JP2015087217A - 漏電検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】直流電源とグランドとの間の絶縁抵抗が大きい場合でも、カップリングコンデンサの短絡を検出することが可能な漏電検出装置を提供する。【解決手段】直流電源Bの漏電を検出する漏電検出装置100において、カップリングコンデンサCIと直流電源Bとの接続点P3と、グランドGとの間に、抵抗RX、コンデンサCX、およびトランジスタQの直列回路を設ける。制御部10は、交流信号を出力している状態で、トランジスタQのオフ時に電圧検出部2が検出した交流電圧V2のピーク値と、トランジスタQのオン時に電圧検出部2が検出した交流電圧V2のピーク値との差を演算し、その差があらかじめ設定した閾値より大きい場合に、カップリングコンデンサCIが短絡したと判定し、当該判定結果を出力する。【選択図】図1
Description
本発明は、直流電源の漏電を検出するために用いられる漏電検出装置に関する。
たとえば、電気自動車においては、モータや車載機器を駆動するための高電圧の直流電源が搭載される。この直流電源は、グランドに接地されている車体と電気的に絶縁されている。しかしながら、何らかの原因により、直流電源と車体との間で絶縁不良や短絡等が発生した場合、直流電源からグランドへ至る経路に電流が流れ、漏電が生じる。そこで、この漏電を検出するための漏電検出装置が、直流電源に付設される(特許文献1〜6参照)。
一般に、矩形波などの交流信号を直流電源と車体との間に印加して漏電を検出する、交流式の漏電検出装置においては、直流電源と漏電検出装置との間を直流的に分離するためのカップリングコンデンサが設けられる。特許文献1〜3では、このカップリングコンデンサの短絡を検出する方法が提案されている。
また、漏電検出装置には、漏電検出を正常に行えるか否かをチェックすることができる、いわゆる自己診断機能を備えたものや、漏電検出装置と直流電源とを接続するケーブルの断線を検出できる断線検出機能を備えたものがある。特許文献4には、自己診断機能を備えた漏電検出装置が記載されている。特許文献5には、断線検出機能を備えた漏電検出装置が記載されている。
特許文献6には、交流信号として正弦波を用いた漏電検出装置が記載されている。図5は、特許文献6の漏電検出装置を示している。漏電検出装置101は、発振回路111、抵抗112、カップリングコンデンサ113、電圧検出部114、電圧検出部115、および演算部116を備えている。電圧検出部114は抵抗112の一端の電圧V1を検出し、電圧検出部115は抵抗112の他端の電圧V2を検出する。電圧検出部114、115で検出された電圧V1、V2は、演算部116に与えられる。演算部116は、電圧V1と電圧V2の振幅比および位相差に基づいて、直流電源121とグランドGとの間の漏電を検出する。131は、直流電源121とグランドGとの間の絶縁抵抗、132は、直流電源121とグランドGとの間の浮遊容量である。
この漏電検出装置101において、自己診断時に、発振回路111の出力電圧をカップリングコンデンサ113に印加したときの、電圧検出部115で検出されるP点の電圧の直流成分に基づいて、カップリングコンデンサ113の短絡の有無を診断することができる。詳しくは、カップリングコンデンサ113が短絡していない正常時には、カップリングコンデンサ113によって、抵抗112と絶縁抵抗131とが直流的に絶縁されているので、P点には一定以上の電圧(直流成分)が現われる。これに対して、カップリングコンデンサ113が短絡している場合は、P点が抵抗112と絶縁抵抗131との分圧点となるので、P点の電圧が減少する。そこで、正常時のP点の電圧を基準電圧として記憶しておき、自己診断時に検出されたP点の電圧が基準電圧より減少している場合に、カップリングコンデンサ113が短絡したと判定する。
