JP2015090067A - 自動式ユニット津波緩衝堤 - Google Patents

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英外 ▲濱▼田
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Abstract

【課題】複雑な工夫や動作を避け、自然の力をうまく活用し、高い信頼性で動作が行われる可動式の防波堤を提供する。【解決手段】防波堤の構造体はユニット形式で製作し、複数のユニットを直列に並べたもので防波堤を構成する。更に、直列のユニット列を並行に並べて設置することにより、大規模な津波に対応させることができる。構造体ユニットは、主として木製の柱からなる枠組みを木材の板で挟んだ、内部に空間を有する形状であり、海底面や岸壁壁面に沿わせて蝶番形式で伏せた状態で設置する。浸水時は、水中に没した時に得られる浮力と押し寄せる波の力より、堰として立ち上がり、津波のエネルギーを消費させ、威力を減衰させる。【選択図】図3

Description

津波や高波などの海からの波により起こる浸水などの被害を抑えるために設置する防波堤に関するものである。
今までの津波防御用の防波堤は、鉄筋の入ったコンクリートなどを使った固定式のものが主体であり、大がかりで、材料費や工事費が膨大であった。 又、今までに発明されていた可動式のものは、空気室を設置するなどにより、複雑な工夫により動作されるもので、材料費や工事費が嵩むし、信頼性が必ずしも高くなかった。
又、軽質材の構造体の一端を固定し浸水中に入って浮力で他端を立ち上がらせて防波堤効果をもたらす概念は既知であるが、強度的な課題や適用場所の課題があった。
特許第5329452号 特許公開2012−57401 特許公開2012−241449 特許第5207091号
固定式の防波堤でかかる膨大な材料費や工事費を低減させること。他の可動式の防波堤で必要である複雑な工夫や動作を避け、自然の力をうまく活用した設計により、高い信頼性で動作が行われるようにすること。廉価な材料の構造体の持つ強度の弱さに対応する設置機構、動作機構を検討し、実用性を高めること。
材料費を節減するために、木製材料を使い、固定式ではなく、必要に応じて防波堤として機能する津波自動対応の防波堤を考慮した。 構造体を自動的に防波堤として機能させるために、必要なメカニズムとして、津波による浮力を採用し、高い信頼性で充分な作動力を与えるように工夫した。
軽質材の構造体の一端を固定し他端を立ち上がらせて防波堤効果をもたらす概念は既知となっているが、強度的な課題や適用する場所の課題があったので、当発明では、以下のように解決を図った。
(1)構造体を主として木材でユニット形式で製作し、複数のユニットを、直列に、更に
はその直列に並んだものを並列に並べて、海岸線などの大規模な津波防止に対応さ
せる。
(2)構造体内部に空間を持たせ、その空間部に浸水した水を取り込み、強度と重量を増
す。「浸水の取り込むこと」と、「取り込んだ水分を併せた構造体の重量を津波に
持ちあげさせること」によって、津波の強度を弱めさせる。副次効果として、構造
体全部を材料で製作する必要がなく、材料費の低減が図れる。
(3)浸水を完全に遮蔽する強度を木材を中心とした構造体が持つことは困難であるので
、密閉形式とはせず、構造体の後方への津波の浸水を許しながら、浸水高さが構造
体の持つ防止高さになるまでは構造体が立ち上がりながら津波の浸水強度を弱め、
持つ防止高さ以降は水中に入ってほぼ直立しながら後続の津波の陸上への浸水を防
止する方式とした。よって構造体は水中に屹立した状態で、後続の波の侵行を防止
するのに十分な強度を持てば良い。
当発明では、木材などの軽質で環境に優しい材料を使うので、安価な材料費、工事費で済む。 この装置は、地面などに伏せたり埋めたりして設置し、いざという時に、押し寄せる水の中で、浮力と押し寄せる波の力で自動的に立ち上がり、防波堤の役割を果たす。このため、視界の邪魔にならず(景勝地では、景色を阻害しないで)、波の力を弱める効果もあり、立ち上がった堰の高さに相応する防波効果が達成できる。
又、引き波に対しても、浮力により堰として機能するので、災害の低減に役立つ。
図1は、本発明の構造体(防波扉)の構造図である。
図2は、本発明の設置図である。
図3は、本発明の津波を緩衝する時の動作を表した図である。
図4は、本発明の大規模津波に対応する場合の設置想定図である。
構造体は、木材の板と枠組みで作る。構造体の枠組みの一方の柱を設置面に蝶番形式で接続し、構造体自体は設置面に装着された扉のように立ち上がり、水位に応じて、防波堤として機能する。
・ 構造体は、扱い易く、強度を保ちやすいユニットとして製作し、ある海岸線全体の防
波堤の役割を果たすためには、対象となる海岸線に平行に(海岸線の対象位置に)複
数のユニットを直列に、並べることで対応する。(図4参照)
・ 構造体内部に空間を設け、その中に津波の水を取り込み、構造体の強度と重量を高め
る。構造体とその取り込んだ水を併せた重量を、津波に持ちあげる仕事をさせて、津
波の威力を弱めさせる。
・ 構造体は木材などの軽質材で製作されており、強力な津波を完全に押さえ込むような
強度をもたせるのは、非現実的である。そこで、その津波の力を一部逃がして、防波
扉の山側にも海側に近い水位を早目に持たせて前後の水位をほぼ同等にするように機
能させるので、隣り合った構造体の間は密封しない。又、防波扉がほぼ垂直に立ち上
がった位置で保持するように支柱などを設置するが、津波の威力を逃がすように多少
に陸側に傾いて良いように自由度を持たせる。これにより一部の水が防波堤より山側
に侵入するが、浸水高さに応じて堰の高さまでの大部分の後続の津波の動きを抑える
ことができるので、相応の効果が期待できる。 よって構造体は水中に屹立した状態
で、後続の波の侵行を防止するのに十分な強度を持てば良い。
・ 構造体の強度の関係から、あまり高い防波堤効果を一列の構造体に持たせることがで
きない。大規模な津波に対しては、構造体をある程度の距離を置いた複数の並列とし
て設置することで対応する。(図4参照)
1.山板:動作時に山側に立つ板で、機密性と強度を持つ。
2.海板:動作時に海側に立つ板で、上部に押し寄せる水を取り込む開口部を、下部に混
入してくる砂や瓦礫を抜き出せる開口部を持つ
3.軸横柱:動作時に設置面側になる横柱で、接地面に設けた複数箇所(3点以上)の接
合部に蝶番形式で接合する。
4.浮き横柱:動作時に水に浮く横柱で、平常時に砂や瓦礫が構造体内に侵するを防止す
る役割も持つ(構造体内はできるだけ空間を持たせる)
5.たて柱:動作時に垂直方向に動いて立つ柱で、山板と海板の強度を高める
6.蝶番形式接合部:軸横柱と設置面を繋ぐ部分で、杭などで設置面に固定する。浸水時
にずれたり外れたりしないように強度を持たせる。

