JP2015085798A - 自動制動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転者の操作と車両の軌跡との間の差異を抑えることのできる自動制動装置を提供する。【解決手段】対象物に対する車両の衝突予測時間を算出する時間算出部21と、衝突予測時間が所定の時間閾値以下であるか否かを判断する衝突判断部22と、衝突予測時間が時間閾値以下であると衝突判断部22が判断したときにブレーキ装置を駆動する駆動部24と、ブレーキ装置が駆動された状態での車両の前後方向に交差する方向の加速度を用いて車両の交差する方向への移動量を算出する移動量算出部25と、移動量算出部25の算出した移動量が所定の距離閾値以上であるか否かを判断する距離判断部26と、駆動部24によるブレーキ装置の駆動を解除する解除条件に、移動量が距離閾値以上であると距離判断部26が判断したことを含み、解除条件が成立したときに駆動を解除する制御信号生成部23と、を備える。【選択図】図2

Description

本開示の技術は、車両を自動で制動させる自動制動装置に関する。
自車両と他車両などの障害物との衝突が予測されるとき、自車両を運転者の操作によらず自動で制動する自動制動装置が知られている。例えば特許文献1に記載のように、自動制動装置は、自車両と障害物との間の相対距離、および、自車両と障害物との相対速度とから算出される衝突予測時間が所定の閾値以下であるとき、ブレーキ装置を駆動して自車両を制動する。
特開2012−196997号公報
ところで、自動制動装置は、通常、左輪のブレーキの駆動量と右輪のブレーキの駆動量とが同じになるように各ブレーキを駆動して車両を停止させる。しかしながら、左輪のブレーキの駆動量と右輪のブレーキの駆動量とが同じであっても、例えばブレーキを構成する部材の経時的な変化により、左輪に生じたと右輪とに生じた制動力が異なることもある。左輪の制動力の大きさが右輪の制動力の大きさよりも大きいときには、左に旋回する力が車両に働く一方、右輪の制動力の大きさが左輪の制動力の大きさよりも大きいときには、右に旋回する力が車両に働く。こうした場合には、自動制動装置が自動で車両を停止させると、ブレーキ装置が作動してから車両が停止するまでの車両の軌跡が、運転者が車両を操作している方向と大きく異なってしまう。
本開示の技術は、運転者の操作と車両の軌跡との間の差異を抑えることのできる自動制動装置を提供することを目的とする。
本開示の技術における自動制動装置の一態様は、対象物に対する車両の衝突予測時間を算出する時間算出部と、前記衝突予測時間が所定の時間閾値以下であるか否かを判断する衝突判断部と、前記衝突予測時間が前記時間閾値以下であると前記衝突判断部が判断したときにブレーキ装置を駆動する駆動部とを備える。また、自動制動装置は、前記ブレーキ装置が駆動された状態での前記車両の前後方向に交差する方向の加速度を用いて前記車両の前記交差する方向への移動量を算出する移動量算出部と、前記移動量算出部の算出した前記移動量が所定の距離閾値以上であるか否かを判断する距離判断部と、前記駆動部による前記ブレーキ装置の駆動を解除する解除条件に、前記移動量が前記距離閾値以上であると前記距離判断部が判断したことを含み、前記解除条件が成立したときに前記駆動を解除する駆動解除部と、を備える。
本開示の技術における自動制動装置の一態様によれば、ブレーキ装置が自動で駆動されることに基づく車両の移動が抑えられるため、ブレーキ装置が自動で駆動することによる車両の旋回が抑えられる。それゆえに、運転者の操作と車両の軌跡との間の差異を抑えることができる。
本開示の技術における自動制動装置の他の態様は、前記車両の速度である車速を取得する車速取得部と、ステアリングホイールの操舵角を取得する操舵角取得部と、前記車両の旋回状態を取得する旋回状態取得部と、前記車速取得部の取得した前記車速と、前記操舵角取得部の取得した前記操舵角とを用いて目標とする旋回状態を算出する目標算出部と、をさらに備える。また、自動制動装置は、前記旋回状態取得部の取得した前記車両の旋回状態と、前記目標算出部の算出した前記目標とする旋回状態とが異なるか否かを判断する状態判断部と、前記移動量が前記距離閾値未満であると前記距離判断部が判断し、かつ、前記車両の旋回状態と前記目標とする旋回状態とが異なると前記状態判断部が判断したとき、前記車両の旋回状態と前記目標とする旋回状態との差が小さくなるように、前記ブレーキ装置の制動力を制御する制動力制御部と、をさらに備える。
本開示の技術における自動制動装置の他の態様によれば、ブレーキ装置が自動で駆動されるとき、車両の実際の旋回状態と目標とする旋回状態との差が小さくされるため、ブレーキ装置が駆動された状態でも、運転者の操作と車両の軌跡との間の差異を抑えることができる。
本開示の技術における自動制動装置の他の態様は、前記状態判断部が、前記車両の旋回状態と前記目標とする旋回状態との差が所定の閾値以上であるか否かを判断する。また、前記駆動解除部は、前記移動量が前記距離閾値未満であると前記距離判断部が判断し、かつ、前記車両の旋回状態と前記目標とする旋回状態との差が所定の閾値以上であると前記状態判断部が判断したとき、前記駆動部による前記ブレーキ装置の駆動を解除する。
本開示の技術における自動制動装置の他の態様によれば、車両の実際の旋回状態と、目標とする旋回状態、すなわち、運転者の操作に基づく旋回状態との差が開いたときにもブレーキ装置の駆動が解除される。そのため、運転者の操作と車両の軌跡との間の差異が抑えられる機会がより多くなる。
本開示の技術における自動制動装置の他の態様は、前記車両の旋回状態が、前記車両の走行軌跡における曲率半径であり、前記移動量算出部は、前記曲率半径を用いて前記交差する方向の加速度を算出し、前記交差する方向の加速度の算出結果を用いて前記車両の前記交差する方向への移動量を算出する。
本開示の技術における自動制動装置の他の態様によれば、車両の旋回状態が、移動量を求めるための加速度の算出にも用いられるため、自動制動装置が演算に用いるデータの種類を少なくすることができる。
