JP2015086554A - ブレース構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】構面内に開口部を有する柱梁構造体に適用可能としながらも、施設を容易にする。【解決手段】第1隅部7a(7c)と第2隅部7b(7d)との間に索状の第1ブレース材10をわたらせた状態で、その第1ブレース材10を第1隅部7a(7c)と第2隅部7b(7d)とにおいて柱梁構造体2に連結し、第1ブレース材10の中間部12と他の1つの隅部である第3隅部7c(7a)との間に第2ブレース材11をわたらせた状態で、その第2ブレース材11を第1ブレース材10の中間部12に連結するとともに第3隅部7c(7a)において柱梁構造体2に連結し、第1ブレース材10における第2ブレース材11の連結点15を引き合い作用点Xとする第1ブレース材10と第2ブレース材11とによる相互の引き合いにより第1ブレース材10が引き合い作用点Xで屈折する状態に、第1及び第2ブレース材10,11を緊張させる。【選択図】図1

Description

本発明は、柱梁構造体に対して施設するブレース構造に関する。
耐震補強に用いられるブレース構造として、一般に、2本のブレース材のうち1本のブレース材を柱梁構造体の矩形構面において一方の対角線方向で対向する隅部の間に張設し、もう1本のブレース材を他方の対角線方向で対抗する隅部の間に張設するX型のブレース構造がとられているが、このようなX型のブレース構造は、構面内にドアや窓などの開口部を有する柱梁構造体に対しては、多くの場合ブレース材が構面内の開口部に干渉することとなって適用できない問題があった。
そこで、構面内に開口部を有する柱梁構造体に適用可能なブレース構造として、従来、図5に示すように、柱梁構造体2の矩形構面における4つの隅部7のうちの3つの隅部夫々からブレース材を引き出すのに対し、それら3本のブレース材が有効に応力分担し、かつ、各ブレース材が構面内の開口部6に干渉しないように、ブレース材どうしが成すブレース間角度を設計上で予め算定した角度に規定した状態で、それら3本のブレース材夫々の端部を連結するブレース連結具A(交差結合材)を準備し、このブレース連結具Aを介して3本のブレース材どうしを連結することにより、構面内の開口部6に対するブレース材の干渉を回避した状態で柱梁構造体2に対して施設するブレース構造1が提案されている(特許文献1参照)。
特開平11−148245号公報
しかし、上記した従来の提案ブレース構造では、ブレース構造1の施設において管理及び取り扱いをする部品点数が多く、また、柱梁構造体2と各ブレース材の連結のほか、3本のブレース材どうしを連結するのに、それら3本のブレース材を1本ずつブレース連結具Aにおける所定の対応連結部に連結操作しなければならず、このため、ブレース構造1の施設が煩雑で手間と時間を要する問題があった。
また、3本のブレース材が有効に応力分担し、かつ、各ブレース材が構面内の開口部6に干渉しないブレース間角度は、柱梁構造体2の縦横比や柱梁構造体2の矩形構面における開口部6の専有位置により変化するため、施設対象の柱梁構造体ごとに適正なブレース間角度を算定して専用のブレース連結具Aを製作しなければならず、このため、製作に時間を要するとともに製作コストが高くなる問題もあった。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、構面内に開口部を有する柱梁構造体に適用可能としながらも、上記の如き問題を効果的に解消することができるブレース構造を提供する点にある。
本発明の第1特徴構成はブレース構造に係り、その特徴は、
柱梁構造体に対して施設するブレース構造であって、
前記柱梁構造体の矩形構面における4つの隅部のうち1つの対角線方向において対向する第1隅部と第2隅部との間に索状の第1ブレース材をわたらせた状態で、その第1ブレース材を前記第1隅部と前記第2隅部とにおいて前記柱梁構造体に連結し、
前記第1ブレース材の長手方向における中間部と前記矩形構面における他の1つの隅部である第3隅部との間に索状または棒状の第2ブレース材をわたらせた状態で、その第2ブレース材を前記第1ブレース材の中間部に連結するとともに前記第3隅部において前記柱梁構造体に連結し、
