以下、本発明の実施の形態におけるLED駆動装置を用いた照明器具について説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるLED駆動装置を用いた照明器具の構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、照明器具100は、LED駆動装置1と、LEDモジュール10と、調光制御装置20とを備えている。照明器具100は、LEDモジュール10が駆動されて点灯することで、照明を行う。
LED駆動装置1は、LEDモジュール10に接続されている。LED駆動装置1は、LEDモジュール10を駆動する。
本実施の形態において、LED駆動装置1は、調光制御装置20に接続されている。調光制御装置20は、LED駆動装置1に対して調光指示信号Sadを出力する。LED駆動装置1は、その外部の調光制御装置20から送られた調光指示信号Sadに基づいて、LEDモジュール10の調光動作を行う。すなわち、照明器具100では、LEDモジュール10による照明の明るさを変更できる。
調光指示信号Sadは、例えば、デジタル信号である。具体的には、例えば、調光増あるいは調光減を指示する2種類の信号である。
調光制御装置20は、例えば、明るさを変更するために照明器具100に設けられているリモートコントローラである。調光制御装置20とLED駆動装置1との接続は、有線によるものであってもよいし、無線によるものであってもよい。例えば無線により調光制御装置20とLED駆動装置1とが接続されている場合、調光制御装置20に発光部が設けられ、LED駆動装置1に受光部が設けられ、両者の間で赤外線通信を行うように構成されていてもよい。
図2は、第1の実施の形態におけるLED駆動装置1及びLEDモジュール10の構成を示すブロック図である。
図2に示されるように、本実施の形態において、LEDモジュール10は、複数のLEDを直列に接続してなるLEDユニット10a,10bを有している。LEDモジュール10は、LEDユニット10aとLEDユニット10bとが並列に接続されて構成されている。
LEDモジュール10には、2つのLEDユニット10a,10bに限られず、さらに多くのLEDユニットが設けられていてもよい。例えば、3つ以上のLEDユニット10a,10b,…が互いに並列に接続されて、LEDモジュール10が構成されていてもよい。LEDユニット10a,10bは、複数のLEDを有するものに限られず、1つのLEDを有しているものであってもよい。例えば、LEDモジュール10は、1つずつ互いに並列に接続された、複数個のLEDで構成されていてもよい。LEDモジュール10は、1つの以上のLEDを有する1つのLEDユニットであってもよい。
LED駆動装置1は、降圧型コンバータ回路部(駆動回路部の一例)2と、調光制御部3とを有している。降圧型コンバータ回路部2は、LEDモジュール10に駆動電力を供給するとともに、LEDモジュール10の調光動作を行う。調光制御部3は、例えば、マイクロコンピュータで構成されている。調光制御部3には、調光指示信号Sadが入力される。調光制御部3は、調光指示信号Sadに対応する調光信号Sdを出力する。
降圧型コンバータ回路部2は、第1のスイッチ素子Q1と、コンバータ制御部4と、第1の電流設定回路5と、第2の電流設定回路6とを備えている。
第1のスイッチ素子Q1は、例えばFET(電界効果トランジスタ)である。第1のスイッチ素子Q1のドレイン端子は、インダクタL1を介してLEDモジュール10のカソード側の端子に接続されている。
コンバータ制御部4は、駆動電源Vccから電力の供給を受ける。コンバータ制御部4は、第1のスイッチ素子Q1のゲート端子に、駆動信号Spを出力するように構成されている。コンバータ制御部4は、調光信号Sdに対応して駆動信号Spを出力する。
第1の電流設定回路5と第2の電流設定回路6とは、第1のスイッチ素子Q1のソース端子とグランドとの間に、並列に接続されている。第1の電流設定回路5及び第2の電流設定回路6は、第1のスイッチ素子Q1側でコンバータ制御部4に接続されており、これにより、コンバータ制御部4には、フィードバック電圧Vfbが入力されるように構成されている。
第1の電流設定回路5は、例えば、第1の抵抗素子R1を有している。第1の抵抗素子R1は、第1のスイッチ素子Q1のソース端子とグランドとの間に配置されている。
第2の電流設定回路6は、第2の抵抗素子R2と、第2のスイッチ素子Q2(例えば、バイポーラトランジスタ)とからなる直列回路で構成されている。第2のスイッチ素子Q2は、第2の抵抗素子R2とグランドとの間に配置されている。第2のスイッチ素子Q2のベース端子には、調光制御部3が接続されている。調光制御部3は、第2のスイッチ素子Q2のベース端子に、電流設定制御信号(制御信号の一例)Scを出力する。第2のスイッチ素子Q2は、電流設定制御信号Scに応じて、オン/オフ動作を行う。
なお、LEDモジュール10のアノード側の端子は、直流電源Vdcに接続されている。LED駆動装置1は、LEDモジュール10に出力電流Ioを供給し、LEDモジュール10を駆動する。インダクタL1のLEDモジュール10側の端子と、直流電源Vdcからの電源供給ラインとの間には、コンデンサC1が配置されている。また、インダクタL1の第1のスイッチ素子Q1側の端子と、直流電源Vdcからの電源供給ラインとの間には、ダイオードD1が配置されている。
[調光時の動作の説明]