前記状態判断部は、前記車両の旋回状態と前記目標とする旋回状態とから、右輪の制動力と左輪の制動力とのいずれが大きいかをさらに判断する。また、前記制動力制御部は、前記右輪の制動力と前記左輪の制動力とのうち、状態判断部が相対的に大きいと判断した制動力の大きさを小さくして、状態判断部が相対的に小さいと判断した制動力の大きさに近付ける。
本開示の技術における自動制動装置の他の態様によれば、右輪での制動力の大きさが左輪での制動力の大きさに近付く、あるいは、左輪での制動力の大きさが右輪での制動力の大きさに近付く。そのため、2つの制動力の間の差を確実に小さくすることができる。それゆえに、運転者の操作と車両の軌跡との間の差を確実に抑えることができる。
本開示の自動制動装置の第1実施形態における自動制動装置を搭載する車両の構成を示す構成図である。 第1実施形態における自動制動装置の構成を示す機能ブロック図である。 第1実施形態における自動制動装置が行う処理の手順を示すフローチャートである。 第1実施形態における自動制動装置の作用を説明するための作用図である。 本開示の自動制動装置の第2実施形態における自動制動装置の構成を示す機能ブロック図である。 第2実施形態における自動制動装置が記憶するマップの一例を示す図である。 第2実施形態における自動制動装置が行う処理の手順の一部を示すフローチャートである。 第2実施形態における自動制動装置の作用を説明するための作用図である。
[第1実施形態]
図1から図4を参照して、自動制動装置を具体化した第1実施形態を説明する。以下では、自動制動装置を搭載する車両の構成、自動制動装置の構成、自動制動装置が行う処理の手順、および、自動制動装置の作用を順番に説明する。
[車両の構成]
図1を参照して自動制動装置を搭載する車両の構成を説明する。
図1が示すように、車両10は、例えば2つの右輪と2つの左輪とを有し、2つの右輪のうち、一方が前右輪11aであり、他方が後右輪11cであり、2つの左輪のうち、一方が前左輪11bであり、他方が後左輪11dである。車両10は、4つの車輪の各々の回転を抑えて車両を制動するブレーキ12a,12b,12c,12dを備えている。各ブレーキは、ドラムブレーキでもよいし、ディスクブレーキでもよい。
各ブレーキは、各ブレーキに対して車両を制動するための制動力を与えるブレーキアクチュエーター13に接続している。ブレーキアクチュエーター13は、空気圧を制動力として各ブレーキに与える構成でもよいし、油圧を制動力として各ブレーキに与える構成でもよい。ブレーキアクチュエーター13は、各ブレーキに与える空気圧あるいは油圧を調節することによって、各ブレーキに与える制動力を調節する機構を有する。各ブレーキおよびブレーキアクチュエーター13が、ブレーキ装置の一例である。
車両10は、ブレーキアクチュエーター13が各ブレーキを駆動する駆動量を制御する自動制動装置14を搭載している。自動制動装置14は、ステアリングセンサー15、ミリ波レーダー16、車速センサー17、および、ヨーレートセンサー18に接続している。
ステアリングセンサー15は、車両10の搭載しているステアリングホイールの操舵角を測定して、測定値を自動制動装置14に向けて出力する。ミリ波レーダー16は、車両10と車両10の周囲に位置する障害物、例えば他車両との相対位置、および、相対速度を測定し、これら測定値を自動制動装置14に向けて出力する。車速センサー17は、例えば、各車輪の回転速度を測定し、測定値を自動制動装置14に向けて出力する。ヨーレートセンサー18は、車両10の重心を通る鉛直軸を中心とする回転運動の角速度であるヨーレートを測定し、測定値を自動制動装置14に向けて出力する。
[自動制動装置の構成]
図2を参照して自動制動装置14の構成を説明する。
図2が示すように、自動制動装置14は、時間算出部21、衝突判断部22、制御信号生成部23、駆動部24、移動量算出部25、および、距離判断部26を備えている。このうち、時間算出部21は、ミリ波レーダー16の測定値である相対距離の測定値、および、相対速度の測定値を入力値として入力し、移動量算出部25は、車速センサー17の測定値である車速、および、ヨーレートセンサーの測定値であるヨーレートを入力値として入力する。駆動部24は、ブレーキ装置を構成するブレーキアクチュエーター13に向けた駆動信号を出力する。
時間算出部21は、相対距離と相対速度とを用いて衝突予測時間を算出する。時間算出部21は、相対距離を相対速度で割ることによって、衝突予測時間を算出する。
衝突判断部22は、時間算出部21の算出した衝突予測時間が時間における所定の閾値である時間閾値以下であるか否かを判断する。時間閾値は、例えば数秒である。
制御信号生成部23は、衝突判断部22の判断した結果に基づき、ブレーキ装置を構成するブレーキアクチュエーター13の駆動を制御するための制御信号を生成する。衝突予測時間が時間閾値以下であると衝突判断部22が判断したとき、制御信号生成部23は、車両10の右輪の駆動量と、左輪の駆動量とが同じになるようにブレーキアクチュエーター13を駆動させるための制御信号を生成する。制御信号生成部23は、生成した制御信号を駆動部24に向けて出力する。一方、衝突予測時間が時間閾値よりも大きいと衝突判断部22が判断したとき、制御信号生成部23は、自動制動装置14によるブレーキアクチュエーター13の駆動を解除するための制御信号、もしくは、駆動の停止を維持するための制御信号を生成して、生成した制御信号を駆動部24に向けて出力する。
駆動部24は、制御信号生成部23の出力した制御信号に応じた駆動の状態でブレーキ装置を駆動するための駆動信号を生成する。駆動部24は、駆動信号をブレーキ装置のブレーキアクチュエーター13に向けて出力する。これにより、ブレーキ装置が、自動制動装置14によって自動で駆動される。または、ブレーキ装置の駆動が解除されたり、ブレーキ装置の駆動の停止が維持されたりする。
