JP2014093491A - 太陽電池素子及びその製造方法、並びに太陽電池 - Google Patents

太陽電池素子及びその製造方法、並びに太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】体積抵抗率が低く、半導体基板との密着性に優れる銅含有電極を有する太陽電池素子を提供する。
【解決手段】半導体基板と、前記半導体基板上に配置された合金相及び酸化物相を含む銅含有電極と、を有し、該酸化物相が錫及びリンを含む太陽電池素子。
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽電池素子及びその製造方法、並びに太陽電池に関する。
一般に太陽電池素子は半導体基板の受光面及び裏面に電極が形成されてなる。光の入射により半導体基板内で変換された電気エネルギーを効率よく外部に取出すためには、前記電極の体積抵抗率が十分に低いことと、半導体基板と良好なオーミックコンタクトを形成することが必要である。
太陽電池素子に用いられる電極は、受光面集電用電極、受光面出力取出し電極、裏面集電用電極及び裏面出力取出し電極があり、通常以下のようにして形成される。すなわち、半導体基板(例えばp型シリコン基板)の受光面側にテクスチャ(凹凸)形成を施し、次いで半導体基板にリン等を高温で熱的に拡散させることによりn型拡散層を形成する。その後、導電性組成物をスクリーン印刷等により半導体基板上に付与し、これを大気中800℃〜900℃で熱処理(焼成)することで電極が形成される。これら電極を形成するための電極用ペースト組成物には、それぞれに導電性金属粉末、ガラス粒子、種々の添加剤等が含まれる。
前記電極のうち裏面集電用電極以外の電極を形成する電極用ペースト組成物には、導電性金属粉末として、銀粉末が一般的に用いられている。これは、銀粒子の体積抵抗率が1.6×10−6Ω・cmと低いことと、上記熱処理条件において銀粒子が自己還元して焼結することと、半導体基板と良好なオーミックコンタクト(電気的な接続)を形成できることとが理由として挙げられる。
上記に示すように、銀粒子を含む導電性組成物は、太陽電池素子の電極として優れた特性を発揮する。一方で銀が貴金属で地金自体が高価であるため、また資源の問題からも、銀含有導電性組成物に代わるペースト材料の提案が望まれている。銀に代わる有望な材料としては、半導体配線材料に適用されている銅が挙げられる。銅は資源的にも豊富で、地金コストも銀の約100分の1と安価である。しかしながら、銅は大気中200℃以上の高温で容易に酸化される材料であり、上記工程で電極を形成することは困難である。
銅が有する上記課題を解決するために、銅に種々の手法を用いて耐酸化性を付与し、高温で熱処理しても酸化され難い銅粒子が報告されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
しかしながら、上記銅粒子でも、耐酸化性を有するのは高々300℃までで、800〜900℃の高温ではほとんど酸化されてしまうため、太陽電池用電極として実用に至っていない。さらに耐酸化性を付与するために適用した添加剤等が熱処理中の銅粒子の焼結を阻害し、結果として銀のような低抵抗の電極が得られないという課題がある。
また銅の酸化を抑える別の手法として、導電性金属粉末に銅を用いた導電性組成物を、窒素等の雰囲気下で熱処理するという特殊な工程が挙げられる。
しかしながら、上記手法を用いる場合、銅粒子の酸化を完全に抑えるためには上記雰囲気ガスで完全密封した環境が必要となり、工程コストの面で太陽電池素子の量産には不向きである。
銅を太陽電池電極に適用するためのもう一つの課題として、半導体基板とのオーミックコンタクト性が挙げられる。すなわち、銅からなる電極を高温熱処理中に酸化させずに形成できたとしても、銅がシリコンを含む半導体基板と直に接触することで、銅とシリコンの相互拡散が生じ、電極と半導体基板の界面に銅とシリコンからなる反応物相(CuSi)が形成されることがある。
このCuSiの形成は半導体基板の界面から数μmにまで及ぶことがあり、半導体基板側に亀裂を生じる場合がある。また半導体基板上に予め形成されたn型拡散層を貫通し、太陽電池が持つ半導体性能(pn接合特性)を劣化させる場合がある。また形成した反応物相が電極を持ち上げるなどして、半導体基板との密着性を阻害し、電極の機械的強度低下をもたらす恐れがある。
近年の半導体装置では、銅を主成分とする配線と半導体基板の接触を防止するために、銅配線と半導体基板の間に、チタン、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル、ジルコニウムなどを主成分とする金属またはその窒化物からなるバリア層を形成する手法が用いられている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら上記バリア層は、銅配線を形成する前にCVDなどの手法を用いて選択的に形成されるため、プロセスとして煩雑になり、太陽電池の量産に適しているとは言えない。
特開2005−314755号公報 特開2004−217952号公報 特開1998−299250号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、体積抵抗率が低く、半導体基板との密着性に優れる銅含有電極を有する太陽電池素子及びその製造方法、並びに太陽電池を提供することを目的とする。
本発明者等は上記課題を解決するために鋭意研究した結果、本発明を完成した。すなわち本発明は以下の通りである。
<1>半導体基板と、前記半導体基板上に配置された合金相及び酸化物相を含む銅含有電極と、を有し、該酸化物相が錫及びリンを含む太陽電池素子。
<2>前記合金相が銅及び錫を含む、<1>に記載の太陽電池素子。
<3>前記合金相がさらにニッケルを含む、<2>に記載の太陽電池素子。
<4>前記酸化物相がSn−P−O酸化物相を含む、<1>〜<3>のいずれか一つに記載の太陽電池素子。
<5>前記酸化物相の少なくとも一部が前記半導体基板と接触している、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の太陽電池素子。
<6>前記酸化物相の前記半導体基板と接触していない部分の少なくとも一部が前記合金相と接触している、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の太陽電池素子。
<7>前記酸化物相が第一の酸化物相と第二の酸化物相とを含み、前記第一の酸化物相の少なくとも一部が前記半導体基板と接触しており、前記第一の酸化物相の前記半導体基板と接触していない部分の少なくとも一部が前記合金相と接触しており、前記合金相の前記第一の酸化物相と接触していない部分の少なくとも一部が前記第二の酸化物相と接触している、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の太陽電池素子。
<8>前記銅含有電極が、前記半導体基板の表面に対して垂直な方向において第一の酸化物相、合金相、第二の酸化物相がこの順に存在している部分を有する、<7>に記載の太陽電池素子。
<9>前記銅含有電極が、リン含有銅合金粒子と、錫含有粒子と、ガラス粒子と、分散媒と、を含む電極用ペースト組成物の焼成物である<1>〜<8>のいずれか1つに記載の太陽電池素子。
<10>前記電極用ペースト組成物が、さらにニッケル含有粒子を含む、<9>に記載の太陽電池素子。
<11>リン含有銅合金粒子と、錫含有粒子と、ガラス粒子と、分散媒と、を含む電極用ペースト組成物を半導体基板上に付与する工程と、前記電極用ペースト組成物を付与した半導体基板を450℃〜900℃の温度で熱処理して銅含有電極を形成する工程とを含む、<1>〜<10>のいずれか1つに記載の太陽電池素子の製造方法。
<12>前記銅含有電極を形成する工程において、前記合金相及び前記酸化物相が自己組織化により形成される、<11>に記載の太陽電池素子の製造方法。
<13><1>〜<10>のいずれか1つに記載の太陽電池素子、あるいは<11>又は<12>に記載の製造方法により得られる太陽電池素子と、前記太陽電池素子の前記銅含有電極上に配置された配線部材と、を有する太陽電池。
本発明によれば、体積抵抗率が低く、半導体基板との密着性に優れる銅含有電極を有する太陽電池素子及びその製造方法、並びに太陽電池が提供される。
本実施態様にかかる半導体基板上に形成された銅含有電極構造の一例を示す概略断面図である。 本実施態様にかかる太陽電池素子の一例を示す概略断面図である。 本実施態様にかかる太陽電池素子の受光面の一例を示す概略平面図である。 本実施態様にかかる太陽電池素子の裏面の一例を示す概略平面図である。 本実施態様にかかるバックコンタクト型太陽電池素子の裏面側電極構造の一例を示す概略平面図である。 本実施態様にかかるバックコンタクト型太陽電池素子のAA断面構成の一例を示す概略斜視図である。 本実施態様にかかるバックコンタクト型太陽電池素子のAA断面構成の一例を示す概略斜視図である。 本実施態様にかかるバックコンタクト型太陽電池素子のAA断面構成の一例を示す概略斜視図である。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
さらに本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
<太陽電池素子>
本発明の太陽電池素子は、半導体基板と、前記半導体基板上に配置された合金相及び酸化物相を含む銅含有電極と、を有し、該酸化物相が錫及びリンを含む。
なお本明細書において太陽電池素子とは、pn接合が形成された半導体基板と、半導体基板上に配置された電極とを有するものを意味する。
合金相を含む銅含有電極は、大気中で熱処理して形成した場合であっても体積抵抗率を低くできる。また銅含有電極中の酸化物相は、銅と半導体基板に含まれる成分との反応物相の形成を抑制するバリア層として機能する。これにより、良好なオーミックコンタクトを有し、半導体基板との密着性に優れる銅含有電極を有するとともに、半導体基板のpn接合部の整流作用が良好に保たれる太陽電池素子を得ることができる。
さらに、前記銅含有電極中の合金相と酸化物相は熱処理の工程で自己組織化により形成される。本発明において「自己組織化」とは、熱以外の外的要因の影響を受けずに、材料自身の性質により組織や構造が構築されることを意味する。より具体的には、銅含有電極を形成する組成物に含まれる成分から、熱のみを加えることによって合金相及び酸化物相がそれぞれ形成されることを意味する。これにより、熱処理とは別にバリア層形成工程を設けなくとも上記の性質を有する銅含有電極を有する太陽電池素子を得ることができる。
前記銅含有電極は、合金相と、錫及びリンを含む酸化物相とを有する。本発明において合金相は複数の金属元素、あるいは金属元素と非金属元素からなる金属様のもの、酸化物相は酸素と他の元素からなる化合物で、結晶もしくはガラスの状態で存在するものと定義する。銅含有電極が合金相及び酸化物相を有することで、熱処理時における銅の酸化を抑制することで体積抵抗率を低下させる。さらに前記酸化物相が銅と半導体基板に含まれる成分との反応物相の形成を抑制するバリア層として機能することで、良好なオーミックコンタクトを有するとともに半導体基板との密着性に優れる銅含有電極を形成することができる。