図5の漏電検出装置101では、絶縁抵抗131の抵抗値が小さい場合(たとえば100KΩ〜500KΩ)には、上記のようにしてカップリングコンデンサ113の短絡を検出することができる。しかし、絶縁抵抗131の抵抗値が非常に大きい場合(たとえば10MΩ〜100MΩ)は、カップリングコンデンサ113が短絡した場合と短絡していない場合とで、P点の電圧に殆ど差が生じなくなる。このため、P点の電圧に基づくカップリングコンデンサ113の短絡検出が不可能となる。
本発明の課題は、直流電源とグランドとの間の絶縁抵抗が大きい場合でも、カップリングコンデンサの短絡を検出することが可能な漏電検出装置を提供することにある。
本発明に係る漏電検出装置は、所定の波形の信号を生成し出力する信号出力手段と、この信号出力手段と直流電源との間に設けられ、これらを直流的に絶縁するカップリングコンデンサを構成する第1コンデンサと、信号出力手段からの出力信号が第1コンデンサに印加されている状態で、第1コンデンサと信号出力手段との間の所定箇所の電圧を検出する電圧検出手段と、この電圧検出手段が検出した電圧に基づいて、直流電源の漏電を検出する漏電検出手段とを備える。第1コンデンサと直流電源との接続点と、グランドとの間には、抵抗、第2コンデンサ、およびスイッチの直列回路が設けられる。また、スイッチをオンおよびオフさせて、第1コンデンサの短絡を検出する第1短絡検出手段をさらに備える。第1短絡検出手段は、信号出力手段が交流信号を出力している状態で、スイッチのオフ時に電圧検出手段が検出した交流電圧のピーク値と、スイッチのオン時に電圧検出手段が検出した交流電圧のピーク値との差を演算し、その差があらかじめ設定した閾値より大きい場合に、第1コンデンサが短絡したと判定し、当該判定結果を出力する。
後述するように、電圧検出手段が検出した交流電圧のピーク値は、第1コンデンサであるカップリングコンデンサが短絡している場合と短絡していない場合とで、大きさが異なる。また、第1コンデンサの短絡時と非短絡時の各ピーク値の差、つまり電圧差を求めると、この電圧差は、直流電源とグランドとの間の絶縁抵抗が大きい領域においても、大きさが異なる。したがって、上記電圧差を閾値と比較することによって、絶縁抵抗が大きい場合でも、カップリングコンデンサの短絡有無を精度良く検出することが可能となる。
本発明では、第1短絡検出手段が短絡検出を行う前に、第1コンデンサの短絡検出を行う第2短絡検出手段をさらに備えていてもよい。この場合、第2短絡検出手段は、信号出力手段が直流成分を含む信号を出力している状態で、電圧検出手段が検出した電圧の直流成分と、あらかじめ設定された基準値との間に、一定以上のずれがあるか否かを検証する。そして、一定以上のずれがある場合は、第2短絡検出手段は、第1コンデンサが短絡したと判定して、当該判定結果を出力する。また、一定以上のずれがない場合は、第1短絡検出手段による短絡検出へ移行する。
本発明では、交流信号として、正弦波信号、矩形波信号、三角波信号、または鋸波信号などを用いることができる。また、本発明では、直流成分を含む信号として、直流信号、正弦波信号、矩形波信号、三角波信号、または鋸波信号などを用いることができる。
本発明によれば、直流電源とグランドとの間の絶縁抵抗が大きい場合でも、カップリングコンデンサの短絡を検出することが可能となる。
本発明の実施形態につき、図面を参照しながら説明する。以下では、本発明を車両に搭載される漏電検出装置に適用した場合を例に挙げる。
最初に、本発明の実施形態に係る漏電検出装置の構成について、図1を参照しながら説明する。図1において、漏電検出装置100は、直流電源Bの漏電を検出する装置であって、制御部10、電圧検出部1、電圧検出部2、短絡診断回路3、抵抗RS、およびカップリングコンデンサCIを備えている。
