JP2015086704A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】液インジェクション機能と吐出バイパス機能を備えつつ、定格運転条件においても、高効率で運転可能にする。【解決手段】スクロール圧縮機は、液インジェクション機構16と、リリース弁機構17を備える。液インジェクション機構における圧縮室42側の流路と、リリース弁機構における圧縮室側の流路は、固定スクロール台板に形成された共有ポート34により互いに共用されて圧縮室に開口されている。液インジェクション機構は、密閉容器を貫通する液インジェクション管6aと、液インジェクション管と共用ポートを接続し固定スクロール台板に設けられたインジェクション流路16aを備える。リリース弁機構は、共用ポートから、固定スクロール台板内を外径方向に延びるリリース流路35と、このリリース流路を開閉する弁手段37を固定スクロール台板に備える。【選択図】図4

Description

本発明はスクロール圧縮機に関し、特に、冷凍機や空気調和機などの冷凍サイクル装置用の冷媒圧縮機として好適なスクロール圧縮機に関する。
冷凍機や空気調和機などの冷凍サイクル装置用のスクロール圧縮機においては、高圧縮比条件の運転時に液冷媒を圧縮途中の圧縮室に注入するための液インジェクションの機能と、低圧縮比条件の運転時には、前記圧縮室内の過圧縮冷媒を前記圧縮室から放出するための吐出バイパスの機能(リリース機能)を備えたものが知られている。
例えば、この種従来技術としては、特許文献1(特開2012−127222号公報)に記載されたものがある。この特許文献1に記載のものでは、固定スクロールと旋回スクロールを噛み合わせて形成された圧縮室に、液インジェクション行うための回路と、前記圧縮室の圧力が吐出側の圧力を超えると吐出バイパスする吐出バイパス回路を備えると共に、これら液インジェクション回路と吐出バイパス回路に共用の共用ポートを前記固定スクロールに設け、更に密閉容器外部から貫通して前記共用ポートに接続される共用管を設けている。そして、前記共用管及び前記共用ポートを、高圧縮比条件の運転時には、液冷媒を注入する液インジェクション用として使用し、低圧縮比条件の運転時には、前記圧縮室内の過圧縮冷媒を前記圧縮室から放出する吐出バイパス(リリース)用として使用することが記載されている。
特開2012−127222号公報
上記特許文献1のものでは、液インジェクションと吐出バイパスの何れの場合も、前記共用管及び前記共用ポートを使用するので、前記液インジェクションと吐出バイパスとの切り替えは、スクロール圧縮機の密閉容器外部の冷凍サイクル内に設けた液インジェクション回路のインジェクション量調整弁(流量調整弁)と、吐出バイパス回路に設けた吐出バイパス用の逆止弁を用いて実現している。従って、冷凍サイクルからスクロール圧縮機に接続する配管として、前記インジェクション量調整弁を備えた液インジェクション回路用の配管の他に、吐出バイパス用の逆止弁を備える吐出バイパス回路用の配管が必要となる。このため、スクロール圧縮機外での配管本数が増加するため、配管接続時の工数が増加し、コストアップする課題がある。
また、前記吐出バイパス回路を開閉するための前記逆止弁がスクロール圧縮機外に設けられているため、この吐出バイパス回路も前記液インジェクション回路も使用されない運転圧縮比条件、即ち定格運転条件の場合、前記吐出バイパス回路の前記逆止弁までの配管内空間は前記圧縮室と連通しているため、圧縮室で圧縮されたガス冷媒が前記吐出バイパス回路の配管内に流出したり、配管内のガス冷媒が前記圧縮室に流入する現象が生じる。このため、旋回スクロールの旋回運動に連動して、圧縮室内ガス冷媒が前記共用ポートを介して常に出入りする現象が発生し、前記吐出バイパス回路の配管内空間は圧縮動作に有効に使用されない無圧縮空間(デッドボリューム)となる。
即ち、定格運転条件では、旋回スクロールの旋回運動により圧縮された高圧ガス冷媒が、圧縮室に連通する前記共用ポート、共用管及び吐出バイパス回路の配管内に流出して滞在し、旋回スクロールの次の旋回運動時に、吸入側に近い状態の圧縮室に連通した時に、前記流出して滞在していた高圧ガス冷媒が逆流して流入する。このため、圧縮室内の加熱損失による体積効率の低下、再圧縮ロスなどを引き起こし、圧縮機効率を低下させるという課題がある。
本発明の目的は、液インジェクション機能と吐出バイパス機能を備えつつ、定格運転条件においても、高効率で運転可能なスクロール圧縮機を得ることにある。