合金相は銅及び錫を含むことが好ましい。つまり、Cu−Sn合金相を含有することが好ましい。合金相がCu−Sn合金相であると、より低抵抗の電極を形成することができる。さらに、Cu−Sn合金相は500℃程度といった比較的低温でも生成されるため、電極の低温での熱処理が可能となり、プロセスコストを削減できるという効果も期待できる。
合金相はさらにニッケルを含有することが好ましい。つまり、Cu−Sn−Ni合金相を含有することが好ましい。このCu−Sn−Ni合金相は、800℃といった比較的高い温度でも形成されることから、より高温での熱処理工程でも耐酸化性を保ったまま低抵抗の電極を形成できると考えられる。またニッケルを含有することで、半導体基板に対する密着性を保ったまま、電極と半導体基板との良好なオーミックコンタクトを達成することができる。
これは例えば以下のように考えることができる。Cu−Sn−Ni合金相は、Cu−Sn−Ni合金相どうしで、又は電極を形成する際の熱処理条件に応じて更に形成されるCu−Sn合金相と共に、緻密なバルク体を形成する。このバルク体は電極内で連続して形成され、導電層として機能する。その結果、体積抵抗率の低い電極が形成される。なお、Cu−Sn合金相とCu−Sn−Ni合金相は電極内に混在していても、電極の機能(例えば体積抵抗率)を低下させることはないと考えられる。またここでいう緻密なバルク体とは、塊状のCu−Sn合金相及びCu−Sn−Ni合金相が互いに密に接触し、三次元的に連続している構造を形成していることを意味する。
酸化物相は錫及びリンを含むガラス相であることが好ましい。また、Sn−P−O酸化物相を含むことがより好ましい。酸化物相がSn−P−O酸化物相を含む場合は、熱処理中の銅含有電極表面の耐酸化性がより向上し、体積抵抗率のより低い電極が形成される傾向にある。なお上記Sn−P−O酸化物相は導電性を有しているため、本発明の銅含有電極中でCu−Sn−Ni合金相又はCu−Sn合金相と混在していたとしても、体積抵抗率が増加することなく、結果として、太陽電池の性能の劣化を引き起こすことはないと考えられる。
図1は半導体基板上に形成された銅含有電極構造の一例を示す概略断面図である。図1に示すように、銅含有電極に含まれる第一の酸化物相3の少なくとも一部が半導体基板1と接触していることが好ましい。また、第一の酸化物相3の半導体基板1と接触していない部分の少なくとも一部が合金相2と接触していることがより好ましい。また、第一の酸化物相3が、半導体基板1の表面に対して垂直な方向において合金相2と半導体基板1との間に存在していることがさらに好ましい。第一の酸化物相3が合金相2と半導体基板1との間に存在していることで、銅含有電極と半導体基板との密着性が良好になると考えられる。また第一の酸化物相3が、銅含有電極を形成する導電性組成物に含まれる銅と半導体基板に含まれる成分との相互拡散を抑制するためのバリア層として機能することで、形成された銅含有電極と半導体基板との良好なオーミックコンタクトが達成できると考えることができる。
合金相2の第一の酸化物相3と接触していない部分の少なくとも一部は、さらに別の酸化物相と接触していることがさらに好ましい。すなわち、図1に示すように、半導体基板1の表面に対して垂直な方向において第一の酸化物相3、合金相2、第二の酸化物相4がこの順に存在していることがさらに好ましい。
特に、半導体基板1の表面に対して垂直な方向において第一の酸化物相3、合金相2、第二の酸化物相4がこの順に存在している領域の面積が、電極形成領域に占める割合が20%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましい。前記電極形成領域は、銅含有電極を形成する電極用ペースト組成物が付与された領域と定義する。
半導体基板1の表面に対して垂直な方向において第一の酸化物相3、合金相2、第二の酸化物相4がこの順に存在している、すなわち、銅含有電極の合金相を覆うように酸化物相が形成されている(以下、電極表面に酸化物相が形成されているともいう)と、熱処理中の銅含有電極表面の耐酸化性がより向上し、体積抵抗率のより低い電極が形成される傾向にある。
第一の酸化物相3、第二の酸化物相4及び合金相2は、それぞれ連続した層を形成していても、図1に示すように連続していない部分(空隙部5)を含んでいてもよい。また第一の酸化物相3と合金相2、又は第二の酸化物相4及び合金相2が接触している面は連続していても、図1に示すように接触していない部分(空隙部5)を含んでいてもよい。
ここで、太陽電池素子の銅含有電極における合金相、酸化物相の存在及び成分は、走査型電子顕微鏡(SEM)もしくは透過型電子顕微鏡(TEM)に附属したエネルギー分散型X線分光法(EDX)により確認することができる。
第一の酸化物相3の厚さは、5nm〜30μmであることが好ましく、10nm〜25μmであることがより好ましい。合金相2の厚さは、1μm〜30μmであることが好ましく、3μm〜25μmであることがより好ましい。第二の酸化物相4の厚さは、5nm〜20μmであることが好ましく、10nm〜20μmであることがより好ましい。
前記厚さは、半導体基板の電極形成領域を任意の位置で垂直に切断して得られた断面(幅100μm)において、半導体基板1、第一の酸化物相3、合金相2、第二の酸化物相4がこの順に存在している箇所を任意に5個選択し、半導体基板の表面に対して垂直な方向に沿って測定した値の平均値である。具体的には顕微鏡写真を撮影することで測定することができる。
前記銅含有電極は、リン含有銅合金粒子と、錫含有粒子と、ガラス粒子と、分散媒と、を含む電極用ペースト組成物を熱処理して形成されることが好ましい。前記電極用ペーストを用いることで、大気中での熱処理時における銅の酸化が抑制され、体積抵抗率の低い電極を形成できる。更に銅と半導体基板に含まれる成分との反応物相の形成が抑制され、形成される電極と半導体基板との良好なオーミックコンタクトを形成できる。これは例えば以下のように考えることができる。
まず前記電極用ペースト組成物を熱処理すると、前記リン含有銅合金粒子と錫含有粒子との反応により、Cu−Sn合金相及びSn−P−O酸化物相が形成される。Cu−Sn合金相の形成により、低抵抗の電極を形成することができる。さらに、Cu−Sn合金相は500℃程度といった比較的低温でも生成されるため、電極の低温での熱処理が可能となり、プロセスコストを削減できるという効果が期待できる。
前記電極用ペースト組成物はさらにニッケル含有粒子を含んでいることが好ましい。これによってCu−Sn合金相とニッケル含有粒子とがさらに反応し、Cu−Sn−Ni合金相を形成すると考えられる。このCu−Sn−Ni合金相は、800℃といった比較的高い温度でも形成されることから、より高温での熱処理工程でも耐酸化性を保ったまま低抵抗の電極を形成できると考えられる。また前記ニッケル含有粒子を含む電極用ペースト組成物から形成される銅合金電極を用いることで、半導体基板に対する密着性を保ったまま、電極と半導体基板との良好なオーミックコンタクトを達成することができる。
これは例えば以下のように考えることができる。リン含有銅合金粒子、錫含有粒子、及びニッケル含有粒子が、熱処理工程で互いに反応して、Cu−Sn−Ni合金相と、Sn−P−O酸化物相と、熱処理条件に応じて形成されるCu−Sn合金相とを含む電極を形成する。Cu−Sn−Ni合金相は、Cu−Sn−Ni合金相どうしで、又は熱処理条件に応じて更に形成されるCu−Sn合金相と共に、緻密なバルク体を形成する。このバルク体は電極内で連続して形成され、導電層として機能することで体積抵抗率の低い電極が形成される。なお、Cu−Sn合金相とCu−Sn−Ni合金相は電極内に混在していても、機能(例えば体積抵抗率)を低下させることはないと考えられる。またここでいう緻密なバルク体とは、塊状のCu−Sn合金相及びCu−Sn−Ni合金相が互いに密に接触し、三次元的に連続している構造を形成していることを意味する。
一方で、Sn−P−O酸化物相は、Cu−Sn−Ni合金相又は熱処理条件に応じて更に形成されるCu−Sn合金相と半導体基板との間に形成されることが好ましい。この場合、Cu−Sn合金相及びCu−Sn−Ni合金相の半導体基板に対する密着性がより向上すると考えられる。またSn−P−O酸化物相が、銅と半導体基板との相互拡散を防止するためのバリア層として機能することで、熱処理して形成される電極と半導体基板との良好なオーミックコンタクトが達成できると考えることができる。すなわち、銅を含む電極と半導体基板を直に接触させて加熱したときの反応物相(CuSi等)の形成を抑制し、半導体の性能(例えば、pn接合特性)を劣化させることなく半導体基板との密着性を保ちながら、良好なオーミックコンタクトを発現することができると考えられる。
さらに前記Sn−P−O酸化物相は、銅含有電極の半導体基板との界面側だけでなく、銅含有電極の表面側にも形成されることが好ましい。この場合、熱処理処理中の銅含有電極表面が、形成されたSn−P−O酸化物相により保護され、耐酸化性がより向上し、体積抵抗率のより低い電極が形成されると考えられる。
前記銅含有電極の構造の好ましい具体例としては、半導体基板上に、Sn−P−O酸化物相、Cu−Sn−Ni合金相又はCu−Sn合金相、Sn−P−O酸化物相がこの順で配置された構造が挙げられる。これにより、耐酸化性に優れ、体積抵抗率が低く、さらに半導体基板との密着性を保ちながら、良好なオーミックコンタクトを有する電極を形成することができる。
また上記銅含有電極は、大気中での熱処理が可能であり、且つ、Sn−P−O酸化物相が、電極用ペースト組成物を熱処理するという工程のみで自己組織化して形成される。このため、上述した窒素雰囲気下での熱処理を行う必要がなく、バリア層を形成するためのCVD等の工程を省略できる。なお上記Sn−P−O酸化物相は導電性を有しているため、本発明の銅含有電極中でCu−Sn−Ni合金相又はCu−Sn合金相と混在していたとしても、体積抵抗率が増加することなく、結果として、太陽電池の性能の劣化を引き起こすことはないと考えられる。
次に、本発明で使用される電極用ペースト組成物に含有される各成分について詳細に説明する。
(リン含有銅合金粒子)
前記電極ペースト組成物は、リン含有銅合金粒子を含有する。リン含有銅合金としては、リン銅ろう(リン濃度:7質量%程度以下)と呼ばれるろう付け材料が知られている。リン銅ろうは、銅と銅との接合剤としても用いられるものであるが、本発明の電極用ペースト組成物にリン含有銅合金粒子を用いることで、リンの銅酸化物に対する還元性を利用し、耐酸化性に優れ、体積抵抗率の低い電極を形成することができる。更に電極の低温での熱処理が可能となり、プロセスコストを削減できるという効果を得ることができる。
前記リン含有銅合金粒子は、銅とリンを含む合金であるが、他の原子を更に含んでいてもよい。他の原子としては、Ag、Mn、Sb、Si、K、Na、Li、Ba、Sr、Ca、Mg、Be、Zn、Pb、Cd、Tl、V、Sn、Al、Zr、W、Mo、Ti、Co、Ni、Au等を挙げることができる。
また前記リン含有銅合金粒子に含まれる他の原子の含有率は、例えば、前記リン含有銅合金粒子中に3質量%以下とすることができ、耐酸化性と低体積抵抗率の観点から、1質量%以下であることが好ましい。
リン含有銅合金粒子に含まれる、リン原子の含有量は、耐酸化性と低体積抵抗率の観点から、1質量%以上8質量%以下であることが好ましく、1.5質量%以上7.8質量%以下であることがより好ましく、2質量%以上7.5質量%以下であることがさらに好ましい。