直流電源Bは、高電圧の車載用バッテリである。直流電源Bの負極は、漏電検出装置100に接続され、直流電源B2の正極は、モータや車載機器などの負荷(図示省略)に接続されている。RLは直流電源Bの負極とグランドGとの間の絶縁抵抗、Cfは直流電源BとグランドGとの間の浮遊容量である。本実施形態の場合、グランドGは車両の車体である。なお、直流電源Bの正極とグランドGとの間にも絶縁抵抗が存在するが、簡単化のため図示を省略してある。
漏電検出装置100において、制御部10は、CPUやメモリから構成される。制御部10には、信号生成部11、演算部12、漏電検出部13、短絡検出部14、および記憶部15が備わっている。11〜14の各ブロックの機能は、ソフトウェアによって実現される。制御部10は、電子制御ユニット(ECU)のような上位装置20と通信を行うとともに、上位装置20からの指令に基づいて、漏電検出装置100の動作を制御する。
信号生成部11は、D/Aコンバータ(デジタル・アナログ変換器)などから構成されており、デジタル指令値に基づいて、所定の波形のアナログ信号を生成する。演算部12は、電圧検出部1、2が検出した電圧に基づいて、直流電源Bの漏電有無を判定するのに必要なパラメータの演算などを行う。漏電検出部13は、演算部12での演算結果に基づいて、直流電源Bの漏電を検出する。短絡検出部14は、電圧検出部2が検出した電圧に基づいて、カップリングコンデンサCIの短絡を検出する。記憶部15は、ROMやRAMなどのメモリから構成されている。
抵抗RSとカップリングコンデンサCIは、直列に接続されている。カップリングコンデンサCIは、直流電源Bと漏電検出装置100とを直流的に分離するためのコンデンサである。抵抗RSの一端は、制御部10の出力端子に接続されており、抵抗RSの他端は、カップリングコンデンサCIの一端に接続されている。カップリングコンデンサCIの他端は、直流電源Bの負極に接続されている。
電圧検出部1は、抵抗RSと制御部10との接続点P1と、グランドGとの間に設けられており、抵抗RSの一端の電圧を検出する。電圧検出部1で検出された電圧V1は、制御部10へ与えられる。
電圧検出部2は、抵抗RSとカップリングコンデンサCIとの接続点P2と、グランドGとの間に設けられており、抵抗RSの他端の電圧を検出する。電圧検出部2で検出された電圧V2は、制御部10へ与えられる。
短絡診断回路3は、コンデンサCX、抵抗RX、およびトランジスタQからなる。これらの各素子は、カップリングコンデンサCIと直流電源Bとの接続点P3と、グランドGとの間に、直列に接続されている。詳しくは、コンデンサCXの一端は、接続点P3に接続されており、コンデンサCXの他端は、抵抗RXの一端に接続されている。抵抗RXの他端は、トランジスタQのコレクタに接続されている。トランジスタQのエミッタは、グランドGに接地されている。トランジスタQのベースは、抵抗R1を介して、制御部10に接続されている。トランジスタQのベースとエミッタ間には、抵抗R2が接続されている。
以上の構成において、制御部10は、本発明における「信号出力手段」、「漏電検出手段」、「第1短絡検出手段」、および「第2短絡検出手段」の一例である。電圧検出部1、2は、本発明における「電圧検出手段」の一例である。カップリングコンデンサCIは、本発明における「第1コンデンサ」の一例であり、コンデンサCXは、本発明における「第2コンデンサ」の一例である。トランジスタQは、本発明における「スイッチ」の一例である。
次に、上述した漏電検出装置100の動作について説明する。
まず、通常時の、直流電源Bの漏電を検出する方法について説明する。この検出方法は、特許文献6に記載されている検出方法と同じである。以下では、抵抗RSの抵抗値をRS、カップリングコンデンサCIの容量値をCI、絶縁抵抗RLの抵抗値をRL、浮遊容量Cfの容量値をCfとする。また、信号生成部11で生成される信号は正弦波の交流信号であり、その周波数をf、角周波数をω(=2πf)とする。