上記目的を達成するため、本発明は、固定スクロールと旋回スクロールを互いに組み合わせて構成される圧縮機構部と、この圧縮機構部を駆動するための電動機部を密閉容器内に収納して構成されるスクロール圧縮機において、前記固定スクロールと前記旋回スクロールによって形成される圧縮室に、液冷媒を注入するための液インジェクション機構と、前記圧縮室の圧力が吐出圧力よりも高い過圧縮状態になった場合に、前記圧縮室から前記密閉容器内の吐出圧力空間に、前記圧縮室内の過圧縮ガス冷媒をリリースするためのリリース弁機構とを備え、前記液インジェクション機構における前記圧縮室側の流路と、前記リリース弁機構における前記圧縮室側の流路は、前記固定スクロールの台板に形成された共有ポートにより互いに共用されて前記圧縮室に開口され、前記液インジェクション機構は、前記密閉容器を貫通する液インジェクション管と、この液インジェクション管と前記共用ポートを接続すると共に前記固定スクロールの台板に設けられたインジェクション流路を備え、前記リリース弁機構は、前記共用ポートから、固定スクロール台板内を外径方向に延びるリリース流路と、このリリース流路を開閉する弁手段を前記固定スクロール台板に備えていることを特徴とする。
本発明によれば、液インジェクション機能と吐出バイパス機能を備えつつ、定格運転条件においても、高効率で運転可能なスクロール圧縮機を得ることができる効果が得られる。
本発明の実施例1のスクロール圧縮機が適用される冷凍サイクル装置の冷凍サイクル系統図。 図1に示すスクロール圧縮機の全体構成を説明する縦断面図。 図2のスクロール圧縮機における圧縮機構部付近を拡大して示す要部拡大断面図。 図3のA部を拡大して示す断面図。 図3のB−B線矢視断面図。 本発明のスクロール圧縮機の実施例2を説明する図で、図3に相当する図。 本発明のスクロール圧縮機の実施例3を説明する図で、図3に相当する図。 図7のC部を拡大して示す断面図。
以下、本発明の具体的実施例を図面に基づいて説明する。なお、各図において、同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分を示している。
本発明のスクロール圧縮機の実施例1を図1〜図5を用いて説明する。本実施例のスクロール圧縮機は、冷凍機や空気調和機などの冷凍サイクル装置用の冷媒圧縮機として使用されるものである。まず、図1により、本実施例のスクロール圧縮機が適用される冷凍サイクル装置について説明する。
図1は本発明の実施例1のスクロール圧縮機が適用される冷凍サイクル装置の冷凍サイクル系統図である。
図1において、1はスクロール圧縮機、2は凝縮器、3は電子膨張弁などで構成される膨張弁、4は蒸発器であり、これらの機器は冷媒配管5を介して、順次接続されて冷凍サイクルを構成している。本実施例では、冷凍サイクルを流れる冷媒としては、冷媒R32の単一冷媒、または冷媒R32を70%以上含む混合冷媒が使用されている。
この冷媒R32は地球温暖化係数(GWP)が小さく、冷媒R410Aの1/3程度であるという特徴がある。しかし、冷媒R32を使用すると冷媒R410Aなどと比較して、吐出温度が高温になるので、高圧縮比条件の運転時には液インジェクション機能が必要となる。一方、空気調和機などでは、低圧縮比条件で運転されることが多く、過圧縮が生じ易いので、効率低下を防止するため、リリース機能(吐出バイパス機能)も必要である。即ち、特に冷媒R32の単一冷媒や、冷媒R32を70%以上含む混合冷媒を使用する空気調和機などの場合、液インジェクション機能と吐出バイパス機能を並設する必要がある。
このため、本実施例では。上記スクロール圧縮機1は、高圧縮比条件の運転時に液冷媒を圧縮途中の圧縮室に注入するための液インジェクション機能と、低圧縮比条件の運転時には、前記圧縮室内の過圧縮冷媒を前記圧縮室から放出するためのリリース機能(吐出バイパスの機能)を備えている。
高圧縮比条件の運転時には吸入圧力と吐出圧力の差圧が大きくなり、ガス冷媒の温度が上昇するので、液インジェクションを行う必要がある。
本実施例における前記液インジェクション機能は、前記凝縮器2と前記膨張弁3との間を流れる液冷媒を、前記スクロール圧縮機1の圧縮機構部における圧縮途中の圧縮室に注入して冷却するための液インジェクション回路6と、この液インジェクション回路6に設けられ、電子膨張弁や電磁弁などで構成された流量調整弁7と、前記液インジェクション回路6に接続された圧縮機側の液インジェクション機構16などにより構成されている。
前記液インジェクション機構16は、前記液インジェクション回路6に接続されスクロール圧縮機1の密閉容器を貫通する液インジェクション管6aと、この液インジェクション管6aと前記スクロール圧縮機1の圧縮室を接続して前記圧縮室に液冷媒を注入するためのインジェクション流路などを備えている。
前記リリース機能(吐出バイパスの機能)は、本実施例では、後述するリリース弁機構17(図2〜図4参照)により構成されている。
なお、図1において、8は前記凝縮器2に室外空気を供給して凝縮器2を構成する熱交換器内を流れる冷媒を冷却させて凝縮するための冷却ファン、9は前記蒸発器4に室内空気などを供給して蒸発器4を構成する熱交換器内を流れる冷媒と熱交換するための冷却ファンである。
