JP2015089659A - 吐出ヘッド回復方法、液滴吐出装置および画像形成装置 - Google Patents

吐出ヘッド回復方法、液滴吐出装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】液滴吐出装置での回復動作において、適正な圧力での加圧ができ、液漏れや液垂れを抑制し、かつ、確実な回復動作を行なう。【解決手段】変位レバー161の初期位置を記憶した後、ヘッドタンク135からメインタンク110に所定量の液体を逆転送液し、続いて、変位レバー161が初期位置に到達するまで、メインタンク110からヘッドタンク135に液体を正転送液し、該正転送液の開始から変位レバー161が前記初期位置に到達するまでの送液時間を記録し、この送液時間と前記逆転送液時の所定量から正転送液速度を算出する。そして、この正転送液速度に基づいて、加圧による吐出ヘッド回復動作のための加圧用正転送液時間を決定する。【選択図】図3

Description

本発明は、吐出ヘッド回復方法及び液滴吐出装置ならびに画像形成装置に関する。
記録ヘッド(吐出ヘッド)からインク等の液滴を吐出して記録を行なうインクジェット記録装置では、微細な吐出口からインク滴を吐出させるため、乾燥によるインクの増粘や固着あるいはインク中に生じる気泡などに起因して吐出口に目詰まりが発生し、吐出不良になることがある。そこで、このような吐出不良を防止するために、インク吐出機能を正常な状態に回復するための回復動作が行なわれる。しかし、従来一般的な、ヘッド吸引による回復方法では、ヘッド内の液室に滞留した気泡の除去が十分ではなく、吐出不良が直らない場合がある。
その解決策の一つとして、ヘッド吸引ではなく加圧による回復方法が知られている。従来の構成における加圧による回復方法として、ヘッドタンクにインクを送液する方法がある。しかしながら、周囲の環境や送液ポンプの個体差によって、送液速度にばらつきが発生するため、送液量もばらつきが発生する。従って具体的な制御パラメータとして、適正な送液時間を制御の内部動作として設定することが難しい。送液時間が長い場合には加圧が過剰となり、ノズルからインクが垂れるばかりでなく、ヘッドタンク構成部品のシール部からインクが漏れ出して、機内を汚染したり、ヘッドの電装部品と接触し電気的なショートを起こして電装基板を破壊したりするという問題に繋がってしまう。逆に、送液時間が短い場合には、十分な加圧が得られず、回復性が悪いという問題にも繋がる。
液体吐出装置における回復動作に関し、例えば特開2005−144939号公報(特許文献1)には、ヘッドタンク(サブタンク)に対して記録液の供給を行なうことが記載されている。
上記特許文献に記載のものは、吸引回復動作を行なうときに複数のヘッドタンク間で負圧の絶対値が異なっており、負圧絶対値が低いヘッドタンクから負圧絶対値が高いヘッドタンクの方に記録液が移動する現象が発生し、これによって混色が発生するという課題に対し、複数のノズル列を同時にキャピングして、液滴吐出ヘッドのノズル側から吸引を行う前に、複数のヘッドタンクのうちの相対的に内容量が少ないヘッドタンクに対してのみ記録液の送液を行うことで回復動作における混色を防止するというものである。
吸引前に送液することで、混色の防止には効果があるが、例えばヘッド内に発生、もしくは滞留している気泡の排出効果までは得られていない。というのも、当該公報に記載されている送液量は、ヘッドタンクの満タンまでであり、具体的にどれだけ送液したら満タンになるかは明確に開示されていない。更に、ヘッドタンク内に満タンまで送液した場合の送液量とは、同公報に記載の数式1(段落0093)によると、吐出による印字が可能となる程度の送液量である。吐出が可能ということは、ヘッドタンク内にある程度の負圧が形成されている範囲であり、ヘッドタンクやヘッドへの加圧という意味では、大きな回復効果は得られておらず、ヘッド内に発生、もしくは滞留している気泡の排出効果はあまり期待できない領域での送液量である。
上記したように、従来の加圧による回復動作においては、加圧が過剰となり、ノズルからインクが垂れたり、ヘッドタンクのシール部からインクが漏れ出して、機内を汚染したり、電気的なショートを起こして電装基板を破壊したりするという問題や、逆に、十分な加圧が得られず、ヘッド内の液室に滞留した気泡を除去しきれず、吐出不良が直らないという問題があった。
そこで本発明は、液滴吐出装置での回復動作において、適正な圧力での加圧ができ、液漏れや液垂れを抑制し、かつ、確実な回復動作を行なうことを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、ノズルから液滴を吐出する吐出ヘッドと、該吐出ヘッドに付設されるヘッドタンクと、該ヘッドタンク内に収納した液体の量に応じて変位する変位レバーと、該変位レバーの位置を検知する位置検知手段と、液滴吐出装置が搭載される本体装置のメインタンクと前記ヘッドタンクとの間で正転送液又は逆転送液が可能な送液ポンプとを備える液滴吐出装置における吐出ヘッド回復方法おいて、前記吐出ヘッドの回復動作実施時に、前記変位レバーの初期位置を記憶した後、前記ヘッドタンクから前記メインタンクに所定量の液体を逆転送液し、続いて、前記変位レバーが前記初期位置に到達するまで、前記メインタンクから前記ヘッドタンクに液体を正転送液し、該正転送液の開始から前記変位レバーが前記初期位置に到達するまでの送液時間を記録し、前記送液時間と前記逆転送液時の所定量から正転送液速度を算出し、該正転送液速度に基づいて、加圧による前記吐出ヘッド回復動作のための加圧用正転送液時間を決定し、該加圧用正転送液時間だけ前記吐出ヘッドに液体を送液加圧して前記ノズルから液体を排出させることを特徴とする。