前記第1ブレース材の長手方向中間部における前記第2ブレース材の連結点を引き合い作用点とする前記第1ブレース材と前記第2ブレース材とによる相互の引き合いにより前記第1ブレース材が前記引き合い作用点で屈折する状態に、前記第1及び第2ブレース材を緊張させてある点にある。
つまり、上記構成によれば、第1ブレース材の中間部と第2ブレース材との連結点を第1ブレース材の長手方向で適当位置に選んだ状態において、その連結点(引き合い作用点)で第1ブレース材を屈折させた状態でそれら第1及び第2ブレース材を緊張させるから、それらブレース材の緊張により柱梁構造体を十分に補強しながらも、第1ブレース材によって区画される矩形構面における2つの領域のうち第2ブレース材が配置されてない側の領域の面積を第1ブレース材の屈折がない場合よりも広く確保することができて、その領域内に窓やドアなどの開口部を位置させるようにすることで、矩形構面における窓やドアなどの開口部に対する第1及び第2ブレース材の干渉を効果的に回避することができ、これにより、構面内に開口部を有する柱梁構造体にも適用可能なブレース構造とすることができる。
そして、上記構成では、ブレース材が第1ブレース材と第2ブレース材との2本で済むことから、先述した図5に示す従来の提案ブレース構造に比べ、ブレース構造の施設において管理及び取り扱いを要する部品点数を削減することができ、また、ブレース材と柱梁構造体との連結やブレース材どうしの連結に要する連結操作数も削減することができ、これにより、ブレース構造の施設に要する手間と時間を効果的に軽減することができて、その施設を容易にすることができる。
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記第1ブレース材又は前記第2ブレース材に張力を付与して前記第1及び第2ブレース材を緊張状態に保つ緊張手段を装備してある点にある。
つまり、上記構成によれば、ブレース材と柱梁構造体との連結及びブレース材どうしの連結を行った後に、上記緊張手段をもって第1及び第2ブレース材を容易に緊張させることができ、また、その後も上記緊張手段をもって第1及び第2ブレース材の緊張状態を確実かつ安定的に保つことができ、これにより、第1及び第2ブレース材を緊張操作しながら第1及び第2ブレース材を柱梁構造体に連結するのに比べ、ブレース構造の施設を一層容易にすることができ、また、耐震補強機能も一層高めることができる。
なお、この構成の実施においては、緊張手段を第1ブレース材と第2ブレース材とのいずれか一方のみに装備する形態、あるいは、第1及び第2ブレース材の両方に装備する形態のいずれも採用してもよい。
本発明の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記第1ブレース材の長手方向中間部に対する前記第2ブレース材の連結点である前記引き合い作用点が前記第1及び第2ブレース材の緊張化に伴い前記第1ブレース材の長手方向に自由移動する状態にして、前記第2ブレース材を前記第1ブレース材の長手方向中間部に連結してある点にある。
つまり、上記構成によれば、第1ブレース材の屈折を伴う第1及び第2ブレース材の緊張化に伴い、上記引き合い点を第1ブレース材の長手方向において最も安定する位置(即ち、第1及び第2ブレース材が有効に応力分担する適正なブレース間角度を成す位置)へ自ずと移動させることができ、これにより、先述した 従来の提案ブレース構造の如く施設対象の柱梁構造体ごとに適正なブレース間角度を予め算定して専用のブレース連結具を製作するといったことを不要にすることができる。
本発明の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれかの実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記第1及び第2ブレース材を対応する前記隅部において前記柱梁構造体の各面部分のうち前記第1及び第2ブレース材の張設方向に沿う姿勢の面部分に連結してある点にある。