次に、図1に示す冷凍サイクル装置の動作を説明する。
前記スクロール圧縮機1で圧縮された高温高圧の冷媒ガスは吐出管10から吐出されて、前記凝縮器2に流れ、室外空気と熱交換して凝縮する。この凝縮した液冷媒は、前記膨張弁3で膨張されて低温低圧の気液二相冷媒となって前記蒸発器4に流れ、ここで、室内空気と熱交換することで、室内に冷却空気を供給すると共に、自らは蒸発して低圧のガス冷媒となり、前記スクロール圧縮機1の吸入管11から圧縮機構部の吸込室に吸入されて、再び圧縮されるという冷凍サイクルを構成する。
また、スクロール圧縮機1の負荷が大きくなり、高圧縮比条件となって圧縮機の温度が上昇すると、圧縮機を冷却するために、前記流量調整弁7を開き、凝縮器2下流の液冷媒を前記液インジェクション回路6を介して、前記液インジェクション機構16から圧縮機構部における圧縮途中の圧縮室に注入する。
スクロール圧縮機1の負荷が小さくなり、低圧縮比条件となって圧縮室内の冷媒が過圧縮状態になると、前記リリース弁機構17により、前記過圧縮冷媒を圧縮室内から放出する。
次に、上記スクロール圧縮機1の全体構成を図2により説明する。
図2に示すように、スクロール圧縮機1は、密閉容器50内の上部に圧縮機構部12、中間部に電動機部13、下部に油溜め14が配置された縦型のスクロール圧縮機となっている。なお、本発明は縦型のスクロール圧縮機に限らず、横型のスクロール圧縮機にも同様に適用可能である。
前記圧縮機構部12は、前記電動機部13のロータ21に連結固定された駆動軸15の回転運動により駆動されて冷媒ガスを圧縮する。前記ロータ21はステータ20への通電により発生した磁界により回転駆動される。また、前記圧縮機構部12は、固定スクロール30、旋回スクロール40、自転防止機構23及びフレーム22などにより構成されている。
前記固定スクロール30は台板に直立した渦巻き状のラップを備え、また前記旋回スクロール40も台板に直立した渦巻き状のラップを備えている。そして、前記固定スクロールのラップと前記旋回スクロールのラップを互いに噛み合わせて圧縮室42が形成されている。
旋回スクロール40の背面には、旋回軸受41を収納する旋回ボス部40aが形成されており、前記駆動軸15の先端の偏心ピン部15aが前記旋回ボス部40aの旋回軸受41に挿入して係合されている。また、前記旋回スクロール40の背面と前記フレーム22との間には前記自転防止機構23が配置されている。この自転防止機構23は、前記旋回スクロール40を、前記固定スクロール30に対し自転することなく旋回運動させるためのものである。
前記駆動軸15の偏心ピン部15aの回転と前記自転防止機構23により、旋回スクロール40は固定スクロール30に対して旋回運動を行い、固定スクロール30のラップと旋回スクロール40のラップにより形成された圧縮室42が中心部に向かうに従ってその容積を減少させ、ガス冷媒の圧縮動作が行なわれる。
前記固定スクロール30には、外周側に吸入口32が、中心側には吐出口33が設けられている。また、この固定スクロール30には、前記液インジェクション回路6からの液冷媒を圧縮途中の前記圧縮室42に注入するための液インジェクション機構16と、前記圧縮室42の圧力が吐出圧力空間となっている吐出室18の圧力よりも高くなった場合にリリース弁板を開いて前記圧縮室42内の冷媒ガスを前記吐出室へリリースするリリース弁機構(リリース機能、吐出バイパス機能)17が備えられている。
そして、本実施例では、液冷媒のインジェクションを行う前記液インジェクション機構16のインジェクション流路と、前記リリース弁機構17を介してガス冷媒のリリースを行うリリース流路とは、共用ポート34を介して前記圧縮室42に接続されている。前記液インジェクション機構16を構成する前記液インジェクション管6aは前記液インジェクション回路6に接続されると共に、前記インジェクション流路にも接続されている。
冷凍サイクルの蒸発機4(図1参照)を出た低温低圧のガス冷媒は、吸入管11を通って吸入口32に流入し、前記圧縮室42で圧力を上昇させて高温高圧のガス冷媒となり、前記吐出口33から前記吐出室18に吐出される。この吐出されたガス冷媒は、前記電動機部13側に流れて、この電動機部13を冷却した後、前記吐出管10から圧縮機外の冷凍サイクルに吐出される。前記吐出管10、吸入管11、液インジェクション管6aは密閉容器50に固定されている。
前記駆動軸15には、その上端側に前記偏心ピン部15aが備えられ、またその下端側には給油ポンプ28が接続されている。前記油溜め14の油は、前記給油ポンプ28により汲み上げられた後、前記駆動軸15の中心に軸方向に形成された給油穴19を通り、前記旋回軸受41や、この駆動軸15を支持している主軸受24及び副軸受25などに供給される。前記主軸受24及び副軸受25は、冷媒ガスの圧縮により前記駆動軸15に作用する圧縮ガス荷重を支持する。また、前記主軸受24は前記フレーム22に圧入固定されており、前記フレーム22は前記密閉容器50に溶接などで固定されている。前記副軸受25は、軸受ハウジング26に圧入固定され、この軸受ハウジング26は前記密閉容器50に固定された下フレーム27に取り付けられている。