本発明の吐出ヘッド回復方法によれば、送液ポンプの送液速度を学習し、この学習した送液速度を元にして適正な送液時間(加圧用正転送液時間)を求め、その適正な送液時間だけ吐出ヘッドに液体を送液加圧してノズルから液体を排出させる(加圧による回復を行なう)ので、液体吐出装置の構成としては従来構成のものであっても、適正な圧力での加圧を行なって、十分な回復性を得ることができる。
本発明に係る画像形成装置の一例であるインクジェット記録装置の概略構成を示す側面方向からの断面図である。 そのインクジェット記録装置の記録部の要部平面図である。 記録液の送液に関わる構成を示す概略図である。 圧電素子を利用した液体吐出ヘッドの構成を示す断面図である。 加圧メンテナンスの制御を示すフローチャートである。 ヘッドタンクに付設された変位レバーの状態を示す図である。 変位レバーの移動量とインク排水量の関係を示すグラフである。 逆転送液による変位レバーの移動を説明する図である。 制御部が備えている機能を示すブロック図である。 送液量と送液速度により決定される加圧用正転送液時間を示すグラフである。 加圧による回復方法の効果を示す模式図である。 後処理工程としての負圧形成工程の実施例1を示すフローチャートである。 負圧形成工程の実施例2を示すフローチャートである。 負圧形成工程の実施例3を示すフローチャートである。 加圧メンテナンス制御における所定量の逆転送液の求め方の詳細を示すフローチャートである。 吸引と空吐出におけるインク排出量と変位レバーの変位量を示すグラフである。 送液ポンプの送液速度と圧力の関係を示すグラフである。
本発明の実施形態について説明する前に、従来技術の問題点について詳しく説明する。
従来一般的な構成の液体吐出ヘッドは、液滴を吐出するノズル、ノズルの周りに形成されている撥水膜、ノズルが連通する個別液室(加圧液室、吐出室、圧力室、液体流路などとも称される)、個別液室の液体を加圧する圧力(エネルギー)を発生する圧力発生手段(発熱抵抗体などの電気熱変換素子、圧電素子、静電型アクチュエータなど)と、個別液室に液体を供給する相対的に容積の大きな共通液室とを備えて、圧力発生手段で発生させる圧力で個別液室内の液体を加圧することによってノズルから液滴を吐出させる。
しかし、ノズルに連通する個別液室内に気泡等が存在すると、圧力発生手段を駆動して液室内を加圧しても、気泡が変形するので圧力が緩和され、ノズルからの液滴が吐出しない状況に陥る。
この状況を解決するために、インクジェット記録装置の回復手段としては、一般的に、以下のような構成が知られている。
1)ノズルから比較的強い空吐出駆動により、ノズルに連通する液室内の気泡を除去する回復方法
2)ヘッドにキャップ部材を当接させて、キャップ部材に接続された、例えばチュービングポンプ等の作用による吸引作用で、ノズルからインクを排出し、ノズルに連通する液室内の気泡の除去を行ってから、ワイピングする回復方法
3)ヘッドよりも上流側、例えばカートリッジ側からの加圧により、ノズルに連通する液室内の気泡をノズルから排出する回復方法。
上記回復方法1)の長所としては、空吐出のみによる回復方法のため、簡便でメンテナンスにかかる時間も短い。一方、気泡の容量が大きいと、空吐出の駆動を強くしても滴が吐出せず、気泡を排出するには十分ではないといった短所がある。
上記回復方法2)の長所としては、外部からの強制的な吸引動作を行うので、液室内に発生する流速が速く、気泡がノズルから排出されやすい。一方、液室全体に気泡が存在していたり、液室の内部構造に引っかかっていたりするような液室では、吸引時に気泡の膨張にエネルギーが使われたり、液室内の抵抗となったりするため、気泡の存在しない正常な液室に比べると、インクの流れが相対的に遅くなる。そのため気泡の存在する液室のみ、インクが流れにくくなり、ノズル異常の回復性が悪いといった短所もある。
上記回復方法3)の長所としては、ヘッド上流からの一様な加圧が、気泡が収縮する方向に働くので、液室内に詰まっている気泡が液室内壁から離れやすくなり、ノズルから排出されやすい。また、ヘッドタンクにはインクの正転送液により正圧の作用が働くため、ノズルからインクを吸い込む作用は小さく、混色が発生しにくいという長所もある。一方で、加圧しすぎると、ノズルからインクが垂れ、機内を汚染するという懸念点や、各種構成部品の接続部からインクが漏れ、ヘッド電装部品に付着すると、電流が流れ、電装基板を破損するといった懸念点がある。また、ヘッドタンクに溶着されたフィルムの溶着箇所が破れてインクが機内に噴出するといった懸念点もある。
なお、本明細書では、ヘッド上流側のカートリッジから、下流側のヘッドタンクやヘッド側に向けて送液ポンプを駆動する動作を正転送液と呼び、逆に、下流のヘッドタンク側から、上流側のカートリッジに向けて送液ポンプを駆動する動作を逆転送液と呼ぶ。