コンバータ制御部4は、調光制御部3から入力される調光信号Sdに応じたフィードバック電圧Vfbになるように、駆動信号Spを生成し、生成した駆動信号Spを第1のスイッチ素子Q1に出力する。これによって、コンバータ制御部4は、LEDモジュール10に調光信号Sdに応じた一定の出力電流Ioが流れるように制御する。
ここで、このようにLEDモジュール10が駆動されているとき、調光制御部3は、電流設定制御信号Scを出力して第2の電流設定回路6の動作状態を制御する。これにより、調光制御部3は、調光信号Sdに対する出力電流Ioの調整範囲と、調光信号Sdに対する出力電流Ioの変化特性とを切り替える。本実施の形態においては、調光制御部3は、第2のスイッチ素子Q2をオン状態かオフ状態か切り替えることで、第2の電流設定回路6がオン状態であるかオフ状態であるかを切り替える。
このように第2の電流設定回路6の動作状態がオン状態とオフ状態とで切り替えられることで、出力電流Ioの調整範囲が、2種類の調整範囲の一方から他方に切り替えられる。すなわち、調光制御部3により第2の電流設定回路6の動作状態がオン状態とされるとき、出力電流Ioの調整範囲は、第1の出力電流調整範囲となる。また、調光制御部3により第2の電流設定回路6の動作状態がオフ状態とされるとき、出力電流Ioの調整範囲は、第2の出力電流調整範囲となる。
本実施の形態では、調光制御部3から出力される電流設定制御信号ScがHighレベルのとき、第2の電流設定回路6の動作状態は、オン状態(オン動作)となる。このとき、第1の電流設定回路5と第2の電流設定回路6とにより第1の出力電流調整範囲が設定される。これにより、第1の電流設定回路5と第2の電流設定回路6とで設定される合成抵抗Roの値により、出力電流Ioの大きさの調整範囲が決定される。
具体的には、例えば次の通りである。すなわち、第1の抵抗素子R1と、第2の抵抗素子R2と、第2のスイッチ素子Q2の内部抵抗とで合成抵抗値が決定される。ここでは、説明の簡略化のため、第2のスイッチ素子Q2の内部抵抗の値をゼロとみなし、考慮しないこととする。第1の出力電流調整範囲では、フィードバック電圧Vfbを0.5V、第1のスイッチ素子Q1からグランドに流れる電流Is1の最大値Is1maxを400mAとした場合、合成抵抗Roの値は、次式で示される。
(合成抵抗Roの値)=0.5V/0.4A=1.25Ω
ここで、Ro=1/(R1‖R2)の関係が成り立つ(ここで記号‖は、加算値/乗算値を意味する。)。したがって、第1の抵抗素子R1の抵抗値を12.5Ωとすると、第2の抵抗素子R2の抵抗値は1.39Ωであればよい。このとき、調光信号Sdの調整率が1〜100倍とすると、電流Is1の最小値は4mAとなる。
他方、調光制御部3から出力される電流設定制御信号ScがLowレベルのとき、第2の電流設定回路6の動作状態は、オフ状態となる。このとき、第1の電流設定回路5により第2の出力電流調整範囲が設定される。すなわち、第1の電流設定回路5の第1の抵抗素子R1で設定される抵抗値により、出力電流Ioの大きさの調整範囲が、第2の出力電流調整範囲に移行する。
具体的には、例えば、第2の出力電流調整範囲では、第1の抵抗素子R1の抵抗値が12.5Ωである場合、第1のスイッチ素子Q1からグランドに流れる電流Is2の最大値Is2maxは、次式で示される。
Is2max=0.5V/12.5Ω=40mA
この値40mAは、第1の出力電流調整範囲に対して、第1の出力電流調整範囲における出力電流が40mAのとき(調光信号Sdの大きさが第1の所定値のとき)と一致する。
[調光制御部3の構成の説明]
図3は、調光制御部3の構成を示すブロック図である。
図3に示されるように、調光制御部3は、大まかに、動作設定部21と、調光信号生成部25とを有している。
動作設定部21は、調光情報制御部22と、制御情報記憶部23と、制御信号生成部24とを有している。動作設定部21は、調光指示信号Sadに基づいて、調光信号設定情報Sa及び電流設定制御信号Scを出力する。
制御情報記憶部23は、例えば不揮発性メモリである。制御情報記憶部23には、調光指示信号Sadの大きさと出力電流Ioの調整範囲との対応関係に関する情報が、記憶情報として予め記憶されている。また、制御情報記憶部23には、調光指示信号Sadの大きさと調光信号Sdとの対応関係に関する情報が、記憶情報として予め記憶されている。すなわち、制御情報記憶部23には、調光指示信号Sadの大きさと、それに対応する第2の電流設定回路6の動作状態や調光信号の大きさに関する情報が、予め記憶されている。
調光指示信号Sadが入力されると、調光情報制御部22は、調光指示信号Sadに対応する指定信号Srを制御情報記憶部23に出力する。指定信号Srは、例えば、制御情報記憶部23のアドレスを指定する信号である。調光情報制御部22は、指定信号Srによって指定されたアドレスの記憶情報を、制御情報Stとして読み込む。すなわち、調光情報制御部22は、調光指示信号Sadに対応する制御情報Stを、調光情報制御部22から読み込む。
なお、本実施の形態において、制御情報Stは、次のような情報である。
図4は、制御情報Stの詳細例を示す図である。
図4に示されるように、制御情報Stは、制御信号設定情報Sbを有する第1の情報領域Staと、調光信号Sdの大きさを設定する調光信号設定情報Saを有する第2の情報領域Stbとを含んでいる。
