JP2015089876A - 乳化化粧料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】油性成分及び水性成分の安定な乳化物からなり、安全性の懸念が低く優れた使用感の乳化化粧料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】1質量部の3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸、20〜200質量部の油性成分、及び前記油性成分の1質量倍以上の水性成分を混合してなるエマルジョン(乳化液)であって、3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸の含有量が0.01〜2質量%である乳化化粧料、及び3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸を、アルキレングリコール及びグリセリンを均一混合した溶液に油性成分を加えて混合し油性混合液を得、前記油性混合液に水性成分を加えて混合し乳化物を得る乳化化粧料の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、クリームや乳液等の乳化化粧料及びその製造方法に関する。
油性成分及び水性成分を含有し、これらを界面活性剤(乳化剤)により乳化してなる乳化化粧料は、クリームや乳液等として広く用いられている。化粧料として使用できる安定な乳化物を得るためには、一般に多量の界面活性剤を必要とする。しかし、界面活性剤の多量の添加は、化粧料として使用するときのよい感触、いわゆる使用感を低下させる場合が多いだけでなく、皮膚への刺激や安全性が問題視される場合もある。
例えばイオン性界面活性剤を用いる場合は、皮膚への刺激が問題となる場合が多く、さらに安全性が問題とされる場合もあった。非イオン性界面活性剤を用いる場合は、比較的、皮膚への刺激や安全性等の問題が小さいと言われているので、非イオン性界面活性剤を使用して乳化物を得る方法が種々提案されている。しかしこの場合でも、前記問題の根本的な解決とはならないのが現状である。
特許文献1には、非イオン性界面活性剤を使用しながらもその使用量を減少しつつ、安定な乳化物を得る方法として、親水性非イオン性界面活性剤を水溶性溶媒中に添加し、これに油相を添加して水溶性溶媒中油型エマルジョンを調製した後に、水を添加する方法(非水乳化法)が提案されている。この方法によれば、乳化安定性に優れ、長期に渡って乳化状態が安定に維持されてなる水中油型乳化液が得られるとされている。
特開昭51−55783号公報
特許文献1等に記載され非水乳化法により、界面活性剤の使用量を減少でき、皮膚への刺激の減少、使用感の向上を図ることができる。しかし、近年、皮膚化粧料等については、さらに優れた使用感、安全性、皮膚刺激の低減が求められるようになっており、従来の界面活性剤を使用した乳化化粧料によっては、近年の要請を満たすためには不十分であった。そこで、使用感や安全性がより優れた乳化化粧料が望まれていた。
本発明は、油性成分及び水性成分の安定な乳化物からなり、安全性の懸念が低く優れた使用感の乳化化粧料及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記実情に鑑みて鋭意検討した結果、油性成分及び水性成分を乳化する化合物として、アスコルビン酸誘導体である3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸を用いることにより、安全性に優れ、皮膚刺激性が改善された安定な乳化物が得られること、そしてその結果、より優れた使用感とビタミンC誘導体としての薬効を有した安全な乳化化粧料が得られることを見出した。
本発明者は、又、3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸をアルキレングリコール及びグリセリンに均一混合し、得られた溶液を油性成分に添加して混合し、さらに水性成分を加えて混合して乳化物を得る方法により、少量のアスコルビン酸誘導体の使用で、優れた安全性と使用感を有し、界面活性剤フリーであるにもかかわらず安定な乳化物からなる乳化化粧料を製造できることを見出した。本発明は、これらの検討結果に基づき完成されたものである。
本発明の第1の態様は、1質量部の3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸、20〜200質量部の油性成分、及び前記油性成分の1質量倍以上の水性成分を混合してなるエマルジョン(乳化液)であって、3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸の含有量が0.01〜2質量%であることを特徴とする乳化化粧料である。
3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸は、下記の構造式(I)で表される化合物である。
Figure 2015089876
本発明の乳化化粧料において、3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸は、油性成分及び水性成分を安定して混合、分散させるための化合物として作用する。3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸の含有量は少量でよい。すなわち、その含有量は乳化化粧料の0.01質量%以上でよい。このような少量の含有量でその200質量倍の油性成分を含む安定した乳化物を得ることができる。