つまり、上記構成によれば、柱梁構造体の構面内において壁や他の部材などが存在する場合でも、これら壁や他の部材を支障とすることなく、ブレース構造を施設することができる。
本発明の第5特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれかの実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記第1及び第2ブレース材を対応する前記隅部において前記柱梁構造体の各面部分のうち前記第1及び第2ブレース材の張設方向に対して交差する姿勢で前記柱梁構造体の内方側に向く面部分に連結してある点にある。
つまり、上記構成によれば、柱梁構造体の構面内の空間をブレース構造の施設に有効利用する形態となることから、ブレース構造が柱梁構造体の外側に張り出すなどのことを回避することができて、スペース的に有利にすることができる。
本発明の第6特徴構成は、第1〜第5特徴構成のいずれかの実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記第1又は第2ブレース材を前記柱梁構造体に連結する連結手段として、被係止具に対する係止具の引っ掛けにより連結を行う引掛式の連結手段を設けてある点にある。
つまり、上記構成によれば、第1又は第2ブレース材の柱梁構造体に対する連結を単なる引っ掛け操作だけで済ませることができ、これによりブレース構造の施設を一層容易にすることができる。
なお、この構成の実施においては、第1ブレース材を柱梁構造体に連結する連結手段、及び、第2ブレース材を柱梁構造体に連結する連結手段の両方を引掛式連結手段にしてもよい。
本発明の第7特徴構成は、第1〜第6特徴構成のいずれかの実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記第1ブレース材が繊維材製である点にある。
つまり、上記構成によれば、長尺となる第1ブレース材を軽量で柔軟性のあるものにして、その取り扱いを容易にすることができ、これにより、ブレース構造の施設を一層容易にすることができる。
なお、この構成を実施するのに、第2ブレース材は繊維材製あるいは剛性材製のいずれにしてもよい。
柱梁構造体に施設したブレース構造の正面図 第2ブレース材の柱梁構造体、及び、第1ブレース材に対する連結部の拡大図 別実施形態を示すブレース構造の正面図 別実施形態を示すブレース構造の正面図 従来のブレース構造の正面図
図1は開口部を構面内に有する柱梁構造体に施設した複合ブレース構造1を示し、2は柱3と梁4からなる柱梁構造体であり、その矩形構面5内には窓やドアなどの開口部6が形成されている。
図2にも示すように、柱梁構造体2の矩形構面5における4つの隅部7の夫々には、それら隅部7における柱梁構造体2の各面部分のうちブレース材張設方向に対して交差する姿勢で柱梁構造体2の内方側に向く面部分9に、隅部用連結手段8を構成する被係止具8aを取り付けてある。
複合ブレース構造1は、互いに交差する状態で左右に対称的に配置した左右一方側の単位ブレース構造1aと左右他方側の単位ブレース構造1bとからなり、これら単位ブレース構造1a、1bは、いずれもポリエステルロープ、ベルトスリング、ラウンドスリングなどの繊維材製の索状第1ブレース材10と同じく繊維材製の索状第2ブレース材11とで構成してある。
各単位ブレース構造1a、1bにおいて、第1ブレース材10の両端及び第2ブレース材11の一端には、上記被係止具8aに対して引っ掛けにより連結する係止具8bを取り付け、また、第2ブレース材11の他端には、第1ブレース材10の長手方向における中間部12に対して連結するブレース用連結具13を取り付けてあり、さらに、第2ブレース材11の長手方向中間部には、第2ブレース材11の長さを調節するターンバックルなどの緊張手段14を装備してある。
即ち、上記被係止具8a及び係止具8bは、第1ブレース材10の両端及び第2ブレース材11の一端の夫々を矩形構面5の各隅部7において柱梁構造体2に連結する隅部用連結手段8を構成する。