リン含有銅合金粒子に含まれる、銅原子の含有率は、92質量%以上99質量%以下であることが好ましく、92.2質量%以上98.5質量%以下であることがより好ましく、92.5質量%以上98質量%以下であることがさらに好ましい。
また本発明で使用される電極用ペースト組成物において、前記リン含有銅合金粒子は、1種単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記リン含有銅合金粒子の粒子径としては特に制限はないが、個数基準の積算値が50%の場合における粒子径(以下、「D50%」と略記することがある)として、0.4μm〜10μmであることが好ましく、1μm〜7μmであることがより好ましい。0.4μm以上とすることで耐酸化性がより効果的に向上する。また10μm以下であることで電極中におけるリン含有銅合金粒子同士、または後述する錫含有粒子及びニッケル含有粒子との接触面積が大きくなり、体積抵抗率がより効果的に低下する。尚、リン含有銅合金粒子の粒子径は、レーザー散乱回折法粒度分布測定装置((株)ベックマン・コールター製、LS 13 320型)(測定波長:630nm)によって測定される。
また前記リン含有銅合金粒子の形状としては特に制限はなく、略球状、扁平状、ブロック状、板状、鱗片状等のいずれであってもよいが、耐酸化性と低体積抵抗率の観点から、略球状、扁平状、または板状であることが好ましい。
電極用ペースト組成物におけるリン含有銅合金粒子の含有率は特に制限されない。低体積抵抗率の観点から、電極用ペースト組成物中に15質量%以上75質量%以下であることが好ましく、18質量%以上70質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上65質量%以下であることが更に好ましく、25質量%以上55質量%以下であることが特に好ましい。
リン含有銅合金は、通常用いられる方法で製造することができる。また、リン含有銅合金粒子は、所望のリン含有率となるように調製したリン含有銅合金を用いて、金属粉末を調製する通常の方法を用いて調製することができ、例えば、水アトマイズ法を用いて定法により製造することができる。尚、水アトマイズ法の詳細については金属便覧(丸善(株)出版事業部)等の記載を参照することができる。
具体的には、リン含有銅合金を溶解し、これをノズル噴霧によって粉末化した後、得られた粉末を乾燥、分級することで、所望のリン含有銅合金粒子を製造することができる。また、分級条件を適宜選択することで所望の粒子径を有するリン含有銅合金粒子を製造することができる。
(錫含有粒子)
本発明で使用される電極用ペースト組成物は、錫含有粒子を含有する。錫含有粒子を含むことにより、後述する熱処理工程において、体積抵抗率の低い電極を形成できる。
前記錫含有粒子としては、錫を含む粒子であれば特に制限はない。中でも、錫粒子及び錫合金粒子から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、錫粒子及び錫含有率が1質量%以上である錫合金粒子から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
錫粒子における錫の純度は特に制限されない。例えば錫粒子の純度は、95質量%以上とすることができ、97質量%以上であることが好ましく、99質量%以上であることがより好ましい。
また錫合金粒子は、錫を含む合金粒子であれば合金の種類は特に制限されない。中でも、錫合金粒子の融点、及びリン含有銅合金粒子及び必要に応じて添加されるニッケル含有粒子との反応性の観点から、錫の含有率が1質量%以上である錫合金粒子であることが好ましく、錫の含有率が3質量%以上である錫合金粒子であることがより好ましく、錫の含有率が5質量%以上である錫合金粒子であることが更に好ましく、錫の含有率が10質量%以上である錫合金粒子であることが特に好ましい。
錫合金粒子としては、Sn−Ag系合金、Sn−Cu系合金、Sn−Ag−Cu系合金、Sn−Ag−Sb系合金、Sn−Ag−Sb−Zn系合金、Sn−Ag−Cu−Zn系合金、Sn−Ag−Cu−Sb系合金、Sn−Ag−Bi系合金、Sn−Bi系合金、Sn−Ag−Cu−Bi系合金、Sn−Ag−In−Bi系合金、Sn−Sb系合金、Sn−Bi−Cu系合金、Sn−Bi−Cu−Zn系合金、Sn−Bi−Zn系合金、Sn−Bi−Sb−Zn系合金、Sn−Zn系合金、Sn−In系合金、SnーZn−In系合金、Sn−Pb系合金等が挙げられる。
前記錫合金粒子のうち、特に、Sn−3.5Ag、Sn−0.7Cu、Sn−3.2Ag−0.5Cu、Sn−4Ag−0.5Cu、Sn−2.5Ag−0.8Cu−0.5Sb、Sn−2Ag−7.5Bi、Sn−3Ag−5Bi、Sn−58Bi、Sn−3.5Ag−3In−0.5Bi、Sn−3Bi−8Zn、Sn−9Zn、Sn−52In、Sn−40Pb等の錫合金粒子は、Snのもつ融点(232℃)と同じ、もしくはより低い融点をもつ。そのため、これら錫合金粒子は熱処理の初期段階で溶融することで、リン含有銅合金粒子の表面を覆い、リン含有銅合金粒子と均一に反応することができるという点で、好適に用いることができる。尚、錫合金粒子における表記は、例えばSn−AX−BY−CZの場合は、錫合金粒子の中に、元素XがA質量%、元素YがB質量%、元素ZがC質量%含まれていることを示す。
本発明で使用される電極用ペースト組成物において、これらの錫含有粒子は1種単独で使用してもよく、又2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
前記錫含有粒子は、不可避的に混入する他の原子を更に含んでいてもよい。不可避的に混入する他の原子としては、Ag、Mn、Sb、Si、K、Na、Li、Ba、Sr、Ca、Mg、Be、Zn、Pb、Cd、Tl、V、Al、Zr、W、Mo、Ti、Co、Ni、Au等を挙げることができる。
また前記錫含有粒子に含まれる他の原子の含有率は、例えば前記錫含有粒子中に3質量%以下とすることができ、融点及びリン含有銅合金粒子との反応性の観点から、1質量%以下であることが好ましい。
前記錫含有粒子の粒子径としては特に制限はないが、D50%として、0.5μm〜20μmであることが好ましく、1μm〜15μmであることがより好ましく、3μm〜15μmであることが更に好ましい。0.5μm以上とすることで錫含有粒子自身の耐酸化性が向上する。また20μm以下であることで電極中におけるリン含有銅合金粒子及びニッケル含有粒子との接触面積が大きくなり、熱処理中の反応が効果的に進む。
また前記錫含有粒子の形状としては特に制限はなく、略球状、扁平状、ブロック状、板状、及び鱗片状等のいずれであってもよいが、耐酸化性と低体積抵抗率の観点から、略球状、扁平状、または板状であることが好ましい。
また前記電極用ペースト組成物における錫含有粒子の含有率は特に制限されない。中でも、前記リン含有銅合金粒子と前記錫含有粒子及び必要に応じて添加されるニッケル含有粒子の総含有率を100質量%としたときの錫含有粒子の含有率が、5質量%以上70質量%以下であることが好ましく、7質量%以上65質量%以下であることがより好ましく、9質量%以上60質量%以下であることが更に好ましく、9質量%以上45質量%以下であることが特に好ましい。
錫含有粒子の含有率を5質量%以上とすることで、リン含有銅合金粒子及び必要に応じて添加されるニッケル含有粒子との反応をより均一に生じさせることができる。また錫含有粒子を70質量%以下とすることで、充分な体積のCu−Sn合金相及びCu−Sn−Ni合金相を形成することができ、銅含有電極の体積抵抗率がより低下する傾向にある。
(ニッケル含有粒子)
前記電極用ペースト組成物は、ニッケル含有粒子を含むことが好ましい。リン含有銅合金粒子及び錫含有粒子に加えて、ニッケル含有粒子を含むことにより、熱処理工程において、より高温での耐酸化性が電極用ペースト組成物に付与される傾向にある。
前記ニッケル含有粒子としては、ニッケルを含む粒子であれば特に制限はない。中でもニッケル粒子及びニッケル合金粒子から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、ニッケル粒子及びニッケル含有率が1質量%以上であるニッケル合金粒子から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
ニッケル粒子におけるニッケルの純度は特に制限されない。例えばニッケル粒子の純度は、95質量%以上とすることができ、97質量%以上であることが好ましく、99質量%以上であることがより好ましい。
前記ニッケル含有粒子はニッケル合金粒子であってもよい。ニッケル合金粒子は、ニッケルを含む合金粒子であれば合金の種類は制限されない。中でもニッケル合金粒子の融点、及びリン含有銅合金粒子、錫含有粒子及びCu−Sn合金相との反応性の観点から、ニッケルの含有率が1質量%以上であるニッケル合金粒子であることが好ましく、ニッケルの含有率が3質量%以上であるニッケル合金粒子であることがより好ましく、ニッケルの含有率が5質量%以上であるニッケル合金粒子であることが更に好ましく、ニッケルの含有率が10質量%以上であるニッケル合金粒子であることが特に好ましい。
ニッケル合金粒子としては、Ni−Fe系合金、Ni−Cu系合金、Ni−Cu−Zn系合金、Ni−Cr系合金、Ni−Cr−Ag系合金等が挙げられる。特にNi−58Fe、Ni−75Cu、Ni−6Cu−20Zn等のニッケル合金粒子は、リン含有銅合金粒子及び錫含有粒子と均一に反応することができるという点で、好適に用いることができる。尚、ニッケル合金粒子における表記は、例えばNi−AX−BY−CZの場合は、ニッケル合金粒子の中に、元素XがA質量%、元素YがB質量%、元素ZがC質量%含まれていることを示す。
本発明で使用される電極用ペースト組成物において、これらのニッケル含有粒子は1種単独で使用してもよく、又2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
前記ニッケル含有粒子は、不可避的に混入する他の原子を更に含んでいてもよい。不可避的に混入する他の原子としては、Ag、Mn、Sb、Si、K、Na、Li、Ba、Sr、Ca、Mg、Be、Zn、Pb、Cd、Tl、V、Al、Zr、W、Mo、Ti、Co、Sn、Au等を挙げることができる。
また前記ニッケル含有粒子に含まれる他の原子の含有率は、例えば前記ニッケル含有粒子中に3質量%以下とすることができ、融点及びリン含有銅合金粒子及び錫含有粒子との反応性の観点から、1質量%以下であることが好ましい。
前記ニッケル含有粒子の粒子径としては特に制限はないが、D50%として、0.5μm〜20μmであることが好ましく、1μm〜15μmであることがより好ましく、3μm〜15μmであることが更に好ましい。0.5μm以上とすることでニッケル含有粒子自身の耐酸化性が向上する。また20μm以下であることで電極中におけるリン含有銅合金粒子及び錫含有粒子との接触面積が大きくなり、リン含有銅合金粒子及び錫含有粒子との反応が効果的に進む。
また前記ニッケル含有粒子の形状としては特に制限はなく、略球状、扁平状、ブロック状、板状、及び鱗片状等のいずれであってもよいが、耐酸化性と低体積抵抗率の観点から、略球状、扁平状、または板状であることが好ましい。