制御部10から出力される交流信号が、抵抗RSとカップリングコンデンサCIに印加されると、電圧検出部1、2により電圧V1、V2が検出される。この電圧V1、V2の振幅比|VS|(=|V2/V1|)と位相差φは、次式で表される(詳細は特許文献6参照)。
ここで、抵抗値RS、容量値CI、および角周波数ωは既知であるから、電圧検出部1、2で検出された電圧V1、V2の振幅比|VS|と位相差φを、式(3)に代入することで、絶縁抵抗の抵抗値RLを算出することができる。この絶縁抵抗値RLは、直流電源BとグランドG間の合成インピーダンスの直流抵抗成分である。
上記の各演算は、制御部10の演算部12が行う。漏電検出部13は、演算部12で算出された絶縁抵抗値RLを、記憶部15に記憶されている漏電判定用の閾値と比較する。比較の結果、絶縁抵抗値RLが閾値以上であれば、漏電検出部13は、直流電源Bに漏電が発生していないと判定する。一方、絶縁抵抗値RLが閾値未満であれば、漏電検出部13は、直流電源Bに漏電が発生していると判定する。これらの判定結果は、制御部10から上位装置20へ送信される。
なお、演算部12で算出された絶縁抵抗値RLを、制御部10から上位装置20へ送信し、上位装置20において絶縁抵抗値RLと閾値とを比較することによって、漏電の有無を判定するようにしてもよい。
次に、自己診断時の、カップリングコンデンサCIの短絡を検出する方法について、図2のフローチャートに従って説明する。
図2において、ステップS1〜S2は、第1段階の短絡検出の手順を表している。ステップS1において、制御部10は、信号生成部11で生成された直流成分を含む信号を出力する。そして、このときのカップリングコンデンサCIの一端、すなわち接続点P2における電圧の直流成分を、電圧検出部2で検出する。なお、信号生成部11で生成される直流成分を含む信号は、レベルが一定の直流信号であってもよいし、波形の下側のピーク値が0ボルト以上となるように直流電圧が重畳された交流信号であってもよい。交流信号には、正弦波信号、矩形波信号、三角波信号、鋸波信号などがある。
次に、ステップS2において、ステップS1で検出した電圧値(直流成分)と、あらかじめ設定された基準値との間に、一定以上のずれ(以下「オフセット」という。)があるか否かを検証する。この基準値は、カップリングコンデンサCIが短絡していない状態、すなわち抵抗RSと絶縁抵抗RLとが直流的に絶縁されている状態で、接続点P2に現われる電圧の直流成分である。基準値は、記憶部15にあらかじめ記憶されている。
カップリングコンデンサCIが短絡していない場合は、接続点P2の電圧値(直流成分)は基準値となり、オフセットは発生しないので、ステップS2の判定はNOとなって、ステップS3へ進む。一方、カップリングコンデンサCIが短絡している場合は、抵抗RSと絶縁抵抗RLとが直流的に絶縁されないので、接続点P2の電圧値(直流成分)は、基準値よりも減少する。したがって、両者の間にオフセットが発生するので、ステップS2の判定はYESとなって、ステップS12へ進む。ステップS12では、カップリングコンデンサCIが短絡していると判定される。
ところで、絶縁抵抗RLの値が非常に大きい場合は、カップリングコンデンサCIが短絡していても、絶縁抵抗RLに殆ど電流が流れないので、接続点P2の電圧はほぼ基準値となる。したがって、この場合は、カップリングコンデンサCIの短絡検出ができない。しかし、絶縁抵抗RLの値が小さい場合は、カップリングコンデンサCIの短絡時に絶縁抵抗RLに電流が流れるので、接続点P2の電圧は、基準値よりも小さくなる。したがって、この場合はカップリングコンデンサCIの短絡を検出することができる。