移動量算出部25は、衝突予測時間が時間閾値以下であると衝突判断部22が判断したとき、ヨーレートと車速とを用いて、車両の重心点の走行軌跡と旋回中心との距離、すなわち、実際の曲率半径である実曲率半径を算出する。移動量算出部25は、車速をヨーレートで割ることによって、実曲率半径を算出する。移動量算出部25は、車速がV(m/s)であり、ヨーレートがY(rad/s)であり、実曲率半径がRa(m)であるとき、以下の式を用いて実曲率半径Raを算出する。
Ra=V/Y
移動量算出部25は、車両10の前後方向に対して交差する方向の加速度を算出し、算出した加速度を用いて、車両10の前後方向に対して交差する方向への移動量を算出する。加速度は、例えば、車両10の前後方向に対して直交する横方向に働く加速度である横加速度でもよいし、車両10の旋回における中心方向に働く加速度である求心加速度でもよい。加速度が求心加速度であり、求心加速度がAであるとき、移動量算出部25は、以下の式に車速Vと実曲率半径Raとを適用して求心加速度を算出する。
A=V/Ra
移動量算出部25は、加速度が横加速度であるとき、車速と実曲率半径Raとを用いて算出した加速度を、重心点横滑り角で補正することによって横加速度を算出する。なお、重心点横滑り角は、車両10の重心点の進行方向と、車両10の前後方向に沿って延び、かつ、車両10の重心点を通る線である車両の中心線とがなす角度である。
移動量算出部25は、算出した加速度を用いて、車両10の前後方向に対して交差する方向に車両10が移動する距離である移動量を算出する。移動量算出部25は、例えば、加速度を2階積分することによって、移動量を算出する。
距離判断部26は、移動量算出部25の算出した移動量が、距離における所定の閾値である距離閾値以上であるか否かを判断する。距離閾値は、例えば、車両10が大型バスや大型トラックなどの大型車であるとき、1m程度であることが好ましい。大型車が対面通行となる2つの車線の一方を走行し、かつ、大型車の移動量が距離閾値を超えるとき、大型車が、対向車線を走行する車両に衝突する可能性、あるいは、対向車線とは反対の方向に向けて移動することで、車線からはみ出る可能性が高い。
制御信号生成部23は、距離判断部26の判断した結果に基づき、ブレーキアクチュエーター13の駆動を制御するための制御信号を生成する。制御信号生成部23は、ブレーキアクチュエーター13の駆動を解除する条件として、車両10の移動量が距離閾値以上であると距離判断部26が判断したことを含む。
車両10の移動量が距離閾値以上であると距離判断部26が判断したとき、制御信号生成部23は、ブレーキアクチュエーター13の駆動を解除するための制御信号を生成して、駆動部24に向けて出力する。駆動部24は、制御信号生成部23の出力した制御信号に応じてブレーキ装置の駆動を解除するための駆動解除信号をブレーキアクチュエーター13に向けて出力する。これにより、駆動部24は、衝突判断部22の判断した結果に基づくブレーキアクチュエーター13の駆動を解除して、ブレーキ装置の駆動を解除する。
一方、車両10の移動量が距離閾値未満であると距離判断部26が判断したとき、制御信号生成部23は、ブレーキアクチュエーター13の駆動を解除するための制御信号を生成しない。これにより、衝突判断部22の判断に基づくブレーキアクチュエーター13に駆動を継続し、ブレーキ装置の駆動が継続する。制御信号生成部23は、駆動解除部の一例である。
[自動制動装置の処理の手順]
図3を参照して、自動制動装置14が行う処理の手順を説明する。なお、自動制動装置14は、以下に記載の処理を所定時間ごとに繰り返し行っている。
図3が示すように、自動制動装置14は、相対距離と相対速度とを用いて衝突予測時間を算出し(ステップS11)、自動制動装置14は、算出した衝突予測時間が時間閾値以下であるか否かを判断する(ステップS12)。自動制動装置14は、衝突予測時間が時間閾値以下であると判断したとき(ステップS12:YES)、ブレーキアクチュエーター13に対する駆動信号を生成して、ブレーキアクチュエーター13に向けて出力する(ステップS13)。
自動制動装置14は、ブレーキアクチュエーター13が駆動したとき、すなわち、ブレーキ装置が駆動したとき、車速とヨーレートとを用いて実曲率半径を算出し、車速と実曲率半径とを用いて車両の前後方向と交差する方向の加速度を算出する(ステップS14)。自動制動装置14は、ステップS14にて算出した加速度を用いて、車両の前後方向と交差する方向の移動量を算出し(ステップS15)、算出した移動量が距離閾値以上であるか否かを判断する(ステップS16)。自動制動装置14は、移動量が距離閾値以上であると判断したとき(ステップS16:YES)、駆動解除信号を生成して、ブレーキアクチュエーター13に向けて出力する(ステップS17)。自動制動装置14は、ステップS17の処理を終了したとき、ステップS11からステップS17にわたる一連の処理を一旦終了する。
なお、自動制動装置14は、ステップS12にて、衝突予測時間が時間閾値よりも大きいと判断したとき(ステップS12:NO)、ブレーキ装置の駆動を解除する、もしくは、ブレーキ装置の駆動の停止を維持するための駆動信号を生成して、ブレーキアクチュエーター13に向けて出力する。その後、自動制動装置14は、一連の処理を一旦終了する。一方、自動制動装置14は、ステップS16にて、移動量が距離閾値未満であると判断したとき、以降の処理を行わずに一連の処理を終了する。
[自動制動装置の作用]
図4を参照して、自動制動装置14の作用を説明する。
図4が示すように、自車両31が1つの方向に沿って延びる第1車線41に沿って走行しているとき、自車両31が、第1車線41に沿って自車両31の前方を走行する前方車両32に近づく。これにより、自車両31が前方車両32に衝突するまでにかかる時間である衝突予測時間が時間閾値以下になると、自車両31の備えるブレーキ装置が自動制動装置14によって駆動される。