図3は図2の圧縮機構部12付近を拡大して示す要部拡大図、図4は図3のA部を拡大して示す断面図である。これらの図により圧縮機構部12付近の構成を詳細に説明する。
固定スクロール30の吸入口32から吸入された冷媒ガスは、旋回スクロール40の旋回運動により、中心部側に移動されながらその容積を減少させて圧縮され、中心部の吐出口33から吐出室18に吐出される。本実施例では、圧縮途中の圧縮室42に液冷媒を注入するための液インジェクション機構16が設けられているが、この液インジェクション機構16による液冷媒の注入は、スクロール圧縮機1における運転圧力が、吸入圧力と吐出圧力との差圧が大きい条件において主に使用される。
吸入口から吸込まれた冷媒ガスは、旋回スクロール40と固定スクロール30の渦巻き形状で決まる容積比に従い、容積を減少させていくため、吐出口33と連通する直前の圧縮室42の圧力は、圧縮室間の漏れを考慮しなければ、その時の容積比と冷媒ガスの物性値によって決まる。冷凍サイクル装置で使用されるスクロール圧縮機においては、吸入圧力と吐出圧力の差圧の大きい高圧縮比運転条件や、前記差圧が小さくなる低圧縮比運転条件が存在し、この両方の運転条件を両立させることが広い運転範囲のスクロール圧縮機を得るため必要である。このため、固定スクロール30と旋回スクロール40の渦巻き形状で決まる容積比は、高圧縮比運転条件と低圧縮比運転条件の中間の容積比に設定することが高い効率を確保するために重要となる。
しかし、高圧縮比条件で運転される場合、吐出口33に連通する直前の圧縮室42の圧力が吐出圧力(吐出室18の圧力)に対して低くなり、圧縮不足の状態となる。このため、前記吐出口33に前記圧縮室42が連通したとき、吐出圧力と吐出ガス温度となっている吐出空間の冷媒ガスが、前記圧縮室42に逆流して入り込むため、再圧縮が行なわれ、圧力は高められる。しかし、同時に吐出温度が高くなるため、旋回スクロール40及び固定スクロール30の変形を引き起こし、前記固定及び旋回の両スクロールが接触してかじりや焼付きを引き起こす虞れがある。このため、圧縮機の運転が不可能になる可能性がある。そこで、吐出ガス温度の上昇を抑えるため、本実施例では、前記液インジェクション回路6及び前記液インジェクション機構16により、冷凍サイクルの凝縮機2出口側と膨張弁3との間の高圧液冷媒を圧縮室42に注入することができるように構成している。これにより、吐出ガス温度を下げ、高圧縮比運転条件でもスクロール圧縮機の運転が可能になるようにしている。
前記液インジェクション機構16は、図4に示すように、前記液インジェクション管6aからの液冷媒を、固定スクロール30に設けられたインジェクション流路16a及び共用ポート34を介して圧縮室42に注入する。この注入量は、前記液インジェクション回路6に設けた前記流量調整弁7(図1参照)により調整される。
図5は図3のB−B線矢視断面図である。前記液インジェクション機構16におけるインジェクション流路16aと前記共用ポート34は、図5に示すように、吸入側圧縮室43と吐出口33との間の圧縮室42に連通するように設けられている。本実施例では、スクロール渦巻形状で決まる吸入側圧縮室43が、旋回スクロール40のラップ外線側で決まる容積とラップ内線側で決まる容積が異なる構成としている。このため、本実施例では、旋回スクロール40のラップ外線側の圧縮室42と内線側の圧縮室42の両圧縮室に、それぞれ前記液インジェクション用の前記共用ポート34を設けている。
なお、スクロール渦巻形状で決まる吸入側圧縮室43が、旋回スクロール40のラップ外線側で決まる容積とラップ内線側で決まる容積とで同じになる構成としている場合には、前記共用ポート34は、固定スクロール30のラップ歯底中央に1箇所設けるだけで良い。即ち、この1箇所の共用ポート34により、旋回スクロール40のラップ外線側の圧縮室に対しても内線側の圧縮室に対しても、同じ容積比となる圧縮室に液インジェクションすることが可能となる。
次に、図2〜図4を用いて、前記リリース機能(吐出バイパス機能)を構成する前記リリース弁機構17について説明する。このリリース弁機構17は、吸入圧力と吐出圧力の差圧が小さい低圧縮比運転時に、圧縮室42の圧力が吐出圧力空間となっている吐出室18の圧力よりも高くなった場合、リリース弁板を開いて圧縮室42内の過圧縮状態のガス冷媒を前記吐出室18へリリースするものである。