3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸は、アスコルビン酸誘導体の1種である。アスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体は安全性の高い化合物として、化粧品や医薬部外品において汎用的に使用されている。さらに、美白作用や、皮膚を整える作用、ニキビを抑制する作用等の薬効ある有効成分としても知られている。
3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸を含有することにより、従来の界面活性剤を使用することなく乳化することができる。その結果、化粧料の使用感を低下させることがなく、安全性に優れ、アスコルビン酸誘導体の薬効を有した界面活性剤フリーの化粧料を得ることができる。また、含有量を少量とすることにより、高価なアスコルビン酸誘導体の使用量を抑えることができるので、化粧料のコストを抑制することもできる。
3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸の含有量は、化粧料の2質量%以下であり、かつ油性成分の5質量%以下(油性成分20質量部に対して1質量部以下)である。この含有量が、化粧料の2質量%を超える場合又は油性成分の5質量%を超える場合は、化粧料の使用感が低下しやすいので好ましくない。又、含有量を前記の範囲以上に増やしても優れた乳化効果の向上は得られず、化粧料のコストを増大させる点でも好ましくない。3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸の含有量のより好ましい範囲は、費用対効果の面から化粧料の0.1質量%以上、0.5質量%以下である。
油性成分としては、例えば、アマニ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、アボガド油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、キョウニン油、シナモン油、ホホバ油、ブドウ油、ヒマワリ油、アルモンド油、ナタネ油、ゴマ油、小麦胚芽油、米胚芽油、米ヌカ油、綿実油、大豆油、落花生油、茶実油、月見草油、卵黄油、牛脚脂、肝油、トリグリセリン等の天然液状油、
カカオ脂、ヤシ油、パーム油、パーム核油、牛脂、豚脂、羊脂、馬脂、硬化油、硬化ヒマシ油、モクロウ、シアバター等の固形油脂、
ミツロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、カポックロウ、サトウキビロウ、ホホバロウ、セラックロウ等のロウ類
オクタン酸セチル等のオクタン酸エステル、ラウリン酸ヘキシル等のラウリン酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミルスチン酸オクチルドデシル等のミリスチン酸エステル、パルミチン酸オクチル等のパルミチン酸エステル、ステアリン酸イソセチル等のステアリン酸エステル、イソステアリン酸イソプロピル等のイソステアリン酸エステル、イソパルミチン酸オクチル等のイソパルミチン酸エステル、オレイン酸イソデシル等のオレイン酸エステル、アジピン酸ジイソプロピル等のアジピン酸ジエステル、セバシン酸ジエチル等のセバシン酸ジエステル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、コハク酸−2−エチルヘキシル、トリオクタン酸グリセリン、テトラオクタン酸ペンタエリスリット、トリイソパルミチン酸グリセリン等のエステル油
流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、プリスタン、パラフィン、イソパラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素油
ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状シリコーン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シリコーン等のシリコーン油
パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、アントラミル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、[4−ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル−3−メチルブチル]−3,4,5−トリメトキシケイ皮酸エステル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−tert−ブチル−4’−メトキシベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤
ヘニン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等の高級脂肪酸
ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等の高級アルコールを挙げることができる。
水性成分としては、精製水のほかに、
ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、エリスリトール、トレハロース、D−マンニット、水アメ、ブドウ糖、果糖、乳糖、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アデノシンリン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、ピロリドンカルボン酸塩、グルコサミン、シクロデキストリン等の保湿剤、
