか否かを判定する。9999を超えた場合には、ステップS1006に進み、そのときのインデックス値IVBと対応するセット数をRAM84の報知セット数カウンタに加算する。例えば、IVB=2のときに判定値DVBが9999を超えた場合、ステップS1006にて、セット数として2を報知セット数カウンタに加算する。その後、ステップS1007にて待機ゲーム数を0にして、ステップS1008にて報知フラグをセットするとともにステップS1009にて報知セット数カウンタから1減算する。そして、ステップS1010にて第1カウンタ84aを所定値(本実施形態では20)にセットするとともに、ステップS1011にて第2カウンタ84bを所定値(本実施形態では20)にセットする。報知状態では上乗せ抽選、すなわち当該報知状態を延長させるか否かの抽選が行われるが、上乗せ抽選に当選し難い低確率状態と当選しやすい高確率状態とが存在し、報知状態開始時には低確率状態からのスタートとなる。このため、ステップS1012にて高確率状態フラグがセットされているか(1であるか)否かを判定し、セットされていない場合にはそのまま本処理を終了する一方、セットされている場合にはステップS1013にて高確率状態フラグをクリアしてから本処理を終了する。これにより、第1カウンタ84aが所定値(本実施形態では20)にセットされた報知状態が低確率状態で開始される。
ステップS1005にて判定値DVBが9999を超えなかった場合には、インデックス値IVBと対応するセット数の報知状態に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS1014にてインデックス値IVBを1加算し、続くステップS1015にてインデックス値IVBと対応するセット数があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVBが報知開始抽選テーブルに設定されたインデックス値IVBの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS1004に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS1004にて、先の役の当否判定に用いた判定値DVB(すなわち現在の判定値DVB)に現在のインデックス値IVBと対応するポイント値PVBを加算して新たな判定値DVBとし、ステップS1005にて、当該判定値DVBに基づいてセット数の当否判定を行う。
ちなみに、図25に示した報知開始抽選テーブルを用いてセット数の当否判定を行う場合、チェリー当選時については8分の1でいずれかのセット数が当選し、報知開始抽選に当選する場合の約97%がセット数1(IVB=1)、2%がセット数2(IVB=2)、約0.96%がセット数3という振り分けとなっており、第1スイカ当選時については約12分の1でいずれかのセット数が当選し、報知開始抽選に当選する場合の約97%がセット数1(IVB=1)、約1.9%がセット数2(IVB=2)、約0.96%がセット数3(IVB=3)という振り分けとなっており、第2スイカ当選時については4分の1でいずれかのセット数が当選し、報知開始抽選に当選する場合の85%がセット数1(IVB=1)、10%がセット数2(IVB=2)、約5%がセット数3(IVB=3)という振り分けとなっている。すなわち、第1特定役は第1スイカ、チェリー、第2スイカの順で役抽選に当選しやすいが、役抽選に当選しにくい役に当選した場合には報知開始抽選に当選する確率が高く設定されている。さらに役抽選にもっとも当選し難い第2スイカの当選を契機として報知開始抽選に当選した場合には高セット数が当たりやすいように設定されている。
ステップS1013に高確率状態フラグをクリアした後、ステップS1012にて低確率状態であると判定した場合又はステップS1015にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、セット数の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、本処理を終了する。
抽選結果コマンド処理(図23)に戻り、ステップS905にて報知フラグがセットされている場合、すなわちステップS907の報知開始抽選の結果当選して報知状態となっている場合には、ステップS908に進み、押順報知の必要があるか否かを判定する。具体的には、ベルが当選したか否かを判定する。ベルが当選していた場合にはステップS909にて押順報知処理を行う。その後、ステップS910にて第1カウンタ84aから1減算するとともに、ステップS911にて第2カウンタから1減算する。
押順報知処理では、最初に操作すべきストップスイッチのみの操作順序の報知が行われる。これは、ベルに当選している場合には、最初に操作すべきストップスイッチがストップスイッチ42〜44のうちいずれであるかによって、一般ベルが停止するか特殊ベルが停止するかが設定されていることによるものである(図16参照)。
ここで、補助表示部65におけるストップスイッチ42〜44の操作順序の報知(押順報知演出)の内容について、図26を参照して説明する。図26はベルに当選している場合の押順報知演出の様子を示している。なお、図26においては、中ストップスイッチ43を最初に操作した場合に一般ベルが入賞する場合を一例として示している。
ベルに当選している場合の押順報知演出では、図26に示すとおり、補助表示部65にて、ストップスイッチ42〜44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図26では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく且つベルに対応させて黄色(図では斜線)に表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにてベルに当選していること、及び最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。
ステップS908にてベルが当選していないと判定した場合にはステップS912に進み、上乗せ抽選の契機となる第2特定役に当選しているか否かを判定する。第2特定役に当選していなかった場合にはそのまま本処理を終了する一方、第2特定役が当選していた場合にはステップS913にて上乗せ抽選処理を行った後に本処理を終了する。
上乗せ抽選処理では、図27のフローチャートに示すように、前述した報知開始抽選処理と同様に抽選処理を行う。まずステップS1101にて、報知状態において報知回数を上乗せするか否かの抽選に用いる乱数を取得する。乱数の取得は報知開始抽選処理の場合と同様の理由から、0〜9999の乱数を生成するフリーランカウンタの値をラッチする。ラッチした値はCPU82がRAM84に格納する。なお、本スロットマシン10では、簡素化のため報知開始抽選処理に用いるフリーランカウンタと共通のものを使用するが、別のフリーランカウンタを設けても良く、その際乱数生成範囲を異ならせても良い。
乱数を取得した後、ステップS1102にて、上乗せの当否判定を行うための上乗せ抽選テーブルを上乗せ抽選テーブル群83bの中から選択する。上乗せ抽選は報知状態において行われるが、低確率状態に対応する第1上乗せ抽選テーブル、高確率状態に対応する第2上乗せ抽選テーブルが設けられている。このように上乗せ抽選の確率が異なる複数の遊技状態を設定している理由は、上乗せしやすい状態を意図的に作り出すことで遊技の単調化を抑制するためである。本スロットマシン10では、第2特定役であるチェリー、第1スイカ、第2スイカ、特殊再遊技の4種類の役のうちいずれかの当選が上乗せの抽選契機となっている。上乗せ抽選テーブルについては第2特定役の種類及び設定態様に対応して予め設けられている。よって、当選した第2特定役の種類、設定態様及び遊技状態(低確率状態か高確率状態か)に対応する上乗せ抽選テーブルが選択される。
ここで、上乗せ抽選テーブルについて簡単に説明する。図28は「設定3」でかつ低確率状態である場合に選択される第1上乗せ抽選テーブルであり、図28(a)はチェリー当選時、図28(b)は第1スイカ当選時、図28(c)は第2スイカ当選時、図28(d)は特殊再遊技当選時に選択される第1上乗せ抽選テーブルである。図29は「設定3」でかつ高確率状態である場合に選択される第2上乗せ抽選テーブルであり、図29(a)はチェリー当選時、図29(b)は第1スイカ当選時、図29(c)は第2スイカ当選時、図28(d)は特殊再遊技当選時に選択される第2上乗せ抽選テーブルである。上乗せ抽選テーブルには、インデックス値IVCが設定されており、各インデックス値IVCには上乗せ報知回数、すなわち報知状態が延長される報知回数が一義的に対応付けられているとともにポイント値PVCが設定されている。
上乗せ抽選テーブルを選択した後、ステップS1103にてインデックス値IVCを1とし、続くステップS1104にて上乗せ抽選の当否を判定する際に用いる判定値DVCを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVCに、現在のインデックス値IVCと対応するポイント値PVCを加算して新たな判定値DVCを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS1101にて取得した乱数値を現在の判定値DVCとし、この乱数値に現在のインデックス値IVCである1と対応するポイント値PVCを加算して新たな判定値DVCとする。
その後、ステップS1105にてインデックス値IVCと対応する上乗せ報知回数について当否判定を行う。この当否判定では判定値DVCが9999を超えたか否かを判定する。9999を超えた場合には、ステップS1106に進み、そのときのインデックス値IVCと対応する上乗せ報知回数をRAM84の第1カウンタ84aに加算する。例えば、IVC=2のときに判定値DVCが9999を超えた場合、ステップS1106にて、上乗せ報知回数として10を第1カウンタ84aに加算する。
ステップS1105にて判定値DVCが9999を超えなかった場合には、インデックス値IVCと対応する上乗せ報知回数の抽選に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS1107にてインデックス値IVCを1加算し、続くステップS1108にてインデックス値IVCと対応する上乗せ報知回数があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVCが上乗せ抽選テーブルに設定されたインデックス値IVCの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS1104に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS1104にて、先の役の当否判定に用いた判定値DVC(すなわち現在の判定値DVC)に現在のインデックス値IVCと対応するポイント値PVCを加算して新たな判定値DVCとし、ステップS1105にて、当該判定値DVCに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図28に示した第1上乗せ抽選テーブルを用いて上乗せ抽選の当否判定を行う場合、チェリー当選時については10%の確率でいずれかの上乗せ報知回数が当選し、上乗せ抽選に当選する場合の65%が5回の上乗せ(IVC=1)、20%が10回の上乗せ(IVC=2)、10%が20回の上乗せ(IVC=3)、5%が50回の上乗せ(IVC=4)という振り分けとなっている。第1スイカ当選時については5%の確率でいずれかの上乗せ報知回数が当選し、上乗せ抽選に当選する場合の79%が5回の上乗せ(IVC=1)、12%が10回の上乗せ(IVC=2)、6%が20回の上乗せ(IVC=3)、3%が50回の上乗せ(IVC=4)という振り分けとなっている。第2スイカ当選時については100%の確率でいずれかの上乗せ報知回数が当選し、上乗せ抽選に当選する場合の30%が5回の上乗せ(IVC=1)、40%が10回の上乗せ(IVC=2)、20%が20回の上乗せ(IVC=3)、10%が50回の上乗せ(IVC=4)という振り分けとなっている。特殊再遊技当選時については1%の確率でいずれかの上乗せ報知回数が当選し、上乗せ抽選に当選する場合の90%が5回の上乗せ(IVC=1)、5%が10回の上乗せ(IVC=2)、3%が20回の上乗せ(IVC=3)、10%が2回の上乗せ(IVC=4)という振り分けとなっている。
また、図29に示した第2上乗せ抽選テーブルを用いて上乗せ抽選の当否判定を行う場合、チェリー当選時については50%の確率でいずれかの上乗せ報知回数が当選し、上乗せ抽選に当選する場合の65%が5回の上乗せ(IVC=1)、20%が10回の上乗せ(IVC=2)、10%が20回の上乗せ(IVC=3)、5%が50回の上乗せ(IVC=4)という振り分けとなっている。第1スイカ当選時については20%の確率でいずれかの上乗せ報知回数が当選し、上乗せ抽選に当選する場合の79%が5回の上乗せ(IVC=1)、12%が10回の上乗せ(IVC=2)、6%が20回の上乗せ(IVC=3)、3%が50回の上乗せ(IVC=4)という振り分けとなっている。第2スイカ当選時については100%の確率でいずれかの上乗せ報知回数が当選し、上乗せ抽選に当選する場合の30%が5回の上乗せ(IVC=1)、40%が10回の上乗せ(IVC=2)、20%が20回の上乗せ(IVC=3)、10%が50回の上乗せ(IVC=4)という振り分けとなっている。特殊再遊技当選時については80%の確率でいずれかの上乗せ報知回数が当選し、上乗せ抽選に当選する場合の90%が5回の上乗せ(IVC=1)、5%が10回の上乗せ(IVC=2)、3%が20回の上乗せ(IVC=3)、2%が50回の上乗せ(IVC=4)という振り分けとなっている。役抽選にもっとも当選し難い第2スイカの当選を契機として上乗せ抽選に当選した場合には多くの上乗せ報知回数が当選しやすいように設定されている。
第1上乗せ抽選テーブルと第2上乗せ抽選テーブルとを比較した場合、チェリー当選時については第2上乗せ抽選テーブルのポイント値PVCが第1上乗せ抽選テーブルのポイント値PVCの5倍となっており、第1スイカ当選時については第2上乗せ抽選テーブルのポイント値PVCが第1上乗せ抽選テーブルのポイント値PVCの4倍、第2スイカ当選時については第2上乗せ抽選テーブルのポイント値PVCが第1上乗せ抽選テーブルのポイント値PVCと同じ、特殊再遊技当選時については第2上乗せ抽選テーブルのポイント値PVCが第1上乗せ抽選テーブルのポイント値PVCの80倍になっている。つまり、高確率状態ではチェリー当選時に上乗せ抽選に当選する確率が5倍で、第1スイカ当選時に上乗せ抽選に当選する確率が4倍、特殊再遊技当選時に上乗せ抽選に当選する確率が80倍となっている。このように特殊再遊技が当選した場合における上乗せ抽選の当選確率を高確率状態で極端に高めた理由は、チェリーや第1スイカ、第2スイカは役抽選での当選確率が合算値で約27.8分の1であり、高確率状態へ移行したとしてもこれらの役が当選することなく低確率状態へ転落することが頻繁に起きてしまう。これでは高確率状態に対する期待感が薄れてしまうため、高確率状態へ移行した場合に上乗せが期待できるように役抽選に当選しやすい特殊再遊技を第2特定役とし、さらに高確率状態では特殊再遊技の当選時に80%という高確率で上乗せ抽選に当選するように構成している。
続いて、上記第1上乗せ抽選テーブル及び上記第2上乗せ抽選テーブルを用いて上乗せ抽選の当否判定を行う場合における、1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数(特典)の期待値について説明する。