次に、回復動作において、正転送液にて加圧しすぎると、ノズルからインクが垂れ、機内を汚染するという現象の詳細について説明する。
シリアル方式のインクジェット記録装置では、一般的な構成として、装置本体に対して相対的に移動するキャリッジの中に、ヘッドタンクと記録ヘッドが備えられている。ヘッドタンクには、収容するインク量に応じて動作するフィルムがあり、このフィルムに追随して動作する変位レバーを、本体側に備えた位置センサ(例えばフォトセンサ等で構成される)を用いて検出する。
この位置センサは本体側の一箇所にのみ固定されており、キャリッジに搭載されている複数のヘッドタンクに応じた複数の変位レバーを検知可能である。そのため、インク供給ポンプの正転送液による加圧を行う際に、変位レバーの検出位置と、吸引キャップでのキャッピング位置は相対的に異なっているため、吸引キャップでヘッドノズル面をキャッピングすることが出来ず、ヘッドノズル面に対して、吸引キャップは離間したままである。従って、変位レバー検出動作を行いながらインクを正転送液すると、記録ヘッドのノズルからインクが漏れて、維持回復機構内を汚染する可能性がある。
次に、各種構成部品の接続部からインクが漏れるという現象や、ヘッドタンクに溶着されたフィルムの溶着箇所が破れてインクが機内に噴出するという現象の詳細について説明する。
各種構成部品の接続部やフィルムの溶着箇所は、あらかじめシール性・溶着強度に対する設計及び評価を行っているが、過剰な圧力が付与されると、インク漏れや溶着破れが生じてしまう。インク漏れや溶着破れが発生する圧力を加圧の上限とすると、加圧上限を十分に下回る圧力が、正転送液の目標となる。
従来技術では、送液ポンプの送液速度は、ポンプ自体の個体差や、環境の変化によりばらつくため、すべて一律の送液時間で送液することが難しい。例えば、図17のグラフに示すように、送液ポンプの送液速度(ml/sec):Qが、Q1〜Q3までの範囲でばらつくと、加圧目標値P1に到達するまで時間が、t1〜t3のようにばらつきが生まれる。
また、ポンプ個体差や環境変化に応じた送液時間のテーブルを内部的に用意して送液時間を制御する場合には、本体製造工程におけるポンプ検査に時間がかかったり、内部メモリーのコストアップになったりと、コストアップを招いてしまう。
そこで、本発明では、加圧時における記録ヘッドのノズルからのインク垂れは、キャップ等でのキャッピングを実施することで回避する。また、最適な送液時間を設定するために、メンテナンス実施前に送液速度を学習し、これに基づいて送液時間を決定することで、送液ポンプの個体差や、環境変化による影響を受けないメンテナンス方法を実現するとともに、記録ヘッド内に発生、滞留している気泡を、効率よく確実に排出するようにしたものである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一例であるインクジェット記録装置の概略構成を示す側面方向からの断面図である。また、図2は、そのインクジェット記録装置における記録部の要部平面図である。
図1,2に示すインクジェット記録装置において、フレーム121を構成する左右の側板121A、121Bに横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とでキャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して図2で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。本実施形態のインクジェット記録装置はシリアル型画像形成装置であり、記録ヘッドが主走査方向に移動しながらインクを吐出して画像を形成する。
上記キャリッジ133には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個の液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッド134を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド134は、図示しない制御部との間でハーネス(フレキシブルプリントケーブル)122を介して接続されている。また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のヘッドタンク135を搭載している。この各色のヘッドタンク135には各色のインク供給チューブ136を介して、カートリッジ装填部104に装着された各色のインクカートリッジ110から各色のインクが補充供給される。なお、このカートリッジ装填部104にはインクカートリッジ110内のインクを送液するためのポンプユニット124が設けられている。
一方、給紙トレイ102の用紙積載部(圧板)141上に積載した用紙142を給紙するための給紙部として、用紙積載部141から用紙142を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)143及び給紙コロ143に対向し摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