本実施の形態において、制御情報Stは、例えば、16進数の4桁の数値「13FF」を含んでいる。なお、「h」は、「13FF」が16進数での表記であることを示す記号である。
制御情報Stの第1の桁の数字(図4の例では「1」)は、第1の情報領域Staであって、制御信号設定情報Sbを表すものである。制御信号設定情報Sbは、「0」又は「1」のいずれか一方をとりうる。制御信号設定情報Sbは、電流設定制御信号Scに対応する情報すなわち第2の電流設定回路6の動作状態に対応する情報である。
図5は、制御信号設定情報Sbと電流設定制御信号Scとの対応関係の一例を示す図である。
図5に示されるように、制御信号設定情報Sbが「0」であることには、電流設定制御信号ScがLowレベル(「L」信号)であることが対応する。すなわち、制御信号設定情報Sbが「0」であるとき、第2の出力電流調整範囲における調光が行われる(このとき、第2の電流設定回路6がオフ動作となる。)。他方、制御信号設定情報Sbが「1」であることには、電流設定制御信号ScがHighレベル(「H」信号)であることが対応する。すなわち、制御信号設定情報Sbが「1」であるとき、第1の出力電流調整範囲における調光が行われる(このとき、第2の電流設定回路6がオン動作となる。)。
図4に戻って、第2の桁から第4の桁までの3つの数字(図4の例では「3FF」)は、第2の情報領域Stbであって、調光信号設定情報Saを表すものである。調光信号設定情報Saは、1024段階の調光レベルのどの調光レベルかを表している。図4に示される例では、調光信号設定情報Saが「3FF」となっているところ、これは1024段階の上限値であることを表している(これに対して、「000」は、例えば下限値を表す。)。
すなわち、本実施の形態では、制御情報Stは、例えば、「0000」(0)〜「03FF」(1024)の範囲の数値を含むものか、「1000」(4096)〜「13FF」(5119)の範囲内の数値を含むものとなる。
なお、このような情報領域の分かれ方は、あくまで一例にすぎず、これに限られるものではない。例えば、第1の情報領域Staと第2の情報領域Stbとの順番が逆であってもよいし、第1の情報領域Staと第2の情報領域Stbとに加えて他の情報領域を含んでいてもよい。
調光情報制御部22は、調光指示信号Sadと、それに対応する制御情報Stとに基づいて、調光信号設定情報Sa及び制御信号設定情報Sbを生成する。生成された調光信号設定情報Saは、調光信号生成部25に出力される。また、生成された制御信号設定情報Sbは、制御信号生成部24に出力される。
制御信号生成部24は、入力された制御信号設定情報Sbに基づいて電流設定制御信号Scを生成する。生成された電流設定制御信号Scは、第2の電流設定回路6に出力される。これにより、第2の電流設定回路6の動作状態が、動作設定部21により制御される。
調光信号生成部25は、PWM信号生成回路26と、信号変換回路27とを有している。調光信号生成部25は、入力された調光信号設定情報Saに基づいて調光信号Sdを生成する。生成された調光信号Sdは、コンバータ制御部2に出力される。
すなわち、調光信号生成部25に調光信号設定情報Saが入力されると、PWM信号生成回路26は、調光信号設定情報Saに基づいてPWM信号Spwmを生成する。信号変換回路27は、PWM信号生成回路26で生成されたPWM信号Spwmを、調光信号Sdに変換する。例えば、信号変換回路27は、PWM信号Spwmを直流信号である調光信号Sdに変換して出力する積分回路である。調光信号Sdとして、直流信号、あるいは、PWM信号Spwmのどちらかを用いることができるが、PWM信号Spwmを用いる場合は、信号変換回路27は省略できる。なお、以下の調光動作の具体例についての説明では、PWM信号Spwmが信号変換回路27を介さずにそのまま調光信号Sdとして出力される場合として、説明する。
[調光制御の具体例の説明(減光する(暗くする)場合)]
本実施の形態において、調光時に行われる制御動作の一例について説明する。まず、減光時の動作について説明する。
調光制御部3は、出力電流Ioの調整範囲が例えば第1の出力電流調整範囲である場合において、より暗くなるように調光を行うとき、次のように動作する。すなわち、PWM信号Spwmの大きさ(すなわち調光信号Sdの大きさ)を調光範囲の上限値から減少させて、PWM信号Spwmの大きさが第1の所定値に達したときに、第2の電流設定回路6の動作状態をオフ状態にする。そして、第2の電流設定回路6の動作状態がオフ状態とされた時刻から第1の所定時間以内に、PWM信号Spwmの大きさを調光範囲の上限値に切り替えることにより、出力電流Ioの調整範囲を第2の出力電流調整範囲に移行させる。
図6は、減光時の出力電流IoとPWM信号Spwmのオンデューティとの関係を示す。
本実施の形態では、出力電流の調整範囲におけるPWM信号Spwmのオンデューティの最大値を100%とし、第1の所定値を10%とし、最小値を1%とする。
図6において、第1の出力電流調整範囲は、出力電流IoがI4〜I1の範囲である。
第2の電流設定回路6がオン状態であるとき(電流設定制御信号ScがHighレベルであるとき)、出力電流Ioは、この第1の出力電流調整範囲で出力される。このとき、PWM信号Spwmが100%(上限値の一例)から1%(下限値の一例)に向かって直線的に下げられると、ラインADのように、出力電流IoはI4からI1に減少することになる。