まず、上記第1上乗せ抽選テーブルを用いて上乗せ抽選の当否判定を行う場合における、1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数(特典)の期待値について説明する。1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数(特典)の期待値は、「上乗せ抽選契機となる第2特定役の当選確率」×「上乗せ当選確率」×「上乗せ報知回数」によって算出される。ここでは説明簡易化のため、第2特定役毎に算出する。まずチェリー当選に伴う1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数の期待値については、「チェリーの当選確率」×「上乗せ当選確率」×「上乗せ報知回数」によって算出されるので、900/65536×10%×{(65%×5)+(20%×10)+(10%×20)+(5%×50)}≒0.0134である。同様に、第1スイカ当選に伴う1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数の期待値については、1200/65536×5%×{(79%×5)+(12%×10)+(6%×20)+(3%×50)}≒0.00719、第2スイカ当選に伴う1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数の期待値については、256/65536×100%×{(30%×5)+(40%×10)+(20%×20)+(10%×50)}≒0.0566、特殊再遊技当選に伴う1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数の期待値については、20422/65536×1%×{(90%×5)+(5%×10)+(3%×20)+(2%×50)}≒0.0206である。よって、1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数の期待値は、これらを合算した約0.0978である。
次に、上記第2上乗せ抽選テーブルを用いて上乗せ抽選の当否判定を行う場合における、1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数(特典)の期待値については以下のとおりである。チェリー当選に伴う1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数の期待値については、「チェリーの当選確率」×「上乗せ当選確率」×「上乗せ報知回数」によって算出されるので、900/65536×50%×{(65%×5)+(20%×10)+(10%×20)+(5%×50)}≒0.0669である。同様に、第1スイカ当選に伴う1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数の期待値については、1200/65536×20%×{(79%×5)+(12%×10)+(6%×20)+(3%×50)}≒0.0287、第2スイカ当選に伴う1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数の期待値については、256/65536×100%×{(30%×5)+(40%×10)+(20%×20)+(10%×50)}≒0.0566、特殊再遊技当選に伴う1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数の期待値については、20422/65536×80%×{(90%×5)+(5%×10)+(3%×20)+(2%×50)}≒1.65である。よって、1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数の期待値は、これらを合算した約1.80である。
つまり、低確率状態は1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数の期待値が高確率状態よりも低くなっている。この点から低確率状態を低期待値状態ということもできる。逆に高確率状態は1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数の期待値が低確率状態よりも低くなっている。この点から高確率状態を高期待値状態ということもできる。そして、低確率状態と高確率状態とでは1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数の期待値に約18.4倍もの差がある。この構成において上乗せ抽選に当選した場合に、低確率状態と高確率状態にて同条件で上乗せ告知演出を実行すると、告知される上乗せ報知回数にも約18.4倍もの差が生じ、その差から低確率状態が容易に推測できてしまう。この場合には上乗せが頻繁に行われる高確率状態での興趣は高まるものの、上乗せが行われにくい低確率状態での興趣は逆に低下してしまうおそれがある。特にこの期待値の比率が大きいほどこの問題は顕著となる。そこで、低確率状態であることが遊技者に分かり難いようにして低確率状態における遊技の興趣低下を抑制するため、低確率状態と高確率状態とで1回のゲーム当たりに告知する上乗せ報知回数の比率が18.4倍よりも小さくなるように制限することが好ましい。本スロットマシン10では、1回のゲーム当たりに告知する上乗せ報知回数の比率が18.4倍よりも小さくなるように告知する例を示しており、その具体的説明については、後の上乗せ告知処理にて詳述する。
ステップS1106にて報知回数を加算した後、又はステップS1108にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、セット数の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、本処理を終了する。
なお、セット数の抽選をしないように構成しても良い。また、セットの概念自体なくても良い。例えば、報知開始抽選に当選した場合に、予め定められた固定値や抽選により決定された値を報知状態終了までの残り報知回数として設定するようにしても良い。
次に、入賞結果コマンド処理を、図30のフローチャートに基づいて説明する。
まずステップS1201にて、主制御装置101から入賞結果コマンドを受信したか否かを判定し、受信していない場合にはそのまま本処理を終了する。入賞結果コマンドを受信した場合には、ステップS1202に進み、現在の遊技状態がBB状態であるか否かを判定する。BB状態でない場合には、ステップS1203に進み、報知フラグがセットされているか否かを判定する。報知フラグがセットされていない場合には、そのまま本処理を終了し、報知フラグがセットされている場合には、ステップS1204にて報知中処理を行った後に本処理を終了する。
報知中処理では、図31のフローチャートに示すように、報知状態の終了を判定して報知フラグのクリアと再設定の処理を行う。まずステップS1301にて、第1カウンタ84aの値が0であるか否かを判定する。第1カウンタ84aの値が0でない場合にはそのまま本処理を終了し、0である場合には、ステップS1302にて報知フラグをクリアする。続くステップS1303にて、セット数カウンタの値が0でないか否かを判定する。セット数カウンタの値が0でない場合には、ステップS1304にて報知フラグを再度セットするとともに、ステップS1305にてセット数カウンタの値を1減算する。そして、ステップS1306にて報知状態開始の報知回数として第1カウンタ84aに所定値(本実施形態では20)をセットするとともに、ステップS1307にて補助表示部65上に表示する残り報知回数を第2カウンタ84bに所定値(本実施形態では20)をセットする。その後、本処理を終了する。一方、セット数カウンタの値が0である場合には、ステップS1308にて上述した待機ゲーム数抽選処理を行う。その後、ステップS1309にて、待機ゲーム数抽選処理にて取得した値を待機ゲーム数カウンタにセットする。その後、本処理を終了する。
次に、停止指令コマンド処理を、図32のフローチャートに基づいて説明する。
まずステップS1401にて、停止指令コマンドを受信したか否かを判定し、受信していない場合には、そのまま本処理を終了する。停止指令コマンドを受信した場合には、ステップS1402に進み、現在の遊技状態がBB状態であるか否かを判定する。BB状態でない場合にはステップS1403に進み、報知フラグがセットされているか否かを判定する。報知フラグがセットされていない場合には、ステップS1404の罰則判定処理を行った後に本処理を終了する。
罰則判定処理では、図33のフローチャートに示しているように、左ストップスイッチ42以外のストップスイッチが最初に停止された場合に罰則を与える処理を行う。ステップS1501にて今回の停止指令が第1停止指令であるか否か、すなわち全リール32L,32M,32Rが回転している最中に発生した停止指令であるか否かを判定する。第1停止指令でない場合には、そのまま本処理を終了し、第1停止指令である場合には、ステップS1502にて第1停止指令として左ストップスイッチ42が操作されたか否かを判定する。左ストップスイッチ42が操作されて第1停止指令が発生した場合には、そのまま本処理を終了する。一方、中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44が操作されて第1停止指令が発生した場合には、ステップS1503に進み、罰則フラグがセットされているか否かを判定する。罰則フラグがセットされていない場合には、ステップS1504にて罰則フラグをセットする。その後、又は既に罰則フラグがセットされている場合には、ステップS1505にて表示制御装置81のRAM84に設けられた罰則ゲーム数カウンタの値に2を加算し、本処理を終了する。
このように、本スロットマシン10では、報知フラグがセットされていない状況で左ストップスイッチ42が最初に操作されなかった場合、罰則フラグがセットされるとともに罰則ゲーム数カウンタの値に2が加算されるようになっている。
罰則フラグがセットされている場合、状態コマンド処理(図21参照)では、ステップS707にて肯定判定をし、待機ゲーム数減算処理ではなくステップS708〜ステップS710に示す罰則ゲーム数減算処理を行う。罰則ゲーム数減算処理では、ステップS708にて罰則ゲーム数カウンタの値を1減算するとともに、ステップS709にて罰則ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判定する。罰則ゲーム数カウンタの値が0でない場合には、そのまま本処理を終了し、0である場合には、ステップS710にて罰則フラグをクリアした後に本処理を終了する。そして、抽選結果コマンド処理(図23参照)では、罰則フラグがセットされている場合、ステップS904にて肯定判定をしてそのまま抽選結果コマンド処理を終了する。つまり、罰則フラグがセットされている場合には、仮に特定役に当選したとしても報知抽選処理が行われない。
つまり、報知フラグがセットされていない状況で中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44が最初に操作された場合には、次の2ゲームにおいて、仮に特定役に当選したとしても報知抽選処理が行われないことに加えて、待機ゲーム数カウンタの値が減算されない。したがって、報知フラグがセットされていない状況で中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44を最初に操作した場合には、遊技者にとって不利な状況が発生する。
停止指令コマンド処理(図32)に戻り、ステップS1403にて報知フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS1405にて今回の停止指令が第1停止指令であるか否かを判定する。第1停止指令であると判定した場合にはステップS1406にて確率変動処理を行う。
確率変動処理では、図34のフローチャートに示すように、報知状態において低確率状態と高確率状態との間で遊技状態を切り替える(移行させる)処理を行う。まずステップS1601にて、低確率状態であるか否かを判定し、低確率状態であると判定した場合にはステップS1602にて高確率状態への昇格契機となる一般再遊技役が当選したか否かを判定する。一般再遊技役に当選していると判定した場合にはステップS1603にて高確率状態へ移行するかを決定するための昇格抽選を行う。具体的には、0〜99の乱数を生成するフリーランカウンタからラッチした値と、昇格抽選テーブル83cとに基づいて当否判定する。これにより、20分の1の確率で当選するように昇格抽選を行う。一般再遊技役は7.3分の1の確率で当選するため、毎ゲーム146分の1の確率で昇格抽選に当選する。また、乱数の取得タイミングが前述した役抽選や報知開始抽選、上乗せ抽選とは異なるように構成したため、各々別の乱数を取得しているにも関わらず毎回決まった組合せで乱数が取得されるような事態が抑制される。昇格抽選の結果、ステップS1604にて当選と判定された場合には、ステップS1605で高確率状態フラグをセットする。一般再遊技役に当選していなかった場合、又は昇格抽選に当選しなかった場合にはそのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1601にて低確率状態ではないと判定した場合、すなわち高確率状態であると判定した場合には、ステップS1606にて低確率状態に転落させるか否かを決定するための転落抽選を行う。転落抽選の場合も昇格抽選の場合と同様に、0〜99の乱数を生成するフリーランカウンタからラッチした値と、転落抽選テーブル83dとに基づいて当否判定することで、10分の1の確率で当選するように転落抽選を行う。続くステップS1607にて転落抽選に当選したか否かを判定し、転落抽選の結果当選したと判定した場合には、ステップS1608で高確率状態フラグをクリアする。転落抽選に当選しなった場合にはそのまま本処理を終了する。
停止指令コマンド処理(図32)に戻り、ステップS1405にて今回の停止指令が第1停止指令でないと判定した場合には、ステップS1407に進み第3停止指令であるか否かを判定する。第3停止指令である場合にはステップS1408に進み、上乗せ告知処理を行う。
上乗せ告知処理では、図35のフローチャートに示すように、上乗せ抽選の当選に応じて付与された特典に関する情報を遊技者に告知するための演出を行う。この演出には上乗せ抽選に当選したときに行う上乗せ告知演出(第1告知)と、補助表示部65に表示される残り報知回数が所定値(本実施形態では0)となることにより見た目上の報知回数が所定値(本実施形態では0)となった場合に行う未告知分告知演出(第2告知)との2種類がある。上乗せ告知演出は、当選したときに上乗せ告知を行うため、第2特定役当選毎に遊技者の期待感を煽ることができ、また、実際に告知演出が行われた場合には遊技者に満足感を与えることができる。しかし、上乗せ抽選に当選する毎に上乗せ告知演出を行った場合、高確率状態では頻繁に上乗せ告知演出が行われるため高確率状態であることが容易に推測可能となり、その結果高確率状態では遊技者の満足感を高めることができるものの、遊技の大部分を占める低確率状態では逆に上乗せ抽選当選への期待感が薄れてしまうおそれがある。