上記のことから、絶縁抵抗RLの値が小さければ、カップリングコンデンサCIが短絡したときに、ステップS3以降の各ステップを実行するまでもなく、ステップS2の判定によって、カップリングコンデンサCIの短絡を検出できることがわかる。つまり、第1段階(ステップS1〜S2)の短絡検出は、絶縁抵抗RLの値が小さい領域での短絡検出である。一方、絶縁抵抗RLの値が非常に大きい場合は、カップリングコンデンサCIの短絡の有無にかかわらず、ステップS2の判定がNOとなって短絡検出が不可能なため、ステップS3以降の第2段階の短絡検出手順へ移行する。
ステップS3では、制御部10は、信号生成部11で生成された交流信号の出力を開始する。この交流信号は、直流成分を含まない正弦波である。このとき、短絡診断回路3のトランジスタQはオフとなっている。制御部10から出力される交流信号は、抵抗RS、カップリングコンデンサCI、漏電抵抗RL、および浮遊容量Cfに印加される。これによって、接続点P2には、カップリングコンデンサCIの短絡の有無に応じた交流電圧が現われる。
続くステップS4では、電圧検出部2によって接続点P2の電圧を検出し、当該電圧のピーク値VP1をさらに検出する。そして、検出されたピーク値VP1を記憶部15に記憶する。
その後、ステップS5へ進んで、短絡診断回路3のトランジスタQをオンさせる。詳しくは、制御部10からH(High)レベルの信号を出力し、この信号をトランジスタQのベースに印加する。これによって、トランジスタQがオン状態となる。その結果、コンデンサCXがカップリングコンデンサCIと直列に接続されるため、接続点P2の電圧は、トランジスタQがオフの場合と比べて大きくなる。
次に、ステップS6において、電圧検出部2によって接続点P2の電圧を検出し、当該電圧のピーク値VP2をさらに検出する。そして、検出されたピーク値VP2を記憶部15に記憶する。
図3は、制御部10から出力される交流信号に基づいて、電圧検出部1、2で検出される電圧V1、V2の波形(共に正弦波)を示している。図3(a)は、電圧V1の波形であり、図3(b)は、電圧V2の波形である。電圧V1、V2の間には、前記の式(2)に示されている位相差φが生じている。図3(b)のように、トランジスタQがオンの場合における電圧V2のピーク値VP2は、トランジスタQがオフの場合における電圧V2のピーク値VP1よりも大きくなる。ΔVは、VP1とVP2の電圧差を示している(ΔV=VP2−VP1)。
上記の電圧差ΔVは、図4に示すように、絶縁抵抗が大きい領域(500KΩ以上)において、カップリングコンデンサCIの短絡時と非短絡時とで大きさが異なる。カップリングコンデンサCIの短絡時の電圧差ΔVaは、カップリングコンデンサCIの非短絡時の電圧差ΔVbに比べて、大きい値を示す(ΔVa>ΔVb)。そこで、図4で一点鎖線で示した閾値Vrefを設定し、電圧差ΔVと閾値Vrefとの大小関係を検証することによって、カップリングコンデンサCIの短絡有無を判定することができる。閾値Vrefは、記憶部15にあらかじめ記憶されている。なお、絶縁抵抗が小さい領域(500KΩ未満)では、前述の第1段階の短絡検出によってカップリングコンデンサCIの短絡が検出されるので、閾値VrefがΔVaとΔVbの間になくても問題はない。
図2に戻って、ステップS7では、制御部10は、記憶部15に記憶されているピーク値VP1、VP2を読み出し、演算部12により、上述した電圧差ΔV=VP2−VP1を演算する。そして、ステップS8において、電圧差ΔVを閾値Vrefと比較し、ΔV>Vrefであるか否かを検証する。検証の結果、ΔV>Vrefであれば、ステップS8の判定はYESとなり、ステップS9へ進んで、カップリングコンデンサCIが短絡していると判定する。一方、ΔV≦Vrefであれば、ステップS8の判定はNOとなり、ステップS11へ進んで、カップリングコンデンサCIが短絡していないと判定する。