また、ブレース用連結具13は、例えば、図2に示す如く第1ブレース材10の長手方向中間部12に対して引っ掛けにより連結するフック構造にするなど、第1ブレース材10に対する第2ブレース材11の連結点15(後述する引き合い作用点X)が第1ブレース材10の長手方向に滑り移動することを許す状態で第2ブレース材11の他端を第1ブレース材10の長手方向中間部12に対して連結する構造にしてある。
次に、複合ブレース構造1の施設工法について説明すると、左右一方側の単位ブレース構造1aについては、柱梁構造体2の矩形構面5における4つの隅部7のうち図1において右上に位置する隅部7aと左下に位置する隅部7bとの間(即ち、1つの対角線方向において対向する隅部どうしの間)に、開口部6の位置に応じて長さ設定する第1ブレース材10をわたらせた状態で、それら隅部7a、7bにおいて第1ブレース材10の各端を図2に示す如く柱梁構造体2側の被係止具8aに対する係止具8bの引っ掛け操作により柱梁構造体2に連結する。
これに続き、第1ブレース材10の長手方向中間部12と矩形構面5における4つの隅部7のうち図1において左上に位置する隅部7c(即ち、他方の対角線方向における1つの隅部)との間に第2ブレース材11をわたらせた状態で、その隅部7cにおいて第2ブレース材11の一端を柱梁構造体2側の被係止具8aに対する係止具8bの引っ掛け操作により柱梁構造体2に連結するとともに、図2に示す如く第2ブレース材11の他端をブレース用連結具13により第1ブレース材長手方向への滑り移動が自在な状態で第1ブレース材10の長手方向中間部12に連結する。
そして、この連結操作の後、第2ブレース材11に装備した緊張手段14により第2ブレース材11を短縮側に長さ調節することで、第2ブレース材11に張力を付与するとともに、それに伴い第1ブレース材10に対する第2ブレース材11の連結点15を介して第1ブレース材10にも張力付与し、これにより、その連結点15を引き合い作用点Xとする第1ブレース材10と第2ブレース材11とによる相互の引き合いをもって第1ブレース材10をその引き合い作用点Xで屈折させる状態に第1及び第2ブレース材10,11を緊張させ、その状態で緊張手段14による第2ブレース材11の長さ固定により第1及び第2ブレース材10,11の緊張状態を保持する。
また、前述の如く第1ブレース材10に対する第2ブレース材11の連結点15をブレース用連結具13による連結により第1ブレース材11の長手方向に滑り移動自在にしてあることで、上記の如き第1ブレース材10の屈折を伴う第1及び第2ブレース材10,11の緊張化に伴い、引き合い作用点Xとしての連結点15を第1ブレース材11の長手方向においての最も安定である位置(即ち、第1及び第2ブレース材10,11が有効に応力分担する適正なブレース間角度を成す位置)へ自ずと移動させ、これにより、柱梁構造体2の耐震補強において第1及び第2ブレース材10,11が有効に応力分担する状態を容易かつ確実に得る。
そしてまた、上記の如く第1ブレース材10を屈折状態で緊張させることで、第1ブレース材10によって区画される矩形構面5における2つの領域のうち第2ブレース材11が配置されてない側の領域の面積を大きく確保して、その領域内に開口部6を位置させるようにし、これにより、左右一方側の単位ブレース構造1aにおける第1及び第2ブレース材10,11が矩形構面5内の開口部6に対して干渉する状態となるのを第1ブレース材10の長さ設定だけで回避する。
なお、この左右一方側の単位ブレース構造1aについては、矩形構面5における4つの隅部7のうち、第1ブレース材10の両端を柱梁構造体2に連結する上記右上隅部7a及び左下隅部7bが、既述した本発明の第1特徴構成でいう第1隅部及び第2隅部に該当し、第2ブレース材11の一端を柱梁構造体2に連結する上記左上隅部7cが、本発明の第1特徴構成における第3隅部に該当する。
また、左右他方側の単位ブレース構造1bについては、柱梁構造体2の矩形構面5における4つの隅部7のうち上記左上隅部7cと図1において右下に位置する隅部7dとの間(即ち、上記他方の対角線方向において対向する隅部どうしの間)に、開口部6の位置に応じて長さ設定する第1ブレース材10をわたらせた状態で、それら隅部7c、7dにおいて第1ブレース材10の各端を柱梁構造体2側の被係止具8aに対する係止具8bの引っ掛け操作により柱梁構造体2に連結する。