アラニン、エデト酸ナトリウム塩、リン酸、エチドロン酸等の金属イオン封鎖剤、
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム等の中和剤、
乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等のpH調製剤、を挙げることができる。
水性成分の含有量は、油性成分の1質量倍以上である。水性成分の含有量が油性成分の1質量倍未満の場合は、乳化状態が不十分となり分離してしまう可能性が生じる。水性成分の含有量は、好ましくは化粧料の60質量%以上、95質量%以下であり、この範囲でより乳化安定性が高まる。
また、増粘剤を配合することで、乳化物の経時安定性を向上することが可能である。増粘剤としては、アラビアガム、トラガカントガム、キャブロガム、グアーガム、ペクチン、寒天、クインスシード、デンプン、アルゲコロイド、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、コラーゲン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、カルボキシメチルデンプン、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギニン酸ナトリウム、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンアクリレート、ポリアクリルアミド、カチオンポリマー等を挙げることができる。
本発明の乳化化粧料は、例えば、クリーム、乳液として用いられる。そして、その油性成分、水性成分として種々の作用を奏する薬剤や化合物を用いることにより、多様な機能性化粧料とすることができる。
ここでクリームとは、水中油型乳化の高粘度製剤である。乳液とは、水中油型乳化の流動性ある製剤である。クリーム、乳液を構成する油性成分としては、例えば、前記の油性成分として例示された化合物の中から選ぶことができ、水性成分としては、前記の水性成分として例示された化合物の中から選ぶことができる。
本発明の第2の態様は、
1質量部の3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸、1〜20質量部のアルキレングリコール及び10〜100質量部のグリセリンを均一混合して溶液Aを作製する工程、
前記溶液Aを撹拌しながら、20〜200質量部の油性成分を加えて混合し油性混合液を得る工程、及び
前記油性混合液に、その前記油性成分の1質量倍以上の水性成分を加えて混合して、前記3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸を0.01〜2質量%含む乳化物を得る工程を有することを特徴とする乳化化粧料の製造方法である。
本発明の第1の態様である乳化化粧料は、本発明の第2の態様の乳化化粧料の製造方法により製造することができる。この製造方法は、アスコルビン酸誘導体である3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸を、所定の範囲の量のアルキレングリコール及びグリセリンを均一混合した後、均一混合により得られた溶液を、油性成分に添加することを特徴とする。
アルキレングリコールとしては、炭素数2〜10程度のものが好ましく、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等を挙げることができる。
アルキレングリコールの使用量は、1質量部の3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸に対し、1〜20質量部である。1質量部未満の場合は、他の配合成分の組み合わせ等によっては乳化ができない可能性がある。一方、20質量部を超えると、経時安定性が低くなる可能性がある。
グリセリンの使用量は、1質量部の3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸に対し、1〜1000質量部である。1質量部未満の場合は、他の配合成分の組み合わせ等によっては乳化ができない可能性がある。一方、1000質量部を超えると、経時安定性が低くなる可能性がある。より好ましくは、10〜100質量部の範囲である。
溶液Aには、さらに、前記油性成分を加えてもよい。
1質量部の3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸、1〜20質量部のアルキレングリコール及び1〜1000質量部のグリセリンを均一混合して溶液Aを作製した後は、得られた溶液Aを撹拌しながら、20〜200質量部の油性成分を加えて混合して、油性混合液を得る。より均一に混合され安定した乳化物を得るためには、溶液Aに、20〜200質量部の油性成分を分割して添加することが好ましい。すなわち、2〜10質量部の油性成分を加えて混合し、均一化した後、さらに2〜10質量部の油性成分を加えて混合して均一化する操作を繰り返して総量が20〜200質量部の油性成分を加える方法が好ましい。又は、系の均一状態を保ちながら長時間連続的に油性成分を加えてもよい。
油性混合液が得られた後は、当該油性混合液に水性成分を加えて混合し、本発明の乳化化粧料を構成する乳化液が得られる。
本発明の乳化化粧料は、油性成分及び水性成分の安定な乳化物からなり、安全性の懸念の低いアスコルビン酸誘導体を少量含有するので、アスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体が有する薬効を持ち、さらに優れた安全性、優れた使用感の乳化化粧料である。又、この乳化化粧料は、本発明の乳化化粧料の製造方法により製造することができる。