また前記電極用ペースト組成物におけるニッケル含有粒子の含有率は特に制限されない。中でも、前記リン含有銅合金粒子と前記錫含有粒子及びニッケル含有粒子の総含有率を100質量%としたときのニッケル含有粒子の含有率が、10質量%以上60質量%以下であることが好ましく、12質量%以上55質量%以下であることがより好ましく、12質量%以上50質量%以下であることが更に好ましく、12質量%以上35質量%以下であることが特に好ましい。
ニッケル含有粒子の含有率を10質量%以上とすることで、Cu−Sn−Ni合金相の形成をより均一に生じさせることができる。またニッケル含有粒子を70質量%以下とすることで、充分な体積のCu−Sn−Ni合金相を形成することができ、電極の体積抵抗率がより低下する。
前記電極用ペースト組成物における、錫含有粒子とニッケル含有粒子の含有比は特に制限されない。半導体基板との密着性の観点から、錫含有粒子に対するニッケル含有粒子の質量比(ニッケル含有粒子/錫含有粒子)が0.3〜4.0であることが好ましく、0.4〜3.0であることがより好ましい。
また前記電極用ペースト組成物における、リン含有銅合金粒子と錫含有粒子及びニッケル含有粒子との含有比は特に制限されない。高温の熱処理条件下で形成される電極の低抵抗性と半導体基板との密着性の観点から、リン含有銅合金粒子に対する粒子錫含有粒子とニッケル含有粒子の総量の質量比((ニッケル含有粒子+錫含有粒子)/リン含有銅合金粒子)が0.1〜1.8であることが好ましく、0.2〜1.4であることがより好ましい。
(ガラス粒子)
本発明で使用される電極用ペースト組成物は、ガラス粒子を含有する。電極用ペースト組成物がガラス粒子を含むことにより、熱処理時に電極と半導体基板との密着性が向上する。また。特に太陽電池受光面側の電極形成において、熱処理時にいわゆるファイアースルーによって反射防止膜である窒化ケイ素膜が取り除かれ、電極と半導体基板とのオーミックコンタクトが形成される。
前記ガラス粒子は、銅含有電極と半導体基板と密着性と銅含有電極の低体積抵抗率化の観点から、ガラス軟化点が650℃以下であって、結晶化開始温度が650℃を超えるガラスを含むガラス粒子であることが好ましい。尚、前記ガラス軟化点は、熱機械分析装置(TMA)を用いて通常の方法によって測定され、また前記結晶化開始温度は、示差熱−熱重量分析装置(TG−DTA)を用いて通常の方法によって測定される。
前記電極用ペースト組成物を太陽電池受光面側の電極として使用する場合は、前記ガラス粒子は、電極形成温度で軟化・溶融し、接触した窒化ケイ素膜を酸化し、酸化された二酸化ケイ素を取り込むことで、反射防止膜を除去可能なものであれば、当該技術分野において通常用いられるガラス粒子を特に制限なく用いることができる。
一般に電極用ペースト組成物に含まれるガラス粒子は、二酸化ケイ素を効率よく取り込み可能であるという観点からは、鉛を含むガラスから構成されることが好ましい。このような鉛を含むガラスとしては、例えば、特許第03050064号公報等に記載のものを挙げることができ、本発明においてもこれらを好適に使用することができる。
また本発明においては、環境に対する影響を考慮すると、鉛を実質的に含まない鉛フリーガラスを用いることが好ましい。鉛フリーガラスとしては、例えば、特開2006−313744号公報の段落番号0024〜0025に記載の鉛フリーガラスや、特開2009−188281号公報等に記載の鉛フリーガラスを挙げることができ、これらの鉛フリーガラスから適宜選択して本発明で使用される電極用ペースト組成物に適用することもまた好ましい。
また前記電極用ペースト組成物を太陽電池受光面側の電極以外、例えば裏面出力取出し電極として用いる場合には、ガラス軟化点が650℃以下であって、結晶化開始温度が650℃を超えるガラスを含むガラス粒子であれば、上記鉛のようなファイアースルーに必要な成分を含むことなく用いることができる。
前記電極用ペースト組成物に用いられるガラス粒子を構成するガラス成分としては、二酸化ケイ素(SiO)、酸化リン(P)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ホウ素(B)、酸化バナジウム(V)、酸化カリウム(KO)、酸化ビスマス(Bi)、酸化ナトリウム(NaO)、酸化リチウム(LiO)、酸化バリウム(BaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化鉛(PbO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化スズ(SnO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タングステン(WO)、酸化モリブデン(MoO)、酸化ランタン(La)、酸化ニオブ(Nb)、酸化タンタル(Ta)、酸化イットリウム(Y)、酸化チタン(TiO)、酸化ゲルマニウム(GeO)、酸化テルル(TeO)、酸化ルテチウム(Lu)、酸化アンチモン(Sb)、酸化銅(CuO)、酸化鉄(FeO)、酸化銀(AgO)及び酸化マンガン(MnO)が挙げられる。
中でも、SiO、P、Al、B、V、Bi、ZnO及びPbOから選択される少なくとも1種を含むガラス粒子を用いることが好ましく、ガラス成分として、SiO、PbO、B、Bi及びAlから選択される少なくとも1種を含むガラス粒子を用いることがより好ましい。このようなガラス粒子の場合には、軟化点がより効果的に低下する。更にリン含有銅合金粒子、錫含有粒子及びニッケル含有粒子との濡れ性が向上するため、熱処理過程での前記粒子間の焼結が進み、より体積抵抗率の低い電極を形成することができる。
他方、低接触抵抗率の観点からは、五酸化二リンを含むガラス粒子(リン酸ガラス、P系ガラス粒子)であることが好ましく、五酸化二リンに加えて五酸化二バナジウムを更に含むガラス粒子(P−V系ガラス粒子)であることがより好ましい。五酸化二バナジウムを更に含むことで、耐酸化性がより向上し、電極の接触抵抗率がより低下する。これは、例えば、五酸化二バナジウムを更に含むことでガラスの軟化点が低下することに起因すると考えることができる。五酸化二リン−五酸化二バナジウム系ガラス粒子(P−V系ガラス粒子)を用いる場合、五酸化二バナジウムの含有率としては、ガラスの全質量中に1質量%以上であることが好ましく、1質量%〜70質量%であることがより好ましい。
本発明で使用される電極用ペースト組成物におけるガラス粒子の粒子径としては特に制限はないが、積算した重量が50%である場合における粒子径(D50%)が、0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、0.8μm以上8μm以下であることがより好ましい。0.5μm以上とすることで電極用ペースト組成物作製時の作業性が向上する。また10μm以下であることで、電極用ペースト組成物中に均一に分散し、熱処理工程で効率よくファイアースルーを生じることができ、更に半導体基板との密着性も向上する。
また前記ガラス粒子の形状としては特に制限はなく、略球状、扁平状、ブロック状、板状、鱗片状等のいずれであってもよいが、耐酸化性と低体積抵抗率の観点から、略球状、扁平状、または板状であることが好ましい。
前記ガラス粒子の含有率としては電極用ペースト組成物の全質量中に0.1質量%〜12質量%であることが好ましく、0.5質量%〜10質量%であることがより好ましく、1質量%〜9質量%であることが更に好ましい。かかる範囲の含有率でガラス粒子を含むことで、より効果的に銅含有電極の耐酸化性の向上、低体積抵抗率化、及び低接触抵抗化が達成され、また前記リン含有銅合金粒子、前記錫含有粒子及びニッケル含有粒子間の反応を促進させることができる。
また電極用ペースト組成物は、リン含有銅粒子、錫含有粒子及びニッケル含有粒子の総含有量に対するガラス粒子の含有量の質量比が0.01〜0.18であることが好ましく、0.03〜0.15であることがより好ましい。かかる範囲の含有率でガラス粒子を含むことで、より効果的に銅含有電極の耐酸化性の向上、低体積抵抗率化、及び低接触抵抗化が達成され、また前記リン含有銅合金粒子、前記錫含有粒子及びニッケル含有粒子間の反応を促進させることができる。
(分散媒)
本発明で使用される電極用ペースト組成物は、分散媒を含有する。これにより前記電極用ペースト組成物の液物性(粘度、表面張力等)を、半導体基板等に付与する際の付与方法に応じて必要とされる液物性に調整することができる。分散媒は特に制限されないが、溶剤、樹脂、又は溶剤と樹脂の組み合わせが挙げられる。
前記溶剤としては特に制限はない。例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン等の炭化水素溶剤;ジクロロエチレン、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶剤;テトラヒドロフラン、フラン、テトラヒドロピラン、ピラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、トリオキサン等の環状エーテル溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド溶剤;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン溶剤;エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール化合物;2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノプロピオレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−トリエチル−1,3−ペンタンジオールモノアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等の多価アルコールのエステル溶剤;ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等の多価アルコールのエーテル溶剤;α−テルピネン等のテルピネン、α−テルピネオール等のテルピネオール、ミルセン、アロオシメン、リモネン、ジペンテン、α−ピネン、β−ピネン等のピネン、カルボン、オシメン、フェランドレンなどのテルペン溶剤、及びこれらの混合物が挙げられる。
前記溶剤としては、電極用ペースト組成物を半導体基板に付与する際の塗布性、印刷性等の観点から、多価アルコールのエステル溶剤、テルペン溶剤及び多価アルコールのエーテル溶剤から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、多価アルコールのエステル溶剤及びテルペン溶剤から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。前記溶剤は1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また前記樹脂としては熱処理によって熱分解されうる樹脂であれば、当該技術分野において通常用いられる樹脂を特に制限なく用いることができ、天然高分子化合物であっても合成高分子化合物であってもよい。具体的には例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルアルコール類;ポリビニルピロリドン類;アクリル樹脂;酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体;ポリビニルブチラール等のブチラール樹脂;フェノール変性アルキド樹脂、ひまし油脂肪酸変性アルキド樹脂等のアルキド樹脂;エポキシ樹脂;フェノール樹脂;ロジンエステル樹脂などを挙げることができる。