ブレーキ装置が自動で駆動され、かつ、自車両31の進行方向とは交差する方向への移動量が距離閾値以上であるとき、ブレーキ装置の駆動が解除される。そのため、第1車線41の延びる方向に沿って走行している自車両31は、左右方向のいずれかに旋回させる力を受けにくくなる。それゆえに、自車両31が、進行方向とは交差する方向に移動することで、第1車線41から大きく外れる方向に移動することが抑えられる。つまり、自車両31は、運転者が自車両31を第1車線41の延びる方向に沿って走行させている限りは、第1車線41上の前方位置31aに位置しやすくなる。結果として、運転者の操作と車両の軌跡との間の差異を抑えることができる。
これに対して、ブレーキ装置が自動で駆動され、かつ、上述の移動量が距離閾値以上であってもブレーキ装置の駆動が停止されないとき、第1車線41の延びる方向に沿って走行している自車両31は、左右方向のいずれかに旋回させる力を受ける。
例えば、右輪での制動力の大きさが左輪での制動力の大きさよりも大きいために自車両31が右方向に旋回させる力を受けるとき、運転者が自車両31を第1車線41の延びる方向に沿って走行させても、自車両31は、第1車線41から第2車線42に向けて走行してしまう。なお、第2車線42は、第1車線41と同じ方向に沿って延び、かつ、第1車線41とは逆の方向に向けて車両が走行する車線である。これにより、自車両31は、第1車線41と第2車線42とを区画する中央線43を超えて第2車線42に侵入し、自車両31のほとんどが第2車線42上に位置する右旋回位置31bに位置してしまう。結果として、運転者の操作と車両の軌跡との間の差異が大きくなってしまう。ひいては、第2車線42の延びる方向に沿って走行している対向車両33に衝突する可能性が高くなる。
一方、左輪での制動力の大きさが右輪での制動力の大きさよりも大きいために自車両31が左方向に旋回させる力を受けるとき、運転者が自車両31を第1車線41の延びる方向に沿って走行させても、自車両31は、中央線43から離れる方向に向けて走行してしまう。これにより、自車両31は、自車両31のほとんどが第1車線41から外れた位置である左旋回位置31cに位置してしまう。結果として、運転者の操作と車両の軌跡との間の差異が大きくなってしまう。ひいては、例えば、第1車線41が第1車線と同じ方向に沿って延びる側壁によって区画されているとき、自車両31が、側壁に衝突する可能性が高くなる。
以上説明したように、第1実施形態における自動制動装置によれば、以下の効果が得られる。
(1)ブレーキ装置が自動で駆動されることに基づく車両10の移動が抑えられるため、ブレーキ装置が自動で駆動することによる車両10の旋回が抑えられる。それゆえに、運転者の操作と車両の軌跡との間の差異を抑えることができる。
なお、上述した第1実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・車両10が、車両10の前後方向に交差する方向の加速度を測定するセンサーである横加速度センサーを備える構成であれば、移動量算出部25は、入力値として横加速度を入力し、入力した横加速度を2階積分して移動量を算出する構成でもよい。
・車両10は、6以上の偶数の車輪を備えてもよい。車両10が、例えば、大型トラックや大型バスであるとき、車両10の前後方向に沿って並ぶ3つの右輪と、同じく車両10の前後方向に沿って並ぶ3つの左輪とを備える構成でもよい。
・ステアリングセンサー15、ミリ波レーダー16、車速センサー17、および、ヨーレートセンサー18の各々は測定センサーの一例であり、車両10は、これらの各々と同じ測定対象を測定するセンサーを搭載する構成であってもよい。あるいは、車両10は、測定対象に関するデータを車々間通信によって他の車両から得る構成でもよい。
・自動制動装置14は、衝突予測時間における時間閾値を複数有する構成でもよい。例えば、自動制動装置14は、2つの時間閾値を有し、衝突予測時間が相対的に大きい時間閾値以下であるとき、ランプやブザーなどを用いて運転者に対する警告を行い、かつ、相対的に小さい駆動量でブレーキ装置を駆動させる。そして、自動制動装置14は、衝突予測時間が相対的に小さい時間閾値以下であるとき、相対的に大きい駆動量でブレーキ装置を駆動させる。こうした構成では、衝突予測時間が相対的に小さい時間閾値以下であるとき、図4を用いて説明された処理を行ってもよいし、衝突予測時間が相対的に大きい時間閾値以下であるとき、同処理を行ってもよいし、いずれの場合にも同処理を行ってもよい。
自動制動装置14は、3つの時間閾値を有する構成でもよい。自動制動装置14は、衝突予測時間が最も大きい時間閾値以下であるとき、警告を行い、衝突予測時間が2番目に小さい時間閾値以下であるとき、相対的に小さい駆動量でブレーキ装置を駆動させ、衝突予測時間が最も小さい衝突予測時間以下であるとき、相対的に大きい駆動量でブレーキ装置を駆動する構成でもよい。
[第2実施形態]
図5から図8を参照して、自動制動装置を具体化した第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態の自動制動装置は、第1実施形態の自動制動装置と比べて、上述した移動量が距離閾値よりも小さいときに行われる処理が追加されている点が異なっている。そのため、以下では、こうした相違点を詳しく説明する目的で、自動制動装置の構成、自動制動装置が行う処理の手順、および、自動制動装置の作用を順番に説明する。また、以下では、第1実施形態の自動制動装置と同等の構成に対して同じ符号を付し、これらの構成についての詳しい説明を省略する。
[自動制動装置の構成]
図5を参照して自動制動装置14の構成を説明する。
図5が示すように、自動制動装置14は、時間算出部21、衝突判断部22、制御信号生成部23、駆動部24、移動量算出部25、および、距離判断部26に加えて、目標算出部51、および、状態判断部52を備えている。
目標算出部51は、ステアリングセンサー15の測定値であるステアリングホイールの操舵角、および、車速センサー17の測定値である車速を入力値として入力する。目標算出部51は、車速取得部および操舵角取得部の一例である。目標算出部51は、操舵角と車速とを用いて目標とする曲率半径である目標曲率半径を算出する。すなわち、目標曲率半径は、運転者によるステアリングホイールの操作量から推定される曲率半径である。