また、給紙部から給送された用紙142を静電吸着して記録ヘッド134に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト151を備えている。搬送ベルト151は、図示しない副走査モータによってタイミングベルトを介して搬送ローラ152が回転駆動されることによって図1の時計回り方向に周回移動する。
また、排紙部には、分離爪173、排紙ローラ174、排紙コロ175、排紙トレイ103等が備えられる。さらに、装置本体101の背面部には両面ユニット171が着脱自在に装着されている。両面ユニット171の上面は手差しトレイ172としている。
そして、図2に示すように、キャリッジ133の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド134のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む維持回復機構181を配置している。
この維持回復機構181には、記録ヘッド134の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という)182a〜182d(区別しないときは「キャップ182」という)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード183と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け184などを備えている。ここでは、キャップ182aを吸引及び保湿用キャップとし、他のキャップ182b〜182dは保湿用キャップとしている。
そして、この維持回復機構181による維持回復動作で生じる記録液の廃液、キャップ182に排出されたインク、あるいはワイパーブレード183に付着してワイパークリーナで除去されたインク、空吐出受け194に空吐出されたインクは図3に示す廃液タンク186に排出されて収容される。
図3は、本実施形態のインクジェット記録装置における、記録液の送液に関わる構成を示す概略図である。図に示すように、メインタンクであるインクカートリッジ110からインクをヘッドタンク135に送液する送液ポンプ124と、ヘッドタンク135内のインクを吸引する吸引ポンプ185と、ヘッドタンク135内に負圧を発生させるバネ138と、ヘッドタンク135の一面を封止してタンク内に収容するインク量に応じて変位するフィルム139と、このフィルム139に追随して動作する変位レバー161と、変位レバー161の位置を検出して変位レバーの開き量を検出する位置センサ162と、送液ポンプ124及び吸引ポンプ185を制御するとともに各種センサからの情報を処理し後述する回復動作などの制御をつかさどる制御部160と、吸引ポンプ185で吸引したインクを溜めておく廃液タンク186と、ヘッドタンク135内の負圧状態を大気状態に開放する大気開放弁187と、ヘッドタンク135の近傍に設けられてヘッドタンクの周辺温度を検出する温度センサ163と、ヘッドタンク135の近傍に設けられてヘッドタンクの周辺湿度を検出する湿度センサ164と、ヘッドタンク内のインク液面高さを検知する電極ピン165とを備えている。
図4は、記録ヘッド134を構成している圧電素子を利用した液体吐出ヘッドの構成を示す断面図である。
この液体吐出ヘッドは、流路部材(個別液室基板)1と、この流路部材1の下面に接合した振動板10と、流路部材1の上面に接合したノズルプレート2とを有し、これらによって液滴(液体の滴)を吐出するノズル3が連通する加圧液室(個別流路)5を形成している。各加圧液室5には、振動板10に設けた連通部10a、流路部材1に形成した連通部7及び流体抵抗部6を介して、共通液室8からインク(記録液)が供給される。
ノズルプレート2には多数のノズル3が形成されており、そのノズル3は連通管4を介して加圧液室5に連通している。また、共通液室8はフレーム部材17に形成されている。そして、圧電素子11は、支持基板13上に固定配置され、連結部12を介して振動板10に連結されている。
このように構成した液体吐出ヘッドにおいては、例えば圧電素子11に印加する電圧を基準電位から下げることによって圧電素子11が収縮し、振動板10が下降して加圧液室5の容積が膨張することで、加圧液室5内にインクが流入し、その後圧電素子11に印加する電圧を上げて圧電素子11を積層方向に伸長させ、振動板10をノズル3方向に変形させて加圧液室5の容積/体積を収縮させることにより、加圧液室5内の記録液が加圧され、ノズル3から記録液の滴が吐出(噴射)される。
さて、本実施形態のインクジェット記録装置では、インク吐出機能を正常な状態に回復するための回復動作として、加圧による回復方法を実施可能となっている。そして、メンテナンス(回復動作)実施前に送液速度を学習し、これに基づいて送液時間を決定することで、送液ポンプの個体差や、環境変化による影響を受けないメンテナンスを実現することができる。
以下、本実施形態における加圧メンテナンスの制御について図5のフローチャートを参照して説明する。なお、ヘッドタンク135に付設された変位レバー161の状態を示す図6や、インク供給系の構成を示す図3など、他の図面も適宜参照しながら説明を行なう。