そこで、本スロットマシン10では、高確率状態で上乗せ抽選に当選した場合には上乗せ告知演出を行うか否かの抽選を行い、当選した場合にのみ演出を行う、つまり上乗せ抽選にはずれた場合には上乗せ告知演出を行わないようにすることで、高確率状態で付与された特典を高確率状態全体で見て少なめに告知し、高確率状態で当選したことが遊技者に分かりにくいようにしている。また、上乗せ告知演出を行うか否かの抽選ではずれた場合には、第2カウンタの値が0になったとき、すなわち補助表示部65により残り報知回数として表示している値が0となったときに、上乗せ告知演出として告知されなかった分の報知回数の合計値を未告知分告知演出により告知する構成としている。なお、未告知分告知演出は上乗せ告知演出として告知されなかった分の報知回数の一部を告知するものであっても良い。つまり、上乗せ告知演出(第1告知)は、1回分の特典に関する情報を告知するもの、付与された特典の一部を告知するもの、又は特典が付与された場合の一部で特典に関する情報を告知するものということができ、これに対し未告知分告知演出(第2告知)は、付与された特典のうち上乗せ告知演出が告知した特典を除外した特典に関する情報を告知するものということができる。
このように、報知状態中においては上乗せ告知演出により遊技者の期待感を煽ることができるだけでなく、上乗せ告知演出が行われなくとも潜在的に上乗せ抽選に当選している可能性が残されており、さらに高確率状態で上乗せされる場合には1回の上乗せ抽選当選により多量の報知回数が上乗せされることが低確率状態よりも期待されるため、報知状態における遊技者の期待感を持続的に保つことが可能となる。また本スロットマシン10では一般再遊技の当選が高確率状態への移行契機となっているため、一般再遊技が入賞する毎に遊技者の期待感を煽ることができ、特に一般再遊技入賞が多発した場合にはその効果が顕著となる。
上乗せ告知処理では、まずステップS1701にて上乗せ抽選に当選したか否かを判定する。上乗せ抽選に当選した場合にはステップS1702に進み、低確率状態での当選か否かを判定する。低確率状態で当選していなかった場合、すなわち高確率状態で当選していた場合には、ステップS1703にて上乗せ告知演出を行うか否かを決定するための上乗せ告知抽選を行う。具体的には、0〜9999の乱数を生成するフリーランカウンタからラッチした値と、図37に示す上乗せ告知抽選テーブルとに基づいて当否判定することで上乗せ告知抽選を行う。また、乱数の取得タイミングを第3停止指令コマンド受信時とすることにより、前述した役抽選や報知開始抽選、上乗せ抽選、昇格抽選、転落抽選とは異なるように構成したため、各々別の乱数を取得しているにも関わらず毎回決まった組合せで乱数が取得されるような事態が抑制される。
上乗せ告知抽選テーブルについて簡単に説明する。上乗せ告知抽選テーブルは上乗せ抽選の契機となった第2特定役の種類に応じて上乗せ告知抽選テーブル群83eの中から選択されるものであり、全部で4種類ある。図37(a)はチェリー当選を契機として上乗せ抽選に当選した場合に選択される上乗せ告知抽選テーブル、図37(b)は第1スイカ当選を契機として上乗せ抽選に当選した場合に選択される上乗せ告知抽選テーブル、図37(c)は第2スイカ当選を契機として上乗せ抽選に当選した場合に選択される上乗せ告知抽選テーブル、図37(d)は特殊再遊技当選を契機として上乗せ抽選に当選した場合に選択される上乗せ告知抽選テーブルである。本スロットマシン10では設定状態にかかわらず共通の上乗せ告知抽選テーブルを用いるが、異なるように設定しても良い。
チェリー当選時には20%の確率で上乗せが告知(上乗せ告知演出が実行)され、第1スイカ当選時には25%、第2スイカ当選時には100%、特殊再遊技当選時には1.25%の確率で上乗せが告知される。高確率状態ではチェリー当選時に上乗せ抽選に当選する確率が5倍となっているため、高確率状態ではチェリー当選時の20%だけ上乗せ告知演出を行うことにより、低確率状態でチェリー当選により上乗せ抽選に当選した場合と同じ確率で上乗せ告知演出が行われるようになっている。同様の目的で、第1スイカ当選時については、高確率状態では上乗せ抽選に当選する確率が4倍となっているため、25%だけ上乗せ告知演出を行うようにしており、特殊再遊技当選時については、高確率状態では上乗せ抽選に当選する確率が80倍となっているため、1.25%だけ上乗せ告知演出を行うようにしている。第2スイカ当選時については低確率状態と高確率状態ともに上乗せ抽選に当選する確率が同じであるから、100%の確率で上乗せ告知演出を行うようにしている。
本スロットマシン10では、上乗せ告知演出の発生確率(上乗せ告知確率)が低確率状態と高確率状態とで全く同じに構成されているため、上乗せ告知演出の発生確率に基づいて遊技状態を判別することが不可能となっており、低確率状態における遊技興趣低下が最も効果的に抑制される。なお、効果の面では劣るが、上乗せ告知演出の発生確率は低確率状態と高確率状態とで全く同じである必要はない。例えば、低確率状態よりも高確率状態の方が上乗せ抽選当選時における上乗せ告知確率が低ければ良い。低確率状態と高確率状態とで上乗せ当選時に同じ確率で告知する場合と比較して遊技状態が区別し難い構成であれば、低確率状態における遊技興趣低下を抑制することができるからである。
上乗せ告知抽選の終了後、ステップS1704にて当選したか否かを判定し、当選した場合にはステップS1705に進み上乗せ告知演出を行う。当選しなかった場合には、そのまま本処理を終了する。一方、低確率状態で当選していた場合には上乗せ告知抽選を行うことなくステップS1705に進み、上乗せ告知演出を行う。その後、ステップS1706にて第2カウンタ84bに上乗せ告知演出で告知した上乗せ報知回数分だけ加算して、本処理を終了する。
以上のように告知した場合、低確率状態及び高確率状態において1回のゲーム当たりに告知される特典の期待値は以下のようになる。まず、低確率状態において1回のゲーム当たりに告知される上乗せ報知回数(特典)の期待値については、上乗せ抽選に当選した場合には常に当選した報知回数を告知するように構成されているため、低確率状態において1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数(特典)の期待値と同じ約0.0978である。
高確率状態において1回のゲーム当たりに告知される上乗せ報知回数(特典)の期待値については、1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数(特典)の期待値は、「上乗せ抽選契機となる第2特定役の当選確率」×「上乗せ当選確率」×「上乗せ報知回数」×「上乗せ告知当選確率」によって算出される。ここでは説明簡易化のため、第2特定役毎に算出する。チェリー当選に伴う1回のゲーム当たりに告知される上乗せ報知回数の期待値については、「チェリーの当選確率」×「上乗せ当選確率」×「上乗せ報知回数」×「上乗せ告知当選確率」によって算出されるので、900/65536×50%×{(65%×5)+(20%×10)+(10%×20)+(5%×50)}×20%≒0.0134、第1スイカ当選に伴う1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数の期待値については、1200/65536×20%×{(79%×5)+(12%×10)+(6%×20)+(3%×50)}×25%≒0.00719、第2スイカ当選に伴う1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数の期待値については、256/65536×100%×{(30%×5)+(40%×10)+(20%×20)+(10%×50)}×100%≒0.0566、特殊再遊技当選に伴う1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数の期待値については、20422/65536×80%×{(90%×5)+(5%×10)+(3%×20)+(2%×50)}×1.25%≒0.0206である。よって、高確率状態において1回のゲーム当たりに告知される上乗せ報知回数の期待値は、これらを合算した約0.0978である。
すなわち、低確率状態において1回のゲーム当たりに告知される上乗せ報知回数の期待値と同じであるから、その比率は1である。従って、低確率状態と高確率状態において1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数の期待値の比率18.4倍よりも小さくなっており、遊技状態の判別が困難になっている。ゆえに低確率状態における遊技の興趣低下が抑制されている。
特に比率が1であるため、低確率状態において1回のゲーム当たりに告知される上乗せ報知回数の期待値と低確率状態において1回のゲーム当たりに告知される上乗せ報知回数の期待値とが同一であり、1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数から遊技状態を判別することは不可能となっている。つまり、遊技者は付与された特典の量の合計値に基づいて遊技状態を判別することができない。
さらに本スロットマシン10では、上述したように高確率状態と低確率状態とで上乗せ告知演出の実行確率も同じとなっているため、上乗せ告知演出1回当たりに告知される特典の期待値は高確率状態と低確率状態とで同一ということになる。よって、上乗せ告知演出1回当たりに告知される特典の量に基づいて遊技状態を判別することはできない。
また、高確率状態及び低確率状態において1回のゲーム当たりに告知される上乗せ報知回数の期待値を利用して、遊技状態の判別を困難とするための別の基準を設けることもできる。遊技者の中には告知された特典の量に基づいて高確率状態であるか低確率状態であるかを推測しようとするものがいると考えられる。このため、高確率状態において1回のゲーム当たりに告知される上乗せ報知回数の期待値と低確率状態において1回のゲーム当たりに告知される上乗せ報知回数の期待値との差の絶対値を小さくすることで遊技状態の判別を困難にすることができる。この場合、該絶対値が小さいほど遊技状態の判別が困難になる。特に本スロットマシン10では、該絶対値が0となるため、高確率状態と低確率状態とで告知される特典の量に差がないということになり、告知された特典の量からは遊技状態の判別ができないということになる。
続いて、補助表示部65における上乗せ告知演出の内容について、図36を参照して説明する。本実施形態では、低確率状態において上乗せ抽選に当選した場合、又は高確率状態において上乗せ抽選に当選し且つ上乗せ告知抽選に当選した場合に、当選したゲームにおいて第3停止指令後に行われる。告知する内容は、当選した上乗せ報知回数である。
図36は上乗せ抽選の結果、20回の報知回数が上乗せされた場合の上乗せ告知演出の様子を示している。補助表示部65の中央部には「+20回」という文字が表示され、上乗せ抽選の結果、20回の報知回数が上乗せされたことを遊技者に告知している。また、補助表示部65の左上には残り報知回数「LAST」として、第2カウンタ84bに記憶されている値が表示されており、図36では25回であった残り報知回数に20回が加算され、45回となっている。右上にはその報知状態において遊技者が獲得した遊技価値数(払出数―賭け数)「TOTAL」として、その報知状態が開始してから現在までに遊技者が獲得した遊技価値数が表示されている。
ステップS1701にて上乗せ抽選に当選していないと判定した場合にはステップS1707に進み、第2カウンタ84bの値を読出してその値が0であるか否か、つまり補助表示部65に表示される残り報知回数が0であり表面上は報知状態が終了する状態であるか否かを判定する。肯定判定した場合にはステップS1708にて第1カウンタ84aの値を読出してその値が0でないか否か、つまり、実際の残り報知回数が0でないか否かを判定する。肯定判定した場合、すなわち表面上は残り報知回数が0であるが、内部的にはまだ報知回数が残っている場合にはステップS1709に進み、第1カウンタ84aに記憶されている値を未告知分の残り報知回数として告知する未告知分告知演出を行う。その後、ステップS1710にて第1カウンタ84aに記憶されている値を第2カウンタ84bに加算する。加算後、ステップS1707で第2カウンタ84bが0でない場合又はステップS1708で第1カウンタ84aが0である場合には本処理を終了する。なお、未告知分告知演出の例を示す図はないが、例えば、図36に示す上乗せ告知演出と同様の演出を行うと良い。また、本スロットマシン10では未告知分告知演出により残り全ての報知回数を告知しているが、残り報知回数の一部を告知するようにしても良い。さらに、残り報知回数の一部を告知した場合、その後所定のタイミングでその一部を除いた残りの報知回数の一部又は全部を告知するようにしても良い。
なお、本スロットマシン10では、第2カウンタ84bの値が0となった場合における第1カウンタ84aの値を未告知分の特典の合計値として特定しているが、別の方法により未告知分の特典の合計値を特定するようにしても良い。例えば、第1カウンタ84aの値から第2カウンタ84bの値を差し引くことにより特定しても良い。あるいは、未告知分の特典を集計するためのカウンタを別途設け、特典が付与されるごとに未告知分を加算することにより特定しても良い。
ここで、本スロットマシン10のゲームの流れを説明する。本スロットマシン10では、第1BB当選確率が約16400分の1、第2BB当選確率が約2050分の1と非常に低いため、BB非当選下での遊技が中心となる。そこで、理解を容易なものとするため、BB状態終了後からのゲームの流れを説明することとする。
BB状態が終了した場合、主制御装置101は、遊技状態をBB状態から通常遊技状態に移行させる。このとき表示制御装置81は、待機ゲーム数抽選処理を行い、待機ゲーム数カウンタに1〜1280のいずれかの値をセットする。ストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されることとなる報知フラグは、待機ゲーム数が0となった場合にセットされる。つまり、待機ゲーム数が0でない場合には、ストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されない。
ストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されない場合、遊技者は、待機ゲーム数が0となるように毎回のゲームを行う必要がある。待機ゲーム数は、罰則フラグがセットされていない状況で左ストップスイッチ42を最初に操作して遊技を行った場合に1減算される。罰則フラグは、報知フラグがセットされていない状況で中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44を最初に操作した場合にセットされる。つまり、待機ゲーム数を0とするためには、毎回のゲームにおいて左ストップスイッチ42を最初に操作する必要がある。また、罰則フラグがセットされていない状況で第1特定役に当選するとともに報知開始抽選に当選した場合には、待機ゲーム数が0とされる。
待機ゲーム数が0となった場合、表示制御装置81は報知状態(報知フラグをセットした状態)とする。報知状態ではベルが当選した場合には、ストップスイッチ42〜44の操作順序を報知する。遊技者は、報知された操作順序でストップスイッチ42〜44を操作することにより、図柄を狙ってストップスイッチ42〜44を操作せずとも一般ベルを入賞させることができる。操作順序が報知された場合に第1カウンタ84aの値が1減算され、第1カウンタ84aの値が0となった場合に報知状態が終了(報知フラグがクリア)する。つまり、ベルを入賞させるためのストップスイッチ42〜44の操作順序が報知回数分だけ報知された場合に、ストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されなくなる。