目標算出部51は、車速がV(m/s)であり、操舵角がS(deg)であり、目標曲率半径がRt(m)であるとき、以下の式を用いて目標曲率半径Rtを算出する。なお、以下のαおよびβは、所定の定数である。
Rt=(V×α+β)/S
状態判断部52は、車両10における実際の旋回状態と、車両10における目標とする旋回状態とが異なるか否かを判断する。例えば、旋回状態が車両10の走行軌跡における曲率半径であるとき、状態判断部52は、移動量算出部25の算出した実曲率半径Raと、目標算出部51の算出した目標曲率半径Rtとが異なるか否かを判断する。状態判断部52は、旋回状態取得部の一例である。
状態判断部52は、さらに、実際の旋回状態と目標とする旋回状態との差が所定の閾値以上であるか否かを判断する。旋回状態が、例えば車両10の走行軌跡における曲率半径であるとき、状態判断部52は、実曲率半径Raと目標曲率半径Rtとの差が所定の閾値以下であるか否かを判断する。
状態判断部52は、実曲率半径Raと目標曲率半径Rtとの差である半径差ΔRが閾値以上であるか否かを判断するとき、例えば、自動制動装置14の記憶部が格納する制動力マップを用いる。状態判断部52は、実曲率半径Raと目標曲率半径Rtとを制動力マップに適用して、半径差ΔRが閾値以上であるか否かを判断する。
状態判断部52は、さらに、先に説明された閾値を第1閾値とするとき、実曲率半径Raと目標曲率半径Rtとを制動力マップに適用して、半径差ΔRが、第1閾値よりも小さい第2閾値以上第1閾値未満であるか否かを判断してもよい。
制御信号生成部23は、ブレーキ装置の制動力を制御して、車両10における実際の旋回状態と、車両10における目標とする旋回状態との差を小さくする。ただし、制御信号生成部23が実際の旋回状態と目標とする旋回状態との差を小さくするときには、距離判断部26が、車両10の移動量が距離閾値未満であると判断していることと、状態判断部52が、実際の旋回状態と目標とする旋回状態とが異なると判断していることとが必要である。
制御信号生成部23は、距離判断部26の判断した結果と、状態判断部52の判断した結果とを入力し、これらの結果に基づいて実際の旋回状態と目標とする旋回状態との差に応じた制御信号を生成して、ブレーキ装置の駆動を制御する。制御信号生成部23は、ブレーキ装置を駆動するか否かを制御する信号を生成する機能に加えて、ブレーキ装置の駆動量を制御する信号を生成する機能を有する。つまり、制御信号生成部23は、状態判断部52の判断した結果を用いてブレーキ装置の駆動を解除するための制御信号を生成する。加えて、制御信号生成部23は、状態判断部52の判断した結果を用いて上述した旋回状態の差を小さくするためのブレーキアクチュエーター13の駆動量を演算し、演算した駆動量でブレーキアクチュエーター13を駆動するための制御信号を生成して、駆動部24に向けて出力する。
例えば、旋回状態が車両の走行軌跡における曲率半径であるとき、制御信号生成部23は、ブレーキ装置の駆動量を制御するための信号を生成して、車両10における実曲率半径Raと、車両10における目標曲率半径Rtとの差を小さくする。制御信号生成部23は、制動力制御部の一例である。
駆動部24は、制御信号生成部23が出力した制御信号のうち、ブレーキ装置の駆動を解除するための制御信号を入力するとき、駆動解除信号を生成して、ブレーキアクチュエーター13に向けて出力する。一方、駆動部24は、制御信号生成部23が出力した制御信号のうち、ブレーキ装置を演算した駆動量で駆動するための制御信号を入力するとき、駆動補正信号を生成してブレーキアクチュエーター13に向けて出力する。
[制動力マップ]
図6を参照して、自動制動装置14の記憶部が格納する制動力マップの一例を説明する。なお、以下では、制動力マップのうち、目標曲率半径Rtに対して実曲率半径Raが小さいとき、すなわち、目標とする旋回量に対して実際の旋回量が大きいときに、衝突判断部22の判断した結果に基づくブレーキ装置の駆動が解除される例を説明する。
図6が示すように、制動力マップ61は、縦軸62が実曲率半径Raであり、横軸63が目標曲率半径である二次元マップであり、縦軸62と横軸63とは、原点で交わっている。
なお、ヨーレートセンサー18は、車両10が左に旋回するとき、測定値として正の値を出力する一方、車両10が右に旋回するとき、測定値として負の値を出力する。そのため、実曲率半径Raも、車両10が左に旋回するとき、正の値である一方、車両10が右に旋回するとき、負の値である。
また、ステアリングセンサー15は、ステアリングホイールが左に旋回するとき、測定値として正の値を出力する一方、車両10が右に旋回するとき、測定値として負の値を出力する。そのため、目標曲率半径Rtも、車両10が左に旋回するとき、正の値である一方、車両10が右に旋回するとき、負の値である。
実曲率半径Raおよび目標曲率半径Rtの各々では、正の値および負の値のいずれであっても、絶対値が大きいほど、車両10の走行距離における旋回量が小さくなる、すなわち、車両10の走行軌跡が直線に近付く。
縦軸62と横軸63とによって定められる二次元領域には、第1直線64、第2直線65、および、第3直線66が設定されている。第2直線65は、第1直線64よりも傾きの小さい直線であり、第3直線66は、第2直線よりも傾きの小さい直線である。
第1直線64は、実曲率半径Raと目標曲率半径Rtとが等しい点の集合である。実曲率半径Raと目標曲率半径Rtとにより特定される点である半径点Pが第1直線64以下、かつ、第2直線65よりも大きいとき、自動制動装置14は、衝突判断部22の判断した結果に基づくブレーキ装置の駆動を継続させる。すなわち、自動制動装置14は、半径点Pが第1直線64と第2直線65とにより区画される2つの駆動領域のいずれかに含まれるとき、衝突判断部22の判断した結果に基づくブレーキ装置の駆動を継続させる。
第2直線65は、実曲率半径Raの絶対値が目標曲率半径Rtの絶対値よりも所定の長さだけ小さい点の集合であり、かつ、半径差ΔRが所定の長さ以上である点の集合である。半径点Pが第2直線65以下であり、かつ、第3直線66よりも大きいとき、自動制動装置14は、半径差ΔRが小さくなるように、ブレーキ装置の駆動量を補正して、ブレーキ装置による制動力を補正する。