圧縮室42内の圧力は、スクロールラップの渦巻きの形状で決まる容積比により決まるため、低圧縮比運転条件においては、吐出口33に連通する直前の圧縮室42においては、吐出圧力よりも高い圧力となる過圧縮の状態が発生する。過圧縮は理想の圧縮状態に対し、圧縮トルクが多くかかるため、スクロール圧縮機1の動力を増加させる。また、圧縮室内の圧力が上昇するため、固定スクロール30から旋回スクロール40を引き離す方向の荷重が大きくなる。このため、旋回スクロール40は固定スクロール30から瞬間的に引き離され、体積効率の低下を招く。
一般の空気調和機においては地球温暖化防止の観点から、空気調和機の年間運転動力の低減が求められており、年間運転動力は夏場と冬場の間の中間季節における空調運転割合が高いため、中間季節における圧縮機の高効率化が重要となる。中間季節の運転条件は、吸入圧力と吐出圧力の差圧が小さい低圧縮比運転となるため、上述した過圧縮の状態を取り除くことが非常に重要となる。そこで、低圧縮比運転条件において、圧縮室42で過圧縮が発生したとき、過圧縮状態のガス冷媒を吐出圧力空間(吐出室18)へバイパスさせるために前記リリース弁機構17が備えられている。
このリリース弁機構17を、図4を用いて詳細に説明する。このリリース弁機構17は、圧縮室42の圧力が吐出圧力よりも高くなった場合に開くリリース弁板(弁手段)37を有するものである。即ち、前記リリース弁機構17は、固定スクロール30の台板に形成されたリリース弁配置空間36、リリース弁板37、コイルバネなどで構成された弾性体38、リリース流路形成ストッパ39及びリリース流路35などにより構成されている。
前記リリース流路35は、前記インジェクション流路16aが接続されている前記共用ポート34に一端側が連通されると共に、固定スクロール30の外径方向に向かって形成されている。また、前記リリース流路35の他端側は軸方向(吐出室18の方向)に曲げられて前記リリース弁配置空間36の底部に連通されている。従って、前記リリース弁配置空間36は前記液インジェクション機構16と干渉することなく前記固定スクロール30の台板に形成することができる。
前記リリース弁板37は、前記リリース流路35の前記リリース弁配置空間36側開口を開閉するように前記リリース弁配置空間36に設けられている。そして、前記弾性体38は前記リリース弁板37と前記リリース流路形成ストッパ39との間に設けられ、前記リリース弁板37を小さな力で押圧している。前記リリース流路形成ストッパ39には、前記リリース弁配置空間36の前記リリース弁板37側と前記吐出室18とを接続する連通穴39aが、該ストッパ39の中央部及び外周部側に形成されている。また、前記ストッパ39の最外径部は固定スクロール30に圧入固定されている。
前記リリース弁機構17の動作を説明する。前記リリース弁板37には圧縮室42内の圧力と前記吐出室18内の圧力が作用している。前記圧縮室42が過圧縮状態にない場合(圧縮室42圧力が吐出圧力よりも低い場合)、前記リリース弁板37は前記リリース流路35を塞ぐように、該リリース流路35側に押し付けられ、リリース弁配置空間36とリリース流路35との間でシールされる。
一方、前記圧縮室42が過圧縮状態になると、前記リリース弁板37の前記リリース流路35側の圧力は、該リリース弁板37の吐出室18側の圧力よりも大きくなり、前記弾性体38による押圧力も加えた圧力よりも大きくなると、前記リリース弁板37は前記ストッパ39側に押し上げられて、前記リリース流路35が開口される。これにより、前記圧縮室42内のガス冷媒は、共用ポート及び前記リリース流路を通り、前記リリース弁配置空間36へ流入し、更に前記連通穴39aを通って前記吐出室(吐出圧力空間)18に放出(リリース)される。
本実施例においては、液インジェクション機構16とリリース弁機構17の前記圧縮室42側に開口する流路を同一の共用ポート34を使って形成し、前記液インジェクション機構16による前記圧縮室への液冷媒の注入と、前記圧縮室からの過圧縮ガス冷媒のリリースを1つの前記共用ポート34を介して行っている。即ち、スクロール圧縮機の吸入圧力と吐出圧力の差圧が大きい運転状態においては前記共用ポート34を液インジェクションポートとして利用して前記圧縮室への液インジェクションを行う。また、吸入圧力と吐出圧力の差圧が小さい運転状態においては前記共用ポート34をリリースポートとして利用し、前記圧縮室42の過圧縮ガス冷媒を前記吐出室18にリリースするために用いる。
これにより、同じ圧縮室42に対し、前記共用ポート34により、前記圧縮室42に対する液インジェクションと、前記圧縮室42で発生した過圧縮ガスのリリースとの切り分けが可能となる。例えば、液インジェクション機構16の圧縮室42側開口と、リリース弁機構17の圧縮室42側開口を別々に設けるようにした従来技術の場合、次の問題がある。