ステップS9、S11、およびS12でカップリングコンデンサCIの短絡有無を判定した後は、ステップS10へ進む。ステップS10では、それぞれの判定結果を出力する。詳しくは、短絡検出部14での短絡有無の判定結果を、制御部10から上位装置20へ送信する。上位装置20は、制御部10から受け取った判定結果が短絡有の場合は、警報信号を出力してランプ(図示省略)を点灯させるなどの処理を実行する。
以上述べたように、本実施形態では、接続点P3とグランドGとの間に、コンデンサCX、抵抗RX、およびトランジスタQが直列に接続された短絡診断回路3を設けている。そして、トランジスタQのオフ時における接続点P2の電圧のピーク値VP1と、トランジスタQのオン時における接続点P2の電圧のピーク値VP2との電圧差ΔVを演算し、この電圧差ΔVが閾値Vrefより大きい場合に、カップリングコンデンサCIが短絡したと判定する。このため、絶縁抵抗RLが非常に大きい場合であっても、図4のように、カップリングコンデンサCIの短絡時と非短絡時とで、電圧差ΔVの大きさが明確に異なるため、カップリングコンデンサCIの短絡有無を精度良く検出することができる。
また、本実施形態では、図2のステップS3以降の第2段階の短絡検出を実行する前に、ステップS1〜S2の第1段階の短絡検出を実行している。そして、第1段階の短絡検出では、前述したとおり、絶縁抵抗RLが小さい領域でカップリングコンデンサCIの短絡を検出することができる。一方、第2段階の短絡検出では、絶縁抵抗RLが大きい領域でカップリングコンデンサCIの短絡を検出することができる。したがって、第1段階および第2段階の短絡検出を実行することで、絶縁抵抗RLの小さい領域から大きい領域に至るすべての領域において、カップリングコンデンサCIの短絡検出が可能となる。
本発明では、以上述べた以外にも種々の実施形態を採用することができる。例えば、前記の実施形態では、電圧検出部2が検出した接続点P2の電圧V2のピーク値VP1、VP2から電圧差ΔVを算出したが、電圧検出部1が検出した接続点P1の電圧のピーク値から、電圧差ΔVを算出してもよい。
また、前記の実施形態では、2つの電圧検出部1、2を設け、これらの電圧検出部で検出された接続点P1、P2の電圧V1、V2の振幅比と位相差から絶縁抵抗値RLを算出し、この絶縁抵抗値RLを閾値と比較することによって、漏電有無を判定したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、電圧検出部2のみを設け、電圧検出部2で検出された接続点P2の電圧V2を閾値と比較することによって、漏電有無を判定してもよい。
また、前記の実施形態では、制御部10とは別に電圧検出部1、2を設けたが、電圧検出部1、2を制御部10に設けてもよい。
また、前記の実施形態では、短絡診断回路3におけるスイッチとしてトランジスタQを用いたが、トランジスタQに代えて、FETやリレーなどを用いることも可能である。
また、前記の実施形態では、信号生成部11で生成される交流信号として正弦波信号を例に挙げたが、交流信号は、正弦波信号だけに限らず、矩形波信号、三角波信号、鋸波信号などであってもよい。
また、前記の実施形態では、カップリングコンデンサCIの一端が直流電源Bの負極に接続されているが、カップリングコンデンサCIの一端は、直流電源Bの正極に接続されてもよい。
さらに、前記の実施形態では、車両に搭載される漏電検出装置100を例に挙げたが、本発明は、車両に限らず、直流電源を備えた各種の装置に搭載される漏電検出装置に広く適用することができる。
1 電圧検出部(電圧検出手段)
2 電圧検出部(電圧検出手段)
3 短絡診断回路
10 制御部(信号出力手段、漏電検出手段、第1短絡検出手段、第2短絡検出手段)
11 信号生成部