Claims (2)

  1. 木材(もしくはそれと同等の軽質材)の枠組みを木材(もしくはそれと同等の軽質材)の板で挟んで作り、扉のような形状の「ユニット構造体」を、地面や壁面に沿わせたり埋めたりして、海岸線近く等の「対象地域に直列に並べて設置して」、更にはその直列に並んだものを並列に並べて設置して、一端を地表などに蝶番形式で繋げ、他端を水中に入った時の浮力によって立ち上がらせる自動式ユニット津波緩衝堤であって、前記構造体は、「その内部に空間を持ち、その空間に浸水の水を取り込み、構造体の強度と重量を増し」、押し寄せる津波にその取り込んだ水も併せた「構造体の重量を持ちあげる仕事をさせて、津波の威力を弱め」、水位が構造体の持つ高さ以上になった時は、ほぼ垂直に屹立した状態で、主として「後続から押し寄せる波を防止する」ことを特徴とする自動式ユニット津波緩衝堤。
  2. 可動式もしくは自動式で防波堤として機能する「構造体の内部に空間を持たせ、その空間に浸水の水を取り込み、構造体の強度と重量を増し」、押し寄せる津波にその取り込んだ水も併せた「構造体の重量を持ちあげる仕事をさせて、津波の威力を弱める」、効果を持つ津波緩衝もしくは防止装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023152845A1 (ja) * 2022-02-09 2023-08-17 英外 ▲濱▼田 ロール式多段津波緩衝堰

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