即ち、液インジェクション機構16により高圧の液冷媒が圧縮室42に注入されると、前記圧縮室42の圧力が上昇し、これによってリリース弁機構17のリリース弁板が開いてしまい、圧縮室間で無駄な循環流路が生じてしまう可能性がある。このため、前記液インジェクション機構16の機能や、前記リリース弁機構17の機能が十分に発揮されない問題がある。
これに対し、本実施例の構成とすることにより、液インジェクション機構16により共用ポート34を介して、高圧の液冷媒を圧縮室42に注入して、該圧縮室42の圧力が上昇しても、液インジェクションを継続している限り、該圧縮室42の圧縮ガスが、前記共用ポート34を介してリリース流路側に流れることはできない。従って、圧縮室間で無駄な循環流路が生じるのを防止して、液インジェクション機能を十分に発揮させることができる。
また、吸入圧力と吐出圧力の差圧が大きくも小さくもない通常のスクロール圧縮機の運転条件(定格運転条件)、即ち、液インジェクション機構もリリース弁機構も動作しない運転条件においては、リリース弁機構17のリリース弁板37の位置から圧縮室42までのリリース流路35の空間(共用ポート34の空間も含む)は、圧縮に有効に使用されない無圧縮空間(デッドボリューム)となる。
この無圧縮空間は、旋回スクロール40の旋回運動に伴って圧縮室42の容積が縮小したり拡大した際に、前記無圧縮空間に溜った高圧の圧縮ガスが、連通する圧縮室の圧力が低下したとき(例えば図4のに示す吸入側の圧縮室43に連通したとき)、その圧力の低い圧縮室へ逆流する。このため、圧縮室で前記逆流したガスの再圧縮を引き起こし、再圧縮ロスが発生する。
また、前記無圧縮空間内のガス冷媒温度は吐出ガス温度付近となっているため、逆流した際に圧縮室42,43内の温度も上昇させ、吸入側に近い圧縮室43へ逆流した際には過熱膨張を引き起こし、体積効率の低下(加熱損失)を招く。
上記特許文献1に記載されているような従来技術のものでは、共用管(本実施例における共用ポートに相当)が長くなるため、前記無圧縮空間の容積が大きくなり、このため前記再圧縮ロスや加熱損失が大きくなってしまう。
これに対し、本実施例においては、前記リリース弁機構17を密閉容器50内の固定スクロール30台板に設置したことにより、前記共用ポート34及び前記リリース流路35の容積を大幅に小さくでき、従って前記無圧縮空間の容積も極めて小さくなる。これにより、本実施例によれば、スクロール圧縮機の定格運転条件での効率低下も極めて小さく抑えることができる効果がある。
特に、冷媒物性値としてR410A冷媒と比べて密度が小さく顕熱が大きい冷媒R32を冷凍サイクル装置に使用した場合、前記無圧縮空間から圧縮室42,43への高温高圧ガス冷媒の逆流による再圧縮ロスや過熱膨張に伴う加熱損失が大きくなる。このため、冷媒R32を使用する冷凍サイクル装置に対して、本実施例を適用した場合の上記効果は特に大きくなる。
本発明のスクロール圧縮機の実施例2を図6を用いて説明する。図6は上記実施例1における図3に相当する図であり、同一部分には同一符号を付し、実施例1と異なる部分を中心に説明する。
本実施例2においては、リリース弁機構17の構造が実施例1のものとは異なっている。即ち、本実施例のリリース弁機構17は、リリース流路35を、固定スクロール30の吐出室18に開口(固定スクロール30の反ラップ側の上端面に開口)させている。また、前記リリース弁機構17は、前記リリース流路35の開口を開閉するリード弁(弁手段)51、このリード弁51の動作範囲を制限して保持するリテーナ52、及び前記リード弁51及び前記リテーナ52を固定スクロール30の台板に固定するボルト53により構成されている。
本実施例2によれば、上記実施例1と同様の効果が得られると共に、リリース弁機構17の構成を簡素化できるから、実施例1のものよりコスト低減を図ることができる効果がある。
即ち、実施例1における、リリース弁配置空間36を固定スクロール30に形成するための加工が不要となる。また、固定スクロール30の台板上端面にリード弁51を設置するため、複数個のリリース弁機構17を設置する場合でも、複数のリリース弁機構17を、一枚のリード弁51、リテーナ52及びボルト53により構成することが可能となり、部品点数を減らすことも可能となる。
本発明のスクロール圧縮機の実施例3を図7及び図8を用いて説明する。図7は上記実施例1における図3に相当する図、図8は図7のC部を拡大して示す断面図で、同一部分には同一符号を付し、実施例1と異なる部分を中心に説明する。
本実施例3においては、上記実施例1に対し、液インジェクション管6aと共用ポート34との間のインジェクション流路16aの部分に、圧縮室42側から前記液インジェクション管6a側への逆流を防止する逆止弁機構を設けた点が異なっている。即ち、この逆止弁機構は、前記共用ポート34と前記液インジェクション管6aとの間のインジェクション流路16a形成部分に、前記共用ポート34側から順に、液インジェクション流路形成ストッパ44、コイルバネなどで構成した弾性体45、弁板46、弁シールストッパ47を設けたものである。
