JP2015092579A - 素子及び太陽電池並びに電極用ペースト組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリコンを含む基板と、前記基板上に配置された電極とを有し、前記電極は、銅含有粒子、ガラス粒子、溶剤及び樹脂を含む電極用ペースト組成物の焼物であり、体積抵抗率が1×10−4Ω・cm以下である素子である。また電極用ペースト組成物に、リン含有銅合金粒子、錫含有粒子、ガラス粒子、溶剤及び樹脂を含ませ、25℃における粘度が80Pa・s〜1000Pa・sの範囲であるように構成する。さらにまた電極用ペースト組成物に、リン含有銅合金粒子、錫含有粒子、ガラス粒子、溶剤及び樹脂を含ませ、固形分濃度が70質量%〜98質量%の範囲であるように構成する
【選択図】なし
Description
また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
さらに本明細書において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本発明の素子は、シリコンを含む基板と、前記基板上に配置された電極とを有するものであって、前記電極は、銅含有粒子、ガラス粒子、溶剤及び樹脂を含む電極用ペースト組成物の焼成物であり、体積抵抗率が1×10−4Ω・cm以下であることを特徴とする。
前記電極が、特定の構成を有する電極用ペースト組成物の焼成物であることで、体積抵抗率が低く、焼成時における銅の酸化が抑制され、良好なオーミックコンタクトを有する銅含有電極がシリコンを含む基板上に形成された素子を構成することができる。
尚、電極の体積抵抗率は、以下のようにして測定される。
本発明の電極用ペースト組成物を所望の基板上に塗布し、これを所定の条件で焼成することで焼成物を得る。次いで、得られた焼成物について、4探針4端子法を用いた抵抗率計(例えば、三菱化学(株)製Loresta−EP MCP−T360型抵抗率計)によって体積抵抗率を測定する。
特に前記電極用ペースト組成物として後述するように、銅含有粒子として耐酸化性を有する銅含有粒子(好ましくは、リン含有銅合金粒子)を用い、これに錫含有粒子を組み合わせることで焼成処理の温度を低下させることができ、酸素の存在下(例えば、大気中)で焼成処理を行っても、より体積抵抗率が低い電極を形成することができる。さらにこれに後述する特定の構成を有する軟化点の低いガラス粒子を組み合わせることでより優れたオーミックコンタクトを達成することができる。
具体的には本発明の素子は、太陽電池素子、プラズマディスプレイの電極配線及びシールド配線、セラミックスコンデンサ、アンテナ回路、各種センサー回路、半導体デバイスの放熱材料等を構成することができる。
これらの中でも、前記素子は太陽電池素子であることが好ましい。
またシリコンを含む基板上に付与される電極ペースト組成物の形状は特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができる。
一般に、熱処理温度(焼成温度)としては800〜900℃であるが、後述する電極用ペースト組成物を用いる場合には、より低温での熱処理条件を適用することができ、例えば、450〜850℃の熱処理温度で良好な特性を有する電極を形成することができる。
また熱処理時間は、熱処理温度等に応じて適宜選択することができ、例えば、1秒〜20秒とすることができる。
また焼成処理の雰囲気は特に制限されない。窒素等の不活性ガス雰囲気下であっても、大気中等の酸素の存在する雰囲気下であってもよい。本発明においては生産性の観点から、大気雰囲気下で焼成処理することが好ましい。
本発明の素子は、太陽電池素子であることが好ましい。
前記太陽電池素子は、シリコン基板上に付与された電極用ペースト組成物を、焼成して形成された電極を有して構成される。これにより、良好な特性を有する太陽電池素子が得られ、該太陽電池素子の生産性に優れる。
尚、本明細書において太陽電池素子とは、pn接合が形成されたシリコン基板と、シリコン基板上に形成された電極とを有するものを意味する。また太陽電池とは、太陽電池素子の電極上にタブ線が設けられ、必要に応じて複数の太陽電池素子がタブ線を介して接続されて構成され、封止樹脂等で封止された状態のものを意味する。
代表的な太陽電池素子の一例を示す断面図、受光面及び裏面の概要を図1、図2及び図3に示す。