報知状態における1回のゲーム当たりのメダル払出の期待値は、報知された操作順序でストップスイッチ42〜44を操作した場合、約4.33枚である。1回のゲームを行うために3枚のメダルをベットする必要があるため、報知状態では1回のゲーム当たりにメダルが約1.33枚増加することを期待できる。つまり、報知状態にてストップスイッチ42〜44の操作順序が報知される場合、非報知状態よりも遊技者に有利となる。なお、通常遊技状態において中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44を最初に操作した場合には、1回のゲーム当たりのメダル払出の期待値は約2.94枚である。このため、通常遊技状態では左ストップスイッチ42を最初に停止する場合よりも、中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44を最初に操作した場合のほうが1回のゲーム当たりのメダル払出の期待値は高くなる。ところが、中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44を最初に操作した場合、表示制御装置81が罰則フラグをセットするため、繰り返しゲームを行っても待機ゲーム数が0とならない。したがって、左ストップスイッチ42以外のストップスイッチ43,44を最初に操作した場合には、1回のゲーム当たりのメダル払出の期待値が高くなるものの、結果的に遊技者に不利となる。
報知状態では第2特定役が当選した場合に、表示制御装置81が報知状態を延長するための上乗せ抽選を行う。また、報知状態では上乗せ抽選に低確率で当選する低確率状態と高確率で当選する高確率状態が設けられており、報知状態の大部分は低確率状態であるが、一般再遊技当選時の20分の1の確率で高確率状態に昇格し、高確率状態では毎ゲーム10分の1の確率で低確率状態に転落する。上乗せ抽選に当選した場合には、上乗せされる報知回数を補助表示部65に表示して遊技者に告知する上乗せ告知演出を行う。但し、高確率状態で上乗せ抽選に当選した場合には、上乗せ告知演出を行うか否かを決定するための上乗せ告知抽選を行い、当選した場合に上乗せ告知演出を行う。つまり、上乗せ告知演出により高確率状態で告知される内容は上乗せ抽選に当選した場合の一部であり、実際に付与した特典よりも少なく告知している。これにより、特典に関する情報を告知して遊技者の満足度を高める構成においても、高確率状態と低確率状態との区別がつき難くなり、その結果低確率状態における遊技興趣の低下を抑制することが可能となっている。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
特典を付与する遊技機において、多くの特典の付与が期待される高確率状態と多くの特典の付与が期待できない低確率状態とを備えることで、遊技に起伏を持たせることが可能となる。また特典が付与された場合に特典が付与されたことやその特典の内容を遊技者に告知することで、遊技者に満足感を与えることが可能となる。しかしながら、これらの構成が組み合わさった場合、高確率状態では多くの特典の付与が告知されることにより遊技者の満足感を十分に高めることが可能となるが、その反面、低確率状態ではあまり特典の付与が告知されない結果、遊技者の満足感が高められないだけでなく、低確率状態であることが推測されてしまうことにより、特典付与に対する期待感が薄れてしまうことが懸念される。特に遊技の起伏を大きくしようとするほど遊技状態の推測が容易になり、この問題が顕著となる。そこで、上記実施形態では、告知される特典の内容から遊技状態を推測することが困難となる方法について説明した。具体的には、高確率状態において付与された特典を高確率状態全体で見て少なめに告知している。これにより、低確率状態と高確率状態とで1回のゲーム当たりに告知される特典の差は小さくなり、告知される特典から遊技状態を判別することが困難となるため、低確率状態における遊技の興趣低下を抑制することができる。
特に上記実施形態では、高確率状態において付与される1回のゲーム当たりの特典の期待値を低確率状態において付与される1回のゲーム当たりの特典の期待値で除した値よりも、高確率状態において告知される1回のゲーム当たりの特典の期待値及び低確率状態において告知される1回のゲーム当たりの特典の期待値のうち大きい値を小さい値で除した値の方が小さくなるように、高確率状態において付与された特典を実際よりも少なく告知する構成としている。告知される1回のゲーム当たりの特典の期待値の比率の方が小さい場合には、付与された特典の全てが告知される場合と比較して遊技状態を推測することがより困難になったことを意味するので、特典付与に対する期待感が薄れて遊技の興趣が低下するような事態をより効果的に抑制することが可能となる。
また、高確率状態において告知される1回のゲーム当たりの特典の期待値及び低確率状態において告知される1回のゲーム当たりの特典の期待値のうち大きい値を小さい値で除した値が1に近づくほど、遊技状態の判別が困難になる。上記実施形態では、高確率状態において告知される1回のゲーム当たりの特典の期待値及び低確率状態において告知される1回のゲーム当たりの特典の期待値のうち大きい値を小さい値で除した値は1となっており、告知される1回のゲーム当たりの特典からは遊技状態の区別がつかないようになっている。その結果遊技者は、告知された特典の量の合計値から遊技状態の判別をすることはできないようになっている。
さらに、別の基準として、低確率状態と高確率状態とで1回のゲーム当たりに告知される特典の差の絶対値が0に近づくほど遊技状態の判別が困難であるということができるが、上記実施形態では0となっているため、告知される1回のゲーム当たりの特典からは遊技状態の区別がつかないようになっている。その結果遊技者は、告知された特典の量の合計値から遊技状態の判別をすることはできないようになっている。
また、上記実施形態では特典付与の契機が第2特定役の当選となっており、当選した第2特定役の種類によって付与する特典の大きさや特典を付与する確率が異なっている。このため、全体として1回のゲーム当たりに付与される特典の期待値の比率よりも1回のゲーム当たりに告知される特典の期待値の比率の方が小さいとしても、全ての第2特定役に対して特典が付与された場合の特典告知確率を同じに設定してしまっては、比率の差が平均よりも大きい第2特定役ほど特典の告知がいずれかの遊技状態に偏ってしまい、遊技状態の推測が容易になってしまう。この事情に鑑み、上記実施形態では、第2特定役の種類毎に特典の告知確率を設定可能として調整している。このため、複数種類の特典付与契機が存在し、その特典付与契機毎に付与される特典の期待値や特典を付与する確率が異なる場合であっても、より確実に遊技状態の判別を困難にすることを可能としている。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、高確率状態において上乗せ抽選に当選した場合の一部でのみ上乗せ告知演出を行うことで低確率状態での上乗せ告知演出の実行確率を調整したが、低確率状態において当選し得る上乗せ報知回数が高確率状態では当選し得ない構成や、特定の上乗せ報知回数について低確率状態の方が高確率で上乗せ抽選に当選する構成については、第1の実施形態の方法のみで調整するのは困難である。そこで、以下ではこのような遊技機についても調整が可能な構成について説明する。なお、基本構成については上記第1の実施形態と同じであるため、以下では相違点についてのみ説明する。
図38は、遊技状態に応じた第2特定役当選時における、上乗せ抽選当選確率、上乗せ告知抽選当選確率、上乗せ告知演出実行確率、特典に関する情報を第2特定役毎に示した図であり、図38(a)、図38(b)はそれぞれチェリー当選時、第1スイカ当選時に対応している。例えば、低確率状態においてチェリーが当選した場合には、5回の上乗せがされる確率は5%、上乗せがされた場合に上乗せ告知抽選に当選する確率が100%、チェリーが当選した場合に上乗せ告知演出が実行される確率が5%、この場合に告知される内容が「+5回」である。なお、本実施形態ではチェリーと第1スイカのみが第2特定役となっている。
ところで、低確率状態でチェリーが当選した場合には30回の上乗せがされる可能性がある一方、高確率状態でチェリーが当選した場合には30回の上乗せがされる可能性はなく、30回よりも大きい報知回数が上乗せされる可能性もない。つまり、この30回の上乗せ抽選当選時については、高確率状態における告知確率を調整するだけでは低確率状態での告知確率の差を小さくすることはできない。そこで低確率状態における告知内容を変更することにより調整することが考えられる。
ここで、高確率状態での上乗せ抽選関連情報に注目すると、20回の上乗せが最大となっている。そこで、30回の上乗せがされた場合には20回の上乗せがされた場合と同様に「+20回」と告知することで各上乗せ報知回数の告知確率を調整している。告知されない残り10回については、未告知分告知演出にて告知される。なお、高確率状態に対応する上乗せ報知回数がない場合には、上乗せ告知演出を行わないようにしても良い。この場合にも、各上乗せ報知回数の告知確率は調整される。
次に、第1スイカが当選した場合について説明する。第1スイカが当選した場合、20回の上乗せがされる可能性が低確率状態と高確率状態の両方にある。しかしながら、上乗せ抽選に当選する確率は高確率状態よりも低確率状態の方が高く設定されている。このため、この20回の上乗せ抽選当選時については、高確率状態における告知確率を調整するだけでは低確率状態での告知確率の差を小さくすることはできない。そこで低確率状態における上乗せ告知確率を下げることにより調整することが考えられる。
ここで、高確率状態では上乗せ抽選当選確率は2%であり、このときの上乗せ告知確率は100%であるため、上乗せ告知演出実行確率は2%となる。一方、低確率状態では上乗せ抽選当選確率が4%であるため、上乗せ告知演出実行確率を2%に調整しようとすると、上乗せ告知抽選当選確率を50%にする必要がある。このように、低確率状態の方が高確率状態よりも上乗せ抽選当選確率が高い場合には、低確率状態での上乗せ告知抽選当選確率を適切に下げることにより上乗せ告知演出実行確率を調整している。言い換えると、付与される特典毎に低確率状態と高確率状態のいずれの上乗せ抽選当選確率が高いかを判別し、高い方の上乗せ告知抽選当選確率を下げることで、低い方と上乗せ告知演出実行確率を調整することが可能となっている。
以上、第2の実施形態について説明したが、一部の特典について低確率状態の方が付与されすい遊技機について、告知確率を調整する別の例について説明する。なお、上乗せ報知回数別の上乗せ抽選当選確率は図38に示す内容と同じとする。
図38では、第1スイカ当選時における上乗せ報知回数「20回」の上乗せ抽選当選確率は低確率状態の方が高確率状態よりも高く設定されている。しかし、チェリー当選時における上乗せ報知回数「20回」の上乗せ抽選当選確率は高確率状態の方が低確率状態よりも高く設定されている。このため、これら全体で告知確率を調整することにより、全体の告知確率を高く維持したまま告知確率を調整することが可能となる。具体的には以下の通りである。
低確率状態において1回のゲームで上乗せ抽選に当選する確率は、「チェリーの当選確率」×「チェリーの上乗せ抽選当選確率」+「第1スイカの当選確率」×「第1スイカの上乗せ抽選当選確率」=900/65536×1%+1200/65536×4%≒0.0870%である。一方、高確率状態において1回のゲームで上乗せ抽選に当選する確率は、「チェリーの当選確率」×「チェリーの上乗せ抽選当選確率」+「第1スイカの当選確率」×「第1スイカの上乗せ抽選当選確率」=900/65536×5%+1200/65536×2%≒0.105%である。つまり、「20回」の上乗せ抽選に当選する確率は低確率状態よりも高確率状態の方が高くなっているため、高確率状態で上乗せ抽選に当選した場合にはその一部でのみ上乗せ告知演出を行うことで上乗せ告知確率が調整される。逆に高確率状態よりも低確率状態の方が高くなっている場合には、低確率状態で上乗せ抽選に当選したときの一部でのみ上乗せ告知演出を行うことで上乗せ告知確率が調整される。すなわち、特定の特典について、1回のゲームで上乗せ抽選に当選する確率が高い遊技状態において、上乗せ抽選に当選した場合の一部でのみ上乗せ告知演出を行うようにすることで、遊技状態の判別が困難になるように上乗せ告知確率を調整することが可能となる。
(第3の実施形態)
第2の実施形態では、30回の上乗せがされる場合のように、いずれか一方の遊技状態でしか当選し得ない特典がある場合であっても、実際よりも小さい特典であって且つ両方の遊技状態において付与され得る特典として告知することにより、遊技状態が判別されないように工夫されている。しかしながら、付与され得る最大の特典が付与された場合においても、最大の特典が付与されたものとして告知することができないのは、遊技の興趣を低下させるおそれがある。そこで本実施形態では、いずれか一方の遊技状態でしか当選し得ない最大の特典が当選した場合において、最大の特典又はそれ以上の特典として告知しても遊技状態の判別を困難とすることが可能な構成について説明する。なお、基本構成については上記第2の実施形態と同じであるため、以下では相違点についてのみ説明する。
まず、低確率状態において最大の特典である30回の上乗せを告知する態様について説明する。低確率状態においてチェリーが当選した場合には上乗せ抽選を行い、30回の上乗せに当選した場合には100%の確率で30回の上乗せを示す情報として「+30回」を表示する。
次に、高確率状態において30回の上乗せを告知する態様について説明する。図38に示す通り、高確率状態では30回の上乗せが当選する可能性はなく、最大の特典は20回の上乗せとなっている。そこで、30回に足りない分を未告知分の上乗せ報知回数で補うことにより30回の上乗せがされるように演出することが考えられる。具体的には図39のフローチャートを参照して説明する。
ステップS1407にて第3停止指令がされたと判定した場合には、図48に示す上乗せ告知処理を行う。上乗せ告知処理では、ステップS1801にて上乗せ抽選に当選したか否かを判定し、当選している場合にはステップS1802に進み、上乗せ告知演出を行うか否かを決定するための上乗せ告知抽選を行う。上乗せ告知抽選の結果当選しなかった場合には本処理を終了する。当選した場合にはステップS1804に移り、低確率状態であるか否かを判定し、低確率状態である場合にはステップS1805にて当選した特典(上乗せ報知回数)の上乗せ告知演出を行い、ステップS1806にて告知した上乗せ報知回数の値を第2カウンタ84bに加算してから本処理を終了する。このとき、補助表示部65で表示する残り報知回数も更新する。
一方、ステップS1804にて低確率状態ではない、つまり高確率状態であると判定した場合にはステップS1807に進み、「第1カウンタ84a」の値から「第2カウンタ84b」の値を差し引いた値、つまり未告知分の上乗せ報知回数が30以上であるか否かを判定する。これが30以上である場合には上乗せ告知演出として最大特典である30回の上乗せを示す告知が可能であることを意味する。この場合にはステップS1808にて最大特典としての告知を行うか否かを決定するための最大特典告知抽選を行う。最大特典告知抽選では、0〜99のフリーランカウンタから乱数を取得し、0〜2であれば当選とする。つまり3%の確率で当選する。そして、ステップS1809にて当選と判定した場合には、ステップS1810にて最大特典である30回の上乗せがされたことを示す上乗せ告知演出を行い、ステップS1806にて告知した値である30を第2カウンタ84bに加算して本処理を終了する。ステップ1807、ステップ1809にて否定判定した場合にはステップS1805に進み、当選した特典の上乗せ告知演出を行った後、ステップS1806にて第2カウンタ84bに上乗せした値を加算して本処理を終了する。なお、ステップS1801で否定判定した場合にはステップS1811〜ステップS1814の処理を行うが、図35に示すステップS1707〜ステップS1710の処理と同じであるため説明を省略する。