そして、これに続き、第1ブレース材10の長手方向中間部12と矩形構面5における4つの隅部7のうち上記右上隅部7a(即ち、上記一方の対角線方向における1つの隅部)との間に第2ブレース材11をわたらせた状態で、左右一方側の単位ブレース構造1aと同様に、その隅部7aにおいて第2ブレース材11の一端を柱梁構造体2側の被係止具8aに対する係止具8bの引っ掛け操作により柱梁構造体2に連結するとともに、第2ブレース材11の他端をブレース用連結具13により第1ブレース材長手方向への滑り移動が自在な状態で第1ブレース材10の長手方向中間部12に連結する。
そして、この連結操作の後、左右一方側の単位ブレース構造1aと同様に、第2ブレース材11に装備した緊張手段14により第2ブレース材11を短縮側に長さ調節することで、第1ブレース材を第1ブレース材10に対する第2ブレース材11の連結点15で屈折させる状態に第1及び第2ブレース材10,11を緊張させ、その状態で緊張手段14による第2ブレース材11の長さ固定により第1及び第2ブレース材10,11の緊張状態を保持し、また、第1ブレース材10の屈折を伴う第1及び第2ブレース材10,11の緊張化に伴い、引き合い作用点Xとしての連結点15を第1及び第2ブレース材10,11が有効に応力分担する適正なブレース間角度を成す位置へ自ずと移動させ、左右他方側の単位ブレース構造1bについても、柱梁構造体2の耐震補強において第1及び第2ブレース材10,11が有効に応力分担する状態を容易かつ確実に得る。
そしてまた、左右他方側の単位ブレース構造1bについても、上記の如く第1ブレース材10を屈折状態で緊張させることで、第1ブレース材10によって区画される矩形構面5における2つの領域のうち第2ブレース材11が配置されてない側の領域の面積を大きく確保して、その領域内に開口部6を位置させるようにし、左右他方側の単位ブレース構造1bにおける第1及び第2ブレース材10,11が矩形構面5内の開口部6に対して干渉する状態となるのを第1ブレース材10の長さ設定だけで回避する。
なお、この左右他方側の単位ブレース構造1bについては、矩形構面5における4つの隅部7のうち、第1ブレース材10の両端を柱梁構造体2に連結する上記左上隅部7c及び右下隅部7dが、既述した本発明の第1特徴構成でいう第1隅部及び第2隅部に該当し、第2ブレース材11の一端を柱梁構造体2に連結する上記右上隅部7aが、本発明の第1特徴構成における第3隅部に該当する。
以上のように、複合ブレース構造1を柱梁構造体2に施設するが、一方側及び他方側ブレース構造1a、1bを矩形構面5において左右に対称的に配置することにより、図1に示す矢印方向の力Fについては左右一方側の単位ブレース構造1aが負担し、また、力Fとは反対方向の力(図示しない)については左右他方側の単位ブレース構造1bが負担するようにし、これにより、両方向の力に対して柱梁構造体2を補強してある。
さらに、各単位ブレース構造1a、1bそれぞれについて第1ブレース材10を屈折状態で緊張させてあるため、各単位ブレース構造1a、1bにおける第1及び第2ブレース材10,11が矩形構面5内の開口部6に対して干渉する状態となるのを回避して、これにより、複合ブレース構造1を矩形構面5内に開口部6を有する柱梁構造体2にも適用可能としてある。
なお、柱梁構造体2への複合ブレース構造1の施設後においては、各単位ブレース構造1a、1bそれぞれにおける第1ブレース材10に対して連結した第2ブレース材11の他端は、そのまま第1ブレース材長手方向への滑り移動が自在な状態としてもよく、また、適当な緊縛手段などにより第1ブレース材に対し固定して第1ブレース材長手方向への滑り移動ができないようにしてもよい。
〔別実施形態〕
第1ブレース材10の両端及び第2ブレース材11の一端の夫々を矩形構面5の各隅部7において柱梁構造体2に連結する隅部用連結手段8は、本実施形態で示すような引掛式連結手段に限らず、どのような連結手段であってもよい。