図1に概略を示すように、通常、太陽電池素子の半導体基板1には、単結晶または多結晶シリコンなどが使用される。この半導体基板1には、ホウ素などが含有され、p型半導体を構成している。受光面側は太陽光の反射を抑制するために、NaOHとIPA(イソプロピルアルコール)からなるエッチング溶液により凹凸(テクスチャともいう、図示せず)が形成されている。その受光面側にはリンなどがドーピングされ、n+拡散層2がサブミクロンオーダーの厚さで設けられているとともに、p型バルク部分との境界にpn接合部が形成されている。さらに受光面側には、n+拡散層2上に窒化ケイ素などの反射防止膜3が、PECVDなどによって膜厚90nm前後で設けられている。
受光面電極4と裏面出力取出し電極6は、本発明の前記電極用ペースト組成物から形成される。また裏面集電用電極5はガラス粉末を含むアルミニウム電極ペースト組成物から形成されている。受光面電極4と、裏面集電用電極5及び裏面出力取出し電極6を形成する第一の方法として、前記ペースト組成物をスクリーン印刷等にて所望のパターンに塗布した後、乾燥後に、大気中450〜850℃程度で同時に焼成して形成することが挙げられる。本発明においては前記電極用ペースト組成物を用いることで、比較的低温で焼成しても、抵抗率及び接触抵抗率に優れる電極を形成することができる。
本発明においては、前記電極用ペースト組成物を用いて受光面電極4が形成されることで、導電性金属として銅を含みながら、銅の酸化が抑制され、低抵抗率の受光面電極4が、良好な生産性で形成される。
さらに本発明においては形成される電極がCu−Sn合金相とSn−P−Oガラス相とを含んで構成されることが好ましく、Sn−P−Oガラス相がCu−Sn合金相とシリコン基板との間に配置される(不図示)ことがより好ましい。これにより銅とシリコン基板との反応が抑制され、低抵抗で密着性に優れる電極を形成することができる。
ここで、充填用と印刷用に用いるペーストでは、粘度を始めとして、それぞれのプロセスに最適な組成のペーストを使用するのが望ましいが、同じ組成のペーストで充填、印刷を一括で行ってもよい。
本発明の太陽電池は、前記太陽電池素子の少なくとも1つを含み、太陽電池素子の電極上にタブ線が配置されて構成される。太陽電池はさらに必要に応じて、タブ線を介して複数の太陽電池素子が連結され、さらに封止材で封止されて構成されていてもよい。
前記タブ線及び封止材としては特に制限されず、当業界で通常用いられているものから適宜選択することができる。
前記電極用ペースト組成物は、銅含有粒子の少なくとも1種と、ガラス粒子の少なくとも1種と、溶剤の少なくとも1種と、樹脂の少なくとも1種とを含み、必要に応じて、錫含有粒子、銀粒子等を更に含んで構成される。
かかる構成であることにより、大気中焼成時における銅の酸化が抑制され、抵抗率の低い電極を形成できる。さらに銅とシリコンを含む基板との反応物相の形成が抑制され、形成される電極とシリコン基板とが良好なオーミックコンタクトを形成できる。
前記電極ペースト組成物は、銅含有粒子としてリン含有銅合金粒子の少なくとも1種を含むことが好ましい。リン含有銅合金としては、リン銅ろう(リン濃度:7質量%程度以下)と呼ばれるろう付け材料が知られている。リン銅ろうは、銅と銅との接合剤としても用いられるものであるが、本発明の電極用ペースト組成物にリン含有銅合金粒子を用いることで、リンの銅酸化物に対する還元性を利用し、耐酸化性に優れ、体積抵抗率の低い電極を形成することができる。さらに電極の低温焼成が可能となり、プロセスコストを削減できるという効果を得ることができる。
また前記リン含有銅合金粒子に含まれる他の原子の含有率は、例えば、前記リン含有銅合金粒子中に3質量%以下とすることができ、耐酸化性と低抵抗率の観点から、1質量%以下であることが好ましい。
また前記リン含有銅合金粒子の形状としては特に制限はなく、略球状、扁平状、ブロック状、板状、及び鱗片状等のいずれであってもよいが、耐酸化性と低抵抗率の観点から、略球状、扁平状、または板状であることが好ましい。
具体的には、リン含有銅合金を溶解し、これをノズル噴霧によって粉末化した後、得られた粉末を乾燥、分級することで、所望のリン含有銅合金粒子を製造することができる。また、分級条件を適宜選択することで所望の粒子径を有するリン含有銅合金粒子を製造することができる
電極用ペースト組成物は、錫含有粒子の少なくとも1種を更に含むことが好ましい。銅含有粒子(好ましくは、リン含有銅合金粒子)に加えて、錫含有粒子を含むことにより、焼成処理において、抵抗率の低い電極を形成できる。