メンテナンス開始前のヘッドタンク135内には負圧が形成されており、変位レバー161は、ヘッドタンク内側に向かって閉じている(図6(a))。
メンテナンスが開始されると、図5のフローチャートに示すように、まず第1ステップ(S1〜S5)の処理が行なわれる。すなわち、大気開放弁187を開けて、密閉された状態からヘッドタンク135内の負圧を解除した後に、ヘッドタンク内に設けられた電極ピン165で検知するまで、送液ポンプ124でインクを送液してから、大気開放弁187を閉じる。電極ピン165は、2本の電極間のインピーダンスの変化を検知するものであり、インク液面が上昇しインクに浸かると、インピーダンスの変化から、制御部160がインク有りと判断し、送液ポンプ124のインク送液を停止する構成となっている。
S5時点での変位レバー161の位置は、メンテナンス開始前(図6(a))よりも外側に開いた状態(図6(b))となる。この時の、変位レバー161の位置を変位レバーの初期位置と呼ぶ。この変位レバーの初期位置を、ヘッドタンク135内が満タンである場合の変位レバー位置(満タン位置)と定義する。
続いて、この変位レバーの初期位置を記憶するために、第2ステップ(S6〜S10)の処理が実施される。これは、変位レバー161の検知開始位置へキャリッジ133を移動させ、その後、再度キャリッジの移動を開始し、終了位置に移動するまでに、位置センサ162にて検知した位置を、変位レバーの初期位置として記憶する。
続く第3ステップ(S11〜S14)では所定量の逆転送液を行う。これは、変位レバー161の移動量とヘッドタンク135からのインク排水量の関係を図7のグラフのように別途求めておき、この関係に基づいて所定量の逆転を送液ポンプ124にて行う。送液ポンプの逆転によりカートリッジ110側にインクを戻すと(図7中、横軸のプラス側)、変位レバー161は図7中、縦軸のマイナス側に線形に移動する。
この動作の意図するところは、満タン状態から、所定量の逆転送液を実施することで一旦、負圧を形成し、後述の正転送液時間算出のための開始状態を作り出すことである。
送液ポンプ124の正転により、ヘッドタンク135側へインクを供給した場合は、変位レバー161は線形に移動しない(図7)。これはヘッドタンクに貼ってあるフィルム139が、内側へは線形に変位するようにあらかじめ伸ばされてヘッドタンクに溶着されているが、外側に伸びるようには溶着されていないので、線形に変位できないからである。また、フィルムが変形しにくい分、圧力の逃げ場が無いのでヘッドタンク内の圧力も上昇しやすく、少ない供給量でも所望の圧力を得ることができる。但し、無理にインクを送液して変形させると、フィルムの塑性領域の変形となり、復元性がなくなるので機能を果たさなくなる。そのため、このフィルム139が塑性変形しない領域で、インクを供給し、加圧することも重要である。フィルムが塑性変形を起こさない領域で、十分な回復性を備えた加圧を行うことは可能であり、後述する加圧用正転送液時間を算出する際の一因となる。
更には、後述する学習により求めた正転送液速度は、図7グラフ横軸の供給量増加側でも使用することが可能である。これは、送液ポンプ124がチュービングポンプのような一定体積量を供給する構成であることと、チュービングポンプのチューブを押し潰すコロを駆動する力が十分大きいためヘッドタンク側の圧力が上昇しても送液速度が影響を受けないことと、ヘッドタンクのバッファに留まりきらないインクは、圧力に応じて記録ヘッド134のノズルからインクが排出されるためである。
なお、ヘッドタンク135の周りにはキャリッジ133の壁面が存在するため、変位レバー161がある量移動すると、この壁面にぶつかり、移動できなくなるので、変位レバーの位置によりヘッドタンク内の圧力の検出はできない。
そして、所定量の逆転送液(S14)により図8のように変位レバー161がヘッドタンク135の内側方向に移動する。この所定量の逆転を行った後の変位レバーの位置を負圧形成位置と呼ぶ。
第4ステップ(S15〜S18)では、変位レバー161を用いて、前記変位レバーの初期位置として検出できる位置に、キャリッジ133を移動させた後、送液ポンプ124を用いて正転送液を行う。また、正転送液を開始すると同時に、図9の制御部160に設けられた送液時間計測部166にてタイマーの計測を開始し、位置センサ162にて変位レバー161を検知したと同時に、タイマーの計測を終了する。
すなわち、前記負圧形成位置から、前記変位レバーの初期位置まで、直前の逆転送液した前記所定量分のインクが正転送液されると共に、正転送液に要した時間を計測することが出来る。
なお、制御部160が備えている機能をブロック図で示すと図9に示すようになる。すなわち、送液時間計測部166のほか、インク量記憶部167、正転送液速度算出部168、加圧用正転送液時間決定部169を備えるものである。
第5ステップ(S19)では、制御部160において、前記所定量の逆転を行った際のインク量(すなわち正転送液したインク量)と、前記正転送液に要した時間から、送液速度を算出する。
また、第6ステップ(S20〜S24)では、キャリッジ133を移動して、メンテナンス対象の記録ヘッド134に対して、吸引キャップ182によるキャッピングを行う。これは、次に実施する正転送液に伴い、ノズルからインクが垂れるので、機内の汚染防止のためである。続いて、制御部160にて求めた加圧用の正転送液時間に到達するまでインクを送液することで、ヘッド134とヘッドタンク135を加圧する。