ここで、点B1に示されるように、PWM信号Spwmのオンデューティが第1の所定値である10%になり、出力電流がI3になると、調光情報制御部22から出力される制御信号設定情報Sbが「1」から「0」に変更される制御が行われ、第2の電流設定回路6がオフ状態に切り替えられる(電流設定制御信号ScをHighレベルからLowレベルに切り替える。)。これにより、第2の出力電流調整範囲に移行する。
なお、このような制御は、上述のように予め制御情報記憶部23に指示信号Srと制御情報Stとの対応関係が記憶情報として記憶されていることにより、行われる。すなわち、PWM信号Spwmのオンデューティが第1の所定値である10%になるときより明るくなるような調光指示信号Sadが入力されたときには、制御情報Stの第1の位が「1」となる。PWM信号Spwmのオンデューティが第1の所定値である10%になるときより暗くなるような調光指示信号Sadが入力されたときには、制御情報Stの第1の位は、「0」となる。これにより、調光情報制御部22は、調光指示信号Sadに応じて、PWM信号Spwmのオンデューティが第1の所定値である10%になるのを境に、制御信号設定情報Sbが「1」から「0」に変更される。
このように第2の電流設定回路6をオフ状態としてから、調光情報制御部22は、PWM信号Spwmのオンデューティを100%(上限値)に切り替える。これにより、出力電流Ioが、第2の出力電流調整範囲の最大値であるI3となる(点B1→点B2→点C)。すなわち、第1の出力電流調整範囲の第1の所定値10%に対応する電流値I3は、第2の出力電流調整範囲の最大電流値I3に対応している。
このように、出力電流Ioの出力電流調整範囲を第1の出力電流調整範囲から第2の出力電流調整範囲に移行するとき、調光情報制御部22は、具体的には以下の手順で制御を行う。
図7は、減光時の調光情報制御部22の動作例を示すフローチャートである。
図7に示される処理は、LEDモジュール10の駆動中において、繰り返し行われる。
ステップS11において、調光情報制御部22は、制御信号生成部24に出力している制御信号設定情報Sb(電流設定制御信号Scの状態)と、新たに制御情報記憶部23から受け取った制御情報Stに含まれる制御信号設定情報Sbの状態とを監視する。
制御信号生成部24に出力している制御信号設定情報Sbが「1」である場合において(電流設定制御信号ScがHighレベルである場合において)、新たに受け取った制御情報Stに含まれる制御信号設定情報Sbが「0」となると、出力電流調整範囲を第1の出力電流調整範囲から第2の出力電流調整範囲に切り替える必要があると判断し、次のステップS12の処理に進む。すなわち、図6における点B1に到達した場合には、ステップS12の処理に進む。
上述の場合以外には、出力電流調整範囲の切替えを行う必要はないと判断して、ステップS14の処理に進む。すなわち、図6における点B1以外の状態(ラインAB1又はラインCDにある状態)であれば、ステップS14の処理に進む。
ステップS12において、調光情報制御部22は、制御信号設定情報Sbとして「0」を制御信号生成部24に出力することで、電流設定制御信号ScをHighレベルからLowレベルに切り替える。これにより、調光制御部3により第2の電流設定回路6がオン状態からオフ状態に切り替えられ、出力電流調整範囲が第1の出力電流調整範囲から第2の出力電流調整範囲に切り替えられる。
ステップS13において、調光情報制御部22は、PWM信号Spwmのオンデューティを第1の所定値である10%から100%(上限値)に設定する。
ステップS14において、調光情報制御部22は、制御情報記憶部23から受け取った制御情報Stに含まれる調光信号設定情報SaをPWM信号生成回路26に出力して、PWM信号Spwmのオンデューティを変更し、出力電流Ioを減少するように制御する。
なお、第2の電流設定回路6をオフ状態とした時刻から、PWM信号Spwmのオンデューティを最大値に設定するまでの時間は、第1の所定時間以内に設定されている。第1の所定時間は、ユーザがLEDモジュール10から発せられる光にちらつきを感じない(明るさにちらつきを感じない)最長の時間に相当する。例えば、具体的には、所定時間taは、20ms以下とすればよい。なお、設定できる所定時間の最短の時間は、PWM信号Spwmの1周期となる。なお、調光制御部3においてPWM信号を用いずに直流信号である調光信号Sdを出力するように構成されている場合には、設定できる所定時間の最短の時間は、より短時間にしてもよい。
図6に戻って、第2の電流設定回路6がオフしてからPWM信号Spwmのオンデューティが100%に切り替わるまでの間に、出力電流Ioは、瞬間的にI3から点B2で示されるI2に低下する。しかしながら、ユーザがLEDモジュール10のちらつきを感じないような短時間内に出力電流IoがI3に戻るため、ユーザに、出力電流Ioが低下したことによる明るさの低下を感じさせないようにすることができる。
このように第2の出力電流調整範囲に切り替えられた後、PWM信号Spwmのオンデューティが100%から調整できる最小値の1%に下がると、ラインCDのように、出力電流Ioは、I3からI1に緩やかに減少する。これにより、LEDモジュール10が、第2の出力電流調整範囲におけるPWM信号Spwmのオンデューティ1%に対応する明るさまで暗くなる(深く調光される)。このように出力電流調整範囲を切り替えて調光することにより、調光が深い領域(暗い領域)において、より細かく調光制御を行うことができる。