本実施形態では、第2ブレース材11に緊張手段14を装備したが、これに限らず、緊張手段14は第1ブレース材10に装備してもよく、また、第1及び第2ブレース材10、11のいずれにも装備してもよい。
また、緊張手段14をいずれのブレース材にも装備せず、例えば、第2ブレース材11の他端をブレース用連結具13により第1ブレース材10の長手方向中間部12に連結するとともに、第1ブレース材10の両端及び第2ブレース材11の一端のうちのいずれか1の端部を除いて矩形構面5における隅部7において各端を柱梁構造体2に連結した状態で、隅部7に対し連結していない端部を引っ張るなどして第1ブレース材を第1ブレース材10に対する第2ブレース材11の連結点15で屈折させる状態に第1及び第2ブレース材10,11を緊張させ、その緊張状態を保たせながら当該端部を隅部7において柱梁構造体に連結させるなど、予め第1及び第2ブレース材10,11を緊張させた状態で第1及び第2ブレース材10,11を柱梁構造体2に連結してもよい。
本実施形態では、第2ブレース材11の他端に設けたブレース用連結具13を用いてその連結点15が第1ブレース材10の長手方向に滑り移動することを許す状態で第1ブレース材10に対して第2ブレース材11を連結したが、これに限定されず、ブレース用連結具13を用いることなく索状の第2ブレース材11の他端をその他端がリング状となるように結び、そのリング状の領域に第1ブレース10を通すことによりその連結点15が第1ブレース材10の長手方向に滑り移動することを許す状態で第1ブレース材10に対して第2ブレース材11を連結してもよい。
本実施形態では、第1ブレース材10に対する第2ブレース材11の連結形態は、ブレース用連結具13によりその連結点15が第1ブレース材10の長手方向に滑り移動することを許す状態で連結するものを示したが、これに限らず、接着剤などにより第2ブレース材11の他端を第1ブレース材10の中間部12に接着する形態や、第2ブレース材11の他端を第1ブレース材10に対して結びつけて固定する形態など、その連結点15を第1ブレース材11の長手方向に滑り移動できない状態で連結する形態としてもよい。
本実施形態では、ブレース用連結具13と緊張手段14とを別部材としたが、これに限定されず、第2ブレース材の長さを調節する機能を有するブレース用連結具13を用い、ブレース用連結具13が緊張手段14も兼ねるようにしてもよい。
本実施形態では、隅部用連結手段8を構成する被係止具8aは、柱梁構造体2の矩形構面5における隅部7において柱梁構造体2の各面部分のうちブレース材張設方向に対して交差する姿勢で柱梁構造体2の内方側に向く面部分9に取り付けたが、図3に示すように、柱梁構造体2の矩形構面5における隅部7において柱梁構造体2の各面部分のうちブレース材張設方向に沿う姿勢の面部分16に取り付けてもよい。
本実施形態では、第1ブレース材が繊維材製であるものを示したが、索状であればどのような素材のものであってもよい。
本実施形態では、第2ブレース材が索状で且つ繊維材製であるものを示したが、これに限定されず、棒状の鋼材製など索状又は棒状であればどのような素材のものであってもよい。
各単位ブレース構造1a、1bにおいて、第1ブレース材10の両端及び第2ブレース材11の一端を隅部7a〜7dのうちいずれに連結させるかは本実施形態で示したものに限らず、矩形構面5内の開口部の形状や位置に応じて適宜選択すればよい。
また、本実施形態では各単位ブレース構造1a、1bが、図1に示すように左右対称に位置するものを示したが、矩形構面5内の開口部の形状や位置に応じて上下対称に位置させてもよい。