前記液インジェクション流路形成ストッパ45及び前記弁シールストッパ47は、固定スクロール30に圧入などにより固定されている。また、前記液インジェクション流路形成ストッパ44や前記弁シールストッパ47にもインジェクション流路16aが形成されている。
液インジェクションを行わない通常運転時(定格運転時など)には、流量調整弁7(図1参照)が閉じられているので、液インジェクション管6a内の圧力は、圧縮室42や共用ポート34側の圧力と同一圧力となる。従って、前記弁板46は、前記弾性体45のバネ力により、前記弁シールストッパ47側に押し付けられている。このため、前記弁板46により、前記液インジェクション管6a側と前記共用ポート34側とは、連通が閉じられた状態になっている。
本実施例3によれば、圧縮室42と連通する空間は、前記共用ポート34から前記弁板46までの空間となり、無圧縮空間(デッドボリューム)を大幅に低減できる効果が得られる。即ち、前記弁板46から前記液インジェクション管6aまでのインジェクション流路16a、前記液インジェクション管6a内、及び前記液インジェクション管6aから前記流量調整弁7までの液インジェクション回路6の空間は、前記圧縮室42と連通していないので、無圧縮空間を大幅に低減できる。
吸入圧力と吐出圧力との差圧が大きくなり、吐出ガス温度が上昇すると、前記流量調整弁7が開かれ、凝縮器2(図1参照)下流の高圧の液冷媒が、液インジェクション回路6、液インジェクション管6a及びインジェクション流路16aを介して、前記弁板46に作用する。このため、前記圧縮室42の圧力及び前記弾性体45のバネ力に打ち勝ち、前記弁板46は開くので、前記圧縮室42への液インジェクションが開始される。
なお、リリース弁機構17の構成は上記実施例1と同様であり、定格運転条件のときには、リリース弁機構17のリリース弁板37は閉止している。そして、吸入圧と吐出圧力の差圧が小さくなって、前記圧縮室42の圧力が前記吐出室18の圧力よりも大きくなると、リリーフ弁機構17の前記リリース弁板37が開かれ、圧縮室42内の過圧縮ガス冷媒が吐出室18側にバイパスしてリリースされる。
また、定格運転時であっても、スクロール圧縮機に液冷媒が吸入されるような液戻り運転時に、圧縮室42内の圧力が瞬間的に上昇した場合にも、前記リリース弁機構17の前記リリース弁板37が開いて、圧縮室42内の過圧縮ガス冷媒や液冷媒は吐出室18側にリリースされる。
本実施例3においても上記実施例1と同様の効果が得られると共に、実施例1のものより、前記無圧縮空間(デッドボリューム)を更に大幅に低減できる効果が得られる。
以上説明したように、本発明の各実施例によれば、液インジェクション機能と吐出バイパス機能を備えつつ、定格運転条件においても、高効率で運転可能なスクロール圧縮機を得ることができる効果が得られる。
即ち、スクロール圧縮機の吸入圧力と吐出圧力の差圧の大きい運転圧力条件においては、前記液インジェクション機構16により液インジェクションを行うことにより、吐出ガス温度の上昇を抑制できるので、広い運転範囲で運転することが可能になる。
また、吐出圧力と吸入圧力の差圧の小さい運転圧力条件においては、前記リリース弁機構(吐出バイパス機能)により、圧縮室内の過圧縮ガスを吐出室或いは吐出圧力空間にリリースすることにより、過圧縮を抑制でき、効率の良い運転が可能になる。
従って、スクロール圧縮機の運転圧力条件を従来よりも広い運転範囲にすることが可能となる。
更に、本実施例によれば、前記リリース弁機構は、前記共用ポートから、固定スクロール台板内を外径方向に延びるリリース流路と、このリリース流路を開閉する弁手段を前記固定スクロール台板に備えているので、圧縮室から前記弁手段(リリース弁板やリード弁など)までの空間容積を最小にすることができる。従って、前記液インジェクション機能も前記リリース弁機構も使用しない通常の運転状態である定格運転条件時においても、圧縮室における再圧縮ロスや過熱損失を低減することができる。このため、定格運転条件においても、エネルギーロスの少ない高効率運転が可能なスクロール圧縮機を得ることができる。
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、上記した実施例は本発明で分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。更に、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
1:スクロール圧縮機、2:凝縮器、3:膨張弁、4:蒸発器、5:冷媒配管、
6:液インジェクション回路、6a:液インジェクション管、
7:流量調整弁、8,9:冷却ファン、10:吐出管、11:吸入管、