以上説明したように、減光させる場合には、出力電流Ioの調整範囲を第1の出力電流調整範囲から第2の出力電流調整範囲に移行して、調光信号Sdに対する出力電流Ioの調整範囲及び変化特性が切り替えられるので、以下の効果が得られる。
まず、調光を減少させるための1つの指示情報である調光指示信号Sadに対して、調光情報制御部22は、制御情報記憶部23から制御情報Stを受け取り、2つの指示情報を出力する。調光情報制御部22は、受け取った制御情報Stに基づいて、調光信号設定情報Saと制御信号設定情報Sbとを同時にかつ容易に生成することができる。したがって、調光制御部3は、調光信号Sdの生成とは別に出力電流の調整範囲を切り替えるための電流設定制御信号Scの生成を行うというような複雑な制御を行うことなく、制御情報Stに基づいて調光信号Sdと電流設定制御信号Scとを並行して生成し、容易な制御を行うことが可能である。
また、第1の出力電流調整範囲における調光信号Sdに対応するPWM信号Spwmのオンデューティが第1の所定値以下となる深い調光範囲において、出力電流Ioの調整範囲が第2の出力電流調整範囲に切り替えられる。したがって、第2の出力電流調整範囲において調光制御を行う場合には、第1の出力電流調整範囲において調光制御を行う場合に比べて、調光の微調整(緩やかに調光を下げていくこと)を行うことができる。すなわち、明るさが暗い所定の範囲において、LEDモジュール10の照度を従来よりも緩やかに低くしていくことができる。これにより、例えば、照明器具の用途では、LEDモジュール10の照度を、ちらつきなく安定的に微調整することができる。さらに、LEDモジュール10を用いて照明を行うことで、より効果的なフェード・アウト効果を演出できる。
なお、第1の出力電流調整範囲から第2の出力電流調整範囲への切り替えは比較的短時間で行われる。したがって、ユーザに気づかれないように、連続的に、微調整可能な調光範囲に移行することができ、調整範囲の広い調光制御を行うことができる。
[調光制御の具体例の説明(増光する(明るくする)場合)]
次に、増光時の動作について説明する。
調光制御部3は、出力電流Ioの調整範囲が例えば第2の出力電流調整範囲である場合において、より明るくなるように調光を行うとき、次のように動作する。すなわち、PWM信号Spwmの大きさを調光範囲の下限値から上限値まで増加させて、PWM信号Spwmの大きさが上限値に達したときに、PWM信号Spwmの大きさを第2の所定値に切り替える。そして、第2の所定値への切り替えを行った時刻から第2の所定時間以内に、第2の電流設定回路6の動作状態をオン状態にすることにより、出力電流Ioの調整範囲を第1の出力電流調整範囲に移行させる。
図8は、増光時の出力電流IoとPWM信号Spwmのオンデューティとの関係を示す。
本例でも、上述と同様に、出力電流の調整範囲におけるPWM信号Spwmのオンデューティの最大値を100(%)、第2の所定値を10(%)、最小値を1(%)とする。
図8において、第2の出力電流調整範囲は、出力電流IoがI1〜I3の範囲である。
第2の電流設定回路6がオフ状態であるとき(電流設定制御信号ScがLowレベルであるとき)、出力電流Ioは、この第2の出力電流調整範囲で出力される。このとき、PWM信号Spwmのオンデューティが1%から100%に直線的に上げられると、ラインDCのように、出力電流IoはI1からI3に増加する(点D→C)。
ここで、PWM信号Spwmのオンデューティが100%に達した時点において、調光情報制御部22は、PWM信号Spwmのオンデューティを第2の所定値である10%に設定する(点C→B2)。すなわち、出力電流がI3となる点Cにおいて、PWM信号Spwmのオンデューティが第2の所定値に設定される。
そして、このようにPWM信号Spwmの設定を行ってから、調光情報制御部22は、第2の電流設定回路6をオン状態とする。すなわち、調光情報制御部22から出力される制御信号設定情報Sbが「0」から「1」に変更される制御が行われ、第2の電流設定回路6がオン状態に切り替えられる。これにより、第1の出力電流調整範囲に移行し、出力電流Ioが、I2からI3に切り替わる(点B2→B1)。
このように第1の出力電流調整範囲に移行した後、PWM信号Spwmのオンデューティが10%から100%に直線的に上げられると、ラインB1Aのように、出力電流Ioを、I3からI4に増加させることができる。
なお、このような制御は、上述と同様に、予め制御情報記憶部23に指示信号Srと制御情報Stとの対応関係が記憶情報として記憶されていることにより、行われる。すなわち、PWM信号Spwmのオンデューティが第2の所定値である10%になるときより暗くなるような調光指示信号Sadが入力されたときには、制御情報Stの第1の位が「0」となる。PWM信号Spwmのオンデューティが第2の所定値である10%になるときより明るくなるような調光指示信号Sadが入力されたときには、制御情報Stの第1の位は、「1」となる。これにより、調光情報制御部22は、調光指示信号Sadに応じて、PWM信号Spwmのオンデューティが第2の所定値である10%になるのを境に、制御信号設定情報Sbが「0」から「1」に変更される。