これは例えば以下のように考えることができる。リン含有銅合金粒子及び錫含有粒子を含む電極用ペースト組成物を用いて電極を形成する場合、リン含有銅合金粒子と錫含有粒子とが、焼成処理の際に互いに反応して、Cu−Sn合金相とSn−P−Oガラス相からなる電極を形成する。ここで前記Cu−Sn合金相は、電極内で緻密なバルク体を形成し、これが導電層として機能することで抵抗率の低い電極を形成できると考えられる。
尚、ここでいう緻密なバルク体とは、塊状のCu−Sn合金相が互いに密に接触し、三次元的に連続している構造を形成していることを意味する。
これは例えば以下のように考えることができる。リン含有銅合金粒子と錫含有粒子とが、焼成工程で互いに反応して、Cu−Sn合金相とSn−P−Oガラス相からなる電極を形成する。上記Cu−Sn合金相が緻密なバルク体であるために、このSn−P−Oガラス相は、Cu−Sn合金相とシリコン基板との間に形成される。これによりCu−Sn合金相のシリコン基板に対する密着性が向上すると考えることができる。またSn−P−Oガラス相が、銅とシリコンとの相互拡散を防止するためのバリア層として機能することで、焼成して形成される電極とシリコン基板との良好なオーミックコンタクトが達成できると考えることができる。すなわち銅を含む電極とシリコンを直に接触して加熱したときに形成される反応相(Cu3Si)の形成を抑制し、半導体性能(例えば、pn接合特性)を劣化することなくシリコン基板との密着性を保ちながら、良好なオーミックコンタクトを発現することができると考えられる。
錫粒子における錫の純度は特に制限されない。例えば錫粒子の純度は、95質量%以上とすることができ、97質量%以上であることが好ましく、99質量%以上であることが好ましい。
本発明において、これらの錫含有粒子は1種単独で使用してもよく、又2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
また前記錫含有粒子に含まれる他の原子の含有率は、例えば前記錫含有粒子中に3質量%以下とすることができ、融点及びリン含有銅合金粒子との反応性の観点から、1質量%以下であることが好ましい。
また前記錫含有粒子の形状としては特に制限はなく、略球状、扁平状、ブロック状、板状、及び鱗片状等のいずれであってもよいが、耐酸化性と低抵抗率の観点から、略球状、扁平状、または板状であることが好ましい。
錫含有粒子の含有率を5質量%以上とすることで、リン含有銅合金粒子との反応をより均一に生じさせることができる。また錫含有粒子を70質量%以下とすることで、充分な体積のCu−Sn合金相を形成することができ、電極の体積抵抗率がより低下する。
電極用ペースト組成物は、ガラス粒子の少なくとも1種を含む。電極用ペースト組成物がガラス粒子を含むことにより、焼成時に電極部と基板との密着性が向上する。また。特に太陽電池受光面側の電極形成において、焼成時にいわゆるファイアースルーによって反射防止膜である窒化ケイ素膜が取り除かれ、電極とシリコン基板とのオーミックコンタクトが形成される。
また本発明においては、環境に対する影響を考慮すると、鉛を実質的に含まない鉛フリーガラスを用いることが好ましい。鉛フリーガラスとしては、例えば、特開2006−313744号公報の段落番号0024〜0025に記載の鉛フリーガラスや、特開2009−188281号公報等に記載の鉛フリーガラスを挙げることができ、これらの鉛フリーガラスから適宜選択して本発明に適用することもまた好ましい。
また前記ガラス粒子の形状としては特に制限はなく、略球状、扁平状、ブロック状、板状、及び鱗片状等のいずれであってもよいが、耐酸化性と低抵抗率の観点から、略球状、扁平状、または板状であることが好ましい。
電極用ペースト組成物は、溶剤の少なくとも1種と樹脂の少なくとも1種とを含む。これにより電極用ペースト組成物の液物性(例えば、粘度、表面張力等)を、シリコン基板等に付与する際の付与方法に応じて必要とされる液物性に調整することができる。
また前記溶剤は1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また本発明において前記樹脂は1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