前記樹脂としては、熱処理時における消失性の観点から、セルロース系樹脂、及びアクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。前記樹脂は1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記樹脂の重量平均分子量は特に制限されない。中でも重量平均分子量は5000以上500000以上が好ましく、10000以上300000以下であることがより好ましい。前記樹脂の重量平均分子量が5000以上であると、電極用ペースト組成物の粘度が増加することを抑制できる。前記樹脂の重量平均分子量が5000以上であると、リン含有銅合金粒子、錫含有粒子及びニッケル含有粒子に吸着させたときの立体的な反発作用が充分得られ、粒子同士の凝集を抑制できる傾向にある。一方、前記樹脂の重量平均分子量が500000以下であると、樹脂同士が溶剤中で凝集することが抑制され、電極用ペースト組成物の粘度が増加することを抑制できる傾向にある。さらに前記樹脂の重量平均分子量が500000以下であることで、樹脂の燃焼温度が高くなることが抑制され、電極用ペースト組成物を熱処理する際に樹脂が完全に燃焼されず異物として残存することが抑制され、電極をより低抵抗に形成できる傾向にある。
前記電極用ペースト組成物において前記分散媒の含有率は、所望の液物性と使用する分散媒の種類に応じて適宜選択することができる。例えば、分散媒の総含有率が、電極用ペースト組成物の全質量中に3質量%以上40質量%以下であることが好ましく、5質量%以上35質量%以下であることがより好ましく、7質量%以上30質量%以下であることが更に好ましい。
分散媒の総含有率が前記範囲内であることにより、電極用ペースト組成物を半導体基板に付与する際の付与適性が良好になり、所望の幅及び高さを有する電極をより容易に形成することができる。
更に前記電極用ペースト組成物においては、耐酸化性と電極の低体積抵抗率化の観点から、リン含有銅合金粒子、錫含有粒子及び必要に応じて含まれるニッケル含有粒子の総含有率が電極用ペースト組成物の全質量中に60質量%以上94質量%以下であって、ガラス粒子の含有率が0.1質量%以上12質量%以下であって、分散媒の総含有率が3質量%以上40質量%以下であることが好ましく、リン含有銅合金粒子、錫含有粒子及び必要に応じて含まれるニッケル粒子の総含有率が64質量%以上88質量%以下であって、ガラス粒子の含有率が0.5質量%以上10質量%以下であって、分散媒の総含有率が5質量%以上35質量%以下であることがより好ましく、リン含有銅合金粒子、錫含有粒子及び必要に応じて含まれるニッケル含有粒子の総含有率が64質量%以上88質量%以下であって、ガラス粒子の含有率が1質量%以上9質量%以下であって、分散媒の総含有率が7質量%以上30質量%以下であることが更に好ましい。
分散媒として溶剤と樹脂とを併用する場合の具体的な溶剤と樹脂の組み合わせとしては、ジエチレングリコールモノブチルエーテルとポリアクリル酸エチルの組み合わせ、テルピネオールとエチルセルロールの組み合わせ等が挙げられる。
(フラックス)
前記電極用ペースト組成物は、フラックスを含有してもよい。フラックスを含むことでリン含有銅合金粒子の表面に形成された酸化膜を除去し、熱処理中のリン含有銅合金粒子の還元反応を促進させることができる。また熱処理中の錫含有粒子の溶融も進むためリン含有銅合金粒子との反応が進み、結果として耐酸化性がより向上し、形成される電極の体積抵抗率がより低下する。さらに銅含有電極と半導体基板の密着性が向上するという効果も得られる。
前記フラックスとしては、リン含有銅合金粒子の表面に形成された酸化膜を除去可能であり、錫含有粒子の溶融を促進するものであれば特に制限はない。具体的には、脂肪酸、ホウ酸化合物、フッ化化合物、ホウフッ化化合物等を好ましいフラックスとして挙げることができる。
フラックスとしてより具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ソルビン酸、ステアロール酸、プロピオン酸、酸化ホウ素、ホウ酸カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸リチウム、ホウフッ化カリウム、ホウフッ化ナトリウム、ホウフッ化リチウム、酸性フッ化カリウム、酸性フッ化ナトリウム、酸性フッ化リチウム、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム、フッ化リチウム等が挙げられる。
中でも、熱処理時の耐熱性(フラックスが熱処理の低温時に揮発しない特性)及びリン含有銅合金粒子の耐酸化性補完の観点から、ホウ酸カリウム及びホウフッ化カリウムが特に好ましいフラックスとして挙げられる。前記フラックスは1種単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
前記電極用ペースト組成物におけるフラックスの含有率としては、リン含有銅合金粒子の耐酸化性を効果的に発現させ、錫含有粒子の溶融を促進させる観点及び電極材の熱処理完了時にフラックスが除去された部分の空隙率低減の観点から、電極用ペースト組成物の全質量中に、0.1質量%〜5質量%であることが好ましく、0.3質量%〜4質量%であることがより好ましく、0.5質量%〜3.5質量%であることが更に好ましく、0.7〜3質量%であることが特に好ましく、1質量%〜2.5質量%であることが極めて好ましい。
(その他の成分)
本発明で使用される電極用ペースト組成物は、上述した成分に加え、必要に応じて、当該技術分野で通常用いられるその他の成分を更に含むことができる。その他の成分としては、例えば、可塑剤、分散剤、界面活性剤、無機結合剤、金属酸化物、セラミックス、有機金属化合物等を挙げることができる。
前記電極用ペースト組成物の製造方法としては特に制限はない。前記リン含有銅合金粒子、前記錫含有粒子、ガラス粒子、分散媒及び必要に応じて含まれるニッケル含有粒子を、通常用いられる分散・混合方法を用いて、分散・混合することで製造することができる。前記分散・混合方法は特に制限されず、通常用いられる分散・混合方法から適宜選択して適用することができる。
<太陽電池素子の製造方法>
本発明の太陽電池素子の製造方法は、リン含有銅合金粒子と、錫含有粒子と、ガラス粒子と、分散媒と、を含む電極用ペースト組成物を半導体基板上に付与する工程と、前記電極用ペースト組成物を付与した半導体基板を450℃〜900℃の温度で熱処理して銅含有電極を形成する工程とを含む。前記方法により製造された太陽電池素子は、体積抵抗率が低く、半導体基板との密着性に優れる銅含有電極を有する。また前記電極用ペースト組成物を用いることで、酸素の存在下(例えば、大気中)で熱処理処理を行っても、体積抵抗率の低い電極を形成することができる。
前記電極用ペースト組成物を用いて銅含有電極を形成する方法としては、前記電極用ペースト組成物を、半導体基板上の銅含有電極を形成する領域に付与し、必要に応じて乾燥等により溶媒の少なくとも一部を除去した後に、熱処理することで所望の領域に銅含有電極を形成することができる。
電極用ペースト組成物を半導体基板上に付与する方法としては、スクリーン印刷、インクジェット法、ディスペンサー法等を挙げることができる。生産性の観点からは、スクリーン印刷が好ましい。
電極用ペースト組成物をスクリーン印刷によって付与する場合、電極用ペースト組成物は、20Pa・s〜1000Pa・sの範囲の粘度を有することが好ましい。尚、電極用ペースト組成物の粘度は、ブルックフィールドHBT粘度計を用いて25℃の温度及び回転数5.0rpm(min−1)の条件で測定される。
電極用ペースト組成物の付与量は、形成する銅含有電極の大きさやパターン形状等に応じて適宜選択することができる。例えば、電極用ペースト組成物付与量として2g/m〜10g/mとすることができ、4g/m〜8g/mであることが好ましい。
前記電極用ペースト組成物を用いて銅含有電極を形成する際の熱処理条件(焼成条件)としては、当該技術分野で通常用いられる熱処理条件を適用することができる。
一般に、熱処理温度(焼成温度)としては800℃〜900℃であるが、前記電極用ペースト組成物を用いる場合には、より低温での熱処理条件から一般的な熱処理条件までの広範な範囲で電極を形成することができる。例えば、450℃〜900℃の広範な熱処理温度で良好な特性を有する電極を形成することができる。
また熱処理時間は、熱処理温度等に応じて適宜選択することができ、例えば、1秒〜20秒とすることができる。
熱処理装置としては、上記温度に加熱できるものであれば適宜採用することができ、例えば、赤外線加熱炉、トンネル炉、などを挙げることができる。赤外線加熱炉は、電気エネルギーを電磁波の形で加熱材料に直接投入し、熱エネルギーに変換されるため高効率であり、また短時間での急速加熱が可能である。更に、燃焼による生成物がなく、また非接触加熱であるため、生成する電極の汚染を抑えることが可能である。トンネル炉は、試料を自動で連続的に入り口から出口へ搬送し、熱処理するため、炉体の区分けと搬送スピードの制御により、均一に熱処理することが可能である。太陽電池素子の発電性能の観点からは、トンネル炉により熱処理することが好適である。
以下、本発明の太陽電池素子の具体例を、図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
代表的な太陽電池素子の一例を示す断面図、受光面及び裏面の概要を図2〜図4に示す。図2に概略断面図を示すように、半導体基板1の一方の面の表面付近には、n型拡散層6が形成され、n型拡散層6上に反射防止膜7及び出力取出し電極8が形成されている。半導体基板1の他方の面の表面付近にはp型拡散層12が形成され、p型拡散層12上に裏面出力取出し電極11及び裏面集電用電極10が形成されている。通常、電池素子の半導体基板1には、単結晶または多結晶シリコン基板が使用される。
半導体基板1にはホウ素などが含有され、p型半導体となっている。受光面側には太陽光の反射を抑制するために、NaOHとIPA(イソプロピルアルコール)からなるエッチング溶液により凹凸(テクスチャともいう、図示せず)が形成されている。n型拡散層6はリン等をドーピングすることにより、サブミクロンオーダーの厚さで設けられており、p型バルク部分との境界にpn接合部が形成されている。反射防止膜7は窒化ケイ素等からなり、n型拡散層6上にPECVD等によって膜厚90nm前後で設けられている。
次に、図3に概略を示す受光面側に設けられた受光面出力取出し電極8及び受光面集電用電極9と、図4に概略を示す裏面に形成される集電用電極10及び出力取出し電極11の形成方法について説明する。