次に、加圧用の正転送液時間決定の詳細について説明する。
加圧用正転送液時間は、送液ポンプ124の送液速度に応じて、所定の送液量になるように、加圧用正転送液時間を決めればよい。
具体的には、次の式1の関係が成り立っている
加圧用正転送液時間[秒]=送液量[ml]÷送液速度[ml/秒]…(式1)
これをグラフに示したのが図10である。図10のグラフ横軸は送液速度である。また、縦軸は左側が送液時間、右側が送液量を示す。すなわち、加圧用正転送液時間は、送液速度と反比例の関係にある。したがって、送液ポンプの送液速度によらず、一定の送液量を得るために、上記(式1)を用いて、各送液送度に対応する加圧用送液時間を算出すればよい。
一方、この(式1)から求められる加圧用正転送液時間まで、インクを送液すれば、送液ポンプの個体差や、環境の変化によらずに、均一な圧力をヘッド内に確実に付加することが出来る。
更に、この圧力を、前述した「加圧上限を十分に下回る圧力」として設定することで、各種構成部品の接続部からのインク漏れや溶着破れなどの現象が発生しなくなる。また、フィルム139の弾性変形領域内での加圧が可能となるので、フィルムの機能を保ったまま、加圧メンテナンスすることも可能となる。
加圧による回復方法の効果として、インクカートリッジからの正転送液により加圧された場合、吐出ヘッドの加圧液室内に詰まった気泡には、図11の矢印の方向に気泡を収縮する向きの力が働く。これにより、液室内壁に引っかかっていた気泡と液室内壁の間に隙間が生じる。この隙間からインクの流れが生じるので、気泡が流れやすくなり、ノズルから排出される効果が生まれる。従って、加圧すればするほど、気泡にかかる圧力も高くなり、(図11に点線で示すように)気泡が小さく変形するので、排出性が向上し、ノズル回復性が向上する。
次に、図5で説明した加圧メンテナンスに続いて行なわれる、後処理工程について説明する。
本実施形態では、加圧による回復の後に、適切な後処理(負圧形成工程)を行うことで、ノズルからの吐出を可能な状態に移行させるようにしている。
図12は、負圧形成工程の実施例1を示すフローチャートである。なお、加圧メンテナンスを含むフローとして示してある。
加圧メンテナンスを実施した後は、ヘッドやヘッドタンクに正圧が付与されており、ノズル面にインクが染み出している可能性があるので、適切な滴速度と滴体積による印字吐出を行うことが難しい。そこで、ワイピングにより、ノズル面に染み出したインクを除去し、ノズルにメニスカスを形成してから、空吐出を行うことで、適正な負圧となるまでインクを排出する。
具体的な処理手順は、図12のフローに示すように、加圧メンテナンス工程(S31)が終了し、負圧形成工程が開始されると(S32)、吸引キャップ182を下降させ(S33)、ワイパーブレード183(図2)によりノズル面のワイピングを行なう(S34)。そして、空吐出を行い(S35)、負圧形成工程を終了する(S36)。
負圧形成工程の実施例2を図13のフローチャートに示す。ここでも加圧メンテナンスを含むフローとして示してある。
加圧メンテナンス実施後、吸引キャップ182に連通した吸引ポンプ185を用いて、ノズルからインクを吸引し、ヘッドタンク135内に負圧を形成する。その後、吸引キャップ182を下降し、ワイピングにより、ノズルにメニスカスを形成した後、空吐出を行うことで、混色したインクの排出と、適正負圧の形成を行う。具体的な処理手順は図13のフローに示すとおりである。
空吐出のみで適正負圧まで排出する実施例1よりも、ノズルからインクを吸引する時間は十分短いため、メンテナンスの時間が短縮できるメリットがある。また、加圧メンテナンスで液室内に気泡がわずかに残ったとしても、吸引により排出できる可能性もある。
負圧形成工程の実施例3を図14のフローチャートに示す。ここでも加圧メンテナンスを含むフローとして示してある。
加圧メンテナンス実施後、吸引キャップ182を下降し、ワイピングにより、ノズルにメニスカスを形成した後、送液ポンプの逆転送液により負圧を形成してから、空吐出を行い、適正負圧を形成する。具体的な処理手順は図14のフローに示すとおりである。このフローのS55〜S58が、送液ポンプの逆転送液により負圧を形成する処理である。
実施例1及び2が、機外にインクを排出することで負圧形成を行うのに対し、実施例3は逆転送液によって、カートリッジ110側にインクを戻すことで負圧を形成するので、メンテナンスのインク消費量が少ないというメリットがある。
ところで、装置構成が、複数色のヘッドを一度に吸引する構成の場合には、実施例2(図13)の方法で後処理を実施すると、吸引が終わって、吸引キャップをヘッドから離間させる際に、ヘッドタンクの負圧により、ノズル面のインクがヘッド液室内部に吸い込まれ、混色と呼ばれる色が混ざってしまうノズル異常が発生するので、吸引とワイピング動作の後に、空吐出呼ばれる混色インクを排出する動作が発生し、メンテナンスインクの消費量が増えてしまう。