次に、本発明を実施するための具体的な形態を実施例によって説明するが、本発明の範囲は以下の実施例により限定されるものではない。
合成例1 3−O−グリセリルアスコルビン酸及び3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸の合成
アルゴン雰囲気下、水に、L−アスコルビン酸(300g)、炭酸水素ナトリウム(42.9g)を加え、室温で30分攪拌した後、グリシドール(126g)を加えた。その後、加温して50℃とし5時間攪拌を行った。メタノールを加えろ過し、ろ液を減圧下に濃縮し、得られた残渣457gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=65/35/5で溶出し、減圧下にて濃縮を行い3−O−グリセリルアスコルビン酸(296g)を得た。
得られた生成物について、高分解能質量分析、赤外吸収スペクトル、H−NMR、13C−NMR測定を行い、この測定結果より、この生成物は下記の構造式の3−O−グリセリルアスコルビン酸であることが確認された。
Figure 2015089876
なお、この構造式においては、炭素原子、及び該炭素原子に結合する水素原子は省略されている。例えば、この式における1〜4の位置は炭素であり、6、7、9の位置はCH基であり、5、8の位置はCH基である。前記の構造式(I)並びに以下の構造式においても、この式と同様に、水素原子や炭素原子を省略して表す。
アルゴン雰囲気下、前記で得られた3−O−グリセリルアスコルビン酸(54.1g)をDMSO(200mL)中で攪拌し、さらに炭酸水素ナトリウム(18.5g)を加え室温で30分攪拌を行った。その後臭化テトラデシル(70.1g)を加え100℃に加温し3時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮をした。得られた残渣141gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.4混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸(50.2g)を得た。
なお、得られた生成物についての、高分解能質量分析、赤外吸収スペクトル、H−NMR、及び/又は13C−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(500MHz,CDOD): δ 0.89(3H,t),1.28(20H,brs),1.41(2H,m),1.70(2H,m),3.60(2H,brd),3.65(2H,m),3.90(1H,m),3.91(1H,m),4.02(1H,m),[1H,4.47(dd)/4.48(dd)],[1H,4.57(dd)/4.59(dd)],[4.858(d)/4.860(d),1H]
13C−NMR(125MHz,CDOD): δ 14.4,23.7,27.0,30.80,30.48,30.51,30.72,30.76,30.80,33.1,63.2,63.56,63.59,70.5,70.6,71.5,71.6,74.0,74.1,76.7,123.27,123.30,159.23,159.25,172.2
実施例1 クリーム
表1に示すNo.1〜3の原料を加熱しながら混合し均一に溶解する。その均一混合物(溶液A)を撹拌しながら、No.4の原料(スクワラン)を10回に分けて添加し混合を繰り返すと、柔らかいゲル状物が得られる。このゲル状物をA相とする。
表1に示すNo.5〜13の原料を均一に混合分散し、B相(水性相)を得る。
A相にB相をゆっくりと撹拌混合しながら添加していき乳化する。
乳化・均一化を確認した後、No.14の原料(水酸化カリウム10%水溶液)を添加して、撹拌混合し中和して乳液1を得る。
Figure 2015089876
実施例2 クリーム
表2に示すNo.1〜5の原料を80℃に加熱しながら混合し均一に溶解する。温度を70℃以上に保ち、その均一混合物(溶液A)を撹拌しながら、No.6の原料(スクワラン)を10回に分けて添加し混合を繰り返す。添加終了後撹拌しながら30℃まで冷却すると柔らかいゲル状物が得られる。このゲル状物をA相とする。
表2に示すNo.7〜16の原料を均一に混合分散し、B相(水性相)を得る。
A相にB相をゆっくりと撹拌混合しながら添加していき、乳化する。
乳化・均一化を確認した後、No.17の原料(水酸化カリウム10%水溶液)を添加して、撹拌混合し中和して乳液2を得る。
Figure 2015089876
実施例3 クリーム
表3に示すNo.1〜3の原料を加熱しながら混合し均一に溶解する。その均一混合物(溶液A)を撹拌しながら、No.4及び5の原料(オリーブ油及びパルミチン酸エチルヘキシル)を10回に分けて添加し混合を繰り返すと柔らかいゲル状物が得られる。このゲル状物をA相とする。
表3に示すNo.6〜15の原料を均一に混合分散し、B相(水性相)を得る。
A相にB相をゆっくりと撹拌混合しながら添加していき乳化する。
乳化・均一化を確認した後、No.16の原料(水酸化カリウム10%水溶液)を添加して、撹拌混合し中和して乳液3を得る。
Figure 2015089876
実施例4 乳液
表4に示すNo.1〜3の原料を加熱しながら混合し均一に溶解する。その均一混合物(溶液A)を撹拌しながら、No.4の原料(スクワラン)を10回に分けて添加し混合を繰り返すと、柔らかいゲル状物が得られる。このゲル状物をA相とする。