12 演算部
13 漏電検出部
14 短絡検出部
15 記憶部
20 上位装置
100 漏電検出装置
B 直流電源
CI カップリングコンデンサ(第1コンデンサ)
CX コンデンサ(第2コンデンサ)
G グランド
P1、P2、P3 接続点
Q トランジスタ(スイッチ)
RS、RX 抵抗
RL 絶縁抵抗
2 電圧検出部(電圧検出手段)
3 短絡診断回路
10 制御部(信号出力手段、漏電検出手段、第1短絡検出手段、第2短絡検出手段)
11 信号生成部
12 演算部
13 漏電検出部
14 短絡検出部
15 記憶部
20 上位装置
100 漏電検出装置
B 直流電源
CI カップリングコンデンサ(第1コンデンサ)
CX コンデンサ(第2コンデンサ)
G グランド
P1、P2、P3 接続点
Q トランジスタ(スイッチ)
RS、RX 抵抗
RL 絶縁抵抗
Claims (4)
- 所定の波形の信号を生成し出力する信号出力手段と、
前記信号出力手段と直流電源との間に設けられ、これらを直流的に絶縁するカップリングコンデンサを構成する第1コンデンサと、
前記信号出力手段からの出力信号が前記第1コンデンサに印加されている状態で、前記第1コンデンサと前記信号出力手段との間の所定箇所の電圧を検出する電圧検出手段と、
前記電圧検出手段が検出した電圧に基づいて、前記直流電源の漏電を検出する漏電検出手段と、を備えた漏電検出装置において、
前記第1コンデンサと前記直流電源との接続点と、グランドとの間に、抵抗、第2コンデンサ、およびスイッチの直列回路が設けられ、
前記スイッチをオンおよびオフさせて、前記第1コンデンサの短絡を検出する第1短絡検出手段をさらに備え、
前記第1短絡検出手段は、
前記信号出力手段が交流信号を出力している状態で、前記スイッチのオフ時に前記電圧検出手段が検出した交流電圧のピーク値と、前記スイッチのオン時に前記電圧検出手段が検出した交流電圧のピーク値との差を演算し、その差があらかじめ設定した閾値より大きい場合に、前記第1コンデンサが短絡したと判定し、当該判定結果を出力する、ことを特徴とする漏電検出装置。 - 請求項1に記載の漏電検出装置において、
前記第1短絡検出手段が前記短絡検出を行う前に、前記第1コンデンサの短絡検出を行う第2短絡検出手段をさらに備え、
前記第2短絡検出手段は、前記信号出力手段が直流成分を含む信号を出力している状態で、前記電圧検出手段が検出した電圧の直流成分と、あらかじめ設定された基準値との間に、一定以上のずれがあるか否かを検証し、
前記一定以上のずれがある場合は、前記第2短絡検出手段は、前記第1コンデンサが短絡したと判定して、当該判定結果を出力し、
前記一定以上のずれがない場合は、前記第1短絡検出手段による前記短絡検出へ移行する、ことを特徴とする漏電検出装置。 - 請求項1に記載の漏電検出装置において、
前記交流信号は、正弦波信号、矩形波信号、三角波信号、または鋸波信号である、ことを特徴とする漏電検出装置。 - 請求項2に記載の漏電検出装置において、
前記直流成分を含む信号は、直流信号、正弦波信号、矩形波信号、三角波信号、または鋸波信号である、ことを特徴とする漏電検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013225338A JP2015087217A (ja) | 2013-10-30 | 2013-10-30 | 漏電検出装置 |
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---|---|---|---|
JP2013225338A JP2015087217A (ja) | 2013-10-30 | 2013-10-30 | 漏電検出装置 |
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