制動力マップ61では、車両10の旋回量が大きいほど、第1直線64と第2直線65との距離が小さくなる。つまり、車両10の旋回量が大きいほど、半径差ΔRが小さくとも、半径点Pが2つの補正領域のいずれかに含まれる。そのため、車両の旋回量が変わっても、同じ半径差ΔRであるときに半径点Pが2つの補正領域のいずれかに含まれる構成と比べて、車両10の旋回量が相対的に大きいときには車両10の旋回がより抑えられる。一方、車両10の旋回量が相対的に小さいときには、車両10の制動力が抑えられすぎない。
すなわち、第2直線65を構成する点の各々は、自動制動装置14がブレーキ装置の駆動量を補正するか否かを判断するための閾値であって、上述した2つの閾値のうちの第2閾値である。自動制動装置14は、半径点Pが第2直線65と第3直線66とにより区画される2つの補正領域のいずれかに含まれるとき、ブレーキ装置の駆動量を補正する。
例えば、実曲率半径Raおよび目標曲率半径Rtが正の値であり、半径点が一方の補正領域に含まれるとき、右輪での制動力の大きさが左輪での制動力の大きさよりも大きいため、車両10が右に旋回する力を受ける。これにより、実曲率半径Raが目標曲率半径Rtよりも小さくなる。
このとき、自動制動装置14は、例えば、右輪に対するブレーキ装置の駆動量を所定の大きさだけ小さくして右輪での制動力の大きさを所定の大きさだけ小さくし、実曲率半径Raと目標曲率半径Rtとの差を小さくする。
これに対して、実曲率半径Raおよび目標曲率半径Rtが負の値であり、半径点Pが他方の補正領域に含まれるとき、左輪での制動力の大きさが右輪での制動力の大きさよりも大きいため、車両10が左に旋回する力を受ける。これにより、実曲率半径Raの絶対値が目標曲率半径Rtの絶対値よりも小さくなる。
このとき、自動制動装置14は、例えば、左輪に対するブレーキ装置の駆動量を所定の大きさだけ小さくして左輪での制動力の大きさを所定の大きさだけ小さくし、実曲率半径Raと目標曲率半径Rtとの差を小さくする。
これにより、ブレーキ装置が自動で駆動されるとき、車両10の実曲率半径Raと目標曲率半径Rtとの差が小さくされるため、ブレーキ装置が駆動された状態でも、運転者の操作と車両の軌跡との間の差異を抑えることができる。
また、相対的に大きい制動力の大きさを相対的に小さい制動力の大きさに近付けるため、相対的に小さい制動力の大きさを相対的に大きい制動力の大きさに近付ける構成と比べて、2つの制動力の間の差を確実に小さくすることができる。それゆえに、運転者の操作と車両の軌跡との間の差を確実に抑えることができる。
第3直線66は、実曲率半径Raの絶対値が目標曲率半径Rtの絶対値よりも所定の長さだけ小さい点の集合であり、半径差ΔRが所定の長さ以上である点の集合である。半径点Pが第3直線66以下であり、自動制動装置14は、ブレーキ装置の駆動を解除する。すなわち、第3直線66を構成する点の各々は、自動制動装置14がブレーキ装置の駆動を解除するか否かを判断するための閾値であって、上述した2つの閾値のうちの第1閾値である。自動制動装置14は、半径点Pが第3直線66と横軸63とにより区画される2つの解除領域のいずれかに含まれるとき、ブレーキ装置の駆動を解除する。
制動力マップ61では、車両10の旋回量が大きいほど、第2直線65と第3直線66との距離が小さくなる。つまり、車両10の旋回量が大きいほど、半径差ΔRが小さくとも、半径点Pが2つの解除領域のいずれかに含まれる。そのため、車両の旋回量が変わっても、同じ半径差ΔRであるときに半径点Pが2つの解除領域のいずれかに含まれる構成と比べて、車両10の旋回量が相対的に大きいときには車両10の旋回がより抑えられる。一方、車両10の旋回量が相対的に小さいときには、車両10の制動力が抑えられすぎない。
このように、車両10の実曲率半径Raと、目標曲率半径Rt、すなわち、運転者の操作に基づく曲率半径との差が開いたときにもブレーキ装置の駆動が解除される。そのため、運転者の操作と車両の軌跡との間の差異が抑えられる機会がより多くなる。
[自動制動装置の処理の手順]
図7を参照して自動制動装置14の処理の手順を説明する。なお、図7が示す複数の処理は、図3が示す処理のうち、ステップS16での判断がNOである場合に、一連の処理が終了される前に行われる一連の処理である。
図7が示すように、自動制動装置14は、操舵角と車速とを用いて目標曲率半径Rtを算出する(ステップS21)。自動制動装置14は、算出した目標曲率半径RtとステップS14にて算出した実曲率半径Raとを制動力マップに適用し、自動制動装置14は、半径点Pが2つの駆動領域のいずれかに含まれるか否かを判断する(ステップS22)。自動制動装置14は、半径点Pが2つの駆動領域のいずれかに含まれると判断したとき(ステップS22:YES)、一連の処理を一旦終了する。
一方、自動制動装置14は、半径点Pが2つの駆動領域のいずれにも含まれないと判断したとき(ステップS22:NO)、半径点Pが制動力マップのうち、2つの補正領域のいずれかに含まれるか否かを判断する(ステップS23)。自動制動装置14は、半径点Pが2つの補正領域のいずれかに含まれると判断したとき(ステップS23:YES)、駆動補正信号を生成してブレーキアクチュエーター13に向けて出力する(ステップS24)。自動制動装置14は、ステップS24の処理を終了すると、一連の処理を一旦終了する。
また、自動制動装置14は、半径点Pが2つの補正領域のいずれにも含まれないと判断したとき(ステップS23:NO)、駆動解除信号を生成してブレーキアクチュエーター13に向けて出力する(ステップS25)。自動制動装置14は、ステップS25の処理を終了すると、一連の処理を一旦終了する。
[自動制動装置の作用]
図8を参照して自動制動装置14の作用を説明する。