調光情報制御部22は、このように、第2の電流設定回路6がオフ状態である場合においてPWM信号Spwmのオンデューティが100%(上限値)に達したとき、PWM信号Spwmを変更してから、第2の電流設定回路6をオン状態に切り替える。これにより、出力電流Ioが、第1の出力電流調整範囲の第2の所定値に対応するI3となる(点C→点B2→点B1)。すなわち、第1の出力電流調整範囲の第2の所定値に対応する電流値I3は、第2の出力電流調整範囲の最大電流値I3に対応している。
このように、出力電流Ioの出力電流調整範囲を第2の出力電流調整範囲から第1の出力電流調整範囲に移行するとき、調光情報制御部22は、具体的には以下の手順で制御を行う。
図9は、増光時の調光情報制御部22の動作例を示すフローチャートである。
図9に示される処理は、LEDモジュール10の駆動中において、繰り返し行われる。
ステップS21において、調光情報制御部22は、制御信号生成部24に出力している制御信号設定情報Sbと、新たに制御情報記憶部23から受け取った制御情報Stに含まれる制御信号設定情報Sbの状態とを監視する。
制御信号生成部24に出力している制御信号設定情報Sbが「0」である場合において(電流設定制御信号ScがLowレベルである場合において)、新たに受け取った制御情報Stに含まれる制御信号設定情報Sbが「1」になると、出力電流調整範囲を第2の出力電流調整範囲から第1の出力電流調整範囲に切り替える必要があると判断し、次のステップS22の処理に進む。すなわち、図8における点Cに到達した場合には、ステップS22の処理に進む。
上述の場合以外には、出力電流調整範囲の切替えを行う必要はないと判断して、ステップS24の処理に進む。すなわち、図8における点C以外の状態(ラインDC又はラインB1Aにある状態)であれば、ステップS24の処理に進む。
ステップS22において、調光情報制御部22は、PWM信号Spwmのオンデューティを100%(上限値)から第2の所定値である10%に設定する。
ステップS23において、調光情報制御部22は、制御信号設定情報Sbとして「1」を制御信号生成部24に出力することで、電流設定制御信号ScをLowレベルからHighレベルに切り替える。電流設定制御信号Scが切り替えられることにより、調光制御部3により第2の電流設定回路6がオフ状態からオン状態に切り替えられ、出力電流調整範囲が第2の出力電流調整範囲から第1の出力電流調整範囲に切り替えられる。
ステップS24において、調光情報制御部22は、制御情報記憶部23から受け取った制御情報Stに含まれる調光信号設定情報SaをPWM信号生成回路26に出力して、PWM信号Spwmのオンデューティを変更し、出力電流Ioを増加するように制御する。
なお、PWM信号Spwmのオンデューティを第2の所定値に設定した時刻から、第2の電流設定回路6をオン状態にするまでの時間は、第2の所定時間以内に設定されている。第2の所定時間は、ユーザがLEDモジュール10から発せられる光にちらつきを感じない最長の時間に相当する。第2の出力電流調整範囲の状態で、PWM信号Spwmのオンデューティを100%から10%に設定することにより、出力電流Ioは、一時的に、I3からI2に減少する。しかしながら、ユーザに明るさの停滞を感じさせない最大時間内に第2の電流設定回路6がオン状態とされて第1の出力電流調整範囲に移行するので、すぐに出力電流IoがI2からI3に増加する。したがって、出力電流Ioがいったん低下して明るさが低下しても、ユーザにそれを感じさせないようにすることができる。
このように、増光する場合には、出力電流Ioの調整範囲を第2の出力電流調整範囲から第1の出力電流調整範囲に移行して、調光信号Sdに対する出力電流Ioの調整範囲及び変化特性を切り替えられるので、以下の効果が得られる。
まず、調光を増加させるための1つの指示情報である調光指示信号Sadに対して、調光情報制御部22は、制御情報記憶部23から制御情報Stを受け取り、2つの指示情報を出力する。調光情報制御部22は、受け取った制御情報Stに基づいて、調光信号設定情報Saと制御信号設定情報Sbとを同時にかつ容易に生成して出力できる。したがって、調光制御部3は、調光信号Sdの生成とは別に出力電流の調整範囲を切り替えるための電流設定制御信号Scの生成を行うというような複雑な制御を行うことなく、制御情報Stに基づいて調光信号Sdと電流設定制御信号Scとを並行して生成し、容易な制御を行うことが可能である。
また、第1の出力電流調整範囲におけるPWM信号Spwmのオンデューティが第2の所定値以下の深い調光範囲においては、出力電流Ioの調整範囲が第2の出力電流調整範囲に設定されている。したがって、第1の出力電流調整範囲において調光制御を行う場合に比べて、調光の微調整(緩やかに調光を上げていくこと)を行うことができる。すなわち、比較的暗い状態(例えば、消灯状態)から所定の明るさになるまで、LEDモジュール10の照度を従来よりも緩やかに高くしていくことができる。これにより、例えば、照明器具の用途では、効果的なフェード・イン効果を演出できる。
なお、第2の出力電流調整範囲から第1の出力電流調整範囲への切り替えが短時間で行われる。したがって、ユーザに気づかれないように、連続的に、深い調光から明るい調光に移行することができ、調整範囲の広い調光制御を行うことができる。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態におけるLED駆動装置の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第2の実施の形態においては、第2の電流設定回路の構成が第1の実施の形態と異なる。