以上説明したように、第3の実施形態では、低確率状態において付与され得る最大の特典「上乗せ30回」が高確率状態ではそれ以上の特典が付与される可能性がない場合であっても、両方の遊技状態において最大の特典が付与される告知演出を可能としている。このため、上乗せ告知演出に対する期待感が増し、遊技の興趣が高まる。
なお、第3の実施形態では、未告知分の特典が最大特典相当分存在することが、最大特典を付与しない遊技状態において最大特典の上乗せ告知演出を行う条件となっている。このため、最大特典の上乗せ告知演出が実行可能となる状況を作り出すために、積極的に未告知分の特典を増加させる構成としても良い。例えば、未告知分の特典が所定値に達するまでは、所定値に達した後と比較して告知しない特典の量を多くするようにしても良い。また、低確率状態と高確率状態とで告知される特典の量を調整する観点からすると、高確率状態で付与された特典により未告知分の特典を増加させることが好ましい。
最大特典を付与しない遊技状態において最大特典の上乗せ告知演出が行われた場合、その遊技状態では最大特典の分だけ告知される特典が多くなるため、遊技状態推測の手がかりとなり得る。このため、このような事情を加味して上乗せ告知演出の実行確率を調整することが好ましい。
(第4の実施形態)
第3の実施形態では、最大特典が付与されない遊技状態においても最大特典の上乗せ告知演出を実行可能としているが、最大特典相当の特典が未告知であることが条件であるため、実行可能な状況が限定されてしまうという問題がある。そこで、未告知の特典がない状況においても、最大特典が付与されない遊技状態において最大特典又は最大特典以上の上乗せ告知演出を実行可能な構成について説明する。なお、基本構成については上記第2の実施形態と同じであるため、以下では相違点についてのみ説明する。
本実施形態では、上乗せ抽選に当選した場合に、その上乗せ抽選の契機となった第2特定役の種類において全ての遊技状態で当選し得る最大の上乗せ報知回数を上限値として設定し、その上限値の範囲内で上乗せ告知演出を可能としている。その一方で、上乗せ抽選に当選した報知回数を1回のゲームではなく、複数ゲームに渡って告知するようにし、当選した報知回数の全てが告知されるまでに第2特定役が当選した場合には、上限値を加算するようにしている。つまり、複数の第2特定役当選に対して1回の上乗せ告知演出を実行可能としたので、1回の第2特定役当選に対して付与される特典よりも大きい特典を告知することが可能となっている。具体的には図40のフローチャートを参照して説明する。
図32のステップS1407にて第3停止指令がされたと判定した場合には、図40に示す上乗せ告知処理を行う。まずステップS1901にて、上乗せ抽選に当選したか否かを判定する。当選したと判定した場合にはステップS1902に進み、表示制御装置81のRAM84に設けられた告知上限カウンタに所定の値を加算する。
ここで、告知上限カウンタとは、上乗せ告知演出にて告知することができる上乗せ報知回数の上限値である上乗せ告知上限値を加算するものである。例えば、チェリー当選を契機として上乗せ抽選に当選し、さらに上乗せ告知抽選に当選した場合には、低確率状態と高確率状態とで付与される最大の上乗せ報知回数である20が上乗せ告知上限値として加算され、第1スイカ当選を契機として上乗せ抽選に当選し、さらに上乗せ告知抽選に当選した場合には、低確率状態と高確率状態とで付与される最大の上乗せ報知回数である20が上乗せ告知上限値として加算される。これにより、一方の遊技状態でしか付与されない最大の特典が設定されている場合であっても低確率状態と高確率状態とで付与される特典に上限値を設定することで、最大の特典が告知されることにより遊技状態が判明することを防止できる。なお、本実施形態では第2特定役が当選し、さらに上乗せ抽選に当選したことを条件として告知上限カウンタへの加算を行っているが、少なくとも第2特定役の当選が条件となっていれば良い。第2特定役が当選した場合に報知回数が上乗せされる可能性があるためである。
告知上限カウンタへの加算後、ステップS1903に進み、上乗せ告知演出を行うか否かを決定するための上乗せ告知抽選を行う。その後、ステップS1903にて上乗せ告知抽選に当選したか否かを判定し、当選したと判定した場合にはステップS1904に進み、表示制御装置81のRAM84に設けられた上乗せ告知カウンタに当選した上乗せ報知回数の値を加算する。ここで上乗せ告知カウンタとは、上乗せ抽選によって当選した上乗せ報知回数の値を加算するものである。
上乗せ告知カウンタへの加算後、ステップS1906に進み、5回の上乗せがされたことを示す「+5回」を表示する。つまり、上乗せ抽選により当選した上乗せ報知回数に関係なく「+5回」と表示する。そして、ステップS1907にて上乗せ告知カウンタから5減算するとともに、ステップS1908にて告知上限カウンタから5減算し、その後ステップS1909にて上乗せ告知カウンタか告知上限カウンタのいずれかが0でないか否かを判定し、肯定判定した場合にはステップS1910に進み、上乗せ告知カウンタと告知上限カウンタを0にする。
ステップS1901にて否定判定した場合、及びステップS1903にて否定判定した場合にはステップS1911に進み、上乗せ告知カウンタと告知上限カウンタが共に0でないか否かを判定し、肯定判定した場合、ステップS1906にて5回の上乗せ告知演出を行う。例えば、上乗せ告知カウンタと告知上限カウンタが共に0の状態において、前回のゲームで20回の上乗せがされた場合には各々5ずつ減算されて15となっているためS1911で肯定判定され、前回に続けて2ゲーム連続で5回の上乗せ告知演出を行う。そして、両カウンタは5ずつ減算されるが、まだ10であるため、次回のゲーム、及び次々回のゲームにおいても5回の上乗せ告知演出を行うこととなり、合計4ゲーム連続で行うこととなる。さらに連続で上乗せ告知演出を行った場合には、その次のゲームを開始するための操作(クレジットベットスイッチ56〜58の操作、又はスタートレバー41の操作)に応じてこの一連の流れで告知された上乗せ報知回数の合計値を告知する。
チェリー当選を契機として、上乗せ抽選により30回の上乗せに当選し、30回分の上乗せ告知演出が行われる場合の流れについて図41を参照し具体的に説明する。図41は当選役、その当選により上乗せ抽選が行われて当選した場合の上乗せ報知回数、このときの上乗せ告知抽選の当否結果が図に示すものである場合に、上乗せ告知カウンタ、告知上限カウンタ、連続して上乗せ告知演出を行った場合に告知した上乗せ報知回数の合計値である上乗せ告知合計値がゲーム毎にどのように推移するかを示した図である。
図41では説明の簡素化のため上乗せ告知カウンタ及び告知上限カウンタが0の状態を0ゲーム目としている。また、報知状態に移行している状態であって、第2特定役が役抽選により当選した場合には上乗せ抽選が行われる状態となっている。まず1ゲーム目ではチェリーに当選するとともに30回の上乗せ抽選に当選し、さらに上乗せ告知抽選に当選したことを示している。このとき告知上限カウンタは、ステップS1902にてチェリーの上乗せ告知上限値である20が加算され、上乗せ告知カウンタはステップS1905にて上乗せされた報知回数である30が加算される。そして、5回の上乗せ告知演出を行った後、告知上限カウンタ及び上乗せ告知カウンタは5ずつ減算され、それぞれ15、25となる。
次の2ゲーム目では当選役がなく、報知回数の上乗せもされないため、告知上限カウンタと上乗せ告知カウンタの加算がされない。そして、5回の上乗せ告知演出を行った後に、告知上限カウンタ及び上乗せ告知カウンタは5ずつ減算され、それぞれ10、20となる。ここで、告知された上乗せ報知回数の合計値は10となり、次のゲームを開始するための操作に応じて「計+10回」の表示がされる。
3ゲーム目では一般再遊技が当選しているが、第2特定役ではないので、告知上限カウンタと上乗せ告知カウンタの加算がされない。そして、5回の上乗せ告知演出を行った後に、告知上限カウンタ及び上乗せ告知カウンタは5ずつ減算され、それぞれ5、15となる。ここで、告知された上乗せ報知回数の合計値は15となり、次のゲームを開始するための操作に応じて「計+15回」の表示がされる。
4ゲーム目では第2特定役である第1スイカが当選し、20回の上乗せがされているので、告知上限カウンタには第1スイカの上乗せ告知上限値である20が加算され25となる。但し、上乗せ告知抽選には外れているため、上乗せ告知カウンタは加算されない。そして、5回の上乗せ告知演出を行った後に、告知上限カウンタ及び上乗せ告知カウンタは5ずつ減算され、それぞれ20、10となる。ここで、告知された上乗せ報知回数の合計値は20となり、次のゲームを開始するための操作に応じて「計+20回」の表示がされる。
5ゲーム目では、特殊再遊技が当選しているが、第2特定役ではないので、告知上限カウンタと上乗せ告知カウンタの加算がされない。そして、5回の上乗せ告知演出を行った後に、告知上限カウンタ及び上乗せ告知カウンタは5ずつ減算され、それぞれ15、5となる。ここで、告知された上乗せ報知回数の合計値は25となり、次のゲームを開始するための操作に応じて「計+25回」の表示がされる。
6ゲーム目では当選役がなく、報知回数の上乗せもされないため、告知上限カウンタと上乗せ告知カウンタの加算がされない。そして、5回の上乗せ告知演出を行った後に、告知上限カウンタ及び上乗せ告知カウンタは5ずつ減算され、それぞれ10、0となる。この場合、ステップS1909にて肯定判定されるため、告知上限カウンタも0にクリアされる。ここで、告知された上乗せ報知回数の合計値は30となり、次のゲームを開始するための操作に応じて「計+30回」の表示がされる。
上述したように、本実施形態では実際に付与される特典よりも大きな特典が上乗せ告知演出により告知されることを可能としている。すなわち、付与され得る最大の特典が一方の遊技状態でしか付与されない構成においては、その最大の特典が付与された場合に最大の特典が付与されたことを告知すると遊技状態が判明してしまい、低確率状態であると推測される状態での遊技の興趣が低下することが懸念される。また、最大の特典であるため、より大きな特典が付与された場合にこれよりも小さな特典として告知することもできない。最大の特典が付与された場合には、上乗せ告知演出をしない、あるいはより小さな特典として告知するという対策も考えられるが、最大の特典が付与されたことを告知することができれば上乗せ告知演出に対する遊技者の期待感をより高めることができる。そこで、本実施形態では、上乗せ告知抽選に当選した場合には上乗せ報知回数を複数ゲームに渡って告知する一方、その間に上乗せ抽選契機となる第2特定役が当選した場合には告知可能な上乗せ報知回数の上限値を高めるようにすることで、最大の特典が付与されない遊技状態においても、最大の特典と同等の特典又はそれ以上の特典を告知することを可能にしている。
第4の実施形態では上乗せ告知抽選に当選した場合に上乗せ報知回数を複数ゲームに渡って告知するようにしたが、上乗せ告知抽選に当選してから所定ゲーム数の経過後、又は所定条件の成立後に一度に上乗せ報知回数を告知するようにし、その間に第2特定役が当選したことを条件として上乗せ告知上限値を高めるようにしても良い。この場合にも第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、第4の実施形態では上乗せ報知回数として毎ゲーム「5回」の告知をしたが、「5回」に限らない。さらに、告知する上乗せ報知回数は固定の回数でなく、変動しても良い。例えば、「5回」と「10回」のうちいずれかを抽選により決定し、当選した方を告知するようにしても良い。
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を単独で上記各実施形態の構成に適用してもよく、所定の組合せで上記各実施形態の構成に適用しても良い。
(1)上記第1の実施形態において、低確率状態では上乗せ抽選に当選した場合には常に上乗せを告知する構成としたが、低確率状態においても上乗せ告知抽選に当選した場合に告知するように構成しても良い。この場合、低確率状態で上乗せ抽選に当選した場合にも上乗せ告知演出が行われないことがあるので、このような状況をコンスタントに発生させることができ、上乗せ告知演出が行われない状態においても上乗せ抽選当選に対する期待感を常に与えることが可能となる。
(2)上記第1の実施形態において、低確率状態と高確率状態のうち何れか一方では上乗せ抽選契機とならないが、他方では上乗せ抽選契機となる第2特定役を設定しても良い。これにより実際には上乗せ抽選を行わない場合であっても第2特定役が当選するだけで遊技者の期待感を煽ることができる。この場合、その第2特定役の当選に応じて上乗せ抽選に当選しても上乗せ告知演出を行わないことが好ましい。つまり、低確率状態と高確率状態との両方で上乗せ抽選契機となる第2特定役が当選した場合にのみ上乗せ告知演出を行うようにすることが好ましい。一方の遊技状態でしか上乗せ抽選契機とならない第2特定役の当選によって上乗せ抽選に当選し、これを告知した場合には、その時点における遊技状態が判明してしまうからである。
(3)上記第1の実施形態において、低確率状態では、特典が付与されないようにして、その代わりに高確率状態で付与された特典のうち告知されていない特典を低確率状態において告知するようにしても良い。例えば、高確率状態において特典が付与されたにも関わらず告知されていない特典が残っている状況で低確率状態へ移行した場合に、その低確率状態で第2特定役が当選した場合に告知又は当選した場合に所定の確率で告知することが考えられる。
(4)上記第2の実施形態において、低確率状態でのみ当選し得る30回の上乗せ報知回数に当選した場合には20回の上乗せが当選した旨の告知「+20回」を行うようにしたが、その後、第2特定役が当選した場合に残りの10回を告知するようにしても良い。つまり、大きな特典が付与された場合に、その特典を小さな特典に分割して、複数ゲームに分けて告知するようにしても良く、次回ゲーム以降に告知する分については上乗せ抽選契機となる第2特定役の当選時に行うのが好ましい。上乗せ抽選が行われていないゲームで上乗せ報知回数の告知を行った場合には分割されたものであることが露呈してしまうが、上乗せ抽選契機である第2特定役当選時であれば上乗せ当選している可能性があり、分割されたものであるかそのゲームで上乗せ抽選に当選したのか表面上区別がつかないためである。また、上乗せ報知回数を複数ゲームに渡り分割して告知する方法については、一方の遊技状態でのみ当選し得る場合に限らず、両方の遊技状態で当選し得るが当選確率が異なり調整する必要がある場合にも有効である。
(5)上記各実施形態において、上乗せ抽選の当選により付与される上乗せ報知回数の種類は第1上乗せ抽選テーブルと第2上乗せ抽選テーブルとで同じになっているが、異なっている場合、例えば、図42(図42(a)はチェリー当選時、図42(b)は第1スイカ当選時、図42(c)は第2スイカ当選時、図42(d)は再遊技当選時に選択される第1上乗せ抽選テーブルである。)、図43(図43(a)はチェリー当選時、図43(b)は第1スイカ当選時、図43(c)は第2スイカ当選時、図43(d)は再遊技当選時に選択される第2上乗せ抽選テーブルである。)の例のような場合には、上乗せ報知回数が多い方(第2上乗せ抽選テーブル)で当選した場合に、当選した上乗せ報知回数を実際よりも少なく告知するようにしても良い。すなわち、第2上乗せ抽選テーブルによる抽選により10回の上乗せがされる場合には5回として告知、15回の上乗せがされる場合には10回として告知、25回の上乗せがされる場合には20回として告知、100回の上乗せがされる場合には50回として告知するようにしても良い。