その点、図14の実施例3では、ワイピングしてノズル面に残存したインクを拭き取ってから、送液ポンプの逆転で負圧形成するので、ヘッド液室内部に吸い込まれるインク量が少なく、その分、空吐出に必要なメンテナンスインク量も図13の実施例2に比べ、減らすことが出来る。なお、単色のヘッドや混色しない構成の場合は、空吐出を実施しなくてもよい。
次に、図5のフローチャートの第3ステップ(S11〜S14)として記載した「所定量の逆転送液」の所定量の求め方の詳細を、図15のフローチャートを参照して説明する。
図15のフローにおいて、まず第1ステップ(S101〜S105)の処理は、大気開放弁187を開けて、密閉された状態からヘッドタンク135内の負圧を解除した後に、ヘッドタンク内に設けられた電極ピン165で検知するまで、送液ポンプ124でインクを送液してから、大気開放弁187を閉じる。前記電極ピン165は、インク液面が上昇しインクに浸かると、2本の電極間のインピーダンスの変化から、制御部160がインク有りと判断し、送液ポンプ124のインク送液を停止する構成となっている。
S105時点での変位レバー161の位置は、外側に開いた状態(図6(b)参照)となる。この時の、変位レバー161の位置を変位レバーの初期位置と呼ぶ。この変位レバーの初期位置を、ヘッドタンク135内が満タンである場合の変位レバー位置(満タン位置)と定義する。
続いて、この変位レバーの初期位置を記憶するために、第2ステップ(S106〜S110)の処理が実施される。これは、変位レバー161の検知開始位置「1」へキャリッジ133を移動させ、その後、再度キャリッジの移動を開始し、終了位置に移動するまでに、位置センサ162にて検知した位置を、変位レバーの初期位置として記憶する。
続く第3ステップ(S111〜S115)では吸引とワイピングを行なう。すなわち、変位レバー学習対象の記録ヘッドに対して、吸引キャップ182で吸引可能な位置に、キャリッジ133を移動し、吸引キャップ182を上昇し、キャッピングする。その後、吸引ポンプ185による吸引を実施し、ワイピング動作を行う。この吸引により排出した体積に応じて、変位レバーはある量、変位する。
第4ステップ(S116,S117)では空吐出を行なう。すなわち、変位レバー学習対象の記録ヘッドに対して、吸引キャップの上に移動し、吸引キャップに向けて、空吐出を実施する。この空吐出により吐出した体積に応じて、変位レバー161もある量、変位する。
第3ステップで実施した吸引と第4ステップで実施した空吐出を合計した量が、図16のグラフ横軸に示した「吸引と空吐出によりインクを排出した量:A」に対応する。一方、このAに対応して、吸引と空吐出に伴い変位レバー161が変位した量が、図16のグラフ縦軸に示した「変位量:B」に対応する。
上記吸引と空吐出を実施した後の、変位レバー161の位置は、内側に閉じた状態となる。この時の、変位レバーの位置を負圧形成位置と呼ぶ。
続いて、この負圧形成位置を記憶するために、第5ステップ(S118〜S123)の処理が実施される。これは、変位レバーの検知開始位置「2」へキャリッジ133を移動する。この後、再度キャリッジの移動を開始し、終了位置に移動するまでの間に、位置センサ162にて変位レバー161を検知した位置を、負圧形成位置として記憶する。
さらに、変位レバーの初期位置と負圧形成位置の差分:Bを計算し記録する。この差分が図16グラフにおける「吸引と空吐出に伴い変位レバーが変位した量:B」である。すなわち、Bさえ記憶しておけば、図16の関係に基づき、所定のインク量を自在に正転あるいは逆転送液することが可能となる。
本発明では、事前に学習した、変位レバーの初期位置と負圧形成位置の差分:Bを、現在の変位レバーの初期位置に加味することで、所定量の逆転を実施する変位レバーの目標位置となる負圧形成位置を割り出す。
なお、変位レバーの初期位置は機内の湿度に応じてヘッドタンク材質に含まれる材料自体が膨潤するので、多少変化し、常に同じ位置とはならない。しかし、学習時の変位レバーの初期位置と負圧形成位置は差分であるため、材料の膨潤による影響はキャンセルされるので、環境の影響を受けないという長所がある。
また、吸引ポンプによる吸引量は、環境が変化した場合でも一定量の排出が行なえるように、内部的に記録された(例えばテーブルとして、制御部のメモリに格納した)環境に応じた補正係数により、吸引ポンプ185の回転数が補正されるので、一定の吸引量を排出できる。空吐出に関しても、環境が変化しても一定の量を吐出可能なように、、内部的に記録された環境に応じた補正係数により、吐出ヘッドの圧電素子の駆動電圧を補正するので、一定の空吐出量を吐出できる。
更に、変位レバーの変位量は、一定の吸引量と空吐出量に対する変位レバーの初期位置と負圧形成位置との差分の量であり、環境やマシンの寿命に影響を受けず、排出量(図16グラフの横軸に相当)とヘッドタンクの特性(図16グラフの直線の傾きに相当)で定まるパラメータなので、学習は少なくとも一度実施すればよい。
例えば、ユーザー先に着荷して初めて、インクを充填する際の初期充填メンテナンスの中で実施してもよい。
ただ、必要に応じて、ユーザーの指示により学習可能なように、記録装置が備える操作パネル(図示せず)から実行できるようにしてもよい。
なお、図15のフローチャートでは吸引と空吐出の両方を含む制御フローであるが、少なくともどちらか一つで行ってもかまわない。