本実施形態では、ブレース構造1の施設において各単位ブレース構造1a、1b合わせて4本のブレース材を用いたが、図4に示すように、一方側ブレース材17と他方側ブレース材18の2本のブレース材を用いて、一方側ブレース材17を右上隅部7aと左下隅部7bにわたらせるとともにその余剰部分を右上隅部7aにおいて折り返した状態とすることで、一方側ブレース材17のうち右上隅部7aと左下隅部7bとの間にわたらせてある部分を左右一方側の単位ブレース構造1aにおける第1ブレース材10として利用するとともに、右上隅部7aにおいて折り返した余剰部分を左右他方側の単位ブレース構造1bにおける第2ブレース材11として利用する構成にし、また、他方側ブレース材18を左上隅部7cと右下隅部7dにわたらせるとともにその余剰部分を左上隅部7cにおいて折り返した状態とし、他方側ブレース材18のうち左上隅部7cと右上隅部7dとの間にわたらせてある部分を左右他方側の単位ブレース構造1bにおける第1ブレース材10として利用するとともに、左上隅部7cにおいて折り返した余剰部分を左右一方側の単位ブレース構造1aにおける第2ブレース材11として利用する構成にし、これら一方側ブレース材17と他方側ブレース材18の2本のブレース材により、左右一方側及び他方側の単位ブレース構造1a、1bからなる複合ブレース構造1の施設を行ってもよい。
本実施形態では、柱3と梁4からなる柱梁構造体2を示したが、これに限定されず、本実施形態における柱梁構造体2の下側の梁4は建物の土台部分であってもよい。
本発明のブレース構造は、各種分野において種々の用途に用いる柱梁構造体に対して利用できる。
2 柱梁構造体
1 ブレース構造
5 矩形構面
7 隅部
7a、7c 第1隅部
7b、7d 第2隅部
10 第1ブレース材
12 第1ブレース材の中間部
7c、7a 第3隅部
11 第2ブレース材
15 連結点
X 引き合い作用点
14 緊張手段
16 張設方向に沿う姿勢の面部分
9 内方側に向く面部分
8a 被引っ掛け部
8b 引っ掛け部

Claims (7)

  1. 柱梁構造体に対して施設するブレース構造であって、
    前記柱梁構造体の矩形構面における4つの隅部のうち1つの対角線方向において対向する第1隅部と第2隅部との間に索状の第1ブレース材をわたらせた状態で、その第1ブレース材を前記第1隅部と前記第2隅部とにおいて前記柱梁構造体に連結し、
    前記第1ブレース材の長手方向における中間部と前記矩形構面における他の1つの隅部である第3隅部との間に索状または棒状の第2ブレース材をわたらせた状態で、その第2ブレース材を前記第1ブレース材の中間部に連結するとともに前記第3隅部において前記柱梁構造体に連結し、
    前記第1ブレース材の長手方向中間部における前記第2ブレース材の連結点を引き合い作用点とする前記第1ブレース材と前記第2ブレース材とによる相互の引き合いにより前記第1ブレース材が前記引き合い作用点で屈折する状態に、前記第1及び第2ブレース材を緊張させてあるブレース構造。
  2. 前記第1ブレース材又は前記第2ブレース材に張力を付与して前記第1及び第2ブレース材を緊張状態に保つ緊張手段を装備してある請求項1記載のブレース構造。
  3. 前記第1ブレース材の長手方向中間部に対する前記第2ブレース材の連結点である前記引き合い作用点が前記第1及び第2ブレース材の緊張化に伴い前記第1ブレース材の長手方向に自由移動する状態にして、前記第2ブレース材を前記第1ブレース材の長手方向中間部に連結してある請求項1又は請求項2記載のブレース構造。
  4. 前記第1及び第2ブレース材を対応する前記隅部において前記柱梁構造体の各面部分のうち前記第1及び第2ブレース材の張設方向に沿う姿勢の面部分に連結してある請求項1〜3のいずれか1項に記載のブレース構造。
  5. 前記第1及び第2ブレース材を対応する前記隅部において前記柱梁構造体の各面部分のうち前記第1及び第2ブレース材の張設方向に対して交差する姿勢で前記柱梁構造体の内方側に向く面部分に連結してある請求項1〜3のいずれか1項に記載のブレース構造。
  6. 前記第1又は第2ブレース材を前記柱梁構造体に連結する連結手段として、被係止具に対する係止具の引っ掛けにより連結を行う引掛式の連結手段を設けてある請求項1〜5のいずれか1項に記載のブレース構造。
  7. 前記第1ブレース材が繊維材製である請求項1〜6のいずれか1項に記載のブレース構造。
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