12:圧縮機構部、13:電動機部、14:油溜め、
15:駆動軸、15a:偏心ピン部、
16:液インジェクション機構、16a:インジェクション流路、
17:リリース弁機構、18:吐出室(吐出圧力空間)、19:給油穴、
20:ステータ、21:ロータ、22:フレーム、23:自転防止機構、
24:主軸受、25:副軸受、26:ハウジング、27:下フレーム、
28:給油ポンプ、
30:固定スクロール、32:吸入口、33:吐出口、
34:共用ポート、35:リリース流路、36:リリース弁配置空間、
37:リリース弁板(弁手段)、38:弾性体、
39:リリース流路形成ストッパ、
40:旋回スクロール、41:旋回軸受、42:圧縮室、43:吸入側圧縮室、
44:液インジェクション流路形成ストッパ、45:弾性体、46:弁板、
47:弁シールストッパ、50:密閉容器、
51:リード弁(弁手段)、52:リテーナ、53:ボルト。

Claims (7)

  1. 固定スクロールと旋回スクロールを互いに組み合わせて構成される圧縮機構部と、この圧縮機構部を駆動するための電動機部を密閉容器内に収納して構成されるスクロール圧縮機において、
    前記固定スクロールと前記旋回スクロールによって形成される圧縮室に、液冷媒を注入するための液インジェクション機構と、
    前記圧縮室の圧力が吐出圧力よりも高い過圧縮状態になった場合に、前記圧縮室から前記密閉容器内の吐出圧力空間に、前記圧縮室内の過圧縮ガス冷媒をリリースするためのリリース弁機構とを備え、
    前記液インジェクション機構における前記圧縮室側の流路と、前記リリース弁機構における前記圧縮室側の流路は、前記固定スクロールの台板に形成された共有ポートにより互いに共用されて前記圧縮室に開口され、
    前記液インジェクション機構は、前記密閉容器を貫通する液インジェクション管と、この液インジェクション管と前記共用ポートを接続すると共に前記固定スクロールの台板に設けられたインジェクション流路を備え、
    前記リリース弁機構は、前記共用ポートから、固定スクロール台板内を外径方向に延びるリリース流路と、このリリース流路を開閉する弁手段を前記固定スクロール台板に備えている
    ことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 請求項1に記載のスクロール圧縮機において、前記リリース流路を開閉する弁手段は、前記固定スクロール台板内に形成され、前記リリース流路と前記密閉容器内の吐出圧力空間とを連通すると共に、リリース弁板を配置するリリース弁配置空間と、このリリース弁配置空間に設けられ、前記リリース流路を開閉するリリース弁板と、このリリース弁板を押圧する弾性体と、この弾性体を位置決め保持するリリース流路形成ストッパとを備えることを特徴とするスクロール圧縮機。
  3. 請求項2に記載のスクロール圧縮機において、前記リリース弁機構は、前記圧縮室内の圧力が前記密閉空間の吐出圧力空間よりも高くなった場合に、前記リリース弁板が開き、前記圧縮室内のガス冷媒を前記吐出圧力空間へリリースするように構成していることを特徴とするスクロール圧縮機。
  4. 請求項1に記載のスクロール圧縮機において、前記リリース流路を開閉する弁手段は、前記リリース流路を開閉するリード弁と、このリード弁の動作範囲を限定するリテーナと、前記リード弁及び前記リテーナを固定スクロールの台板に固定するボルトにより構成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  5. 請求項4に記載のスクロール圧縮機において、前記固定スクロールの台板の反ラップ側の面に、前記リード弁とリテーナをボルトにより固定し、前記圧縮室内の圧力が密閉空間の吐出圧力空間よりも高くなった場合に、前記リード弁が前記リテーナ側に押し上げられ、圧縮室内のガス冷媒を前記吐出圧力空間へリリースするように構成していることを特徴とするスクロール圧縮機。
  6. 請求項1に記載のスクロール圧縮機において、前記液インジェクション機構は、
    前記液インジェクション管と前記共用ポートとの間の前記インジェクション流路の部分に、圧縮室側から前記液インジェクション管側への逆流を防止する逆止弁機構を設け、この逆止弁機構は、前記共用ポート側から順に設けられた液インジェクション流路形成ストッパ、弾性体、弁板、弁シールストッパを備えていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  7. 請求項1に記載のスクロール圧縮機おいて、該スクロール圧縮機は、冷媒としてR32単一冷媒或いはR32を70%以上含む混合冷媒が使用される冷凍サイクル装置の冷媒圧縮機として用いられることを特徴とするスクロール圧縮機。
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