図10は、第2の実施の形態におけるLED駆動装置11及びLEDモジュール10の構成を示すブロック図である。
図10に示されるように、LED駆動装置11は、第1の実施の形態のLED駆動装置1の調光制御部3とは構成が異なる調光制御部3aと、第1の実施の形態のLED駆動装置1の第2の電流設定回路6とは構成が異なる第2の電流設定回路6aとを有している。
第2の電流設定回路6aは、次の構成を備える。すなわち、第2の抵抗素子R2及び第2のスイッチ素子Q2を有する直列回路と、第3の抵抗素子R3及び第3のスイッチ素子Q3を有する直列回路とを有している。これらの2つの直列回路は、並列に接続されている。第2のスイッチ素子Q2及び第3のスイッチ素子Q3のそれぞれは、バイポーラトランジスタである。
第2の実施の形態において、第2のスイッチ素子Q2のベース端子には、調光制御部3aから出力される電流設定制御信号Sc1が入力される。また、第3のスイッチ素子Q3のベース端子には、調光制御部3aから出力される電流設定制御信号Sc2が入力される。
第2の実施の形態においては、調光制御部3aは、必要に応じて、第2のスイッチ素子Q2と第3のスイッチ素子Q3とのそれぞれについて、オン状態、オフ状態を切り替える。すなわち、第2のスイッチ素子Q2と第3のスイッチ素子Q3との両方をオフ状態又はオン状態としたり、どちらか一方のみをオン状態として他方をオフ状態としたりする制御を行うことができる。したがって、第2の実施の形態では、第2の抵抗素子R2と第3の抵抗素子R3とのそれぞれの抵抗値に応じて、最大で4通りの出力電流Ioの調整範囲(第1の出力電流調整範囲〜第4の出力電流調整範囲)を設定することが可能となる。
図11は、第2実施形態における制御情報Stの詳細を示す図である。
図11において、上述の第1の実施の形態と同様に、制御情報Stは、例えば、16進数の4桁の数字を含んでいる(例えば「23FF」)。
制御情報Stの第1の桁(図11の例では「2」)は、第1の情報領域Staであって、制御信号設定情報Sbを表すものである。第2の実施の形態において、制御信号設定情報Sbは、「0」、「1」、「2」、及び「3」の4つのうちいずれかを値をとりうる。
図12は、制御信号設定情報Sbと電流設定制御信号Scとの対応関係の一例を示す図である。
図12に示されるように、制御信号設定情報Sbが「0」であることには、電流設定制御信号Sc1がLowレベル(「L」信号)であること及び電流設定制御信号Sc2がLowレベル(「L」信号)であることが対応する。すなわち、制御信号設定情報Sbが「0」であるとき、調光制御部3aから2つの電流設定制御信号Sc1,Sc2が出力されることで、第4の出力電流調整範囲における調光が行われる。
制御信号設定情報Sbが「1」であることには、電流設定制御信号Sc1が「H」であること及び電流設定制御信号Sc2が「L」であることが対応する。すなわち、制御信号設定情報Sbが「1」であるとき、第3の出力電流調整範囲における調光が行われる。
制御信号設定情報Sbが「2」であることには、電流設定制御信号Sc1が「L」であること及び電流設定制御信号Sc2が「H」であることが対応する。すなわち、制御信号設定情報Sbが「2」であるとき、第2の出力電流調整範囲における調光が行われる。
制御信号設定情報Sbが「3」であることには、電流設定制御信号Sc1が「H」であること及び電流設定制御信号Sc2が「H」であることが対応する。すなわち、制御信号設定情報Sbが「3」であるとき、第1の出力電流調整範囲における調光が行われる。
図11に戻って、制御情報Stの第2の桁から第4の桁までの3つの数字(図11の例では「3FF」)は、第2の情報領域Stbであって、調光信号設定情報Saを表すものである。調光信号設定情報Saは、1024段階の調光レベルのどの調光レベルかを表している。図4に示される例では、調光信号設定情報Saが「3FF」となっているところ、これは1024段階の上限値であることを表している(これに対して、「000」は、例えば下限値を表す。)。
図11に示される制御情報Stの具体例「23FF」において、制御信号設定情報Sbとなる「2」は、4つの出力電流調整範囲のうち、第2の出力電流調整範囲に対応する。すなわち、これには、電流設定制御信号Sc1がLowレベルであって電流設定制御信号Sc2がHighレベルである状態が対応する。また、調光信号設定情報Saとなる「3FF」は、調光信号設定情報Saが1024段階の調光レベルの上限値に対応する(これに対して、「000」は、調光レベルの下限値に対応する。)。
このように、第2の実施の形態では、第2の電流設定回路6aの動作状態を複雑に制御することができる。したがって、調光信号Sdに対する出力電流Ioの調整範囲及び調光信号Sdに対する出力電流Ioの変化特性をより細かく、所望の状態に設定できる。これにより、LEDモジュール10の照度をより自由に変化させることができる。
第2の実施の形態では、2つの指示情報である調光信号設定情報Saと制御信号設定情報Sbとが、1つの制御情報Stに基づいて同時にかつ容易に設定できる。調光信号Sdと電流設定制御信号Scとを、並行して、かつ容易に制御することが可能となる。
また、第2の電流設定回路6aのスイッチ素子の数が増加しても、制御信号設定情報Sbに基づいて各スイッチ素子Q2,Q3に対応する電流設定制御信号Sc1,Sc2が適切に送信されるので、複雑な制御は必要とはならない。