上記説明したように、本発明の吐出ヘッド回復方法によれば、送液ポンプの送液速度を学習し、この学習した送液速度を元にして適正な送液時間(加圧用正転送液時間)を求め、その適正な送液時間だけ吐出ヘッドに液体を送液加圧してノズルから液体を排出させる(加圧による回復を行なう)ので、液体吐出装置の構成としては従来構成のものであっても、適正な圧力での加圧を行なって、十分な回復性を得ることができる。
また、加圧による回復動作を実施した後に、負圧形成工程を実施することで、適切な後処理によって、回復動作実施後のノズルを、(通常の)吐出を行なえる状態に移行させることができる。
また、加圧用正転送液時間を求める過程での、逆転送液時の所定量が、吸引動作により吸引した際の変位レバーの変位量と、吐出ヘッドからの空吐出に応じて変位レバーが変位した量の、少なくとも一方を含むことで、環境の影響を受けずに適正な送液時間を求めることができる。
また、回復動作のための加圧用正転送液が、ヘッドタンクのフィルムが塑性変形を起こさない領域での加圧であることにより、フィルムの復元性を損なうことがなく、適正な機能を維持することができる。
以上、本発明を図示の実施形態により説明したが、本発明は図示の構成や制御例に限定されるものではない。また、液滴吐出装置におけるヘッドタンクの構成や、変位レバーの構成、変位レバーの変位を検知する構成、ヘッドタンク内の圧力を検知する構成、あるいはインクカートリッジからのインク供給機構なども、本発明を適用できる範囲で適宜変更可能である。
また、画像形成装置におけるインクの色数や、インクカートリッジ(メインタンク)の個数等も任意である。また、カラー画像形成装置に限らず、モノクロ装置にも本発明は適用可能である。そして、画像形成装置としてはプリンタに限らず、複写機やファクシミリ、あるいは複数の機能を備える複合機等、任意の形態を採用可能である。
3 ノズル
5 加圧液室
10 振動板
11 圧電素子
110 インクカートリッジ(メインタック)
124 送液ポンプ
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 ヘッドタンク(サブタンク)
160 制御部
161 変位レバー
162 位置センサ
182 キャップ部材
185 吸引ポンプ
187 大気開放弁
特開2005−144939号公報

Claims (6)

  1. ノズルから液滴を吐出する吐出ヘッドと、該吐出ヘッドに付設されるヘッドタンクと、該ヘッドタンク内に収納した液体の量に応じて変位する変位レバーと、該変位レバーの位置を検知する位置検知手段と、液滴吐出装置が搭載される本体装置のメインタンクと前記ヘッドタンクとの間で正転送液又は逆転送液が可能な送液ポンプとを備える液滴吐出装置における吐出ヘッド回復方法おいて、
    前記吐出ヘッドの回復動作実施時に、前記変位レバーの初期位置を記憶した後、前記ヘッドタンクから前記メインタンクに所定量の液体を逆転送液し、
    続いて、前記変位レバーが前記初期位置に到達するまで、前記メインタンクから前記ヘッドタンクに液体を正転送液し、該正転送液の開始から前記変位レバーが前記初期位置に到達するまでの送液時間を記録し、
    前記送液時間と前記逆転送液時の所定量から正転送液速度を算出し、
    該正転送液速度に基づいて、加圧による前記吐出ヘッド回復動作のための加圧用正転送液時間を決定し、該加圧用正転送液時間だけ前記吐出ヘッドに液体を送液加圧して前記ノズルから液体を排出させることを特徴とする吐出ヘッド回復方法。
  2. 前記加圧用正転送液時間だけ前記吐出ヘッドに液体を送液加圧した後に、負圧形成工程を実施することを特徴とする、請求項1に記載の吐出ヘッド回復方法。
  3. 前記逆転送液時の所定量が、吸引動作により吸引した際の前記変位レバーの変位量と、前記吐出ヘッドからの空吐出に応じて前記変位レバーが変位した量の、少なくとも一方を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の吐出ヘッド回復方法。
  4. 前記変位レバーが、前記ヘッドタンクの一面を封止してタンク内に収納した液体の量に応じて変位するフィルムに追随して変位するものであり、
    前記回復動作のための加圧用正転送液が、前記フィルムが塑性変形を起こさない領域での加圧であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吐出ヘッド回復方法。
  5. ノズルから液滴を吐出する吐出ヘッドと、該吐出ヘッドに付設されるヘッドタンクと、該ヘッドタンク内に収納した液体の量に応じて変位する変位レバーと、該変位レバーの位置を検知する位置検知手段と、当該液滴吐出装置が搭載される本体装置のメインタンクと前記ヘッドタンクとの間で正転送液又は逆転送液が可能な送液ポンプとを備え、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の回復方法で前記吐出ヘッドの回復動作を実施することを特徴とする液滴吐出装置。
  6. 液滴吐出装置を具備し、該液滴吐出装置の吐出ヘッドの回復動作を、請求項1〜4のいずれか1項に記載の回復方法で実施することを特徴とする画像形成装置。
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