(6)上乗せ抽選の当選により付与される上乗せ報知回数の種類が第1上乗せ抽選テーブルと第2上乗せ抽選テーブルとで同じ場合であっても、高確率状態において特典が付与された場合に、その特典よりも小さい特典、つまりその特典の一部を付与された特典として上乗せ告知演出を行うようにすることで、言い換えると高確率状態では付与された特典の一部を告知しないようにすることで、高確率状態において付与された特典を該高確率状態全体で見て少なめに告知するように構成しても良い。このような構成においては、特典が付与された場合に付与された特典よりも小さい特典を付与された特典として告知するものを上乗せ告知演出(第1告知)ということができ、これに対して上乗せ抽選に当選した特典のうち上乗せ告知演出により告知されていない特典を除外した特典に関する情報を告知するものを未告知分告知演出(第2告知)ということができる。
(7)上記各実施形態において、高確率状態において告知される1回のゲーム当たりの特典の期待値と低確率状態において告知される1回のゲーム当たりの特典の期待値とは同一でなくても良い。例えば、高確率状態において付与される1回のゲーム当たりの特典の期待値を低確率状態において付与される1回のゲーム当たりの特典の期待値で除した値よりも、高確率状態において告知される1回のゲーム当たりの特典の期待値及び低確率状態において告知される1回のゲーム当たりの特典の期待値のうち大きい値を小さい値で除した値の方が小さければ、付与された特典を告知する場合よりも遊技状態の推測を困難にすることができる。
(8)高確率状態において高確率状態であることを報知する高確率状態演出を行うようにしても良い。また、この高確率状態演出中において上乗せ抽選に当選した場合には付与された特典を全て上乗せ告知演出によって告知するようにしても良い。高確率状態演出中においては、遊技状態の判別ができないように特典の告知確率等を調整する必要がないため、付与された特典を積極的に告知することで告知による遊技者の満足感を高めることができる。
(9)上記各実施形態において、上乗せ告知当選確率(上乗せ告知抽選テーブル)を役毎に設定しているが、複数の役について共通の上乗せ告知当選確率を設定しても良い。逆に、役だけに対応させるのではなく、上乗せする報知回数にも対応させて上乗せ告知当選確率を設定しても良い。これは上乗せする報知回数毎に低確率状態と高確率状態との間の上乗せ抽選に当選する確率の割合(高確率状態で上乗せ抽選に当選する確率/低確率状態で上乗せ抽選に当選する確率)が異なる場合に有効である。
(10)上記各実施形態において、上乗せ抽選の当選によって付与する特典を報知回数の上乗せとしているがこれに限らない。例えば、報知状態を延長する特典としてセット数単位での上乗せを付与しても良い。また、報知状態のような遊技者にとって有利な特別状態に移行することが所定の第1通常遊技状態よりも決定されやすい第2通常遊技状態が存在し、低確率状態であるか高確率状態であるかに応じて第1通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行する権利の1回のゲーム当たりの付与数が異なる遊技機において、第2通常遊技状態へ移行する権利を特典として適用させても良い。あるいは、報知状態において所定の第1報知状態よりも上乗せ抽選に当選する確率が高い又は上乗せ抽選当選時に付与する上乗せ報知回数や上乗せゲーム数等が大きい第2報知状態が存在し、低確率状態であるか高確率状態であるかに応じてその第2報知状態へ移行する権利の1回のゲーム当たりの付与数が異なる遊技機において、第2報知状態へ移行する権利を特典として適用させても良い。
さらにその他の特典として、例えば画像や音楽等のコンテンツ、景品等に交換可能なポイントなどが考えられる。
(11)上記各実施形態において、報知状態は報知回数を基準として終了条件が設定されているが、他の終了条件を設定しても良い。この場合、報知状態を延長するための特典の内容が変化し得る。例えば、報知したか否かに関わらず、ゲーム数を基準として終了条件を設定した場合には、報知状態が終了するまでのゲーム数を上乗せすることが特典として考えられる。また別の例として、ベルだけでなくリプレイも押順が報知される構成において、ベルの報知回数だけを基準として終了条件を設定しても良い。この場合、ベルの報知回数を上乗せすることが特典として考えられる。
(12)上記各実施形態において、上乗せ抽選に当選した場合に付与された上乗せ報知回数を告知するようにしたが、単に上乗せ抽選に当選したことだけを告知するようにしても良い。つまり、特典が付与された場合に特典が付与されたことだけを告知するようにしても良い。
(13)上記各実施形態において、第2特定役の当選を上乗せ抽選の契機としたが、他の条件を上乗せ抽選の契機としても良い。例えば毎ゲーム上乗せ抽選するようにしても良いし、所定の役が入賞した場合や所定の図柄の組合せが停止した場合に上乗せ抽選を行うようにしても良い。
(14)上記第各実施形態において、報知状態において上乗せ当選確率が変動するようにしたが、報知状態の開始前に該報知状態での上乗せ当選確率を決定してその確率に基づいて上乗せ抽選を行うようにしても良い。上乗せ当選確率を決定するタイミングとしては、報知状態開始抽選当選時や報知状態開始時等が考えられる。
(15)上記各実施形態において、上乗せ告知演出を上乗せ抽選に当選したゲームで常に行うようにしたが、上乗せ抽選に当選してから所定ゲーム数が経過したとき、又は所定条件が成立したときに上乗せ告知演出を行うことを可能としても良い。この場合、上乗せ抽選が行われたゲームだけでなく、その後所定ゲーム数が経過するまで又は所定条件が成立するまで上乗せ抽選当選に対する期待感を持続させることができる。さらに、その間に上乗せ抽選当選の可能性を示す演出を行うことで、より遊技者の期待感を煽ることができる。
このような構成や上記各実施形態等においては、特典が付与された場合の一部で付与された特典の全部又は一部をその特典に関する情報として告知するもの、若しくは特典が付与されたことを示す情報を特典に関する情報として告知するものを上乗せ告知演出(第1告知)ということができ、これに対して上乗せ抽選に当選した特典のうち上乗せ告知演出により告知されていない特典を除外した特典に関する情報を告知するものを未告知分告知演出(第2告知)ということができる。なお、特典に関する情報が「特典が付与されたことを示す情報」である場合には、1回に付与される特典として最小の特典が付与されたこととして「上乗せ抽選に当選した特典のうち上乗せ告知演出により告知されていない特典を除外した特典の合計値」を算出することができる。
(16)上記各実施形態において、第2カウンタ84bの値が0になったとき、つまり補助表示部65に表示される残り報知回数が0になって表面上は報知状態が終了となるタイミングで未告知分告知演出を行っているが、例えば第2カウンタ84bの値が0になる以前に行うようにしても良い。具体的には、第2カウンタ84bの値が予め定められた固定値(例えば1)となった場合、つまり表面上は残り報知回数が1となった場合に行っても良い。あるいは、第2カウンタ84bの値が所定範囲(例えば0〜5)の中から抽選等により決定された値となった場合に行っても良い。さらに別の例として、第2カウンタ84bの値が所定範囲(例えば1〜5)である場合に、毎ゲーム未告知分告知演出を行うか否かの抽選を行い、当選した場合に未告知分告知演出を行うようにしても良い。またこの場合には、未告知分告知演出を行わないまま第2カウンタ84bの値が所定範囲を超えたときに未告知分告知演出を行うようにしても良い。
このような構成や上記各実施形態等においては、未告知分告知演出の実行タイミングが特典の付与されるタイミングと無関係であることから、特典の付与タイミングと無関係のタイミングで付与された特典を告知するものを未告知分告知演出(第2告知)ということができ、これに対し、特典の付与タイミングに応じたタイミングで付与された特典を告知するものを上乗せ告知演出(第1告知)ということもできる。
(17)未告知分告知演出は行わないようにしても良い。この場合、遊技者は告知分の残り報知回数が0となったにも関わらず報知状態が継続することにより未告知分の上乗せがあったことに気づくことになるが、いつまで報知状態が継続するのか分からないため、いつ報知状態が終了するのかという緊張感と、継続した場合の満足感を与えることができる。
(18)上記各実施形態において、高確率状態では大きい特典が付与されやすい場合、大きい特典の告知状況から遊技状態が推測可能である。このような構成において、当選した特典を複数の特典に分割し、これを複数ゲームに渡り、所定条件の成立に応じてそれぞれ単独で当選したように告知しても良い。これにより、高確率状態において付与された大きい特典を告知した場合であっても、大きい特典の告知状況から遊技状態を推測することを困難にすることができる。
具体的には、100回の上乗せ報知回数に当選した場合に、50回、30回、20回に分割して、当選したゲームにおいて50回の上乗せ告知演出、次に第2特定役が当選したゲームで30回の上乗せ告知演出、その次に第2特定役が当選したゲームで20回の上乗せ告知演出を実行するようにしても良い。この場合には、上乗せ抽選契機となる第2特定役の当選ゲームで分割された残りの上乗せ報知回数を告知しているので、その第2特定役当選により別途上乗せ抽選に当選したように見せることができる。
別の例として、100回の上乗せ報知回数に当選した場合に、50回、30回、20回に分割して、当選したゲームにおいて50回の上乗せ告知演出を実行するが、残りの上乗せ報知回数については低確率状態に移行してから上乗せ告知演出により告知するようにしても良い。この場合、高確率状態で付与された特典から告知する分を少なくするだけでなく、低確率状態で告知される特典を多くすることができるため、低確率状態と高確率状態とで告知される特典の量を効率的に調整することが可能となる。
一方で、上記構成とした場合、連続したゲームで上乗せ告知演出が実行されたり、第2特定役が当選する毎に上乗せ告知演出が実行されたりすると、高確率状態で当選した特典が分割されたと遊技者に捉えられるおそれがある。このため、低確率状態で大きい特典に当選した場合にも分割して告知するようにして、遊技状態の推測が困難になるようにしても良い。
(19)上記各実施形態において、上乗せ抽選の当選確率を遊技状態毎に異ならせることにより、1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数の期待値が遊技状態毎に異なるように構成しているが、上乗せ抽選に当選した場合に付与される上乗せ報知回数の種類毎の当選割合を異ならせることにより、1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数の期待値が遊技状態毎に異なるように構成しても良い。例えば、図44(図44(a)はチェリー当選時、図44(b)は第1スイカ当選時、図44(c)は第2スイカ当選時、図44(d)は再遊技当選時に選択される第1上乗せ抽選テーブルである。)、図45(図45(a)はチェリー当選時、図45(b)は第1スイカ当選時、図45(c)は第2スイカ当選時、図45(d)は再遊技当選時に選択される第2上乗せ抽選テーブルである。)に示すように、第2スイカ当選時には上乗せ抽選当選確率が低確率状態と高確率状態とで同一であるにも関わらず、第2上乗せ抽選テーブルでは「5回」と「10回」の当選割合が第1上乗せ抽選テーブルよりも低い分、「20回」と「50回」の当選割合が高く設定されており、その結果として、高確率状態において1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数の期待値が低確率状態よりも高くなっている。この構成によれば、上乗せ抽選当選確率が低確率状態と高確率状態とで同じであるため、遊技者は遊技状態に関わらず上乗せ抽選当選に対して一定の期待感を持つことができる。また、チェリー当選時、第1スイカ当選時のように、上乗せ抽選の当選確率と上乗せ抽選に当選した場合に付与される上乗せ報知回数の種類毎の当選割合との両方を遊技状態毎に異ならせることにより、1回のゲーム当たりに付与される上乗せ報知回数の期待値が遊技状態毎に異なるように構成しても良い。
(20)上記各実施形態において、上乗せ抽選に当選した後さらに上乗せ告知抽選に当選した場合に上乗せ告知抽選を行うようにしたが、上乗せ抽選のために取得した乱数に基づいて上乗せ告知演出の実行対象(上乗せ告知対象)とするか否かを決定するようにしても良い。例えば、第1上乗せ抽選テーブルを図46(図46(a)はチェリー当選時、図46(b)は第1スイカ当選時、図46(c)は第2スイカ当選時、図46(d)は再遊技当選時に選択される第1上乗せ抽選テーブルである。)、第2上乗せ抽選テーブルを図47(図47(a)はチェリー当選時、図47(b)は第1スイカ当選時、図47(c)は第2スイカ当選時、図47(d)は再遊技当選時に選択される第2上乗せ抽選テーブルである。)のように設定することができる。この場合、第1上乗せ抽選テーブルと第2上乗せ抽選テーブルにおける上乗せ告知対象となる当選乱数のみを調整することにより、低確率状態と高確率状態における上乗せ告知演出の実行確率を調整することが可能となるため調整が容易である。特に低確率状態においても上乗せ告知演出の実行回数を上乗せ告知抽選の当選回数よりも少なくする場合であっても、上乗せ告知対象となる当選乱数のみを調整すれば良いので、調整が容易である。
また、上乗せ告知演出の実行対象となった場合に、常に上乗せ告知演出を行うようにしても良い。この場合、上乗せ告知抽選を実行するための処理が不要となるため、処理負担の軽減となる。
(21)上記各実施形態において、上乗せ抽選に当選した場合の一部で上乗せ告知演出を行う方法として、上乗せ告知抽選に当選した場合に上乗せ告知演出を行うようにしたが、他の方法を採用しても良い。例えば、上乗せ抽選に当選した場合の3分の1で上乗せ告知演出を行う場合には、上乗せ告知演出を1回行った後、2回は行わないようにして規則的に告知する回数を少なくするように構成しても良い。この場合、上乗せ告知抽選処理を行う必要がないので、処理負担が軽減される。
(22)上記各実施形態において、上乗せ抽選により当選した場合に、遊技状態に応じた上乗せ告知確率で上乗せ告知演出を行うようにしたが、告知対象の上乗せ抽選テーブルと告知非対象の上乗せ抽選テーブルとを設け、告知対象の上乗せ抽選テーブルによる抽選により当選したものだけを上乗せ告知演出の実行対象とし、遊技状態に関わらず上乗せ抽選の契機となった役や付与される特典の種類等に応じた確率で上乗せ告知演出を実行するようにしても良い。例えば、図48〜図50に示すように、低確率状態においては第1告知対象上乗せ抽選テーブル(図48。図48(a)はチェリー当選時、図48(b)は第1スイカ当選時、図48(c)は第2スイカ当選時に選択される第1告知対象上乗せ抽選テーブルである。)、高確率状態においては第2告知対象上乗せ抽選テーブル(図49。図49(a)はチェリー当選時、図49(b)は第1スイカ当選時、図49(c)は第2スイカ当選時に選択される第2告知対象上乗せ抽選テーブルである。)及び告知非対象上乗せ抽選テーブル(図50。図50(a)はチェリー当選時、図50(b)は第1スイカ当選時、図50(c)は特殊再遊技当選時に選択される告知非対象上乗せ抽選テーブルである。)に基づいて上乗せ抽選を行い、第1告知対象上乗せ抽選テーブル及び第2告知対象上乗せ抽選テーブルで上乗せ抽選に当選した場合に同じ確率で上乗せ告知演出を行うようにしても良い。この場合には、第1告知対象上乗せ抽選テーブルと第2告知対象上乗せ抽選テーブルとに基づく上乗せ抽選の当選確率を調整するだけで上乗せ告知演出の実行確率を調整することができるので、調整が容易である。