[照明器具の構成の変型例]
図13は、第1の実施の形態の一変型例に係る照明器具の構成を示すブロック図である。
図13に示されるように、照明器具は、互いに1つの調光制御部3bを共有し、それぞれ別々のLEDモジュール110,210を駆動する2つのLED駆動装置31a,31bを有する。2つのLEDモジュール110,210は、互いに異なる色で照明を行うように組み合わされているものである(例えば、色温度が異なる組み合わせ(昼光色とアンバー色との組み合わせなど)など)。この照明装置は、各LEDモジュール110,210をそれぞれLED駆動装置31a,30bを用いて調光することで、全体としての照明の調光制御だけでなく、調色制御も行うことができるように構成されている。
LEDモジュール110に出力電流Io1を流して駆動するLED駆動装置31aは、調光制御部3bと、駆動回路部2aとを有している。また、LEDモジュール210に出力電流Io2を流して駆動するLED駆動装置31bは、調光制御部3bと、駆動回路部2bとを有している。駆動回路部2a,2bは、第1の実施の形態における降圧型コンバータ回路部2と同様に構成されている。
調光制御部3bは、LED駆動装置31aとLED駆動装置31bとの両方に含まれる。調光制御部3bは、入力された1つの調光指示信号Sadに基づいて、駆動回路部2aに電流設定制御信号Sc1及び調光信号Sd1を出力するとともに、駆動回路部2bに電流設定制御信号Sc2及び調光信号Sd2を出力する。なお、駆動回路部2a,2bのそれぞれについてのこれらの信号の出力動作は、上述の第1の実施の形態と同様にして行われればよい。具体的には、例えば、調光制御部3bにおいて、調光指示信号Sadに対応して扱われる制御情報Stに、これらの駆動回路部2a,2bの両方についての調光信号設定情報Sa及び制御信号設定情報Sbが含まれるように構成することで、このような動作を実現させることができる。
このような構成のLED駆動装置31a,31bを用いることで、照明器具の調光制御及び調色制御を容易に行うことができる。また、LED駆動装置31a,31bは、それぞれ、調光制御部3bを共有して構成されているので、照明器具全体の構成を簡素化することができる。なお、調光指示信号Sadと共に、又はこれに代えて、調色制御を行うための指示信号が入力され、それに応じてLED駆動装置31a,31bが制御されるようにしてもよい。
なお、LEDモジュールの数やLED駆動装置の数はそれぞれ2個より多くてもよい。
[その他]
第2の電流設定回路の回路構成は、上記の第1の実施の形態や第2の実施の形態のものに限定されない。例えば、第2の電流設定回路が備える抵抗素子とスイッチ素子とからなる直列回路の個数は、1つ又は2つに限定されず、それ以上であってもよい。また、第2の電流設定回路が備えるスイッチ素子は、バイポーラトランジスタに限定されず、例えばFETなどであってもよい。
LED駆動装置の各回路は、上述の実施の形態とは異なる回路素子を用いて構成されていてもよい。例えば、降圧型コンバータ回路部の回路構成は、上述の実施の形態に限定されない。調光制御部は、マイクロコンピュータに限定されない。電源の構成及び駆動回路部の構成は、上記の実施の形態に限定されない。例えば、AC電源とAC−DCコンバータとが組み合わせられて用いられていてもよい。LED駆動装置には、上述のような回路に加えて、別の回路が設けられていてもよい。
LEDモジュールの構成は、上述のものに限られない。
PWM信号(調光信号)の調光範囲の上限値、所定値、下限値は、本実施の形態の値に限定されるものではない。すなわち、上記実施の形態において示されている値は、あくまで、説明のための具体例にすぎず、適当な値を適宜設定することができる。また、調光範囲の上限値、所定値、下限値は、PWM信号のオンデューティ値によって定められるものに限定されず、調光信号が直流信号の場合、直流信号の電圧値によって定められる。
制御情報の桁数は4桁に限定されず、それ以上でもそれ以下であってもよい。また、制御情報の進数方は、16進数に限定されるものではない。制御情報は、少なくとも、調光信号設定情報の情報領域と、制御信号設定領域の情報領域とを含んでいればよい。
減光時及び増光時の調光情報制御部の動作は、図7あるいは図9のフローチャートに限定されない。例えば、電流設定信号の切り替え動作とそれに伴うPWM信号のオンデューティ値の変更動作との順番を、入れ替えてもよい。
第1の実施の形態の一変形例に係る照明器具の構成は、複数のLED駆動装置のそれぞれに調光制御部を備えてもよい。
本発明に係るLED駆動装置は、空間を照らす照明器具に用いられるものに限られない。例えば、本発明に係るLED駆動装置は、種々の装置のバックライトとして用いられる照明器具に用いられてもよい。また、本発明は、LEDを利用して特定用途の光線を照射するような器具や、LEDによる光そのものにより情報を表示、伝達するような器具など、種々の装置において適用可能である。
上述の実施の形態において調光制御部などが行う処理は、ソフトウェアによって行っても、ハードウェア回路を用いて行ってもよい。
上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。上記の実施の形態で説明された処理は、そのプログラムに従ってCPUなどにより実行される。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。