図8が示すように、自車両71が1つの方向に沿って延びる車線81に沿って走行しているとき、自車両71が、車線81に沿って自車両71の前方を走行する前方車両72に近付く。これにより、自車両71が前方車両72に衝突するまでにかかる時間である衝突予測時間が時間閾値以下になると、自車両71の備えるブレーキ装置が自動制動装置14によって駆動される。
ブレーキ装置が自動で駆動され、かつ、半径点Pが2つの補正領域のいずれかに含まれるとき、右輪での制動力の大きさと左輪での制動力の大きさとのうち、大きいほうの制動力の大きさが小さくされる。これにより、実曲率半径Raと目標曲率半径Rtとの差が小さくされる。そのため、自車両71の走行軌跡は、自車両71の走行方向である車線81の延びる方向に沿った方向に対して、右左方向のいずれかに旋回する力を受けにくくなる。それゆえに、自車両71は、運転者が自車両71を車線81の延びる方向に沿って走行させている限りは、車線81上の前方位置71aに位置しやすくなる。結果として、ブレーキ装置が駆動された状態でも、運転者の操作と車両の軌跡との間の差異を抑えることができる。
また、ブレーキ装置が自動で駆動され、かつ、半径点Pが2つの解除領域のいずれかに含まれるとき、ブレーキ装置の駆動が解除される。そのため、自車両71の走行軌跡は、ブレーキ装置が自動で駆動されることによっては右左方向のいずれかに旋回する力を受けない。それゆえに、運転者の操作と車両の軌跡との間の差異を抑えることができる。
これに対して、ブレーキ装置が自動で駆動され、かつ、半径点Pが2つの補正領域のいずれかに含まれる状態でも、ブレーキ装置の制動力が補正されないとき、車線81の延びる方向に沿って走行している自車両71は、左右方向のいずれかに旋回させる力を受ける。
また、ブレーキ装置が自動で駆動され、かつ、半径点Pが解除領域に含まれる状態でも、ブレーキ装置の駆動が解除されないとき、車線81の延びる方向に沿って走行している自車両71は、左右方向のいずれかに旋回させる力をより受ける。
例えば、自車両71が右方向に旋回させる力を受けるとき、運転者が自車両71を車線81の延びる方向に沿って走行させても、自車両71は、車線81の延びる方向に対して右方向に向かって走行してしまう。これにより、自車両71は、右旋回位置71bに位置してしまう。
一方、自車両71が左方向に旋回させる力を受けるとき、運転者が自車両71を車線81の延びる方向に沿って走行させても、自車両71は、車線81の延びる方向に対して左方向に向かって走行してしまう。これにより、自車両71は、左旋回位置71cに位置してしまう。
以上説明したように、第2実施形態の自動制動装置によれば、上述した(1)の効果に加えて、以下に列挙する効果が得られる。
(2)ブレーキ装置が自動で駆動されるとき、車両10の実曲率半径Raと目標曲率半径Rtとの差が小さくされるため、ブレーキ装置が駆動された状態でも、運転者の操作と車両10の軌跡との間の差異を抑えることができる。
(3)車両10の実曲率半径Raと、目標曲率半径Rt、すなわち、運転者の操作に基づく曲率半径との差が開いたときにもブレーキ装置の駆動が解除される。そのため、運転者の操作と車両10の軌跡との間の差異が抑えられる機会がより多くなる。
(4)車両10の実曲率半径Raが、移動量を求めるための加速度の算出にも用いられるため、自動制動装置14が演算に用いるデータの種類を少なくすることができる。
(5)相対的に大きい制動力の大きさを相対的に小さい制動力の大きさに近付けるため、2つの制動力の間の差を確実に小さくすることができる。それゆえに、運転者の操作と車両10の軌跡との間の差を確実に抑えることができる。
なお、第2実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・自動制動装置14は、半径差ΔRを小さくするために、状態判断部52が相対的に小さいと判断した制動力の大きさを、状態判断部52が相対的に大きいと判断した制動力の大きさに近付けてもよい。ただし、自動制動装置14が、ブレーキ装置の制動力における上限値に近い制動力となるように駆動させているとき、半径差ΔRを小さくする程度に相対的に小さい制動力の大きさを相対的に大きい制動力の大きさに近付けることができない場合もある。そのため、実施形態に記載のように、自動制動装置14は、相対的に大きい制動力の大きさを相対的に小さい制動力の大きさに近付ける構成のほうが好ましい。
・ブレーキ装置の駆動を解除するか否かを判断するための閾値である第1閾値は、車両10の旋回量および目標とする旋回量に合わせて変わる。これに限らず、第1閾値は、車両10の旋回量および目標とする旋回量にかかわらず、一定であってもよい。
・状態判断部52は、車両10の旋回状態として車両10の走行軌跡における曲率半径を用いたが、旋回状態として車両10のヨーレートや、GPSから得られた旋回状態に関する情報などを用いてもよい。こうした構成では、状態判断部52は、ヨーレートセンサー18の測定した実際のヨーレートと、車速と操舵角とを用いて算出した目標とするヨーレートとの差が所定の閾値以上であると判断したとき、ブレーキ装置の駆動を解除すればよい。あるいは、状態判断部52は、GPSから得られた旋回状態に関する情報と、車速と操舵角とを用いて算出した旋回状態との差が所定の閾値以上であると判断したとき、ブレーキ装置の駆動を解除すればよい。
・自動制動装置14は、状態判断部52が車両10の旋回状態と目標とする旋回状態との差が所定の閾値以上であると判断したとき、ブレーキ装置の駆動を解除する処理を行わない構成でもよい。
・制御信号生成部23は、ヨーレートセンサー18の測定した実際のヨーレートと、車速と操舵角とを用いて算出した目標とするヨーレートとの差が異なると状態判断部52が判断したとき、これらの差が小さくなるように、衝突判断部22の判断結果に基づきブレーキ装置が駆動された後のブレーキ装置の駆動量を補正するための制御信号を生成する構成でもよい。