なお、本例では第2告知対象上乗せ抽選テーブルと告知非対象上乗せ抽選テーブルとによる抽選に際し、同じ乱数により当否判定を行うように構成しているため、高確率状態でチェリー当選時及び第1スイカ当選時に上乗せ報知回数が告知された場合にはさらに非告知分の上乗せ報知回数が付与されていることとなる。このため、上乗せ報知回数の告知がされた場合における満足感をより高めることができる。
これに対し、第2告知対象上乗せ抽選テーブルと告知非対象上乗せ抽選テーブルとによる抽選に際し、別々に取得した乱数により当否判定を行うように構成しても良い。この場合、チェリー及び第1スイカの当選時に告知がされなくとも、非告知分の上乗せ報知回数が付与されている可能性が高くなるため、告知がされない状況での特典付与に対する期待感をより高めることができる。
あるいは、告知対象の上乗せ報知回数が付与されない場合にのみ非告知対象の上乗せ報知回数が付与されるように構成しても良い。例えば、図50に示す告知非対象上乗せ抽選テーブルを図51に示す告知非対象上乗せ抽選テーブル(第2告知対象上乗せ抽選テーブルの当選値とは異なる値のみを当選値とするテーブル)に置き換えた上で、第2告知対象上乗せ抽選テーブルと告知非対象上乗せ抽選テーブルとによる抽選に際し、同じ乱数により当否判定を行うことにより、重複して当選することが回避される。この場合、告知がされない状況での特典付与に対する期待感をさらに高めることができる。
若しくは、第2告知対象上乗せ抽選テーブルと告知非対象上乗せ抽選テーブルのうち先に一方の抽選テーブルに基づいて上乗せ抽選を行い、その結果当選した場合又は当選しなかった場合に、さらに他方の上乗せ抽選テーブルに基づいて上乗せ抽選を行うように構成しても良い。
また、第1告知対象上乗せ抽選テーブルと第2告知対象上乗せ抽選テーブルとを共通としても良い。この場合には、上乗せ告知演出の実行確率からは遊技状態の判別が不可能となるため、低確率状態での興趣低下をより抑制することができ、さらに記憶容量の軽減につながる。
また、低確率状態においても告知非対象上乗せ抽選テーブルを設けても良い。低確率状態において告知非対象上乗せ抽選テーブルを設けた場合であっても、告知対象上乗せ抽選テーブルのみに注目すれば上乗せ告知演出の実行確率を調整することができるので、告知非対象となる割合を容易に調整することができる。
あるいは、告知対象の上乗せ抽選テーブルによる抽選により当選して上乗せ告知演出の実行対象となった場合に、遊技状態に関わらず上乗せ抽選の契機となった役や付与される特典等に応じた大きさの特典を付与された特典として上乗せ告知演出を実行するようにしても良い。この場合、第1告知対象上乗せ抽選テーブルと第2告知対象上乗せ抽選テーブルとに基づく上乗せ抽選の当選確率を調整するだけで付与される特典の量を調整することができるので、調整が容易である。
(23)上記各実施形態において、上乗せ抽選に当選した場合には告知される確率は常に一定であるが、変動するようにしても良い。また、遊技者により告知される確率を選択可能な構成にしても良い。
(24)上記各実施形態において、付与された特典を告知する方法は、画像による告知に限らず、例えば上部ランプ63による点灯、点滅等やスピーカ64による音声によって告知しても良い。
(25)上記各実施形態では、BB状態を備えたスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、BB状態を備えないスロットマシンであっても良いし、RB状態やCT状態、ART状態、RT状態等の他の遊技状態を備えたスロットマシンであっても良い。
(26)上記各実施形態では、メダルが3枚ベットされた後に開始指令が発生したか否かを判定する構成としたが、1枚ベットされた後や2枚ベットされた後にも開始指令が発生したか否かを判定する構成としてもよいことは言うまでもない。
(27)上記各実施形態では、付与される特典として、遊技状態が移行する特典と、再遊技の特典の他に、メダルを払い出す特典を備える構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、メダルを払い出す特典に代えてメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
(28)上記各実施形態では、リール及びそれに対応するストップボタンを3つ並列して備え、有効ラインとして4ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップボタンを5つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを7ライン有するスロットマシンであってもよい。
(29)上記各実施形態では、複数の図柄が所定の配列で記載されたリールを抽選結果に応じて停止させることで、抽選結果に応じた図柄の停止表示を実現しているが、抽選結果に応じた図柄が停止表示されればよいという観点からすると、表示させる対象はリールに限定されず、例えば液晶表示部上で抽選結果に応じた図柄を停止表示する構成としても良い。
(30)上記各実施形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下、上述した各実施形態から抽出される特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.遊技状態に応じた所定の特典付与条件の成立に基づいて特典を付与する特典付与手段(主制御装置101のCPU102におけるステップS1106の処理を実行する機能)と、
所定の第1遊技状態(低確率状態又は低期待値状態)と、前記第1遊技状態よりも1回のゲーム当たりに付与される特典の期待値が高い第2遊技状態(高確率状態又は高期待値状態)とを少なくとも含む複数種類の遊技状態に切り替える制御が可能な遊技状態制御手段(主制御装置101のCPU102におけるステップS1605,S1608の処理を実行する機能)と、
前記第1遊技状態又は前記第2遊技状態において前記特典が付与された場合に、該特典に関する情報を遊技者に対して告知する第1告知を行うことが可能であって、前記第2遊技状態においては前記第2遊技状態全体で見て付与された特典よりも前記第1告知により示される特典の方が少なくなるように前記第1告知を行うことが可能な第1特典告知手段(第1及び第2の実施形態では、主制御装置101のCPU102におけるステップS1703〜S1705の処理を実行する機能。第3の実施形態では、主制御装置101のCPU102におけるステップS1802〜S1805,S1807〜S1810の処理を実行する機能。第4の実施形態では、主制御装置101のCPU102におけるステップS1903〜S1911の処理を実行する機能。)と、
前記特典付与手段が付与した特典のうち前記第1告知により示される特典を除外した特典に関する情報を遊技者に対して告知する第2告知を行うことが可能な第2特典告知手段と(主制御装置101のCPU102におけるステップS1709の処理を実行する機能)、を備えたことを特徴とする遊技機。
特徴A1では、第1告知により第2遊技状態において付与された特典を該第2遊技状態全体で見て少なくなるように告知するため、第1遊技状態と第2遊技状態とで第1告知により告知する特典の量を近似又は同一にすることが可能となる。これにより、遊技者は第1告知により示される特典から遊技状態を判別することが困難となり、第1遊技状態において第1遊技状態であることが把握しづらくなるため、第1遊技状態における遊技の興趣低下が抑制される。
特徴A2.前記第2遊技状態を前記第1遊技状態よりも高確率で前記特典付与条件が成立するように構成することで、前記第2遊技状態における1回のゲーム当たりに付与される特典の期待値が前記第1遊技状態よりも高くなっており、
前記第1特典告知手段は、前記第2遊技状態においては、前記第2遊技状態全体で見て付与された特典よりも前記第1告知により示される特典の方が少なくなるように、前記特典が付与された回数よりも少なめに前記第1告知を行うことを可能とするものであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
第2遊技状態において特典付与条件が高確率で成立する場合には、特典付与条件が成立したときに第2遊技状態と第1遊技状態とで同じ確率により第1告知が行われると、第1遊技状態では第1告知による告知確率が低くなるため、告知される回数が少ない状態では第1遊技状態であると推測され、第1遊技状態での遊技興趣が低下することが懸念される。そこで、特徴A2では、第2遊技状態においては特典が付与された回数よりも少なめに第1告知を行うようにしたので、第2遊技状態と第1遊技状態との第1告知による告知確率の差を小さくすることが可能となる。
特徴A3.前記第2遊技状態において前記特典付与条件が成立した場合に、前記第1特典告知手段による前記第1告知を行うか否かを決定するための抽選を行う告知抽選手段(主制御装置101のCPU102におけるステップS1703の処理を実行する機能)を備え、
前記第1特典告知手段は、前記告知抽選手段による抽選結果に基づいて前記第1告知を行うことを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3では、第1告知を行うか否かの抽選に基づいて第1告知を行うため、例えば、予め定めた確率で第1告知を行う回数を少なくするだけでなく、連続したゲームで続けて第1告知が行われる可能性も残されている。
特徴A4.前記第1特典告知手段は、前記第2遊技状態において前記特典付与条件が成立した場合に、前記第1告知による告知確率が所定の確率となるように規則的に前記第1告知を行うことを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A4では、簡易な方法により第1告知による告知確率を調整することができる。
特徴A5.前記特典付与条件の成立が、所定の特典付与抽選に当選したことである場合に、
前記第1特典告知手段は、当該特典付与抽選の当否判定に用いられた乱数に基づいて、前記第1告知を行うか否かを決定することを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A5では、特典付与抽選の当否判定に用いられた乱数に基づいて第1告知を行うか否かを決定するため、第1告知を行うか否かを別途決定するための処理が不要となり、処理負担が軽減される。
特徴A6.前記第1特典告知手段は、前記特典付与条件のうち所定の告知対象特典付与条件が成立した場合には遊技状態に関わらず所定の確率で前記第1告知を行う一方、前記特典付与条件のうち所定の告知非対象特典付与条件が成立した場合には前記第1告知を行わないように構成するとともに、前記第2遊技状態では前記告知対象特典付与条件及び前記告知非対象特典付与条件が成立するように構成することで、前記第2遊技状態においては前記第2遊技状態全体で見て付与された特典よりも前記第1告知により示される特典の方が少なくなるように前記第1告知を行うことを可能とするものであることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
特徴A6では、告知対象特典付与条件が成立した場合に、遊技状態に関わらず所定の確率で第1告知を行うように構成したため、第1告知の対象とする特典の量を容易に調整することができる。
特徴A7.前記第1特典告知手段は、前記特典付与条件のうち所定の告知対象特典付与条件が成立した場合には遊技状態に関わらず必ず前記第1告知を行う一方、前記特典付与条件のうち所定の告知非対象特典付与条件が成立した場合には前記第1告知を行わないように構成するとともに、前記第2遊技状態では前記告知対象特典付与条件及び前記告知非対象特典付与条件が成立するように構成することで、前記第2遊技状態においては前記第2遊技状態全体で見て付与された特典よりも前記第1告知により示される特典の方が少なくなるように前記第1告知を行うことを可能とするものであることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
特徴A7では、告知対象特典付与条件が成立した場合に必ず第1告知を行う一方、告知非対象特典付与条件が成立した場合には第1告知を行わないため、告知対象特典付与条件と告知非対象特典付与条件との成立確率を調整するだけで、第1告知による告知確率を調整することが可能となる。
特徴A8.前記第1遊技状態において、前記特典付与条件として前記告知対象特典付与条件のみが成立するように構成されていることを特徴とする特徴A6又はA7に記載の遊技機。
特徴A8では、第1遊技状態において、特典付与条件として告知対象特典付与条件のみが成立するように構成したため、第1遊技状態における告知対象特典付与条件と、第2遊技状態における告知対象特典付与条件と、を調整するだけで第1告知による告知確率が調整される。このため、容易に第1告知による告知確率を調整することができる。
特徴A9.1回のゲームで前記告知対象特典付与条件及び前記告知非対象特典付与条件の両方が成立し得ることを特徴とする特徴A6乃至A8のいずれかに記載の遊技機。
特徴A9では、告知対象特典付与条件の成立とともに、同じゲームで告知非対象特典付与条件も成立する可能性があるため、第1告知が行われた場合であってもそれ以上の特典が付与されている可能性があり、第1告知により告知した特典以上の期待感を与えることができる。
特徴A10.前記第2遊技状態において、前記告知非対象特典付与条件は前記告知対象特典付与条件が成立しないゲームで成立し得ることを特徴とする特徴A6乃至A9のいずれかに記載の遊技機。
特徴A10では、第2遊技状態において1回のゲームで告知非対象特典付与条件のみが成立する場合があるため、例えば、告知非対象特典付与条件の成立契機を告知対象特典付与条件の成立契機と異なるように設定することで、告知対象特典付与条件の成立契機が発生しない状況下においても特典付与条件成立の期待感を与えることができる。
特徴A11.前記特典として複数種類の特典が設定されており、特典の種類毎にその特典が付与されるための前記特典付与条件が設定されている場合において、
前記第1特典告知手段は、前記特典付与条件が成立した場合に、当該特典付与条件に応じた確率で前記第1告知を行うことを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれかに記載の遊技機。
特徴A11では、特典の種類毎に特典付与条件が設定されているため、特典の種類と無関係に第1告知確率を調整しても、特典の種類毎の第1告知確率は調整されないため、各特典の第1告知確率から遊技状態の推測が可能となってしまう。そこで、特典付与条件に応じた確率で第1告知を行うようにして、特典の種類毎の第1告知確率を調整可能としている。
特徴A12.特典付与条件成立の契機となる複数種類の特典付与契機役が設けられ、所定の抽選処理の結果、前記特典付与契機役が当選した場合に、前記遊技状態及び当該特典付与契機役の種類に応じた確率で前記特典付与条件が成立するように構成されており、
前記第1特典告知手段は、前記特典付与契機役の当選により前記特典付与条件が成立した場合に、前記遊技状態及び当該特典付与契機役の種類に応じた確率で前記第1告知を行うことを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれかに記載の遊技機。
特徴A12では、当選した特典付与契機役の種類に応じて特典付与条件の成立確率が異なるが、同じ当選した特典付与契機役の種類に応じた確率で第1告知を行うため、特典付与契機役毎に特典付与への期待度が異なる多彩な遊技性においても、第1告知確率を調整することができる。