受光面出力取出し電極8と、受光面集電用電極9及び裏面出力取出し電極11は、前記電極用ペースト組成物から形成される。また裏面集電用電極10は、ガラス粉末を含むアルミニウム電極ペースト組成物から形成される。受光面出力取出し電極8と、受光面集電用電極9と、裏面出力取出し電極11及び裏面集電用電極10を形成する第一の方法として、前記電極用ペースト組成物、前記アルミニウム電極ペースト組成物からスクリーン印刷等にて所望のパターンに各電極に対応する組成物層を形成し、乾燥後に、大気中750℃〜900℃程度で同時に熱処理して形成することが挙げられる。
熱処理の際に、受光面側では、受光面出力取出し電極8と受光面集電用電極9を形成する前記電極用ペースト組成物に含まれるガラス粒子と、反射防止膜7とが反応(ファイアースルー)して、受光面出力取出し電極8及び受光面集電用電極9とn型拡散層6が電気的に接続(オーミックコンタクト)される。
前記電極用ペースト組成物を用いて受光面出力取出し電極8と受光面集電用電極9が形成されることで、導電性金属として銅を含みながら、銅の酸化が抑制され、低体積抵抗率の電極が良好な生産性で形成される。
前記銅含有電極は、図1の断面図で示すように、半導体基板1上に第一の酸化物相3としてのSn−P−O酸化物相、合金相2としてのCu−Sn−Ni合金相又はCu−Sn合金相、第二の酸化物相4としてのSn−P−O酸化物相が、この順で設けられた構造を有することが好ましい。これにより、耐酸化性に優れ、体積抵抗率を低くし、さらに半導体基板との密着性を保ちながら、良好なオーミックコンタクトを有する銅含有電極を形成することができる。なお、銅含有電極の場所によっては、この構造で設けられていない部分があってもよい。
半導体基板1の裏面側では、熱処理の際に裏面集電用電極10を形成するアルミニウム電極ペースト組成物中のアルミニウムが半導体基板1の裏面に拡散して、p型拡散層12が形成される。これによって、半導体基板1と裏面集電用電極10、裏面出力取出し電極11との間にオーミックコンタクトを得ることができる。
受光面出力取出し電極8と受光面集電用電極9及び裏面出力取出し電極11を形成する第二の方法として、先にアルミニウム電極ペースト組成物を付与し、乾燥後に大気中750〜900℃程度で熱処理して裏面集電用電極10を形成し、次いで前記電極用ペースト組成物を受光面側及び裏面側に付与し、乾燥後に大気中450〜650℃程度で熱処理して、受光面出力取出し電極8、受光面集電用電極9及び裏面出力取出し電極11を形成する方法が挙げられる。
この方法は、例えば以下の場合に有効である。すなわち、裏面集電用電極10を形成するアルミニウム電極ペーストは、650℃以下の熱処理温度では、アルミニウム電極ペーストの組成によっては、アルミニウム粒子の焼結及び半導体基板1へのアルミニウム拡散量が不足して、p型拡散層12を充分に形成できない場合がある。この状態では裏面における半導体基板1と裏面集電用電極10、裏面出力取出し電極11との間にオーミックコンタクトが充分に形成できなくなり、太陽電池素子としての発電性能が低下する場合がある。そこで、アルミニウム電極ペースト組成物に最適な熱処理温度(例えば750℃〜900℃)で裏面集電用電極10を形成した後、前記電極用ペースト組成物を印刷し、乾燥後に比較的低温(例えば450℃〜650℃)で熱処理して、受光面集電用電極8、受光面出力取出し電極9及び裏面出力取出し電極11を形成することで、上記の問題を解消することができる。
また本発明の別の態様であるいわゆるバックコンタクト型太陽電池素子に共通する裏面側電極構造の概略平面図を図5に、それぞれ別の態様のバックコンタクト型太陽電池素子である太陽電池素子の概略構造を示す斜視図を図6、図7及び図8にそれぞれ示す。なお図6、図7及び図8は、それぞれ図5におけるAA断面における斜視図である。図5〜図8において、同一の部材は同一の符号で示している。
図6の斜視図に示す構造を有する太陽電池素子の半導体基板1には、レーザードリルまたはエッチング等によって、受光面側から裏面側に貫通したスルーホールが形成されている。また受光面側には光入射効率を向上させるテクスチャー(図示せず)が形成されている。さらに受光面側にはn型化拡散処理によるn型拡散層6と、n型拡散層6上に反射防止膜(図示せず)が形成されている。これらは従来の結晶シリコン型太陽電池素子と同一の工程により製造される。
次に、先に形成されたスルーホール内部に、本発明の電極用ペースト組成物が印刷法やインクジェット法により充填され、さらに受光面側には同じく本発明の電極用ペースト組成物がスルーホールを連結するように付与され、スルーホール電極14及び受光面集電用電極13を形成する組成物層が形成される。
ここで、充填用と印刷用に用いる電極用ペースト組成物は、粘度を初めとして、それぞれのプロセスに最適な性質を有する電極用ペースト組成物を使用するのが望ましいが、同じ電極用ペースト組成物で充填、印刷を一括で行ってもよい。
一方、裏面側には、キャリア再結合を防止するためのn型拡散層6及びp型拡散層12が形成される。p型拡散層12を形成する不純物元素としては、ホウ素やアルミニウムが用いられる。このp型拡散層12は、例えばホウ素を拡散源とした熱拡散処理が、前記反射防止膜を形成する前の太陽電池素子製造工程において実施されることで形成されていてもよく、あるいはアルミニウムを用いる場合には、前記印刷工程において、裏面側にアルミニウムペーストを印刷、熱処理することで形成されていてもよい。
裏面側には図5の平面図で示すように、本発明の電極用ペースト組成物をそれぞれn型拡散層6上及びp型拡散層12上にストライプ状に印刷することによって、裏面電極15及び裏面電極16が形成される。ここで、p型拡散層12及び裏面電極16をアルミニウムペーストを用いて形成する場合は、n型拡散層6の上にのみ前記電極用ペースト組成物を用いて裏面電極15を形成すればよい。
その後乾燥し、大気中450℃〜900℃程度で熱処理して、受光面集電用電極13、スルーホール電極14、裏面電極15、裏面電極16が形成される。また先述したように、裏面電極16としてアルミニウム電極を用いる場合は、アルミニウムの焼結性、及び裏面電極16とp型拡散層12とのオーミックコンタクト性の観点から、先にアルミニウムペーストを印刷、熱処理することによって裏面電極16を形成し、その後、前記電極用ペースト組成物を印刷又は充填し、熱処理することで受光面集電用電極13、スルーホール電極14、及び裏面電極15を形成してもよい。
また図7の斜視図に示す構造を有する太陽電池素子は、受光面集電用電極13を形成しないこと以外は、図6の斜視図に示す構造を有する太陽電池素子と同様にして製造することができる。すなわち図7の斜視図に示す構造を有する太陽電池素子において、本発明の電極用ペースト組成物は、スルーホール電極14、裏面電極15及び裏面電極16に用いることができる。
また、図8の斜視図に示す構造を有する太陽電池素子は、ベースとなる半導体基板にn型シリコン基板を用いたことと、スルーホールを形成しないこと以外は、図6の斜視図に示す構造を有する太陽電池素子と同様にして製造することができる。すなわち図8の斜視図に示す構造を有する太陽電池素子において、本発明の電極用ペースト組成物は、裏面電極15及び裏面電極16に用いることができる。
なお、前記電極用ペースト組成物は、上記したような太陽電池電極の用途に限定されるものではない。例えば、プラズマディスプレイの電極配線及びシールド配線、セラミックスコンデンサ、アンテナ回路、各種センサー回路、半導体デバイスの放熱材料等の用途にも好適に使用することができる。これらの中でも特にシリコンを含む基板上に電極を形成する場合に好適に用いることができる。
<太陽電池>
本発明の太陽電池は、前記太陽電池素子と、前記太陽電池素子の前記銅含有電極上に配置された配線部材と、を有する。前記太陽電池はさらに必要に応じて、配線部材を介して複数の太陽電池素子が連結され、さらに封止材で封止された構造を有していてもよい。前記配線部材及び封止材としては特に制限されず、当業界で通常用いられているものから適宜選択することができる。
前記太陽電池素子の前記銅含有電極上への配線部材の接続方法は特に制限されない。例えば、配線部材に予め形成しておいたはんだを加熱により溶融させる方法が適用できる。またはんだを用いない接続方法として、フィルム状の回路接続部材を用いてもよい。このような回路接続部材としては、特開2007−214533号公報に記載の導電性接着フィルムを挙げることができ、本発明においてもこれらを好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
<実施例1>
(a)太陽電池素子の作製
7質量%のリンを含むリン含有銅合金を常法により調整し、これを溶解して水アトマイズ法により粉末化した後、乾燥、分級した。分級した粉末をブレンドして、脱酸素・脱水処理し、7質量%のリンを含むリン含有銅合金粒子を作製した。なお、リン含有銅合金粒子の粒子径(D50%)は5.0μmであり、その形状は略球状であった。
二酸化ケイ素(SiO)3部、酸化鉛(PbO)60部、酸化ホウ素(B)18部、酸化ビスマス(Bi)5部、酸化アルミニウム(Al)5部、酸化亜鉛(ZnO)9部からなるガラス(以下、「G01」と略記することがある)を調製した。得られたガラスG01の軟化点は420℃、結晶化開始温度は650℃を超えていた。
得られたガラスG01を用いて、粒子径(D50%)が2.5μmであるガラスG01粒子を得た。またその形状は略球状であった。
なお、リン含有銅合金粒子及びガラス粒子の形状は、走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製、TM−1000型)を用いて観察して判定した。リン含有銅合金粒子及びガラス粒子の平均粒子径は、レーザー散乱回折法粒度分布測定装置((株)ベックマン・コールター製、LS 13 320型)(測定波長:630nm)を用いて算出した。ガラスの軟化点は、示差熱・熱重量同時測定装置((株)島津製作所製、DTG−60H型)を用いて、示差熱(DTA)曲線により求めた。
上記で得られたリン含有銅合金粒子を41.2部、錫粒子(Sn;粒子径(D50%)は5.0μm;純度99.9%)を14.5部、ニッケル粒子(Ni;粒子径(D50%)は5.0μm;純度99.9%)を12.5部、ガラスG01粒子を6.8部、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(BC)を20.0部、ポリアクリル酸エチル(EPA)を5.0部混ぜ合わせ、自動乳鉢混錬装置を用いてペースト化し、電極用ペースト組成物1を調整した。
受光面にn型拡散層、テクスチャ及び反射防止膜(窒化ケイ素膜)が形成された膜厚190μmのp型半導体基板を用意し、125mm×125mmの大きさに3枚切り出した。それぞれの受光面上にスクリーン印刷法を用い、上記で得られた電極用ペースト組成物1を図3に示すような電極パターンとなるように印刷した。電極パターンは、150μm幅の受光面集電用電極と1.5mm幅の受光面出力取出し電極で構成され、熱処理後の膜厚が受光面集電用電極は20μm、受光面出力取出し電極は20μmとなるように印刷条件(スクリーン版のメッシュ、印刷速度、印圧)を適宜調整した。これを150℃に加熱したオーブンの中に15分間入れ、溶剤を蒸散により取り除いた。
続いて、受光面とは反対側の面(以下、「裏面」ともいう)上に、電極用ペースト組成物1とアルミニウム電極ペーストを、上記と同様にスクリーン印刷で、図4に示すような電極パターンとなるように印刷した。