・自動制動装置14は、半径点Pが2つの補正領域のいずれかに含まれるとき、ブレーキ装置の駆動量を制御して、ブレーキ装置の制動力を所定の大きさだけ補正する構成でなくともよい。自動制動装置14は、車両10の旋回状態と目標とする旋回状態との差が大きいほど、衝突判断部22の判断結果に基づいてブレーキ装置が駆動されるときの駆動量と、補正後の駆動量との差を大きくする構成でもよい。こうした構成によれば、車両10の実際の旋回状態と目標とする旋回状態との差にあわせて制動力の補正される割合が変わるため、制動力の補正の割合が車両10の状態により即した割合になる。
・制動力の補正を行うか否かを判断するための閾値である第2閾値は、車両10の旋回量および目標とする旋回量に合わせて変わる。これに限らず、第2閾値は、車両10の旋回量および目標とする旋回量にかかわらず、一定であってもよい。
・状態判断部52は、実際の旋回状態と目標とする旋回状態とを上述した制動力マップ61に適用して、実際の旋回状態と目標とする旋回状態とが異なるか否かを判断する構成でなくともよい。状態判断部52は、演算によって実際の旋回状態と目標とする旋回状態とが異なるか否かを判断する構成でもよい。
・状態判断部52は、実際の旋回状態と目標とする旋回状態とを制動力マップ61に適用して、右輪の制動力の大きさと左輪の制動力の大きさとのいずれか大きいかを判断する構成でなくともよい。状態判断部52は、演算によって右輪の制動力と左輪の制動力とのいずれが大きいかを判断する構成でもよい。
・自動制動装置14は、実曲率半径Raが、目標曲率半径Rtよりも大きいときにのみ、ブレーキ装置の駆動量の補正、および、ブレーキ装置の駆動の解除を行う。これに限らず、自動制動装置14は、実曲率半径Raが目標曲率半径Rtよりも小さいときにも、ブレーキ装置の駆動量の補正、および、ブレーキ装置の駆動の解除を行う構成でもよい。こうした構成によれば、運転者の操作と車両10の軌跡との間の差を抑えることができる機会を増やすことができる。
あるいは、自動制動装置14は、実曲率半径Raが目標曲率半径Rtよりも小さいときにのみ、ブレーキ装置の駆動量の補正、および、ブレーキ装置の駆動の解除を行う構成でもよい。こうした構成であっても、実曲率半径Raが目標曲率半径Rtよりも小さいときには、少なくとも運転者の操作と車両10の軌跡との間の差を抑えることができる。
10…車両、11a…前右輪、11b…前左輪、11c…後右輪、11d…後左輪、12a,12b,12c,12d…ブレーキ、13…ブレーキアクチュエーター、14…自動制動装置、15…ステアリングセンサー、16…ミリ波レーダー、17…車速センサー、18…ヨーレートセンサー、21…時間算出部、22…衝突判断部、23…制御信号生成部、24…駆動部、25…移動量算出部、26…距離判断部、31,71…自車両、31a,71a…前方位置、31b,71b…右旋回位置、31c,71c…左旋回位置、32…前方車両、33…対向車両、41…第1車線、42…第2車線、43…中央線、51…目標算出部、52…状態判断部、61…制動力マップ、62…縦軸、63…横軸、64…第1直線、65…第2直線、66…第3直線、81…車線。

Claims (5)

  1. 対象物に対する車両の衝突予測時間を算出する時間算出部と、
    前記衝突予測時間が所定の時間閾値以下であるか否かを判断する衝突判断部と、
    前記衝突予測時間が前記時間閾値以下であると前記衝突判断部が判断したときにブレーキ装置を駆動する駆動部と、
    前記ブレーキ装置が駆動された状態での前記車両の前後方向に交差する方向の加速度を用いて前記車両の前記交差する方向への移動量を算出する移動量算出部と、
    前記移動量算出部の算出した前記移動量が所定の距離閾値以上であるか否かを判断する距離判断部と、
    前記駆動部による前記ブレーキ装置の駆動を解除する解除条件に、前記移動量が前記距離閾値以上であると前記距離判断部が判断したことを含み、前記解除条件が成立したときに前記駆動を解除する駆動解除部と、を備える
    自動制動装置。
  2. 前記車両の速度である車速を取得する車速取得部と、
    ステアリングホイールの操舵角を取得する操舵角取得部と、
    前記車両の旋回状態を取得する旋回状態取得部と、
    前記車速取得部の取得した前記車速と、前記操舵角取得部の取得した前記操舵角とを用いて目標とする旋回状態を算出する目標算出部と、
    前記旋回状態取得部の取得した前記車両の旋回状態と、前記目標算出部の算出した前記目標とする旋回状態とが異なるか否かを判断する状態判断部と、
    前記移動量が前記距離閾値未満であると前記距離判断部が判断し、かつ、前記車両の旋回状態と前記目標とする旋回状態とが異なると前記状態判断部が判断したとき、前記車両の旋回状態と前記目標とする旋回状態との差が小さくなるように、前記ブレーキ装置の制動力を制御する制動力制御部と、をさらに備える
    請求項1に記載の自動制動装置。
  3. 前記状態判断部は、
    前記車両の旋回状態と前記目標とする旋回状態との差が所定の閾値以上であるか否かを判断し、
    前記駆動解除部は、
    前記移動量が前記距離閾値未満であると前記距離判断部が判断し、かつ、前記車両の旋回状態と前記目標とする旋回状態との差が所定の閾値以上であると前記状態判断部が判断したとき、前記駆動部による前記ブレーキ装置の駆動を解除する
    請求項2に記載の自動制動装置。
  4. 前記車両の旋回状態は、前記車両の走行軌跡における曲率半径であり、
    前記移動量算出部は、
    前記曲率半径を用いて前記交差する方向の加速度を算出し、前記交差する方向の加速度の算出結果を用いて前記車両の前記交差する方向への移動量を算出する
    請求項2または3に記載の自動制動装置。
  5. 前記状態判断部は、
    前記車両の旋回状態と前記目標とする旋回状態とから、右輪の制動力と左輪の制動力とのいずれか大きいかをさらに判断し、
    前記制動力制御部は、
    前記右輪の制動力と前記左輪の制動力とのうち、状態判断部が相対的に大きいと判断した制動力の大きさを小さくして、状態判断部が相対的に小さいと判断した制動力の大きさに近付ける
    請求項2から4のいずれか一項に記載の自動制動装置。
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