表4に示すNo.5〜12の原料を均一に混合分散し、B相(水性相)を得る。
A相にB相をゆっくりと撹拌混合しながら添加していき乳化する。
乳化・均一化を確認して乳液4を得る。
Figure 2015089876
実施例5 乳液
表5に示すNo.1〜3の原料を加熱しながら混合し均一に溶解する。その均一混合物(溶液A)を撹拌しながら、No.4の原料(スクワラン)を10回に分けて添加し混合を繰り返すと、柔らかいゲル状物が得られる。このゲル状物をA相とする。
表5に示すNo.5〜12の原料を均一に混合分散し、B相(水性相)を得る。
A相にB相をゆっくりと撹拌混合しながら添加していき乳化する。
乳化・均一化を確認して乳液5を得る。
Figure 2015089876
実施例6 クリーム
表6に示すNo.1〜5の原料を80℃に加熱しながら混合し均一に溶解する。ディスパーを回転させ、温度を70℃以上に保ちながら、その均一混合物(溶液A)に、No.6の原料(スクワラン)を10回に分けて添加し混合を繰り返す。添加終了後撹拌しながら30℃まで冷却すると、柔らかいゲル状物が得られる。このゲル状物をA相(油相)とする。
表2に示すNo.7〜16の原料を均一に混合分散し、B相(水相)を得る。
A相にB相をゆっくりと撹拌混合しながら添加していき乳化する。
乳化・均一化を確認した後、No.17の原料(水酸化カリウム10%水溶液)を添加して、撹拌混合して中和し乳液6得る。
Figure 2015089876
評価例1 使用感、保湿感、伸び、浸透感の評価
実施例6のクリームについて、20名のパネラーにより、下記判定基準に従い官能評価を行った。使用感、保湿感、伸び、浸透感のいずれについても、20名のパネラーの評価点の合計は65以上であり、いずれについても優れているとの評価結果が得られた。
[判定基準]
使用感:
4: 非常に優れた使用感で、肌に塗布した際に心地良いと感じる。
3: 良好な使用感で、肌に塗布した際に心地良いと感じる。
2: 肌に塗布した際に、不快さを感じない。
1: 肌に塗布した際、不快に感じる。
保湿感:
4: 肌に塗布した際に、潤いを感じ肌がしっとりとする。
3: 肌に塗布した際に、肌に潤いを感じる。
2: 肌に塗布した際に、わずかに潤いを感じる。
1: 肌に塗布した際に、肌が乾燥するように感じる。
伸び:
4: 非常に肌に塗り広げやすく、肌にスムーズに塗布できる。
3: 塗り広げやすい。
2: 塗り広げにくいが、塗り広げる際にひっかかりを感じない。
1: 塗り広げる際にひっかかりを感じ、塗り広げにくい。
浸透感:
4: 肌に塗布した際に、すぐに浸透しているように感じる。
3: 肌に塗布した際に、徐々に浸透しているように感じる。
2: 肌に塗布した際に、わずかに浸透しているように感じる。
1: 肌に塗布した際に、浸透していないように感じる。
評価例2 皮膚に対する安全性(閉塞パッチ試験)
実施例6のクリームを使用して、20人の披検者について、試験サンプルの量20mgで、24時間の閉塞パッチ試験を行った。下記評価基準に従い評価を行ったところ、20名の披検者の評価点の合計は65以上であり、皮膚に対する安全性に優れているとの評価結果が得られた。
[評価基準]
4: 24時間後においても、皮膚に対して反応は無かった。
3: 24時間後、軽い紅斑を生じていた。
2: 24時間後、紅斑を生じていた。
1: 24時間後、紅斑と浮腫を生じていた。
評価例3 安定性(乳化状態、色)
実施例1〜6の化粧料を、それぞれ5℃、25℃、40℃、50℃にて3ヶ月間保管した。その際の、安定性(乳化状態、色)について下記判断基準で評価を行った。その結果を表7に示す。
乳化状態:
○:乳化状態が保たれた状態であった。
△:わずかに水層が確認される。
×:2層に分離していた。
着色:
○:調整直後の色と変化していない。
△:わずかに黄変している。
×:褐色に変化した。
Figure 2015089876
表7より明らかなように、実施例1〜6のいずれの化粧料も、50℃での3ヶ月間の保管でも乳化状態及び色の変化は観察されず、優れた安定性を有する化粧料である。

Claims (4)

  1. 1質量部の3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸、20〜200質量部の油性成分、及び前記油性成分の1質量倍以上の水性成分を混合してなるエマルジョン(乳化液)であって、3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸の含有量が0.01〜2質量%であることを特徴とする乳化化粧料。
  2. 1質量部の3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸、1〜20質量部のアルキレングリコール及び10〜100質量部のグリセリンを均一混合して溶液Aを作製する工程、
    前記溶液Aを撹拌しながら、20〜200質量部の油性成分を加えて混合し油性混合液を得る工程、及び
    前記油性混合液に、その前記油性成分の1質量倍以上の水性成分を加えて混合して、前記3−O−グリセリル−2−O−テトラデシルアスコルビン酸を0.01〜2質量%含む乳化物を得る工程を有することを特徴とする乳化化粧料の製造方法。
  3. 前記アルキレングリコールが、エチレングリコール、プロピレングリコール又はブチレングリコールであることを特徴とする請求項2の乳化化粧料の製造方法。
  4. 20〜200質量部の油性成分を、2〜10質量部ずつ分割して添加することを特徴とする請求項2又は請求項3の乳化化粧料の製造方法。
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