電極用ペースト組成物1からなる裏面出力取出し電極のパターンは、123mm×5mmで構成され、計2ヶ所印刷した。なお、裏面出力取出し電極は熱処理後の膜厚が20μmとなるよう、印刷条件(スクリーン版のメッシュ、印刷速度、印圧)を適宜調整した。またアルミニウム電極ペーストを、裏面出力取出し電極以外の全面に印刷して裏面集電用電極パターンを形成した。また熱処理後の裏面集電用電極の膜厚が20μmとなるように、アルミニウム電極ペーストの印刷条件を適宜調整した。これを150℃に加熱したオーブンの中に15分間入れ、溶剤を蒸散により取り除いた。
続いて、トンネル炉(ノリタケ社製、1列搬送W/Bトンネル炉)を用いて大気雰囲気下、最高温度800℃で保持時間10秒の熱処理(焼成)を行って、所望の電極が形成された太陽電池素子1を3枚作製(太陽電池素子断面組織観察用の1枚とピール強度評価用の1枚と発電性能評価用の1枚)した。
(b)太陽電池の作製
得られた太陽電池素子1の2枚について、受光面出力取出し電極及び裏面出力取出し電極に配線部材をはんだ溶融により接続し、太陽電池1を2枚作製した。
具体的には太陽電池素子1の受光面出力取出し電極及び裏面出力取出し電極の表面にフラックス(製品名:デルタラックス、千住金属工業社製)を塗布し、その上に配線部材(太陽電池用はんだめっき平角線、製品名:SSA−TPS L 0.2×1.5(10)、厚さ0.2mm×幅1.5mmの銅線に、Sn−Ag−Cu系鉛フリーはんだと片面に10μmの厚さでめっきした仕様のもの、日立電線社製)を配置し、配線部材上のSn−Ag−Cu系鉛フリーはんだを240℃で溶融して接続した。
得られた2枚の太陽電池1のうち1枚については、強化ガラス(製品名:白板強化ガラス3KWE33、AGC社製)、エチレンビニルアセテート(EVA、サンビック社製)、バックシート(東洋アルミニウム社製)を用いて、ガラス/EVA/太陽電池1/EVA/バックシートの順に積層した。この積層体を真空ラミネータ(装置名:LM−50×50、エヌピーシー社製)を用いて、140℃の温度で5分間真空ラミネートし、発電性能評価用太陽電池とした。
<実施例2〜6>
実施例1において、リン含有銅合金粒子のリン含有量、粒子径(D50%)及びその含有量、錫含有粒子の組成、粒子径(D50%)及びその含有量、ニッケル含有粒子の組成、粒子径(D50%)及びその含有量、溶剤の種類及びその含有量、樹脂の種類及びその含有量を表1に示したように変更したこと以外は、実施例1と同様にして電極用ペースト組成物2〜6をそれぞれ調整した。
なおガラスG02は、酸化バナジウム(V)45部、酸化リン(P)24.2部、酸化バリウム(BaO)20.8部、酸化アンチモン(Sb)5部、酸化タングステン(WO)5部からなるように調製した。このガラスG02の軟化点は492℃で、結晶化開始温度は650℃を超えていた。また表中における溶剤Terはテルピネオールを、樹脂ECはエチルセルロースを、それぞれ示す。
次いで、得られた電極用ペースト組成物2〜6をそれぞれ用い、熱処理条件(最高温度及び保持時間)を表2に変更したこと以外は、実施例1と同様にして太陽電池素子2〜6及び太陽電池2〜6を、それぞれ作製した。
<実施例7>
実施例1において、受光面集電用電極及び受光面出力取出し用電極を形成するために、電極用ペースト組成物1を、裏面出力取出し用電極を形成するために、下記に示す電極用ペースト組成物7を適用したこと以外は、実施例1と同様にして、太陽電池素子7及び太陽電池7を、それぞれ作製した。
電極用ペースト組成物7は、実施例1において、ガラス粒子の組成をガラスG01から、以下に示すガラスG03に変更したこと以外は、実施例1と同様にして調製した。
なおガラスG03は、二酸化ケイ素(SiO)13部、酸化ホウ素(B)58部、酸化亜鉛(ZnO)38部、酸化アルミニウム(Al)12部、酸化バリウム(BaO)12部からなるように調整した。得られたガラスG03の軟化点は583℃で、結晶化開始温度は650℃を超えていた。
<実施例8>
実施例7において、裏面出力取出し用電極を形成するために、下記に示す電極用ペースト組成物8を適用したこと以外は、実施例1と同様にして、太陽電池素子8及び太陽電池8を、それぞれ作製した。
電極用ペースト組成物8は、リン含有銅合金粒子(リン含有量は8質量%;粒子径(
D50%)は5.0μm)を30.6部、Sn−58Bi粒子(粒子径(D50%)は5.0μm)を10.2部、ニッケル粒子(Ni;粒子径(D50%)は5.0μm)を27.4部、ガラスG03粒子を6.8部、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(BC)を20.0部、ポリアクリル酸エチル(EPA)を5.0部混ぜ合わせ、自動乳鉢混練装置を用いて混合してペースト化することで作製した。
<実施例9>
受光面にn型拡散層、テクスチャ及び反射防止膜(窒化ケイ素)が形成された膜厚190μmのp型半導体基板を用意し、125mm×125mmの大きさに2枚切り出した。その後、裏面にアルミニウム電極ペーストを印刷して裏面集電用電極パターンを形成した。裏面集電用電極パターンは、図4に示すように裏面出力取出し電極以外の全面に印刷した。また熱処理後の裏面集電用電極の膜厚が20μmとなるように、アルミニウム電極ペーストの印刷条件を適宜調整した。これを150℃に加熱したオーブンの中に15分間入れ、溶剤を蒸散により取り除いた。
続いてトンネル炉(ノリタケ社製、1列搬送W/Bトンネル炉)を用いて大気雰囲気下、最高温度800℃で保持時間10秒の熱処理(焼成)を行って、裏面の集電用電極及びp型拡散層を形成した。
その後、上記で得られた電極用ペースト組成物1を図3及び図4に示す、受光面集電用電極、受光面出力取出し電極及び裏面出力取出し電極のパターンとなるように印刷して形成した。電極パターンは、150μm幅の受光面集電用電極と1.5mm幅の受光面出力取出し電極で構成され、熱処理後の膜厚が20μmとなるよう、印刷条件(スクリーン版のメッシュ、印刷速度、印圧)を適宜調整した。裏面出力取出し電極のパターンは、123mm×5mmで2ヶ所に印刷して形成し、熱処理後の膜厚が20μmとなるように、印刷条件(スクリーン版のメッシュ、印刷速度、印圧)を適宜調整した。これを150℃に加熱したオーブンの中に入れ、溶剤を蒸散により取り除いた。
次いで、トンネル炉(ノリタケ社製、1列搬送W/Bトンネル炉)を用いて大気雰囲気下、最高温度650℃で保持時間10秒の熱処理(焼成)を行って、所望の電極が形成された太陽電池素子9を2枚作製した。その後は実施例1と同様にして、太陽電池9を作製した。
<実施例10>
実施例9において、受光面集電用電極、受光面出力取出し電極及び裏面出力取出し電極を形成するための電極用ペースト組成物を表1に示したように変更したこと以外は、実施例9と同様にして、太陽電池素子10を2枚作製した。その後は実施例1と同様にして、太陽電池10を作製した。
<実施例11>
実施例1と同様にして太陽電池素子11を作製し、受光面出力取出し電極及び裏面出力取出し電極への配線部材の接続に下記に示す回路接続部材を用いて太陽電池11を作製した。
上記回路接続部材は以下のようにして作製した。ブチルアクリレート40質量部と、エチルアクリレート30質量部と、アクリロニトリル30質量部と、グリシジルメタクリレート3質量部とを共重合してなるアクリルゴム(製品名:KS8200H、日立化成工業社製、分子量:850,000)125gと、フェノキシ樹脂(製品名:PKHC、ユニオンカーバイド社製、重量平均分子量45,000)50gとを、酢酸エチル400gに溶解し、30質量%溶液を得た。その後、この溶液に、マイクロカプセル型潜在性硬化剤を含有する液状エポキシ樹脂(ノバキュアHX−3941HP、旭ケミカルズ社製、エポキシ当量185)325g及び直径10μm程度のニッケル粒子56gを順次加え、攪拌した。次いで、これをポリエチレンテレフタレートフィルム上にアプリケータ(YOSHIMISU社製)を用いて塗布し、ホットプレート上で70℃の温度で10分間乾燥し、膜厚が25μmの回路接着部材を作製した。
得られた回路接続部材を、太陽電池素子の受光面出力取出し電極の幅(1.5mm)に裁断し、配線部材としての太陽電池用はんだめっき平角線(製品名:SSA−TPS L 0.2×1.5(10)、日立電線社製)と、上記太陽電池素子11の受光面出力取り出し電極及び裏面出力取出し電極との間にそれぞれ配置した。次いで、熱圧着機(装置名:MB−200WH、 日化設備エンジニアリング社製)を用いて、180℃、2MPa、10秒の条件で加熱圧着し、前記電極と配線部材とを、回路接続部材を介して接続した構造を有する太陽電池11を2枚作製した。
<実施例12>
上記で得られた電極用ペースト組成物1を用いて、図6に示したような構造を有する太陽電池素子12を作製した。具体的な作製方法を以下に示す。まずp型シリコン基板について、レーザードリルによって、受光面側から裏面側に貫通した直径100μmのスルーホールを形成した。また受光面側にはテクスチャ、n型拡散層、反射防止膜を順次形成した。尚、n型拡散層は、スルーホール内部、及び裏面の一部にもそれぞれ形成した。次に、先に形成されたスルーホール内部電極用ペースト組成物1をインクジェット法により充填し、さらに受光面側にもスルーホールを連結する形状に印刷した。
一方、裏面側には、電極用ペースト組成物1を図5の符号15で示すようにストライプ状に印刷し、スルーホールの下に電極用ペースト組成物層を形成した。またアルミニウム電極ペーストを図5の符号16で示す領域に印刷してアルミニウム電極ペースト層を形成した。これをトンネル炉(ノリタケ社製、1列搬送W/Bトンネル炉)を用いて大気雰囲気下、最高温度800℃で保持時間10秒の熱処理(焼成)を行って、所望の電極が形成された太陽電池素子12を作製した。
このときアルミニウム電極ペースト層を形成した部分については、熱処理によりp型シリコン基板内にアルミニウムが拡散することで、p型拡散層が形成されていた。その後裏面電極に配線部材(SSA−TPS L 0.2×1.5(10)、日立電線社製)をはんだ溶融を用いて接続し、太陽電池12を作製した。
<実施例13>
実施例12において、電極用ペースト組成物1から上記で得られた電極用ペースト組成物2に変更して、受光面集電用電極、スルーホール電極、裏面出力取出し電極を形成したこと以外は、実施例12と同様にして太陽電池素子13及び太陽電池13を作製した。
<実施例14>
上記で得られた電極用ペースト組成物1を用いて、図7に示したような構造を有する太陽電池素子14及び太陽電池14を作製した。作製方法は、受光面集電用電極を形成しないこと以外は、実施例12と同様である。尚、熱処理条件は最高温度800℃で保持時間10秒とした。
<実施例15>
実施例14において、電極用ペースト組成物1から上記で得られた電極用ペースト組成物7に変更し、電極形成時の熱処理条件を最高温度800℃で10秒間から、最高温度850℃で8秒間に変更したこと以外は、実施例14と同様にして太陽電池素子15及び太陽電池15を作製した。
<実施例16>
上記で得られた電極用ペースト組成物1を用いて、図8に示したような構造を有する太陽電池素子16及び太陽電池16を作製した。作製方法は、ベースとなる基板にn型シリコン基板を用いたことと、受光面集電用電極、スルーホール及びスルーホール電極を形成しないこと以外は、実施例12と同様である。尚、熱処理条件は最高温度800℃で保持時間10秒とした。
<実施例17>