特徴A13.前記第1特典告知手段は、前記第2遊技状態においては、前記第2遊技状態全体で見て付与された特典よりも第1告知により示される特典の方が少なくなるように、前記特典が付与された場合に当該特典の一部を当該特典に関する情報として告知することを可能とすることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A13では、第2遊技状態において実際に付与される特典の一部をその特典に関する情報として告知することで、第1遊技状態での第1告知により示される特典との差を小さくしている。これにより、第1告知により示される特典の合計値から遊技状態を推測することが困難となり、低確率状態における遊技の興趣低下を抑制することができる。
特徴A14.前記特典付与条件の成立が、所定の特典付与抽選に当選したことである場合に、
前記第1特典告知手段は、当該特典付与抽選の当否判定に用いられた乱数に基づいて、前記特典に関する情報を決定することを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
特徴A14では、特典付与抽選の当否判定に用いられた乱数に基づいて特典に関する情報を決定するため、特典に関する情報を別途決定する処理が不要となり、処理負荷が軽減される。
特徴A15.前記第1特典告知手段は、前記特典付与条件のうち所定の告知対象特典付与条件が成立した場合には遊技状態に関わらず当該告知対象特典付与条件に応じた大きさの特典を示す前記第1告知を行う一方、前記特典付与条件のうち所定の告知非対象特典付与条件が成立した場合には前記第1告知を行わないように構成するとともに、前記第2遊技状態では前記告知対象特典付与条件及び前記告知非対象特典付与条件が成立するように構成することで、前記第2遊技状態においては前記第2遊技状態全体で見て付与された特典よりも前記第1告知により示される特典の方が少なくなるように前記特典に関する情報を告知することを可能とするものであることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
特徴A15では、告知対象特典付与条件が成立した場合に、遊技状態に関わらず告知対象特典付与条件に応じた大きさの特典を示す第1告知を行うように構成したため、第1告知対象とする特典の量を容易に調整することができる。
特徴A16.前記第1遊技状態において、前記特典付与条件として前記告知対象特典付与条件のみが成立するように構成されていることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
特徴A16では、第1遊技状態において、特典付与条件として告知対象特典付与条件のみが成立するように構成したため、第1遊技状態における告知対象特典付与条件と、第2遊技状態における告知対象特典付与条件と、を調整するだけで第1告知対象とする特典の量が調整される。このため、容易に第1告知対象とする特典の量を調整することができる。
特徴A17.1回のゲームで前記告知対象特典付与条件及び前記告知非対象特典付与条件の両方が成立し得ることを特徴とする特徴A15又はA16に記載の遊技機。
特徴A17では、告知対象特典付与条件の成立とともに、同じゲームで告知非対象特典付与条件も成立する可能性があるため、第1告知が行われた場合であってもそれ以上の特典が付与されている可能性があり、第1告知により示される特典以上の期待感を与えることができる。
特徴A18.前記第2遊技状態において、前記告知非対象特典付与条件は前記告知対象特典付与条件が成立しないゲームで成立し得るように構成したことを特徴とする特徴A15乃至A17のいずれかに記載の遊技機。
特徴A18では、第2遊技状態において1回のゲームで告知非対象特典付与条件のみが成立する場合があるため、例えば、告知非対象特典付与条件の成立契機を告知対象特典付与条件の成立契機と異なるように設定することで、告知対象特典付与条件の成立契機が発生しない状況下においても特典付与条件成立の期待感を与えることができる。
特徴A19.前記第1特典告知手段は、前記告知対象特典付与条件が成立した場合に必ず前記第1告知を行うことを特徴とする特徴A15乃至A18のいずれかに記載の遊技機。
特徴A19では、告知対象特典付与条件が成立した場合に必ず第1告知を行う一方、告知非対象特典付与条件が成立した場合には第1告知を行わないため、告知対象特典付与条件と告知非対象特典付与条件との成立確率を調整するだけで、第1告知により告知する特典の量を調整することが可能となる。
特徴A20.複数種類の特典が設定されており、当該複数種類の特典のうち最大の特典が一部の遊技状態でのみ付与され得るものである場合において、
前記第1特典告知手段は、前記最大の特典が付与されない遊技状態において特典が付与された場合に、まだ告知されていない特典の合計値が前記最大の特典以上であれば前記最大の特典を示す前記第1告知を行うことを可能とするものであることを特徴とする特徴A1乃至A19のいずれかに記載の遊技機。
特徴A20では、最大の特典が一部の遊技状態でのみ付与され得るため、当該最大の特典が付与された場合にその旨を告知すると遊技状態がその一部の遊技状態であることが判明してしまう。一方で、最大の特典が付与された場合にはその旨を告知することが遊技者の告知に対する期待感を高める上で重要と考えられる。そこで、最大の特典が付与されない遊技状態においては特典が付与された場合にまだ告知されていない特典の合計値が最大の特典以上であれば最大の特典を示す第1告知を行うことを可能とした。これにより、いずれの遊技状態においても最大の特典を付与した場合に相当する告知をすることができるため、最大の特典を告知したことによって遊技状態が判明することを避けることが可能となる。
特徴A21.複数種類の特典が設定されており、当該複数種類の特典のうち最大の特典が一部の遊技状態でのみ付与され得るものである場合において、
前記最大の特典が付与され得る遊技状態において前記特典付与条件の成立契機となる特典付与契機役が当選した場合に、前記第1特典告知手段が告知可能な特典の上限値を設定する告知上限値設定手段を備え、
前記第1特典告知手段は、特典が付与された場合に、付与された特典のうち前記告知上限値設定手段により設定された上限値を上限として特典を告知するものであって、特典が付与されてから複数ゲームに渡り、あるいは特典が付与されてから所定条件が成立した場合に付与された特典を告知するものであり、
前記告知上限値設定手段は、当該告知が終了するまでに前記特典付与契機役が当選した場合には告知可能な特典の上限値を加算することを特徴とする特徴A1乃至A19のいずれかに記載の遊技機。
特徴A21では、最大の特典が一部の遊技状態でのみ付与され得るため、特徴A20と同様の問題が生じる。そこで、別の解決方法として、第1告知により告知可能な特典の上限値を設定することにより、最大の特典を告知することで上記一部の遊技状態であることが判明してしまう状況下では最大の特典の告知を制限する一方、告知が終了する前(複数ゲームに渡って告知する場合であれば最後の告知をする前。所定条件の成立により告知する場合であればその所定条件が成立する前。)に特典付与契機役が当選した場合にはさらに特典が付与される可能性を加味して上限値を加算するように構成したので、その加算後の上限値が最大の特典に達していれば遊技状態が判明することなく最大の特典を告知することが可能となる。
なお、所定条件として最大の特典が付与されない遊技状態への移行がされたときに、特典を示す第1告知を行うことを可能としても良い。この場合、最大の特典が付与されない遊技状態においても積極的に最大の特典を告知することが可能となるため、遊技状態の推測を困難にすることができる。
特徴A22.前記第1特典告知手段は、第2遊技状態において付与される1回のゲーム当たりの特典の期待値を第1遊技状態において付与される1回のゲーム当たりの特典の期待値で除した値よりも、第2遊技状態において前記第1告知により告知される1回のゲーム当たりの特典の期待値及び第1遊技状態において前記第1告知により告知される1回のゲーム当たりの特典の期待値のうち大きい値を小さい値で除した値の方が小さくなるように前記特典に関する情報を告知することを可能とするものであることを特徴とする特徴A1乃至A21のいずれかに記載の遊技機。
特徴A22では、付与される特典との関係で第1告知により告知される特典が制限されている。遊技状態の推測は、第1遊技状態と第2遊技状態とで第1告知により告知される1回のゲーム当たりの特典の期待値の比率が大きいほど容易になり、小さいほど困難になる。つまり、遊技状態の推測を困難にするため、この比率を小さくする必要がある。そこで上記構成とすることにより、付与された特典が全て第1告知により告知される場合と比較してその比率が小さくなるように制限している。このため、特典付与に対する期待感が薄れて遊技の興趣が低下するような事態をより効果的に抑制することが可能となる。
特徴A23.前記第1特典告知手段は、第2遊技状態において第1告知により告知される1回のゲーム当たりの特典の期待値と第1遊技状態において第1告知により告知される1回のゲーム当たりの特典の期待値とが同一となるように構成したことを特徴とする特徴A1乃至A21のいずれかに記載の遊技機。
特徴A23では、第1遊技状態と第2遊技状態とで第1告知により告知される特典の期待値が同一となるように告知される特典が制限されている。この場合には第1告知により告知された1回のゲーム当たりの特典から遊技状態を判別することができないため、特典付与に対する期待感が薄れて遊技の興趣が低下するような事態をより効果的に抑制することが可能となる。
特徴B1.複数種類の前記特典が設定され、当該特典毎に前記特典付与条件が設定されており、当該特典には前記特典付与条件が前記第2遊技状態よりも前記第1遊技状態において成立しやすい特殊特典が含まれている場合に、
前記第1特典告知手段は、前記第2遊技状態において付与された前記特殊特典以外の特典を前記第2遊技状態全体で見て付与された特典よりも前記第1告知により示される特典の方が少なくなるように前記特典に関する情報を告知することを可能とする一方、前記第1遊技状態において付与された前記特殊特典を前記第1遊技状態全体で見て付与された特典よりも前記第1告知により示される特典の方が少なくなるように前記特典に関する情報を告知することを可能とするものであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴B1では、特殊特典が含まれているため、第2遊技状態において付与された特典を第2遊技状態全体で見て少なめに告知するだけでは、その特殊特典について第1告知確率の差を縮めることは困難である。また、第2遊技状態において付与された前記特殊特典以外の特典を多めに告知することで、遊技状態全体として調整することは可能であるが、この場合、特殊特典については第1遊技状態で第1告知が行われやすく、それ以外の特典については第2遊技状態で第1告知が行われやすくなるため遊技状態が推測できてしまい、低確率遊技状態における遊技興趣の低下を十分に抑制できないと考えられる。
そこで、第2遊技状態において付与された特殊特典以外の特典を該第2遊技状態全体で見て少なめに告知する一方、第1遊技状態において付与された特殊特典を該第1遊技状態全体で見て少なめに告知するようにしたので、特典毎に第1告知確率を調整することが可能となっている。
特徴B2.前記特典として前記特殊特典及び当該特殊特典よりも大きな特典が含まれており、前記第2遊技状態において該特殊特典よりも大きな特典が付与され得る遊技機において、
前記第1特典告知手段は、前記第2遊技状態において前記特殊特典よりも大きな特典が付与された場合に前記特殊特典として告知することを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2では、第1遊技状態において前記特典付与条件が成立しやすい特殊特典が含まれている。そこで、第2遊技状態において特殊特典の第1告知確率を高めるため、第2遊技状態において特殊特典よりも大きな特典が付与された場合に特殊特典を告知するようにしている。これにより、第2遊技状態において付与された特典のうち第1告知により告知する特典を少なくしつつ、特殊特典の第1告知確率を調整することが可能となる。
特徴B3.前記特典として複数種類の特典が設定されており、前記複数種類の特典には複数の前記特典付与条件が設定された特典が含まれ、当該複数の特典付与条件には前記第2遊技状態において成立しやすい特典付与条件と前記第1遊技状態において成立しやすい特典付与条件とが含まれている場合において、
前記第1特典告知手段は、1回のゲームで当該特典が付与される確率が高い遊技状態では、当該特典が付与された場合の一部でのみ当該特典に関する情報を告知することを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴B3では、ある特典について一部の特典付与条件については第2遊技状態で成立しやすいが、また別の一部の特典付与条件については第1遊技状態で成立しやすいように構成されている。そこで、1回のゲームで当該特典が付与される確率が高い遊技状態では、第1特典告知手段により当該特典が付与された場合の一部でのみ当該特典に関する情報を告知するようにしたので、ある特典が付与された場合の第1告知確率が第1遊技状態と第2遊技状態とで近似又は同一となるように調整することが可能となる。その結果、特典毎の第1告知確率からは遊技状態の判別が困難になる。また、特典付与条件毎に第1告知確率を調整する場合と比較して告知ロスが減るため、第1告知確率を高く維持したまま調整することが可能となっている。
10 スロットマシン(遊技機)
31 リールユニット
41 スタートレバー
56 第1クレジットベットスイッチ
81 副制御装置
82 副制御装置におけるCPU
83 副制御装置におけるROM
84 副制御装置におけるRAM
101 主制御装置
102 主制御装置におけるCPU
105 主制御装置におけるROM
106 主制御装置におけるRAM

Claims (2)

  1. 遊技状態に応じた所定の特典付与条件の成立に基づいて特典を付与する特典付与手段と、
    所定の第1遊技状態と、前記第1遊技状態よりも1回のゲーム当たりに付与される特典の期待値が高い第2遊技状態とを少なくとも含む複数種類の遊技状態に切り替える制御が可能な遊技状態制御手段と、
    前記第1遊技状態又は前記第2遊技状態において前記特典が付与された場合に、該特典に関する情報を遊技者に対して告知する第1告知を行うことが可能であって、前記第2遊技状態においては前記第2遊技状態全体で見て付与された特典よりも前記第1告知により示される特典の方が少なくなるように前記第1告知を行うことが可能な第1特典告知手段と、
    前記特典付与手段が付与した特典のうち前記第1告知により示される特典を除外した特典に関する情報を遊技者に対して告知する第2告知を行うことが可能な第2特典告知手段と、を備えたことを特徴とする遊技機。
  2. 複数種類の前記特典が設定され、当該特典毎に前記特典付与条件が設定されており、当該特典には前記特典付与条件が前記第2遊技状態よりも前記第1遊技状態において成立しやすい特殊特典が含まれている場合に、
    前記第1特典告知手段は、前記第2遊技状態において付与された前記特殊特典以外の特典を前記第2遊技状態全体で見て付与された特典よりも前記第1告知により示される特典の方が少なくなるように前記特典に関する情報を告知することを可能とする一方、前記第1遊技状態において付与された前記特殊特典を前記第1遊技状態全体で見て付与された特典よりも前記第1告知により示される特典の方が少なくなるように前記特典に関する情報を告知することを可能とするものであることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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