またこれに加え樹脂の重量平均分子量が500000以下であると、樹脂の燃焼温度が高くなることが抑制され、電極用ペースト組成物を焼成する際に樹脂が完全に燃焼されず異物として残存することが抑制され、電極をより低抵抗に構成することができる。
溶剤と樹脂の総含有率が前記範囲内であることにより、電極用ペースト組成物をシリコン基板に付与する際の付与適性が良好になり、所望の幅及び高さを有する電極をより容易に形成することができる。
電極用ペースト組成物は、銀粒子を更に含むことが好ましい。銀粒子を含むことで耐酸化性がより向上し、電極としての抵抗率がより低下する。また、電極用ペースト組成物がリン含有銅合金粒子及び錫含有粒子を含む場合、リン含有銅合金粒子と錫含有粒子との反応によって生成したSn−P−O系ガラス相の中にAg粒子が析出することで、電極層の中のCu−Sn合金相とシリコン基板間のオーミックコンタクト性がより向上する。さらに太陽電池モジュールとした場合のはんだ接続性が向上するという効果も得られる。
また前記銀粒子に含まれる他の原子の含有率は、例えば銀粒子中に3質量%以下とすることができ、融点及び電極の低抵抗率化の観点から、1質量%以下であることが好ましい。
また前記銀粒子の形状としては特に制限はなく、略球状、扁平状、ブロック状、板状、及び鱗片状等のいずれであってもよいが、耐酸化性と低抵抗率の観点から、略球状、扁平状、または板状であることが好ましい。
電極用ペースト組成物は、フラックスの少なくとも1種をさらに含むことができる。フラックスを含むことでリン含有銅合金粒子の表面に形成された酸化膜を除去し、焼成中のリン含有銅合金粒子の還元反応を促進させることができる。また焼成中の錫含有粒子の溶融も進むためリン含有銅合金粒子との反応が進み、結果として耐酸化性がより向上し、形成される電極の抵抗率がより低下する。さらに電極材とシリコン基板の密着性が向上するという効果も得られる。
中でも、電極材焼成時の耐熱性(フラックスが焼成の低温時に揮発しない特性)及びリン含有銅合金粒子の耐酸化性補完の観点から、ホウ酸カリウム及びホウフッ化カリウムが特に好ましいフラックスとして挙げられる。
本発明においてこれらのフラックスは、それぞれ1種単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明の電極用ペースト組成物は、上述した成分に加え、必要に応じて、当該技術分野で通常用いられるその他の成分をさらに含むことができる。その他の成分としては、例えば、可塑剤、分散剤、界面活性剤、無機結合剤、金属酸化物、セラミック、有機金属化合物等を挙げることができる。
分散・混合方法は特に制限されず、通常用いられる分散・混合方法から適宜選択して適用することができる。
前記粘度が20Pa・s未満では電極ペースト付与時にダレが発生するなどして、所望の形状に付与することができない場合がある。また1000Pa・sを超えると流動性が不十分で、付与をスクリーン印刷で行う場合には印刷マスクの目詰まりが発生したり、付与をインクジェットで行う場合にはノズルの目詰まりなどが発生したりして、付与が困難になる場合がある。
尚、電極用ペースト組成物の粘度は、ブルックフィールドHBT粘度計を用いて25℃で測定される。
前記固形分濃度が70質量%未満ではリン含有銅合金及び錫含有粒子の反応又は焼結が不十分になり抵抗率が上昇する場合がある。また98質量%を超えると電極用ペースト組成物の流動性が低下したり、分散性が低下したりして電極用ペースト組成物の付与の際にムラが発生する場合がある。
尚、電極用ペースト組成物の固形分濃度は、電極用ペースト組成物を構成する成分から揮発性成分を除いた残分を意味する。具体的には電極用ペースト組成物を25℃、1気圧の環境下に10時間放置して揮発性成分を除去した後の残分を基準にして測定される。
(a)電極用ペースト組成物の調製
7質量%のリンを含むリン含有銅合金粒子を定法により調製し、これを溶解して水アトマイズ法により粉末化した後、乾燥、分級した。分級した粉末をブレンドして、脱酸素・脱水処理し、7質量%のリンを含むリン含有銅合金粒子を作製した。尚、リン含有銅合金粒子の粒子径(D50%)は5.0μmであり、その形状は略球状であった。
得られたガラスG01を用いて、粒子径(D50%)が2.5μmであるガラスG01粒子を得た。またその形状は略球状であった。
得られた電極用ペースト組成物について、その粘度をブルックフィールドHBT粘度計(東京計器社製)を用いて25℃で測定したところ、35.3Pa・sであった。