実施例16において、電極用ペースト組成物1から、上記で得られた電極用ペースト組成物8に変更したこと以外は、実施例16と同様にして太陽電池素子17及び太陽電池17を作製した。
<比較例1>
実施例1における電極用ペースト組成物の調製において、リン含有銅合金粒子、錫含有粒子及びニッケル含有粒子の代わりに銀粒子(純度99.0%、粒子径(D50%)3.0μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして電極用ペースト組成物C1を調製した。
リン含有銅合金粒子、錫含有粒子及びニッケル粒子を含まない電極用ペースト組成物C1を用いたこと以外は、実施例1と同様にして太陽電池素子C1及び太陽電池C1を作製した。
<比較例2>
実施例における電極用ペースト組成物の調製において、リン含有銅合金粒子の代わりに銅粒子(純度99.5%、粒子径(D50%)5.0μm)を用い、錫含有粒子及びニッケル粒子を用いずに、表1に示す組成の電極用ペースト組成物C2を調整した。その後は実施例1と同様にして太陽電池素子C2及び太陽電池C2を作製した。
<比較例3>
実施例における電極用ペースト組成物において、錫含有粒子を用いずに、表1に示す組成の電極用ペースト組成物C3を調製した。その後は実施例1と同様にして太陽電池素子C3及び太陽電池C3を作製した。
<比較例4>
実施例12において、電極用ペースト組成物1の代わりに電極用ペースト組成物C1を用いたこと以外は、実施例12と同様にして、太陽電池素子C4及び太陽電池C6を作製した。
<比較例5>
実施例14において、電極用ペースト組成物1の代わりに電極用ペースト組成物C1を用いたこと以外は、実施例14と同様にして、太陽電池素子C5及び太陽電池C5を作製した。
<比較例6>
実施例16において、電極用ペースト組成物1の代わりに電極用ペースト組成物C1を用いたこと以外は、実施例16と同様にして、太陽電池素子C6及び太陽電池C6を作製した。
<評価>
作製した太陽電池素子の1枚で、図2〜図4の構造を有するもの(実施例1〜11、比較例1〜3に該当)については受光面出力取出し電極及び裏面出力取出し電極の断面を、図5〜図8の構造を有するもの(実施例12〜17、比較例4〜6に該当)については裏面電極の断面を、それぞれ走査型電子顕微鏡(商品名:Miniscope TM−1000、(株)日立製作所製)を用いて、加速電圧15kVで観察し、Cu−Sn合金相、Cu−Sn−Ni合金相、Sn−P−O酸化物相の有無及びSn−P−O酸化物相の形成部位を調査した。その結果を表3に示す。実施例で作製した太陽電池素子では、すべてにおいてSn−P−O酸化物相が形成されており、シリコン基板上に、Sn−P−O酸化物相、Cu−Sn及び/又はCu−Sn−Ni合金相、Sn−P−O酸化物相がこの順で形成されている領域の存在が観察された。なお実施例10では電極用ペースト組成物中にニッケル粒子が含まれず、Cu−Sn−Ni合金相は形成されていなかった。
作製した図2〜図4の構造を有する太陽電池の1枚については、受光面出力取出し電極及び裏面出力取出し電極に接続した配線部材のピール強度を測定した。なお、配線部材のピール強度は、卓上ピール試験機(装置名:EZ−S、島津製作所製)を用い、配線部材の90°はく離接着強さを測定した。また測定は、JIS K 6854−1;接着剤−はく離接着強さ試験方法に準拠して行い、配線部材の引張り速度を50mm/min、配線部材の引張り距離を100mmとした。各試験について、配線部材引張り距離−試験力曲線をプロットし、引張り距離の10mm、20mm、30mm、40mm、50mmにおける試験力の平均値をはく離接着強さとした。得られた値を、比較例1(太陽電池C1)の測定値を100.0とした相対値に換算して表4に示す。
また図2〜図4の構造を有する太陽電池のうちもう一枚については、その発電性能について評価を行った。評価は、擬似太陽光(装置名:WXS−155S−10、ワコム電創社製)と、電圧−電流(I−V)評価測定器(装置名:I−V CURVE TRACER MP−160、EKO INSTRUMENT社製)の測定装置を組み合わせて行った。太陽電池としての発電性能を示すJsc(短絡電流)、Voc(開放電圧)、FF(フィルファクター)、Eff(変換効率)は、それぞれJIS−C−8913及びJIS−C−8914に準拠して測定を行い得られたものである。得られた各測定値を、比較例1(太陽電池C1)の測定値を100.0とした相対値に換算して表4に示す。
図4の結果から、比較例2及び比較例3においては、比較例1よりもピール強度と発電性能がともに劣化したことが分かる。これは例えば以下のように考えられる。
比較例2では、配線部材が銅含有電極の表面から剥離した。これは、銅粒子の酸化によって配線部材であるはんだの濡れ性が悪くなったために、ピール強度が低下したためと考えられる。また電極の体積抵抗率が大きくなったために、発電性能が大幅に劣化した(評価不能であった)と考えられる。
比較例3では、銅含有電極が半導体基板から剥離した。これは、錫含有粒子が含まれていないために、熱処理時にSn−P−O酸化物相が形成されず、銅とシリコンの相互拡散が起こり、銅含有電極とシリコン基板の界面に生成したCuSi反応物相が、銅含有電極のシリコン基板に対する密着性を低下させたことでピール強度が低下したためと考えられる。また生成したCuSi相によりpn接合特性が劣化し、発電性能も劣化したものと考えられる。
一方、実施例1〜11で作製した太陽電池のピール強度及び発電性能は、比較例1の太陽電池の測定値と比べてほぼ同等であった。表3の結果と併せると、Cu−Sn合金相及び/又はCu−Sn−Ni合金相とSn−P−O酸化物相が熱処理時に同時に形成されることで、体積抵抗率が低く、且つシリコン基板と反応相を形成せずに密着力の高い電極が形成できていることが分かる。
続いて、バックコンタクト型の太陽電池素子のうち、図6の構造を有するもの(実施例12、13に該当)について、得られた各測定値を、比較例4の測定値を100.0とした相対値に換算して表5に示した。さらに受光面電極の断面を観察した結果も併せて表5に示した。
表5から、実施例12及び実施例13で作製した太陽電池は、比較例4の太陽電池とほぼ同等の発電性能を示したことが分かる。また組織観察の結果、裏面電極にはCu−Sn合金相、Cu−Sn−Ni合金相及びSn−P−O酸化物相が存在し、電極とシリコン基板の界面にはCuSi反応物相は形成されていなかった。
続いて、バックコンタクト型の太陽電池素子のうち、図7の構造を有するもの(実施例14、15に該当)について、得られた各測定値を、比較例5の測定値を100.0とした相対値に換算して表6に示した。さらに受光面電極の断面を観察した結果も併せて表6に示した。
表6から、実施例14及び実施例15で作製した太陽電池は、比較例5の太陽電池とほぼ同等の発電性能を示したことが分かる。また組織観察の結果、裏面電極にはCu−Sn合金相、Cu−Sn−Ni合金相及びSn−P−O酸化物相が存在し、電極とシリコン基板界面にはCuSi反応物相は形成されていなかった。
続いて、バックコンタクト型の太陽電池素子のうち、図8の構造を有するもの(実施例16、17に該当)について、得られた各測定値を、比較例6の測定値を100.0とした相対値に換算して表7に示した。さらに受光面電極の断面を観察した結果も併せて表7に示した。
表7から、実施例16及び実施例17で作製した太陽電池は、比較例6の太陽電池とほぼ同等の発電性能を示したことが分かる。また組織観察の結果、裏面電極にはCu−Sn合金相、Cu−Sn−Ni合金相及びSn−P−O酸化物相が存在し、電極とシリコン基板界面にはCuSi反応物相は形成されていなかった。
以上の結果より、本発明の太陽電池素子の銅含有電極は体積抵抗率が低く、半導体基板との密着性に優れることが分かる。
1 p型半導体基板
2 合金相
3 第一の酸化物相(基板側)
4 第二の酸化物相(電極表面)
5 空隙部
6 n型拡散層
7 反射防止膜
8 受光面出力取出し電極
9 受光面集電用電極
10 裏面集電用電極
11 裏面出力取出し電極
12 p型拡散層
13 受光面集電用電極
14 スルーホール電極
15 裏面電極
16 裏面電極
17 n型半導体基板

Claims (13)

  1. 半導体基板と、前記半導体基板上に配置された合金相及び酸化物相を含む銅含有電極と、を有し、該酸化物相が錫及びリンを含む太陽電池素子。
  2. 前記合金相が銅及び錫を含む、請求項1に記載の太陽電池素子。
  3. 前記合金相がさらにニッケルを含む、請求項2に記載の太陽電池素子。
  4. 前記酸化物相がSn−P−O酸化物相を含む、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の太陽電池素子。
  5. 前記酸化物相の少なくとも一部が前記半導体基板と接触している、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の太陽電池素子。
  6. 前記酸化物相の前記半導体基板と接触していない部分の少なくとも一部が前記合金相と接触している、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の太陽電池素子。
  7. 前記酸化物相が第一の酸化物相と第二の酸化物相とを含み、前記第一の酸化物相の少なくとも一部が前記半導体基板と接触しており、前記第一の酸化物相の前記半導体基板と接触していない部分の少なくとも一部が前記合金相と接触しており、前記合金相の前記第一の酸化物相と接触していない部分の少なくとも一部が前記第二の酸化物相と接触している、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の太陽電池素子。
  8. 前記銅含有電極が、前記半導体基板の表面に対して垂直な方向において第一の酸化物相、合金相、第二の酸化物相がこの順に存在している部分を有する、請求項7に記載の太陽電池素子。
  9. 前記銅含有電極が、リン含有銅合金粒子と、錫含有粒子と、ガラス粒子と、分散媒と、を含む電極用ペースト組成物の焼成物である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の太陽電池素子。
  10. 前記電極用ペースト組成物が、さらにニッケル含有粒子を含む、請求項9に記載の太陽電池素子。
  11. リン含有銅合金粒子と、錫含有粒子と、ガラス粒子と、分散媒と、を含む電極用ペースト組成物を半導体基板上に付与する工程と、前記電極用ペースト組成物を付与した半導体基板を450℃〜900℃の温度で熱処理して銅含有電極を形成する工程とを含む、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の太陽電池素子の製造方法。
  12. 前記銅含有電極を形成する工程において、前記合金相及び前記酸化物相が自己組織化により形成される、請求項11に記載の太陽電池素子の製造方法。
  13. 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の太陽電池素子、あるいは請求項11又は請求項12に記載の製造方法により得られる太陽電池素子と、前記太陽電池素子の前記銅含有電極上に配置された配線部材と、を有する太陽電池。
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