また得られた電極用ペースト組成物を25℃、1気圧の環境下に10時間放置して揮発性成分を除去して固形分濃度を算出したところ、85.9質量%であった。
受光面にn+拡散層、テクスチャ及び反射防止膜(窒化ケイ素膜)が形成された膜厚190μmのp型半導体基板を用意し、125mm×125mmの大きさに切り出した。その受光面にスクリーン印刷法を用い、上記で得られた電極用ペースト組成物1を図2に示すような電極パターンとなるように印刷した。電極のパターンは150μm幅のフィンガーラインと1.5mm幅のバスバーで構成され、焼成後の膜厚が20μmとなるよう、印刷条件(スクリーン版のメッシュ、印刷速度、印圧)を適宜調整した。これを150℃に加熱したオーブンの中に15分間いれ、溶剤を蒸散により取り除いた。
続いてトンネル炉(ノリタケ社製、1列搬送W/Bトンネル炉)を用いて大気雰囲気下、焼成最高温度800℃で保持時間10秒の加熱処理(焼成)を行って、所望の電極が形成された素子を作製した。
形成された電極について、三菱化学(株)製Loresta−EP MCP−T360型抵抗率計を用いて、4探針4端子法によって体積抵抗率を測定したところ、1×10−4Ω・cm以下であった。
2 n+拡散層
3 反射防止膜
4 受光面集電用電極及び出力取出し電極
5 裏面集電用電極
6 裏面出力取出し電極
7 p+拡散層
8 受光面集電用電極
9 スルーホール電極
10 裏面電極
11 裏面電極
12 n型シリコン基板
Claims (16)
- シリコンを含む基板と、前記基板上に配置された電極とを有し、
前記電極は、銅含有粒子、ガラス粒子、溶剤及び樹脂を含む電極用ペースト組成物の焼成物であり、体積抵抗率が1×10−4Ω・cm以下である素子。 - 前記銅含有粒子が、リン含有銅合金粒子である請求項1に記載の素子。
- 前記リン含有銅合金粒子のリン含有率が6質量%以上8質量%以下である請求項2に記載の素子。
- 前記電極用ペースト組成物は、錫含有粒子を更に含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の素子。
- 前記錫含有粒子は、錫粒子及び錫含有率が1質量%以上である錫合金粒子から選ばれる少なくとも1種である請求項4に記載の素子。
- 前記ガラス粒子は、ガラス軟化点が650℃以下であって、結晶化開始温度が650℃を超える請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の素子。
- 前記リン含有銅合金粒子と前記錫含有粒子の総含有率を100質量%としたときの前記錫含有粒子の含有率が、5質量%以上70質量%以下である請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の素子。
- 前記電極用ペースト組成物は、銀粒子を更に含む請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の素子。
- 前記電極用ペースト組成物は、前記リン含有銅合金粒子、前記錫含有粒子及び前記銀粒子の総含有率を100質量%としたときの前記銀粒子の含有率が0.1質量%以上10質量%以下である請求項8に記載の素子。
- 前記電極用ペースト組成物は、前記リン含有銅合金粒子、錫含有粒子及び銀粒子の総含有率が70質量%以上94質量%以下であって、前記ガラス粒子の含有率が0.1質量%以上10質量%以下であって、前記溶剤及び前記樹脂の総含有率が3質量%以上29.9質量%以下である請求項8又は請求項9に記載の素子。
- 前記電極は、Cu−Sn合金相及びSn−P−Oガラス相を含む請求項4〜請求項10のいずれか1項に記載の素子。
- 前記Sn−P−Oガラス相は、前記Cu−Sn合金相と前記シリコンを含む基板との間に配置されている請求項11に記載の素子。
- 太陽電池素子である請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の素子。
- 請求項13に記載の素子と、前記素子の電極上に配置されたタブ線とを有する太陽電池。
- リン含有銅合金粒子、錫含有粒子、ガラス粒子、溶剤及び樹脂を含み、25℃における粘度が80Pa・s〜1000Pa・sの範囲である電極用ペースト組成物。
- リン含有銅合金粒子、錫含有粒子、ガラス粒子、溶剤及び樹脂を含み、固形分濃度が70質量%〜98質量%の範囲である電極用ペースト組成物。
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